JP2000286125A - 積層電子部品 - Google Patents
積層電子部品Info
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Abstract
実にすることができる積層電子部品を提供する。 【解決手段】 フェライトシート20を積層して形成さ
れた積層電子部品において、フェライトシート20に略
コ字状のコイル導体パターン30を形成するとともに、
コイル導体パターン30の端部に該パターンに沿った長
孔形状のスルーホール40を形成したので、フェライト
シート20に層間接続用のランドを設けることなく、接
続面積を確保し、積層ずれが生じても導通不良が生じな
い。また、層間接続用のランドを設ける必要がないの
で、当該ランドによる浮遊容量の発生を防止することが
できる。
Description
積層フィルタ等の積層電子部品に関する。
て図9及び図10に示す積層インダクタが知られてい
る。図9は従来の積層インダクタにおける積層体の分解
斜視図、図10はフェライトシートの平面図である。
内部電極が埋設された略直方体形状の積層体と、積層体
の両端部に形成され前記内部電極と導通接続する一対の
外部電極とを備えている。内部電極は、磁束方向が外部
電極を結ぶ方向となるように巻回されたコイルを形成し
ており、コイルの両端が積層体の端面に引き出されそれ
ぞれ外部電極と接続している。
らなる。図9に示すように、この積層体101は、複数
のフェライトシート102を外部電極を結ぶ方向(図9
では紙面上下方向)に積層圧着して形成されている。各
フェライトシート102には、導体パターン103が形
成されている。隣り合うフェライトシート102の導体
パターン103は、スルーホール104により相互に接
続されている。すなわち、導体パターン103はスルー
ホール104を形成した後のフェライトシート102に
導電性ペーストを塗布して形成されたものであり、この
塗布時に、スルーホール104内にも導電性ペーストが
充填され、これにより隣り合うフェライトシート102
間が導通接続される。
に、積層体の中央部においては、略コ字状に形成される
とともに、その端部にスルーホール104による接続用
のランド105を有している。また、導体パターン10
3は、積層体の両端部においては、前記コイルを端面に
引き出すために、スルーホール104による接続用のラ
ンド105のみが形成されている。
積層電子部品では、スルーホールによる導体パターン間
の導通接続を確実に行うことが重要である。特に、前述
した積層インダクタのように、外部電極を結ぶ方向にフ
ェライトシートを積層して形成する場合には、スルーホ
ールによる接続箇所が多くなるので、この問題は重要で
ある。スルーホールによる接続における接続不良として
は、積層ずれが挙げられる。すなわち、上下層のシート
が互いにずれて積層されることにより上側の導体パター
ンと下側の導体パターンとの導通接続が不十分になる場
合がある。また、このような上下層のシートが互いにず
れた状態で積層されると、導通接続は維持されているも
のの、スルーホールと導体パターンの接触面積が減少す
ることになる。この接触面積の減少は、接触抵抗が増大
を招き、耐電流が小さくなり好ましいものではなくなる
という問題もある。
照して前述したように、従来の積層インダクタ100で
は、スルーホール104を介して接続する部位にランド
105を形成している。このランド105の直径は、コ
イルを形成する導体パターン103の幅よりも大きく、
また、スルーホール104を被覆する大きさに形成して
いる。これにより、多少の積層ずれが生じてもランド1
05とスルーホール104の接続を維持し、さらに接触
面積も維持している。
ランド105を設けているため、導体パターン103が
理想的なコイル形成用の形状とならなくなり、また、ラ
ンド105と外部電極との浮遊容量が増加するため、自
己共振周波数(f0)が下がるという問題があった。
であり、その目的とするところは、電気的特性を維持し
つつ内部電極の導通を確実にすることができる積層電子
部品を提供することにある。
に、請求項1では、内部電極を形成する導体パターンが
印刷された複数の絶縁シートを積層して形成される積層
電子部品において、互いに異なる層の導体パターン間
が、線状の導体パターン上にその長さ方向に沿って形成
された長孔形状のスルーホールを介して接続されている
ことを特徴とするものを提案する。
体パターン上にその長さ方向に沿って長孔形状に形成さ
れているので、スルーホール接続用のランドを形成する
ことなく、接触面積を大きく維持したまま導体パターン
間の導通接続が確実なものとなる。これにより、ランド
形成により生じる浮遊容量の増加や自己共振周波数の低
下を防止できる。また、スルーホールが長孔形状に形成
されているので、絶縁シートの積層がスルーホールの長
手方向に多少ずれても、導体パターンの接続を十分に確
保できる。
電子部品において、前記スルーホールによる接続におい
て接続対象となる導体パターンは、スルーホールの長手
方向に直交する方向を長さ方向とする線状に形成されて
いることを特徴とするものを提案する。
ーホールの短手方向に多少ずれても、導体パターンの接
続を十分に確保できる。
3では、請求項1又は2何れか1項記載の積層電子部品
において、内部電極がコイルを形成していることを特徴
とするものを提案する。さらに、請求項4では、請求項
3記載の積層電子部品において、積層体には、コイルの
磁束方向の両端部に、内部電極と導通接続する外部電極
が形成されていることを特徴とするものを提案する。
層電子部品について図1〜図3を参照して説明する。本
実施の形態では、積層電子部品の一例として積層インダ
クタについて説明する。図1は積層インダクタの積層体
の外観斜視図、図2は積層インダクタにおける積層体の
分解斜視図、図3はフェライトシートの平面図である。
うに、コイルを形成する内部電極12が埋設された略直
方体形状の積層体11と、積層体11の両端部に形成さ
れ前記内部電極12と導通接続する一対の外部電極13
とを備えている。内部電極12は、磁束方向が外部電極
13を結ぶ方向となるように巻回されたコイルを形成し
ており、コイルの両端が積層体11の端面に引き出さ
れ、それぞれ外部電極13と接続している。
質からなる。図2に示すように、この積層体11は、絶
縁シートである複数のフェライトシート20を外部電極
を結ぶ方向(図2では紙面上下方向)に積層圧着し、こ
れを焼成して形成されている。フェライトシート20に
は、積層体11の中央部においてはコイルを形成するコ
イル導体パターン30が形成されており、積層体11の
両端部にはコイルを積層体11の端面に引き出す引出導
体パターン31が形成されている。隣り合うフェライト
シート20のコイル導体パターン30又は引出導体パタ
ーン31は、それぞれスルーホール40及びスルーホー
ル41により相互に接続されている。なお、以下の説明
では、シートの相対的な位置関係について、図2におけ
る紙面上下方向をもって表す。
に示すように、所定幅の略コ字状のパターンに形成され
ている。コイル導体パターン30の一端部にはスルーホ
ール40が形成されており、このスルーホール40を介
して下層のシートに形成されているコイル導体パターン
30又は引出導体パターン31と接続する。また、コイ
ル導体パターン30の他端部は、上層のシートに形成さ
れたスルーホール40又は41を介して当該上層のシー
トに形成されたコイル導体パターン30又は引出導体パ
ターン31と接続する。隣り合うフェライトシート20
に形成された各コイル導体パターン30は、コ字形状の
開口方向が相対的に90°回転するように形成されてい
る。これにより、コイル導体パターン30は、外部電極
13を結ぶ方向を軸として螺旋状に導通接続し、内部電
極12のコイル部を形成する。
に、ランド形状のパターンに形成されている。この引出
導体パターン31の中心には、スルーホール41が形成
されている。これにより、コイルを積層体11の端面に
引き出す内部電極12の引出部を形成する。
前記コイル導体パターン30に被覆されるように当該コ
イル導体パターン30よりも小さい幅の長孔形状に穿孔
されている。この長孔形状としては、例えば長方形や楕
円形や長円形である。このスルーホール40は、長手方
向がコイル導体パターン30の長さ方向に沿うように形
成されている。このスルーホール40には、コイル導体
パターン30の形成時に充填された当該パターンと同一
物質が充填されている。これにより、コイル導体パター
ン30と下層に配置されたフェライトシート20のコイ
ル導体パターン30又は引出導体パターン31が接続さ
れる。なお、図3において、点線は下層のフェライトシ
ート20に形成されたコイル導体パターン30を表し、
また、ハッチング部はスルーホール40による接続部を
表している。
出導体パターン31のほぼ中心位置に穿孔されている。
スルーホール41は、引出導体パターン31の約半分の
直径を有するように形成されている。このスルーホール
41にも、前記スルーホール40と同様に、引出導体パ
ターン31の形成時に充填された当該パターンと同一物
質が充填されている。
する内部電極12と接続している。具体的には、積層体
11の一端側は、最上層のフェライトシート20に形成
された引出導体パターン31と接続し、他端側は最下層
のフェライトシート20に形成されたスルーホール41
と接続している。
について説明する。なお、ここでは多数の積層インダク
タ10をまとめて製造する場合について説明する。
的には、FeO2,CuO,ZnO,NiOからなる仮
焼粉砕後のフェライト微粉末に、エチルセルロース、テ
ルピネオールを加え、これを混練してフェライトペース
トを得る。このフェライトペーストをドクターブレード
法等を用いてシート化してフェライトシートを得る。
打ち抜きやレーザ加工などの手段を用いて前述したスル
ーホール40又は41を形成する。次いで、このフェラ
イトシートに導電性ペーストを所定パターンで印刷す
る。ここで、導電性ペーストの印刷パターンは、スルー
ホール40を形成したシートには前記コイル導体パター
ンとなるように形成し、スルーホール41を形成したシ
ートには前記引出導体パターンとなるように形成する。
ここで、導電性ペーストとしては、例えばAgを主成分
とした金属ペーストを用いる。
の導体パターンが互いにスルーホール40又は41で接
続されるように積層圧着してシート積層体を得る。次い
で、このシート積層体を単位形状にカットする。
間加熱してバインダ成分を除去し、さらに空気中にて約
850〜900℃で2時間焼成することにより、内部電
極12が埋設された積層体11を得る。
プ法などを用いて導電性ペーストを塗布し、これを空気
中にて約800℃で2時間焼成することにより、外部電
極13を形成する。ここで、導電性ペーストとしては、
内部電極形成用のものと同じ組成のものを用いた。最後
に、外部電極13にメッキ処理を施し積層インダクタ1
0が得られる。
ホール40が線状のコイル導体パターン30上にその長
さ方向に沿って長孔形状に形成されているので、スルー
ホール接続用のランドを形成することなく、接触面積を
大きく維持したままコイル導体パターン30又は引出導
体パターン31間の導通接続が確実なものとなる。これ
により、ランド形成により生じる浮遊容量の増加や自己
共振周波数の低下を防止できる。
されているので、図4(a)に示すように、フェライト
シート20の積層がスルーホール40の長手方向に多少
ずれても導体パターンの接続を十分に確保できる。ここ
で、図4は積層体の断面図である。また、図中において
ハッチング部が接続部を表している。
いて接続対象となる下層のシートに形成されたコイル導
体パターン30は、スルーホール40の長手方向に直交
する方向を長さ方向とする線状に形成されているので、
図4(b)に示すように、フェライトシート20の積層
がスルーホール40の短手方向に多少ずれても導体パタ
ーンの接続を十分に確保できる。
て、外形寸法が2.1mmx2.1xmmx2.5m
m、コイル導体パターン30の線幅が200μm、ター
ン数が5、スルーホール40の形状が160μmx30
0μmの長円である積層インダクタ10を200個作成
して各種電気特性を測定して表1を得た。なお、比較対
照として、図8及び図9を参照して前述した従来の積層
インダクタ100を同数作成した。この積層インダクタ
100は、ランド径を260μm、スルーホール径22
0μmとした。寸法、ターン数、材質等は前記積層イン
ダクタ10と同一とした。
形態にかかる積層インダクタでは、生産性を落とすこと
なく、低い直流抵抗値を有し、導通不良が少なく、高耐
電流性を有し、高い自己共振周波数を有する積層インダ
クタを得ることができた。
ーン30を略コ字形状のパターンに形成したが、本発明
はこれに限定されることはない。例えば図5及び図6に
示すように、コイル導体パターン30のスルーホール4
0が形成されていない端部を、さらに屈曲して形成して
もよい。この場合には、上層のシートに形成したスルー
ホール40との接触面積がさらに向上するので、積層ず
れが生じても導通不良を起こすことがない。また、図7
に示すように、導体パターン30を曲線状のパターンに
形成するとともに、スルーホール40をこれに沿うよう
に曲線状に形成してもよい。なお、この場合には、スル
ーホール40の作成はレーザ穿孔が適している。
方向が外部電極13を結ぶ方向となるように内部電極1
2を形成したが、本発明はこれに限定されるものではな
い。すなわち、図8に示すような積層インダクタ10’
であってもよい。図8は、他の例にかかる積層インダク
タの一部分解斜視図である。図8に示すように、この積
層インダクタ10’は、コイルの磁束の方向が外部電極
13を結ぶ方向と直交するようにコイル導体パターン3
0’を形成している。また、最上層のコイル導体パター
ン30’の端部は積層体11の一方の端部に露出して引
出導体パターン31’を形成している。この引出導体パ
ターン31が一方の外部電極13に接続する。同様に、
最下層のコイル導体パターンの端部は積層体11の他方
の端部に露出し、他方の外部電極13に接続する。な
お、コイル導体パターン30’及びスルーホール40の
形成については前述した積層インダクタ10と同様であ
る。
の一例として積層インダクタを例示したが、本発明はこ
れに限定されることはない。例えば、積層フィルタやイ
ンダクタアレイなどスルーホールを介して層間が接続さ
れている積層電子部品であれば本発明を実施することが
できる。特に、本実施の形態のように、積層方向と磁束
の方向が同一方向となるような積層電子部品では、積層
数が大きくなることから本発明は有効である。
よれば、スルーホールが線状の導体パターン上にその長
さ方向に沿って長孔形状に形成されているので、スルー
ホール接続用のランドを形成することなく、接触面積を
大きく維持したまま導体パターン間の導通接続が確実な
ものとなる。これにより、ランド形成により生じる浮遊
容量の増加や自己共振周波数の低下を防止できる。ま
た、スルーホールが長孔形状に形成されているので、絶
縁シートの積層がスルーホールの長手方向に多少ずれて
も、導体パターンの接続を十分に確保できる。また、請
求項2の発明によれば、絶縁シートの積層がスルーホー
ルの短手方向に多少ずれても、導体パターンの接続を十
分に確保できる。したがって、電気的特性を維持しつつ
内部電極の導通を確実にすることができる。
の分解斜視図
イトシートの平面図
イトシートの平面図
図
視図
極、13…外部電極、20…フェライトシート、30…
コイル導体パターン、31…引出導体パターン、40,
41…スルーホール
Claims (4)
- 【請求項1】 内部電極を形成する導体パターンが印刷
された複数の絶縁シートを積層して形成される積層電子
部品において、 互いに異なる層の導体パターン間が、線状の導体パター
ン上にその長さ方向に沿って形成された長孔形状のスル
ーホールを介して接続されていることを特徴とする積層
電子部品。 - 【請求項2】 前記スルーホールによる接続において接
続対象となる導体パターンは、スルーホールの長手方向
に直交する方向を長さ方向とする線状に形成されている
ことを特徴とする請求項1記載の積層電子部品。 - 【請求項3】 内部電極がコイルを形成していることを
特徴とする請求項1又は2何れか1項記載の積層電子部
品。 - 【請求項4】 積層体には、コイルの磁束方向の両端部
に、内部電極と導通接続する外部電極が形成されている
ことを特徴とする請求項3記載の積層電子部品。
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