JP2001044038A - 積層電子部品 - Google Patents

積層電子部品

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JP2001044038A
JP2001044038A JP11219588A JP21958899A JP2001044038A JP 2001044038 A JP2001044038 A JP 2001044038A JP 11219588 A JP11219588 A JP 11219588A JP 21958899 A JP21958899 A JP 21958899A JP 2001044038 A JP2001044038 A JP 2001044038A
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hole
coil
holes
parallel
laminated
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JP11219588A
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Keiichi Kobayashi
啓一 小林
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Taiyo Yuden Co Ltd
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Taiyo Yuden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造歩留まりが高く且つ直流抵抗値の低いイ
ンダクタ素子を有する積層電子部品を提供する。 【解決手段】 複数のフェライトシート120に形成さ
れた導体パターン130が互いに平行となり且つそれぞ
れ端部のランド131においてスルーホール133を介
して並列接続され、この並列接続された複数の導体パタ
ーン130をスルーホール134を介して直列接続する
ことによりコイルを形成するとともに、前記スルーホー
ル133を、前記スルーホール134に対してフェライ
トシート120の積層方向と直交する方向にずれた位置
に形成した。これにより、直流抵抗成分が低く且つ耐電
流性に優れたものとなる。また、積層体の製造時にスル
ーホールの形成部分に応力が集中しないので、ターン抜
けが発生せず製造歩留まりが向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層インダクタや
積層フィルタ等のインダクタ素子を有する積層電子部品
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の積層電子部品としては、
出願人が提案した実願平3−113590号のマイクロ
フィルムに記載された積層インダクタが知られている。
この積層インダクタについて図8を参照して説明する。
図8は、従来の積層インダクタの積層構造を説明する積
層体の分解斜視図である。
【0003】この積層インダクタは、コイルを埋設した
積層体1と、積層体1の両端(図では紙面の左右方向の
両端)に形成され前記コイルの端部と接続した外部電極
(図示省略)を有している。積層体1は、コイルを形成
する導体パターン3が印刷された複数の磁性体シート2
を積層した構造となっている。導体パターン3は、隣り
合う2枚の磁性体シート2において同一の形状に形成さ
れており、この同一形状の2つの導体パターン3は、該
パターンの両端部に形成されたスルーホール4を介して
接続されている。すなわち、隣り合う2枚の磁性体シー
ト2において同一形状の導体パターン3は、スルーホー
ル4を介して並列接続されている。このような並列接続
された導体パターン3をスルーホール5を介して直列接
続することにより積層体1にコイルを形成している。コ
イルの端部となる導体パターン3は、積層体1の端面に
引き出されている。この導体パターン3の引出部は、外
部電極に接続している。なお、図8では、スルーホール
4又は5による接続を、磁性体シート間にひいた直線で
表している。
【0004】この積層インダクタの製造方法は、まず、
フェライトを主成分とする磁性体シート2にレーザ光や
パンチなどでスルーホール4又は5を形成し、Agなど
の金属を主成分とする導電性ペーストを所定パターンに
塗布することにより導体パターン3を形成する。ここ
で、スルーホール4又は5には導電性ペーストが充填さ
れる。この後に、磁性体シート2を積層圧着し、焼成す
ることにより積層体1が得られる。最後に、積層体1に
ディップ法などを用いて外部電極を形成することにより
積層インダクタが得られる。
【0005】このような積層インダクタでは、内蔵する
コイルが部分的に分岐した構造となっているため、RD
C(直流抵抗値)が低く且つ品質係数Qの高いものとな
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一般的に積層インダク
タは、スルーホール内に導電性ペーストが高密度で充填
されるため、積層工程においてスルーホール形成部分に
応力が集中しやすいという性質がある。そして、この応
力の集中によりスルーホールが下層の磁性体シートを突
き破って、下層の磁性体シートに形成された導体パター
ンと導通(ショート)する場合がある。この場合には、
コイルのターン数が減少し結果としてインダクタンス値
が低下する。このような現象は、「ターン抜け」と呼ば
れている。
【0007】ところで、前述の積層インダクタでは、図
8に示すように、並列接続された導体パターン3を直列
に接続するスルーホール5の上下に、同一の導体パター
ン3を並列接続するスルーホール4が形成されている。
すなわち、3つのスルーホールが積層方向の一直線上に
並んで形成される。このため、磁性体シート2の積層時
においてスルーホール形成部に応力が集中して、前述し
たターン抜け現象が生じる場合がある。このため、従来
の積層インダクタは製造歩留まりが悪いものであった。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、製造歩留まりが高く
且つ直流抵抗値の低いインダクタ素子を有する積層電子
部品を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1では、コイルを形成する導体パターンが印
刷された複数の絶縁シートを隣合う絶縁シートの導体パ
ターンが互いにスルーホールを介して接続するように積
層してなる積層体と、積層体の外面に形成され前記コイ
ルの端部に接続した外部電極とを有する積層電子部品に
おいて、前記コイルは、複数の絶縁シートに形成された
導体パターンが互いに平行となり且つそれぞれ端部にお
いて並列接続用スルーホールを介して並列接続され、こ
の並列接続された複数の導体パターンを直列接続用スル
ーホールを介して直列接続することにより螺旋状に形成
されており、前記並列接続用スルーホールは、前記直列
接続用スルーホールに対して絶縁シートの積層方向と直
交する方向にずれた位置に形成されていることを特徴と
するものを提案する。
【0010】本発明によれば、コイルに流れる電流の経
路の一部が並列接続された複数の導体パターンにより形
成されているので、直流抵抗成分の低いものとなる。ま
た、並列接続用スルーホールは、直列接続用スルーホー
ルに対して積層方向と直交する方向にずれた位置に形成
されているので、絶縁シートを積層する際に、スルーホ
ールの形成部分に応力が集中することを防ぐことができ
る。したがって、応力の集中により生じるターン抜けの
現象を回避できるので製造歩留まりが向上する。
【0011】また、請求項2では、請求項1記載の積層
電子部品において、前記導体パターンの両端部にはラン
ドが形成され、前記並列接続用スルーホール及び直列接
続用スルーホールは該ランドに接続していることを特徴
とするものを提案する。
【0012】本発明によれば、並列接続用スルーホール
及び直列接続用スルーホールがランドに接続しているの
で、両スルーホール間を流れる電流は当該ランドを流れ
ることになる。ここで、該電流は並列接続された導体パ
ターンに流れる電流の合成電流となり一の導体パターン
を流れる電流よりも大きくなる。しかしながら、当該電
流はパターン面積が広く耐電流性の高いランドを流れる
のでインダクタの耐電流特性が低下することがない。
【0013】また、請求項3では、請求項1又は2何れ
か1項記載の積層電子部品において、前記並列接続用ス
ルーホールは、前記直列接続用スルーホールに対して絶
縁シートの積層方向と直交し且つコイルの周回中心軸と
直列接続用スルーホールとを結ぶ直線方向にずれた位置
に形成されていることを特徴とするものを提案する。
【0014】本発明によれば、並列接続用スルーホール
と直列接続用スルーホールとの間を流れる電流方向がコ
イルの周回方向と直交するので、該電流によりインダク
タの特性が劣化することがない。すなわち、該電流がコ
イルの周回方向に対して逆方向となる成分を含む方向に
流れるとコイルに発生する磁界強度が低下するためイン
ダクタンス値が低下するが、本発明ではこのような特性
劣化を防止することができる。
【0015】さらに、請求項4では、請求項1〜3何れ
か1項記載の積層電子部品において、前記並列接続用ス
ルーホールと直列接続用スルーホールのずれは少なくと
も直列接続用スルーホールの直径以上であることを特徴
とするものを提案する。
【0016】本発明によれば、並列接続用スルーホール
と直列接続用スルーホールが積層方向の直線上に重なる
ことがないので、絶縁体シートを積層する際の応力の集
中を確実に防ぐことができる。したがって、応力の集中
により生じるターン抜けの現象を回避できるので製造歩
留まりが向上する。
【0017】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)本発明の第
1の実施の形態に係る積層電子部品について図1〜図5
を参照して説明する。本実施の形態では積層電子部品の
一例として一つのインダクタ素子を有する積層インダク
タについて説明する。図1は第1の実施の形態に係る積
層インダクタの積層構造を説明する積層体の分解斜視
図、図2は第1の実施の形態に係る積層インダクタの外
観斜視図、図3は第1の実施の形態に係る積層インダク
タの要部を説明する積層体の分解斜視図、図4は第1の
実施の形態に係る積層インダクタの導体パターンを説明
する平面図、図5は第1の実施の形態に係る積層インダ
クタの他の導体パターンを説明する平面図である。
【0018】この積層インダクタ100は、図1及び図
2に示すように、コイル102が埋設された略直方体形
状の積層体101と、積層体101の両端部に形成され
前記コイル102と導通接続する一対の外部電極103
とを備えている。コイル102は、外部電極103を結
ぶ方向と直交する方向(図では上下方向)に磁束が形成
されるように巻回されている。コイル102の両端は、
積層体101の端面に引き出されており、それぞれ外部
電極103と接続している。
【0019】積層体101は、フェライトなどの磁性体
物質からなる。すなわち、この積層体101は、図1に
示すように、絶縁シートである複数のフェライトシート
120を積層圧着し、これを焼成して形成されている。
積層体101の積層方向(図では上下方向)中央部にお
けるフェライトシート120には、端部に円形のランド
131を有すとともにコイル102となる導体パターン
130が形成されている。この導体パターン130が形
成されている複数のフェライトシート120の上下層
は、導体パターンが形成されていないフェライトシート
120を積層して構成されている。コイル102の端部
に相当する導体パターン130には、コイル102を積
層体101の端面に引き出す引出導体パターン132が
形成されている。この引出導体パターン132は、前記
外部電極103と接続している。
【0020】積層体101は、同一の導体パターン13
0が形成された複数枚(図では2枚)のフェライトシー
ト120を一組としており、複数組(図では7組)のフ
ェライトシート120を積層した構造となっている。各
組における導体パターン130は、互いに同じパターン
且つ同じ位置に形成されている。すなわち、各組におけ
る導体パターン130は層間で互いに平行となるように
配置されている。また、各組における導体パターン13
0は、端部に形成されたランド131が並列接続用スル
ーホール133を介して互いに並列接続されている。こ
れにより、各組においては導体パターン130が並列接
続される。また、このようにして各組において並列接続
された導体パターン130同士は、端部に形成されたラ
ンド131において直列接続用スルーホール134を介
して直列接続されている。ここで、隣り合う組における
導体パターン130は互いに開口部が90°回転するよ
うな略コ字状又は円弧状に形成されている。このような
構成により、コイル102は、並列接続された複数の経
路をさらに直列接続した螺旋状の経路を有する。なお、
図1では、並列接続用スルーホール133、直列接続用
スルーホール134による接続を、フェライトシート間
にひいた直線で表している。
【0021】ここで、ランド131における直列接続用
スルーホール134の接続箇所は、図3及び図4に示す
ように、並列接続用スルーホール133の接続位置と重
ならないようにずれた位置に形成される。この接続位置
のずれは、直列接続用スルーホール134の接続位置と
並列接続用スルーホール133の接続位置を通る仮想直
線が、コイル102の周回中心軸Oを通るような方向に
ずれている。また、この接続位置のずれは、少なくとも
直列接続用スルーホール134の直径以上の大きさだけ
ずれている。
【0022】次に、この積層インダクタ100の製造方
法について説明する。なお、ここでは多数の積層インダ
クタ100をまとめて製造する場合について説明する。
【0023】まず、フェライトシートを作成する。具体
的には、FeO2,CuO,ZnO,NiOからなる仮
焼粉砕後のフェライト微粉末に、エチルセルロース、テ
ルピネオールを加え、これを混練してフェライトペース
トを得る。このフェライトペーストをドクターブレード
法等を用いてシート化してフェライトシートを得る。
【0024】次に、このフェライトシートに金型による
打ち抜きやレーザ加工などの手段を用いて前述した並列
接続用スルーホール133又は直列接続用スルーホール
134を形成する。次いで、このフェライトシートに導
電性ペーストを所定パターンで印刷する。ここで、導電
性ペーストの印刷パターンは、前記導体パターン130
の形状となるように形成する。なお、導電性ペーストと
しては、例えばAgを主成分とした金属ペーストを用い
る。
【0025】次に、これらフェライトシートをシート間
の導体パターンが互いに並列接続用スルーホール133
又は直列接続用スルーホール134を介して接続される
ように積層圧着してシート積層体を得る。次いで、この
シート積層体を単位形状にカットする。
【0026】次に、これを空気中にて約400℃で2時
間加熱してバインダ成分を除去し、さらに空気中にて約
850〜900℃で2時間焼成することにより、コイル
102が埋設された積層体101を得る。
【0027】次いで、この積層体101の両端部にディ
ップ法などを用いて導電性ペーストを塗布し、これを空
気中にて約800℃で2時間焼成することにより、外部
電極103を形成する。ここで、導電性ペーストとして
は、コイル形成用のものと同じ組成のものを用いた。最
後に、外部電極103にメッキ処理を施し積層インダク
タ100が得られる。
【0028】このような積層インダクタ100では、コ
イル102が並列接続された複数の経路をさらに直列接
続した経路を有しているので、直流抵抗成分が低く且つ
耐電流性に優れたものとなる。ここで、コイル102の
経路において直列接続となる部分は直列接続用スルーホ
ール134及びランド131による形成されるが、両者
には十分な電流を流すことが可能なので、直流抵抗成分
及び耐電流性に影響を与えることはない。
【0029】また、隣り合う組同士においては並列接続
用スルーホール133・直列接続用スルーホール134
・並列接続用スルーホール133という3つのスルーホ
ールが集中して形成されるが、直列接続用スルーホール
134が並列接続用スルーホール133に対して積層方
向(図では紙面上下方向)と直交する方向にずれている
ので、フェライトシート120を積層する際に、スルー
ホールの形成部分に応力が集中することを防ぐことがで
きる。したがって、応力の集中により生じるターン抜け
の現象を回避できるので製造歩留まりが向上する。
【0030】さらに、直列接続用スルーホール134の
接続位置と並列接続用スルーホール133の接続位置と
の位置関係は、両者を通る仮想直線がコイル102の周
回中心軸Oを通るような方向にずれているので、両スル
ーホール間を流れる電流方向がコイル102の周回方向
と直交する。これにより、該電流によりインダクタの特
性が劣化することがない。すなわち、該電流がコイル1
02の周回方向に対して逆方向となる成分を含む方向に
流れるとコイルに発生する磁界強度が低下するためイン
ダクタンス値が低下するが、本発明ではこのような特性
劣化を防止することができる。
【0031】この積層インダクタ100を上記製造方法
により多数製造し、平均インダクタンス値、インダクタ
ンス値のばらつきを表す値であるLCV(標準偏差/平
均)、直流抵抗値(RDC)を測定した結果を表1に示
す。この測定では、比較対象として、並列接続用スルー
ホールと直列接続用スルーホールが積層方向に直線上に
配置された従来の積層インダクタ300と、コイルが本
発明のような並列構造を有さない従来の積層インダクタ
400を用意した。また、この測定においては、各積層
インダクタを、100nH(0.1μH)のインダクタ
ンス値を有するように作成した。さらに、フェライトシ
ートに形成する導体パターンの厚みは全て15μmと
し、スルーホールの直径は全て200μmとした。さら
に、本実施の形態に係る積層インダクタ100は、並列
接続用スルーホール133と並列接続用スルーホール1
34のセンター位置が互いに220μmずれるように作
成した。
【0032】
【表1】
【0033】この表が示すように、従来の積層インダク
タ300ではインダクタンス値が所望の値より低下して
いるが、これはインダクタンス値が低いグループが全体
の平均レベルを下げているためであった。これらインダ
クタンス値が低い積層インダクタ300を解析してみる
と、ターン抜けが起こっていることが分かった。このよ
うに、本実施の形態に係る積層インダクタ100は、直
流抵抗成分が小さく且つ製造歩留まりが良好であること
が確認できた。
【0034】なお、本実施の形態では、図4に示すよう
にランド131の形状を円形としたが本発明はこれに限
定されるものではない。例えば、図5に示すように、矩
形のランド131’としてもよい。
【0035】(第2の実施の形態)次に、本発明の第2
の実施の形態に係る積層電子部品について図6及び図7
を参照して説明する。本実施の形態では積層電子部品の
一例として一つのインダクタ素子を有する積層インダク
タについて説明する。図6は第2の実施の形態に係る積
層インダクタの積層構造を説明する積層体の分解斜視
図、図7は第2の実施の形態に係る積層インダクタの外
観斜視図である。
【0036】この積層インダクタ200が第1の実施の
形態に係る積層インダクタ100と相違する点は、フェ
ライトシートの積層方向と外部電極の形成位置とのとの
関係にある。すなわち、積層インダクタ200は、図6
及び図7に示すように、積層体201の積層方向の両端
部に外部電極203が形成されており、一対の外部電極
203を結ぶ方向とコイル202の内部に形成される磁
束の方向が一致している点で前記積層インダクタ100
と相違する。
【0037】積層体201は、図6に示すように、コイ
ル202を形成する導体パターン230が形成されたフ
ェライトシート220と、前記コイル202を積層体2
01の端面に引き出す引出用ランド235が形成された
フェライトシート220とを積層した構造となってい
る。コイル202の端部に相当する導体パターン230
は、端部がフェライトシート220の中心部に向かって
延びており、該端部にはランド231が形成されてい
る。引出用ランド235同士又は引出用ランド235と
導体パターン230は引出用スルーホール236を介し
て接続されている。なお、図6では、並列接続用スルー
ホール233、直列接続用スルーホール、引出用スルー
ホール236による接続を、フェライトシート間にひい
た直線で表している。
【0038】コイル202を形成する導体パターン23
0は、第1の実施の形態と同様に、複数枚(図では2
枚)が一組となって並列接続用スルーホール233を介
して並列接続されている。さらに、複数組(図では8
組)の並列接続された導体パターン230が直列接続用
スルーホール234を介して直列接続されている。ここ
で、並列接続用スルーホール233と直列接続用スルー
ホール234との位置関係等は第1の実施の形態と同様
である。
【0039】この積層インダクタ200は、前記第1の
実施の形態に係る積層インダクタ100と同様の作用・
効果を有している。すなわち、積層インダクタ200
は、直流抵抗成分が低く且つ耐電流性に優れるとともに
製造歩留まりが良好なものとなる。一般的に、外部電極
を結ぶ方向とコイルの内部に形成される磁束の方向が一
致するように作成される積層インダクタは、外部電極を
結ぶ方向とコイルの内部に形成される磁束の方向が直交
するように作成される積層インダクタよりも、シートの
積層枚数が多くなる場合が多い。したがって、前者の積
層インダクタは、スルーホールが集中して形成される箇
所が多いため、積層時のターン抜けが発生する問題は重
要であったが、本実施の形態に係る積層インダクタ20
0によればこの問題を解決することができる。
【0040】上述したように、第1及び第2の本実施の
形態では、積層電子部品として一つのインダクタ素子を
有する積層インダクタを例示したが、本発明はこれに限
定されるものではない。すなわち、例えば積層LCフィ
ルタのように他の素子を有する複合電子部品や、インダ
クタアレイのように複数のインダクタ素子を有する積層
電子部品であってもよい。
【0041】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1の発明に
よれば、コイルに流れる電流の経路の一部が並列接続さ
れた複数の導体パターンにより形成されているので、直
流抵抗成分の低いものとなる。また、並列接続用スルー
ホールは、直列接続用スルーホールに対して積層方向と
直交する方向にずれた位置に形成されているので、絶縁
シートを積層する際に、スルーホールの形成部分に応力
が集中することを防ぐことができる。したがって、応力
の集中により生じるターン抜けの現象を回避できるので
製造歩留まりが向上する。
【0042】また、請求項2の発明によれば、並列接続
用スルーホール及び直列接続用スルーホールがランドに
接続しているので、両スルーホール間を流れる電流は当
該ランドを流れることになる。ここで、該電流は並列接
続された導体パターンに流れる電流の合成電流となり一
の導体パターンを流れる電流よりも大きくなる。しかし
ながら、当該電流はパターン面積が広く耐電流性の高い
ランドを流れるのでインダクタの耐電流特性が低下する
ことがない。
【0043】さらに、請求項3の発明によれば、並列接
続用スルーホールと直列接続用スルーホールとの間を流
れる電流方向がコイルの周回方向と直交するので、該電
流によりインダクタの特性が劣化することがない。すな
わち、該電流がコイルの周回方向に対して逆方向となる
成分を含む方向に流れるとコイルに発生する磁界強度が
低下するためインダクタンス値が低下するが、本発明で
はこのような特性劣化を防止することができる。
【0044】さらに、請求項4の発明によれば、並列接
続用スルーホールと直列接続用スルーホールが積層方向
の直線上に重なることがないので、絶縁体シートを積層
する際の応力の集中を確実に防ぐことができる。したが
って、応力の集中により生じるターン抜けの現象を回避
できるので製造歩留まりが向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る積層インダクタの積層
構造を説明する積層体の分解斜視図
【図2】第1の実施の形態に係る積層インダクタの外観
斜視図
【図3】第1の実施の形態に係る積層インダクタの要部
を説明する積層体の分解斜視図
【図4】第1の実施の形態に係る積層インダクタの導体
パターンを説明する平面図
【図5】第1の実施の形態に係る積層インダクタの他の
導体パターンを説明する平面図
【図6】第2の実施の形態に係る積層インダクタの積層
構造を説明する積層体の分解斜視図
【図7】第2の実施の形態に係る積層インダクタの外観
斜視図
【図8】従来の積層インダクタの積層構造を説明する積
層体の分解斜視図
【符号の説明】
100,200…積層インダクタ、101,201…積
層体、102,202…コイル、103,203…外部
電極、120,220…フェライトシート、130,2
30…導体パターン、131,231…ランド、13
3,233…並列接続用スルーホール、134,234
…直列接続用スルーホール

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コイルを形成する導体パターンが印刷さ
    れた複数の絶縁シートを隣合う絶縁シートの導体パター
    ンが互いにスルーホールを介して接続するように積層し
    てなる積層体と、積層体の外面に形成され前記コイルの
    端部に接続した外部電極とを有する積層電子部品におい
    て、 前記コイルは、複数の絶縁シートに形成された導体パタ
    ーンが互いに平行となり且つそれぞれ端部において並列
    接続用スルーホールを介して並列接続され、この並列接
    続された複数の導体パターンを直列接続用スルーホール
    を介して直列接続することにより螺旋状に形成されてお
    り、 前記並列接続用スルーホールは、前記直列接続用スルー
    ホールに対して絶縁シートの積層方向と直交する方向に
    ずれた位置に形成されていることを特徴とする積層電子
    部品。
  2. 【請求項2】 前記導体パターンの両端部にはランドが
    形成され、前記並列接続用スルーホール及び直列接続用
    スルーホールは該ランドに接続していることを特徴とす
    る請求項1記載の積層電子部品。
  3. 【請求項3】 前記並列接続用スルーホールは、前記直
    列接続用スルーホールに対して絶縁シートの積層方向と
    直交し且つコイルの周回中心軸と直列接続用スルーホー
    ルとを結ぶ直線方向にずれた位置に形成されていること
    を特徴とする請求項1又は2何れか1項記載の積層電子
    部品。
  4. 【請求項4】 前記並列接続用スルーホールと直列接続
    用スルーホールのずれは少なくとも直列接続用スルーホ
    ールの直径以上であることを特徴とする請求項1〜3何
    れか1項記載の積層電子部品。
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