JP2005005595A - コイル部品 - Google Patents

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Katsuji Matsuda
勝治 松田
Masahiko Kawaguchi
正彦 川口
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Abstract

【課題】コイル部品の高周波特性の向上を図る。
【解決手段】スパイラル状導体パターン2A,2Bを絶縁層6を介して積層配置し、スパイラル状導体パターン2A,2Bを例えば絶縁層6のビアホール11を介し直列に接続して一つのコイルN2を構成する。スパイラル状導体パターン2A,2Bを互いに位置をずらして形成して非対向とする。スパイラル状導体パターン2A,2B間の浮遊容量が大幅に低減する。浮遊容量はコイルN2に等価的に並列接続された状態であり、当該浮遊容量とコイルN2はLC共振回路を構成して高周波特性を悪化させる原因となるが、浮遊容量を大幅に低減できることによって、コイルN2の通電電流の周波数よりもLC共振回路の共振周波数を高くすることができる。つまり、特性が悪化する周波数領域を使用周波数よりも高くする方向にずらすことができて高周波特性が改善できる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スパイラル状の導体パターンから成るコイルが設けられているコイル部品に関するものである。
【0002】
【背景技術】
図6にはコイル部品の一つであるトランス部品が簡略化された断面図により示され(例えば特許文献1参照)、図7にはそのトランス部品内部の等価回路図が示されている。このコイル部品30は、複数の平面状コイル31(31a,31b,31c)が絶縁層32を介しながら積層配置され、それら平面状コイル31と絶縁層32の積層体が上下方向から磁性体33a,33bにより挟み込まれて一体化されている形態を備えている。
【0003】
平面状コイル31a,31b,31cは、それぞれのコイル巻回の中心軸を同軸にして配置されており、それら平面状コイルのうち、例えば平面状コイル31a,31bは電気的に直列に接続されてトランスTの二次コイルN2を構成している。また、残りの平面状コイル31cは、二次コイルN2に電磁気的に結合する一次コイルN1を構成している。
【0004】
【特許文献1】
特開平4−293211号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図6に示す構成では、二次コイルN2は複数の平面状コイル31a,31bにより構成されており、それら平面状コイル31a,31bは絶縁層32を介して対向している。このため、それら平面状コイル31a,31b間に浮遊容量Cfが発生する。この浮遊容量Cfは、図7の点線に示されるように、二次コイルN2に等価的に並列接続された状態となってLC共振回路を構成する。
【0006】
二次コイルN2のインダクタンス値L2は、図8のグラフ中の点線αに示されるように、二次コイルN2を通電する交流電流の周波数fによらずに一定であることが望ましい。しかしながら、浮遊容量Cfと二次コイルN2によりLC共振回路が構成されると、二次コイルN2の通電電流の周波数がそのLC共振回路の共振周波数fsよりも大きい場合には、図8の実線βのように、二次コイルN2がインダクタとして働かず、コイル部品1の高周波特性が劣化する。なお、LC共振回路の共振周波数fsは、fs=1/2π(L2・Cf)1/2の数式から求まる周波数である。
【0007】
上記のように、浮遊容量Cfに起因してトランス部品30の高周波特性が劣化するという問題が生じる。
【0008】
この発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的は、コイルに並列的に発生する浮遊容量の低減を図って高周波特性に優れたコイル部品を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は次に示す構成をもって前記課題を解決するための手段としている。すなわち、この発明のコイル部品は、絶縁層を介しながら積層配置された複数のスパイラル状導体パターンが導通手段により電気的に直列接続されて成るコイルを有し、前記導通手段の少なくとも一つには外部接続用のタップ部が接続されている構成を備えたコイル部品であって、前記複数のスパイラル状導体パターンは互いに非対向となるべく位置をずらして形成されていることを特徴としている。
【0010】
さらに、この発明の別の構成の一つは、複数のスパイラル状導体パターンが電気的に直列接続されて成るコイルを有し、前記スパイラル状導体パターン間の接続部分に外部接続用のタップ部が接続されている構成を備えたコイル部品であって、前記複数のスパイラル状導体パターンは、巻回中心軸を同軸にして、互いにパターン巻回領域を巻回中心部から外側に向かう方向にずらして、同一平面上に形成されていることを特徴としている。
【0011】
さらにまた、この発明は、スパイラル状導体パターンから成る複数のコイルを有し、それらコイルの各々のスパイラル状導体パターンは巻回中心軸を同軸にして各スパイラル状導体パターン間に絶縁層を介しながら積層形成され、前記複数のコイルは電磁気的に結合されトランスと成し、前記複数のコイルのうちの少なくとも一つは複数のスパイラル状導体パターンを直列接続して一つのコイルとしたものであり、一つのコイルを構成する複数のスパイラル状導体パターンは互いに位置をずらして形成されていることをも特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明に係る実施形態例を図面に基づいて説明する。
【0013】
図1(a)には第1実施形態例のコイル部品が模式的な斜視図により示され、図1(b)には、図1(a)のコイル部品の分解図が示され、図1(c)には図1(a)のA−A部分の断面図が示されている。
【0014】
このコイル部品1は、図2の等価回路図に示されるように、一次コイルN1と二次コイルN2を有し、それら一次コイルN1と二次コイルN2が電磁気的に結合しているトランス部品(例えばバルントランス)である。
【0015】
このコイル部品1は、複数のスパイラル状導体パターン2A,2B,3と、外部接続用のタップ部であるタップ用配線パターン4と、引き出し配線パターン5と、絶縁層6(6a,6b,6c,6d,6e,6f)と、磁性体基板7a,7bとを有して構成されている。
【0016】
すなわち、この第1実施形態例のコイル部品1では、磁性体基板7aの上側に、絶縁層6aと、スパイラル状導体パターン2Aと、絶縁層6bと、タップ用配線パターン4と、絶縁層6cと、スパイラル状導体パターン2Bと、絶縁層6dと、スパイラル状導体パターン3と、絶縁層6eと、引き出し配線パターン5と、絶縁層6fと、磁性体基板7bとが順に積層形成されて一体化されている。この積層体の側面には、磁性体基板7aから磁性体基板7bに向かって伸長形成されている複数の外部接続用電極8(8a,8b,8c,8d,8e,8f)が互いに間隔を介して配設されている。
【0017】
この第1実施形態例では、スパイラル状導体パターン3が一次コイルN1を構成している。このスパイラル状導体パターン3の巻回外側端部3αは絶縁層6dの端縁部に伸びて外部接続用電極8aに接続されている。また、スパイラル状導体パターン3の巻回内側端部3βは、絶縁層6eに形成されたビアホール10を介して絶縁層6e上の引き出し配線パターン5に接続されている。この引き出し配線パターン5は外部接続用電極8cに接続されている。つまり、スパイラル状導体パターン3から成る一次コイルN1の両端部はそれぞれ外部接続用電極8a,8cによって外部と接続することができる。
【0018】
また、スパイラル状導体パターン2A,2Bは、それぞれ、巻回中心軸をスパイラル状導体パターン3の巻回中心軸と同軸にして配置形成され、これらスパイラル状導体パターン2A,2Bの巻回内側端部2Aβ,2Bβ同士が当該スパイラル状導体パターン2A,2B間の絶縁層6b,6cに形成された導通手段であるビアホール11を介して接続されている。スパイラル状導体パターン2Aの巻回外側端部2Aαは外部接続用電極8dに接続され、スパイラル状導体パターン2Bの巻回外側端部2Bαは外部接続用電極8fに接続されている。つまり、スパイラル状導体パターン2A,2Bはビアホール11を介して直列接続されて二次コイルN2を構成し、当該二次コイルN2の両端部はそれぞれ外部接続用電極8d,8fによって外部と接続することができる。
【0019】
この第1実施形態例では、スパイラル状導体パターン3から成る一次コイルN1のインダクタンス値と、スパイラル状導体パターン2A,2Bから成る二次コイルN2のインダクタンス値との比が1対2となるように、また、スパイラル状導体パターン2Aが持つインダクタンス値と、スパイラル状導体パターン2Bが持つインダクタンス値とが1対1の比となるように、スパイラル状導体パターン2A,2B,3の各々の巻回数などが設定されている。
【0020】
さらに、この第1実施形態例では、絶縁層6b上のタップ用配線パターン4はその一端側がビアホール11に接続され、他端側が外部接続用電極8eに接続されている。このタップ用配線パターン4は二次コイルN2におけるスパイラル状導体パターン2A,2Bの接続部分(ビアホール11)を外部接続用電極8eを介して外部に接続させる中間タップを構成している。
【0021】
この第1実施形態例では、スパイラル状導体パターン2A,2Bは次に示すような特徴的な構成を備えている。すなわち、例えば図1(c)に示されるように、スパイラル状導体パターン2Bは、絶縁層6cの中心部寄りの内側領域Kに巻回形成され、スパイラル状導体パターン2Aは、絶縁層6(6a)上において、その内側領域Kよりも外側の端縁寄りの領域にずらして巻回形成されており、スパイラル状導体パターン2A,2Bは互いに非対向となっている。
【0022】
このようにスパイラル状導体パターン2A,2Bは互いにずらして形成されて非対向となっていることから、スパイラル状導体パターン2A,2Bが対向配置されている場合に比べて、それらスパイラル状導体パターン2A,2B間に生じる浮遊容量Cfを大幅に低減することができる。
【0023】
ところで、二次コイルN2と浮遊容量CfによってLC共振回路が構成され、当該LC共振回路の共振周波数fsよりも二次コイルN2の通電電流の周波数が高い場合には、二次コイルN2はインダクタとして正常に動作しなくなってしまう。例えば、この第1実施形態例のコイル部品(トランス部品)1における一次コイルN1の一端側が図2の点線に示されるようにテレビ信号受信用のアンテナ13に接続されて当該コイル部品1がテレビチューナのインピーダンス変換用の部品として使用され、二次コイルN2の通電電流の周波数が、例えば約50MHz〜900MHzの周波数範囲である場合がある。二次コイルN2と浮遊容量Cfから成るLC共振回路の共振周波数fsが、その使用する周波数範囲内又はその周波数範囲よりも低い周波数(例えば図3に示す周波数f1や周波数f2)であると、二次コイルN2は図3の点線Aや鎖線Bに示すような周波数特性を持つこととなり、コイル部品1は正常に動作しなくなってしまうという問題が発生する。
【0024】
これに対して、この第1実施形態例では、スパイラル状導体パターン2A,2Bを非対向として、スパイラル状導体パターン2A,2B間の浮遊容量Cfを低減できる構成とした。これにより、浮遊容量Cfと二次コイルN2から成るLC共振回路の共振周波数fsを、設定の使用周波数範囲よりも高い周波数(例えば、図3に示す周波数f3)とすることができる。よって、この第1実施形態例の特徴的な構成を備えることにより、このコイル部品1の二次コイルN2は、スパイラル状導体パターン2A,2B間の浮遊容量Cfの悪影響を受けずに、図3の実線Cに示されるように、使用周波数範囲内の何れの周波数においても、設定のインダクタンス値L2を維持することができて、コイル部品1は正常に動作することができる。
【0025】
なお、スパイラル状導体パターン2A,2B,3と、タップ用配線パターン4と、引き出し配線パターン5とはそれぞれ導体により構成されるものであり、それらパターンを構成する導体の例を挙げると、例えば、Ag,Pd,Cu,Al等の金属や、複数の金属から成る合金などがある。
【0026】
また、絶縁層6を構成する絶縁材料としては、例えば、ポリイミド樹脂やエポキシ樹脂やベンゾシクロブテン樹脂などの樹脂や、石英等のガラスや、ガラスセラミックスや、感光性機能を付加した例えば感光性樹脂などの感光性絶縁材料や、セラミックス粉入り樹脂等のような複数種の絶縁材料を混合して成る複合絶縁材料などを挙げることができる。
【0027】
スパイラル状導体パターン2A,2B,3と、タップ用配線パターン4と、引き出し配線パターン5とのそれぞれを構成する導体材料や、絶縁層6を構成する絶縁材料は、加工し易さや、導体パターン2A,2B,3,4,5と絶縁層6との間の密着性などを考慮して、決定されるものである。
【0028】
また、磁性体基板7a,7bを構成する磁性体材料の例を挙げると、例えば、高周波特性に優れた例えばフェライトがある。なお、磁性体基板7a,7bの少なくとも絶縁層6と接触する面は、例えば表面粗さRaが0.5μm以下に研磨されて平坦な面と成していることが好ましい。それというのは、その磁性体基板7の表面粗さが絶縁層6や導体パターン2A,2B,3,4,5の形成に支障を来すことが無いようにするためである。
【0029】
以下に、この第1実施形態例のコイル部品1の製造工程の一例を説明する。まず、磁性体基板7aを複数切り出すことができる磁性体親基板を用意する。そして、その磁性体親基板の上面全面に、絶縁層構成材料(例えばポリイミド樹脂)を例えばスピンコート工法により塗布し熱硬化して絶縁層6aを形成する。
【0030】
その後、その絶縁層6a上にスパイラル状導体パターン2Aを形成する。このスパイラル状導体パターン2Aの形成には例えばフォトリソ工法を利用する。フォトリソ工法は、微細加工を高精度に行うことができるので、小型な部品を作製するには好適な工法である。
【0031】
フォトリソ工法によりスパイラル状導体パターン2Aを形成する場合には、例えば、まず、絶縁層6aの上面全面にスパイラル状導体パターン構成材料である導体(例えばAg)を形成する。そして、その導体層の上面全面に例えば感光性レジストを形成する。その後、レジストの露光処理を行う。つまり、レジスト層の上方側にスパイラル状導体パターン2A形成用のマスクを配置し、当該マスクを介して光をレジストに照射して例えばスパイラル状導体パターン2Aとなる部分に対応するレジスト部分を硬化させる。この露光処理の後に、未硬化なレジスト部分を除去する現像処理を行う。然る後に、レジスト除去部分から露出している導体層部分を例えばエッチング等により除去し、さらに不要となったレジストを剥離することにより、スパイラル状導体パターン2Aを形成する。
【0032】
スパイラル状導体パターン2Aの形成後には、そのスパイラル状導体パターン2Aの上側に絶縁層6bを積層形成する。そして、絶縁層6bにビアホール11を形成する。このビアホール11の形成にも例えばフォトリソ工法を利用する。この場合には、例えば絶縁層6bを感光性絶縁材料により構成する。例えば、ビアホール11の形成工程では、絶縁層6bの上方側にビアホール形成用のマスクを配置し、当該マスクを介して絶縁層6bに光を照射してビアホール11となる部分以外の部分を硬化させる(露光する)。この露光処理後に、未硬化な絶縁材料部分を除去してビアホール11となる孔部を形成する。
【0033】
このビアホール11の形成後に、絶縁層6bの上面にタップ用配線パターン4を形成する。このタップ用配線パターン4の形成にも例えばフォトリソ工法を利用する。このタップ用配線パターン4の形成時に導体材料が絶縁層6bのビアホール形成用孔部内に導体材料が入り込んで当該孔部の内壁面等に付着形成されてビアホール11が形成される。
【0034】
その後、タップ用配線パターン4の上部側には絶縁層6cが積層形成され、当該絶縁層6cに上記同様にフォトリソ工法によりビアホール11を形成するための孔部を形成する。
【0035】
そして、その絶縁層6cの上面に例えばフォトリソ工法を利用してスパイラル状導体パターン2Bを形成する。このとき、絶縁層6cの孔部の例えば内壁面等に導体材料が付着形成されて絶縁層6cにビアホール11が形成される。
【0036】
その後、絶縁層6dと、スパイラル状導体パターン3と、絶縁層6eと、当該絶縁層6eのビアホール10と、引き出し配線パターン5とを順に上記同様に例えばフォトリソ工法を利用して形成していく。そして、引き出し配線パターン5の上部側に絶縁層6fを形成する。この絶縁層6fは、磁性体基板7bと、磁性体基板7a側の積層体との接合手段として機能するものであり、例えば、熱可塑性のポリイミド樹脂により構成する。
【0037】
絶縁層6fの上側に磁性体基板7bを接合する工程では、例えば、その磁性体基板7bの接合は不活性ガス雰囲気中又は真空中で次に示すように行う。例えば、磁性体基板7a側の積層体の絶縁層6fの上に磁性体基板7bを載置し、絶縁層6fと磁性体基板7bが互いに押圧する方向に加圧しながら加熱して絶縁層6fを軟化させて絶縁層6fと磁性体基板7bを接合させる。然る後に、その加圧状態のまま冷却し、冷却後に加圧を解除する。このようにして、絶縁層6f上に磁性体基板7bが接合される。なお、絶縁層6f上に磁性体基板7bを接合する際に、磁性体基板7bの接合面にも絶縁層6fと同様の接合材料(例えば熱可塑性の絶縁材料)を形成しておいてもよい。
【0038】
ここまでの工程は、磁性体親基板の状態のままで行われている。この後に、上記積層体を例えばダイシング等の切断加工によって各コイル部品1毎に分離分割する。その後、各コイル部品1の側面にそれぞれ外部接続用電極8を形成する。
【0039】
上記のようにしてコイル部品1を作製することができる。
【0040】
この第1実施形態例のコイル部品1では、一次コイルN1を構成するスパイラル状導体パターン3と、二次コイルN2を構成するスパイラル状導体パターン2A,2Bとを含む積層体を上下方向から磁性体基板7a,7bにより挟み込む構成とした。この構成により、一次コイルN1と二次コイルN2により生じる磁束の磁路は略閉磁路となり、これにより、一次コイルN1と二次コイルN2の電磁結合度を高めることができ、また、損失を小さく抑制しながらインピーダンス変換を行うことができる。
【0041】
また、この第1実施形態例のコイル部品1は、磁性体(コア)に巻線を巻回して構成するのではなく、導体パターンを利用しているので、部品の小型化・低背化を促進させることが容易である。また、導体パターンなどを上記のように高精度なフォトリソ工法を利用して形成することによって、加工精度に起因したコイル部品1の性能のばらつきを小さく抑制することができる。
【0042】
なお、この第1実施形態例では、一次コイルN1と二次コイルN2のインダクタンス値の比は1対2であったが、そのインダクタンス値の比は数値が限定されるものではなく、仕様などによって適宜に設定されるものである。また、スパイラル状導体パターン2Aとスパイラル状導体パターン2Bのインダクタンス値の比も同様にその数値が限定されるものではなく、仕様等によって適宜に設定されるものである。
【0043】
以下に、第2実施形態例を説明する。なお、この第2実施形態例の説明において、第1実施形態例と同一構成部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
【0044】
この第2実施形態例では、スパイラル状導体パターン2Aとスパイラル状導体パターン2Bは、図4の分解図に示されるように、巻回中心軸を同軸にして、互いにパターン巻回領域を巻回中心部から外側に向かう方向にずらして、同一平面上(つまり、同じ絶縁層6bの上面)に形成されている。このように、スパイラル状導体パターン2A,2Bの巻回領域を互いにずらして形成することにより、第1実施形態例と同様にスパイラル状導体パターン2A,2B間の浮遊容量Cfを大幅に低減させることができる。また、スパイラル状導体パターン2A,2Bを同一平面上に形成するので、絶縁層6の積層数を削減することができる。
【0045】
それらスパイラル状導体パターン2A,2Bは直列に接続されており、当該接続部分15は、絶縁層6bに形成されたビアホール12を介して、絶縁層6a上に形成された外部接続用のタップ部であるタップ用配線パターン4に接続されている。このタップ用配線パターン4は、外部接続用電極8eに接続されており、スパイラル状導体パターン2A,2Bの接続部分15は、タップ用配線パターン4と外部接続用電極8eを介して外部と接続することができる。つまり、スパイラル状導体パターン2A,2Bから成る二次コイルN2には中間タップが設けられている。
【0046】
スパイラル状導体パターン2Aの巻回外側端部2Aαは外部接続用電極8dに接続されている。また、スパイラル状導体パターン2Bの巻回内側端部2Bβは、絶縁層6bに形成されたビアホール11と、絶縁層6a上に形成された引き出し配線パターン16を介して外部接続用電極8fに接続されている。これにより、スパイラル状導体パターン2A,2Bから成る二次コイルN2の両端部は、それぞれ、外部接続用電極8d,8fによって外部に接続することができる。
【0047】
上記した構成以外の構成は第1実施形態例と同様である。
【0048】
なお、この発明は第1や第2の各実施形態例に限定されるものではなく、様々な実施の形態を採り得る。例えば、第1や第2の各実施形態例では、一次コイルN1と二次コイルN2が電磁結合して成るトランス部品を例にして説明したが、この発明は、例えば、複数のスパイラル状導体パターンが直列接続されて成るコイルを一つのみ有するコイル部品にも適用することができる。この場合には、例えば、図5(a)に示されるように、複数のスパイラル状導体パターン2A,2Bを絶縁層6を介して積層形成することとし、それらスパイラル状導体パターン2A,2Bは、互いに非対向となるべく位置をずらして形成される。また、図5(b)に示されるように、第2実施形態例と同様に複数のスパイラル状導体パターン2A,2Bを、巻回中心軸を同軸にして、互いに巻回領域を巻回中心部から外側に向かう方向にずらして同一平面上に形成してもよい。
【0049】
また、第1や第2の各実施形態例では、2つのスパイラル状導体パターンを直接接続して一つのコイルが形成される例を用いて説明したが、もちろん、3つ以上のスパイラル状導体パターンを直列接続して一つのコイルが形成されている場合においても、第1や第2の各実施形態例に示したように、それら複数のスパイラル状導体パターンの形成位置を互いにずらして当該複数のスパイラル状導体パターン間の浮遊容量を低減する構成としてもよいものである。また、そのように、3つ以上のスパイラル状導体パターンが直列接続されて一つのコイルを構成する場合には、スパイラル状導体パターン間の接続部分が複数設けられることになり、それら複数の接続部分の2つ以上に外部接続用のタップ部が接続されて外部と接続可能な構成となっていてもよい。
【0050】
さらに、第1や第2の各実施形態例では、一次コイルN1と二次コイルN2のうち、二次コイルN2だけが複数のスパイラル状導体パターンの直列接続体により構成されていたが、一次コイルN1と二次コイルN2の両方が複数のスパイラル状導体パターンの直列接続体により構成されていてもよい。この場合には、例えば、一次コイルN1を構成する複数のスパイラル状導体パターン同士を互いにずらして形成して対向しないようにし、また同様に、二次コイルN2を構成する複数のスパイラル状導体パターン同士も互いに対向しないようにずらして形成してもよい。
【0051】
さらに、第1や第2の各実施形態例では、一次コイルN1と二次コイルN2が電磁結合して成るトランス部品を例にして説明したが、例えば、本発明は、三次コイルが設けられているトランス部品にも適用することができる。この三次コイルが複数のスパイラル状導体パターンが直列接続されて構成される場合には、当該三次コイルに関しても上記同様に、三次コイルを構成する複数のスパイラル状導体パターンを互いにずらして形成して三次コイルの浮遊容量を低減してもよい。
【0052】
さらに、第1実施形態例では、コイル部品1はテレビチューナに組み込まれる用途の例を示したが、もちろん、この発明は、テレビチューナに利用されるコイル部品に限定されず、他の用途に利用されるコイル部品にも適用することができるものである。
【0053】
【発明の効果】
この発明によれば、複数のスパイラル状導体パターンが電気的に直列接続されて成るコイルを有し、それらスパイラル状導体パターン間の接続部分に外部接続用のタップ部が接続されている構成を備えたコイル部品にあって、前記複数のスパイラル状導体パターンが絶縁層を介しながら積層配置され、それら複数のスパイラル状導体パターンが電気的に直列接続されている場合に、それら複数のスパイラル状導体パターンは互いに非対向となるべく位置をずらして形成されている構成とした。この構成により、前記複数のスパイラル状導体パターンが互いに対向し合っている場合に比べて、各スパイラル状導体パターン間の浮遊容量を大幅に低減することができる。
【0054】
その浮遊容量は、複数のスパイラル状導体パターンから成るコイルと共にLC共振回路を構成して高周波特性の悪化の原因となるが、浮遊容量を大幅に低減できることによって、そのLC共振回路の共振周波数を予め定められた使用周波数よりも高くすることができて、特性が悪化する周波数領域を設定の使用周波数よりも高い側にずらすことができる。すなわち、コイル部品(トランス部品)の高周波特性を改善することができる。
【0055】
また、一つのコイルを構成する複数のスパイラル状導体パターンが、巻回中心軸を同軸にして、互いにパターン巻回領域を巻回中心部から外側に向かう方向にずらして、同一平面上に形成されることによっても、前記同様に、複数のスパイラル状導体パターンが互いに対向し合っている場合に比べて、各スパイラル状導体パターン間の浮遊容量を大幅に低減することができる。したがって、コイル部品の高周波特性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態例のコイル部品を説明するための図である。
【図2】第1実施形態例のコイル部品内部の等価回路図である。
【図3】第1実施形態例の構成から得られる効果を説明するためのグラフである。
【図4】第2実施形態例のコイル部品を説明するためのコイル部品の分解図である。
【図5】その他の実施形態例を説明するための図である。
【図6】コイル部品の一従来例を説明するための図である。
【図7】コイル部品の従来の問題点を説明するための図である。
【図8】コイル部品の従来の問題点を説明するための図である。
【符号の説明】
1 コイル部品
2A,2B,3 スパイラル状導体パターン
4 タップ用配線パターン
6 絶縁層
7 磁性体基板

Claims (3)

  1. 絶縁層を介しながら積層配置された複数のスパイラル状導体パターンが導通手段により電気的に直列接続されて成るコイルを有し、前記導通手段の少なくとも一つには外部接続用のタップ部が接続されている構成を備えたコイル部品であって、前記複数のスパイラル状導体パターンは互いに非対向となるべく位置をずらして形成されていることを特徴とするコイル部品。
  2. 複数のスパイラル状導体パターンが電気的に直列接続されて成るコイルを有し、前記スパイラル状導体パターン間の接続部分に外部接続用のタップ部が接続されている構成を備えたコイル部品であって、前記複数のスパイラル状導体パターンは、巻回中心軸を同軸にして、互いにパターン巻回領域を巻回中心部から外側に向かう方向にずらして、同一平面上に形成されていることを特徴とするコイル部品。
  3. スパイラル状導体パターンから成る複数のコイルを有し、それらコイルの各々のスパイラル状導体パターンは巻回中心軸を同軸にして各スパイラル状導体パターン間に絶縁層を介しながら積層形成され、前記複数のコイルは電磁気的に結合されトランスと成し、前記複数のコイルのうちの少なくとも一つは複数のスパイラル状導体パターンを直列接続して一つのコイルとしたものであり、一つのコイルを構成する複数のスパイラル状導体パターンは互いに位置をずらして形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のコイル部品。
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