JP2005085997A - コイル部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】 特性インピーダンスの調整を容易にする。
【解決手段】 スパイラル状導体パターン4A,4Bを絶縁層3bを介し互いに対向させて積層形成する。スパイラル状導体パターン4A,4Bは並列接続されて並列コイルを形成する構成と成す。その上側には、上記同様に並列コイルを構成するスパイラル状導体パターン5A,5Bを絶縁層3eを介し互いに対向させて積層形成する。スパイラル状導体パターン5Aの配置位置は絶縁層3c,3dを介しスパイラル状導体パターン4Bと対向する位置となっている。全てのスパイラル状導体パターン4A,4B,5A,5Bは、互いに重なり合う形状と成す。各スパイラル状導体パターン4A,4B,5A,5Bはそれぞれ他のスパイラル状導体パターンとの間に静電容量を持ち、ずれて無い分、当該静電容量の増加が容易となる。静電容量が関与する特性インピーダンスの調整を容易にできる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複数のコイルを内蔵したコイル部品に関するものである。
コイル部品の一つとして、コモンモードチョークコイル部品がある。そのコモンモードチョークコイル部品の一例が図3に模式的に示されている(例えば特許文献1参照)。このコモンモードチョークコイル部品30は、直方体状の磁性体31と、この磁性体31の中空内部に収容配置された誘電体基体32と、この誘電体基板32の表裏両面にそれぞれ形成された導体線部33,34とを有して構成されている。
導体線部33,34はミアンダ状に形成されコイルを構成するものであり、それらミアンダ状の導体線部33,34は平衡線路を形成するように一部を互いに対向させて配置されている。
特開2000−277335号公報 特開2001−160510号公報
上記したコモンモードチョークコイル部品30は差動線路に組み込まれて使用されるものである。このことから、コモンモードチョークコイル部品30は、差動線路とインピーダンス整合を取るために、差動線路の特性インピーダンスと同じ又はほぼ同じ特性インピーダンスを持つように形成される。例えば、導体線路33,34のライン長等を調整することで、コモンモードチョークコイル部品30の特性インピーダンスを調整できる。これにより、コモンモードチョークコイル部品30の特性インピーダンスが接続相手の差動線路の特性インピーダンスと同じ又はほぼ同じとなるように、導体線路33,34のライン長等が設計される。
しかしながら、コモンモードチョークコイル部品30には、例えば大きさの制限等の様々な制約があり、その制約の中では、導体線路33,34等の設計の自由度は高いものではない。このため、接続相手とインピーダンス整合できるようにコモンモードチョークコイル部品30の特性インピーダンスを調整することは難しい。
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的は、大型化することなく、接続相手とインピーダンス整合できる特性インピーダンスを容易に持つことができるコイル部品を提供することにある。
上記目的を達成するために、この発明は次に示す構成をもって前記課題を解決するための手段としている。すなわち、この発明の構成の一つは、複数のスパイラル状導体パターンが絶縁層を介して積層形成され、それら複数のスパイラル状導体パターンは並列に接続されて並列コイルを形成する構成と成し、その並列コイルが複数積層形成され、積層し合う各並列コイルは互いに電磁結合する構成と成しており、積層方向に隣り合うスパイラル状導体パターンは互いに対向配置され、全てのスパイラル状導体パターンは互いに重なり合う形状と成していることを特徴としている。
また、この発明は、全てのスパイラル状導体パターンが基板上に積層形成されていること、全てのスパイラル状導体パターンが絶縁層を介して積層配置されている積層部は上面側と底面側の両側から磁性体基板により挟み込まれていること、少なくともスパイラル状導体パターンがフォトリソグラフィ工法により形成されていること、互いに隣り合う積層配置された並列コイルは対を成してコモンモードチョークコイルと成すことをも特徴としている。
さらに、この発明の別の構成の一つは、間隔を介して平面配置された複数のスパイラル状導体パターンが、絶縁層を介して複数層形成されており、重なり合う位置に積層形成された複数のスパイラル状導体パターンによってコイル積層構造が構成され、そのコイル積層構造が複数一体的に並設されてコイル積層構造のアレイ部品が構成されていることを特徴としている。
この発明によれば、複数のスパイラル状導体パターンが並列接続されて並列コイルが形成され、その並列コイルが複数積層形成されている構成を備えている。この構成により、1つのスパイラル状導体パターンによってコイルが形成され当該コイルが複数積層配置されている場合に比べて、本発明のコイル部品は、倍以上のスパイラル状導体パターンが積層配置されている構成を有することになり、それらスパイラル状導体パターン間に静電容量を持つので、コイル部品全体が持つ静電容量を大きくすることが容易にできる。
特に、この発明では、積層方向に隣り合うスパイラル状導体パターンは互いに対向配置され、全てのスパイラル状導体パターンは互いに重なり合う形状と成しているので、例えば複数のスパイラル状導体パターンが互いにずれて積層配置されている場合に比べて、静電容量を生じるスパイラル状導体パターン同士の対向面積を広くすることができる。これにより、コイル部品全体が持つ静電容量をより一層大きくすることが容易となる。よって、コイル部品全体が持つ静電容量の可変調整範囲の上限値を上げることができて、その静電容量の可変調整範囲の幅を広げることができる。
また、この発明では、コイルを構成している導体パターンはスパイラル状と成しているので、例えばコイルを構成する導体パターンがミアンダ状などの他の形状である場合に比べて、本発明のコイル部品は、大型化することなく、コモンモード電流(コモンモードノイズ)に対して大きなインダクタンスを持つことができる。これにより、例えばコモンモードチョークコイルのようにコモンモード電流に対するインダクタンスの範囲が定められているような場合であっても、コイルを構成する導体パターンのライン長や、ライン幅等の設計の自由度が高くなって、ディファレンシャルモード電流に対するインダクタンスの可変調整範囲の上限値を高めることができる。つまり、コイル部品のディファレンシャルモード電流に対するインダクタンスの可変調整範囲の幅を広げることが容易にできる。
この発明のコイル部品のディファレンシャルモード電流に対する特性インピーダンスは、静電容量と、ディファレンシャルモード電流に対するインダクタンスとにより求まるものであるので、上記のように、静電容量とディファレンシャルモード電流に対するインダクタンスのそれぞれの可変調整範囲の幅を広げることができることにより、コイル部品のディファレンシャルモード電流に対する特性インピーダンスの可変調整範囲を広げることが容易にできることとなる。これにより、この発明のコイル部品は、ディファレンシャルモード電流に対して、接続相手の特性インピーダンスと同じ特性インピーダンスを持つことができるように特性インピーダンス調整を行うことが簡単となる。よって、この発明の構成を備えることによって、接続相手とインピーダンス整合できるコイル部品を容易に提供することができる。
また、この発明では、上記の如く、複数のスパイラル状導体パターンが並列接続されて並列コイルを形成する構成であり、その並列コイルを形成する複数の並列接続されたスパイラル状導体パターンは、隣り合うスパイラル状導体パターンと対向配置され、また、重なり合う形状と成している。このため、並列コイルを構成する複数の並列接続された各スパイラル状導体パターン間の絶縁層の厚みを薄くすることにより、それら重なり合う並列接続された複数のスパイラル状導体パターンは、当該スパイラル状導体パターン間の絶縁層をも含めて1本の電流経路と見なすことができる。これにより、並列コイルを通電する電流の導通経路の断面積は、並列コイルを形成する並列接続された各スパイラル状導体パターンの断面積に、それら各スパイラル状導体パターン間の絶縁層の断面積を加えた面積となるので、各スパイラル状導体パターン間の絶縁層の断面積をも含まれる分、当該並列コイルを通電する電流の導通経路の断面積は増加する。このことから、並列コイルを通電する電流に対する直流抵抗を小さくすることができて、損失の少ないコイル部品を提供することができる。
さらに、全てのスパイラル状導体パターンが絶縁層を介して積層配置されている積層部を、上面と底面の両側から磁性体基板により挟み込むことによって、並列コイル間の電磁結合度を強めることができて、コイル部品の性能を向上させることができる。
さらに、少なくともスパイラル状導体パターンをフォトリソグラフィ工法により形成することにより、そのフォトリソグラフィ工法の高い加工精度により、スパイラル状導体パターンをほぼ設計通りに形成することができるので、ほぼ設計通りの性能を持つコイル部品を得ることができる。
さらにまた、コモンモードチョークコイル部品であっても、コイル積層構造のアレイ部品であっても、この発明において特有な構成を備えることによって、上記同様の優れた効果を奏することができる。
以下に、この発明に係る実施形態例を図面に基づいて説明する。
図1には第1実施形態例のコイル部品が模式的な分解図により示されている。この第1実施形態例のコイル部品1はコモンモードチョークコイル部品と成しており、差動線路に組み込まれて使用されるものである。このコイル部品1においては、磁性体基板2A上に、絶縁層3aとスパイラル状導体パターン4Aと絶縁層3bとスパイラル状導体パターン4Bと絶縁層3c,3dとスパイラル状導体パターン5Aと絶縁層3eとスパイラル状導体パターン5Bと絶縁層3f,3gと磁性体基板2Bが順に積層形成されている。換言すれば、コイル部品1は複数のスパイラル状導体パターン4A,4B,5A,5Bを有し、それらスパイラル状導体パターン4A,4B,5A,5Bは、絶縁層3b,3c,3d,3eを介しながら積層形成され、それら積層部は、上面側と底面側の両側から絶縁層3a,3f,3gを介して磁性体基板2A,2Bにより挟み込まれている。
そのような磁性体基板2A,2Bと、スパイラル状導体パターン4A,4B,5A,5Bと、絶縁層3a〜3gとの積層体には、上面側から側面を通り底面側に掛けて伸長形成された外部接続用端子電極6a,6b,7a,7bが互いに間隔を介して形成されている。この第1実施形態例では、積層配置された全てのスパイラル状導体パターンのうち、下層側の積層方向に隣り合う2つのスパイラル状導体パターン4A,4Bにおいては、それらの各巻回外側端部4Ao,4Boが、それぞれ、引き出し導体パターン8Aa,8Baを介して同じ外部接続用端子電極6aに接続されている。また、スパイラル状導体パターン4A,4Bの巻回内側端部4Ai,4Bi同士は、絶縁層3bに形成されたビアホール11を介して接続されている。
つまり、スパイラル状導体パターン4A,4Bの巻回外側端部4Ao,4Bo同士が接続されると共に、巻回内側端部4Ai,4Bi同士も接続されており、スパイラル状導体パターン4A,4Bは並列接続されている。
コモンモードチョークコイルは対を成すコイルを有するものである。この第1実施形態例では、スパイラル状導体パターン4A,4Bは上記の如く並列接続されて並列コイルを構成し、当該並列コイルは、コモンモードチョークコイル部品の対を成すコイルの一方側(この明細書中の実施形態例の説明では、一次コイルと記す)を構成している。
ところで、この第1実施形態例では、スパイラル状導体パターン4A,4Bの巻回内側端部4Ai,4Biの接続部を外部と接続可能にするために、次に示すような構成を備えている。すなわち、並列接続されているスパイラル状導体パターン4A,4Bのうちの一方側(図1の例ではスパイラル状導体パターン4B)には、巻回中心側から外側に向かって分断部12が形成されている。この分断部12には、引き出し導体パターン8Bbが分断部12の両端側の導体パターン部分12a,12b,12c,12dと非接続状態で形成されている。その引き出し導体パターン8Bbの一端側はスパイラル状導体パターン4Bの巻回内側端部4Biに接続され、引き出し導体パターン8Bbの他端側は外部接続用端子電極6bに接続されている。
また、この第1実施形態例では、絶縁層3a上には、スパイラル状導体パターン4Aが形成されると共に、スパイラル状導体パターン4Aよりも外側となる部分に、引き出し導体パターン8Abが形成されている。この引き出し導体パターン8Abの一端側は、絶縁層3bに形成されたビアホール13を介して絶縁層3b上の引き出し導体パターン8Bbに接続され、引き出し導体パターン8Abの他端側は引き出し導体パターン8Bbと同様に外部接続用端子電極6bに接続されている。
さらに、分断部12の両端側の導体パターン部分12a,12b,12c,12dは、それぞれ、絶縁層3bに形成されたビアホール14a,14b,14c,14dを介して、積層方向に隣り合っているスパイラル状導体パターン4Aに接続されている。これにより、分断部12の両端側の導体パターン部分12a,12bは、ビアホール14a,14bとスパイラル状導体パターン4Aを介して導通接続されている。また同様に、分断部12の両端側の導体パターン部分12c,12dは、ビアホール14c,14dとスパイラル状導体パターン4Aを介して導通接続されている。このような構成を備えていることにより、スパイラル状導体パターン4Bには分断部12が設けられていても、当該スパイラル状導体パターン4Bには、巻回外側端部4Boと巻回内側端部4Biとの間を、スパイラル状導体パターン4Aの一部を利用して、連続的に電流を通電させることが可能となっている。
上記のような構成を備えていることにより、スパイラル状導体パターン4A,4Bの両端側の並列接続部(一次コイルの両端部)は、それぞれ、外部接続用端子電極6a,6bによって、外部と接続することができる。
この第1実施形態例では、上層側の積層方向に隣り合う2つのスパイラル状導体パターン5A,5Bに関しても、スパイラル状導体パターン4A,4Bと同様に、並列接続されている。つまり、スパイラル状導体パターン5A,5Bの各巻回外側端部5Ao,5Boは、それぞれ、引き出し導体パターン9Aa,9Baを介して同じ外部接続用端子電極7aに接続されている。また、スパイラル状導体パターン5A,5Bの巻回内側端部5Ai,5Bi同士は、絶縁層3eに形成されたビアホール15を介して接続されている。
この第1実施形態例では、スパイラル状導体パターン5A,5Bは並列接続されて並列コイルを構成し、当該並列コイルは、スパイラル状導体パターン4A,4Bから成るコイル(一次コイル)と対を成すコイル(この明細書中の実施形態例の説明では、二次コイルと記す)を構成している。つまり、スパイラル状導体パターン4A,4Bから成る一次コイルと、スパイラル状導体パターン5A,5Bから成る二次コイルとは電磁結合して、コモンモードチョークコイルを構成している。
スパイラル状導体パターン5A,5Bにおいても、スパイラル状導体パターン4A,4Bと同様に、スパイラル状導体パターン5A,5Bのうちの一方側(図1の例ではスパイラル状導体パターン5B)には、巻回中心側から外側に向かって分断部16が形成されており、この分断部16には引き出し導体パターン9Bbが形成されている。この引き出し導体パターン9Bbによって、スパイラル状導体パターン5A,5Bの巻回内側端部5Ai,5Biの接続部は外部接続用端子電極7bに接続されている。また、この第1実施形態例では、絶縁層3d上には、スパイラル状導体パターン5Aが形成されると共に、スパイラル状導体パターン5Aよりも外側となる部分に、引き出し導体パターン9Abが形成されている。この引き出し導体パターン9Abの一端側は、絶縁層3eに形成されたビアホール18を介して絶縁層3e上の引き出し導体パターン9Bbに接続され、引き出し導体パターン9Abの他端側は引き出し導体パターン9Bbと同様に外部接続用端子電極7bに接続されている。
さらに、分断部16の両端側の導体パターン部分16a,16b,16c,16dは、それぞれ、絶縁層3eに形成されたビアホール17a,17b,17c,17dを介して、積層方向に隣り合うスパイラル状導体パターン5Aに接続されている。これにより、分断部16の両端側の導体パターン部分16a,16bは、ビアホール17a,17bとスパイラル状導体パターン5Aを介して導通接続されている。また同様に、分断部16の両端側の導体パターン部分16c,16dは、ビアホール17c,17dとスパイラル状導体パターン5Aを介して導通接続されている。このような構成を備えていることにより、スパイラル状導体パターン5Bには、分断部16が形成されていても、巻回外側端部5Boと巻回内側端部5Biとの間を、スパイラル状導体パターン5Aの一部を利用して連続的に電流を通電させることが可能となっている。
上記のような構成を備えていることにより、スパイラル状導体パターン5A,5Bの両端側の並列接続部(二次コイルの両端部)は、それぞれ、外部接続用端子電極7a,7bによって、外部と接続することができる。
この第1実施形態例において最も特徴的なことは、積層方向に隣り合うスパイラル状導体パターン(つまり、スパイラル状導体パターン4A,4B、スパイラル状導体パターン4B,5A、スパイラル状導体パターン5A,5B)が互いに対向配置され、また、全てのスパイラル状導体パターン4A,4B,5A,5Bは重なり合う形状と成していることである。つまり、この第1実施形態例では、スパイラル状導体パターン4A,5Aは同一形状と成している。また、スパイラル状導体パターン4B,5Bは同一形状と成し、当該スパイラル状導体パターン4B,5Bはその全部がスパイラル状導体パターン4A,5Aに重なる形状となっている。
なお、スパイラル状導体パターン4B,5Bには、それぞれ、分断部12,16が形成されており、その分断部12,16によってスパイラル状導体パターン4B,5Bはスパイラル状導体パターン4A,5Aと僅かに異なる形状であるが、分断部12,16の幅が非常に狭い場合には、スパイラル状導体パターン4B,5Bはスパイラル状導体パターン4A,5Aと同一形状と見なすことができる。すなわち、積層配置される全てのスパイラル状導体パターン4A,4B,5A,5Bは同一形状と見なすことができる。
この第1実施形態例では、上記のように、一次コイルと二次コイルは、それぞれ、複数のスパイラル状導体パターンにより構成され、それら全てのスパイラル状導体パターンは絶縁層を介して積層配置されている。この構成により次に示すような効果を得ることができる。例えば、一次コイルと二次コイルがそれぞれ1つずつのスパイラル状導体パターンにより構成されている場合には、それら一次コイルのスパイラル状導体パターンと二次コイルのスパイラル状導体パターンとの間に静電容量が生じるだけである。これに対して、この第1実施形態例では、4つのスパイラル状導体パターン4A,4B,5A,5Bが絶縁層を介して積層配置されているので、隣り合っているスパイラル状導体パターン間に静電容量を持つことはもちろんのこと、各スパイラル状導体パターン4A,4B,5A,5Bは、それぞれ、隣りのスパイラル状導体パターン以外のスパイラル状導体パターンとの間にも静電容量を持つ。これにより、この第1実施形態例では、一次コイルと二次コイルがそれぞれ1つずつのスパイラル状導体パターンにより構成されている場合に比べて、コイル部品1全体が持つ静電容量を大きくすることができる。
特に、この第1実施形態例では、隣り合うスパイラル状導体パターンは互いに対向配置され、全てのスパイラル状導体パターン4A,4B,5A,5Bは互いに重なり合う形状と成すという特有な構成を備えている。これにより、この第1実施形態例では、例えば複数のスパイラル状導体パターンが互いにずれて積層配置されている場合に比べて、各スパイラル状導体パターン4A,4B,5A,5Bの他のスパイラル状導体パターンとの対向面積が増加する。これにより、各スパイラル状導体パターン4A,4B,5A,5Bは、それぞれ、他のスパイラル状導体パターンとの間に、より大きな静電容量を持つことができる。よって、この第1実施形態例に特有な構成を備えることにより、コイル部品1全体が持つ静電容量をより一層大きくできる。
コイル部品1全体が持つ静電容量は、各スパイラル状導体パターン4A,4B,5A,5Bのライン長(巻回数)や、ライン幅や、隣り合うスパイラル状導体パターン間の間隔(絶縁層の薄さ)や、絶縁層の比誘電率等を可変することで、可変調整することができる。この第1実施形態例の構成を備えることによって、上記したようにコイル部品1全体が持つ静電容量を大きくできるので、コイル部品1全体が持つ静電容量の可変調整範囲の上限値を上げることができる。つまり、コイル部品1全体が持つ静電容量の可変調整範囲の幅を広げることができる。
ところで、コイル部品(コモンモードチョークコイル部品)1は、一次コイルと二次コイルに流れるコモンモード電流(コモンモードノイズ)を除去しディファレンシャルモード電流は損失少なく通すことが好ましいものである。このため、コイル部品(コモンモードチョークコイル部品)1は、コモンモード電流に対しては大きなコモンモードインダクタンスLcを持ち、ディファレンシャルモード電流に対しては小さいディファレンシャルモードインダクタンスLnを持つことが望まれる。
この第1実施形態例では、一次コイルおよび二次コイルは、スパイラル状の導体パターンにより構成されているので、例えばミアンダ状等のスパイラル状以外の形状の導体パターンにより一次コイルと二次コイルが形成されている場合に比べて、効率良く大きなコモンモードインダクタンスLcを持つことができる。これにより、一次コイルと二次コイルを構成する導体パターンのライン長を大幅に短縮することができる。具体例を挙げると、例えば、コイル部品1には、数十MHz〜1GHzの周波数の信号が通電すると想定される。その数十MHz〜1GHzの周波数の信号においては、自由空間において波長は数十cmである。これに対して、例えばディファレンシャルモードインダクタンスLnの好ましい設計範囲(例えば3〜30nH程度)を持ちつつ、この第1実施形態例におけるコイル部品1を構成するスパイラル状導体パターンのライン長は、例えば1〜3cm程度で済み、非常に短くてよい。このように、コイル部品1を構成するスパイラル状導体パターンのライン長が非常に短いことから、数十MHz〜1GHzの周波数の信号に対して、この第1実施形態例に示したコイル部品1は集中定数として取り扱うことができる。
これにより、例えば、コイル部品1のディファレンシャルモードインダクタンスをLnとし、コイル部品1全体が持つ静電容量をCtとすると、この第1実施形態例のディファレンシャルモード電流に対するコイル部品1の特性インピーダンスZoは、Zo=(Ln/Ct)1/2と表すことができる。
この第1実施形態例では、前述したように、一次コイルと二次コイルをそれぞれ構成する導体パターンをスパイラル状としたことによって、コイル部品1を大型化することなく、コイル部品1のコモンモードインダクタンスLcを大きくすることが容易となる。このため、コイル部品1が仕様等に定められているようにコモンモードノイズを除去できるようにコモンモードインダクタンスLcの範囲が設定されていても、導体パターンのライン長やライン幅等の設計の自由度を高めることができて、ディファレンシャルモードインダクタンスLnの可変調整範囲の上限値を上げることができる。これにより、ディファレンシャルモードインダクタンスLnの可変調整範囲の幅を広くすることができる。
また、一次コイルと二次コイルをそれぞれ複数のスパイラル状導体パターンにより構成し、それらスパイラル状導体パターンは互いに重なり合う形状と成し、また、互いに重なり合う位置に配置されている構成としたことによって、コイル部品1を大型化することなく、コイル部品1全体が持つ静電容量Ctの増加が容易となって当該静電容量Ctの可変調整範囲の幅を広げることができる。
したがって、この第1実施形態例の構成を備えることによって、コイル部品1を大型化することなく、コイル部品1のディファレンシャルモードインダクタンスLnおよび静電容量Ctの可変調整範囲幅を広げることができて、コイル部品1の特性インピーダンスZo(Zo=(Ln/Ct)1/2)の可変調整範囲が広くなる。これにより、コイル部品1は、ディファレンシャルモード電流に対して、接続相手の差動線路の特性インピーダンスと同じ又はほぼ同じ特性インピーダンスZoを持つことが容易となる。
具体的には、例えば、コイル部品1が組み込まれる差動線路の特性インピーダンスは50〜100Ωであることが主流である。この第1実施形態例の構成を持つコイル部品1が上記差動線路とインピーダンス整合する特性インピーダンスZoを持つためには、例えば次に示すような条件の下でコイル部品1を設計する。
その条件とは、例えば、スパイラル状導体パターン4A,4B,5A,5Bの各ライン幅は15μm以上且つ100μm以下の範囲内であることと、スパイラル状導体パターン4A,4B,5A,5Bの各ライン長は1cm以上且つ3cm以下の範囲内であることと、スパイラル状導体パターン4A,4B,5A,5Bの各ラインの厚みは5μm以下であることと、コイル部品1が持つインダクタンスLnが3nH以上且つ30nH以下の範囲内であることと、一次コイルと二次コイルの結合係数が0.9以上であることと、各絶縁層3a〜3gの比誘電率は3.0以上且つ3.3以下の範囲内であることと、一次コイルと二次コイル間の絶縁層の厚み(つまり、絶縁層3c,3dのトータルの厚み)は3μm以上且つ25μm以下の範囲内であることと、磁性体基板2A,2Bの透磁率は500以上且つ700以下の範囲内であることと、磁性体基板2A,2B間の間隔(つまり、絶縁層3aから絶縁層3gまでの積層部の厚み)は30μm以上且つ60μm以下の範囲内であることである。
このような条件の下でコイル部品1を設計することで、50〜100Ωの特性インピーダンスを持つ差動線路にインピーダンス整合するコイル部品1を実現することができる。このことは本発明者の実験等により確認されている。
以下に、この第1実施形態例のコイル部品1の製造工程の一例を説明する。まず、磁性体基板2Aを用意する。この磁性体基板2Aの上面に絶縁層3aを構成する。なお、絶縁層3a〜3fを構成する絶縁材料は特に限定されるものではないが、その例を挙げると、例えば、ポリイミド樹脂やエポキシ樹脂やベンゾシクロブテン樹脂等の種々の樹脂材料や、SiO2等のガラスや、ガラス等から成るセラミックスや、複数の材料が混合されて成る混合絶縁材料などを挙げることができる。なお、絶縁層3a〜3fは同じ絶縁材料により構成されていてもよいし、異なる絶縁材料により構成されていてもよい。
絶縁層3aの上側にはスパイラル状導体パターン4Aと引き出し導体パターン8Aa,8Abを形成する。ここでは、スパイラル状導体パターン4Aと引き出し導体パターン8Aa,8Abの導体パターンはフォトリソグラフィ工法により形成する。フォトリソグラフィ工法による導体パターン形成工程は、例えば次に示すように行う。まず、絶縁層3aの上面全面に、スパイラル状導体パターン4Aおよび引き出し導体パターン8Aa,8Abとなる導体材料の膜を形成する。その形成手法としては、例えば、スパッタリングや蒸着等の薄膜形成手法や、スクリーン印刷等の厚膜形成手法等があり、ここでは、何れの手法を用いてもよい。
その後、その導体材料膜の上側全面にフォトレジストを形成する。そして、導体パターン形成用フォトマスクを利用して、スパイラル状導体パターン4Aと引き出し導体パターン8Aa,8Abの形成領域に形成されているフォトレジスト部分だけに選択的に紫外線等の光を照射して硬化させる(露光させる)。そして、未硬化なフォトレジスト部分を除去する現像処理を行う。
然る後に、フォトレジストが形成されていない導体材料膜部分をエッチングにより除去する。これにより、スパイラル状導体パターン4Aおよび引き出し導体パターン8Aa,8Abを形作ることができる。その後、フォトレジストを剥離して除去する。このようにして、スパイラル状導体パターン4Aと引き出し導体パターン8Aa,8Abを形成することができる。
なお、スパイラル状導体パターン4Aと引き出し導体パターン8Aa,8Ab等の導体パターンを構成する導体材料の例を挙げると、例えば、Ag,Pd,Cu,Al等の金属や、Ag,Pd,Cu,Al等の金属のうちの2つ以上から成る合金等がある。また、導体パターンと絶縁層は接するものであることから、導体パターンと絶縁層の密着性や、加工性等を考慮して、導体パターンを構成する導体材料と、絶縁層を構成する絶縁材料とは互いに関連付けて選択されることが望ましい。
スパイラル状導体パターン4Aと引き出し導体パターン8Aa,8Abの形成後には、それら導体パターンの上側に絶縁層3bを積層形成する。この絶縁層3bにはビアホール11,13,14a〜14dが形成される。当該ビアホール11,13,14a〜14dが形成された絶縁層3bはフォトリソグラフィ工法を利用して次に示すように作製することができる。なお、フォトリソグラフィ工法を利用して絶縁層3bを構成する場合には、その絶縁層3bは感光性の絶縁材料により構成する。
例えば、導体パターン4A,8Aa,8Abの上側に、絶縁層3bとなる感光性絶縁材料を積層形成する。そして、ビアホール形成用のフォトマスクを利用して、ビアホール形成部分以外の感光性絶縁材料部分に紫外線等の光を照射して硬化させる(露光させる)。その後、未硬化な感光性絶縁材料部分を現像処理により除去する。これにより、ビアホール11,13,14a〜14dとなる孔部が形作られる。その後、感光性絶縁材料を熱処理する。このようにして、ビアホール用の孔部が形成された絶縁層3bが作製される。その後、その絶縁層3bの上側に導体パターンとなる導体材料が積層形成された際に、その導体材料の一部が絶縁層3bのビアホール用の孔部に入り込んでビアホール11,13,14a〜14dが作製される。
絶縁層3bの形成工程の後には、絶縁層3bの上側に、例えばフォトリソグラフィ工法により上記同様にスパイラル状導体パターン4Bおよび引き出し導体パターン8Ba,8Bbを積層形成し、それら導体パターン4B,8Ba,8Bbの上側には絶縁層3c,3dを順に積層形成する。さらに、絶縁層3dの上側には、前記同様に例えばフォトリソグラフィ工法を利用して、スパイラル状導体パターン5Aおよび引き出し導体パターン9Aa,9Abと、ビアホール15,17a〜17d,18が形成された絶縁層3eと、スパイラル状導体パターン5Bおよび引き出し導体パターン9Ba,9Bbと、絶縁層3fとを順に積層形成していく。
その後、絶縁層3fの上側と、磁性体基板2Bの底面とのうちの一方又は両方に絶縁層3gとなる接着剤を塗布形成する。そして、然る後に、上記のように形成してきた積層体の上側に磁性体基板2Bを積層配置する(貼り合わせる)。このとき、例えば、絶縁層3gを構成する接着剤が熱可塑性樹脂(例えば熱可塑性ポリイミド樹脂など)である場合には、磁性体基板2Bの貼り合わせ(接合)は、例えば、不活性ガスの雰囲気中で加圧しながら加熱して熱可塑性樹脂を軟化させて当該熱可塑性樹脂を絶縁層3fと磁性体基板2Bに接合させ、その後の冷却後に、加圧を解除するという作業手順でもって行われる。
この第1実施形態例では、ここまでの工程は、磁性体の親基板の状態で行われている。磁性体基板2Bの貼り合わせ工程の後には、磁性体の親基板を例えばダイシング等の切断加工手法により、各コイル部品1毎に分離分割する。そして、然る後に、各コイル部品1の側面に、それぞれ、外部接続用端子電極6a,6b,7a,7bを形成する。それら外部接続用端子電極6a,6b,7a,7bを構成する導体材料としては、例えば、Agや、Ab−Pdや、Cuや、NiCrや、NiCu等を挙げることができる。また、外部接続用端子電極6a,6b,7a,7bの形成手法としては、例えば、上記のような導体材料を含む導電ペーストをコイル部品1の側面に塗布して各外部接続用端子電極6a,6b,7a,7bを形成する手法や、上記したような導体材料をスパッタリングや蒸着等の成膜技術によりコイル部品1の側面に形成して外部接続用端子電極6a,6b,7a,7bを形成する手法等がある。また、そのように形成した各外部接続用端子電極6a,6b,7a,7bの上側に例えば湿式電解めっきにより、Ni、Sn、Sn−Pb等の金属膜を形成してもよい。
以下に、第2実施形態例を説明する。なお、この第2実施形態例の説明において、第1実施形態例と同一構成部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
図2には第2実施形態例のコイル部品が模式的な分解図により示されている。この第2実施形態例のコイル部品は、第1実施形態例に示したコイル部品(コモンモードチョークコイル部品)1が複数一体的に並設されたと同様のコモンモードチョークコイルのアレイ部品と成している。
すなわち、この第2実施形態例では、磁性体基板2Aの上側には絶縁層3aが積層形成され、この絶縁層3aの上側には、複数のスパイラル状導体パターン4A,4A’が互いに間隔を介して平面配置されている。また、絶縁層3aの上側には、それらスパイラル状導体パターン4A,4A’の各巻回外側端部4Ao,4Ao’にそれぞれ接続された引き出し導体パターン8Aa,8Aa’と、スパイラル状導体パターン4A,4A’と間隔を介して形成された引き出し導体パターン8Ab,8Ab’とが形成されている。
それら導体パターン4A,4A’,8Aa,8Aa’,8Ab,8Ab’の上側には絶縁層3bが積層形成され、この絶縁層3bの上側には、スパイラル状導体パターン4B,4B’および引き出し導体パターン8Ba,8Ba’,8Bb,8Bb’が積層形成されている。
スパイラル状導体パターン4A,4Bは、第1実施形態例と同様に並列接続されて一次コイルを構成している。また、スパイラル状導体パターン4A’,4B’も同様に並列接続されて一次コイルを構成している。
導体パターン4B,4B’,8Ba,8Ba’,8Bb,8Bb’の上側には絶縁層3c,3dが順に積層形成され、絶縁層3dの上側には、上記同様に、互いに間隔を介して平面配置されたスパイラル状導体パターン5A,5A’等と、スパイラル状導体パターン5B,5B’等とが絶縁層3eを介して積層形成されている。スパイラル状導体パターン5A,5Bは並列接続されて二次コイルを構成し、同様に、スパイラル状導体パターン5A’,5B’も並列接続されて二次コイルを構成している。
スパイラル状導体パターン5A,5Bから成る二次コイルは、スパイラル状導体パターン4A,4Bから成る一次コイルと電磁結合して、コモンモードチョークコイルを構成している。また同様に、スパイラル状導体パターン5A’,5B’から成る二次コイルは、スパイラル状導体パターン4A’,4B’から成る一次コイルと電磁結合して、別のコモンモードチョークコイルを構成している。
この第2実施形態例においても、第1実施形態例と同様に、同じコモンモードチョークコイルを構成する全てのスパイラル状導体パターン同士は、互いに重なり合う形状を有し、また、全てが重なり合う位置に絶縁層を介して積層配置されている。この第2実施形態例では、そのような重なり合う全てのスパイラル状導体パターンによりコイル積層構造が構成され、当該コイル積層構造が複数一体的に並設されてコモンモードチョークコイル(コイル積層構造)のアレイ部品を構成している。
この第2実施形態例において、各コイル積層構造毎(各コモンモードチョークコイル毎)に、第1実施形態例と同様の特有な構成を備えているので、第1実施形態例と同様の優れた効果を得ることができる。
なお、この発明は第1と第2の各実施形態例の形態に限定されるものではなく、様々な実施の形態を採り得るものである。例えば、第1と第2の各実施形態例では、スパイラル状導体パターン4A,5A(4A’,5A’)と、スパイラル状導体パターン4B,5B(4B’,5B’)とには、分断部12,16の有無の違いがあり、スパイラル状導体パターン4B,5B(4B’,5B’)は、スパイラル状導体パターン4A,5A(4A’,5A’)と僅かに異なる形状であったが、スパイラル状導体パターン4B,5B(4B’,5B’)は、スパイラル状導体パターン4A,5A(4A’,5A’)と同一形状であってもよい。
なお、全てのスパイラル状導体パターン4A,4B,5A,5B(4A’,5A’,4B’,5B’)が同一形状と成す場合には、例えば、スパイラル状導体パターン4A,4Bの巻回内側端部4Ai,4Bi同士の接続部を外部と接続させるために、例えば、スパイラル状導体パターン4Aと絶縁層3bとの間に別の絶縁層を形成し、当該絶縁層上に、巻回内側端部4Ai,4Bi同士の接続部(ビアホール11)と外部接続用端子電極6bとを接続するための引き出し導体パターンを形成する。また、スパイラル状導体パターン5A,5Bの巻回内側端部5Ai,5Bi同士の接続部や、スパイラル状導体パターン4A’,4B’の巻回内側端部4Ai’,4Bi’同士の接続部や、スパイラル状導体パターン5A’,5B’の巻回内側端部5Ai’,5Bi’同士の接続部に関しても同様である。
また、第1と第2の各実施形態例では、一次コイルと二次コイルは、それぞれ、2つのスパイラル状導体パターンにより構成されていたが、例えば、一次コイルと二次コイルのうちの一方又は両方は、3つ以上のスパイラル状導体パターンにより構成してもよい。
さらに、第1と第2の各実施形態例では、スパイラル状導体パターン4A,4B,5A,5Bと絶縁層3a〜3gから成る積層部は磁性体基板2A,2Bにより挟み込まれていたが、例えば、仕様等によっては、その磁性体基板2A,2Bに代えて、絶縁体や誘電体から成る基板を設けてもよい。また、磁性体基板2A,2B(又は絶縁体基板や誘電体基板)のうちの一方側が省略されている形態と成していてもよい。
さらに、第2実施形態例では、コモンモードチョークコイルが複数並設(横並び配置)されている例を示したが、例えば部品の高さの制限が緩い場合には、例えば第1実施形態例に示したようなコモンモードチョークコイルが積層方向に複数配置形成(縦並び配置)されて一体化されている構成としてもよい。
さらに、第1と第2の各実施形態例では、スパイラル状導体パターンと絶縁層を順次積層形成していってコイル部品1を作製し、また、そのスパイラル状導体パターンおよび引き出し導体パターンは、フォトリソグラフィ工法により形成する例を示したが、例えば、フォトリソグラフィ工法を用いずに、グリーンシート上にスパイラル状導体パターンや引き出し導体パターンを形成して、複数のグリーンシートを積層一体化してコイル部品1を作製してもよい。
さらに、第1と第2の各実施形態例では、コモンモードチョークコイル部品を例にして説明したが、この発明は、コモンモードチョークコイル部品以外のコイル部品にも適用することができるものである。
第1実施形態例のコイル部品を分解状態で表したモデル図である。 第2実施形態例のコイル部品を分解状態で表したモデル図である。 特許文献1に記載されているコモンモードチョークコイルの一つを説明するためのモデル図である。
符号の説明
1 コイル部品
2 磁性体基板
3a〜3g 絶縁層
4A,4B,4A’,4B’ スパイラル状導体パターン
5A,5B,5A’,5B’ スパイラル状導体パターン

Claims (6)

  1. 複数のスパイラル状導体パターンが絶縁層を介して積層形成され、それら複数のスパイラル状導体パターンは並列に接続されて並列コイルを形成する構成と成し、その並列コイルが複数積層形成され、積層し合う各並列コイルは互いに電磁結合する構成と成しており、積層方向に隣り合うスパイラル状導体パターンは互いに対向配置され、全てのスパイラル状導体パターンは互いに重なり合う形状と成していることを特徴とするコイル部品。
  2. 全てのスパイラル状導体パターンは基板上に積層形成されていることを特徴とする請求項1記載のコイル部品。
  3. 全てのスパイラル状導体パターンが絶縁層を介して積層配置されている積層部は、上面側と底面側の両側から磁性体基板により挟み込まれていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のコイル部品。
  4. 少なくともスパイラル状導体パターンはフォトリソグラフィ工法により形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3記載のコイル部品。
  5. 互いに隣り合う積層配置された並列コイルは対を成してコモンモードチョークコイルと成すことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載のコイル部品。
  6. 間隔を介して平面配置された複数のスパイラル状導体パターンが、絶縁層を介して複数層形成されており、重なり合う位置に積層形成された複数のスパイラル状導体パターンによってコイル積層構造が構成され、そのコイル積層構造が複数一体的に並設されてコイル積層構造のアレイ部品が構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1つに記載のコイル部品。
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