JP4287063B2 - コモンモードチョークコイルの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、1対のうず巻状コイルを絶縁体層を介して対向させたコモンモードチョークコイルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
コモンモードチョークコイルの分野でも小型化、薄型化の要求に対応するために、巻線を用いないタイプのコモンモードチョークコイルが実用化されている。これらのコモンモードチョークコイルとしては、例えば、絶縁体層と導体パターンを交互に積層して積層体内に1対のうず巻状のコイルを形成すると共に、この1対のコイルを絶縁体層を介して対向させ、1対のコイルを磁気的に結合させたものがある。この様なコモンモードチョークコイルは、印刷法又はシート法により製造される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この種のコモンモードチョークコイルは、電子機器の小型化に伴いさらなる小型化、薄型化が望まれている。
しかしながら、この様なコモンモードチョークコイルにおいて、導体パターンを印刷により形成した場合、小型化、薄型化のために導体パターンを細線化しようとしても導電パターンを印刷する際の導電ペーストのにじみにより導体パターンの線幅を数十μm以下に形成することはできなかった。また、印刷精度も十分でないために、設計値から数十μm程度ずれて導体パターンの形状がばらついたり、絶縁体層における導体パターンの位置がずれたりする。この種のコモンモードチョークコイルにおいて、1対のコイルの相対位置がずれた場合には1対のコイル間の磁気的結合が弱くなり、導体パターンの形状のばらつきにより1対のコイルの形状がばらついた場合には1対のコイルのインダクタンス、インピーダンスに違いが生じ、いずれの場合にもコモンモードチョークコイルの特性が劣化する。
また、この様なコモンモードチョークコイルにおいて、スルーホールを有する絶縁体層を印刷により形成した場合は絶縁体層を印刷する際の絶縁体ペーストのにじみによりスルーホールの形状を小さくすることができず、また印刷精度も十分でないためにその位置がずれやすかった。また、絶縁体層をその表面に導体パターンが形成された絶縁体シートによって形成した場合は、シートを積層する際の積層ズレにより導体パターンの位置がずれ易いという問題があった。
【0004】
この様な問題を解決するためにコモンモードチョークコイルを薄膜法により製造することがおこなわれている。
しかしながら、薄膜法(スパッタリング法等)によって導体パターンを形成した場合、1対のコイル間の磁気的結合を強くできるが、その膜厚を大きくすることができず、せいぜい数μm程度しか得られないため、直流抵抗が大きくなり、信号の減衰が大きくなる。直流抵抗を小さくするためには、膜厚を大きくする必要があり、導体パターンの上に導体メッキを形成するのが一般的である。従って、薄膜法によってコモンモードチョークコイルを製造した場合、工数が増加する。
また、コモンモードチョークコイルを薄膜法により製造しようとした場合、導体パターンを形成するための導体層を形成するために高価な装置が必要となると共に、導体パターンを形成するためにレジストを塗布する工程やレジストを剥離する工程が必要だった。
【0005】
従って、従来のコモンモードチョークコイルの製造方法では、導体パターンを一般的な印刷装置で形成できるが導体パターンの線幅の細線化や形状のばらつきを低減することができないか、又は導体パターンの線幅の細線化や形状のばらつきを低減することができるが導体パターンを形成するための導体層を形成するのに高価な装置が必要となるという問題があった。
【0006】
本発明は、高価な装置を用いることなく導体パターンの線幅の細線化や形状のばらつきを低減でき、それによって特性を向上させることができるコモンモードチョークコイルの製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のコモンモードチョークコイルの製造方法は、1対のうず巻状コイル及びうず巻状コイルに接続される引き出し電極を形成するための材料を変え、絶縁体層にうず巻状コイルと引き出し電極を接続するためのスルーホールを形成する手段を改良することにより前述の課題を解決するものである。
すなわち、第1の絶縁基板と第2の絶縁基板間に、1対のうず巻状コイルを絶縁体層を介して対向させ、これらを一体化した本体に外部端子を設けたコモンモードチョークコイルの製造方法において、1対のうず巻状コイル及び別の層に形成されてうず巻状コイルに接続される引き出し電極が感光性導電ペーストを用いて形成され、うず巻状コイルと引き出し電極を接続するためのスルーホールがレーザ加工によって絶縁体層に形成される。
また、本発明のコモンモードチョークコイルの製造方法は、第1の絶縁基板の表面全体に感光性導電ペーストを塗布し、これを乾燥、露光、現像することにより第1の絶縁基板の表面に第1のうず巻状コイルの内側端に接続される引き出し電極を形成する第1の工程、引き出し電極が形成された第1の絶縁基板上に絶縁材料を印刷し、引き出し電極の端部と対応する位置にレーザ加工によってスルーホールが設けられた第1の絶縁体層を形成する第2の工程、第1の絶縁体層の表面全体に感光性導電ペーストを塗布し、これを乾燥、露光、現像することにより第1の絶縁体層の表面に第1のうず巻状コイルを形成し、引き出し電極と第1のうず巻状コイルを接続する第3の工程、第1の絶縁体層上に第2の絶縁体層を形成し、第2の絶縁体層の表面全体に感光性導電ペーストを塗布し、これを乾燥、露光、現像することにより第2の絶縁体層の表面に第2のうず巻状コイルを形成する第4の工程、第2の絶縁体層上に絶縁材料を印刷し、第2のうず巻状コイルの内側端と対応する位置にレーザ加工によってスルーホールが設けられた第3の絶縁体層を形成する第5の工程及び、第3の絶縁体層の表面全体に感光性導電ペーストを塗布し、これを乾燥、露光、現像することにより第3の絶縁体層の表面に引き出し電極を形成し、第2のうず巻状コイルと引き出し電極を接続する第6の工程を備える。
さらに、本発明のコモンモードチョークコイルの製造方法は、第1の絶縁基板の表面全体に感光性導電ペーストを塗布し、これを乾燥、露光、現像することにより第1の絶縁基板の表面に第1のうず巻状コイルの内側端に接続される引き出し電極を形成する第1の工程、引き出し電極が形成された第1の絶縁基板上に絶縁シートを積層、圧着し、引き出し電極の端部と対応する位置にレーザ加工によってスルーホールが設けられた第1の絶縁体層を形成する第2の工程、第1の絶縁体層の表面全体に感光性導電ペーストを塗布し、これを乾燥、露光、現像することにより第1の絶縁体層の表面に第1のうず巻状コイルを形成し、引き出し電極と第1のうず巻状コイルを接続する第3の工程、第1の絶縁体層上に第2の絶縁体層を形成し、第2の絶縁体層の表面全体に感光性導電ペーストを塗布し、これを乾燥、露光、現像することにより第2の絶縁体層の表面に第2のうず巻状コイルを形成する第4の工程、第2の絶縁体層上に絶縁シートを積層、圧着し、第2のうず巻状コイルの内側端と対応する位置にレーザ加工によってスルーホールが設けられた第3の絶縁体層を形成する第5の工程及び、第3の絶縁体層の表面全体に感光性導電ペーストを塗布し、これを乾燥、露光、現像することにより第3の絶縁体層の表面に引き出し電極を形成し、第2のうず巻状コイルと引き出し電極を接続する第6の工程を備える。
また、本発明のコモンモードチョークコイルの製造方法は、第1の絶縁基板の表面全体に感光性導電ペーストを塗布し、これを乾燥、露光、現像することにより第1の絶縁基板の表面に第1のうず巻状コイルの一方の引出し電極と第2のうず巻状コイルの一方の引き出し電極を形成する第1の工程、第1の絶縁基板上に絶縁材料を印刷し、第1のうず巻状コイルの一方の引出し電極の端部と第2のうず巻状コイルの一方の引き出し電極の端部と対応する位置にレーザ加工によってスルーホールが設けられた第1の絶縁体層を形成する第2の工程、第1の絶縁体層の表面全体に感光性導電ペーストを塗布し、これを乾燥、露光、現像することにより第1の絶縁体層の表面に第1のうず巻状コイルを形成し、第1のうず巻状コイルの一方の引出し電極と第1のうず巻状コイルを接続する第3の工程、第1の絶縁体層上に絶縁材料を印刷し、第2のうず巻状コイルの一方の引き出し電極の端部と対応する位置にレーザ加工によってスルーホールが設けられた第2の絶縁体層を形成する第4の工程及び、第2の絶縁体層の表面全体に感光性導電ペーストを塗布し、これを乾燥、露光、現像することにより第2の絶縁体層の表面に第2のうず巻状コイルを形成し、第2のうず巻状コイルの一方の引き出し電極と第2のうず巻状コイルを接続する第5の工程を備える。
さらに、本発明のコモンモードチョークコイルの製造方法は、第1の絶縁基板の表面全体に感光性導電ペーストを塗布し、これを乾燥、露光、現像することにより第1の絶縁基板の表面に第1のうず巻状コイルの一方の引出し電極と第2のうず巻状コイルの一方の引き出し電極を形成する第1の工程、第1の絶縁基板上に絶縁材料を印刷し、第1のうず巻状コイルの一方の引出し電極の端部と対応する位置にレーザ加工によってスルーホールが設けられた第1の絶縁体層を形成する第2の工程、第1の絶縁体層の表面全体に感光性導電ペーストを塗布し、これを乾燥、露光、現像することにより第1の絶縁体層の表面に第1のうず巻状コイルを形成し、第1のうず巻状コイルの一方の引出し電極と第1のうず巻状コイルを接続する第3の工程、第1の絶縁体層上に絶縁材料を印刷し、第2のうず巻状コイルの一方の引き出し電極の端部と対応する位置にレーザ加工によって第1の絶縁体層も貫通するスルーホールが設けられた第2の絶縁体層を形成する第4の工程及び、第2の絶縁体層の表面全体に感光性導電ペーストを塗布し、これを乾燥、露光、現像することにより第2の絶縁体層の表面に第2のうず巻状コイルを形成し、第2のうず巻状コイルの一方の引き出し電極と第2のうず巻状コイルを接続する第5の工程を備える。
【0008】
本発明のコモンモードチョークコイルの製造方法は、第1の絶縁基板の表面全体に感光性導電ペーストを塗布し、これを乾燥、露光、現像することにより第1の絶縁基板の表面に第1のうず巻状コイルの一方の引出し電極と第2のうず巻状コイルの一方の引き出し電極を形成する第1の工程、第1の絶縁基板上に絶縁シートを積層、圧着し、第1のうず巻状コイルの一方の引出し電極の端部と第2のうず巻状コイルの一方の引き出し電極の端部と対応する位置にレーザ加工によってスルーホールが設けられた第1の絶縁体層を形成する第2の工程、第1の絶縁体層の表面全体に感光性導電ペーストを塗布し、これを乾燥、露光、現像することにより第1の絶縁体層の表面に第1のうず巻状コイルを形成し、第1のうず巻状コイルの一方の引出し電極と第1のうず巻状コイルを接続する第3の工程、第1の絶縁体層上に絶縁シートを積層、圧着し、第2のうず巻状コイルの一方の引き出し電極の端部と対応する位置にレーザ加工によってスルーホールが設けられた第2の絶縁体層を形成する第4の工程及び、第2の絶縁体層の表面全体に感光性導電ペーストを塗布し、これを乾燥、露光、現像することにより第2の絶縁体層の表面に第2のうず巻状コイルを形成し、第2のうず巻状コイルの一方の引き出し電極と第2のうず巻状コイルを接続する第5の工程を備える。
また、本発明のコモンモードチョークコイルの製造方法は、第1の絶縁基板の表面全体に感光性導電ペーストを塗布し、これを乾燥、露光、現像することにより第1の絶縁基板の表面に第1のうず巻状コイルの一方の引出し電極と第2のうず巻状コイルの一方の引き出し電極を形成する第1の工程、第1の絶縁基板上に絶縁シートを積層、圧着し、第1のうず巻状コイルの一方の引出し電極の端部と対応する位置にレーザ加工によってスルーホールが設けられた第1の絶縁体層を形成する第2の工程、第1の絶縁体層の表面全体に感光性導電ペーストを塗布し、これを乾燥、露光、現像することにより第1の絶縁体層の表面に第1のうず巻状コイルを形成し、第1のうず巻状コイルの一方の引出し電極と第1のうず巻状コイルを接続する第3の工程、第1の絶縁体層上に絶縁シートを積層、圧着し、第2のうず巻状コイルの一方の引き出し電極の端部と対応する位置にレーザ加工によって第1の絶縁体層も貫通するスルーホールが設けられた第2の絶縁体層を形成する第4の工程及び、第2の絶縁体層の表面全体に感光性導電ペーストを塗布し、これを乾燥、露光、現像することにより第2の絶縁体層の表面に第2のうず巻状コイルを形成し、第2のうず巻状コイルの一方の引き出し電極と第2のうず巻状コイルを接続する第5の工程を備える。
さらに、本発明のコモンモードチョークコイルの製造方法は、第1の絶縁基板の表面全体に感光性導電ペーストを塗布し、これを乾燥、露光、現像することにより第1の絶縁基板の表面に第1のうず巻状コイルの両方の引出し電極と第2のうず巻状コイルの両方の引き出し電極を形成する第1の工程、第1の絶縁基板上に絶縁材料を印刷し、第1のうず巻状コイルの引出し電極の端部と第2のうず巻状コイルの引き出し電極の端部と対応する位置にレーザ加工によってスルーホールが設けられた第1の絶縁体層を形成する第2の工程、第1の絶縁体層の表面全体に感光性導電ペーストを塗布し、これを乾燥、露光、現像することにより第1の絶縁体層の表面に第1のうず巻状コイルを形成し、第1のうず巻状コイルの引出し電極と第1のうず巻状コイルを接続する第3の工程、第1の絶縁体層上に絶縁材料を印刷し、第2のうず巻状コイルの引き出し電極の端部と対応する位置にレーザ加工によってスルーホールが設けられた第2の絶縁体層を形成する第4の工程及び、第2の絶縁体層の表面全体に感光性導電ペーストを塗布し、これを乾燥、露光、現像することにより第2の絶縁体層の表面に第2のうず巻状コイルを形成し、第2のうず巻状コイルの引き出し電極と第2のうず巻状コイルを接続する第5の工程を備える。
また、本発明のコモンモードチョークコイルの製造方法は、第1の絶縁基板の表面全体に感光性導電ペーストを塗布し、これを乾燥、露光、現像することにより第1の絶縁基板の表面に第1のうず巻状コイルの両方の引出し電極と第2のうず巻状コイルの両方の引き出し電極を形成する第1の工程、第1の絶縁基板上に絶縁材料を印刷し、第1のうず巻状コイルの引出し電極の端部と対応する位置にレーザ加工によってスルーホールが設けられた第1の絶縁体層を形成する第2の工程、第1の絶縁体層の表面全体に感光性導電ペーストを塗布し、これを乾燥、露光、現像することにより第1の絶縁体層の表面に第1のうず巻状コイルを形成し、第1のうず巻状コイルの引出し電極と第1のうず巻状コイルを接続する第3の工程、第1の絶縁体層上に絶縁材料を印刷し、第2のうず巻状コイルの引き出し電極の端部と対応する位置にレーザ加工によって第1の絶縁体層も貫通するスルーホールが設けられた第2の絶縁体層を形成する第4の工程及び、第2の絶縁体層の表面全体に感光性導電ペーストを塗布し、これを乾燥、露光、現像することにより第2の絶縁体層の表面に第2のうず巻状コイルを形成し、第2のうず巻状コイルの引き出し電極と第2のうず巻状コイルを接続する第5の工程を備える。
さらに、本発明のコモンモードチョークコイルの製造方法は、第1の絶縁基板の表面全体に感光性導電ペーストを塗布し、これを乾燥、露光、現像することにより第1の絶縁基板の表面に第1のうず巻状コイルの両方の引出し電極と第2のうず巻状コイルの両方の引き出し電極を形成する第1の工程、第1の絶縁基板上に絶縁シートを積層、圧着し、第1のうず巻状コイルの引出し電極の端部と第2のうず巻状コイルの引き出し電極の端部と対応する位置にレーザ加工によってスルーホールが設けられた第1の絶縁体層を形成する第2の工程、第1の絶縁体層の表面全体に感光性導電ペーストを塗布し、これを乾燥、露光、現像することにより第1の絶縁体層の表面に第1のうず巻状コイルを形成し、第1のうず巻状コイルの引出し電極と第1のうず巻状コイルを接続する第3の工程、第1の絶縁体層上に絶縁シートを積層、圧着し、第2のうず巻状コイルの引き出し電極の端部と対応する位置にレーザ加工によってスルーホールが設けられた第2の絶縁体層を形成する第4の工程及び、第2の絶縁体層の表面全体に感光性導電ペーストを塗布し、これを乾燥、露光、現像することにより第2の絶縁体層の表面に第2のうず巻状コイルを形成し、第2のうず巻状コイルの引き出し電極と第2のうず巻状コイルを接続する第5の工程を備える。
またさらに、本発明のコモンモードチョークコイルの製造方法は、第1の絶縁基板の表面全体に感光性導電ペーストを塗布し、これを乾燥、露光、現像することにより第1の絶縁基板の表面に第1のうず巻状コイルの両方の引出し電極と第2のうず巻状コイルの両方の引き出し電極を形成する第1の工程、第1の絶縁基板上に絶縁シートを積層、圧着し、第1のうず巻状コイルの引出し電極の端部と対応する位置にレーザ加工によってスルーホールが設けられた第1の絶縁体層を形成する第2の工程、第1の絶縁体層の表面全体に感光性導電ペーストを塗布し、これを乾燥、露光、現像することにより第1の絶縁体層の表面に第1のうず巻状コイルを形成し、第1のうず巻状コイルの引出し電極と第1のうず巻状コイルを接続する第3の工程、第1の絶縁体層上に絶縁シートを積層、圧着し、第2のうず巻状コイルの引き出し電極の端部と対応する位置にレーザ加工によって第1の絶縁体層も貫通するスルーホールが設けられた第2の絶縁体層を形成する第4の工程及び、第2の絶縁体層の表面全体に感光性導電ペーストを塗布し、これを乾燥、露光、現像することにより第2の絶縁体層の表面に第2のうず巻状コイルを形成し、第2のうず巻状コイルの引き出し電極と第2のうず巻状コイルを接続する第5の工程を備える。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のコモンモードチョークコイルは、うず巻状コイル及び引き出し電極が絶縁基板又は絶縁体層の表面全体に感光性導電ペーストを厚膜印刷し、フォトリソグラフィ技術により形成される。これによりうず巻状コイル及び引き出し電極は、数μmの公差で線幅を100μm以下にでき、また厚みも20μm以上にできる。また、絶縁基板上に1対のうず巻状コイルの引き出し電極が形成された場合には、層の数を減らすことができるので、その分の工数が不用になる。
また、うず巻状コイルと引出電極を接続するために絶縁体層に設けられるスルーホールは、絶縁基板又は絶縁体層の表面全体に絶縁材料を厚膜印刷するか又は、絶縁基板又は絶縁体層上に絶縁体層シートを積層、圧着して絶縁体層を形成した後、所定の位置をレーザ加工することにより形成される。これにより、スルーホールは直径を100μm以下にできる。
【0010】
【実施例】
以下、図面を参照して、本発明のコモンモードチョークコイルの製造方法の実施例について説明する。
図1は本発明のコモンモードチョークコイルの製造方法の第1の実施例によって製造されたコモンモードチョークコイルの分解斜視図、図2は本発明のコモンモードチョークコイルの製造方法によって製造されたコモンモードチョークコイルの斜視図、図3はコモンモードチョークコイルの等価回路図である。
図1において、11、16は絶縁基板、12、13、14、15は絶縁体層、17、18はうず巻状コイルである。
絶縁基板11の表面には、うず巻状コイル17の一端を構成する引き出し電極17Aが形成され、一方の端が絶縁基板11の端面に引き出される。
この絶縁基板11上に形成される絶縁体層12の表面には、うず巻状コイル17が形成され、内側の端が絶縁体層12に設けられたスルーホールを介して引き出し電極17Aの他方の端に接続される。うず巻状コイル17の外側の端17B(すなわち、うず巻状コイル17の他端を構成する引き出し電極)は、絶縁体層12の端面に引き出される。この時、うず巻状コイル17の外側の端17Bは、引き出し電極17Aが引き出された面と対向する面において対向する位置に引き出される。
この絶縁体層12の上には、絶縁体層13が形成される。この絶縁体層13の表面には、うず巻状コイル18が形成され、外側の端18B(すなわち、うず巻状コイル18の他端を構成する引き出し電極)が絶縁体層13の端面に引き出される。このうず巻状コイル18は、その巻回方向がうず巻状コイル17の巻回方向と同じ方向となるように、内側の端部と外側の端部を除いた部分がうず巻状コイル17と平行に形成される。
この絶縁体層13上に形成される絶縁体層14の表面には、うず巻状コイル18の一端を構成する引き出し電極18Aが形成される。この引き出し電極18Aは、一方の端が絶縁体層14の端面に引き出され、他方の端が絶縁体層14に設けられたスルーホールを介してうず巻状コイル18の内側の端に接続される。この時、引き出し電極18Aの一方の端は、うず巻状コイル18の外側の端18Bが引き出された面と対向する面において対向する位置に引き出される。
この絶縁体層14の上に絶縁体層15が形成され、さらに絶縁体層15の上に絶縁基板16が形成される。
【0011】
これらが一体化された本体には、図2に示す様に外部端子21、22、23、24が設けられる。外部端子21には引き出し電極17Aが、外部端子22にはうず巻状コイル17の外側の端がそれぞれ接続される。また、外部端子23には引き出し電極18Aが、外部端子24にはうず巻状コイル18の外側の端がそれぞれ接続される。
【0012】
この様に形成されたコモンモードチョークコイルは、図3に示すように、うず巻状コイル17と引き出し電極17AとでコイルL1を形成し、うず巻状コイル18と引き出し電極18AとでコイルL2を形成している。このコイルL1とコイルL2は、同じ巻回方向のうず巻状コイル17とうず巻状コイル18が絶縁体層13を介して平行に対向しているので、コモンモードノイズが相殺される。また、コイルL1とコイルL2は、同一線幅、同一巻数になる様に形成されているので、同一インダクタンス、同一インピーダンスとなる。
【0013】
このコモンモードチョークコイルは、次の様にして製造される。まず、予め焼成された絶縁基板の表面全体に感光性導電ペーストを印刷し、これを乾燥した後、引き出し電極となる部分のみが残る様に紫外線等で露光し、現像して引き出し電極となる部分以外の部分を除去し、これらを焼成することにより、図4(A)の様に絶縁基板41の表面に引き出し電極47Aが形成される。なお、通常は複数個のコモンモードチョークコイルが一度に製造できるように絶縁基板の表面に複数個のコモンモードチョークコイルの引き出し電極が形成されるが、説明を容易にするため図4では1つのコモンモードチョークコイルだけを示している。
次に、この引き出し電極47Aが形成された絶縁基板の表面全体に絶縁材料をペースト状にしたものを印刷し、引き出し電極の他端と対応する位置にレーザ光を照射することにより、レーザ光が照射された部分が加工されてスルーホールが形成される。これらを焼成することにより、図4(B)の様に引き出し電極の他端と対応する位置にスルーホール42Aを有する絶縁体層42が形成される。スルーホール42Aの底面には引き出し電極47Aの他端が露出する。
さらに、この絶縁体層の表面全体に感光性導電ペーストを印刷し、乾燥した後、うず巻状コイルとなる部分が残るように紫外線等で露光し、現像によってうず巻状コイルとなる部分以外の部分を除去し、これらを焼成することにより、図4(C)の様に絶縁体層42の表面にうず巻状コイル47が形成される。うず巻状コイル47は、絶縁体層42の表面全体に感光性導電ペーストを塗布する際に、感光性導電ペーストがスルーホール内に充填され、引き出し電極47Aと接続される。
次に、このうず巻状コイル47が形成された絶縁体層42の表面全体に絶縁材料をペースト状にしたものを印刷するか又は、絶縁体層42上に絶縁シートを積層・圧着して、これらを焼成することにより絶縁体層が形成される。この絶縁体層の表面全体に感光性導電ペーストを印刷し、乾燥した後、うず巻状コイルとなる部分が残るように紫外線等で露光し、現像によってうず巻状コイルとなる部分以外の部分を除去し、これらを焼成することにより、図4(D)の様に絶縁体層43の表面に、その巻回方向がうず巻状コイル47の巻回方向と同じ方向で、うず巻状コイル47と平行になる様にうず巻状コイル48が形成される。
さらに、このうず巻状コイル48が形成された絶縁体層43の表面全体に絶縁体ペーストを印刷し、うず巻状コイル48の内側の端と対応する位置にレーザ光を照射することにより、レーザ光が照射された部分が加工されてスルーホール44Bが形成され、これらを焼成することにより、図4(E)の様にスルーホール44Bを有する絶縁体層44が形成される。
また、この絶縁体層の表面全体に感光性導電ペーストを印刷し、乾燥した後、引き出し電極となる部分のみが残る様に紫外線等で露光し、現像によって引き出し電極となる部分以外の部分を除去し、これらを焼成することにより、図4(F)の様に絶縁体層44の表面に引き出し電極48Aが形成される。引き出し電極48Aは、絶縁体層44の表面全体に感光性導電ペーストを塗布する際に、感光性導電ペーストがスルーホール内に充填され、うず巻状コイル48と接続される。
さらにまた、この引き出し電極48Aが形成された絶縁体層44の表面全体に絶縁体ペーストを印刷した後、焼成して図4(F)の様に絶縁体層45を形成する。
次に、この絶縁体層45の上面には、予め焼成された絶縁基板が積層され、絶縁体層45と絶縁基板が接合される。この絶縁体層と絶縁基板の接合は、絶縁体層の上面と絶縁基板の下面の少なくとも一方の面にガラス等のセラミックや、樹脂等を用いて接合層を形成した後、絶縁体層の上面と絶縁基板の下面を向かい合わせて密着させることにより行われる。この時、接合層の材料にセラミックを用いた場合はこれらの積層体は焼成され、接合層の材料に樹脂が用いられた場合には絶縁基板や絶縁体層の焼成温度よりも低い温度で樹脂を硬化させる。
そして、これらが一体化された本体の所定の位置に外部電極が形成される。この外部電極の形成は、絶縁体層と絶縁基板を樹脂の硬化により接合した場合は樹脂を混入した導電ペーストを本体の所定の位置に塗布した後低い温度で樹脂を硬化させ、絶縁体層と絶縁基板をセラミックで接合した場合は導電ペーストを本体の所定の位置に塗布した後焼成するか、又は樹脂を混入した導電ペーストを本体の所定の位置に塗布した後低い温度で樹脂を硬化させる。
【0014】
図5は、本発明のコモンモードチョークコイルの製造方法の第2の実施例によって製造されたコモンモードチョークコイルの分解斜視図である。
絶縁基板51の表面には、うず巻状コイル56の一端を構成する引き出し電極56Aとうず巻状コイル57の一端を構成する引き出し電極57Aが形成される。この引き出し電極56Aの一端と引き出し電極57Aの一端は、絶縁基板51の同じ端面に引き出される。
絶縁体層52の表面には、うず巻状コイル56が形成され、内側の端が絶縁体層52に設けられたスルーホールを介して引き出し電極56Aの他方の端に接続される。うず巻状コイル56の外側の端56B(すなわち、うず巻状コイル56の他端を構成する引き出し電極)は、絶縁体層52の端面に引き出される。この時、うず巻状コイル56の外側の端56Bは、引き出し電極56Aが引き出された辺と対向する辺において対向する位置に引き出される。
絶縁体層53の表面には、うず巻状コイル57が形成される。うず巻状コイル57は、その巻回方向がうず巻状コイル56の巻回方向と同じ方向となるように、内側の端部と外側の端部を除いた部分がうず巻状コイル56と平行に形成される。このうず巻状コイル57の内側の端は、絶縁体層52と絶縁体層53に設けられたスルーホールを介して引き出し電極17Aの他方の端に接続される。また、うず巻状コイル57の外側の端57B(すなわち、うず巻状コイル57の他端を構成する引き出し電極)は、絶縁体層53の端面に引き出される。この時、うず巻状コイル57の外側の端57Bは、引き出し電極57Aが引き出された辺と対向する辺において対向する位置に引き出される。
この絶縁体層53の上に絶縁体層54が形成され、さらに絶縁体層54の上に絶縁基板55が形成される。
【0015】
このコモンモードチョークコイルは、次の様にして製造される。まず、焼成済みの絶縁基板に表面全体に感光性導電ペーストを印刷し、これを乾燥した後、引き出し電極となる部分のみが残る様に紫外線等で露光し、現像して引き出し電極となる部分以外の部分を除去する。これらを焼成することにより、図6(A)の様に絶縁基板61の表面に引き出し電極66Aと引き出し電極67Aが形成される。なお、説明を容易にするため図6では1つのコモンモードチョークコイルだけを示している。
次に、この引き出し電極66Aと引き出し電極67Aが形成された絶縁基板の表面全体に絶縁材料を印刷し、引き出し電極66Aの他端と引き出し電極67Aの他端と対応する位置にレーザ光を照射してスルーホールを形成する。これらを焼成することにより、図6(B)の様にそれぞれの引き出し電極の他端と対応する位置にスルーホール62A、62Bを有する絶縁体層62が形成される。スルーホール62Aの底面には引き出し電極66Aの他端が露出し、スルーホール62Bの底面には引き出し電極67Aの他端が露出する。
さらに、この絶縁体層の表面全体に感光性導電ペーストを印刷し、乾燥した後、うず巻状コイルとなる部分とスルーホールの部分が残るように紫外線等で露光し、現像によってうず巻状コイルとなる部分とスルーホールの部分以外の部分を除去し、これらを焼成することにより、図6(C)の様に絶縁体層62の表面にうず巻状コイル66が形成される。うず巻状コイル66は、絶縁体層62の表面全体に感光性導電ペーストを塗布する際に、感光性導電ペーストがスルーホール内に充填され、引き出し電極66Aと接続される。
次に、このうず巻状コイル66が形成された絶縁体層62の表面全体に絶縁材料をペースト状にしたものを印刷し、まだうず巻状コイルと接続されていない方の引き出し電極の他端と対応する位置にレーザ光を照射することにより、照射部分が加工されてスルーホールが形成され、これらを焼成することにより、図4(D)の様にうず巻状コイルと接続されていない方の引き出し電極の他端と対応する位置にスルーホール63Bを有する絶縁体層63が形成される。このスルーホール63Bの底面には絶縁体層62のスルーホール62Bに充填された導体が露出する。
さらに、この絶縁体層の表面全体に感光性導電ペーストを印刷し、乾燥した後、うず巻状コイルとなる部分が残るように紫外線等で露光し、現像によってうず巻状コイルとなる部分以外の部分を除去し、これらを焼成することにより、図6(E)の様に絶縁体層63の表面に、その巻回方向がうず巻状コイル66の巻回方向と同じ方向で、うず巻状コイル66と平行になる様にうず巻状コイル67が形成される。うず巻状コイル67は、絶縁体層63の表面全体に感光性導電ペーストを塗布する際に、感光性導電ペーストがスルーホール内に充填され、絶縁体層62のスルーホール62Bに充填された導体を介して引き出し電極67Aと接続される。
さらにまた、このうず巻状コイル67が形成された絶縁体層63の表面全体に絶縁体ペーストを印刷した後、焼成して図6(F)の様に絶縁体層64を形成する。
次に、この絶縁体層64の上面には、予め焼成された絶縁基板が積層され、絶縁体層64と絶縁基板が接合される。
そして、これらが一体化された本体の所定の位置に外部電極が形成される。
【0016】
図7は、本発明のコモンモードチョークコイルの製造方法の第3の実施例によって製造されたコモンモードチョークコイルの分解斜視図である。
絶縁基板71の表面には、うず巻状コイル76の一端を構成する引き出し電極76A、うず巻状コイル76の他端を構成する引き出し電極76B、うず巻状コイル77の一端を構成する引き出し電極77A及び、うず巻状コイル77の他端を構成する引き出し電極77Bが形成される。引き出し電極は、76Aの一端と77Aの一端が絶縁基板71の同じ端面に引き出され、76Bの一端と77Bの一端が、76Aの一端と77Aの一端が引き出された端面と対向する端面に引き出される。
絶縁体層72の表面には、うず巻状コイル76が形成され、内側の端がスルーホールを介して引き出し電極76Aの他端に接続され、外側の端がスルーホールを介して引き出し電極76Bの他端に接続される。
絶縁体層73の表面には、うず巻状コイル77が形成される。うず巻状コイル77は、その巻回方向がうず巻状コイル76の巻回方向と同じ方向となるように、内側の端部と外側の端部を除いた部分がうず巻状コイル76と平行に形成される。このうず巻状コイル77は、内側の端部が絶縁体層72と絶縁体層73に設けられたスルーホールを介して引き出し電極77Aの他端に接続され、外側の端部が絶縁体層72と絶縁体層73に設けられたスルーホールを介して引き出し電極77Bの他端に接続される。
この絶縁体層73の上に絶縁体層74が形成され、さらに絶縁体層74の上に絶縁基板75が形成される。
【0017】
このコモンモードチョークコイルは、まず、焼成済みの絶縁基板に表面全体に感光性導電ペーストを印刷し、これを乾燥した後、紫外線等で露光し、現像によって引き出し電極となる部分以外の部分を除去し、これらを焼成することにより、図8(A)の様に絶縁基板81の表面に4つの引き出し電極86A、86B、87A、87Bが形成される。
次に、この絶縁基板の表面全体に絶縁材料を印刷し、4つの引き出し電極の端と対応する位置にレーザ光を照射することにより、照射部分が加工されてスルーホールが形成され、これらを焼成することにより、図8(B)の様にそれぞれの引き出し電極の端と対応する位置にスルーホール82A、82B、82C、82Dを有する絶縁体層82が形成される。スルーホール82Aの底面には引き出し電極86Aの端が、スルーホール82Bの底面には引き出し電極86Bの端が、スルーホール82Cの底面には引き出し電極87Aの端が、スルーホール82Dの底面には引き出し電極87Bがそれぞれ露出する。
さらに、この絶縁体層の表面全体に感光性導電ペーストを印刷し、乾燥した後、紫外線等で露光し、現像によってうず巻状コイルとなる部分とスルーホールの部分以外の部分を除去し、これらを焼成することにより、図8(C)の様に絶縁体層82の表面にうず巻状コイル86が形成される。うず巻状コイル86は、絶縁体層82の表面全体に感光性導電ペーストを塗布する際に、引き出し電極86A及び引き出し電極86Bと接続される。
次に、この絶縁体層82の表面全体に絶縁材料を印刷し、まだうず巻状コイルと接続されていない2つの引き出し電極の端と対応する位置にレーザ光を照射することにより、照射部分が加工されてスルーホールが形成され、これらを焼成することにより、図8(D)の様にうず巻状コイルと接続されていない引き出し電極の端と対応する位置にスルーホール83C、83Dを有する絶縁体層83が形成される。このスルーホール83Bの底面にはスルーホール82Cに充填された導体が、スルーホール83Dの底面にはスルーホール82Dに充填された導体がそれぞれ露出する。
さらに、この絶縁体層の表面全体に感光性導電ペーストを印刷し、乾燥した後、紫外線等で露光し、現像によってうず巻状コイルとなる部分以外の部分を除去し、これらを焼成することにより、図8(E)の様に絶縁体層83の表面に、その巻回方向がうず巻状コイル86の巻回方向と同じ方向で、うず巻状コイル86と平行なうず巻状コイル87が形成される。うず巻状コイル87は、絶縁体層83の表面全体に感光性導電ペーストを塗布する際に、内側の端がスルーホールに充填された導体を介して引き出し電極87Aと接続され、外側の端がスルーホールに充填された導体を介して引き出し電極87Bと接続される。
さらにまた、このうず巻状コイル87が形成された絶縁体層83の表面全体に絶縁体ペーストを印刷した後、焼成して図8(F)の様に絶縁体層84を形成する。
次に、この絶縁体層84の上面には、予め焼成された絶縁基板が積層され、絶縁体層84と絶縁基板が接合される。そして、これらが一体化された本体の所定の位置に外部電極が形成される。
【0018】
以上、本発明のコモンモードチョークコイルの製造方法の実施例を述べたが、本発明はこれらの実施例に限られるものではない。例えば、1対のうず巻状コイルが引き出される位置はターン数に応じてさまざまに変えることができる。また、第1の実施例乃至第3の実施例においては、スルーホールを有する絶縁体層を絶縁材料を絶縁基板又は絶縁体層の表面全体に印刷し、所定の位置にレーザ加工を施して形成したものとして説明したが、絶縁シートを絶縁基板又は絶縁体層に積層、圧着した後、所定の位置にレーザ加工を施して形成してもよい。
さらに、第2の実施例と第3の実施例では、絶縁基板上に第1の絶縁体層を形成する際に第1のうず巻状コイルの引出し電極の端部と第2のうず巻状コイルの引き出し電極の端部と対応する位置にレーザ加工によってスルーホールを設けているが、絶縁基板上に第1の絶縁体層を形成する際に第1のうず巻状コイルの引出し電極の端部と対応する位置にだけレーザ加工によってスルーホールを設け、第2の絶縁体層を形成する際に第2のうず巻状コイルの引き出し電極の端部と対応する位置にレーザ加工によって第1の絶縁体層と第2の絶縁体層を貫通するスルーホールを設ければよい。
【0019】
【発明の効果】
以上述べた様に、本発明のコモンモードチョークコイルの製造方法は、1対のうず巻状コイルが絶縁基板又は絶縁体層の表面全体に感光性導電ペーストを厚膜印刷し、これを乾燥、露光、現像することにより形成されるので、従来の印刷法によるものよりも導体の線幅を細くできると共に、従来の薄膜法によるものよりも導体の厚みを厚くでき、かつ、1対のうず巻状コイルの形成精度が向上し、その相対的位置の精度も良くできる。また、本発明のコモンモードチョークコイルの製造方法は、絶縁基板又は絶縁体層上に絶縁材料を印刷するか又は絶縁シートを積層、圧着し、レーザ加工によってスルーホールが設けられるので、印刷により形成した場合と比較してスルーホールの形状、加工精度を向上することができる。
従って、本発明のコモンモードチョークコイルの製造方法は、高価な装置を用いることなく導体パターンの線幅の細線化や形状のばらつきの低減をすることができ、それによって特性を向上させることができる。
また、本発明のコモンモードチョークコイルの製造方法は、スルーホールがレーザ加工によって形成される、すなわち、レーザが絶縁体層に吸収されることにより、絶縁体層が加工されるので、絶縁体層に特別な材料を用いたり、特別な工程を設けたりする必要がなく、材料費を低減できると共に、工数を低減できる。
さらに、本発明のコモンモードチョークコイルの製造方法は、絶縁体層を絶縁シートで形成した場合、絶縁体層を印刷で形成した場合と比較して絶縁体層の厚みを均一にできる。
またさらに、本発明のコモンモードチョークコイルの製造方法は、第1のうず巻状コイルの引出し電極と第2のうず巻状コイルの引き出し電極を同じ層に形成した場合、形状を小型化できると共に、工数を低減できる。
さらに、本発明のコモンモードチョークコイルの製造方法は、第1のうず巻状コイルの引出し電極と第2のうず巻状コイルの引き出し電極を同じ層に形成した場合、第2のうず巻状コイルが形成される絶縁体層を形成する際に、第1のうず巻状コイルが形成された絶縁体層もレーザ加工して第2のうず巻状コイルと引き出し電極を接続するためのスルーホールを形成することができるので、工数を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のコモンモードチョークコイルの製造方法の第1の実施例によって製造されたコモンモードチョークコイルの分解斜視図である。
【図2】 本発明のコモンモードチョークコイルの製造方法によって製造されたコモンモードチョークコイルの斜視図である。
【図3】 コモンモードチョークコイルの等価回路図である。
【図4】 本発明のコモンモードチョークコイルの製造方法の第1の実施例を示す上面図である。
【図5】 本発明のコモンモードチョークコイルの製造方法の第2の実施例によって製造されたコモンモードチョークコイルの分解斜視図である。
【図6】 本発明のコモンモードチョークコイルの製造方法の第2の実施例を示す上面図である。
【図7】 本発明のコモンモードチョークコイルの製造方法の第3の実施例によって製造されたコモンモードチョークコイルの分解斜視図である。
【図8】 本発明のコモンモードチョークコイルの製造方法の第3の実施例を示す上面図である。
【符号の説明】
11、16 絶縁基板
12、13、14、15 絶縁体層

Claims (2)

  1. 第1の絶縁基板と第2の絶縁基板間に、1対のうず巻状コイルを絶縁体層を介して対向させ、これらを一体化した本体に外部端子を設けたコモンモードチョークコイルの製造方法において、
    第1の絶縁基板の表面全体に感光性導電ペーストを塗布し、これを乾燥、露光、現像することにより第1の絶縁基板の表面に第1のうず巻状コイルの両方の引出し電極と第2のうず巻状コイルの両方の引き出し電極を形成する第1の工程、該第1の絶縁基板上に絶縁材料を印刷するか又は絶縁シートを積層、圧着した後、該第1のうず巻状コイルの引出し電極の端部と該第2のうず巻状コイルの引き出し電極の端部と対応する位置にレーザ加工によってスルーホールが設けられた第1の絶縁体層を形成する第2の工程、該第1の絶縁体層の表面全体に感光性導電ペーストを塗布し、これを乾燥、露光、現像することにより該第1の絶縁体層の表面に第1のうず巻状コイルを形成し、第1のうず巻状コイルの引出し電極と該第1のうず巻状コイルを接続する第3の工程、該第1の絶縁体層上に絶縁材料を印刷するか又は絶縁シートを積層、圧着した後、該第2のうず巻状コイルの引き出し電極の端部と対応する位置にレーザ加工によってスルーホールが設けられた第2の絶縁体層を形成する第4の工程及び、該第2の絶縁体層の表面全体に感光性導電ペーストを塗布し、これを乾燥、露光、現像することにより該第2の絶縁体層の表面に第2のうず巻状コイルを形成し、該第2のうず巻状コイルの引き出し電極と該第2のうず巻状コイルを接続する第5の工程を備えて、
    第1の絶縁基板の表面に第1のうず巻状コイルの両方の引き出し電極と第2のうず巻状コイルの両方の引き出し電極が形成され、該第1の絶縁基板と第2の絶縁基板間に第1のうず巻状コイルと第2のうず巻状コイルが絶縁体層を介して対向し、第1のうず巻状コイルの両端に引き出し電極が接続され、第2のうず巻状コイルの両端に引き出し電極が接続されたことを特徴とするコモンモードチョークコイルの製造方法。
  2. 第1の絶縁基板と第2の絶縁基板間に、1対のうず巻状コイルを絶縁体層を介して対向させ、これらを一体化した本体に外部端子を設けたコモンモードチョークコイルの製造方法において、
    第1の絶縁基板の表面全体に感光性導電ペーストを塗布し、これを乾燥、露光、現像することにより第1の絶縁基板の表面に第1のうず巻状コイルの両方の引出し電極と第2のうず巻状コイルの両方の引き出し電極を形成する第1の工程、該第1の絶縁基板上に絶縁材料を印刷するか又は絶縁シートを積層、圧着した後、該第1のうず巻状コイルの引出し電極の端部と対応する位置にレーザ加工によってスルーホールが設けられた第1の絶縁体層を形成する第2の工程、該第1の絶縁体層の表面全体に感光性導電ペーストを塗布し、これを乾燥、露光、現像することにより該第1の絶縁体層の表面に第1のうず巻状コイルを形成し、第1のうず巻状コイルの引出し電極と該第1のうず巻状コイルを接続する第3の工程、該第1の絶縁体層上に絶縁材料を印刷するか又は絶縁シートを積層、圧着した後、該第2のうず巻状コイルの引き出し電極の端部と対応する位置にレーザ加工によって該第1の絶縁体層も貫通するスルーホールが設けられた第2の絶縁体層を形成する第4の工程及び、該第2の絶縁体層の表面全体に感光性導電ペーストを塗布し、これを乾燥、露光、現像することにより該第2の絶縁体層の表面に第2のうず巻状コイルを形成し、該第2のうず巻状コイルの引き出し電極と該第2のうず巻状コイルを接続する第5の工程を備えて、
    第1の絶縁基板の表面に第1のうず巻状コイルの両方の引き出し電極と第2のうず巻状コイルの両方の引き出し電極が形成され、該第1の絶縁基板と第2の絶縁基板間に第1のうず巻状コイルと第2のうず巻状コイルが絶縁体層を介して対向し、第1のうず巻状コイルの両端に引き出し電極が接続され、第2のうず巻状コイルの両端に引き出し電極が接続されたことを特徴とするコモンモードチョークコイルの製造方法。
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