JP2001307937A - 積層セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents

積層セラミック電子部品の製造方法

Info

Publication number
JP2001307937A
JP2001307937A JP2000119807A JP2000119807A JP2001307937A JP 2001307937 A JP2001307937 A JP 2001307937A JP 2000119807 A JP2000119807 A JP 2000119807A JP 2000119807 A JP2000119807 A JP 2000119807A JP 2001307937 A JP2001307937 A JP 2001307937A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
internal electrode
electrode paste
paste layer
carrier film
ceramic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000119807A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiromichi Tokuda
博道 徳田
Takeshi Tatsukawa
剛 達川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2000119807A priority Critical patent/JP2001307937A/ja
Publication of JP2001307937A publication Critical patent/JP2001307937A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 内部電極の厚みを厚くすることができ、信頼
性に優れた積層セラミック電子部品の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 キャリアフィルム上に内部電極ペースト
層16と、内部電極ペースト層16の周囲に形成された
セラミックペースト層17とからなるグリーンシート1
2を形成し、該グリーンシート12とキャリアフィルム
との積層体を圧着し、キャリアフィルムを剥離した後
に、第1の内部電極ペースト層16上に、キャリアフィ
ルムに支持された第2の内部電極ペースト層17を転写
し、さらに他のグリーンシートを積層し、セラミック積
層体を得、該セラミック積層体を厚み方向に加圧した後
焼成し、セラミック焼結体を得る、各工程を備える積層
セラミック電子部品の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばインダク
タ、LC部品あるいは貫通コンデンサなどに用いられる
積層セラミック電子部品の製造方法及び積層セラミック
電子部品に関し、より詳細には、内部電極形成工程が改
良されており、厚みの大きな内部電極を構成し得る積層
セラミック電子部品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、金属とセラミックスとを一体焼成
することにより得られた焼結体を用いた積層インダクタ
が知られている。積層インダクタの製造に際しては、ま
ずセラミックグリーンシート上に、コイル導体を構成す
るための内部電極ペーストを印刷する。また、上下の内
部電極を電気的に接続するためのスルーホールを、セラ
ミックグリーンシートに形成する。このようなグリーン
シートを複数枚積層し、得られた積層体を厚み方向に加
圧する。しかる後積層体を焼成することによりセラミッ
ク焼結体を得、該セラミック焼結体の外表面にコイル導
体と電気的に接続される一対の外部電極を形成する。
【0003】上記積層インダクタでは、セラミックグリ
ーンシートの積層数を高めることにより、巻回数を増加
させることができ、それによって大きなインダクタンス
を得ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、セラミ
ックグリーンシート上にコイル導体を構成するための内
部電極ペーストを印刷する方法では、セラミックグリー
ンシートの積層数が多くなると、上記積層体を得た段階
で、内部電極ペーストが存在する部分と存在しない部分
との間の段差が大きくなる。そのため、焼成に先立ち積
層体を厚み方向に加圧した際に、歪みが生じがちとな
る。また、焼成後に、上記歪みによりデラミネーション
と称されている層間剥離現象が生じがちであった。
【0005】他方、上記積層インダクタにおいて、直流
抵抗を下げるには、コイル導体の厚みを厚くするか、あ
るいはコイル導体の幅を広げる必要があった。しかしな
がら、セラミックグリーンシート上に内部電極ペースト
を印刷してコイル導体などの内部電極を形成する方法で
は、一度の印刷工程で、厚い内部電極を形成することは
困難であった。
【0006】また、たとえ、内部電極ペーストの印刷を
複数回繰り返して、厚みの厚い内部電極を形成し得たと
しても、積層体を厚み方向に加圧した際に、上述した圧
着歪みがより一層大きくなり、得られたセラミック焼結
体における層間剥離現象がより一層生じ易くなるという
問題があった。
【0007】さらに、コイル導体の幅を広げて直流抵抗
の低減を図った場合には、インダクタンス値が低下して
しまうことになる。上記のような問題は、積層インダク
タだけでなく、積層セラミックコンデンサ等の積層セラ
ミック電子部品においても同様に問題となっていた。す
なわち内部電極積層数を増大すると、上記厚み方向への
加圧に際しての圧着歪みが大きくなり、デラミネーショ
ンが生じがちであった。また、直流抵抗を下げるため
に、内部電極厚みを増大させると、上記デラミネーショ
ンがより一層生じがちであった。
【0008】本発明の目的は、内部電極の厚みを容易に
厚くすることができ、内部電極積層数を増加させた場合
であっても上記デラミネーションが生じ難い、積層セラ
ミック電子部品の製造方法を提供することにある。
【0009】本発明の他の目的は、内部電極としてのコ
イル導体の厚みを容易に増大させることができ、内部電
極積層数を増大した場合であってもデラミネーションの
発生が生じ難く、さらに大きなインダクタンスを容易に
得ることができる積層インダクタの製造方法を提供する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】第1の発明の広い局面に
よれば、第1のキャリアフィルム上に支持されており、
第1の内部電極ペースト層がセラミックグリーンシート
層の両主面に貫通するように、第1の内部電極ペースト
層及びセラミックグリーンシート層が形成されている複
合シートを用意する工程と、第2のキャリアフィルムに
支持された第2の内部電極ペースト層を用意する工程
と、前記複合シートを積層ステージ上で他のグリーンシ
ートに積層・圧着した後第1のキャリアフィルムを剥離
する工程と、前記複合シート上に、第2のキャリアフィ
ルムに支持された第2の内部電極ペースト層を転写し、
それによって第1,第2の内部電極ペースト層が積層さ
れた厚みの内部電極を形成する工程と、前記複合シート
と第2の内部電極ペースト層の積層により形成された内
部電極を有する積層体を焼成し、セラミック焼結体を得
る工程とを備えることを特徴とする、積層セラミック電
子部品の製造方法が提供される。
【0011】第1の発明の特定の局面では、上記第2の
内部電極ペースト層の転写が複数回行われ、それによっ
てより厚みの厚い内部電極が構成される。第2の発明に
広い局面によれば、第1のキャリアフィルムに支持され
ており、インダクタンス形成用内部電極ペースト層がセ
ラミック層の上面及び下面を貫通するように第1のイン
ダクタンス形成用内部電極ペースト層の周囲にセラミッ
ク層が形成されている複数枚の複合シートを用意する工
程と、前記第1のインダクタンス形成用内部電極ペース
ト層と同一パターンの第2のインダクタンス形成用内部
電極ペースト層を第2のキャリアフィルム上に形成する
工程と、第3のキャリアフィルム上に支持されており、
接続電極がセラミック層の上面及び下面に露出するよう
に、該接続電極の周囲にセラミック層が形成されている
接続電極グリーンシートを用意する工程と、前記複合シ
ートに少なくとも1枚の第2のキャリアフィルムに支持
されている第2のインダクタンス形成用内部電極ペース
ト層を積層し、第1,第2の内部電極ペースト層により
インダクタンス形成用内部電極を形成するとともに、前
記接続電極を介して上下のインダクタンス形成用内部電
極が電気的に接続されてコイルを構成するように、複合
シート、第2のキャリアフィルムに支持された第2の内
部電極ペースト層及び接続電極グリーンシートを積層
し、積層体を得る工程と、前記積層体を焼成し、セラミ
ック焼結体を得る工程とを備えることを特徴とする、積
層セラミック電子部品の製造方法が提供される。
【0012】第2の発明の特定の局面では、前記接続電
極を介して接続される上下のインダクタンス形成用内部
電極の形状が異なっている。第2の発明の他の特定の局
面においては、複数の前記第2のインダクタンス形成用
内部電極ペースト層が積層され、それによってより厚み
の厚いインダクタンス形成用内部電極が形成される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ、本発明
に係る積層セラミック電子部品の製造方法及び積層イン
ダクタの製造方法の具体的な実施例を説明する。
【0014】図1〜図5を参照しつつ、本発明の一実施
例に係る積層セラミック電子部品としての積層インダク
タの製造方法を説明する。図2(a)及び(b)は、本
発明の一実施例により得られる積層インダクタの内部構
造を略図的に示す斜視図及び外観斜視図である。
【0015】積層インダクタ1は、直方体状のセラミッ
ク焼結体2を有する。セラミック焼結体2は、フェライ
トなどの磁性体セラミックスあるいはガラスセラミック
などの絶縁性セラミックスを用いて構成されている。好
ましくは、磁性体セラミックスが用いられる。
【0016】セラミック焼結体2の第1,第2の端面2
a,2bを覆うように、第1,第2の外部電極3,4が
形成されている。また、セラミック焼結体2内には、コ
イル導体5が形成されている。図2(a)に示されてい
るように、コイル導体5の一端は、端面2aに露出して
おり、外部電極3に電気的に接続されている。また、コ
イル導体5の他端は、端面2bに引き出されており、外
部電極4に電気的に接続されている。
【0017】積層インダクタ1の製造に際しては、図1
(a)に示すグリーンシート11、複合シート12、接
続電極シート13、複合シート14及びグリーンシート
15が積層される。ここで、グリーンシート11,15
は、最上部及び最下部のセラミック焼結体層を構成する
ためのセラミックグリーンシートであり、シート12〜
14は、コイル導体5が形成される部分を構成するため
のものである。
【0018】図1(b)及び(c)に示すように、複合
シート12は、コイル導体5を構成するためのコの字状
の第1のインダクタンス形成用内部電極ペースト層16
と、該内部電極ペースト層16の周囲に形成されたセラ
ミックグリーンシート層17とからなる。内部電極ペー
スト層16は、セラミックグリーンシート層17の上面
から下面に貫通するように形成されている。
【0019】また、図1(a)に示されているように、
上記複合シート12上には、複数枚の第2のインダクタ
ンス形成用内部電極ペースト層18が複数層積層され
る。第2の内部電極ペースト層18は、第1の内部電極
ペースト層16と同じ平面形状を有し、第1,第2の内
部電極ペースト層16,18が厚み方向に重なり合っ
て、厚みの厚いコイル導体部分、すなわちインダクタン
ス形成用内部電極が構成される。
【0020】本実施例では、複合シート12を構成して
いる第1のインダクタンス形成用内部電極ペースト層1
6の厚み及びセラミックグリーンシート層17の厚みは
20μmとされており、内部電極ペースト層16,18
の幅は100μmとされている。従って、第1の内部電
極ペースト層16上に、第2の内部電極ペースト層18
を複数層積層することにより、アスペクト比が1に近い
コイル導体部分が構成される。
【0021】上記第1の内部電極ペースト層16上に積
層される第2の内部電極ペースト層18の積層数につい
ては特に限定されるわけではないが、後述の製造方法か
ら明らかなように、内部電極部分と周囲のセラミックグ
リーンシート部分との段差の発生を抑制するには、4層
以下、より好ましくは3層以下の第2の内部電極ペース
ト層18を積層することが望ましい。
【0022】接続電極シート13は、接続電極ペースト
層19と、接続電極ペースト層19の周囲に形成された
セラミックグリーンシート層20とを有する。接続電極
ペースト層19は、長さの短い矩形形状を有する。ま
た、接続電極ペースト層19もまた、接続電極シート1
3の上面から下面に貫通するように形成されている。
【0023】複合シート14は、略コの字状の第1のイ
ンダクタンス形成用内部電極ペースト層21と、セラミ
ックグリーンシート層22とを有する。内部電極ペース
ト層21は、複合シート14の上面から下面に貫通する
ように、すなわち内部電極ペースト層16とほぼ同様に
構成されている。
【0024】複合シート14上には、複合シート12上
と同様に、第1の内部電極ペースト層21と同じパター
ンの第2のインダクタンス形成用内部電極ペースト層2
3が重なり合うように複数層積層されている。従って、
第1の内部電極ペースト層21上に第2の内部電極ペー
スト層23が複数層積層されて、厚みの厚いコイル導体
部、すなわち内部電極が構成される。
【0025】なお、上記接続電極ペースト層19は、上
方に積層されるコイル導体部と下方に積層されるコイル
導体部とを電気的に接続してインダクタンスを構成する
ために設けられている。
【0026】また、複合シート12,14に設けられて
いる内部電極ペースト層16,21の平面形状は同一で
あり、シート面内において内部電極ペースト層16に対
して内部電極ペースト層21は180°回転されている
向きに配置されている。もっとも、接続電極の上下に配
置される複合シートの内部電極ペースト層の平面形状は
異なっていてもよい。
【0027】ところで、上記複合シート12,14及び
接続電極シート13では、内部電極ペースト層16,1
9,21が、上面から下面に貫通するように形成されて
いる。従って、セラミックグリーンシート上に導電ペー
ストを塗布する方法では、これらを得ることはできな
い。そこで、この複合シート等の製造方法を図3〜図4
を参照して説明する。
【0028】本実施例では、上記シート11〜15を積
層するにあたり、図3(a)に示すマザーのキャリアフ
ィルム31を用意する。キャリアフィルム31は、例え
ばポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂を用いて
構成されている。本実施例では、キャリアフィルム31
は正方形の形状を有し、その各辺中央に印刷用の基準穴
32が形成されている(図3(b))。また、印刷用基
準穴32の近傍に積層用基準穴33が形成されている。
上記キャリアフィルム31上に、内部電極ペースト層3
4及びセラミックグリーンシート層35を形成して、マ
ザーの複合シート36を構成する。
【0029】図3(b)では、内部電極ペースト層34
がコイル導体の一部を構成する形状として略図的に示さ
れている。この内部電極ペースト層34は、図1に示し
た内部電極ペースト層16,21に相当し、目的とする
内部電極ペースト層の平面形状に応じた形状とされる。
次に、内部電極ペースト層34を形成した後に、その周
囲にセラミックグリーンシート層35を形成する。
【0030】上記セラミックグリーンシート層35を形
成した後に、内部電極ペースト層34を形成してもよ
い。上記のようにして、キャリアフィルム31により複
合シート36が支持された構造が得られる。
【0031】他方、図4(a)に示すように、内部電極
ペースト層が形成されていないグリーンシート11,1
5を得るためのマザーのグリーンシート37が上記と同
様にしてキャリアフィルム31上に支持されているもの
を用意する。
【0032】さらに、本実施例では、複数の第2のイン
ダクタンス形成用内部電極ペースト層18,23の一方
のみが同様にして第2のキャリアフィルム上に支持され
ているもの(図示せず)を用意する。
【0033】次に図4(b)に示すように、積層ステー
ジ39を用意する。そして、積層ステージ39上に、キ
ャリアフィルム31により支持されたグリーンシート3
7をグリーンシート37が下面を向くようにして載置す
る。このグリーンシート37は、セラミックグリーンシ
ートのみからなり、内部電極ペースト層を有しない。こ
の際、前述した積層用基準穴33をカメラ(図示しな
い)によって読み取り、グリーンシート37の位置決め
を行う。
【0034】しかる後、キャリアフィルム31の外側の
面からグリーンシート37を圧着し、しかる後キャリア
フィルム31をグリーンシート37から剥離する。上記
のようにグリーンシート37がキャリアフィルム31で
支持されている構造を、積層ステージ39上において繰
り返し積層し、圧着していくことにより、図4(c)に
示すように、複数枚のグリーンシート37が積層され
る。
【0035】さらに、図4(d)に示すように、前述し
た内部電極ペースト層34とセラミックグリーンシート
層35とを有する複合シート36がキャリアフィルム3
1に支持されているものを上記と同様にして積層・圧着
する。
【0036】積層時の位置決めは、基準穴をカメラで画
像処理することにより位置決めする方法だけでなく、キ
ャリアフィルムの端面を基準としたり、ピンにより位置
決めを行うなど公知の方法にしたがって行い得る。
【0037】図4(d)に示す状態からキャリアフィル
ム31を剥離する。次に、本実施例では、図4(e)に
示すように、キャリアフィルム31に第2の内部電極ペ
ースト層40のみが形成されているものを積層し、キャ
リアフィルム31を下方に圧着し、しかる後キャリアフ
ィルム31を剥離する。このようにして、内部電極ペー
スト層40のみが、複合シート36の内部電極ペースト
層34に圧着される。この工程により、第2の内部電極
ペースト層40が第1の内部電極ペースト層34に積層
されて、厚みの厚いインダクタンス形成用内部電極が構
成される。
【0038】なお、図1に示されている構造のように、
実際には、第2の内部電極ペースト層40の積層工程を
複数回繰り返すことにより、より一層厚みの厚い内部電
極が形成される。
【0039】次に、図1の接続電極シート13に相当す
る接続電極シート41を同様にして積層する(図4
(f))。接続電極シート41では、接続電極42の周
囲にセラミックグリーンシート層43が形成されてい
る。
【0040】上記工程と同様にして、接続電極シート4
1の上方に複合シート36、第2のインダクタンス形成
用内部電極ペースト層40及びグリーンシート37の積
層を行う。
【0041】しかる後、最終的に得られた積層体を厚み
方向に加圧することにより、積層体が得られる。このよ
うにして得られたマザーの積層体を厚み方向に切断し、
個々の積層インダクタ単位の積層体とし、該積層体を焼
成することにより、セラミック焼結体2が得られる。
【0042】従って、内部電極ペースト層16,21及
び接続電極19が上面及び下面を貫通して形成されてい
る複合シート12,14及び接続電極シート13と、第
2のインダクタンス形成用内部電極ペースト層18,2
3とを、それぞれ、キャリアフィルム31に支持した状
態で取り扱い、上記のように積層することにより、セラ
ミック焼結体2を得るための積層体を容易に得ることが
できる。
【0043】なお、図4(f)から明らかなように、内
部電極ペースト層40のみを転写して、内部電極の厚み
を増加させた場合、上下のセラミックグリーンシート層
35,43間に隙間が生じるが、この隙間は、積層体を
厚み方向に加圧した際になくなり、すなわち加圧工程に
おいて隙間の上下のセラミックグリーンシートが密着す
るため、加圧工程により隙間は解消される。
【0044】図2に戻り、本実施例の積層インダクタ1
では、上記のようにして、コイル導体5を有するセラミ
ック焼結体2が、積層セラミックス一体焼成技術を用い
て容易に得られる。コイル導体5は、複合シート12,
14の上面から下面を貫くような厚みに形成された内部
電極ペースト層16,21を用いて構成されており、さ
らに、各内部電極ペースト層16,21上に、複数枚の
第2のインダクタンス形成用内部電極ペースト層18,
23がそれぞれ複数層積層されているので、厚みの大き
なコイル導体5を容易に形成することができ、よって大
きなインダクタンスを容易に実現することができる。
【0045】なお、複合シートではないグリーンシート
11,15の積層は上記実施例以外の方法、例えばキャ
リアフィルムから予めグリーンシート11,15を剥離
してグリーンシート11,15を積層する方法や、複数
枚のグリーンシート11または15を予め積層してなる
グリーンシート積層体を上記積層ステージ上で積層する
方法で行われてもよい。
【0046】図5は、上記実施例の変形例の製造方法を
説明するための断面図である。図5(a)及び(b)に
示すように、本発明においては、第1のインダクタンス
形成用内部電極ペースト層51の厚みを、その周囲に形
成されるセラミックグリーンシート層52の厚みよりも
薄くしておいてもよい。すなわち、複合シート53にお
いて、第1の内部電極ペースト層51は、セラミックグ
リーンシート層52の上面から下面に貫通するように形
成されているが、その厚みは、必ずしもセラミックグリ
ーンシート層52の厚みと等しい必要はなく、セラミッ
クグリーンシート層52の厚みより薄くともよい。
【0047】この場合、好ましくは図5(b)に示すよ
うに、第1の内部電極ペースト層51に比べて厚みの厚
い第2の内部電極ペースト層54がキャリアフィルム5
5に支持された状態で積層される。キャリアフィルム5
5を下方に圧着した後、剥離して図示のように分離する
ことにより、厚みの厚い第2の内部電極ペースト層54
が第1の内部電極ペースト層51上に圧着されるととも
に、複合シート53内に入り込む。すなわち、内部電極
ペースト層51が形成されている部分の貫通孔に第2の
内部電極ペースト層54が入り込むことになるため、積
層工程における乾燥に際してのセラミックグリーンシー
ト層52の変形を、内部電極ペースト層54の挿入によ
り抑制することができる。
【0048】図6(a)及び(b)は、本発明の上記実
施例の他の変形例を説明するための各断面図である。上
述したように、第1の内部電極ペースト層及びセラミッ
クグリーンシート層からなるグリーンシート上に、キャ
リアフィルムに支持された第2の内部電極ペースト層の
みを複数層積層した場合、第2の内部電極ペースト層の
周囲にはセラミックグリーンシート層が形成されていな
いので、第2の内部電極ペースト層が積層されている部
分と、その周囲のセラミック部分との間に段差が生じ易
くなる。
【0049】まず、図6(a)に示すように、第1の内
部電極ペースト層61を有する複合シート63を積層し
た後に、キャリアフィルム64を剥離する。次に、図6
(b)に示すように、前述の実施例と同様にして第2の
内部電極ペースト層65を積層し、さらに上記段差を解
消するために、キャリアフィルム66に支持されたスペ
ーサー67を積層してもよい。スペーサー67は、第1
の内部電極ペースト層61の周囲に形成されているセラ
ミックグリーンシート層62と同様の平面形状を有す
る。また、スペーサー67を構成する材料については、
特に限定されず、セラミックグリーンシート層62と同
じ材料で構成してもよく、あるいは他のセラミックスで
構成してもよく、さらには、焼成に際して焼失する合成
樹脂等により形成してもよい。焼成により焼失する材料
でスペーサーを構成した場合でも、焼成に先立って積層
体を厚み方向に加圧する工程において、上記スペーサー
の存在により内部電極が積層されている部分とそれ以外
の部分における密度のばらつきを低減することができ
る。
【0050】なお、上記実施例では、接続電極シートを
用いて、上下のコイル導体部分を電気的に接続したが、
接続電極シートを用いずに、上下の内部電極同士を電気
的に接続してもよい。
【0051】また、第1の実施例では、セラミック焼結
体2の端面2a,2bに外部電極3,4が形成されてお
り、コイル導体5は上面2cから下面2d側に向かって
巻回されていたが、図7に示すように、セラミック焼結
体72の端面72a,72bに外部電極73,74が形
成されており、コイル導体75が端面72aから72b
側に向かって巻回されている、いわゆる横巻き型の積層
インダクタ71を構成してもよい。
【0052】また、第1の実施例及び変形例では、積層
インダクタの製造方法につき説明したが、本発明は、積
層インダクタだけでなく、積層バリスタ、積層サーミス
タ、積層コンデンサ、積層LCフィルタ、多層基板、積
層モジュールなどの他の積層セラミック電子部品の製造
にも用いることができる。すなわち、各種積層セラミッ
ク電子部品の製造に用いることにより、同様に、焼成前
の積層体を厚み方向に加圧した際の圧着歪みを低減する
ことができ、デラミネーションの少ない、信頼性に優れ
た積層セラミック電子部品を得ることができる。また、
内部電極の厚みを容易に増大させ得るので、インダクタ
ンスの増大の他、電流容量の拡大をも図り得る。
【0053】
【発明の効果】第1の発明に係る積層セラミック電子部
品の製造方法では、複合シートにおいて、第1の内部電
極ペースト層の周囲にセラミック層が形成されているの
で、従来のグリーンシート上に導電ペーストを印刷する
ことにより形成された内部電極ペースト層に比べて内部
電極ペースト層の厚みを容易に増大することができる。
加えて、該第1の内部電極ペースト層上に、第2の内部
電極ペースト層が積層されて内部電極が構成されるの
で、内部電極の厚みを大きくすることができ、インダク
タンスや電流容量を容易に拡大することができ、さらに
直流抵抗を低めることができる。
【0054】また、上記第2の内部電極ペースト層を複
数層積層した場合には、より一層厚みの大きな内部電極
を形成することができる。第2の発明に係る積層セラミ
ック電子部品の製造方法では、第1のインダクタンス形
成用内部電極ペースト層の周囲にセラミック層が形成さ
れて第1の複合シートが構成されており、該複合シート
の第1のインダクタンス形成用内部電極ペースト層に、
第2のインダクタンス形成用内部電極ペースト層が積層
されるので、第1の発明と同様に、厚みの大きな内部電
極、すなわちコイル導体部分を構成することができる。
そして、上記のような厚みの厚いコイル導体部分が、接
続電極グリーンシートの接続電極により電気的に接続さ
れてコイルが構成されるので、大きなインダクタンスを
容易に得ることができる。
【0055】第2の発明において、接続を介して接続さ
れる上下の内部電極ペースト層の平面形状は同一であっ
てもよく、異なっていてもよいが、同一の場合には内部
電極ペースト層のパターン数を減らすことができ、異な
っている場合には、巻回数や目的とするインダクタンス
値に応じたコイル導体部分を適切に形成することができ
る。
【0056】第2の発明において、第2のインダクタン
ス形成用内部電極ペースト層を複数層積層した場合に
は、より一層大きなインダクタンスを得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)は、本発明の一実施例に係る積
層インダクタを得るためのグリーンシート、内部電極ペ
ースト層及びセラミックペースト層を説明するための分
解斜視図、平面図及び(b)中のB−B線に沿う断面
図。
【図2】(a)及び(b)は、本発明の一実施例に係る
積層インダクタを説明するための図であり、(a)は内
部を透かしてコイル導体を示した略図的斜視図、(b)
は外観斜視図。
【図3】(a)及び(b)は、第1の実施例において用
いられるキャリアフィルム及びキャリアフィルム上に内
部電極層及びセラミックペースト層を形成した状態を示
す各平面図。
【図4】(a)〜(f)は、本発明の一実施例におい
て、キャリアフィルムに支持されたグリーンシートを積
層する工程を説明するための各断面図。
【図5】(a)及び(b)は、本発明の積層インダクタ
の製造方法の第1の変形例を説明するための各断面図。
【図6】(a)及び(b)は、本発明の積層インダクタ
の製造方法の第2の変形例を説明するための各断面図。
【図7】本発明の積層インダクタの他の変形例を説明す
るための略図的斜視図。
【符号の説明】
1…積層インダクタ 2…セラミック焼結体 3,4…外部電極 5…コイル導体 11…グリーンシート 12,14…複合シート 13…接続電極シート 15…グリーンシート 16,21…第1の内部電極ペースト層 17,20,22…セラミックグリーンシート層 18,23…第2の内部電極ペースト層 31…キャリアフィルム 34…内部電極ペースト層 35…セラミックグリーンシート層 36…複合シート 37…グリーンシート 39…積層ステージ 40…内部電極ペースト層 41…接続電極シート 42…接続電極 43…セラミックグリーンシート層 51,61…内部電極ペースト層 52,62…セラミックグリーンシート層 53,63…複合シート 54,65…内部電極ペースト層 55,64,66…キャリアフィルム 71…積層インダクタ 72…セラミック焼結体 73,74…外部電極 75…コイル導体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5E001 AB03 AC01 AD05 AH00 AH01 AH05 AH09 AJ01 AJ02 5E062 DD04 5E070 AA01 AB02 AB04 BA12 CB03 CB13 5E082 AB03 BC14 BC32 EE04 EE11 EE31 FG06 FG26 FG54 LL01 MM22 MM24

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のキャリアフィルム上に支持されて
    おり、第1の内部電極ペースト層がセラミックグリーン
    シート層の両主面に貫通するように、第1の内部電極ペ
    ースト層及びセラミックグリーンシート層が形成されて
    いる複合シートを用意する工程と、 第2のキャリアフィルムに支持された第2の内部電極ペ
    ースト層を用意する工程と、 前記複合シートを積層ステージ上で他のグリーンシート
    に積層・圧着した後第1のキャリアフィルムを剥離する
    工程と、 前記複合シート上に、第2のキャリアフィルムに支持さ
    れた第2の内部電極ペースト層を転写し、それによって
    第1,第2の内部電極ペースト層が積層された厚みの内
    部電極を形成する工程と、 前記複合シートと第2の内部電極ペースト層の積層によ
    り形成された内部電極を有する積層体を焼成し、セラミ
    ック焼結体を得る工程とを備えることを特徴とする、積
    層セラミック電子部品の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第2の内部電極ペースト層の転写が
    複数回行われる、請求項1に記載の積層セラミック電子
    部品の製造方法。
  3. 【請求項3】 第1のキャリアフィルムに支持されてお
    り、インダクタンス形成用内部電極ペースト層がセラミ
    ック層の上面及び下面を貫通するように第1のインダク
    タンス形成用内部電極ペースト層の周囲にセラミック層
    が形成されている複数枚の複合シートを用意する工程
    と、 前記第1のインダクタンス形成用内部電極ペースト層と
    同一パターンの第2のインダクタンス形成用内部電極ペ
    ースト層を第2のキャリアフィルム上に形成する工程
    と、 第3のキャリアフィルム上に支持されており、接続電極
    がセラミック層の上面及び下面に露出するように、該接
    続電極の周囲にセラミック層が形成されている接続電極
    シートを用意する工程と、 前記複合シートに少なくとも1枚の第2のキャリアフィ
    ルムに支持されている第2のインダクタンス形成用内部
    電極ペースト層を積層し、第1,第2の内部電極ペース
    ト層によりインダクタンス形成用内部電極を形成すると
    ともに、前記接続電極を介して上下のインダクタンス形
    成用内部電極が電気的に接続されてコイルを構成するよ
    うに、複合シート、第2のキャリアフィルムに支持され
    た第2の内部電極ペースト層及び接続電極グリーンシー
    トを積層し、積層体を得る工程と、 前記積層体を焼成し、セラミック焼結体を得る工程とを
    備えることを特徴とする、積層セラミック電子部品の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 前記接続電極を介して接続される上下の
    インダクタンス形成用内部電極の形状が異なる、請求項
    3に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記複合シートに、複数枚の第2のイン
    ダクタンス形成用内部電極ペースト層が積層される、請
    求項3または4に記載の積層セラミック電子部品の製造
    方法。
JP2000119807A 2000-04-20 2000-04-20 積層セラミック電子部品の製造方法 Pending JP2001307937A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000119807A JP2001307937A (ja) 2000-04-20 2000-04-20 積層セラミック電子部品の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000119807A JP2001307937A (ja) 2000-04-20 2000-04-20 積層セラミック電子部品の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001307937A true JP2001307937A (ja) 2001-11-02

Family

ID=18630726

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000119807A Pending JP2001307937A (ja) 2000-04-20 2000-04-20 積層セラミック電子部品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001307937A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005052962A1 (ja) * 2003-11-28 2005-06-09 Murata Manufacturing Co., Ltd. 積層セラミック電子部品およびその製造方法
JP2005244161A (ja) * 2004-01-28 2005-09-08 Kyocera Corp キャリアフィルム、複合シート及びその製造方法並びにセラミック回路基板の製造方法
JP2012060183A (ja) * 2005-11-22 2012-03-22 Internatl Business Mach Corp <Ibm> 多層セラミック・チップ・キャリアの層を積層する際に均一な軸方向荷重分布を提供する装置
JP2013145836A (ja) * 2012-01-16 2013-07-25 Murata Mfg Co Ltd 電子部品の製造方法
JP2015106709A (ja) * 2013-11-29 2015-06-08 サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. 積層型電子部品、その製造方法及びその実装基板
JP2018060852A (ja) * 2016-10-03 2018-04-12 株式会社村田製作所 コイル内蔵基板、モジュールおよびコイル内蔵基板の製造方法
US20180233280A1 (en) * 2017-02-15 2018-08-16 Tdk Corporation Method for manufacturing laminated coil component

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005052962A1 (ja) * 2003-11-28 2005-06-09 Murata Manufacturing Co., Ltd. 積層セラミック電子部品およびその製造方法
US7928823B2 (en) 2003-11-28 2011-04-19 Murata Manufacturing Co., Ltd. Laminated ceramic electronic component and method for producing the same
JP2005244161A (ja) * 2004-01-28 2005-09-08 Kyocera Corp キャリアフィルム、複合シート及びその製造方法並びにセラミック回路基板の製造方法
JP2012060183A (ja) * 2005-11-22 2012-03-22 Internatl Business Mach Corp <Ibm> 多層セラミック・チップ・キャリアの層を積層する際に均一な軸方向荷重分布を提供する装置
JP2013145836A (ja) * 2012-01-16 2013-07-25 Murata Mfg Co Ltd 電子部品の製造方法
JP2015106709A (ja) * 2013-11-29 2015-06-08 サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. 積層型電子部品、その製造方法及びその実装基板
JP2018060852A (ja) * 2016-10-03 2018-04-12 株式会社村田製作所 コイル内蔵基板、モジュールおよびコイル内蔵基板の製造方法
US20180233280A1 (en) * 2017-02-15 2018-08-16 Tdk Corporation Method for manufacturing laminated coil component
US10998129B2 (en) 2017-02-15 2021-05-04 Tdk Corporation Method for manufacturing laminated coil component

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3551876B2 (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法
US6730183B2 (en) Laminated ceramic electronic components and manufacturing method therefor
JP3686908B2 (ja) 積層型コイル部品及びその製造方法
KR100336480B1 (ko) 적층형 코일 부품 및 그것의 제조 방법
US20020105788A1 (en) Method of manufacturing laminated ceramic electronic component and laminated ceramic electronic component
KR20190000303A (ko) 적층 인덕터의 제조 방법 및 적층 인덕터
JP3554784B2 (ja) 積層セラミック電子部品及びその製造方法
JP2001307937A (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法
JP3933844B2 (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法
JPH03219605A (ja) 積層型インダクタンス素子
US6627021B2 (en) Method of manufacturing laminated ceramic electronic component and method of manufacturing laminated inductor
JP2001076952A (ja) 積層セラミック電子部品及びその製造方法
JP2909122B2 (ja) 積層複合部品
JP2002343640A (ja) 積層セラミック型電子部品
JPH0432733Y2 (ja)
JPH08236409A (ja) 積層複合部品およびその製造方法
JPH06181122A (ja) コイル部品とその製造方法
JPH0845770A (ja) 積層電子部品の製造方法
JPH11186052A (ja) 複合部品およびその製造方法
JP2005311223A (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法
JPH08316100A (ja) 積層複合部品
JPH1027714A (ja) 複合部品およびその製造方法
JPH03219606A (ja) 積層インダクタの製造方法
JPH1027718A (ja) コイル部品およびその製造方法
JPH10189341A (ja) 複合部品およびその製造方法