JP2003257744A - 磁性素子及びその製造方法並びにそれを用いた電源モジュール - Google Patents

磁性素子及びその製造方法並びにそれを用いた電源モジュール

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JP2003257744A JP2002055611A JP2002055611A JP2003257744A JP 2003257744 A JP2003257744 A JP 2003257744A JP 2002055611 A JP2002055611 A JP 2002055611A JP 2002055611 A JP2002055611 A JP 2002055611A JP 2003257744 A JP2003257744 A JP 2003257744A
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伸哉 松谷
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隆 伊田
Osamu Inoue
修 井上
Hiroyuki Handa
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は高いインダクタンス値と低いコイル
直流抵抗、良好な直流重畳特性をもった超薄型の磁性素
子を提供することを目的とする。 【解決手段】 導体コイル3及び絶縁部4を含むシート
状コイル2と、このシート状コイル2を挟持するように
シート状コイル2の上下面に磁性体粉末を含有する樹脂
からなる第1磁性部材1を配置し、又、磁性体粉末を含
有する樹脂からなる第2磁性部材5とを有し、前記絶縁
部4の透磁率は前記第2磁性部材5の透磁率よりも小さ
く、前記第2磁性部材5は前記第1磁性部材間であって
導体の存在しないシート状コイル2の中心部または周辺
部から選ばれる少なくとも1ヶ所に配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインダクタンス部
品、チョークコイル、トランスなどに用いられる超小型
の磁性素子及びその製造方法並びにそれを用いた電源モ
ジュールとに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の全般的な小型・薄型化
に伴い、これらに用いられる電子部品や電源デバイスな
ども小型化、薄型化することが強く求められている。特
に、携帯機器等では小型化以上に薄型化の要求が強くな
ってきている。一方、CPUなどのLSIは高速・高集
積化してきており、このようなLSIに供給される電源
回路には大電流が供給されることがある。従って、高速
・高集積化されたLSIに供給される電源回路に用いら
れるチョークコイル等のインダクタンス部品にはコイル
導体を低抵抗化して低発熱を実現すること、及び直流重
畳によるインダクタンス値の低下が少ないこと(直流重
畳特性が良好であること)が必要とされている。又、使
用周波数が高周波化しているので高周波域での損失の低
いことが求められている。
【0003】更に、部品のコストを安くすることが強く
求められているため、単純な形状の部品構成素子を簡単
な工程で組み立てられることが必要となっている。
【0004】すなわち、大電流、高周波で使用可能であ
り、かつ小型・薄型化されたインダクタンス部品や電源
を安価に供給することが求められている。電源回路に使
用される電子部品の中で、最も厚さの大きいものはイン
ダクタンス部品である。そのため、インダクタンス部品
等の磁性素子の薄型化は電源自体の薄型化のためにも強
く望まれている。
【0005】一般に、磁性素子を小型化すると磁路断面
積が減少し、インダクタンス値が減少してしまう。この
ような小型の磁性素子の特性を向上させる(インダクタ
ンス値を大きくする)手段として、例えば実開昭53−
136538号公報や特開昭61−136213号公報
にはフェライト等を用いた鍔付きのドラム形状のコア材
に巻き線を施した後、鍔の内側を磁性体粉末と樹脂の混
合物で埋めて閉磁路構造としたものが提案されている。
【0006】この構造では通常巻き線に用いられるボビ
ンが不要となり、その分磁路断面積が大きく取れ、かつ
閉磁路構造となるのでインダクタンス値が大きくなり、
磁性素子の特性が向上する。
【0007】しかしながら、この構造は磁性素子の小型
化を目的としたものであって、薄型化を目的としたもの
ではなく、更に磁性体粉末と樹脂の混合物中の磁路長が
長いために充分な特性が得られたとは云えず問題点があ
った。又、実際にこのような従来技術を用いて、例えば
サイズが2×1×1mm程度のインダクタンス部品も市
販されているが、このインダクタンス部品はコイルの直
流抵抗が大きいものであった。
【0008】従って、低い直流抵抗と大きなインダクタ
ンス値とを有する磁性素子を実現するためには太い導線
を用いてコイルを作製し、ターン数も増やす必要があ
る。しかしながら、薄型化のためには同時に厚さを1m
m程度以下と小さくする必要があるので、コイルは平面
形に巻くことが望ましい。この平面形のコイルを収容す
るスペースを確保するためには、サイズを2〜10mm
角と大きくすることになる。ところが、このような面積
/厚さ比の大きい薄型構造では漏洩磁束が大きくなっ
て、大きなインダクタンス値が得られにくい。
【0009】このような薄型構造の磁性素子の特性向上
(漏洩磁束の減少)を狙った技術として、特開平6−3
42725号公報には導線(平面形コイル)をフェライ
トと樹脂とのペーストに埋め込んだものの上下にフェラ
イト板を貼り付けた構造が提案されている。又、特開平
9−270334号公報には磁性体粉末を含んだ樹脂に
平面形コイルが埋め込まれ、その上下に金属磁性板を貼
り付けた構造が提案されている。これらの構造は透磁率
の高い磁性体を外面に配することで薄型化しても漏洩磁
束が比較的少なく、特性が充分発現されるように配慮し
たものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
6−342725号公報や特開平9−270334号公
報に開示されている磁性素子は、平面形コイル自体が磁
性体粉末含有樹脂に完全に埋め込まれた構造となってい
るため、平面形コイルの導体間及び周りには磁性体粉末
含有樹脂が存在する構造となっている。従って、平面形
コイルの外周部分を通る本来の磁路よりもショートパス
となる磁路、つまり平面形コイルの導体を横切ったり、
近接する導体間を横切ったりする磁路が生じやすい。こ
のように平面形コイルの導体や導体間を通る磁束が増加
すると、高周波域では磁気損失が増大するとともにイン
ダクタンス値も低下するという問題が生じる。
【0011】又、薄いフェライト板等を最外部に用いた
場合、基板実装時のチャッキングや実装後の基板の反
り、落下等で磁性体の割れや欠け、歪等の問題で最終的
にインダクタンス値が劣化し、所望の特性を得られない
という問題が発生する。
【0012】本発明はこれらの問題を解決するために、
高いインダクタンス値を示すとともに高周波域での磁気
損失が少なく、機械強度に優れた超薄型の磁性素子を提
供することを目的とする。更に、このような磁性素子を
生産性高く製造する製造方法とこのような磁性素子を備
えた電源モジュールとを併せて提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、以下の構成を有するものである。
【0014】本発明の請求項1に記載の発明は、導体コ
イル及び絶縁部を含むシート状コイルと、このシート状
コイルを挟持するように前記シート状コイルの上下面に
磁性体粉末を含有する樹脂からなる第1磁性部材を配置
し、又、上記シート状コイルの中心部または周辺部の少
なくともいずれか一方に磁性体粉末を含有する樹脂から
なる第2磁性部材を配置し、前記絶縁部の透磁率は第2
磁性部材の透磁率よりも小さくした磁性素子である。こ
の構成によれば、導体コイルと第2磁性部材よりも透磁
率の小さい絶縁部とを含むシート状コイルが用いられる
ので、導体コイルの導体や近接する導体間を横切る磁束
が抑制され、磁束は導体が存在しないシート状コイルの
中心部や周辺部に設けられた第2磁性部材を通ることと
なるため従来の構成と比較すると、高いインダクタンス
値が得られるとともに、高周波域における磁気損失が少
ない超薄型の磁性素子を提供することができる。又、磁
性素子の最外部にあたる第1磁性部材を磁性体粉末を含
有する樹脂からなる材料にすることで基板実装時のチャ
ッキングや実装後の基板の反り、落下等で第1磁性部材
の割れ・欠け・歪み等を防ぐことができる。
【0015】本発明の請求項2に記載の発明は、第1磁
性部材のシート状コイルの中心部又は周辺部に対応する
位置に突起部を設けた請求項1に記載の磁性素子であ
り、第1磁性部材の突起部が第2磁性部材と同様の機能
を果たすこととなり、請求項1の作用に加えて高い寸法
精度の磁性素子を実現することができる。
【0016】本発明の請求項3に記載の発明は、第1磁
性部材の透磁率が第2磁性部材の透磁率以上とした請求
項1に記載の磁性素子であり、薄型構造であっても漏洩
磁束が少なく、かつ高周波域での磁気損失の小さい磁性
素子を実現することができる。
【0017】本発明の請求項4に記載の発明は、磁性体
粉末として金属磁性体粉末、フェライト磁性体粉末を用
いる請求項1に記載の磁性素子であり、磁性体粉末とし
て軟磁気特性の優れた粉末を用いることにより、良好な
磁気特性を得ることができる。
【0018】本発明の請求項5に記載の発明は、導体コ
イルは上下2段に分かれてそれぞれ平面形に巻回された
2段コイルであって、最内周部で上下2段のコイルが互
いに接合された請求項1に記載の磁性素子であり、導体
コイルの占積率を高くすることができるとともに、導体
コイル端がコイルの最外周側に来るために上下に配置さ
れた第1磁性部材に穴を設けることなく、容易に端子部
を取り出すことができる。
【0019】本発明の請求項6に記載の発明は、シート
状コイルが配線基板の配線層の一部として配線基板の内
部又は表面に設けられた請求項1に記載の磁性素子であ
り、容易に配線基板の内部又は表面に配置された磁性素
子を形成することが可能となる。
【0020】本発明の請求項7に記載の発明は、磁性体
粉末と未硬化状態の樹脂とを混合して第1磁性部材及び
第2磁性部材を作製する工程と、シート状コイルの所定
の領域に未硬化の前記第2磁性部材を配置する工程と、
前記シート状コイルの上下面に第1磁性部材をそれぞれ
配置する工程と、前記第1磁性部材及び第2磁性部材を
硬化させて一体化させる工程とを含む磁性素子の製造方
法であり、生産性に優れた超薄型の磁性素子の製造方法
を実現することができる。
【0021】本発明の請求項8に記載の発明は、磁性体
粉末と未硬化状態の樹脂とを混合して第1磁性部材及び
第2磁性部材を作製する工程と、シート状コイルが複数
設けられた大判シートを用意し、この大判シートの所定
位置に複数の穴部を形成してこの穴部に未硬化の前記第
2磁性部材を配置する工程と、前記シート状コイルの上
下面に第1磁性部材をそれぞれ配置する工程と、前記第
1磁性部材及び第2磁性部材を硬化させて一体化させる
工程と、前記大判シートを切断し個々の磁性素子の個片
とする工程とを含む磁性素子の製造方法であり、請求項
7と同じ作用を有する。
【0022】本発明の請求項9に記載の発明は、第1磁
性部材はシート状である請求項7又は8に記載の磁性素
子の製造方法であり、量産性に優れた製造法を実現する
ことができる。
【0023】本発明の請求項10に記載の発明は、前記
第2磁性部材はシート状である請求項7又は8に記載の
磁性素子の製造方法であり、簡易な方法で磁性素子を製
造することが可能となり、コストを削減することができ
る。
【0024】本発明の請求項11に記載の発明は、第2
磁性部材はペースト状である請求項7又は8に記載の磁
性素子の製造方法であり、印刷・塗布などの生産性に優
れた工法で一括大量製造することが可能となる。
【0025】本発明の請求項12に記載の発明は、請求
項1〜6のいずれか一つに記載の磁性素子を配線基板に
実装してなる電源モジュールであり、薄型で高性能な電
源モジュールを実現することができる。
【0026】上述したように、本発明の磁性素子は高い
インダクタンス値と低いコイル直流抵抗、更に良好な直
流重畳特性を有する薄型の磁性素子である。従って、こ
の磁性素子に配線基板や半導体チップやコンデンサ等の
他の電子部品を実装して作製した電源モジュールも、上
記特性に優れておりかつ薄型化を実現できる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の磁性素子の実施の
形態について、図面を参照しながら説明する。
【0028】以下では、インダクタンス部品やチョーク
コイルに用いられる磁性素子の例について説明するが、
本発明はこれに限定されるものではなく、2次巻き線の
必要なトランス等に用いてもその効果を発揮するもので
ある。図1は本発明の実施の形態の一例である超薄型の
磁性素子の断面図である。又、図2、3は図1に示すも
のとは別の実施の形態を示す超薄型の磁性素子の断面図
である。以下にそれぞれの超薄型の磁性素子について説
明する。
【0029】図1に示す超薄型の磁性素子はシート状コ
イル2が磁性体粉末を含有する樹脂からなる第1磁性部
材(上側第1磁性部材1a、下側第1磁性部材1b)1
によって挟持されており、かつ上下第1磁性部材1a,
1bそれぞれとシート状コイル2とが直接接触するよう
な構造となっている。更に、上下第1磁性部材1a,1
b間であって、かつシート状コイル2の中心部及び周辺
部には磁性体粉末を含有する樹脂からなる第2磁性部材
5が配置されている。この第1磁性部材1及び第2磁性
部材5の接着力で第1磁性部材1、シート状コイル2及
び第2磁性部材5が磁性素子として一体化されている。
【0030】シート状コイル2は導体コイル3を絶縁部
4によって平面状に固められた構造となっており、前記
絶縁部4は第2磁性部材5よりも透磁率が小さくなるよ
うに構成されている。又、導体コイル3は導体が平面形
に2段に巻かれた構造となっており、最内周部3aで上
下の導体がつながっている。導体コイル3の端子部3b
は最外周より第2磁性部材5を通して取り出されてい
る。なお、導体コイル3に予め端子を設けておき、端子
部3bを避けた位置に第2磁性部材5を設ける構造とし
てもよい。又図1に示された薄型の磁性素子の場合、シ
ート状コイル2の端子部3bは互いに異なる方向に取り
出されているが、同じ方向に取り出される構造であって
もよい。
【0031】図2に示す超薄型の磁性素子は図1に示さ
れた磁性素子とほぼ同様の構造であるが、シート状コイ
ル2は中心部ぎりぎりまで導体コイル3が巻回されてい
るので、中心部に穴が設けられていない構造となってい
る。従って、シート状コイル2の中心部には第2磁性部
材5が設けられておらず、周辺部のみに第2磁性部材5
が設けられた構造である。尚、第2磁性部材5はシート
状コイル2の中心部と周辺部の両方に設けられることが
より望ましいが、この場合のようにどちらか一方でも良
い。
【0032】図3に示す超薄型の磁性素子は下側第1磁
性部材1bの中央部、すなわちシート状コイル2の中心
部に対応する位置に突起部7が設けられており、この突
起部7と上側第1磁性部材1aとが接触する構造となっ
ている。このように、シート状コイル2の中心部に設け
られる第2磁性部材5の代わりに、第1磁性部材1に設
けた突起部7を用いてもよい。
【0033】又、突起部7はシート状コイル2の中心部
に対応する位置ではなく、シート状コイル2の周辺部に
対応する位置に設けられていてもかまわない。なお、こ
こでは、突起部7を下側第1磁性部材1bに設けたが、
上側第1磁性部材1aに設ける構造とすることも可能で
ある。このような構造にすることによって、シート状コ
イル2と第1磁性部材1との位置合わせが突起部7を中
心として嵌合されるために高い寸法精度を有する磁性素
子を実現することができる。
【0034】図1〜図3に示した超薄型の磁性素子は2
〜20mm角前後で、厚さ0.2〜2mm程度の非常に
薄い正方板状の磁性素子を想定しているが、円板状等の
他の形状であってもかまわない。又図1〜図3に示した
磁性素子は本発明の構造の一例を示したものであり、本
発明はこれらの構造に限定されるものではない。
【0035】以上のように、本発明の磁性素子は少なく
とも、磁性体粉末を含有する樹脂からなる第1磁性部
材1、導体コイル3及び絶縁部4を含むシート状コイ
ル2、磁性体粉末を含有する樹脂からなる第2磁性部
材5を備えた構造である。以下、〜の各構成につい
て、詳しく説明する。
【0036】第1磁性部材1 第1磁性部材1は、少なくとも磁性体粉末と樹脂の混合
物よりなる。
【0037】磁性体粉末としては、フェライト粉末ある
いはFe、Ni、又はCoを主成分とする金属磁性体粉
末を用いることができる。具体的には、MnZnフェラ
イト粉末、NiZnフェライト粉末、MgZnフェライ
ト粉末、六方晶フェライト粉末、ガーネット型フェライ
ト粉末、Fe粉末、Fe−Si系合金粉末、Fe−Si
−Al系合金粉末、Fe−Ni系合金粉末、Fe−Co
系合金粉末、Fe−Mo−Ni系合金粉末、Fe−Cr
−Si系合金粉末、Fe−Si−B系合金粉末等、軟磁
気特性を有する磁性体粉末であればどのようなものでも
原則的には使用可能であるが、飽和磁束密度の高い磁性
体粉末を用いることがより望ましい。磁性体粉末の粒子
径としては、100μm以下、より望ましくは30μm
以下であり、0.5μm以上、より望ましくは2μm以
上がよい。特に金属磁性体粉末を用いる場合、粒径が大
きすぎると高周波での渦電流損失が大きくなり、粒径が
小さくなりすぎると必要とする樹脂の量が多くなるため
第1磁性部材1及び第2磁性部材5の透磁率が低下して
しまうためである。
【0038】第1磁性部材1に用いる樹脂としては結着
性のあるものであればなんでも使用可能であるが、結着
後の強度や使用時の耐熱性の面からエポキシ樹脂、フェ
ノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂等の熱硬
化性樹脂が望ましい。
【0039】又、磁性体粉末との分散性、樹脂性能を改
善するために、分散剤、可塑剤等を微量添加してもよ
い。更に、硬化前のペーストの粘性を調整したり、或い
は金属磁性体粉末を用いた場合の絶縁性を向上させるた
めに第3成分を添加してもよい。このような第3成分と
してはシラン系カップリング材やチタン系カップリング
材、チタンアルコキシド、水、ガラス、窒化硼素、タル
ク、雲母、硫酸バリウム、テトラフルオロエチレン等が
挙げられる。
【0040】次に、第1磁性部材1は第2磁性部材5よ
り透磁率が高い方が望ましい。そうすることで、漏洩磁
束が比較的少ない薄型構造を実現することができる。
又、第1磁性部材1を構成する上側第1磁性部材1a及
び下側第1磁性部材1bが互いに異なる材質、厚みであ
っても同様な効果があることは言うまでも無い。
【0041】シート状コイル2 シート状コイル2としては、丸線、平角線、箔状線など
を必要なターン数巻いたコイルやメッキ、エッチング、
打ち抜きで作製したコイルを導体コイル3として用い、
これを絶縁部4を形成するための絶縁性物質(通常は絶
縁性樹脂)で被覆して固め、シート状としたものであれ
ば何でも利用可能である。但し、絶縁部4は第2磁性部
材5よりも透磁率が小さいことが必要であるため、非磁
性材料を用いることがより好ましい。絶縁部4を形成す
る絶縁性物質の具体例としては、エポキシ樹脂、シリコ
ーン樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。
【0042】なお、第1磁性部材1が絶縁性物質であれ
ば、シート状コイル2の上下面が絶縁性被覆されておら
ず、導体コイル3が露出していてもかまわない。又、低
い抵抗値を有し、高いインダクタンス値を得るためには
導体コイル3の占積率を高くする必要がある。そのため
には、絶縁部4による導体コイル3の被覆は可能な限り
薄い方がよい。又、高い占積率を実現するためには、巻
き線あるいはメッキ法で作製したコイルがより好まし
い。更に導体コイル3の材質は低抵抗であることが望ま
しいため、銀、銅を用いることが好ましい。
【0043】なお、平面形の導体コイル3が形成された
段階では、導体の存在しない中心部や周辺部が絶縁部4
で充填され、第2磁性部材5を配置する穴部が存在しな
い場合がある。
【0044】この場合には、ドリル、レーザー、パンチ
ャー等で、第2磁性部材5を配置する部分の絶縁部4を
除去すればよい。
【0045】第2磁性部材5 第2磁性部材5は本質的には第1磁性部材1と同様の材
料選定になる。すなわち、磁性体粉末としてはフェライ
ト粉末及びFe、Ni、又はCoを主成分とする金属磁
性体粉末を用いることができる。
【0046】又、第2磁性部材5に用いる樹脂としては
エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリ
イミド樹脂等の熱硬化性樹脂が望ましい。又、分散剤、
可塑剤及び性能改善のための第3成分を添加してもよ
い。
【0047】以上に説明したように、本実施の形態の磁
性素子は導体コイル3が第2磁性部材5よりも透磁率の
小さい絶縁部4に被覆されており、かつ第2磁性部材5
が導体コイル3の導体間に設けられていないので、導体
コイル3を横切る磁束を抑制することができる。
【0048】従って、上下第1磁性部材1a,1b間で
は、磁束は導体コイル3の中心部及び周辺部に設けられ
た第2磁性部材5(図3の構造の場合は第1磁性部材の
突起部7)を通ることとなる。この結果、高周波におけ
る磁気損失が少なく、高いインダクタンス値を有する磁
性素子を得ることができる。
【0049】又、本実施の形態の磁性素子は磁性体粉末
を含有する樹脂からなる第1磁性部材1及び第2磁性部
材5から構成されることから、割れ・欠けなどの構造的
欠陥が発生しにくく、生産性に関してもシートの形状で
取り扱いができることから薄型の磁性素子を実現するこ
とが容易であり、得られた磁性素子の特性においても周
波数特性を平坦化させることが可能となるなど、多くの
特徴を持った磁性素子を実現することができる。
【0050】又、本実施の形態の磁性素子はシート状コ
イル2の中心部及び周辺部の少なくとも何れか一方に第
2磁性部材5(第1磁性部材1の突起部7)が配置さ
れ、かつシート状コイル2及び第2磁性部材5の上下に
透磁率の高い第1磁性部材1が配置されている構成が望
ましい。そうすることで、漏洩磁束が少ない薄型構造を
実現することができる。又、シート状コイル2の導体コ
イル3は平面形コイルであるため、薄型構造であっても
太い導線を用いることにより、低い直流抵抗を有するコ
イルを実現することができる。
【0051】次に、本発明の磁性素子の具体的な製造方
法について説明する。
【0052】本発明の磁性素子が図1に示す構造の場
合、予めシート状に形成されたシート状コイル2を準備
しておき、次にその中心部又は周辺部の少なくとも一方
に未硬化の第2磁性部材5を配置し、次にその上下に第
1磁性部材1a,1bを配置し、その後第2磁性部材5
を硬化させて上下第1磁性部材1a,1bとシート状コ
イル2とを一体化する方法を用いて製造することができ
る。この方法では、巻き線技術は必ずしも必要ではな
く、2枚の上下第1磁性部材1a,1bのわずかな間隙
を第2磁性部材5で埋める必要もないので作製が容易で
ある。
【0053】又、図4(a)〜(f)に示すような方法
で製造することも可能である。この方法では、まずシー
ト状コイル2を複数形成した大判シート8を用意してお
く(図4(a)参照)。次に、シート状コイル2の中心
部9とシート状コイル2の周辺部の所定領域(以下、コ
イル周辺所定領域と記す。)10との絶縁部4をパンチ
ャー、レーザー加工機、ドリル等により除去する(図4
(b)参照)。次に、絶縁部4を除去した部分(中心部
9、コイル周辺所定領域10)に未硬化の第2磁性部材
5を配置する(図4(c)参照)。次に、第2磁性部材
5が配置された大判シート8上のシート状コイル2のそ
れぞれに、上下第1磁性部材1a,1b大判シートを配
置する(図4(d)参照)。その後、第2磁性部材5を
硬化させてシート状の上下第1磁性部材1a,1bを接
着することによって一体化させる(図4(e)参照)。
その後、大判シート8を切断し、レーザー等で端子部を
露出、あるいは切断端面部に端面電極を形成して、個々
の磁性素子を完成する(図4(f)参照)。
【0054】従来の方法では、巻き線を施してコイルを
作製する必要があったため、量産性に乏しく、高コスト
になるという問題があった。これに対し、本実施の形態
の方法によれば多数の薄型の磁性素子を一括製造するこ
とができるので、安価に大量に製造することによって生
産コストを抑えることが可能となる。
【0055】なお、第2磁性部材5を配置する方法とし
ては、予め第2磁性部材5をシート状に成形しておき、
シート状コイル2のコイル中心部9とコイル周辺所定領
域10とにシート状の第2磁性部材5を配置してもよい
し、第2磁性部材5をペースト状としておき、必要箇所
にディスペンサーや印刷等で塗布・充填して製造しても
よい。
【0056】又、シート状の上下第1磁性部材1a,1
bを配置する工程と、シート状コイル2の穴部に第2磁
性部材5を配置する工程は、前後が逆になっても何ら問
題はない。すなわち、まずシート状コイル2の穴部に第
2磁性部材5を充填した後、上下にシート状の第1磁性
部材1a,1bを配置してもよいし、まずシート状コイ
ル2の片面にシート状の第1磁性部材を配置し、次にシ
ート状コイル2の穴部に第2磁性部材5を充填し、その
後、もう1枚のシート状第1磁性部材をシート状コイル
2のもう片側に配置してもよい。
【0057】更に本発明の磁性素子は、シート状コイル
2の導体コイル3を配線基板の配線層の一部に形成して
おき、このコイルを有する基板層の必要な位置にパンチ
ャーやレーザーで穿孔し、この部分に未硬化の第2磁性
部材5を充填し、上下第1磁性部材1a,1bを配置し
て、未硬化の第2磁性部材5を硬化させれば容易に配線
基板の内部又は表面に本発明の磁性素子を形成すること
も可能である。
【0058】以上のように、本発明の磁性素子の製造
は、シート状の第1磁性部材1をシート状コイル2を挟
んで第2磁性部材5を介して接着するだけの簡単な方法
で生産することができる。
【0059】次に、本発明の磁性素子を用いた電源モジ
ュールについて説明する。
【0060】図5には本発明の磁性素子を用いた電源モ
ジュールの構成図が示されている。なお、ここで用いた
磁性素子は、基本的には図1に示した薄型の磁性素子で
ある。この電源モジュールは、配線基板11上に薄型の
磁性素子20が配置され、配線基板11と磁性素子20
の端子部3bとが接続ビア12にて接続されている。接
続ビア12は樹脂層13の中央部に設けられている。更
に、配線基板11の磁性素子20の配置面と反対側の面
には、半導体チップ14や抵抗、チップコンデンサ等の
チップ状の電子部品15等が実装されている。本電源モ
ジュールは本発明による超薄型の磁性素子20を用いて
いるため、高さ方向に他の部品(半導体チップ14や電
子部品15等)を実装したにもかかわらず低背であり、
かつ磁性素子20の配置面内には他の部品がないので面
積が小さくなる。
【0061】又、磁性素子20の2個所の端子取り出し
位置はコイルパターンによる周囲の任意の位置に設定で
きるので、本発明の電源モジュールは、図5に示された
構成に限られず設計自由度も大きいという効果も得られ
る。
【0062】
【実施例】本発明の磁性素子及びその製造方法につい
て、具体的に説明する。
【0063】(実施例1)実施例1では、第1磁性部材
1として平均粒径約10μmの94.5wt%Fe−
5.5wt%Si金属磁性体粉末にシリコーン系熱硬化
性樹脂12wt%を混合してペースト状とした後、ドク
ターブレード法でシート状に成形し、90℃で2時間加
熱乾燥した約100μm厚の第1磁性部材シートを用意
した。又第2磁性部材5として上記第1磁性部材1で用
いた金属磁性体粉末にエポキシ系熱硬化性樹脂14wt
%を混合してペースト状とした後、ドクターブレード法
でシート状に成形し、90℃で2時間加熱乾燥した約3
00μm厚の第2磁性部材シートを用意した。
【0064】次に、シート状コイル2として、メッキ法
により外径4.0mmφ、内径0.4mmφ、厚さ30
0μm、導体径約100μmの2段積み18ターンの導
体コイル3が絶縁部4にて絶縁被覆されたシート状コイ
ル2を用意した。このシート状コイル2は、第2磁性部
材5として用いる前記第2磁性部材よりも透磁率の小さ
い絶縁部4にて導体コイルを被覆したものであり、本実
施例1においてはこの絶縁部4の構成材料としてエポキ
シ樹脂を用いた。
【0065】次にこのシート状コイル2のコイル中心部
9又はコイル周辺所定領域10の第2磁性部材5を配置
するための穴加工をパンチャー、レーザー加工などの方
法によって穴開け加工を行った。
【0066】上記準備の後、まず一方の第1磁性部材シ
ートの上に穴開け加工されたシート状コイル2を直接接
触するように配置した。次に、穴開け加工によってくり
抜かれた部分に前記第2磁性部材5がはめ込まれるよう
に充填した後、更にもう一枚の第1磁性部材シートをそ
の上に位置合わせを行いながら重ねて載せた。
【0067】そして次に、重ね合わせた上から軽く圧力
をかけながら150℃に加熱し、それぞれ第1磁性部材
シート及びペースト状態で充填された第2磁性部材5を
熱硬化させて、第1磁性部材シート、シート状コイル
2、第2磁性部材5を一体化し、図1に示す構造のサイ
ズ4mm角、厚さ500μmの超薄型の磁性素子を作製
した。
【0068】得られた磁性素子の特性を測定したとこ
ろ、測定周波数;1MHz、直流重畳電流;0.5Aに
おけるインダクタンス値は1.0μHであった。このよ
うに、本実施例の磁性素子は超薄型でコイルの直流抵抗
も190mΩと低いにもかかわらず、インダクタンス値
が大きく、かつ直流重畳特性も良好であった。更に基板
実装後、落差1.5mより落下試験を実施したが、前後
で磁性素子の割れ・欠けがなく、インダクタンス値の変
動は認められなかった。
【0069】(実施例2)実施例2では、第1磁性部材
1として平均粒径約3μmのNiZn系フェライト磁性
体粉末にシリコーン系熱硬化性樹脂12wt%を混合し
てペースト状とした後、ドクターブレード法でシート状
に成形し、90℃で2時間加熱乾燥した第1磁性部材を
2種類用意した。一種類はシートを成形加工することに
よって、中央部に径4.0mm、高さ0.6mmの突起
部7を有する約500μm厚のコンポジットシート、も
う一種類は約500μm厚の平坦なコンポジットシート
とした。又、実施例2と同様の方法で、第2磁性部材5
として、上記第1磁性部材1で用いた金属磁性体粉末に
エポキシ系熱硬化性樹脂14wt%を混合し、粘度を調
整しながら第2磁性部材ペーストを作製した。又、シー
ト状コイル2として、メッキ法により、外径7.5mm
φ、内径4.0mmφ、厚さ600μm、導体径約25
0μmの2段積み14ターンの導体コイル3を絶縁部4
にて絶縁被覆されたシート状コイル2を用意した。この
シート状コイル2は、第2磁性部材5として用いる前記
第2磁性部材よりも透磁率の小さい絶縁部4にて導体コ
イル3を被覆したものであり、本実施例2においてはこ
の絶縁部4の絶縁性物質としてエポキシ樹脂を用いた。
【0070】次に、このシート状コイル2のコイル中心
部9又はコイル周辺所定領域10に第2磁性部材5を配
置するための穴加工をパンチャー、レーザー加工などに
より穴開け加工を行った。
【0071】以上の準備の後、まず中央部に突起部7を
有するコンポジットシートの上に、シート状コイル2を
コイル中心部9の穴がコンポジットシートの突起部7に
嵌合するように配置した。その後シート状コイル2が配
置された上から穴開け加工された部分に前記第2磁性部
材ペーストを充填した後、もう一種類の平坦なコンポジ
ットシートをその上に位置合わせを行いながら載せた。
その後、軽く圧力をかけながら150℃に加熱し、2種
類のコンポジットシート及び第2磁性部材5を硬化させ
て、第1磁性部材1、シート状コイル2、第2磁性部材
5を一体化し、図4に示す構造のサイズ10mm角、厚
さ1.6mの超薄型の磁性素子を作製した。
【0072】得られた磁性素子の特性を測定したとこ
ろ、測定周波数;1MHz、直流重畳電流;1.0Aに
おけるインダクタンス値は35μHであった。このよう
に、本実施例2の磁性素子は、超薄型でコイルの直流抵
抗も90mΩと低いにもかかわらず、インダクタンス値
が大きく、かつ直流重畳特性も良好であった。又基板実
装後、落差1.5mより落下試験を実施したが、前後で
素子の割れ・欠けがなく、インダクタンス値の変動は認
められなかった。
【0073】(実施例3)実施例3では、第1磁性部材
1として平均粒径約13μmの50wt%Fe−50w
t%Ni金属磁性体粉末にシリコーン系熱硬化性樹脂1
2wt%を混合してペースト状とした後、ドクターブレ
ード法でシート状に成形し、90℃で2時間加熱乾燥
し、約200μm厚の第1磁性部材シートを用意した。
又、第2磁性部材5として上記第1磁性部材1で用いた
金属磁性体粉末にシリコーン系熱硬化性樹脂16wt%
を混合して第2磁性部材ペーストを用意した。でき上が
った磁性部材は、樹脂量の差も有り第1磁性部材1の方
が第2磁性部材5より透磁率が高くなるように設計し
た。又、シート状コイル2として、メッキ法により、外
径2.8mmφ、内径0.6mmφ、厚さ250μm、
導体径約100μmの絶縁被覆付き2段積み16ターン
のシート状コイル2が複数形成された大判シート8を用
意した。
【0074】このシート状コイル2は、第2磁性部材5
として用いる前記ペーストよりも透磁率の小さい絶縁部
4にて導体コイル3を被覆したものであり、本実施例3
においてはこの絶縁部4の絶縁性物質としてエポキシ樹
脂を用いた。この導体コイル3は、その端子部が同じ平
面内に形成される構造であり、外形は3mm×4mmに
入るサイズとした。ここで第1磁性部材1は有機成分が
多く絶縁性物質であるため、導体コイル3の上下面は導
体が露出していてもよく、導体コイル3の上下面と端子
部を除いた部分に絶縁部4を形成された構造とした。こ
の大判シートに対し、コイル中心部9に1個とコイル周
辺所定領域10に4個の穴をレーザー加工機により形成
した。
【0075】まず、第1磁性部材シート上に、前記の複
数のシート状コイル2を有する大判シート8を直接接触
するように配置した。
【0076】次に、メタル版を用いた印刷法により、大
判シート8に設けた穴に第2磁性部材ペーストを塗布・
充填し、更にその上より、第1磁性部材シートを重ねる
ように配置してコイル部を覆った。その後、軽く圧力を
かけながら150℃に加熱し、それぞれの磁性部材を熱
硬化させて、第1磁性部材1、シート状コイル2、第2
磁性部材5を一体化した。
【0077】次に、ダイシングソーを用いて一体化した
大判シートを切断し、個々の磁性素子とした。この方法
により、3×4mmサイズで厚さ0.7mmの超薄型の
磁性素子を一括作製することができた。
【0078】得られた磁性素子の特性を測定したとこ
ろ、測定周波数;1MHz、直流重畳電流;0.2Aに
おけるインダクタンス値は3.5μHであった。このよ
うに本実施例3の磁性素子は超薄型で、コイルの直流抵
抗も340mΩと低いにもかかわらず、インダクタンス
値が大きく、かつ、直流重畳特性も良好であった。更に
基板実装後、落差1.5mより落下試験を実施したが、
前後で磁性素子の割れ・欠けがなく、インダクタンス値
の変動は認められなかった。
【0079】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明の磁性素
子は、小型・薄型で、磁束がコイル導体を横切ることが
ほとんどない構造となっているために、高周波でも磁気
損失が少なく、高いインダクタンス値と低いコイル直流
抵抗、良好な直流重畳特性を実現し、かつ基板実装時や
実装後の落下試験等に耐えうる機械強度の強い薄型の磁
性素子を提供することができる。又、本発明の磁性素子
の製造方法によれば、個別に巻き線を施す工程が不要と
なることから、簡易な装置で大量に一括生産することが
できる。
【0080】更に、本発明の電源モジュールは、本発明
の磁性素子を用いることにより、低背かつ小面積であ
り、工業的価値が大きいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁性素子の一実施の形態の構造を示す
断面図
【図2】同他の例を示す断面図
【図3】同更に他の例を示す断面図
【図4】(a)〜(f)本発明の磁性素子の製造方法の
一実施の形態を示す工程図
【図5】本発明の一実施の形態の電源モジュールの構造
を示す断面図
【符号の説明】
1 第1磁性部材 1a 上側第1磁性部材 1b 下側第1磁性部材 2 シート状コイル 3 導体コイル 4 絶縁部 5 第2磁性部材 7 突起部 8 大判シート 9 中心部 10 周辺所定領域 11 配線基板 12 接続ビア 13 樹脂層 14 半導体チップ 15 電子部品 20 磁性素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01F 41/02 H01F 37/02 (72)発明者 井上 修 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 半田 浩之 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5E043 AA07 5E058 DA07

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体コイル及び絶縁部を含むシート状コ
    イルと、このシート状コイルを挟持するように前記シー
    ト状コイルの上下面に磁性体粉末を含有する樹脂からな
    る第1磁性部材を配置し、又上記シート状コイルの中心
    部または周辺部の少なくともいずれか一方に磁性体粉末
    を含有する樹脂からなる第2磁性部材を配置し、前記絶
    縁部の透磁率を第2磁性部材の透磁率よりも小さくした
    磁性素子。
  2. 【請求項2】 第1磁性部材のシート状コイルの中心部
    又は周辺部に対応する位置に突起部を設けた請求項1に
    記載の磁性素子。
  3. 【請求項3】 第1磁性部材の透磁率が第2磁性部材の
    透磁率以上とした請求項1に記載の磁性素子。
  4. 【請求項4】 磁性体粉末として金属磁性体粉末、フェ
    ライト磁性体粉末を用いた請求項1に記載の磁性素子。
  5. 【請求項5】 導体コイルは上下2段に分かれてそれぞ
    れ平面形に巻回された2段コイルであって、最内周部で
    上下2段のコイルが互いに接合された請求項1に記載の
    磁性素子。
  6. 【請求項6】 シート状コイルが配線基板の配線層の一
    部として配線基板の内部又は表面に設けられた請求項1
    に記載の磁性素子。
  7. 【請求項7】 磁性体粉末と未硬化状態の樹脂とを混合
    して第1磁性部材及び第2磁性部材を作製する工程と、
    シート状コイルの所定の領域に未硬化の前記第2磁性部
    材を配置する工程と、シート状コイルの上下面に第1磁
    性部材をそれぞれ配置する工程と、前記第1磁性部材及
    び第2磁性部材を硬化させて一体化させる工程とを含む
    磁性素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 磁性体粉末と未硬化状態の樹脂とを混合
    して第1磁性部材及び第2磁性部材を作製する工程と、
    シート状コイルが複数設けられた大判シートを用意し、
    前記大判シートの所定位置に複数の穴部を形成して前記
    穴部に未硬化の前記第2磁性部材を配置する工程と、前
    記シート状コイルの上下面に第1磁性部材をそれぞれ配
    置する工程と、前記第1磁性部材及び第2磁性部材を硬
    化させて一体化させる工程と、前記大判シートを切断し
    個々の磁性素子の個片とする工程とを含む磁性素子の製
    造方法。
  9. 【請求項9】 第1磁性部材はシート状である請求項7
    又は8に記載の磁性素子の製造方法。
  10. 【請求項10】 第2磁性部材はシート状である請求項
    7又は8に記載の磁性素子の製造方法。
  11. 【請求項11】 第2磁性部材はペースト状である請求
    項7又は8に記載の磁性素子の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項1〜6のいずれか一つに記載の
    磁性素子を半導体チップや他の電子部品とともに配線基
    板に実装してなる電源モジュール。
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