JP2013179264A - リアクトル、コンバータ、及び電力変換装置 - Google Patents

リアクトル、コンバータ、及び電力変換装置 Download PDF

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Abstract

【課題】コイルにおける銅損による損失を低減することができるリアクトルを提供する。
【解決手段】リアクトル1は、巻線2wを巻回してなる筒状のコイル2と、コイル2の内外に配置されて閉磁路を形成する磁性コア3とを備え、ケース4に収納されている。磁性コア3は、コイル2の内側に配置される内側コア部31と、コイル2の外側に配置される外側コア部32と、コイル2の両端部に配置され、内側コア部31と外側コア部32とを連結する一対の端部コア部33とを備える。内側コア部31は、コイル2の長さより短く、少なくとも一方の端面がコイルの端面より内側に位置するように配置される。端部コア部33の少なくとも一方は、コイルの端面より内側に位置する内側コア部の端面と隣接する隣接部33iと、コイルの端面に対向し、かつ、外側コア部と連結される基部33bとを有する。端部コア部33の透磁率μeは、内側コア部31及び外側コア部32の透磁率μi及びμoよりも高い。
【選択図】図1

Description

本発明は、ハイブリッド自動車や電気自動車などの、駆動源に電力を利用する車両に搭載される車載用DC−DCコンバータといった電力変換装置の構成部品などに利用されるリアクトル、このリアクトルを備えるコンバータ、及びこのコンバータを備える電力変換装置に関する。特に、コイルにおける銅損による損失を低減することができるリアクトルに関する。
電圧の昇圧動作や降圧動作を行う回路の部品の一つに、リアクトルがある。例えば特許文献1〜3には、ハイブリッド自動車などの車両に搭載されるコンバータに利用されるリアクトルが開示されている。リアクトルは、巻線を巻回してなる筒状のコイルと、コイルの内外に配置されて閉磁路を形成する磁性コアとを備える。磁性コアの形状としては、特許文献1〜3に開示されるように、コイルの内側に配置される内側コア部と、コイルの外側に配置される外側コア部と、コイルの両端部に配置され、内側コア部と外側コア部とを連結する一対の端部コア部とを備える、所謂ポット型コアが挙げられる。また、磁性コアを構成する磁性材料には、電磁鋼板を積層した積層鋼板、表面に絶縁被膜を有する磁性粉末を加圧成形した圧粉成形体、バインダとなる樹脂に磁性粉末を混合した磁性粉末混合樹脂などが利用されている。特許文献1〜3には、磁性コアのうち、内側コア部を圧粉成形体といった高透磁率材料で形成し、外側コア部及び端部コア部を磁性粉末混合樹脂といった低透磁率材料で形成することが開示されている。
リアクトルは、例えば有底筒状のケースに収納され、一般に、コイルに通電することで発熱するリアクトルを冷却するために、冷却ベースといった設置対象に固定される。ケースは、アルミニウムなどの熱伝導性に優れる金属材料から形成され、当該ケースの外底面が設置対象に固定されて、放熱経路に利用される。
特開2009−33051号公報 特開2011−124310号公報 特開2011−199257号公報
近年、リアクトルの高効率化の要求が高まっており、リアクトルの損失をより低減することが求められている。上記した特許文献1〜3では、磁性コアを部分的に異なる磁性材料で形成し、磁性コアの磁気特性を部分的に異ならせる技術が開示されているが、コイルにおける銅損による損失の点で改善の余地がある。
そこで、本発明の目的の一つは、コイルにおける銅損による損失を低減することができるリアクトルを提供することにある。また、本発明の別の目的は、このリアクトルを備えるコンバータ、及びこのコンバータを備える電力変換装置を提供することにある。
本発明者は、磁性コアの漏れ磁束がコイルの銅損に及ぼす影響について検討した。その結果、端部コア部が低透磁率の磁性粉末混合樹脂で形成された磁性コアを備える上記した従来のリアクトルでは、端部コア部の透磁率が低く、磁束が端部コア部を流れずに、コイル端部を通過して内側コア部から外側コア部(或いは、その逆)へ流れる漏れ磁束が多く、コイルに生じる銅損が大きいことが分かった。本発明者は、以上の知見に基づいて、本発明を完成するに至った。
本発明のリアクトルは、筒状のコイルと、コイルの内外に配置されて閉磁路を形成する磁性コアとを備える。磁性コアは、コイルの内側に配置される内側コア部と、コイルの外側の少なくとも一部に配置される外側コア部と、コイルの両端部に配置され、内側コア部と外側コア部とを連結する一対の端部コア部とを備える。そして、内側コア部は、少なくとも一方の端面がコイルの端面より内側に位置するように配置される。端部コア部の少なくとも一方は、コイルの端面より内側に位置する内側コア部の端部と隣接する隣接部と、コイルの端面に対向し、かつ、外側コア部と連結される基部とを有する。また、内側コア部、外側コア部、及び端部コア部のそれぞれの透磁率をμi、μo、及びμeとするとき、各コア部の透磁率は、μe>μo≧μiを満たす。
本発明のリアクトルによれば、端部コア部の少なくとも一方は、コイルの端面より内側に位置する内側コア部の端部と隣接する隣接部と、コイルの端面に対向する基部を有するように構成されており、かつ、端部コア部の透磁率μeが高いことで、磁束が端部コア部を流れ易く、コイル端部を通過する漏れ磁束が少なくなる。よって、コイルに生じる銅損が減少し、コイルにおける銅損による損失を低減することができる。また、内側コア部及び外側コア部の透磁率μi及びμoが、端部コア部の透磁率μeよりも低いことで、磁気飽和を防止することができる。さらに、ギャップレス構造の磁性コアとした場合には、ギャップからの漏れ磁束によるコイルの銅損が増大することもない。
例えば、端部コア部は、比透磁率が50以上500以下の高透磁率の磁性材料で形成し、内側コア部及び外側コア部は、比透磁率が5以上50以下、好ましくは5以上20以下の低透磁率の磁性材料で形成することが好ましい。磁性コア全体の平均透磁率は、比透磁率で10以上50以下とすることが好ましい。
本発明のリアクトルの一形態としては、内側コア部の両端面が、コイルの両端面より内側に位置するように配置される。そして、端部コア部の両方が、コイルの端面より内側に位置する内側コア部の端部と隣接する隣接部と、コイルの端面に対向し、かつ、外側コア部と連結される基部とを有することが挙げられる。
この構成によれば、磁性コアにおいて、一対の端部コア部の両方が、コイルの端面より内側に位置する内側コア部の端部と隣接する隣接部と、コイルの端面に対向し、かつ、外側コア部と連結される基部とを有し、かつ、端部コア部の透磁率μeが高いことで、磁束が端部コア部を流れ易くなる。よって、一方の端部コア部のみがコイルの端面に対向するように構成されている場合と比較して、コイル端部を通過する漏れ磁束がより少なくなる。
本発明のリアクトルの一形態としては、外側コア部の透磁率μoが、内側コア部の透磁率μiよりも高いことが挙げられる。
外側コア部と内側コア部の透磁率は等しく(μo=μi)てもよいが、内側コア部よりも外側コア部の透磁率を高く(μo>μi)することで、外側コア部からリアクトル外部への漏れ磁束を低減することができる。
本発明のリアクトルの一形態としては、端部コア部が、圧粉成形体で形成されていることが挙げられる。
本発明のリアクトルの一形態としては、内側コア部及び外側コア部が、磁性粉末混合樹脂で形成されていることが挙げられる。
本発明のリアクトルの一形態としては、内側コア部、外側コア部、及び端部コア部が、磁性粉末混合樹脂で形成されていることが挙げられる。
磁性粉末を加圧成形した圧粉成形体は、一般に磁性粉末の含有量が多く、端部コア部が圧粉成形体で形成されていることで、高透磁率を実現し易い。一方、樹脂に磁性粉末を混合した磁性粉末混合樹脂は、一般に磁性粉末の含有量が少なく、内側コア部及び外側コア部が磁性粉末混合樹脂で形成されていることで、低透磁率を実現し易い。また、内側コア部よりも外側コア部の透磁率を高くするには、例えば、外側コア部を構成する磁性粉末混合樹脂中の磁性粉末の含有量を内側コア部に比べて多くしたり、磁性粉末の材質を異ならせたりすることで実現できる。さらに、同様の手法により、磁性粉末混合樹脂の透磁率を調整することで、磁性粉末混合樹脂により端部コア部を形成することもできる。
本発明のリアクトルの一形態としては、リアクトルを設置対象に設置したとき、当該設置対象の面に対してコイルの軸方向が略平行となるように、コイルを支持する台座を備え、少なくとも一方の端部コア部が、当該設置対象の面に接するように形成されていることが挙げられる。
この構成によれば、端部コア部が、設置対象の面(冷却ベースの表面や、リアクトルがケースに収納される場合はケースの内底面など)に接するように形成されていることで、磁性コアの熱を端部コア部から設置対象へ伝えることができ、放熱性の向上を図ることができる。端部コア部は、上記したように透磁率が高く、例えば圧粉成形体で形成されていることから、磁性粉末の含有量が多い。即ち、端部コア部は、熱伝導性の低い樹脂の割合が少なく、磁性粉末に熱伝導性の高い金属材料を用いた場合は、熱伝導率が高く、熱を伝え易い。圧粉成形体の場合、熱伝導率を、例えば10〜30W/m・Kとすることが好ましく、圧粉成形体に比べて磁性粉末に対する樹脂の割合が多い磁性粉末混合樹脂の場合、熱伝導率を、例えば0.25〜2.5W/m・Kとすることが好ましい。
台座を備えることで、設置対象の面に対してコイルの軸方向が略平行となるように、コイルを安定して配置することができる。台座は、冷却ベースの表面やケースの内底面といった設置対象の面に一体に設けたり、冷却ベースやケースとは独立した部材としたりする他、台座自体がケースの一部(底部)を構成してもよい。台座におけるコイルを支持する支持面の形状は、例えば、コイルの外面に沿った形状とすることが挙げられる。また、この台座を熱伝導性に優れる金属材料で形成した場合、この台座を介してコイルの熱を設置対象に伝え易く、放熱性の向上を図ることができる。
本発明のリアクトルの一形態としては、互いに接合される複数のコイル素子を備える構成であることが挙げられる。
この構成によれば、例えば、2以上のコイル素子を備えるリアクトルを実現することができる。これにより、同じ巻数の単一コイルを用いる場合に比べてリアクトルの長さを短くでき、リアクトル自体を、また、このリアクトルが用いられるコンバータ等の装置を小型化することができる。
本発明のコンバータは、本発明のリアクトルを備えることを特徴とする。本発明のコンバータは、スイッチング素子と、スイッチング素子の動作を制御する駆動回路と、スイッチング動作を平滑にするリアクトルとを備え、スイッチング素子の動作により、入力電圧を変換するものである。そして、このリアクトルが上記した本発明のリアクトルである。
本発明の電力変換装置は、本発明のコンバータを備えることを特徴とする。本発明の電力変換装置は、入力電圧を変換するコンバータと、コンバータに接続されて、直流と交流とを相互に変換するインバータとを備え、このインバータで変換された電力により負荷を駆動するためのものである。そして、このコンバータが上記した本発明のコンバータである。
本発明のコンバータ及び電力変換装置は、上記した本発明のリアクトルを備えることで、コイルにおける銅損による損失を低減することが可能となる。よってリアクトルの損失が少なく、車載部品などに好適に利用することができる。
本発明のリアクトルは、磁性コアにおいて、端部コア部の少なくとも一方がコイルの端部の内側からコイルの端面側にかけて構成されており、端部コア部の透磁率μeが内側コア部及び外側コア部の透磁率μi及びμoよりも高いことで、コイルにおける銅損による損失を低減することができる。また、本発明のコンバータ及び電力変換装置は、上記した本発明のリアクトルを備えることで、リアクトルの損失が少なく、車載部品などに好適に利用することができる。
(A)は、実施形態1に係るリアクトルの概略斜視図、(B)は、(A)におけるB−B断面図である。 実施形態1に係るリアクトルの概略分解斜視図である。 実施形態1に係るリアクトルの一部構成部品の概略斜視図である。 本発明のリアクトルの磁束密度分布を示す図である。 本発明のリアクトルの磁束の流れを示す図である。 従来のリアクトルの磁束密度分布を示す図である。 従来のリアクトルの磁束の流れを示す図である。 実施形態5に係る互いに接合される複数のコイル素子を備えるリアクトルの概略分解斜視図である。 実施形態5に係る互いに接合される複数のコイル素子を備えるリアクトルのコアの配置を示す概略上面図である。 ハイブリッド自動車の電源系統を模式的に示す概略構成図である。 実施形態6に係る本発明コンバータを備える本発明電力変換装置の一例を示す概略回路図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。なお、以下の説明では、リアクトルを設置対象に設置したときに設置側を下側、その対向側(反対側)を上側として説明する。
《実施形態1》
図1〜図3を参照して、実施形態1に係るリアクトル1を説明する。リアクトル1は、巻線2wを巻回してなる筒状のコイル2と、コイル2の内外に配置されて閉磁路を形成する磁性コア3とを備え、コイル2と磁性コア3とは、有底筒状のケース4に収納されている。リアクトル1は、代表的には、冷却ベースなどの設置対象にケース4を設置して使用される。磁性コア3は、コイル2の内側に配置される内側コア部31と、コイル2の外側に配置される外側コア部32と、コイル2の両端部に配置され、内側コア部31と外側コア部32とを連結する一対の端部コア部33とを備える。内側コア部31は、コイル2の内側に配置される。外側コア部32は、コイル2の軸方向の外側と、一対の端部コア部33の外周のうち、コイル2から露出する箇所の実質的に全てを覆うように配置される。一対の端部コア部33は、コイル2の端部の内側から外側を経て端面に対向するように構成されている。
このリアクトル1の特徴の一つは、次の構成を備える点にある。
・磁性コア3において、内側コア部31の少なくとも一方の端面がコイルの端面より内側に位置するように配置される。
・端部コア部33の少なくとも一方が、コイルの端面より内側に位置する内側コア部31の端面と隣接する隣接部33iと、コイルの端面に対向し、かつ、外側コア部と連結される基部33bとを有する。
・端部コア部33の透磁率μeが内側コア部31及び外側コア部32の透磁率μi及びμoよりも高い。
なお、図1〜図3に示すリアクトル1では、内側コア部31の両端面がコイルの両端面より内側に位置するように配置され、端部コア部33が内側コア部31の両端面と隣接する隣接部33iと、コイルの端面に対向し、かつ、外側コア部32と連結される基部33bとが一体に形成されている。以下、各構成部品をより詳細に説明する。
[磁性コア]
磁性コア3は、図1〜図3に示すように、内側コア部31と、外側コア部32と、一対の端部コア部33とを備える。内側コア部31は柱状であり、筒状のコイル2の内側に挿入される。外側コア部32は、台座5で覆われる箇所を除き、コイル2の周方向の全体と、端部コア部33の少なくとも一部を覆うようにコイル2の外側に配置される。一対の端部コア部33は、コイル2の両端部に配置され、内側コア部31と外側コア部32とを連結する。そして、上記構成により、磁性コア3は、コイル2を励磁した際に閉磁路を形成する。リアクトル1では、内側コア部31、外側コア部32、及び端部コア部33のそれぞれの透磁率をμi、μo、及びμeとするとき、各コア部の透磁率がμe>μo≧μiを満たす。
(内側コア部)
内側コア部31は、図1(B)や図3に示すように、コイル2の内周形状に沿った柱状体であり、内側コア部31の軸方向の長さは、コイル2の軸方向の長さよりも短い。すなわち、内側コア部31がコイル2の内側中央に挿入配置された状態において、内側コア部31の両端面に対してコイル2の両端面が突出しており、コイル2の両端部の内側に凹部(残余空間)が形成される。この場合、コイル2の各端面から内側コア部31の各端面までの距離(以下、侵入長さ)は、適宜選択することができる。ここでは、コイル2の両端部において、コイル2の各端面からの各侵入長さを等しくしているが、異ならせてもよい。また、侵入長さは、コイル2の少なくとも一方の端部において、コイル2の軸方向の長さを100とするとき、5以上30以下とすることが挙げられる。
内側コア部31は、磁性粉末混合樹脂で形成されている。磁性粉末混合樹脂は、代表的には、バインダとなる樹脂に磁性粉末を混合したものであり、内側コア部31は、この混合物を成形することで製造されている。磁性粉末には、例えば、鉄基材料(鉄族金属や鉄合金)や希土類金属などの軟磁性材料からなる軟磁性粒子の粉末を用いることができ、軟磁性粒子の表面にシリコーン樹脂やリン酸塩などからなる絶縁被覆を備える被覆粉末を用いてもよい。絶縁被覆を備える被覆粉末を用いることで、磁性粒子間に絶縁物が介在して絶縁性を確保でき、渦電流損を低減することができる。軟磁性材料をフェライトとする場合、絶縁被覆を備えていなくても、絶縁性に優れる。一方、バインダとなる樹脂には、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂を用いることができる。その他、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂などの熱可塑性樹脂、常温硬化性樹脂、或いは低温硬化性樹脂を用いてもよい。
内側コア部31を構成する磁性粉末混合樹脂は、代表的には、射出成形、トランスファー成形、MIM(Metal Injection Molding)、注型成形、磁性粉末と粉末状の固形樹脂とを用いたプレス成形などにより、所定の形状に成形することで製造することができる。射出成形の場合は、磁性粉末と樹脂との混合材料を所定の圧力をかけて成形型に充填して成形した後、上記樹脂を硬化させることで磁性粉末混合樹脂を得ることができる。トランスファー成形やMIMの場合も、上記混合材料を成形型に充填して成形を行う。注型成形の場合は、上記混合材料を、圧力をかけることなく成形型に注入して成形・硬化させることで磁性粉末混合樹脂を得ることができる。
磁性粉末混合樹脂の磁性粉末は、単一種でも、材質の異なる複数種の粉末を含有していてもよい。内側コア部31を構成する磁性粉末混合樹脂の磁性粉末は、純鉄粉や鉄合金粉末といった鉄基材料からなるものが好ましい。鉄基材料などのように磁性粉末が金属材料の場合には、上述した絶縁被覆を備える被覆粉末であると、磁性粒子間の絶縁性を高められ、渦電流損を低減できる。
磁性粉末混合樹脂における磁性粉末の平均粒径は、1μm以上1000μm以下が好ましく、10μm以上500μm以下がより好ましい。磁性粉末混合樹脂の磁性粉末は、粒径が異なる複数種の粉末を含有してもよい。微細な粉末と粗大な粉末とを混合した磁性粉末を磁性粉末混合樹脂の材料に用いた場合、飽和磁束密度が高く、低損失なリアクトルが得られ易い。なお、磁性粉末混合樹脂における磁性粉末と材料に用いた粉末とは、その大きさが実質的に同じである(維持されている)。平均粒径が上記範囲を満たす磁性粉末を材料に用いると、流動性が高く、射出成形などを利用して磁性粉末混合樹脂を生産性よく製造できる。
磁性粉末混合樹脂は、一般に磁性粉末の含有量が少なく、内側コア部31を磁性粉末混合樹脂で形成することで低透磁率とすることができる。磁性粉末混合樹脂における磁性粉末の含有量は、磁性粉末混合樹脂を100%とするとき、体積割合では20体積%以上75体積%以下が好ましい。磁性粉末が20体積%以上であることで、透磁率や飽和磁束密度などの磁気特性を確保し易い。磁性粉末が75体積%以下であると、樹脂との混合が行い易く、磁性粉末混合樹脂の製造性に優れる。磁性粉末混合樹脂は、磁性粉末の含有量を調整したり、磁性粉末の材質を変更したりすることで、透磁率といった磁気特性を変化させることができる。磁性粉末の含有量は、より好ましくは40体積%以上65体積%以下である。特に磁性粉末が鉄或いはFe−Si合金のような材料であれば、磁性粉末の含有量が40体積%以上であることで、磁性粉末混合樹脂の飽和磁束密度を0.8T以上とし易い。また、磁性粉末の含有量が65体積%以下であることで、磁性粉末と樹脂との混合がより行い易く、より製造性に優れる。
磁性粉末混合樹脂には、磁性粉末及び樹脂に加えて、アルミナやシリカなどのセラミックスといった非磁性材料からなる粉末(フィラー)を含有してもよい。フィラーは、放熱性の向上、磁性粉末の偏在の抑制(均一的な分散)に寄与する。また、フィラーが微粒であり、磁性粒子間に介在することで、フィラーの含有による磁性粉末の割合の低下を抑制できる。フィラーの含有量は、磁性粉末混合樹脂を100質量%とするとき、0.2質量%以上20質量%以下、更に0.3質量%以上15質量%以下、特に0.5質量%以上10質量%以下であると、上記効果を十分に得られる。
(端部コア部)
端部コア部33は、図1(B)や図3に示すように、コイル2の端面に対向配置される板状の基部33bに、上述したコイル2の端部の内側に形成された凹部(残余空間)に挿入される隣接部33iを一体に有する。基部33bはコイル2の外側に配置され、隣接部33iの径は基部33bの径よりも小さい。端部コア部33は、隣接部33iがコイル2の残余空間に挿入配置され、隣接部33iの端面と内側コア部31の端面とが接触して、内側コア部31と連結されている。ここでは、基部33bは樹脂モールド部21の端面を介して、コイル2の端面に対向している。なお、後述の図4、図5のように、隣接部33iをコイル外側へ延長し、基部33bと樹脂モールド部21の間に外側コア部32の一部が介在して基部33bとコイル2の端面が対向する構成としてもよい。また、内側コア部31と端部コア部33(隣接部33i)とは、例えば接着剤などを用いて接合してもよい。ここでは、端部コア部33(基部33b)の端面(隣接部33iが設けられた側とは反対側の面)をケース4の内周面(側壁部41)に接触させており、端部コア部33からケース4に熱を伝えることができる。
端部コア部33は、圧粉成形体で形成されている。圧粉成形体は、代表的には、表面に絶縁被膜を有する磁性粉末を加圧成形した後、適宜熱処理を施すことで製造されている。圧粉成形体の材料には、鉄基材料や希土類金属などの軟磁性材料からなる粒子の表面に絶縁被覆を備える被覆粉末やフェライト粉末に、熱可塑性樹脂などの樹脂や高級脂肪酸などの添加剤(上記熱処理によって消失、又は絶縁物に変化するもの)を加えた混合材料を用いることが挙げられる。上記製造方法によって、軟磁性粒子の周囲が絶縁被覆(例えば、リン酸化合物、珪素化合物、ジルコニウム化合物、アルミニウム化合物、硼素化合物など)で覆われ、当該粒子間に絶縁物が介在する圧粉成形体が得られる。絶縁被覆を備える圧粉成形体は、絶縁性に優れ、渦電流損を低減することができる。軟磁性材料をフェライトとする場合、絶縁被覆を備えていなくても、絶縁性に優れる。
圧粉成形体は、複雑な立体形状であっても比較的容易に成形可能である。ここでは、隣接部33iと基部33bとを一体成形して端部コア部33を製造しているが、隣接部33iと基部33bとを別部材とし、両者を例えば接着剤などを用いて一体化することで端部コア部33を製造してもよい。
圧粉成形体は、一般に磁性粉末の含有量が多く、端部コア部33を圧粉成形体で形成することで高透磁率とすることができる。圧粉成形体における磁性粉末の含有量は、圧粉成形体を100%とするとき、体積割合では75体積%以上が好ましく、80体積%以上がより好ましい。磁性粉末が75体積%以上であることで、透磁率や飽和磁束密度などの磁気特性が高い圧粉成形体が得られる。圧粉成形体は、磁性粉末の含有量を調整したり、磁性粉末の材質を変更したりすることで、透磁率といった磁気特性を変化させることができる。また、圧粉成形体は、加圧成形時の成形圧力を調整することで、圧粉成形体の磁気特性(特に、飽和磁束密度)を変化させることができ、成形圧力を高くすることで、飽和磁束密度が高い圧粉成形体が得られる。圧粉成形体には、公知のものを利用することができる。
なお、端部コア部33は、必ずしも圧粉成型体から形成されている必要はなく、内側コア部31と同様に磁性粉末混合樹脂から形成されてもよい。この場合、端部コア部33は、内側コア部31と同様の製造方法により製造することができる。
端部コア部33を磁性粉末混合樹脂で構成する場合には、磁性体粉末の含有量や種類を変化させることにより、磁性粉末混合樹脂の透磁率や飽和磁束密度を調整できる。通常、磁性体粉末の含有量を多くすれば、磁性粉末混合樹脂の透磁率や飽和磁束密度は大きくなる。また、磁性体粉末の含有量が同じでも、磁性体粉末自体の透磁率を大きくすれば磁性粉末混合樹脂の透磁率は大きくなり、磁性体粉末自体の飽和磁束密度を大きくすれば磁性粉末混合樹脂の飽和磁束密度は大きくなる。
端部コア部33を構成する磁性粉末混合樹脂の磁性粉末は、上述した内側コア部31または後述する外側コア部32を構成する磁性粉末混合樹脂の磁性粉末と同種のものを用いてもよいし、異種のものを用いてもよい。また、内側コア部のところで説明したように、端部コア部においても、磁性粉末混合樹脂の磁性粉末は、材質や粒径が異なる複数種の粉末を含有してもよいし、磁性粉末混合樹脂には、セラミックスフィラーを含有してもよい。
端部コア部33を構成する磁性粉末混合樹脂の磁性粉末は、純鉄粉や鉄合金粉末といった鉄基材料からなるものが好ましい。鉄基材料などのように磁性粉末が金属材料の場合には、上述した絶縁被覆を備える被覆粉末であると、磁性粒子間の絶縁性を高められ、渦電流損を低減できる。
なお、端部コア部33は内側コア部31と一体に形成されてもよい。例えば、磁性粉末混合樹脂で内側コア部31と隣接部33iの双方を一体の芯コア部として形成してコイル2に配置し、その後、基部33bを接合する方法が挙げられる。この場合、この芯コア部の透磁率を両端部とそれ以外の部分で調整することで(両端部の磁性粉末の含有量をそれ以外の部分よりも多くする等)、内側コア部31と隣接部33iを一体に形成することができる。なお、芯コア部においては、内側コア部31の端部に相当する領域と端部コア部33の隣接部33iに相当する領域は、透磁率の違いにより区別されることとなる。
(外側コア部)
外側コア部32は、図1に示すように、台座5で覆われる箇所を除き、コイル2の周方向の全体と、端部コア部33の少なくとも一部を覆うようにコイル2の外側に配置される。そして、コイル2の両端部に配置された各端部コア部33の基部33bの外面の一部(側面)と接触して、両端部コア部33と連結されている。ここでは、内側コア部31が挿入配置されたコイル2と端部コア部33との組物がケース4内に配置された状態において、これら組物の台座5で覆われる箇所、および端部コア部33の基部33bがケース4と接触している箇所(端面)を除き、コイル2の全体を覆うように外側コア部32が形成されている。さらに、外側コア部32の外形は、ケース4の内周面に沿った形状である。
外側コア部32は、内側コア部31と同様に、磁性粉末混合樹脂で形成されており、内側コア部31と同様の製造方法により製造することができる。なお、外側コア部32は、ケース4を成形型に利用して成形することも可能である。ケース4を成形型に利用する場合、ケース4内の所定の位置に上記組物を配置した後、磁性粉末混合樹脂の混合材料をケース4の内周面と上記組物の外面との間の空間に充填(注入)して硬化させることで、外側コア部32を形成することができる。この場合、(1)外側コア部32を構成する磁性粉末混合樹脂により、外側コア部32と端部コア部33(基部33b)とを接合することができるので接合工程を省略することができる。(2)上記組物の外面に沿って外側コア部32を形成することができる。(3)ケース4の内周面に外側コア部32を密着させることができ、外側コア部32からケース4に熱を伝えることができる。
外側コア部32を構成する磁性粉末混合樹脂の磁性粉末は、上述した内側コア部31または端部コア部33を構成する磁性粉末混合樹脂の磁性粉末と同種のものを用いてもよいし、異種のものを用いてもよい。また、外側コア部32を構成する磁性粉末混合樹脂と内側コア部31を構成する磁性粉末混合樹脂とは、磁性粉末の含有量が同じであっても、異なっていてもよい。その他、内側コア部及び端部コア部のところで説明したように、外側コア部においても、磁性粉末混合樹脂の磁性粉末は、材質や粒径が異なる複数種の粉末を含有してもよいし、磁性粉末混合樹脂には、セラミックスフィラーを含有してもよい。
外側コア部32を構成する磁性粉末混合樹脂の磁性粉末は、純鉄粉や鉄合金粉末といった鉄基材料からなるものが好ましい。鉄基材料などのように磁性粉末が金属材料の場合には、上述した絶縁被覆を備える被覆粉末であると、磁性粒子間の絶縁性を高められ、渦電流損を低減できる。
外側コア部32は、閉磁路を形成できれば、その形状は特に問わない。また、外側コア部32と内側コア部31の透磁率は等しくてもよいし、異なっていてもよい。
端部コア部33を圧粉成形体で構成する場合、材料となる磁性粉末は、上述した内側コア部31及び外側コア部32を構成する磁性粉末混合樹脂の磁性粉末と同種のものを用いてもよいし、異種のものを用いてもよい。同種の場合であっても、圧粉成形体は、磁性粉末混合樹脂に比べて磁性粉末の含有量が多いことから、磁性粉末混合樹脂よりも透磁率が高く、かつ飽和磁束密度も高い。よって、端部コア部33の透磁率μeを内側コア部31及び外側コア部32の透磁率μi及びμoよりも高くすることができる。
磁性コア3は、内側コア部31と外側コア部32とがコイル2の両端側に配置された一対の端部コア部33と連結され、閉磁路を形成する。また、本実施形態において磁性コア3は、その全体に亘って実質的にギャップが設けられていないギャップレス構造である。
なお、磁性コアの構造は上記のギャップレス構造に限られず、ギャップ材を閉磁路内に介在させることも可能である。この構成によっても、磁性コア全体の透磁率を調整することが可能となる。この場合、ギャップ材の構成材料は、各コア部よりも透磁率が低い材料である。ギャップ材の構成材料としては、アルミナ、ガラスエポキシ樹脂、不飽和ポリエステルなどの非磁性材料のみならず、磁性粉末と非磁性樹脂の混合材料であって、かつ、透磁率が各コア部よりも低い混合材料も利用できる。混合材料を用いる場合、この混合材料を板状に成形してギャップ材とすることができる。また、上記の磁性粉末としては、Fe粉末、Fe−Si粉末、センダスト(Fe−Si−Al合金)粉末、フェライト粉末などである。上記の非磁性樹脂は、不飽和ポリエステル、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリフェニレンスルファイド(PPS)樹脂などである。
ギャップ材の透磁率は、混合材料における磁性粉末の含有量や磁性粉末の材質を変化させることで、調整することができる。ギャップ材の構成材料の透磁率が小さい方が、ギャップ材の厚さを薄くすることができ、磁性コア部を小型化できる。また、ギャップ材の透磁率が大きい方が、ギャップ材付近での磁束の漏れを低減できる。ギャップ材の構成材料の比透磁率は、1超かつ10以下とすることが好ましく、より好ましくは1超かつ2以下で、さらに好ましくは1.05以上かつ1.5未満であり、特に好ましくは1.1以上かつ1.4以下である。ただし、ギャップ材の透磁率は、上記範囲内であっても、ギャップ材が介在するコア部を構成する圧粉成形体又は磁性粉末混合樹脂よりも低い値とすることが必要である。
(磁気特性)
上述のように、磁性コア3は、部分的に異なる磁性材料で形成されており、各部分で磁気特性が異なる。具体的には、内側コア部31及び外側コア部32が低透磁率の磁性材料(磁性粉末混合樹脂)で形成されており、端部コア部33が高透磁率の圧粉成形体、または、内側コア部31及び外側コア部32よりも高透磁率の磁性粉末混合樹脂で形成されている。
より具体的には、端部コア部33を高透磁率の圧粉成形体で構成する場合には、内側コア部31及び外側コア部32の比透磁率を5以上50以下(好ましくは5以上35以下)とし、端部コア部33の比透磁率を50以上500以下とし、磁性コア3全体の比透磁率を5以上50以下とすることが好ましく、5以上35以下とすることがより好ましい。また、内側コア部31及び外側コア部32の飽和磁束密度は0.6T以上とすることが好ましく、0.8T以上とすることがより好ましく、1.0T以上とすることがさらに好ましい。また、端部コア部は、飽和磁束密度を1.0T以上とすることが好ましく、1.5T以上とすることがより好ましい。
一方、端部コア部33を磁性粉末混合樹脂で構成する場合には、内側コア部31及び外側コア部32の比透磁率を5以上30以下とし、端部コア部33の比透磁率を10以上50以下とすることが好ましい。また、合わせて、磁性コア3全体の比透磁率を10以上40以下とすることが好ましく、10以上35以下とすることがより好ましい。さらに、内側コア部31、外側コア部32及び端部コア部33のそれぞれの飽和磁束密度は、0.6T以上とすることが好ましく、0.8T以上とすることがより好ましく、1.0T以上とすることがさらに好ましい。
ここで、端部コア部33が圧粉磁性体で構成されているか、磁性粉末混合樹脂で構成されているかにかかわらず、磁性コア3にギャップ材が介在していない場合は、磁性コア3全体の透磁率とは、各コア部を合わせた透磁率である。また、同様に、磁性コア3にギャップ材が介在する場合(例えば内側コア部31と端部コア部33の間などにギャップ材が介在する場合)、磁性コア3全体の透磁率とは、各コア部とギャップ材とを合わせた透磁率である。
なお、ここでいう上記各コア部及びギャップ材の比透磁率とは、次のようにして求めたものをいう。各コア部及びギャップ材と同じ材料で、外径34mm、内径20mm、厚さ5mmのリング状試験片を作製する。この試験片に、一次側300巻き、二次側20巻きの巻線を施して、試験片のB―H初磁化曲線をH=0〜100エルステッド(Oe)の範囲で測定する。この測定には、例えば、理研電子株式会社製BHカーブトレーサ「BHS−40S10K」を使用することができる。そして、得られたB−H初磁化曲線の勾配(B/H)の最大値を求め、それを各コア部及びギャップ材の比透磁率とする。ここでの磁化曲線とは、いわゆる直流磁化曲線である。
一方、上記各コア部の飽和磁束密度は、上記試験片に対して電磁石で10000(Oe)の磁界を印加し、十分に磁気飽和させたときの磁束密度とする。
本実施形態では、内側コア部31及び外側コア部32は、平均粒径75μm以下の鉄基材料(純鉄)からなる粒子の表面に絶縁被覆を備える被覆粉末とエポキシ樹脂とを混合した磁性粉末混合樹脂で形成されている(磁性粉末混合樹脂中の純鉄粉の含有量:40体積%)。内側コア部31及び外側コア部32の透磁率は等しく(μo=μi)、比透磁率が8である。
一方、端部コア部33は、平均粒径75μm以下の鉄基材料(純鉄)からなる粒子の表面に絶縁被覆を備える被覆粉末を加圧成形した圧粉成形体で形成されている(圧粉成形体中の純鉄粉の含有量:90体積%)。端部コア部33の透磁率は、内側コア部31及び外側コア部32の透磁率よりも高く(μe>μo=μi)、比透磁率が250である。そして、磁性コア3全体の比透磁率は30である。
[コイル]
コイル2は、図3に示すように、1本の連続する巻線2wを螺旋状に巻回してなる筒状体である。巻線2wは、銅やアルミニウム、その合金といった導電性材料からなる導体の外に、絶縁性材料(代表的にはポリアミドイミドといったエナメル材料)からなる絶縁被覆を備える被覆線が好適である。導体は、断面形状が長方形状である平角線、円形状である丸線、多角形状である異形線などの種々の形状のものを利用できる。コイル2は、導体が銅製の平角線からなり、絶縁被覆がエナメルからなる被覆平角線をエッジワイズ巻きにして形成されたエッジコイルである。エッジワイズコイルは、占積率を高めて小型なコイルとし易く、リアクトルの小型化に寄与する。
コイル2の端面形状(コイル2の軸に直交する方向の断面形状)は、図3に示すように、円形状が代表的である。円筒状のコイル2は、巻線に平角線を用いた場合でも巻回し易く、コイルの製造性に優れる上に、小型なコイルにし易い。コイル2の端面形状は、非円形状とすることも可能である。例えば、楕円などの実質的に曲線のみからなる形状、多角形(例えば、長方形など)の各角部を丸めた形状や直線と円弧とを組み合わせてなるレーストラック形状といった直線と曲線とを組み合わせてなる形状などが挙げられる。
コイル2を形成する巻線2wの両端部は、図1などに示すように、ターン部分から適宜引き延ばされて外側コア部32から引き出されている。巻線2wの両端部の先端は、絶縁被覆が剥がされ、露出した導体に銅やアルミニウムなどの導電性材料からなる端子部材(図示せず)が取り付けられ、この端子部材を介して、コイル2に電力が供給される。
この例では、図1、図2に示すように、ケース4の内底面に対してコイル2の軸方向が略平行となるように、ケース4内にコイル2が横置き配置される。また、コイル2の一端側において、巻線2wの一方の端部がコイル2の径方向に引き出されると共に、他方の端部がコイル2の軸方向に平行に引き延ばされ、かつ、コイル2の径方向に引き出されるように折り曲げられている(ここでは、巻線2wの両端部がそれぞれ上方に引き出されている)。ここで説明した巻線両端部の引き出し方向は一例であり、適宜変更することが可能である。なお、巻線2wの両端部は、ケース4から引き出して露出させた形態が代表的であるが、ケース4内に収納することも可能である。
円筒状のコイル2の場合、コイル2は、例えば、コイル内径:20mm〜80mm、巻数:30〜70、コイル長(コイルの軸方向に沿った長さ):20mm〜120mmである。本例では、コイル内径:37mm、巻数:68、コイル長:71mmである。
[コイル成形体]
コイル2は、そのままでも利用できるが、ここでは、コイル2の表面を絶縁性樹脂からなる樹脂モールド部21によって覆ったコイル成形体20としている。樹脂モールド部21は、コイル2を一定の形状に保持する機能を有しており、リアクトルの組み立て時などにおいて、コイル2が伸縮せず、コイル2の取り扱いが容易になる。また、樹脂モールド部21は、コイル2を自由長よりも圧縮した状態に保持することもできるため、コイル2の長さを自由長よりも短くでき、コイル2を小型にすることができる。さらに、樹脂モールド部21は、コイル2とその周辺に配置される他の構成部品(磁性コア3)との間の絶縁性を高める機能を有する。
この樹脂モールド部21は、コイル2の内側に挿入配置された内側コア部31を一体に保持する機能も有する。このようなコイル成形体20を利用することで、リアクトル1の組み立てにあたり、部品点数を削減でき、組立作業性に優れる。
この例では、図1(B)や図3に示すように、コイル2と内側コア部31との間隔を保持するボビン25を備える。このボビン25は、絶縁性樹脂からなる略筒状の部品であり、コイル2の内周面と内側コア部31の外面との間に配置される。このボビン25によって、コイル2と内側コア部31とは同軸に配置されている。具体的には、ボビン25は、一端に環状部25rが形成され、この環状部25rから他端側に向かって2つの湾曲片25pが片持ち支持されており、他端が自由端になっている。ボビン25の一端側には、環状部25rから複数の平板状のフランジ部25fが突出しており、このフランジ部25fをコイル2の端面に当て止めすることで、ボビン25を位置決めすることが可能である。樹脂モールド部21は、このボビン25も内側コア部31と共に一体に保持する。なお、ボビン25には、内側コア部31の外面の一部が露出するように、湾曲片25p間にスリット25sが設けられており、コイル2の巻線と巻線との間の隙間からスリット25sに侵入した樹脂モールド部21の樹脂によって、内側コア部31が樹脂モールド部21に一体に保持されるようになっている。ボビン25は、例えば、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、液晶ポリマー(LCP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂などの絶縁性樹脂で形成するとよい。
また、この例では、図1などに示すように、コイル2を支持する台座5を備える。この台座5は、コイル2の下側に配置され、ケース4の底部40(内底面)に固定される。この台座5により、ケース4の内底面に対してコイル2の軸方向が略平行となるように、コイル2を安定して配置することができる。
台座5は、コイル2に近接して配置されるため、非磁性材料で形成され、かつ、コイル2の放熱経路に利用するため、熱伝導性に優れる金属材料で形成されている。台座5の構成材料としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金が挙げられる。列挙した非磁性金属材料は、軽量であるため、軽量化が望まれる車載部品の構成材料に適する。台座5の構成材料に金属材料を用いることで、鋳造や切削加工、塑性加工などにより、所定の形状に容易に加工できる。ここでは、台座5は、アルミニウム合金で形成されている。
台座5は、図3に示すように、矩形板状であり、コイル2の軸方向に沿った長さが、コイル2の軸方向の長さに略等しく、コイル2の全長に亘って、コイル2の外面に沿って配置される。コイル2を支持する支持面50の形状は、円筒状のコイル2の外面に沿った形状、即ち円弧状に湾曲している。支持面50は、コイル2の外面の下側の領域を覆うことが可能な面積を有する。一方、支持面50と反対側の面(ケース4の底部40に固定される下面)は、平面で構成され、平面で構成されたケース4の内底面と面接触する。
台座5は、例えば、ボルトなどの締結部材や接着剤などを用いてケース4に固定することが挙げられる。これにより、ケース4に台座5を確実に固定できる。或いは、ケース4と台座5の双方に係合部を備える形態、ケース4に台座5の少なくとも一部が嵌め込まれる溝を備える形態としてもよく、これにより、ケース4に対する台座5の位置決めや固定を正確に行うことができる。ここでは、ボルトにより台座5をケース4に固定している。具体的には、台座5の各角部に台座5をケースに固定するためのボルトが螺合される固定孔が形成され(図示せず)、また、ケース4の底部40にボルトが挿通されるボルト孔が形成されており(図示せず)、ボルトをボルト孔に挿通し、固定孔に螺合することで固定している。
樹脂モールド部21は、この台座5もコイル2と共に一体に保持する。また、コイル2の外面が樹脂モールド部21によって覆われており、コイル2と台座5との間には、樹脂モールド部21の樹脂が介在する(図1(B)参照)。そのため、コイル2と台座5との間の絶縁性を確保できる。台座5の樹脂モールド部21によって覆われる領域、具体的には支持面50や側面に粗面化処理を施すと、台座5と樹脂モールド部21の樹脂との密着性を高めることが可能である。
樹脂モールド部21は、コイル2と、コイル2の内側に挿入配置される内側コア部31と、内側コア部31の外面に配置されるボビン25と、コイル2の外面の一部を覆うように配置される台座5との組物において、端子部材が接続される巻線2wの両端部、内側コア部31の両端面、及び台座5の下面を除いた箇所を覆う。つまり、コイル2は、内周面(ボビン25と接する箇所を除く)及び外面、並びに両端面、巻線2wの引出箇所の一部、内側コア部31は、外面(ボビン25と接触する箇所を除く)、台座は、支持面50及び側面が樹脂モールド部21によって覆われている。
樹脂モールド部21の被覆領域は、適宜選択することが可能である。例えば、巻線2wのターン部分の一部が樹脂モールド部21によって覆われず、露出した形態とすることができる。しかし、本例のように、巻線2wのターン部分の表面全体を実質的に樹脂モールド部21によって被覆した形態とすると、コイル2と磁性コア3(外側コア部32、端部コア部33)との間、及びコイル2と台座5との間に樹脂モールド部21の樹脂を介在させることができ、コイル2に対する絶縁性を高められる。また、内側コア部31の両端面が樹脂モールド部21に覆われずに露出しており、上述のように端部コア部33の隣接部33iの端面と接触することができる。
コイル2における巻線2wのターン部分から引き延ばされた巻線2wの端部(引出箇所)には、ターン部分に比較して、高電圧が加わる場合がある。よって、巻線2wの引出箇所のうち、少なくとも磁性コア3(外側コア部32)との接触箇所には、樹脂モールド部21で覆ったり(図1(A)参照)、絶縁紙や絶縁テープ(例えば、ポリイミドテープ)、絶縁フィルム(例えば、ポリイミドフィルム)などの絶縁材を適宜巻き付けたり、絶縁材をディップコーティングしたり、絶縁性チューブ(熱収縮チューブ及び常温収縮チューブのいずれでもよい)を配置したりすると、コイル2と磁性コア3(特にここでは外側コア部32)との間の絶縁性を高められる。
樹脂モールド部21の厚さは、適宜選択することができ、例えば、0.1mm〜10mm程度が挙げられる。樹脂モールド部21の厚さは、厚いほど絶縁性の向上を図ることができ、薄いほど放熱性の向上を図ることができ、0.1mm〜3mm程度が好ましい。なお、樹脂モールド部21は、被覆箇所の全域に亘って実質的に均一な厚さとしてもよいが、所望の機能(コイルの絶縁や部品の保持など)を満たせば、部分的に異なる厚さとしてもよい。
樹脂モールド部21を形成する絶縁性樹脂は、コイル2と磁性コア3との間、コイル2と台座5との間を十分に絶縁可能な程度の絶縁特性と、リアクトル1の使用時における最高到達温度に対して軟化しない程度の耐熱性とを有し、トランスファー成形や射出成形などが可能な樹脂が好適に利用できる。例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、不飽和ポリエステルなどの熱硬化性樹脂や、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、液晶ポリマー(LCP)などの熱可塑性樹脂が好適に利用できる。また、樹脂モールド部21には、窒化珪素、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ほう素、及び炭化珪素から選択される少なくとも1種のセラミックスからなるフィラーを絶縁性樹脂に混合したものを利用すると、絶縁性に優れる上に放熱性にも優れる。例えば、熱伝導率が1W/m・K以上、更に2W/m・K以上を満たすものが放熱性に優れて好ましい。ここでは、樹脂モールド部21にフィラーを含有したエポキシ樹脂(熱伝導率:2W/m・K)を利用している。
樹脂モールド部21を備えるコイル成形体20の製造には、例えば、特開2009−218293号公報に記載された製造方法を利用することができ、射出成形やトランスファー成形、注型成形などの種々の成形方法を利用することができる。より具体的には、コイル2、内側コア部31、及び台座5を成形用金型に収納し、所望の厚さの絶縁性樹脂で覆われるように適宜な支持部材を配置して、樹脂モールド部21を成形することによって、コイル成形体20を製造することができる。
[ケース]
コイル2(コイル成形体20)と磁性コア3(外側コア部32、端部コア部33)との組物を収納するケース4は、図1、図2に示すように、板状の底部40と、底部40から立設される側壁部41とが一体に成形された容器であり、底部40と反対側が開口している。底部40の外底面40oは、平面で構成され、リアクトル1が冷却ベースといった設置対象に設置されたとき、その少なくとも一部(ここでは全体)が設置対象に接して冷却される冷却面となる。なお、外底面40oの一部に設置対象に接触しない領域(平面でも曲面でもよい)が存在することを許容する。また、図1では、外底面40oが下方に配置された形態を示すが、側方(図1において左右)や上方に配置される場合がある。
ケース4の形状は、ここでは、矩形板状の底部40と底部40の各辺から立設する4つの側壁部41とを備える有底四角筒状(四角箱状)としているが、収納物の形状などに応じて適宜選択することができる。ケース4の大きさも、収納物に応じて適宜選択することができる。また、ここでは、底部40の表裏面(内底面及び外底面40o)を平面としているが、上述のように台座5との係合部や台座5が嵌め込まれる溝などを備えて、凹凸形状とすることができる。
ケース4は、収納物の外部環境(粉塵や腐食など)からの保護や機械的保護を図る他、放熱経路として利用できるように、その構成材料は、熱伝導性に優れる金属材料、特に、磁性コア3を構成する磁性材料よりも熱伝導率が高い材料が好ましい。また、非磁性かつ導電性材料で形成されたケースとすると、ケース外部への漏れ磁束を防止できる。よって、ケース4の構成材料には、台座5と同様の非磁性金属材料(上述したアルミニウムなど)が好適に利用できる。ケース4の構成材料と台座5の構成材料とは同じでも、異なっていてもよい。ここでは、ケース4は、アルミニウム合金で形成されている。
ケース4を成形型として、注型成形によって外側コア部32を構成する磁性粉末混合樹脂を成形する場合などは、ケース4の内周面の少なくとも一部、好ましくは50面積%以上、更に80面積%以上の領域に粗面化処理を施すと、磁性粉末混合樹脂(外側コア部32)とケース4との密着性を高められ、放熱性を向上できる。
その他、ケース4は、リアクトル1を設置対象に固定するための取付部400を備える。取付部400は、底部40の周縁から側壁部41の外方に突出する突片であり、この突片にボルトなどの締結部材(図示せず)が挿通されるボルト孔を有する。ここでは、矩形板状の底部40の各角部に取付部400を備える。取付部400を備えることで、リアクトル1を設置対象に確実に固定できる。取付部400の取付位置、個数、形状などは適宜選択できる。取付部400を有しない形態とすることもできる。
また、ケース4は、図2に示すように、その開口を覆うように蓋部6が配置される。蓋部6を備えることで、ケース4からの収納物の脱落防止、収納物の保護が図れる上に、蓋部6をケース4の構成材料と同様に非磁性かつ導電性材料で形成することで、漏れ磁束を防止できる。また、蓋部6をケース4と同様に熱伝導性に優れる金属材料で形成することで、放熱性の向上も期待できる。
蓋部6は、ケース4の開口の形状に応じた矩形板状であり、巻線2wの各端部が引き出される巻線孔60を備える。また、ケース4は、蓋部6を固定するボルト64が螺合する蓋台46を側壁部41に一体に備え、蓋部6は、ボルト64が挿通されるボルト孔が設けられた突片を備える。ここでは、各側壁部41に蓋台46を備え、蓋部6の突片は、蓋部6をケース4に配置したとき、蓋台46に対応した位置に設けられている。蓋台46及び突片の形成箇所、個数は適宜選択できる。
[用途]
上記構成を備えるリアクトル1は、コイルの通電条件が、例えば、最大電流(直流):100A〜1000A程度、平均電圧:100V〜1000V程度、使用周波数:5kHz〜100kHz程度である用途、代表的にはハイブリッド自動車や電気自動車などの車載用電力変換装置の構成部品に好適に利用できる。
[リアクトルの大きさ]
リアクトル1を車載部品とする場合、リアクトル1は、ケース4を含めた容量が0.2リットル(200cm)〜0.8リットル(800cm)程度であることが好ましい。本例では、約540cmである。
[シミュレーションによる評価]
上述した実施形態1のリアクトル1と同様の構成を備える本発明のリアクトルをモデル化し、シミュレーションにより、コイルに通電した際の磁束密度分布状態及び磁束の流れを調べた。図4は、本発明のリアクトルの磁束密度分布を示す図であり、図5は、磁束の流れを示す図である。磁束密度分布は、磁束密度の大きさを色別(磁束密度が大きい順に赤、橙、黄、緑、水色、青)で表示することが可能な公知のシミュレーションソフトを用いて求めた。図4は、グレースケールで示すが、実際には上記色別がある(後述する図6も同じ)。磁束の流れは、上記シュミレーションソフトを用いて求めており、矢印の大きさが磁束の大きさに対応し、かつ、磁束の大きさに応じて磁束密度分布と同様の上記色別で表示されている。図5は、白黒2値で示すが、実際には上記色別がある(後述する図7も同じ)。また、図4及び図5は、コイル2の中心軸を通る平面で切断したときの半断面のみ示す(後述する図6及び図7も同じ)。なお、シミュレーションの条件として、直流電流:50A、駆動周波数:10kHzとした。
また、比較として、従来のリアクトルについても、同様にして、コイルに通電した際の磁束密度分布及び磁束の流れを調べた。その結果を図6及び図7に示す。ここでの従来のリアクトルは、閉磁路を形成する磁性コア130の構成が特開2011−199257号公報に記載された磁性コアの構成と同様であり、本発明のリアクトルとは異なる。具体的には、磁性コア130は、コイル2の内側に配置される内側コア部131と、端部コア部が一体に形成された外側コア部132とで構成されている。内側コア部131は、コイル2の軸方向の長さより若干長く、内側コア部131の端面が外側コア部132に連結されている。内側コア部131及び外側コア部132の比透磁率はそれぞれ250及び10であり、磁性コア130全体の比透磁率は、本発明のリアクトルにおける磁性コア3と同じである。
本発明のリアクトルの磁束密度分布(図4)と従来のリアクトルの磁束密度分布(図6)を比較したところ、本発明のリアクトルでは、内側コア部31の磁束密度が大きく、内側コア部31に連結される端部コア部33においても磁束密度が大きいことが分かる。これに対し、従来のリアクトルでは、内側コア部131の中央付近の磁束密度は大きいが、内側コア部131と外側コア部132との連結箇所近傍では磁束密度が小さく、漏れ磁束が多いと考えられる。実際に、本発明のリアクトルの磁束の流れ(図5)と従来のリアクトルの磁束の流れ(図7)を比較したところ、本発明のリアクトルでは、内側コア部31に流れる磁束の大部分が端部コア部33を流れ、端部コア部33から外側コア部32へ磁束が流れることが分かる。これに対し、従来のリアクトルでは、内側コア部131に流れる磁束が外側コア部132のうちコイル2の両端面に配置される箇所を流れずに、コイル端部(図7中、破線で囲む部分C)を通過して内側コア部131から外側コア部132へ流れる漏れ磁束が多いことが分かる。つまり、本発明のリアクトルは、従来のリアクトルに比較して、コイル端部を通過する漏れ磁束が少ない。
また、上記シミュレーションソフトを用いて、本発明のリアクトルと従来のリアクトルのそれぞれのリアクトルの損失とコイルにおける銅損とを求めたところ、本発明のリアクトルでは、リアクトルの損失が90Wであり、そのうちコイルの銅損が23Wであった。これに対し、従来のリアクトルでは、リアクトルの損失が123Wであり、そのうちコイルの銅損が47Wであった。
[効果]
本発明のリアクトルは、磁性コア3において、端部コア部33がコイル2の端部の内側からコイル2の端面側にかけて構成されており、端部コア部33が高透磁率材料で形成されていることで、磁束が端部コア部33を流れ易く、コイル端部を通過する漏れ磁束が少ない。よって、コイル2に生じる銅損が減少し、コイル2の銅損を低減することができる。特に、コイルの両端部に配置される端部コア部33の両方に隣接部33iを有することから、コイル両端部で漏れ磁束が少なく、端部コア部の一方のみに隣接部を有する場合に比較して、銅損低減効果がより大きい。なお、上述したシミュレーションの結果から、端部コア部の一方のみに隣接部を有する場合であっても、端部コア部の両方に隣接部を有する場合の半分程度(12W程度)の銅損を低減できると考えられ、これは、従来のリアクトルの損失の約10%に相当することから、銅損低減効果が十分に得られる。また、内側コア部31及び外側コア部32が低透磁率材料で形成されていることで、磁気飽和を防止して、磁性コア3をギャップレス構造とすることができる。
《実施形態2》
上述した実施形態1では、内側コア部31と外側コア部32の透磁率が等しい(μo=μi)形態について説明したが、外側コア部32の透磁率を内側コア部31の透磁率よりも高く(μo>μi)してもよい。外側コア部32の透磁率を高くすることで、外側コア部32から外部への漏れ磁束を低減することができる。
《実施形態3》
上述した実施形態1では、端部コア部33の基部33bの端面をケース4の内周面(具体的には側壁部41)に接触させる形態について説明したが、更に基部33bを下側に延長し、基部33bの外面をケース4の底部40(内底面)に接するようにしてもよい。上述のように、端部コア部33は、高透磁率の磁性材料(圧粉成形体)で形成されていることから磁性粉末の含有量が多い。即ち、端部コア部33に、磁性粉末に熱伝導性に優れる金属材料(鉄基材料)を用いた場合は、熱伝導率が高く、熱を伝え易い。そのため、上述のように、ケース4の底部40が冷却ベースに設置される形態の場合、底部40が冷却され易く、端部コア部33の基部33bをケース4の内底面に接するようにすることで、放熱性をより高めることができる。
《実施形態4》
上述した実施形態1では、ケース4が矩形板状の底部40と底部40の各辺から立設する4つの側壁部41とを備える形態としているが、上述のように、端部コア部33は、透磁率が高いことから、外部への漏れ磁束が少ないため、側壁部41のうち、端部コア部33が位置する側には側壁部41が設けられていなくてもよい。例えば、有底四角筒状のケース4に替えて、底部とコイルの軸方向に平行に配置される一対の側壁部とを備える断面]状の非磁性金属材料(上述したアルミニウムなど)からなる枠体としてもよい。また、外側コア部32の外面に非磁性金属材料(アルミニウムなど)の板材を、例えばボルトなどの締結部材や接着剤などを用いて固定してもよいし、外側コア部32を成形する際に、非磁性金属材料の板材を一体成形してもよい。
《実施形態5》
図8、図9を参照して、実施形態5のリアクトル1aを説明する。リアクトル1aの基本的構成は、実施形態1のリアクトル1と同様であり、コイルと、内側コア部31、外側コア部32、及び端部コア部33により閉磁路を形成する磁性コア3とを備える。そして、内側コア部、外側コア部、及び端部コア部のそれぞれの透磁率をμi、μo、及びμeとするとき、各コア部の透磁率が、μe>μo≧μiを満たす。特に、リアクトル1aは、コイルとして一対のコイル素子2a,2bを有する点、内側コア部として一対の内側コア部31を有する点、端部コア部33として二対の端部コア部33を有する点が実施形態1のリアクトル1と異なる。ただし、ケース4は図示していない。以下、これらの相違点及びこの相違点に基づく効果を中心に説明し、実施形態1と共通する構成及び効果は、詳細な説明を省略する。
[コイル]
コイル2は、1本の連続する巻線を螺旋状に巻回してなる一対のコイル素子2a,2bを有する。両コイル素子2a,2bは各軸方向が平行するように横並びに形成されている。巻線2wは、実施形態1と同様の被覆平角線が好適である。両コイル素子2a,2bは、上記被覆平角線をエッジワイズ巻きにして形成されており、巻線2wの一部を屈曲した屈曲部(図示せず)により連結されている。両コイル素子2a,2bは、端面形状が角を丸めた矩形状(トラック形状)である。ここでは、両コイル素子2a,2bの合計巻き数を30〜70としている(図8、図9の巻き数は例示である)。
また、各コイル素子を別々の巻線により形成し、巻線の端部を溶接などにより接合することで、一体のコイルとすることができる。上記溶接は、例えば、TIG溶接、レーザ溶接、抵抗溶接などが挙げられる。その他、圧着、冷間圧接、振動溶着などにより、巻線の端部同士を接合してもよい。なお、両コイル素子は連結されていなくともよい。また、両コイルの巻回方向は、磁束の発生する方向が同一方向になるように巻回されているが、反対方向に磁束が発生するようにコイルを巻回することも可能である。
そして、リアクトル1aは、設置対象に設置したとき、上記両コイル素子2a,2bが、当該リアクトル1aの設置側となる面に対して両コイル素子2a,2bの軸方向が平行となるように配置される。図示していないが、コイル2を構成する巻線の端部は、外側コア部32を貫通してその外部に引き出される。
[磁性コア3]
磁性コア3は、各コイル素子2a,2b内に挿通された一対の内側コア部31と、両内側コア部31と外側コア部32とを連結する二対の端部コア部33と、各端部コアと連結すると共に閉磁路を構成する外側コア部32とを備える。
(内側コア部)
内側コア部31は、各コイル素子2a,2bの内周面の形状に沿った外形を有し、端面形状が角を丸めた矩形状の直方体である。図8、図9に示す例では、内側コア部31における各コイル素子2a,2bの軸方向の長さ(以下、単に長さと呼ぶ)が各コイル素子2a,2bの長さよりも短く、各コイル素子2a,2bの両端部が各内側コア部31の端面から突出している。すなわち、各コイル素子2a、2bの各両端には凹部(残余空間)が形成される。
(端部コア部)
各端部コア部33は、各コイル素子2a、2bの両端に形成された凹部に挿入される隣接部33iと、外側コイル33に接合される基部33bとを備える。本実施形態における隣接部33iと基部33bは、いずれも扁平なブロック状であり、基部33bの方が隣接部33iよりも大きい。各端部コア部33は、各コイル素子2a,2bの両端部にそれぞれ1つずつ配置される。
(外側コア部)
外側コア部32は、図8に示すようにコイル素子2a,2bと、コイル素子2a,2b内にそれぞれ挿通された内側コア部31と、各端部コア部33との組物の外周を実質的に全て覆うように形成されている。即ち、外側コア部32は、コイル2の外周全体、及び各端部コア部33の基部33bを覆う。
ここでは、外側コア部32は、コイル2の全体を覆う直方体の外形としているが、閉磁路が形成できれば、コイル2の外周の少なくとも一部、又は端部コア部33の一部が外側コア部32により覆われず露出されていてもよい。コイルの外周の一部が外側コア部に覆われ、他部が外側コア部から露出された形態として、例えば、E字状コアを組み合わせたE−E形態が挙げられる。また、端部コア部の一部が外側コア部に覆われ、他部が外側コア部から露出された形態としては、ケースを設けた場合に、上記の実施形態1同様に、端部コア部をケースに接触させる形態が挙げられる。その他、一対のコイルの外周が実質的に外側コア部に覆われず、露出された形態がある。この形態の例としては、並列に配置した一対の内側コア部に連結した端部コア部の一端部同士、他端部同士をそれぞれ連結するように外側コア部を設けて、O字状(環状)の磁性コアとする形態が挙げられる。
[効果]
本実施形態のリアクトル1aは、複数のコイル素子2a、2bを備えることで、各コイルの軸方向の長さを小さくできる傾向にあり、ターン数が多いリアクトルとする場合、小型化を図ることができる。
≪実施形態6≫
〔コンバータ、電力変換装置〕
上述した本発明に係る実施形態1〜5のリアクトルは、例えば、車両などに搭載されるコンバータの構成部品や、このコンバータを備える電力変換装置の構成部品に利用することができる。
ハイブリッド自動車や電気自動車といった車両1200は、図11に示すようにメインバッテリ1210と、メインバッテリ1210に接続される電力変換装置1100と、メインバッテリ1210からの供給電力により駆動して走行に利用されるモータ(負荷)1220とを備える。モータ1220は、代表的には、3相交流モータであり、走行時、車輪1250を駆動し、回生時、発電機として機能する。ハイブリッド自動車の場合、車両1200は、モータ1220に加えてエンジンを備える。なお、図10では、車両1200の充電箇所としてインレットを示すが、プラグを備える形態であってもよい。
電力変換装置1100は、メインバッテリ1210に接続されるコンバータ1110と、コンバータ1110に接続されて、直流と交流との相互変換を行うインバータ1120とを有する。この例に示すコンバータ1110は、車両1200の走行時、200V〜300V程度のメインバッテリ1210の直流電圧(入力電圧)を400V〜700V程度にまで昇圧して、インバータ1120に給電する。また、コンバータ1110は、回生時、モータ1220からインバータ1120を介して出力される直流電圧(入力電圧)をメインバッテリ1210に適合した直流電圧に降圧して、メインバッテリ1210に充電させている。インバータ1120は、車両1200の走行時、コンバータ1110で昇圧された直流を所定の交流に変換してモータ1220に給電し、回生時、モータ1220からの交流出力を直流に変換してコンバータ1110に出力している。
コンバータ1110は、図12に示すように、複数のスイッチング素子1111と、スイッチング素子1111の動作を制御する駆動回路1112と、リアクトルLとを備え、ON/OFFの繰り返し(スイッチング動作)により入力電圧の変換(ここでは昇降圧)を行う。スイッチング素子1111には、FET、IGBTなどのパワーデバイスが利用される。リアクトルLは、回路に流れようとする電流の変化を妨げようとするコイルの性質を利用し、スイッチング動作によって電流が増減しようとしたとき、その変化を滑らかにする機能を有する。このリアクトルLとして、上述した実施形態1や変形例のリアクトルを備える。コイルにおける銅損による損失を低減することが可能な本発明に係るリアクトルを備えることで、電力変換装置1100やコンバータ1110は、リアクトルの損失が少なく、高効率である。
なお、車両1200は、コンバータ1110の他、メインバッテリ1210に接続された給電装置用コンバータ1150や、補機類1240の電力源となるサブバッテリ1230とメインバッテリ1210とに接続され、メインバッテリ1210の高圧を低圧に変換する補機電源用コンバータ1160を備える。コンバータ1110は、代表的には、DC−DC変換を行うが、給電装置用コンバータ1150や補機電源用コンバータ1160は、AC−DC変換を行う。給電装置用コンバータ1150の中には、DC−DC変換を行うものもある。給電装置用コンバータ1150や補機電源用コンバータ1160のリアクトルに、上述した実施形態1や変形例のリアクトルなどと同様の構成を備え、適宜、大きさや形状などを変更したリアクトルを利用することができる。また、入力電力の変換を行うコンバータであって、昇圧のみを行うコンバータや降圧のみを行うコンバータに、上述した実施形態1から5のリアクトルなどを利用することもできる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱することなく、適宜変更することが可能である。例えば、内側コア部及び外側コア部や端部コア部を構成する磁性粉末混合樹脂や圧粉成形体における磁性粉末の材質や粒径、含有量など、コイル及び磁性コアの形状やサイズなどを適宜変更することが可能である。
本発明のリアクトルは、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車といった車両に搭載されるDC−DCコンバータや空調機のコンバータといった電力変換装置の構成部品に利用することができる。
1,1a リアクトル
2,2a,2b コイル 2w 巻線
20 コイル成形体 21 樹脂モールド部
25 ボビン
25r 環状部 25p 湾曲片 25f フランジ部 25s スリット
3 磁性コア
31 内側コア部
32 外側コア部
33 端部コア部 33i 隣接部 33b 基部
4 ケース
40 底部 40o 外底面 41 側壁部
400 取付部 46 蓋台
5 台座 50 支持面
6 蓋部
60 巻線孔 62 ボルト孔 64 ボルト
130 磁性コア 131 内側コア部 132 外側コア部
1100 電力変換装置 1110 コンバータ 1120 インバータ
1200 車両
1111 スイッチング素子 1112 駆動回路 L リアクトル
1150 給電装置用コンバータ 1160 補機電源用コンバータ
1210 メインバッテリ 1220 モータ
1230 サブバッテリ 1240 補機類 1250 車輪

Claims (10)

  1. 筒状のコイルと、
    前記コイルの内外に配置されて閉磁路を形成する磁性コアとを備えるリアクトルであって、
    前記磁性コアは、
    前記コイルの内側に配置される内側コア部と、
    前記コイルの外側の少なくとも一部に配置される外側コア部と、
    前記コイルの両端部に配置され、前記内側コア部と前記外側コア部とを連結する一対の端部コア部と、を備え、
    前記内側コア部は、少なくとも一方の端面が前記コイルの端面より内側に位置するように配置され、
    前記端部コア部の少なくとも一方は、前記コイルの端面より内側に位置する内側コア部の端部に隣接する隣接部と、前記コイルの端面に対向し、かつ、前記外側コア部と連結される基部とを有し、
    前記内側コア部、前記外側コア部、及び前記端部コア部のそれぞれの透磁率をμi、μo、及びμeとするとき、各コア部の透磁率は、μe>μo≧μiを満たすリアクトル。
  2. 前記内側コア部は、両端面が前記コイルの両端面より内側に位置するように配置され、
    前記両端部コア部は、前記コイルの端面より内側に位置する内側コア部の端部と隣接する隣接部と、前記コイルの端面に対向し、かつ、前記外側コア部と連結される基部とを有する請求項1に記載のリアクトル。
  3. 前記外側コア部の透磁率μoが、前記内側コア部の透磁率μiよりも高い請求項1又は2に記載のリアクトル。
  4. 前記端部コア部が、圧粉成形体で形成されている請求項1〜3のいずれか一項に記載のリアクトル。
  5. 前記内側コア部及び前記外側コア部が、磁性粉末混合樹脂で形成されている請求項1〜4のいずれか一項に記載のリアクトル。
  6. 前記内側コア部、前記外側コア部及び前記端部コア部が、磁性粉末混合樹脂で形成されている請求項1〜3のいずれか一項に記載のリアクトル。
  7. リアクトルを設置対象に設置したとき、当該設置対象の面に対して前記コイルの軸方向が略平行となるように、前記コイルを支持する台座を備え、
    少なくとも一方の前記端部コア部が、当該設置対象の面に接するように形成されている請求項1〜6のいずれか一項に記載のリアクトル。
  8. 互いに接合される複数のコイル素子を備える請求項1〜7のいずれか一項に記載のリアクトル。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のリアクトルを備えるコンバータ。
  10. 請求項9に記載のコンバータを備える電力変換装置。
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