JP2011138939A - リアクトル - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、ギャップが無く、より小型化が可能であって、加えて、電流制御性がより良くなるリアクトルを提供する。
【解決手段】本発明のリアクトルDは、第1コア部1と、第1コア部1の外側に配されるコイル2と、コイル2の外側に配される第2コア部3と、コイル2の各両端部を覆うように、第1および第2コア部1、3を相互に連結する連結コア部4、4とを備え、第1コア部1は、最大透磁率が3〜10の材料で構成され、第2コア部3は、最大透磁率が100〜300の材料で構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、電気回路や電子回路等に好適に用いられるリアクトルに関する。
リアクトルは、巻き線を利用した受動素子であり、例えば、力率改善回路における高調波電流の防止、電流型インバータやチョッパ制御における電流脈動の平滑化およびコンバータにおける直流電圧の昇圧等の様々な電気回路や電子回路等に用いられている。そして、近年では、様々な製品分野で小型化が要求されているため、リアクトルもその小型化が要望されている。
このようなリアクトルは、例えば、特許文献1に開示されている。この特許文献1に開示のリアクトルは、コイルを巻回したボビンの中空孔に組み込まれ、コイルの取付け巻回軸となっている棒状の一対の軟磁性合金圧粉コアと、前記一対の軟磁性合金圧粉コアにおける各両端に組み合わされ、前記一対の軟磁性合金圧粉コアとで四辺形の複合コアを形成する板状の一対のソフトフェライトコアとを備えて構成されている。このような構成によって特許文献1に開示のリアクトルでは、小型化および低損失化が図られている。そして、特許文献1に開示のリアクトルでは、0A時に約2mHのインダクタンスとなるように、軟磁性合金圧粉コアとソフトフェライトコアとの対向部分にギャップが設けられている。
このようなギャップをコア部に設けると、一般に、騒音や漏れ磁束の問題が生じてしまう。また、コア部のギャップは、その寸法精度がリアクトルのインダクタンス特性に影響するため、精度よく前記ギャップを形成する必要がある。このため、リアクトルの加工コストが高くなると言う不都合も生じてしまう。前記騒音対策としてギャップ部分にセラミック素材を用いることが挙げられるが、このような騒音対策では、リアクトルの加工コストが高くなってしまう。
そこで、例えば、特許文献2には、騒音対策や漏れ磁束対策を目的としたリアクトルが開示されている。この特許文献2に開示のリアクトルは、コア部と、前記コア部の外側に配されるコイルとを備え、前記コイルの励磁により前記コア部を通る閉磁路が形成されるリアクトルであって、前記コア部は、比透磁率が5〜50の材料で実質的に構成される。このような構成によって特許文献2に開示のリアクトルでは、コア部にギャップが無く、ギャップを有することによって生じる騒音や漏れ磁束の問題が解消されている。
特開2007−128951号公報 特開2008−112935号公報
しかしながら、特許文献2に開示のリアクトルでは、コア部の比透磁率が低いため、コア部自体から比較的大きな漏れ磁束が生じてしまう。そして、この漏れ磁束によってリアクトルの周辺機器に発熱を生じさせてしまう虞もある。その一方で、リアクトルの周辺機器の配置によってリアクトルのインダクタンス特性が影響され易いという不都合もある。このような不都合を軽減させるためには、リアクトルにおけるコア部の体積を大きくする必要があり、リアクトルの小型化の目的に対し有効とは言えない。
また、リアクトルを電気回路や電子回路等に利用する場合、リアクトルに流す電流の変化率が一定である場合に電流の制御性が良くなるため、いわゆるB−Hカーブの直線性が望まれる。
本発明は、上述の事情に鑑みて為された発明であり、その目的は、騒音や漏れ磁束の原因となるギャップが無く、より小型化可能であって、加えて、電流制御性のより良いリアクトルを提供することである。
本発明者は、種々検討した結果、上記目的は、以下の本発明により達成されることを見出した。すなわち、本発明の一態様にかかるリアクトルは、第1コア部と、前記第1コア部の外側に配されるコイルと、前記コイルの外側に配される第2コア部と、前記コイルの各両端部を覆うように、前記第1および第2コア部を相互に連結する連結コア部とを備え、前記第1コア部は、最大透磁率が3〜10の材料で構成され、前記第2コア部は、最大透磁率が100〜300の材料で構成されていることを特徴とする。
このような構成のリアクトルは、第1コア部を備えるコイルが第2コア部および連結コア部で囲まれ、騒音や漏れ磁束の原因となるギャップを無くした構造である。このため、本発明にかかるリアクトルは、リアクトルから外部空間に漏れる漏れ磁束を抑制することが可能となる。そして、このようなギャップを無くした構造を採用するとともに、第1コア部が3〜10の最大透磁率の材料で構成される一方、第2コア部が最大透磁率100〜300の材料で構成される。このように第1コア部の透磁率が相対的に低くされる一方、第2コア部の透磁率が相対的に高くされる。このため、本発明にかかるリアクトルは、第1コア部が比較的低い透磁率であることから、飽和磁束の点で有利であり、第2コア部が比較的高い透磁率であることから、さらに、リアクトルから外部空間に漏れる漏れ磁束を抑制することができ、したがって、より小型化が可能である。そして、本発明にかかるリアクトルでは、相対的に高い透磁率の第2コア部における磁束密度の変化に対する透磁率の変化を、相対的に低い透磁率の第1コア部によって補償することで、リアクトルにおける、いわゆるB−Hカーブ(励磁磁場と磁束密度との関係)の直線性が改善されるので、加えて、電流制御性がより良くなる。したがって、本発明にかかるリアクトルは、騒音や漏れ磁束の原因となるギャップが無く、より小型化が可能であって、加えて、電流制御性がより良くなる。
また、上述のリアクトルにおいて、前記第1コア部は、軟磁性体粉末と非磁性体粉末との混合物を成形したものであることを特徴とする。この構成によれば、第1コア部について、所望の磁気特性(低透磁率)が比較的容易に得られるとともに、所望の形状が比較的容易に成形され得る。
また、これら上述のリアクトルにおいて、前記第2コア部および連結コア部は、軟磁性体粉末を成形したものであることを特徴とする。この構成によれば、第2コア部および連結コア部について、所望の磁気特性(高透磁率)が比較的容易に得られるとともに、所望の形状が比較的容易に成形され得る。
また、これら上述のリアクトルにおいて、前記第2コア部および連結コア部は、同一材料であることを特徴とする。この構成によれば、複数の材料種を使用しないので、低コスト化が可能となる。
ここで、これら前記同一材料は、その組成が同一である場合だけでなく、電磁気的に同一であればその組成が異なっていてもよい。
本発明にかかるリアクトルは、騒音や漏れ磁束の原因となるギャップが無く、より小型化が可能であって、加えて、電流制御性がより良くなる。
実施形態におけるリアクトルの構成を示す図である。 実施形態のリアクトルに使用される、磁性体の密度が比較的低い材料における磁気特性を示す図である。 実施形態のリアクトルに使用される、磁性体の密度が比較的高い材料における磁気特性を示す図である。 一実施例におけるリアクトルの構成を示す断面図である。 一実施例のリアクトルにおけるバイアス電流−インダクタンス特性を示す図である。 一比較例におけるリアクトルの構成を示す断面図である。 磁性体の密度が比較的高い他の材料における磁気特性を示す図である。 鉄粉を含む磁性体における密度と磁束密度−比透磁率特性との関係を示す図である。
以下、本発明にかかる実施の一形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、適宜、その説明を省略する。
図1は、実施形態におけるリアクトルの構成を示す図である。図1(A)は、中心軸を含む径方向で切断した断面図を示し、図1(B)は、連結コア部を取り除いた場合における上面図を示す。図2は、実施形態のリアクトルに使用される、磁性体の密度が比較的低い材料における磁気特性を示す図である。図3は、実施形態のリアクトルに使用される、磁性体の密度が比較的高い材料における磁気特性を示す図である。図2および図3の横軸は、磁束密度であり、その縦軸は、比透磁率である。
図1において、実施形態のリアクトルDは、第1コア部1と、第1コア部1の外側に配されるコイル2と、コイル2の外側に配される第2コア部3と、コイル2の各両端部を覆うように、第1および第2コア部1、3を相互に連結する連結コア部4、4とを備えている。すなわち、リアクトルDは、第1コア部1を備えるコイル2が第2コア部3および連結コア部4、4で囲まれており、いわゆるポット型のリアクトルである。
第1コア部1は、後述する所定の磁気特性を有する中実円柱形状であり、そして、第2コア部3は、後述する所定の磁気特性を有し、第1コア部1と同じ高さの円筒形状である。第2コア部3は、第1コア部1をコア(磁芯)として備えるコイル2を内包し得る内径である。したがって、第2コア部3の内径は、第1コア部1の外径よりもコイル2の厚みだけ少なくとも大きい。
連結コア部4、4は、後述する所定の磁気特性を有する円板であり、その外形は、第2コア部3の内径よりも大きい。連結コア部4、4の一方(上部連結コア部4)は、略隙間が生じないように、第1コア部1の一方端部および第2コア部3の一方端部にそれぞれ連結され、そして、連結コア部4、4の他方(下部連結コア部4)は、略隙間が生じないように、第1コア部1の他方端部および第2コア部3の他方端部にそれぞれ連結されている。なお、連結コア部4、4は、それぞれ個別に成形されてもよく、また、連結コア部4、4のうちのいずれか一方は、第2コア部3と一体に成形されてもよい。
コイル2は、導体線または導体シート等を所定回数だけ第1コア部1の外周に巻回した部材であり、第1コア部1の外周面、連結コア部4、4の各内面および第2コア部3の内周面によって形成された空間に配置されている。
前記空間は、コイル2によって略隙間無く満たされていてもよく、また、コイル2を配置された状態で隙間があってもよい。コイル2で生じた熱を外部へ向けて伝導して外部へ放熱する観点から、前記空間は、比較的熱伝導性のよい樹脂(比較的高伝導率の樹脂)で充填されることが好ましい。
ここで、注目すべきは、第1コア部1の透磁率は、第2コア部3および連結コア部4、4の各透磁率よりも低くなるように、設けられていることである。
より具体的には、第1コア部1は、後述するように、最大透磁率が約3〜10の材料で構成されている。このような材料は、例えば、軟磁性粉末として純鉄粉を用いる場合では、成形体密度を約2.5g/cc〜約4g/ccとなるように軟磁性粉末と非磁性粉末との割合を調整することによって得ることができる。また、最適値は、リアクトルDの構造に依存するが、飽和磁束および電流制御性をより改善する観点から、最大透磁率が約8以下の材料で構成されることが好ましく、さらに、最大透磁率が約6以下の材料で構成されることがより好ましい。また、第2コア部3および連結コア部4、4は、後述するように、最大透磁率が約100〜300の材料で構成されている。このような材料は、例えば、軟磁性粉末として純鉄粉を用いる場合では、成形体密度を約6g/cc〜約7.5g/ccとなるように軟磁性粉末と非磁性粉末との割合を調整することによって得ることができる。また、最適値は、リアクトルDの構造に依存するが、磁束の漏れや電流制御性をより改善する観点から、最大透磁率が約150以上の材料で構成されることが好ましく、さらに、最大透磁率が約200以上の材料で構成されることがより好ましい。
例えば、第1コア部1は、所望の磁気特性(低透磁率)の実現容易性および所望の形状の成形容易性の観点から、軟磁性体粉末と非磁性体粉末との混合物を成形したものであることが好ましい。軟磁性体粉末と非磁性体粉末との混合率比を比較的容易に調整することができ、前記混合比率を適宜に調整することによって、第1コア部1の磁気特性を所望の磁気特性(低透磁率)に容易に実現することが可能となる。また、軟磁性体粉末と非磁性体粉末との混合物であるので、様々な形状に成形することができ、第1コア部1の形状を所望の形状に容易に成形することが可能となる。
この軟磁性粉末は、第2コア部3および連結コア部4、4の軟磁性粉末も同様に、強磁性の金属粉末であり、より具体的には、例えば、純鉄粉、鉄基合金粉末(Fe−Al合金、Fe−Si合金、センダスト、パーマロイ等)およびアモルファス粉末、さらには、表面にリン酸系化成皮膜などの電気絶縁皮膜が形成された鉄粉等が挙げられる。これら軟磁性粉末は、例えば、アトマイズ法等によって微粒子化する方法や、酸化鉄等を微粉砕した後にこれを還元する方法等によって製造することができる。また、一般に、透磁率が同一である場合に飽和磁束密度が大きいので、軟磁性粉末は、例えば上記純鉄粉、鉄基合金粉末およびアモルファス粉末等の金属系材料であることが特に好ましい。
このような第1コア部1は、例えば、公知の常套手段を用いることによって、軟磁性体粉末としての鉄粉と、非磁性体粉末としての樹脂とを混合して成形した密度2.7g/ccの部材(低透磁率部材)であり、この部材は、例えば、図2に示す磁束密度−比透磁率特性を有している。なお、磁束密度−比透磁率特性は、磁束密度の変化に対する比透磁率の変化である。この第1コア部1に用いられた低透磁率部材における磁束密度−比透磁率特性は、約2.8の初期比透磁率から、磁束密度が微小増加すると、磁束密度が約0.02Tで比透磁率が約3.5(最大比透磁率)まで急激に増加し、その後、磁束密度の増加に従って緩やかに比透磁率が減少して行くプロファイルである。図2に示す例では、比透磁率が、初期比透磁率から磁束密度の増加に従って再び初期比透磁率となる磁束密度は、約0.52Tである。
一方、例えば、第2コア部3および連結コア部4、4は、所望の磁気特性(高透磁率)の実現容易性および所望の形状の成形容易性の観点から、軟磁性体粉末を成形したものであることが好ましく、また、低コスト化の観点から、同一材料であることが好ましい。
このような第2コア部3および連結コア部4、4は、例えば、公知の常套手段を用いることによって、鉄粉を圧粉成形した密度7.0g/ccの部材(高透磁率部材)であり、この部材は、例えば、図3に示す磁束密度−比透磁率特性を有している。この第2コア部3および連結コア部4、4に用いられた高透磁率部材における磁束密度−比透磁率特性は、約120の初期比透磁率から、磁束密度が増加すると、磁束密度が約0.35Tで比透磁率が約200(最大比透磁率)まで徐々に増加し、その後、磁束密度の増加に従って徐々に比透磁率が減少して行くプロファイルである。図3に示す例では、比透磁率が、初期比透磁率から磁束密度の増加に従って再び初期比透磁率となる磁束密度は、約1Tである。
また、図2と図3とを比較すると分かるように、低透磁率部材の方が高透磁率部材よりも磁束密度の変化に従って比透磁率が早く(より小さい磁束密度で)最大値となっている。
このような構成のリアクトルDは、第1コア部1を備えるコイル2が第2コア部3および連結コア部4、4で囲まれた、いわゆるポット型であり、騒音や漏れ磁束の原因となるギャップを無くした構造である。このため、本実施形態のリアクトルDは、リアクトルDから外部空間に漏れる漏れ磁束を抑制することが可能となる。そして、このようなギャップを無くした構造を採用するとともに、第1コア部1が3〜10の最大透磁率の材料で構成される一方、第2コア部3が最大透磁率100〜300の材料で構成される。このように第1コア部1の透磁率が相対的に低くされる一方、第2コア部の透磁率3が相対的に高くされる。このため、本実施形態にかかるリアクトルDは、第1コア部1が比較的低い透磁率であることから、飽和磁束の点で有利であり、電流−インダクタンス特性が向上し(バイアス電流の大きさによらずに安定したインダクタンスを得ることが可能で)、第2コア部3が比較的高い透磁率であることから、さらに、リアクトルDから外部空間に漏れる漏れ磁束を抑制することができ、したがって、より小型化が可能である。そして、上記のように、相対的に高い透磁率の第2コア部3における磁束密度−比透磁率特性(本実施形態では連結コア部4、4も)は、比透磁率が磁束密度の増加に従って、例えば、図3に示すプロファイルとなるが、これを相対的に低い透磁率の第1コア部1における磁束密度−比透磁率特性によって補償することで、リアクトルDにおける、いわゆるB−Hカーブ(励磁磁場と磁束密度との関係)の直線性がより良くなる。すなわち、図2および図3に示す例では、上述したように、第2コア部3に用いられる高比透磁率部材(本実施形態では連結コア部4、4も)は、比透磁率が初期比透磁率以上の範囲では、磁束密度の増加に従って初期比透磁率から徐々に増加して比透磁率が最大値を取った後に徐々に減少する一方、第1コア部1に用いられる低比透磁率部材は、比透磁率が初期比透磁率以上の範囲では、磁束密度の増加に従って初期比透磁率から比較的急激に増加して比透磁率が最大値を取った後に緩やかに減少するので、これら比透磁率の最大値を取り得る磁束密度が互いに異なるとともに、磁束密度の変化に対する比透磁率の変化の割合が互いに異なることから、これらを合わせることによって、リアクトルDにおけるB−Hカーブの直線性がより良くなる。このため、B−Hカーブの直線性が良くなるほど、リアクトルDに流す電流の変化率がより一定となるため、例えば昇圧回路等における電流の制御性がより良くなる。この結果、回路がより安定的に動作し得る。
以上、説明したように、本実施形態のリアクトルDは、騒音や漏れ磁束の原因となるギャップが無く、より小型化が可能であって、加えて、電流制御性がより良くなる。
次に、本発明の一実施例およびその比較例について説明する。
(実施例および比較例)
図4は、一実施例におけるリアクトルの構成を示す断面図である。この図4は、中心軸を含む径方向で切断した断面図を示している。図5は、一実施例のリアクトルにおけるバイアス電流−インダクタンス特性を示す図である。図5の横軸は、バイアス電流(A)であり、その縦軸は、インダクタンス(μH)である。図6は、一比較例におけるリアクトルの構成を示す断面図である。
一実施例におけるリアクトルD1は、リアクトル電流が0〜100Aの範囲でインダクタンスが195μH±15μHであって、周囲への漏れ磁束が、リアクトルD1の第2コア部3の壁面から距離10mmの地点で100G(ガウス)以内に収まる仕様となるように設計された。なお、漏れ磁場は、周囲の機器へ影響を与える磁場の一指標となり得る。そして、第1コア部1の低透磁率部材は、前記仕様の点でその比透磁率が初期比透磁率以上となる範囲で使用され、第2コア部3および連結コア部4、4の高透磁率部材は、前記仕様の点でその比透磁率が初期比透磁率以上となる範囲で使用される。
このような仕様に応じて図1に示す構造のリアクトルDを設計すると、この一実施例のリアクトルD1は、図4に示す寸法となり、その結果、図5に示す磁気特性が得られる。すなわち、この一実施例のリアクトルD1において、図4に示すように、第1コア部1は、半径(外径)35mmで高さ25mmの中実円柱形状であり、図2に示す磁気特性を持つ密度2.7g/ccの低透磁率部材で形成される。第2コア部3は、内径46mmおよび外径58mmで高さ25mmの円筒形状であり、図3に示す磁気特性を持つ密度7.0g/ccの高透磁率部材で形成される。連結コア部4、4は、半径(外径)58mmで厚さ20mmの円板であり、図3に示す磁気特性を持つ密度7.0g/ccの高透磁率部材で形成される。そして、コイル2は、その巻き数が19ターンであり、第1コア部1の外周に径方向に11mm(=46mm−35mm)の長さで形成される空間に収容される。
このような設計値によって構成された一実施例のリアクトルD1は、その磁気特性が図5に示すプロファイルとなり、バイアス電流が約0〜100Aの範囲において、そのインダクタンスが、バイアス電流約100Aで約180μH(最小値)であってバイアス電流約18Aで約210μH(最大値)であり、195μH±15μHの仕様を満たしている。そして、この一実施例のリアクトルD1では、漏れ磁場がリアクトルD1の第2コア部3の壁面から距離10mmの地点で最大18Gであった。また、この一実施例のリアクトルDにおける体積は、約687cc(=58mm×58mm×3.14×65mm)となる。
一方、一比較例のリアクトルDcは、図6に示すように、内側コア部11と、内側コア部11の外側に配されたコイル12と、コイル12の外側に配された外側コア部13と、前記コイル12の各両端部を覆うように、内側コア部11および外側コア部13を相互に連結する連結コア部14、14とを備えたギャップレスのリアクトルであり、内側コア部11、外側コア部13および連結コア部14、14がすべて低透磁率の材料で形成されている。
このような図6に示す構成のリアクトルDcにおいて、一実施例のリアクトルD1と同様に、リアクトル電流が0〜100Aの範囲でインダクタンスが195μH±15μHであって、周囲への漏れ磁束が、リアクトルDcの外側コア部13の壁面から距離10mmの地点で100G(ガウス)以内に収まる仕様となるように設計すると、各設計値は、次のようになる。すなわち、内側コア部11は、半径(外径)35mmで高さ30mmの中実円柱形状であり、外側コア部13は、内径47mmおよび外径71mmで高さ30mmの円筒形状であり、そして、連結コア部14、14は、半径(外径)71mmで厚さ45mmの円板である。そして、これら内側コア部11、外側コア部13および連結コア部14、14は、それぞれ、図3に示す磁気特性を持つ密度2.7g/ccの高透磁率部材で形成される。そして、コイル12は、その巻き数が22ターンであり、内側コア部11の外周に径方向に12mm(=47mm−35mm)の長さで形成される空間に収容される。
この一比較例のリアクトルDcにおける体積は、約1900cc(=71mm×71mm×3.14×120mm)となる。そして、この他の一比較例のリアクトルDc2では、漏れ磁場がリアクトルDc2の外側コア部13の壁面から距離10mmの地点で最大98Gであった。
したがって、前記一実施例のリアクトルD1は、前記一比較例のリアクトルDc1と対比すると、その体積が約64%(=(1900−687)/1900×100)削減されている。
なお、リアクトルにおける各寸法は、FEM解析によって求められた。FEM解析は、公知の解析手法であり、インダクタンス特性を与えた場合に、最適化計算によって、その場合におけるリアクトルの体積を求める手法である。
なお、上述の一実施例のリアクトルD1は、図3に示す磁気特性を持つ高透磁率部材を用いたが、高透磁率部材として図7に示す磁気特性を持つ部材を用いてもよい。
図7は、磁性体の密度が比較的高い他の材料における磁気特性を示す図である。図7の横軸は、磁束密度(T)を示し、その縦軸は、比透磁率を示す。
この高透磁率部材は、例えば、公知の常套手段を用いることによって、鉄粉を圧粉成形した密度7.5g/ccの部材であり、第2コア部3および連結コア部4、4に用いられる。この高透磁率部材における磁束密度−比透磁率特性は、図7に示すように、約120の初期比透磁率から、磁束密度が増加すると、磁束密度が約0.35Tで比透磁率が約230まで徐々に増加し、その後、磁束密度の増加に従って徐々に比透磁率が減少して行くプロファイルである。図7に示す例では、比透磁率が、初期比透磁率から磁束密度の増加に従って再び初期比透磁率となる磁束密度は、約1.25Tである。
図8は、鉄粉を含む磁性体における密度と磁束密度−比透磁率特性との関係を示す図である。図8(A)は、全体を示し、図8(B)は、その一部を示す。図8の横軸は、T単位で表す磁束密度であり、その縦軸は、比透磁率である。
また、上述の実施形態において、最終的にリアクトルDに要求される特性にもよるが、一般的に要求される電流−インダクタンス特性の観点から、第1コア部1の各初期比透磁率は、2〜20であり、第2コア部3および連結コア部4、4の各初期比透磁率は、それぞれ50〜250であることが好ましい。このように構成することによって、リアクトルに一般的に要求される電流−インダクタンス特性、すなわち、電流の変化に対してインダクタンスが略一定(微小な所定の範囲内である場合を含む)となる電流−インダクタンス特性を実現することが可能となる。
例えば、鉄粉を含む磁性体における密度と磁束密度−比透磁率特性との関係は、例えば、図8に示す関係となる。ここで、◆は、密度7.5g/ccの場合を示し、△は、密度7g/ccの場合を示し、×は、密度6.5g/ccの場合を示し、□は、密度5.99g/cc(約6g/cc)の場合を示し、○は、密度4.98g/cc(約5g/cc)の場合を示し、+は、密度3.63g/cc(約3.6g/cc)の場合を示し、そして、▲は、密度2.73g/cc(約2.7g/cc)の場合を示す。
図8(A)および図8(B)から分かるように、最大比透磁率が約3〜10である材料(密度約2.7〜約3.6g/cc;+(最大比透磁率約3.5、初期比透磁率約2.8)、▲(最大比透磁率約7、初期比透磁率約4))は、磁束密度−比透磁率特性が略同様のプロファイルを示す。すなわち、磁束密度−比透磁率特性は、所定の初期比透磁率から、磁束密度が微小増加すると、最大比透磁率まで急激に増加し、その後、磁束密度の増加に従って緩やかに比透磁率が減少して行くプロファイルである。そして、図8(A)から分かるように、最大比透磁率が約100〜300である材料(密度約6〜約7.5g/cc;□(最大比透磁率約95、初期比透磁率約70)、×(最大比透磁率約140、初期比透磁率約90)、△(最大比透磁率200、初期比透磁率約120)、◆(最大比透磁率325、初期比透磁率約160))は、磁束密度−比透磁率特性が略同様のプロファイルを示す。すなわち、磁束密度−比透磁率特性は、所定の初期比透磁率から、磁束密度が増加すると、磁束密度が最大比透磁率まで徐々に増加し、その後、磁束密度の増加に従って徐々に比透磁率が減少して行くプロファイルである。
上述したように、電流制御性の改善の観点から、図2に示すプロファイルの部材と図3に示すプロファイルの部材とが組み合わされて、リアクトル全体におけるB−Hカーブの直線性が改善される。したがって、この図8から分かるように、初期比透磁率が約2〜20である部材、あるいは、最大比透磁率が約3〜10である部材(約3.6g/cc以下の部材)は、B−Hカーブが図2に示すB−Hカーブと同様の略平坦なプロファイルであることから、このような部材は、低透磁率部材として利用することができる。そして、この図8から分かるように、初期比透磁率が約50〜250である部材、あるいは、最大比透磁率が約100〜300である部材(密度約6g/cc以上の部材)は、B−Hカーブが図3に示すB−Hカーブと同様の明らかに極大値を持つ上に凸なプロファイルであることから、このような部材は、高透磁率部材として利用することができる。
なお、密度約5g/ccの材料(○、最大比透磁率約16、初期比透磁率約14)は、磁束密度−比透磁率特性が前記両者の中間的なプロファイルとなっており、リアクトルD(D1)にこの材料とともに用いられる材料との関係で相対的に機能が決定され、低透磁率部材または高透磁率部材として用いることが可能である。
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
D、D1、Dc リアクトル
1 第1コア部
2 コイル
3 第2コア部
4 連結コア部

Claims (4)

  1. 第1コア部と、
    前記第1コア部の外側に配されるコイルと、
    前記コイルの外側に配される第2コア部と、
    前記コイルの各両端部を覆うように、前記第1および第2コア部を相互に連結する連結コア部とを備え、
    前記第1コア部は、最大透磁率が3〜10の材料で構成され、
    前記第2コア部は、最大透磁率が100〜300の材料で構成されていること
    を特徴とするリアクトル。
  2. 前記第1コア部は、軟磁性体粉末と非磁性体粉末との混合物を成形したものであること
    を特徴とする請求項1に記載のリアクトル。
  3. 前記第2コア部および連結コア部は、軟磁性体粉末を成形したものであること
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載のリアクトル。
  4. 前記第2コア部および連結コア部は、同一材料であること
    を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のリアクトル。
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