JP5288227B2 - リアクトル磁心およびリアクトル - Google Patents

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本発明は、電源回路、特にハイブリッド自動車に用いられるリアクトル磁心、およびリアクトルに関するものである。
電源回路用リアクトルの磁心としては、3つに大別することが出来る。数十kHz以下の領域では、珪素鋼板、アモルファス軟磁性薄帯、ナノ結晶質軟磁性薄帯などが磁心材として主に用いられている。これらの磁心材は鉄を主成分とし、飽和磁束密度Bsと透磁率μが大きいという長所をもつが、珪素鋼板は高周波磁心損失が大きいという欠点を有し、アモルファス軟磁性薄帯とナノ結晶質軟磁性薄帯は、磁芯形状が巻磁心形状や積層磁心形状などに制約され、後述するフェライトのような種々の形状には成型し難い欠点を有する。
数十kHz以上の領域では、Mn-Zn系やNi-Zn系に代表されるフェライト磁心が広く用いられている。このフェライト磁心は、高周波磁心損失が小さく、また成形が比較的容易なため、種々の形状を大量生産できる特長を有する。しかしながら、飽和磁束密度Bsが前述の珪素鋼板やアモルファス軟磁性薄帯、ナノ結晶質軟磁性薄帯の4分の1から2分の1程度しかないため、大電流用リアクトルでは磁気飽和を避けるために磁心断面積が大きくなる。
数kHzから数百kHzまでの領域に用いられるものとして圧粉磁心がある。圧粉磁心は、磁性粉末の表面を絶縁処理したのち加工成形したもので、絶縁処理により渦電流損失の発生が抑制されている。
最近、急速に普及しはじめたハイブリッド自動車では、大出力の電気モータを有しており、これを駆動する電源回路には高電圧大電流に耐えるリアクトルが用いられている。このリアクトルには小型化、低騒音化、低損失化の要求が強く、リアクトルに用いられる磁心材の磁気特性としては、高い飽和磁束密度Bsと適切な範囲の透磁率μrが要求される。ここでいう適切な範囲の透磁率μrについて以下、説明する。磁界Hと磁束密度Bには、B=μoμrHの関係がある。ここでμoは真空中の透磁率を示し、磁界Hはリアクトルに流れる電流に比例する。このため、透磁率の高い磁心材では小さなリアクトル電流でも飽和磁束密度Bsに達して、磁心飽和を起こす。よって、従来はリアクトル磁心材として高い飽和磁束密度Bsの磁性材を用い、この磁心材に空隙を設けて実効的な透磁率(実効透磁率)μreを低くし、巻線数との調整により必要なインダクタンスを得る設計がなされている。本用途での実用的な実効透磁率μreはおおよそ10から50までの範囲内にあり、前述する圧粉磁心を用いることが好ましい。
大電流用のリアクトル磁心には、飽和磁束密度Bsが高く低損失の磁性材が用いられる。一般に飽和磁束密度Bsが高く低損失な磁性材は透磁率も高いため、リアクトル磁心に用いる場合にはギャップ(空隙)を設ける。このギャップを構成する部材の透磁率は略1であることから、ギャップでは磁束が磁路の外側に漏れ出るフリンジング磁束が生じる。このため、ギャップ近傍のコイル表面に渦電流が生じ、損失が増大する問題点がある。
例えば、特許文献1には、圧粉磁心を用いた円環状リアクトル磁心が一例として開示されている。このリアクトル磁心は、フリンジング磁束による損失増大を抑えるために、一箇所当りのギャップ長を小さくした複数ギャップ構造が用いられており、計6箇所のギャップを有するリアクトル磁心が記載されている。また、計8箇所のギャップを有するリアクトル磁心として特許文献2などがある。
特開2005−50918号公報 特開2005−19764号公報
これら、複数ギャップ構造を用いたリアクトル磁心は他にも出願がされているが、その形状については詳細に検討が為されていない。本発明者らの検討の結果、ハイブリッド自動車用のリアクトルを軟磁性粉末を使用した圧粉体で構成する場合、少なくとも実効的な実効透磁率μreを得るにはギャップ数が計8個以上必要であることが解った。但し、従来の複数ギャップ構造のリアクトル磁心、リアクトルでは、ギャップからコイルへ磁束が漏れ、銅損が増大しやすいという問題がある。例えば、特許文献2などでは、計8箇所のギャップを有するリアクトル磁心が開示されているが、銅損を抑えるための技術的配慮はなされておらず、検討の余地がある。
よって本発明は、ギャップ数が計8個以上(片側の磁心脚部のブロック数が3個以上)の複数ギャップ構造を用いた環状のリアクトル磁心、リアクトルにおいて、各磁心部の形状を最適化し銅損の増大を極力抑制したものを提供することを課題とする。
本発明は、2つの対向する磁心継部5と、前記磁心継部5の間に配置された複数の磁心脚部6からなる環状のリアクトル磁心であって、前記磁心継部5は前記磁心脚部6に向けた突出部を有し、前記磁心脚部6は前記磁心継部5との間にギャップが形成され、かつn個(nは3以上の整数)の磁心ブロック3から構成され、前記磁心継部5の突出部の長さAと前記磁心ブロック3の磁路方向の平均長さBとの比A/Bが、0.8から2.0の領域で、前記領域でコイル交流抵抗が最小となることを特徴とする。
前記nが3の場合、前記A/Bは0.6以上2.4以下であることが好ましい。
前記nが4の場合、前記A/Bは0.5以上3.5以下であることが好ましい。
前記nが5の場合、前記A/Bは0.6以上3.3以下であることが好ましい。
前記リアクトル磁心が、磁性粉末と樹脂を含む圧粉体で形成されているものが好ましい。この圧粉体の透磁率は200以下であることが好ましい。
磁心脚部の周囲にコイルを巻回したこれらのリアクトル磁心を用いたリアクトルとすることができる。ハイブリッド自動車(HEV)用リアクトルとして特に有用である。
本発明によれば、ギャップ部の漏れ磁束による銅損の増大を抑制した高効率のリアクトル磁心、およびリアクトルを得ることができる。
本発明のリアクトルは、磁心継部5から磁心脚部6に向けて突出した突出部を形成し、この突出部の長さAと、磁心脚部6を構成する磁心ブロック3の磁路方向の平均長さBとの比A/Bの適切化を図ることで、容易に銅損の増大を抑制できることを知見したものである。
すなわち、比A/Bが0.3より小さい場合は、一方の突出部(21、22)から磁心継部1を介して他方の突出部(23、24)に流れるまでの磁束の還流が停滞しやすく、最外部ギャップでの漏れ磁束量が大きくなり、コイル交流抵抗が増大する。また、比A/Bが4.0より大きい場合は、突出部が長いために磁心脚部の複数のギャップが中央に集中して配置されるため、この部分の磁気抵抗が大きくなり、全体的にフリンジング磁束量が大きくなって、コイル交流抵抗が増大する。従って比A/Bを0.3以上4.0以下に設定することで、フリンジング磁束が小さくなり、コイルに生じる渦電流損失を小さくすることができる。この磁心を用いることにより、低損失のリアクトルを実現できる。
本発明において「突出部の長さA」とは、図8(a)に示すように、略U型になる磁心継部の谷の部分から、対向する磁心継部側へ突出している部位の長さである。磁心継部5aの突出部は、図4に示すように端部と一体的に成形されることもあるし、図6に示すように端部と突出部を別個に製造して接着したものでもよい。図8(b)のように磁心継部5bの内径側が円弧形状の場合は、他端の継部から最も離れた谷部7から突出した長さを突出部の長さAとする。図8(c)のように磁心継部51c、52cの各突出部の長さ(A1〜A4)が異なる場合は、各突出部の長さの平均値((A1+A2+A3+A4)/4)を突出部の長さAとする。
また、本発明において、「磁心ブロックの磁路方向の平均長さB」とは、各磁心ブロックの長さの平均値とする。
突出部2の磁路方向の断面積と、磁心ブロック3の磁路方向の断面積は同じになるようにすることが好ましい。断面積が同じであれば、その間のギャップで漏洩磁束が発生しずらく、銅損の増加を抑制できる。
また、磁心継部5の磁路方向の断面積は、突出部2の磁路方向の断面積、磁心ブロック3の磁路方向の断面積と同じか、それよりも大きいことが好ましい。この寸法で形成することで、上記と同様に、銅損の増加を抑制できる。
また、磁心ブロック3は磁心の組み立てや、プレス成形を容易にするために直方体状のI型磁心ブロックとすることが好ましい。台形形状などのものを適用した場合、磁心ブロックの磁路方向の平均長さBは、磁路の中央部(磁路断面の重心部)に沿った長さである。
検討の結果、磁心ブロックの数により、最適な比A/Bが変わることがわかった。詳細は実施例にて述べるが、ブロックの数が3つである場合、磁心継部の突出部の長さAと磁心ブロックの磁路方向長さBとの比A/Bが、0.6以上2.4以下であることが好ましい。磁心継部に突出部を設けない場合(比A/B=0の場合)に比べて、30%以上もコイル交流抵抗を低下できる。さらに、比A/Bは0.8以上2.0以下であることが好ましい。この範囲とすることで、35%以上もコイル交流抵抗を低下できる。
磁心ブロックの数が4つである場合、磁心継部の突出部の長さAと前記磁心ブロックの磁路方向長さBとの比A/Bが、0.5以上3.5以下であることことが好ましい。磁心継部に突出部を設けない場合(比A/B=0の場合)に比べて、15%以上もコイル交流抵抗を低下できる。さらに、比A/Bは0.8以上2.2以下であることが好ましい。この範囲とすることで、20%以上もコイル交流抵抗を低下できる。
磁心ブロックの数が5つである場合、磁心継部の突出部の長さAと前記磁心ブロックの磁路方向長さBとの比A/Bが、0.6以上3.3以下であることが好ましい。磁心継部に突出部を設けない場合(比A/B=0の場合)に比べて、13%以上もコイル交流抵抗を低下できる。さらに、比A/Bは0.8以上2.8以下であることが好ましい。この範囲とすることで、15%以上もコイル交流抵抗を低下できる。
前記リアクトル磁心は、軟磁性粉末と樹脂を含む圧粉体で形成されているものが好ましい。軟磁性粉末が各々絶縁されることで、鉄損の小さいリアクトル磁心とすることができる。リアクトル磁心用の材料として、珪素鋼板、アモルファス軟磁性薄帯、ナノ結晶質軟磁性薄帯など既知の材料を積層したものが適用されているが、これらの積層体を用いた場合、透磁率μrが軟磁性粉末の圧粉体と異なるために、磁心継部の突出部の長さAと前記磁心ブロックの磁路方向長さBとの比A/Bは大きく異なる範囲となるためである。
前記磁性粉末は、例えば純鉄の粉、Fe−Si合金粉、Fe−Al合金粉、Fe−Si−Al合金粉、Fe−Ni合金粉、Fe−Co合金粉、アモルファス軟磁性粉、ナノ結晶質軟磁性粉などが挙げられ、これらは各々単独でまたは適宜、組合せた粉末でも良い。これら磁性粉末の圧粉体の透磁率μrは、最大でも200以下の範囲であるので、本発明で規定する寸法比でリアクトル磁心を構成することで、銅損の小さい高効率のリアクトルが得られる。透磁率μrは150以下、さらには100以下の磁性粉末が好ましい。
本発明で用いる樹脂としては、前記磁性粉の表面を被覆して粉末相互間を絶縁状態にして磁心全体の交流磁化に対する渦電流損が大きくならないように充分な電気抵抗を付与せしめると同時に、これら粉末を結着するバインダーとしても機能するものである。このような樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂など各種の樹脂が挙られ、これらは単独または適宜組合せて使用しても良い。
本発明で用いる圧粉体の磁心の成型方法としては、前記磁性粉末と前記樹脂の混合物をいったん液状化した後に注型して硬化させる注型法、金型中に射出成型することにより成型する射出成型法、金型中に磁性粉末と有機物又は無機物からなる結合材の混合物を充填し加圧して圧粉磁心を成型するプレス成型法などがある。
ギャップGは、磁気的に空隙部と同等の透磁率を持つ部分であり、エアギャップだけでなく、樹脂などの非磁性材による板状部材などでも良い。この板状部材により位置決めを容易に行うことができる。
磁心継部5と磁心脚部6の太さは、最終製品のリアクトルの寸法、および必要なリアクトル特性により適宜決めるものである。積層鋼板を用いたリアクトルでは、各部の積層方向を小さくして、鋼板の積層枚数を減らすなどの考慮が必要となる。本発明のような圧粉体を適用したものは、それらの懸念事項を考慮することなく自在に設計が可能である。リアクトル磁心高さをh、各部の磁路に直行する幅をdとすると、磁路に直行する断面積sはh×dとなる。特に磁心脚部5は周囲にコイルを巻く必要があるため、磁心脚部6の周長は短い方が好ましい。よって、同じ断面積sを得るにしても、高さhと幅dは近い値であるほど周長が短くなる。これにより、巻きまわすコイルが短くて済み、コスト削減になるとともに、軽量化にも繋がる。但し上記したように、これらの寸法比は要望される最終製品としての収納性に併せる必要がある。
次に本発明を実施例によって具体的に説明するが、これら実施例により本発明が限定されるものではない。
(実施例1)
本発明のリアクトル磁心として、まず図4に示す形状の環状リアクトル磁心を作成した。図4中、磁心継部5は、端部11、および突出部21、23からなるU字状磁心であり、他端に備えられた磁心継部5は、端部12、および突出部22、24からなるU字状磁心である。このときの端部11の形状を図5に別途示す。端部11と突出部21、23は固着させて、磁気的に一体の磁心継部5とした。端部12と突出部22、24も同様である。尚、端部11と突出部21,23は別々に構成した後固着される場合のほか、最初から一体のものとして構成してもよい。
また、磁心脚部6は各々磁心脚部5との間にギャップGを形成し、また、突出部21と同じ寸法形状にI型磁心ブロック31〜36を形成し、片方の磁心脚部6に3つずつ(31,32,33、及び、34,35,36)直列させた。また、磁心脚部6のI型磁心ブロック3は両端にギャップG1〜G4、G5〜G8が形成されるように配置した。また、ギャップG1〜G8は各I型磁心ブロック間、およびI型磁心ブロック3と突出部2間に設けているものであり、図示されていないが、板状セラミックをギャップ材として使用している。
このギャップG1〜G8の長さを全て足した総ギャップ長は、10.8mmとした。
磁心継部5と磁心脚部6の各I型磁心ブロック3は、Fe−6.5%Si系合金粉にカオリン1.5重量部、水ガラス1.5重量部を添加したものを用い、常温にて成形圧力1200MPaで圧縮成形し、その後窒素雰囲気中で成形体に温度1073Kの熱処理を施したものである。この圧粉体の透磁率μrは50であった。磁心継部11,12間の距離(突出部21,22、ギャップG1〜G4、I型磁心ブロック31〜33を足した長さ)は87.9mmとした。
磁心継部5の端部11,12は、突出部21〜24が固着される反対側の形状は、磁路にそって円弧を描くように外部が丸くなっている形状とした。この端部11,12と、突出部21〜24、および磁心脚部6のI型磁心ブロック31〜36の磁路に直行する断面積は全て同じになるようにした。端部11の寸法は、高さhを32mm、縦幅wを60mm、横幅dを20.5mmとし、端部の曲面rは半径20.5である。また、突出部21〜24の寸法は、長さAが16.5mm、高さが32mmである。突出部の長さAとI型磁心ブロックの磁路方向の平均長さBとの比A/Bは1.0である。(表1中番号1-4)
また、突出部21,22の長さAと、各I型磁心ブロックの長さBを変えた各リアクトル磁心を作成した。磁路長が一定になるように磁心継部11,12間の距離(突出部21,22、ギャップG1〜G4、I型磁心ブロック31〜33を足した長さ)を一定の87.9mmとした。ギャップ長(G1〜G8を足した長さ)も一定の10.8mm(片側5.4mm)とした。このリアクトル磁心の磁心脚部に同一線材の76回巻コイルを装着し、直流重畳電流60A時でインダクタンス約275μHとなるリアクトルを7例作製し、比A/Bによりコイル交流抵抗がどのように変わるか比較した。比較した各々のリアクトルでの、突出部の長さA、I型磁心ブロックの長さB、寸法比A/B、コイル交流抵抗の値を表1に示す。表1のコイル交流抵抗は、前記リアクトルの直列抵抗を、プレシジョンLCRメータ4284A(アジレント社製)の測定器を使用し、電圧レベル0.5V、周波数10kHzで測定したものである。76回巻コイルのみの交流抵抗は0.121オームであった。また、比A/Bとコイル交流抵抗の関係を図1に示す。
Figure 0005288227
表1の比A/Bとコイル交流抵抗の関係をグラフにしたものを図1に示す。図1からコイル交流抵抗は、比A/Bが1.2近傍で最小になることが解った。比A/Bが0.3〜4の範囲内でコイル交流抵抗は0.35オーム以下になる。比A/Bが0.6〜2.4の範囲内でコイル交流抵抗は0.3オーム以下になる。また、図1から、比A/Bが0.8から2.0の領域で、コイル交流抵抗は0.27オーム以下になることが解る。
前述した実施例の磁心継部は外側2角面がR20.5mmで円状となっているが、磁心継部が直方体形状であっても、比A/Bとコイル交流抵抗には同様の傾向が見られた。
(実施例2)
実施例1において、磁心脚部5の3つのI型磁心ブロックの寸法を各々変えることにより、比A/Bとコイル交流抵抗との関係がどのように変化するかを検討した。
実施例1と同様に、環状リアクトル磁心を作成した。磁心継部5は、図4と同様に、11の端部、および21,23の突出部からなるU字状磁心と、他端に備えられた12の端部、および22,24の突出部からなるU字状磁心である。
一方、磁心脚部6はI型磁心ブロックを形成し、片方の磁心脚部6に3つ直列させたものを用いたが、各々寸法が異なるように形成した。磁心脚部6のI型磁心ブロックは両端にギャップが形成されるように配置した。磁心継部11,12間の距離(突出部21,22、ギャップG1〜G4、I型磁心ブロック31〜33を総和した長さ)は、実施例1と同じく87.9mmとした。ギャップ長(G1〜G8を総和した長さ)も一定の10.8mm(片側5.4mm)とした。
その他の寸法、磁心継部5と磁心脚部6の材質、製造方法などは実施例1と同じである。
図6にリアクトル磁心の、突出部21,22とI型磁心ブロック31〜36の配置を模式的に示す。突出部とI型磁心ブロックの間、およびI型磁心ブロック同士の間はギャップである。
図6(2−1)に示すものは、I型磁心ブロック31,32,33の長さの比を1.5:1.0:1.5にしたものである。図6(2−2)に示すものは、I型磁心ブロック31,32,33の長さの比を1.0:1.5:1.0にしたものである。図6(2−3)に示すものは、I型磁心ブロック31,32,33の長さの比を1.0:1.2:1.44にしたものである。
各I型磁心ブロック31,32,33の寸法比と、比A/Bとコイル交流抵抗の値を表2に示す。なお、I型磁心ブロックの長さBは各I型磁心ブロック31,32,33の平均長さであり、総I型磁心ブロック長をブロック数で割ったものである。
表中、番号2−1は、3つのI型磁心ブロックのうち、両側のブロックを中央のブロックより1.5倍の大きさにした図6(2−1)に示すもの、番号2−2は、3つのI型磁心ブロックのうち、中央のブロックを両側のブロックより1.5倍の大きさにした図6(2−2)に示すもの、番号2−3は、3つのI型磁心ブロックを片側から順に、1.2倍づつ大きくした図6(2−3)に示すものである。
その他は実施例1と同様にして、このリアクトル磁心の磁心脚部に同一線材の76回巻コイルを装着し、直流重畳電流60A時でインダクタンス約275マイクロHとなるリアクトルを作製し、比A/Bによりコイル交流抵抗がどのように変わるかを比較した。
表2の結果を実施例1の図1と重ねてグラフにしたものを、図2として示す。
Figure 0005288227
図2から解るように、各I型磁心ブロックの寸法を変えても、比A/Bとコイル交流抵抗との関係には影響が無い。このことから、コイル交流抵抗を減らすには、磁心脚部の各I型磁心ブロックを適宜変えても効果はさほど得られず、比A/Bをコントロールすることが重要であることがわかる。各I型磁心ブロックをなるべく同じ長さにした方が、成形上好ましい。全てのI型磁心ブロックの長さの誤差を2割、さらには1割の範囲で抑えることが好ましい。また、リアクトル磁心全体が点対称の形状に近づくため、騒音を低減させる効果も有る。
(実施例3)
磁心脚部6のI型磁心ブロックの個数により、比A/Bとコイル交流抵抗との関係にどのような影響が有るかを調べた。
使用した環状リアクトル磁心の模式図を図7に示す。磁心継部5は、実施例1と同様に、11の端部、および21、23の突出部からなるU字状磁心と、他端に備えられた12の端部、および22,24の突出部からなるU字状磁心である。
一方、磁心脚部6はI型磁心ブロックを、片方の磁心脚部6に3つから5つ直列させて配置したもの(図7(a)〜(c))を用いた。各I型磁心ブロックの長さを均等の長さにし、また、I型磁心ブロックは両端にギャップが形成されるように配置した。磁心継部11,12間の距離(突出部21,22、各ギャップ(図番表示せず)、各磁心脚部内のI型磁心ブロック31〜40を足した長さ)は、実施例1と同じく87.9mmとした。各ギャップ長も一定の10.8mm(片側5.4mm)とした。
その他の寸法、磁心継部5と磁心脚部6の材質、製造方法などは実施例1と同じである。
実施例1と同様にして、このリアクトル磁心の磁心脚部に同一線材の76回巻コイルを装着し、直流重畳電流60A時でインダクタンス約275マイクロHとなるリアクトルを作製し、比A/Bによりコイル交流抵抗がどのように変わるかを比較した。
比A/Bとコイル交流抵抗の値を表3に示す。また、それのグラフを図3に示す。
Figure 0005288227
図3に示すように、I型磁心ブロックの数が増えるとコイル交流抵抗は小さくなることが解る。また、I型磁心ブロックの数が増えるに従い、コイル交流抵抗が小さくなる比A/Bの値が大きくなる傾向が見て取れる。
I型磁心ブロックの数が3つである場合、前記磁心継部の突出部の長さAと前記I型磁心ブロックの磁路方向長さBとの比A/Bの範囲が、0.3以上4.0以下であれば、磁心継部に突出部を設けない場合(比A/B=0の場合)に比べて、15%以上もコイル交流抵抗を低下できる。さらに、比A/Bの範囲が0.6以上2.4以下であれば、磁心継部に突出部を設けない場合(比A/B=0の場合)に比べて、25%以上もコイル交流抵抗を低下できる。さらに、比A/Bは0.8以上2.0以下であれば、30%以上もコイル交流抵抗を低下できる。
また、I型磁心ブロックの数が4つである場合、前記磁心継部の突出部の長さAと前記I型磁心ブロックの磁路方向長さBとの比A/Bの範囲が、0.3以上4.0以下であれば、磁心継部に突出部を設けない場合(比A/B=0の場合)に比べて、10%以上もコイル交流抵抗を低下できる。さらに、比A/Bの範囲が0.5以上3.5以下であれば、15%以上もコイル交流抵抗を低下できる。さらに、比A/Bの範囲が0.8以上2.2以下であれば、20%以上もコイル交流抵抗を低下できる。
また、I型磁心ブロックの数が5つである場合、前記磁心継部の突出部の長さAと前記I型磁心ブロックの磁路方向長さBとの比A/Bの範囲が、0.3以上4.0以下であれば、磁心継部に突出部を設けない場合(比A/B=0の場合)に比べて、7%以上もコイル交流抵抗を低下できる。さらに、比A/Bの範囲が、0.6以上3.3以下であれば、13%以上もコイル交流抵抗を低下できる。さらに、比A/Bは0.8以上2.8以下であれば、15%以上もコイル交流抵抗を低下できる。
I型磁心ブロックの数が6つ以上である場合、ほぼI型磁心ブロックの数が5つである場合と同様の範囲に比A/Bを設定すればよい。但し、I型磁心ブロックの数を多くすることは、加工費の増大を招くため、実質的にはI型磁心ブロックの数は5つ以内とすることが好ましい。
(実施例4)
実施例1〜3と同様の検討を、磁場解析ソフトを用いて検証したところ、コイル交流抵抗の値に差は発生するが、コイル交流抵抗と比A/Bとの大小関係については相関が取れていることが確認できた。
また、他の軟磁性粉末(純鉄の粉、Fe−Al合金粉、Fe−Si−Al合金粉、Fe−Ni合金粉、Fe−Co合金粉、アモルファス軟磁性粉、ナノ結晶質軟磁性粉)を用いたと仮定し、磁場解析ソフトにてコイル交流抵抗と比A/Bとの関係を解析したところ、コイル交流抵抗の値に多少の差は出るが、比A/Bとコイル交流抵抗の大小関係については同様の結果が得られた。環状リアクトル磁心に圧粉体を用いる場合には、上記の合金粉末のいずれを用いても、比A/Bについては本発明の範囲内とすることが望ましい。
本発明に係るリアクトルのコイル交流抵抗と比A/Bの関係を示す特性図である。 リアクトル内の各I型磁心ブロックの寸法を変えたときのコイル交流抵抗と比A/Bの関係を示す特性図である。 I型磁心ブロックの数を変えたときのコイル交流抵抗と比A/Bの関係を示す特性図である。 本発明に係るリアクトルの磁心全体を示す図である。 本発明に係るリアクトルの磁心継部を示す図である。 リアクトルの磁心の寸法関係を示す模式図である。 磁心ブロック数が異なる各リアクトル磁心の模式図である。 磁心継部の突出部を説明するための模式図である。
符号の説明
11,12:端部、21〜24:突出部、31〜40:I型磁心ブロック、G:ギャップ、5:磁心継部、6:磁心脚部、7、谷部

Claims (5)

  1. 2つの対向する磁心継部5と、前記磁心継部5の間に配置された複数の磁心脚部6からなる環状のリアクトル磁心であって、
    前記磁心継部5は前記磁心脚部6に向けた突出部を有し、
    前記磁心脚部6は前記磁心継部5との間にギャップが形成され、かつn個(nは3、4、5のいずれかであり)の磁心ブロックから構成され、
    前記磁心継部5の突出部の長さAと前記磁心ブロック3の磁路方向の平均長さBとの比A/Bが、0.8から2.0の領域で、前記領域でコイル交流抵抗が最小となることを特徴とするリアクトル磁心。
  2. 前記磁心継部5及び磁心脚部6が、磁性粉末と樹脂を含む圧粉体からなることを特徴とする請求項1に記載のリアクトル磁心。
  3. 前記圧粉体の透磁率が200以下であることを特徴とする請求項2に記載のリアクトル磁心。
  4. 請求項1乃至請求項3に記載のリアクトル磁心を用いたリアクトルであって、前記磁心脚部の周囲にコイルが巻回されたことを特徴とするリアクトル。
  5. ハイブリッド自動車用である請求項4に記載のリアクトル
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