JP2013197570A - 複合磁心、リアクトルおよび電源装置 - Google Patents

複合磁心、リアクトルおよび電源装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 大電流用のリアクトルの損失低減に好適な磁心およびリアクトルの構成を提供する。
【解決手段】 平行に対置された一組の圧粉磁心部と、前記圧粉磁心部を介して対置された、軟磁性合金薄帯で構成された一組の薄帯磁心部とを備えた環状の複合磁心であって、前記薄帯磁心部は、コーナー部と、該コーナー部の両端に前記コーナー部と一体の直線部とを備え、前記圧粉磁心部とそれに向かい合う前記薄帯磁心部の直線部との間にギャップが設けられていることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、昇圧装置等の電源装置に用いられるリアクトルとその複合磁心に関するものである。かかる電源装置は、例えば、ハイブリッド車や電気自動車等の大出力の電気モータを駆動するために用いられる。
近年、急速に普及しはじめたハイブリッド車や電気自動車では、大出力の電気モータを備えており、これを駆動する電源回路には高電圧大電流に耐えるリアクトルが用いられている。リアクトルにおいては、高い飽和磁束密度Bsを有する磁心材料を用いるとともに、磁心材料間にギャップを設けることで実効透磁率を下げて、大電流でも磁気飽和しにくい構成が用いられている。例えば、ハイブリッド車等の用途では、実効透磁率μreはおおよそ10から50程度が実用的な範囲である。
電源装置用リアクトルの磁心材料として、一般に20kHz以下の領域では、主に珪素鋼板、非晶質軟磁性薄帯、微結晶質軟磁性薄帯が、20kHzを超える領域では、Mn−Zn系やNi−Zn系などのフェライトが広く用いられている。前者は、飽和磁束密度Bsと透磁率μが高いという長所を持ち、後者のフェライトは、高周波磁心損失が小さく、形状自由度が高く、量産性に優れるという長所を持つ。また、5kHzから100kHzまでの領域においては、圧粉磁心も用いられている。圧粉磁心は、磁性粉末の表面を絶縁処理したのち成形して得られたもので、絶縁処理により電気抵抗が高められ、渦電流損失が抑制されている。
上述のように、大電流用のリアクトルには、高い飽和磁束密度Bsを有する磁心材料を用いるとともに、磁心材料間にギャップを設ける。しかし、この場合、磁束がギャップの外側に漏れ出るフリンジング磁束が生じる。ここで、高い飽和磁束密度Bsを有する磁心材料として上述の非晶質軟磁性薄帯等を用いると、ギャップ近傍の磁心側面にはフリンジング磁束による渦電流が生じ、磁心損失が増大してしまう。これに対して特許文献1では、図7に示すように非晶質軟磁性薄帯等の高透磁率磁心部71、72の間に、電気抵抗の大きい圧粉磁心部73〜78を配置し、ギャップ79〜82をかかる圧粉磁心部間に設けることで、フリンジング磁束によって生じる損失の低減を図っている。
特開2007−12647号公報
特許文献1に記載の構成によれば、ギャップを圧粉磁心部間に配置することで、非晶質軟磁性薄帯の磁心部間に配置する場合に比べて、損失の低減が可能である。しかしながら、ハイブリッド車のような用途のリアクトルには、特に低損失化の要求が強く、よりいっそうの損失低減が必要とされていた。
そこで、上記課題に鑑み、本発明は、大電流用のリアクトルの損失低減に好適な磁心およびリアクトルの構成を提供することを目的とした。
本発明の複合磁心は、平行に対置された一組の圧粉磁心部と、前記圧粉磁心部を介して対置された、軟磁性合金薄帯で構成された一組の薄帯磁心部とを備えた環状の複合磁心であって、前記薄帯磁心部は、コーナー部と、該コーナー部の両端に前記コーナー部と一体の直線部とを備え、前記圧粉磁心部とそれに向かい合う前記薄帯磁心部の直線部との間にギャップが設けられていることを特徴とする。かかる構成によれば薄帯磁心部と圧粉磁心部との界面におけるフリンジング磁束による損失を低減することができる。また、薄帯磁心部に直線部が設けられているため、かかる前記薄帯磁心部の直線部と圧粉磁心部とに渡ってコイルを配置することができる。そのため、磁束の漏洩抑制に好適なリアクトルを構成することができる。
また、前記複合磁心において、前記圧粉磁心部は、ギャップを介して配置された複数の圧粉磁心ブロックを有することが好ましい。フリンジング磁束による損失を抑えられる圧粉磁心部においてギャップ数を増やすことによって、損失を抑えつつ、ギャップ量を確保することができる。
本発明のリアクトルは、上記いずれかの複合コアと、前記圧粉磁心部と該圧粉磁心部の両端側の前記薄帯磁心部の直線部とで構成された磁脚部を周回するコイルとを備え、前記圧粉磁心部と該圧粉磁心部の両端側の前記薄帯磁心部の直線部との間のギャップが前記コイルの内側に配置されていることを特徴とする。かかる構成によれば、薄帯磁心部と圧粉磁心部との界面がコイルに覆われているため、磁束の漏洩を低減することができる。
また、前記リアクトルにおいて、前記コイルの巻回軸方向の長さが、前記圧粉磁心部の長さ、前記圧粉磁心部の両側の二つのギャップの長さおよび前記圧粉磁心部の両側の前記薄帯磁心部の直線部のうちの一方の直線部の長さの合計よりも大きいことが好ましい。かかる構成によればコイルの位置ずれが生じても、ギャップがコイルの外側に位置することを防ぐことができる。
また、前記リアクトルにおいて、前記圧粉磁心部と該圧粉磁心部の両端側の前記薄帯磁心部の直線部との間のギャップの位置が、前記コイルの端部から3mm以上内側であることが好ましい。かかる構成によれば、磁束の漏洩をより確実に抑制することができる。
本発明の電源装置は、上記いずれかのリアクトルを用いたことを特徴とする。上記リアクトルは、損失低減に寄与するため、かかるリアクトルを用いることで電源装置の効率向上に寄与する。
本発明によれば、大電流用のリアクトルの損失低減に好適な磁心およびリアクトルの構成、さらにはそれを用いた電源装置を提供することができる。
本発明に係る複合磁心の実施形態を示す図である。 本発明に係る複合磁心の他の実施形態を示す図である。 本発明に係る複合磁心の他の実施形態を示す図である。 本発明に係る複合磁心の他の実施形態を示す図である。 本発明に係るリアクトルの実施形態を示す図である。 本発明に係るリアクトルを用いた電源装置であるブースト型DC−DCコンバータの回路図である。 従来のリアクトルを示す図である。
以下、本発明に係る複合磁心およびリアクトルの実施形態を、図を用いて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、各実施形態において説明する構成は、他の実施形態の趣旨を損なわない限りにおいて他の実施形態においても適用することが可能であり、その場合、重複する説明は適宜省略する。
(複合磁心の第1の実施形態)
図1(a)は本発明の複合磁心の実施形態を示す斜視図、(b)はその平面図である。図1に示す複合磁心11は、平行に対置された一組の圧粉磁心部1、2と、圧粉磁心部1、2を介して対置された、一組の薄帯磁心部3、4とを備えた環状の複合磁心である。複合磁心11は、略矩形をなしている。略矩形とは、四隅のアール部分を除き全体として矩形と認められるという趣旨であり、矩形には正方形も含む。圧粉磁心部1、2は直方体であり、磁性粉末と絶縁材、結合材等を混合、成形して構成されるI字状の磁心である。薄帯磁心部3、4は、軟磁性合金薄帯で構成したものである。具体的には、軟磁性合金薄帯の巻回体を分割して得られる。その積層方向は、環状の複合磁心の径方向である。薄帯磁心部3、4は、それぞれコーナー部3a、4aと、該コーナー部3a、4aの両端にコーナー部3a、4aと一体の直線部3b、4bとを備える、U字状の磁心である。かかるU字状の磁心は、例えば軟磁性合金薄帯を略矩形に巻回し、得られた巻回体をその直線部分で分割することによって得られる、いわゆるカットコアである。
一対の直線部3bは、コーナー部3aから互いに平行に突出し、同じ長さを有し、その端面は同一平面上に位置している。圧粉磁心部1、2とそれに向かい合う直線部3b、4bとの間には、ギャップGcdが設けられている。なお、ここでいう、向い合うとは、間に他の部材を介する場合も含む趣旨である。上述のような軟磁性合金薄帯を用いて構成された薄帯磁心部に比べて、圧粉磁心部の透磁率が低い。そのため、図7に示すようにギャップを介さずに、これらを接触させた場合でも、薄帯磁心部の透磁率と圧粉磁心部の透磁率の差が大きい場合には、磁束が磁心から漏れてしまう。ギャップを形成していない場合、漏れた磁束は、必然的に、薄帯磁心部を構成する軟磁性金属薄帯の平面に垂直な成分を持って軟磁性金属薄帯を通ることになり、渦電流を発生させ、損失が生じる。さらに、薄帯磁心部が直線部を備えていないため、圧粉磁心部と薄帯磁心部との間のギャップを覆うようにコイルを配置することができないため、圧粉磁心部と薄帯磁心部の界面から漏洩した磁束がコイル外に漏れることを抑制することが困難である。これに対して、図1に示す実施形態のように、圧粉磁心部1、2とそれに向かい合う薄帯磁心部の直線部3b、4bとの間にギャップGcdを設けることによって、フリンジング磁束の、軟磁性金属薄帯の平面に垂直な成分の割合を低下させることができる。さらに、圧粉磁心部1、2と該圧粉磁心部の両端側の薄帯磁心部の直線部3b、4bとで構成された磁脚部を周回するコイルを配置する場合、ギャップGcdをコイルで覆うことも可能となる。
ギャップGcdは、圧粉磁心部1、2の両側で異なるものとすることもできるが、図に示す実施形態では、一ヶ所のギャップでのフリンジング磁束が大きくなりすぎないようにするため、圧粉磁心部1、2の両側でギャップGcdは同じになるようにしてある。ギャップGcdは、エアギャップでもよいし、樹脂プレート、接着剤、セラミックスなどの非磁性体を配置してもよい。ギャップ寸法精度や強度の観点からはセラミックスを用いることがより好ましい。また、図1に示す実施形態では、組み立てのし易さ等から、直線部3b、4bの断面の形状・寸法と圧粉磁心部1、2の断面の形状・寸法とは同じにしてあるが、これらを異なるものとしてもよい。
図1に示す実施形態は、平行に対置された一組の圧粉磁心部1、2と、圧粉磁心部1、2を介して対置された、一組の薄帯磁心部3、4とを備えた環状の複合磁心の例であるが、平行に対置される圧粉磁心部の数と、薄帯磁心部の数を増やして、構成してもよい。例えば、図1に示す複合磁心を二つ並置するとともに、これらの周囲にさらに別の環状複合磁心を配置して三相の複合磁心を構成することもできる。また、図1に示す実施形態では、薄帯磁心部はU字状のカットコアであるが、直線部さえ備えれば、薄帯磁心部の構成はこれに限定するものではない。例えば、コーナー部の内側の形状が曲面を備えていてもよいし、コーナー部の角のアールの大きさなども種々のものを適用することができる。
(複合磁心の第2、第3の実施形態)
圧粉磁心部の構成が図1に示す実施形態と異なる他の実施形態(第2の実施形態)を図2に示す。圧粉磁心部以外の部分は図1に示す実施形態と同じであるので説明を省略する。図2に示す複合磁心21では、圧粉磁心部1、2が、それぞれギャップGddを介して配置された複数の圧粉磁心ブロック1a/1b、2a/2bを有する。必要な総ギャップ量を確保する場合、圧粉磁心部1、2にギャップを設けることで、圧粉磁心部1、2と、薄帯磁心部3、4の直線部との間のギャップを小さくすることができるため、かかる部分でのフリンジング磁束による損失を低減することができる。また、圧粉磁心部では、磁性粉末表面が絶縁処理されているため、電気抵抗が大きく、渦電流損失が小さい。したがって、ギャップを圧粉磁心部に設けることで磁心損失の増加を抑えることができるため、かかる構成は、実効透磁率μeを低くするためにギャップを設ける、20A以上の電源回路に用いる大電流リアクトル用として好適である。図2に示す実施形態では、圧粉磁心ブロック1aおよび1b(2aおよび2b)はそれぞれ同じ形状・寸法にしてあるが、磁路方向の長さを異なるものとすることも可能である。また、図2に示す実施形態では、各圧粉磁心部をそれぞれ2個の圧粉磁心ブロックで構成しているが、その数はこれに限定するものではない。例えば、図3に示す複合磁心31(第3の実施形態)のように、圧粉磁心部1、2をそれぞれ3個の圧粉磁心ブロック1a/1b/1c、2a/2b/2cで構成してもよいし、それ以上の数の圧粉磁心ブロックで圧粉磁心部を構成してもよい。必要な総ギャップ量を確保する場合、圧粉磁心部のギャップ数を増やすことによって、個々のギャップにおける漏洩磁束を少なくして損失低減を図ることができる。また、各圧粉磁心部に形成された複数のギャップGddの大きさを互いに異なるものにすることも可能であるが、図3に示す実施形態では一ヶ所あたりの漏洩磁束が少なくなるように、複数のギャップGddの大きさを同じにしてある。ギャップを形成することの実効性の観点からは、ギャップも含めた磁心全体の磁路長に対する総ギャップ量の比率は、1〜8%にするとよい。また、各ギャップの大きさは、2.5mm以下にするとよい。
(リアクトルの第1の実施形態)
図5は本発明のリアクトルの実施形態を示す、複合磁心の厚さ方向の中間の位置における断面図である。図5に示すリアクトル51は、複合磁心31と、圧粉磁心部1、2と圧粉磁心部1、2の両端側の薄帯磁心部の直線部3b、4bとで構成された直線状の磁脚部を周回するコイル5、6とを備える。図5に示すリアクトル51では、複合磁心として図3に示す実施形態のものを用いているが、他の実施形態のものを用いてもよい。圧粉磁心部1、2と該圧粉磁心部1、2の両端側の薄帯磁心部の直線部3b、4bとの間のギャップGcdがコイル5、6の内側になるように配置されている。コイル5、6は、その巻回軸方向の長さが、圧粉磁心部1,2とその両端のギャップGcdとの和よりも長いものを用いる。薄帯磁心部3、4が直線部3b、4bを備えているため、かかるコイルを用いてギャップGcdをコイルで覆うことが可能になっている。なお、コイル5、6の長さはボビンを用いる場合であっても、巻線部分での長さを指すこととする。圧粉磁心部1、2と該圧粉磁心部1、2の両端側の薄帯磁心部の直線部3b、4bとの間のギャップGcdがコイル5、6の内側になるように配置されていることで、コイル外側への磁束の漏洩を低減することができる。
コイル5、6の巻回軸方向の長さを、圧粉磁心部3、4の長さ、圧粉磁心部3、4の両側の二つのギャップGcdの長さおよび圧粉磁心部3、4の両側の薄帯磁心部の直線部のうちの一方の直線部3b(または4b)の長さの合計よりも大きくしておくことで、コイルの位置ずれが生じても、ギャップGcdがコイルの外側に位置することを防ぐことができる。また、圧粉磁心部と該圧粉磁心部の両端側の前記薄帯磁心部の直線部との間のギャップGcdの位置がコイルの内側にあることで磁束漏洩の低減効果は得られるが、かかる効果をより確実にするには、コイルの端部から3mm以上内側であることがより好ましい。ギャップGcdの位置とは、図5に示すようにコイル5、6の端部からギャップの端部、すなわち薄帯磁心部3、4の直線部3b、4bの末端までの距離dで表す。各磁脚において、両側のギャップGcdとコイルの端部との距離dが均等になるように、スペーサを用いるなどして、コイルを配置することがより好ましい。
コイルに使用する導体は、断面形状が長方形の平角線、円形の丸線など種々の形態のものを用いることができる。丸線は、柔軟性に優れ、巻回が容易である。一方、平角線を用いたエッジワイズコイルでは、丸線に比べて線間に不要な空隙が生じないため、占積率が高いコイルが得られ、リアクトルの小型化に寄与する。また、同一断面積において、丸線を使用する場合に線径を大きくしたのと同様の効果が得られ、発熱量を低く抑えることができる。例えば、厚さは1〜2mm、幅は4〜8mm程度の平角線を用いればよい。
複合コアにおける薄帯磁心部と圧粉磁心部の比率は要求される直流重畳特性や損失値に応じて決定される。より平坦な直流重畳特性が要求される場合は薄帯磁心部の比率を上げ、逓減する直流重畳特性の場合は圧粉磁心部の比率を上げて対応する。また、軟磁性合金薄帯を用いて構成した薄帯磁心部の比率を上げると高周波損失が低減される。一方、薄帯磁心部の比率が大きくなるとコストが増加する。圧粉磁心部の磁路長と薄帯磁心部の磁路長全体に対する薄帯磁心部磁路長の比率は、例えば50〜70%程度にするとよい。より好ましくは55〜60%である。軟磁性合金薄帯を用いた薄帯磁心部の直線部を短くすることで、圧粉磁心部の比率を高められる。直線部が短いカットコアを得る場合でも、コスト上昇を抑えるためには、一回の切断で直線部の短いカットコアを得ることが好ましい。各直線部の長さはコイルの配置を考慮すると5mm以上とすることが好ましい。一方、上記コストの観点からは各直線部は好ましくは20mm以下であり、より好ましくは15mm以下である。例えば、薄帯磁心部の外形寸法として、薄帯磁心部のU字状をなす面を見たときの、直線部の延びる方向の外寸を、それに垂直な方向の外寸の80%以下にするとよい。直線部の延びる方向の外寸を特に小さくする場合には、軟磁性合金薄帯の矩形の巻回体の短辺の部分で分割するとよい。長辺の部分で分割しようとすると、複数回の切断等が必要になり、工数が増えてしまう。
薄帯磁心部に用いる軟磁性合金薄帯としては、例えば、Fe−Si−B系、Fe−Si−B−C系等の非晶質軟磁性合金薄帯を用いることができる。商用に供されているものとしては、例えば米国Metglas社製の鉄系非晶質軟磁性材2605SA1などである。また、軟磁性合金薄帯として、例えばFe−Si−B−Cu系、Fe−Si−B−Cu−Nb系等の組成を有し、1000Å以下の微結晶が晶出したナノ結晶軟磁性合金薄帯を用いることができる。例えば、日立金属製のファインメット(登録商標)を用いることができる。薄帯磁心部の作製には、従来からのカットコアの製造方法を適用すればよい。その例を以下に示す。まず矩形状等の巻芯に、軟磁性合金薄帯を所定の形状まで巻回した後、熱処理を行う。熱処理後の磁心は熱硬化樹脂を用いた樹脂含浸に供され、樹脂硬化後、切断されU型等の形状のカットコアを得る。切断後の磁心の切断面は機械的研磨、化学的研磨等を行う。
一方、圧粉磁心部用の磁性粉末としては、例えば純鉄の粉、Fe−6.5%Siで代表されるSiを6〜7%含むFe−Si合金粉、Fe−Al合金粉、Fe−Si−Al合金粉、Fe−Ni合金粉、Fe−Co合金粉、非晶質軟磁性合金粉、微結晶質軟磁性合金粉などが挙げられ。これらは各々単独で用いてもよいし、適宜、組合せて用いても良い。特にSiを6〜7%含むFe−Si合金粉は、磁歪、磁心損失、飽和磁束密度Bsの各特性に優れており、圧粉磁心部に好適な磁性粉末である。圧粉磁心部は通常の製造プロセスによって作製することができる。例えば、絶縁性を付与するとともに、粉末を結着するバインダーとしても機能する樹脂は、例えばエポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂などを用いればよい。圧粉磁心部の成型方法としては、磁性粉末と樹脂の混合物をいったん液状化した後に注型して硬化させる注型法、金型中に射出成型することにより成型する射出成型法、金型中に磁性粉末と有機物又は無機物からなる結合材の混合物を充填し加圧して圧粉磁心 を成型するプレス成型法などがある。
通常、圧粉磁心部と薄帯磁心部の対向する端面形状(断面形状)は同じに設定されるので、圧粉磁心部の飽和磁束密度と薄帯磁心部の飽和磁束密度の差が小さいことが好ましい。例えば、圧粉磁心部の飽和磁束密度と薄帯磁心部の飽和磁束密度の平均値に対する圧粉磁心部の飽和磁束密度及び薄帯磁心部の飽和磁束密度の偏差が20%以内にすることが好ましく、10%以内がより好ましい。
次に、本発明のリアクトル用いて構成する電源装置としてDC−DCコンバータの例を示す。図6は、駆動周波数10kHzのブースト型DC−DCコンバータの回路構成を示している。図中のインダクタL1に上述のリアクトルを用いる。なお、本発明のリアクトルを適用する電源装置は、図6に示すようなDC−DCコンバータに限らず、インバータ等、車両用、太陽光発電用等の各種の大電流電源装置に適用することができる。
図3に示す構成の複合磁心を作製した(No1)。圧粉磁心ブロックにはFe−6.5%Si系合金粉を用いた直方体の圧粉磁心を用い、薄帯磁心部は鉄系非晶質軟磁性合金薄帯(米国Metglas社製2605SA1材)の巻回体を熱処理、切断したU字型のカットコアを用いた。圧粉磁心の飽和磁束密度は1.38T、カットコアの飽和磁束密度は1.28Tであった。各圧粉磁心部にはそれぞれ2か所のギャップを配し、薄帯磁心部の直線部と圧粉磁心部との4ヶ所の界面と合わせて、合計8ヶ所のギャップを設けて複合磁心を構成した。すなわち、圧粉磁心ブロックの数は合計6個である。ギャップは樹脂製のスペーサを挟み込むことで形成し、圧粉磁心ブロック間、圧粉磁心部と薄帯磁心部との間にスペーサを配置した。薄帯磁心部の、直線部に垂直な方向の長さは60mm、直線部の長さは18mm、高さは32mm、各圧粉磁心ブロックの断面は32mm×20.5mmであり、長さは14.7mmである。圧粉磁心ブロック合計(ギャップは含まず)の磁路長は88.2mm、薄帯磁心部の磁路長は174.4mm、各ギャップの大きさは2.2mmで、ギャップの合計は17.6mmである。なお、薄帯磁心部のうち湾曲部分の磁路長については、径方向の中央における円弧で算出した。
また、比較のために、薄帯磁心部の直線部と圧粉磁心部との間にギャップを設けずに、そのかわりに各圧粉磁心部のギャップを4ヶ所に増やし、合計8ヶ所のギャップを有する複合磁心を作製した(No2)。すなわち、圧粉磁心ブロックの数は合計10個である。薄帯磁心部の構成はNo1と同じである。各圧粉磁心ブロックの長さは8.8mm、各ギャップの大きさは2.2mmで、ギャップの合計は17.6mmである。
さらに、比較のために、薄帯磁心部の直線部と圧粉磁心部との間にギャップを設けずに、そのかわりに薄帯磁心部の直線部にギャップを配し、合計8ヶ所のギャップを有する複合磁心を作製した(No3)。圧粉磁心部の構成はNo1と同じである。直線部のギャップは直線部の端面から8.8mmの位置に設けた。各ギャップの大きさは2.2mmで、ギャップの合計は17.6mmである。
さらに、No1の複合磁心に対して、圧粉磁心部のギャップの数を増やした複合磁心を作製した。各圧粉磁心部にはそれぞれ4か所のギャップを配し、薄帯磁心部の直線部と圧粉磁心部との4ヶ所の界面と合わせて、合計12ヶ所のギャップを設けて複合磁心を構成した(No4)。すなわち、圧粉磁心ブロックの数は合計10個である。初期インダクタンス値がNo1の複合磁心と同じになるようにして、薄帯磁心部の直線部と圧粉磁心部との間、および圧粉磁心部内にギャップを形成した。圧粉磁心部の各ブロックの長さは8.8mm、各ギャップの大きさは1.3mm、ギャップの合計は15.6mmである。同様にして、各圧粉磁心部にそれぞれ6か所のギャップを配し、薄帯磁心部の直線部と圧粉磁心部との4ヶ所の界面と合わせて、合計16ヶ所のギャップを設けて複合磁心を構成した(No5)。すなわち、圧粉磁心ブロックの数は合計14個である。初期インダクタンス値がNo1の複合磁心と同じになるようにして、薄帯磁心部の直線部と圧粉磁心部との間、および圧粉磁心部内にギャップを形成した。圧粉磁心部の各ブロックの長さは6.3mm、各ギャップの大きさは0.95mm、ギャップの合計は15.2mmである。
No1〜5の複合磁心に対して、圧粉磁心部および直線部からなら磁脚に、各磁脚での長さ75mm、合計76ターンのコイルを配置してリアクトルを構成した。コイルは、厚さ1.6mm、幅6.0mmの平角線を用いて構成した。コイルの端部は脚部の末端(直線部とコーナー部との境目を表す、U字状コアの内側の角)から7mmの位置にあり、圧粉磁心部と該圧粉磁心部の両端側の直線部との間のギャップの位置はコイルの端部から11mmである。得られたリアクトルについて、図6に示すコンバータ回路を構成し、回生型リアクトル評価装置を用いて、周波数 10kHz、入力電圧200V、出力電圧500V、リアクトル電流直流分(Idc)0A、20Aの条件で駆動させ、そのときのリアクトル損失を横河電機製プレシジョンパワーアナライザ(WT3000)で測定した。評価結果を表1に示す。
Figure 2013197570
図3に示す構成を有するNo1の複合磁心を用いて作製したリアクトルは、薄帯磁心部の直線部と圧粉磁心間にギャップを設けていないNo2やNo3の複合磁心を用いて作製したリアクトルに比べてリアクトルとしての損失が大幅に改善されていることがわかる。また、No1の複合磁心から圧粉磁心部のギャップ数をさらに増やしたNo4、5の複合磁心を用いたリアクトルは、リアクトル損失がさらに小さいことがわかる。すなわち、各圧粉磁心部を、ギャップを介して配置された3個以上の圧粉磁心ブロックで構成したNo1、4、5の複合磁心を用いたリアクトルは特に損失が小さいことがわかる。なお、ギャップの数を多くし、圧粉磁心ブロックの数を増やすことで損失が改善していくが、製造工程における工数が増える。圧粉磁心ブロックの数が各圧粉磁心部当たり7個を超えると損失改善の効果が鈍るので、圧粉磁心ブロックの数は各圧粉磁心当たり5個以内にすることがより好ましいと言える。
1、2:圧粉磁心部
3、4:薄帯磁心部
5、6:コイル
71、72:高透磁率磁心部
73〜78:圧粉磁心部
79〜82:ギャップ

Claims (6)

  1. 平行に対置された一組の圧粉磁心部と、
    前記圧粉磁心部を介して対置された、軟磁性合金薄帯で構成された一組の薄帯磁心部とを備えた環状の複合磁心であって、
    前記薄帯磁心部は、コーナー部と、該コーナー部の両端に前記コーナー部と一体の直線部とを備え、
    前記圧粉磁心部とそれに向かい合う前記薄帯磁心部の直線部との間にギャップが設けられていることを特徴とする複合磁心。
  2. 前記圧粉磁心部は、ギャップを介して配置された複数の圧粉磁心ブロックを有することを特徴とする請求項1に記載の複合磁心。
  3. 請求項1または2に記載の複合磁心と、前記圧粉磁心部と該圧粉磁心部の両端側の前記薄帯磁心部の直線部とで構成された磁脚部を周回するコイルとを備え、
    前記圧粉磁心部と該圧粉磁心部の両端側の前記薄帯磁心部の直線部との間のギャップが前記コイルの内側に配置されていることを特徴とするリアクトル。
  4. 前記コイルの巻回軸方向の長さが、前記圧粉磁心部の長さ、前記圧粉磁心部の両側の二つのギャップの長さおよび前記圧粉磁心部の両側の前記薄帯磁心部の直線部のうちの一方の直線部の長さの合計よりも大きいことを特徴とする請求項3に記載のリアクトル。
  5. 前記圧粉磁心部と該圧粉磁心部の両端側の前記薄帯磁心部の直線部との間のギャップの位置が、前記コイルの端部から3mm以上内側であることを特徴とする請求項3または4に記載のリアクトル。
  6. 請求項3〜5のいずれか一項に記載のリアクトルを用いたことを特徴とする電源装置。
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