JP6668113B2 - インダクタ - Google Patents

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Description

本発明は、各種小型電子機器用の部品等に好適なインダクタに関する。
DC/DCコンバータ等の電子機器に用いられるインダクタについて、例えば特許文献1には、中足部とその左右両側の外足部とをそれらの両端において、第1および第2の連結部で連結してなるコアと、中足部、外足部および両連結部により囲まれた矩形の窓部に位置するコイルとを有する誘導電磁器が開示されている。
また、特許文献2には、E型とI型の2形状のコアを組み合わせてブロック化し、当該EI型コアの窓部にコイルを嵌め込んで組み立てられるリアクトルやトランスのような電磁誘導器が開示されている。
特開平9−45543号公報 特開2012−146786号公報
一般的なインダクタに用いられる磁心としては、C形、E形、工形などに成形したフェライト材や軟磁性金属板を組み合わせて閉磁路を形成し、飽和特性等の要求により磁路中に磁気ギャップを設ける構成が知られている。
しかしながら、近年の電子部品における小型化、薄型化の要求に応じてインダクタを製造する場合、従来構成の磁心では特性の低下や製造コストの上昇を伴うことがあった。特に、インダクタはコイルを必要とするため、磁心の割れや変形が発生し易い薄型の製品は製造が難しく、複雑な形状の磁心を製造するために金型成型や打抜き加工、フライス加工などが必要となることもあり、製造コストの低減が困難であるという課題がある。
薄型の製品を得るためにメッキや蒸着等の薄膜形成技術によって薄膜磁心を構成することもできるが、設備投資をはじめとする製造コストが高額となる上に、製品は超小型のチップ部品にほぼ限定されるため、使用できるのは弱電流の領域に制限され、より大きい電流領域での実用的かつ安価なインダクタンス素子を得ることは困難であるという課題がある。
本発明は前記従来技術の課題を解決するためになされたものであり、小型化、薄型化しても製造コストが低減され、大電流領域での使用が可能なインダクタの提供を目的とする。
本発明は、矩形形状を有する3枚の軟磁性薄板を一定方向に並置し、前記軟磁性薄板を同一平面上に互いに離間配置してなる磁心を備え、前記磁心の中央の前記軟磁性薄板に、1ターン以上のコイルを設けることを特徴とするインダクタを提供する。
本発明のインダクタは、前記軟磁性薄板の厚みに対する前記磁心の短辺の寸法比が、11以上であることが好ましい。
本発明のインダクタを構成する軟磁性薄板は、1MHzでの比透磁率が100以上であることが望ましい。
本発明のインダクタは、前記軟磁性薄板を、非磁性基板上に配置しても良い。
本発明のインダクタは、前記軟磁性薄板が、少なくとも側端面において、非磁性材料により相互に連結しても良い。
本発明のインダクタは、前記軟磁性薄板が、扁平形状を有する軟磁性金属粉末が酸化ケイ素を主成分とするバインダにより結着し、60体積%以上の前記軟磁性金属粉末と、10体積%以上かつ25体積%以下の空孔を含み、弾性を有する軟磁性複合シートからなっていても良い。
本発明のインダクタは、前記軟磁性薄板が、複数の前記軟磁性複合シートの積層体であっても良い。
本発明のインダクタは、前記コイルが、前記中央の前記軟磁性薄板を長辺方向に励磁するよう配置することが好ましい。
本発明のインダクタにおけるコイルは、絶縁材を介して前記軟磁性薄板を巻回しても良い。
本発明のインダクタは、前記同一平面上での前記軟磁性薄板の間隙に対する、前記中央の前記軟磁性薄板における短辺の寸法比が0.5以上1.5以下であることが好ましい。
本発明のインダクタに用いる磁心は、矩形形状を有する3枚の軟磁性薄板を、III形に離間並置するものである。軟磁性薄板を、非磁性基板上や軟磁性薄板の側端面を非磁性材料で連結することにより、同一平面上で一体化した磁心が得られる。
本発明の構成では、従来の磁心のようにC形、E形、工形などの複雑な形状の加工が不要で、軟磁性材料の矩形薄板は通常の外周刃加工機等でも容易に製造することができる。また、軟磁性薄板を同一平面上に並置しただけで磁心を構成することができるため、組み立て時にも特殊な設備や作業は不要である。さらに、コイルに軟磁性薄板を貫通するだけで、容易にインダクタを構成することができる。なお、軟磁性薄板の矩形形状は、正方形を含む。
本発明のインダクタに用いる磁心は、軟磁性薄板の厚みに対する磁心の短辺の寸法比を11以上としたり、軟磁性薄板を離間配置しても実用的なインダクタンスを得るため、1MHzでの比透磁率が100以上であることが望ましい。軟磁性薄板としては、Fe−Si、Fe−Si−Al、Fe−Si−Cr等のFe系軟磁性合金、Ni−Fe等のNi系軟磁性合金などの薄板を用いるか、前記軟磁性合金の扁平形状を有する粉末を樹脂等の非磁性バインダで結着させた複合磁性シートが、磁気特性と薄型の磁心加工の容易さから好ましい。
なお、高周波数帯域での軟磁気特性に優れるフェライト材料については、従来の複雑な形状の磁心では加工時の欠けや割れが問題となるが、本発明の磁心は単純な形状の矩形薄板で構成することが可能で、加工の問題が発生し難い利点があるため、適用が容易である。
数A程度の重畳電流を通電するチョークコイルやリアクトル用途には、一般的に比透磁率30程度の軟磁性材料を用いて、閉磁路またはわずかな磁気ギャップを有する磁心にコイルを巻回したインダクタ素子が用いられる。しかしながら、同じ材質で同じ形状の磁心を薄くすると、磁心に形成するコイル自体の巻径が小さくなるため、インダクタンスは急激に低下する。また、磁心の体積が減少するため磁気飽和が生じ易くなることや、高周波数帯域で使用する場合に軟磁性材料の材質や磁心構成によっては鉄損が増大する等、インダクタ素子としての特性が大きく劣化することが知られている。
一方で、本発明のインダクタに用いる磁心では、軟磁性薄板の厚みに対して磁心寸法が十分大きい場合、磁気ギャップが大きくても磁心の反磁界が小さいため、軟磁性薄板の厚みに対する磁心の短辺の寸法比を11以上とすることにより、磁心が薄くなっても磁気飽和が発生し難くなり、良好な直流重畳特性を得ることができる。
従来の磁心では、巻線したコイルに流れる電流が発生させる磁場により磁心が磁気飽和することを防ぐため、磁心を分割して磁気ギャップを設け、実効透磁率を低下させる構成がとられている。この際、磁場が還流する方向に垂直な方向の磁心の断面積が大きいほど、磁気ギャップ部のわずかな厚みの差が実効透磁率の低下に顕著な影響を与える。このため、コイル断面の直径よりも磁気ギャップを大きくすると、磁心の実効透磁率の低下が過剰となる場合がある。
言い換えれば、磁場が還流する方向に垂直な磁心の断面積を小さくすれば、磁気ギャップが大きくなっても実効透磁率の低下を抑制することができる。すなわち、磁心をあえて薄型化することで、大きい磁気ギャップを有する磁心であっても、磁心の構成部材それぞれについて反磁界係数を低減させることができるため、本発明の構成による磁心は良好な直流重畳特性と高いインダクタンスの両立が可能となる。
また、1MHzでの比透磁率が100以上の軟磁性薄板を用いて磁心を構成することにより、比透磁率30程度の軟磁性材料を用いる従来の磁心よりも、薄型構成に伴う磁心の体積減少によるインダクタンスの低下を抑制することができる。
本発明のインダクタに用いる磁心では、軟磁性薄板を非磁性基板上に配置したり、軟磁性薄板の側端面を樹脂等の非磁性材料により相互に連結することで、軟磁性薄板を同一平面上に離間配置する磁心を得ることができる。
本発明のインダクタにおける磁心に用いる軟磁性薄板は、扁平形状を有する軟磁性金属粉末が酸化ケイ素を主成分とするバインダにより結着し、60体積%以上の軟磁性金属粉末と、10体積%以上かつ25体積%以下の空孔を含み、弾性を有する軟磁性複合シートや、複数の前記軟磁性複合シートを積層して一体化した積層体を用いることが好ましい。空孔を含む軟磁性複合シートは弾性を有するため、より薄型の磁心を構成しても割れ等の不具合を生じることが無い。
本発明のインダクタは、磁心として並置した3枚の軟磁性薄板のうち、中央の矩形軟磁性薄板に1ターン以上のコイルを設けることにより構成する。コイルは、中央の軟磁性薄板を長辺方向に励磁するよう配置する。中央の軟磁性薄板が正方形の場合は、その両側に配した軟磁性薄板と平行な方向に励磁する。
本発明のインダクタは、磁心を構成する軟磁性薄板の構成によっては、軟磁性薄板とコイルの間に絶縁材を配することができる。軟磁性薄板がNi−Znフェライトや、絶縁処理された軟磁性金属粉末を用いる複合磁性シートであれば、直接コイルを形成することができるが、軟磁性金属板や絶縁処理されていない軟磁性金属粉末の複合磁性シートを用いる場合は、樹脂や無機材料による絶縁処理を行った上でコイルを形成することが望ましい。
また、本発明のインダクタは、並置した軟磁性薄板の間隙に対する、中央の軟磁性薄板の短辺の寸法比が1.0以上3.0以下であり、中央の軟磁性薄板に並置した両側の軟磁性薄板における短辺の寸法比が0.5以上1.5以下となるよう構成することにより、薄型の磁心とした際に従来のインダクタに比べてインダクタンスの低下が抑制されるため好ましい。
本発明によれば、単純な矩形形状の3枚の軟磁性薄板を並置して磁心を構成することで、小型化、薄型化しても加工や組み立てに特殊な設備を必要とせず、製造が容易な上に材料の損失が低減されて、製造コストが低減するインダクタの提供が可能となる。
また、本発明によれば、磁心が薄くなっても磁気飽和が発生し難いため大電流領域での使用が可能となり、インダクタ製品とした場合には良好な直流重畳特性を得ることができるインダクタの提供が可能となる。
本発明のインダクタにおける第1の実施の形態による磁心を示す斜視図である。 本発明のインダクタにおける第2の実施の形態による磁心を示す斜視図である。 本発明のインダクタにおける磁心の寸法比を説明する平面図である。 従来のインダクタにおける磁心の構成を例示する平面図である。 本発明の第3の実施の形態によるインダクタを示す斜視図である。 図5のインダクタの裏面を示す斜視図である。 図5のインダクタのXX断面の構成を示す断面図である。 従来のインダクタにおける磁心と本発明のインダクタにおける磁心による、コア厚みとインダクタンスの関係を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明のインダクタにおける第1の実施の形態による磁心を示す斜視図である。磁心1をなす、矩形形状を有する3枚の軟磁性薄板1a、1b、1aを、非磁性基板2に並置して構成する。図1ではコイルの記載を省略している。
図2は、本発明のインダクタにおける第2の実施の形態による磁心を示す斜視図である。図1と同様に、磁心1をなす矩形形状を有する3枚の軟磁性薄板1a、1b、1aの側端面を、非磁性材料3で連結し、同一平面上で一体化して構成する。図2ではコイルの記載を省略している。
図1および図2に用いる軟磁性薄板は、Fe−Si、Fe−Si−Al、Fe−Si−Cr等のFe系軟磁性合金、Ni−Fe等のNi系軟磁性合金、前記軟磁性合金の扁平形状を有する粉末を樹脂等の非磁性バインダで結着させた複合磁性シートなどの材質であれば、磁気特性や加工性の面で好適である。また、1MHzでの比透磁率が100以上の軟磁性薄板を用いて磁心を構成することにより、比透磁率30程度の軟磁性材料を用いる従来の磁心よりも、薄型構成に伴う磁心の体積減少によるインダクタンスの低下を抑制することができる。
特に、扁平形状を有する軟磁性金属粉末が酸化ケイ素を主成分とするバインダにより結着し、60体積%以上の軟磁性金属粉末と、10体積%以上かつ25体積%以下の空孔を含み、弾性を有する軟磁性複合シートからなる軟磁性薄板は、高い飽和磁束密度と透磁率を有しながら導電性が低く、かつ弾性を有することから、薄くても磁気特性が良好で加工が容易であり、複数層の積層体で構成すれば厚みや特性の調整も容易であるため、なお好ましい。
また、複雑な成型加工を必要とする従来の磁心では、薄くすると割れや反りが発生しやすいフェライト材料についても、単純な矩形形状の薄板で構成することが可能な本発明の磁心では加工の問題が発生し難い利点があるため、高周波数帯域での良好な軟磁気特性を利用した磁心を得ることができる。
図3は、図2に示す磁心を例に、本発明のインダクタにおける磁心の寸法比を説明する平面図である。本発明では、矩形形状を有する軟磁性薄板1aの短辺の長さをA、軟磁性薄板1bの短辺の長さをC、非磁性材料3の短辺の長さをB、軟磁性薄板長をDとし、軟磁性薄板1a、1bの厚みをt(図示せず)とすると、磁心の短辺、すなわち(A+B+C+B+A)とDの小さい方の寸法が、軟磁性薄板の厚みtの11倍以上あれば、磁気ギャップが大きくても磁心の反磁界が小さいため、磁心が薄くなっても磁気飽和が発生し難くなり、良好な直流重畳特性を得ることができる。
図4は、従来のインダクタにおける磁心の構成を例示する平面図であり、EI型コアと呼ばれる組み合わせの磁心である。図4も、コイルの記載は省略している。磁心4は、軟磁性材料の圧粉成型や打抜き加工、フライス加工などにより所定形状のコアを得るものである。磁気ギャップ5は本発明の磁心の構成と比較して非常に小さいか、全く設けない場合もあり、インダクタとして要求される直流重畳特性とインダクタンスのバランスを考慮して適宜定める。一方、図1や図2に示す本発明の磁心構成は、従来の磁心よりも大きな磁気ギャップを有するが、一般的に磁気ギャップの大きな磁心は磁気飽和し難いため直流重畳特性に優れる反面、大きなインダクタンスを得ることは難しいと言われている。
しかしながら、本発明のように矩形形状を有する3枚の軟磁性薄板を、同一平面上で一定方向に離間して並置した磁心は、EI型コアやCIC型コアよりも磁気ギャップ増大に対するインダクタンス低下が比較的小さく、特に薄型の磁心が求められる用途では、軟磁性薄板の厚みに対する磁心の短辺の寸法比が11以上の構成で直流重畳特性を損なうことなく実用的なインダクタンスを得ることができる。
図5は本発明の第3の実施の形態によるインダクタを示す斜視図、図6は図5のインダクタの裏面を示す斜視図、図7は図5のインダクタのXX断面の構成を示す断面図であり、図2に示す磁心にコイル6を配し、インダクタとするものである。
第3の実施の形態によるインダクタは、図2に示す磁心の表裏に銅やアルミニウムの導電性薄板を配し、磁心の表裏は図7に示すように非磁性材料3に設ける貫通孔と導電性材料によるビアでつなぎ、前記導電性薄板と貫通孔中の導電性材料を溶接や導電性接着剤で接合することで、磁心1の中央の軟磁性薄板1bに巻線するコイル6を得る。図5および図6は、3ターンのコイルを例示したものであり、中央の軟磁性薄板1bはその長辺方向に励磁する。図1乃至図4の磁心にも同様のコイルを用いることで、インダクタを構成することができる。
軟磁性薄板1a、1bの導電性が低い場合はコイル6をそのまま形成しても良いが、軟磁性合金等の導電性の高い材質を用いる場合は、コイル6の短絡を防ぐために軟磁性薄板1a、1bとコイル6の間に絶縁材を介して形成する必要がある。絶縁材としてはエポキシ樹脂等を塗布したり、耐熱性が必要な場合は貫通孔部分を穴明けしたセラミックシートを配置する等、公知の方法を用いることができる。
本発明のインダクタは、必要な特性により様々な磁性材料や寸法で構成することが可能であるが、図3に示すように、軟磁性薄板1aと1bの間隙である磁気ギャップBに対する中央の軟磁性薄板1bの短辺における軟磁性薄板幅Cの寸法比を1.0以上3.0以下、中央の軟磁性薄板に並置した両側の軟磁性薄板における短辺の寸法比を0.5以上1.5以下とすることで、コイル断面積を確保しつつインダクタンスを大きく低下させない磁気ギャップが設定できる。
さらに、構成した磁心全体の上下少なくとも一面に、加熱によって軟化し得る樹脂層を設けることで、磁心を樹脂や積層基板に内蔵する際、個別の部材を各々配置する工数が削減できることから、インダクタの製造が容易で低コスト化が可能となる。
以下、本発明の実施例について説明する。
本発明は磁心の材質や各部の寸法により多様な構成をとることが可能であるが、本発明の実施例として図2の構成の磁心を用いて、図5〜7の3ターン構成のインダクタを作製した。軟磁性薄板は、高周波数帯域での鉄損が少なく、かつ加工性が良好なFe−Si−Cr軟磁性合金の扁平化粉末を用いて軟磁性複合シートを作製した。
(軟磁性薄板の作製)
軟磁性金属であるFe−Si−Cr合金を用いて、体積粒度分布のメジアン径D50が38μmのガスアトマイズ粉末を原料に、ボールミルにて3時間粉砕を行い、扁平状の軟磁性合金粉末を得た。得られた扁平状軟磁性合金粉末は、粒子の平均長径Dが60μm、平均最大厚さtが3μmであった。当該扁平状軟磁性合金粉末を、窒素ガス雰囲気中で500℃、3時間の熱処理を施した。
当該扁平状軟磁性合金粉末に、溶媒としてエタノール、増粘剤としてポリアクリル酸エステル、熱硬化性バインダ成分としてメチル系シリコーンレジンを混合してスラリーを作製し、PET樹脂フィルム上にダイスロット法で塗布後、60℃で1時間乾燥して溶媒を除去し、予備成型体を得た。当該予備成型体を、抜型を用いて縦横35mm角にカットし、各々の個片を所定枚数積層して金型中に封入し、150℃、2MPaの成型圧力にて1時間の加圧成型を施した。
当該成型体を、窒素ガス雰囲気中で650℃、1時間の熱処理を施し、軟磁性薄板を作製した。軟磁性薄板の厚さは、0.3mm、0.5mm、0.8mm、1.2mmの4水準とした。
このような軟磁性複合シートとして得られる軟磁性薄板は、60体積%以上の軟磁性金属粉末と、10体積%以上かつ25体積%以下の空孔を含み、高い強度と弾性を有することから、薄型の磁心を構成しても割れや変形が生じ難く、本発明の軟磁性薄板として好適である。また、元来電気抵抗率の高いFe−Si−Cr合金を偏平状の粉末として、絶縁性の高いシリコーンレジンで粉末をコーティングすることにより、コイルと軟磁性薄板の間に絶縁層を介在させなくともインダクタを構成することができるのでさらに好ましい。
熱処理後の軟磁性薄板を外周刃切断機で所定寸法に切断し、図2に示す軟磁性薄板の1aに相当する幅2.0mm、長さ8.4mmの部材と、1bに相当する幅4.0mm、長さ8.4mmの部材を作製した。
(磁心の作製)
前記1aと1bに相当する部材を、各々2.0mm離して平板上に並置し、間隙をエポキシ樹脂で充填して一体化することにより、図2のような磁心を作製した。磁心は、長辺が12.0mm、短辺が8.4mmとなる。
(インダクタの作製)
前記磁心を用いて、図5〜7に示す3ターン構成のインダクタを作製した。磁心のエポキシ樹脂部分に直径1.8mmの貫通孔をそれぞれ3箇所ずつあけ、前記4水準の磁心厚に各々溶接しろ0.2mmを加えた厚さの銅板を挿入してビアを形成し、幅2.0mm、厚さ0.2mmの銅板を各ビア間に配した後、超音波溶接によって銅板を接合してインダクタを得た。
(実施例1、2、3)
前記インダクタの作製までを共通条件とした上で、比透磁率の異なる軟磁性薄板を適用して各実施例とした。Fe−Si−Cr合金のSi組成比を2.5重量%以上10.0重量%以下、Cr組成比を1.5重量%以上20重量%以下とし、軟磁性薄板から別途リング状の試験磁心を作製して1MHzでの比透磁率μを測定し、μ=100の試料を実施例1、μ=200の試料を実施例2、μ=300の試料を実施例3とした。
(比較例)
従来の磁心である図4の構成を比較例とした。各実施例との相違点は、軟磁性薄板の1MHzでの比透磁率μ=30とし、磁心の形状をEI型コアとしたものであり、1aと1bを連結してE型コアを形成する部分の軟磁性薄板の幅、およびI型コアの短軸幅を2.0mm、EI型コアの磁気ギャップを0.4mmとした他は、磁心寸法を含めて各実施例と同様である。
各実施例および比較例による、磁心厚みとインダクタンスLの測定結果を図8に示す。磁心厚みが大きい領域では従来構成の磁心のインダクタンスLが大きいが、磁心厚みが小さい領域では本発明の構成による磁心の方がインダクタンスLが大きくなっており、その境界は磁心厚みに対する磁心の短辺の寸法比が11以上の領域であった。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は前記に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の変更や修正が可能である。すなわち、当業者であればなし得るであろう各種変形、修正もまた本発明に含まれることは勿論である。
1、4 磁心
1a、1b 軟磁性薄板
2 非磁性基板
3 非磁性材料
5、B 磁気ギャップ
6 コイル
A、C 軟磁性薄板幅
D 軟磁性薄板長

Claims (7)

  1. 矩形薄板形状の磁心とコイルとを備え、前記磁心は、矩形形状を有する3枚の軟磁性薄板のみからなり、前記軟磁性薄板を同一平面上に、前記軟磁性薄板の長辺が前記磁心の長辺に垂直になるように並べて離間配置し、前記コイルは、前記軟磁性薄板のうち中央の部材のみに1ターン以上、前記中央の部材の長辺方向励磁するよう配置することを特徴とするインダクタ。
  2. 前記軟磁性薄板は、1MHzでの比透磁率が100以上である、請求項1に記載のインダクタ。
  3. 前記軟磁性薄板を、非磁性基板上に配置する請求項1または2に記載のインダクタ。
  4. 前記軟磁性薄板が、少なくとも側端面において、非磁性材料により相互に連結する請求項1乃至3のいずれかに記載のインダクタ。
  5. 前記軟磁性薄板は、扁平形状を有する軟磁性金属粉末が酸化ケイ素を主成分とするバインダにより結着し、60体積%以上の前記軟磁性金属粉末と、10体積%以上かつ25体積%以下の空孔を含み、弾性を有する軟磁性複合シートからなる請求項1乃至4のいずれかに記載のインダクタ。
  6. 前記軟磁性薄板は、複数の前記軟磁性複合シートの積層体である請求項5に記載のインダクタ。
  7. 前記コイルは、絶縁材を介して前記軟磁性薄板を巻回する、請求項1乃至6のいずれかに記載のインダクタ。
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