JP5413680B2 - リアクトルの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、車載用DC-DCコンバータといった電力変換装置の構成部品に用いられるリアクトルに関するものである。特に、小型なリアクトルに関する。
電圧の昇圧動作や降圧動作を行う回路の部品の一つに、リアクトルがある。例えば、ハイブリッド自動車などの車両に載置されるコンバータに利用されるリアクトルとして、O字状といった環状の磁性コアの外周に、巻線を巻回してなる一対のコイルが並列に配置された形態が挙げられる。
その他、特許文献1では、一つのコイルの内周に配置される円柱状の内側コア部と、このコイルの外周面のほぼ全体を覆う円筒状コア部と、このコイルの各端面に配置される一対の円板状コア部とを具える磁性コア、所謂ポット型コアを具えるリアクトルを開示している(特許文献1 図1)。ポット型コアでは、同心状に配置された内側コア部及び円筒状コア部が上記円板状コア部により連結されて閉磁路を形成する。また、特許文献1には、内側コア部の飽和磁束密度を円筒状コア部及び円板状コア部よりも高くすることで内側コア部の断面積を小さくして、小型なリアクトルが得られることが開示されている。
特開2009-033051号公報
車載部品などの設置スペースが狭い箇所に配置される部品には、小型であることが望まれる。特許文献1には、複数の分割片を接着剤により接合して一体化された磁性コアが開示されているが、更なる小型化を考慮すると、接着剤をできる限り除去することが望まれる。これに対し、特許文献1の段落0017に記載されるように、磁性コア全体を圧粉成形体とし、圧粉材料と共にコイルを金型に配置して磁性コアを成形することで、接着剤を不要にしたり、上述のように磁性コアの飽和磁束密度を部分的に異ならせることで小型なリアクトルが得られる。
しかし、従来、実際に許容されるリアクトルの全体的な大きさ、即ち、リアクトルの体積に着眼して、所望の電磁気的性能を満たしながら、小型化を達成するための具体的な構成について十分に検討されていない。
そこで、本発明の目的の一つは、小型なリアクトルを提供することにある。また、本発明の他の目的は、小型で、生産性に優れるリアクトルを提供することにある。
本発明者は、リアクトルの全体的な大きさに着目し、所望の電磁気的性能を満たしながら、特に自動車の回路部品に適した小型なリアクトルとなる条件を検討したところ、磁性コアの飽和磁束密度や比透磁率といった磁気特性を部分的に異ならせると共に、磁気特性が異なる各部位の飽和磁束(飽和磁束密度と磁性コアの断面積との積)が特定の範囲を満たすことが好ましい、との知見を得た。具体的には、後述する試験例に示すように、上記各部位の飽和磁束の比を変化させたときのリアクトルの体積を調べたところ、B1/B2が1を超える範囲では、上記飽和磁束の比が特定の範囲を満たすと、当該範囲外である場合と比較してリアクトルの体積を小さくすることができる、との知見を得た。本発明は、この知見に基づき、磁性コアにおいてコイルの内外の各部位の飽和磁束密度の大小関係、比透磁率の大きさを規定すると共に、飽和磁束の関係を規定する。
本発明は、巻線を巻回してなるコイルと、このコイルが配置される磁性コアとを具えるリアクトルに関するものである。上記磁性コアは、上記コイル内に挿通された内側コア部と、上記コイルの外周の少なくとも一部を覆う連結コア部とを有する。両コア部により閉磁路を形成する。上記内側コア部の断面積をS1、上記内側コア部の飽和磁束密度をB1、上記連結コア部の断面積をS2、上記連結コア部の飽和磁束密度をB2とするとき、以下の(1)及び(2)を満たす。
(1) 1<(B1/B2)
(2) 0.17×(B1/B2)+0.42≦(S1×B1)/(S2×B2)≦0.50×(B1/B2)+0.62
より限定的には、本発明リアクトルは、以下の(I)〜(VI)を満たす。
(I) コイルが一つである。
(II) 当該リアクトルは、通電条件が最大電流:100A〜1000A、平均電圧:100V〜1000Vである自動車の回路部品に用いられる。
(III) 上記コイルと上記磁性コアとの組合体は、非磁性かつ導電性材料からなるケースに収納される。
(IV) 1.6T≦B1≦2.4T、かつ1.2≦(B1/B2)≦2.5
(V) 上記内側コア部の比透磁率をμ1、上記連結コア部の比透磁率をμ2とするとき、50≦μ1≦1000、5≦μ2≦50、μ1>μ2
(VI) 上記(2)の式を満たす。
そして、上記磁性コアにおいて上記コイルが存在する部位をこのコイルの軸方向と直交方向に切断したとき、上記コイルの内側に配置される箇所の断面積を上記内側コア部の断面積:S1とし、上記コイルの外周に配置される箇所の断面積を上記連結コア部の断面積:S2とする。
以下、各構成要素を詳細に説明する。
本発明リアクトルは、上記巻線を巻回してなるコイルを一つのみ具える形態とする。
リアクトルに具えるコイルとして、一対のコイル素子が、その各軸方向が並列するように横並びされた形態が挙げられる。これに対し、コイルを一つのみとした形態は、複数のコイル素子を具える形態と比較して、小型になり易い。特に、コイルを円筒状体、内側コア部を当該コイルの外形に沿った円柱状体とすると、内側コア部の外周面とコイルの内周面との間の隙間を小さくできる上に、コイルの周長を最も短くできるため、更に小型なリアクトルにすることができる。コイルを一つのみ具える形態は、代表的には、上述したポット型コアを具える形態(コイルの外周の実質的に全体が磁性コアに覆われる形態)や、E字コアとI字コアとを組み合せたE-Iコアを具える形態、一対のE字コアを組み合せたE-Eコアを具える形態のようにコイルの外周の一部が磁性コアから露出される形態が挙げられる。いずれの形態も、代表的には、複数のコア片を組み合せた形態(後述する磁性材料と樹脂との混合物により成形された場合を含む)が挙げられ、上述したE字コアやI字コアに限定されない。
本発明リアクトルでは、磁性コアが一様な材料で構成されておらず、コイルの内外に配置される各部位が異なる材料から構成されて、上述のように磁性コアの磁気特性が部分的に異なる。より具体的には、本発明リアクトルでは、内側コア部の飽和磁束密度(絶対値)が大きいと共に、内側コア部の飽和磁束密度が連結コア部の飽和磁束密度よりも高い(1<(B1/B2))。この構成により、一様な材料で構成された磁性コアと同じ磁束密度を得る場合、内側コア部の断面積を小さくすることができる。内側コア部の飽和磁束密度(絶対値):B1は高いほど内側コア部の断面積を小さくし易く、1.6T≦B1が好適であり、1.8T以上、更に2T以上が好ましく、特に上限は設けない。
また、内側コア部の飽和磁束密度:B1が連結コア部の飽和磁束密度:B2の1.2倍以上であることで(1.2≦(B1/B2))、内側コア部が相対的に十分に高い飽和磁束密度を有しており、内側コア部の断面積を小さくできる。従って、この内側コア部を具えるリアクトルは、小型である。特に、内側コア部の飽和磁束密度:B1が連結コア部の飽和磁束密度:B2の1.5倍以上(1.5≦(B1/B2))、更に1.8倍以上がより好ましい(1.8≦(B1/B2))。
飽和磁束密度の比:(B1/B2)が1よりも大きいことで、一定の磁束を得る場合、B1/B2≦1の形態と比較して、内側コア部の断面積を小さくできることから、内側コア部の外周に設けるコイルの外径も小さくでき、リアクトルの小型化に寄与することができる。また、コイルの外径を小さくできることでコイルを構成する巻線の長さを短くでき、コイルの抵抗を下げられるため、損失の低減を図ることができる。コイルの小型化や損失の低減を考慮すると、上述のように(B1/B2)は大きいほど好ましく、上限は特に設けない。但し、内側コア部の飽和磁束密度:B1を一定にする場合にB1/B2を大きくするには、B2を小さくする必要があり、その結果、特に連結コア部の体積が大きくなって、リアクトル全体の体積の増大を招く。従って、B1/B2は、リアクトル全体の体積の増大を招かない範囲で、1より大きい任意の値を選択することが好ましい。例えば、内側コア部の飽和磁束密度が2.4T程度より小さい材料から構成されている場合、B1/B2が3以下であると、連結コア部の体積増加を抑えられ、リアクトル全体の体積を小さくできる。従って、連結コア部の体積の増大の抑制を考慮すると、B1(絶対値)は、2.4T以下、(B1/B2)は、1.2以上2.5以下が好ましいと考えられる。B1及びB2は、一般に、内側コア部、及び連結コア部の構成材料に依存するため、1<(B1/B2)、特に、1.2≦(B1/B2)≦2.5、1.6T≦B1≦2.4Tを満たすように両コア部の材料を選択、調整するとよい。
リアクトルの磁性コアに利用される磁性材料には、飽和磁束密度と比透磁率とに相関関係があり、飽和磁束密度が大きい方が比透磁率が大きいものが多い。従って、磁性コア全体の飽和磁束密度が高い場合、比透磁率が高くなり過ぎる傾向にあり、当該磁性コア内に、磁性コアよりも透磁率が低い材料、代表的には非磁性材料からなるギャップ材やエアギャップといった、磁束の飽和を低減するギャップを介在させる必要がある。ここで、磁性コアが上記通常のギャップを有する場合、ギャップ箇所にコイルを近付けて配置すると、当該ギャップ箇所からの漏れ磁束による影響がコイルに及んで損失が生じる。従って、通常のギャップを有する磁性コアを利用する場合、上記損失を低減するために、コイルの内周面と内側コア部の外周面との間にある程度の隙間を設ける必要がある。このようなギャップ材や隙間の存在により、リアクトルの小型化が制限されることから、小型なリアクトルとするためには、通常のギャップを有さない構成、所謂ギャップレス構造が望まれる。これに対し、内側コア部及び連結コア部のいずれか一方のコア部の比透磁率を小さくすることで、磁性コア全体の比透磁率(見かけの比透磁率)がある程度小さくなるように調整することができ、ギャップレス構造にすることができる。本発明では、上述のように内側コア部の飽和磁束密度を高くするため、連結コア部の比透磁率μ2が内側コア部の比透磁率μ1よりも低い構成(μ2<μ1)を提案する。このように各コア部の比透磁率を異ならせて上述のようにギャップレス構造とすることで、内側コア部の外周面にコイルの内周面を近付けて配置しても上記損失が生じない。従って、内側コア部とコイルとを近付けて配置し、コイルと内側コア部との間の隙間を小さくする、好ましくは、上記隙間を実質的に無くすことで、本発明リアクトルを更に小型にできる。また、ギャップレス構造とすることで、ギャップ材を接合するための接着剤をも省略でき、工程数の低減、及び小型化を図ることができる。
具体的には、上記内側コア部の比透磁率μ1が50以上1000以下であり、上記連結コア部の比透磁率μ2が5以上50以下が挙げられる(但し、μ1≠μ2)。
上記両コア部の比透磁率を特定の範囲とすることで、磁性コアの漏れ磁束を低減できると共に、ギャップレス構造とすることができる。特に、連結コア部の比透磁率は5〜30程度、内側コア部の比透磁率は100〜500程度が利用し易い。また、磁性コアの見かけの比透磁率が10以上100以下であると、ギャップレス構造に好適である。上記比透磁率を満たすように、内側コア部及び連結コア部の構成材料を調整するとよい。
上記各コア部の断面積S1,S2は、コイルを励磁した際に主たる磁路となる箇所の断面積とする。代表的には、内側コア部の断面積S1は、磁性コアにおいてコイルが存在する部位をコイルの軸方向と直交方向に切断したとき、コイルの内側に配置される部位の断面積とする。上記連結コア部の断面積S2は、コイルを一つのみ具える形態では、磁性コアにおいてコイルが存在する部位をコイルの軸方向と直交方向に切断したとき、コイルの外周に配置された箇所の断面積とする。一対のコイル素子を具える形態の断面積S2は、上記切断面において各コイル素子内に配置された両内側コア部を環状に繋ぐ箇所の断面積が挙げられる。
本発明リアクトルは、上述のように飽和磁束密度及び比透磁率を特定の範囲に設定し、リアクトルの全体的な大きさが小さくなるようにコイルの内外に配置される各部位の飽和磁束((S1×B1),(S2×B2))の比が上記特定の範囲を満たすように調整することで得られる。このように内側コア部の飽和磁束密度を相対的に高くしたことによる小型化、及び磁性コアにおけるコイル内外の飽和磁束の比の特定により、本発明リアクトルは、設置面積といった平面的な小型化は勿論、立体的な小型化を図ることができる。
本発明リアクトルは、上述のように通電電流値及び平均電圧が比較的大きな回路部品、より具体的には、ハイブリッド自動車や電気自動車、燃料電池車といった自動車に載置される双方向DC-DCコンバータといった回路部品に利用される。
本発明リアクトルは、上記組合体を収納するケースを具えることで、コイルや磁性コアを外部環境から保護したり、機械的に保護したりすることができる。特に、ケースの構成材料を非磁性かつ導電性材料とすることで、ケースが磁気シールドとして機能し、外部に磁場が漏れることを効果的に抑制できる。具体的な材料は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金といった金属が挙げられる。これらの金属はいずれも、軽量であり、かつ樹脂よりも強度に優れるため、軽量化が望まれる自動車部品の構成材料に好適である。
本発明の一形態として、上記連結コア部は、磁性材料と樹脂との混合物から構成された形態が挙げられる。
上記形態では、コイルの外部に配置される磁性コア(連結コア部)の構成材料を特定の材料(磁性材料と樹脂との混合物)としていることから、磁性材料と樹脂との比率を調整することで磁気特性を容易に変更できる。例えば、一般的に非磁性材料である樹脂を含むことで、内側コア部よりも比透磁率が小さい連結コア部を容易に形成できる。そのため、上記形態では、インダクタンスの調整を容易に行えて、所定のインダクタンスを十分に具えるリアクトルが得られる。
特に、上記形態において、上記内側コア部と連結コア部とが上記連結コア部の樹脂により一体化された構成とすると、上記ギャップ材などの通常のギャップの他、内側コア部と連結コア部とを接合するための接着剤やコア片とギャップ材とを接合するための接着剤も存在しないことで、より小型なリアクトルとすることができる。また、上記構成樹脂によりコイルと内側コア部と連結コア部とを一体化する、代表的には、コイルと内側コア部との組物の外周の少なくとも一部を覆うように連結コア部を成形することで、所定の特性を有する磁性コアを形成できる。このようにこの形態は、連結コア部の形成、磁性コアの形成を同時に行える。更に、上述のように所謂ギャップレス構造とすることで、部品点数が少ない上に、工程数を低減できる。ここで、上述したように内側コア部と連結コア部同士、コア片とギャップ材同士を接着剤により接合して磁性コアを形成する場合、部品点数の増加を招く上に、工程数が増えることからリアクトルの生産性の低下を招く。また、飽和磁束密度が部分的に異なる磁性コアを例えば、圧粉成形体で形成する場合、磁性コアの形状によっては加圧工程を多段階に亘って行う必要があり、リアクトルの生産性の低下を招く。これに対して、上記形態では、生産性に優れる。その他、内側コア部と連結コア部とを別部材とし、上述のように連結コア部の構成樹脂により両者を一体化することで、各コア部に望まれる所定の特性を精度良く有することができる。
上記連結コア部が上記混合物からなる形態では、例えば、成形型にコイル及び内側コア部の組物を収納して連結コア部を形成した後、コイルと磁性コアとの組合体をケースに収納したり、ケース内に更にポッティング樹脂を充填して、上記組合体を封止した形態とすることができる。これに対して、上記連結コア部が上記混合物からなる形態において、特に、上記コイル及び上記内側コア部が上記連結コア部を構成する樹脂により上記ケースに封止された構成とすると、ケースを連結コア部の成形型に兼用することができ、連結コア部の成形と同時に本発明リアクトルを容易に製造できる。また、連結コア部の構成樹脂を封止樹脂に利用することで、従来のように別途ポッティング樹脂を用意する必要が無く、部品点数の低減、工程数の低減を図ることができ、リアクトルの生産性に更に優れる。
本発明の一形態として、上記内側コア部は圧粉成形体から構成されており、上記連結コア部は、鉄基材料と樹脂との混合物から構成されている形態が挙げられる。
本発明リアクトルに具える内側コア部の構成材料には、連結コア部の構成材料よりも飽和磁束密度が高いものを利用する。また、連結コア部の構成材料には、内側コア部の構成材料よりも比透磁率が低いものを利用する。上記形態の連結コア部は、一般的に非磁性材料である樹脂を含むことから、この連結コア部よりも飽和磁束密度が高い材料として、圧粉成形体を内側コア部の構成材料に好適に利用でき、かつ圧粉成形体よりも比透磁率が低い材料として、上記混合物を連結コア部の構成材料に好適に利用できる。圧粉成形体は、三次元形状の部材を簡単に形成できるため、例えば、コイルの内周面の形状に適合した外形を有する内側コア部を容易に形成することができる。内側コア部の外形がコイルの内周面の形状に近似している場合、内側コア部の外周面にコイルの内周面を接近させて配置できるため、リアクトルを更に小型にすることができる。
Fe(純鉄)やFeを主成分とするFe基合金といった鉄基材料は、一般に、フェライトなどの磁性材料に比較して飽和磁束密度が高いことから、飽和磁束密度が高い磁性コアが得られる。この形態の連結コア部では、樹脂との混合物とすることから、上記鉄基材料を利用しても、樹脂割合を調整することで、所望の磁気特性を有する磁性コアを容易に形成することができる。
本発明の一形態として、絶縁性樹脂から構成され、上記コイルの表面を覆って、その形状を保持する内側樹脂部を具える形態が挙げられる。
コイルは、代表的には、銅などの導電性材料からなる導体と、この導体の外周に設けられたエナメルなどの絶縁材料からなる絶縁被覆とを具える巻線を巻回して構成される。絶縁被覆を具える巻線からなるコイルの場合、当該絶縁被覆により、コイルと磁性コアとの間、コイルの一部がケースに近接するように配置される場合、コイルとケースとの間を絶縁することができる。これに対して、上述のようにコイルを絶縁性樹脂で覆うことで、コイルと磁性コアとの間の絶縁性、コイルとケースとの間の絶縁性を更に高められる。かつ、上記構成によれば、内側樹脂部によりコイルの形状が保持されていることで、リアクトルの製造時、例えば、連結コア部を形成するための成形型内やケース内にコイルと内側コア部との組物を配置する際などで、コイルが伸縮しないことからコイルを取り扱い易く、リアクトルの生産性に優れる。また、内側樹脂部によりコイルを圧縮状態に保持することも可能である。コイルを適宜圧縮することで、コイルの軸方向の長さが短くなり、リアクトルを小型にすることができる。
本発明の一形態として、上記内側樹脂部を具える場合に、上記内側コア部が上記内側樹脂部により上記コイルに一体に保持された形態が挙げられる。
上記構成によれば、上記コイルと上記内側コア部とが上記内側樹脂部により一体化されていることで両者を一体に取り扱え、例えば、連結コア部を形成する成形型やケースへの収納などが容易であり、リアクトルの生産性に優れる。また、内側樹脂部の成形と同時に、上記コイルと内側コア部との一体化をも行えるため、この点からも生産性に優れる。更に、コイルと内側コア部とを内側樹脂部により一体とせず別部材とする場合、内側樹脂部には、内側コア部を挿入するための中空孔を設ける必要がある。この場合、内側コア部の挿入性を考慮すると、内側コア部と中空孔との間にある程度隙間を設ける必要がある。これに対して、コイルと内側コア部とを内側樹脂部により一体化することで、コイルの内周面と内側コア部との間には、実質的に内側樹脂部のみが存在する構成となり、上記隙間の分だけリアクトルを小型にできる。
本発明の一形態として、上記コイルを形成する巻線は、その断面のアスペクト比が5以上の扁平な形状であり、上記コイルの巻き数は、30以上70以下である形態が挙げられる。
上述のように扁平な巻線により、嵩が小さいコイルを形成できるため、小型なコイルとすることができる。コイルの小型化により、本発明リアクトルを小型にできる。上記アスペクト比は、1.5以上が好ましく、上述のように5以上がより好ましく、特に8以上、更に10以上が好ましいが、大き過ぎるとコイルを成形し難くなることから、10〜20程度が利用し易いと考えられる。このような扁平な巻線としては、平角線(アスペクト比:幅/厚さ)を導体とするものが代表的である。また、上記アスペクト比が上記範囲を満たし、かつ上記巻き数が上記範囲を満たすことで、小型なコイルでありながら、例えば、車載用電力変換装置に望まれる所定のインダクタンスを満たすことができる。複数のコイルを具える形態では、合計巻き数が上記範囲を満たすと、上述のように車載部品に好適に利用することができる。
本発明の一形態として、上記コイルと上記磁性コアとの組合体において、当該組立体を内包可能な最小の直方体をとり、当該直方体の外寸を短い順にそれぞれL1,L2,L3とし、3×L1/(L1+L2+L3)を扁平度とするとき、扁平度が0.5以上である形態が挙げられる。
上記形態によれば、設置面積が小さく、嵩が低いリアクトルとなるため、小型である。上記扁平度が1.0の近傍である、即ち、上記組合体が実質的に立方体状であると、設置面積の最小化、かつ嵩の最小化を実現することができる。
本発明の一形態として、上記コイルと上記磁性コアとの組合体の外周の少なくとも一部を覆う外側樹脂部を具える形態が挙げられる。
上記外側樹脂部を具える構成とすると、内側コア部やコイルの外周に配置された連結コア部をも含めた上記組合体を外側樹脂部により十分に保護することができる。特に、連結コア部が上述のように樹脂を含む形態とする場合、この樹脂により、コイルや内側コア部を外部環境から保護したり、機械的に保護したりすることができるため、外側樹脂部を具える形態では、上記組合体の保護をより確実に図ることができる。外側樹脂部は、例えば、上記ケースに充填するポッティング樹脂が挙げられる。
本発明の一形態として、上記内側コア部が電磁鋼板の積層体から構成された形態が挙げられる。
電磁鋼板は、上述した圧粉成形体よりも飽和磁束密度が高い内側コア部を得易い。
本発明リアクトルは、小型である。
図1(A)は、実施形態1に係るリアクトルの概略斜視図であり、図1(B)は、図1(A)においてB-B線で切断した断面図である。 図2は、実施形態1に係るリアクトルにおいて図1(A)に示すII-II線で切断した断面図である。 図3は、実施形態1に係るリアクトルの構成部材を説明するための概略分解図である。 図4は、実施形態2に係るリアクトルをコイルの軸方向に沿って切断した断面図である。 図5は、実施形態2に係るリアクトルに具えるコイル成形体の概略斜視図である。 図6は、シミュレーションを行ったリアクトルに具えるコイルと磁性コアとの組合体の模式断面図であり、図6(A)〜図6(C)は、コイルの軸方向に沿って切断した断面図、図6(D)は、図6(A)〜図6(C)に示すD-D線で切断した断面図である。 図7は、図6(A)に示すリアクトル(パタン1)のシミュレーション結果を示すグラフであり、図7(I)は、(S1×B1)/(S2×B2)と、相対体積との関係を示すグラフ、図7(II)は、(B1/B2)と、(S1×B1)/(S2×B2)との関係を示すグラフである。 図8は、図6(B)に示すリアクトル(パタン2)のシミュレーション結果を示すグラフであり、図8(I)は、(S1×B1)/(S2×B2)と、相対体積との関係を示すグラフ、図8(II)は、(B1/B2)と、(S1×B1)/(S2×B2)との関係を示すグラフである。 図9は、図6(C)に示すリアクトル(パタン3)のシミュレーション結果を示すグラフであり、図9(I)は、(S1×B1)/(S2×B2)と、相対体積との関係を示すグラフ、図9(II)は、(B1/B2)と、(S1×B1)/(S2×B2)との関係を示すグラフである。 図10は、参考例1に係るリアクトルの概略を示し、図10(A)は斜視図、図10(B)は、連結コア部の一部を切断した状態における平面図である。 図11は、参考例1に係るリアクトルにおいて図10(A)に示すXI-XI線で切断した断面図である。 図12は、参考例2に係るリアクトルに具えるコイル成形体の概略を示し、図12(A)は斜視図、図12(B)は、分解斜視図である。
以下、図面を参照して、実施形態のリアクトルを説明する。まず、具体的な構造について説明し、次に、飽和磁束の比:(S1×B1)/(S2×B2)について説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。なお、図6,図10,図11では、分かり易いように巻線の両端部やコイル素子同士の連結部分を省略している。
(実施形態1)
主として、図1〜3を参照して、実施形態1のリアクトル1αを説明する。リアクトル1αは、巻線2wを巻回してなる一つのコイル2αと、コイル2αが配置される磁性コア3αと、コイル2αと磁性コア3αとの組合体を収納するケース5とを具える。磁性コア3αは、コイル2α内に挿通された内側コア部3iと、コイル2αの外周の少なくとも一部を覆う連結コア部3oとを有し、内側コア部3iと連結コア部3oとが連結されて、これら両コア部3i,3oにより閉磁路を形成する。リアクトル1αの特徴とするところは、磁性コア3αの構成材料、その形態、及び電磁気的特性にある。以下、各構成を詳細に説明する。
[コイル2α]
コイル2αは、1本の連続する巻線を螺旋状に巻回してなる円筒状体である。巻線2wは、銅やアルミニウムといった導電性材料からなる導体の外周に、絶縁性材料からなる絶縁被覆を具える被覆線が好適である。ここでは、導体が銅製の平角線からなり、絶縁被覆がエナメルからなる被覆平角線を利用している。また、ここでは、上記平角線は、その断面のアスペクト比:幅/厚さが11であり、10以上のものを利用している。絶縁被覆を構成する絶縁性材料は、代表的にはポリアミドイミドが挙げられる。絶縁被覆の厚さは、20μm以上100μm以下が好ましく、厚いほどピンホールを低減できて絶縁性を高められる。コイル2αは、この被覆平角線をエッジワイズ巻きにして形成されている。円筒状とすることで、エッジワイズ巻きであっても比較的容易にコイルを形成できる。また、ここでは、コイル2αの巻き数を46とし、30〜70を満たすものとしている(図1,図3,後述する図5の巻き数は例示である)。巻線は、導体が平角線からなるもの以外に、断面が円形状、多角形状などの種々の形状のものを利用できる。
コイル2αを形成する巻線2wの両端部は、ターンから適宜引き延ばされて後述する連結コア部3oの外部に引き出され、絶縁被覆が剥がされて露出された導体部分に、銅やアルミニウムなどの導電性材料からなる端子部材(図示せず)が接続される。この端子部材を介して、コイル2αに電力供給を行う電源などの外部装置(図示せず)が接続される。巻線2wの導体部分と端子部材との接続には、TIG溶接などの溶接の他、圧着などが利用できる。図1に示す例では、コイル2αの軸方向に平行するように巻線2wの両端部を引き出しているが、引き出し方向は適宜選択することができる。例えば、巻線の両端部をコイル2αの軸方向に直交するように引き出してもよいし、各端部の引き出し方向をそれぞれ異ならせてもよい。この巻線の材質、形状やコイルの巻き数、端部の処理に関する構成は、後述する実施形態、参考例についても適用することができる。
[磁性コア3α]
磁性コア3αは、コイル2α内に挿通された円柱状の内側コア部3iと、図1(B)に示すように内側コア部3iの一方の円形状の端面及び円柱状の外周面の一部、コイル2αの円筒状の外周面の少なくとも一部及び端面を覆うように形成された連結コア部3oとを具える。特に、磁性コア3αは、内側コア部3iの構成材料と、連結コア部3oの構成材料とが異なることで、磁気特性が異なる。具体的には、内側コア部3iは、連結コア部3oよりも飽和磁束密度が高く、連結コア部3oは、内側コア部3iよりも比透磁率が低い。
《内側コア部》
内側コア部3iは、コイル2αの内周面の形状に沿った円柱状の外形を有しており、その全体が圧粉成形体から構成されて、ギャップ材やエアギャップが介在していない中実体である。
圧粉成形体は、代表的には、表面に絶縁被膜を具える軟磁性粉末を成形後、上記絶縁被膜の耐熱温度以下で焼成することにより得られる。軟磁性粉末に加えて適宜結合剤を混合した混合粉末を利用したり、上記絶縁被膜としてシリコーン樹脂などからなる被膜を具えた粉末を利用したりすることができる。圧粉成形体の飽和磁束密度は、軟磁性粉末の材質や、上記軟磁性粉末と上記結合剤との混合比、種々の被膜の量などを調整することで変化させることができる。例えば、飽和磁束密度の高い軟磁性粉末を用いたり、結合剤の配合量を低減して軟磁性材料の割合を高めたりすることで、飽和磁束密度が高い圧粉成形体が得られる。その他、成形圧力を変える、具体的には成形圧力を高くすることでも飽和磁束密度を高められる傾向にある。また、飽和磁束密度が高い形態とすることで、比透磁率も高くなり易い。所望の飽和磁束密度、比透磁率となるように軟磁性粉末の材質の選択や成形圧力の調整などを行うとよい。
上記軟磁性粉末は、Fe,Co,Niといった鉄族金属粉末の他、Fe-Si,Fe-Ni,Fe-Al,Fe-Co,Fe-Cr,Fe-Si-AlなどのFe基合金粉末、或は希土類金属粉末、フェライト粉末などが利用できる。特に、Fe基合金粉末は、飽和磁束密度が高い圧粉成形体を得易い。このような粉末は、アトマイズ法(ガス又は水)や、機械的粉砕法などにより製造することができる。また、結晶がナノサイズであるナノ結晶材料からなる粉末、好ましくは異方性ナノ結晶材料からなる粉末を用いると、高異方性で低保磁力の圧粉成形体が得られる。軟磁性粉末に形成される絶縁被膜は、例えば、燐酸化合物、珪素化合物、ジルコニウム化合物、アルミニウム化合物、又は硼素化合物などが挙げられる。結合剤は、例えば、熱可塑性樹脂、非熱可塑性樹脂、又は高級脂肪酸が挙げられる。この結合剤は、上記焼成により消失したり、シリカなどの絶縁物に変化したりする。圧粉成形体は、絶縁被膜などの絶縁物が存在することで、軟磁性粉末同士が絶縁されて、渦電流損失を低減でき、コイルに高周波の電力が通電される場合であっても、上記損失を少なくすることができる。圧粉成形体は、公知のもの、例えば、上記軟磁性材料からなる粒子の表面に、順に、上記絶縁被膜と、耐熱性膜と、可撓性膜とを具える多層構造の被膜を具えるもの(特開2006-202956号公報に記載の軟磁性材料)を利用してもよい。上記耐熱性膜は、有機シリコン化合物を含み、シロキサン架橋密度が0超1.5以下の材料からなるもの、上記可撓性膜は、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、及びアミド樹脂から選択される少なくとも一種の樹脂からなるものが挙げられる。
ここでは、内側コア部3iは、上記多層構造の被膜を具える軟磁性材料からなる圧粉成形体から構成されており、飽和磁束密度B1:1.6T以上(1.6T≦B1)、連結コア部3oの飽和磁束密度B2の1.2倍以上(1.2×B2≦B1、即ち1<1.2≦(B1/B2)を満たす)であり、比透磁率は、100〜500である。ここでは、B1=1.8T、B2=1T、(B1/B2)=1.8、比透磁率μ1:250である。
図1に示す例では、内側コア部3iにおけるコイル2αの軸方向の長さ(以下、単に長さと呼ぶ)がコイル2αの長さよりも長く、内側コア部3iの両端面及びその近傍がコイル2αの端面から突出している。但し、この例では、内側コア部3iの各端面におけるコイル2αの各端面からの突出長さが異なっており、図1に示すように、後述するケース5の底面50側に配置される端面の方が突出長さが長い。突出長さは適宜選択することができる。内側コア部3iの長さは、コイル2αの長さに等しくてもよいし(即ち、コイルの両端面と内側コア部の両端面とが面一となった形態)、若干短くてもよい。内側コア部3iの長さがコイル2αの長さと同等以上であることで、コイル2αがつくる磁束を内側コア部3iに十分に通過させることができる。また、図1に示す例では、内部に冷媒が循環される冷却ベースといった設置対象にリアクトル1αを設置したとき、内側コア部3iの一つの端面が設置側となるように、即ち、コイル2αの軸が設置対象の表面(或いはケース5の底面)に対して直交するように、当該端面をケース5の底面50に接触させて内側コア部3iを配置している。こうすることで、内側コア部3iをケース5内に安定して配置できるため、連結コア部3oを形成し易い。
《連結コア部》
連結コア部3oは、その全体が磁性材料と樹脂との混合物(成形硬化体)により形成されている。ここでは、連結コア部3oは、コイル2αの端面及び外周面の実質的に全て、内側コア部3iにおいてケース5に接しない一方の端面(図1(B)において上方側の端面)及び内側コア部3iの外周面のうち、ケース5に接する他方の端面(図1(B)において下方側の端面)の近傍領域を覆うように形成されている。このような連結コア部3oと内側コア部3iとにより、磁性コア3αは、閉磁路を形成する。そして、連結コア部3oと上記内側コア部3iとは接着剤を介在することなく、連結コア部3oの構成樹脂により接合されている。従って、磁性コア3αは、その全体に亘って接着剤が少なく、或いは実質的に無く、かつギャップ材を介することなく一体化された一体化物である。
連結コア部3oは、ケース5を成形型として形成され、ケース5の内面形状に沿った外形を有する。図1に示す例では、後述するようにケース5内にガイド突起部52などを具えることで、連結コア部3oの外形は凹凸形状である。具体的には、磁性コア3αにおいてコイル2αが存在する箇所をコイル2αの軸方向に沿って切断した場合、連結コア部3oは、図1(B)に示すように]状である。また、磁性コア3αにおいてコイル2αが存在する箇所をコイル2αの軸方向に直交方向に切断した場合、連結コア部3oは、図2に示すように、コイル2αの外周面の一部を覆う箇所が厚く、他部を覆う箇所が薄くなった枠状である。閉磁路が形成できれば、連結コア部の形状は特に問わない。例えば、コイル2αの外周全体を均一的な厚さで覆う形態(ここでは、連結コア部の外形は、代表的には円筒状となる)としてもよいし、コイル2αの外周の少なくとも一部が連結コア部により覆われず露出された形態を許容する。例えば、連結コア部は、図2に示す連結コア部において厚さが薄い箇所が存在しない形態とすることができる。その他、連結コア部は、U字状コアとI字状コアとを組み合せたU-I形態や、E字状コアを組み合わせたE-E形態が挙げられる。所望の形状となるように連結コア部を形成するとよい。
連結コア部3oを構成する成形硬化体は、代表的には、射出成形、注型成形により形成することができる。
射出成形は、通常、磁性材料からなる粉末(必要に応じて更に非磁性粉末を加えた混合粉末)と流動性のある樹脂とを混合し、この混合流体を、所定の圧力をかけて成形型(ここではケース5)に流し込んで成形した後、上記樹脂を硬化させる。注型成形は、射出成形と同様の混合流体を得た後、この混合流体を、圧力をかけることなく成形型に注入して成形・硬化させる。
いずれの成形手法も、磁性材料には、上述した内側コア部3iに利用する軟磁性粉末と同様のものを利用することができる。特に、連結コア部3oに利用する軟磁性粉末は、平均粒径が10μm以上500μm以下の純鉄粉末やFe基合金粉末といった鉄基材料が好適に利用できる。軟磁性材料からなる粒子の表面に燐酸塩などからなる被膜を具える被覆粉末を利用してもよい。
また、上記いずれの成形手法も、バインダとなる樹脂には、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂などの熱硬化性樹脂が好適に利用できる。熱硬化性樹脂を用いた場合、成形体を加熱して樹脂を熱硬化させる。バインダとなる樹脂に常温硬化性樹脂、或いは低温硬化性樹脂を用いてもよく、この場合、成形体を常温〜比較的低温に放置して樹脂を硬化させる。成形硬化体は、非磁性材料である樹脂が比較的多く残存するため、内側コア部3iを構成する圧粉成形体と同じ軟磁性粉末を用いたとしても、圧粉成形体よりも飽和磁束密度が低く、かつ比透磁率も低いコアを形成し易い。
連結コア部3oの構成材料として、上記磁性材料の粉末及び上記バインダとなる樹脂に加えて、アルミナやシリカといったセラミックスからなるフィラーを混合させてもよい。上述の鉄基材料といった磁性材料の粉末とバインダ樹脂との混合物を硬化中、当該粉末の自重により沈澱して、連結コア部中の磁性材料の密度が不均一になる恐れがある。上記フィラーを混入することで磁性材料の粉末の沈澱を抑制して、磁性材料の粉末を連結コア中に均一的に分散させ易くなる。また、上記フィラーがセラミックスから構成される場合、例えば、放熱性を高められる。上記フィラーを含有する場合、磁性粉末とフィラーとの合計含有量は、連結コア部を100体積%とするとき、20体積%〜70体積%が挙げられる。
上記射出成形や注型成形を利用する場合、磁性材料の粉末とバインダとなる樹脂との配合、上述したフィラーを含有する場合、磁性材料の粉末、樹脂、フィラーの配合を変えることで、連結コア部の比透磁率、飽和磁束密度を調整することができる。例えば、磁性材料の粉末の配合量を減らすと、比透磁率は小さくなる傾向にある。リアクトル1αが所望のインダクタンスを有するように、連結コア部3oの比透磁率、飽和磁束密度を調整するとよい。
ここでは、連結コア部3oは、平均粒径100μm以下の鉄基材料であって、上記被膜を具える被覆粉末とエポキシ樹脂との成形硬化体から構成されており、比透磁率μ2:5〜30、飽和磁束密度:0.5T以上内側コア部の飽和磁束密度未満である。ここでは、B2=1T、比透磁率:10としている。
《電磁気的特性:(S1×B1)/(S2×B2)》
上述のようにリアクトル1αは、内側コア部3i及び連結コア部3oの飽和磁束密度及び比透磁率がそれぞれ異なる。また、リアクトル1αは、コイル2αが存在する箇所をコイル2αの軸方向に直交するように切断したとき(ここでは、図1(A)に示すII-II線で切断したとき)、内側コア部3iの断面積(図2では円形状の面積)をS1、内側コア部3iの上記断面における飽和磁束密度をB1、連結コア部3oの断面積(図2ではコイル2αを囲む部分の面積)をS2、連結コア部3oの上記断面における飽和磁束密度をB2とするとき、両コア部3o,3iの(S1×B1)/(S2×B2)が、0.17×(B1/B2)+0.42≦(S1×B1)/(S2×B2)≦0.50×(B1/B2)+0.62を満たすように、各コア部3i,3oの材質の調整、両コア部3i,3oの断面積S1,S2の設定を行い、磁性コア3αが構成されている。ここでは、S1=740mm2、S2=1270mm2、(S1×B1)/(S2×B2)=1.05(0.17×1.8+0.42=0.726≦1.05≦0.50×1.8+0.62=1.52)としている。
[ケース5]
リアクトル1αでは、コイル2αと磁性コア3αとの組合体がケース5に収納され、上記組合体においてコイル2αと内側コア部3iとは、連結コア部3oを構成する樹脂により、ケース5に封止される。即ち、連結コア部3oの構成樹脂は、コイル2αと内側コア部3iとの封止材としても機能する。このケース5は、リアクトル1αを設置対象(図示せず)に配置したときに当該リアクトル1αの設置側となる面(図1(B)において下方側の面)が平面で構成され、この設置側面に対して、コイル2αの軸方向が直交するように、コイル2αを収納する。ケースに対するコイルの配置の向きは、適宜選択することができる。
ここでは、ケース5は、アルミニウムといった金属製としている。その他、ケース5の形状、大きさは、適宜選択することができる。例えば、上記組合体に沿った円筒状のケースとしてもよい。ここでは、ケース5は、矩形状の底面50と、この底面50から立設される側壁51とを具え、一方が開口した箱体である。この例に示すケース5は、側壁51の内周面にコイル2αの回転を抑制すると共に、コイル2αの挿入時にガイドとして機能するガイド突起部52と、ケース5の内周面の一角に突出して巻線2wの端部の位置決めに利用される位置決め部53と、ケース5の内周面において底面50から突出してコイル2αを支持し、ケース5に対するコイル2αの高さを位置決めするコイル支持部(図示せず)とを具える。ガイド突起部52、位置決め部53、コイル支持部を具えるケース5を利用することで、ケース5内の所望の位置にコイル2αを精度良く配置でき、引いては、コイル2αに対する内側コア部3iの位置も精度良く決められる。ガイド突起部52などを省略してもよいし、別部材を用意して、これら別部材をケースに収納して、位置決めなどに利用してもよい。ケースに収納する上記別部材を連結コア部3oの構成材料と同様の材料からなる成形硬化体とすると、連結コア部3oの形成時に容易に一体化できる上に、当該別部材を磁路に利用することができる。また、この例に示すケース5は、リアクトル1αを設置対象(図示せず)にボルトにより固定するためのボルト孔54hを有する取付部54を具える。取付部54を有することで、ボルトによりリアクトル1αを設置対象に容易に固定することができる。
[その他の構成要素]
《絶縁物》
コイル2αと磁性コア3αとの間の絶縁性をより高めるために、コイル2αにおいて磁性コア3αに接触する箇所には、絶縁物を介在させることができる。例えば、コイル2αの内・外周面、ターン形成部分から引き伸ばされた巻線2wにおいて連結コア部3oと接触する箇所に絶縁性テープを貼り付けたり、絶縁紙や絶縁シートを配置したりすることが挙げられる。また、内側コア部3iの外周に絶縁性材料からなるボビン(図示せず)を配置してもよい。ボビンは、内側コア部3iの外周を覆う筒状体が挙げられる。また、筒状体の両端から周方向に延びる環状のフランジ部を具えるボビンを利用すると、コイル2αの端面と連結コア部3oとの間の絶縁性を高められる。ボビンの構成材料には、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、液晶ポリマー(LCP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂などの絶縁性樹脂が好適に利用できる。
[用途]
上記構成を具えるリアクトル1αは、通電条件が、例えば、最大電流(直流):100A〜1000A程度、平均電圧:100V〜1000V程度、使用周波数:5kHz〜100kHz程度である用途、代表的には電気自動車やハイブリッド自動車などの車載用電力変換装置の構成部品、即ち自動車の回路部品に好適に利用することができる。この用途では、直流通電が0Aのときのインダクタンスが10μH以上2mH以下、最大電流通電時のインダクタンスが0Aのときのインダクタンスの10%以上、更に30%以上を満たすように、リアクトル1αのインダクタンスを調整すると好適に利用できると期待される。
[リアクトルの大きさ]
上記構成を具えるリアクトル1αの大きさは、所望のインダクタンスを満たすと共に、0.17×(B1/B2)+0.42≦(S1×B1)/(S2×B2)≦0.50×(B1/B2)+0.62を満たす範囲で、適宜選択することができる。ここでは、コイル2αと磁性コア3αとの組合体(但し、コイル2αを構成する巻線2wの端部を除く)を内包可能な最小の直方体をとり、当該直方体の外寸を短い順にそれぞれL1,L2,L3とし(図1,2ではL1〜L3を例示している)、3×L1/(L1+L2+L3)を扁平度とするとき、扁平度が0.5以上を満たす(ここでは0.9)。また、ここでは、ケース5(取付部54を除く)の扁平度が0.5以上を満たすようにしている。更に、この例では、ケース5を含めたリアクトル1αの容量を0.2リットル(200cm3)〜0.8リットル(800cm3)程度としている(ここでは280cm3)。リアクトル1αが上記大きさを満たすことで、小型であり、車載部品に好適に利用することができる。
[リアクトルの製造方法]
リアクトル1αは、以下のようにして製造することができる。まず、コイル2α、及び圧粉成形体からなる内側コア部3iを用意し、図3に示すようにコイル2α内に内側コア部3iを挿入して、コイル2αと内側コア部3iとの組物を作製する。上述のようにコイル2αと内側コア部3iとの間などに適宜絶縁物を配置させてもよい。
次に、上記組物をケース5内に収納する。上述したガイド突起部52などを利用して、当該組物をケース5内の所定の位置に精度良く配置することができる。このケース5内に、連結コア部3o(図1)を構成する磁性材料と樹脂との混合流体を適宜流し込んで、所定の形状の連結コア部3oに成形した後、当該樹脂を硬化させることで、リアクトル1α(図1)が得られる。
[効果]
リアクトル1αは、内側コア部3iの飽和磁束密度が連結コア部3oよりも高いことで、全体の飽和磁束密度が均一的な磁性コアと同じ磁束を得る場合、内側コア部3iの断面積(磁束が通過する面)を小さくすることができる。かつ、リアクトル1αは、0.17×(B1/B2)+0.42≦(S1×B1)/(S2×B2)≦0.50×(B1/B2)+0.62を満たす、即ち、両コア部3i,3oの飽和磁束(S1×B1),(S2×B2)が、リアクトル1αの体積が小さくなるように調整されている。内側コア部3iの小型化及び両コア部3i,3oの飽和磁束の比が特定の関係を満たすことにより磁性コア3αを小型にでき、引いてはリアクトル1αを小型にできる。また、リアクトル1αは、コイル2αが配置される内側コア部3iの飽和磁束密度が高いと共に、コイル2αの外周の少なくとも一部を覆う連結コア部3oの比透磁率が低いことで、ギャップ材を省略することができ、この点からも小型である。特に、リアクトル1αは、内側コア部3iの飽和磁束密度の絶対値が特定の範囲であると共に、B1/B2が特定の範囲であることから、連結コア部3oの体積が過大になることがなく、この点からも小型である。更に、リアクトル1αは、磁性コア3αの全体に亘って、ギャップ材が一切存在しないことで、ギャップ箇所での漏れ磁束がコイル2αに影響を及ぼすことが無いため、内側コア部3iの外周面とコイル2αの内周面とを近付けて配置できる。従って、内側コア部3iの外周面とコイル2αの内周面との間の隙間を小さくでき、このことからも、リアクトル1αは小型である。特に、リアクトル1αでは、内側コア部3iを圧粉成形体とし、この内側コア部3iの外形を、円筒状のコイル2αの内周面の形状に沿った円柱形状としたことで、上記隙間を更に小さくできる。加えて、リアクトル1αは、コイル2αを一つのみ具える形態であることからも、小型である。
また、リアクトル1αは、内側コア部3iと連結コア部3oとの接合に接着剤を一切用いない接着剤レス構造であり、かつギャップレス構造である。従って、内側コア部3iの形成にあたり、ギャップ材の接合工程や内側コア部3iと連結コア部3oとの接合工程が不要であることから、生産性に優れる。特に、リアクトル1αでは、ケース5が連結コア部3oの成形型となることから、連結コア部3oの形成と同時に、連結コア部3oの構成樹脂により内側コア部3iと連結コア部3oとを接合して磁性コア3αを形成し、その結果リアクトル1αを製造できるため製造工程が少なく、この点からも生産性に優れる。また、リアクトル1αでは、内側コア部3iを圧粉成形体とすることで、飽和磁束密度の調整を簡単に行える上に、複雑な三次元形状であっても容易に形成でき、この点からも生産性に優れる。更に、リアクトル1αでは、連結コア部3oを磁性材料と樹脂との混合物とすることで、比透磁率の調整を簡単に行える上に、複雑な形状であっても容易に形成でき、この点からも生産性に優れる。
その他、リアクトル1αではケース5を具えることで、上記コイル2αと磁性コア3αとの組合体を粉塵や腐食といった外部環境から保護したり、機械的に保護したりすることができる。また、連結コア部3oが樹脂成分を具えることで、ケース5が開口していても、コイル2αや内側コア部3iに対する外部環境からの保護や機械的保護を図ることができる。更に、リアクトル1αでは、コイル2αの全体が連結コア部3oやケース5により覆われる形態とすることで、連結コア部3oの形成が容易である上に、コイル2の保護を十分に図ることができる。加えて、ケース5を金属製にすることで、放熱経路に利用することができ、リアクトル1αは、放熱性にも優れる。特に、コイル2αが配置された内側コア部3iがケース5に接していることで、コイル2αの熱を効果的に放出できる。
(実施形態2)
主として、図4,5を参照して実施形態2のリアクトル1βを説明する。リアクトル1βは、基本的構成は、実施形態1のリアクトル1αと同様である。具体的には、リアクトル1βは、一つのコイル2αと、内側コア部3i及び連結コア部3oにより閉磁路を形成する磁性コア3βと、コイル2α及び磁性コア3βを収納するケース5とを具え、内側コア部3iと連結コア部3oとがそれぞれ異なる磁気特性を有する。そして、リアクトル1βは、コイル2αの表面を覆う内側樹脂部40を具える点が、実施形態1のリアクトル1αと異なる。以下、この相違点及びこの相違点に基づく効果を中心に説明し、実施形態1と共通する構成及び効果は、詳細な説明を省略する。
リアクトル1βは、コイル2αと内側コア部3iとが内側樹脂部40の構成樹脂により一体化されたコイル成形体4βを具える。
《コイル成形体》
コイル成形体4βは、巻線2wをエッジワイズ巻きしたコイル2αと、コイル2α内に挿通された内側コア部3iと、コイル2αの表面を覆ってその形状を保持すると共に、コイル2αと内側コア部3iとを一体に保持する内側樹脂部40とを具える。
内側樹脂部40は、コイル2αと磁性コア3βとの間の絶縁性を高める機能を有する。そのため、内側樹脂部40は、図5に示すように巻線2wの両端部を除いて、コイル2αの両端面及び内外周面の全体を覆う。内側樹脂部40の厚さは、所望の絶縁特性を満たすように適宜選択することができ、例えば、1mm〜10mm程度が挙げられる。ここでは、内側樹脂部40の厚さを実質的に均一にしている。更に、内側樹脂部40は、コイル2αを自由長よりも圧縮した状態に保持する機能を有する。
上記内側樹脂部40の構成樹脂は、コイル成形体4βを具えるリアクトル1βを使用した際に、コイルや磁性コアの最高到達温度に対して軟化しない程度の耐熱性を有し、トランスファー成形や射出成形が可能な絶縁性材料が好適に利用できる。例えば、エポキシなどの熱硬化性樹脂や、PPS樹脂、LCPなどの熱可塑性樹脂が好適に利用できる。ここでは、エポキシ樹脂を利用している。また、内側樹脂部40の構成樹脂として、窒化珪素、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ほう素、及び炭化珪素から選択される少なくとも1種のセラミックスからなるフィラーを混合したものを利用すると、コイルの熱を放出し易く、放熱性に優れるリアクトルが得られる。
《コイル成形体の製造方法》
上記コイル成形体4βは、以下のような成形金型(図示せず)を利用して製造することができる。成形金型は、開閉可能な一対の第一金型及び第二金型から構成されるものが利用できる。第一金型は、コイル2αの一端側(図5において巻線2wの端部を引き出している上方側)に位置する端板を具え、第二金型は、コイルの他端側に位置する端板と、コイル2αの周囲を覆う側壁とを具える。これら第一金型、第二金型は、駆動機構により金型内部において進退可能な複数の棒状体を具え、これらの棒状体により、コイル2αの端面(ターンが環状に見える面)を適宜押圧してコイル2αを圧縮したり、成形金型内においてコイル2αを所定の位置に保持する。上記棒状体は、コイル2αの圧縮に対する十分な強度と、内側樹脂部40の成形時の熱などに対する耐熱性とを具えており、かつコイル2αにおいて内側樹脂部40で被覆されない箇所(図5では図示せず)を少なくするために、極力細くすることが好ましい。
上記成形金型内にコイル2αを配置する。具体的には、コイル2αの内周面と内側コア部3iの外周面との間に所定の隙間が設けられるように、コイル2αと内側コア部3iとを同軸状に配置すると共に、成形金型の内周面とコイル2αの外周面との間に所定の隙間が設けられるように、コイル2αを成形金型に配置する。内側コア部3iは、上記成形金型の端板に位置決めすることで、成形金型内に位置決めすることができる。成形金型にコイル2αを配置した段階では、コイル2αは未だ圧縮されていない。
次に、成形金型を閉じて、上記棒状体を成形金型内に進出してコイル2αを圧縮する。この圧縮により、コイル2αを構成する隣接するターン間の隙間が低減された状態となる。この圧縮は、適宜な保持部材によりコイルを保持しながら行うことができる。コイル2αを所定の形状に保持可能な部材を別途取り付けておき、予め圧縮された状態のコイル2αを金型に収納してもよい。そして、金型に収納した後、例えば、上記棒状体でコイル2αを押圧すると共に上記部材を除去したり、或いは、上記部材の一部を金型の凹溝に嵌め込むことで、或いはボルトなどを利用して固定することで、コイル2αを押圧した状態に保持したりすることで、金型内における所定の位置にコイル2αを安定して保持することができる。上記別途取り付ける部材は、取り外しが可能な構成とすると、再利用できて好ましい。
その後、樹脂注入口から成形金型内に樹脂を注入して固化した後、棒状体などを後退させてから成形金型を開いて、コイル成形体4βを取り出す。このコイル成形体4βは、内側樹脂部40により、コイル2αが圧縮された所定の形状に保持されると共に、内側コア部3iが一体化されている。なお、棒状体で押圧されていた箇所に形成された複数の小穴も、コイル2αと連結コア部3oとの絶縁性を高めるために、絶縁性樹脂を充填したり、絶縁テープを貼り付けるなどして埋めることが好ましい。上述したコイル成形体4βの基本的な製造方法は、後述する実施形態や参考例のコイル成形体についても適用することができる。
[リアクトルの製造方法]
上記コイル成形体4βを具えるリアクトル1βは、まず、上述のようにしてコイル成形体4βを作製して成形型(ここではケース5)に収納し、この成形型内に連結コア部3oを構成する磁性材料と樹脂との混合流体を流し込んで、成形・硬化することで製造することができる。上述したコイル成形体4βを具えるリアクトル1βの製造方法は、後述する実施形態や参考例のコイル成形体を具えるリアクトルについても適用することができる。
[効果]
リアクトル1βは、コイル2αと内側コア部3iとが内側樹脂部40により一体化されることでコイル2αの内周面と内側コア部3iの外周面との間の隙間に実質的に内側樹脂部40の構成樹脂のみが存在することから、小型である。また、上記隙間に内側樹脂部40の構成樹脂が存在することで、コイル2αと内側コア部3iとの間をより確実に絶縁することができる。
かつ、リアクトル1βは、実施形態1のリアクトル1αと同様に、内側コア部3iと連結コア部3oとの接合に接着剤を用いていない上に、連結コア部3oの形成と同時に磁性コア3βの形成、引いてはリアクトル1βの形成を行える。また、リアクトル1βは、コイル2αの形状が保持されたコイル成形体4βを利用することで、リアクトル1βの製造時にコイル2αを取り扱い易い。更に、このコイル成形体4βは、内側コア部3iをも一体に具えることで、内側コア部3iをコイル2αに挿入する必要が無く、工程数を低減できる。その上、コイル2αと内側コア部3iとを一体物として取り扱えることから、両者が別部材である場合と比較して、連結コア部3oを形成するための成形型(ここではケース5)への収納作業などが行い易い。これらの点から、コイル成形体4βを具えるリアクトル1βは、生産性に優れる。
加えて、コイル成形体4βは、コイル2αを圧縮状態に保持することから、コイル2αの軸方向の長さを短くすることができ、この点からもリアクトル1βを小型にできる。
(実施形態3)
上記実施形態2では、コイル成形体4βとして、コイル2αと内側コア部3iとが内側樹脂部40により一体化された構成を説明した。その他、コイル成形体として、内側コア部が内側樹脂部によりコイルと一体化されていない形態、即ち、コイル成形体がコイルと内側樹脂部とにより構成された形態とすることができる。このコイル成形体は、コイルの内周を覆う内側樹脂部の構成樹脂により形成される中空孔を有する構成とする。中空孔には内側コア部が挿通配置される。内側コア部がコイルの内周の適切な位置に配置されるように内側樹脂部の構成樹脂の厚さを調整すると共に、中空孔の形状を内側コア部の外形に合わせることで、コイルの内周に存在する内側樹脂部の構成樹脂を内側コア部の位置決め部として機能させることができる。
このようなコイル成形体は、上記実施形態2で説明したコイル成形体4βの製造工程において、内側コア部の配置に代わり、所定の形状の中子を配置することで製造することができる。また、このようなコイル成形体を具えるリアクトルは、得られたコイル成形体の中空孔に内側コア部を挿通配置し、このコイル成形体と内側コイル部との組物を成形型(ケース5)に収納して、連結コア部を形成することで製造することができる。この形態は、後述する参考例にも適用することができる。
(実施形態4)
上記実施形態1〜3は、連結コア部3oの構成樹脂によりコイル2αと内側コア部3iとが封止される構成を説明した。その他、ケース5内に、コイル2αと磁性コア3α(3β)との組合体を封止するポッティング樹脂を具える形態が挙げられる。具体的には、実施形態1,2と同様にしてコイル2αと磁性コア3αとの組合体やコイル成形体4βと磁性コア3βとの組合体を用意する。このとき、連結コア部3oは、適宜な成形型を利用して形成するとよい。そして、得られた組合体をケース内に収納し、別途用意したポッティング樹脂を充填した形態とすることができる。この形態では、上記組合体とケース5との間に適宜な隙間が設けられるように当該組合体の大きさやケースの大きさを設定し、上記隙間にポッティング樹脂が充填されるようにする。ポッティング樹脂には、例えば、後述する外側樹脂部と同様の樹脂を利用することができる。ポッティング樹脂を充填する場合、コイルを構成する巻線の両端部は、ポッティング樹脂から露出させて端子部材の取り付けができるようにする。ポッティング樹脂を具えることで、コイルや連結コア部を含む磁性コア全体を外部環境からより効果的に保護できる。この形態は、後述する参考例にも適用することができる。
(実施形態5)
上記実施形態では、内側コア部3iが圧粉成形体からなるものを説明した。その他、内側コア部として、珪素鋼板に代表される電磁鋼板を積層させた積層体からなるものを利用することができる。電磁鋼板は、圧粉成形体と比較して、飽和磁束密度が高い磁性コアを得易い。この形態は、後述する参考例にも適用することができる。なお、比透磁率が1000以下の電磁鋼板は、例えば、不純物濃度を高めたり、配向性を低めたりすることで得られる。また、電磁鋼板では、比透磁率が1000を超えるものが容易に入手できることから、内側コア部に電磁鋼板を具えるリアクトルとして、比透磁率が1000を超える形態とすることができる。
[試験例]
リアクトルに具える磁性コアとして、磁気特性が部分的に異なるものを対象として、当該磁気特性が異なる各部位の飽和磁束と、リアクトルの体積との関係をシミュレーションにより求めた。
ここでは、図6に示す3つの形態のリアクトルを調べた。図6では、ケースを省略し、コイル2と、内側コア部3i及び連結コア部3oを具える磁性コア3との組合体のみを示す。図6(A)に示すパタン1の組合体は、内側コア部3iの両端面とコイル2の両端面とが実質的に面一である形態、図6(B)に示すパタン2の組合体は、コイル2の両端面から内側コア部3iの両端面が突出して連結コア部3oの外表面に面一になっている形態、図6(C)に示すパタン3の組合体は、コイル2の一方の端面から内側コア部3iの一方の端面が突出して連結コア部3oの外表面に面一になっており、コイル2の他方の端面と内側コア部3iの他方の端面とが実質的に面一になっている形態を示す。そして、各組合体においてコイル2が存在する箇所をコイル2の軸方向に直交するように切断したとき(ここでは、D-D線で切断したとき)、連結コア部3oの外形が長方形状であって、円形状のコイル2が長方形の二つの長辺に接する形状を想定した。即ち、コイル2の外周面の一部が連結コア3oに覆われない箇所(図6(D)では連結コア部3oの外形を構成する長辺とコイル2の外形線との接点)を有する。ここで、連結コア部3oの外形は、断面積を一定として種々変更することができる。従って、図6(D)に示す断面形状は、実施形態1で説明した図2に示す断面形状と等価と見なすことができる。
上記3つの組合体について、以下の試験条件を共通に適用した。
(1) 比透磁率は、内側コア部:μ1=250、連結コア部:μ2=10に固定
(2) 飽和磁束密度は、内側コア部の飽和磁束密度と連結コア部の飽和磁束密度との平均が1.4Tになるように設定
(3) 飽和磁束密度の比:B1/B2は、1〜2.5の範囲から選択
(4) 磁束比:(S1×B1)/(S2×B2)は、0.5〜1.8の範囲から選択
(5) B1/B2及び(S1×B1)/(S2×B2)をそれぞれ設定したとき、
通電電流:150Aのとき、インダクタンスLが200μH以上、
通電電流:300Aのとき、インダクタンスLが100μH以上、
電気抵抗(直流)Rdcが20mΩ以下
を満たす磁性コアであって、当該磁性コアの体積が最も小さくなる形状(代表的には立方体に近い形状)を選択
(6) 磁性コアの基本的な形状は、上記図6に示す3つの形態をそれぞれ採用
※ 図6(C)に示すパタン3の組合体は、実施形態1のリアクトル1αに等価
(7) コイルで発生した磁束は全て、内側コア部及び連結コア部を通り、漏れ磁束が無いものとする
※ この条件は、図6に示す各組合体が非磁性かつ導電性材料からなるケースに収納された状態に相当
シミュレーションでは、内側コア部:B1=1.8、μ1=250,及び連結コア部:B2=1.0、μ2=10として初磁化曲線(BHカーブ)を求め、この測定データから各コア部の磁界と磁束密度との関係を表わす近似式を求め、この近似式により求められる値を利用した。B1/B2の範囲は、汎用されている磁性材料を使用して磁性コアを作製した場合に取り得る値を考慮して設定し、(S1×B1)/(S2×B2)の範囲は、磁性コアがその全体に亘って飽和磁束が等しい形態、即ち(S1×B1)/(S2×B2)=1を中心値として設定した。
この試験では、上述のように(B1/B2)=1〜2.5の各値に対してそれぞれ、(S1×B1)/(S2×B2)=0.5〜1.8の各値での磁性コアの体積(絶対値)を算出する。ここで、コイルを構成する巻線の断面形状、及びコイルのターン数:Nを決定すれば、コイルの大きさ及びインダクタンス:Lを決定することができる。そこで、ここでは、コイルのターン数:N、巻線の断面形状、内側コア部や連結コア部の断面積S1,S2などを変数とし、上記(5)のインダクタンス及び電気抵抗を満たす当該変数の組み合わせのうち、最も体積が小さくなる組み合わせの変数を利用して、上記磁性コアの体積(絶対値)を算出している。より具体的には、μ0を真空の透磁率、コイルに流れる電流をI、内側コア部の平均磁路長をlc1、磁場をH1、連結コア部の平均磁路長をlc2、磁場をH2としたとき、電流Iは、I=(H1×lc1+H2×lc2)/N、インダクタンスLは、L=N2×{[lc1/(μ1×μ0×S1)]+[lc2/(μ2×μ0×S2)]}と表わされる。このLが一定の値となるときのN,lc1,lc2,S1,S2の組み合わせのうち、最も体積が小さくなる組み合わせを利用する。そして、(B1/B2)の値ごとに求めた(S1×B1)/(S2×B2)=0.5〜1.8の体積のうち、最小値をその(B1/B2)における基準体積(=1)とし、各体積を基準体積で除した値を相対体積とした。パタン1〜3の相対体積を表1〜3に、(S1×B1)/(S2×B2)とこの相対体積との関係を図7(I)〜図9(I)に示す。
Figure 0005413680
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図7(I)〜図9(I)、及び表1〜表3に示すようにいずれのパタンにおいても、B1/B2の値が大きくなるほど、即ち、内側コア部の飽和磁束密度B1と連結コア部の飽和磁束密度B2との差が大きくなるほど、磁束比(S1×B1)/(S2×B2)の値を大きくした方が相対体積が小さくなる、即ち、磁性コアを小さくできることが分かる。また、1<B1/B2の範囲において、(S1×B1)/(S2×B2)の値が1である場合に、必ずしも体積が小さくなるわけではないことが分かる。
ここで、ある体積のリアクトルが要望された場合(例えば、300cm3以下)、実用上の許容範囲として、その体積の1.2倍までが好ましいと考えられる。そこで、相対体積が1.2以下の範囲について、(B1/B2)と、(S1×B1)/(S2×B2)との関係を調べた。ここでは、相対体積が1.2以下の範囲において、(B1/B2)の値ごとに取り得る(S1×B1)/(S2×B2)の最小値、最大値を調べた。その結果を表4〜表6及び図7(II)〜図9(II)に示す。
Figure 0005413680
Figure 0005413680
Figure 0005413680
図7(II)〜図9(II)に示すように、(S1×B1)/(S2×B2)の最小値、及び最大値はいずれも、(B1/B2)についての1次関数に近似できると言える。そこで、(B1/B2)をx、(S1×B1)/(S2×B2)をyとし、1次関数(y=ax+b)として上記最小値の近似式、最大値の近似式を求めた。その結果、パタン1では、最小値の近似式:y=0.17x+0.42、最大値の近似式:y=0.50x+0.62、パタン2では、最小値の近似式:y=0.17x+0.56、最大値の近似式:y=0.49x+0.87、パタン3では、最小値の近似式:y=0.16x+0.51、最大値の近似式:y=0.50x+0.71であった。各パタンの最小値の近似式、各パタンの最大値の近似式はそれぞれ、概ね平行していることが分かる。そして、各パタンの最小値及び最大値の近似式のうち、最下限となるパタン1の近似式:y=0.17x+0.42、最上限となるパタン2の近似式:y=0.49x+0.87を組み合せた範囲、即ち0.17x+0.42≦y≦0.49x+0.87を満たすようにy=(S1×B1)/(S2×B2)を選択することで、磁性コアを小型にできることが分かる。また、例えば、0.17x+0.42≦y≦0.50x+0.62を満たすようにy=(S1×B1)/(S2×B2)を選択することで、相対体積が1.2以下を満たす磁性コアが得られることが分かる。更に、これらの近似式から、リアクトル全体のインダクタンスを一定として、内側コア部の比透磁率μ1や連結コア部の比透磁率μ2を適宜変更することで、パタン2,3の近似式をパタン1の近似式に実質的に等しくできると期待される。また、パタン1〜3の近似式を組み合せた最小範囲、0.17x+0.56≦y≦0.50x+0.62を満たすようにy=(S1×B1)/(S2×B2)を選択することができる。
上述のように、1<(B1/B2)、特に、1.2≦(B1/B2)≦2.5、1.6T≦B1≦2.4T、50≦μ1≦1000、5≦μ2≦50、μ1>μ2及び0.17×(B1/B2)+0.42≦(S1×B1)/(S2×B2)≦0.50×(B1/B2)+0.62を満たすことで、(S1×B1)/(S2×B2)が上記範囲を満たさないリアクトルと比較して、小型なリアクトルとすることができることが分かる。
(参考例1)
主として、図10,図11を参照して、参考例1のリアクトル1γを説明する。リアクトル1γの基本的構成は、実施形態1のリアクトル1αと同様であり、コイル2γと、内側コア部3i及び連結コア部3oにより閉磁路を形成する磁性コア3γとを具え、内側コア部3iと連結コア部3oとがそれぞれ異なる磁気特性を有する。特に、リアクトル1γは、コイル2γとして、一対のコイル素子2a,2bを有する点、ケースを具えていない点、リアクトル1γの設置側となる面に対するコイル2γの配置の向きが実施形態1のリアクトル1αと異なる。以下、これらの相違点及びこの相違点に基づく効果を中心に説明し、実施形態1と共通する構成及び効果は、詳細な説明を省略する。
[コイル2γ]
コイル2γは、1本の連続する巻線2w(後述する図12参照)を螺旋状に巻回してなる一対のコイル素子2a,2bを有する。両コイル素子2a,2bは、各軸方向が平行するように横並びに形成されている。巻線2wは、平角線からなる導体2c(図12)の外周に絶縁被覆2i(図12)を具える実施形態1と同様の被覆平角線(平角線のアスペクト比:10以上)を利用している。両コイル素子2a,2bは、上記被覆平角線をエッジワイズ巻きにして形成されており、巻線2wの一部を折り返してなる巻返し部2r(図12(B)参照)により連結されている。各コイル素子2a,2bは、端面形状が角を丸めた矩形状(トラック形状)である。ここでは、両コイル素子2a,2bの合計巻き数を30〜70としている(図10,図12の巻き数は例示である)。
なお、各コイル素子を別々の巻線により形成し、巻線の端部を溶接などにより接合することで、一体のコイルとすることができる。上記溶接は、例えば、TIG溶接、レーザ溶接、抵抗溶接などが挙げられる。その他、圧着、冷間圧接、振動溶着などにより、巻線の端部同士を接合してもよい。このコイルに関する構成は、後述する参考例についても適用することができる。
そして、リアクトル1γは、設置対象に設置したとき、上記両コイル素子2a,2bが、当該リアクトル1γの設置側となる面に対して両コイル素子2a,2bの軸方向が平行するように配置される形態である。
[磁性コア3γ]
磁性コア3γは、各コイル素子2a,2b内に挿通された内側コア部3ia,3ibと、両内側コア部3ia,3ibを連結して内側コア部3iと共に閉磁路を構成する連結コア部3oとを具える。
各内側コア部3ia,3ibは、各コイル素子2a,2bの内周面の形状に沿った外形を有し、端面形状が角を丸めた矩形状(トラック形状)の直方体である。これら内側コア部3ia,3ibは、その全体が圧粉成形体から構成されており、ギャップ材やエアギャップが介在していない中実体である。参考例1の内側コア部3iも、実施形態1のリアクトル1αと同様の材料の圧粉成形体から構成されており、実施形態1のリアクトル1αと同様の磁気特性を有する。即ち、飽和磁束密度B1:1.6T以上(1.6T≦B1)、かつ連結コア部3oの飽和磁束密度B2の1.2倍以上(1.2×B2≦B1、1<1.2≦(B1/B2))であり、比透磁率:100〜500である。また、図10に示す例では、各内側コア部3ia,3ibにおける各コイル素子2a,2bの軸方向の長さ(以下、単に長さと呼ぶ)が各コイル素子2a,2bの長さよりも長く、各内側コア部3ia,3ibの両端部が各コイル素子2a,2bの端面から突出している。但し、リアクトル1γでは、実施形態1と異なり、各内側コア部3ia,3ibの端面の突出長さが概ね等しい。
連結コア部3oは、図10(A)に示すようにコイル2γと、コイル2γ内に挿通された内側コア部3iとの組物の外周を実質的に全て覆うように形成されている。即ち、連結コア部3oは、コイル2γの外周全体、コイル2γの両端面、内側コア部3iの両端面及びその近傍を覆う。連結コア部3oと上記内側コア部3iとは接着剤を介在することなく、連結コア部3oの構成樹脂により接合されて、磁性コア3γは、その全体に亘ってギャップ材を介することなく一体化された一体化物である。参考例1の連結コア部3oも、実施形態1のリアクトル1αと同様の材料の成形硬化体から構成されており、実施形態1のリアクトル1αと同様の磁気特性を有する。即ち、比透磁率:5〜30、飽和磁束密度:0.5T以上内側コア部の飽和磁束密度未満である。
ここでは、連結コア部3oは、コイル2γの全体を覆う直方体としているが、閉磁路が形成できれば、上述したようにコイル2γの外周の少なくとも一部が連結コア部により覆われず露出されていてもよい。コイルの外周の一部が連結コア部に覆われ、他部が連結コア部から露出された形態として、例えば、E字状コアを組み合わせたE-E形態が挙げられる。その他、一対のコイル素子の外周が実質的に連結コア部に覆われず、露出された形態がある。この形態は、例えば、並列に配置した一対の内側コア部の一端部同士、他端部同士をそれぞれ連結するように連結コア部を設けて、O字状の磁性コアとする。この形態では、内側コア部にコイル素子を配置した状態で連結コア部を形成してもよいし、予めO字状の磁性コアを作製して、飽和磁束密度が高い箇所にコイル素子を形成してもよい。
リアクトル1γは、コイル素子2a,2bの軸方向に直交するように切断したとき(ここでは、図10(A)のXI-XI線で切断したとき)、内側コア部3ia,3ibの断面積S1γa,S1γbはそれぞれ等しい(図11参照)。連結コア部3oの断面積S2γは、内側コア部3ia,3ibの端面を覆う範囲x(図10(B))をコイル素子2a,2bの軸方向に沿って切断したときの断面積(図10(A)においてハッチングを付した領域)が利用される。リアクトル1γも、その体積が小さくなるように、各コア部3i,3oの材質の調整、両コア部3i,3oの断面積S1γ,S2γの設定を行い、磁性コア3γが構成されている。ここでは、(B1γ/B2γ)=1.8である。
[その他の構成要素]
《取付部》
リアクトル1γは、ケースを具えておらず、連結コア部3oにより外形が形成される。特に、リアクトル1γでは、連結コア部3oが樹脂成分を有することから、適宜な形状の成形型を利用することで、三次元形状の外形を容易に作製できる。例えば、リアクトル1γを設置対象に固定するための取付部を連結コア部3oに具える形態とすることができる。具体的には、リアクトル1γを設置対象にボルトといった固定部材で固定する場合、ボルト孔の形成箇所を連結コア部3oに一体に形成した構成とし、当該形成箇所を取付部に利用することができる。より具体的には、例えば、図10(A)に示す直方体状の連結コア部3oの一面から突出し、上記ボルト孔を有するフランジ部(図示せず)を形成し、このフランジ部を取付部に利用することが挙げられる。このような取付部を連結コア部3o自体に一体に具えることで、ステーなどの別部材を別途用意する必要が無く、部品点数を低減することができる。また、取付部は、上記樹脂により、連結コア部を形成する際に同時に形成できるため、取付部の形成工程を別途設ける必要が無く、リアクトルの生産性に優れる。取付部を具えることで、このリアクトルは、磁性コアを設置対象に直接固定することができる。
上記直方体状のリアクトル1γにおいて、当該直方体の外寸を短い順にそれぞれL1,L2,L3とし(図10,図11ではL1〜L3を例示している)、3×L1/(L1+L2+L3)を扁平度とするとき、扁平度が0.5以上を満たし、容量が0.2リットル(200cm3)〜0.8リットル(800cm3)程度と小型である。そのため、リアクトル1γも実施形態1のリアクトル1αと同様に、車載部品に好適に利用することができる。
[リアクトルの製造方法]
リアクトル1γは、以下のようにして製造することができる。まず、コイル2γ、及び圧粉成形体からなる内側コア部3iを用意し、各コイル素子2a,2b内に内側コア部3ia,3ibをそれぞれ挿入する。コイル2γと内側コア部3iとの間に実施形態1で説明したように絶縁物を介在させて、絶縁性を高めてもよい。このコイル2γと内側コア部3iとの組物を成形型(図示せず)に収納し、この成形型内に、連結コア部3oを構成する磁性材料と樹脂との混合流体を適宜流し込んで、所定の形状の連結コア部3oに成形した後、上記樹脂を硬化させることで、リアクトル1γが得られる。
[効果]
参考例1のリアクトル1γは、ケースを具えないことで部品点数が少ない上に、ケースを具える場合よりも小型である。また、リアクトル1γは、複数のコイル素子2a,2bを具えることで、各コイル素子の軸方向の長さを小さくできる傾向にあり、ターン数が多いリアクトルとする場合、小型化を図ることができる。
(参考例2)
主として、図12を参照して、参考例2のリアクトルを説明する。参考例1では、コイルを構成する巻線2wの絶縁被覆2iや別途用意した絶縁物により、コイルと磁性コアとの間の絶縁を確保する構成を説明した。参考例2のリアクトルは、上述した実施形態2と同様にコイル2γの表面を覆う内側樹脂部41を具える点が、参考例1のリアクトル1γと異なる。以下、この相違点及びこの相違点に基づく効果を中心に説明し、参考例1と共通する構成及び効果は、詳細な説明を省略する。
参考例2のリアクトルは、実施形態2のリアクトル1βと同様に、コイル2γと内側コア部3iとが内側樹脂部41の構成樹脂により一体化されたコイル成形体4γを具える。
[コイル成形体]
コイル成形体4γは、コイル2γと、コイル2γ内に挿通された内側コア部3iと、コイル2γの表面を覆ってその形状を保持すると共に、コイル2γと内側コア部3iとを一体に保持する内側樹脂部41とを具える。
《コイル》
コイル2γは、参考例1と同様に、被覆平角線からなる巻線2wをエッジワイズ巻きにして形成され、並列に配置された一対のコイル素子2a,2bと、巻線2wの一部からなり、両コイル素子2a,2bを連結する巻返し部2rとを具える。
《内側コア部》
各コイル素子2a,2bの内周にはそれぞれ、図12(A)に示すように内側コア部3ia,3ibが挿通配置される。そして、各コイル素子2a,2b内に内側コア部3ia,3ibが挿入された状態で、内側コア部3iは、内側樹脂部41の構成樹脂によりコイル2γに一体化されている。この内側コア部3iは、参考例1のリアクトル1γと同様に、角を丸めた直方体状であり、その端面が内側樹脂部41の端面4eから若干突出するように、内側コア部3iの長さ(コイル2γの軸方向の長さ)を調整している。
《内側樹脂部》
内側樹脂部41は、巻線2wの両端部、及び各コイル素子2a,2bの外周の一部(ここでは、各コイル素子2a,2bの角部)が露出されるように、コイル2γの概ね全体を覆う。上記露出箇所のうち、各コイル素子2a,2bの外周の一部に設けられる露出箇所は、内側樹脂部41を成形する際にコイル2γを金型により直接保持した箇所である。上記金型におけるコイル2γの保持箇所は、コイル2γの角部分以外の任意の箇所、例えば、ターンによりつくられる平坦な箇所とすることができ、特に問わない。
コイル2γの一部が内側樹脂部41に覆われず露出されていることで、内側樹脂部41の外形は、凹凸形状になる。コイル2γと連結コア部3oとの絶縁性を高める場合、内側樹脂部41においてコイル2γの一部が露出された凹溝を絶縁物で覆うことが好ましい。例えば、絶縁テープを貼り付けたり、別途絶縁性樹脂を充填したりすることが挙げられる。
内側樹脂部41において両コイル素子2a,2bのターン部分を覆う箇所は、実質的に均一な厚さであり、巻返し部2rを覆う箇所は、部分的に厚く、コイル2γの軸方向にせり出した形状である。内側樹脂部41の厚さは、所望の絶縁特性を満たすように適宜選択することができ、例えば、1mm〜10mm程度が挙げられる。
上記内側樹脂部41は、実施形態2のコイル成形体4βと同様に、両コイル素子2a,2bをそれぞれ自由長よりも圧縮した状態に保持する機能を有する。
上記内側樹脂部41の構成樹脂は、上述した実施形態2のコイル成形体4βと同様の樹脂が利用できる。ここでは、エポキシ樹脂を利用している。
《コイル成形体の製造方法》
上記コイル成形体4γは、上述した実施形態2のコイル成形体4βと同様にして製造することができる。概略を述べると、上述した実施形態2で説明したようにコイル2γの一端側(図12において巻線2wの端部を引き出している側)に位置する端板を具える第一金型と、コイルの他端側(図12において巻返し部2r側)に位置する端板と、コイル2γの周囲を覆う側壁とを具える第二金型と、複数の棒状体とを具える成形金型を利用できる。これらの棒状体により、各コイル素子2a,2bの端面(ターンが環状に見える面)を適宜押圧してコイル素子2a,2bを圧縮したり(図12において各コイル素子2a,2bの端面に見える小穴は棒状体の痕)、成形金型内においてコイル2γを所定の位置に保持する。また、この成形金型は、コイル2γの角部分を保持する保持部材を具える。
上記成形金型内にコイル2γを配置する。具体的には、コイル素子2a,2bの内周面と内側コア部3ia,3ibの外周面との間に所定の隙間が設けられるように、コイル2γと内側コア部3iとを同軸状に配置すると共に、成形金型の内周面とコイル素子2a,2bの外周面との間に所定の隙間が設けられるように、コイル2γを成形金型に配置する。
次に、成形金型を閉じて、上記棒状体を成形金型内に進出して各コイル素子2a,2bを圧縮する。この圧縮は、上記保持部材によりコイル2γの角部分を保持しながら行う。
その後、樹脂注入口から成形金型内に樹脂を注入して固化した後、棒状体などを後退させてから成形金型を開いて、コイル成形体4γを取り出す。このコイル成形体4γも、内側樹脂部41により、コイル2γが圧縮された所定の形状に保持されると共に、内側コア部3iが一体化されている。
[効果]
参考例2のリアクトルは、実施形態2のリアクトル1βと同様にコイル2γと内側コア部3iとが内側樹脂部41により一体化され、コイル2γと内側コア部3iとの間の隙間に実質的に内側樹脂部41の構成樹脂のみが存在することで小型である上に、両者間の絶縁性に優れる。また、参考例2のリアクトルも、コイル2γの内周形状に沿った外形、即ち角を丸めた直方体状の内側コア部3iを具えることで、上記隙間を更に小さくできる上に、内側樹脂部41によりコイル2γを圧縮状態に保持することからも、小型にできる。
かつ、参考例2のリアクトルは、上述した実施形態や参考例と同様に、内側コア部と連結コア部との接合に接着剤を用いておらず、連結コア部3oの形成と同時に磁性コアの形成、引いてはリアクトルの形成を行える上に、コイル2γの形状が保持されたコイル成形体4γを利用することで、リアクトルの製造時にコイル2γを取り扱い易く、生産性に優れる。また、このコイル成形体4γは、実施形態2と同様に内側コア部3iをも一体に具えることから、工程数の低減、ケースや成形型への収納作業の容易化といった点からもリアクトルの生産性に優れる。なお、参考例2のコイル成形体4γも、実施形態3と同様に内側コア部3iを有しておらず、コイル2γと内側樹脂部41とから構成され、中空孔を有する形態とすることができる。
(参考例3)
上記参考例1,2で説明したコイルと磁性コアとの組合体は、そのまま利用することができる。その他、参考例1,2で説明した上記組合体と実施形態1で説明したケースとを具えるリアクトルとしたり、ケースを具えず、上記組合体の外周の少なくとも一部を覆う外側樹脂部(図示せず)を具えるリアクトルとすることができる。実施形態1〜5で説明したコイルと磁性コアとの組合体についても、ケースを具えず、外側樹脂部のみを具えるリアクトルとすることができる。上記組合体の外周の実質的に全部を外側樹脂部により覆った形態としてもよいし、上記組合体の一部を露出させた形態としてもよい。外側樹脂部の構成樹脂には、エポキシ樹脂やウレタン樹脂、PPS樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)樹脂、不飽和ポリエステル、更に、これらの樹脂に上述したセラミックスからなるフィラーを混合したものなどを利用することができる。フィラーを含有することで、リアクトルの放熱性を高められる。特に、外側樹脂部は、熱伝導率が0.5W/m・K以上、更に1.0W/m・K以上、特に2.0W/m・K以上であると、放熱性に優れて好ましい。
外側樹脂部を具えるリアクトルは、コイルや内側コア部だけでなく、連結コア部をも外部環境から保護したり、機械的に保護したりすることができる。外側樹脂部を具える場合、コイルを構成する巻線の両端部は、外側樹脂部から露出させて端子部材の取り付けができるようにする。また、上述の参考例1で説明した取付部を具える形態とする場合、取付部は、外側樹脂部に一体に設けてもよいし、外側樹脂部及び連結コア部の双方に設けてもよいし、連結コア部にのみ設けてもよい。
なお、上述した実施の形態は、本発明の要旨を逸脱することなく、適宜変更することが可能であり、上述した構成に限定されるものではない。
本発明リアクトルは、ハイブリッド自動車や電気自動車、燃料電池車といった車両に搭載される双方向DC-DCコンバータといった電力変換装置の構成部品に利用することができる。
1α,1β,1γ リアクトル
2α,2γ コイル 2w 巻線 2c 導体 2i 絶縁被覆 2a,2b コイル素子
2r 巻返し部
3α,3β,3γ 磁性コア 3i,3ia,3ib 内側コア部 3o 連結コア部
4β,4γ コイル成形体 40,41 内側樹脂部 4e 端面
5 ケース 50 底面 51 側壁 52 ガイド突起部 53 位置決め部
54 取付部 54h ボルト孔

Claims (10)

  1. 巻線を巻回してなる一つのコイルと、このコイル内に挿通された内側コア部、及び前記コイルの外周の少なくとも一部を覆う連結コア部の両コア部により閉磁路を形成する磁性コアとを具えるリアクトルの製造方法であって、
    当該リアクトルは、通電条件が最大電流:100A〜1000A、平均電圧:100V〜1000Vである自動車の回路部品に用いられ、
    前記コイルと前記磁性コアとの組合体は、非磁性かつ導電性材料からなるケースに収納され、
    前記内側コア部の断面積をS1、前記内側コア部の飽和磁束密度をB1、前記内側コア部の比透磁率をμ1、前記連結コア部の断面積をS2、前記連結コア部の飽和磁束密度をB2、前記連結コア部の比透磁率をμ2とするとき、B1、(B1/B2)、μ1、μ2、及び(S1×B1)/(S2×B2)は、以下を満たすリアクトルの製造方法
    1.6T≦B1≦2.4T
    1.2≦(B1/B2)≦2.5
    50≦μ1≦1000、5≦μ2≦50、μ1>μ2
    0.17×(B1/B2)+0.42≦(S1×B1)/(S2×B2)≦0.50×(B1/B2)+0.62
    但し、前記磁性コアにおいて前記コイルが存在する部位をこのコイルの軸方向と直交方向に切断したとき、前記コイルの内側に配置される箇所の断面積を前記内側コア部の断面積:S1とし、前記コイルの外周に配置される箇所の断面積を前記連結コア部の断面積:S2とする。
  2. 前記コイルに応じて所望のインダクタンスを決定し、前記インダクタンスに関する変数の組み合わせのうち、最も体積が小さくなる組み合わせを選択する請求項1に記載のリアクトルの製造方法
  3. 前記連結コア部は、磁性材料と樹脂との混合物から構成されており、
    前記内側コア部と前記連結コア部とが前記樹脂により一体化されている請求項1又は請求項2に記載のリアクトルの製造方法
  4. 前記内側コア部は、圧粉成形体から構成されており、
    前記連結コア部は、鉄基材料と樹脂との混合物から構成されている請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のリアクトルの製造方法
  5. 絶縁性樹脂から構成され、前記コイルの表面を覆って、その形状を保持する内側樹脂部を具える請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のリアクトルの製造方法
  6. 前記巻線は、その断面のアスペクト比が5以上の扁平な形状であり、
    前記コイルの巻き数は、30以上70以下である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のリアクトルの製造方法
  7. 前記コイルと前記磁性コアとの組合体において、当該組立体を内包可能な最小の直方体をとり、当該直方体の外寸を短い順にそれぞれL1,L2,L3とし、3×L1/(L1+L2+L3)を扁平度とするとき、前記扁平度が0.5以上である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のリアクトルの製造方法
  8. 前記組合体の外周の少なくとも一部を覆う外側樹脂部を具える請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のリアクトルの製造方法
  9. 前記連結コア部は、磁性材料と樹脂との混合物から構成されており、
    前記コイル及び前記内側コア部は、前記連結コア部を構成する樹脂により前記ケースに封止されている請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のリアクトルの製造方法
  10. 前記内側コア部は、前記内側樹脂部により前記コイルに一体に保持されている請求項に記載のリアクトルの製造方法
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