JP5958792B2 - リアクトル、コンバータ、及び電力変換装置 - Google Patents
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図1に示す本実施形態のリアクトルαは、コイル2と、このコイル2内部に挿通されて閉磁路を形成する環状の磁性コア3と、を備える。磁性コア3は、図1(B)に示すように、一つの環状に形成されている。この本発明リアクトルαの最も特徴とするところは、〔1〕磁性コア3が、第一コア部31と第二コア部32とが交互に並ぶ環状コア部30、およびその環状コア部30の全周を覆う被覆コア部33を備えること、〔2〕第一コア部31の比透磁率μHが、第二コア部32の比透磁率μL、および被覆コア部33の比透磁率μCに比べて高いこと(μH>μL,μH>μC)、にある。以下、このリアクトルαの各構成を詳細に説明する。
本実施形態のコイル2は、図1(A)に示すように、螺旋状に巻回される一連長の巻線(単数の巻線でも良いし、複数本の巻線を繋げたものであっても良い)からなり、その全体形状が中空の円環状になっている。コイル2のその中空部分に後述する磁性コア3が挿通されている(言い換えれば、磁性コア3の外周面全体を覆うようにコイル2が配置されている)。
磁性コア3は、図1(B)に示すように、円環状に形成された環状コア部30
と、その外周面全体を覆う被覆コア部33と、で構成され、その全体に亘って実質的にギャップが設けられていないギャップレス構造体である。
環状コア部30は、比透磁率の異なる第一コア部31と第二コア部32とが交互に並ぶことで構成される磁性体である。両コア部31,32の数は特に限定されないが、両コア部31,32の数を多くすると、磁性コア3全体の比透磁率の微調整を行ない易い。また、コア部31,32の数を多くすると、環状コア部30全体の放熱性が均一になり易い。なお、コア部31の数とコア部32の数とは必ずしも一致している必要はない。
被覆コア部33は、環状コア部30の外周を覆う薄皮状の磁性体である。被覆コア部33によって、被覆コア部33よりも外側に磁束が漏れることを抑制することができる。
各コア部31,32,33は、圧粉成形体もしくは磁性粉末混合樹脂のいずれかで構成することができる。
まず、圧粉成形体について説明する。圧粉成形体は、代表的には、表面に絶縁被膜を有する磁性粉末を加圧成形した後、適宜熱処理を施すことで製造することができる。圧粉成形体の材料には、鉄基材料や希土類金属などの軟磁性材料からなる粒子の表面に絶縁被覆を備える被覆粉末やフェライト粉末に、熱可塑性樹脂などの樹脂や高級脂肪酸などの添加剤(上記熱処理によって消失、又は絶縁物に変化するもの)を加えた混合材料を用いることが挙げられる。上記製造方法によって、軟磁性粒子の周囲が絶縁被覆(例えば、リン酸化合物、珪素化合物、ジルコニウム化合物、アルミニウム化合物、硼素化合物など)で覆われ、当該粒子間に絶縁物が介在する圧粉成形体が得られる。絶縁被覆を備える圧粉成形体は、絶縁性に優れ、渦電流損を低減することができる。軟磁性材料をフェライトとする場合、絶縁被覆を備えていなくても、絶縁性に優れる。
磁性粉末混合樹脂は、代表的には、バインダとなる樹脂に磁性粉末を混合したものである。磁性粉末には、圧粉成形体に利用する磁性粉末と同様のものを利用できる。特に、絶縁被覆を備える被覆粉末を用いることで、磁性粉末混合樹脂における渦電流損を効果的に低減することができる。一方、バインダとなる樹脂には、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂を用いることができる。その他、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂などの熱可塑性樹脂、常温硬化性樹脂、或いは低温硬化性樹脂を用いてもよい。
実施形態の説明の冒頭に述べたように、環状コア部30に備わる第一コア部31の比透磁率をμH、第二コア部32の比透磁率をμL、被覆コア部33の比透磁率をμCとしたとき、各コア部の比透磁率がμH>μL、およびμH>μCを満たす。具体的な数値として、μH=15〜500、μL,μC=5〜15、磁性コア3全体の比透磁率=10〜50とすることが好ましい。このような磁気特性の関係を持たすためには、各コア部を次のように構成すると良い。
(1)コア部31=圧粉成形体/その他コア部32,33=圧粉成形体(但し、コア部30よりも低比透磁率)
(2)コア部31=磁性粉末混合樹脂/その他コア部32,33=磁性粉末混合樹脂(但し、コア部30よりも低比透磁率)
(3)コア部31=圧粉成形体/その他コア部32,33=磁性粉末混合樹脂
磁性コア3の説明の冒頭で簡単に触れたように、本発明リアクトルαは、先に円環状の磁性コア3を作製し、その磁性コア3に後から巻線を巻回してコイル2を形成することで作製できる。この場合、磁性コア3に接着剤などを介した繋ぎ目が形成されないため、磁性コア3全体の比透磁率を厳密に調整することが容易である。
本発明リアクトルαは、磁気飽和し難く、かつ漏れ磁束が生じ難いリアクトルである。そのため、このリアクトルαは、ケースを必要としない。リアクトルαで漏れ磁束が殆ど生じないのは、コイル2の外周面の位置に磁性コア3が配置されておらず、磁性コア3が完全な一つの閉磁路を形成しているためである。
実施形態2では、矩形環状の磁性コア5を備えるリアクトルβを図2に基づいて説明する。
実施形態3では、矩形環状の磁性コア7を備えるリアクトルγを図3に基づいて説明する。このリアクトルγと実施形態2のリアクトルβとの相違点は、磁性コア7の角部C5〜C8の形状と、その形状に沿った被覆コア部73の形状のみであり、両リアクトルγ,βで使用するコイル4は共通である。以下、リアクトルγに備わる磁性コア7を中心に説明する。
磁性コアの全体形状は、上述した実施形態1〜3の形状に限定されるわけではない。例えば、磁性コアの全体形状は、対向する一対の柱状部と、その柱状部を繋ぐ一対の連結部とを備える概略レーストラック形状であっても良い。その場合、二つの柱状部の位置にコイルを配置すれば良い。なお、連結部は、平面視したときに、円弧状のものや、ドーム形状のものが利用できる。
上述した本発明に係る実施形態1〜3のリアクトルα〜γは、コイルの通電条件が、例えば、最大電流(直流):100A〜1000A程度、平均電圧:100V〜1000V程度、使用周波数:5kHz〜100kHz程度である用途、代表的にはハイブリッド自動車や電気自動車などの車載用電力変換装置の構成部品に利用できる。
2,4 コイル 2a,2b コイル端部
3,5,7 磁性コア
30,50,70 環状コア部
31,51,71 第一コア部 32,52,72 第二コア部
33,53,73 被覆コア部
S1〜S8 柱状部 C1〜C8 角部
1100 電力変換装置 1110 コンバータ 1120 インバータ
1200 車両
1111 スイッチング素子 1112 駆動回路 L リアクトル
1150 給電装置用コンバータ 1160 補機電源用コンバータ
1210 メインバッテリ 1220 モータ
1230 サブバッテリ 1240 補機類 1250 車輪
Claims (6)
- コイルと、前記コイル内に挿通されて閉磁路を形成する環状の磁性コアとを備えるリアクトルであって、
前記磁性コアは、
比透磁率が異なる第一コア部と第二コア部とが交互に並ぶ環状コア部と、
前記環状コア部の全周を覆う被覆コア部と、を備え、
前記第一コア部、第二コア部、および被覆コア部の比透磁率をそれぞれμH、μL、及びμCとしたとき、各コア部の比透磁率がμH>μL、およびμH>μCを満たし、
前記コイルは、前記磁性コアにおける前記第二コア部に相当する部分に配置され、
前記磁性コアは、前記コイルに覆われることなく露出する部分を有するリアクトル。 - 前記第一コア部の比透磁率は15〜500、
前記第二コア部および前記被覆コア部の比透磁率は5〜15、
前記磁性コア全体の比透磁率は10〜50、である請求項1に記載のリアクトル。 - 前記第一コア部は、圧粉成形体で形成されており、
前記第二コア部、および前記被覆コア部は、磁性粉末混合樹脂で一体に形成されている請求項1または請求項2に記載のリアクトル。 - 前記環状コア部は、四つの柱状部と、各柱状部を繋ぐ四つの角部と、を備え、
前記コイルは、前記四つの柱状部の外周面に配置されており、
前記柱状部は、前記第二コア部である請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のリアクトル。 - スイッチング素子と、前記スイッチング素子の動作を制御する駆動回路と、スイッチング動作を平滑にするリアクトルとを備え、前記スイッチング素子の動作により、入力電圧を変換するコンバータであって、
前記リアクトルは、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のリアクトルであるコンバータ。 - 入力電圧を変換するコンバータと、前記コンバータに接続されて、直流と交流とを相互に変換するインバータとを備え、このインバータで変換された電力により負荷を駆動するための電力変換装置であって、
前記コンバータは、請求項5に記載のコンバータである電力変換装置。
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