JP5983942B2 - リアクトル、コンバータ、及び電力変換装置 - Google Patents

リアクトル、コンバータ、及び電力変換装置 Download PDF

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Description

本発明は、ハイブリッド自動車などの車両に搭載される車載用DC-DCコンバータといった電力変換装置の構成部品などに利用されるリアクトル、このリアクトルを具えるコンバータ、及びこのコンバータを具える電力変換装置に関するものである。特に、生産性に優れるリアクトルに関するものである。
電圧の昇圧動作や降圧動作を行う回路の部品の一つに、リアクトルがある。例えば、特許文献1は、ハイブリッド自動車などの車両に載置されるコンバータに利用されるリアクトルを開示している。このリアクトルは、一対の筒状のコイル素子を具えるコイルと、各コイル素子内にそれぞれ挿通配置される一対の中間コア(内側コア部)と、コイルが配置されない一対の端部コア(外側コア部)とを環状に組み付けてなる磁性コアと、コイルと磁性コアとの間に介在されて両者の絶縁性を高めるボビンと、これらの周囲を覆う樹脂被覆部(樹脂部)とを具える。各中間コアはそれぞれ、複数のコア片とギャップ材との集合体から構成され、各端部コアはそれぞれコア片から構成されている。上記ボビンは、2個の筒状ボビンと、2枚の枠状ボビンとを具える。
各筒状ボビンはそれぞれ、一つのコイル素子とこのコイル素子内に挿入配置される一つの内側コア部との間に介在される筒状の部材であり、柱状の内側コア部の外周面をその周方向に沿って全周に亘って覆う。特許文献1では、各筒状ボビンとしてそれぞれが、一対の分割片を組み合わせて筒状に構成される形態を開示している。この構成により、内側コア部の外周に容易に筒状ボビンを配置できる。各枠状ボビンはそれぞれ、二つの内側コア部がそれぞれ挿通される貫通孔を二つ具えたメガネ型の平板部材であり、横並びされた両コイル素子の端面と一つの外側コア部との間に介在される。上記貫通孔から露出された内側コア部の端面と外側コア部の端面とを接触させることで、磁性コアを環状に組み立てられる。
特開2010-245457号公報
リアクトルの生産性の向上が望まれている。
リアクトルの構成部材として、筒状ボビンと枠状ボビンとが別部材である従来のボビンを利用すると、部品点数が多く、組立工程数が多くなる。筒状ボビンが上述のような複数の分割片を組み合わせて1個の部品となる構成では、部品点数が更に多く、組立工程数の増加を招く。また、上述のように別部材であると、コイルと内側コア部とに対する筒状ボビンの位置決めと、コイルの端面に対する枠状ボビンの位置決めとをそれぞれ別個に行う必要があり、組立時間の増加を招く。枠状ボビンが平板部材であることからも、コイルの端面に対する枠状ボビンの位置決めを精度よくかつ短時間で行い難い。これらの点から、従来のボビンを具えるリアクトルでは、製造時間が長くなり易く、生産性の更なる向上が難しい。
また、筒状ボビンが、内側コア部の外周を、その周方向の全周に亘って覆う環状の部分を有する構成や、枠状ボビンが、横並びした二つのコイル素子における一端面の全面を覆う環状の部分を有する構成では、上述の樹脂部を更に具える場合に以下の点で製造時間の長大化を招く。上述のように環状の部分が存在すると、樹脂部の構成樹脂を充填する際、コイルと内側コア部との間に存在する気体を逃し難くなり、脱気時間を長くとる必要がある。脱気時間を短くした場合、脱気が不十分になって樹脂が充填されない個所(気泡が残存する箇所)が生じ得る恐れがあり、樹脂部を精度よく成形できないことがある。従って、従来のボビンを具える場合に樹脂部を更に具える構成とすると、製造時間が更に長くなり易く、生産性の向上がより難しくなる。
また、筒状ボビンと枠状ボビンとが別部材である構成や、筒状ボビンや枠状ボビンが上述の環状の部分を有する構成では、材料使用量も多くなり、製造コストの増大も招き得る。
そこで、本発明の目的の一つは、生産性に優れるリアクトルを提供することにある。また、本発明の他の目的は、生産性に優れるリアクトルを具えるコンバータ、このコンバータを具える電力変換装置を提供することにある。
本発明は、コイルと磁性コアとの間に介在されて両者の絶縁性を高める部材の形状を特定の形状とすることで、上記目的を達成する。
本発明のリアクトルは、巻線を螺旋状に巻回してなる筒状のコイルと、上記コイルの内側に配置される内側コア部と、上記コイルが配置されない外側コア部とを有する磁性コアと、上記コイルと上記磁性コアとの間に介在される絶縁部材とを具える。上記絶縁部材は、上記コイルにおける一方の環状の端面と上記外側コア部との間に介在される端面介在部と、上記コイルと上記内側コア部との間に介在されて両者を位置決めする内側介在部とが一体に形成されている。上記端面介在部は、前記環状の端面に沿って、その周方向の一部にのみ配置される。上記内側介在部は、上記コイルにおける筒状の内周面に沿って、その周方向の一部にのみ配置される。
本発明のリアクトルにおける「コイルの内側に配置される内側コア部」とは、磁性コアのうち、コイルの内側に実質的に配置されている領域をいい、「コイルが配置されない外側コア部」とは、磁性コアのうち、コイルが実質的に配置されていない領域をいう。例えば、磁性コアが複数のコア片から構成されている場合(ギャップ材が無い場合。但し、エアギャップは許容する。)や複数のコア片と少なくとも一つのギャップ材とから構成されている場合、コイルの内側に配置されているコア片やギャップ材は勿論、コイルの内側に配置される部分を含むコア片やギャップ材も、内側コア部に含む。具体的には、一つのコア片の中央部分(このコア片の大部分)がコイルの内側に配置され、このコア片の端部及びその近傍がコイルから露出されている場合にこのコア片は、内側コア部とみなす。複数のコア片の集合体(代表的には、接着剤や粘着テープなどで固定された一体物)の大部分がコイルの内側に配置され、残部(例えば、複数のコア片のうち、集合体の端部を構成するコア片の全部又は一部分)がコイルから露出されている場合にこの集合体は、内側コア部とみなす。なお、この集合体もギャップ材を含むことを許容する。
上述の絶縁部材は、端的に言うと、従来の枠状ボビンの機能を果たす端面介在部と筒状ボビンの機能を果たす内側介在部とが一体化した部材といえる。このような特定の絶縁部材を構成部材とすることで、本発明のリアクトルは、従来の筒状ボビンを省略できるため、部品点数が少なく、組立工程数を少なくできる。また、コイルと内側コア部とに対して内側介在部を容易に位置決めできる上に、内側介在部を位置決めすることで、内側介在部に一体の端面介在部も自動的に位置決めできるため、本発明のリアクトルは、組立作業性にも優れる。従って、本発明のリアクトルは、製造時間の短縮を図ることができ、生産性を向上できる。
また、上述の絶縁部材の形状は、従来の枠状ボビンにおける環状の部分の一部が切り欠かれて開放された形状に類似するといえる。この形状のため、コイルと磁性コアとの組合体を覆う樹脂部を更に具えるリアクトルとする場合、構成樹脂の充填時、開放された部分などからコイルと内側コア部との間に存在し得る気体を上記組合体外に容易に排出でき、脱気時間を短くできる。内側介在部をより小さくすれば、脱気時間を更に短縮できる。また、脱気が十分に行えることで、樹脂部の構成樹脂を隅々にまで充填でき、樹脂部を高精度に成形できる。これらの点から、本発明のリアクトルは、樹脂部を具える場合でも、製造時間を短縮でき、生産性を向上できる上に、成形精度に優れる樹脂部を具えることができる。
更に、上述のように従来の筒状ボビンを省略したり、環状の部分を有さず、開放された部分を有したりすることで、上述の絶縁部材の材料使用量を従来のボビンよりも効果的に低減できる。この点から、本発明のリアクトルは、絶縁部材の材料使用量を低減でき、低コスト化も図ることができると期待される。
本発明のリアクトルの一形態として、上記コイルと上記磁性コアとの組合体を覆う樹脂部を具え、上記環状の端面と上記外側コアとの間において上記端面介在部が配置されない領域、及び上記コイルの内周面と上記内側コア部との間において上記内側介在部が配置されない領域に上記樹脂部の構成樹脂が充填されている形態が挙げられる。
上記形態は、上述のように樹脂部の構成樹脂の充填時、脱気を行い易く、生産性に優れる。また、脱気を良好に行えることで、上記形態は、コイルと内側コア部との間、コイルと外側コア部との間、コイルや磁性コアと絶縁部材との間の隅々に亘って樹脂部の構成樹脂が介在する。そのため、上記形態は、コイルと、磁性コアと、絶縁部材とが樹脂部によって強固に一体化され、リアクトル全体として剛性が高いといえる。剛性が高いことで、上記形態は、振動し難く、騒音も低減できる。
本発明のリアクトルの一形態として、上記内側コア部が磁性体粉末と樹脂とを含む複合材料から構成された一体物であり、上記絶縁部材が上記内側コア部と上記外側コア部との間に介在されて両者間を一定の間隔に位置決めするコア間介在部を具える形態が挙げられる。
内側コア部が上記複合材料からなる一体物であることで、上記形態は、部品点数が更に少なく、組立工程数を更に少なくできる。上記複合材料は、磁性体粉末の種類や含有量によって磁気特性を容易に調整できるため、上記複合材料からなる内側コア部を構成部材とすることで、種々の磁気特性を有する磁性コアを具えるリアクトルを容易に製造できる。かつ、絶縁部材がコア間介在部を具えることで、上記形態は、絶縁部材によって内側コア部と外側コア部との間に所定の間隔を容易にかつ精度よく設けられる上に、両コア部の位置決めを容易に行えて、組立作業性に優れる。これらの点から、上記形態は、生産性により優れる。また、上記形態であって、上述の樹脂部を具える場合には、上記内側コア部と外側コア部との間にも樹脂部の構成樹脂が充填され、この構成樹脂を両コア部の接着剤やギャップとして利用できる。従って、この形態は、両コア部を一体にするにあたり、接着剤による接合工程を省略したり、ギャップを有する構成とする場合にギャップ材を低減又は省略したりできるため、生産性により優れる。
本発明のリアクトルの一形態として、上記内側コア部が圧粉成形体から構成された形態が挙げられる。
圧粉成形体は、電磁鋼板の積層体と比較して種々の立体形状を容易に形成できることから、上記形態は、種々の形状の内側コア部を製造し易いため、生産性に優れる。
本発明のリアクトルの一形態として、上記端面介在部が上記外側コア部を位置決めする位置決め部を具える形態が挙げられる。
上記形態は、端面介在部に対する外側コア部の位置決めを容易に行えて、組立作業性に優れることから、生産性を向上できる。
本発明のリアクトルの一形態として、上記内側介在部は、切欠き、又は貫通孔を具える形態が挙げられる。
上記形態は、絶縁部材の材料使用量を更に低減できる。また、上述の樹脂部を具える場合には、上記切欠きや貫通孔を樹脂部の構成樹脂の流路や脱気用通路に利用でき、充填時間の短縮や脱気時間の短縮を図ることができる。更に、樹脂部を高精度に成形できる。そのため、上述の樹脂部を具える場合に上記切欠きや貫通孔を具える形態は、樹脂部の形成作業性に優れて、生産性を向上できる。
本発明のリアクトルは、コンバータの構成部品に好適に利用することができる。本発明のコンバータは、上記本発明のリアクトルを具える。
本発明のコンバータは、生産性に優れる本発明のリアクトルを構成部材とすることで、生産性に優れる。
本発明のコンバータは、電力変換装置の構成部品に好適に利用することができる。本発明の電力変換装置は、上記本発明のコンバータを具える。
本発明の電力変換装置は、生産性に優れる本発明のリアクトルを具える本発明のコンバータを構成部材とすることで、生産性に優れ、車載部品などに好適に利用することができる。
本発明のリアクトルは、生産性に優れる。
(A)は、実施形態1に係るリアクトルの概略斜視図、(B)は、このリアクトルにおける絶縁部材の配置状態を説明する概略斜視図であり、コイルを省略して示す。 (A)は、実施形態1に係るリアクトルに具える絶縁部材であって、外側コア部側からみた概略斜視図、(B)は(A)を180°回転させてコイル側(内側コア部側)から見た概略斜視図、(C)は、このリアクトルにおける絶縁部材の組み付け状態を説明する説明図である。 実施形態1に係るリアクトルの分解斜視図である。 ハイブリッド自動車の電源系統を模式的に示す概略構成図である。 本発明のコンバータを具える本発明の電力変換装置の一例を示す概略回路図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。
[実施形態1]
図1〜図3を参照して、実施形態1のリアクトル1を説明する。リアクトル1は、巻線2wを螺旋状に巻回してなる筒状のコイル2と、コイル2の内外に配置されて閉磁路を形成する磁性コア3と、コイル2と磁性コア3との間に介在される絶縁部材5とを具え、代表的には、冷却ベースなどの設置対象に設置されて使用される。ここでは、コイル2は、一対の筒状のコイル素子2a,2bを主体とする。磁性コア3は、各コイル素子2a,2bの内側にそれぞれ挿通配置される柱状の内側コア部31,31と、コイル素子2a,2bが配置されない柱状の外側コア部32,32とを組み合わせて環状に構成される。そして、このリアクトル1の特徴の一つは、絶縁部材5の形状及びその部品点数にある。絶縁部材5は、両コイル素子2a,2bの一端面側に配置される絶縁部材5Aと、両コイル素子2a,2bの他端面側に配置される絶縁部材5Bとの2個の部品で構成される。両絶縁部材5A,5Bは同一形状であり、コイル2と磁性コア3との組合体10に対する配置位置及び配置の向きが異なる。そして、絶縁部材5A,5Bはいずれも、コイル2と外側コア部32との間に介在される部分(端面介在部52)と、コイル2と内側コア部31との間に介在される部分(内側介在部54)とが一体に形成されている。以下、リアクトル1の主要構成部材であるコイル2及び磁性コア3の概要を説明した後、絶縁部材5を詳細に説明する。
(コイル及び磁性コアの概略)
ここでは、コイル2は、図1(A),図3に示すように、1本の巻線2wを螺旋状に巻回してなる一対のコイル素子2a,2bと、両コイル素子2a,2bを連結する連結部2rとを具える。各コイル素子2a,2bはそれぞれ、互いに同一の巻数の中空の筒状体であり、各軸方向が平行するように並列(横並び)されており、電気的に直列に接続されている。また、コイル素子2a,2bの端面形状はいずれも、矩形の各角部をそれぞれ丸めた略矩形状である。
ここでは、磁性コア3は、図1(B),図3に示すように、一対の内側コア部31,31と一対の外側コア部32,32とで構成される。内側コア部31,31はいずれも、角部が丸められた直方体状の一体物(一つのコア片)であり、横並びされたコイル素子2a,2b内にそれぞれ挿通配置されて、コイル2の配置部分として利用される。外側コア部32,32はいずれも、両内側コア部31,31の端面31e,31eの合計面積よりも十分に大きな内端面32e(図2,図3)を有する直方体状の一体物(一つのコア片)であり、コイル2から露出される部分である。
(絶縁部材)
絶縁部材5は、コイル2と磁性コア3との間の絶縁性を高める部材であり、絶縁材料から構成される。具体的な絶縁材料は、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、液晶ポリマー(LCP)などが挙げられる。
絶縁部材5は、コイル2における環状の端面と外側コア部32の内端面32eとの間に介在される端面介在部52と、コイル2の内周面と内側コア部31の外周面との間に介在される内側介在部54とを主要構成部材とし、これらが一体に成形されている。端的に言うと、端面介在部52は特定の形状の板状部材であり、内側介在部54は、この板状部材から突出した帯状部材である。
端面介在部52は、コイル2における環状の端面に対して、その周方向の一部にのみ配置され、上記環状の端面の他部は、端面介在部52が配置されないことを特徴の一つとする。つまり、端面介在部52は、コイル素子2a,2bの周方向にみたとき、環状の端面に対して連続して覆う環状の部分を有しておらず、環状の端面の周方向の全周に亘って覆うことができない非環状の部材である。換言すれば、端面介在部52は、従来の枠状ボビンに具える二つの環の一部がいずれも切り欠かれた形状である。ここでは、端面介在部52は、一方のコイル素子2aの端面に対して、その周方向の一部にのみ配置されると共に、他方のコイル素子2bの端面に対して、その周方向の一部にのみ配置され、その周方向の他部はいずれも、端面介在部52が配置されない。従って、端面介在部52が配置されたリアクトル1において、両コイル素子2a,2bの端面の周方向の他部、及び外側コア部32の内端面32eの一部分は、端面介在部52からいわば露出された状態である。
かつ、内側介在部54は、コイル2における筒状の内周面に対して、その周方向の一部にのみ配置され、上記筒状の内周面の他部は、内側介在部54が配置されないことを特徴の一つとする。つまり、内側介在部54は、コイル素子2a,2b(内側コア部31,31)の軸方向にみたとき、筒状のコイル素子2a,2bの周方向に連続して覆う環状の部分を有しておらず、非環状の部材である。換言すれば、内側介在部54は、従来の筒状ボビンの周方向の一部が切り欠かれた形状である。ここでは、内側介在部54は、コイル素子2aにおける角部を丸めた四角筒状の内周面及び一方の内側コア部31の外周面に対して、その周方向の一部にのみ配置される部分(内側介在部54a)と、コイル素子2bにおける角部を丸めた四角筒状の内周面及び他方の内側コア部31の外周面に対して、その周方向の一部にのみ配置される部分(内側介在部54b)とを具える。コイル素子2aの内周面の他部及び一方の内側コア部31の外周面の他部は、内側介在部54aが配置されない。コイル素子2bの内周面の他部及び他方の内側コア部31の外周面の他部は、内側介在部54bが配置されない。従って、端面介在部52が配置されたリアクトル1において、両コイル素子2a,2bの内周面の周方向の他部、及び内側コア部31の外周面の他部は、端面介在部52からいわば露出された状態である。
以下、主として一方の絶縁部材5Aを例にして説明する。ここでは、端面介在部52は、図1(B),図2(A),図2(B)に示すように概ねH字状の部材(図1(B)などではHを右又は左に90°回転させた状態)である。端面介在部52の一面(図1(B),図2(A)では左側の面であって、外側コア部32側に配置される面。以下、コア面と呼ぶ)が一様な平面であり、他面(図2(B)では左側の面であってコイル2(図2(C))側に配置される面。以下、コイル面と呼ぶ)がコイル2の端面に沿って螺旋状に傾斜が設けられた傾斜面である。コイル面を傾斜面とすることで、コイル2に対して絶縁部材5(端面介在部52)を容易にかつ精度よく位置決めでき、組立作業性に優れる。なお、コイル面全体を、上記傾斜を有しておらず、コイル素子2a,2bの軸方向と直交する平面とすることもできる。
端面介在部52は、中央帯部52cと、中央帯部52cの各端部にそれぞれ連続して、中央帯部52cの中心軸に直交するように設けられた上側線部52u及び下側帯部52dとを具え、中央帯部52cの中心軸を中心として、概ね線対称な形状である。端面介在部52は、いわば、2個の矩形枠の一辺を重ね合せた図形(メガネ状の図形)において、外側に配置される4個の角部のうち、線対称の位置にある2個の角部(ここでは上側の角部)をそれぞれ切り欠いた形状である。
図1に示すように、中央帯部52cは、横並びされた二つのコイル素子2a,2bの端面を渡るように配置され、中央帯部52cのコイル面が各コイル素子2a,2bの端面の一部に接して配置される。上側線部52u及び下側帯部52dは、二つのコイル素子2a,2bの横並び方向に沿って、かつ各内側コア部31,31の端面31e,31eの輪郭に沿って配置される。ここでは、下側帯部52dは、そのコイル面が各コイル素子2a,2bの端面の一部に接するように設けられている。一方、上側線部52uは、実質的にコイル面を有しておらず、コイル素子2a,2bの端面に接しない。上側線部52uは内側介在部54や後述するコア間介在部56の連結箇所として機能する。
このような絶縁部材5をコイル2に組み付けると、各コイル素子2a,2bにおける矩形枠状の一端面をつくる四辺のうち、コイル素子2a,2bの隣り合う側に配置される一辺が中央帯部52cに覆われ、下側の一辺とこの一辺がつくる外側の角部とこの下側の一辺に直交し、上記外側の角部をつくる外側の一辺の一部とが下側帯部52dに覆われる。そして、これら中央帯部52cと下側帯部52dとがつくるT字状の部分が、各コイル素子2a,2bの端面と外側コア部32の内端面32eとの間に介在する。
端面介在部52は、コイル2と外側コア部32との間の絶縁距離を確保できれば、種々の形状とすることができる。ここでは、各コイル素子2a,2bの環状の端面に対して、その50面積%程度を覆うことが可能なように中央帯部52cと下側帯部52dとを上記環状の端面に沿って設けている。具体的には、中央帯部52cの幅を巻線2wの幅の2倍以上とし、下側帯部52dの幅を巻線2wの幅と同程度としているが、例えば、下側帯部52dの幅を巻線2wの幅よりも細くすることができる。しかし、端面介在部52は、そのコイル面の面積が大きい形状であるほど、上記絶縁距離を十分に確保できる上に、リアクトル1の組立時、コイル2の端面を押え付けられてコイル2を維持し易く、組立作業性に優れる。従って、端面介在部52は、そのコイル面が、コイル2における環状の端面の合計面積に対して、30面積%以上覆うことが可能な大きさを有する形状が好ましい。一方、端面介在部52のコイル面が小さいほど、コイル2や内側コア部31における絶縁部材5からの露出部分を多くできる。この形態では、後述する実施形態2のように樹脂部100を具える場合に樹脂部100の構成樹脂の充填作業性に優れる、樹脂部100との接触面積を増大できるため一体物の剛性を高めて騒音を低減できる、絶縁部材5の材料使用量を低減できる、といった効果を奏する。この効果を十分に得るには、端面介在部52は、そのコイル面がコイル2における環状の端面の合計面積に対して70面積%以下覆うことが可能な大きさを有する形状が好ましい。
例えば、端面介在部52は、中央帯部52cや上側線部52uを省略して、下側帯部52dのみとすることができる。この場合、端面介在部52は、いわば(深さの浅い)U字状となる。又は、下側帯部52dの長さを短くしたり(例えば、コイル素子2a,2bの矩形枠状の端面をつくる四辺のうち、下側の一辺のみを覆う長さ、としたり)、上側線部52uを下側帯部52dのように巻線2wの幅と同程度の幅を有する帯片としたりすることができる。なお、この例に示すように上側線部52uを具えると、上側線部52uの存在によってコイル2の連結部2rと外側コア部32とが接触せず、両者の絶縁性を高められる。絶縁部材5によってコイル2を覆わない個所は、適宜選択することができるが、コイル2において外側となる個所(ここでは、二つのコイル素子2a,2bにおいて外側となる個所、つまり、隣接していない側の箇所)を絶縁部材5によって覆わないように、絶縁部材5を設けることが好ましい。この形態は、後述する実施形態2のように樹脂部100を具える場合に樹脂部100の構成樹脂を充填し易く、充填作業性に優れる。
内側介在部54は、図2(B)に示すように、端面介在部52の周縁のうち、コイル素子2a,2b(図2(C))における環状の端面の内周縁に沿った部分から突出した帯片である。ここでは、コイル素子2a内に挿入配置される内側介在部54a及びコイル素子2b内に挿入配置される内側介在部54bはいずれも、端面介在部52の上側線部52uから中央帯部52cを経て下側帯部52dに沿ってC字状に設けられている。
内側介在部54を構成する帯片の幅が大きいほど、つまり、端面介在部52のコイル面からの突出長さが大きいほど、コイル素子2a,2bの内側に介在される距離(挿入距離)が大きくなり、コイル素子2a,2bを支持し易くなることから、コイル素子2a,2bと内側コア部31,31間の絶縁性を高め易い。但し、上記突出長さが大きくなり過ぎると、後述する実施形態2のように樹脂部100を具える場合、樹脂部100の構成樹脂の充填時に構成樹脂の流れを阻害したり、脱気し難くしたり、絶縁部材5の材料使用量の増大を招いたりする。従って、内側介在部54の突出長さは、内側コア部31の全長に対して1%以上10%以下程度が好ましい。ここでは、内側介在部54の突出長さは、内側コア部31の全長に対して約6%としている。
図1に示す例では、端面介在部52のおけるコイル素子2a,2bの周方向に沿った切欠位置及び切欠長さと、内側介在部54a,54bにおけるコイル素子2a,2bの周方向に沿った切欠位置及び切欠長さとが一致しているが、切欠位置や切欠長さが異なった形態とすることができる。例えば、端面介在部52を下側帯部52dのみとし、この下側帯部52dに上述のC字状の内側介在部54a,54bが一体に形成された形態としたり、端面介在部52を中央帯部52cのみとし、この中央帯部52cに上述のC字状の内側介在部54a,54bが一体に形成された形態としたりすることができる。これらの形態は、後述する実施形態2のように樹脂部100を具える場合に樹脂部100の構成樹脂の充填作業性の向上、樹脂部100との接触面積の増大、一体物の剛性の向上による騒音の低減を図ったり、絶縁部材5の材料使用量を低減したりすることができる。
更に、この例では、絶縁部材5は、内側コア部31と外側コア部32との間に介在されて両者間を一定の間隔に位置決めするコア間介在部56を具える。コア間介在部56は、図1,図2に示すように、端面介在部52における内側介在部54に連続する内周面から立設する突起である。ここでは、矩形板状の突起とし、上側線部52uと下側帯部52dとのそれぞれの対向位置に設けている。絶縁部材5をコイル2と内側コア部31,31との組物に組み付けると、一方のコイル素子2a内に配置される一方の内側コア部31の矩形状の端面31eと一方の外側コア部32の内端面32eとの間には、下側帯部52dから突出するコア間介在部56aと、上側線部52uから突出するコア間介在部56cとが配置される。また、他方のコイル素子2b内に配置される他方の内側コア部31の矩形状の端面31eと一方の外側コア部32の内端面32eとの間には、下側帯部52dから突出するコア間介在部56bと、上側線部52uから突出するコア間介在部56dとが配置される。
コア間介在部56は、コイル2と内側コア部31,31との組物に絶縁部材5を配置するときの当たり止めに利用できるため、絶縁部材5がコア間介在部56を具えることで、配置作業性を向上できる。また、コア間介在部56は、内側コア部31と外側コア部32との間のギャップに利用できるため、ギャップが必要な場合でも、ギャップ材を低減又は省略できる。更に、後述する実施形態2のように樹脂部100を具える場合にコア間介在部56によって内側コア部31と外側コア部32との間に設けられる空間に樹脂部100の構成樹脂が充填されることで、この充填された樹脂もギャップに利用できる上に、この樹脂部100を両コア部31,32の接着剤としても利用できる。従って、絶縁部材5がコア間介在部56を具えることで、ギャップ材の配置工程や接合工程を低減又は省略でき、組立工程数の低減を図ることができる。また、両コア部31,32の間にも樹脂部100の構成樹脂が充填されることで、コイル2と磁性コア3と絶縁部材5との組物における樹脂部100との接合面積が増大するため、この組物の樹脂部100による剛性を向上して騒音の低減を図ることもできる。
コア間介在部56の形状、大きさ、配置位置は適宜選択することができる。例えば、一つのコイル素子に対してコア間介在部を構成する突起を一つだけ、又は三つ以上としてもよい(例えば、この実施形態1の絶縁部材5における中央帯部52cから一つの突起を突出させる、など)。また、コア間介在部56における内側コア部31の端面31eを覆う面積が小さいほど(例えば、コア間介在部56を棒状の突起とする、など)、上述の樹脂部100を具える場合に樹脂部100の構成樹脂を充填し易い(構成樹脂の流れを阻害し難い、脱気し易い)上に、内側コア部31と外側コア部32との間に充填される樹脂量をより増大でき、樹脂部100との接合面積を更に増大できる。かつ、絶縁部材5の材料使用量を低減できる。従って、コア間介在部56における一つの内側コア部31の端面31eを覆う面積が1%以上10%以下程度となるようにコア間介在部56を設けることが好ましいと期待される。ここでは、一つの内側コア部31の端面31eに対して、二つのコア間介在部56(例えば、コア間介在部56a,56c)が覆う合計面積を5%程度としている。コア間介在部56を省略することもできる。
更に、この例では、絶縁部材5は、外側コア部32を位置決めする位置決め部58を具える。位置決め部58は、端面介在部52のコア面から突出した突起である。ここでは、直方体状の外側コア部32の対向する二面を挟むように二つの突起を設けており、この二つの突起を位置決め部58とする。位置決め部58の形状、大きさ、配置位置は適宜選択することができる。例えば、突起を一つだけとしてもよいし、突起に代えて外側コア部32を嵌め込む溝とすることもできる。絶縁部材5が位置決め部58を具えることで、絶縁部材5に対して外側コア部32を容易に位置決めでき、組立作業性に優れる。位置決め部58を省略することもできる。
更に、絶縁部材5は、適宜な箇所に切欠き(図示せず)や貫通孔(図示せず)を有することができる。こうすることで、後述する実施形態2のように樹脂部100を具える場合に切欠きや貫通孔を樹脂部100の構成樹脂の流路や脱気用通路に利用でき、充填作業性を向上できる。また、絶縁部材5の材料使用量も低減できる。例えば、中央帯部52cを一様な平面とせず、中央帯部52cの幅方向(コイル素子2a,2bの横並び方向)の中央部分が高く、縁部が低い傾斜面を有する断面台形状とすること、つまり、中央帯部52cの周縁が上記傾斜面を有するように切り欠かれていることが挙げられる。端面介在部52が存在していてもこの傾斜面によって、コイル素子2a,2bの内側に上記構成樹脂が侵入し易く、かつ気体も外部に逃げ易くなる。又は、例えば、下側帯部52dや内側介在部54に切欠きや貫通孔を設けることが挙げられる。特に、内側介在部54に切欠きや貫通孔を設けると、コイル2及び内側コア部31,31と樹脂部100との接合面積を増大して強固に固定でき、コイル2と磁性コア3との組合体10の剛性を高められる。切欠きや貫通孔の形状、個数などは適宜選択することができる。切欠きや貫通孔が大きいほど、また個数が多いほど、上記構成樹脂の充填作業性に優れる上に、樹脂部100の接合面積を増大でき、更には絶縁部材5の材料使用量を低減できる。特に、端面介在部52のコイル面が大きい場合や内側介在部54の突出長さが長い場合などに切欠きや貫通孔を具えると、上述の効果を得易い。切欠きや貫通孔が小さいほど、また個数が少ないほど、絶縁部材5の剛性を高められる。
更に、この例では、絶縁部材5は、端面介在部52に、そのコイル面から突出した帯状の仕切り部59を具える。仕切り部59は、絶縁部材5をコイル2に組み付けたとき、コイル素子2a,2b間に介在されてコイル素子2a,2b間の絶縁性を高める。また、この組み付け時に仕切り部59がガイドとして機能することで、配置作業性を向上できる。仕切り部59の突出長さ(コイル面から突出した長さ)は、適宜選択することができる。ここでは、仕切り部59の突出長さを、内側介在部54の突出長さと概ね等しくしているが、例えば、更に長くすることもできる。仕切り部59の介在長さ(中央帯部52cの中心軸に沿った長さ)も、適宜選択することができる。ここでは、仕切り部59は中央帯部52cの全長に亘って設けているが、例えば、より短くすることもできる。仕切り部59の突出長さや介在長さが小さいほど、上述の樹脂部100を具える場合に構成樹脂の充填作業性に優れる上に、樹脂部100の接合面積を増大できる。仕切り部59を省略することもできる。
以下、その他の構成部材を説明する。
(コイル)
コイル2及び磁性コア3はいずれも、公知の形状、材質のものを利用することができる。コイル2を構成する巻線2wは、銅やアルミニウム、その合金といった導電性材料からなる導体の外周に、絶縁材料(代表的にはポリアミドイミドといったエナメル材料)からなる絶縁被覆を具える被覆線を好適に利用できる。導体は、横断面形状が長方形状である平角線、円形状である丸線、多角形状である異形線などの種々の形状のものを利用できる。ここでは、コイル2は、導体が銅製の平角線からなり、絶縁被覆がエナメルからなる被覆平角線をエッジワイズ巻きにして形成されたエッジワイズコイルとしている。エッジワイズコイルは、占積率を高めて小型なコイルとし易く、リアクトル1の小型化に寄与する。コイル素子2a,2bを別々の巻線2wで形成して、連結部材(図示せず)で接合して一つのコイル2を構成することもできるが、連続する1本の巻線2wでコイル素子2a,2b及び連結部2rを構成することで、部品点数及び組立工程数の低減を図ることができる。
コイル2(コイル素子2a,2b)の端面形状は、適宜選択することができる。この例に示すように端面形状を直線と円弧とを組み合わせて構成される形状とすると、コイル2(コイル素子2a,2b)の外周面の少なくとも一部が平面で構成されるため、設置対象との接触面積の増大による放熱性の向上、設置時の安定性の向上、といった利点がある。このような端面形状として、角部を丸めた矩形状の他、レーストラック状などが挙げられる。又は、端面形状を、実質的に曲線のみからなる形状、代表的には円形、楕円形とすることもできる。
コイル2を形成する巻線2wにおいて各端部側の領域は、ターン部分から適宜な方向に引き出され(引き延ばされ)、代表的には、端子部材(図示せず)が接続される。この端子部材などを介して、コイル2に電力が供給される。端子部材も、銅やアルミニウム、その合金といった導電性材料で構成される。
(磁性コア)
磁性コア3は、代表的には、鉄や鉄合金、希土類元素を含む合金といった金属、フェライトといった非金属などの軟磁性材料から構成される。磁性コア3は、複数のコア片(この例では、2個の内側コア部31,31と2個の外側コア部32,32の合計4個)を接着剤や粘着テープなどによって接合させることができる。例えば、この例では、絶縁部材5の介在によって内側コア部31の端面31eと外側コア部32の内端面32eとの間に設けられる空間に接着剤を充填することが挙げられる。コア片の分割数は適宜選択することができる。分割数が少ないほど、部品点数が少なく、組立工程数やコア片同士の接着剤などによる接合工程数を低減できる。コア片同士を接合せず、接合工程を省略することもできるが、接着剤などによってコア片同士を強固に固定することで、磁性コア3の剛性が高まり、騒音の低減効果が期待できる。
各コア片は、圧粉成形体、磁性体粉末と樹脂とを含む複合材料、複数の電磁鋼板を積層した積層体などが利用できる。電磁鋼板を用いたコア片は、一般に飽和磁束密度が高い。圧粉成形体は、代表的には、原料粉末を加圧成形後、適宜熱処理を施すことで製造される。原料粉末は、上述の軟磁性材料からなる軟磁性粉末、上述の軟磁性材料が金属の場合に金属粒子の表面にシリコーン樹脂やリン酸塩などからなる絶縁被覆を具える被覆粉末、軟磁性粉末や被覆粉末に熱可塑性樹脂などの樹脂や高級脂肪酸などの添加剤(代表的には、熱処理によって消失、又は絶縁物に変化するもの)を適宜混合した混合粉末が挙げられる。被覆粉末を利用すると、金属粒子間に絶縁物が介在して絶縁性に優れ、低損失な圧粉成形体が得られる。また、圧粉成形体は、原料粉末に純鉄粉(好ましくは被覆粉末)を用いると、成形性に優れ、コア片を製造し易い。圧粉成形体の磁気特性は、例えば、飽和磁束密度が1.0T以上、更に1.6T以上、1.8T以上、2T以上、比透磁率が50以上500以下、が挙げられる。
上記複合材料は、代表的には、射出成形、トランスファー成形、MIM(Metal Injection Molding)、注型成形、磁性体粉末と粉末状の固体樹脂とを用いたプレス成形などにより製造できる。列挙した製法のうちプレス成形以外の方法では、磁性体粉末と樹脂との混合物を成形型に充填して成形した後、上記樹脂を適宜硬化することで、所望の立体形状の複合材料が容易に得られる。磁性体粉末は、上述の軟磁性材料からなる粉末を利用できる。単一の材質の粉末のみでも、材質の異なる複数種の粉末を組み合わせて利用してもよい。複合材料では、圧粉成形体を製造するための加圧と異なり、磁性体粉末を塑性変形させるほどの加圧を行う必要が無いため、合金粉末などの比較的高硬度な粉末でも利用できる。また、複合材料中の磁性体粉末は、上述のように実質的に塑性変形しないため、原料に用いた磁性体粉末と実質的に同じであり、原料の磁性体粉末の形状、大きさ、材質を実質的に維持する。従って、磁性体粉末の平均粒径が1μm以上1000μm以下、特に10μm以上500μm以下程度であると、上記混合物の流動性に優れて、射出成形などを利用してコア片を製造し易い。粒径が異なる複数種の粉末(粗大粉末及び微細粉末)を含むと、飽和磁束密度が高く、低損失なコア片や磁性コア、ひいては低損失なリアクトルを得易い。
上記複合材料中のバインダとなる樹脂は、代表的には、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂が挙げられる。その他、PPS樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂などの熱可塑性樹脂、常温硬化性樹脂、又は低温硬化性樹脂を利用することができる。
磁性体粉末及び樹脂に加えて、アルミナやシリカなどのセラミックスといった非磁性体からなる粉末(フィラー)を含有する複合材料とすることができる。この複合材料は、放熱性の向上、磁性体粉末の偏在の抑制(均一的な分散)を図ることができる。フィラーは、磁性体粉末よりも微粒であると、フィラーの含有による磁性体粉末の割合の低下を抑制できる。フィラーの含有量は、複合材料を100質量%とするとき、0.2質量%以上20質量%以下であると、上記効果を十分に得られる。
上記複合材料中の磁性体粉末の含有量は、複合材料を100%とするとき、20体積%以上75体積%以下が挙げられる。磁性体粉末が20体積%以上であることで、磁性成分の割合が十分に高いため、飽和磁束密度を高め易い。磁性体粉末が75体積%以下であると、磁性体粉末と樹脂との混合物の流動性に優れ、複合材料の製造性に優れる。磁性体粉末の含有量は、30体積%以上、更に40体積%以上とすることが挙げられる。また、磁性体粉末の含有量は、70体積%以下、更に65体積%以下、60体積%以下とすることが挙げられる。
上記複合材料は、磁性体粉末の材質や含有量、フィラーの有無などを調整することで、コア片の磁気特性を容易に調整できる。つまり、所望の磁気特性を有するコア片や磁性コア3を製造し易い。また、複合材料は、樹脂を含有することから、磁性体粉末の材質が圧粉成形体を構成する粒子の材質と同じである場合でも、飽和磁束密度が低く、かつ比透磁率も低くなる傾向にある。複合材料の磁気特性は、例えば、飽和磁束密度が0.6T以上、更に1.0T以上、比透磁率が5以上50以上、好ましくは10以上35以下が挙げられる。なお、上述の比透磁率及び飽和磁束密度は、以下のようにして測定する。各コア片と同じ材料で構成した複合材料で、外径34mm、内径20mm、厚さ5mmのリング状試験片を作製する。この試験片に、一次側300巻、二次側20巻きの巻線を施し、試験片のB-H初磁化曲線をH=0(Oe)〜100(Oe)の範囲で測定する。測定には、例えば、理研電子株式会社製BHカーブトレーサ「BHS-40S10K」を用いることができる。得られたB-H初磁化曲線の勾配(B/H)の最大値を求め、この最大値をコア片の比透磁率とする。通常、H=0又はH=0付近で、B-H初磁化曲線の勾配(B/H)は最大となる。ここでの磁化曲線とは、いわゆる直流磁化曲線である。また、ここでの比透磁率とはいわゆる直流透磁率であって、交流磁場中で測定された交流比透磁率とは異なる。コア片の飽和磁束密度は、上記試験片に対して電磁石で10000(Oe)の磁界を印加し、十分に磁気飽和させたときの磁束密度とする。
磁性コア3は、その全体が一様な磁気特性を有する形態とすることもできるし、部分的に磁気特性が異なる形態とすることもできる。磁性コア3全体が一様な磁気特性を有する形態は、代表的には、磁性コア3を構成する全てのコア片を、同じ材質、かつ同じ製法によって製造したものを利用することが挙げられる。例えば、
(1)内側コア部31と外側コア部32とを共に圧粉成形体とする、
(2)内側コア部31と外側コア部32とを共に複合材料とする、
などが挙げられる。
磁性コア3が、部分的に磁気特性が異なる形態は、例えば、一部のコア片を圧粉成形体、他部のコア片を複合材料などとしたり、全てのコア片を複合材料とし、一部のコア片の磁性体粉末の含有量や材質などを異ならせたり、内側コア部31の材質と外側コア部32の材質とを異ならせたりすることが挙げられる。例えば、
(3)内側コア部31を圧粉成形体とし、外側コア部32を複合材料とする、
(4)内側コア部31を複合材料とし、外側コア部32を圧粉成形体とする、
(5)内側コア部31と外側コア部32とを共に複合材料とし、複合材料の材質などを異ならせる、
(6)内側コア部31と外側コア部32とを共に圧粉成形体とし、材質などを異ならせる、
などが挙げられる。
その他、磁性コア3は、コア片よりも比透磁率が低い材料からなるギャップ材(図示せず)を具えることができる。しかし、この例に示すようにギャップ材を別途具えておらず、絶縁部材5のコア間介在部56によってギャップを構築すると、部品点数が少なく、ギャップ材の配置工程や固定工程も省略でき、組立作業性に優れる。磁性コア3を構成するコア片のうち、少なくとも一つのコア片の比透磁率が他のコア片よりも低い形態とすると、磁気飽和が生じ難く、ギャップを省略し易い。特に、磁性コア3全体の比透磁率が5以上100以下、更に10以上50以下となるように、磁性コア3の材質などを調整すると、ギャップレス構造にできる。
ここでは、内側コア部31,31はいずれも、同一材質の複合材料から構成され、外側コア部32,32はいずれも、同一材質の圧粉成形体で構成されており、上述のように内側コア部31と外側コア部32との間にギャップ(主としてエアギャップ)を有する。また、磁性コア3では、外側コア部32,32の設置側の面(図1〜図3では下面)を、内側コア部31,31の設置側の面(図1〜図3では下面)よりも突出させており、かつコイル2の設置側の面(図1〜図3では下面)と面一としている。このため、リアクトル1は安定性に優れる上に、設置対象との接触面積が増大し、放熱性にも優れる。
(その他の構成部材)
コイル2と磁性コア3との組合体10を収納するケース(図示せず)を具える形態とすることができる。ケースは、底部と、底部から立設される壁部とを具え、底部との対向側が開口した、種々の形状、大きさの容器が利用できる。ケースの構成材料は、非磁性金属材料、具体的には、アルミニウムやその合金、マグネシウムやその合金が挙げられる。これらの金属は、導電性を有し、高強度で、熱伝導率が高いことから、これらの金属からなるケースは、ケース外部への漏れ磁束を抑制する磁気シールド、収納物に対する外部環境(粉塵や腐食など)からの保護や機械的保護、放熱経路として機能する。また、これらの金属は、軽量でもあることから、車載部品の構成材料に好適に利用できる。一方、底部が上記金属からなる板材であり、壁部が樹脂などの絶縁材料からなり、これらの組物のケースとすると、コイルと壁部間の絶縁性の向上、軽量化、組合体10の収納作業性の向上(板材に組合体10を配置してから壁部を取り付けてケースを組み立てられる)、などの効果を期待できる。
上記ケースの開口部を覆うように蓋部(図示せず)を具える形態とすることができる。蓋部を具える場合、(1)ケース内の収納物の脱落防止、(2)収納物の保護、特に、上述の非磁性金属材料から構成された蓋部とする場合、上記(1),(2)に加えて(3)漏れ磁束の防止、(4)放熱経路に利用することによる放熱性の向上、などの効果を期待できる。蓋部の固定には、ボルトなどの締付部材や接着剤などを利用できる。
組合体10と設置対象又は上記ケースの内底面との間に放熱シート(図示せず)を具える形態とすることができる。放熱シートは、熱伝導性に優れ、かつ絶縁性にも優れる材料、例えば、セラミックスなどからなるフィラーを含有する樹脂(エポキシ樹脂など)などから構成されるものが好適に利用できる。この形態は、放熱性を高められる。また、比較的柔らかい材質(例えば、シリコーン樹脂など)からなる放熱シートを用いると、騒音の低減効果が期待できる。
(用途)
上述の構成を具えるリアクトル1は、通電条件が、例えば、最大電流(直流)が100A以上1000A以下程度、平均電圧が100V以上1000V以下程度、使用周波数が5kHz以上100kHz以下程度である用途、代表的には電気自動車やハイブリッド自動車などの車載用電力変換装置の構成部品に好適に利用できる。
(リアクトルの製造方法)
リアクトル1は、以下のようにして組み立てられる。図3に示すようにコイル2,磁性コア3を構築する内側コア部31,31及び外側コア部32,32,絶縁部材5A,5Bを用意する。そして、各内側コア部31,31をそれぞれ、コイル素子2a,2b内に挿入する。両コイル素子2a,2bの一端面と両内側コア部31,31の一端面31e,31eの一部を覆うように、一方の絶縁部材5Aを配置する(図2(C)も参照)。同様に両コイル素子2a,2bの他端面と両内側コア部31,31の他端面31e,31eの一部を覆うように他方の絶縁部材5Bを配置する(図2(C)も参照)。このとき、絶縁部材5A,5Bの内側介在部54a,54bはそれぞれ、ガイドとしても機能する。更に、一方の絶縁部材5Aの端面介在部52のコア面に一方の外側コア部32を接触させ、他方の絶縁部材5Bの端面介在部52のコア面に他方の外側コア部32を接触させて、コイル2と内側コア部31,31とを両外側コア部32,32によって挟持するように組み付ける。このとき、絶縁部材5A,5Bの位置決め部58は、ガイドとしても機能する。上記工程によって、横並びされた両内側コア部31,31の端面31e,31eを覆うように各外側コア部32,32の内端面32e,32eがそれぞれ配置されて、環状の磁性コア3を形成する。同時にリアクトル1が構築される。
(効果)
リアクトル1は、筒状のコイル2の内側に配置される個所と、コイル2の端面に配置される個所とが一体に形成された絶縁部材5を構成要素とすることで、部品点数が少なく、組立工程数が少ない。また、リアクトル1は、絶縁部材5をコイル2に嵌め込むことで、コイル2と内側コア部31とに対する絶縁部材5の位置決めと、コイル2の端面に対する絶縁部材5の位置決めとを一度に行える。従って、リアクトル1は、組立作業性に優れ、生産性を向上できる。
特に、この例に示すリアクトル1では、以下の点から、組立作業性により優れ、生産性をより向上できる。
(1)コア間介在部56を具えることで、内側コア部31と外側コア部32との間を所定の間隔に容易に位置決めできる上に、コア間介在部56が当たり止めとなって絶縁部材5をコイル2と内側コア部31,31との組物に配置し易い。
(2)コア間介在部56によって上記所定の間隔をギャップに利用でき、リアクトル1はギャップを有しながらも、ギャップ材を別途設ける必要がない。
(3)位置決め部58を具えることで、絶縁部材5に対する外側コア部32を容易に位置決めできる。
(4)端面介在部52のコイル面が上述の傾斜面であり、絶縁部材5をコイル2に密着させて位置決めし易く、配置し易い。
(5)端面介在部52のコイル面が十分に大きく、絶縁部材5をコイル2に組み付けるときにコイル2を十分に押えられる。
(6)仕切り部59をガイドに利用でき、絶縁部材5をコイル2に配置し易い。
(7)磁性コア3を構成するコア片の個数が少なく(ここでは4個)、内側コア部31,31及び外側コア部32,32を構成する各コア片がいずれも一体物であり、組立工程数が少ない。
更に、リアクトル1に具える絶縁部材5は、コイル2における環状の端面の一部にのみ配置されると共に、コイル2における筒状の内周面の一部にのみ配置される形状であることから、材料使用量も低減できる。
[変形例1]
実施形態1では、絶縁部材5A,5Bが同じ形状である形態を説明したが、異なる形状とすることができる。例えば、一方の絶縁部材5Aを下側帯部52dのみとし、他方の絶縁部材5Bを実施形態1と同様とすることができる。この形態は、後述する実施形態2のように樹脂部100を具える場合に、樹脂部100の構成樹脂の充填作業性の向上、樹脂部100との接触面積の増大、一体物の剛性の向上による騒音の低減を図ったり、絶縁部材の材料使用量を低減したりすることができる。
[変形例2]
実施形態1では、絶縁部材5が中央帯部52cの中心軸を中心として線対称な形状である形態を説明したが、線対称な形状でなくてもよい。例えば、一方のコイル素子2aに対しては中央帯部と下側帯部とが存在し、他方のコイル素子2bに対しては中央帯部のみが存在する形態が挙げられる。又は、例えば、絶縁部材5の端面介在部52におけるコイル素子2a,2bの周方向に沿った切欠位置及び切欠長さと、内側介在部54a,54bにおけるコイル素子2a,2bの周方向に沿った切欠位置及び切欠長さとが異なった形態などが挙げられる。いずれの形態の絶縁部材も、コイル2を覆わない個所(露出箇所)を増大できる。従って、これらの形態は、後述する実施形態2のように樹脂部100を具える場合に、樹脂部100の構成樹脂の充填作業性の向上、樹脂部100との接触面積の増大、一体物の剛性の向上による騒音の低減を図ったり、絶縁部材の材料使用量を低減したりすることができる。
[変形例3]
実施形態1では、絶縁部材5Aがコイル素子2a,2bの一端面側、絶縁部材5Bがコイル素子2a,2bの他端面側に配置される形態を説明したが、一方の絶縁部材が一方のコイル素子2aの一端面側のみに配置され、他方の絶縁部材が他方のコイル素子2bの他端面側のみに配置される形態とすることができる。この形態では、例えば、実施形態1における絶縁部材5A(又は5B)を中央帯部52cの中心軸に沿って切断し、一方のコイル素子に配置可能な部分のみを有する形状の絶縁部材(いわば半割れの絶縁部材)を利用することができる。一方のコイル素子2aの一端面側に配置された(半割れの)絶縁部材によって、一方のコイル素子2aと一方の内側コア部31と一方の外側コア部32とを位置決めできる。他方のコイル素子2bの他端面側に配置された別の(半割れの)絶縁部材によって、他方のコイル素子2bと他方の内側コア部31と他方の外側コア部32とを位置決めできる。この結果、これらの二つの(半割れの)絶縁部材によって、両コイル素子2a,2bと内側コア部31,31との間、両コイル素子2a,2bと外側コア部32,32との間にそれぞれ、所定の間隔を維持できる。この形態は、絶縁部材5によってコイル2を覆わない個所(露出箇所)を更に増大できる。従って、この形態は、後述する実施形態2のように樹脂部100を具える場合に、樹脂部100の構成樹脂の充填作業性の更なる向上、樹脂部100との接触面積の更なる増大、一体物の剛性の向上による騒音の低減を更に図ったり、絶縁部材の材料使用量をより低減したりすることができる。
[実施形態2]
実施形態2のリアクトルとして、実施形態1のリアクトル1の主要構成部材であるコイル2と磁性コア3との組合体10を覆う樹脂部100(図1)を具える形態が挙げられる。樹脂部100を具える形態は、組合体10を収納するケース(図示せず)と、このケース内に充填されて、組合体10を封止する樹脂部100とを具える形態、又はケースを有しておらず、組合体10の外周を覆ってリアクトルの外周面を形成する樹脂部100を具える形態(ケースレス形態)が挙げられる。樹脂部100を具える形態は、組合体10の外部環境からの保護(耐食性の向上、埃などからの保護)や機械的強度の保護、材質や厚さによっては放熱性の向上、振動の抑制による騒音の低減・抑制などを図ることができる。
特に、この形態は、上述のように絶縁部材5における切欠かれて開放された部分を樹脂部100の構成樹脂の流路や、コイル2と内側コア部31との間などに溜まった気体を排出する脱気用通路に利用できる。そのため、この形態は、樹脂部100の構成樹脂を精度よくかつ短時間で充填可能である。絶縁部材5の端面介在部52におけるコイル2の端面を覆う面積がより少ない形態、内側介在部54の突出長さがより短い形態、コア間介在部56がより小さい形態、絶縁部材5が切欠きや貫通孔を具える形態などとすると、樹脂部100の構成樹脂をより充填し易く、脱気時間もより短縮し易い。また、これらの形態は、コイル2及び磁性コア3並びに絶縁部材5と樹脂部100との接合面積を増大できるため、コイル2と磁性コア3と絶縁部材5とを樹脂部100によって一体化した組物の剛性を高められ、振動の抑制による騒音の低減・抑制を期待できる。
ケースを具える場合、樹脂部100の構成樹脂は、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂などの絶縁性樹脂が挙げられる。特に、構成樹脂は、熱伝導率が0.5W/m・K以上、更に1.0W/m・K以上であると放熱性に優れて好ましい。絶縁性や放熱性に優れるフィラーを含有する樹脂(好ましくは熱伝導率が2.0W/m・K以上のもの)を樹脂部100の構成樹脂に利用すると、コイル2や磁性コア3とケースとの間の絶縁性や放熱性を更に向上できる。フィラーの材質は、例えば、窒化珪素、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ほう素、及び炭化珪素から選択される少なくとも1種といったセラミックスが挙げられる。また、樹脂部100は、接着力が高い樹脂であると、コイル2と磁性コア3と絶縁部材5とを強固に固定でき、これらの組物の剛性の向上による騒音の低減効果を期待できる。特に、ある程度硬度が高い樹脂(エポキシ樹脂など)で樹脂部100を構成すると、騒音を効果的に低減できる。
ケースレス形態でも、樹脂部100の構成樹脂は絶縁性樹脂が好ましい。特に、トランスファー成形や射出成形などが可能な樹脂であると、組合体10の外形に沿った形状などを良好に成形できる。具体的な樹脂は、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、不飽和ポリエステルなどの熱硬化性樹脂や、PPS樹脂、LCPなどの熱可塑性樹脂などが挙げられる。この形態も、樹脂部100は、熱伝導率が0.5W/m・K以上、更に1.0W/m・K以上を満たすことが好ましい。上述のフィラーを含有する樹脂を利用することもできる。
[実施形態3]
実施形態1では、コイル2が二つのコイル素子2a,2bを具える形態を説明したが、コイル素子を一つのみ具える形態とすることができる。この場合、磁性コアは、このコイル素子内に配置される一つの柱状の内側コア部と、内側コア部の両端面を連結するように配置される外側コア部とを具えるものが挙げられる。内側コア部は、複数のコア片を組み合わせて構築することもできるが、実施形態1のように一体物(一つのコア片)であると、部品点数が少なく、組立工程数を低減できて好ましい。外側コア部も、一体物(一つのコア片)とすると部品点数を少なくできる。この場合、外側コア部は、例えば、Π字状などとすることが挙げられる。又は、外側コア部は、複数のコア片を組み合わせて構築することができる。例えば、外側コア部は、有底筒状のコア片と、この筒状のコア片の一端面と内側コア部の一端面とを連結する板状のコア片とを具える形態、筒状のコア片及び上記板状のコア片を二つ具える形態が挙げられる。これらの形態は、外側コア部をコイルの外周に容易に組み付けられ、組立作業性に優れる。
この形態では、絶縁部材は、例えば、上述の変形例3で説明した半割れの絶縁部材を利用することが挙げられる。
この形態も、上述のように端面介在部と内側介在部とを具える絶縁部材を具えることで、生産性に優れる。また、リアクトルの構成部品(絶縁部材)の材料使用量を低減できる。なお、この形態も、実施形態2で説明した樹脂部を具える形態とすることができる。この場合、上述のように樹脂部の構成樹脂の充填作業性に優れる、樹脂部との接触面積を増大できる、一体物の剛性を高めて騒音の低減を図ることができる、という効果を奏する。
[実施形態4]
実施形態1〜3のリアクトルや変形例1〜3のリアクトルは、例えば、車両などに載置されるコンバータの構成部品や、このコンバータを具える電力変換装置の構成部品に利用することができる。
例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車といった車両1200は、図4に示すようにメインバッテリ1210と、メインバッテリ1210に接続される電力変換装置1100と、メインバッテリ1210からの供給電力により駆動して走行に利用されるモータ(負荷)1220とを具える。モータ1220は、代表的には、3相交流モータであり、走行時、車輪1250を駆動し、回生時、発電機として機能する。ハイブリッド自動車の場合、車両1200は、モータ1220に加えてエンジンを具える。なお、図4では、車両1200の充電箇所としてインレットを示すが、プラグを具える形態とすることができる。
電力変換装置1100は、メインバッテリ1210に接続されて、入力電圧を変換するコンバータ1110と、コンバータ1110に接続されて、直流と交流との相互変換を行うインバータ1120とを有する。この例に示すコンバータ1110は、車両1200の走行時、200V〜300V程度のメインバッテリ1210の直流電圧(入力電圧)を400V〜700V程度にまで昇圧して、インバータ1120に給電する。また、コンバータ1110は、回生時、モータ1220からインバータ1120を介して出力される直流電圧(入力電圧)をメインバッテリ1210に適合した直流電圧に降圧して、メインバッテリ1210に充電させている。インバータ1120は、車両1200の走行時、コンバータ1110で昇圧された直流を所定の交流に変換して、変換した電力をモータ1220に給電してモータ1220を駆動し、回生時、モータ1220からの交流出力を直流に変換してコンバータ1110に出力している。
コンバータ1110は、図5に示すように複数のスイッチング素子1111と、スイッチング素子1111の動作を制御する駆動回路1112と、リアクトルLとを具え、ON/OFFの繰り返し(スイッチング動作)により入力電圧の変換(ここでは昇降圧)を行う。スイッチング素子1111には、FET,IGBTなどのパワーデバイスが利用される。リアクトルLは、回路に流れようとする電流の変化を妨げようとするコイルの性質を利用し、スイッチング動作によって電流が増減しようとしたとき、その変化を滑らかにする機能を有する。このリアクトルLとして、上記実施形態1〜3のリアクトルや変形例1〜3のリアクトルを具える。生産性に優れるリアクトル1などを具えることで、電力変換装置1100やコンバータ1110も生産性に優れる。
なお、車両1200は、コンバータ1110の他、メインバッテリ1210に接続された給電装置用コンバータ1150や、補機類1240の電力源となるサブバッテリ1230とメインバッテリ1210とに接続され、メインバッテリ1210の高圧を低圧に変換する補機電源用コンバータ1160を具える。コンバータ1110は、代表的には、DC-DC変換を行うが、給電装置用コンバータ1150や補機電源用コンバータ1160は、AC-DC変換を行う。給電装置用コンバータ1150のなかには、DC-DC変換を行うものもある。給電装置用コンバータ1150や補機電源用コンバータ1160のリアクトルに、上記実施形態1〜3のリアクトルや変形例1〜3のリアクトルなどと同様の構成を具え、適宜、大きさや形状などを変更したリアクトルを利用することができる。また、入力電力の変換を行うコンバータであって、昇圧のみを行うコンバータや降圧のみを行うコンバータに、上記実施形態1〜3のリアクトルや変形例1〜3のリアクトルなどを利用することもできる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱することなく、適宜変更することが可能である。
本発明のリアクトルは、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車といった車両に搭載されるDC-DCコンバータや空調機のコンバータといった電力変換装置の構成部品に利用することができる。
1 リアクトル 10 組合体 100 樹脂部
2 コイル 2a,2b コイル素子 2r 連結部 2w 巻線
3 磁性コア 31 内側コア部 31e 端面 32 外側コア部 32e 内端面
5,5A,5B 絶縁部材 52 端面介在部 52c 中央帯部 52u 上側線部
52d 下側帯部 54,54a,54b 内側介在部
56,56a,56b,56c,56d コア間介在部 58 位置決め部 59 仕切り部
1100 電力変換装置 1110 コンバータ 1111 スイッチング素子
1112 駆動回路 L リアクトル 1120 インバータ
1150 給電装置用コンバータ 1160 補機電源用コンバータ
1200 車両 1210 メインバッテリ 1220 モータ 1230 サブバッテリ
1240 補機類 1250 車輪

Claims (8)

  1. 巻線を螺旋状に巻回してなる一対の筒状のコイル素子を、その各軸が平行するように並列に備えるコイルと、
    前記一対のコイル素子の内側にそれぞれ配置される内側コア部と、前記コイルが配置されない外側コア部とを有する磁性コアと、
    前記コイルと前記磁性コアとの間に介在される絶縁部材とを具え、
    前記絶縁部材は、
    両コイル素子における一方の環状の端面と前記外側コア部との間に介在される端面介在部と、
    各コイル素子内側コア部との間にそれぞれ介在されて両者を位置決めする内側介在部と
    並列された前記両コイル素子の端面を渡るように配置される部分とが一体に形成されており、
    前記端面介在部は、前記各コイル素子における前記環状の端面に沿って、その周方向の一部にのみ配置され、
    前記内側介在部は、前記各コイル素子における筒状の内周面に沿って、その周方向の一部にのみ配置されるリアクトル。
  2. 前記コイルと前記磁性コアとの組合体を覆う樹脂部を具え、
    前記環状の端面と前記外側コアとの間において前記端面介在部が配置されない領域、及び前記コイルの内周面と前記内側コア部との間において前記内側介在部が配置されない領域に前記樹脂部の構成樹脂が充填されている請求項1に記載のリアクトル。
  3. 前記内側コア部は、磁性体粉末と樹脂とを含む複合材料から構成された一体物であり、
    前記絶縁部材は、前記内側コア部と前記外側コア部との間に介在されて両者間を一定の間隔に位置決めするコア間介在部を具える請求項1又は請求項2に記載のリアクトル。
  4. 前記内側コア部は、圧粉成形体から構成されている請求項1又は請求項2に記載のリアクトル。
  5. 前記端面介在部は、前記外側コア部を位置決めする位置決め部を具える請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のリアクトル。
  6. 前記内側介在部は、切欠き、又は貫通孔を具える請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のリアクトル。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のリアクトルを具えるコンバータ。
  8. 請求項7に記載のコンバータを具える電力変換装置。
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