JP2013118352A - リアクトル、リアクトル用コイル部品、コンバータ、及び電力変換装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】生産性に優れるリアクトル、リアクトル用コイル部品、コンバータ、電力変換装置を提供する。
【解決手段】リアクトル1は、巻線2wを螺旋状に巻回してなる筒状のコイル2と、筒状のコイル2の内側に配置される内側コア部31と、コイル2と内側コア部31との間に介在される間隔保持部材5とが樹脂モールド部21によって一体に保持されたコイル部品20を具える。間隔保持部材5によってコイル2と内側コア部31との間を一定の間隔に維持できると共に両者の位置決めができるため、樹脂モールド部21を成形する金型に容易に収納でき、かつ樹脂モールド部21を精度よく成形でき、コイル部品20の生産性に優れる。リアクトル1は、コイル部品20を構成要素とすることで、組立作業性に優れる。
【選択図】図1
【解決手段】リアクトル1は、巻線2wを螺旋状に巻回してなる筒状のコイル2と、筒状のコイル2の内側に配置される内側コア部31と、コイル2と内側コア部31との間に介在される間隔保持部材5とが樹脂モールド部21によって一体に保持されたコイル部品20を具える。間隔保持部材5によってコイル2と内側コア部31との間を一定の間隔に維持できると共に両者の位置決めができるため、樹脂モールド部21を成形する金型に容易に収納でき、かつ樹脂モールド部21を精度よく成形でき、コイル部品20の生産性に優れる。リアクトル1は、コイル部品20を構成要素とすることで、組立作業性に優れる。
【選択図】図1
Description
本発明は、ハイブリッド自動車などの車両に搭載される車載用DC-DCコンバータといった電力変換装置の構成部品などに利用されるリアクトル、リアクトル用コイル部品、このリアクトルを具えるコンバータ、及びこのコンバータを具える電力変換装置に関するものである。特に、生産性に優れるリアクトルに関するものである。
電圧の昇圧動作や降圧動作を行う回路の部品の一つに、リアクトルがある。例えば、特許文献1は、ハイブリッド自動車などの車両に載置されるコンバータに利用されるリアクトルを開示している。このリアクトルは、筒状のコイルと、コイルの内外に配置される磁性コアとを具える。特に、このリアクトルは、コイルの外周が絶縁性樹脂によって覆われ、かつこのコイルと、磁性コアのうちコイルの内側に配置される部分とが上記絶縁性樹脂によって一体に保持されたコイル部品を構成要素とする。そのため、このリアクトルは、(1)上記絶縁性樹脂によってコイルの外形が保持されているためコイルを取り扱い易い、(2)磁性コアの一部を一体に具えるコイル部品を利用することで、組立部品の点数が少ない、(3)上記絶縁性樹脂によってコイルと磁性コアとの間の絶縁性を高められる、といった優れた効果を奏する。
上記コイル部品は、コイルと内側コア部とを金型に収納し、コイルの端面を複数の棒状体で支持して、コイルと内側コア部との間に一定の間隔を保持した状態で金型内に絶縁性樹脂を充填することによって製造することができる。
リアクトルの生産性の向上が望まれている。
上述のコイルと内側コア部とが一体になったコイル部品を利用することで、組立作業性に優れる。しかし、このコイル部品の製造に時間がかかる。例えば、狭い金型内において、コイルと内側コア部との両者を同軸に精度よく位置決めすることに時間がかかる。特に、コイル部品の成形前は、巻線を螺旋状に巻回してなるコイルが伸縮するなど、コイルの形状が不安定でコイルを取り扱い難く、両者の位置決めを行い難い。小型化のためにコイルと内側コア部との間隔を狭くする場合には、更に高精度な配置が必要であり、時間がかかる。また、上述のように棒状体でコイルの端面を支持すると、絶縁性樹脂においてコイルの端面を覆う箇所には、棒状体の形状に応じた小穴が形成される。この小穴に別途絶縁性樹脂を埋設することで、コイル全体が絶縁性樹脂で覆われ、コイルとその周辺部品(磁性コアやケースなど)との間の絶縁性の向上や機械的保護などを図ることができる。しかし、工程数が多くなり、コイル部品の製造時間が長くなる。
そこで、本発明の目的の一つは、生産性に優れるリアクトルを提供することにある。また、本発明の他の目的は、リアクトルの生産性の向上に寄与することができるリアクトル用コイル部品を提供することにある。更に、本発明の他の目的は、生産性に優れるリアクトルを具えるコンバータ、このコンバータを具える電力変換装置を提供することにある。
本発明は、コイルと磁性コアの一部とを一体の部品とすると共に、コイルと磁性コアとの間隔を保持する部材をも一体に具えることで上記目的を達成する。
本発明のリアクトル用コイル部品は、筒状のコイルと、このコイルの内外に配置されて閉磁路を形成する磁性コアとを具えるリアクトルの構成部品に利用されるものである。このコイル部品は、巻線を螺旋状に巻回してなる筒状のコイルと、上記磁性コアのうち、上記コイルの内側に配置される内側コア部と、絶縁性樹脂から構成された間隔保持部材と、絶縁性樹脂から構成されており、上記コイルの外周の少なくとも一部を覆ってその形状を保持する樹脂モールド部とを具える。間隔保持部材は、上記内側コア部と上記コイルとの間に介在されて、上記コイルと上記内側コア部との間隔を保持する。樹脂モールド部は、上記コイルと上記内側コア部と上記間隔保持部材とを一体に保持する。
本発明のリアクトル用コイル部品は、樹脂モールド部によって、(1)コイルの形状が維持されているため、リアクトルの組立時にコイルが伸縮せずに取り扱い易く、リアクトルの組立作業性に優れる、(2)コイルと内側コア部とが一体になっていることで、リアクトルの組立部品の点数を少なくすることができ、リアクトルの組立作業性の向上に寄与する。かつ、本発明のリアクトル用コイル部品は、樹脂モールド部を成形する金型にコイルと内側コア部との両者を収納するにあたり、間隔保持部材を予め組み付けることで両者間を一定の間隔に保持できると共に、両者の位置決めを容易に行える。そして、この間隔保持及び位置決めされた状態のコイルと内側コア部とを金型に収納できるため、金型における両者の位置決めを容易に行える。従って、本発明のリアクトル用コイル部品は、金型への位置決めに要する時間を短縮することができる。また、間隔保持部材を具えることで樹脂モールド部の構成樹脂の充填空間(充填量)を低減できる結果、充填時間・樹脂の硬化時間も短縮することができる。これらの点から、本発明のリアクトル用コイル部品は、製造時間の短縮を図ることができ、構成要素の製造時間の短縮によって、ひいてはリアクトルの製造時間の短縮に寄与することができる。従って、本発明のリアクトル用コイル部品は、リアクトルの生産性の向上に寄与することができる。
上記本発明のリアクトル用コイル部品を具えるリアクトルとして、以下の本発明のリアクトルを提案する。本発明のリアクトルは、巻線を螺旋状に巻回してなる筒状のコイルと、上記コイルの内外に配置されて閉磁路を形成する磁性コアとを具える。特に、本発明のリアクトルは、以下の間隔保持部材と、以下の樹脂モールド部とを具える。間隔保持部材は、絶縁性樹脂から構成されている。また、間隔保持部材は、上記磁性コアのうち、上記コイルの内側に配置される内側コア部と上記コイルとの間に介在されて、上記コイルと上記内側コア部との間の間隔を保持する。樹脂モールド部は、絶縁性樹脂から構成されており、上記コイルの外周の少なくとも一部を覆って、その形状を保持する。また、樹脂モールド部は、上記コイルと上記内側コア部と上記間隔保持部材とを一体に保持する。
本発明のリアクトルは、コイルと内側コア部と間隔保持部材とが樹脂モールド部の構成樹脂によって一体になった部品(本発明のリアクトル用コイル部品)を構成要素とすることで、構成要素が取り扱い易く組立作業性に優れる上に、構成要素の製造時間の短縮、及び組付工程の短縮を図ることができ、生産性に優れる。その他、本発明のリアクトル用コイル部品や本発明のリアクトルは、コイルと内側コア部との間やその表面に間隔保持部材や樹脂モールド部が存在することで、コイルと内側コア部との間やコイルとその周辺部品との間の絶縁性に優れる。
本発明のリアクトル及び本発明のリアクトル用コイル部品の一形態として、上記間隔保持部材が、環状体と、上記環状体に一体に成形されたコイル側突起及びコア側突起の少なくとも一方を具える形態が挙げられる。環状体は、上記コイルと上記内側コア部との間に配置され、上記コイルと上記内側コア部との間隔よりも厚さが薄い。コイル側突起は、上記環状体から上記コイル側に突出して、上記コイルの内周面に接する。コア側突起は、上記環状体から上記内側コア部側に向かって突出して、上記内側コア部の外周面に接する。
上記形態は、コイル(内側コア部)の周方向に沿って環状体を介在させることができ、かつ、コア側突起やコイル側突起によって、コイルと内側コア部との間隔を所望の大きさに保持することができながら、樹脂モールド部の構成樹脂を導入するための流路を十分に確保することができる。
本発明のリアクトル及び本発明のリアクトル用コイル部品の一形態として、上記間隔保持部材が、環状体と、上記環状体に一体に成形されたフランジ部とを具える形態が挙げられる。環状体は、上記コイルと上記内側コア部との間に配置され、上記コイルと上記内側コア部との間隔よりも厚さが薄い。フランジ部は、上記環状体から上記コイルの径方向外方に突出して、上記コイルの端面の少なくとも一部を覆う。
上記フランジ部は、コイルの端面への当たり止めに利用できることから、上記形態は、コイルに対する間隔保持部材の位置決めを容易に行える。また、上記フランジ部は、樹脂モールド部を成形する金型内におけるコイルの支持やコイルの軸方向の長さ調整を行う棒状の支持部材の受け箇所に利用できることから、上記形態は、コイルの端面が樹脂モールド部又は間隔保持部材(フランジ部)によって覆われたコイル部品とすることができる。このコイル部品は、上記支持部材によって形成された小穴を別途絶縁性樹脂などで埋める必要がない。これらの点から、上記形態は、コイル部品やリアクトルの生産性に優れる。
上記環状体を具える形態として、更に、上記間隔保持部材が上記環状体に一体に成形されたフランジ部と、上記コイル側突起及び上記コア側突起の双方とを具える形態が挙げられる。上記フランジ部は、上記環状体から上記コイルの径方向外方に突出して、上記コイルの端面の一部を覆うように設けられている。そして、上記コイル側突起、上記コア側突起、及び上記フランジ部が上記環状体の周方向における重複した位置に設けられている。
上記形態は、上記フランジ部がコイルの端面の一部のみを覆うため、樹脂モールド部の構成樹脂の流路を十分に確保できる。また、上記形態は、コア側突起・コイル側突起・フランジ部を具えることから、上述の効果を有することに加えて、これらが環状体の周方向における重複した位置に設けられているため、樹脂モールド部の構成樹脂の流路をより広く確保でき、上記構成樹脂を充填し易い。従って、樹脂モールド部の充填時間を短縮できることから、上記形態は、コイル部品やリアクトルの生産性に優れる。
上記フランジ部を具える形態として、複数の上記フランジ部が上記環状体の周方向に沿って間隔をあけて並んでおり、各フランジ部がそれぞれ一様な厚さの板片で構成され、隣り合うフランジ部の厚さが上記コイルの端面の傾斜に対応して異なった形態とすることができる。又は、上記フランジ部を具える別の形態として、上記フランジ部が上記コイルの端面の傾斜に沿った傾斜面を具える形態とすることができる。
上記形態はいずれも、少なくとも一つのフランジ部が巻線を螺旋状に巻回してなるコイルの傾斜に沿って配置されることから、上述のようにコイルの端面を棒状の支持部材などで支持する場合に、コイルの端面とフランジ部とを密接でき、精度よく支持したり、適切な押圧力を付与したりすることができる。また、コイルの端面と少なくとも一つのフランジ部との密着により、両者間のデッドスペースを低減又は無くして、コイル部品の軸方向のサイズを小型にできる。この小型なコイル部品を具えることで、リアクトルを小型にできる。
本発明のリアクトル及び本発明のリアクトル用コイル部品の一形態として、上記間隔保持部材が上記コイルと上記内側コア部との間の空間に沿った形状の板状部を具える形態が挙げられる。
上記形態は、コイルと内側コア部との間の空間のより広い範囲に絶縁物(板状部)を簡単に配置でき、リアクトルの生産性に優れる。特に、上述のコイル側突起やコア側突起を具える環状体とこの板状部との双方を具える形態は、樹脂モールド部の構成樹脂の充填空間をより小さくして、充填時間・樹脂の硬化時間を短縮できることから、コイル部品やリアクトルの生産性に優れる。
本発明のリアクトル及び本発明のリアクトル用コイル部品の一形態として、上記磁性コアの少なくとも一部が磁性体粉末と樹脂とを含む複合材料から構成された形態が挙げられる。
コイルの外周が樹脂モールド部によって覆われているため、上記形態は、コイルと上記複合材料との間に樹脂モールド部の構成樹脂を介在できて、絶縁性にも優れる。また、上記形態は、磁性体粉末の種類や含有量によって種々の磁気特性の磁性コアを容易に製造できる上に、磁性コアの形状の自由度も大きい。
本発明のリアクトル及び本発明のリアクトル用コイル部品の一形態として、上記コイルが横並びされた一対の筒状のコイル素子を具える形態が挙げられる。
上記形態は、一対のコイル素子を具えることで、ターン数が多くても、コイルの軸方向の長さを短くでき、小型にできる。
本発明のリアクトルは、コンバータの構成部品に好適に利用することができる。本発明のコンバータは、上記本発明のリアクトルを具える。このコンバータは、例えば、スイッチング素子と、上記スイッチング素子の動作を制御する駆動回路と、スイッチング動作を平滑にするリアクトルとを具え、上記スイッチング素子の動作により、入力電圧を変換するものが挙げられる。この本発明のコンバータは、電力変換装置の構成部品に好適に利用することができる。本発明の電力変換装置は、上記本発明のコンバータを具える。この電力変換装置は、例えば、入力電圧を変換するコンバータと、上記コンバータに接続されて、直流と交流とを相互に変換するインバータとを具え、このインバータで変換された電力により負荷を駆動するものが挙げられる。
本発明のコンバータや本発明の電力変換装置は、生産性に優れる本発明のリアクトルを具えることで、生産性に優れ、車載部品などに好適に利用することができる。
本発明のリアクトルは、生産性に優れる。本発明のリアクトル用コイル部品は、リアクトルの生産性の向上に寄与することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。
[実施形態1]
図1〜図4を参照して、実施形態1のリアクトル1を説明する。リアクトル1は、巻線2wを螺旋状に巻回してなる一つのコイル素子を主体とするコイル2と、コイル2の内外に配置されて閉磁路を形成する磁性コア3とを具える。更に、ここでは、コイル2と磁性コア3とは、有底筒状のケース4に収納されている。リアクトル1は、代表的には、冷却ベースなどの設置対象にケース4が設置されて使用される。磁性コア3は、コイル2内に配置された柱状の内側コア部31と、コイル2の外周側に配置された外側コア部32とを具える。ここでは、外側コア部32は、磁性体粉末と樹脂とを含む複合材料から構成されている。リアクトル1は、コイル2と内側コア部31とが樹脂モールド部21によって一体に保持されたコイル部品20を具える。リアクトル1の特徴とするところは、コイル部品20が、樹脂モールド部21とは独立した部材であって、コイル2と内側コア部31との間隔を保持する間隔保持部材5をも一体に具える点にある。以下、各構成を詳細に説明する。
図1〜図4を参照して、実施形態1のリアクトル1を説明する。リアクトル1は、巻線2wを螺旋状に巻回してなる一つのコイル素子を主体とするコイル2と、コイル2の内外に配置されて閉磁路を形成する磁性コア3とを具える。更に、ここでは、コイル2と磁性コア3とは、有底筒状のケース4に収納されている。リアクトル1は、代表的には、冷却ベースなどの設置対象にケース4が設置されて使用される。磁性コア3は、コイル2内に配置された柱状の内側コア部31と、コイル2の外周側に配置された外側コア部32とを具える。ここでは、外側コア部32は、磁性体粉末と樹脂とを含む複合材料から構成されている。リアクトル1は、コイル2と内側コア部31とが樹脂モールド部21によって一体に保持されたコイル部品20を具える。リアクトル1の特徴とするところは、コイル部品20が、樹脂モールド部21とは独立した部材であって、コイル2と内側コア部31との間隔を保持する間隔保持部材5をも一体に具える点にある。以下、各構成を詳細に説明する。
<コイル部品>
コイル部品20は、コイル2と、磁性コア3を構成する内側コア部31と、コイル2と内側コア部31との間隔を保持する間隔保持部材5と、これらを一体に保持する樹脂モールド部21とを具える。
コイル部品20は、コイル2と、磁性コア3を構成する内側コア部31と、コイル2と内側コア部31との間隔を保持する間隔保持部材5と、これらを一体に保持する樹脂モールド部21とを具える。
(コイル)
コイル2は、1本の連続する巻線2wを螺旋状に巻回してなる複数のターンから構成される筒状のコイル素子を具える。巻線2wは、銅やアルミニウム、その合金といった導電性材料からなる導体の外周に、絶縁材料(代表的にはポリアミドイミドといったエナメル材料)からなる絶縁被覆を具える被覆線が好適である。導体は、横断面形状が長方形状である平角線、円形状である丸線、多角形状である異形線などの種々の形状のものを利用できる。ここでは、コイルは、導体が銅製の平角線からなり、絶縁被覆がエナメルからなる被覆平角線をエッジワイズ巻きにして形成されたエッジワイズコイルとしている。エッジワイズコイルは、占積率を高めて小型なコイルとし易く、リアクトルの小型化に寄与する。
コイル2は、1本の連続する巻線2wを螺旋状に巻回してなる複数のターンから構成される筒状のコイル素子を具える。巻線2wは、銅やアルミニウム、その合金といった導電性材料からなる導体の外周に、絶縁材料(代表的にはポリアミドイミドといったエナメル材料)からなる絶縁被覆を具える被覆線が好適である。導体は、横断面形状が長方形状である平角線、円形状である丸線、多角形状である異形線などの種々の形状のものを利用できる。ここでは、コイルは、導体が銅製の平角線からなり、絶縁被覆がエナメルからなる被覆平角線をエッジワイズ巻きにして形成されたエッジワイズコイルとしている。エッジワイズコイルは、占積率を高めて小型なコイルとし易く、リアクトルの小型化に寄与する。
コイル(コイル素子)2の端面形状は、適宜選択することができる。ここでは、端面は、直線と円弧とを組み合わせて構成されるレーストラック状であり、コイル2の外周面の少なくとも一部が平面で構成される。ここで、実施形態1のリアクトル1は、設置対象の表面に対して、コイル2の軸が平行するようにケース4にコイル2が収納されている(以下、この収納形態を横型収納形態と呼ぶ)。横型収納形態では、コイル2の外周面から設置対象の表面までの距離が短い領域を多くすることでき、放熱性を高められる。その他、端面形状が、多角形(例えば、長方形など)で各角部を丸めた形状のコイル(後述の図9参照)や、円形や楕円などの実質的に曲線のみからなる形状のコイルなど(後述の図6は円形状のコイルを示す)、種々の形状のコイルを利用することができる。
コイル2を形成する巻線2wにおいて各端部側の領域は、ターン部分から適宜引き延ばされ、代表的には、銅やアルミニウムなどの導電性材料からなる端子部材(図示せず)が接続され、端子部材を介して、コイル2に電力が供給される。実施形態1では、巻線2wの両端部がコイル2の一端面側に配置されるように、巻線2wの一部を適宜屈曲しているが、巻線2wの各端部の引き出し方向は適宜選択することができる。例えば、巻線2wの各端部をコイル2の各端面側にそれぞれ引き出すことができる。なお、巻線2wの両端部は、ケース4から露出させた形態が代表的であるが、ケース4内に収納することもできる。
コイル2においてターン部分から延ばされた巻線2wの引出箇所には、ターン部分に比較して、高電圧が加わる場合がある。従って、巻線2wの引出箇所のうち、少なくとも磁性コア3(外側コア部32)(図1)との接触部分には、絶縁物を配置すると、コイル2と磁性コア3(特にここでは外側コア部32)との間の絶縁性を高められる。ここでは、図1に示すように巻線2wの引出箇所を樹脂モールド部21によって覆っている。その他、絶縁紙や絶縁テープ(例えば、ポリイミドテープ)、絶縁フィルム(例えば、ポリイミドフィルム)などを適宜巻き付けたり、絶縁性材料をディップコーティングしたり、絶縁性チューブ(熱収縮チューブ及び常温収縮チューブのいずれでもよい)を配置する形態が挙げられる。巻線2wの引出箇所を樹脂モールド部によって覆わない形態では、樹脂モールド部の外形を単純にできるため、コイル部品を成形し易く、樹脂モールド部によって覆う形態では、別途、絶縁物を配置する必要がなく、工程数を低減できる。
(内側コア部)
コイル2の内部に挿通配置される内側コア部31は、図2に示すようにコイル2の内周形状に沿った外形を有する柱状体であり、ここでは軟磁性金属粉末を利用した圧粉成形体から構成している。詳細は、後述する。
コイル2の内部に挿通配置される内側コア部31は、図2に示すようにコイル2の内周形状に沿った外形を有する柱状体であり、ここでは軟磁性金属粉末を利用した圧粉成形体から構成している。詳細は、後述する。
(間隔保持部材)
間隔保持部材5は、図2〜図4を参照して説明する。ここでは、間隔保持部材5は、コイル2と内側コア部31との間であって、コイル2の各端面側の領域にそれぞれ配置される一対の環状体50と、コイル2の軸方向に沿って配置される複数(ここでは一対)の板状部54とを具える。
間隔保持部材5は、図2〜図4を参照して説明する。ここでは、間隔保持部材5は、コイル2と内側コア部31との間であって、コイル2の各端面側の領域にそれぞれ配置される一対の環状体50と、コイル2の軸方向に沿って配置される複数(ここでは一対)の板状部54とを具える。
環状体50は、コイル2の内周形状(=内側コア部31の外周形状(ここではレーストラック状))に沿った帯状体であり、その表面(コイル2側に配置される面)及び裏面(内側コア部31側に配置される面)にそれぞれ、複数のコイル側突起51(51a〜51d)及び複数のコア側突起52(52a〜52d)が一体に設けられている。また、環状体50は、その表面からコイル2の径方向外方に突出した複数のフランジ部53(53a〜53d)を一体に具えており、フランジ部53を具える箇所は、断面L字状である。
ここでは、環状体50の長さl50(図3)は、コイル(コイル素子)2の長さよりも十分に短く、コイル2の各端面側の領域のみを覆うように配置される。ここでの「長さ」とは、コイル2の軸方向に沿った長さをいう(以下、長さについて同様)。また、環状体50の厚さt50(図3)は、同軸に配置されたコイル2と内側コア部31との間隔(以下、間隔Cと呼ぶ)よりも十分に薄く、環状体50の表裏に設けられたコア側突起51の突出高さh51(図3)及びコイル側突起52の突出高さh52(図3)と厚さt50との合計が間隔Cに実質的に等しい。
環状体50の長さl50及び厚さt50は、間隔保持部材の仕様によって適宜選択することができる。例えば、間隔保持部材として、コイル2のいずれか一方の端面側、又は両端面側にフランジ部を設けない形態とすることができる。一方の端面側にのみフランジ部を具える形態は、例えば、コイル2の長さと同じ長さを有し、かつ、間隔Cと同じ厚さを有する環状体、つまり筒状体とすることができる。この場合、コイル2と内側コア部31との間には、主として上記間隔保持部材が介在し、上記間隔保持部材を両者間に配置するために必要な間隔を埋めるように後述する樹脂モールド部21の構成樹脂が充填される。このような筒状の間隔保持部材は、フランジ部を有することでコイル2に対する位置決めが容易であるものの、高い寸法精度が求められる。フランジ部を設けない形態は、例えば、間隔保持部材を、間隔Cと同じ厚さを有し、適宜な長さの環状体とすることができる。この環状体は、コイル2と内側コア部31との間の任意の位置に配置し、コイル2の両端面側を埋めるように樹脂モールド部21の構成樹脂を充填することができる。フランジ部を有しない場合、コイル2の軸方向に沿って環状体が移動可能であり、環状体の長さによっては、樹脂モールド部21を成形する金型への収納前においてコイル2に対する位置決めがし難く、又はできず、コイル2の端面側領域と内側コア部31とが接触する恐れがある。一方、実施形態1に示すように、長さl50が短く、厚さt50が薄い環状体50を一対具え、各環状体50に複数の突起51,52及びフランジ部53を具える形態では、(1)多少の寸法誤差は樹脂モールド部21の構成樹脂によって吸収可能である、(2)コイル2の両端面側にフランジ部53を配置できる、(3)コイル2と内側コア部31とを容易に位置決めできる、(4)コイル2と内側コア部31とが接触し難い、(5)樹脂モールド部21の構成樹脂を充填するための流路を十分に確保できる、(6)環状体50を配置し易いことから、結果として、生産性に優れる。
ここでは、コイル側突起51・コア側突起52・フランジ部53のいずれも、環状体50(コイル2)を四等分する位置に設けられている。コイル側突起51及びフランジ部53は、環状体50(コイル2)の径方向外方に突出するようにそれぞれ四つ設けられ(コイル側突起51a〜51d、フランジ部53a〜53d)、コア側突起52は、同径方向内方に突出するように四つ設けられている(コア側突起52a〜52d)。コイル側突起51a〜51d,コア側突起52a〜52d,フランジ部53a〜53dはいずれも、環状体50の周方向に沿って並んでおり、隣り合うコイル側突起間、隣り合うコア側突起間、隣り合うフランジ部間にはそれぞれ、所定の隙間があけられている。また、ここでは、コイル側突起51a〜51d,コア側突起52a〜52d,フランジ部53a〜53dは、環状体50の周方向における重複した位置に設けられている。より具体的には、コイル側突起51・コア側突起52・フランジ部53のいずれも、図3に示すように環状体50の周方向に沿った中心位置が同位置となるように設けられている。
コイル側突起51は、環状体50からコイル2側に突出してコイル2の内周面に接して、コイル2の内周面と環状体50の表面との間に突出高さh51に応じた隙間を設ける機能を有する。ここでは、コイル側突起51は、図3に示すように幅W51(環状体50(コイル2)の周方向に沿った長さ。以下、「幅」について同様)が適宜な大きさを有する平板状としている。コイル側突起51の形状は特に問わない。例えば、棒状でも半球状などでもよいが、平板状は単純な形状であり、成形し易い。コイル側突起51においてコイル2の内周面に接する面を、巻線2wを螺旋状に巻回して構成されるコイル2のターン形状に応じた湾曲面とすると、コイル2の内周面をより確実に支持することができる。また、ここでは、コイル側突起51の長さl51は、環状体50の長さl50よりも十分に短く、フランジ部53の長さl53との合計が環状体50の長さl50に等しい。コイル側突起51の長さl51とフランジ部53の長さl53との合計長さが環状体50の長さl50よりも小さくなるように、長さl51,l53を選択することもできる。
コア側突起52は、環状体50から内側コア部31側に突出して内側コア部31の外周面に接して、内側コア部31の外周面と環状体50の裏面との間に突出高さh52に応じた隙間を設ける機能を有する。ここでは、コア側突起52は、図3に示すように幅W52が適宜な大きさを有する平板状としているが、その形状は特に問わない。例えば、棒状でも半球状などでもよいが、平板状は単純な形状であり、成形し易い。また、ここでは、コア側突起52を構成する平板の幅W52をコイル側突起51の幅W51よりも大きくしているが、幅W52をコイル側突起51の幅W51と同等以下とすることができる。更に、ここでは、コア側突起52は、環状体50の全長に亘って設けられ、その長さl52は環状体50の長さl50に等しいが、環状体50の長さl50よりも小さくすることができる。
コイル側突起51の幅W51及びコア側突起52の幅W52は、上述のように樹脂モールド部21の構成樹脂の流路が確保できれば、適宜選択することができ、小さいほど、流路を広くすることができ、大きいほど、コイル2や内側コア部31との接触面積が大きくなりこれらを支持し易い。また、コイル2の断面形状や内側コア部31の断面形状に応じて、各コイル側突起の幅や各コア側突起の幅を変えることもできる。例えば、コイル2及び内側コア部31の断面形状がレーストラック状である場合、短径側に位置するコイル側突起の幅やコア側突起の幅を長径側に位置するコイル側突起の幅やコア側突起の幅よりも大きくすることができる、又は小さくすることができる。このように複数のコイル側突起の幅やコア側突起の幅をコイル2や内側コア部31の形状に応じてそれぞれ調整することで、コイル2と内側コア部31とを安定して同軸に保持することができる。
コイル側突起51及びコア側突起52を環状体50の周方向にずれて設けることができる。この場合、コイル側突起51の幅W51及びコア側突起52の幅W52をできるだけ小さくすると、上述の流路を確保し易い。実施形態1のように、コイル側突起51とコア側突起52とを環状体50の周方向の同位置に設けると、樹脂モールド部の構成樹脂を導入する際、上記構成樹脂が乱れ難く、流通抵抗を低減し易い。また、実施形態1のように、コイル側突起51とコア側突起52とを、環状体50をその周方向に等分する位置に設けることで、コイル2と内側コア部31との間に上記構成樹脂を均一的に導入可能であり、流通抵抗を低減し易い。更に、実施形態1のように幅W51及び幅W52のうち、いずれか一方が他方より小さいと、上記流路を更に確保し易い。これらの点から、実施形態1では、樹脂モールド部21の成形性に優れる。また、ここでは、コイル2と内側コア部31とが同軸に配置されるように、環状体50の厚さt50、コイル側突起51の突出高さh51、及びコア側突起の突出高さh52を調整している。
フランジ部53は、ここでは、矩形板状の部材であり、コイル2の端面側に配置される一面は、コイル2の端面に当接する接触面530である。フランジ部53がコイル2の端面に接触することで、環状体50におけるコイル2の軸方向の位置を規制でき、フランジ部53は、環状体50の位置決め部として機能する。また、フランジ部53において接触面530の対向面は、樹脂モールド部21を成形するときに、金型内でコイル2を支持する棒状の支持部材が当接する支持面に利用できる。ここでは、上記支持部材を十分に保持できるように、フランジ部53において環状体50からの突出量を、コイル2の端面を十分に覆うことが可能な大きさとしている。具体的には、上記突出量は、コイル2を構成する巻線2wの幅と同程度としている。また、ここでは、図2に示すように支持面を段差形状とし、この段差を支持部材の当たり止めとしている。ここでは、フランジ部53における環状体50側領域の厚さ(長さl53)を、環状体50の外方側領域の厚さよりも厚くすることで上記段差を形成している。段差形状とすることで、樹脂モールド部21との接触面積も増大することができる。支持面を接触面530と同様に平面とすることもできる(後述する図6参照)。
フランジ部53の長さl53(ここでは環状体50との連結箇所近傍であって、上述の段差を有していない箇所の長さ)は、上述のように環状体50の長さl50よりも短い。フランジ部53の形状、長さl53、幅W53、突出量は、上述の位置決め及び支持部材の支持が可能な範囲で適宜選択することができる。
フランジ部53の配置位置も適宜選択することができるが、環状体50をその周方向に等分する位置に突起51,52に加えてフランジ部53も設けることで、上述のように樹脂モールド部21の構成樹脂を均一的に導入できる上に、上記支持部材による支持を均一的に行える。
ここでは、図3に示すように、フランジ部53の幅W53>コア側突起52の幅W52>コイル側突起51の幅W51としている。また、フランジ部53a〜53dの合計幅は、コイル2の端面の周長よりも短く、四つのフランジ部53a〜53dは、コイル2の端面の一部のみを覆う。幅W51〜W53が上記の関係を満たし、かつフランジ部53a〜53dの合計幅が上記の条件を満たすことで、上述のように環状体50の周方向における同位置に、コイル側突起51・コア側突起52・フランジ部53の三つが設けられていても、樹脂モールド部21の構成樹脂の流路を適切に確保できる。特に、フランジ部53の幅W53がコイル2の端面の周長よりも十分に短く、かつフランジ部53の接触面530に接して設けられているコイル側突起51の幅W51が十分に小さいことで、フランジ部53の支持面側から接触面530側に向かって、上記構成樹脂を十分に回り込ませることができる。
なお、フランジ部53を連続する一つの環状部材とすることもできる。つまり、フランジ部53の形成長さをコイル2の端面の周長にほぼ等しくすることができる。この場合、コイル(コイル素子)2の端面全体をフランジ部で覆うことができるため、成形時にコイル2の端面を支持する棒状の支持部材をフランジ部の任意の位置に配置でき、支持部材の配置の自由度を高められる。また、この場合、樹脂モールド部21の構成樹脂は、コイル2のターン間の隙間から充填できる。又は、フランジ部53をC字状部材などとすると、切欠部分から樹脂モールド部21の構成樹脂を充填できる。
コイル側突起51・コア側突起52・フランジ部53の個数は適宜選択することができ、単数とすることもできる。これらの三つのうち、少なくとも一つの個数が異なった形態とすることができる。また、これらの三つのうち、少なくとも一つについて、環状体50の周方向に沿った位置が異なった形態とすることができる。例えば、コイル側突起51やコア側突起52は、コイル2又は内側コア部31における対向位置に一対設けた形態とすることができる。
各板状部54は、コイル2と内側コア部31との間の空間に沿った形状を有する板状の部材であり(図4)、ここでは、環状体50とは独立した部材である。ここでは、各板状部54は、図2に示すようにコイル2の内周面(内側コア部31の外周面)のうち平面部分を含む箇所に沿った形状である。また、ここでは、板状部54の両端に上述の一対の環状体50を配置したとき、両環状体50の長さl50と板状部54の長さとの合計長さが内側コア部31の長さに実質的に等しくなるように、板状部54の長さを調整している。こうすることで、コイル2と内側コア部31とに環状体50及び板状部54を組み付けたとき、板状部54の位置がずれ難い。板状部54の長さをより短くすることもできる。また、板状部54には、適宜、貫通孔や切欠を設けることができる(後述する図9では貫通孔を具える例を示す)。この場合、樹脂モールド部21の構成樹脂の流通性、上記構成樹脂との接触面積の増大を図ることができる。
板状部54の厚さは、環状体50の厚さt50よりも厚く、間隔Cにほぼ等しい。こうすることで、コイル2と内側コア部31との間であって環状体50が配置されていない領域において、コイル2と内側コア部31とが接触することを十分に防止できる。また、ここでは、板状部54は、内側コア部31の周方向の一部のみを覆うように配置されることから、このような厚さとしても、筒状体を挿入する場合に比較して挿入性に優れる。板状部54と環状体50とを別部材とすることで、板状部54の厚さと環状体50の厚さt50とを容易に異ならせることができる。
ここでは、一対の板状部54をいずれも、同一形状・同一の大きさとしているが、異ならせることができる。また、板状部54の個数を変更することもできる。例えば、単数とすることもできる。個数が少ないほど、組立部品の点数を低減でき、多いほど、コイル2と内側コア部31との接触を防止し易い。
間隔保持部材5の構成材料は絶縁性樹脂とする。詳細は、後述する。
(樹脂モールド部)
樹脂モールド部21は、コイル2の表面の少なくとも一部を覆って、コイル2を一定の形状に保持する。そのため、コイル2は、樹脂モールド部21によって伸縮せず、リアクトルの組立時などで取り扱い易い。また、ここでは、樹脂モールド部21は、コイル2を自然長よりも圧縮した状態に保持する機能も有する。そのため、コイル2は、その長さが自然長よりも短く、小型である。更に、樹脂モールド部21は、絶縁性樹脂から構成されており、コイル2の表面を覆うことで、コイル2とその周辺部材(磁性コア3など)との間の絶縁性を高める機能も有する。そして、樹脂モールド部21は、コイル2と内側コア部31と間隔保持部材5とを一体に保持する部材としても機能する。リアクトル1は、このようなコイル部品20を利用することで、組立部品の点数が少なく、組立作業性に優れる。
樹脂モールド部21は、コイル2の表面の少なくとも一部を覆って、コイル2を一定の形状に保持する。そのため、コイル2は、樹脂モールド部21によって伸縮せず、リアクトルの組立時などで取り扱い易い。また、ここでは、樹脂モールド部21は、コイル2を自然長よりも圧縮した状態に保持する機能も有する。そのため、コイル2は、その長さが自然長よりも短く、小型である。更に、樹脂モールド部21は、絶縁性樹脂から構成されており、コイル2の表面を覆うことで、コイル2とその周辺部材(磁性コア3など)との間の絶縁性を高める機能も有する。そして、樹脂モールド部21は、コイル2と内側コア部31と間隔保持部材5とを一体に保持する部材としても機能する。リアクトル1は、このようなコイル部品20を利用することで、組立部品の点数が少なく、組立作業性に優れる。
ここでは、樹脂モールド部21は、図1(B)に示すように、コイル2と、コイル2内に挿通配置された内側コア部31と、コイル2と内側コア部31との間隔を保持する間隔保持部材5との組物において、上述の端子部材が接続される巻線2wの両端部を除いた箇所を覆う。そのため、コイル2の表面は、上記巻線2wの両端部を除いて、樹脂モールド部21及び間隔保持部材5の少なくとも一方に覆われている。
樹脂モールド部21の被覆領域は、適宜選択することができる。例えば、コイル2のターン部分の一部が樹脂モールド部21によって覆われず、露出された形態とすることができる。しかし、実施形態1のように、コイル2の実質的に全部が樹脂モールド部21や間隔保持部材5によって覆われた形態とすると、コイル2と磁性コア3間の絶縁など、コイル2に対する絶縁性を高められる。
また、ここでは、内側コア部31の両端面31eが樹脂モールド部21に覆われずに露出され、後述する外側コア部32を構成する複合材料と接触する形態であるが、少なくとも一方の端面31eが樹脂モールド部21に覆われた形態とすることができる。このとき、内側コア部31の端面31e上に存在する樹脂は、ギャップとして利用できる。
樹脂モールド部21の厚さは、適宜選択することができ、例えば、0.1mm以上10mm以下程度が挙げられる。樹脂モールド部21の厚さが厚いほど、絶縁性を高められ、薄いほど、放熱性を高められる上にコイル部品の小型化を図ることができる。薄くする場合、上記厚さは、0.1mm以上3mm以下程度が好ましく、所望の絶縁強度を満たす範囲で適宜選択するとよい。また、被覆箇所の全域に亘って厚さが同じである形態、部分的に厚さが異なる箇所を有する形態のいずれも利用することができる。ここでは、被覆箇所の厚さを概ね均一的としており、コイル部品20の外形は、コイル2と、内側コア部31と、間隔保持部5との組物と相似形状である。なお、コイル2と内側コア部31との同軸の配置状態は、樹脂モールド部21によっても維持される。
樹脂モールド部21を構成する絶縁性樹脂は、主としてコイル2と磁性コア3間を十分に絶縁可能な程度の絶縁特性と、リアクトル1の使用時における最高到達温度に対して軟化しない程度の耐熱性とを有し、トランスファー成形や射出成形などが可能な樹脂が好適に利用できる。例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、不飽和ポリエステルなどの熱硬化性樹脂や、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、液晶ポリマー(LCP)などの熱可塑性樹脂などが好適に利用できる。窒化珪素、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ほう素、及び炭化珪素から選択される少なくとも1種のセラミックスからなるフィラーを上記樹脂に混合したものを樹脂モールド部21に利用すると、絶縁性を向上できる上に、放熱性も高められる。特に、熱伝導率が1W/m・K以上、更に2W/m・K以上を満たすものを樹脂モールド部21に利用すると放熱性に優れて好ましい。ここでは、樹脂モールド部21は、フィラーを含有したエポキシ樹脂(熱伝導率:2W/m・K)を利用している。
間隔保持部材5を構成する絶縁性樹脂も、樹脂モールド部21の構成樹脂と同様に、上述の絶縁特性と耐熱性とを有し、トランスファー成形や射出成形などが可能な樹脂が好適に利用できる。具体的には、PPS樹脂、LCP、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂などを好適に利用できる。間隔保持部材5の構成樹脂にも、上述のセラミックスからなるフィラーを混合したもの(好ましくは熱伝導率が1W/m・K以上のもの)を利用すると、絶縁性・放熱性を高められる。環状体50と板状部54とが独立した部材である場合、環状体50の構成樹脂と板状部54の構成樹脂とは、同一でも、異なっていてもよい。ここでは、間隔保持部材5は、樹脂モールド部21と同様のエポキシ樹脂を利用している。
コイル部品20の製造には、射出成形やトランスファー成形、注型成形などの種々の成形方法を利用できる。また、特許文献1に記載される製造方法を利用できる。具体的には、内側コア部31と板状部54とをコイル2に収納すると共に、コイル2の両端面側に環状体50を配置した組物を所望の形状の金型に収納する。そして、環状体50のフランジ部53に棒状の支持部材を押し当てて、コイル2を支持する。適宜な押圧力を付与して、コイル2をその軸方向に圧縮してもよい。支持部材で支持や押圧した状態で、上記組物が所望の厚さの樹脂で覆われるように樹脂モールド部21を成形することで、コイル部品20を製造できる。得られたコイル部品20において上記支持部材の配置箇所には、小穴(図示せず)が形成されるものの、小穴の底にはフランジ部53が存在してコイル2の端面が露出しないため、上記小穴を別途絶縁性樹脂などで埋める必要がない。
<磁性コア>
磁性コア3は、上述のように柱状の内側コア部31(図2)と、内側コア部31の少なくとも一方の端面31e(ここでは両端面)、及びコイル2の外周側に配置されて、コイル部品20の外周面を覆う外側コア部32(図1)とを具え、コイル2を励磁した際に閉磁路を形成する。
磁性コア3は、上述のように柱状の内側コア部31(図2)と、内側コア部31の少なくとも一方の端面31e(ここでは両端面)、及びコイル2の外周側に配置されて、コイル部品20の外周面を覆う外側コア部32(図1)とを具え、コイル2を励磁した際に閉磁路を形成する。
(内側コア部)
ここでは、内側コア部31は、コイル2の軸方向の長さよりも若干長いため、コイル2内に挿通配置された状態において、両端面31e及びその近傍の外周面がコイル2の端面から若干突出しており(図1(B))、この状態が樹脂モールド部21によって維持されている。内側コア部31においてコイル2の各端面から突出する長さ(以下、突出長さと呼ぶ)は、適宜選択することができる。ここでは、各端面からの突出長さを等しくしているが、異ならせてもよいし、コイル2のいずれか一方の端面からのみ突出部分が存在するように(後述する図5参照)、内側コア部の長さやコイルに対する内側コア部の配置位置を調整することができる。内側コア部の長さがコイルの長さと同等以上であると、コイル2がつくる磁束を内側コア部31に十分に通過させられる上に、上述の環状体50や板状部54を配置し易い。
ここでは、内側コア部31は、コイル2の軸方向の長さよりも若干長いため、コイル2内に挿通配置された状態において、両端面31e及びその近傍の外周面がコイル2の端面から若干突出しており(図1(B))、この状態が樹脂モールド部21によって維持されている。内側コア部31においてコイル2の各端面から突出する長さ(以下、突出長さと呼ぶ)は、適宜選択することができる。ここでは、各端面からの突出長さを等しくしているが、異ならせてもよいし、コイル2のいずれか一方の端面からのみ突出部分が存在するように(後述する図5参照)、内側コア部の長さやコイルに対する内側コア部の配置位置を調整することができる。内側コア部の長さがコイルの長さと同等以上であると、コイル2がつくる磁束を内側コア部31に十分に通過させられる上に、上述の環状体50や板状部54を配置し易い。
磁性コア3はその全体が一様な材質から構成された形態とすることができる。ここでは、部分的に材質が異なっており、内側コア部31は、圧粉成形体、外側コア部32は、複合材料から構成されている。
圧粉成形体は、代表的には、原料粉末を加圧成形後、適宜熱処理を施すことで製造される。原料粉末には、鉄基材料(鉄族金属や鉄合金)や希土類金属などの軟磁性材料からなる粒子の表面にシリコーン樹脂やリン酸塩などからなる絶縁被覆を具える被覆粉末、更に熱可塑性樹脂などの樹脂や高級脂肪酸などの添加剤(代表的には、熱処理によって消失、又は絶縁物に変化するもの)を適宜混合した混合粉末が挙げられる。被覆粉末を利用することで、軟磁性材料(特に金属)からなる粒子間に絶縁物が介在して絶縁性に優れ、低損失な圧粉成形体が得られる。圧粉成形体は公知のものを利用することができる。柱状の内側コア部31は、一体の成形物でも、圧粉成形体からなる複数のコア片を積層した積層体でもいずれも利用することができる。積層体は、接着剤や接着テープなどで固定して一体物とすることができる。ここでは、内側コア部31は、ギャップ材やエアギャップが介在していない中実体としている。
(外側コア部)
ここでは、外側コア部32は、ケース4の内周面と、ケース4に収納されたコイル部品20の外周面とがつくる空間に沿った形状であり、コイル部品20において巻線2wの両端部を除く領域を覆う複合材料から構成される。コイル部品20の一部が複合材料から露出された形態とすることもできる。この場合、露出箇所によって放熱性を高められると期待される。一方、コイル部品20の実質的に全体を外側コア部32で覆うことで、コイル部品20に対して、環境からの保護、機械的保護を行うことができる。
ここでは、外側コア部32は、ケース4の内周面と、ケース4に収納されたコイル部品20の外周面とがつくる空間に沿った形状であり、コイル部品20において巻線2wの両端部を除く領域を覆う複合材料から構成される。コイル部品20の一部が複合材料から露出された形態とすることもできる。この場合、露出箇所によって放熱性を高められると期待される。一方、コイル部品20の実質的に全体を外側コア部32で覆うことで、コイル部品20に対して、環境からの保護、機械的保護を行うことができる。
上記複合材料は、代表的には、射出成形、トランスファー成形、MIM(Metal Injection Molding)、注型成形、磁性体粉末と粉末状の固体樹脂とを用いたプレス成形などにより製造することができる。射出成形は、磁性体粉末と樹脂とを含む混合物を所定の圧力をかけて成形型に充填して成形した後、上記樹脂を硬化することで複合材料が得られる。トランスファー成形やMIMも原料の混合物を成形型に充填して成形を行う。注型成形では、上記混合物を、圧力をかけることなく成形型又はケース4に注入して成形・硬化することで複合材料が得られる。
成形型を利用して複合材料を別途形成する場合、原料の充填時間が短く、複合材料を大量生産でき、生産性に優れる。この形態では、離型した複合材料(成形体)をコイル部品20に組み付けることで、例えば、ケース4を省略した形態のリアクトルが得られる。コイル部品20と複合材料(成形体)との組物をケース4に収納することでリアクトル1が得られる。また、この形態では、複合材料(成形体)同士や、内側コア部31と外側コア部32とを接着剤によって接合することができる。更に、この形態では、外側コア部32とケース4間に接着剤などを充填して、両者の密着性を高めることができる。組み付ける複合材料(成形体)は、例えば、断面]状の部材や柱状の部材とし、このような部材を複数用意してこれらを組み合わせることで、コイル部品20を容易に覆うことができる。断面]状の複合材料の内面形状は、コイル部品20の外形に沿った形状とすると、磁路を十分に確保でき、コイル部品20に正確に沿った形状でなく、大まかに沿った単純な形状(例えば、複数の複合材料を組み合わせてできる内部空間が直方体状、など)とすると、複合材料(成形体)の成形性に優れる。
一方、ケース4を成形型に利用して、原料の混合物をケース4に直接充填して複合材料を形成する場合、(1)上述の組み付け工程や磁性コア3の接合工程を省略できる、(2)コイル部品20が複雑な形状であっても、コイル部品20に沿った形状の外側コア部32を容易に成形できる、(3)ケース4と複合材料とを密着させ易い、特に、ケース4の内面に後述の粗面化処理を施すと、ケース4と外側コア部32との接触面積を増大して、放熱性を高められる、(4)原料の混合物を充填中にケース4内の収納物の位置がずれ難い、といった利点を有する。この形態では、ケース4にコイル部品20を収納した後、原料の混合物をケース4に充填して、成形・硬化することでリアクトル1が得られる。
複合材料中の磁性体粉末の材質は、鉄基材料(鉄族金属や鉄合金)や希土類金属などの軟磁性材料が挙げられ、上述した内側コア部31を構成する軟磁性粉末と同様の組成でも異なる組成でもよい。同じ組成の場合でも、複合材料は、非磁性材料である樹脂を含有することから、圧粉成形体よりも飽和磁束密度が低く、かつ比透磁率も低くなる。従って、外側コア部32を複合材料によって構成することで、圧粉成形体から構成された内側コア部31よりも比透磁率を低くすることができる。また、内側コア部31が圧粉成形体であることで、コイル2の外周に配置される複合材料からなる外側コア部32と比較して、飽和磁束密度を高め易い。
複合材料中の磁性体粉末は、単一種でも、材質の異なる複数種の粉末を含有していてもよい。外側コア部32を構成する複合材料では、純鉄粉などの鉄基粉末が好ましい。また、複合材料でも、圧粉成形体の場合と同様に被覆粉末であると、軟磁性粒子間(特に金属粒子間)の絶縁性を高められ、渦電流損を低減できる。その他、複合材料中の磁性体粉末は、粒径が異なる複数種の粉末(粗大粉末及び微細粉末)を含むと、飽和磁束密度が高く、低損失なリアクトルを得易い。なお、複合材料中の磁性体粉末は、原料の粉末と実質的に同じである(維持されている)。平均粒径が1μm以上1000μm以下、好ましくは10μm以上500μm以下を満たす粉末を原料に用いると、流動性に優れ、射出成形などを利用して複合材料を生産性よく製造することができる。
複合材料中の磁性体粉末の含有量は、複合材料を100%とするとき、40体積%以上75体積%以下が挙げられる。磁性体粉末が40体積%以上であることで、磁性成分の割合が十分に高いため磁性コア3全体の飽和磁束密度といった磁気特性を高め易い。磁性体粉末が75体積%以下であると、複合材料の製造性に優れる。
複合材料中のバインダとなる樹脂は、代表的には、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂が挙げられる。その他、PPS樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂などの熱可塑性樹脂、常温硬化性樹脂、又は低温硬化性樹脂を利用することができる。
磁性体粉末及び樹脂に加えて、アルミナやシリカなどのセラミックスといった非磁性体からなる粉末(フィラー)を含有する複合材料とすると、放熱性の向上、磁性体粉末の偏在の抑制(均一的な分散)に寄与する。このフィラーは、磁性体粉末よりも微粒であると、フィラーの含有による磁性体粉末の割合の低下を抑制できる。フィラーの含有量は、複合材料を100質量%とするとき、0.2質量%以上20質量%以下であると、上記効果を十分に得られる。
ここでは、外側コア部32は、平均粒径75μm以下の鉄基材料(純鉄)からなる粒子の表面に絶縁被覆を具える被覆粉末とエポキシ樹脂との複合材料から構成されている(複合材料中の純鉄粉の含有量:40体積%)。また、外側コア部32もギャップ材やエアギャップを介在しておらず、外側コア部32の一部が内側コア部31の両端面31eに連結するように設けられている。従って、磁性コア3はその全体に亘ってギャップを有しておらず、このことからリアクトル1は、(1)小型化、(2)損失の低減、(3)大電流の通電時におけるインダクタンスの低下の抑制、を図ることができる。なお、磁性コア3は、アルミナ板などの非磁性材料からなるギャップ材やエアギャップを介在した形態とすることができる。
(磁気特性)
上述のように構成材料が異なることで、磁性コア3は、部分的に磁気特性が異なっている。ここでは、内側コア部31は、外側コア部32よりも飽和磁束密度が高く、外側コア部32は、内側コア部31よりも比透磁率が低い。具体的には、圧粉成形体から構成される内側コア部31は、飽和磁束密度:1.6T以上、かつ外側コア部32の飽和磁束密度の1.2倍以上、比透磁率:100以上500以下、複合材料から構成される外側コア部32は、飽和磁束密度:0.6T以上内側コア部31の飽和磁束密度未満、比透磁率:5以上50以上、好ましくは10以上35以下、内側コア部31及び外側コア部32からなる磁性コア3全体の比透磁率は10以上100以下である。内側コア部の飽和磁束密度が高い形態は、全体の飽和磁束密度が均一的な磁性コアと同じ磁束を得る場合、内側コア部の断面積を小さくできるため、リアクトルの小型化に寄与することができる。ここでは、内側コア部31の飽和磁束密度は、1.8T以上、更に2T以上が好ましく、外側コア部32の飽和磁束密度の1.5倍以上、更に1.8倍以上が好ましい。圧粉成形体に代えて、珪素鋼板に代表される電磁鋼板の積層体を内側コア部に利用すると、内側コア部の飽和磁束密度を更に高め易い。一方、外側コア部32の比透磁率を内側コア部31よりも低くすると、磁気飽和を抑制できるため、例えば、ギャップレス構造の磁性コア3とすることができる。ギャップレス構造の磁性コア3とすると、漏れ磁束を低減できる。
上述のように構成材料が異なることで、磁性コア3は、部分的に磁気特性が異なっている。ここでは、内側コア部31は、外側コア部32よりも飽和磁束密度が高く、外側コア部32は、内側コア部31よりも比透磁率が低い。具体的には、圧粉成形体から構成される内側コア部31は、飽和磁束密度:1.6T以上、かつ外側コア部32の飽和磁束密度の1.2倍以上、比透磁率:100以上500以下、複合材料から構成される外側コア部32は、飽和磁束密度:0.6T以上内側コア部31の飽和磁束密度未満、比透磁率:5以上50以上、好ましくは10以上35以下、内側コア部31及び外側コア部32からなる磁性コア3全体の比透磁率は10以上100以下である。内側コア部の飽和磁束密度が高い形態は、全体の飽和磁束密度が均一的な磁性コアと同じ磁束を得る場合、内側コア部の断面積を小さくできるため、リアクトルの小型化に寄与することができる。ここでは、内側コア部31の飽和磁束密度は、1.8T以上、更に2T以上が好ましく、外側コア部32の飽和磁束密度の1.5倍以上、更に1.8倍以上が好ましい。圧粉成形体に代えて、珪素鋼板に代表される電磁鋼板の積層体を内側コア部に利用すると、内側コア部の飽和磁束密度を更に高め易い。一方、外側コア部32の比透磁率を内側コア部31よりも低くすると、磁気飽和を抑制できるため、例えば、ギャップレス構造の磁性コア3とすることができる。ギャップレス構造の磁性コア3とすると、漏れ磁束を低減できる。
<ケース>
コイル部品20と外側コア部32(磁性コア3)との組物を収納するケース4は、ここでは、矩形板状の底部と、底部から立設される矩形枠状の壁部とが一体に成形された容器であり、底部との対向側が開口したものである。ここでは、底部の外底面が平面で構成され、リアクトル1が冷却ベースといった設置対象に設置されたとき、その少なくとも一部(ここでは全体)が設置対象に接して冷却される冷却面として利用される。
コイル部品20と外側コア部32(磁性コア3)との組物を収納するケース4は、ここでは、矩形板状の底部と、底部から立設される矩形枠状の壁部とが一体に成形された容器であり、底部との対向側が開口したものである。ここでは、底部の外底面が平面で構成され、リアクトル1が冷却ベースといった設置対象に設置されたとき、その少なくとも一部(ここでは全体)が設置対象に接して冷却される冷却面として利用される。
ケース4は、ケース外部への漏れ磁束を抑制する磁気シールド、収納物に対する外部環境(粉塵や腐食など)からの保護や機械的保護、放熱経路として機能する。この機能を満たすには、非磁性金属材料、具体的には、アルミニウムやその合金、マグネシウムやその合金をケース4の構成材料に好適に利用できる。これらの金属は、導電性を有し、高強度で、熱伝導率が高い上に、軽量でもあることから、車載部品の構成材料にも好適である。ここでは、ケース4は、アルミニウム合金から構成している。
ケース4の形状や大きさは、収納物の形状や大きさに応じて適宜選択することができる。ここでは、設置対象への取付部(ボルトが挿通されるボルト孔が設けられた突片)を具える形態としているが、取付部を省略することもできる。また、ケース4を有しない形態とすることもできる。
ケース4を成形型として注型成形によって外側コア部32を構成する複合材料を成形する場合、ケース4の内面の少なくとも一部、好ましくは50面積%以上、更に80面積%以上の領域に微細な凹凸を有すると、複合材料とケース4との密着性を高められ、放熱性を向上できる。微細な凹凸の形成には、以下の粗面化処理を利用することができる。
粗面化処理は、例えば、最大高さが1mm以下、好ましくは0.5mm以下となるような微細な凹凸を設ける処理が挙げられる。具体的には、(1)アルマイト処理に代表される陽極酸化処理、(2)公知の手法による針状めっき、(3)公知の手法による分子接合化合物の植え付け、(4)レーザによる微細な溝加工、(5)公知の特殊溶液を用いたナノオーダーのディンプル形成、(6)エッチング処理、(7)サンドブラストやショットブラスト、(8)鑢がけ、(9)水酸化ナトリウムによる艶消し処理、(10)金属ブラシによる研削など、金属と樹脂との密着性を高めるための公知の手法を利用することができる。
その他、ケース4の開口部を覆うように蓋部(図示せず)を具える形態とすることができる。蓋部を具える場合、(1)ケース4の収納物の脱落防止、(2)収納物の保護、特に、上述の非磁性金属材料から構成された蓋部とする場合、上記(1),(2)に加えて(3)漏れ磁束の防止、(4)放熱経路に利用して放熱性の向上、などの効果が期待できる。蓋部の取り付けには、ボルトなどの締付部材や接着剤を利用できる。又は、ケース4の開口側から上述の絶縁性樹脂などの樹脂を充填して、樹脂によって蓋部を構成することもできる。この場合、別途接着剤などを利用することなく、蓋部を構成する樹脂によって、外側コア部32やケース4と蓋部とを密着できる上に、蓋部の軽量化、ケース4の収容物の封止、などの効果が期待できる。
<用途>
上記構成を具えるリアクトル1は、通電条件が、例えば、最大電流(直流):100A〜1000A程度、平均電圧:100V〜1000V程度、使用周波数:5kHz〜100kHz程度である用途、代表的には電気自動車やハイブリッド自動車などの車載用電力変換装置の構成部品に好適に利用できる。
上記構成を具えるリアクトル1は、通電条件が、例えば、最大電流(直流):100A〜1000A程度、平均電圧:100V〜1000V程度、使用周波数:5kHz〜100kHz程度である用途、代表的には電気自動車やハイブリッド自動車などの車載用電力変換装置の構成部品に好適に利用できる。
<効果>
リアクトル1は、コイル2と内側コア部31とが樹脂モールド部21によって一体に保持されたコイル部品20を構成要素とすることで、組立部品の点数が少なく、組立作業性に優れる。また、コイル部品20は、間隔保持部材5を具えることで、樹脂モールド部21を成形する金型に、コイル2と内側コア部31との組物を収納するにあたり、コイル2と内側コア部31とを位置決めできる上に、コイル2と内側コア部31との間隔Cを保持できる。特に、コイル部品20では、環状体50に加えて板状部54を具えることで、コイル2の全長に亘って間隔Cを維持し易い。そのため、間隔Cを維持する部材を高精度に配置する必要が無く、収納作業性に優れる。更に、上記金型内におけるコイル2の支持に棒状の支持部材を利用する場合、フランジ部53を支持部材の当接箇所とすることで、コイル2は、樹脂モールド部21及び間隔保持部材5の少なくとも一方に覆われ、巻線2wの端部を除いて巻線2wが露出することがない。従って、支持部材の配置によって形成された小穴を事後的に埋める必要がない。これらの点から、リアクトル1は、生産性に優れる。
リアクトル1は、コイル2と内側コア部31とが樹脂モールド部21によって一体に保持されたコイル部品20を構成要素とすることで、組立部品の点数が少なく、組立作業性に優れる。また、コイル部品20は、間隔保持部材5を具えることで、樹脂モールド部21を成形する金型に、コイル2と内側コア部31との組物を収納するにあたり、コイル2と内側コア部31とを位置決めできる上に、コイル2と内側コア部31との間隔Cを保持できる。特に、コイル部品20では、環状体50に加えて板状部54を具えることで、コイル2の全長に亘って間隔Cを維持し易い。そのため、間隔Cを維持する部材を高精度に配置する必要が無く、収納作業性に優れる。更に、上記金型内におけるコイル2の支持に棒状の支持部材を利用する場合、フランジ部53を支持部材の当接箇所とすることで、コイル2は、樹脂モールド部21及び間隔保持部材5の少なくとも一方に覆われ、巻線2wの端部を除いて巻線2wが露出することがない。従って、支持部材の配置によって形成された小穴を事後的に埋める必要がない。これらの点から、リアクトル1は、生産性に優れる。
また、リアクトル1では、環状体50の周方向における重複する位置に、コイル側突起51・コア側突起52・フランジ部53を具え、かつそれぞれの大きさを調整することで、樹脂モールド部21の構成樹脂の流路を十分に確保しつつ、均一的に導入することができる。従って、コイル部品20は成形性にも優れる。
その他、リアクトル1では、横型収納形態とすることで放熱性に優れる。また、磁性コア3のうち外側コア部32が上述の複合材料であることで、以下の効果を奏する。
(1)複雑な形状であっても、外側コア部32を容易に形成できる。
(2)ケース4を成形型とした注型成形とすると、外側コア部32の形成と同時に磁性コア3を形成できるため、製造工程が少なく、生産性に優れる。
(3)外側コア部32の構成樹脂により内側コア部31と外側コア部32とを接合することができる。
(4)外側コア部32の磁気特性を容易に変更できる。
(5)コイル部品20(コイル2)の外周を覆う材料が磁性体粉末を含有するため、樹脂だけの場合よりも熱伝導率が高く放熱性に優れる。
(6)外側コア部32の構成材料が樹脂を含むことで、ケース4や蓋部を有さない形態でも、コイル部品20の外部環境からの保護・機械的保護を図ることができる。
(1)複雑な形状であっても、外側コア部32を容易に形成できる。
(2)ケース4を成形型とした注型成形とすると、外側コア部32の形成と同時に磁性コア3を形成できるため、製造工程が少なく、生産性に優れる。
(3)外側コア部32の構成樹脂により内側コア部31と外側コア部32とを接合することができる。
(4)外側コア部32の磁気特性を容易に変更できる。
(5)コイル部品20(コイル2)の外周を覆う材料が磁性体粉末を含有するため、樹脂だけの場合よりも熱伝導率が高く放熱性に優れる。
(6)外側コア部32の構成材料が樹脂を含むことで、ケース4や蓋部を有さない形態でも、コイル部品20の外部環境からの保護・機械的保護を図ることができる。
[実施形態2]
実施形態1では、一対の環状体50と一対の板状部54とが独立した部材である形態を説明した。一方の環状体と少なくとも一方の板状部とが一体となった部材を具える形態とすることができる(後述の図6参照)。この形態は、組立部品の点数を低減できる。又は、板状部を省略し、環状体50のみを具える形態とすることができる。この場合、環状体の長さをより長くしてもよい。
実施形態1では、一対の環状体50と一対の板状部54とが独立した部材である形態を説明した。一方の環状体と少なくとも一方の板状部とが一体となった部材を具える形態とすることができる(後述の図6参照)。この形態は、組立部品の点数を低減できる。又は、板状部を省略し、環状体50のみを具える形態とすることができる。この場合、環状体の長さをより長くしてもよい。
その他、例えば、環状体50に代えて、環状体の一部に切り込みが設けられたC字状体とすることができる。この形態は、切込箇所を樹脂モールド部の構成樹脂の流路に利用でき、流路を容易に大きくすることができる。
又は、板状部にフランジ部が一体に成形された断面L字状の部材を少なくとも一つ具える形態とすることができる。上記部材を複数具える場合、これらの部材は、コイルの径方向に分割された分割片となる。この場合に、分割片間に隙間が設けられるように上記分割片の大きさを調整することで、上記隙間を樹脂モールド部の構成樹脂の流路に利用できる。この形態も、組立部品の点数の低減、及び流路の拡大を図ることができる。この形態において板状部の長さは適宜変更することができ、例えば、環状体50と程度の長さにすることができる。
[実施形態3]
実施形態1では、複数のフランジ部53a〜53dがいずれも厚さが一様な板片で構成された形態を説明した。各フランジ部を構成する板片の厚さが異なる形態、具体的には、環状体の周方向に並んで設けられた各板片の厚さが、コイルの端面の傾斜に応じて異なった形態とすることができる。つまり、周方向に隣り合ったフランジ部の厚さが順次薄くなる、又は厚くなる形態とすることができる。この形態は、各フランジ部の接触面がコイルの端面に密接し易いことから、コイルに対する間隔保持部材の位置決めをより行い易い。また、コイルの端面を棒状の支持部材で支持や押圧する場合に、支持や押圧力の付与を安定して均一的に行うことができる。更に、コイルの端面と各フランジ部とを密着することができ、両者間のデッドスペースを無くし、コイル部品の軸方向の長さを小型にできる。この形態では、フランジ部の数が多いほど、上述の効果を得易い。
実施形態1では、複数のフランジ部53a〜53dがいずれも厚さが一様な板片で構成された形態を説明した。各フランジ部を構成する板片の厚さが異なる形態、具体的には、環状体の周方向に並んで設けられた各板片の厚さが、コイルの端面の傾斜に応じて異なった形態とすることができる。つまり、周方向に隣り合ったフランジ部の厚さが順次薄くなる、又は厚くなる形態とすることができる。この形態は、各フランジ部の接触面がコイルの端面に密接し易いことから、コイルに対する間隔保持部材の位置決めをより行い易い。また、コイルの端面を棒状の支持部材で支持や押圧する場合に、支持や押圧力の付与を安定して均一的に行うことができる。更に、コイルの端面と各フランジ部とを密着することができ、両者間のデッドスペースを無くし、コイル部品の軸方向の長さを小型にできる。この形態では、フランジ部の数が多いほど、上述の効果を得易い。
又は、フランジ部がコイルの端面の傾斜に沿った傾斜面を具える形態とすることができる。この形態も、上述のようにコイルの端面との密着性、支持や押圧力の付与の均一性に優れる上に、小型化を図ることができる。この形態も、フランジ部の数が多いほど、又は、フランジ部の形成長さが長いほど(例えば、後述する図9に示すようにフランジ部53Bの接触面530がコイル素子の端面の実質的に全域を覆う形態など)、上記効果を得易い。
[実施形態4]
実施形態1のように磁性コア3の一部(ここでは外側コア部32)を複合材料で構成する場合に、ケース4を成形型とせず、複合材料からなる成形体を作製して、コイル部品20に組み付け、この組物をケース4に収納した後、ケース4内に封止樹脂を充填した形態とすることができる。封止樹脂によって、複合材料からなる成形体同士の固定、成形体とコイル部品20との固定などを行える。封止樹脂は、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂などの絶縁性樹脂が挙げられる。絶縁性や放熱性に優れるフィラーを含有する樹脂を封止樹脂に利用すると、コイル2や磁性コア3とケース4との間の絶縁性、放熱性を向上できる。封止樹脂の材質や厚さによっては、振動の防止や騒音の低減の効果も得られる。
実施形態1のように磁性コア3の一部(ここでは外側コア部32)を複合材料で構成する場合に、ケース4を成形型とせず、複合材料からなる成形体を作製して、コイル部品20に組み付け、この組物をケース4に収納した後、ケース4内に封止樹脂を充填した形態とすることができる。封止樹脂によって、複合材料からなる成形体同士の固定、成形体とコイル部品20との固定などを行える。封止樹脂は、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂などの絶縁性樹脂が挙げられる。絶縁性や放熱性に優れるフィラーを含有する樹脂を封止樹脂に利用すると、コイル2や磁性コア3とケース4との間の絶縁性、放熱性を向上できる。封止樹脂の材質や厚さによっては、振動の防止や騒音の低減の効果も得られる。
[実施形態5]
上記実施形態1では、横型収納形態を説明したが、図5に示すリアクトル1Aのように縦型配置形態とすることができる。リアクトル1Aの基本的構成は、実施形態1のリアクトル1と同様であり、磁性コア3を構成する内側コア部31を具えるコイル部品20Aと、磁性コア3を構成する外側コア部32とを具える。コイル部品20Aは、一つのコイル素子を主体とするコイル2と、柱状の内側コア部31と、コイル2と内側コア部31との間隔を保持する間隔保持部材5Aと、これらを一体に保持する樹脂モールド部21とを具える。また、リアクトル1Aは、コイル部品20Aと外側コア部32との組物が有底筒状のケース4Aに収納されている。特に、リアクトル1Aでは、設置対象の表面(又はケース4Aの内底面)に対して、コイル2の軸が直交するように、ケース4Aにコイル部品20A(コイル2)が収納されている点が実施形態1と異なる(この収納形態を縦型収納形態と呼ぶ)。縦型配置形態は、横型収納形態と比較して設置対象に対する接触面積を小さくし易く、設置面積の小型化を図ることができる。
上記実施形態1では、横型収納形態を説明したが、図5に示すリアクトル1Aのように縦型配置形態とすることができる。リアクトル1Aの基本的構成は、実施形態1のリアクトル1と同様であり、磁性コア3を構成する内側コア部31を具えるコイル部品20Aと、磁性コア3を構成する外側コア部32とを具える。コイル部品20Aは、一つのコイル素子を主体とするコイル2と、柱状の内側コア部31と、コイル2と内側コア部31との間隔を保持する間隔保持部材5Aと、これらを一体に保持する樹脂モールド部21とを具える。また、リアクトル1Aは、コイル部品20Aと外側コア部32との組物が有底筒状のケース4Aに収納されている。特に、リアクトル1Aでは、設置対象の表面(又はケース4Aの内底面)に対して、コイル2の軸が直交するように、ケース4Aにコイル部品20A(コイル2)が収納されている点が実施形態1と異なる(この収納形態を縦型収納形態と呼ぶ)。縦型配置形態は、横型収納形態と比較して設置対象に対する接触面積を小さくし易く、設置面積の小型化を図ることができる。
この形態では、例えば、図5(B)に示すように内側コア部31の一端側(下方側)をコイル2の一端面から十分に突出させておき、この状態を樹脂モールド部21の構成樹脂によって保持する。そして、この突出箇所を外側コア部32との接合箇所とすることで、磁性コア3は、閉磁路を形成することができる。
間隔保持部材5Aは、実施形態1の間隔保持部材5と同様な構成(一対の環状体50と、一対の板状部54とを独立して具える構成(図4))とすることができる。ここでは、間隔保持部材5Aは、図6に示すように環状体50Aと複数(ここでは二つ)の板状部54Aとが一体の部材となっている。このため、実施形態5は、実施形態1に比較して、部品点数を低減できる。また、ここでは、環状体50Aに連続して板状部54Aにも、コア側突起51及びコイル側突起(図示せず)を具える。図6に示すように、板状部54Aの全長に亘ってコア側突起51やコイル側突起を設けてもよいし、実施形態1のように環状体にのみコア側突起やコイル側突起を設けてもよいし、環状体50Aに連続して板状部54Aの一部にのみコア側突起やコイル側突起を設けてもよい。板状部54Aの全長に亘ってコア側突起51などを具えることで、コイル2と内側コア部31との間の間隔Cを十分に保持できる上に、樹脂モールド部21の構成樹脂を導入するための流路を確保できる。また、ここでは、複数の板状部54Aを具える環状体50Aを一つ具える形態としているが、更に、実施形態1で説明した長さl50が短い環状体50を組み合わせた形態とすることができる。環状体50Aが一つであっても、図6に示すように板状部54Aが十分に長いことで、コイル2と内側コア部31との間の間隔Cを保持できる。
また、間隔保持部材5Aは、実施形態1と同様に環状体50Aからコイル2の径方向外方に突出する複数のフランジ部53(53a〜53d)を具える。ここで、図5,図6に示すコイル2では、巻線2wの両端部をコイル2の径方向の同じ位置に引き出すために、巻線2wにおいてターンから離れた引き出し個所を適宜、フラットワイズ曲げしている。このフラットワイズ曲げした部分を押える押え部533をフランジ部53(53a〜53d)のうちの一つ(ここではフランジ部53a)に一体に具えている。フランジ部53aは、平面視L字状であり、L字の短辺側領域がコイル2の端面に接触し(図5(B))、L字の長辺側領域が巻線2wの引き出し個所に接触する(図5(B))。このような押え部533を形成することで、間隔保持部材5Aは、コイル2に対して位置決めし易く、配置作業を行い易い。
[実施形態6]
上記実施形態1は、内側コア部31が圧粉成形体から構成され、外側コア部32のみが複合材料から構成された形態を説明した。その他、例えば、内側コア部も磁性体粉末と樹脂とを含有する複合材料により構成された形態、つまり、磁性コアの全てが複合材料で構成された形態とすることができる。この場合、例えば、内側コア部と外側コア部とは、同じ複合材料で構成することができる。各コア部を構成する複合材料の磁性体粉末の含有量は、40体積%以上75体積%以下、飽和磁束密度は0.6T以上、好ましくは1.0T以上、比透磁率は5以上50以下、好ましくは10以上35以下、磁性コア全体の比透磁率は5以上50以下が挙げられる。
上記実施形態1は、内側コア部31が圧粉成形体から構成され、外側コア部32のみが複合材料から構成された形態を説明した。その他、例えば、内側コア部も磁性体粉末と樹脂とを含有する複合材料により構成された形態、つまり、磁性コアの全てが複合材料で構成された形態とすることができる。この場合、例えば、内側コア部と外側コア部とは、同じ複合材料で構成することができる。各コア部を構成する複合材料の磁性体粉末の含有量は、40体積%以上75体積%以下、飽和磁束密度は0.6T以上、好ましくは1.0T以上、比透磁率は5以上50以下、好ましくは10以上35以下、磁性コア全体の比透磁率は5以上50以下が挙げられる。
また、内側コア部と外側コア部とは、異なる複合材料により構成することもできる。この構成では、例えば、磁性体粉末の材質を同じとする場合、磁性体粉末の含有量を変えるだけで飽和磁束密度や比透磁率を調整することができ、所望の特性の複合材料を製造し易いという利点もある。具体的な形態として、内側コア部と外側コア部とが、磁性体粉末の材質や含有量が異なる複合材料により構成されて、実施形態1と同様に内側コア部の飽和磁束密度が高く、外側コア部の比透磁率が低い形態、逆に、内側コア部の比透磁率が低く、外側コア部の飽和磁束密度が高い形態が挙げられる。磁性体粉末の配合量を多くすると、飽和磁束密度が高く比透磁率が高い複合材料が得られ易く、上記配合量を少なくすると、飽和磁束密度が低く比透磁率が低い複合材料が得られ易い。所望の組成の原料を利用するとよい。内側コア部及び外側コア部を構成する各複合材料はいずれも、磁性体粉末の含有量:40体積%以上75体積%以下、飽和磁束密度:0.6T以上、好ましくは1.0T以上、比透磁率:5以上50以下、好ましくは10以上35以下とすることができ、磁性コア全体の比透磁率は、5以上50以下とすることができる。
磁性コアの全てを複合材料で構成する場合、内側コア部は、所望の組成の原料によって、柱状の複合材料(成形体)を別途作製しておき、この柱状の複合材料を利用して、コイル部品を構築するとよい。外側コア部は、実施形態1と同様にケース4を成形型として成形してもよいし、内側コア部と同様に複合材料からなる成形体としてもよい。
又は、磁性コアを全て圧粉成形体で構成した形態、内側コア部31を電磁鋼板の積層体で構成した形態などとすることができる。
[実施形態7]
上記実施形態1〜6は、コイル素子を一つ具える形態を説明した。その他、図7,図8に示すリアクトル1Bのように、コイル2B(図9)を、巻線2wを螺旋状に巻回してなる一対の筒状のコイル素子2a,2bを具える形態とすることができる。リアクトル1Bは、このコイル2Bを具えるコイル部品20Bを構成要素とする。
上記実施形態1〜6は、コイル素子を一つ具える形態を説明した。その他、図7,図8に示すリアクトル1Bのように、コイル2B(図9)を、巻線2wを螺旋状に巻回してなる一対の筒状のコイル素子2a,2bを具える形態とすることができる。リアクトル1Bは、このコイル2Bを具えるコイル部品20Bを構成要素とする。
コイル2Bに具える一対のコイル素子2a,2bは、各素子2a,2bの軸が平行するように横並び(並列)され、巻線2wの一部を折り返してなる連結部2rにより連結されている。各コイル素子2a,2bを別々の巻線によって形成し、両コイル素子2a,2bを構成する巻線の一端部同士をTIG溶接などの溶接、圧着、半田付けなどで接合した形態、上記一端部同士を別途用意した連結部材を介して接合した形態とすることもできる。
リアクトル1Bに具える磁性コア3Bは、各コイル素子2a,2bの内側にそれぞれ配置される柱状の内側コア部31a,31b(図8,図9)と、内側コア部31a,31bの端面31e同士を連結する一対の柱状の外側コア部32,32(図7,図8)とを具える。ここでは、内側コア部31a,31bの一方の端面31eに、一方の外側コア部32の内端面32eを接触させ、内側コア部31a,31bの他方の端面31eに、他方の外側コア部32の内端面32eを接触させることで、環状の磁性コア3Bを構築できる。
コイル部品20Bは、コイル2Bと、各コイル素子2a,2b内にそれぞれ配置される内側コア部31a,31bと、各コイル素子2a,2bと各内側コア部31a,31bとの間に介在される間隔保持部材5Bと、これらを一体に保持する樹脂モールド部21とを具える。間隔保持部材5Bは、図9に示すように、一対の環状体50Bを具える一対の枠部55と、複数(ここでは四つ)の板状部54Bとを具える。枠部55は、端的に言うと、実施形態1のフランジ部53を具える環状体50を二つ用意し、フランジ部53の一部を接合した形状の部材である。複数の環状体50Bを一つの枠部55に一体に具える構成とすることで、環状体50Bをそれぞれ独立した部材とする場合に比較して、組立部品の点数を低減できる。
各枠部55は、内側コア部31a,31bが挿通される貫通孔を有するB字状の板材である。この板材は、フランジ部53Bとして機能する。この板材の一面から一対の環状体50Bが突設されて、上記貫通孔と環状体50Bの貫通孔とが連通している。一つの枠部55に設けられる一方の環状体50Bは、コイル素子2aと内側コア部31aとの間に介在され、他方の環状体50Bは、コイル素子2bと内側コア部31bとの間に介在される。フランジ部53Bによってコイル2Bの両端面は、実質的に全域が覆われる。また、ここでは、間隔保持部材5Bは、コイル側突起及びコア側突起の双方を具えていない。しかし、環状体50Bの長さを図9に示すように短くすると共に、板状部54Bに貫通孔を設けることで、各コイル素子2a,2bのターン間の隙間から樹脂モード部21の構成樹脂を十分に導入することができる。実施形態1と同様に、複数のフランジ部が環状体50Bの周方向に沿って間隔をあけて並んで存在する形態、更に、コイル側突起及びコア側突起の双方、又は一方を具える形態とすることも勿論できる。この場合、隣り合うフランジ部間の隙間や、コイル側突起やコア側突起によって設けられるコイル素子2a,2bと内側コア部31a,31bとの間の隙間を樹脂モールド部21の構成樹脂の流路に利用できる。
その他、枠部55は、一対の環状体50B間に、コイル素子2a,2b間に介在される仕切り部が突設されている。枠部55をコイル素子2a,2bに配置すると、コイル素子2a,2b間に仕切り部を介在させることができ、コイル素子2a,2b間の絶縁性を高められる。仕切り部を省略してもよい。
コイル素子2aと内側コア部31aとの間には、一対の板状部54Bが介在される。各板状部54Bには、上述のように貫通孔を設けており、樹脂モールド部21の構成樹脂がコイル素子2a,2bと内側コア部31a,31bとの間に導入され易いようにしている。板状部54Bは、実施形態1の板状部54のように平板状とすることもできる。また、ここでは、枠部55と板状部54Bとが独立した部材であるが、実施形態5で説明したように、枠部55の環状体50Bに連続して板状部54Bを設けることができる。この場合、組立部品の点数を低減できる。
コイル素子2a,2bを二つ具える場合も、実施形態1のように内側コア部31a,31bを圧粉成形体、外側コア部32,32を複合材料で構成した形態とすることができる。この場合、外側コア部32,32は、適宜な形状(例えば直方体状など)に成形した複合材料(成形体)をコイル部品20Bに組み付ける形態としてもよいし、実施形態1のようにケース(図示せず)を成形型として成形してもよい。
また、コイル素子2a,2bを二つ具える場合も、実施形態6のように磁性コア3の全てが複合材料で構成された形態とすることができる。この場合、例えば、内側コア部31a,31bと外側コア部32,32とは、同じ複合材料で構成することができる。各コア部31a,31b,32,32を構成する複合材料の磁性体粉末の含有量は、40体積%以上75体積%以下、飽和磁束密度は0.6T以上、好ましくは1.0T以上、比透磁率は5以上50以下、好ましくは10以上35以下、磁性コア3B全体の比透磁率は5以上50以下が挙げられる。
また、コイル素子2a,2bを二つ具える場合も、実施形態6のように内側コア部31a,31bと外側コア部32,32とは、異なる複合材料により構成することもできる。この構成では、例えば、磁性体粉末の材質を同じとする場合、磁性体粉末の含有量を変えるだけで飽和磁束密度や比透磁率を調整することができ、所望の特性の複合材料を製造し易いという利点もある。具体的な形態として、内側コア部31a,31bと外側コア部32,32とが、磁性体粉末の材質や含有量が異なる複合材料により構成され、実施形態1と同様に内側コア部31a,31bの飽和磁束密度が高く、外側コア部32,32の比透磁率が低い形態、逆に、内側コア部31a,31bの比透磁率が低く、外側コア部32,32の飽和磁束密度が高い形態が挙げられる。磁性体粉末の配合量を多くすると、飽和磁束密度が高く比透磁率が高い複合材料が得られ易く、上記配合量を少なくすると、飽和磁束密度が低く比透磁率が低い複合材料が得られ易い。所望の組成の原料を利用するとよい。内側コア部31a,31b及び外側コア部32,32を構成する各複合材料はいずれも、磁性体粉末の含有量:40体積%以上75体積%以下、飽和磁束密度:0.6T以上、好ましくは1.0T以上、比透磁率:5以上50以下、好ましくは10以上35以下とすることができ、磁性コア3B全体の比透磁率は、5以上50以下とすることができる。
磁性コア3Bの全てを複合材料で構成する場合、内側コア部31a,31bは、所望の組成の原料によって、柱状の複合材料(成形体)を別途作製しておき、この柱状の複合材料を利用するとよい。外側コア部32,32は、内側コア部31a,31bと同様に複合材料からなる成形体としてもよいし、実施形態1と同様にケース(図示せず)を成形型として成形してもよい。
その他、一対のコイル素子2a,2bを具え、かつケース(図示せず)を具える場合には、横型収納形態とすると、放熱性に優れる上に、上記連結部2rが邪魔にならず、コイル部品20Bをケースに安定して配置することができる。
[実施形態8]
実施形態1〜7リアクトルは、例えば、車両などに載置されるコンバータの構成部品や、このコンバータを具える電力変換装置の構成部品に利用することができる。
実施形態1〜7リアクトルは、例えば、車両などに載置されるコンバータの構成部品や、このコンバータを具える電力変換装置の構成部品に利用することができる。
例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車といった車両1200は、図10に示すようにメインバッテリ1210と、メインバッテリ1210に接続される電力変換装置1100と、メインバッテリ1210からの供給電力により駆動して走行に利用されるモータ(負荷)1220とを具える。モータ1220は、代表的には、3相交流モータであり、走行時、車輪1250を駆動し、回生時、発電機として機能する。ハイブリッド自動車の場合、車両1200は、モータ1220に加えてエンジンを具える。なお、図10では、車両1200の充電箇所としてインレットを示すが、プラグを具える形態とすることができる。
電力変換装置1100は、メインバッテリ1210に接続されて、入力電圧を変換するコンバータ1110と、コンバータ1110に接続されて、直流と交流との相互変換を行うインバータ1120とを有する。この例に示すコンバータ1110は、車両1200の走行時、200V〜300V程度のメインバッテリ1210の直流電圧(入力電圧)を400V〜700V程度にまで昇圧して、インバータ1120に給電する。また、コンバータ1110は、回生時、モータ1220からインバータ1120を介して出力される直流電圧(入力電圧)をメインバッテリ1210に適合した直流電圧に降圧して、メインバッテリ1210に充電させている。インバータ1120は、車両1200の走行時、コンバータ1110で昇圧された直流を所定の交流に変換して、変換した電力をモータ1220に給電してモータ1220を駆動し、回生時、モータ1220からの交流出力を直流に変換してコンバータ1110に出力している。
コンバータ1110は、図11に示すように複数のスイッチング素子1111と、スイッチング素子1111の動作を制御する駆動回路1112と、リアクトルLとを具え、ON/OFFの繰り返し(スイッチング動作)により入力電圧の変換(ここでは昇降圧)を行う。スイッチング素子1111には、FET,IGBTなどのパワーデバイスが利用される。リアクトルLは、回路に流れようとする電流の変化を妨げようとするコイルの性質を利用し、スイッチング動作によって電流が増減しようとしたとき、その変化を滑らかにする機能を有する。このリアクトルLとして、上記実施形態1〜7のリアクトルを具える。生産性に優れるリアクトル1などを具えることで、電力変換装置1100やコンバータ1110も生産性に優れる。
なお、車両1200は、コンバータ1110の他、メインバッテリ1210に接続された給電装置用コンバータ1150や、補機類1240の電力源となるサブバッテリ1230とメインバッテリ1210とに接続され、メインバッテリ1210の高圧を低圧に変換する補機電源用コンバータ1160を具える。コンバータ1110は、代表的には、DC-DC変換を行うが、給電装置用コンバータ1150や補機電源用コンバータ1160は、AC-DC変換を行う。給電装置用コンバータ1150のなかには、DC-DC変換を行うものもある。給電装置用コンバータ1150や補機電源用コンバータ1160のリアクトルに、上記実施形態1〜7のリアクトル1などと同様の構成を具え、適宜、大きさや形状などを変更したリアクトルを利用することができる。また、入力電力の変換を行うコンバータであって、昇圧のみを行うコンバータや降圧のみを行うコンバータに、上記実施形態1〜7のリアクトル1などを利用することもできる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱することなく、適宜変更することが可能である。
本発明のリアクトルは、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車といった車両に搭載されるDC-DCコンバータや空調機のコンバータといった電力変換装置の構成部品に利用することができる。本発明のリアクトル用コイル部品は、上述の電力変換装置に用いられるリアクトルの構成部品に利用することができる。
1,1A,1B リアクトル
2,2B コイル 2a,2b コイル素子 2r 連結部 2w 巻線
20,20A,20B コイル部品 21 樹脂モールド部
3,3B 磁性コア 31,31a,31b 内側コア部 31e 端面 32 外側コア部
32e 内端面
4,4A ケース
5,5A,5B 間隔保持部 50,50A,50B 環状体
51,51a,51b,51c,51d コイル側突起
52,52a,52b,52c,52d コア側突起 53,53B,53a,53b,53c,53d フランジ部
530 接触面 533 押え部 54,54A,54B 板状部 55 枠部
1100 電力変換装置 1110 コンバータ 1111 スイッチング素子
1112 駆動回路 L リアクトル 1120 インバータ
1150 給電装置用コンバータ 1160 補機電源用コンバータ
1200 車両 1210 メインバッテリ 1220 モータ 1230 サブバッテリ
1240 補機類 1250 車輪
2,2B コイル 2a,2b コイル素子 2r 連結部 2w 巻線
20,20A,20B コイル部品 21 樹脂モールド部
3,3B 磁性コア 31,31a,31b 内側コア部 31e 端面 32 外側コア部
32e 内端面
4,4A ケース
5,5A,5B 間隔保持部 50,50A,50B 環状体
51,51a,51b,51c,51d コイル側突起
52,52a,52b,52c,52d コア側突起 53,53B,53a,53b,53c,53d フランジ部
530 接触面 533 押え部 54,54A,54B 板状部 55 枠部
1100 電力変換装置 1110 コンバータ 1111 スイッチング素子
1112 駆動回路 L リアクトル 1120 インバータ
1150 給電装置用コンバータ 1160 補機電源用コンバータ
1200 車両 1210 メインバッテリ 1220 モータ 1230 サブバッテリ
1240 補機類 1250 車輪
Claims (12)
- 巻線を螺旋状に巻回してなる筒状のコイルと、
前記コイルの内外に配置されて閉磁路を形成する磁性コアとを具えるリアクトルであって、
絶縁性樹脂から構成されており、前記磁性コアのうち、前記コイルの内側に配置される内側コア部と前記コイルとの間に介在されて、前記コイルと前記内側コア部との間隔を保持する間隔保持部材と、
絶縁性樹脂から構成されており、前記コイルの外周の少なくとも一部を覆って、その形状を保持すると共に、前記コイルと前記内側コア部と前記間隔保持部材とを一体に保持する樹脂モールド部とを具えるリアクトル。 - 前記間隔保持部材は、
前記コイルと前記内側コア部との間に配置され、前記間隔よりも厚さが薄い環状体と、
前記環状体に一体に成形され、前記環状体から前記コイル側に突出して、前記コイルの内周面に接するコイル側突起、及び前記環状体から前記内側コア部側に向かって突出して、前記内側コア部の外周面に接するコア側突起の少なくとも一方を具える請求項1に記載のリアクトル。 - 前記間隔保持部材は、
前記コイルと前記内側コア部との間に配置され、前記間隔よりも厚さが薄い環状体と、
前記環状体に一体に成形され、前記環状体から前記コイルの径方向外方に突出して、前記コイルの端面の少なくとも一部を覆うフランジ部を具える請求項1又は2に記載のリアクトル。 - 前記間隔保持部材は、前記環状体に一体に成形され、前記環状体から前記コイルの径方向外方に突出して、前記コイルの端面の一部を覆うフランジ部と、前記コイル側突起及び前記コア側突起の双方とを具え、
前記コイル側突起、前記コア側突起、及び前記フランジ部が前記環状体の周方向における重複した位置に設けられている請求項2に記載のリアクトル。 - 複数の前記フランジ部が前記環状体の周方向に沿って間隔をあけて並んでおり、各フランジ部はそれぞれ、一様な厚さの板片で構成されており、
隣り合うフランジ部の厚さは、前記コイルの端面の傾斜に対応して異なっている請求項3又は4に記載のリアクトル。 - 前記フランジ部は、前記コイルの端面の傾斜に沿った傾斜面を具える請求項3又は4に記載のリアクトル。
- 前記間隔保持部材は、前記コイルと前記内側コア部との間の空間に沿った形状の板状部を具える請求項1〜6のいずれか1項に記載のリアクトル。
- 前記磁性コアの少なくとも一部は、磁性体粉末と樹脂とを含む複合材料から構成されている請求項1〜7のいずれか1項に記載のリアクトル。
- 前記コイルは、横並びされた一対の筒状のコイル素子を具える請求項1〜8のいずれか1項に記載のリアクトル。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載のリアクトルを具えるコンバータ。
- 請求項10に記載のコンバータを具える電力変換装置。
- 筒状のコイルと、このコイルの内外に配置されて閉磁路を形成する磁性コアとを具えるリアクトルに用いられるリアクトル用コイル部品であって、
巻線を螺旋状に巻回してなる筒状のコイルと、
前記磁性コアのうち、前記コイルの内側に配置される内側コア部と、
絶縁性樹脂から構成されており、前記内側コア部と前記コイルとの間に介在されて、前記コイルと前記内側コア部との間隔を保持する間隔保持部材と、
絶縁性樹脂から構成されており、前記コイルの外周の少なくとも一部を覆って、その形状を保持すると共に、前記コイルと前記内側コア部と前記間隔保持部材とを一体に保持する樹脂モールド部とを具えるリアクトル用コイル部品。
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