JP6547646B2 - リアクトル、及びリアクトルの製造方法 - Google Patents

リアクトル、及びリアクトルの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ハイブリッド自動車などの車両に搭載される車載用DC−DCコンバータや電力変換装置の構成部品などに利用されるリアクトルに関する。
電圧の昇圧動作や降圧動作を行う回路の部品の一つに、リアクトルがある。特許文献1は、車載コンバータ用のリアクトルとして、巻線を螺旋状に巻回した一対の巻回部を備えるコイルと、巻回部内外に配置される環状の磁性コアと、巻回部と磁性コアとの間に介在される筒状ボビン及びB型の枠状ボビンとを備えるものを開示する。
上記磁性コアは、複数のコア片と、隣り合うコア片間に介在されるアルミナ等から構成されるギャップ板とを備える。上記磁性コアのうち、巻回部内に配置される部分は、中間コア片(内コア片に相当)とギャップ板とが交互に積層され、接着剤で固定された積層物である。上記筒状ボビンは、巻回部の内周面と上記積層物との間に介在される。上記枠状ボビンは、巻回部の端面と、巻回部外に配置される端部コア片(外コア片に相当)との間に介在され、上記積層物がそれぞれ挿通される一対の貫通孔を備える。貫通孔から露出される中間コア片の端面と端部コア片の内端面とを接着剤で接合する。特許文献1は、上記コイルと、上記磁性コアと、これら筒状ボビン及び枠状ボビンとの組合体を樹脂で覆って、機械的保護などを図ることを開示する。
特開2012−248904号公報
複数のコア片を含む磁性コアの少なくとも一部を樹脂で覆ったリアクトルを製造する際に、樹脂の成形に用いる金型に対して磁性コアの位置がずれ難いことが望まれる。
例えば、上述のコイルと、複数のコア片と、筒状ボビン及び枠状ボビンとの組合体を金型に収納して、金型内に原料の樹脂を充填し、少なくとも外コア片を被覆する場合を考える。金型内に外コア片を収納して、原料の樹脂を充填すると、外コア片は、原料の樹脂から充填方向の押圧力を受ける。充填圧力を大きくする場合には、上記押圧力も大きくなり、金型に対する外コア片の位置がずれる恐れがある。また、充填方向によっても、金型に対する外コア片の位置がずれる恐れがある。この位置ずれに起因して、外コア片と内コア片とコイルとの三者が適切な位置に配置されず、リアクトルの特性の低下を招き得る。従って、所定の特性をより確実に有するリアクトルが製造できるように、上記位置ずれを抑制できることが望まれる。
そこで、本発明の目的の一つは、樹脂モールド部の成形時に金型に対する磁性コアの位置がずれ難いリアクトル、及びリアクトルの製造方法を提供することにある。
本発明の一態様に係るリアクトルは、巻回部を有するコイルと、前記巻回部内外に配置される複数のコア片を含む磁性コアと、前記コイルと前記磁性コアとの間に介在される介在部材と、前記磁性コアのうち、前記巻回部外に配置される外コア片の少なくとも一部を覆う外側被覆部を含む樹脂モールド部とを備える。
前記介在部材は、前記巻回部の端面と前記外コア片の内端面との間に介在される外側介在部を備える。
前記外側介在部の前記外コア片側に、前記外コア片の内端面の一部を前記樹脂モールド部から露出させる穴部を有する。
本発明の一態様に係るリアクトルの製造方法は、巻回部を有するコイルと、前記巻回部内外に配置される複数のコア片を含む磁性コアと、前記コイルと前記磁性コアとの間に介在される介在部材とを備える組合体を金型に収納し、前記磁性コアのうち、前記巻回部外に配置される外コア片の少なくとも一部を覆う樹脂モールド部を成形する工程を備える。
前記介在部材は、前記巻回部の端面と前記外コア片の内端面との間に介在される外側介在部を備え、この外側介在部の前記外コア片側に、前記外コア片の内端面の一部を露出させる穴部を有する。
前記穴部に前記金型の内面から突出するピンを挿入して前記内端面の一部を支持した状態で前記樹脂モールド部を成形する。
上記のリアクトル及び上記のリアクトルの製造方法は、樹脂モールド部の成形時に金型に対する磁性コアの位置がずれ難い。
実施形態1のリアクトルを示す概略斜視図である。 実施形態1のリアクトルに備える組合体の分解斜視図である。 実施形態1のリアクトルに備える介在部材のうち、内側介在部を示し、(A)は端部介在片を内コア片の嵌め込み方向からみた正面図、(a)は(A)の端部介在片に内コア片を配置した状態を示す正面図、(B)は中間介在片の正面図、(b)は(B)の中間介在片に内コア片を配置した状態を示す正面図、(C)は隣り合う内コア片に端部介在片及び中間介在片を組み付けた状態を示す側面図である。 実施形態1のリアクトルを外コア片側からコイルの軸方向にみた正面図であり、外コア片は左半分のみを示す。 実施形態1のリアクトルを示す下面図である。
[本発明の実施形態の説明]
最初に、本発明の実施態様を列記して説明する。
(1)本発明の実施形態に係るリアクトルは、巻回部を有するコイルと、上記巻回部内外に配置される複数のコア片を含む磁性コアと、上記コイルと上記磁性コアとの間に介在される介在部材と、上記磁性コアのうち、上記巻回部外に配置される外コア片の少なくとも一部を覆う外側被覆部を含む樹脂モールド部とを備える。
上記介在部材は、上記巻回部の端面と上記外コア片の内端面との間に介在される外側介在部を備える。
上記外側介在部の上記外コア片側に、上記外コア片の内端面の一部を上記樹脂モールド部から露出させる穴部を有する。
上記のリアクトルは、穴部を有する介在部材を備えるため、以下の理由(A)により、樹脂モールド部の成形時に金型に対する磁性コア、特に外コア片の位置がずれ難い。
(A)樹脂モールド部の成形時に、穴部を、金型の内面から突出するピンを差し込むためのピン穴に利用できるからである。詳しくは、上記ピンを穴部に挿入すると、穴部から露出する外コア片の内端面の一部に上記ピンが直接接触する。そのため、樹脂モールド部の原料(以下、モールド原料と呼ぶことがある)の充填方向が外コア片をコイルに近付ける方向(以下、コイル近接方向と呼ぶことがある)を含む場合でも、上記ピンは、コイル近接方向とは対向する側に配置されて外コア片を支持できる。モールド原料の充填圧力を大きくした場合でも、上述のように外コア片を支持できる。このように外コア片がコイル側に向かって動くことを穴部に挿入されたピンによって規制できる。また、外コア片は代表的には鉄などの軟磁性金属を主成分とする重量物であり、特許文献1に記載されるような薄い樹脂製の枠状ボビンでは、外コア片の位置ずれを十分に抑制することは難しいと考えられる。しかし、上記のリアクトルでは、外側介在部と上記ピンとの係合によって外コア片を十分に支持できる。
また、上記のリアクトルは、以下の理由(B)により、所定のインダクタンスを適切に有することができる。
(B)上記の金型のピンによって、外側介在部を金型の所定の位置に位置決めできる。この外側介在部を基準として、コイル及び磁性コアも位置決めできる。即ち、外コア片におけるコイルに対する位置、更には外コア片における巻回部内に配置されるコア片(後述の内コア片)に対する位置を容易に位置決めできる。この位置決めされた状態で、上述のように外コア片の位置を適切に維持しつつ、樹脂モールド部を成形できる。そのため、位置ずれに起因するインダクタンスの変動を抑制できるからである。
更に、上記のリアクトルは、金型内での位置決めを容易に行えることから、製造性にも優れる。また、上記のリアクトルは、コイル近接方向とは対向する側から上述の金型のピンによって外コア片を支持するにあたり、外側介在部が干渉せず(邪魔にならず)、上記ピンを容易に配置できることからも製造性に優れる。
(2)上記のリアクトルの一例として、上記磁性コアは、上記巻回部内に配置される内コア片と、隣り合う上記コア片間に介在される少なくとも一つのギャップ部とを含み、上記外側介在部は、上記巻回部側の面と上記外コア片側の面とに貫通して、上記内コア片の端面を露出させる貫通孔を有し、上記介在部材は、上記巻回部の内周面と上記磁性コアの外周面との間に介在され、上記隣り合うコア片間の間隔を保持する介在突部が設けられた内側介在部を備え、上記樹脂モールド部は、上記外側被覆部に連続し、上記内コア片の少なくとも一部を覆う内側被覆部と、上記ギャップ部を構成する樹脂ギャップ部とを備える形態が挙げられる。
上記形態は、以下の理由により、製造過程で介在突部によって隣り合うコア片間の間隔を適切に保持でき、この間隔の大きさに応じた樹脂ギャップ部を精度よく形成できる。そのため、上記形態は、コア片とは独立したギャップ板が不要であり、コア片とギャップ板との接合工程を省略できることからも、製造性に優れる。
製造過程において樹脂ギャップ部の形成前、隣り合うコア片間には、介在突部が存在する領域と、介在突部が存在せず、樹脂ギャップ部を形成するためにモールド原料が充填される空間とを有する。仮に、モールド原料の充填方向がコイル近接方向を含む場合、上述の金型のピンによる外コア片の支持を行わないと、モールド原料に押圧された外コア片が上記空間の間隔を狭めるように動く恐れがある。この外コア片の位置ずれによって、コア片間における最終的に樹脂ギャップ部となる領域の一部が、所定の間隔に適切に支持されない恐れがある。モールド原料の充填圧力を大きくする場合には、外コア片への押圧力が大きくなって、上記領域が更に狭められ易い。コア片間の間隔が部分的に異なることで、最終的に樹脂ギャップ部の厚さも不均一となる。この結果、磁気ギャップ長が変動して、インダクタンスの変動を招き得る。これに対し、上記形態は、上述のように穴部に上記ピンを挿入することで、外コア片がコイル近接方向に動くことを規制できる。そのため、介在突部に支持されたコア片間の間隔が適切に支持された状態で、樹脂ギャップ部を形成できるからである。
また、上記形態は、樹脂ギャップ部によって、コア片間の間隔の変動によるインダクタンスの変動を抑制して、長期に亘り、所定のインダクタンスを維持できて、信頼性を高められる。
更に、上記形態では、外側被覆部と内側被覆部とが連続するため、外コア片と内コア片とが樹脂モールド部によって一体化される。コア片間に介在する樹脂ギャップ部はコア片同士の接合材として機能する。従って、上記形態は、樹脂モールド部によってコア片同士が強固に一体化されて機械的特性に優れる上に、一体物としての剛性が高められて振動や騒音などを抑制できる。その他、上記形態は、樹脂モールド部を備えることで、外部環境からの保護(コア片の防食など)、コイルや外部部品に対する絶縁性の向上、被覆材の材質によっては放熱性の向上などを期待できる。
(3)上記のリアクトルの一例として、上記外コア片の内端面に、上記穴部の内部空間の一部を形成する切欠が設けられている形態が挙げられる。
上記形態の切欠は、外コア片における上述の金型のピンとの係合部に利用できる。上記形態は、外コア片自体が上記ピンとの係合部を有しており、上記ピンが外コア片の内端面の一部のみに接触する場合と比較して、外コア片と上記ピンとの接触面積が多い。そのため、外コア片は穴部(切欠)に差し込まれた上記ピンによって更に位置ずれし難く、樹脂モールド部の成形時に外コア片の位置を精度よく維持できる。また、上記形態は、外コア片の位置決めを容易に、かつ精度よく行える。従って、上記形態は、製造性により優れる。更に、上記ピンの厚みの一部を外側介在部の穴部(後述の溝部)で受けられ、残部を外コア片の切欠で受けられる。そのため、上記ピンとして、外側介在部の厚さに対して十分に断面積が大きく(厚く又は太く)、剛性の高いものを利用できる。従って、上記形態は、モールド原料の充填圧力を大きくした場合でも、外コア片を強固に支持でき、上記ピンによる位置決めを高精度に行える。モールド原料の充填圧力を大きくできることで、樹脂モールド部を精度よく成形できたり、充填時間を短縮したりできる。
(4)上記のリアクトルの一例として、上記巻回部の端面は、その外周側領域よりも上記巻回部の軸方向に膨らんだ内周側領域を備え、上記外側介在部は、上記巻回部の端面との対向面に、上記内周側領域が嵌め込まれる凹部を備える形態が挙げられる。
上述のように外側介在部自体が上述の金型のピンによって位置決めされ、この外側介在部の凹部に巻回部が嵌め込まれることで巻回部も位置決めできる。また、巻回部と外側介在部とが密着できる。そのため、製造過程で、巻回部も位置ずれし難く、コイルと磁性コアとが適切な位置に支持された状態で樹脂モールド部を形成でき、製造性に優れる。従って、上記形態は、所定のインダクタンスを適切に有することができる。また、上述の密着によってデッドスペースを低減できるため、上記形態は、小型である。
(5)本発明の実施形態に係るリアクトルの製造方法は、巻回部を有するコイルと、上記巻回部内外に配置される複数のコア片を含む磁性コアと、上記コイルと上記磁性コアとの間に介在される介在部材とを備える組合体を金型に収納し、上記磁性コアのうち、上記巻回部外に配置される外コア片の少なくとも一部を覆う樹脂モールド部を成形する工程を備える。
上記介在部材は、上記巻回部の端面と上記外コア片の内端面との間に介在される外側介在部を備え、この外側介在部の上記外コア片側に、上記外コア片の内端面の一部を露出させる穴部を有する。
上記穴部に上記金型の内面から突出するピンを挿入して上記内端面の一部を支持した状態で前記樹脂モールド部を成形する。
上記のリアクトルの製造方法は、樹脂モールド部の成形時、外コア片の内端面の一部を穴部に差し込まれた上記金型のピンによって支持する。そのため、上述の理由(A)により、金型に対する磁性コア、特に外コア片の位置がずれ難い。また、上記のリアクトルの製造方法は、上述の理由(B)によって、リアクトルを生産性よく製造できる。特に、所定のインダクタンスを適切に有するリアクトルを製造できる。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を具体的に説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。
[実施形態1]
図1〜図5を参照して、実施形態1のリアクトル1を説明する。図1では、コイル2の内部が分かり易いように、巻回部2aの一部を切り欠いて示す。図4では、外側介在部52の外コア片32側の面が分かり易いように、外コア片32を図1に示す(IV)−(IV)切断線で切断して右半分を除去し、左半分のみを示す。
(リアクトル)
・全体構成
実施形態1のリアクトル1は、図1に示すように、筒状の巻回部2a,2bを有するコイル2と、巻回部2a,2b内外に配置される複数のコア片を含む磁性コア3と、コイル2と磁性コア3との間に介在される介在部材5と、磁性コア3の外周面の少なくとも一部を覆う樹脂モールド部6とを備える。この例のコイル2は、樹脂モールド部6に覆われず、露出される。リアクトル1は、代表的には、コンバータケースなどの設置対象(図示せず)に取り付けられて使用される。図1では、リアクトル1を設置したときの設置側が下側、その対向側が上側である場合を例示する。
リアクトル1に備える磁性コア3は、コア片として、巻回部2a,2b外に配置される一対の外コア片32,32を備える。この例の磁性コア3は、巻回部2a,2b内にそれぞれ配置される複数の内コア片31の群(図2も参照)と、隣り合うコア片間に介在される少なくとも一つのギャップ部(ここでは複数)を含む。
リアクトル1に備える介在部材5は、巻回部2a,2bの端面と、各外コア片32,32の内端面32e,32e(図5)間にそれぞれ介在される外側介在部52,52を備える。この例の外側介在部52,52はそれぞれ、表裏面に貫通する貫通孔52h,52h(図2)が設けられた枠板状である。また、この例の介在部材5は、外側介在部52とは独立しており、巻回部2a,2bの内周面と磁性コア3の外周面との間にそれぞれ介在される内側介在部51,51を備える。この例の内側介在部51は、後述の樹脂ギャップ部60(図1)を形成可能な構成を備える(詳細は後述)。
リアクトル1に備える樹脂モールド部6は、図1に示すように、各外コア片32,32の少なくとも一部を覆う外側被覆部62と、外側被覆部62に連続し、各内コア片31の群の少なくとも一部を覆う内側被覆部61と、上記のギャップ部を構成する樹脂ギャップ部60とを備える。この例では、内コア片31,外コア片32間、及び内コア片31,31間にそれぞれ、樹脂ギャップ部60を備える。
実施形態1のリアクトル1は、外側介在部52,52の外コア片32側(以下、外コア側と呼ぶことがある)にいずれも、穴部90,90(図5)が設けられていることを特徴の一つとする。この例では、外コア片32の内端面32eに穴部90の内部空間の一部を形成する切欠329が設けられている(図2)。かつ、外側介在部52の設置面側に溝部59が設けられている(図2)。外コア片32の切欠329と外側介在部52の溝部59との双方で穴部90を形成する。穴部90は、リアクトル1の製造過程で、樹脂モールド部6の成形に用いる金型(図示せず)に対して、後述のようにピン9(図2)が差し込まれることで外コア片32の位置決めに利用されて、外コア片32の位置ずれを防止する。
以下、リアクトル1の主要部材であるコイル2、磁性コア3の概要、特徴点の一つである介在部材5の詳細及び樹脂モールド部6の詳細を順に説明する。
・コイル
この例のコイル2は、図2に示すように独立した巻回部2a,2bが接合によって一体化されている。詳しくは、各巻回部2a,2bは、1本の連続する巻線2w,2wがそれぞれ螺旋状に巻回された筒状であり、互いの軸が平行するように並列(横並び)に配置される。各巻線2w,2wの一端部同士を溶接や圧着などによる接合箇所とし、この接合によって、コイル2は電気的に接続された一体物をなす。図2では、一方の巻回部2bを形成する巻線2wの一端部が巻回部2bから離れるように上方に向かって引き出され、他方の巻回部2aを形成する巻線2wが一方の巻回部2bに向かって折り曲げられることで両一端部が近接配置された例を示す。巻線2w,2wの他端部は、巻回部2a,2bから適宜な方向に引き延ばされて、図示しない端子部材が接続される。図2では、他端部が、巻回部2a,2bから離れるように上方に引き出された例を示すが、引出方向は適宜変更できる。上記端子部材を介して、コイル2に電力供給を行う電源などの外部装置が接続される。
この例の各巻回部2a,2bの端面形状は、角部を丸めた正方形状である。また、この例の巻線2wは、平角線の導体(銅など)と、この導体の外周を覆う絶縁被覆(ポリアミドイミドなど)とを備える被覆平角線(いわゆるエナメル線)であり、巻回部2a,2bはエッジワイズコイルである。
(磁性コア)
磁性コア3は、上述のように複数の内コア片31と、一対の外コア片32,32と、複数のギャップ部(樹脂ギャップ部60)とを備える。図2,図3(a),図3(b)に示す内コア片31は、巻回部2a,2bの形状に対応して、端面形状が角部を丸めた正方形状である柱状体である。図2に示す外コア片32は、設置面(下面)及びその対向面(上面)がドーム状である柱状体である。外コア片32における内コア片31の端面との接続面となる内端面32eは、設置面との角部の一部に設けられた切欠329を除いて、一様で平坦な平面で構成される。外コア片32の設置面は、内コア片31の設置面よりも設置対象に近づく方向に突出している(図4の右半分に示す内コア片31と、破線で示す外コア片32参照)。複数の内コア片31と樹脂ギャップ部60とが交互に配置された一対の積層部分を繋ぐように一対の外コア片32,32が組み付けられて、環状の磁性コア3を形成する。磁性コア3は、コイル2を励磁したときに閉磁路を形成する。切欠329は、介在部材5の外側介在部52の項で説明する。
内コア片31,外コア片32は、主として軟磁性材料から構成される。軟磁性材料は、例えば、鉄や鉄合金(Fe−Si合金、Fe−Ni合金など)といった軟磁性金属などが挙げられる。内コア片31,外コア片32は、軟磁性材料からなる粉末や、絶縁被覆を備える被覆粉末などを圧縮成形した圧粉成形体、軟磁性粉末と樹脂とを含む複合材料の成形体などが挙げられる。樹脂ギャップ部60の詳細は、樹脂モールド部6の項で説明する。
(介在部材)
主に図2〜図5を参照して介在部材5を説明する。
・概要
介在部材5は、代表的には絶縁材料によって構成されて、コイル2と磁性コア3間の絶縁部材として機能する。また、介在部材5は、後述するように所定の大きさ、形状に形成されて、巻回部2a,2bに対する内コア片31,外コア片32の位置決め部材として機能する。この例の内側介在部51,51は、巻回部2a,2bの内周面と内コア片31との間の絶縁、巻回部2a,2bに対する内コア片31の位置決めを行う。外側介在部52は、巻回部2a,2bの端面と外コア片32との間の絶縁、巻回部2a,2bに対する外コア片32の位置決めを行う。結果として、介在部材5は、内コア片31と外コア片32との位置決めを行う。
実施形態1のリアクトル1では、外側介在部52,52が穴部90を備えることで、介在部材5は、樹脂モールド部6の成形時、特に、成形に用いる金型に対する外コア片32,32の位置ずれを抑制する金型への位置決め部材としても機能する。この例のリアクトル1では、内側介在部51,51が隣り合うコア片間(ここでは内コア片31,31間)の間隔を保持する介在突部5126を備えることで、介在部材5はギャップ形成部材としても機能する。
更に、この例の外側介在部52は、樹脂モールド部6の成形時、金型内において、外コア片32,32を収納するコア収納空間と、これら外コア片32,32に挟まれるコイル2を収納するコイル収納空間とを仕切り、コイル収納空間にモールド原料が供給されないようにする。外コア片32,内コア片31と介在部材5とが組み付けられた状態では、これらの間に、後述の特定の隙間(例えば図3(a)の隙間gなど)を形成する。コイル収納空間に収納される内コア片31の周囲に設けられる上記特定の隙間は、外コア片32側のコア収納空間に連通する。この連通空間によって、外コア片32側から内コア片31側へのモールド原料の流入を可能とする。即ち、上記特定の隙間を樹脂モールド部6の形成時にモールド原料の樹脂流路として利用する。従って、介在部材5は、金型内の仕切り部材、及びモールド原料の樹脂流路の形成部材としても機能する。
以下、外側介在部52,内側介在部51を順に説明する。穴部90の使用方法については、実施形態のリアクトルの製造方法の項で説明する。
・外側介在部
この例の外側介在部52は、図2に示すように、その中央部に、並列される一対の貫通孔52h,52hを備える矩形状の枠体である。各貫通孔52h,52hは、巻回部2a,2b側(以下、コイル側と呼ぶことがある)の面と外コア側の面とに貫通する。そのため、各内コア片31の群の端部に位置する内コア片31,31の端面は、外コア片32の内端面32eに向かって露出される(図4の右半分も参照)。この例では、外側介在部52における外コア片32の内端面32eに対向配置される外コア側をみれば、外コア片32の内端面32e及びその近傍を嵌め込めるように凹んでいる。この凹みの底部に二つの貫通孔52h,52hが開口する。外側介在部52は、この外コア側に、上記凹みの開口縁を開口部とし、貫通孔52h,52hに連通する空間を形成するコア孔52fを備える(図2において左側の外側介在部52参照)。外側介在部52における外コア側の中央部が凹んでいることで、この中央部の厚さが周縁部の厚さよりも薄い。この中央部は、内コア片31,外コア片32と外側介在部52とが組み付けられた状態では内コア片31と外コア片32との間に介在する。従って、内コア片31と外コア片32との間の間隔は、上記中央部の厚さに応じた大きさに保持される。上記中央部によって内コア片31と外コア片32との間に形成される隙間は、製造過程では樹脂流路に利用され、最終的には樹脂モールド部6の一部が充填される。従って、リアクトル1は、内コア片31と外コア片32との間にも樹脂ギャップ部を備える。
・・大きさ
この例の外側介在部52は、外コア片32(図4の破線及び二点鎖線参照)と組み付けられた状態において、外コア片32よりも大きく、外コア片32を囲むように周縁部を備える。つまり、外コア片32の設置面よりも出っ張る部分(図4では下側の部分)、外コア片の側面よりも出っ張る部分(図4では左右の部分)を有する。また、この例の外側介在部52は、コイル2と組み付けられた状態において、巻回部2a,2bの設置面(下面)と外側介在部52の設置面(下面)とが実質的に面一になり、巻回部2a,2bの側面(左右の面)と外側介在部52の側面(左右の面)とが実質的に面一なる大きさとしている(図5も参照)。そのため、樹脂モールド部6の成形用の金型に収納すると、巻回部2a,2bの設置面と外側介在部52の設置面とは金型の内面に支持される。更に、外側介在部52とコイル2及び外コア片32とが組み付けられた状態において、外側介在部52の設置面とは反対側の面(上面)が巻回部2a,2b及び外コア片32における設置面とは反対側の面(上面)よりも高い位置となるように、外側介在部52の大きさを調整している。上述の組み付け状態では、巻線2w,2wの端部を除き、コイル2が外側介在部52から出っ張らない。
外側介在部52の中央部の厚さは、巻回部2a,2bと磁性コア3との間に求められる絶縁性などを考慮して、適宜選択できる。この例では上述のように中央部の厚さは周縁部よりも薄い。周縁部の厚さは後述の溝部59(図2)が形成可能な程度に厚い(図2,図5)。
・・コイル側
この例の外側介在部52のコイル側には、各巻回部2a,2bの端面近傍を嵌め込む嵌合溝を備える。各嵌合溝は、各巻回部2a,2bの端面形状に沿った環状である(図2において右側の外側介在部52参照)。各嵌合溝に各巻回部2a,2bの端面近傍が嵌め込まれることで、コイル2と外側介在部52とを位置決めできる。各嵌合溝の中央部には、各巻回部2a,2bの内周輪郭に実質的に等しい又は内周輪郭よりも若干大きい貫通孔52hが設けられている。
更に、この例の外側介在部52は、各嵌合溝に各巻回部2a,2bの端面における角部を収納する凹部520を備える(図2において右側の外側介在部52参照)。ここで、巻線2wを巻回して筒状にすると、この筒体の内周側領域は外周側領域よりも筒体の軸方向に膨らみ易い。この例のように巻回部2a,2bがエッジワイズコイルであり、端面形状が角部を丸めた正方形状などであれば、角部の曲げ半径が小さく、角部に上述の膨らみが生じ易い。従って、各巻回部2a,2bの端面は、各巻回部2a,2bの外周側領域よりもその軸方向に膨らんだ内周側領域を含むことがある。外側介在部52は、巻回部2a,2bの端面に対向するコイル側の面に、この膨らんだ内周側領域(角部及びその近傍)が嵌め込まれる凹部520を備えることで、巻回部2a,2bと外側介在部52とを密着できる。その他、この例の外側介在部52のコイル側には、各巻回部2a,2bにおいて、巻線2w,2wの他端部の引出方向に引出溝も備える。そのため、巻回部2a,2bと外側介在部52とが更に密着し易い。巻回部2a,2bと外側介在部52とが密着することで、両者を精度よく位置決めできる。また、密着することで、この例のようにコイル2が樹脂モールド部6で覆われずに露出される場合であっても、製造過程で、モールド原料がコイル2側に漏出することを防止し易い。
・・外コア側
この例の外側介在部52の外コア側に設けられたコア孔52fの開口縁がつくる仮想面の大きさは、外コア片32の内端面32eよりも若干大きい。そのため、製造過程でコア孔52fに外コア片32を嵌め込むと、外コア片32の外周面とコア孔52fを形成する内周面との間に隙間が設けられる。この隙間は、図4の右半分でいうと、外コア片32の設置面とは反対側の面(上面)及び側面(右面)と、コア孔52fをつくる内周面のうち、貫通孔52hの開口縁に重複する部分との間に設けられる。この隙間は、製造過程では樹脂流路に利用され、最終的に樹脂モールド部6の一部(図4では後述の内側被覆部61のうち、上側の部分及び右側の部分に連なる部分)が配置される。また、コイル2と介在部材5とが組み付けられ、外コア片32が無い状態で外側介在部52の外コア側の面からみると、図4の右半分に示すように巻回部2a,2bは外側介在部52に覆われてみえない。内コア片31の端面及び内側介在部51の一部(後述の端部介在片515の端面規制部5178)は貫通孔52hから露出されており、みえる。このような構成によって、外コア側から上記隙間を経て巻回部2a,2b内にモールド原料を導入でき、外側介在部52によって巻回部2a,2bの外周に漏れ出ることを防止できる。
上記隙間を形成しつつ、外コア片32を支持できるように、この例のコア孔52fをつくる内周面には、外コア片32の設置面とは反対側の面(上面)の一部を支持する凸部522と、設置面(下面)の一部を支持する支持面523とを備える。コア孔52fに嵌め込まれた外コア片32は、凸部522の内端面と支持面523とで一対の対向面(上下の面)の一部を挟まれて、外側介在部52に位置決めされる。また、外コア片32の上面とコア孔52fの開口縁との間、外コア片32の側面とコア孔52fの開口縁との間に隙間が設けられる(図4の二点鎖線とコア孔52fとを比較参照)。所定の隙間が設けられる範囲で、コア孔52f、凸部522、支持面523の大きさ、形状などを選択するとよい。
・・・穴部
そして、実施形態1のリアクトル1では、図5に示すように外側介在部52における設置面側(下側)に、樹脂モールド部6の形成時、金型(図示せず)の内面から突出されるピン9(図2)が挿入される穴部90を備える。この例の穴部90は、外側介在部52に設けられた溝部59(図2,図4も参照)と、外コア片32の内端面32eに設けられた切欠329(図2も参照)とで形成される止まり穴であり、ピン9の外形、大きさ、個数に対応して設けられている。穴部90をつくる形成面は、外側介在部52における溝部59をつくる形成面及び外コア片32における切欠329をつくる形成面で構成される。穴部90の開口部は、切欠329の設置面側の開口部と、外側介在部52の溝部59における設置面側の開口部とで構成される。穴部90の内部空間は、溝部59の内部空間と切欠329の内部空間とで構成される。穴部90は、外コア片32の内端面32eの一部を樹脂モールド部6から露出させる。内端面32eにおける樹脂モールド部6からの露出箇所は、樹脂モールド部6の成形時、ピン9との接触箇所であり、ピン9によって支持されていたことを示す根拠といえる。
<ピン>
ピン9の形状、大きさ、個数などは適宜選択できる。図2では、直方体の一つの角部を角落としして、穴部90への挿入方向先端側に、傾斜面(面取り部)を備えるピン9を例示する。その他、直方体状、三角柱状、六角柱状などの角柱状、円柱状、楕円柱状などの曲面を有する柱状などが挙げられる。本例のように傾斜面を備えるピン9は、穴部90に挿入し易く、作業性に優れる。また、ピン9の傾斜面によって、外コア片32の切欠329の形成面を押えて支持する構成とすることで、外側介在部52の溝部59を小さくし易く、溝部59の形成に起因する外側介在部52の強度の低下を低減できる。この例では一つの外コア片32及び外側介在部52に対して二つのピン9を配置する場合を示すが、ピン9の個数は一つ、又は三つ以上とすることができる。ピン9の断面積が大きいほど、ピン9が多いほど、外コア片32との接触面積が大きくなる上に、ピン9自体の剛性を十分に高められて外コア片32を十分に支持できる。外側介在部52の大型化、挿入作業性の低下などを招かない範囲で、大きさ、個数などを選択するとよい。ピン9の構成材料は、モールド原料に押圧される外コア片32を支持可能な程度の強度を有する材料(代表的には金属)が挙げられる。
<溝部>
この例の溝部59は、図2に示すように、外側介在部52の設置面(下面)からコア孔52fを経て貫通孔52hに至るように設けられており、設置面側と外コア側とに開口する。直方体状であるピン9の形状に対応して、設置面側の開口形状は矩形状である(図5)。この例では、一つの外側介在部52に対して二つの溝部59,59を備える。
<切欠>
この例の切欠329は、図2の右側の外コア片32に示すように、外コア片32の設置面(下面)から内端面32eに至るように設けられており、設置面側と内端面32e側とに開口する。直方体状であるピン9の形状に対応して、設置面側の開口形状は矩形状である(図5)。この例の切欠329の形成面は、ピン9の傾斜面との当接面を含む。一つの外コア片32に対して二つの切欠329を備える。外コア片32と外側介在部52とが組み付けられた状態で、各溝部59,59の外コア側の開口部と、各切欠329における内端面32e側の開口部とが重なるように、溝部59及び切欠329が設けられている。
なお、この例の外コア片32は、上述のように内コア片31の設置面よりも突出した突出部分を有し、この突出部分に切欠329を備えることで、切欠329の具備による磁路への影響は小さい。そのため、例えば、ピン9として断面積が大きいものを利用する場合、穴部90における切欠329が形成する割合を溝部59が形成する割合よりも大きくても、上記突出部分に切欠329を設ければ、磁路への影響が小さいと考えられる。また、穴部90における切欠329が形成する割合を大きくすれば、外コア片32におけるピン9との接触面積を大きくでき、ピン9によって強固に支持できる。更に、この場合、穴部90における溝部59が形成する割合を小さくできるため、外側介在部52の厚さをある程度薄くでき、リアクトル1の小型化を図れる。この例のように穴部90における切欠329が形成する割合と、溝部59が形成する割合とを等しくすることもできる。
<穴部>
本例では、傾斜面を有する直方体状のピン9に対応して、穴部90の形成面は、角落としされた直方体状の空間を形成する。このピン9の表面と穴部90の形成面とが面接触できるため、外コア片32は穴部90に挿入されたピン9に良好に支持される。また、外コア片32の切欠329の形成面及び外側介在部52の溝部59の形成面とピン9の側面とが面接触することで、外コア片32及び外側介在部52は、ピン9によって、巻回部2a,2bの並列方向の移動も規制される。このようなピン9と穴部90との係合によって、金型内に外コア片32及び外側介在部52を精度よく位置決めでき、かつ位置ずれし難くできる。
穴部90の形状、溝部59及び切欠329の形状はピン9の形状に対応して、適宜変更できる。例えば、溝部59及び切欠329の設置面側の開口形状が三角形状(この場合のピン9は例えば四角柱状)、半円状(この場合のピン9は例えば円柱状)などが挙げられる。
穴部90の穴深さは適宜選択できる。この例では、溝部59が貫通孔52hの開口部に至るため、貫通孔52hを塞がない範囲とすることが好ましい。穴部90に挿入したピン9によって貫通孔52hが塞がれると、外コア片32の内端面32eと内コア片31の端面との間に介在されるモールド原料が減り、両者の接合強度の低下を招くからである。
・内側介在部
この例の内側介在部51は、図2に示すように巻回部2a,2bの軸方向に所定の間隔をあけて配置される複数の分割片を含む。詳しくは、各内コア片31の群(この例では三つの内コア片31からなる群)に対して、上記軸方向の中間に配置される複数の中間介在片510(この例では二つ)と、上記軸方向の各端部に配置される一対の端部介在片515,515とを含む。樹脂モールド部6の形成前において、内コア片31の外周には、上記間隔の大きさに応じた空間(内コア片31の外周面と内側介在部51との間の段差空間)が設けられる(図2の内コア片31の群と内側介在部51との組物参照、図3(C)参照)。また、この例の中間介在片510は、内コア片31の全周を覆わず、内コア片31の周方向の一部を露出するように切り欠かれている。そのため、樹脂モールド部6の形成前において、内コア片31の外周には、この切欠部分の応じた空間(内コア片31と中間介在片510との間の段差空間)が設けられる(図3(b)の隙間G514参照)。更に、この例の端部介在片515は、内コア片31の全周を囲む環状体であるものの、内コア片31の外周面との間に所定の間隔を確保する。そのため、樹脂モールド部6の形成前において、内コア片31の外周には、この間隔の大きさに応じた空間が設けられる(図3(a)の隙間g参照)。これらの空間を樹脂モールド部6の形成時にモールド原料の樹脂流路として利用できる。
各中間介在片510は同一形状である。また、各端部介在片515は同一形状である。従って、以下の説明では、一つの中間介在片510,一つの端部介在片515を説明する。
・・中間介在片
この例の中間介在片510は、図2,図3(b)に示すように内コア片31の形状に沿って、帯材がU字状に折り曲げられたような部材である。内コア片31と中間介在片510とが組み付けられた状態では、中間介在片510の内周面は、内コア片31に実質的に接して(図3(b)、組み付け作業上の僅かな隙間は許容する)、支持面として機能する(図3(C)も参照)。
詳しくは、中間介在片510は、隣り合う内コア片31,31の外周面の一部を連続して覆う本体部512と、上記外周面を部分的に露出させることで、本体部512を上記外周面の周方向に分断する切欠部514とを備える。この例の本体部512は、端面形状が角部を丸めた正方形状である内コア片31に対応して、端面形状が角部を丸めた正方形状の枠体である(図3(B),図3(b))。図3(b)では、本体部512として、内コア片31の三面(左右の面、下面)及び丸められた四つの角部を覆い、内コア片31の一面(上面)を覆わずに露出する例を示す。なお、この例の中間介在片510は、図3(B)に示す状態から水平方向に180°回転した場合に重なる回転対称な形状である。
本体部512における内コア片31の外周面を覆う領域の周長は、適宜選択できる。この周長が短いほど(例えば、下面と下面に繋がる二つの角部を備える形態とするなど)、切欠部514の周長が長くなる。その結果、内コア片31の外周面における本体部512からの露出箇所が多くなり、上述の樹脂流路が多くなる。上記周長が長いほど、切欠部514の周長が短くなる。その結果、内コア片31における本体部512による支持領域が多くなり、製造過程で内コア片31と中間介在片510との組み付け状態が安定し易い。この例のように内コア片31の一面(上面)のみを露出させると、樹脂モールド部6の形成時、切欠部514から露出される一面側の開口部からのみ、介在突部5126に支持されるコア片間にモールド原料を導入できる。即ち、一方向に導入できる。例えば二方向から上記コア片間にモールド原料を導入すると、異なる方向から導入されたモールド原料が衝突する場所でウェルドが形成される可能性がある。本例のように上記コア片間に一方向にモールド原料導入される構成とすれば、上記ウェルドが形成され難く、ウェルドによる性能の低下が実質的に生じない。
モールド原料を一方向に導入するには、介在突部5126の形状などに応じて本体部512の周長を選択するとよい。本体部512の周長が短くても、例えば、図3(B)に示すように介在突部5126をU字状に設けることで、隣り合う内コア片31,31間の周方向の一部のみが開口して、一方向の導入を行える。この例のように介在突部5126をU字状とし、その開口部に連続するように切欠部514を備えることに加えて、本体部512によって内コア片31の三面を覆うことでモールド原料の導入方向をより規制し易い。
本体部512の厚さは、巻回部2a,2bと磁性コア3との間に求められる絶縁性などを考慮して、適宜選択できる。例えば、本体部512の全長に亘って、本体部512の厚さを均一的にすることができる。又は、この例のように本体部512の厚さを部分的に異ならせることができる。詳しくは、図3(B)に示すように角部及びその近傍の厚さは、その他の部分よりも厚い。本体部512に、厚肉部と厚さが薄い薄肉部とを備えることで、両者の段差空間Gを樹脂モールド部6の樹脂流路に利用できる。本体部512の薄肉部の外周面は、図1のコイル2の切欠部分,図3(b)の二点鎖線(仮想線)に示すように樹脂モールド部6(内側被覆部61)で覆われる。厚肉部の外周面は、代表的には樹脂モールド部6から露出されて(図1)、巻回部2a,2bの内周面に接する(図3(b))。本体部512における薄肉部の割合が多いほど(例えば、厚肉部を対角位置の二つの角部のみにするなど)、樹脂流路を増大できる結果、本体部512と樹脂モールド部6との接触面積を増大できる。そのため、磁性コア3が複数のコア片を含み、介在部材5も複数の分割片を含むものの、樹脂モールド部6による磁性コア3の固定強度を高められる。本体部512における厚肉部の割合が多いほど(例えば、内コア片31の三面のうちの少なくとも一面を覆う部分全体を厚肉部にするなど)、コイル2と磁性コア3との絶縁性を高められる。
本体部512における巻回部2a,2bの軸方向に沿った長さ(以下、幅と呼ぶ)は、適宜選択できる。本体部512の幅が長いほど、内コア片31における本体部512による支持領域が多くなり、上述のように製造過程で組み付け状態が安定し易い。本体部512の幅が短いほど、隣り合う中間介在片510,510間の間隔、隣り合う中間介在片510,端部介在片515との間の間隔を大きくして、上述の樹脂流路を増大できる結果、内コア片31と樹脂モールド部6との接触面積を増大できる。そのため、樹脂モールド部6による磁性コア3の固定強度を高められる。後述する端部介在片515の環状本体部517の幅については、本体部512の幅に関する事項を参照できる。上述の中間介在片510,510の間隔、中間介在片510,端部介在片515間の間隔が所定の値となるように、本体部512の幅、後述の環状本体部517の幅を設定するとよい。
・・・介在突部
中間介在片510は、本体部512における内コア片31の外周面との対向面から直交方向に立設する介在突部5126を備える。介在突部5126は、図3(C)に示すように、隣り合う内コア片31,31間に介在されて、内コア片31,31間の間隔を、介在突部5126の厚さに応じた大きさに保持する。内コア片31,31間の間隔は、磁気ギャップとして利用する。従って、介在突部5126の厚さは、所定の磁気ギャップ長に応じて設定する。
この例の介在突部5126は、図3(B)に示すように、本体部512の内周面の周方向に沿って、U字状の全長に亘って設けられたU字状の平板材である(図2も参照)。このU字状の平板材の内縁面は、切欠部514を形成する内周面に連続する。介在突部5126の形状、配置形態は、適宜変更できる。この例では、上述のように本体部512の形状に沿った形状であり、本体部512に連続する一つの部材であるが、例えば、複数の介在突部が本体部512の内周面の周方向に離間して配置される形態、本体部512の内周面の周方向の一部にのみ配置される一つの介在突部を備える形態などとすることができる。いずれの形態も本体部512の周方向に沿った長さが本体部512の周長よりも短い切片状の介在突部を備えることになる。又は、介在突部5126は、平板材に代えて、又は上記切片状の介在突部に加えて、棒状材などを備えることができる。
介在突部5126は、内コア片31と中間介在片510とが組み付けられた状態において、内コア片31の端面を覆う。従って、介在突部5126によって内コア片31の端面を覆う面積割合が大きいほど、介在突部5126による内コア片31の端面を支持する面積が大きくなるため、内コア片31,31間の間隔を保持し易い。上記面積割合が小さいほど、この例では内コア片31の端面における樹脂ギャップ部60との接触面積が多くなる。そのため、樹脂ギャップ部60による内コア片31,31同士の接合強度の向上などが期待できる。接合強度の向上を期待する場合には、介在突部5126を小さくして、樹脂ギャップ部60の形成領域を増大するとよい。内コア片31における介在突部5126によって覆われない面積割合は、例えば、50%以上、60%以上、70%以上、更に80%以上とすることができる。上記面積割合が所定の値となるように、介在突部5126の形状、介在突部5126における本体部512の内周面からの突出高さ、本体部512の内周面の周方向に沿った合計周長、配置形態などを選択するとよい。
一つの巻回部2a,2b内に配置される中間介在片510の個数は適宜変更でき、一つ又は三つ以上とすることができる。複数の中間介在片510を備える場合には、形状や大きさ(本体部512の周長・厚さ・幅、介在突部5126における上述の面積割合など)などが異なる中間介在片510を備えることができる。この例のように全ての中間介在片510が同一形状、同一の大きさであれば、組み付け時に扱い易く、製造性に優れる。
・・端部介在片
この例の端部介在片515は、図2,図3(a)に示すように内コア片31の外周面に沿って、帯材が角部を丸めた正方形状に巻回されたような環状の部材である。内コア片31と端部介在片515とが組み付けられた状態では、端部介在片515の内周面の一部(ここでは角部)は内コア片31に接して内コア片31を支持し、他部(ここでは角部以外)は内コア片31に接触せず、内コア片31との間に隙間gを形成する。詳しくは、端部介在片515は、内コア片31の外周面をその周方向に囲む環状本体部517と、環状本体部517の内周面との間の間隔を保持する端部側突部5176とを備える。
ここで、端部介在片515は、中間介在片510のように切欠部514を備えることができる。しかし、この例では、樹脂モールド部6の形成時、外コア片32から内コア片31に向かってモールド原料を導入して、実質的に磁性コア3のみを樹脂モールド部6で覆い、コイル2を樹脂モールド部6で覆わない。そのため、外コア片32からコイル2の端面側を経て内コア片31に向かってモールド原料を充填する際に、モールド原料がコイル2側に漏れ出ないように、端部介在片515を環状とする。また、環状本体部517は、内コア片31の外周面の全周を囲むと共に、巻回部2a,2bの内周面と環状本体部517の外周面との間に実質的に隙間が設けられず、内コア片31の外周面と環状本体部517の内周面との間に隙間gが設けられる厚さに調整されている(図3(a))。
環状本体部517の外周面は、一様な平面で構成されて(図3(A),図2)、巻回部2a,2bの内周面に実質的に接する(図3(a))。環状本体部517の内周側では厚さが部分的に異なり、四つの角部及びその近傍の厚さが他の箇所よりも厚く、内周側に向かって突出している(図2)。この厚肉部を端部側突部5176とする。端部側突部5176と、その他の厚さが薄い薄肉部との間には段差ができる(図3(A),図2)。そのため、図3(a)に示すように、内コア片31と環状本体部517とが組み付けられた状態では、端部側突部5176と薄肉部との間に隙間gが設けられる。この例では、内コア片31の四面と薄肉部との間に合計四か所の隙間gが形成される。
端部側突部5176の厚さ及び薄肉部の厚さは、上記隙間g(上記段差)が所定の値となるように適宜選択するとよい。隙間gが大きいほど(端部側突部5176の厚さが厚い、又は薄肉部の厚さが薄い)、モールド原料を導入し易く、モールド原料の流通性に優れる。隙間gが小さいほど(端部側突部5176の厚さが薄い、又は薄肉部の厚さが厚い)、端部側突部5176による内コア片31の支持状態が安定し易い。
端部側突部5176の形成領域は適宜選択できる。この例のように矩形枠状の環状本体部517において、四つ角及びその近傍に端部側突部5176を備えると、上記隙間gが十分に大きく、樹脂流路を十分に確保できる。例えば、環状本体部517における対角位置の二つの角部及びその近傍にのみ端部側突部5176を備える形態とすれば、樹脂流路をより増大できる。又は、例えば、内コア片31の一面を支持可能な端部側突部5176を備える形態とすれば、内コア片31の外周面との接触面積が増大して、内コア片31の支持状態がより安定し易い。
この例の端部介在片515は、更に、内コア片31における外コア片32との対向面の一部を覆うと共に(図4)、内コア片31の外コア片32側への移動を規制する端面規制部5178を備える。図2では、環状本体部517の四つの角部において、角部を丸めた異形の板状片が環状本体部517の内側に向かって突出して、上記四つの角部をそれぞれ覆う。これら各板状片が端面規制部5178をなす。端面規制部5178の形状、個数、端面規制部5178によって内コア片31の端面を覆う面積割合などは適宜選択できる。上記面積割合が大きいほど(例えば、環状本体部517の二つの角部を渡る板状片とする、端面規制部5178の個数を多くするなど)、内コア片31における外コア片32側の移動をより確実に規制できる。上記面積割合が小さいほど、この例では内コア片31の端面及び外コア片32の内端面32eにおける両コア片間の樹脂ギャップ部との接触面積が多くなる。この樹脂ギャップ部による内コア片31,外コア片32同士の接合強度の向上などが期待できる。接合強度の向上を期待する場合には、端面規制部5178を小さくして、樹脂ギャップ部の形成領域を増大するとよい。内コア片31における端面規制部5178によって覆われない面積割合は、例えば、50%以上、60%以上、70%以上、更に80%以上とすることができる。この例のように正方形状の内コア片31に対して四隅を押えるように四つの端面規制部5178を備えると、内コア片31における端面規制部5178に覆われる合計面積割合がある程度大きく、上述の内コア片31の移動を規制し易い。かつ、複数の端面規制部5178を離間して備えるため、端面規制部5178間を樹脂モールド部6の樹脂流路に利用できて、上記樹脂ギャップ部も十分に設けられる。この例では、環状本体部517の周方向における端部側突部5176の形成領域と、端面規制部5178の形成領域とを一致させていることで、内コア片31と端部介在片515とが組み付けられた状態で隙間gを設けられる(図3(a))。
・構成材料
介在部材5の構成材料は、各種の樹脂といった絶縁材料が挙げられる。例えば、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、液晶ポリマー(LCP)、ナイロン6、ナイロン66といったポリアミド(PA)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂などの熱可塑性樹脂が挙げられる。又は、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂などの熱硬化性樹脂が挙げられる。介在部材5は、射出成形などの公知の成形方法によって製造できる。
(樹脂モールド部)
この例の樹脂モールド部6は、図1に示すように磁性コア3において、主として介在部材5に覆われない箇所を覆って、複数の内コア片31及び外コア片32を環状の一体物として保持する。この例では、各内コア片31の群において、その端部に配置される内コア片31の端面を除く実質的に外周面全体を覆う内側被覆部61と、外コア片32の内端面32e及びその近傍を除く外周面全体を覆う外側被覆部62と、隣り合う内コア片31,31間に配置される樹脂ギャップ部60と、内コア片31,外コア片32間に配置される樹脂ギャップ部(図示せず)とを備える。
・樹脂ギャップ部
内コア片31,31間に配置される樹脂ギャップ部60は、中間介在片510に備える介在突部5126に囲まれる長方形の平板状である。この平板状の樹脂ギャップ部60の各面は、各内コア片31,31の端面に接し、内コア片31,31同士を接合する接合材としても機能する。樹脂ギャップ部60の側面の一部は、介在突部5126の内縁端面に接し、切欠部514側に位置する側面の他部は、後述の中間被覆部610に連続する。リアクトル1は、中間介在片510の個数に応じた個数の樹脂ギャップ部60を備える(この例では合計四つ)。
内コア片31,外コア片32間に配置される樹脂ギャップ部は、外側介在部52における各貫通孔52h,52hをつくる内面に囲まれるため、角部を丸めた正方形の平板状である。この平板状の樹脂ギャップ部の一面は内コア片31の端面(端面規制部5178に覆われた箇所を除く)に接し、他面は外コア片32の内端面32eに接して、内コア片31,外コア片32同士を接合する接合材としても機能する。リアクトル1は、この樹脂ギャップ部を、貫通孔52hの個数に応じた個数備える(この例では合計四つ)。
・内側被覆部
内側被覆部61は、主として、内コア片31の外周面のうち、中間介在片510,端部介在片515から露出された部分、即ち、隣り合う中間介在片510,510間に設けられる隙間、中間介在片510,端部介在片515間に設けられる隙間を覆う。この例の内側被覆部61は、更に、隣り合う内コア片31,31の外周面における中間介在片510の切欠部514からの露出箇所と本体部512との段差を埋める中間被覆部610を含む(図1)。従って、各巻回部2a,2b内に配置される内コア片31の群を巻回部2a,2bの軸方向にみれば、内側被覆部61は、内コア片31の群の外周面全周(上下の面及び左右の面)を連続して覆う全周被覆部分と、内コア片31の群の外周面の一部(ここでは上面)のみを覆う一部被覆部分(中間被覆部610)とを含む。内側被覆部61は、これら被覆部分が交互に配置されて、全体として連続した一体物となっている。この中間被覆部610は、隣り合う内コア片31,31間に配置される樹脂ギャップ部60に連続する。その結果、内側被覆部61は、隣り合う内コア片31,31間に設けられる樹脂ギャップ部60を連結する連結材としても機能する。
この例の内側被覆部61は、更に、本体部512における上述の薄肉部の外周を覆う部分を有する(図1)。この部分は、上述の全周被覆部分に連続する(図1)。また、この例の内側被覆部61は、内コア片31の外周面と、端部介在片515の環状本体部517の内周面間に介在される端部被覆部617を備える(図3(a)の二点鎖線(仮想線)参照)。この例では、製造過程で内コア片31の周囲に設けられる四つの隙間gに対応して、内コア片31の上下の面、左右の面を覆う四つの端部被覆部617を備える。この端部被覆部617は、上述の全周被覆部分を介して中間被覆部610に連続する。
・外側被覆部
外側被覆部62は、主として外コア片32の外周面のうち、外側介在部52から露出された部分を覆う。この例の外側被覆部62は、外側介在部52の外コア側の面に設けられたコア孔52fを塞ぐように、外側介在部52の外コア側の面も覆う延長部を有する(図1,図4,図5)。延長部の設置面(下面)は、巻回部2a,2bの設置面(下面)と実質的に面一であり(図5)、延長部の設置面とは反対側の面(上面)は、外側介在部52の設置面とは反対側の面(上面)よりも低く、延長部が低段となる段差形状である(図1)。延長部の側面(左右の面)は外側介在部52の側面(左右の面)に実質的に面一であり、外側介在部52の側面から出っ張らない(図5)。また、この例の外側被覆部62は、延長部の設置面側において、外コア片32の外方に突出した突片(ここでは4つ)を、リアクトル1を設置対象に固定するための取付部とする構成を示す。取付部を省略することもできる。
内側被覆部61と外側被覆部62とは、上述の内コア片31,外コア片32間の樹脂ギャップ部を介して連続する。即ち、樹脂モールド部6は、外側被覆部62、内コア片31,外コア片32間の樹脂ギャップ部、端部被覆部617、中間介在片510,510間及び中間介在片510,端部介在片515間を覆う部分、中間被覆部610、樹脂ギャップ部60が連続した一体物を形成する。
・構成材料
樹脂モールド部6の構成樹脂は、例えば、PPS樹脂、PTFE樹脂、LCP、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン10T、ナイロン9T、ナイロン6TなどのPA樹脂、PBT樹脂などの熱可塑性樹脂が挙げられる。
(リアクトルの製造方法)
穴部90を備えるリアクトル1は、以下の実施形態1のリアクトルの製造方法によって製造できる。概略を述べると、上述のコイル2と、上述の内コア片31,外コア片32を含む磁性コア3と、コイル2と磁性コア3との間に介在される介在部材5とを備える組合体10を金型に収納し、樹脂モールド部6を成形する。特に、実施形態のリアクトルの製造方法では、介在部材5として、上述の穴部90を備えるものを利用する。そして、穴部90に金型の内面から突出するピン9を挿入して、外コア片32の内端面32eの一部を支持した状態で樹脂モールド部6を成形する。
この例では、上述のように金型に組合体10を収納すると、外側介在部52が金型内の空間を仕切り、コア収納空間をモールド原料の充填空間とする。この充填空間から、上述のように磁性コア3と介在部材5とで形成する樹脂流路を利用して、樹脂モールド部6を成形する。樹脂モールド部6の成形には、射出成形などが利用できる。
コイル2、内コア片31及び外コア片32、介在部材5、樹脂モールド部6の詳細は、上述の各項を参照するとよい。
樹脂モールド部6の形成前、外コア片32と外側介在部52とが組み付けられた状態では、組合体10の設置面側に開口する穴部90が切欠329と溝部59とによって形成される。この組合体10の設置面が金型の内底面に支持されるように組合体10を金型に配置し、この内底面からピン9を突出させて穴部90に挿入する。各ピン9は、穴部90から露出される外コア片32,32の内端面32e,32eの一部に接触して、内端面32e,32eを支持できる。この支持によって、一対の外コア片32,32同士が近付く方向に外コア片32,32が移動することを規制できる。特に、モールド原料の充填方向がコイル近接方向を含む場合や、更には充填圧力を大きくする場合でも、外コア片32,32の移動を規制できる。
その他、この例では、組合体10の組立に際し、端部介在片515の端面規制部5178を内コア片31の当て止めに利用して、端部介在片515、内コア片31、中間介在片510、内コア片31、端部介在片515を順に積層することができる。
また、この例では、コイル2と、磁性コア3と、介在部材5とが組み付けられた状態では、上述のように外コア片32の一面と外側介在部52のコア孔52fとの間の隙間、内コア片31の端面と外コア片32の内端面32eとの間の隙間、内コア片31と端部介在片515間の隙間g、中間介在片510,端部介在片515間の隙間、中間介在片510の切欠部514に基づく隙間G514、中間介在片510,510間の隙間という連続する空間をモールド原料の樹脂流路とする。中間介在片510の厚肉部と薄肉部との段差空間Gも樹脂流路とする。
この例において内コア片31に端部介在片515と中間介在片510とが配置された状態では、端部介在片515の環状本体部517が段差空間Gに重複するように設けられる。その結果、四つの隙間gのうち、内コア片31の三面(下面及び左右の面)に対して設けられる三つの隙間gと三つの段差空間Gとが連通しない。内コア片31の一面(上面)に対して設けられる残り一つの隙間g(上側の隙間g)と隙間G514とが連通する。従って、この上側の隙間gから、内コア片31の一面(上面)を経て、中間介在片510の切欠部514の隙間G514にモールド原料を導入できる。その結果、上述のように隣り合う内コア片31,31間へのモールド原料の導入を一方向に規制できる。
(効果)
実施形態1のリアクトル1及び実施形態1のリアクトルの製造方法は、樹脂モールド部6の成形時、金型の内面から突出するピン9を穴部90に挿入して、このピン9によって、外コア片32の内端面32eの一部を直接支持できる。そのため、金型に対する外コア片32の位置がずれ難い。
特に、以下の場合にモールド原料の充填圧力を大きくすることがある。
(1)外側介在部52によって、金型内の空間を仕切るため、コア収納空間が比較的狭い場合
(2)内コア片31及び外コア片32と介在部材5とでつくる狭い隙間(隙間gなど)にモールド原料をより短時間で充填する場合
(3)樹脂ギャップ部60の形成のために、隣り合うコア片間の空間にもモールド原料を充填する場合
これらの場合でも、実施形態1のリアクトル1及び実施形態1のリアクトルの製造方法は、穴部90に差し込まれたピン9によって、外コア片32の位置ずれを防止できる。特に、金型に充填されたモールド原料が、外コア片32,32同士が近付く方向(コイル近接方向)に各外コア片32,32を押圧する場合であっても、ピン9がこの押圧力に対向するように外コア片32を支持する。そのため、モールド原料に押圧された外コア片32が内コア片31を押圧するなどして、樹脂ギャップ部60の形成前に、この形成領域の間隔が部分的に変動することを防止できる。この例では、外コア片32の切欠329と、外側介在部52の溝部59との双方で穴部90を形成するため、図2に示すように断面積が比較的大きいピン9を利用できることからも、外コア片32を強固に支持できる。そのため、一方の外コア片32から他方の外コア片32までの長さを所定の大きさに維持し易く、ひいては各内コア片31間の間隔も維持し易いことで、樹脂ギャップ部60を精度よく形成できる。また、この樹脂ギャップ部60の具備によって、内コア片31,31同士の間隔をより確実に維持して、インダクタンスの変動を抑制できる。従って、リアクトル1は、長期に亘り、所定のインダクタンスを維持できる。特に、この例のように、中間介在片510を特定の形状とすることで、製造過程で、内コア片31,31間へのモールド原料の導入方向を規制できる。その結果、樹脂ギャップ部60を適切に形成できることからも、リアクトル1は、所定のインダクタンスを維持できる。
また、実施形態1のリアクトル1及び実施形態1のリアクトルの製造方法は、穴部90にピン9を挿入することで金型内での外コア片32及び外側介在部52の位置決め、ひいてはコイル2の位置決め、内コア片31の位置決めを容易に行える。従って、製造性にも優れる。この例のリアクトル1は、以下の点からも製造性に優れる。
(1)樹脂ギャップ部60を備えるためギャップ板及びコア片とギャップ板との接合工程を省略できる。
(2)介在突部5126を備える内側介在部51(中間介在片510)と、内コア片31との組み付けを容易に行える。
(3)樹脂モールド部6の形成と樹脂ギャップ部60との形成を同時に行える。
更に、この例のリアクトル1は、以下の理由により、内コア片31の周囲に樹脂流路を十分に確保でき、樹脂モールド部6の原料であるモールド原料の流通性に優れることからも、製造性に優れる。
(4)巻回部2a,2b内に配置される中間介在片510,端部介在片515が巻回部2a,2bの軸方向に離間して配置される。
(5)中間介在片510が切欠部514や薄肉部を備えて、隙間G514や段差空間Gを形成できる。
(6)端部介在片515が端部側突部5176を備えて、内コア片31との間に隙間gを形成できる。
樹脂モールド部6のうち、樹脂ギャップ部60は、内コア片31,31同士、内コア片31,外コア片32同士を接合する。また、この例では、上記(4)の理由によって、樹脂モールド部6による内コア片31の被覆領域が十分に大きい。そのため、リアクトル1は、樹脂モールド部6によって、磁性コア3の一体物としての機械的強度を高められる。更に、樹脂モールド部6の具備によって、外部環境からの保護(特に外コア片32の防食など)、振動・騒音の抑制、絶縁性の向上、構成材料によっては放熱性の向上などの効果が期待できる。
その他、この例のリアクトル1は、以下の効果を奏する。
(1)外側介在部52の周縁部の厚さが厚いことで、モールド原料の充填圧力を高めても、コイル2などがこの押圧力によって損傷することを防止できる。充填圧力を高めることで、樹脂流路が狭い場合でも、短時間で充填できて製造性に優れる。
(2)巻線2w,2wの両端部を巻回部2a,2bから離れて上方に引き出していること、外側介在部52に嵌合溝や凹部520、引出溝を備えることなどから、コイル2と外側介在部52,52とを密着できる。このような外側介在部52,52によって巻回部2a,2bにおけるターン間の隙間を実質的に無くすように巻回部2a,2bを保持し易く、小型なリアクトル1とすることができる。
(3)外コア片32の内端面32eと内コア片31の端面とが一様で平坦な平面で構成され、外コア片32と内コア片31との間に外側介在部52の中央部が介在されることで、外コア片32と内コア片31との間にも一様な厚さの樹脂ギャップ部を備えられる。
(4)上述のようにコイル2と外側介在部52とを密着させられるため、外コア片32側から導入したモールド原料がコイル2側に漏出し難く、磁性コア3のみを樹脂モールド部6で覆って、コイル2を露出させたリアクトル1を製造し易い。
(5)コイル2が樹脂モールド部6に覆われず露出されるため、液体冷媒を用いた冷却やファンを用いた冷却などを行う場合に液体冷媒や対流するガスにコイル2が直接接触できて、放熱性に優れる。
その他、実施形態1のリアクトル1は、以下の少なくとも一つを備えることができる。
(1)温度センサ、電流センサ、電圧センサ、磁束センサなどのリアクトル1の物理量を測定するセンサ(図示せず)
(2)コイル2の外周面の少なくとも一部(例えば設置面)に取り付けられる放熱板(例えば金属板など)
(3)リアクトル1の設置面と設置対象又は(2)の放熱板との間に介在される接合層(例えば接着剤層。絶縁性に優れるものが好ましい。)
[変形例]
上述の実施形態1に対して、以下の少なくとも一つの変更が可能である。
(1)外コア片32の切欠329を省略し、穴部90の形成面を溝部59と外コア片32の平坦な内端面32eの一部とで構成する。
この場合、外コア片32の外周面を支持する外周側ピンを併用すると、外コア片32の位置ずれをより抑制し易い。例えば、外コア片32の左右の側面を支持する場合、左右の側面を挟むように、巻回部2a,2bの並列方向に外周側ピンを突出させることが挙げられる。
(2)外コア片32の切欠329を省略し、穴部90の内周面を外側介在部52のみで構成し、穴部90の底面を外コア片32の平坦な内端面32eの一部で構成する。
この場合、外側介在部52には、設置面から外コア側の面に貫通する貫通孔(図示せず)を設けることが挙げられる。この場合も、上記外周側ピンを併用できる。
(3)一対の外側介在部52のうち、一方を、貫通孔52h,52hを有しておらず、平板状のものとする。
この場合、平板状の外側介在部における内コア片31と外コア片32との間に介在する部分は、磁気ギャップとして機能する。
(4)内側介在部51が介在突部5126を有しておらず、樹脂ギャップ部60を備えていないものとする。
この場合、コア片よりも透磁率が低い材料から構成されるギャップ板を備えることが挙げられる。上記材料は、樹脂やアルミナなどの非磁性材、非磁性材と磁性材とを含む複合材などが挙げられる。
(5)内側介在部51の分割方向が、巻回部2a,2bの軸方向に直交する方向である分割片(ここでは上下に分割される又は左右に分割されるもの)とする。
(6)一対の巻回部2a,2bを備えるコイル2として、1本の連続する巻線2wで形成されたものとする。
この場合、コイル2は、両巻回部2a,2bを連結する連結部を備える。この連結部は、上述のようにコイル2と外側介在部52とが密着し易いように、両巻回部2a,2bのターンから十分に離すことができる(例、図1において上方に引き上げる)。
(7)コイル2は巻回部を一つのみ備え、磁性コア3はEEコアやERコア、EIコアなどと呼ばれる公知の形状とする。
(8)巻線2wとして、丸線の導体と絶縁被覆とを備える被覆丸線などとする。
(9)コイル2の巻回部を端面形状が円環状の円筒体、その他、端面形状が楕円状やレーストラック状、正方形状やその他の多角形状などとする。
(10)磁性コア3に備えるコア片として、巻回部2a,2b内に配置される部分と、巻回部2a,2b外に配置される部分とを有するU字状体を含むものとする。
本発明は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
本発明のリアクトルは、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車などの車両に搭載される車載用コンバータ(代表的にはDC−DCコンバータ)や、空調機のコンバータなどの種々のコンバータ、並びに電力変換装置の構成部品に好適に利用することができる。本発明のリアクトルの製造方法は、上記のリアクトルの製造に利用できる。
1 リアクトル 10 組合体
2 コイル 2a,2b 巻回部 2w 巻線
3 磁性コア 31 内コア片 32 外コア片 32e 内端面 329 切欠
5 介在部材 51 内側介在部 52 外側介在部 59 溝部
510 中間介在片 512 本体部 5126 介在突部
514 切欠部
515 端部介在片 517 環状本体部 5176 端部側突部
5178 端面規制部
52h 貫通孔 52f コア孔
520 凹部 522 凸部 523 支持面
6 樹脂モールド部 60 樹脂ギャップ部 61 内側被覆部 62 外側被覆部
610 中間被覆部 617 端部被覆部
9 ピン
90 穴部
g,G514 隙間 G 段差空間

Claims (5)

  1. 巻回部を有するコイルと、
    前記巻回部内外に配置される複数のコア片を含む磁性コアと、
    前記コイルと前記磁性コアとの間に介在される介在部材と、
    前記磁性コアのうち、前記巻回部外に配置される外コア片の少なくとも一部を覆う外側被覆部を含む樹脂モールド部とを備え、
    前記介在部材は、
    前記巻回部の端面と前記外コア片の内端面との間に介在される外側介在部を備え、
    前記外側介在部の前記外コア片側に、前記外コア片の内端面の一部を前記樹脂モールド部から露出させる穴部を有するリアクトル。
  2. 前記磁性コアは、前記巻回部内に配置される内コア片と、隣り合う前記コア片間に介在される少なくとも一つのギャップ部とを含み、
    前記外側介在部は、前記巻回部側の面と前記外コア片側の面とに貫通して、前記内コア片の端面を露出させる貫通孔を有し、
    前記介在部材は、前記巻回部の内周面と前記磁性コアの外周面との間に介在され、前記隣り合うコア片間の間隔を保持する介在突部が設けられた内側介在部を備え、
    前記樹脂モールド部は、前記外側被覆部に連続し、前記内コア片の少なくとも一部を覆う内側被覆部と、前記ギャップ部を構成する樹脂ギャップ部とを備える請求項1に記載のリアクトル。
  3. 前記外コア片の内端面に、前記穴部の内部空間の一部を形成する切欠が設けられている請求項1又は請求項2に記載のリアクトル。
  4. 前記巻回部の端面は、その外周側領域よりも前記巻回部の軸方向に膨らんだ内周側領域を備え、
    前記外側介在部は、前記巻回部の端面との対向面に、前記内周側領域が嵌め込まれる凹部を備える請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のリアクトル。
  5. 巻回部を有するコイルと、前記巻回部内外に配置される複数のコア片を含む磁性コアと、前記コイルと前記磁性コアとの間に介在される介在部材とを備える組合体を金型に収納し、前記磁性コアのうち、前記巻回部外に配置される外コア片の少なくとも一部を覆う樹脂モールド部を成形する工程を備え、
    前記介在部材は、前記巻回部の端面と前記外コア片の内端面との間に介在される外側介在部を備え、この外側介在部の前記外コア片側に、前記外コア片の内端面の一部を露出させる穴部を有し、
    前記穴部に前記金型の内面から突出するピンを挿入して前記内端面の一部を支持した状態で前記樹脂モールド部を成形するリアクトルの製造方法。
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