JP7061291B2 - リアクトル - Google Patents

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Description

本開示は、リアクトルに関する。
特許文献1は、車載コンバータ等に用いられるリアクトルとして、一対の巻回部を備えるコイルと、環状に組み合わせられる複数のコア片を有する磁性コアと、樹脂モールド部とを備えるものを開示する。上記複数のコア片は、各巻回部の内側にそれぞれ配置される複数の内コア片と、巻回部の外側に配置される二つの外コア片とを備える。上記樹脂モールド部は、磁性コアの外周を覆う。上記樹脂モールド部のうち、巻回部の内側に存在する箇所の一部は、隣り合う内コア片間に介在されて樹脂ギャップ部を構成する。
特開2017-135334号公報
磁気飽和し難く、小型なリアクトルが望まれている。
上述のようにコア片間に樹脂ギャップ部を備えれば、使用電流値が大きい場合でも磁気飽和し難い。しかし、更なる小型化が難しい。樹脂ギャップ部を省略すれば、リアクトルにおける巻回部の軸方向に沿った長さ(以下、軸長さと呼ぶことがある)を短くできる。この点で小型になるものの、磁気飽和し易い。
そこで、本開示は、磁気飽和し難く、小型なリアクトルを提供することを目的の一つとする。
本開示のリアクトルは、
二つの巻回部と、前記両巻回部を繋ぐ連結部とを備えるコイルと、
前記各巻回部の内側に配置される内側コア部と、前記両巻回部の外側に配置される外側コア部とを備える磁性コアと、
前記磁性コアの外周面の少なくとも一部を覆う樹脂モールド部とを備え、
前記両外側コア部のうち、少なくとも一方は、
前記巻回部の軸方向及び前記両巻回部の並び方向の双方に直交する方向を高さ方向とし、磁性粉末と樹脂とを含む複合材料の成形体と磁性粉末の圧粉成形体とが前記高さ方向に積層された複合コアを備え、
前記連結部は、前記両巻回部の軸方向の一端側において、前記内側コア部の端部よりも前記軸方向の外方及び前記高さ方向の上側に突出して設けられ、
前記複合コアは、
前記両巻回部の軸方向の一端側に配置され、
前記内側コア部の外周面を延長した仮想面よりも前記高さ方向の上側に突出する箇所を有し、
前記高さ方向の上側に前記複合材料の成形体が配置され、前記高さ方向の下側に前記圧粉成形体が積層された第一の複合コアを含み、
前記樹脂モールド部は、前記第一の複合コアを覆う第一の外側樹脂部を含む。
本開示のリアクトルは、磁気飽和し難く、小型である
実施形態1のリアクトルを示す概略斜視図である。 実施形態1のリアクトルを示す概略平面図である。 実施形態1のリアクトルを示す概略側面図である。 実施形態1のリアクトルに備えられる第一の複合コアを外端面側からコイルの巻回部の軸方向にみた概略正面図である。 実施形態2のリアクトルに備えられる第一の複合コアの別例を、外端面側からコイルの巻回部の軸方向にみた概略正面図である。 実施形態3のリアクトルに備えられる第一の複合コアの更に別例を、外端面側からコイルの巻回部の軸方向にみた概略正面図である。 実施形態4のリアクトルに備えられる磁性コアを示す概略側面図である。 実施形態5のリアクトルに備えられる磁性コアを示す概略側面図である。 実施形態6のリアクトルに備えられる保持部材を外側コア部が配置される側から貫通孔の軸方向にみた概略正面図である。 図8Aに示す保持部材に第一の複合コアが配置された状態を示す概略正面図である。
[本開示の実施形態の説明]
最初に、本開示の実施態様を列記して説明する。
(1)本開示の実施形態に係るリアクトルは、
二つの巻回部と、前記両巻回部を繋ぐ連結部とを備えるコイルと、
前記各巻回部の内側に配置される内側コア部と、前記両巻回部の外側に配置される外側コア部とを備える磁性コアと、
前記磁性コアの外周面の少なくとも一部を覆う樹脂モールド部とを備え、
前記両外側コア部のうち、少なくとも一方は、
前記巻回部の軸方向及び前記両巻回部の並び方向の双方に直交する方向を高さ方向とし、磁性粉末と樹脂とを含む複合材料の成形体と磁性粉末の圧粉成形体とが前記高さ方向に積層された複合コアを備え、
前記連結部は、前記両巻回部の軸方向の一端側において、前記内側コア部の端部よりも前記軸方向の外方及び前記高さ方向の上側に突出して設けられ、
前記複合コアは、
前記両巻回部の軸方向の一端側に配置され、
前記内側コア部の外周面を延長した仮想面よりも前記高さ方向の上側に突出する箇所を有し、
前記高さ方向の上側に前記複合材料の成形体が配置され、前記高さ方向の下側に前記圧粉成形体が積層された第一の複合コアを含み、
前記樹脂モールド部は、前記第一の複合コアを覆う第一の外側樹脂部を含む。
本開示のリアクトルは、複合材料の成形体と圧粉成形体との双方を含む複合コアを備えることで、以下に説明するように磁気飽和し難く、小型である。
(磁気特性)
複合材料の成形体は、非磁性材料である樹脂を比較的多く含む(例、10体積%以上)。そのため、複合材料の成形体は、代表的には圧粉成形体よりも比透磁率が小さく、磁気飽和し難い。従って、上記複合コアを含む磁性コアは、複合材料の成形体を含まず、圧粉成形体からなる磁性コアに比較して比透磁率が小さくなり易く、磁気飽和し難い。この点から、本開示のリアクトルは、代表的にはギャップ板や上述の樹脂ギャップ部を備えていないギャップレス構造でありながら、使用電流値が大きい場合でも磁気飽和し難い。ひいては、本開示のリアクトルは、使用電流値が大きい場合でも、所定のインダクタンスを維持できる。また、上記複合コアを含む磁性コアは、圧粉成形体を含まず、複合材料の成形体からなる磁性コアに比較して、外部への漏れ磁束を低減し易い。そのため、漏れ磁束に起因する損失を低減できる。従って、本開示のリアクトルは、低損失である。
(小型)
(A)上記複合コアを含む磁性コアは、圧粉成形体を含まず、複合材料の成形体からなる磁性コアに比較して、同じインダクタンスを有する場合に体積を小さくできる。特に、本開示のリアクトルでは、二つの外側コア部のうち、巻回部の一端側、即ち連結部が配置される側の外側コア部が第一の複合コアを含む。また、第一の複合コアは、内側コア部よりも高さ方向の上側、即ち連結部が配置される側に突出する箇所を含む。ここで、従来のリアクトルでは、代表的には、内側コア部の高さ方向の上面と、外側コア部の高さ方向の上面、即ち外側コア部において連結部が配置される側の面とが面一である(例、特許文献1の図4)。このような従来のリアクトルでは、外側コア部の連結部側の面と、両巻回部の端面と、両巻回部の外周面のうち高さ方向の上面を延長した仮想面とで囲まれる空間は、デッドスペースである。第一の複合コアにおける連結部側の突出箇所は、上記デッドスペースに配置される。上記デッドスペースを活用して、第一の複合コアの高さを高められることで、上述の従来のリアクトルよりも、磁性コアの軸長さを短くできる。ひいては、本開示のリアクトルは、軸長さを短くできる。
(B)第一の複合コアは、高さ方向の上側、即ち連結部側に複合材料の成形体を備える。ここで、複合材料の成形体は、射出成形等で種々の立体形状を製造可能であり、圧粉成形体に比較して形状の自由度が高い。そのため、複合材料の成形体は、連結部近くの形状に対応した形状に成形し易い。この点から、上述のデッドスペースを活用し易く、ひいては磁性コアの軸長さを短くし易い。
(C)上述のようにギャップレス構造であることからも、磁性コアの軸長さを短くし易い。
更に、本開示のリアクトルは、以下に説明するように製造性にも優れる。
(a)第一の複合コアは、複合材料の成形体と圧粉成形体との積層物である。そのため、複合材料の成形体と圧粉成形体という二つの成形体を独立して成形できる。例えば、圧粉成形体を直方体状といった単純な形状とすれば、圧粉成形体を容易に、かつ精度よく成形できる。複合材料の成形体は、上述の連結部近くの形状に対応しつつ、複合材料の成形体における圧粉成形体に接触する面にも対応した形状であっても、射出成形等で容易に、かつ精度よく成形できる。従って、複合材料の成形体及び圧粉成形体の双方の製造性に優れる。更に、両成形体の界面を構成する面を平面とすれば、両成形体を隙間なく積層し易い。この点からも、製造性に優れるリアクトルにできる。
(b)複合材料の成形体と圧粉成形体とを積層した後、樹脂モールド部(第一の外側樹脂部)で覆うという単純な工程で上述の積層物を一体化できる。この点からも、製造性に優れるリアクトルにできる。
(2)本開示のリアクトルの一例として、
前記第一の複合コアを構成する前記複合材料の成形体において前記両巻回部の並び方向の中央部の厚さは、前記両巻回部の並び方向の両端部の厚さよりも厚い形態が挙げられる。
外側コア部における両巻回部の並び方向の中央部は、並び方向の両端部に比較して磁束が通過し易い。上記形態は、磁束が通過し易い箇所の厚さが局所的に厚いため、使用電流値が大きい場合でも磁気飽和し難い。また、上記形態は、局所的に厚い箇所を備えることで、磁性コアの軸長さを短くして小型にできつつ、軽量化も図れる。
(3)本開示のリアクトルの一例として、
前記連結部は、前記両巻回部を構成する巻線の一部が折り曲げられてなり、
前記第一の複合コアは、前記連結部が配置される凹部を有し、
前記第一の複合コアを構成する前記複合材料の成形体は、前記凹部を形成する内周面の少なくとも一部を構成する形態が挙げられる。
上記形態は、凹部を備えることで、コイルの連結部と第一の複合コアとの接触を回避しつつ、デッドスペースを活用して第一の複合コアの高さを高くし易い。この点から、上記形態は、磁気飽和し難い上に、磁性コアの軸長さを短くし易く、小型である。また、上記形態は、凹部を形成する内周面の少なくとも一部が複合材料の成形体で構成されるため、連結部に対応した形状の凹部を容易に成形できる。上記形態は、凹部を有する第一の複合コアを成形し易い点で、製造性により優れる。
(4)本開示のリアクトルの一例として、
前記両巻回部の端面と前記第一の複合コアとを保持する枠状の保持部材を備え、
前記保持部材は、前記第一の複合コアを構成する前記複合材料の成形体が一体成形されている形態が挙げられる。
上記形態における保持部材と圧粉成形体とを組み付けることで、複合材料の成形体と圧粉成形体との積層と、この積層物に対する保持部材との組み付けとを同時に行える。また、保持部材によって、上記積層物の積層状態を維持し易い。これらの点から、上記形態は、製造性により優れる。
(5)本開示のリアクトルの一例として、
前記複合コアは、
前記両巻回部の軸方向の他端側に配置され、
前記内側コア部の前記仮想面よりも前記高さ方向に突出する箇所を有する第二の複合コアを含み、
前記樹脂モールド部は、前記第二の複合コアを覆う第二の外側樹脂部を含み、
前記第二の複合コアを構成する前記複合材料の成形体は、前記第二の複合コアを構成する前記圧粉成形体よりも前記巻回部の軸方向の外方に突出する張出部を備える形態が挙げられる。
上記形態は、第一の複合コアと第二の複合コアとを備えるため、磁性コアにおける複合材料の成形体の含有割合が大きい。この点から、上記形態は、より磁気飽和し難い。また、上記形態は、張出部を例えば端子台に利用できる。このような形態は、端子台を含めたリアクトルの軸長さを短くし易い点で、小型である。
(6)本開示のリアクトルの一例として、
前記内側コア部は、磁性粉末と樹脂とを含む複合材料の成形体を含む形態が挙げられる。
上記形態は、第一の複合コアに加えて、内側コア部も複合材料の成形体を含むため、磁性コアにおける複合材料の成形体の含有割合がより大きい。この点から、上記形態は、より磁気飽和し難い。
(7)本開示のリアクトルの一例として、
前記複合材料の成形体の比透磁率は、5以上50以下であり、
前記圧粉成形体の比透磁率は、前記複合材料の成形体の比透磁率の2倍以上である形態が挙げられる。
上記形態は、圧粉成形体を含まず、複合材料の成形体からなる磁性コアを備える場合に比較して大きなインダクタンスを有しつつ、小型にし易い。また、上記形態では、複合材料の成形体の比透磁率が比較的低い。このような低透磁率の複合材料の成形体を含む形態は、磁気飽和し難い。更に、上記形態は、複合材料の成形体と圧粉成形体との間での漏れ磁束を低減できる。この点から、上記形態は、上述の漏れ磁束に起因する損失を低減できる。
(8)上記(7)のリアクトルの一例として、
前記圧粉成形体の比透磁率は、50以上500以下である形態が挙げられる。
上記形態は、複合材料の成形体と圧粉成形体との比透磁率の差を大きく確保し易い。そのため、上記形態は、複合材料の成形体と圧粉成形体との間での漏れ磁束をより低減し易く、より低損失である。
[本開示の実施形態の詳細]
以下、図面を参照して、本開示の実施形態を具体的に説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。
[実施形態1]
主として、図1~図4を参照して、実施形態1のリアクトル1を説明する。
図1は、実施形態1のリアクトル1の概略を示す斜視図であり、コイル2の巻回部2a,2bを繋ぐ連結部2jが紙面左斜め下側になるように配置した状態を示す。
図2は、実施形態1のリアクトル1を巻回部2a,2bの軸方向と両巻回部2a,2bの並び方向との双方に直交する方向からみた平面図である。図2では、分かり易いように保持部材5を省略し、樹脂モールド部6を二点鎖線で仮想的に示す。
図3は、実施形態1のリアクトル1を巻回部2a側から両巻回部2a,2bの並び方向にみた側面図である。図3では、磁性コア3が分かり易いように保持部材5、樹脂モールド部6を省略している。
図4は、実施形態1のリアクトル1に備えられる第一の複合コア30を外端面3o側から巻回部2a,2bの軸方向にみた正面図である。
以下、図1,図3,図4では紙面下側、図2では紙面垂直方向奥側をリアクトル1の設置側として説明する。この設置方向は例示であり、適宜変更できる。
〈概要〉
実施形態1のリアクトル1は、図1に示すように、二つの巻回部2a,2bを備えるコイル2と、巻回部2a,2bの内側及び外側に配置される磁性コア3と、磁性コア3の外周面の少なくとも一部を覆う樹脂モールド部6とを備える。二つの巻回部2a,2bは隣り合って並び、各軸が平行するように配置される(図2)。コイル2は、両巻回部2a,2bを繋ぐ連結部2jを備える。磁性コア3は、図2に示すように、各巻回部2a,2bの内側に配置される内側コア部31と、両巻回部2a,2bの外側に配置される外側コア部32とを備える。磁性コア3は、内側コア部31と外側コア部32とで環状の閉磁路を構成する。各内側コア部31は、その軸方向が巻回部2a,2bの軸方向に沿うように配置される。両内側コア部31は、両巻回部2a,2bの一端側(図2では紙面下側)に配置される外側コア部32と、両巻回部2a,2bの他端側(図2では紙面上側)に配置される外側コア部32とに挟まれる。このようなリアクトル1は、代表的には、コンバータケース等の設置対象(図示せず)に取り付けられて使用される。
特に、実施形態1のリアクトル1では、上述の二つの外側コア部32のうち、少なくとも一方は、異種のコア部材が積層された複合コアを備える。詳しくは、図3に示すように、巻回部2a,2bの軸方向(図3では紙面左右方向)及び両巻回部2a,2bの並び方向(図3では紙面直交方向)の双方に直交する方向(図3では紙面上下方向)を高さ方向とする。連結部2jは、両巻回部2a,2bの軸方向の一端側(図3では紙面左側)において、内側コア部31の端部よりも両巻回部2a,2bの軸方向の外方(図3では紙面左方)、及び高さ方向の上側(図3では紙面上側)に突出して設けられる。複合コアは、磁性粉末と樹脂とを含む複合材料の成形体35と、磁性粉末の圧粉成形体39とが高さ方向に積層されて構成される。複合コアの一つとして、以下の第一の複合コア30を含む。樹脂モールド部6は、第一の複合コア30を覆う第一の外側樹脂部60を含む(図1,図2)。
第一の複合コア30は、両巻回部2a,2bの軸方向の一端側に配置される。また、複合コア30は、内側コア部31の外周面を延長した仮想面よりも高さ方向の上側に突出する箇所を有する。複合コア30では、高さ方向の上側に複合材料の成形体35が配置され、高さ方向の下側に圧粉成形体39が積層される。本例の複合コア30は、一つの複合材料の成形体35と、一つの圧粉成形体39との合計二つの成形体を備える。また、本例の複合コア30は、内側コア部31における上述の仮想面よりも高さ方向の下側に突出する箇所も有する。このような複合コア30の最大高さh32は、内側コア部31の高さh31よりも高い。
本例の磁性コア3は、別の複合コアとして、両巻回部2a,2bの他端側(図3では紙面右側)に配置される第二の複合コア34を含む。第二の複合コア34は、内側コア部31における上述の仮想面よりも高さ方向に突出する箇所を有する。本例の複合コア34は、内側コア部31の高さ方向の上側、及び下側の双方に突出する箇所を有する。このような複合コア34の最大高さh32は、内側コア部31の高さh31よりも高い。また、本例の内側コア部31は、複合材料の成形体37を含む。更に、本例の磁性コア3は、磁気ギャップを備えていないギャップレス構造である。ここでの磁気ギャップとは、アルミナ板といったギャップ板や上述の樹脂ギャップ部といった中実体、エアギャップといった中空体である。複合材料の成形体35と圧粉成形体39とを接合する接着剤等の接合材は、磁気ギャップとしない。
複合材料の成形体35と圧粉成形体39との双方を含む磁性コア3は、比透磁率をある程度小さくして、磁気飽和を低減することに寄与する。また、内側コア部31よりも高さ方向の上側、即ち連結部2j側に突出する箇所を有する第一の複合コア30は、従来のリアクトルにおいて連結部2jの周囲に生じるデッドスペースを利用して磁性コア3の軸長さL(図2)を短くする。このような複合コア30は磁性コア3の小型化に寄与する。
以下、構成要素ごとに詳細に説明する。
なお、以下の説明では、高さ方向とは、リアクトル1が設置された状態において、上述の巻回部2a,2bの軸方向及び並び方向の双方に直交する方向とする。高さ方向に沿った長さを高さと呼ぶ。
磁性コア3の軸方向とは、内側コア部31の軸方向に沿った方向とする。ここでは、内側コア部31の軸方向は、巻回部2a,2bの軸方向に沿う(実質的に平行である)。上記軸方向に沿った長さを軸長さと呼ぶ。
幅方向とは、上記高さ方向及び上記軸方向の双方に直交する方向とする。ここでは、磁性コア3の幅方向は、両巻回部2a,2bの並び方向に沿う。上記幅方向に沿った長さを幅と呼ぶ。
〈コイル〉
コイル2は、筒状の巻回部2a,2bと、連結部2jとを備える。本例のコイル2は、1本の連続する巻線2wが螺旋状に巻回されることで巻回部2a,2bが構成される。上記巻線2wにおいて巻回部2a,2b間に渡される部分によって連結部2jが構成される。連結部2jは、両巻回部2a,2bを電気的に直列に接続すると共に、機械的に接続する。
本例の連結部2jは、両巻回部2a,2bを構成する巻線2wの一部が折り曲げられてなる。詳しくは、連結部2jは、一方の巻回部2aの一端部で、巻線2wを他方の巻回部2bの一端側に向って巻き返すことで構成される(図2)。この巻き返しによって、連結部2jは、両巻回部2a,2bの端面から、両巻回部2a,2bの軸方向の外方(図2では下方)に張り出した部分が局所的に生じる。このような連結部2jは、内側コア部31の端部よりも上記軸方向の外方に突出する。また、連結部2jは、その高さ方向の上側の面(図3では上面)が両巻回部2a,2bの外周面のうち、高さ方向の上側の面(図3では上面、ここでは設置側とは反対側の面)と実質的に同じ高さとなるように設けられる。このような連結部2jは、内側コア部31の外周面を延長した仮想面、特に高さ方向の上側の面(図3では上面、ここでは設置側とは反対側の面)よりも高さ方向の上側に突出する。
両巻回部2a,2bの一端側の形状は、上述の連結部2jの形状に応じた凹凸形状を有する。両巻回部2a,2bの他端側の形状は、主として両巻回部2a,2bの端面で形成されて、比較的平坦な形状である。従って、両巻回部2a,2bの一端側の形状は、他端側の形状に比較して、複雑な形状といえる。
巻線2wは、導体線と、導体線の外周を覆う絶縁被覆とを備える被覆線が挙げられる。導体線の構成材料は、銅等が挙げられる。絶縁被覆の構成材料は、ポリアミドイミド等の樹脂が挙げられる。被覆線の具体例として、断面形状が長方形である被覆平角線、断面形状が円形である被覆丸線が挙げられる。平角線からなる巻回部2a,2bの具体例として、エッジワイズコイルが挙げられる。
本例の巻線2wは被覆平角線である。本例の巻回部2a,2bは四角筒状のエッジワイズコイルである。また、本例では、巻回部2a,2bの形状・巻回方向・ターン数等の仕様が等しい。
巻線2wや巻回部2a,2bの形状、大きさ等は適宜変更できる。例えば、巻回部2a,2bを円筒状等としてもよい。又は、例えば、各巻回部2a,2bの仕様を異ならせてもよい。なお、各巻回部2a,2bから引き出される巻線2wの端部(図1,図3では右端部)は、電源等の外部装置が接続される箇所として利用される。
〈磁性コア〉
《概要》
本例の磁性コア3は、図2に示すように巻回部2a,2b内に配置される箇所を有し、主として内側コア部31を構成する部材と、巻回部2a,2b外に配置され、主として外側コア部32を構成する部材との合計四つの柱状の部材を備える。主として内側コア部31を構成する部材として、複合材料の成形体37を備える。主として外側コア部32を構成する部材として、第一の複合コア30、第二の複合コア34を備える。各複合材料の成形体37の一端面と複合コア30の内端面3eとが接続される。各複合材料の成形体37の他端面と複合コア34の内端面3eとが接続される。この接続によって上記四つの部材は、環状に構成される。
本例のように、主として内側コア部31を構成する部材と、主として外側コア部32を構成する部材とが独立した部材であると、各部材の構成材料の自由度を高められる。そのため、磁気特性を調整し易い。その結果、本例では、ギャップレス構造の磁性コア3にできる。本例の磁性コア3は、主として内側コア部31をなす部材の構成材料と、主として外側コア部32をなす部材の構成材料とが異なる。また、本例では、各内側コア部31を構成する部材の構成材料が等しい。本例では、第一の複合コア30の構成材料と第二の複合コア34の構成材料とが等しい。各部材の構成材料、個数は適宜変更できる(後述の変形例A~C等参照)。構成材料についてはまとめて後述する。
《外側コア部》
第一の複合コア30は、図3に示すように巻回部2a,2bの軸方向の一端側、即ち連結部2j側に配置される外側コア部32を主として構成する。複合コア30は、複合材料の成形体35と圧粉成形体39という異種のコア部材が高さ方向に積層されて構成される。複合コア30における高さ方向の上側、即ち連結部2j側に複合材料の成形体35が配置される。複合コア30における高さ方向の下側、即ち連結部2jとは反対側(ここでは設置側)に圧粉成形体39が配置される。また、複合コア30は、内側コア部31よりも高さ方向に突出した箇所を有する。そのため、複合コア30の最大高さh32は内側コア部31の高さh31よりも高い(h31<h32)。
第二の複合コア34は、巻回部2a,2bの軸方向の他端側、即ち連結部2jとは反対側に配置される外側コア部32を主として構成する。本例の複合コア34は、上述の第一の複合コア30と同様に、異種のコア部材の積層物を備えると共に、内側コア部31よりも高さ方向に突出した箇所を有する。
本例では、第一の複合コア30と第二の複合コア34とは、同一の形状、同一の大きさ、同一の組成、及び同一の構造である。以下、第一の複合コア30を参照して説明する。
本例の第一の複合コア30は、概ね直方体状であり(図1)、高さ方向からの平面視で長方形状である(図2)。但し、本例の複合コア30は、幅方向からの平面視で、局所的に高さが異なる段差形状の箇所を有する(図3,図4も参照)。段差形状の箇所は、複合コア30において内側コア部31の外周面を延長した仮想面、特に高さ方向の上側の面(図3では上面)よりも高さ方向の上側に突出する箇所である(図3)。つまり、段差形状の箇所は、内側コア部31における上記仮想面よりも連結部2j側に突出する。また、本例の複合コア30は、内側コア部31の外周面を延長した仮想面、特に高さ方向の下側の面(図3では下面)よりも高さ方向の下側に突出する箇所も有する(図3)。つまり、この複合コア30は、内側コア部31における上記仮想面よりも連結部2jとは反対側に突出する箇所を有する。上記の連結部2jとは反対側に突出する箇所は、直方体状であり、単純な形状である(図3)。
本例の第一の複合コア30では、上述の段差形状といった比較的複雑な形状を有する箇所が複合材料の成形体35で構成される。また、本例の複合コア30では、内側コア部31が接続される箇所及び内側コア部31よりも連結部2jとは反対側に突出する箇所が圧粉成形体39で構成される。
≪成形体の形状≫
本例の圧粉成形体39は、直方体状であり(図1,図3,図4)、単純な形状である。そのため、圧粉成形体39を容易に、かつ高精度に成形できる。圧粉成形体39の外周面のうち、高さ方向の上側に配置される一面(図3,図4では上面)は、複合材料の成形体35が積層される面(以下、圧粉成形体39の上面と呼ぶ)である。また、圧粉成形体39の外周面のうち、内端面3eの一部を構成する面は、主として内側コア部31を構成する複合材料の成形体37の端面が接触する面である。
本例の複合材料の成形体35は、圧粉成形体39の上面よりも高さ方向の上側に存在する。但し、この複合材料の成形体35は、圧粉成形体39の外周面から、幅方向及び磁性コア3の軸方向のいずれにも突出しない。複合材料の成形体35の最大幅W35及び最大軸長さは圧粉成形体39の幅W39及び最大軸長さに等しい(図2~図4)。最大軸長さは、図2では上下方向の長さ、図3では左右方向の長さに相当する。本例の複合材料の成形体35は、圧粉成形体39の上面に対応した形状を有すると共に、連結部2j近くの形状にも対応した形状を有する。具体的には、本例の複合材料の成形体35は、圧粉成形体39の上面に積層される基部350と、基部350よりも局所的に高い突出部351とを有する(図2~図4)。また、本例の複合コア30は、連結部2jが配置される凹部355を有する(図2,図3)。複合材料の成形体35は、凹部355の内周面の一部を構成する。なお、第二の複合コア34は凹部355を有するが、凹部355に連結部2jが配置されない(図2)。
本例の基部350は、圧粉成形体39の上面と同一の形状及び同一の大きさを有する長方形の面を備える比較的偏平な直方体において、一つの角部を切り落としたような多角柱状である(図2、第二の複合コア34の基部350も参照)。基部350の一面(図3,図4では下面)は圧粉成形体39の上面と接触する面(以下、基部350の下面、又は複合材料の成形体35の下面と呼ぶ)である。基部350の下面は、圧粉成形体39の上面と共に、複合材料の成形体35と圧粉成形体39との境界を構成する。基部350の下面に対向する他面(図3,図4では上面。以下、基部350の上面と呼ぶ)には、突出部351が設けられる。
本例の基部350は、上述の下面と、上面とを繋ぐ一面として、基部350の幅方向及び磁性コア3の軸方向に交差する傾斜面35fを有する(図2)。傾斜面35fは、基部350の幅方向の側縁であって、上記軸方向の中間位置から、内端面3eにおける幅方向の中間位置に至るように設けられる。この傾斜面35fと、圧粉成形体39の上面の一部とで形成される直角三角形状の空間を凹部355とする。傾斜面35fにおける内端面3eに対する傾斜角度θは、連結部2jの巻き返し部分における巻回部2a,2bの端面に対する交差角度に概ね対応する。傾斜面35fにおける内端面3eからの最大距離は、上記巻き返し部分における巻回部2a,2bの端面からの張り出し長さに概ね対応する。従って、凹部355は、連結部2jを良好に収納できる。また、凹部355を複合材料の成形体35と圧粉成形体39とで構成することで、複合材料の成形体35をある程度単純な形状にし易い。そのため、複合材料の成形体35の製造性に優れる。なお、複合材料の成形体35によって凹部355を形成してもよい(後述の実施形態4参照)。
本例の突出部351は、直方体状であり、基部350の幅方向の中央部であって(図2,図4)、外端面3o寄りに配置される(図2,図3)。このような突出部351を備える複合材料の成形体35は、幅方向の中央部の厚さが幅方向の両端部の厚さよりも厚い。ここでの厚さとは、高さ方向に沿った長さであり、高さに相当する。ここで、外側コア部32の幅方向の中央部では幅方向の端部に比較して磁束が通過し易い。磁束が通過し易い箇所に突出部351を備えることで、磁気飽和し難い磁性コア3にできる。また、外端面3o寄りに突出部351を備えることで、外側コア部32から外部への漏れ磁束を低減し易い。この点から、低損失な磁性コア3にできる。更に、突出部351によって局所的に厚い箇所を備えることで、複合材料の成形体35の厚さが全体に亘って同じである場合に比較して、磁性コア3の軸長さLを短くしつつ、軽量化を図れる。
本例では、複合材料の成形体35の下面と圧粉成形体39の上面とがいずれも、長方形状の平面で構成され、高さ方向に直交するように配置される。上記の両面が平面であれば、製造過程で、複合材料の成形体35と圧粉成形体39とを隙間なく積層し易い。また、上記の両面が高さ方向に直交するように配置される平面であれば、複合材料の成形体35と圧粉成形体39とを高さ方向に安定して積層し易い。
本例では、複合材料の成形体35の下面と圧粉成形体39の上面とで形成される界面は、上述のように高さ方向に直交することから、磁束方向(図3では紙面左右方向)に実質的に平行に配置される。また、上記界面は、内側コア部31の外周面のうち、高さ方向の上側の面とほぼ同じ高さに位置する。上記界面が磁束方向に実質的に平行であれば、複合材料の成形体35と圧粉成形体39との間に微小な隙間(例、0.1mm以下)が有っても、磁路に与える影響は実質的に無視できる程度であると考えられる。上記界面が、内側コア部31の端面(ここでは複合材料の成形体37の端面)以外の箇所に位置することからも、磁路への影響が小さいと考えられる。従って、上記微小な隙間を許容する。なお、上記界面を磁束方向に交差するように設けてもよい。しかし、磁路への影響、積層時の作業性等を考慮すると、上記界面は、本例のように磁束方向に実質的に平行であることが好ましい。上記界面の位置を、上記内側コア部31の端面の位置に配置してもよい(後述の実施形態4,5参照)。
≪成形体の大きさ≫
外側コア部32を構成する部材の大きさ、後述する内側コア部31を構成する部材の大きさは、リアクトル1が所定の磁気特性を満たすように、構成材料等に応じて調整される。
本例の第一の複合コア30,第二の複合コア34を構成する圧粉成形体39の大きさは以下の通りである。
圧粉成形体39の幅W39は、隣り合って並ぶ二つの内側コア部31の幅W31を合計した値よりも大きい(2×W31<W39,図2)。
圧粉成形体39の高さh39は、内側コア部31(複合材料の成形体37)の高さh31よりも大きい(h31<h39,図3)。圧粉成形体39の高さh39は、内側コア部31の高さh31と、内側コア部31から高さ方向の下側に突出する長さとの合計値である。本例では、圧粉成形体39の突出長さは、以下を満たす。上記突出長さとは、圧粉成形体39において、内側コア部31の外周面を延長した仮想面、特に高さ方向の下側の面から、圧粉成形体39の高さ方向の下側の面(図3では下面。ここでは設置側の面)までの距離とする。本例の突出長さは、圧粉成形体39における上記高さ方向の下側の面が、巻回部2a,2bの外周面のうち、高さ方向の下側の面と面一になる程度の大きさである。
圧粉成形体39における内端面3eを構成する面の面積は、二つの内側コア部31の端面の合計面積よりも大きい。
本例の第一の複合コア30,第二の複合コア34を構成する複合材料の成形体35の大きさは以下の通りである。
基部350では、外端面3o側の領域が最大幅をとり、磁性コア3の軸方向の中間位置から内端面3eに向かって連続的に、傾斜面35fに応じて幅が小さくなる(図2)。基部350の最大幅は、複合材料の成形体35の最大幅W35に等しい。従って、基部350の最大幅は、圧粉成形体39の幅W39に等しい(図4)。
基部350の軸長さは、幅方向の一端側の領域が最大軸長さをとり、幅方向の中間位置から他端側に向かって連続的に、傾斜面35fに応じて短くなる(図2)。例えば、図2に示す第一の複合コア30では、軸長さは、幅方向の左端側の領域が最大であり、幅方向の中間位置から右端側に向って短くなる。
基部350の最大軸長さは、圧粉成形体39の最大軸長さに等しい(図2,図3)。
基部350の高さは、圧粉成形体39の上面から連結部2jの高さ方向の下端近くに至る程度である(図3)。
突出部351の幅は、基部350の最大幅よりも小さい(図2,図4)。例えば、突出部351の幅は、基部350の最大幅の20%以上60%以下が挙げられる。
突出部351の軸長さは、基部350の最大軸長さよりも短い。突出部351の内側縁は、内端面3eにも傾斜面35fにも至らない(図2)。例えば、突出部351の軸長さは、基部350の最大軸長さの40%以上75%以下が挙げられる。
突出部351の高さは、連結部2jの高さ方向の下端近くから上端近くに至る程度である(図3)。基部350の高さと突出部351の高さとの合計値、即ち複合材料の成形体35の高さh35は、内側コア部31における上述の仮想面よりも高さ方向の上側の面から、巻回部2a,2bの外周面のうち、高さ方向の上側の面に至る程度である(図3)。例えば、複合材料の成形体35の高さh35は、内側コア部31の高さh31の30%以上60%以下が挙げられる。
突出部351の幅、軸長さ、高さを上述の範囲に調整することで、突出部351は、連結部2jとの干渉を回避しつつ、大きな体積を確保し易い。突出部351の体積が大きいことで磁気飽和し難い磁性コア3にできる。特に、突出部351の幅が基部350の幅よりも小さく、上述の範囲を満たせば、突出部351の高さ、ひいては複合材料の成形体35の高さh35をより高くし易い。そのため、複合コア30,34において、上述のように磁束が通り易い幅方向の中央部に、複合材料の成形体35の体積を大きく確保し易い。その結果、より磁気飽和し難い磁性コア3にできる。
上述の圧粉成形体39の大きさ、複合材料の成形体35の大きさは、リアクトル1が所定の磁気特性を満たす範囲で適宜変更できる。例えば、複合材料の成形体35の最大幅W35を圧粉成形体39の幅W39よりも小さくしてもよい(後述の実施形態6、図8A参照)。又は、例えば、複合材料の成形体35の最大軸長さを圧粉成形体39の最大軸長さよりも小さくしてもよい。又は、例えば、複合材料の成形体35の最大軸長さを圧粉成形体39の最大軸長さよりもある程度大きくしてもよい(後述の実施形態4,5、図6,図7の第二の複合コア34C,34D参照)。
第一の複合コア30の総体積に占める複合材料の成形体35の含有割合は、リアクトル1が所定の磁気特性を満たす範囲で適宜選択できる。上記含有割合は、例えば、5体積%以上70体積%以下が挙げられる。残部は、圧粉成形体39の体積割合である。複合材料の成形体35の比透磁率、圧粉成形体39の比透磁率にもよるが、複合材料の成形体35の体積割合が上記範囲を満たすことで、ギャップレス構造の磁性コア3であっても、磁気飽和し難い。
外側コア部32を構成する部材(ここでは主として第一の複合コア30、第二の複合コア34)の形状、大きさ、構造等は適宜変更できる。後述の実施形態2~6等で変更例を具体的に説明する。その他、外側コア部32を構成する部材を高さ方向からの平面視でドーム状(特許文献1)又は台形状である柱状体等としてもよい。
《内側コア部》
本例では、各複合材料の成形体37は、主として巻回部2a,2b内に配置される。各複合材料の成形体37の端部は、第一の複合コア30,第二の複合コア34と共に巻回部2a,2b外に配置されて外側コア部32を構成する(図3)。各複合材料の成形体37は、ギャップ板等の磁気ギャップを有さず、複合材料から構成される一体物である。
本例では、各複合材料の成形体37は、同一形状、同一の大きさ、同一の組成である。詳しくは、各複合材料の成形体37は、直方体状である。各複合材料の成形体37の外周形状は、巻回部2a,2bの内周形状に概ね相似である。各複合材料の成形体37の軸長さは、各巻回部2a,2bの軸長さよりも若干長い。そのため、各複合材料の成形体37とコイル2とを組み付けると、各複合材料の成形体37の端部は巻回部2a,2bから突出する。従って、複合材料の成形体37の端面と、第一の複合コア30の内端面3e、第二の複合コア34の内端面3eとを容易に接触できる。
内側コア部31を構成する部材(ここでは主として複合材料の成形体37)の形状、大きさ、構造等は適宜変更できる。例えば、内側コア部31を構成する部材を円柱状、多角柱状等としてもよい。又は、例えば、内側コア部31を構成する部材について、角部の少なくとも一部をC面取り又はR面取りしてもよい。面取りされた角部は欠け難く、機械的強度に優れる。又は、例えば、一つの内側コア部31を構成する部材を複数のコア片で構成してもよい。但し、一つの内側コア部31を構成する部材が本例のように一つであると、組立部品点数が少なく、製造性に優れる。
《構成材料》
≪複合材料の成形体≫
複合材料の成形体35,37は、磁性粉末と樹脂とを含む。磁性粉末は、樹脂中に分散される。このような複合材料の成形体35,37は、射出成形や注型成形等の適宜な成形方法によって製造できる。代表的には、磁性粉末と樹脂とを含む原料を用意し、流動状態の原料を成形型に充填した後、固化することが挙げられる。磁性粉末には、軟磁性材料からなる粉末や、粉末粒子の表面に絶縁材料等からなる被覆層を備える粉末等が利用できる。軟磁性材料は、鉄や鉄合金(例、Fe-Si合金、Fe-Ni合金等)といった金属、フェライト等の非金属等が挙げられる。
複合材料の成形体35,37において、複合材料中の磁性粉末の含有量は、例えば、30体積%以上80体積%以下が挙げられる。複合材料中の樹脂の含有量は、例えば10体積%以上70体積%以下が挙げられる。磁性粉末の含有量が多く、樹脂の含有量が少ないほど、飽和磁束密度や比透磁率を高めたり、放熱性を高めたりし易い。飽和磁束密度や比透磁率の向上、放熱性の向上を望む場合等では、磁性粉末の含有量を50体積%以上、更に55体積%以上、60体積%以上としてもよい。磁性粉末の含有量が少なく、樹脂の含有量が多いほど、電気絶縁性を高められて渦電流損失を低減し易い。製造過程では、複合材料の流動性に優れる。損失の低減、流動性の向上を望む場合等では、磁性粉末の含有量を75体積%以下、更に70体積%以下としてもよい。又は樹脂の含有量を30体積%超としてもよい。
複合材料の成形体35,37は、上述のように磁性粉末の含有量や樹脂の含有量の多寡だけでなく、磁性粉末の組成によっても、飽和磁束密度や比透磁率を容易に異ならせられる。リアクトル1が所定の磁気特性(例、インダクタンス)を有するように、上記磁性粉末の組成や磁性粉末の含有量、樹脂の含有量等を調整するとよい。
複合材料の成形体35,37において複合材料中の樹脂は、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、常温硬化性樹脂、低温硬化性樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂の一例として、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂の一例として、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、液晶ポリマー(LCP)、ナイロン6やナイロン66といったポリアミド(PA)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂等が挙げられる。その他、不飽和ポリエステルに炭酸カルシウムやガラス繊維が混合されたBMC(Bulk molding compound)、ミラブル型シリコーンゴム、ミラブル型ウレタンゴム等も利用できる。
複合材料の成形体35,37は、磁性粉末及び樹脂に加えて、非磁性材料からなる粉末を含有してもよい。非磁性材料として、アルミナやシリカ等のセラミックス、各種の金属等が挙げられる。非磁性材料からなる粉末を含有することで、放熱性を高められる。また、セラミックスといった非金属かつ非磁性材料からなる粉末であれば、電気絶縁性にも優れて好ましい。非磁性材料からなる粉末の含有量は、例えば、0.2質量%以上20質量%以下が挙げられる。上記含有量は、更に0.3質量%以上15質量%以下、0.5質量%以上10質量%以下としてもよい。
複合材料の成形体35,37は、同じ組成としてもよいし、異なる組成としてもよい。複合材料の成形体35,37が同じ組成であれば、磁性コア3の磁気特性の調整を行い易い。また、この場合、製造条件を調整し易く、製造性にも優れる。
≪圧粉成形体≫
圧粉成形体39は、磁性粉末の集合体である。圧粉成形体39は、代表的には、磁性粉末(上述参照)とバインダーとを含む混合粉末を所定の形状に圧縮成形した後、熱処理を施したものが挙げられる。バインダーは樹脂等を利用できる。バインダーの含有量は30体積%以下程度が挙げられる。熱処理を施すと、バインダーが消失したり、熱変性物になったりする。そのため、圧粉成形体39は、複合材料の成形体35,37よりも磁性粉末の含有割合を高め易い(例えば80体積%超、更に85体積%以上)。磁性粉末の含有割合が多いことで、圧粉成形体39は、樹脂を含有する複合材料の成形体35,37よりも飽和磁束密度や比透磁率が高い傾向にある。
《磁気特性》
複合材料の成形体35,37の比透磁率は、例えば5以上50以下であることが挙げられる。複合材料の成形体35,37の比透磁率は、10以上45以下、更に40以下、35以下、30以下とより低くしてもよい。このような低透磁率の複合材料の成形体35,37を含む磁性コア3を備えるリアクトル1は、磁気飽和し難い。
圧粉成形体39の比透磁率は、複合材料の成形体35,37の比透磁率よりも大きいことが好ましい。複合材料の成形体35,37と圧粉成形体39との間での漏れ磁束を低減できるからである。ひいては、上記漏れ磁束に起因する損失を低減でき、低損失なリアクトル1にできる。また、圧粉成形体39の比透磁率が複合材料の成形体35,37の比透磁率(例、5~50)と等しい場合に比較して、大きなインダクタンスを有しつつ、小型なリアクトル1にできるからである。
特に、圧粉成形体39の比透磁率が複合材料の成形体35,37の比透磁率の2倍以上であると、複合材料の成形体35,37と圧粉成形体39との間での漏れ磁束をより確実に低減できる。複合材料の成形体35,37の比透磁率と圧粉成形体39の比透磁率との差が大きいほど、上記漏れ磁束を低減し易い。損失の低減を望む場合等では、圧粉成形体39の比透磁率を複合材料の成形体35,37の比透磁率の2.5倍以上、更に3倍以上、5倍以上、10倍以上としてもよい。
圧粉成形体39の比透磁率は、例えば50以上500以下であることが挙げられる。圧粉成形体39の比透磁率は、80以上、更に100以上(複合材料の成形体35,37の比透磁率が50である場合の2倍以上)、150以上、180以上とより高くしてもよい。このような高透磁率の圧粉成形体39は、複合材料の成形体35,37の比透磁率との差をより大きくし易い。例えば、圧粉成形体39の比透磁率を複合材料の成形体35,37の比透磁率の2倍以上にできる。上記比透磁率の差が大きいことで、上述のように複合材料の成形体35,37と圧粉成形体39との間での漏れ磁束をより低減し易く、より低損失なリアクトル1にできる。
ここでの比透磁率は以下のように求める。
複合材料の成形体35,37,圧粉成形体39と同様の組成からなるリング状の試料(外径34mm、内径20mm、厚さ5mm)を作製する。
上記リング状の試料に一次側:300巻き、二次側:20巻きの巻線を施し、B-H初磁化曲線をH=0(Oe)~100(Oe)の範囲で測定する。
得られたB-H初磁化曲線のB/Hの最大値を求める。この最大値を比透磁率とする。ここでの磁化曲線とは、いわゆる直流磁化曲線である。
本例の複合材料の成形体35,37の比透磁率は5以上50以下である。圧粉成形体39の比透磁率は、50以上500以下であり、かつ複合材料の成形体35,37の比透磁率の2倍以上である。
なお、本例の第一の複合コア30,第二の複合コア34は同一組成であるため、各複合コア30,34に備えられる複合材料の成形体35の比透磁率は実質的に等しい。各複合コア30,34に備えられる圧粉成形体39の比透磁率は等しい。また、本例の複合材料の成形体35,37は同一組成であるため、複合材料の成形体35,37の比透磁率は等しい。各複合コア30,34に備えられる複合材料の成形体35の組成、圧粉成形体39の組成、複合材料の成形体35,37の組成を異ならせて、比透磁率を異ならせてもよい。
〈保持部材〉
その他、リアクトル1は、コイル2と磁性コア3との間に介在される保持部材5を備えてもよい。
保持部材5は代表的には電気絶縁材から構成されて、コイル2と磁性コア3との間の電気絶縁性の向上に寄与する。また、保持部材5は、巻回部2a,2b及び内側コア部31を構成する部材、外側コア部32を構成する部材を保持して、巻回部2a,2bに対する上記部材の位置決めに利用される。保持部材5は、代表的には、巻回部2a,2bに対して所定の隙間を設けるように、内側コア部31を構成する部材を保持する。上記隙間は、樹脂モールド部6の製造過程で、流動状態の樹脂の流路に利用できる。このような保持部材5は、上記流路の確保にも寄与する。
本例のリアクトル1は、両巻回部2a,2bの一方の端面と第一の複合コア30とを保持する保持部材5と、両巻回部2a,2bの他方の端面と第二の複合コア34とを保持する保持部材5とを備える(図1)。各保持部材5の基本的構成は同じである。本例の保持部材5は、複合材料の成形体37の端部、複合コア30又は34の内端面3e及びその近傍に配置される長方形の枠状の部材である。後述の図8Aを参照して、保持部材5を簡単に説明する。例えば、保持部材5は、以下の貫通孔5hと、支持片(図示せず)と、コイル側の溝部(図示せず)と、コア側の溝部52とを備えるものが挙げられる。
貫通孔5hは、保持部材5において複合コア30又は34が配置される側(以下、コア側と呼ぶ)から巻回部2a,2bが配置される側(以下、コイル側と呼ぶ)に貫通する。貫通孔5hには、内側コア部31を構成する部材(ここでは複合材料の成形体37)の端部が挿通される。支持片は、貫通孔5hを形成する内周面の一部(例、角部)からコイル側に向かって突出する。支持片は、複合材料の成形体37の外周面の一部(例、角部)を支持する。複合材料の成形体37が支持片に保持されると、巻回部2a,2bと複合材料の成形体37との間には、支持片の厚さに応じた隙間が設けられる。この隙間は、上述のように流動状態の樹脂の流路に利用されて、樹脂モールド部6の一部(後述の内側樹脂部、図示せず)が形成される。コイル側の溝部は、保持部材5のコイル側に設けられる。コイル側の溝部には、各巻回部2a,2bの端面及びその近傍が嵌め込まれる。コア側の溝部52は、保持部材5のコア側に設けられる。溝部52の底部53には貫通孔5hが設けられる。溝部52には、複合コア30又は34の内端面3e及びその近傍が嵌め込まれる。B字状の底部53には、内端面3eの一部が接する。
更に、本例では、連結部2j側に配置される保持部材5は、連結部2jを収納する凹部55を備える(図1)。凹部55は、第一の複合コア30の凹部355に類似し、連結部2jを収納可能な大きさを有する直角三角形状の空間である。複合コア30の傾斜面35fは、凹部55を形成する壁面(図示せず)に沿って配置される。
保持部材5は、上述の機能を有すれば、形状や大きさ等を適宜変更できる。また、保持部材5は、公知の構成を利用できる。例えば、保持部材5は、上述の枠状の部材とは独立して、巻回部2a,2bと内側コア部31を構成する部材との間に配置される部材(類似の形状として特許文献1の内側介在部51参照)を含んでもよい。
保持部材5の構成材料は、樹脂といった電気絶縁材料が挙げられる。樹脂の具体例は、上述の複合材料の成形体の項を参照するとよい。代表的には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。保持部材5は、射出成形等の公知の成形方法によって製造できる。
〈樹脂モールド部〉
樹脂モールド部6は、磁性コア3の少なくとも一部を覆うことで、磁性コア3を外部環境から保護したり、機械的に保護したり、磁性コア3とコイル2やリアクトル1の周囲部品との間の電気絶縁性を高めたりする機能を有する。樹脂モールド部6は、図1に例示するように磁性コア3を覆い、巻回部2a,2bの外周を覆わず露出させると、放熱性にも優れる。巻回部2a,2bが液体冷媒等の冷却媒体に直接接触できるためである。
樹脂モールド部6は、第一の複合コア30を覆う第一の外側樹脂部60を含む。本例の樹脂モールド部6は、第二の複合コア34を覆う第二の外側樹脂部64を含む。また、本例の樹脂モールド部6は、内側コア部31(ここでは複合材料の成形体37)の少なくとも一部を覆う内側樹脂部(図示せず)を備える。更に、本例の樹脂モールド部6は、巻回部2a,2bの内側に存在する内側樹脂部と、巻回部2a,2bの外側に存在し、外側コア部32を覆う外側樹脂部60,64とが連続する一体成形物である。
複合材料の成形体35と圧粉成形体39との積層物を備える複合コア30,34が外側樹脂部60,64によって覆われることで、上記積層物を一体化できる。また、内側樹脂部と外側樹脂部60,64とが一体成形物であれば、磁性コア3を構成する部材を一体に保持できる。そのため、樹脂モールド部6によって磁性コア3の一体物としての剛性を高められて、強度に優れるリアクトル1にできる。その他、保持部材5が巻回部2a,2bと、内側コア部31を構成する部材との間に配置される部材を含む場合等では、樹脂モールド部6は、内側樹脂部を備えておらず、実質的に外側樹脂部60,64のみを備えるものであってもよい。
内側樹脂部,外側樹脂部60,64の被覆範囲、厚さ等は適宜選択できる。本例の外側樹脂部60,64では、突出部351における高さ方向の上側の面を露出させているが(図1)、上記面を覆ってもよい。又は、例えば、樹脂モールド部6は磁性コア3の外周面の全面を覆ってもよい。又は、例えば、外側樹脂部60,64は、複合材料の成形体35と圧粉成形体39との界面を跨ぐように覆う箇所を含めば、複合コア30,34の一部、例えば設置側の面等を覆わずに露出させてもよい。又は、例えば、樹脂モールド部6は、概ね一様な厚さでもよいし、局所的に厚さが異なっていてもよい。
樹脂モールド部6の構成材料は、各種の樹脂が挙げられる。例えば、熱可塑性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂の一例として、PPS樹脂、PTFE樹脂、LCP、PA樹脂、PBT樹脂等が挙げられる。上記構成材料は、樹脂に加えて、熱伝導性に優れる粉末、上述の非磁性材料からなる粉末を含有してもよい。上記粉末を含む樹脂モールド部6は、放熱性に優れる。その他、樹脂モールド部6の構成樹脂と保持部材5の構成樹脂とが同じ樹脂であれば、両者の接合性に優れる。また、両者の熱膨張係数が同じであるため、熱応力による樹脂モールド部6の剥離や割れ等を抑制できる。樹脂モールド部6の成形には、射出成形等が利用できる。
〈リアクトルの製造方法〉
実施形態1のリアクトル1は、例えば、以下のようにして製造できる。第一の複合コア30、第二の複合コア34、複合材料の成形体37をそれぞれ用意する。コイル2、磁性コア3、必要に応じて保持部材5を組み付ける。作製した組物を樹脂モールド部6の成形金型(図示せず)に収納し、流動状態の樹脂によって少なくとも複合コア30,34を被覆する。
第一の複合コア30、第二の複合コア34は、複合材料の成形体35と圧粉成形体39とをそれぞれ用意して、積層するとよい。本例のように各複合コア30,34に備えられる複合材料の成形体35が同一の形状、同一の大きさ、同一の組成であれば、一つの成形型を共用して複合材料の成形体35を製造できる。この点は、各複合コア30,34に備えられる圧粉成形体39、巻回部2a,2b内に配置される複合材料の成形体37についても同様である。複合材料の成形体35と圧粉成形体39とは、接着剤等の接合材で固定すると、強度に優れる複合コア30,34にできる。また、接合材での固定によって、樹脂モールド部6の製造時に成形体の位置ずれ等を防止し易い。
樹脂モールド部6の製造では、流動状態の樹脂を一方の外側コア部32の外端面3oから他方の外側コア部32に向かう一方向の充填を利用できる。又は各外側コア部32の外端面3oから巻回部2a,2b内に向かう二方向の充填を利用できる。
〈用途〉
実施形態1のリアクトル1は、電圧の昇圧動作や降圧動作を行う回路の部品、例えば種々のコンバータや電力変換装置の構成部品等に利用できる。コンバータの一例として、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車等の車両に搭載される車載用コンバータ(代表的にはDC-DCコンバータ)や、空調機のコンバータ等が挙げられる。
〈主要な効果〉
実施形態1のリアクトル1は、複合材料の成形体35と圧粉成形体39とを含む第一の複合コア30を備える。複合コア30を含む磁性コア3は、複合材料の成形体を含まず、圧粉成形体からなる磁性コアに比較して比透磁率が小さくなり易い。このような磁性コア3を備える実施形態1のリアクトル1は、ギャップ板等の磁気ギャップを備えていなくても、使用電流値が大きい場合に磁気飽和し難い。また、このリアクトル1は、使用電流値が大きい場合でもインダクタンスの低下を低減できる。更に、磁性コア3が複合材料の成形体35と圧粉成形体39とを含む。そのため、磁性コア3は、圧粉成形体を含まず、複合材料の成形体からなる磁性コアに比較して、外部への漏れ磁束を低減し易い。このようなリアクトル1は低損失である。
更に、実施形態1のリアクトル1は、第一の複合コア30を備えることで、圧粉成形体を含まず、複合材料の成形体からなり、同じインダクタンスを有する磁性コアを備えるリアクトルに比較して、体積を小さくできる。特に、複合コア30は、巻回部2a,2bの一端側、即ち連結部2j側に配置される。また、複合コア30は、従来のリアクトルにおいて巻回部2a,2bの一端側、即ち連結部2j側に形成される上述のデッドスペースを埋めるように配置される箇所を有する。更に、複合コア30は、連結部2j近くに配置される箇所の少なくとも一部を複合材料の成形体35で構成する。そのため、複合コア30は、連結部2j近くの形状に対応した形状に成形し易く、上記デッドスペースを有効に活用し易い。このような複合コア30を備える実施形態1のリアクトル1は、外側コア部32の最大高さh32を高められて、磁性コア3の軸長さLを従来のリアクトルよりも短くできる。ギャップレス構造であることからも、磁性コア3の軸長さLを短くし易い。この点から、リアクトル1は、小型である。
その上、実施形態1のリアクトル1は、第一の複合コア30を製造し易いため、製造性にも優れる。複合コア30が複合材料の成形体35と圧粉成形体39とを独立して成形でき、各成形体の製造性に優れるからである。また、両成形体を積層した後、樹脂モールド部6で覆うという単純な工程で積層物を一体化できることからも、製造性に優れる。
更に、本例のリアクトル1は、以下の効果を奏する。
(1)以下の点から、より磁気飽和し難い。
第一の複合コア30に備えられる複合材料の成形体35は、幅方向の中央部の厚さが局所的に厚い。そのため、外側コア部32において磁束が通過し易い箇所の体積を大きく確保できる。
第二の複合コア34を備えて、両外側コア部32を構成する部材が複合材料の成形体35を含む。
内側コア部31を構成する部材が複合材料の成形体37を含む。
複合材料の成形体35と圧粉成形体39との界面が磁束方向に平行に配置される。そのため、上記界面が磁路に与える影響を実質的に無視でき、所定の磁気特性を維持できる。
(2)以下の点から、より小型である。
第一の複合コア30は凹部355を有する。そのため、複合コア30は、連結部2jとの接触を回避しつつ、巻回部2a,2bの外周面のうち、高さ方向の上側の面から突出しない範囲で高さh35を高くし易い。ひいては複合コア30の最大高さh32を高くし易い。その結果、磁性コア3の軸長さLをより短くできる。
第一の複合コア30の内端面3eにおいて、主として内側コア部31を構成する複合材料の成形体37の端面が接続される領域の全体が圧粉成形体39で構成される。このような複合コア30は、複合材料の成形体35よりも高い比透磁率を有する圧粉成形体39を多く含む。そのため、上記の内側コア部31との接続領域の一部が複合材料の成形体35で構成される場合よりも、複合コア30の軸長さを短くし易い。
(3)以下の点から、製造性により優れる。
圧粉成形体39が単純な形状であり、容易に、かつ精度よく成形できる。
複合材料の成形体35と圧粉成形体39との双方で凹部355を形成する。そのため、複合材料の成形体35も比較的単純な形状であり、容易に、かつ精度よく成形できる。
複合材料の成形体35の下面及び圧粉成形体39の上面は、高さ方向に直交に配置される平面である。そのため、両成形体を隙間なく積層し易い。
第一の複合コア30と第二の複合コア34とが同一形状、同一の大きさであり、同一の原料、同一の製造条件で製造できる。
各巻回部2a,2bの内側に配置され、内側コア部31を構成する部材(ここでは、複合材料の成形体37)を同一の原料、同一の製造条件で製造できる。
一つの巻回部2a又は2bの内側に配置され、内側コア部31を構成する部材の個数が一つであり、磁性コア3、ひいてはリアクトル1の組付部品点数が少ない。
(4)以下の点から、より低損失である。
磁性コア3が複合材料の成形体37を含むため、複合材料の成形体を含まず、圧粉成形体からなる磁性コアに比較して、渦電流損等の鉄損を低減できる。
複合材料の成形体35の突出部351が外端面3o寄りに設けられることで、外部への漏れ磁束を低減できる。この点からも、漏れ磁束に起因する損失を低減できる。
実施形態1で説明した複合コアについて、形状や大きさ、成形体の積層数等を変更してもよい。製造過程における積層状態を変更してもよい。また、各外側コア部32を構成する複合コアの形状等を変更してもよい。
以下、実施形態1との相違点を詳細に説明し、実施形態1と重複する構成及び効果等は詳細な説明を省略する。
[実施形態2]
図5Aを参照して、実施形態2のリアクトルを説明する。ここでは、第一の複合コア30Aを詳細に説明する。
図5A,後述する図5Bはいずれも第一の複合コア30A,30Bのみを示し、その他のリアクトルの構成要素を省略する。図5A,5Bは、図4と同様に、第一の複合コア30A,30Bを外端面3o側からみた正面図である。
図5Aに示す第一の複合コア30Aのように、複合材料の成形体35において基部350の角部を面取りしてもよい。図5Aでは、比較的偏平な直方体状の基部350において、対向する二つの角部をC面取りされた状態を例示するが、R面取りでもよい。この点は、後述する実施形態3も同様である。複合材料の成形体35では、このような面取りされたような形状を容易に成形できる。
また、図5Aに示す第一の複合コア30Aは、上述の面取りで除去する角部の体積を突出部351に加えている。そのため、図5Aの複合コア30Aの高さh35は、図4の第一の複合コア30の高さh35よりも高い。ここで、外側コア部32における幅方向の中央部では、幅方向の端部に比較して磁束が通過し易い。図5Aの複合コア30Aは、図4の複合コア30に比較して、幅方向の中央部に位置する突出部351の体積が大きい。そのため、複合コア30Aを備える磁性コアはより磁気飽和し難い。また、角部が落とされた複合コア30Aは、強度にも優れる。
なお、第二の複合コアを備える場合には、第二の複合コアに対して、上述のように角部を面取りしたり、高さh35をより高くしたりしてもよい(図示せず)。
[実施形態3]
図5Bを参照して、実施形態3のリアクトルを説明する。ここでは、第一の複合コア30Bを詳細に説明する。
図5Bに示す第一の複合コア30Bでは、複合材料の成形体35が突出部351を有していない。即ち、突出部351を省略してもよい。複合コア30Bは、比較的偏平な直方体において対向する二つの角部を面取りしたような形状である。
また、図5Bに示す第一の複合コア30Bは、複数の複合材料の成形体35を備える多層構造体である。本例の複合コア30Bは、一つの圧粉成形体39の上下を挟むように二つの複合材料の成形体35を備える三層構造である。
第一の複合コア30Bに備えられる圧粉成形体39は、直方体状である。但し、この圧粉成形体39の高さh39は、図4の第一の複合コア30に備えられる圧粉成形体39の高さh39より小さく、内側コア部31の高さh31(図3参照)に概ね等しい。
第一の複合コア30Bに備えられる各複合材料の成形体35は、圧粉成形体39よりも高さ方向に突出する箇所、即ち内側コア部31の外周面を延長した仮想面よりも高さ方向に突出する箇所を構成する。各複合材料の成形体35は、比較的偏平な直方体について、対向する二つの角部を面取りしたような形状である。両複合材料の成形体35は、複合コア30Bが高さ方向の二等分線を中心として概ね線対称な形状となるように配置される。
このように複合コアを構成する成形体の大きさを変えて、成形体の積層数を変更してもよい。なお、図4に示す第一の複合コア30や図5Aに示す第一の複合コア30Aのように、高さ方向の二等分線を中心として非対称な形状としてもよい。
第一の複合コア30Bは、図4に示す複合コア30に対して、複合材料の成形体35の含有割合が大きいため、より磁気飽和し難い磁性コアを構築できる。また、圧粉成形体39の高さ方向の上下を複合材料の成形体35で挟むことで、複合コア30Bからの漏れ磁束を低減して、低損失な磁性コアを構築できる。
[実施形態4,5]
図6,図7をそれぞれ参照して、実施形態4,5のリアクトルを説明する。図6、図7では、磁性コア3C,3Dのみを示し、その他のリアクトルの構成要素を省略する。
図6,図7は、紙面下方をリアクトルの設置側とし、リアクトルを設置した状態において磁性コア3C,3Dを巻回部の並び方向(図6,図7では紙面垂直方向)にみた側面図である。図6,図7に示す複合材料の成形体35では、基部350と突出部351との境界、基部350と後述の張出部352との境界を二点鎖線で仮想的に示す。
図6に示す実施形態4のリアクトルでは、磁性コア3Cが第一の複合コア30Cと第二の複合コア34Cとを備えており、両者の形状、大きさが異なる。同様に、図7に示す実施形態5のリアクトルでは、磁性コア3Dが第一の複合コア30Dと第二の複合コア34Dとを備えており、両者の形状、大きさが異なる。
以下、磁性コア3C,3Dを詳細に説明する。
[実施形態4]
実施形態4のリアクトルに備えられる磁性コア3Cは、主として外側コア部32を構成する第一の複合コア30C、第二の複合コア34Cと、主として内側コア部31を構成する複合材料の成形体37とを備える。
本例の第一の複合コア30Cは、図3に示す第一の複合コア30と同様に一つの複合材料の成形体35と、一つの圧粉成形体39とを備える。複合材料の成形体35は、基部350と突出部351と凹部355とを備える。但し、複合材料の成形体35と圧粉成形体39との界面の位置が図3の複合コア30とは異なる。複合コア30における上記境界の位置は、内側コア部31を構成する複合材料の成形体37の端面に対して、高さ方向の中間位置に配置される。このような配置状態となるように、両成形体の大きさが調整される。なお、上記界面は、磁束方向(図6では紙面左右方向)に実質的に平行するように配置される。
本例の圧粉成形体39は、直方体状である。この圧粉成形体39は、実施形態1と同様に内側コア部31の外周面を延長した仮想面、特に高さ方向の下側の面よりも高さ方向の下側に突出する箇所を有する。但し、圧粉成形体39の外周面のうち、内端面3eを構成する一面は、複合材料の成形体37の端面の一部のみが接触する。
複合材料の成形体35は、直方体状の基部350の外端面3o側に、基部350よりも軸長さが短い直方体状の突出部351が配置された段差形状である。ここでの基部350とは、圧粉成形体39の幅及び軸長さに等しい幅及び軸長さを有し、圧粉成形体39における高さ方向の上側の面から、内側コア部31の外周面のうち高さ方向の上側の面までの高さを有する直方体の部分とする(この点は後述する第二の複合コア34C,34Dについても同様である)。基部350における高さ方向の上側の面は、上記内側コア部31の高さ方向の上側の面と面一である。この基部350に突出部351が立設される。そのため、突出部351は、内側コア部31の外周面を延長した仮想面よりも高さ方向の上側に突出する箇所を構成する。また、基部350における上記上側の面と、突出部351の一面とで、コイル2の連結部2j(図3参照)が配置される凹部355を形成する。つまり、第一の複合コア30Cでは、凹部355を形成する内周面の全体が複合材料の成形体35で構成される。
本例では、突出部351の幅は、基部350の幅に等しい。外側コア部32の最大高さh32は、複合材料の成形体35の高さh35と圧粉成形体39の高さh39との合計値に相当し、内側コア部31の高さh31よりも大きい。
本例の第二の複合コア34Cは、上述の第一の複合コア30Cと同様に、一つの複合材料の成形体35と、一つの圧粉成形体39とを備える。複合コア34Cに備えられる圧粉成形体39の形状、大きさ、内側コア部31(複合材料の成形体37)に対する配置状態は第一の複合コア30Cに備えられる圧粉成形体39と同様である。そのため、複合コア34Cにおける複合材料の成形体35と圧粉成形体39との界面も、複合材料の成形体37の端面に対して、高さ方向の中間位置に配置される。
但し、第二の複合コア34Cに備えられる複合材料の成形体35は、直方体状であり、段差形状ではない。この複合材料の成形体35は、第一の複合コア30Cに備えられる複合材料の成形体35から突出部351を省略し、基部350のみとしたような形状である。そのため、複合コア34Cに備えられる複合材料の成形体35における高さ方向の上側の面は、内側コア部31における高さ方向の上側の面と面一である。
更に、本例では、第二の複合コア34Cを構成する複合材料の成形体35は、直方体状の基部350と、基部350から磁性コア3Cの軸方向に突出する張出部352とを備える。上述のように基部350の軸長さは複合コア34Cを構成する圧粉成形体39の軸長さに等しい。このことから、張出部352は、複合コア34Cを構成する圧粉成形体39の外端面3oよりも巻回部の軸方向の外方(図6では紙面左右方向の右方)に突出する。
張出部352における圧粉成形体39の外端面3oからの突出長さは、適宜選択できる。上記突出長さが大きいほど、第二の複合コア34Cにおける複合材料の成形体35の含有割合を大きくでき、磁気飽和し難い磁性コア3Cにできる。しかし、磁性コア3Cの軸長さが長くなり易く、小型になり難い。より小型化を望む場合には、上記突出長さは、例えば圧粉成形体39の軸長さの5%以上15%以下程度が挙げられる。
実施形態4のリアクトルでは、第一の複合コア30Cと第二の複合コア34Cとが異なる形状、大きさであるため、各複合コア30C,34Cが配置される箇所の形状に適応させ易い。
例えば、巻回部2a,2b(図3参照)の一端側、即ち連結部2j側に配置される第一の複合コア30Cは、凹部355を備える。そのため、連結部2jとの接触を回避しつつ、突出部351の高さを高くし易い。ひいては磁気飽和し難い。本例のリアクトルは、複合材料の成形体35と圧粉成形体39との界面が、内側コア部31の高さ方向の中間位置に配置されることからも、磁気飽和し難い。
又は、例えば、巻回部2a,2bの他端側、即ち連結部2jとは反対側に配置される第二の複合コア34Cは、張出部352を備える。張出部352は、例えば端子台に利用できる。即ち、磁性コア3Cは、端子台を一体に備えるといえる。このような実施形態4のリアクトルでは、端子台を含めたリアクトルの軸長さを短くし易い点で、小型である。なお、端子台とは、端子金具を固定する台座である。端子金具は、コイル2を構成する巻線2w(図1参照)の端部や、コイル2に接続される電線の端部に取り付けられる。
[実施形態5]
実施形態5のリアクトルに備えられる磁性コア3Dは、第一の複合コア30D、第二の複合コア34Dと、複合材料の成形体37とを備える。第一の複合コア30Dは、主として巻回部2a,2bの一端側、即ち連結部2j側(図7では左側)に配置される外側コア部32を構成する。第二の複合コア34Dの一部は、主として巻回部2a,2bの他端側、即ち連結部2jとは反対側(図7では右側)に配置される外側コア部32を構成し、他部は、内側コア部31の一部を構成する。複合材料の成形体37は、主として内側コア部31を構成する。
本例の第一の複合コア30Dは、図5Bに示す第一の複合コア30Bと同様に二つの複合材料の成形体35と、一つの圧粉成形体39とを備える三層構造である。いずれの成形体も直方体状であり、高さ方向の上側に配置される複合材料の成形体35は、突出部351及び凹部355を備えていない。高さ方向の上側に配置される複合材料の成形体35をこのような単純な形状としてもよい。上述の実施形態4と同様に、上側の複合材料の成形体35と圧粉成形体39との界面の位置及び圧粉成形体39と下側の複合材料の成形体35との界面の位置のいずれもが、複合材料の成形体37の端面に対して、高さ方向の中間位置に配置される。各界面の位置が上記中間位置となるように、各成形体の大きさが調整される。なお、上記各界面は、磁束方向(図7では紙面左右方向)に実質的に平行するように配置される。
本例では、上側の複合材料の成形体35は、内側コア部31の外周面を延長した仮想面よりも高さ方向の上側に突出する箇所を有するように高さh35が調整される。上記上側に突出する箇所の突出高さは、コイル2の連結部2jと干渉しない高さとする。即ち、連結部2jの下端までの高さとする。上記突出高さとは、内側コア部31における上記仮想面のうち、高さ方向の上側の面から、上側の複合材料の成形体35における高さ方向の上側の面までの距離とする。圧粉成形体39の高さh39は、内側コア部31の高さh31よりも小さい。下側の複合材料の成形体35は、内側コア部31における上記仮想面よりも高さ方向の下側に突出する箇所を有するように高さh35が調整される。
本例では、各複合材料の成形体35の幅及び軸長さは等しく、圧粉成形体39の幅及び軸長さに等しい。外側コア部32の最大高さh32は、二つの複合材料の成形体35の高さh35と一つの圧粉成形体39の高さh39との合計値(2×h35+h39)に相当し、内側コア部31の高さh31よりも大きい。
本例の第二の複合コア34Dは、上述の第一の複合コア30Dと同様に、二つの複合材料の成形体35と、一つの圧粉成形体39とを備える三層構造である。また、複合コア34Dにおける複合材料の成形体35と圧粉成形体39との各界面は、上述の第一の複合コア30Dと同様に、複合材料の成形体37の端面に対して、高さ方向の中間位置に配置される。
特に、第二の複合コア34Dは、内側コア部31の一部を構成する部分と、外側コア部32を構成する部分とを有する。そのため、複合コア34Dの最大軸長さは、第一の複合コア30Dの軸長さよりも長い。また、複合コア34Dは、局所的に高さが異なる。
本例の第二の複合コア34Dでは、圧粉成形体39は直方体状である。上側の複合材料の成形体35は、高さ方向にみた平面形状がU字状であり、幅方向にみた平面形状がL字状である。また、上側の複合材料の成形体35は、基部350と、基部350に対して直交方向に配置される張出部352とを備える。張出部352は、直方体状であり、圧粉成形体39の外端面3oの一部を覆うように基部350に連結される。このような張出部352は、体積を大きく確保できる。下側の複合材料の成形体35は、高さ方向にみた平面形状がU字状であり、幅方向にみた平面形状がL字状である。また、下側の複合材料の成形体35は、高さが相対的に小さい箇所と、高さが相対的に大きい箇所(高さh35を有する部分)とを備える。
第二の複合コア34Dでは、上側の複合材料の成形体35における基部350の一部と、圧粉成形体39の一部と、下側の複合材料の成形体35における高さが相対的に小さい箇所とが積層された部分が、内側コア部31の一部を構成する。上側の複合材料の成形体35における基部350の他部及び張出部352と、圧粉成形体39の他部と、下側の複合材料の成形体35における高さが相対的に大きい箇所とが積層された部分が、外側コア部32を構成する。
張出部352の突出長さは、適宜選択できる。上記突出長さとは、圧粉成形体39における外端面3oを構成する面から磁性コア3Dの軸方向に沿った距離とする。上記突出長さの大きさについては上述の実施形態4を参照するとよい。張出部352の高さは大きいほど、第二の複合コア34Dにおける複合材料の成形体35の含有割合を大きくでき、磁気飽和し難い磁性コア3Dにできる。例えば、張出部352の高さを、張出部352の高さ方向の下端が、下側の複合材料の成形体35における高さ方向の下側の面(ここでは設置側の面)に至るまでの大きさとしてもよい。本例のように上側の複合材料の成形体35をL字状とする場合、張出部352を圧粉成形体39の位置決め部材に利用でき、位置ずれを防止し易い。張出部352の高さが大きいほど、上記位置決め部材として適切に利用できると期待される。張出部352の高さは、例えば複合コア34Dの高さの5%以上100%以下が挙げられる。
実施形態5のリアクトルも、実施形態4と同様に、第一の複合コア30Dと第二の複合コア34Dとが異なる形状、大きさであるため、各複合コア30D,34Dが配置される箇所の形状に適応させ易い。特に、第一の複合コア30Dは、内側コア部31における上述の仮想面よりも高さ方向に突出する箇所を備えるものの、連結部2jとの接触を回避できる。また、上記突出する箇所を有することで磁気飽和し難くできる上に、突出高さが実施形態4等と比較して小さいことで、軽量化を図れる。第二の複合コア34Dが張出部352を備えることで、実施形態4と同様に、端子台を含めたリアクトルの軸長さを短くし易い。
更に、実施形態5のリアクトルでは、第一の複合コア30D及び第二の複合コア34Dが三層構造であり、複合材料の成形体35の含有割合が大きい。第二の複合コア34Dが内側コア部31の一部を構成することからも、複合材料の成形体35の含有割合が大きい。これらの点で、実施形態5のリアクトルは、より磁気飽和し難い。また、圧粉成形体39の高さ方向の上下を複合材料の成形体35で挟むことで、複合コア30D,34Dからの漏れ磁束を低減できる。張出部352が圧粉成形体39の外端面3oの少なくとも一部を覆うことで、上記漏れ磁束を低減し易い。これらの点で、実施形態5のリアクトルは、より低損失である。
なお、実施形態4,5において、第二の複合コア34C,34Dに備えられる張出部352を省略してもよい。この場合、複合コア34C,34Dの外端面3oは、第一の複合コア30C,30Dと同様に、複合材料の成形体35、圧粉成形体39による平坦な平面で構成される。このような磁性コア3C,3Dは、軸長さをより短くでき、小型化を図れる。
[実施形態6]
図8を参照して、実施形態6のリアクトルを説明する。
図8Aは、実施形態6のリアクトルに備えられる保持部材5Aを、コア側から貫通孔5hの軸方向にみた正面図である。図8Bは、図8Aに示す保持部材5Aに圧粉成形体39を配置した状態を示す正面図である。
実施形態6のリアクトルは、両巻回部2a,2b(図1)の端面と第一の複合コア30E(図8B)とを保持する枠状の保持部材5Aを備える。保持部材5Aの概略は実施形態1で説明した通りである。特に、実施形態6のリアクトルに備えられる保持部材5Aには、複合コア30Eを構成する複合材料の成形体35が一体成形されている。以下、保持部材5Aを詳細に説明する。
本例の保持部材5Aは、図8Aに示すように長方形の枠状であり、二つの長方形状の貫通孔5hを有する。貫通孔5hの開口面積は、内側コア部31を構成するコア部材の端面の面積よりも大きい。本例では、各貫通孔5hの内周縁における幅が内側コア部31の幅よりも大きい。そのため、貫通孔5hに内側コア部31を挿通した状態では、貫通孔5hにおける幅方向の外側の領域は、内側コア部31に塞がれず、隙間57が設けられる。隙間57は、巻回部2a,2b(図1)の内周面と内側コア部31との間に連通する。この隙間57は、図8Bに示すように圧粉成形体39が配置された状態でも維持される。そのため、隙間57は、樹脂モールド部6の製造過程で、内側樹脂部を形成するための流路に利用できる。
本例では、保持部材5Aのコア側には、長方形状の溝部52が設けられる。溝部52の底部53には貫通孔5hが設けられる。溝部52の開口面積は、図8Bに示すように圧粉成形体39が配置された状態において、圧粉成形体39の外周面のうち、幅方向の両側の面と、高さ方向の上側の面の一部と、溝部52の内壁面との間に隙間58が設けられるように調整される。隙間58は、樹脂モールド部6の製造過程で外側樹脂部60等(図1)を形成するための流路に利用できる。隙間58の一部は、上述の隙間57に重複する。
上述の溝部52の開口縁のうち、高さ方向(図8A,図8Bでは紙面上下方向)の上側の領域であって、幅方向の中央部を分断するように、複合材料の成形体35が保持部材5Aに一体化されている。
本例の複合材料の成形体35は、図8Aに示すようにT字状である。保持部材5Aにおける高さ方向の上側の枠部には、複合材料の成形体35におけるT字の横棒部分の両端を抱える一対の爪部50を有する。両爪部50によって複合材料の成形体35を支持することで、複合材料の成形体35が保持部材5Aから脱落することを防止できる。なお、複合材料の成形体35の形状は適宜変更できる。例えば直方体状としてもよい。しかし、本例のように複合材料の成形体35における高さ方向の上側の領域の幅が下側の領域の幅よりも狭いといった形状、例えば台形状であると、保持部材5Aに爪部50等を成形することで、複合材料の成形体35の脱落を防止し易い。
複合材料の成形体35の幅、高さ、軸長さ等は、保持部材5Aの製造性、リアクトルの組立作業性、樹脂モールド部6(図1)の製造性等を考慮して、適宜選択できる。上述の脱落防止を望む場合等では、複合材料の成形体35において、圧粉成形体39の高さ方向の上側の面に接触する面の幅は、圧粉成形体39の幅よりも小さいこと(本例)が好ましい。
また、本例の複合材料の成形体35において、上述の圧粉成形体39の上側の面と接触する面は、平面である。この圧粉成形体39に接触する平面は、複合材料の成形体35と圧粉成形体39との界面が磁束方向に実質的に平行に配置されるように設けられている。また、上記平面は、貫通孔5hの内周縁のうち、高さ方向の上側の領域と実質的に面一になるように設けられている。そのため、上記界面は、実施形態1と同様に、内側コア部31の外周面のうち、高さ方向の上側の面とほぼ同じ高さに位置する。
図8Bに示すように保持部材5Aのコア側の溝部52に圧粉成形体39を嵌め込むことで、複合材料の成形体35と圧粉成形体39とを積層できる。第一の複合コア30Eが三層以上の多層構造である場合には(実施形態3,5参照)、溝部52に各成形体を嵌め込むとよい。この嵌め込み作業によって、保持部材5Aとこれらの積層物とを組み付けられる。この組み付け状態で、圧粉成形体39の外端面3o側から樹脂モールド部6の樹脂を充填することで、上記積層物を覆う外側樹脂部60等を形成できる。
実施形態6のリアクトルでは、上述のように保持部材5Aと圧粉成形体39とを組み付けることで、複合材料の成形体35と圧粉成形体39との積層と、この積層物に対する保持部材5Aとの組み付けとを同時に行える。また、保持部材5Aによって、上記積層物の積層状態を維持し易い。これらのことから、実施形態6のリアクトルは、製造性により優れる。
本例のリアクトルでは、保持部材5Aの溝部52の開口縁と圧粉成形体39との間に隙間58があり、この隙間58を埋めるように外側樹脂部60等を形成できる。隙間58は隙間57に連通しており、隙間58を介して隙間57を埋めるように内側樹脂部も形成できる。このように樹脂モールド部6を形成し易い点からも、製造性に優れる。また、樹脂モールド部6によって、複合材料の成形体35と圧粉成形体39との界面を覆って、磁性コアにおける一体物としての剛性、強度を高められる。従って、強度に優れるリアクトルにできる。
本発明は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
例えば、上述の実施形態1~6に対して、以下の少なくとも一つの変更が可能である。
(変形例A)両巻回部の軸方向の他端側(連結部とは反対側)に配置される外側コア部を複合コア以外の部材で構成する。
例えば、上記外側コア部を圧粉成形体又は複合材料の成形体で構成してもよい。又は、複合材料の成形体、圧粉成形体、軟磁性材料からなる板材の積層体、及び焼結体から選択される二種以上の成形体で構成してもよい(但し、複合材料の成形体及び圧粉成形体を含む場合は除く)。板材の積層体は、代表的には電磁鋼板等の板材が積層されたものが挙げられる。焼結体は、代表的には、フェライトコア等が挙げられる。
(変形例B)内側コア部を構成する部材が複合コアを含む。
例えば、図7に示す第二の複合コア34Dにおいて、内側コア部31を構成する箇所を延長してもよい。又は、外側コア部32を構成する複合コアとは別に、内側コア部を構成する複合コアを別途備えてもよい。
(変形例C)複合コアが三層以上の積層物である場合、複合材料の成形体及び圧粉成形体以外の構成材料からなる成形体を含む。
例えば、複合コアは、複合材料の成形体及び圧粉成形体に加えて、上述の軟磁性材料からなる板材の積層体や焼結体等を含むことが挙げられる。
(変形例D)コイルの連結部の配置位置を変更する。
図3を用いて説明すると、図3に示す連結部2jは両巻回部2a,2bにおける高さ方向の上側の面に面一な位置に設けられるが、例えば連結部2jを両巻回部2a,2bの上記上側の面よりも高い位置に設けてもよい。この場合、内側コア部31の外周面を延長した仮想面から連結部2jの上端までの間により大きなデッドスペースが生じる。第一の複合コアは、このデッドスペースを低減するように設けることが挙げられる。
(変形例E)各巻回部を独立した2本の巻線によって形成する。
この場合、連結部は、各巻回部から引き出される巻線の両端部のうち、一端部同士を接続させるとよい。端部同士の接続は、巻線の端部同士が直接接続される形態と、間接接続される形態とが挙げられる。直接接続には、溶接や圧着等が利用できる。間接接続には、巻線の端部に取り付けられる適宜な金具等を利用できる。
(変形例F)リアクトルが以下の少なくとも一つを備える(いずれも図示せず)。
(F-1)温度センサ、電流センサ、電圧センサ、磁束センサ等のリアクトルの物理量を測定するセンサ。
(F-2)コイルの巻回部の外周面の少なくとも一部に取り付けられる放熱板。
放熱板は、例えば金属板、熱伝導性に優れる非金属無機材料からなる板材等が挙げられれる。
(F-3)リアクトルの設置側の面と、設置対象又は上記の放熱板との間に介在される接合層。
接合層は、例えば接着剤層が挙げられる。電気絶縁性に優れる接着剤とすると、放熱板が金属板であっても、巻回部と放熱板との間の絶縁性を高められて好ましい。
(F-4)外側樹脂部に一体に成形され、リアクトルを設置対象に固定するための取付部。
1 リアクトル
2 コイル
2a,2b 巻回部、2j 連結部、2w 巻線
3,3C,3D 磁性コア
31 内側コア部、32 外側コア部、3e 内端面、3o 外端面
30,30A,30B,30C,30D,30E 第一の複合コア
34,34C,34D 第二の複合コア
35,37 複合材料の成形体
350 基部、351 突出部、352 張出部、355 凹部
35f 傾斜面
39 圧粉成形体
5,5A 保持部材
5h 貫通孔、50 爪部、52 溝部、53 底部、55 凹部
57,58 隙間
6 樹脂モールド部
60 第一の外側樹脂部、64 第二の外側樹脂部

Claims (8)

  1. 二つの巻回部と、前記両巻回部を繋ぐ連結部とを備えるコイルと、
    前記各巻回部の内側に配置される内側コア部と、前記両巻回部の外側に配置される外側コア部とを備える磁性コアと、
    前記磁性コアの外周面の少なくとも一部を覆う樹脂モールド部とを備え、
    前記両外側コア部のうち、少なくとも一方は、
    前記巻回部の軸方向及び前記両巻回部の並び方向の双方に直交する方向を高さ方向とし、磁性粉末と樹脂とを含む複合材料の成形体と磁性粉末の圧粉成形体とが前記高さ方向に積層された複合コアを備え、
    前記連結部は、前記両巻回部の軸方向の一端側において、前記内側コア部の端部よりも前記軸方向の外方及び前記高さ方向の上側に突出して設けられ、
    前記複合コアは、
    前記両巻回部の軸方向の一端側に配置され、
    前記内側コア部の外周面を延長した仮想面よりも前記高さ方向の上側に突出する箇所を有し、
    前記高さ方向の上側に前記複合材料の成形体が配置され、前記高さ方向の下側に前記圧粉成形体が積層された第一の複合コアを含み、
    前記樹脂モールド部は、前記第一の複合コアを覆う第一の外側樹脂部を含むリアクトル。
  2. 前記第一の複合コアを構成する前記複合材料の成形体において前記両巻回部の並び方向の中央部の厚さは、前記両巻回部の並び方向の両端部の厚さよりも厚い請求項1に記載のリアクトル。
  3. 前記連結部は、前記両巻回部を構成する巻線の一部が折り曲げられてなり、
    前記第一の複合コアは、前記連結部が配置される凹部を有し、
    前記第一の複合コアを構成する前記複合材料の成形体は、前記凹部を形成する内周面の少なくとも一部を構成する請求項1又は請求項2に記載のリアクトル。
  4. 前記両巻回部の端面と前記第一の複合コアとを保持する枠状の保持部材を備え、
    前記保持部材は、前記第一の複合コアを構成する前記複合材料の成形体が一体成形されている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のリアクトル。
  5. 前記複合コアは、
    前記両巻回部の軸方向の他端側に配置され、
    前記内側コア部の前記仮想面よりも前記高さ方向に突出する箇所を有する第二の複合コアを含み、
    前記樹脂モールド部は、前記第二の複合コアを覆う第二の外側樹脂部を含み、
    前記第二の複合コアを構成する前記複合材料の成形体は、前記第二の複合コアを構成する前記圧粉成形体よりも前記巻回部の軸方向の外方に突出する張出部を備える請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のリアクトル。
  6. 前記内側コア部は、磁性粉末と樹脂とを含む複合材料の成形体を含む請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のリアクトル。
  7. 前記複合材料の成形体の比透磁率は、5以上50以下であり、
    前記圧粉成形体の比透磁率は、前記複合材料の成形体の比透磁率の2倍以上である請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のリアクトル。
  8. 前記圧粉成形体の比透磁率は、50以上500以下である請求項7に記載のリアクトル。
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