JP6048821B2 - リアクトル、コンバータ、及び電力変換装置 - Google Patents
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Description
〔リアクトル〕
図1〜4を参照して、実施形態1のリアクトル1Aを説明する。リアクトル1Aは、コイル2と磁性コア3とを備える。磁性コア3のうちコイル2の内側に配置されるコア部材(以下、内側コア部31)は、磁性体粉末と樹脂との複合材料で構成される。このリアクトル1Aの特徴とするところは、内側コア部31の投影輪郭形状が傾斜辺を少なくとも一辺備える点にある。本例では、コイル2を巻線2wを螺旋状に巻回してなる一対のコイル素子2a、2bで構成し、磁性コア3を各コイル素子2a、2b内にそれぞれ配置される一対の内側コア部31と、及び内側コア部31を連結して閉磁路を形成する外側コア部32とで構成している。以下、各構成を説明する。その説明にあたり、本発明の特徴である内側コア部31を備える磁性コア3から説明する。説明の便宜上、図3では、傾斜辺の傾斜角度(鋭角α)を誇張して示している。この点は、後述する図5、8,9,10においても同様である。
磁性コア3は、各コイル素子2a,2bに覆われる一対の内側コア部31と、コイル2が配置されず、コイル2から露出されている一対の外側コア部32とを有する。磁性コア3は、離間して配置される一対の内側コア部31を挟むように両外側コア部32が配置され、各内側コア部31と外側コア部32とで環状に形成され、これら両コア部31、32により、コイル2を励磁したとき、閉磁路を形成する。
内側コア部31,31の外形は、適宜選択でき、円柱状体や角柱状体などが挙げられる。ここでは、各内側コア部31はそれぞれ、各コイル素子2a,2bの内周形状に沿った繋ぎ目がない一本の角柱状体、即ち、直方体の角部を丸めた形状である。
内側コア部31において、コイル2の軸方向をx軸とし、このx軸に直交すると共に互いに直交し合う方向をy軸及びz軸とするとき、これらいずれかの軸方向から見た内側コア部31の投影輪郭形状が、それ以外の2つの軸方向の各々に対して傾斜する傾斜辺を少なくとも一辺備える。ここで傾斜辺には、本例のように多角形断面で角部を有する形状の内側コア部31を投影した際、その角部を形成する曲線又は直線からなる辺は含まない。例えば、角部をR面取りした場合の曲線や、C面取りした場合の直線は、x軸、y軸及びz軸のうち、内側コア部を見る方向以外の二つの軸方向に対して傾斜していても、傾斜辺とはしない。通常、角部の曲線又は直線として取り扱われるのは、R面取りの場合は曲げ半径R=5.0mm以下程度、C面取りの場合はC=5.0mm以下程度である。勿論、円柱状の内側コア部をx軸方向から見た投影輪郭形状のように曲線のみからなる円形も除かれる。また、傾斜辺を備えるとは、投影輪郭形状を例えばx軸方向から見た形状とした際、y軸及びz軸方向をどの方向とした場合でも、y軸及びz軸方向の各々に対して傾斜している辺が存在することを言う。換言すれば、y軸及びz軸方向を特定の方向としたとき、傾斜辺が存在しない場合、即ち、いずれの辺もy軸及びz軸方向の一方に直交し他方に平行する場合を除く。理論上、y軸及びz軸はx軸の周囲360°のいずれもとり得る。例えば、投影輪郭形状の全ての角度が90°の四角形(正方形や長方形)の場合、y軸及びz軸の一方を360°回転させて四角形を構成する辺のいずれか一辺と一致させると、y軸及びz軸の他方も四角形の一辺と一致する。このような場合、投影輪郭形状は傾斜辺を備えない。つまり、投影輪形状が上記傾斜辺を備える形状として、正方形や長方形の場合は除く。
この傾斜辺の傾斜角度は、成形体を円滑に脱型できる程度であることが挙げられる。ここでは、投影輪郭形状を構成する辺のうち、上記2つの軸方向の一方と合わせた辺を軸一致辺とし、軸一致辺に隣接する2つの辺を隣接辺とすると、隣接辺のそれぞれと、上記2つの軸方向の他方とのなす鋭角の合計角度が、成形体を円滑に脱型できる程度であることが挙げられる。このように、投影輪郭形状を構成する辺と上記2つの軸とで成形体を円滑に脱型できる程度の角度が形成されるということは、投影輪郭形状を構成するいずれの辺に対しても非平行かつ非直交の辺、即ち、傾斜する傾斜辺を備えることを表し、その傾斜辺の傾斜角度が、成形体を円滑に脱型できる程度であることを表す。ここでいう傾斜角度は、投影輪郭形状を構成する辺のうち上記傾斜辺以外の辺を上記2つの軸の一方との軸一致辺とした際、当該傾斜辺と上記2つの軸の他方とのなす鋭角の角度である。
ハイブリッド自動車などに搭載されるコンバータ用のリアクトルにおいて、内側コア部31のサイズは、本例のようにコイル2が一対のコイル素子2a、2bからなって内側コア部31の外形が角柱状体の場合、典型的には、縦(x軸)方向に沿った長さが40mm以上100mm以下、横(y軸)方向に沿った長さが10mm以上40mm以下、高さ(z軸)方向に沿った長さが10mm以上40mm以下である。用途や必要とされる性能に応じて、上記のサイズより小さくする場合や大きくする場合もある。
内側コア部31の構成材料は、代表的には、バインダとなる樹脂に磁性体粉末を混合した複合材料である。磁性体粉末には、鉄や、鉄基合金、希土類元素を含む合金などの軟磁性材料、これら軟磁性材料に絶縁被覆を備える被覆粉末などを利用できる。特に、被覆粉末を用いることで、複合材料における渦電流損を効果的に低減することができる。絶縁被覆としては、例えば、リン酸化合物、珪素化合物、ジルコニウム化合物、アルミニウム化合物、硼素化合物などが挙げられる。一方、バインダとなる樹脂には、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、などの熱硬化性樹脂を用いることができる。その他、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂などの熱可塑性樹脂、常温硬化性樹脂、あるいは低温硬化性樹脂を用いてもよい。また、不飽和ポリエステルに炭酸カルシウムやガラス繊維が混合されたBMC(Bulk molding compound)や、ミラブル型シリコーンゴム、ミラブル型ウレタンゴムなどを用いることもできる。
外側コア部32の外形は、例えば、略ドーム形状の上面と下面を有する柱状である。この外側コア部32には、内側コア部31と同様に樹脂に軟磁性粉末を混合した複合材料や、鉄などの鉄属金属やその合金に代表される軟磁性粉末を用いた圧粉成形体、絶縁被膜を有する磁性薄板(例えば、電磁鋼板)を複数積層した積層体などが利用できる。外側コア部32は、内側コア部31と同様に複合材料で構成すれば、比透磁率を調整し易い。外側コア部32を圧粉成形体や電磁鋼板の積層体で構成すると、内側コア部31、31を構成する複合材料よりも高比透磁率とし易くなる。外側コア部32の比透磁率は、5以上500以下とすることが好ましい。
圧粉成形体は、代表的には、表面に絶縁被膜を有する磁性体粉末を加圧成形した後、適宜熱処理を施すことで製造することができる。圧粉成形体の材料には、鉄や、鉄基合金、希土類元素を含む合金などの軟磁性材料からなる粒子の表面に絶縁被覆を備える被覆粉末やフェライト粉末に、熱可塑性樹脂などの樹脂や高級脂肪酸などの添加剤(上記熱処理によって消失、又は絶縁物に変化するもの)を加えた混合材料を用いることが挙げられる。上記製造方法によって、軟磁性粒子の周囲が絶縁被覆(例えば、リン酸化合物、珪素化合物、ジルコニウム化合物、アルミニウム化合物、硼素化合物など)で覆われ、当該粒子間に絶縁物が介在する圧粉成形体が得られる。絶縁被覆を備える圧粉成形体は、絶縁性に優れ、渦電流損を低減することができる。軟磁性材料をフェライトとする場合、絶縁被覆を備えていなくても、絶縁性に優れる。
この例に示す磁性コア3は、内側コア部31の設置対象側面と外側コア部32の設置対象側面とが面一ではなく、外側コア部32の設置対象側面は、内側コア部31よりも突出し、かつコイル2の設置対象側面と面一である。従って、コイル2と磁性コア3との組合体の設置対象側面は、両コイル素子2a,2bの設置対象側面及び両外側コア部32の設置対象側面で構成され、後述する放熱板(図示せず)を備える場合、コイル2及び磁性コア3の双方を放熱板に支持することができる。組合体の設置対象側面がコイル2及び磁性コア3の双方で構成されることで、放熱板における支持面積が十分に大きく、リアクトル1は、設置したときの安定性にも優れる。
コイル2は、接合部の無い1本の連続する巻線2wを螺旋状に巻回してなる一対のコイル素子2a,2bと、両コイル素子2a,2bを連結するコイル連結部2rとを備える。各コイル素子2a,2bは、互いに同一の巻数である中空の筒状体であり、各軸方向が平行するように並列(横並び)され、コイル2の一端側(図2左側)に巻線2wの端部2eが配置され、コイル2の他端側(図2右側)において巻線2wの一部がU字状に屈曲されてコイル連結部2rが形成されている。この構成により、両コイル素子2a,2bの巻回方向は同一となっている。
リアクトル1Aは、さらに、コイル2と磁性コア3との間に、コイル2と磁性コア3との絶縁性と両者の位置決めの確実性を高めるためのインシュレータ5を備えることが好ましい。ここでは、インシュレータ5は、コイル2の軸方向に分割可能な一対の分割片50a、50bを組み合わせて一体にされる形態である(図2)。各分割片50a、50bは、内側コア部31を収納する周壁部51a、51bと、各コイル素子2a,2bの端面及び内側コア部31の端面31eと外側コア部32の内端面32eとの間に介在される枠板部52とを備える。そして、ここでは、枠板部52と周壁部51a,51bとが一体に連結されて構成されている。
その他、リアクトル1Aは、コイル2と磁性コア3との組合体を支持すると共に、組合体で生じた熱を冷却ベースに放熱する放熱経路として機能する放熱板を備えていることが好ましい。この放熱板の一面側が組合体を載置する載置面で、他面側が冷却ベースなどのリアクトルの設置対象への取付面である。
上記構成を備えるリアクトル1Aは、通電条件が、例えば、最大電流(直流):100A〜1000A程度、平均電圧:100V〜1000V程度、使用周波数:5kHz〜100kHz程度である用途、代表的には電気自動車やハイブリッド自動車などの車載用電力変換装置の構成部品に好適に利用できる。
リアクトル1Aは以下のようにして製造できる。まず、リアクトル1Aのコイル2の内側に配置される内側コア部31(コア部材)を製造する。具体的には、上述の内側コア部31を製造する製造方法は、内側コア部31を構成する複合材料を成形型に充填して複合材料の樹脂を硬化して成形体とする成形工程と、その成形体を成形型から抜き出す脱型工程とを備える。
上述のリアクトル1Aは、内側コア部31の投影輪郭形状が傾斜辺を備え、その傾斜辺を形成する内側コア部31の面が傾斜面で構成されるため、その内側コア部31を製造する際、容易に脱型できるので、内側コア部31の生産性に優れる。そのため、リアクトルの生産性に優れる。また、上述のコア部材の製造方法によれば、成形工程における成形型の内周面に、成形型の内部空間が広がるように傾斜する傾斜面を備える成形型を用いることで、次工程の脱型工程でコア部材を容易に脱型できる。そのため、成形型の内周面との摺接によるコア部材の損傷を抑制できる上に、コア部材の生産性を向上できる。
実施形態2を、主に図5、6を参照して説明する。上述の実施形態1では、内側コア部31(図2)の投影輪郭形状のうち、視線がx軸方向である縦輪郭形状31lが傾斜辺を備える形態を説明した。実施形態2では、内側コア部31(図2)の投影輪郭形状のうち、視線がy軸方向である横輪郭形状31sが傾斜辺を備える点が実施形態1と相違する。以下、相違点を中心に説明し、実施形態1と同様の構成及び効果の説明は省略する。
横輪郭形状31sが傾斜辺を備える場合、その形状は、内側コア部31の上下辺及び両端辺の少なくとも一辺がその他のx軸及びz軸の各々に対して傾斜する傾斜辺を有する台形状が挙げられる。具体的には、図5(A)(図5(B))に示すように、上下辺(両端辺)が平行でかつ長さの異なる長辺と短辺で、両端辺(上下辺)が同じ長さの傾斜辺である等脚台形とすることが挙げられる。
ここでは、上述のように内側コア部31の上下面が傾斜面であるので、インシュレータ5の周壁部51a,51bの内周面が傾斜面対向領域51tであり、内側コア部31の傾斜面に沿って形成されていることが好ましい。但し、この場合、インシュレータ5を内側コア部31の軸方向両側から組み合わせる一対の分割片50a、50bで構成する場合は、図6に示すように、内側コア部31の軸方向中心から両端側へ向かって断面積が狭くなる側の分割片、ここでは分割片50bの傾斜面対向領域51tを内側コア部31の傾斜面に沿って形成することが挙げられる。それにより、周壁部51bの厚みがその開口側ほど薄く形成されている。そして、一方の分割片50aの内周面は、内側コア部31の傾斜面に沿わず軸方向に一様とすればよい。そうすれば、内側コア部31の軸方向中心から両端側へ向かって断面積が広くなる側の分割片、ここでは分割片50aの周壁部51a内に内側コア部31を収納し易い。
実施形態3を、主に図5、7を参照して説明する。ここでは、内側コア部31(図2)の投影輪郭形状のうち視線がz軸方向である高さ輪郭形状31hが傾斜辺を備える。
高さ輪郭形状31hが傾斜辺を備える場合、その形状は、内側コア部31の両端辺及び両側辺の少なくとも一辺がその他のx軸及びy軸の各々に対して傾斜する傾斜辺を有する台形状が挙げられる。具体的には、図5(A)(図5(B))に示すように、両側辺(両端辺)が平行でかつ長さの異なる長辺と短辺で、両端辺(両側辺)が同じ長さの傾斜辺である等脚台形とすることが挙げられる。ここでは、高さ輪郭形状31hは、上述した同図(A)に示す等脚台形である。即ち、図7に示すように、高さ輪郭形状31hにおける両端辺を形成する両内側コア部31、31の両端面が一方の側面(内側コア部31間側)から他方の側面(内側コア部31同士が離れる側)に向かって互いの間隔が狭まる傾斜面で構成されている。このように、ここでは、両内側コア部31の傾斜方向は、内側コア部31間を挟んで対称としている。なお、傾斜方向を同じとしてもよい。
ここでは、上述のように内側コア部31の両端面31eが傾斜面であるので、インシュレータ5の枠板部52の上記内端面が傾斜面対向領域51tであり、内側コア部31の傾斜面に沿って形成することが好ましい。
実施形態1では、内側コア部31の投影輪郭形状が台形状である形態を説明した。実施形態4として、内側コア部31の投影輪郭形状を実施形態1で示した台形状以外の形状とすることができる。以下、主に図8を参照して実施形態1との相違点を中心に説明し、実施形態1と同様の構成及び効果の説明は省略する。
実施形態5として、内側コア部31の投影輪郭形状を実施形態1で示した台形状以外の形状とすることができる。以下、主に図9を参照して実施形態1との相違点を中心に説明し、実施形態1と同様の構成及び効果の説明は省略する。
実施形態1では、傾斜辺を有する内側コア部を、3つの軸と、投影輪郭形状の軸一致辺及び隣接辺とを用いて規定した。実施形態6では、傾斜辺を有する内側コア部を実施形態1と異なる手法で規定する形態を説明する。内側コア部は、実質的に四角形の投影輪郭形状を備える先細り状の立体部を有する。この四角形は、非直角の内角を有する。四角形の一辺である基準辺の両端を通る互いに平行な一対の直線であって、四角形の内側を通らないように引いた直線を角度基準線とするとき、投影輪郭形状は、基準辺に隣接する隣接辺の少なくとも一方が角度基準線に対して傾斜している。以下、主に図10を参照して詳細に説明する。
実施形態1〜6では、インシュレータ5の枠板部52が、各コイル素子2a,2bの端面及び内側コア部31の端面31eと外側コア部32の内端面32eとの間に介在される矩形状の平板で構成され(例えば図2参照)、内側コア部31と外側コア部32との間に介在されるギャップ材として機能する形態を説明した。実施形態7では、枠板部を各内側コア部が挿通可能な一対の開口部(貫通孔)を有するB字状の平板部材(図示略)で構成し、内側コア部と外側コア部とをギャップを介することなく連結する点が実施形態1〜6と相違する。以下、主として図11を参照しつつ、相違点を中心に説明する。実施形態1〜6と同様の構成及び効果の説明は省略する。
実施形態7では、インシュレータの枠板部を一対の貫通孔を有するB字状の平板部材で構成し、その貫通孔に内側コア部31を挿通させて、ギャップを介することなく内側コア部31と外側コア部32と連結する形態を説明した。実施形態8では、内側コア部と外側コア部との間にギャップ材を介在させる(図示略)点が実施形態7と相違する。以下、実施形態7との相違点を中心に説明する。
ギャップ材は、磁性コア内(リアクトルの閉磁路中)に配置されて、リアクトルのインダクタンスを調整するための部材である。磁性コアの一部(外側コア部)を圧粉成形体や電磁鋼板の積層体といった比透磁率が高い磁性体で構成した場合に、隣り合うコア部間(内側コア部との間)に配置して磁性コア全体の比透磁率を調整し易くする。
主に図12を参照して、実施形態9のリアクトル1Bを説明する。実施形態9のリアクトル1Bは、コイル2が一つのコイル素子からなる点、及び内側コア部31の横輪郭形状31s及び高さ輪郭形状31h(いずれも図5)が傾斜辺を備える点が実施形態1と相違する。以下、実施形態1と相違する点を中心に説明し、同様の構成及び効果は省略する。なお、このリアクトル1Bは、紙面下側が冷却ベースなどの設置対象とする。
実施形態1〜9のリアクトルは、例えば、車両などに載置されるコンバータの構成部品や、このコンバータを備える電力変換装置の構成部品に利用できる。
磁性体粉末と樹脂とを含む複合材料で構成されるコア部品であって、上記コア部品において、任意の面における法線方向をx軸とし、当該x軸に直交すると共に互いに直交する方向をy軸及びz軸とすると、上記コア部品を前記x軸、y軸、及びz軸のいずれかの軸方向から見た投影輪郭形状は、それ以外の軸方向の各々に対して傾斜する傾斜辺を少なくとも一辺備えるコア部品。
2 コイル 2a,2b コイル素子 2r コイル連結部
2w 巻線 2e 端部
3 磁性コア
31 内側コア部 31e 端面
31l 縦輪郭形状 31s 横輪郭形状 31h 高さ輪郭形状
32 外側コア部 32e 内端面
32a 筒状分割片 32b 板状分割片
5 インシュレータ
50a、50b 分割片 51a、51b 周壁部 52 枠板部
51t 傾斜辺対向領域(傾斜面対向領域)
52p 台座 53 仕切り
1100 電力変換装置 1110 コンバータ
1111 スイッチング素子 1112 駆動回路
L リアクトル 1120 インバータ
1150 給電装置用コンバータ 1160 補機電源用コンバータ
1200 車両 1210 メインバッテリ 1220 モータ
1230 サブバッテリ 1240 補機類 1250 車輪
Claims (14)
- 巻線を巻回してなるコイルと、このコイルの内外に配置されて閉磁路を形成する磁性コアとを備え、前記磁性コアのうち前記コイルの内側に配置される内側コア部が磁性体粉末と樹脂とを含む複合材料で構成されるリアクトルであって、
前記コイルと前記磁性コアとの間に配置すると共に前記コイルと前記磁性コアの両方に接触して、前記コイルと前記磁性コアとの絶縁を確保するインシュレータを備え、
前記内側コア部において、前記コイルの軸方向をx軸とし、当該x軸に直交すると共に互いに直交する方向をy軸及びz軸とすると、
前記内側コア部を前記x軸、y軸、及びz軸のいずれかの軸方向から見た投影輪郭形状は、それ以外の2つの軸方向の各々に対して傾斜する傾斜辺を少なくとも一辺備え、
前記投影輪郭形状は、更に、平行でかつ長さの異なる長辺と短辺を有し、
前記内側コア部の熱伝導率が前記インシュレータの熱伝導率よりも高く、
前記投影輪郭形状の長辺が、前記リアクトルの設置対象の冷却ベース側に位置していて、
前記インシュレータにおける前記内側コア部の前記傾斜辺に対向する傾斜辺対向領域は、前記傾斜辺に平行になるように沿って形成されていて、
前記内側コア部が成形型を利用して得られる成形体で、前記内側コア部を構成する前記複合材料における磁性粉末の含有量が、全体を100体積%としたとき、20体積%以上75体積%以下であるリアクトル。 - 巻線を巻回してなるコイルと、このコイルの内外に配置されて閉磁路を形成する磁性コアとを備え、前記磁性コアのうち前記コイルの内側に配置される内側コア部が磁性体粉末と樹脂とを含む複合材料で構成されるリアクトルであって、
前記コイルと前記磁性コアとの間に配置すると共に前記コイルと前記磁性コアの両方に接触して、前記コイルと前記磁性コアとの絶縁を確保するインシュレータを備え、
前記内側コア部において、前記コイルの軸方向をx軸とし、当該x軸に直交すると共に互いに直交する方向をy軸及びz軸とすると、
前記内側コア部を前記x軸、y軸、及びz軸のいずれかの軸方向から見た投影輪郭形状は、それ以外の2つの軸方向の各々に対して傾斜する傾斜辺を少なくとも一辺備え、
前記投影輪郭形状は、更に、平行でかつ長さの異なる長辺と短辺を有し、
前記インシュレータの熱伝導率が前記内側コア部の熱伝導率よりも高く、
前記投影輪郭形状の短辺が、前記リアクトルの設置対象の冷却ベース側に位置していて、
前記インシュレータにおける前記内側コア部の前記傾斜辺に対向する傾斜辺対向領域は、前記傾斜辺に平行になるように沿って形成されていて、
前記内側コア部が成形型を利用して得られる成形体で、前記内側コア部を構成する前記複合材料における磁性粉末の含有量が、全体を100体積%としたとき、20体積%以上75体積%以下であるリアクトル。 - 前記投影輪郭形状を構成するいずれかの辺に前記2つの軸方向の一方を合わせて軸一致辺とし、当該軸一致辺に隣接する2つの辺を隣接辺とすると、
前記隣接辺のそれぞれの辺と、前記2つの軸方向の他方の軸方向とのなす鋭角の合計が2.0°以下となる請求項1又は請求項2に記載のリアクトル。 - 前記隣接辺の少なくとも一方の辺と、前記2つの軸方向の他方の軸方向とのなす鋭角が0.3°以上1.0°以下となる請求項3に記載のリアクトル。
- 前記隣接辺のそれぞれの辺と、前記2つの軸方向の他方の軸方向とのなす鋭角のいずれもが0.3°以上1.0°以下となる請求項4に記載のリアクトル。
- 前記投影輪郭形状を構成する辺のうち隣接する2つの辺の一方の辺と前記2つの軸方向の一方の軸方向とのなす鋭角と、前記2つの辺の他方の辺と前記2つの軸方向の他方の軸方向とのなす鋭角とが同じとなるように前記2つの軸方向の交点を当該投影輪郭形状の角部に合わせると、
前記鋭角はいずれも0.3°以上1.0°以下となる請求項1又は請求項2に記載のリアクトル。 - 前記内側コア部が、成形型から抜き出されることで得られる成形体であり、
前記内側コア部の前記投影輪郭形状を構成する辺のうち、前記成形型からの型抜き方向に沿う直線に対向する辺のそれぞれの辺と、前記型抜き方向とのなす角度の合計角度が2°以下である請求項1又は請求項2に記載のリアクトル。 - 前記投影輪郭形状における前記型抜き方向に沿う直線に対向する辺の少なくとも一辺と、前記型抜き方向とのなす角度が、0.3°以上1.0°以下となる請求項7に記載のリアクトル。
- 前記投影輪郭形状における前記型抜き方向に沿う直線に対向する辺のそれぞれの辺と、前記型抜き方向とのなす角度のいずれもが、0.3°以上1.0°以下となる請求項8に記載のリアクトル。
- 前記投影輪郭形状が、台形状を有する請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のリアクトル。
- 前記磁性コアのうち前記コイルから露出される外側コア部が、前記複合材料で構成されている請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のリアクトル。
- 前記磁性コアのうち前記コイルから露出される外側コア部が、圧粉成形体で構成されている請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のリアクトル。
- 請求項1から請求項12のいずれか1項に記載のリアクトルを備えるコンバータ。
- 請求項13に記載のコンバータを備える電力変換装置。
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