JP2002289436A - インダクタンス素子 - Google Patents

インダクタンス素子

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JP2002289436A
JP2002289436A JP2001091886A JP2001091886A JP2002289436A JP 2002289436 A JP2002289436 A JP 2002289436A JP 2001091886 A JP2001091886 A JP 2001091886A JP 2001091886 A JP2001091886 A JP 2001091886A JP 2002289436 A JP2002289436 A JP 2002289436A
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layer
inductance element
wiring layer
coil
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JP2001091886A
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Takeshi Ikeda
毅 池田
Hiroshi Miyagi
弘 宮城
Akira Okamoto
明 岡本
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NSC Co Ltd
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Nigata Semitsu Co Ltd
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F17/00Fixed inductances of the signal type 
    • H01F17/0006Printed inductances
    • H01F17/0033Printed inductances with the coil helically wound around a magnetic core

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)
  • Semiconductor Integrated Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 GHz帯の非常に高い周波数領域で動作する
無線通信端末に対応可能であり、高いQ値やL値といっ
た良好な電気的特性を有し、外部回路に対する磁気的影
響も少ないインダクタンス素子を提供する。 【解決手段】 上部配線層100に形成された第1の導
電体1〜9と、下部配線層300に形成された第2の導
電体11〜18とを、中間層200に形成された第3の
導電体(コンタクト部)21〜36を挟んでコイル状に
接続することにより、それ自身で閉磁路を構成し、漏れ
磁束の発生を抑制して大きなインダクタンス(L)値を
実現するとともに、外部回路との磁気的な干渉を低減で
きるようにする。また、漏れ磁束が半導体の積層基板に
かかることによって発生する渦電流損も低減し、極めて
高い品質係数(Q)値を実現できるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインダクタンス素子
に関し、特に、半導体チップ上に集積可能なインダクタ
ンス素子に用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ラジオ受信機、携帯電話機、コー
ドレス電話機、テレビジョン受像機、カーナビゲーショ
ンシステム、通信機能を備えたゲーム機などの無線通信
端末の部品開発が盛んに行われている。特に、端末の小
型・軽量化等のために、RF(高周波)アナログ回路を
1チップに集積する試みが成されている。RFアナログ
回路を1チップに集積するためには、抵抗やキャパシ
タ、インダクタなどの受動部品もチップ内に作り込む必
要がある。
【0003】受動部品の中でも特に作り込みが難しいの
が、位相雑音などのS/N、入出力特性の線形性、消費
電力などの性能指標を表す品質係数(Q)値やインダク
タンス(L)値の高いインダクタである。RFアナログ
回路では、LNA(Low Noise Amplifier)、IF(Int
ermediate Frequency)アンプ、パワーアンプなどの各
種アンプや、VCO(電圧制御発振器)などが用いられ
る。これらの各種アンプやVCOなどは、Q値やL値の
高いインダクタを必要とする。そのため、Q値やL値の
高いインダクタを作り込むことがRFアナログ回路の1
チップ化に欠かせない大きな課題となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般に、インダクタ
は、巻線型、積層型、平面型の3つに大別される。巻線
型は、磁性材料で構成された磁芯に導電線を巻き付ける
ことによってインダクタを形成するものである。巻線型
によれば、磁芯の形状や大きさ、導電線の材料や長さ、
断面積、巻数などを適当に選ぶことにより、Q値やL値
の高いインダクタを比較的容易に形成することが可能で
ある。しかしながら、導電線を磁芯に巻き付けることが
必要なため、小型化に限界があり、半導体チップ上に集
積すること(表面実装部品化)には不向きである。
【0005】積層型は、磁芯に当たる磁性体層と、巻線
に当たる導電体層とを交互に重ね合わせて積層していく
ことによって、積層面に対して垂直な方向にコイル状の
インダクタを形成するものである。積層型は、表面実装
技術に適用することが可能であり、半導体チップ上にイ
ンダクタを集積することが比較的容易にできる。
【0006】しかしながら、この積層型インダクタは、
最も磁束密度の高いコイルの中央部の磁束がそのまま外
部に開放された開磁路構造となっている。そのため、イ
ンダクタの外部に磁束が漏洩してしまい、これが外部の
回路と干渉してノイズを発生させたり、外部の導体にお
いて渦電流損を引き起こしたりして、高いQ値やL値を
得ることができなかった。
【0007】積層型の構造で高いQ値やL値を得ようと
すれば、導電体層から成るコイルの巻数を多くする必要
がある。しかしながら、巻数を増やそうとすると、積層
数が多くなって小型化の要求に反することになる。ま
た、製造プロセスが増えて煩雑となり、製造コストが高
くなってしまうという問題もある。
【0008】平面型は、平面的な基板上に葛折れ型ある
いはスパイラル型などの導体パターンを形成することに
よってコイル状のインダクタを形成するものである。こ
の平面型のインダクタも表面実装技術に適用することが
可能であり、半導体チップ上に集積することが比較的容
易にできる。
【0009】しかしながら、これも積層型と同様に開磁
路構造となっているため、インダクタの外部に磁束が漏
洩してしまう。そのため、漏れ磁束が外部の回路と干渉
してノイズを発生させたり、外部の導体において渦電流
損を引き起こしたりして、高いQ値やL値を得ることが
できなかった。
【0010】平面型の構造で高いQ値やL値を得る場合
も、コイルの巻数を多くする必要がある。しかしなが
ら、コイルパターンの導体間ピッチを変えずに巻数を増
やそうとすると、基板上でのインダクタの占有面積がか
なり大きくなってしまう。そのため、半導体チップを小
型化する際の障害となるだけでなく、チップ面積の利用
効率が非常に悪くなり、レイアウト設計上の自由度も大
きく制限されてしまうという問題があった。
【0011】逆に、インダクタの占有面積を変えずに巻
数を増やすと、隣接する導体間ピッチが狭くなるため、
そこに浮遊容量が発生する。そのため、この浮遊容量と
インダクタンスとにより共振現象が発生し、インダクタ
の周波数特性が悪化してしまうという問題があった。
【0012】最近では、平面型のインダクタにおいて、
巻線に当たる導体部分を磁性材料で覆うことによって閉
磁路を構成し、これによって漏れ磁束を少なくしてL値
を高めるようにした技術が開発されている。また、多層
構造から成る半導体チップのSi基板から最も遠い層
(例えば、6層構造のうちの最上層)を厚くしてそこに
インダクタを集積することによって、漏れ磁束がインダ
クタ集積層外部の導体において引き起こす渦電流損を少
なくし、これによってQ値を高めるようにした技術も開
発されている。
【0013】しかしながら、最近の無線通信端末では、
2G〜5GHz、あるいはそれ以上の非常に高い周波数
の信号を扱う。そのため、上述のような技術改良をもっ
てしても、規格レベルを満足する実用的なQ値やL値を
得ることはできない。
【0014】すなわち、単に導体部分を磁性材料で覆う
ことによって閉磁路を構成するだけでは、十分に大きな
L値を得ることはできない。また、Si基板から最も遠
い層を厚くしてそこにインダクタを集積する場合、Q値
を実用レベルまで高めるためには、コイルの巻数を多く
してL値を大きくとる必要がある。そのため、インダク
タの占有面積が大きくなるか、隣接する導体間ピッチが
狭くなるという問題があり、チップ面積を増大すること
なく高いQ値を実現することは非常に困難であった。
【0015】本発明は、このような問題を解決するため
に成されたものであり、GHz帯の非常に高い周波数領
域で動作する無線通信端末に対応可能であり、高いQ値
やL値といった良好な電気的特性を有し、外部回路に対
する磁気的影響も少なく、かつ、半導体チップへの高集
積化および小型化に適したインダクタンス素子を提供す
ることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明のインダクタンス
素子は、上層に形成された第1の導電体と、下層に形成
された第2の導電体とを、上記上層と上記下層との間の
中間層に形成された第3の導電体を挟んでコイル状に接
続することによって閉磁路を構成したことを特徴とす
る。
【0017】本発明の他の態様では、上部配線層におい
て積層面に対して平行な方向に形成された第1の導電体
と、下部配線層において積層面に対して平行な方向に形
成された第2の導電体と、上記上部配線層と上記下部配
線層との間の中間層において積層面に対して垂直な方向
に形成された第3の導電体とを備え、上記第1〜第3の
導電体をトロイダルコイル状に接続することによって閉
磁路を構成したことを特徴とする。
【0018】本発明のその他の態様では、上記中間層を
絶縁材料もしくは誘電材料により形成したことを特徴と
する。本発明のその他の態様では、上記中間層において
積層面に対して平行な方向に磁性路を形成したことを特
徴とする。
【0019】本発明のその他の態様では、上記磁性路
は、上記中間層において堆積された磁性材料により形成
されることを特徴とする。本発明のその他の態様では、
上記磁性路は、上記中間層の表面、裏面もしくはその両
面に塗布された磁性材料により形成されることを特徴と
する。
【0020】本発明のその他の態様では、上記磁性路は
円、楕円もしくはこれらのリング形状であることを特徴
とする。本発明のその他の態様では、上記磁性路は多角
形もしくはそのリング形状であることを特徴とする。
【0021】本発明のその他の態様では、上記第1の導
電体および上記第2の導電体の形状は、直線状の短冊形
であることを特徴とする。本発明のその他の態様では、
上記第1の導電体および上記第2の導電体の形状は、略
台形もしくは略扇形であることを特徴とする。本発明の
その他の態様では、上記第1の導電体および上記第2の
導電体の形状は、少なくとも一方がかぎ形であることを
特徴とする。
【0022】本発明のその他の態様では、上記第1の導
電体および上記第2の導電体の形状、大きさ、配置の少
なくとも1つに関して、上記第1の導電体および上記第
2の導電体の積層面に対して垂直な方向に互いに対向す
る面積が所定値より大きくなるように上記第1の導電体
および上記第2の導電体を形成したことを特徴とする。
本発明のその他の態様では、上記第1の導電体と上記第
2の導電体とを上記第3の導電体を挟んで接続するコン
タクト部を、上記第1の導電体と上記第2の導電体との
接続点にそれぞれ2個以上形成したことを特徴とする。
【0023】本発明のその他の態様では、上記第1の導
電体、上記第2の導電体および上記第3の導電体から成
る上記閉磁路を、多層構造から成る半導体装置の最上層
以外の層を用いて構成したことを特徴とする。
【0024】本発明のその他の態様では、多層構造の半
導体装置に形成されたインダクタンス素子であって、上
記多層構造のうちの第1の層において積層面に対して平
行な方向に形成された第1の導電体と、上記第1の層に
隣接しない第2の層において積層面に対して平行な方向
に形成された第2の導電体と、上記第1の層と上記第2
の層との間にある1もしくは複数の層において積層面に
対して垂直な方向に形成された第3の導電体とを備え、
上記第1〜第3の導電体をコイル状に接続することによ
って閉磁路を構成したことを特徴とする。
【0025】本発明のその他の態様では、多層構造の半
導体装置に形成されたインダクタンス素子であって、上
層に形成された第1の導電体と、下層に形成された第2
の導電体とを、上記上層と上記下層との間の中間層に形
成された第3の導電体を挟んでコイル状に接続すること
によって閉磁路を構成し、上記半導体装置の複数の層を
用いて上記閉磁路を複数構成したことを特徴とする。
【0026】本発明のその他の態様では、上層において
積層面に対して平行な方向に形成された複数組の第1の
導電体と、下層において積層面に対して平行な方向に形
成された複数組の第2の導電体と、上記上層と上記下層
との間の中間層において積層面に対して垂直な方向に形
成された複数組の第3の導電体とを備え、上記複数組の
第1〜第3の導電体をそれぞれの組毎にコイル状に接続
することによって、複数の閉磁路を同心状に構成したこ
とを特徴とする。
【0027】上記のように構成した本発明によれば、上
層の導体と下層の導体とが中間層の導体を挟んでコイル
状に接続されることにより、コイル状の導体によって発
生する磁束はそれ自体で閉磁路となり、漏れ磁束の発生
を抑制することが可能となる。しかも、発生する磁束の
方向は積層面に対して平行な方向であるから、漏れ磁束
が半導体の積層基板を貫くことによって発生する渦電流
による損失も低減することが可能となる。
【0028】また、本発明の他の特徴によれば、中間層
に形成された磁性路によって、コイル状の導体によって
発生する磁束の結合が強められ、コイル外部への磁束の
漏れを更に抑制することが可能となる。
【0029】また、本発明のその他の特徴によれば、第
1の導電体および第2の導電体をそれらの互いに対向す
る面積が所定値より大きくなるように形成することによ
って、コンタクト部の面積を大きくとることが可能とな
り、Q値を下げる要因となるコンタクト抵抗を極力小さ
く抑えることが可能となる。
【0030】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)以下、本発明
の第1の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は第
1の実施形態に係るインダクタンス素子の各層の構成例
を示す図、図2はインダクタンス素子のコイル状態を示
す上面図、図3はインダクタンス素子のある軸を通る断
面図、図4および図5はインダクタンス素子の製造方法
を示す図である。
【0031】本実施形態のインダクタンス素子は、図1
(a)に示す上部配線層100、図1(b)に示す中間
層200、図1(c)に示す下部配線層300を積層し
た構造を有する。
【0032】上部配線層100には、本発明の第1の導
電体に相当する複数の導体パターン1〜9が形成されて
いる。このうち、2つの導体パターン1,2は、図示し
ない端子電極に接続するための引き出し導体パターンを
構成する。また、残りの導体パターン3〜9は、トロイ
ダル(環状ソレノイド)コイルを形成するためのコイル
導体パターンを構成する。コイル導体パターン3〜9
は、直線状の短冊形状をしている。
【0033】下部配線層300には、本発明の第2の導
電体に相当する複数の導体パターン11〜18が形成さ
れている。これらの導体パターン11〜18は、上部配
線層100に形成された導体パターン1〜9と共にトロ
イダルコイルを形成するためのコイル導体パターンを構
成する。これらのコイル導体パターン11〜18も、直
線状の短冊形状をしており、それぞれが上部配線層10
0のコイル導体パターン3〜9と同じ配線長を有してい
る。
【0034】中間層200には、本発明の第3の導電体
に相当する複数のコンタクト部21〜36が形成されて
いる。これらのコンタクト部21〜36は、例えば、ス
ルーホールおよびその中に充填した導電材料により構成
される。なお、図1においては、上部配線層100およ
び下部配線層300にもコンタクト部21〜36の位置
を示している。
【0035】本実施形態では、上部配線層100、中間
層200および下部配線層300を下から順番に積層
し、上部配線層100上の導体パターン1〜9と、下部
配線層300上の導体パターン11〜18とを、中間層
200のコンタクト部21〜36を介して螺旋状に接続
することにより、トロイダル状のコイルを1つの多層基
板内に形成する。
【0036】すなわち、上部配線層100の引き出し導
体パターン2は、一端のコンタクト部21を通じて下部
配線層300のコイル導体パターン11に接続され、コ
イル導体パターン11は、他端のコンタクト部22を通
じて上部配線層100のコイル導体パターン3に接続さ
れる。以下同様にして、下部配線層300のコイル導体
パターン12〜18と上部配線層100のコイル導体パ
ターン4〜9とがコンタクト部23〜35を通じて螺旋
状に接続され、更にコンタクト部36を通じてもう1つ
の引き出し導体パターン1が接続される。これにより1
つのトロイダルコイルが形成される。
【0037】図2は、トロイダル状に形成されたインダ
クタンス素子を上部配線層100側から見た様子を示し
ている(点線の導体パターン11〜18は下部配線層3
00に形成されていることを示す)。このインダクタン
ス素子は、それ自身で閉じたコア(磁芯)を持つ閉磁路
を構成している。
【0038】図3は、図2中に示したA−A断面の様子
を示している。図3において、上部配線層100、中間
層200および下部配線層300は上述した通りであ
る。また、400は絶縁膜、500は半導体基板であ
る。半導体基板500は、例えばSi、GaAsなどの
半導体材料37から構成される。また、絶縁膜400
は、SiO2、NiOなどの絶縁材料38から構成され
る。
【0039】上部配線層100、中間層200、下部配
線層300の導電体1〜9,11〜18,21〜36以
外の部分も、絶縁膜400と同じ絶縁材料38あるいは
これと異なる絶縁材料から構成される。製造プロセスの
簡略化のためには、絶縁膜400と同じ絶縁材料38を
用いた方が好ましい。
【0040】このように、上部配線層100、中間層2
00、下部配線層300の導体部以外の部分に絶縁材料
38を用いることにより、各層の導体部1〜9,11〜
18,21〜36によって構成される閉磁路のインダク
タンス素子は、いわゆる空芯のトロイダルコイルとな
る。なお、ここでは、空芯を実現するために各層を絶縁
材料38で構成しているが、誘電材料により構成しても
良い。
【0041】次に、以上のように構成した本実施形態に
よるインダクタンス素子の製造方法について、図4を参
照しながら説明する。なお、この図4は、下部配線層3
00の製造工程を主に示したものであり、中間層200
および上部配線層100も下部配線層300と同様のプ
ロセスで形成することができるため、中間層200およ
び上部配線層100の製造工程については図示を省略し
ている。
【0042】まず、半導体基板500の上に、CVD
(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長法)など
によって、SiO2やNiOなどの絶縁材料38から成る
絶縁膜400を形成する。そして、絶縁膜400の上
に、例えば蒸着法やメッキ法などによって、下部配線層
300の導体パターン11〜18に用いるAl(アルミ
ニウム)、Au(金)、Ag(銀)、Cu(銅)、Pd
(パラジウム)、Pt(白金)あるいはこれらの合金な
どの導電部材を堆積する(図4(a))。
【0043】次に、下部配線層300の導体パターン1
1〜18を形成すべき領域をレジストパターン41で覆
う(図4(b))。そして、そのレジストパターン41
をマスクとして下部配線層300の導体を部分的に除去
した後、当該レジストパターン41も除去する。これに
より、レジストパターン41が形成された領域に下部配
線層300の導体パターン11〜18が残る(図4
(c))。
【0044】その後、メサ状に残された導体パターン1
1〜18の膜厚よりも厚く絶縁材料38を堆積する(図
4(d))。そして、全面エッチバックまたはCMP
(Chemical Mechanical Polishing:化学機械研磨法)
などによって、導体パターン11〜18の膜厚よりも厚
く堆積された部分の絶縁材料38を除去することによ
り、導体パターン11〜18以外の領域が絶縁材料38
で埋められた下部配線層300を形成する(図4
(e))。
【0045】次に、このようにして形成された下部配線
層300の上に、例えば蒸着法やメッキ法などによっ
て、中間層200のコンタクト部21〜36に用いるA
l、Au、Ag、Cu、Pd、Ptあるいはこれらの合
金などの導電部材を堆積した後、そして、中間層200
のコンタクト部21〜36を形成すべき領域をレジスト
パターン42で覆う(図4(f))。そして、そのレジ
ストパターン42をマスクとして中間層200の導体を
部分的に除去した後、当該レジストパターン42も除去
する。これにより、レジストパターン42が形成された
領域に中間層200のコンタクト部21〜36が残る
(以降図示せず)。
【0046】その後、メサ状に残されたコンタクト部2
1〜36の膜厚よりも厚く絶縁材料38を堆積する。そ
して、全面エッチバックまたはCMPなどにより、コン
タクト部21〜36の膜厚よりも厚く堆積された部分の
絶縁材料38を除去することによって、コンタクト部2
1〜36以外の領域が絶縁材料38で埋められた中間層
200を形成する。
【0047】なお、この図4では下部配線層300と中
間層200とを同様のプロセスを2回繰り返すことによ
って形成しているが、例えば図5のように形成するよう
にしても良い。すなわち、図4(c)のようにメサ状に
残された導体パターン11〜18の膜厚よりも厚く絶縁
材料38を堆積する際に、下部配線層300と中間層2
00とを足した膜厚分だけ絶縁材料38を堆積する(図
5(a))。これにより、導体パターン11〜18以外
の領域が絶縁材料38で埋められた下部配線層300を
形成するのと同時に、中間層200の絶縁材料38を堆
積する。
【0048】そして、絶縁材料38で形成された中間層
200の上において、コンタクト部21〜36を形成す
べき領域以外の部分にレジストパターン(図示せず)を
形成し、そのレジストパターンをマスクとして中間層2
00の絶縁材料38を部分的に除去した後、当該レジス
トパターンも除去する。これにより、レジストパターン
が形成されていないコンタクト部21〜36の領域にス
ルーホール43を形成する(図5(b))。
【0049】その後、このスルーホール43および中間
層200の上に、Al、Au、Ag、Cu、Pd、Pt
あるいはこれらの合金などから成る導電部材を充填およ
び堆積する(図5(c))。そして、全面エッチバック
またはCMPなどにより、コンタクト部21〜36の膜
厚よりも厚く堆積された部分の導電部材を除去すること
によって、導電部材で構成されるコンタクト部21〜3
6以外の領域が絶縁材料38で埋められた中間層200
を形成する(図5(d))。このような工程で下部配線
層300および中間層200を形成することにより、製
造プロセスを簡略化することができる。
【0050】次に、このようにして形成された中間層2
00の上に、例えば蒸着法やメッキ法などによって、上
部配線層100に用いる導体パターン1〜9のAl、C
u、Au、Ag、Pd、Ptあるいはこれらの合金など
から成る導電部材を堆積する。そして、上部配線層10
0の導体パターン1〜9を形成すべき領域をレジストパ
ターンで覆い、そのレジストパターンをマスクとして上
部配線層100の導体を部分的に除去した後、当該レジ
ストパターンも除去する。これにより、レジストパター
ンが形成された領域に上部配線層100の導体パターン
1〜9が残る。
【0051】その後、メサ状に残された導体パターン1
〜9の膜厚よりも厚く絶縁材料38を堆積する。そし
て、全面エッチバックまたはCMPなどにより、導体パ
ターン1〜9の膜厚よりも厚く堆積された部分の絶縁材
料38を除去することによって、導体パターン1〜9以
外の領域が絶縁材料38で埋められた上部配線層100
を形成する。以上の工程により、図3に示した断面構造
を有するトロイダルコイル状のインダクタンス素子が形
成される。
【0052】このトロイダルコイルは、それ自身で閉磁
路を構成するので、漏れ磁束の発生は極めて少ない。し
たがって、大きなL値を実現することができるととも
に、図示しない外部回路との干渉を少なくして外部回路
への悪影響を低減することができる。しかも、このトロ
イダルコイルによって生じる磁束の方向は、積層面に対
して平行な方向であるから、漏れ磁束が半導体基板50
0にかかることによる渦電流損が発生することもなく、
極めて高いQ値を実現することもできる。
【0053】特に、本実施形態のインダクタンス素子を
GHz帯の非常に高い周波数領域で用いる場合は、トロ
イダルコイルのコアを空芯とすることにより、非常に高
いQ値やL値を得ることができる。このとき、コイルの
巻数(導体パターンの形成数)をそれほど多くしなくて
も十分に高いQ値やL値を得ることができる。仮に巻数
を多くする場合でも、積層数を多くしたりコイルの占有
面積を大きくしたりする必要がなく、導体パターンの数
を増やすだけで対応することができる。したがって、本
実施形態のインダクタンス素子は、小型化および半導体
チップへの集積化に非常に適している。
【0054】また、上部配線層100の導電パターン3
〜9および下部配線層300の導電パターン11〜18
を共に直線状の短冊形状とすることにより、上部配線層
100および下部配線層300の配線パターンをほぼ同
様のものとすることができ、ほぼ均一な巻線を実現する
ことができる。これにより、個々の巻線間からの漏れ磁
束の発生を抑制して、より大きなL値を得ることができ
る。
【0055】なお、上記図2に示したコイルの巻線状態
(導体パターン1〜9,11〜18の配置状態など)は
単なる例示であって、これに限定されるものではない。
例えば、図6に示すように、上部配線層100のコイル
導体パターン3〜9をパターン間の角度がそれぞれ45
度を成すように放射状に配置し、下部配線層300のコ
イル導体パターン11〜18を導体パターン1〜9の両
端で接続するように配置しても良い。
【0056】このように構成した場合、上部配線層10
0の導体パターン3〜9と下部配線層300の導体パタ
ーン11〜18とは相似形とはならず、導体パターン3
〜9と導体パターン11〜18の配線長も同じにはなら
ない。その反面、コイル全体の占有面積を図2の場合と
比べて小さくすることができ、更なる小型化には有利で
ある。また、上部配線層100の導体パターン1〜9と
下部配線層300の導体パターン11〜18とが各積層
面上のほぼ同じ位置に形成されるため、引き出し導体パ
ターン1,2との接続部分においても精度良い巻線状態
を作ることが可能であり、ここからの磁束の漏れを抑制
することができる。
【0057】また、上部配線層100および下部配線層
300に形成する導体パターンの数も、図2および図6
に示した例に限定されるものではない。例えば、図7に
示すように、図2や図6よりも少ない数の導体パターン
によりコイルを形成するようにしても良い。また、図2
や図6よりも多い数の導体パターンによりコイルを形成
するようにしても良い(図示せず)。
【0058】その他にも、上部配線層100および下部
配線層300に形成する導体パターンの配置や数、配線
長、太さ、材料などを変えることによって、様々なタイ
プのコイルを形成することが可能である。その場合、コ
イルの占有面積、L値、Q値などがそれぞれ異なってく
るので、適用する端末、動作周波数などに応じて適切な
形態を選べばよい。
【0059】また、上記実施形態では、引き出し導体パ
ターン1,2を上部配線層100に形成しているが、下
部配線層300に形成しても良い。また、その位置も図
2に示した位置に限らず、任意の位置に形成することが
可能である。さらに、上記実施形態では引き出し導体パ
ターン1,2を1組のみ設けているが、2組あるいはそ
れ以上設けるようにしても良い。
【0060】図8は、引き出し導体パターンを2組設け
た場合の構成例を示す図である。図8に示す例におい
て、上部配線層には、2組の引き出し導体パターン(5
1,52)、(61,62)が形成されるとともに、2
組のコイル導体パターン(53〜55)、(63〜6
5)が形成されている。また、下部配線層には、2組の
コイル導体パターン(56〜58)、(66〜68)が
形成されている。
【0061】上部配線層の引き出し導体パターン51
は、一端のコンタクト部を通じて下部配線層のコイル導
体パターン56に接続され、コイル導体パターン56
は、他端のコンタクト部を通じて上部配線層のコイル導
体パターン53に接続される。以下同様にして、下部配
線層のコイル導体パターン57,58と上部配線層のコ
イル導体パターン54,55とが交互に接続され、更に
引き出し導体パターン52が接続される。これにより1
つのソレノイドコイルが形成される。
【0062】一方、上部配線層の引き出し導体パターン
61は、コイル導体パターン63に接続される。このコ
イル導体パターン63は、一端のコンタクト部を通じて
下部配線層のコイル導体パターン66に接続され、コイ
ル導体パターン66は、他端のコンタクト部を通じて上
部配線層のコイル導体パターン64に接続される。以下
同様にして、下部配線層のコイル導体パターン67,6
8と上部配線層のコイル導体パターン65とが交互に接
続され、更に引き出し導体パターン62が接続される。
これによりもう1つのソレノイドコイルが形成される。
【0063】このように形成された2つのソレノイドコ
イルは、それぞれ同じ巻数、同じ大きさを有しており、
積層面に対して平行な方向に互いに対向している。これ
により、相互インダクタンス値が大きく、しかもQ値の
高い1:1の空芯トランスを得ることができる。
【0064】また、上記実施形態では、上部配線層10
0、中間層200、下部配線層300の3層のみを示し
たが、4層以上の半導体チップに適用することも可能で
ある。インダクタンス素子以外の素子や集積回路を多層
装置の1層あるいは複数層に形成することが可能であ
り、積層構造が4層以上になることもある。
【0065】その場合、他の素子や集積回路が存在しな
い領域において、複数の層を中間層200としてコンタ
クト部21〜36を形成することにより、積層面に対し
て平行な方向にコイル占有面積を大きくすることなくコ
イル自体を大きくすることができ、より大きなL値を得
ることができる。また、本実施形態のインダクタンス素
子は漏れ磁束が少なく、磁束の方向も積層面に対して水
平な方向であるので、積層面に対して垂直な方向にイン
ダクタンス素子と他の素子や集積回路とを重ねて配置す
ることも可能であり、小型化に貢献することができる。
【0066】また、上記実施形態では、図3に示すよう
に、上部配線層100、中間層200および下部配線層
300の3層を用いて1つのトロイダルコイルを構成し
たが、この上に更に3層を形成してもう1つのトロイダ
ルコイルを構成するようにしても良い。この場合、2つ
のトロイダルコイルは、積層面に対して垂直な方向に互
いに対向しており、相互インダクタンス値が大きく、し
かもQ値の高い空芯トランスを得ることができる。ま
た、2つのトロイダルコイルを接続すれば、より巻数の
多いコイルを得ることができ、Q値やL値を更に高める
ことができる。
【0067】また、図9に示すように、上部配線層10
0の導体パターン、中間層200のコンタクト部および
下部配線層300の導体パターンをそれぞれ2組ずつ形
成し、これら2組の導電体によって2つのトロイダルコ
イルを同心状に構成するようにしても良い。
【0068】この場合、形成された2つのトロイダルコ
イルは、巻数は同じだが大きさが異なっており、積層面
に対して水平な方向に互いに対向している。これによ
り、相互インダクタンス値が大きく、しかもQ値の高い
1:nの空芯トランスを得ることができる。また、2つ
のトロイダルコイルを接続すれば、より巻数の多いコイ
ルを得ることができ、Q値やL値を更に高めることがで
きる。なお、2つのコイルで巻数を異ならせるようにし
ても良い。
【0069】また、上記実施形態では、図3に示すよう
に、多層構造の最上層から順に上部配線層100、中間
層200、下部配線層300を形成しているため、形成
されたコイルが多層構造の表面に露出している。これに
対し、上部配線層100の上に更に別の層を積層するこ
とにより、コイルを多層構造の中に埋め込むようにして
も良い。この場合、上部配線層100の上に積層する別
の層を磁性材料から成る磁性層とすることにより、この
磁性層によって磁束を封止して漏れ磁束をより少なくす
ることができる。さらに、下部配線層300の下側にも
磁性層を形成すれば、漏れ磁束を更に少なくすることが
できる。
【0070】また、上述した製造プロセスも単なる例で
あって、これに限定されるものではない。例えば、導体
パターン1〜9が形成された上部配線層100のシート
と、コンタクト部21〜36が形成された中間層200
のシートと、導体パターン11〜18が形成された下部
配線層300のシートとを個別に生成し、これらを順に
積層することによってトロイダルコイル状のインダクタ
ンス素子を形成するようにしても良い。
【0071】(第2の実施形態)次に、本発明の第2の
実施形態を図面に基づいて説明する。図10は第2の実
施形態に係るインダクタンス素子のコイル状態を示す上
面図、図11はインダクタンス素子のある軸を通る断面
図である。なお、図10および図11において、図2お
よび図3に示した構成要素と同一の構成要素には同一の
符号を付している。
【0072】図10および図11に示すように、第2の
実施形態では、中間層200において、積層面に対して
平行な方向にリング状の磁性路71を形成している。こ
の磁性路71は、トロイダルコイルの磁束方向に対する
中心軸を通る位置に形成するのが好ましい。また、磁性
路71のリング形状は、トロイダルコイルの中心軸に沿
って生じる磁束に合わせて円形とするのが好ましい。こ
の磁性路71は、例えば以下のようなプロセスによって
形成することが可能である。
【0073】すなわち、図4あるいは図5の手順に従っ
て中間層200にコンタクト部21〜36を形成した後
に、その中間層200の上において、磁性路71を形成
すべき領域以外の部分にレジストパターンを形成し、そ
のレジストパターンをマスクとして中間層200の絶縁
材料38を部分的に除去した後、当該レジストパターン
も除去する。これにより、レジストパターンが形成され
ていない磁性路71の領域にスルーホールを形成する。
【0074】その後、このスルーホールおよび中間層2
00の上に、フェライトなどから成る磁性材料を充填お
よび堆積する。そして、全面エッチバックまたはCMP
などにより、磁性路71の膜厚よりも厚く堆積された部
分の磁性材料を除去することによって、磁性材料で構成
される磁性路71および導電部材で構成されるコンタク
ト部21〜36以外の領域が絶縁材料38で埋められた
中間層200を形成する。
【0075】なお、ここでは、コンタクト部21〜36
を形成した後に磁性路71を形成する例を説明したが、
形成する順番はこの逆でも良い。
【0076】磁性材料のフェライトは、Co(コバル
ト)、Mn(マンガン)、Ca(カルシウム)、Si
(シリコン)、Bi(ビスマス)、V(バナジウム)、
Pb(鉛)、C(炭素)、B(ホウ素)、P(リン)、
Nb(ニオブ)、Hf(ハフニウム)、Zr(ジルコニ
ウム)、Ti(チタン)、Ta(タンタル)、W(タン
グステン)、Y(イットリウム)、Ce(セリウム)、
O(酸素)、N(窒素)などのうちの何れか1つもしく
は複数が含有されていても良い。また、フェライトの代
わりに、Mo(モリブデン)、Cr(クロム)、Ni
(ニッケル)などの強磁性材料を用いても良い。
【0077】このように、中間層200に磁性材料を堆
積することによって磁性路71を形成することにより、
中間層200内に生じる磁束の結合を強め、コイル外部
への磁束の漏れを少なくすることができる。これによ
り、L値を高めることができるとともに、漏れ磁束によ
る渦電流損の発生を抑えてQ値を高めることができる。
中間層200自体(コンタクト部21〜36は除く)を
磁性材料で構成する方法も考えられるが、本実施形態の
ように中間層200は絶縁材料で構成し、トロイダルコ
イル内に生じる磁束に合わせて磁性路71を形成するこ
とにより、磁束の結合がより強くなって好ましい。
【0078】ここでは、磁性路71のリング形状を円形
としたが、これに限定されるものではない。例えば、楕
円や多角形、好ましくは正多角形、更に好ましくは正八
角形としても良い。要は、上部配線層100および下部
配線層300に形成される導体パターン1〜9,11〜
18の配置によって、形成されるコイルの形状が決まる
ので、そのコイルの形状に合わせて磁性路71を形成す
れば良い。また、磁性路71はリング形状としたが、ト
ロイダルコイルの外周よりも内側の領域において円形、
楕円形、多角形の磁性路を形成するようにしても良い。
【0079】図12は、外形が正八角形をしたリング形
状の磁性路72を中間層200に形成した場合のインダ
クタンス素子を示す上面図である。半導体の製造プロセ
スにおいて、曲線から成る円形の磁性路71を形成する
ことは比較的難しい。これに対し、断片が直線のみから
成る正八角形の磁性路72は、半導体の製造プロセスに
おいて形成することが容易であるというメリットを有す
る。
【0080】上述の磁性路71,72は、中間層200
の表面、裏面もしくはその両面に磁性材料を塗布するこ
とによって形成するようにしても良い。具体的には、下
部配線層300の積層が終わった時点で、その下部配線
層300の表面(中間層200の裏面に当たる)上で磁
性路71,72を形成する領域に磁性材料を塗布する。
また、中間層200の積層が終わった時点で、その中間
層200の表面上で磁性路71,72を形成する領域に
磁性材料を塗布する。
【0081】この場合、図11のように中間層200に
磁性材料を堆積する場合と比べ、磁性路71,72の膜
厚は薄くなるが、磁束の結束を強める磁性路としては十
分なものである。また、磁性材料を単に塗布するだけで
良いので、製造プロセスを簡素化することができる。さ
らに、円形の磁性路71であっても容易に形成すること
が可能である。
【0082】なお、ここでは、上記図10、図12に示
した形状のインダクタンス素子に磁性路71,72を形
成する例について説明したが、図6〜図9に示した形状
のインダクタンス素子に磁性路を形成しても良い。ま
た、多層基板内に複数のインダクタンス素子を形成する
場合に、それぞれのインダクタンス素子ごとに磁性路を
形成するようにしても良い。
【0083】(第3の実施形態)次に、本発明の第3の
実施形態を図面に基づいて説明する。図13は、第3の
実施形態に係るインダクタンス素子のコイル状態を示す
上面図である。
【0084】図13において、実線で示す上部配線層に
は、本発明の第1の導電体に相当する複数の導体パター
ン81〜89が形成されている。このうち、2つの導体
パターン81,82は、図示しない端子電極に接続する
ための引き出し導体パターンを構成する。また、残りの
導体パターン83〜89は、トロイダルコイルを形成す
るためのコイル導体パターンを構成する。
【0085】本実施形態において、コイル導体パターン
83〜89は台形形状をしている。各コイル導体パター
ン83〜89は、台形の上辺(短い辺)が内側を向き、
下辺(長い辺)が外側を向くように形成されている。こ
こで、台形は幾何学的に厳密なものでなくても良い。例
えば、上辺あるいは下辺が曲線となった扇形であっても
良い。
【0086】点線で示す下部配線層には、本発明の第2
の導電体に相当する複数の導体パターン91〜98が形
成されている。これらの導体パターン91〜98も、ト
ロイダルコイルを形成するためのコイル導体パターンを
構成する。このコイル導体パターン91〜98も台形形
状をしており、台形の上辺(短い辺)が外側を向き、下
辺(長い辺)が内側を向くように形成されている。
【0087】また、中間層には、本発明の第3の導電体
に相当する複数のコンタクト部101〜116が形成さ
れている。これらのコンタクト部101〜116は、例
えば、スルーホールおよびその中に充填した導電材料に
より構成される。本実施形態において、上部配線層のコ
イル導体パターン83〜89と下部配線層のコイル導体
パターン91〜98との接続点に、コンタクト部を4個
ずつ(導体パターンの両側に2個ずつ)形成している。
【0088】図13に示すように、本実施形態において
も、上部配線層、中間層および下部配線層を下から順番
に積層し、上部配線層上の導体パターン81〜89と、
下部配線層上の導体パターン91〜98とを、中間層の
コンタクト部101〜116を介して螺旋状に接続する
ことにより、トロイダル状のコイルを1つの多層基板内
に形成する。このように形成されたインダクタンス素子
は、それ自身で閉じたコア(磁芯)を持つ閉磁路を構成
している。
【0089】このトロイダルコイルは、それ自身で閉磁
路を構成するので、漏れ磁束の発生は極めて少ない。し
かも、本実施形態では、導体パターン83〜89,91
〜98の形状を略台形もしくは略扇形とすることによ
り、少ない巻数であっても隣接する導体パターン間の間
隔を狭くして磁気的な結合を強くすることができ、漏れ
磁束の発生を更に抑制することができる。したがって、
極めて大きなL値を実現することができるとともに、図
示しない外部回路との干渉を少なくして外部回路への悪
影響を低減することができる。
【0090】また、このトロイダルコイルによって生じ
る磁束の方向は、積層面に対して平行な方向であるか
ら、漏れ磁束が半導体基板にかかることによる渦電流損
が発生することもなく、極めて高いQ値を実現すること
もできる。
【0091】特に、本実施形態のインダクタンス素子を
GHz帯の非常に高い周波数領域で用いる場合は、トロ
イダルコイルのコアを空芯とすることにより、非常に高
いQ値やL値を得ることができる。このとき、コイルの
巻数(導体パターンの形成数)をそれほど多くしなくて
も十分に高いQ値やL値を得ることができる。仮に巻数
を多くする場合でも、積層数を多くしたりコイルの占有
面積を大きくしたりする必要がなく、導体パターンの数
を増やすだけで対応することができる。したがって、本
実施形態のインダクタンス素子は、小型化および半導体
チップへの集積化に非常に適している。
【0092】また、本実施形態では、上部配線層の導体
パターン81〜89と下部配線層の導体パターン91〜
98とを接続するためにコンタクト部101〜116を
用いているが、このコンタクト部101〜116には数
Ωのコンタクト抵抗が生じる。そのため、トロイダル状
の閉磁路を構成することによってQ値を高めることがで
きる一方で、コンタクト抵抗の存在がQ値を下げる要因
ともなっている。
【0093】このようなQ値を下げる要因を除去するた
めに、本実施形態では、より多くのコンタクト部を設け
ている。これにより、コンタクト抵抗を極力小さくする
ことができ、Q値を効率よく高めることができる。な
お、コンタクト部の数を増やすのではなく、コンタクト
部の断面積をできるだけ大きくとることによっても、コ
ンタクト抵抗を小さくしてQ値を高くすることができ
る。また、コンタクト部の材料として、Auなどの電気
抵抗が少ない材料を用いることも有効な手段である。
【0094】図14は、第3の実施形態に係るインダク
タンス素子の他の構成例を示す図である。なお、図14
において、図1に示した構成要素と同一の構成要素には
同一の符号を付している。 図14において、上部配線層100には、本発明の第1
の導電体に相当する複数の導体パターン1〜9が形成さ
れている。
【0095】下部配線層300には、本発明の第2の導
電体に相当する複数の導体パターン121〜128が形
成されている。本実施形態において、下部配線層300
の導体パターン121〜128は、かぎ形(L字形)形
状をしている。下部配線層300の導体パターン121
〜128を構成するかぎ形の長辺と、上部配線層100
の導体パターン3〜9とは、各積層面上の略同じ位置に
形成されている。
【0096】また、中間層200には、本発明の第3の
導電体に相当する複数のコンタクト部21,22〜36
(奇数を除く),133〜145(偶数を除く)が形成
されている。これらのコンタクト部は、例えば、スルー
ホールおよびその中に充填した導電材料により構成され
る。本実施形態においては、上部配線層100のコイル
導体パターン3〜9と、下部配線層300のコイル導体
パターン122〜128との接続点に、コンタクト部を
4個(導体パターンの片側に1個、もう片側に3個)ず
つ形成している。
【0097】この図14の例においても、上部配線層1
00、中間層200および下部配線層300を下から順
番に積層する。そして、上部配線層100上の導体パタ
ーン1〜9と、下部配線層300上の導体パターン12
1〜128とを、中間層のコンタクト部21,22〜3
6,133〜145を介して螺旋状に接続することによ
り、トロイダル状のコイルを1つの多層基板内に形成す
る。
【0098】この場合、下部配線層300上の導体パタ
ーン121〜128に関しては、かぎ形の長辺のみが上
部配線層100上の導体パターン1〜9と対向し、短辺
に対向する導体パターンは存在しない。そのため、導体
パターン121〜128の長辺がトロイダルコイルの一
部を形成することになる。このように形成されたトロイ
ダル状のインダクタンス素子は、それ自身で閉じたコア
(磁芯)を持つ閉磁路を構成している。
【0099】このトロイダルコイルによって生じる磁束
の方向は、積層面に対して平行な方向であるから、漏れ
磁束が半導体基板にかかることによる渦電流損は発生す
ることがない。しかも、本実施形態では、上部配線層1
00のコイル導体パターン3〜9と、下部配線層300
のコイル導体パターン121〜128の長辺とを各積層
面のほぼ同位置に配置することにより、コンタクト部の
数を多くとることができる。したがって、コンタクト抵
抗を極力小さくすることができ、Q値を効率よく高める
ことができる。
【0100】また、図14のような形状の導体パターン
3〜9,121〜128によれば、図13のように台形
形状もしくは扇形形状とした導体パターン83〜89,
91〜98と比べて互いに対向する部分の面積が小さ
く、線間容量の発生を抑止することができるというメリ
ットも有する。
【0101】なお、ここでは上部配線層100のコイル
導体パターン3〜9と下部配線層300のコイル導体パ
ターン122〜128との接続点にコンタクト部を4個
ずつ設けたが、この数は単なる例である。上記4個のコ
ンタクト部を導体パターンの片側に1個、もう片側に3
個設ける配置も単なる例示に過ぎない。また、すべての
導体パターンにおいて必ずしもコンタクト部を4個設け
る必要はない。
【0102】また、ここではコンタクト部の数を多くす
ることによってコンタクト抵抗を小さくする例を示した
が、1つのコンタクト部の面積を大きくしたり、Auな
どの電気抵抗の小さい材料を用いることによってコンタ
クト抵抗を小さくするようにしても良い。
【0103】図15は、第3の実施形態に係るインダク
タンス素子の他の構成例を示す図である。なお、図15
において、図1に示した構成要素と同一の構成要素には
同一の符号を付している。
【0104】図15において、上部配線層100には、
本発明の第1の導電体に相当する複数の導体パターン1
51〜159が形成されている。このうち、2つの導体
パターン151,152は、図示しない端子電極に接続
するための引き出し導体パターンを構成する。また、残
りの導体パターン153〜159は、トロイダルコイル
を形成するためのコイル導体パターンを構成する。本実
施形態において、コイル導体パターン153〜159
は、かぎ形(逆L字形)形状をしている。
【0105】下部配線層300には、本発明の第2の導
電体に相当する複数の導体パターン161〜168が形
成されている。これらの導体パターン161〜168
は、トロイダルコイルを形成するためのコイル導体パタ
ーンを構成する。本実施形態において、コイル導体パタ
ーン162〜168は、かぎ形(L字形)形状をしてい
る。このコイル導体パターン162〜168のかぎ形の
折れ方向は、上部配線層100のコイル導体パターン1
53〜159の折れ方向と逆であり、かぎ形の短辺どう
しが各積層面の略同じ位置に形成されている。
【0106】また、中間層200には、本発明の第3の
導電体に相当する複数のコンタクト部21,22〜36
(奇数を除く),173〜185(偶数を除く)が形成
されている。これらのコンタクト部は、例えば、スルー
ホールおよびその中に充填した導電材料により構成され
る。本実施形態においては、上部配線層100のコイル
導体パターン153〜159と、下部配線層300のコ
イル導体パターン162〜168との接続点に、コンタ
クト部を4個(導体パターンの片側に1個、もう片側に
3個)ずつ形成している。
【0107】この図15の例においても、上部配線層1
00、中間層200および下部配線層300を下から順
番に積層する。そして、上部配線層100上の導体パタ
ーン151〜159と、下部配線層300上の導体パタ
ーン161〜168とを、中間層のコンタクト部21,
22〜36,173〜185を介して螺旋状に接続する
ことにより、トロイダル状のコイルを1つの多層基板内
に形成する。このように形成されたトロイダル状のイン
ダクタンス素子は、それ自身で閉じたコア(磁芯)を持
つ閉磁路を構成している。
【0108】このトロイダルコイルによって生じる磁束
の方向は、積層面に対して平行な方向であるから、漏れ
磁束が半導体基板にかかることによる渦電流損が発生す
ることはない。しかも、本実施形態では、上部配線層1
00のコイル導体パターン153〜159の短辺と、下
部配線層300のコイル導体パターン162〜168の
短辺とを各積層面のほぼ同位置に配置することにより、
コンタクト部の数を多くとることができる。したがっ
て、コンタクト抵抗を極力小さくすることができ、Q値
を効率よく高めることができる。また、線間容量の発生
を抑止することもできる。
【0109】なお、ここでは上部配線層100のコイル
導体パターン153〜159と下部配線層300のコイ
ル導体パターン162〜168との接続点にコンタクト
部を4個ずつ設けたが、この数は単なる例示である。上
記4個のコンタクト部を導体パターンの片側に1個、も
う片側に3個設ける配置も単なる例示に過ぎない。ま
た、すべての導体パターンにおいて必ずしもコンタクト
部を4個設ける必要はない。
【0110】また、ここではコンタクト部の数を多くす
ることによってコンタクト抵抗を小さくする例を示した
が、1つのコンタクト部の面積を大きくしたり、Auな
どの電気抵抗の小さい材料を用いることによってコンタ
クト抵抗を小さくするようにしても良い。
【0111】また、ここで示した図13〜図15は単な
る例であって、これに限定されるものではない。図13
〜図15は何れも図1をベースに導体パターンの形状を
かぎ形に変形したものであるが、図6〜図9などをベー
スに導体パターンの形状をかぎ形に変形するようにして
も良い。また、導体パターンを台形やかぎ形にせず、短
冊形状を太くすることによってコンタクト部の面積を大
きくできるようにしても良い。
【0112】要は、上部配線層の導体パターンと下部配
線層の導体パターンの形状、大きさおよび配置の少なく
とも1つに関して、各層の導体パターンの互いに対向す
る部分の面積が所定値より大きくなるようにするもので
あれば、すべて本発明に含まれる。ここで言う所定値
は、例えば、第1および第2の実施形態で説明したコン
タクト部1個分の面積値を言う。好ましくは、本実施形
態のインダクタンス素子が適用される無線通信端末に関
するQ値やL値の規格レベルを満足するのに十分なほど
コンタクト抵抗を小さくできるような面積値である。
【0113】また、多層基板内で積層面に対して垂直な
方向に複数のインダクタンス素子を形成する場合に、そ
れぞれのインダクタンス素子を図13〜図15のように
形成するようにしても良い。また、図10〜図12に示
した第2の実施形態と同様に、図13〜図15のような
導体パターンを用いて形成したトロイダルコイルの中間
層200に磁性路を形成するようにしても良い。また、
第1〜第3の実施形態で説明した内容を任意に組み合わ
せて適用することが可能である。
【0114】その他、以上に説明した各実施形態は、何
れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示し
たものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が
限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、
本発明はその精神、またはその主要な特徴から逸脱する
ことなく、様々な形で実施することができる。
【0115】
【発明の効果】本発明は上述したように、上層の導体と
下層の導体とを中間層の導体を挟んでコイル状に接続し
たので、形成されるコイルそれ自体で閉じたコアを持つ
閉磁路が構成され、漏れ磁束の発生を抑制することが可
能となる。これにより、大きなインダクタンス(L)値
を実現することができるとともに、外部回路への悪影響
を格段に低減することができる。しかも、発生する磁束
の方向は積層面に対して平行な方向であるので、漏れ磁
束が半導体の積層基板にかかることによって発生する渦
電流損も格段に低減することができ、GHz級の超高周
波領域においても極めて高い品質係数(Q)値を実現す
ることができる。
【0116】また、本発明の他の特徴によれば、中間層
において積層面に対して平行な方向に磁性路を形成した
ので、形成された磁性路によって、コイル状の導体によ
って発生する磁束の結合を強めることができ、コイル外
部への磁束の漏れを更に抑制することができる。これに
より、L値を高めることができるとともに、漏れ磁束に
よる渦電流損の発生を抑えてQ値を高めることができ
る。
【0117】また、本発明のその他の特徴によれば、上
層に形成された第1の導電体と下層に形成された第2の
導電体の形状、大きさおよび配置の少なくとも1つに関
し、各層の導電体の互いに対向する部分の面積が所定値
より大きくなるように第1および第2の導電体を形成す
るようにしたので、コンタクト部の数や面積などを大き
くとることができ、コンタクト抵抗を小さく抑えてQ値
を効率よく高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係るインダクタンス素子の各
層の構成例を示す図である。
【図2】第1の実施形態に係るインダクタンス素子のコ
イル状態を示す上面図である。
【図3】第1の実施形態に係るインダクタンス素子のあ
る軸を通る断面図である。
【図4】第1の実施形態に係るインダクタンス素子の製
造方法を示す図である。
【図5】第1の実施形態に係るインダクタンス素子の製
造方法を示す図である。
【図6】第1の実施形態に係るインダクタンス素子の他
の構成例を示す上面図である。
【図7】第1の実施形態に係るインダクタンス素子の他
の構成例を示す上面図である。
【図8】第1の実施形態に係るインダクタンス素子の他
の構成例を示す上面図である。
【図9】第1の実施形態に係るインダクタンス素子の他
の構成例を示す上面図である。
【図10】第2の実施形態に係るインダクタンス素子の
コイル状態を示す上面図である。
【図11】第2の実施形態に係るインダクタンス素子の
ある軸を通る断面図である。
【図12】第2の実施形態に係るインダクタンス素子の
他の構成例を示す上面図である。
【図13】第3の実施形態に係るインダクタンス素子の
コイル状態を示す上面図である。
【図14】第3の実施形態に係るインダクタンス素子の
他の構成例を示す図である。
【図15】第3の実施形態に係るインダクタンス素子の
他の構成例を示す図である。
【符号の説明】
1,2 引き出し導体パターン 3〜9 コイル導体パターン 11〜18 コイル導体パターン 21〜36 コンタクト部 38 絶縁材料 71,72 磁性路 100 上部配線層 200 中間層 300 下部配線層

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上層に形成された第1の導電体と、下層
    に形成された第2の導電体とを、上記上層と上記下層と
    の間の中間層に形成された第3の導電体を挟んでコイル
    状に接続することによって閉磁路を構成したことを特徴
    とするインダクタンス素子。
  2. 【請求項2】 上部配線層において積層面に対して平行
    な方向に形成された第1の導電体と、 下部配線層において積層面に対して平行な方向に形成さ
    れた第2の導電体と、 上記上部配線層と上記下部配線層との間の中間層におい
    て積層面に対して垂直な方向に形成された第3の導電体
    とを備え、 上記第1〜第3の導電体をトロイダルコイル状に接続す
    ることによって閉磁路を構成したことを特徴とするイン
    ダクタンス素子。
  3. 【請求項3】 上記中間層を絶縁材料もしくは誘電材料
    により形成したことを特徴とする請求項1または2に記
    載のインダクタンス素子。
  4. 【請求項4】 上記中間層において積層面に対して平行
    な方向に磁性路を形成したことを特徴とする請求項3に
    記載のインダクタンス素子。
  5. 【請求項5】 上記磁性路は、上記中間層において堆積
    された磁性材料により形成されることを特徴とする請求
    項4に記載のインダクタンス素子。
  6. 【請求項6】 上記磁性路は、上記中間層の表面、裏面
    もしくはその両面に塗布された磁性材料により形成され
    ることを特徴とする請求項4に記載のインダクタンス素
    子。
  7. 【請求項7】 上記磁性路は円、楕円もしくはこれらの
    リング形状であることを特徴とする請求項4〜6の何れ
    か1項に記載のインダクタンス素子。
  8. 【請求項8】 上記磁性路は多角形もしくはそのリング
    形状であることを特徴とする請求項4〜6の何れか1項
    に記載のインダクタンス素子。
  9. 【請求項9】 上記第1の導電体および上記第2の導電
    体の形状は、直線状の短冊形であることを特徴とする請
    求項1〜8の何れか1項に記載のインダクタンス素子。
  10. 【請求項10】 上記第1の導電体および上記第2の導
    電体の形状は、略台形もしくは略扇形であることを特徴
    とする請求項1〜8の何れか1項に記載のインダクタン
    ス素子。
  11. 【請求項11】 上記第1の導電体および上記第2の導
    電体の形状は、少なくとも一方がかぎ形であることを特
    徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載のインダクタ
    ンス素子。
  12. 【請求項12】 上記第1の導電体および上記第2の導
    電体の形状、大きさ、配置の少なくとも1つに関して、
    上記第1の導電体および上記第2の導電体の積層面に対
    して垂直な方向に互いに対向する面積が所定値より大き
    くなるように上記第1の導電体および上記第2の導電体
    を形成したことを特徴とする請求項1〜8の何れか1項
    に記載のインダクタンス素子。
  13. 【請求項13】 上記第1の導電体と上記第2の導電体
    とを上記第3の導電体を挟んで接続するコンタクト部
    を、上記第1の導電体と上記第2の導電体との接続点に
    それぞれ2個以上形成したことを特徴とする請求項1〜
    12の何れか1項に記載のインダクタンス素子。
  14. 【請求項14】 上記第1の導電体、上記第2の導電体
    および上記第3の導電体から成る上記閉磁路を、多層構
    造から成る半導体装置の最上層以外の層を用いて構成し
    たことを特徴とする請求項1〜13の何れか1項に記載
    のインダクタンス素子。
  15. 【請求項15】 多層構造の半導体装置に形成されたイ
    ンダクタンス素子であって、 上記多層構造のうちの第1の層において積層面に対して
    平行な方向に形成された第1の導電体と、 上記第1の層に隣接しない第2の層において積層面に対
    して平行な方向に形成された第2の導電体と、 上記第1の層と上記第2の層との間にある1もしくは複
    数の層において積層面に対して垂直な方向に形成された
    第3の導電体とを備え、 上記第1〜第3の導電体をコイル状に接続することによ
    って閉磁路を構成したことを特徴とするインダクタンス
    素子。
  16. 【請求項16】 多層構造の半導体装置に形成されたイ
    ンダクタンス素子であって、 上層に形成された第1の導電体と、下層に形成された第
    2の導電体とを、上記上層と上記下層との間の中間層に
    形成された第3の導電体を挟んでコイル状に接続するこ
    とによって閉磁路を構成し、 上記半導体装置の複数の層を用いて上記閉磁路を複数構
    成したことを特徴とするインダクタンス素子。
  17. 【請求項17】 上層において積層面に対して平行な方
    向に形成された複数組の第1の導電体と、 下層において積層面に対して平行な方向に形成された複
    数組の第2の導電体と、 上記上層と上記下層との間の中間層において積層面に対
    して垂直な方向に形成された複数組の第3の導電体とを
    備え、 上記複数組の第1〜第3の導電体をそれぞれの組毎にコ
    イル状に接続することによって、複数の閉磁路を同心状
    に構成したことを特徴とするインダクタンス素子。
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