JPH10214724A - インダクタおよびトランス - Google Patents

インダクタおよびトランス

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Publication number
JPH10214724A
JPH10214724A JP1561197A JP1561197A JPH10214724A JP H10214724 A JPH10214724 A JP H10214724A JP 1561197 A JP1561197 A JP 1561197A JP 1561197 A JP1561197 A JP 1561197A JP H10214724 A JPH10214724 A JP H10214724A
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JP
Japan
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lower electrode
inductor
electrode
transformer
main surface
Prior art date
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Pending
Application number
JP1561197A
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English (en)
Inventor
Yutaka Sasaki
豊 佐々木
Hiroaki Tanaka
裕明 田中
Yohei Ishikawa
容平 石川
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁束の漏れが少なく、低損失で、薄型で、基
板の利用効率の高いインダクタを提供する。 【解決手段】 絶縁体基板2の一方主面2a上に略放射
状に複数の下部電極3を形成し、下部電極3の上にリン
グ状の磁性体膜4を形成し、磁性体膜4の上に複数の上
部電極5を、下部電極3の一端が、その下部電極3の片
側に隣接する別の下部電極3の他端と接続するように形
成し、結果的に下部電極3と上部電極5が磁性体膜4を
周回してらせん状に交互に連続的につながってトロイダ
ルコイルを形成する。 【効果】 磁束の漏れが少なく、損失の少ないインダク
タを形成することができる。また、膜構造であるため薄
型化、小形化が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインダクタおよびト
ランス、特に平面に形成されたトロイダル状のインダク
タおよびトランスに関する。
【0002】
【従来の技術】図12に、従来のインダクタの例を示
す。また図13に、図12に示したインダクタのE−E
断面を示す。図12および図13は平面状のインダクタ
の例である。図12および図13において、インダクタ
100は絶縁体基板101の一方主面101aにスパイ
ラル状の電極102と入出力用の電極103を形成し、
他方主面101bには電極104を形成し、電極102
の他端と電極104の一端をスルーホール105で接続
し、電極104の他端と電極103の一端をスルーホー
ル106で接続して構成している。なお、電極102の
一端には入力端子107が、電極103の他端には出力
端子108が接続されている。
【0003】このように構成することによって、電極1
02の微細加工によって、比較的簡単に、小形で高精度
のインダクタが得られる。
【0004】図14に、従来のインダクタの別の例を示
す。また図15に、図14に示したインダクタのF−F
断面を示す。図14および図15は基板の厚みを立体的
に利用したインダクタの例である。図14および図15
において、インダクタ110は絶縁体基板111、絶縁
体基板111の一方主面111aに略放射状に形成され
た複数のストリップ状の電極112、絶縁体基板111
の他方主面111bに略放射状に形成された複数のスト
リップ状の電極113、絶縁体基板111を介して電極
112と電極113を交互に接続するためのスルーホー
ル114で構成されている。電極112の一端は、一部
を除いてそれぞれスルーホール114と電極113を介
して片側に隣接する他の電極112の他端に接続されて
いるため、電極112と電極113がスルーホール11
4を介してらせん状に交互に連続的につながり、結果的
にトロイダルコイルを形成している。なお、連続的に接
続された電極112および113の一端には入力端子1
15が、他端には出力端子116が接続されている。
【0005】このようにトロイダルコイル形状に構成す
ることによって、磁束の漏れが少なく、安定で低損失の
インダクタが得られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来例において、まず図12に示した平面状のインダク
タにおいては、磁束の漏れが多く、損失が増えたり外部
の回路に対して悪影響を与える可能性がある。また、浮
遊容量が大きく、インダクタンスの周波数特性が悪くて
高周波領域では使いにくいという問題がある。
【0007】また、図14に示した従来例においては、
磁束の漏れが少なく安定なインダクタンスが得られる
が、絶縁体基板にスルーホールを形成するため、加工コ
ストが高くなり、またスルーホールへの電極の形成が難
しいという問題がある。さらに、基板の両面を利用する
ために、基板上に他の回路を搭載する場合などに基板面
積の利用効率が悪くなるという問題もある。
【0008】本発明は上記問題点を解決することを目的
とするもので、磁束の漏れが少なく、薄型で、基板の利
用効率の高いインダクタを提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のインダクタは、略放射状に形成した複数個
のストリップ状の下部電極と、前記下部電極の上に形成
した絶縁体膜と、前記絶縁体膜の上に略放射状に形成し
た上部電極からなり、前記上部電極は、一部を除いて前
記下部電極の一端と、その片側に隣接する他の前記下部
電極の他端をそれぞれ接続して形成し、前記上部電極と
前記下部電極によりトロイダルコイルを構成したことを
特徴とする。
【0010】また、本発明のインダクタは、前記トロイ
ダルコイルを、その表面が絶縁性を有する基板の一方主
面上もしくは一方主面と他方主面の両面上に、1層で形
成、もしくは、間に絶縁体層を介して複数層積み重ねて
形成したことを特徴とする。
【0011】また、本発明のインダクタは、前記絶縁体
膜は、前記下部電極の上に、前記下部電極の一端および
他端を除いてリング状に形成したことを特徴とする。
【0012】また、本発明のインダクタは、前記絶縁体
膜の、前記下部電極の一端および他端に対応する部分に
スルーホールを設け、前記下部電極と前記上部電極を、
前記スルーホールを介してそれぞれ接続したことを特徴
とする。
【0013】また、本発明のインダクタは、複数層積み
重ねて形成した前記トロイダルコイルの一部もしくは全
部を互いに直列に接続したことを特徴とする。
【0014】また、本発明のトランスは、略放射状に形
成した複数個のストリップ状の下部電極と、前記下部電
極の上に形成した絶縁体膜と、前記絶縁体膜の上に略放
射状に形成した上部電極からなり、前記上部電極を、一
部を除いて前記下部電極の一端と、その片側に1つ以上
おいて隣接する他の前記下部電極の他端をそれぞれ接続
して形成し、前記上部電極と前記下部電極によりトロイ
ダルトランスを構成したことを特徴とする。
【0015】また、本発明のトランスは、前記トロイダ
ルトランスを、その表面が絶縁性を有する基板の一方主
面上もしくは一方主面と他方主面の両面上に、1層で形
成、もしくは、間に絶縁体層を介して複数層積み重ねて
形成したことを特徴とする。
【0016】また、本発明のトランスは、前記絶縁体膜
は、前記下部電極の上に、前記下部電極の一端および他
端を除いてリング状に形成したことを特徴とする。
【0017】また、本発明のトランスは、前記絶縁体膜
の、前記下部電極の一端および他端に対応する部分にス
ルーホールを設け、前記下部電極と前記上部電極を、前
記スルーホールを介してそれぞれ接続したことを特徴と
する。
【0018】また、本発明のトランスは、複数層積み重
ねて形成した前記トロイダルトランスの一部もしくは全
部を、それぞれ互いに直列に接続したことを特徴とす
る。
【0019】このように構成することによって、本発明
のインダクタおよびトランスは、インダクタンス値が高
く、薄型で、基板の利用効率が高いものとなる。
【0020】
【発明の実施の形態】図1に、本発明のインダクタの一
実施例を示す。また、図2および図3に、図1の実施例
のA−A断面およびB−B断面を示す。
【0021】図1ないし図3において、インダクタ1は
その表面が絶縁性を有する基板である絶縁体基板2、絶
縁体基板2の一方主面2a上に形成された複数の下部電
極3、下部電極3の上に形成された絶縁体膜である磁性
体膜4、磁性体膜4の上に形成された複数の上部電極5
で構成される。
【0022】ここで、下部電極3は絶縁体基板2の中心
部分から外縁部分に向かって略放射状に形成される。ま
た、磁性体膜4は下部電極3の両端を除いて、絶縁体基
板2上および下部電極3上にリング状に形成される。そ
して、上部電極5は、一部を除いて下部電極3の一端
が、その下部電極3の片側に隣接する他の下部電極3の
他端と接続するように重ね合わせて、下部電極3と同様
に略放射状に形成される。なお、ここでは下部電極3の
一端とは、略放射状に形成された下部電極3の外側の端
を、同じく他端とは内側の端を意味する。この結果、下
部電極3と上部電極5が磁性体膜4を周回してらせん状
に交互に連続的につながり、最終的に磁性体膜4をコア
とするトロイダルコイルを形成することになる。そして
連続的に接続された電極の両端は、入力端子6および出
力端子7に接続されている。
【0023】このように構成されたインダクタ1は、基
本的にトロイダルコイルであるため磁束の漏れが少な
く、その結果損失が少なく、周辺の部品への悪影響も少
ないインダクタとなる。また巻線を形成する下部電極3
と上部電極5、およびコアを形成する磁性体膜4のすべ
てを膜構造としているため、容易に形成でき、さらに薄
型化を図ることができる。
【0024】なお、図1の実施例においては下部電極3
および上部電極5の隣接する電極間は比較的間隔が開い
ているが、電極の幅を広げてこの電極間の間隔をできる
だけ狭くすることによって、磁束の漏れをさらに少なく
して、損失や周辺の部品への悪影響をさらに小さくする
ことができる。
【0025】図4に、本発明のインダクタの別の実施例
を示す。図4は図1のB−B断面に対応する断面図で、
上面図は図1の実施例とほぼ同等であるため省略する。
図4において、インダクタ10は、その表面が絶縁性を
有する基板である絶縁体基板11、絶縁体基板11の一
方主面11aに形成された複数の下部電極12、下部電
極12の上に形成された絶縁体膜である磁性体膜13、
磁性体膜13の上に形成された複数の上部電極14、上
部電極14の上に形成された絶縁体層15、絶縁体層1
5の上に形成された複数の下部電極16、下部電極16
の上に形成された磁性体膜17、磁性体膜17の上に形
成された複数の上部電極18で構成される。
【0026】ここで、下部電極12、磁性体膜13およ
び上部電極14の構成は、図1の実施例における下部電
極3、磁性体膜4および上部電極5の構成と同様で、下
部電極12と上部電極14をらせん状に交互に連続的に
接続して磁性体膜13をコアとして周回してトロイダル
コイルを形成している。また、下部電極16、磁性体膜
17および上部電極18の構成も、同様にトロイダルコ
イルを形成している。
【0027】このように構成されたインダクタ10は、
絶縁体層15を間に挟んで層状に2つのトロイダルコイ
ルが形成されているため、2個のインダクタを個別に形
成する場合に比べて占有面積が小さく、しかも各トロイ
ダルコイルは磁束の漏れが少ないため相互の結合は少な
く、2つの小形で高性能のインダクタを構成することが
できる。
【0028】なお、図4の実施例においては、2つのト
ロイダルコイルを絶縁体層15を介して形成したが、こ
れは2つに限るものではなく、3つ以上のトロイダルコ
イルを、それぞれ絶縁体層を介して形成しても、同様の
効果を得ることができる。また、個々のトロイダルコイ
ルを独立させず、その一部あるいは全てを直列に接続す
ることにより、さらにインダクタンス値の高いインダク
タを作成することもできる。
【0029】図5に、本発明のインダクタのさらに別の
実施例を示す。図5は図1のB−B断面に対応する断面
図で、上面図は図1の実施例とほぼ同等であるため省略
する。図5において、インダクタ20は、その表面が絶
縁性を有する基板である絶縁体基板21、絶縁体基板2
1の一方主面21aに形成された複数の下部電極22、
下部電極22の上に形成された絶縁体膜である磁性体膜
23、磁性体膜23の上に形成された複数の上部電極2
4、絶縁体基板21の他方主面21bに形成された複数
の下部電極25、下部電極25の上に形成された磁性体
膜26、磁性体膜26の上に形成された複数の上部電極
27で構成される。
【0030】ここで、下部電極22、磁性体膜23およ
び上部電極24の構成は、図1の実施例における下部電
極3、磁性体膜4および上部電極5の構成と同様で、下
部電極22と上部電極24をらせん状に交互に連続的に
接続して磁性体膜23をコアとして周回してトロイダル
コイルを形成している。また、下部電極25、磁性体膜
26および上部電極27の構成も、同様にトロイダルコ
イルを形成している。
【0031】このように構成されたインダクタ20は、
絶縁体基板21の一方主面21aと他方主面21bの両
面にトロイダルコイルが形成されているため、2個のイ
ンダクタを個別に形成する場合に比べて占有面積が小さ
く、しかも各トロイダルコイルは磁束の漏れが少ないた
め相互の結合は少なく、2つの小形で高性能のインダク
タを構成することができる。
【0032】なお、図5の実施例においては、絶縁体基
板21の一方主面21aおよび他方主面21bに形成し
たトロイダルコイルをそれぞれ1つとしたが、これは1
つに限られるものではなく、図4の実施例に示したよう
に、絶縁体層を介して複数のトロイダルコイルを形成し
ても、同様の効果を得ることができる。また、絶縁体基
板21の一方主面21aと他方主面21bにそれぞれ形
成したトロイダルコイルを独立させず、絶縁体基板21
に形成したスルーホールなどを介して、その一部あるい
は全てを直列に接続することにより、さらにインダクタ
ンス値の高いインダクタを作成することもできる。
【0033】図6に、本発明のインダクタのさらに別の
実施例を示す。また、図7および図8に、図6の実施例
のC−C断面およびD−D断面を示す。
【0034】図6ないし図8において、インダクタ30
はその表面が絶縁性を有する基板である絶縁体基板3
1、絶縁体基板31の一方主面31a上に形成された複
数の下部電極32、下部電極32の上に一方主面31a
のほぼ全面に渡って形成された絶縁体膜である磁性体膜
33、磁性体膜33に形成されたスルーホール34、磁
性体膜33の上に形成された複数の上部電極35で構成
される。
【0035】ここで、下部電極32は絶縁体基板31の
中心部分から外縁部分に向かって略放射状に形成され
る。また、スルーホール34は絶縁体層33の、下部電
極32の一端および他端に当たる部分に対応して形成さ
れる。そして、上部電極35は下部電極32の一端が、
その下部電極32の片側に隣接する他の下部電極32の
他端と接続するように、スルーホール34を介して略放
射状に形成される。なお、ここでは、下部電極32の一
端とは、略放射状に形成された下部電極32の外側の端
を、同じく他端とは内側の端を意味する。この結果、下
部電極32と上部電極35がスルーホール34を介して
らせん状に交互に連続的につながって、磁性体膜33の
一部を周回し、最終的に磁性体膜33の一部をコアとす
るトロイダルコイルを形成することになる。そして連続
的に接続された電極の両端は、入力端子36および出力
端子37に接続されている。
【0036】このように構成されたインダクタ30は、
基本的にトロイダルコイルであるため磁束の漏れは少な
く、その結果損失が少なく、周辺の部品への悪影響も少
ないインダクタとなる。スルーホール34は印刷やエッ
チングなどによって形成することができ、また巻線を形
成する下部電極32と上部電極35、およびコアを形成
する磁性体膜33のすべてを膜構造としているため、容
易に形成でき、さらに薄型化を図ることができる。
【0037】図9に、本発明のインダクタの別の実施例
を示す。図9は図6のC−C断面に対応する断面図で、
上面図は図6の実施例とほぼ同等であるため省略する。
図9において、インダクタ40は、その表面が絶縁性を
有する基板である絶縁体基板41、絶縁体基板41の一
方主面41aに形成された複数の下部電極42、下部電
極42の上に一方主面41aのほぼ全面に渡って形成さ
れた絶縁体膜である磁性体膜43、磁性体膜43に形成
されたスルーホール44、磁性体膜43の上に形成され
た複数の上部電極45、上部電極45の上に一方主面4
1aのほぼ全面に渡って形成された絶縁体層46、絶縁
体層46の上に形成された複数の下部電極47、下部電
極47の上に一方主面41aのほぼ全面に渡って形成さ
れた磁性体膜48、磁性体膜48に形成されたスルーホ
ール49、磁性体膜48の上に形成された複数の上部電
極50で構成される。
【0038】ここで、下部電極42、磁性体膜43、ス
ルーホール44および上部電極45の構成は、図6の実
施例における下部電極32、磁性体膜33、スルーホー
ル34および上部電極35の構成と同様で、下部電極4
2と上部電極45をスルーホール44を介してらせん状
に交互に連続的に接続して磁性体膜43の一部をコアと
して周回してトロイダルコイルを形成している。また、
下部電極47、磁性体膜48、スルーホール49および
上部電極50の構成も、同様にトロイダルコイルを形成
している。
【0039】このように構成されたインダクタ40は、
絶縁体層46を間に挟んで層状に2つのトロイダルコイ
ルが形成されているため、2個のインダクタを個別に形
成する場合に比べて占有面積が小さく、しかも各トロイ
ダルコイルは磁束の漏れが少ないため相互の結合は少な
く、2つの小形で高性能のインダクタを構成することが
できる。
【0040】なお、図9の実施例においては、2つのト
ロイダルコイルを絶縁体層46を介して形成したが、こ
れは2つに限るものではなく、3つ以上のトロイダルコ
イルを、それぞれ絶縁体層を介して形成しても、同様の
効果を得ることができる。また、個々のトロイダルコイ
ルを独立させず、その一部あるいは全てを直列に接続す
ることにより、さらにインダクタンス値の高いインダク
タを作成することもできる。
【0041】図10に、本発明のインダクタのさらに別
の実施例を示す。図10は図6のD−D断面に対応する
断面図で、上面図は図6の実施例とほぼ同等であるため
省略する。図10において、インダクタ60は、その表
面が絶縁性を有する基板である絶縁体基板61、絶縁体
基板61の一方主面61aに形成された複数の下部電極
62、下部電極62の上に形成された絶縁体膜である磁
性体膜63、磁性体膜63に形成されたスルーホール6
4、磁性体膜63の上に形成された複数の上部電極6
5、絶縁体基板61の他方主面61bに形成された複数
の下部電極66、下部電極66の上に形成された磁性体
膜67、磁性体膜67に形成されたスルーホール68、
磁性体膜67の上に形成された複数の上部電極69で構
成される。
【0042】ここで、下部電極62、磁性体膜63、ス
ルーホール64および上部電極65の構成は、図6の実
施例における下部電極32、磁性体膜33、スルーホー
ル34および上部電極35の構成と同様で、下部電極6
2と上部電極65をスルーホール64を介してらせん状
に交互に連続的に接続して磁性体膜63の一部をコアと
して周回してトロイダルコイルを形成している。また、
下部電極66、磁性体膜67、スルーホール68および
上部電極69の構成も、同様にトロイダルコイルを形成
している。
【0043】このように構成されたインダクタ60は、
絶縁体基板61の一方主面61aと他方主面61bの両
面にトロイダルコイルが形成されているため、2個のイ
ンダクタを個別に形成する場合に比べて占有面積が小さ
く、しかも各トロイダルコイルは磁束の漏れが少ないた
め相互の結合は少なく、2つの小形で高性能のインダク
タを構成することができる。
【0044】なお、図10の実施例においては、絶縁体
基板61の一方主面61aおよび他方主面61bに形成
したトロイダルコイルをそれぞれ1つとしたが、これは
1つに限られるものではなく、図9の実施例に示したよ
うに、絶縁体層を介して複数のトロイダルコイルを形成
しても、同様の効果を得ることができる。また、絶縁体
基板61の一方主面61aと他方主面61bにそれぞれ
形成したトロイダルコイルを独立させず、絶縁体基板6
1に形成したスルーホールなどを介して、その一部ある
いは全てを直列に接続することにより、さらにインダク
タンス値の高いインダクタを作成することもできる。
【0045】図11に、本発明のトランスの一実施例を
示す。図11において、トランス70はその表面が絶縁
性を有する基板である絶縁体基板71、絶縁体基板71
の一方主面71a上に形成された複数の下部電極72、
下部電極72の上に形成された絶縁体膜である磁性体膜
73、磁性体膜73の上に形成された複数の上部電極7
4で構成される。
【0046】ここで、下部電極72は略放射状に形成さ
れる。また、磁性体膜73は下部電極72の両端を除い
て、絶縁体基板71上および下部電極72上にリング状
に形成される。そして、上部電極74は下部電極72の
一端が、その下部電極72の片側に1つおいて隣接する
他の下部電極72の他端と接続するように重ね合わせ
て、下部電極72と同様に略放射状に形成される。な
お、ここでは下部電極72の一端とは、略放射状に形成
された下部電極72の外側の端を、同じく他端とは内側
の端を意味する。この結果、下部電極72と上部電極7
4が磁性体膜73を2重らせん状に周回して交互に連続
的につながり、最終的に磁性体膜73をコアとする2つ
のトロイダルコイルによるトランス(以後トロイダルト
ランスと称する)を形成することになる。そして連続的
に接続された電極の両端は、入力端子75、76、およ
び出力端子77、78に接続されている。
【0047】このように構成されたトランス70は、2
つのトロイダルコイルによって形成されているため磁束
の漏れは少なく、その結果損失の少ない、高効率のトラ
ンスとなる。また巻線を形成する下部電極72と上部電
極74、およびコアを形成する磁性体膜73のすべてを
膜構造としているため、容易に形成でき、さらに薄型化
を図ることができる。
【0048】なお、図11の実施例においては、下部電
極72を片側に1つおいて隣接する他の下部電極72と
接続することによって、トランス70を2つのトロイダ
ルコイルによるものとしたが、必要に応じて2つ以上お
いて隣接する下部電極と接続するなどにより、3つ以上
のトロイダルコイルによるものとすることもできる。ま
た、図11の実施例のような2重らせん構造とせず、1
重らせんのコイルを途中で切って2つのコイルとした形
でトランスを形成することもできる。また、絶縁体基板
71の一方主面71aの上に1つのトロイダルトランス
を形成したが、これは1つのトロイダルトランスに限る
ものではなく、また一方主面71aのみに限るものでも
なく、図4の実施例に示したような方法で絶縁体層を介
してトロイダルトランスを多層にしたり、図5の実施例
に示した方法で、絶縁体基板の両面にトロイダルトラン
スを形成したりすることによって、1つの絶縁体基板に
複数のトロイダルトランスを形成し、必要に応じてそれ
らの一部あるいは全部を直列に接続することもできる。
また、図6ないし図10の実施例に示したように、絶縁
体基板の全面に磁性体膜を形成して下部電極と上部電極
をスルーホールで接続する方法においても、図11と同
様のトランスを形成することができる。
【0049】なお、以上の実施例においては、いずれの
インダクタおよびトランスにおいても、トロイダルコイ
ルの途中に必要に応じてタップを設けることも容易にで
きる。さらには、1つの絶縁体基板に絶縁体層を介して
インダクタとトランスの両方を同時に形成することもで
きる。加えて、以上の実施例においてはトロイダルコイ
ルのコア材となる絶縁体膜として磁性体膜を使用した
が、これは誘電体膜としても同様の効果を得ることがで
きる。
【0050】
【発明の効果】本発明のインダクタにおいては、絶縁体
基板の上に略放射状の下部電極と絶縁体膜と略放射状の
上部電極を形成し、下部電極と上部電極を連続的に接続
してトロイダルコイルを形成することによって、磁束の
漏れが少ないため損失を少なくでき、周囲の回路に悪影
響を与えることもない。また、インダクタを形成する電
極とトロイダルコイルのコアを形成する絶縁体膜のいず
れもが膜構造であるため薄型化、小形化を図ることがで
きる。さらに、トロイダルコイルを絶縁体層を介して複
数個形成したり、絶縁体基板の両面に形成したりしたも
のを直列に接続することによって、容易にインダクタン
ス値を大きくすることもできる。
【0051】また、本発明のトランスにおいても、上記
のインダクタと同様に低損失、小形化を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインダクタの一実施例を示す透視図で
ある。
【図2】図1の実施例の断面図である。
【図3】図1の実施例の断面図である。
【図4】本発明のインダクタの別の実施例を示す断面図
である。
【図5】本発明のインダクタのさらに別の実施例を示す
断面図である。
【図6】本発明のインダクタのさらに別の実施例を示す
透視図である。
【図7】図6の実施例の断面図である。
【図8】図6の実施例の断面図である。
【図9】本発明のインダクタのさらに別の実施例を示す
断面図である。
【図10】本発明のインダクタのさらに別の実施例を示
す断面図である。
【図11】本発明のトランスの一実施例を示す透視図で
ある。
【図12】従来のインダクタの例を示す透視図である。
【図13】図12の従来例の断面図である。
【図14】従来のインダクタの別の例を示す透視図であ
る。
【図15】図14の従来例の断面図である。
【符号の説明】
1…インダクタ 2…絶縁体基板 2a…一方主面 3…下部電極 4…磁性体層 5…上部電極 6…入力端子 7…出力端子

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略放射状に形成した複数個のストリップ
    状の下部電極と、 前記下部電極の上に形成した絶縁体膜と、 前記絶縁体膜の上に略放射状に形成した上部電極からな
    り、 前記上部電極を、一部を除いて前記下部電極の一端と、
    その片側に隣接する他の前記下部電極の他端をそれぞれ
    接続して形成し、前記上部電極と前記下部電極によりト
    ロイダルコイルを構成したことを特徴とするインダク
    タ。
  2. 【請求項2】 前記トロイダルコイルを、その表面が絶
    縁性を有する基板の一方主面上もしくは一方主面と他方
    主面の両面上に、1層で形成、もしくは、間に絶縁体層
    を介して複数層積み重ねて形成したことを特徴とする、
    請求項1に記載のインダクタ。
  3. 【請求項3】 前記絶縁体膜は、前記下部電極の上に、
    前記下部電極の一端および他端を除いてリング状に形成
    したことを特徴とする、請求項1または2に記載のイン
    ダクタ。
  4. 【請求項4】 前記絶縁体膜の、前記下部電極の一端お
    よび他端に対応する部分にスルーホールを設け、 前記下部電極と前記上部電極を、前記スルーホールを介
    してそれぞれ接続したことを特徴とする、請求項1また
    は2に記載のインダクタ。
  5. 【請求項5】 複数層積み重ねて形成した前記トロイダ
    ルコイルの一部もしくは全部を互いに直列に接続したこ
    とを特徴とする、請求項2ないし4のいずれかに記載の
    インダクタ。
  6. 【請求項6】 略放射状に形成した複数個のストリップ
    状の下部電極と、 前記下部電極の上に形成した絶縁体膜と、 前記絶縁体膜の上に略放射状に形成した上部電極からな
    り、 前記上部電極を、一部を除いて前記下部電極の一端と、
    その片側に1つ以上おいて隣接する他の前記下部電極の
    他端をそれぞれ接続して形成し、前記上部電極と前記下
    部電極によりトロイダルトランスを構成したことを特徴
    とするトランス。
  7. 【請求項7】 前記トロイダルトランスを、その表面が
    絶縁性を有する基板の一方主面上もしくは一方主面と他
    方主面の両面上に、1層で形成、もしくは、間に絶縁体
    層を介して複数層積み重ねて形成したことを特徴とす
    る、請求項6に記載のトランス。
  8. 【請求項8】 前記絶縁体膜は、前記下部電極の上に、
    前記下部電極の一端および他端を除いてリング状に形成
    したことを特徴とする、請求項6または7に記載のトラ
    ンス。
  9. 【請求項9】 前記絶縁体膜の、前記下部電極の一端お
    よび他端に対応する部分にスルーホールを設け、 前記下部電極と前記上部電極を、前記スルーホールを介
    してそれぞれ接続したことを特徴とする、請求項6また
    は7に記載のトランス。
  10. 【請求項10】 複数層積み重ねて形成した前記トロイ
    ダルトランスの一部もしくは全部を、それぞれ互いに直
    列に接続したことを特徴とする、請求項7ないし9のい
    ずれかに記載のトランス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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