JP3488869B2 - 平面コイルおよび平面トランス - Google Patents

平面コイルおよび平面トランス

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平板状の導体が渦
巻き状に配置されて形成された導体パターンよりなる巻
線を有する平面コイルおよび平面トランスに関する。
【0002】
【従来の技術】平面コイルや平面トランスは、スイッチ
ング電源等におけるチョークコイルやトランスとして使
われている。平面コイルや平面トランスは、平板状の導
体が渦巻き状に配置されて形成された導体パターンより
なる巻線を有している。平面トランスや複数の導体パタ
ーンを有する平面コイルでは、複数の導体パターンが絶
縁層を介して厚さ方向に積み重ねられている。
【0003】平面コイルや平面トランスのうち、出力電
流が比較的小さなものは、例えば、スパッタ法等の薄膜
形成技術によって、渦巻き状の導体パターン、絶縁層お
よび磁性層を積み上げて形成される。また、平面コイル
や平面トランスのうち、出力電流が中程度のものは、例
えば、各面における導体層をエッチングして各面に渦巻
き状の導体パターンを形成した両面プリント基板を、絶
縁層を介して積層してなるプリントコイルや、導体板を
打ち抜いて形成した渦巻き状の導体パターンを絶縁層を
介して積層してなるコイルが用いられる。これらのコイ
ルには、渦巻き状の導体パターンの中心部分において厚
さ方向に貫通する孔が形成され、この孔に、EE型フェ
ライトコア等の磁性体が挿入される。
【0004】上述のような平面コイルや平面トランス
は、薄型化が可能であるため、特に小型、薄型のスイッ
チング電源等に使われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、IC(集積回
路)の集積度の増大に伴うICの動作電圧の低下、大電
流化等により、スイッチング電源には小型化と共に大電
流化が求められている。チョークコイルやトランスにお
ける導体の抵抗による損失、いわゆる銅損は、電流値の
二乗に比例して大きくなる。そのため、チョークコイル
やトランスとして用いられる平面コイルや平面トランス
では、導体の抵抗値の低減が重要な課題となっている。
【0006】ところで、チョークコイルやトランスにお
ける巻線のターン数(巻数)は、スイッチング電源に要
求されるリップル電圧や入出力電圧比、更には電源駆動
周波数やコアの形状、物性等で決定されるが、奇数のタ
ーン数が要求されることも多い。プリントコイルは、ワ
イヤーを使ったコイルよりも巻線の設計の自由度が高
い。例えば、プリントコイルでは、導体パターンの幅を
変えることによって、決められた巻枠(導体パターンの
配置領域)内に任意のターン数の巻線を形成することが
できる。また、プリントコイルでは、同じパターンの複
数の導体パターンを積層し、これらをスルーホール等を
用いて並列に接続することで、許容電流容量を調整する
こともできる。
【0007】従来、平面コイルや平面トランスにおい
て、3ターン以上の奇数のターン数の巻線を形成する方
法としては、主に以下の4つの方法が用いられていた。
第1の方法は、要求される奇数ターンの巻線を、奇数タ
ーンの導体パターンを有する1層の導体層で形成する方
法である。第2の方法は、例えば特開平4−11360
5号公報に示されるように、1ターンの導体パターンを
有する導体層を奇数層だけ直列に接続する方法である。
第3の方法は、偶数ターンの導体パターンを有する導体
層と奇数ターンの導体パターンを有する導体層とを直列
に接続する方法である。第4の方法は、例えば特開平1
0−163039号公報の図6ないし図9に示されるよ
うに、〔偶数+α〕ターン(αは0より大きく、1より
小さい)の導体パターンを有する導体層と〔偶数+(1
−α)〕ターンの導体パターンを有する導体層とを直列
に接続する方法である。
【0008】しかしながら、上記のいずれの方法でも、
以下のような問題点があった。第1の方法では、巻線の
一方の端子を導体パターンの内周縁付近から導出する必
要がある。そのため、第1の方法では、通常、平面コイ
ルに使用されているようなコア、すなわち、巻線を貫通
するように配置される部分(いわゆる中足)と巻線の外
周側に配置される部分(いわゆる外足)との接続部分が
巻線のほとんどを覆うように幅が広くなっているコアを
使用することができない。第1の方法を用いる場合に
は、コアとしては、上記接続部分が、導体パターンの内
周縁付近から導出される巻線の端子にぶつからないよう
に、上記接続部分の幅の狭いコアを用いる必要がある。
この場合、磁束が飽和しないようなコアの断面積を確保
するためには、コアの厚さを大きくする必要がある。従
って、第1の方法では、平面コイルまたは平面トランス
の薄型化が難しくなるという問題がある。
【0009】第2の方法では、要求されるターン数と同
じ数だけの導体層を積層するため、平面コイルまたは平
面トランスが厚くなるという問題点がある。また、第2
の方法では、要求されるターン数が多くなるほど、奇数
層の導体層を直列に接続するための接続部が多く必要に
なる。例えば、5ターンの巻線を形成する場合には、端
子以外の接続部が4箇所必要となる。そのため、平面コ
イルまたは平面トランスにおいて、接続部を配置するた
めの領域を広く確保する必要が生じるという問題点があ
る。また、第2の方法では、導体層の層数が巻線のター
ン数と一致するため、導体層の層数の設計の自由度が小
さいという問題点がある。例えば、5ターンの巻線を形
成する場合には、導体層の数は5層単位となる。すなわ
ち、この場合には、例えば電流容量を増やすために導体
層の数を増やすには、導体層の層数を5の倍数にするし
かなく、所望の電流容量を得るために例えば8層や12
層とすることは不可能である。
【0010】第3の方法および第4の方法では、2つの
導体層で導体パターンの巻き方向を逆にし、2つの導体
パターンの内側の端部同士を電気的に接続することによ
り、巻線の2つの端子を2つの導体パターンの外側の端
部より導出することが可能になる。従って、第3の方法
および第4の方法では、巻線の両端子をコアの外側に配
置することができるため、中足と外足との接続部分の幅
の広い、薄型のコアを使用することができる。また、第
3の方法および第4の方法では、導体層の層数の設計を
2層単位で行うことができ、導体層の層数の設計の自由
度は大きい。
【0011】しかしながら、第3の方法および第4の方
法では、巻線全体の中で、導体パターンの幅が大きく異
なる所が生じるため、巻線の部分によって電流密度が変
化する。そのため、第3の方法および第4の方法では、
損失を小さくするという観点では、導体パターンの最適
な設計はできない。
【0012】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、奇数ターンの巻線を備えた平面コイ
ルおよび平面トランスであって、薄型化が可能で、導体
層の層数の設計の自由度が大きく、損失の小さな平面コ
イルおよび平面トランスを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の平面コイルは、
平板状の導体によって形成された奇数ターンの巻線を有
するものであって、絶縁層と、平板状の導体が渦巻き状
に配置されて形成された第1の導体パターンを有する第
1の導体層と、平板状の導体が渦巻き状に配置されて形
成された第2の導体パターンを有し、絶縁層を介して第
1の導体層に重ね合わされた第2の導体層とを備え、第
1の導体パターンと第2の導体パターンは、それぞれN
(Nは1以上の整数)+1ターンの巻線部分を含み、第
1の導体パターンおよび第2の導体パターンの最も内側
の巻線部分同士が並列に接続されることにより、第1の
導体パターンおよび第2の導体パターンによって2N+
1ターンの巻線が構成されているものである。
【0014】本発明の平面コイルでは、第1の導体パタ
ーンおよび第2の導体パターンの最も内側の巻線部分同
士が並列に接続され、これらによって巻線における1タ
ーン分の導電路が構成される。また、第1の導体パター
ンおよび第2の導体パターンにおける他の巻線部分によ
って2Nターン分の導電路が構成される。本発明では、
第1の導体パターンと第2の導体パターンとを、それら
の幅に関して同様のパターンにすることが可能である。
また、本発明では、第1の導体パターンおよび第2の導
体パターンの最も内側の巻線部分によって構成される1
ターン分の導電路の厚さは他の導電路の厚さの2倍とな
るが、その幅を調整することで、2N+1ターンの巻線
全体の抵抗値を小さくして、巻線全体における損失を小
さくすることが可能である。なお、本発明は、第1の導
体層と第2の導体層が絶縁層のみを介して重ね合わされ
ている場合に限らず、絶縁層に加え、他の層も介して第
1の導体層と第2の導体層が重ね合わされている場合も
含む。
【0015】本発明の平面コイルでは、第1の導体パタ
ーンおよび第2の導体パターンにおいて、最も内側の巻
線部分の幅は実質的に他の巻線部分の幅の半分であって
もよい。この場合には、第1の導体パターンおよび第2
の導体パターンの最も内側の巻線部分によって構成され
る1ターン分の導電路の厚さは他の導電路の厚さの2倍
となるが、その幅は実質的に他の導電路の幅の半分とな
るので、その断面積は実質的に他の導電路の断面積と等
しくなる。従って、2N+1ターンの巻線の各部におけ
る電流密度は均一化され、巻線における損失が低減され
る。
【0016】なお、本出願において、巻線部分とは、導
体パターンのうちの1ターン分の部分を言う。また、本
出願において、「実質的に半分」というのは、正確に半
分の値と、それに対して設計上での丸め誤差や製造上の
誤差等の許容範囲の誤差を含めた値とを含むという意味
である。
【0017】また、本発明の平面コイルでは、第1の導
体パターンおよび第2の導体パターンにおいて、内側か
らnターン(nは1以上、N+1以下の整数)目の巻線
部分の内周部の半径をri(n)、外周部の半径をro(n)と
し、最も内側の巻線部分の内周部の半径rmin、最も外
側の巻線部分の外周部の半径と最も内側の巻線部分の内
周部の半径との差Wtotal、および隣接するターン間に
おける巻線部分間の距離Dが与えられたときに、以下の
式(1)で表されるAの値が最小となるようにri(n)お
よびro(n)が定められていてもよい。ただし、K(1)=
0.5、n≧2のときK(n)=2、ri(1)=rmin、ri
(n+1)−ro(n)=D、ro(N+1)−ri(1)=Wtotalであ
る。
【0018】
【数3】
【0019】このように、式(1)で表されるAの値が
最小となるようにri(n)およびro(n)を設定することに
より、2N+1ターンの巻線全体の抵抗値が最小にな
り、その結果、巻線全体における損失が最小になる。
【0020】また、本発明の平面コイルにおいて、複数
組の絶縁層、第1の導体層および第2の導体層が厚さ方
向に積層され、各組毎の巻線が並列に接続されていても
よい。
【0021】本発明の平面トランスは、それぞれ平面的
に配置された導体によって形成された一次巻線と二次巻
線とを有するものであって、一次巻線と二次巻線の少な
くとも一方は、平板状の導体が渦巻き状に配置されて形
成された第1の導体パターンを有する第1の導体層と、
平板状の導体が渦巻き状に配置されて形成された第2の
導体パターンを有し、絶縁層を介して第1の導体層に重
ね合わされた第2の導体層とを備え、第1の導体パター
ンと第2の導体パターンは、それぞれN(Nは1以上の
整数)+1ターンの巻線部分を含み、第1の導体パター
ンおよび第2の導体パターンの最も内側の巻線部分同士
が並列に接続されることにより、第1の導体パターンお
よび第2の導体パターンによって2N+1ターンの巻線
が構成されているものである。
【0022】本発明の平面トランスでは、第1の導体パ
ターンおよび第2の導体パターンの最も内側の巻線部分
同士が並列に接続され、これらによって巻線における1
ターン分の導電路が構成される。また、第1の導体パタ
ーンおよび第2の導体パターンにおける他の巻線部分に
よって2Nターン分の導電路が構成される。本発明で
は、第1の導体パターンと第2の導体パターンとを、そ
れらの幅に関して同様のパターンにすることが可能であ
る。また、本発明では、第1の導体パターンおよび第2
の導体パターンの最も内側の巻線部分によって構成され
る1ターン分の導電路の厚さは他の導電路の厚さの2倍
となるが、その幅を調整することで、2N+1ターンの
巻線全体の抵抗値を小さくして、巻線全体における損失
を小さくすることが可能である。なお、本発明は、第1
の導体層と第2の導体層が絶縁層のみを介して重ね合わ
されている場合に限らず、絶縁層に加え、他の層も介し
て第1の導体層と第2の導体層が重ね合わされている場
合も含む。
【0023】本発明の平面トランスでは、第1の導体パ
ターンおよび第2の導体パターンにおいて、最も内側の
巻線部分の幅は実質的に他の巻線部分の幅の半分であっ
てもよい。この場合には、第1の導体パターンおよび第
2の導体パターンの最も内側の巻線部分によって構成さ
れる1ターン分の導電路の厚さは他の導電路の厚さの2
倍となるが、その幅は実質的に他の導電路の幅の半分と
なるので、その断面積は実質的に他の導電路の断面積と
等しくなる。従って、2N+1ターンの巻線の各部にお
ける電流密度は均一化され、巻線における損失が低減さ
れる。
【0024】また、本発明の平面トランスでは、第1の
導体パターンおよび第2の導体パターンにおいて、内側
からnターン(nは1以上、N+1以下の整数)目の巻
線部分の内周部の半径をri(n)、外周部の半径をro(n)
とし、最も内側の巻線部分の内周部の半径rmin、最も
外側の巻線部分の外周部の半径と最も内側の巻線部分の
内周部の半径との差Wtotal、および隣接するターン間
における巻線部分間の距離Dが与えられたときに、以下
の式(1)で表されるAの値が最小となるようにri(n)
およびro(n)が定められていてもよい。ただし、K(1)
=0.5、n≧2のときK(n)=2、ri(1)=rmin
i(n+1)−ro(n)=D、ro(N+1)−ri(1)=Wtotal
ある。
【0025】
【数4】
【0026】このように、式(1)で表されるAの値が
最小となるようにri(n)およびro(n)を設定することに
より、2N+1ターンの巻線全体の抵抗値が最小にな
り、その結果、巻線全体における損失が最小になる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。 [第1の実施の形態]まず、図1ないし図4を参照し
て、本発明の第1の実施の形態に係る平面コイルの構成
について説明する。図1は本実施の形態に係る平面コイ
ルにおける第1の導体層とその下の絶縁層とを示す平面
図、図2は本実施の形態に係る平面コイルにおける絶縁
層を示す平面図、図3は本実施の形態に係る平面コイル
における第2の導体層を示す平面図、図4は図1におけ
るA−A線で示す断面を拡大して表した断面図である。
【0028】本実施の形態に係る平面コイルは、矩形の
板状の絶縁層10と、この絶縁層10の一方の面(上
面)に形成された第1の導体層11と、絶縁層10の他
方の面(下面)に形成された第2の導体層12とを備え
ている。このように、第1の導体層11と第2の導体層
12は、絶縁層10を介して重ね合わされている。
【0029】絶縁層10の一側部の近傍には、巻線の端
子が配置される端子領域10bが設けられている。絶縁
層10のうちの端子領域10bを除いた部分の中心部分
には円形の孔10aが形成されている。孔10aにはコ
ア(磁芯)を挿入できるようになっている。
【0030】図1に示したように、第1の導体層11
は、箔状を含む平板状の導体が渦巻き状に配置されて形
成された第1の導体パターン11aを有している。導体
としては例えば銅が用いられる。同様に、図3に示した
ように、第2の導体層12は、箔状を含む平板状の導体
が渦巻き状に配置されて形成された第2の導体パターン
12aを有している。第1の導体パターン11aと第2
の導体パターン12aは、孔10aの外周部と絶縁層1
0の外周部との間の領域に配置されている。
【0031】本実施の形態に係る平面コイルは、例え
ば、絶縁基板の両面に導体層が形成された両面プリント
基板における各導体層をエッチングすることによって製
造してもよいし、導体板を打ち抜いて製造してもよい。
また、スパッタ法等の薄膜形成技術によって製造しても
よい。
【0032】第1の導体パターン11aと第2の導体パ
ターン12aは、それぞれN(Nは1以上の整数)+1
ターンの巻線部分を含んでいる。本実施の形態では、特
に、N=1としている。すなわち、第1の導体パターン
11aと第2の導体パターン12aは、それぞれ2ター
ンの巻線部分を含んでいる。
【0033】第1の導体パターン11aと第2の導体パ
ターン12aとでは導体の巻き方向が逆になっている。
すなわち、図1に示したように、第1の導体パターン1
1aでは、導体は内側から外側にかけて時計回り方向に
巻回され、図3に示したように、第2の導体パターン1
2aでは、導体は内側から外側にかけて反時計回り方向
に巻回されている。
【0034】図1に示したように、第1の導体パターン
11aの外側の端部は、絶縁層10の端子領域10bに
おいて右側の位置に配置されている。絶縁層10の一方
の面(上面)には、端子領域10bにおける左側の位置
に、端子として用いられる端子層13が設けられてい
る。
【0035】図3に示したように、第2の導体パターン
12aの外側の端部は、絶縁層10の端子領域10bに
おいて左側の位置に配置されている。絶縁層10の他方
の面(下面)には、端子領域10bにおける右側の位置
に、端子として用いられる端子層14が設けられてい
る。
【0036】端子領域10bにおける左側の位置には、
端子層13、絶縁層10、および第2の導体パターン1
2aの外側の端部を貫通するスルーホール15が形成さ
れている。このスルーホール15を介して、端子層13
と第2の導体パターン12aの外側の端部とが電気的に
接続されている。
【0037】端子領域10bにおける右側の位置には、
第1の導体パターン11aの外側の端部、絶縁層10お
よび端子層14を貫通するスルーホール16が形成され
ている。このスルーホール16を介して、第1の導体パ
ターン11aの外側の端部と端子層14とが電気的に接
続されている。
【0038】図1および図3に示したように、第1の導
体パターン11aおよび第2の導体パターン12aの最
も内側の巻線部分同士は、導体パターン11a,12a
および絶縁層10を貫通するスルーホール17,18に
よって並列に接続されている。これらによって巻線にお
ける1ターン分の導電路が構成される。なお、スルーホ
ール17,18は、各導体パターン11a,12aの最
も内側の巻線部分における両端部の位置に設けられてい
る。また、第1の導体パターン11aおよび第2の導体
パターン12aにおける他の巻線部分によって2N=2
ターン分の導電路が構成される。このようにして、第1
の導体パターン11aおよび第2の導体パターン12a
によって2N+1=3ターンの巻線が構成されている。
【0039】本実施の形態では、図1および図3に示し
たように、第1の導体パターン11aと第2の導体パタ
ーン12aとを、それらの幅に関して同様のパターンに
することが可能である。従って、本実施の形態によれ
ば、最も内側の巻線部分と他の巻線部分との間の関係を
除いて、導体パターンの幅が大きく異なる所が生じるこ
とを防止することができる。本実施の形態では、第1の
導体パターン11aおよび第2の導体パターン12aの
最も内側の巻線部分によって構成される1ターン分の導
電路の厚さは他の導電路の厚さの2倍となるが、その幅
を調整することで、巻線全体の抵抗値を小さくして、巻
線全体における損失を小さくすることが可能である。
【0040】本実施の形態では、特に、図1および図3
に示したように、第1の導体パターン11aおよび第2
の導体パターン12aにおいて、最も内側の巻線部分の
幅は実質的に他の巻線部分の幅の半分になっている。な
お、他の巻線部分の幅は一定になっている。第1の導体
パターン11aおよび第2の導体パターン12aの最も
内側の巻線部分によって構成される1ターン分の導電路
の厚さは他の導電路の厚さの2倍となるが、その幅は実
質的に他の導電路の幅の半分となるので、その断面積は
実質的に他の導電路の断面積と等しくなる。従って、本
実施の形態に係る平面コイルによれば、3ターンの巻線
の各部における電流密度は均一化され、巻線における損
失が低減される。
【0041】また、本実施の形態によれば、2層の導体
層11,12によって3ターンの巻線を構成できる。ま
た、本実施の形態によれば、巻線の2つの端子を2つの
導体パターン11a,12aの外側の端部より導出する
ことができる。従って、巻線の両端子を、幅広なコアの
外側に配置することができるため、中足と外足との接続
部分の幅の広い、薄型のコアを使用することができる。
これらのことから、本実施の形態によれば、平面コイル
の薄型化が可能になる。
【0042】また、本実施の形態によれば、導体層1
1,12の層数の設計を2層単位で行うことができ、導
体層11,12の層数の設計の自由度が大きくなる。
【0043】[第2の実施の形態]次に、図5および図
6を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る平面コ
イルの構成について説明する。図5は本実施の形態に係
る平面コイルにおける第1の導体層とその下の絶縁層と
を示す平面図、図6は本実施の形態に係る平面コイルに
おける第2の導体層を示す平面図である。
【0044】本実施の形態に係る平面コイルの構成は、
導体パターン11a,12aの形状が異なることを除い
て、第1の実施の形態に係る平面コイルと同様である。
【0045】本実施の形態に係る平面コイルでは、第1
の導体パターン11aおよび第2の導体パターン12a
において、内側からnターン(nは1以上、N+1以下
の整数)目の巻線部分の内周部の半径をri(n)、外周部
の半径をro(n)とし、最も内側の巻線部分の内周部の半
径rmin、最も外側の巻線部分の外周部の半径と最も内
側の巻線部分の内周部の半径との差Wtotal、および隣
接するターン間における巻線部分間の距離Dが与えられ
たときに、以下の式(1)で表されるAの値が最小とな
るようにri(n)およびro(n)が定められている。ただ
し、K(1)=0.5、n≧2のときK(n)=2、ri(1)
=rmin、ri(n+1)−ro(n)=D、ro(N+1)−ri(1)=
totalである。また、logxはxの自然対数である。
【0046】
【数5】
【0047】本実施の形態では、式(1)で表されるA
の値が最小となるようにri(n)およびro(n)を設定する
ことにより、2N+1ターンの巻線全体の抵抗値が最小
になり、その結果、巻線全体における損失が最小にな
る。以下、このことを詳しく説明する。
【0048】まず、厚さt、内半径r、外半径r+dr
のリング状の導体パターンを考える。この導体パターン
の抵抗値は、幅drが充分微小であるならば、(2πr
×ρ)/(t×dr)で表してよい。ここで、ρは導体
の体積抵抗率である。従って、導体パターンのコンダク
タンス、つまり抵抗値の逆数は、(t×dr)/(2π
r×ρ)となる。
【0049】内半径ri、外半径roのリング状の導体パ
ターンは、上述のような微小な幅drを持つリング状の
導体パターンが並列に接続しているものと等価であると
考えられる。従って、厚さt、内半径ri、外半径ro
リング状の導体パターンのコンダクタンスは、以下の式
(2)のように、(t×dr)/(2πr×ρ)をr i
〜roの範囲で積分することによって求めることができ
る。
【0050】
【数6】
【0051】厚さt、内半径ri、外半径roのリング状
の導体パターンの抵抗値Rは、この導体パターンのコン
ダクタンスの逆数であるから、以下の式(3)で表され
る。
【0052】
【数7】
【0053】ここで、2πρ/t=Bとする。第1の導
体パターン11aおよび第2の導体パターン12aの最
も内側の巻線部分によって構成される1ターン分の導電
路の抵抗値Rは、以下の式(4)で表される。
【0054】
【数8】
【0055】一方、第1の導体パターン11aの他の巻
線部分の1ターン当たりの抵抗値と第2の導体パターン
12aの他の巻線部分の1ターン当たりの抵抗値との和
Rは、以下の式(5)で表される。
【0056】
【数9】
【0057】従って、2N+1ターンの巻線全体の抵抗
値Rtotalは、以下の式(6)で表される。
【0058】
【数10】
【0059】従って、第1の導体パターン11aおよび
第2の導体パターン12aにおいて、最も内側の巻線部
分の内半径rmin、最も外側の巻線部分の外半径と最も
内側の巻線部分の内半径との差Wtotal、および隣接す
るターン間における巻線部分間の距離Dが与えられたと
きに、2N+1ターンの巻線全体の抵抗値を最小にする
には、前記の式(1)で表されるAの値が最小となるよ
うにri(n)およびro(n)を設定すればよい。
【0060】Aの値が最小となるri(n)およびro(n)の
値は、解析的に求めるのは難しいが、コンピュータを利
用した数値計算によって求めることができる。
【0061】本実施の形態では、特に、N=1とし、第
1の導体パターン11aと第2の導体パターン12aと
で3ターンの巻線を構成している。
【0062】本実施の形態に係る平面コイルによれば、
式(1)で表されるAの値が最小となるようにri(n)お
よびro(n)を設定したので、巻線全体の抵抗値を最小に
することができる。従って、本実施の形態によれば、限
られた空間の中で損失が最小になるように巻線を配置す
ることができ、その結果、導体の抵抗による損失を低減
することができる。
【0063】本実施の形態におけるその他の構成、作用
および効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0064】次に、第1の実施の形態に係る平面コイル
の実施例(以下、第1の実施例と言う。)と第2の実施
の形態に係る平面コイルの実施例(以下、第2の実施例
と言う。)について説明すると共に、各実施例の平面コ
イルと2つの比較例の平面コイルとで、計算で求めた抵
抗値を比較した結果について説明する。
【0065】図7は第1の比較例の平面コイルにおける
第1の導体層とその下の絶縁層とを示す平面図、図8は
第1の比較例の平面コイルにおける第2の導体層を示す
平面図である。第1の比較例の平面コイルは、絶縁層1
10と、この絶縁層110の各面に形成された第1の導
体層111および第2の導体層112を備えている。第
1の導体層111は第1の導体パターン111aを有
し、第2の導体層112は第2の導体パターン112a
を有している。第1の導体パターン111aは2ターン
の巻線部分を有し、第2の導体パターン112aは1タ
ーンの巻線部分を有している。第1の導体パターン11
1aと第2の導体パターン112aとでは導体の巻き方
向が逆になっている。導体パターン111a,112a
の内側の端部同士は、スルーホール117を介して電気
的に接続されている。このようにして、導体パターン1
11a,112aによって3ターンの巻線が構成されて
いる。
【0066】図9は第2の比較例の平面コイルにおける
第1の導体層とその下の絶縁層とを示す平面図、図10
は第2の比較例の平面コイルにおける第2の導体層を示
す平面図である。第2の比較例の平面コイルは、絶縁層
120と、この絶縁層120の各面に形成された第1の
導体層121および第2の導体層122を備えている。
第1の導体層121は第1の導体パターン121aを有
し、第2の導体層122は第2の導体パターン122a
を有している。第1の導体パターン121aは1.5タ
ーンの巻線部分を有し、第2の導体パターン122aも
1.5ターンの巻線部分を有している。第1の導体パタ
ーン121aと第2の導体パターン122aとでは導体
の巻き方向が逆になっている。導体パターン121a,
122aの内側の端部同士は、スルーホール127を介
して電気的に接続されている。このようにして、導体パ
ターン121a,122aによって3ターンの巻線が構
成されている。
【0067】第1の実施例、第2の実施例、第1の比較
例および第2の比較例のそれぞれの平面コイルでは、巻
線を構成する導体として銅を用い、導体の厚さtを0.
06mm、最も内側の巻線部分の内半径rminを6.4
mm、最も外側の巻線部分の外半径と最も内側の巻線部
分の内半径との差Wtotalを5.1mm、隣接するター
ン間における巻線部分間の距離Dを0.2mmとした。
この条件の下で、各平面コイルについて、各ターン毎の
巻線部分の内半径ri(n)および外半径ro(n)を求めると
共に、巻線全体の抵抗値Rtotalを求めた。なお、銅の
体積抵抗率は1.72×10-8(Ωm)とした。また、
以下、各ターン毎の巻線部分の幅ro(n)−ri(n)をW
(n)で表す。
【0068】第1の実施例、第2の実施例および第1の
比較例のそれぞれの平面コイルにおける各ターン毎の巻
線部分の幅W(n)と巻線全体の抵抗値Rtotalは、下記の
表に示したようになる。なお、表では、第1の導体層を
A層と記し、第2の導体層をB層と記す。第2の比較例
の平面コイルでは、Wtotalの中で、2ターン分の導電
路を構成している部分の幅と1ターン分の導電路を構成
している部分の幅の比が、第1の比較例と同じであるた
め、抵抗値は原理的に第1の比較例と同等である。
【0069】
【表1】
【0070】上記の表から分かるように、第1の実施例
の平面コイルでは、巻線全体の抵抗値Rtotalを、第1
の比較例の平面コイルに比べて8.71%低減できる。
また、第2の実施例の平面コイルでは、巻線全体の抵抗
値Rtotalを、第1の比較例の平面コイルに比べて1
0.45%低減できる。
【0071】ところで、第1の実施例では、内側の巻線
部分の幅W(1)は、外側の巻線部分の幅W(2)の0.5倍
になっている。また、第2の実施例では、各ターン毎の
巻線部分の幅W(n)は、式(1)で表されるAの値が最
小となるように決められるが、上記の例では、内側の巻
線部分の幅W(1)は、外側の巻線部分の幅W(2)の0.3
7倍になっている。しかし、外側の巻線部分の幅W(2)
に対する内側の巻線部分の幅W(1)の比、W(1)/W(2)
が0.5や0.37ではなくとも、巻線全体の抵抗値R
totalを第1の比較例の平面コイルに比べて低減するこ
とが可能である。このことを、図11および図12を参
照して説明する。
【0072】図11は、各ターン毎の巻線部分の幅W
(1),W(2)以外の条件を第1の実施例、第2の実施例お
よび第1の比較例と同様とし、W(1)/W(2)を変化させ
たときの巻線全体の抵抗値Rtotalの、第1の比較例に
おける巻線全体の抵抗値Rtotalに対する比をグラフに
して表したものである。図11から、上記の条件の下で
は、W(1)/W(2)が0.18から0.75という広い範
囲で、上記抵抗値の比が1以下となることが分かる。従
って、この場合には、W(1)/W(2)が0.18より大き
く、0.75より小さい範囲で、第1の比較例よりも巻
線全体の抵抗値Rto talを低減することができる。
【0073】上記抵抗値の比が1以下となるW(1)/W
(2)の範囲は、rmin、WtotalおよびDの値によって変
化する。例えば、rminを3mmとし、その他の条件は
図11のグラフを求めたときと同様とした場合を考え
る。また、この場合における比較例として、rminを3
mmとする他は第1の比較例と同様のものを考える。こ
の場合、W(1)/W(2)を変化させたときの巻線全体の抵
抗値Rtotalの、比較例における巻線全体の抵抗値R
totalに対する比をグラフにして表すと、図12に示し
たようになる。この場合には、図12から、W(1)/W
(2)が0.13から0.68という広い範囲で、上記抵
抗値の比が1以下となることが分かる。従って、この場
合には、W(1)/W(2)が0.13より大きく、0.68
より小さい範囲で、比較例よりも巻線全体の抵抗値R
totalを低減することができる。
【0074】このように、本発明では、第1の導体パタ
ーンおよび第2の導体パターンの幅に関して、最も内側
の巻線部分の幅が実質的に他の巻線部分の幅の半分にな
っている場合や、式(1)で表されるAの値が最小とな
るようにri(n)およびro(n)が定められている場合に限
らず、例えば図11および図12に示したような広い範
囲で、巻線全体の抵抗値Rtotalを低減できることがで
きる。
【0075】[第3の実施の形態]次に、図13ないし
図16を参照して、本発明の第3の実施の形態に係る平
面コイルの構成について説明する。図13は本実施の形
態に係る平面コイルにおける第1の導体層とその下の絶
縁層とを示す平面図、図14は本実施の形態に係る平面
コイルにおける絶縁層を示す平面図、図15は本実施の
形態に係る平面コイルにおける第2の導体層を示す平面
図、図16は図13におけるB−B線で示す断面を拡大
して表した断面図である。
【0076】本実施の形態に係る平面コイルでは、N=
2としている。すなわち、第1の導体パターン11aと
第2の導体パターン12aは、それぞれ3ターンの巻線
部分を含んでいる。そして、第1の導体パターン11a
および第2の導体パターン12aによって2N+1=5
ターンの巻線が構成されている。第1の導体パターン1
1aおよび第2の導体パターン12aにおいて、最も内
側の巻線部分の幅は実質的に他の巻線部分の幅の半分に
なっている。なお、他の巻線部分の幅は一定になってい
る。本実施の形態におけるその他の構成、作用および効
果は、第1の実施の形態と同様である。
【0077】[第4の実施の形態]次に、図17および
図18を参照して、本発明の第4の実施の形態に係る平
面コイルの構成について説明する。図17は本実施の形
態に係る平面コイルにおける第1の導体層とその下の絶
縁層とを示す平面図、図18は本実施の形態に係る平面
コイルにおける第2の導体層を示す平面図である。
【0078】本実施の形態に係る平面コイルの構成は、
導体パターン11a,12aの形状が異なることを除い
て、第3の実施の形態に係る平面コイルと同様である。
【0079】本実施の形態に係る平面コイルでは、第2
の実施の形態と同様に、第1の導体パターン11aおよ
び第2の導体パターン12aにおいて、内側からnター
ン(nは1以上、N+1以下の整数)目の巻線部分の内
周部の半径をri(n)、外周部の半径をro(n)とし、最も
内側の巻線部分の内周部の半径rmin、最も外側の巻線
部分の外周部の半径と最も内側の巻線部分の内周部の半
径との差Wtotal、および隣接するターン間における巻
線部分間の距離Dが与えられたときに、式(1)で表さ
れるAの値が最小となるようにri(n)およびro(n)が定
められている。
【0080】本実施の形態におけるその他の構成、作用
および効果は、第2または第3の実施の形態と同様であ
る。
【0081】次に、第3の実施の形態に係る平面コイル
の実施例(以下、第3の実施例と言う。)と第4の実施
の形態に係る平面コイルの実施例(以下、第4の実施例
と言う。)について説明すると共に、各実施例の平面コ
イルと第3の比較例の平面コイルとで、計算で求めた抵
抗値を比較した結果について説明する。
【0082】図19は第3の比較例の平面コイルにおけ
る第1の導体層とその下の絶縁層とを示す平面図、図2
0は第3の比較例の平面コイルにおける第2の導体層を
示す平面図である。第3の比較例の平面コイルは、絶縁
層110と、この絶縁層110の各面に形成された第1
の導体層111および第2の導体層112を備えてい
る。第1の導体層111は第1の導体パターン111a
を有し、第2の導体層112は第2の導体パターン11
2aを有している。第1の導体パターン111aは3タ
ーンの巻線部分を有し、第2の導体パターン112aは
2ターンの巻線部分を有している。第1の導体パターン
111aと第2の導体パターン112aとでは導体の巻
き方向が逆になっている。導体パターン111a,11
2aの内側の端部同士は、スルーホール117を介して
電気的に接続されている。このようにして、導体パター
ン111a,112aによって5ターンの巻線が構成さ
れている。
【0083】第3の実施例、第4の実施例および第3の
比較例のそれぞれの平面コイルでは、巻線を構成する導
体として銅を用い、導体の厚さtを0.06mm、最も
内側の巻線部分の内半径rminを6.4mm、最も外側
の巻線部分の外半径と最も内側の巻線部分の内半径との
差Wtotalを5.1mm、隣接するターン間における巻
線部分間の距離Dを0.2mmとした。この条件の下
で、各平面コイルについて、各ターン毎の巻線部分の内
半径ri(n)および外半径ro(n)を求めると共に、巻線全
体の抵抗値Rtotalを求めた。なお、銅の体積抵抗率は
1.72×10-8(Ωm)とした。また、以下、各ター
ン毎の巻線部分の幅ro(n)−ri(n)をW(n)で表す。
【0084】第3の実施例、第4の実施例および第3の
比較例のそれぞれの平面コイルにおける各ターン毎の巻
線部分の幅W(n)と巻線全体の抵抗値Rtotalは、下記の
表に示したようになる。なお、表では、第1の導体層を
A層と記し、第2の導体層をB層と記す。
【0085】
【表2】
【0086】上記の表から分かるように、第3の実施例
の平面コイルでは、巻線全体の抵抗値Rtotalを、第3
の比較例の平面コイルに比べて2.12%低減できる。
また、第4の実施例の平面コイルでは、巻線全体の抵抗
値Rtotalを、第3の比較例の平面コイルに比べて4.
35%低減できる。なお、第1の導体パターンと第2の
導体パターンがそれぞれ2.5ターンの巻線部分を有
し、これらによって5ターンの巻線を構成した平面コイ
ルにおける巻線全体の抵抗値は第3の比較例と同等であ
る。
【0087】[第5の実施の形態]次に、図21ないし
図25を参照して、本発明の第5の実施の形態に係る平
面コイルの構成について説明する。図21は本実施の形
態に係る平面コイルの平面図、図22は図21に示した
平面コイルの右側面図、図23は図21におけるC−C
線で示す断面を拡大して表した断面図である。また、図
24は本実施の形態に係る平面コイルにおけるコアを示
す平面図、図25はこのコアの側面図である。
【0088】本実施の形態に係る平面コイルでは、第1
または第2の実施の形態における絶縁層10、第1の導
体層11および第2の導体層12を1組とし、これを厚
さ方向に3組積層し、各組毎の巻線を並列に接続してい
る。本実施の形態に係る平面コイルは、積層された3組
の絶縁層10、第1の導体層11および第2の導体層1
2よりなる積層体20と、この積層体20に装着された
E型のコア21A,21Bとを備えている。
【0089】図21および図22に示したように、端子
領域10bはコア21A,21Bの外側に配置されてい
る。積層体20中の各組毎の巻線は、スルーホール1
5,16を介して並列に接続されている。図22に示し
たように、スルーホール15,16には、例えば、端子
22が挿入されるようになっている。
【0090】また、図23に示したように、E型のコア
21A,21Bは、中央の凸部同士が絶縁層10の孔1
0aを通って突き合わされるように配置されている。
【0091】本実施の形態におけるその他の構成、作用
および効果は、第1または第2の実施の形態と同様であ
る。
【0092】[第6の実施の形態]次に、図26を参照
して、本発明の第6の実施の形態に係る平面コイルの構
成について説明する。図26は本実施の形態に係る平面
コイルの断面図である。本実施の形態に係る平面コイル
では、第5の実施の形態における積層体20の代わり
に、以下のような積層体20を設けている。すなわち、
本実施の形態では、第3または第4の実施の形態におけ
る絶縁層10、第1の導体層11および第2の導体層1
2を1組とし、これを厚さ方向に3組積層し、各組毎の
巻線を並列に接続して積層体20を構成している。
【0093】本実施の形態に係る平面コイルの実施例
(以下、第5の実施例と言う。)として、第3の実施例
の平面コイルを3組積層し、各組毎の巻線を並列に接続
して積層体20を構成したものを試作した。この試作し
た第5の実施例の平面コイルにおける巻線全体の抵抗値
を測定したところ、15.05mΩであった。
【0094】また、第5の実施例に対する比較例(以
下、第4の比較例と言う。)として、第3の比較例の平
面コイルを3組積層し、各組毎の巻線を並列に接続して
積層体220を構成したものを試作した。図27は、こ
の第4の比較例の平面コイルの断面図である。第4の比
較例の平面コイルにおいて、積層体220以外の構成は
第5の実施例と同様である。第4の比較例の平面コイル
における巻線全体の抵抗値を測定したところ、15.3
8mΩであった。
【0095】従って、第4の比較例の平面コイルに対す
る第5の実施例の平面コイルの抵抗値の低減率は2.1
5%であり、これは、第3の比較例の平面コイルに対す
る第3の実施例の平面コイルの抵抗値の低減率と同等で
ある。
【0096】本実施の形態におけるその他の構成、作用
および効果は、第3、第4または第5の実施の形態と同
様である。
【0097】[第7の実施の形態]次に、本発明の第7
の実施の形態に係る平面トランスの構成について説明す
る。図28は本実施の形態に係る平面トランスの平面
図、図29は図28に示した平面トランスの右側面図、
図30は図28におけるD−D線で示す断面を拡大して
表した断面図である。本実施の形態に係る平面トランス
は、それぞれ平面的に配置された導体によって形成され
た一次巻線と二次巻線とを有するものである。図28な
いし図30に示したように、本実施の形態に係る平面ト
ランスは、複数の導体層と複数の絶縁層が交互に積層さ
れて構成された積層体30と、この積層体30に装着さ
れたE型のコア21A,21Bとを備えている。
【0098】図28および図29に示したように、積層
体30は端子領域31,32を有している。端子領域3
1,32は、互いに反対側の位置に配置され、且つコア
21A,21Bの外側に配置されている。端子領域31
にはスルーホール33,34が設けられ、端子領域32
にはスルーホール35,36が設けられている。図29
に示したように、例えば、スルーホール33,34には
端子37が挿入され、スルーホール35,36には端子
38が挿入されるようになっている。
【0099】また、図30に示したように、E型のコア
21A,21Bは、中央の凸部同士が後述する絶縁層4
0の孔40aを通って突き合わされるように配置されて
いる。
【0100】積層体30は、PA層、PB層、SA層、
SB層の4種類の導体層と、絶縁層40とを有してい
る。4種類の導体層は、それぞれ箔状を含む平板状の導
体が渦巻き状に配置されて形成された導体パターンを有
している。PA層とPB層は5ターンの一次巻線を構成
し、SA層とSB層は2ターンの二次巻線を構成する。
従って、本実施の形態に係る平面トランスの巻線比は
5:2となる。
【0101】図31はPA層とその下の絶縁層40とを
示す平面図、図32はPB層とその下の絶縁層40とを
示す平面図、図33はSA層とその下の絶縁層40とを
示す平面図、図34はSB層とその下の絶縁層40とを
示す平面図、図35は絶縁層40の平面図である。
【0102】図31に示したように、PA層は、第3ま
たは第4の実施の形態と同様の第1の導体パターン11
aを有している。図32に示したように、PB層は、第
3または第4の実施の形態と同様の第2の導体パターン
12aを有している。すなわち、第1の導体パターン1
1aと第2の導体パターン12aは、それぞれ3ターン
の巻線部分を含んでいる。第1の導体パターン11aと
第2の導体パターン12aとでは導体の巻き方向が逆に
なっている。また、第1の導体パターン11aおよび第
2の導体パターン12aの最も内側の巻線部分同士は、
導体パターン11a,12aおよび絶縁層40を貫通す
るスルーホール17,18によって並列に接続される。
従って、第1の導体パターン11aおよび第2の導体パ
ターン12aによって5ターンの一次巻線が構成され
る。
【0103】図31に示したように、第1の導体パター
ン11aの外側の端部はスルーホール34に接続されて
いる。第1の導体パターン11aが設けられた絶縁層4
0の面上には、それぞれスルーホール33,35,36
に接続された端子層13,45,46が設けられてい
る。
【0104】図32に示したように、第2の導体パター
ン12aの外側の端部はスルーホール33に接続されて
いる。第2の導体パターン12aが設けられた絶縁層4
0の面上には、それぞれスルーホール34,35,36
に接続された端子層14,45,46が設けられてい
る。
【0105】図33、図34に示したように、SA層、
SB層は、それぞれ導体パターン51a,52aを有し
ている。導体パターン51a,52aは、それぞれ1タ
ーンの巻線部分を有している。導体パターン51a,5
2aでは導体の巻き方向が逆になっている。導体パター
ン51aの一方の端部はスルーホール35に接続されて
いる。導体パターン51aが設けられた絶縁層40の面
上には、それぞれスルーホール33,34,36に接続
された端子層13,14,46が設けられている。導体
パターン52aの一方の端部はスルーホール36に接続
されている。導体パターン52aが設けられた絶縁層4
0の面上には、それぞれスルーホール33,34,35
に接続された端子層13,14,45が設けられてい
る。導体パターン51a,52aの他方の端部同士は、
導体パターン51a,52aおよび絶縁層40を貫通す
るスルーホール53を介して電気的に接続されている。
このようにして、導体パターン51a,52aによって
2ターンの二次巻線が構成されている。
【0106】図35に示したように、絶縁層40の中心
部分には円形の孔40aが形成されている。各導体パタ
ーンは、孔40aの外周部と絶縁層40の外周部との間
の領域に配置されている。また、絶縁層40には、前述
のスルーホール17,18,33〜36,53が形成さ
れている。
【0107】PA層、PB層、SA層およびSB層の積
層の順番は、下からSA層−PA層−SB層−PB層−
SA層−PA層−SB層−SA層−PB層−SB層−P
A層−SA層−PB層-SB層の順番となっている。
【0108】本実施の形態に係る平面トランスの実施例
(以下、第6の実施例と言う。)として、PA層、PB
層に、それぞれ、第3の実施例における第1の導体パタ
ーン11a、第2の導体パターン12aを有するものを
用い、絶縁層40の厚さを0.1mmとし、フェライト
製のコア21A,21Bを用いたものを試作した。この
試作した第6の実施例の平面トランスについて、200
kHzにおける一次側から見た巻線抵抗を測定したとこ
ろ、36.82mΩであった。
【0109】また、第6の実施例に対する比較例(以
下、第5の比較例と言う。)として、PA層、PB層
に、それぞれ、第3の比較例における第1の導体パター
ン111a、第2の導体パターン112aを有するもの
を用い、絶縁層40の厚さを0.1mmとして積層体2
30を構成すると共に、フェライト製のコア21A,2
1Bを用いたものを試作した。図36は、この第5の比
較例の平面トランスの断面図である。この試作した第5
の比較例の平面トランスについて、200kHzにおけ
る一次側から見た巻線抵抗を測定したところ、37.8
1mΩであった。
【0110】従って、第6の実施例の平面トランスで
は、第5の比較例の平面トランスに対して、200kH
zにおける高周波抵抗を2.6%削減できた。
【0111】なお、本実施の形態では、一次巻線を奇数
ターン(5ターン)とし、二次巻線を偶数ターン(2タ
ーン)としたが、逆に、一次巻線を偶数ターンとし、二
次巻線を奇数ターンとしてもよい。あるいは、一次巻線
と二次巻線の双方を奇数ターンとしてもよい。
【0112】本実施の形態におけるその他の構成、作用
および効果は、第3または第4の実施の形態と同様であ
る。
【0113】なお、本発明は上記各実施の形態に限定さ
れず、種々の変更が可能である。例えば、巻線や導体パ
ターンのターン数や、導体層の数は、実施の形態に示さ
れたものに限定されず、任意に設定可能である。
【0114】また、本発明は、一次巻線と二次巻線の一
方が、平板状以外の導体、例えば丸線の導体によって構
成された平面トランスにも適用することができる。
【0115】
【発明の効果】以上説明したように請求項1ないし4記
載のいずれかに記載の平面コイルもしくは請求項5ない
し7のいずれかに記載の平面トランスでは、それぞれN
+1ターンの巻線部分を含む第1の導体パターンおよび
第2の導体パターンにおいて、第1の導体パターンおよ
び第2の導体パターンの最も内側の巻線部分同士を並列
に接続することにより2N+1ターンの巻線を構成して
いる。従って、本発明では、第1の導体パターンと第2
の導体パターンとを、それらの幅に関して同様のパター
ンにすることが可能である。また、本発明では、第1の
導体パターンおよび第2の導体パターンの最も内側の巻
線部分によって構成される1ターン分の導電路の厚さは
他の導電路の厚さの2倍となるが、その幅を調整するこ
とで、2N+1ターンの巻線全体の抵抗値を小さくし
て、巻線全体における損失を小さくすることが可能であ
る。以上のことから、本発明によれば、平面コイルまた
は平面トランスの薄型化が可能で、導体層の層数の設計
の自由度を大きくすることができ、更に、損失を低減す
ることができるという効果を奏する。
【0116】また、請求項2記載の平面コイルまたは請
求項6記載の平面トランスでは、第1の導体パターンお
よび第2の導体パターンにおいて、最も内側の巻線部分
の幅を実質的に他の巻線部分の幅の半分としている。従
って、本発明によれば、2N+1ターンの巻線の各部に
おける電流密度を均一化でき、その結果、巻線における
損失をより低減することができるという効果を奏する。
【0117】また、請求項3記載の平面コイルまたは請
求項7記載の平面トランスでは、第1の導体パターンお
よび第2の導体パターンにおいて、式(1)で表される
Aの値が最小となるようにri(n)およびro(n)を設定し
ている。従って、本発明によれば、2N+1ターンの巻
線全体の抵抗値を最小にすることができ、その結果、巻
線全体における損失が最小にすることができるという効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る平面コイルに
おける第1の導体層とその下の絶縁層とを示す平面図で
ある。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る平面コイルに
おける絶縁層を示す平面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る平面コイルに
おける第2の導体層を示す平面図である。
【図4】図1におけるA−A線で示す断面を拡大して表
した断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る平面コイルに
おける第1の導体層とその下の絶縁層とを示す平面図で
ある。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る平面コイルに
おける第2の導体層を示す平面図である。
【図7】第1の比較例の平面コイルにおける第1の導体
層とその下の絶縁層とを示す平面図である。
【図8】第1の比較例の平面コイルにおける第2の導体
層を示す平面図である。
【図9】第2の比較例の平面コイルにおける第1の導体
層とその下の絶縁層とを示す平面図である。
【図10】第2の比較例の平面コイルにおける第2の導
体層を示す平面図である。
【図11】本発明において各ターン毎の巻線部分の幅を
変えたときの、本発明における巻線全体の抵抗値と比較
例における巻線全体の抵抗値との比の変化の一例を示す
特性図である。
【図12】本発明において各ターン毎の巻線部分の幅を
変えたときの、本発明における巻線全体の抵抗値と比較
例における巻線全体の抵抗値との比の変化の他の例を示
す特性図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態に係る平面コイル
における第1の導体層とその下の絶縁層とを示す平面図
である。
【図14】本発明の第3の実施の形態に係る平面コイル
における絶縁層を示す平面図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態に係る平面コイル
における第2の導体層を示す平面図である。
【図16】図13におけるB−B線で示す断面を拡大し
て表した断面図である。
【図17】本発明の第4の実施の形態に係る平面コイル
における第1の導体層とその下の絶縁層とを示す平面図
である。
【図18】本発明の第4の実施の形態に係る平面コイル
における第2の導体層を示す平面図である。
【図19】第3の比較例の平面コイルにおける第1の導
体層とその下の絶縁層とを示す平面図である。
【図20】第3の比較例の平面コイルにおける第2の導
体層を示す平面図である。
【図21】本発明の第5の実施の形態に係る平面コイル
の平面図である。
【図22】図21に示した平面コイルの右側面図であ
る。
【図23】図21におけるC−C線で示す断面を拡大し
て表した断面図である。
【図24】本発明の第5の実施の形態に係る平面コイル
におけるコアを示す平面図である。
【図25】本発明の第5の実施の形態に係る平面コイル
におけるコアの側面図である。
【図26】本発明の第6の実施の形態に係る平面コイル
の断面図である。
【図27】第4の比較例の平面コイルの断面図である。
【図28】本発明の第7の実施の形態に係る平面トラン
スの平面図である。
【図29】図28に示した平面トランスの右側面図であ
る。
【図30】図28におけるD−D線で示す断面を拡大し
て表した断面図である。
【図31】本発明の第7の実施の形態に係る平面トラン
スにおけるPA層とその下の絶縁層とを示す平面図であ
る。
【図32】本発明の第7の実施の形態に係る平面トラン
スにおけるPB層とその下の絶縁層とを示す平面図であ
る。
【図33】本発明の第7の実施の形態に係る平面トラン
スにおけるSA層とその下の絶縁層とを示す平面図であ
る。
【図34】本発明の第7の実施の形態に係る平面トラン
スにおけるSB層とその下の絶縁層とを示す平面図であ
る。
【図35】本発明の第7の実施の形態に係る平面トラン
スにおける絶縁層の平面図である。
【図36】第5の比較例の平面トランスの断面図であ
る。
【符号の説明】
10…絶縁層、11…第1の導体層、11a…第1の導
体パターン、12…第2の導体層、12a…第2の導体
パターン、13,14…端子層、15〜18…スルーホ
ール。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−37728(JP,A) 特開 平5−226155(JP,A) 特開2001−85230(JP,A) 特開 昭50−58524(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 30/00 H01F 17/00 H01F 19/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平板状の導体によって形成された奇数タ
    ーンの巻線を有する平面コイルであって、 絶縁層と、平板状の導体が渦巻き状に配置されて形成さ
    れた第1の導体パターンを有する第1の導体層と、平板
    状の導体が渦巻き状に配置されて形成された第2の導体
    パターンを有し、前記絶縁層を介して前記第1の導体層
    に重ね合わされた第2の導体層とを備え、 前記第1の導体パターンと第2の導体パターンは、それ
    ぞれN(Nは1以上の整数)+1ターンの巻線部分を含
    み、 前記第1の導体パターンおよび第2の導体パターンの最
    も内側の巻線部分同士が並列に接続されることにより、
    前記第1の導体パターンおよび第2の導体パターンによ
    って2N+1ターンの巻線が構成されていることを特徴
    とする平面コイル。
  2. 【請求項2】 前記第1の導体パターンおよび第2の導
    体パターンにおいて、最も内側の巻線部分の幅は実質的
    に他の巻線部分の幅の半分であることを特徴とする請求
    項1記載の平面コイル。
  3. 【請求項3】 前記第1の導体パターンおよび第2の導
    体パターンにおいて、内側からnターン(nは1以上、
    N+1以下の整数)目の巻線部分の内周部の半径をr
    i(n)、外周部の半径をro(n)とし、最も内側の巻線部分
    の内周部の半径rmin、最も外側の巻線部分の外周部の
    半径と最も内側の巻線部分の内周部の半径との差W
    total、および隣接するターン間における巻線部分間の
    距離Dが与えられたときに、式(1)で表されるAの値
    が最小となるようにri(n)およびro(n)が定められてい
    ることを特徴とする請求項1記載の平面コイル。 【数1】 (ただし、K(1)=0.5、n≧2のときK(n)=2、
    i(1)=rmin、ri(n+1)−ro(n)=D、ro(N+1)−ri
    (1)=Wtotal
  4. 【請求項4】 複数組の絶縁層、第1の導体層および第
    2の導体層が厚さ方向に積層され、各組毎の巻線が並列
    に接続されていることを特徴とする請求項1ないし3の
    いずれかに記載の平面コイル。
  5. 【請求項5】 それぞれ平面的に配置された導体によっ
    て形成された一次巻線と二次巻線とを有する平面トラン
    スであって、 前記一次巻線と二次巻線の少なくとも一方は、平板状の
    導体が渦巻き状に配置されて形成された第1の導体パタ
    ーンを有する第1の導体層と、平板状の導体が渦巻き状
    に配置されて形成された第2の導体パターンを有し、絶
    縁層を介して前記第1の導体層に重ね合わされた第2の
    導体層とを備え、 前記第1の導体パターンと第2の導体パターンは、それ
    ぞれN(Nは1以上の整数)+1ターンの巻線部分を含
    み、 前記第1の導体パターンおよび第2の導体パターンの最
    も内側の巻線部分同士が並列に接続されることにより、
    前記第1の導体パターンおよび第2の導体パターンによ
    って2N+1ターンの巻線が構成されていることを特徴
    とする平面トランス。
  6. 【請求項6】 前記第1の導体パターンおよび第2の導
    体パターンにおいて、最も内側の巻線部分の幅は実質的
    に他の巻線部分の幅の半分であることを特徴とする請求
    項5記載の平面トランス。
  7. 【請求項7】 前記第1の導体パターンおよび第2の導
    体パターンにおいて、内側からnターン(nは1以上、
    N+1以下の整数)目の巻線部分の内周部の半径をr
    i(n)、外周部の半径をro(n)とし、最も内側の巻線部分
    の内周部の半径rmin、最も外側の巻線部分の外周部の
    半径と最も内側の巻線部分の内周部の半径との差W
    total、および隣接するターン間における巻線部分間の
    距離Dが与えられたときに、式(1)で表されるAの値
    が最小となるようにri(n)およびro(n)が定められてい
    ることを特徴とする請求項5記載の平面トランス。 【数2】 (ただし、K(1)=0.5、n≧2のときK(n)=2、
    i(1)=rmin、ri(n+1)−ro(n)=D、ro(N+1)−ri
    (1)=Wtotal
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