[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。始めに、図1および図2を参照して、本発明の第1の実施の形態に係るLC複合部品の概略の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係るLC複合部品の構成を示す斜視図である。図2は、本実施の形態に係るLC複合部品の断面図である。
本実施の形態に係るLC複合部品1は、例えば携帯電話機、無線LAN通信機器等の無線通信機器に用いられる電子部品である。LC複合部品1は、1つ以上のインダクタと、1つ以上のキャパシタと、磁性を有する磁性層22と、1つ以上のインダクタ、1つ以上のキャパシタおよび磁性層22を支持する基板21とを備えている。図2に示したように、基板21は、第1の面21aと、第1の面21aとは反対側の第2の面21bとを有している。磁性層22は、基板21の第1の面21aに対向するように配置されている。また、磁性層22は、基板21の第1の面21aと同じ方向に向いた第1の面22aと、基板21の第2の面21bと同じ方向に向いた第2の面22bとを有している。磁性層22の第2の面22bは、基板21の第1の面21aに対向している。
ここで、図2に示したように、基板21の第1の面21aに垂直な方向についての基板21の厚みを記号T1で表し、基板21の第1の面21aに垂直な方向についての磁性層22の厚みを記号T2で表す。基板21の厚みT1は、磁性層22の厚みT2よりも大きい。基板21の厚みT1は、磁性層22の厚みT2の1.1〜3倍の範囲内であることが好ましく、磁性層22の厚みT2の1.5〜2倍の範囲内であることがより好ましい。
基板21の複素透磁率の実部と虚部は、それぞれ磁性層22の複素透磁率の実部と虚部よりも小さい。従って、基板21の複素比透磁率の実部と虚部は、それぞれ磁性層22の複素比透磁率の実部と虚部よりも小さい。この複素比透磁率の条件を満たしていれば、基板21は、非磁性であってもよいし、磁性を有していてもよい。上記の複素比透磁率の条件を満たす限り、基板21の材料としては、樹脂や、セラミックや、ガラスや、非磁性フェライトや、複素比透磁率の実部が1より大きく2.5以下の低透磁率フェライトや、これらの複合材料等、種々のものを用いることができる。
磁性層22は、非磁性フェライトを除くフェライト等の磁性材料のみによって構成されていてもよい。あるいは、磁性層22は、樹脂、セラミック、ガラス等の磁性を有さない誘電体材料中に磁性材料の粒子を分散させた材料によって構成されていてもよい。
1つ以上のインダクタは、基板21の第1の面21aと磁性層22(第2の面22b)との間に配置されている。本実施の形態では、1つ以上のキャパシタは、基板21の第1の面21aと磁性層22(第2の面22b)との間の位置であって、第1の面21aに垂直な方向から見たときに1つ以上のインダクタと重ならない位置に配置されている。LC複合部品1は、更に、それぞれ誘電体材料よりなり、基板21の第1の面21aと磁性層22(第2の面22b)との間において積層された複数の誘電体層を備えている。1つ以上のインダクタと1つ以上のキャパシタは、この複数の誘電体層の積層体内に設けられている。基板21、磁性層22および複数の誘電体層は、LC複合部品1の構成要素を一体化するための部品本体20を構成している。
部品本体20は、直方体形状をなしており、上面と、底面と、4つの側面を有している。本実施の形態では、部品本体20の上面は、基板21の第2の面21bによって構成されている。また、部品本体20の底面は、磁性層22の第1の面22aによって構成されている。LC複合部品1は、例えば、部品本体20の底面、すなわち磁性層22の第1の面22aが図示しない実装基板の上面に向いた姿勢で実装基板に実装される。
LC複合部品1は、更に、基板21の第1の面21aと磁性層22(第2の面22b)との間に配置されて磁性層22に接続された、磁性を有する1つ以上のコア部を備えている。1つ以上のコア部は、上記の複数の誘電体層の積層体に埋め込まれている。1つ以上のコア部は、それが無い場合に比べて、1つ以上のインダクタのインダクタンスを大きくする機能を有している。本実施の形態では、LC複合部品1は、角柱形状の2つのコア部23,24を備えている。コア部23,24は、図2における左側からこの順に並んでいる。コア部23,24は、例えば磁性層22と同じ材料によって構成されている。コア部23,24と1つ以上のインダクタとの関係については、後で詳しく説明する。
次に、図3の回路図を参照して、本実施の形態に係るLC複合部品1の回路構成について説明する。本実施の形態では、LC複合部品1は、ローパスフィルタの機能を有している。図3に示したように、LC複合部品1は、信号が入力される入力端子2と、信号を出力する出力端子3と、3つのインダクタ11,12,17と、4つのキャパシタ13,14,15,16とを備えている。
インダクタ11の一端、キャパシタ13の一端およびキャパシタ15の一端は、入力端子2に電気的に接続されている。インダクタ12の一端、キャパシタ14の一端およびキャパシタ16の一端は、インダクタ11の他端およびキャパシタ13の他端に電気的に接続されている。インダクタ12の他端、キャパシタ14の他端およびキャパシタ15の他端は、出力端子3に電気的に接続されている。インダクタ17の一端は、キャパシタ16の他端に電気的に接続されている。インダクタ17の他端はグランドに接続されている。
次に、図4および図5を参照して、本実施の形態に係るLC複合部品1の具体的な構成の一例について説明する。本実施の形態では、LC複合部品1は、複数の誘電体層として、6つの誘電体層31,32,33,34,35,36を備えている。誘電体層31〜36は、基板21と磁性層22との間に配置され、基板21の第1の面21a側からこの順に配置されている。誘電体層31〜36は、それぞれ、基板21の第1の面21aと同じ方向に向いた第1の面と、基板21の第2の面21bと同じ方向に向いた第2の面とを有している。なお、図4および図5では、コア部23,24を省略している。
図4における(a)は、誘電体層31の第1の面を示している。誘電体層31の第1の面には、インダクタ用導体部311,312と、キャパシタ用導体部313,315,316と、端子用導体部31T1,31T2,31T3,31T4が形成されている。なお、図4(a)は、上記の複数の導体部を、誘電体層31の第2の面側から見た状態で表している。上記の複数の導体部の、図4(a)における配置は以下の通りである。導体部311は、左右方向の中心よりも左側の領域に配置されている。導体部312は、左右方向の中心よりも右側の領域に配置されている。導体部316は、導体部311と導体部312との間に配置されている。導体部313は、導体部311,312,316の下側の位置に配置されている。導体部315は、導体部313の下側の位置に配置されている。導体部31T1は、左下の角部の近傍に配置されている。導体部31T2は、右下の角部の近傍に配置されている。導体部31T3は、左上の角部の近傍に配置されている。導体部31T4は、右上の角部の近傍に配置されている。
導体部313は、導体部311,312,316の各一端に接続されている。図4(a)では、2つの導体部の境界を点線で示している。これ以降の説明で使用する図4(a)と同様の図においても、図4(a)と同様の表し方を用いる。導体部311,312は、いずれも、その一端から他端に向けて環状に延びる線状の導体部である。
図4における(b)は、誘電体層32の第1の面を示している。誘電体層32の第1の面には、キャパシタ用導体部323,324,325A,325B,326が形成されている。なお、図4(b)は、上記の複数の導体部を、誘電体層32の第2の面側から見た状態で表している。上記の複数の導体部の、図4(b)における配置は以下の通りである。導体部326は、左右方向のほぼ中央の位置に配置されている。導体部323,324は、導体部326の下側の位置において、左側からこの順に配置されている。導体部325A,325Bは、導体部323,324の下側の位置において、左側からこの順に配置されている。
導体部323,324は、誘電体層32を介して、図4(a)に示した導体部313に対向している。図3におけるキャパシタ13は、導体部313,323と、これらの間に位置する誘電体層32の一部とによって構成されている。図3におけるキャパシタ14は、導体部313,324と、これらの間に位置する誘電体層32の一部とによって構成されている。また、導体部325A,325Bは、誘電体層32を介して、図4(a)に示した導体部315に対向している。図3におけるキャパシタ15は、導体部315,325A,325Bと、これらの間に位置する誘電体層32の一部とによって構成されている。また、導体部326は、誘電体層32を介して、図4(a)に示した導体部316に対向している。図3におけるキャパシタ16は、導体部316,326と、これらの間に位置する誘電体層32の一部とによって構成されている。
LC複合部品1は、誘電体層32,33を貫通する導体部33V1,33V2,33V3,33V4,33V5,33V6を含んでいる。図4(b)では、導体部33V1〜33V6にハッチングを付している。図4(a)に示した導体部31T1〜31T4,311,312には、それぞれ、導体部33V1〜33V6の一端が接続されている。
図4における(c)は、誘電体層33の第1の面を示している。誘電体層33の第1の面には、インダクタ用導体部331,332,337と、接続用導体部333,334,335A,335B,336と、端子用導体部33T1,33T2,33T3,33T4が形成されている。なお、図4(c)は、上記の複数の導体部を、誘電体層33の第2の面側から見た状態で表している。上記の複数の導体部の、図4(c)における配置は以下の通りである。導体部331は、左右方向の中心よりも左側の領域に配置されている。導体部332は、左右方向の中心よりも右側の領域に配置されている。導体部336は、導体部331と導体部332との間に配置されている。導体部333,334は、導体部331,332,336の下側の位置において、左側からこの順に配置されている。導体部335A,335Bは、導体部333,334の下側の位置において、左側からこの順に配置されている。導体部337は、導体部331,332,336の上側の位置に配置されている。導体部33T1は、左下の角部の近傍に配置されている。導体部33T2は、右下の角部の近傍に配置されている。導体部33T3は、左上の角部の近傍に配置されている。導体部33T4は、右上の角部の近傍に配置されている。
導体部33T1は、導体部333,335Aの各一端に接続されている。導体部33T2は、導体部334,335Bの各一端に接続されている。導体部337は、導体部336の一端に接続されている。導体部331,332は、いずれも、その一端から他端に向けて環状に延びる線状の導体部である。
導体部331,332,33T1〜33T4は、それぞれ、基板21の第1の面21aに垂直な方向(誘電体層33の第1の面に垂直な方向と同じ)から見たときに、図4(a)に示した導体部311,312,31T1〜31T4と重なり合う位置に配置されている。導体部333,334,335A,335B,336は、それぞれ、基板21の第1の面21aに垂直な方向から見たときに、図4(b)に示した導体部323,324,325A,325B,326と重なり合う位置に配置されている。
LC複合部品1は、誘電体層33を貫通する導体部33V7,33V8,33V9,33V10,33V11を含んでいる。図4(c)では、導体部33V1〜33V11を二点鎖線で示している。導体部33T1〜33T4,331,332には、それぞれ、導体部33V1〜33V6の他端が接続されている。図4(b)に示した導体部323,324,325A,325B,326には、それぞれ、導体部33V7〜33V11の一端が接続されている。導体部333,334,335A,335B,336には、それぞれ、導体部33V7〜33V11の他端が接続されている。
図5における(a)は、誘電体層34の第1の面を示している。誘電体層34の第1の面には、インダクタ用導体部341,342,347と、端子用導体部34T1,34T2,34T3,34T4が形成されている。なお、図5(a)は、上記の複数の導体部を、誘電体層34の第2の面側から見た状態で表している。上記の複数の導体部の、図5(a)における配置は以下の通りである。導体部341は、左右方向の中心よりも左側の領域に配置されている。導体部342は、左右方向の中心よりも右側の領域に配置されている。導体部347は、導体部341,342の上側の位置に配置されている。導体部34T1は、左下の角部の近傍に配置されている。導体部34T2は、右下の角部の近傍に配置されている。導体部34T3は、左上の角部の近傍に配置されている。導体部34T4は、右上の角部の近傍に配置されている。
導体部341,342は、いずれも、その一端から他端に向けて環状に延びる線状の導体部である。導体部341,342,347,34T1〜34T4は、それぞれ、基板21の第1の面21aに垂直な方向(誘電体層34の第1の面に垂直な方向と同じ)から見たときに、図4(c)に示した導体部331,332,337,33T1〜33T4と重なり合う位置に配置されている。
LC複合部品1は、誘電体層34を貫通する導体部34V1,34V2,34V3,34V4,34V5,34V6,34V7を含んでいる。図5(a)では、導体部34V1〜34V7を二点鎖線で示している。図4(c)に示した導体部33T1〜33T4,331,332,337には、それぞれ、導体部34V1〜34V7の一端が接続されている。導体部34T1〜34T4,341,342,347には、それぞれ、導体部34V1〜34V7の他端が接続されている。
図5における(b)は、誘電体層35の第1の面を示している。誘電体層35の第1の面には、インダクタ用導体部351,352,357A,357Bと、端子用導体部35T1,35T2,35T3,35T4が形成されている。なお、図5(b)は、上記の複数の導体部を、誘電体層35の第2の面側から見た状態で表している。上記の複数の導体部の、図5(b)における配置は以下の通りである。導体部351は、左右方向の中心よりも左側の領域に配置されている。導体部352は、左右方向の中心よりも右側の領域に配置されている。導体部357A,357Bは、導体部351,352の上側の位置において、左側からこの順に配置されている。導体部35T1は、左下の角部の近傍に配置されている。導体部35T2は、右下の角部の近傍に配置されている。導体部35T3は、左上の角部の近傍に配置されている。導体部35T4は、右上の角部の近傍に配置されている。
導体部35T1〜35T4は、それぞれ、導体部351,352,357A,357Bの一端に接続されている。導体部351,352は、いずれも、その一端から他端に向けて環状に延びる線状の導体部である。
導体部351,352,35T1〜35T4は、それぞれ、基板21の第1の面21aに垂直な方向(誘電体層35の第1の面に垂直な方向と同じ)から見たときに、図5(a)に示した導体部341,342,34T1〜34T4と重なり合う位置に配置されている。導体部357A,357Bは、基板21の第1の面21aに垂直な方向から見たときに、図5(a)に示した導体部347と重なり合う位置に配置されている。
LC複合部品1は、誘電体層35を貫通する導体部35V1,35V2,35V3,35V4,35V5,35V6,35V7,35V8を含んでいる。図5(b)では、導体部35V1〜35V8を二点鎖線で示している。図5(a)に示した導体部34T1〜34T4,341,342には、それぞれ、導体部35V1〜35V6の一端が接続されている。図5(a)に示した導体部347には、導体部35V7,35V8の各一端が接続されている。導体部35T1〜35T4,351,352,357A,357Bには、それぞれ、導体部35V1〜35V8の他端が接続されている。
図5における(c)は、磁性層22および誘電体層36と、磁性層22および誘電体層36を貫通する要素とを示している。LC複合部品1は、磁性層22および誘電体層36を貫通する端子用導体部41,42,43,44を含んでいる。図5(c)では、導体部41〜44にハッチングを付している。図5(b)に示した導体部35T1〜35T4には、それぞれ、導体部41〜44の一端が接続されている。
以下、図2および図3も参照して、LC複合部品1の具体的な構成について更に説明する。図3における入力端子2は、端子用導体部41の他端によって構成されている。図3における出力端子3は、端子用導体部42の他端によって構成されている。端子用導体部43,44の各他端は、グランドに接続されるグランド端子を構成する。
図3におけるインダクタ11は、インダクタ用導体部311,331,341,351と導体部33V5,34V5,35V5によって構成されている。図2に示したように、コア部23は、誘電体層32〜36を貫通して、導体部311,331,341,351の内周部の内側に位置している。導体部311,331,341,351は、いずれも、コア部23の外周に沿って延びる線状の導体部である。
図3におけるインダクタ12は、インダクタ用導体部312,332,342,352と導体部33V6,34V6,35V6によって構成されている。図2に示したように、コア部24は、誘電体層32〜36を貫通して、導体部312,332,342,352の内周部の内側に位置している。導体部312,332,342,352は、いずれも、コア部24の外周に沿って延びる線状の導体部である。
図3におけるインダクタ17は、インダクタ用導体部337,347,357A,357Bと導体部34V7,35V7,35V8によって構成されている。
前述のように、キャパシタ用導体部313,315,316,323,324,325A,325B,326と、これらの導体部の間に介在する誘電体層32の一部は、キャパシタ13〜16を構成する。図4および図5に示したように、導体部313,315,316,323,324,325A,325B,326は、いずれも、基板21の第1の面21aに垂直な方向から見たときに、インダクタ用導体部311,312,331,332,337,341,342,347,351,352,357A,357Bおよび導体部33V5,33V6,34V5〜34V7,35V5〜35V8と重ならない位置に配置されている。従って、キャパシタ13〜16は、基板21の第1の面21aに垂直な方向に見たときにインダクタ11,12,17と重ならない位置に配置されていると言える。
次に、図4ないし図6を参照して、本実施の形態に係るLC複合部品1の製造方法の一例について説明する。図6は、本実施の形態に係るLC複合部品1の製造方法の一例を示すフローチャートである。この例の製造方法では、複数のLC複合部品1の基板21となる部分を含むウェハ上に、複数のLC複合部品1の基板21以外の構成要素を形成して、LC複合部品1の部品本体20が複数列に配列された基礎構造物を作製し、この基礎構造物を切断することによって複数の部品本体20を互いに分離する。これにより、複数のLC複合部品1が作製される。
以下、1つのLC複合部品1に注目して、LC複合部品1の製造方法の一例について更に詳しく説明する。なお、以下の説明では、便宜上、基板21となる部分を基板21と言う。この例の製造方法では、まず、基板21の上に、薄膜形成技術を用いて、複数の誘電体層および複数の導体部を形成する(図6のステップS101)。具体的には、まず、基板21の第1の面21aの上に、誘電体層31を形成する。次に、誘電体層31の上に、図4(a)に示した複数の導体部を形成する。複数の導体部の形成方法は、パターニングされていない導体層を形成した後、マスクを用いたエッチングによって導体層をパターニングする方法でもよいし、マスクを用いてパターニングされた導体層を形成する方法でもよい。導体層の形成方法としては、スパッタ法やめっき法の種々の薄膜形成方法を用いることができる。以下で説明する他の複数の導体部の形成方法も、これと同様である。
次に、例えばスパッタ法によって、誘電体層32を形成する。次に、誘電体層32の上に、図4(b)に示したキャパシタ用導体部323,324,325A,325B,326を形成する。次に、誘電体層33を形成する。次に、誘電体層32,33に、導体部33V1〜33V6用の6つの孔を形成すると共に、誘電体層33に、導体部33V7〜33V11用の5つの孔を形成する。次に、図4(c)に示した複数の導体部を形成する。
次に、誘電体層34を形成する。次に、誘電体層34に、導体部34V1〜34V7用の7つの孔を形成する。次に、図5(a)に示した複数の導体部を形成する。次に、誘電体層35を形成する。次に、誘電体層35に、導体部35V1〜35V8用の8つの孔を形成する。次に、図5(b)に示した複数の導体部を形成する。次に、誘電体層36を形成する。
次に、誘電体層36に、端子用導体部41〜44用の4つの孔を形成する。次に、例えばめっき法によって、図5(c)に示した端子用導体部41〜44を形成する(図6のステップS102)。端子用導体部41〜44は、その厚みが誘電体層36の厚みよりも大きくなるように形成される。
次に、誘電体層32〜36に、コア部23,24用の2つの孔を形成する(図6のステップS103)。次に、上記2つの孔内を埋め、且つ端子用導体部41〜44を覆うように、後に磁性層22およびコア部23,24となる予備磁性層を形成する(図6のステップS104)。次に、端子用導体部41〜44が露出するまで、予備磁性層を研磨する(図6のステップS105)。これにより、予備磁性層のうち、コア部23,24用の2つの孔内に残った部分がコア部23,24となり、残りの部分が磁性層22となる。磁性層22およびコア部23,24が形成されることにより、基礎構造物が完成する。次に、複数の部品本体20が切り出されるように、基礎構造物を切断する(図6のステップS107)。
以上説明した例の製造方法では、厚みが比較的大きい基板21が必要になる。このことは、基板21の厚みT1が磁性層22の厚みT2よりも大きいという、本実施の形態に係るLC複合部品1の特徴を実現するのに都合がよい。
なお、本実施の形態に係るLC複合部品1の製造方法は、上記の例に限られない。例えば、LC複合部品1のうち、少なくとも基板21と磁性層22の間の複数の誘電体層および複数の導体部は、低温同時焼成法によって形成してもよい。
次に、本実施の形態に係るLC複合部品1の作用および効果について説明する。本実施の形態に係るLC複合部品1では、図1に示したように、3つのインダクタ11,12,17の近傍に磁性層22が設けられていることから、所望のインダクタンスを得るために必要なインダクタ11,12,17の大きさを小さくすることができる。従って、本実施の形態によれば、インダクタ11,12,17の小型化が可能になり、その結果、LC複合部品1の小型化が可能になる。
また、本実施の形態では、インダクタ11,12,17を構成するインダクタ用導体部の長さを短くして、インダクタ11,12,17を小型化することが可能である。この場合には、インダクタ11,12,17の抵抗値を小さくすることが可能になり、その結果、インダクタ11,12,17の導体損を小さくすることが可能になる。
また、本実施の形態では、磁性層22は、インダクタ11,12,17に対して、基板21の第1の面21aに垂直な方向における片側にのみ設けられている。そのため、本実施の形態によれば、磁性層がインダクタ11,12,17に対して上記垂直な方向における両側に設けられている場合に比べて、磁性材料の使用量を少なくすることができ、その結果、LC複合部品1の低コスト化が可能になる。この観点から、基板21は、非磁性すなわち複素比透磁率の実部が1であるか、複素比透磁率の実部が1に近いものであることが好ましい。具体的には、基板21の複素比透磁率の実部は、1〜2.5の範囲内であることが好ましい。なお、複素透磁率の実部は、複素比透磁率の実部と真空の透磁率(4π×10−7 [H/m])との積によって求められる。
また、本実施の形態では、インダクタ11,12,17は、基板21と磁性層22に挟まれている。インダクタ11,12,17から見て磁性層22側の第1の空間に関しては、磁性層22によって、インダクタ11,12,17に対する電磁シールド効果を得ることができる。一方、インダクタ11,12,17から見て基板21側の第2の空間に関しては、磁性層22は存在しないが、磁性層22よりも厚い基板21が存在している。この第2の空間に関しては、基板21によって、インダクタ11,12,17に対して電磁気的な影響を与える要素をインダクタ11,12,17から遠ざけることができる。そのため、第2の空間に関しては、基板21によって、インダクタ11,12,17に対する電磁シールド効果を得ることができる。これらのことから、本実施の形態によれば、LC複合部品1の電磁シールド性能を高くすることが可能になる。
本実施の形態では、基板21の複素透磁率の虚部は、磁性層22の複素透磁率の虚部よりも小さい。これにより、本実施の形態によれば、インダクタ11,12,17の近傍に位置する基板21の厚みT1が大きくなることによるインダクタ11,12,17の磁気損失の増加を抑制することができる。この観点から、基板21の複素比透磁率の虚部は、小さいことが好ましい。具体的には、基板21の複素比透磁率の虚部は、0〜0.025の範囲内であることが好ましい。なお、複素透磁率の虚部は、複素比透磁率の虚部と真空の透磁率との積によって求められる。
磁性層22による上述のインダクタ11,12,17の小型化の効果が顕著に発揮されるように、磁性層22の複素比透磁率の実部は、ある程度大きいことが好ましい。具体的には、磁性層22の複素比透磁率の実部は、1.1〜5.0の範囲内であることが好ましい。
ここで、基板21の複素比透磁率の実部に対する磁性層22の複素比透磁率の実部の比率と、所望のインダクタンスが得られるインダクタ11の長さとの関係を求めた第1のシミュレーションの結果について説明する。ここでは、基板21の複素比透磁率の実部に対する磁性層22の複素比透磁率の実部の比率を透磁率比と定義する。また、透磁率比が1であるときに所望のインダクタンスが得られるインダクタ11の長さに対する、任意の透磁率比のときに所望のインダクタンスが得られるインダクタ11の長さの比率を、インダクタ長比率と定義する。第1のシミュレーションでは、基板21の複素比透磁率の実部を1とした。以下、インダクタ11の長さをインダクタ長さと言う。第1のシミュレーションでは、インダクタ11として、一方向に延びる帯状のインダクタを想定した。また、第1のシミュレーションでは、透磁率比が1であるときに所望のインダクタンスが得られるインダクタ長さを2725μmとした。第1のシミュレーションの結果を、表1と図7に示す。
表1と図7から、透磁率比が1.1以上になると、インダクタ長比率が0.96以下になり、インダクタ長さの有意な短縮効果が得られることが分かる。また、表1と図7から、透磁率比が1.5以上になると、インダクタ長比率が0.87以下になり、上記短縮効果が顕著に得られることが分かる。なお、コイル状のインダクタ11では、一方向に延びる帯状のインダクタに比べて、インダクタ長さの短縮効果が大きくなることが期待される。従って、第1のシミュレーションの結果は、実際のLC複合部品1で得られるインダクタ長さの短縮効果の最小限の大きさを示していると言える。
第1のシミュレーションの結果を考慮して、磁性層22の複素比透磁率の実部と基板21の複素比透磁率の実部が等しいと仮定した場合に比べて、磁性層22による前述のインダクタ11,12,17の小型化の効果が有意に発揮されるように、磁性層22の複素比透磁率の実部は、基板21の複素比透磁率の実部の1.1倍以上であることが好ましい。また、上記の効果が顕著に発揮されるように、磁性層22の複素比透磁率の実部は、基板21の複素比透磁率の実部の1.5倍以上であることがより好ましい。
一方、磁性層22の複素比透磁率の虚部は、磁性層22によるインダクタ11,12,17に対する電磁シールド効果を顕著に発揮させる観点からは大きい方が好ましいが、大きすぎるとインダクタ11,12,17の磁気損失の増加をまねく。これらを勘案して、磁性層22の複素比透磁率の虚部は、0.0011〜0.05の範囲内であることが好ましい。
基板21によって十分な電磁シールド効果が得られるようにするためには、基板21の厚みT1を、磁性層22の厚みT2に比べて明らかに大きくする必要がある。一方、基板21の厚みT1が大きくなりすぎると、LC複合部品1の厚みも大きくなりすぎて、LC複合部品1の小型化、薄型化の要求に反することになる。これらを勘案して、本実施の形態では、基板21の厚みT1を、磁性層22の厚みT2の1.1〜3倍の範囲内、好ましくは1.5〜2倍の範囲内としている。
また、磁性層22の複素比透磁率の実部を、基板21の複素比透磁率の実部の1.1倍以上としたときに、基板21によって磁性層22と同等以上の電磁シールド効果が得られるようにするためには、基板21の厚みT1を、磁性層22の厚みT2の1.1倍以上にする必要がある。磁性層22の複素比透磁率の実部を、基板21の複素比透磁率の実部の1.5倍以上としたときに、基板21によって磁性層22と同等以上の電磁シールド効果が得られるようにするためには、基板21の厚みT1を、磁性層22の厚みT2の1.5倍以上にする必要がある。
ところで、電子部品の電磁シールド性能を高めるための一般的な方法としては、電子部品の構成要素、特にインダクタを挟むように、面の面積が大きい一対の金属層を設ける方法がある。しかし、LC複合部品にこの方法を適用し、且つLC複合部品を薄型化しようとすると、インダクタと金属層との間の距離が小さくなり、渦電流損によるインダクタの損失が大きくなり、高周波帯におけるLC複合部品の特性が劣化する。これに対し、本実施の形態では、上述のように基板21および磁性層22によって電磁シールド効果を得ることが可能になることから、インダクタ11,12,17を挟むように、面の面積が大きい一対の金属層を設ける必要がない。そのため、本実施の形態によれば、インダクタ11,12,17の損失によるLC複合部品1の特性の劣化を少なくでき、且つLC複合部品1の薄型化が可能になる。
また、基板21の第1の面21aに垂直な方向から見たときに、キャパシタ13〜16を構成するキャパシタ用導体部と、インダクタ11,12,17を構成するインダクタ用導体部が、互いに重なり合う位置に配置されていると、LC複合部品1の薄型化に伴って、キャパシタ用導体部とインダクタ用導体部との間の距離が小さくなり、キャパシタ用導体部に起因する渦電流損によるインダクタ11,12,17の損失が大きくなり、高周波帯におけるLC複合部品1の特性が劣化する。これに対し、本実施の形態では、キャパシタ13〜16は、基板21の第1の面21aと磁性層22との間の位置であって、基板21の第1の面21aに垂直な方向から見たときにインダクタ11,12,17と重ならない位置に配置されている。これによっても、本実施の形態によれば、インダクタ11,12,17の損失によるLC複合部品1の特性の劣化を少なくでき、且つLC複合部品1の薄型化が可能になる。
また、本実施の形態に係るLC複合部品1は、更に、2つのコア部23,24を備え、インダクタ11は、コア部23の外周に沿って延びる線状の導体部であるインダクタ用導体部311,331,341,351を含み、インダクタ12は、コア部24の外周に沿って延びる線状の導体部であるインダクタ用導体部312,332,342,352を含んでいる。これによっても、本実施の形態によれば、インダクタ11,12の小型化が可能になり、その結果、LC複合部品1の小型化が可能になる。また、導体部311,312,331,332,341,342,351,352の長さを短くして、インダクタ11,12を小型化した場合には、インダクタ11,12の抵抗値を小さくすることが可能になり、その結果、インダクタ11,12の導体損を小さくすることが可能になる。
以上のことから、本実施の形態によれば、小型化、薄型化、低コスト化が可能で、電磁シールド性能が高く、インダクタの損失による特性の劣化の少ないLC複合部品1を実現することができる。
以下、第2のシミュレーションの結果を参照して、磁性層22による電磁シールド効果について説明する。第2のシミュレーションでは、以下で説明する第1および第2の実施例のモデルと、比較例のモデルを用いた。第1および第2の実施例のモデルは、本実施の形態に係るLC複合部品1を用いている。第1の実施例のモデルは、LC複合部品1単独のモデルである。第2の実施例のモデルは、それぞれLC複合部品1の部品本体20の上面(基板21の第2の面21b)と部品本体20の底面(磁性層22の第1の面22a)に対向するように、LC複合部品1の近傍に2つの金属製のシールド板を配置したモデルである。第1および第2の実施例のモデルにおいて、基板21の複素比透磁率の実部は1、基板21の複素比透磁率の虚部は0、磁性層22の複素比透磁率の実部は4.0、磁性層22の複素比透磁率の虚部は0.04である。
比較例のモデルは、比較例のLC複合部品を用いている。比較例のLC複合部品では、磁性層22の代わりに、比較例の誘電体層が設けられている。比較例のLC複合部品のその他の構成は、本実施の形態に係るLC複合部品1と同じである。比較例の誘電体層は、基板21の第1の面21aと同じ方向に向いた第1の面と、基板21の第2の面21bと同じ方向に向いた第2の面とを有している。比較例のモデルにおいて、基板21の複素比透磁率の実部は1、基板21の複素比透磁率の虚部は0、誘電体層の複素比透磁率の実部は1、誘電体層の複素比透磁率の虚部は0である。比較例のモデルは、第2の実施例のモデルと同様に、比較例のLC複合部品の部品本体20の上面(基板21の第2の面21b)と部品本体20の底面(比較例の誘電体層の第1の面)のそれぞれに対向するように、比較例のLC複合部品の近傍に2つの金属製のシールド板を配置したモデルである。
第2のシミュレーションでは、第1および第2の実施例のモデルと比較例のモデルのそれぞれについて、挿入損失の周波数特性を求めた。なお、比較例のLC複合部品は、その単独のモデルにおける挿入損失の周波数特性が、第1の実施例のモデルと同じになるように設計した。
図8は、第1の実施例のモデルにおける挿入損失の周波数特性を示す特性図である。図9は、第2の実施例のモデルにおける挿入損失の周波数特性を示す特性図である。図10は、比較例のモデルにおける挿入損失の周波数特性を示す特性図である。図8ないし図10において、横軸は周波数を示し、縦軸は挿入損失を示している。第1および第2の実施例のモデルと比較例のモデルのそれぞれの、通過帯域内の特定の周波数(0.787GHzと0.96GHz)における挿入損失は、以下の通りである。第1の実施例のモデルでは、0.787GHzにおける挿入損失は0.43dBであり、0.96GHzにおける挿入損失は0.66dBであった。第2の実施例のモデルでは、0.787GHzにおける挿入損失は0.44dBであり、0.96GHzにおける挿入損失は0.68dBであった。比較例のモデルでは、0.787GHzにおける挿入損失は0.82dBであり、0.96GHzにおける挿入損失は1.06dBであった。
比較例のモデルでは、第1の実施例のモデルに比べて、通過帯域における挿入損失が大きくなっている。これは、比較例のモデルでは、磁性層22による電磁シールド効果がないために、シールド板に起因した渦電流損によるインダクタの損失が大きくなったためと考えられる。これに対し、第2の実施例のモデルの通過帯域における挿入損失は、第1の実施例のモデルの通過帯域における挿入損失とほぼ同じである。第2のシミュレーションの結果から、本実施の形態では、磁性層22によって電磁シールド効果が得られることが分かる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態に係るLC複合部品1について説明する。始めに、図11を参照して、本実施の形態に係るLC複合部品1の概略の構成について説明する。図11は、本実施の形態に係るLC複合部品1の断面図である。本実施の形態に係るLC複合部品1の回路構成は、第1の実施の形態と同じであり、図3に示した通りである。
本実施の形態では、LC複合部品1の1つ以上のキャパシタ(キャパシタ13〜16)の配置が、第1の実施の形態と異なっている。図11に示したように、本実施の形態では、キャパシタ16は、インダクタ11,12,17との間に基板21を挟む位置、すなわち基板21の第2の面21b側の位置に配置されている。図示しないが、キャパシタ16以外の3つのキャパシタ13〜15も、インダクタ11,12,17との間に基板21を挟む位置、すなわち基板21の第2の面21b側の位置に配置されている。
次に、図12および図13を参照して、本実施の形態に係るLC複合部品1の具体的な構成について説明する。本実施の形態では、基板21の第1の面21a側と第2の面21b側に、それぞれ、積層された複数の誘電体層が設けられている。具体的には、LC複合部品1は、基板21の第1の面21aと磁性層22の第2の面22bとの間に配置された誘電体層31,33,34,35,36と、基板21の第2の面21b側に配置された誘電体層51,52,53とを備えている。誘電体層31,33〜36は、基板21の第1の面21a側からこの順に配置されている。誘電体層51〜53は、基板21の第2の面21b側から、53,52,51の順に配置されている。誘電体層31,33〜36,51〜53は、それぞれ、基板21の第1の面21aと同じ方向に向いた第1の面と、基板21の第2の面21bと同じ方向に向いた第2の面とを有している。
LC複合部品1は、更に、誘電体層51の第2の面の上に配置された誘電体材料よりなる保護用誘電体層を備えている。保護用誘電体層は、基板21の第1の面21aと同じ方向に向いた第1の面と、基板21の第2の面21bと同じ方向に向いた第2の面とを有している。本実施の形態では、LC複合部品1の部品本体20の上面は、保護用誘電体層の第2の面によって構成されている。
本実施の形態では、コア部23,24は、誘電体層31,33〜36の積層体に埋め込まれている。なお、図13では、コア部23,24を省略している。
図12における(a)は、誘電体層51の第2の面を示している。誘電体層51の第2の面には、キャパシタ用導体部513,515,516と、端子用導体部51T1,51T2,51T3,51T4が形成されている。導体部513,515,516,51T1〜51T4の図12(a)における配置は、第1の実施の形態で説明した導体部313,315,316,31T1〜31T4の図4(a)における配置と同じである。
LC複合部品1は、誘電体層51,52を貫通する導体部51V1,51V2,51V3,51V4,51V5を含んでいる。図12(a)では、導体部51V1〜51V5を破線で示している。導体部51T1〜51T4,513には、それぞれ、導体部51V1〜51V5の一端が接続されている。
図12における(b)は、誘電体層52の第2の面を示している。誘電体層52の第2の面には、キャパシタ用導体部523,524,525A,525B,526が形成されている。導体部523,524,525A,525B,526の図12(b)における配置は、第1の実施の形態で説明した導体部323,324,325A,325B,326の図4(b)における配置と同じである。
導体部523,524は、誘電体層51を介して、図12(a)に示した導体部513に対向している。本実施の形態におけるキャパシタ13は、導体部513,523と、これらの間に位置する誘電体層51の一部とによって構成されている。本実施の形態におけるキャパシタ14は、導体部513,524と、これらの間に位置する誘電体層51の一部とによって構成されている。また、導体部525A,525Bは、誘電体層51を介して、図12(a)に示した導体部515に対向している。本実施の形態におけるキャパシタ15は、導体部515,525A,525Bと、これらの間に位置する誘電体層51の一部とによって構成されている。また、導体部526は、誘電体層51を介して、図12(a)に示した導体部516に対向している。本実施の形態におけるキャパシタ16は、導体部516,526と、これらの間に位置する誘電体層51の一部とによって構成されている。
図12(b)では、導体部51V1〜51V5にハッチングを付している。LC複合部品1は、誘電体層52を貫通する導体部52V7,52V8,52V9,52V10,52V11を含んでいる。図12(b)では、導体部52V7〜52V11を破線で示している。導体部523,524,525A,525B,526には、それぞれ、導体部52V7〜52V11の一端が接続されている。
図12における(c)は、誘電体層53の第2の面を示している。誘電体層53の第2の面には、接続用導体部533,534,535A,535B,536,538と、端子用導体部53T1,53T2,53T3,53T4が形成されている。導体部533,534,535A,535B,536,53T1〜53T4の図12(c)における配置は、第1の実施の形態で説明した導体部333,334,335A,335B,336,33T1〜33T4の図4(c)における配置と同じである。導体部538は、導体部533と導体部534との間に配置されている。
導体部538,53T1〜53T4は、それぞれ、基板21の第1の面21aに垂直な方向(誘電体層53の第1の面に垂直な方向と同じ)から見たときに、図12(a)に示した導体部513,51T1〜51T4と重なり合う位置に配置されている。導体部533,534,535A,535B,536は、それぞれ、基板21の第1の面21aに垂直な方向から見たときに、図12(b)に示した導体部523,524,525A,525B,526と重なり合う位置に配置されている。
導体部53T1〜53T4,538には、それぞれ、図12(a)、(b)に示した導体部51V1〜51V5の他端が接続されている。導体部533,534,535A,535B,536には、それぞれ、図12(b)に示した導体部52V7〜52V11の他端が接続されている。
LC複合部品1は、基板21および誘電体層31,53を貫通する接続用導体部61,62,63,64,65,66を含んでいる。図12(c)では、導体部61〜66を破線で示している。導体部53T1〜53T4,538,536には、それぞれ、導体部61〜66の一端が接続されている。
図13における(a)は、基板21と、基板21を貫通する導体部61〜66とを示している。図13(a)では、導体部61〜66にハッチングを付している。
図13における(b)は、誘電体層31の第1の面を示している。本実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、インダクタ用導体部311,312および端子用導体部31T1〜31T4が形成されている。上記複数の導体部の形状および配置は、第1の実施の形態と同じである。本実施の形態では特に、導体部31T1〜31T4は、それぞれ、基板21の第1の面21aに垂直な方向(誘電体層31の第1の面に垂直な方向と同じ)から見たときに、図12(c)に示した導体部53T1〜53T4と重なり合う位置に配置されている。なお、本実施の形態では、接続用導体部313,315,316は設けられていない。
本実施の形態では、誘電体層31の第1の面には、更に、接続用導体部318,319が形成されている。導体部318は、図13(b)における導体部311,312の下側の位置に配置されている。また、導体部318は、導体部311,312の各一端に接続されている。導体部319は、図13(b)における導体部311,312の上側の位置に配置されている。導体部318,319は、それぞれ、基板21の第1の面21aに垂直な方向から見たときに、図12(c)に示した導体部538,536と重なり合う位置に配置されている。
図13(b)では、導体部61〜66を二点鎖線で示している。導体部31T1〜31T4,318,319には、それぞれ、導体部61〜66の他端が接続されている。
図13における(c)は、誘電体層33の第1の面を示している。本実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、インダクタ用導体部331,332,337、端子用導体部33T1〜33T4および導体部33V1〜33V6が形成されている。上記複数の導体部の形状および配置は、第1の実施の形態と同じである。本実施の形態では特に、導体部337は、基板21の第1の面21aに垂直な方向(誘電体層33の第1の面に垂直な方向と同じ)から見たときに、図13(b)に示した導体部319と重なり合う位置に配置されている。また、導体部33V1〜33V6は、誘電体層33のみを貫通する。なお、本実施の形態では、接続用導体部333,334,335A,335B,336および導体部33V7〜33V11は設けられていない。
LC複合部品1は、誘電体層33を貫通する導体部33V12を含んでいる。図13(c)では、導体部33V12を二点鎖線で示している。図13(b)に示した導体部319には、導体部33V12の一端が接続されている。導体部337には、導体部33V12の他端が接続されている。
誘電体層34から磁性層22までの部分の構成は、第1の実施の形態における図5(a)〜(c)に示した例と同じである。
次に、本実施の形態に係るLC複合部品1の製造方法の一例について簡単に説明する。本実施の形態では、まず、第1の実施の形態に係るLC複合部品1の製造方法の一例と同様の方法によって、基板21の第1の面21aの上に誘電体層31から誘電体層36までの部分(コア部23,24および端子用導体部41〜44を除く)を形成する。次に、基板21の第2の面21bの上に、誘電体層53を形成する。次に、基板21および誘電体層31,53に、接続用導体部61〜66用の6つの孔を形成する。次に、この6つの孔内に、導体部61〜66を形成する。また、誘電体層53および導体部61〜66の上に、図12(c)に示した他の複数の導体部を形成する。次に、誘電体層52から保護用誘電体層までの部分を形成する。本実施の形態に係るLC複合部品1の製造方法におけるその他の工程は、第1の実施の形態と同様である。
なお、LC複合部品1のうち、保護用誘電体層から誘電体層36までの部分(コア部23,24および端子用導体部41〜44を除く)は、低温同時焼成法によって形成してもよい。
本実施の形態では、キャパシタ13〜16は、インダクタ11,12,17との間に基板21を挟む位置に配置されている。これにより、本実施の形態によれば、キャパシタ用導体部とインダクタ用導体部との間の距離を大きくして、インダクタ11,12,17の損失によるLC複合部品1の特性の劣化を少なくすることが可能になる。
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態に係るLC複合部品1について説明する。始めに、図14を参照して、本実施の形態に係るLC複合部品1の概略の構成について説明する。図14は、本実施の形態に係るLC複合部品1の外観を示す斜視図である。本実施の形態に係るLC複合部品1の回路構成は、第1の実施の形態と同じであり、図3に示した通りである。
本実施の形態では、第2の実施の形態で説明した端子用導体部41〜44および接続用導体部61〜64が設けられていない。代わりに、本実施の形態に係るLC複合部品1は、それぞれ部品本体20の4つの側面のうちのいずれかに配置された4つの外部導体層25,26,27,28と、部品本体20の底面に配置された4つの端子用導体部T1,T2,T3,T4および4つの接続用導体部C1,C2,C3,C4とを備えている。本実施の形態では、外部導体層25,26は、同じ側面(図14における左下方向を向いた側面)に配置されている。以下、外部導体層25,26が配置された側面を第1の側面と呼び、符号20Aで表す。また、図14における右下方向を向いた側面を第2の側面と呼び、符号20Bで表す。また、図14における右上方向を向いた側面を第3の側面と呼び、符号20Cで表す。また、図14における左上方向を向いた側面を第4の側面と呼び、符号20Dで表す。外部導体層27,28は、第3の側面20Cに配置されている。
外部導体層25は、第1の側面20Aと第4の側面20Dとの間の稜線の近傍に配置されている。外部導体層26は、第1の側面20Aと第2の側面20Bとの間の稜線の近傍に配置されている。外部導体層25,26の各一端は、部品本体20の底面と第1の側面20Aとの間の稜線の位置に配置されている。外部導体層25,26の各他端は、部品本体20の上面と第1の側面20Aとの間の稜線の位置に配置されている。
外部導体層27は、第3の側面20Cと第4の側面20Dとの間の稜線の近傍に配置されている。外部導体層28は、第2の側面20Bと第3の側面20Cとの間の稜線の近傍に配置されている。外部導体層27,28の各一端は、部品本体20の底面と第3の側面20Cとの間の稜線の位置に配置されている。外部導体層27,28の各他端は、部品本体20の上面と第3の側面20Cとの間の稜線の位置に配置されている。
端子用導体部T1〜T4は、それぞれ接続用導体部C1〜C4を介して外部導体層25〜28の一端に接続されている。端子用導体部T1は、本実施の形態における入力端子2を構成する。端子用導体部T2は、本実施の形態における出力端子3を構成する。端子用導体部T3,T4は、グランドに接続されるグランド端子を構成する。
次に、図15ないし図17を参照して、本実施の形態に係るLC複合部品1の具体的な構成について説明する。本実施の形態に係るLC複合部品1は、第2の実施の形態と同様に配置された誘電体層31,33,34,35,36,51,52,53および保護用誘電体層を備えている。また、第2の実施の形態と同様に、コア部23,24は、誘電体層31,33〜36の積層体に埋め込まれている。なお、図16および図17では、コア部23,24を省略している。
図15において、(a)は、誘電体層51の第2の面を示し、(b)は、誘電体層52の第2の面を示し、(c)は、誘電体層53の第2の面を示している。本実施の形態では、第2の実施の形態と同様に、キャパシタ用導体部513,515,516,523,524,525A,525B,526、接続用導体部533,534,535A,535B,536,538、端子用導体部53T1,53T2、導体部51V5,52V7〜52V11および接続用導体部65,66が形成されている。上記複数の導体部の形状および配置は、第2の実施の形態と同じである。なお、本実施の形態では、端子用導体部51T1〜51T4,53T3,53T4、導体部51V1〜51V4および接続用導体部61〜64は設けられていない。
図15(c)に示したように、本実施の形態では、誘電体層53の第2の面には、更に、2つの接続用導体部53C1,53C2が形成されている。導体部53C1,53C2の一端は、それぞれ導体部53T1,53T2に接続されている。導体部53C1,53C2の他端は、それぞれ、図14に示した外部導体層25,26に接続されている。
図16において、(a)は、基板21と、基板21を貫通する導体部65,66とを示し、(b)は、誘電体層31の第1の面を示し、(c)は、誘電体層33の第1の面を示している。本実施の形態では、第2の実施の形態と同様に、インダクタ用導体部311,312,331,332,337、接続用導体部318,319、導体部33V5,33V6,33V12および接続用導体部65,66が形成されている。上記複数の導体部の形状および配置は、第2の実施の形態と同じである。なお、本実施の形態では、端子用導体部31T1〜31T4,33T1〜33T4および導体部33V1〜33V4は設けられていない。
図17において、(a)は、誘電体層34の第1の面を示し、(b)は、誘電体層35の第1の面を示している。本実施の形態では、第2の実施の形態(第1の実施の形態)と同様に、インダクタ用導体部341,342,347,351,352,357A,357B、端子用導体部35T1〜35T4および導体部34V5〜34V7,35V5〜35V8が形成されている。上記複数の導体部の形状および配置は、第2の実施の形態(第1の実施の形態)と同じである。なお、本実施の形態では、端子用導体部34T1〜34T4は設けられていない。
図17(b)に示したように、本実施の形態では、誘電体層35の第1の面には、更に、4つの接続用導体部35C1,35C2,35C3,35C4が形成されている。導体部35C1〜35C4の一端は、それぞれ導体部35T1〜35T4に接続されている。導体部35C1〜35C4の他端は、それぞれ、図14に示した外部導体層25〜28に接続されている。
図17における(c)は、磁性層22の第1の面22aを示している。本実施の形態では、端子用導体部41〜44は設けられていない。代わりに、磁性層22の第1の面22aには、端子用導体部T1〜T4および接続用導体部C1〜C4が形成されている。なお、図17(c)は、上記の複数の導体部を、磁性層22の第2の面22b側から見た状態で表している。上記の複数の導体部の、図17(c)における配置は以下の通りである。導体部T1は、左下の角部の近傍に配置されている。導体部T2は、右下の角部の近傍に配置されている。導体部T3は、左上の角部の近傍に配置されている。導体部T4は、右上の角部の近傍に配置されている。
導体部C1〜C4の一端は、それぞれ導体部T1〜T4に接続されている。導体部C1〜C4の他端は、それぞれ、図14に示した外部導体層25〜28に接続されている。導体部T1〜T4は、それぞれ、基板21の第1の面21aに垂直な方向(磁性層22の第1の面22aに垂直な方向と同じ)から見たときに、図17(b)に示した導体部35T1〜35T4と重なり合う位置に配置されている。
次に、本実施の形態に係るLC複合部品1の製造方法の一例について簡単に説明する。本実施の形態では、まず、第2の実施の形態と同様の方法によって、部品本体20を作製する。次に、部品本体20の第1の側面20Aに外部導体層25,26を形成し、部品本体20の第3の側面20Cに外部導体層27,28を形成し、部品本体20の底面に端子用導体部T1〜T4および接続用導体部C1〜C4を形成する。
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第2の実施の形態と同様である。
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態に係るLC複合部品1について説明する。始めに、図18を参照して、本実施の形態に係るLC複合部品1の概略の構成について説明する。図18は、本実施の形態に係るLC複合部品1の構成を示す断面図である。本実施の形態に係るLC複合部品1の回路構成は、第1の実施の形態と同じであり、図3に示した通りである。
図18に示したように、本実施の形態に係るLC複合部品1では、基板21、磁性層22、インダクタ11,12,17が形成された複数の誘電体層の積層体、ならびにキャパシタ13〜16が形成された複数の誘電体層の積層体の上下の位置関係が、第2の実施の形態とは逆になっている。本実施の形態では、基板21の第1の面21aと磁性層22の第1の面22aは上に向き、基板21の第2の面21bと磁性層22の第2の面22bは下に向いている。第2の実施の形態と同様に、本実施の形態では、キャパシタ13〜16は、インダクタ11,12,17との間に基板21を挟む位置、すなわち基板21の第2の面21b側の位置に配置されている。
次に、図19ないし図21を参照して、本実施の形態に係るLC複合部品1の具体的な構成について説明する。本実施の形態では、基板21の第1の面21a側と第2の面21b側に、それぞれ、積層された複数の誘電体層が設けられている。具体的には、LC複合部品1は、基板21の第1の面21aと磁性層22の第2の面22bとの間に配置された誘電体層71,72,73,74と、基板21の第2の面21b側に配置された誘電体層81,82,83,84とを備えている。誘電体層71〜74は、基板21の第1の面21a側から、74,73,72,71の順に配置されている。誘電体層81〜84は、基板21の第2の面21b側からこの順に配置されている。誘電体層71〜74,81〜84は、それぞれ、基板21の第1の面21aと同じ方向に向いた第1の面と、基板21の第2の面21bと同じ方向に向いた第2の面とを有している。LC複合部品1は、更に、誘電体層71の第1の面と磁性層22の第2の面22bとの間に配置された誘電体材料よりなる保護用誘電体層を備えている。
本実施の形態では、LC複合部品1の部品本体20の上面は、磁性層22の第1の面22aによって構成されている。LC複合部品1の部品本体20の底面は、誘電体層84の第2の面によって構成されている。LC複合部品1は、例えば、部品本体20の底面、すなわち誘電体層84の第2の面が図示しない実装基板の上面に向いた姿勢で実装基板に実装される。
本実施の形態では、コア部23,24は、誘電体層71〜74および保護用誘電体層の積層体に埋め込まれている。なお、図19および図20では、コア部23,24を省略している。
図19における(a)は、誘電体層71の第1の面を示している。誘電体層71の第1の面には、インダクタ用導体部711,712,717A,717Bと、端子用導体部71T1,71T2,71T3,71T4が形成されている。導体部711,712,717A,717B,71T1〜71T4の図19(a)における配置は、第1の実施の形態で説明した導体部351,352,357A,357B,35T1〜35T4の図5(b)における配置と同じである。また、導体部711,712の形状は、第1の実施の形態で説明した導体部351,352の形状と同じである。
LC複合部品1は、誘電体層71を貫通する導体部71V1,71V2,71V3,71V4,71V5,71V6,71V7,71V8を含んでいる。図19(a)では、導体部71V1〜71V8を破線で示している。導体部71T1〜71T4,711,712,717A,717Bには、それぞれ、導体部71V1〜71V8の一端が接続されている。
図19における(b)は、誘電体層72の第1の面を示している。誘電体層72の第1の面には、インダクタ用導体部721,722,727と、端子用導体部72T1,72T2,72T3,72T4が形成されている。導体部721,722,727,72T1〜72T4の図19(b)における配置は、第1の実施の形態で説明した導体部341,342,347,34T1〜34T4の図5(a)における配置と同じである。また、導体部721,722の形状は、第1の実施の形態で説明した導体部341,342の形状と同じである。
導体部721,722,72T1〜72T4は、それぞれ、基板21の第1の面21aに垂直な方向(誘電体層72の第1の面に垂直な方向と同じ)から見たときに、図19(a)に示した導体部711,712,71T1〜71T4と重なり合う位置に配置されている。導体部727は、基板21の第1の面21aに垂直な方向から見たときに、図19(a)に示した導体部717A,717Bと重なり合う位置に配置されている。導体部72T1〜72T4,721,722,727には、それぞれ、図19(a)に示した導体部71V1〜71V8の他端が接続されている。
LC複合部品1は、誘電体層72を貫通する導体部72V1,72V2,72V3,72V4,72V5,72V6,72V7を含んでいる。図19(b)では、導体部72V1〜72V7を破線で示している。導体部72T1〜72T4,721,722,727には、それぞれ、導体部72V1〜72V7の一端が接続されている。
図19における(c)は、誘電体層73の第1の面を示している。誘電体層73の第1の面には、インダクタ用導体部731,732,737と、端子用導体部73T1,73T2,73T3,73T4が形成されている。導体部731,732,737,73T1〜73T4の図19(c)における配置は、第2の実施の形態で説明した導体部331,332,337,33T1〜33T4の図13(c)における配置と同じである。また、導体部731,732の形状は、第2の実施の形態(第1の実施の形態)で説明した導体部331,332の形状と同じである。
導体部731,732,737,73T1〜73T4は、それぞれ、基板21の第1の面21aに垂直な方向(誘電体層73の第1の面に垂直な方向と同じ)から見たときに、図19(b)に示した導体部721,722,727,72T1〜72T4と重なり合う位置に配置されている。導体部73T1〜73T4,731,732,737には、それぞれ、図19(b)に示した導体部72V1〜72V7の他端が接続されている。
LC複合部品1は、誘電体層73を貫通する導体部73V1,73V2,73V3,73V4,73V5,73V6,73V12を含んでいる。図19(c)では、導体部73V1〜73V6,73V12を破線で示している。導体部73T1〜73T4,731,732,737には、それぞれ、導体部73V1〜73V6,73V12の一端が接続されている。
図20における(a)は、誘電体層74の第1の面を示している。誘電体層74の第1の面には、インダクタ用導体部741,742と、接続用導体部748,749と、端子用導体部74T1,74T2,74T3,74T4が形成されている。導体部741,742,748,749,74T1〜74T4の図20(a)における配置は、第2の実施の形態で説明した導体部311,312,318,319,31T1〜31T4の図13(b)における配置と同じである。また、導体部741,742の形状は、第2の実施の形態(第1の実施の形態)で説明した導体部311,312の形状と同じである。
導体部741,742,749,74T1〜74T4は、それぞれ、基板21の第1の面21aに垂直な方向(誘電体層74の第1の面に垂直な方向と同じ)から見たときに、図19(c)に示した導体部731,732,737,73T1〜73T4と重なり合う位置に配置されている。導体部74T1〜74T4,741,742,749には、それぞれ、図19(c)に示した導体部73V1〜73V6,73V12の他端が接続されている。
本実施の形態における接続用導体部61〜66は、基板21および誘電体層74,81を貫通している。図20(a)では、導体部61〜66を破線で示している。導体部74T1〜74T4,748,749には、それぞれ、導体部61〜66の一端が接続されている。
図20における(b)は、基板21と、基板21を貫通する導体部61〜66とを示している。図20(b)では、導体部61〜66にハッチングを付している。
図20における(c)は、誘電体層81の第2の面を示している。誘電体層81の第2の面には、接続用導体部813,814,815A,815B,816,818と、端子用導体部81T1,81T2,81T3,81T4が形成されている。なお、図20(c)は、上記の複数の導体部を、誘電体層81の第1の面側から見た状態で表している。導体部813,814,815A,815B,816,818,81T1〜81T4の図20(c)における配置は、第2の実施の形態で説明した導体部533,534,535A,535B,536,538,53T1〜53T4の図12(c)における配置と同じである。
導体部818,816,81T1〜81T4は、それぞれ、基板21の第1の面21aに垂直な方向(誘電体層81の第1の面に垂直な方向と同じ)から見たときに、図20(a)に示した導体部748,749,74T1〜74T4と重なり合う位置に配置されている。また、図20(c)では、導体部61〜66を二点鎖線で示している。導体部81T1〜81T4,818,816には、それぞれ、導体部61〜66の他端が接続されている。
図21における(a)は、誘電体層82の第2の面を示している。誘電体層82の第2の面には、キャパシタ用導体部823,824,825A,825B,826が形成されている。なお、図21(a)は、上記の複数の導体部を、誘電体層82の第1の面側から見た状態で表している。導体部823,824,825A,825B,826の図21(a)における配置は、第2の実施の形態で説明した導体部523,524,525A,525B,526の図12(b)における配置と同じである。
導体部823,824,825A,825B,826は、それぞれ、基板21の第1の面21aに垂直な方向(誘電体層81の第2の面に垂直な方向と同じ)から見たときに、図20(c)に示した導体部813,814,815A,815B,816と重なり合う位置に配置されている。
LC複合部品1は、誘電体層82,83を貫通する導体部83V1,83V2,83V3,83V4,83V5と、誘電体層82を貫通する導体部82V7,82V8,82V9,82V10,82V11とを含んでいる。図21(a)では、導体部83V1〜83V5にハッチングを付している。また、図21(a)では、導体部82V7〜82V11を二点鎖線で示している。図20(c)に示した導体部81T1〜81T4,818には、それぞれ、導体部83V1〜83V5の一端が接続されている。図20(c)に示した導体部813,814,815A,815B,816には、それぞれ、導体部82V7〜82V11の一端が接続されている。導体部823,824,825A,825B,826には、それぞれ、導体部82V7〜82V11の他端が接続されている。
図21における(b)は、誘電体層83の第2の面を示している。誘電体層83の第2の面には、キャパシタ用導体部833,835,836と、端子用導体部83T1,83T2,83T3,83T4が形成されている。なお、図21(b)は、上記の複数の導体部を、誘電体層83の第1の面側から見た状態で表している。導体部833,835,836,83T1〜83T4の図21(b)における配置は、第2の実施の形態で説明した導体部513,515,516,51T1〜51T4の図12(a)における配置と同じである。
図21(a)に示した導体部823,824は、誘電体層83を介して、導体部833に対向している。本実施の形態におけるキャパシタ13は、導体部823,833と、これらの間に位置する誘電体層83の一部とによって構成されている。本実施の形態におけるキャパシタ14は、導体部824,833と、これらの間に位置する誘電体層83の一部とによって構成されている。また、図21(a)に示した導体部825A,825Bは、誘電体層83を介して、導体部835に対向している。本実施の形態におけるキャパシタ15は、導体部825A,825B,835と、これらの間に位置する誘電体層83の一部とによって構成されている。また、図21(a)に示した導体部826は、誘電体層83を介して、導体部836に対向している。本実施の形態におけるキャパシタ16は、導体部826,836と、これらの間に位置する誘電体層83の一部とによって構成されている。
導体部833,83T1〜83T4は、それぞれ、基板21の第1の面21aに垂直な方向(誘電体層83の第1の面に垂直な方向と同じ)から見たときに、図20(c)に示した導体部818,81T1〜81T4と重なり合う位置に配置されている。また、図21(b)では、導体部83V1〜83V5を二点鎖線で示している。導体部83T1〜83T4,835には、それぞれ、導体部83V1〜83V5の他端が接続されている。
図21における(c)は、誘電体層84と、誘電体層84を貫通する要素とを示している。LC複合部品1は、誘電体層84を貫通する端子用導体部84V1,84V2,84V3,84V4を含んでいる。図21(c)では、導体部84V1〜84V4にハッチングを付している。図21(b)に示した導体部83T1〜83T4には、それぞれ、導体部84V1〜84V4の一端が接続されている。本実施の形態における入力端子2は、導体部84V1の他端によって構成されている。本実施の形態における出力端子3は、導体部84V2の他端によって構成されている。導体部84V3,84V4の各他端は、グランドに接続されるグランド端子を構成する。
本実施の形態におけるインダクタ11は、インダクタ用導体部711,721,731,741と導体部71V5,72V5,73V5によって構成されている。図18に示したように、本実施の形態におけるコア部23は、導体部711,721,731,741の内周部の内側に位置している。導体部711,721,731,741は、いずれも、コア部23の外周に沿って延びる線状の導体部である。
本実施の形態におけるインダクタ12は、インダクタ用導体部712,722,732,742と導体部71V6,72V6,73V6によって構成されている。図18に示したように、本実施の形態におけるコア部24は、導体部712,722,732,742の内周部の内側に位置している。導体部712,722,732,742は、いずれも、コア部24の外周に沿って延びる線状の導体部である。
本実施の形態におけるインダクタ17は、インダクタ用導体部717A,717B,727,737と導体部71V7,71V8,72V7によって構成されている。
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1または第2の実施の形態と同様である。
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、本発明のLC複合部品は、ローパスフィルタに限らず、インダクタとキャパシタを含む電子部品全般に適用することができる。