JPH0645188A - 厚膜複合部品とその製造方法 - Google Patents

厚膜複合部品とその製造方法

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JPH0645188A
JPH0645188A JP4199478A JP19947892A JPH0645188A JP H0645188 A JPH0645188 A JP H0645188A JP 4199478 A JP4199478 A JP 4199478A JP 19947892 A JP19947892 A JP 19947892A JP H0645188 A JPH0645188 A JP H0645188A
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JP
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thick film
layer
magnetic
coil
capacitor electrode
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JP4199478A
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English (en)
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Kiichi Nakamura
喜一 中村
Osamu Kobayashi
修 小林
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TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は厚膜複合部品の製造方法に関し、厚
膜コイルと厚膜コンデンサを用いた厚膜複合部品の高性
能化、及び小型化等を実現すると共に、その製造工程を
簡単にして、コストダウンを可能にすることを目的とす
る。 【構成】 図1(A)のように、厚膜複合部品は、絶縁
基板1上に設けた第1の磁性厚膜層2と、第1の磁性厚
膜層2上に設けた第1のコンデンサ電極3及び、第1の
コイル導体4と、誘電体層5と、第2の磁性厚膜層6
と、第2のコンデンサ電極7及び、第2のコイル導体8
と、これらの上に設けた第3の磁性厚膜層11と、絶縁
体層12で構成し、コイル部に、第1、第2、第3の磁
性厚膜層2、6、11による閉磁路を構成した。また図
1(B)のように、L部にのみ磁性厚膜層2、6、11
を形成し、C部には磁性厚膜層を形成しないようにす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、分布定数型の
厚膜LCフィルタ等に利用可能な厚膜複合部品とその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、厚膜技術を用いて、絶縁基板上
に、厚膜コンデンサ、厚膜抵抗、厚膜コイル等を作製す
ることが行われていた。この場合、例えば、厚膜コンデ
ンサは、絶縁基板上に、厚膜電極を形成し、その上に誘
電体層を形成し、更にその上に厚膜電極を形成すること
により作製する(但し各工程毎に印刷、乾燥、及び焼成
等を行う)。
【0003】また、厚膜コイルは、絶縁基板上に、所定
形状の厚膜パターンを形成することにより作製し、厚膜
抵抗は、絶縁基板上に抵抗体の厚膜パターンを形成する
ことにより作製する(但しこの場合にも、印刷、乾燥、
及び焼成等を行う)。
【0004】この様な厚膜素子は、単体若しくは複合部
品として作製される。複合部品の場合、例えば、絶縁基
板上に、厚膜コンデンサ、厚膜抵抗、厚膜コイル等をそ
れぞれ別々に形成し、これらを配線パターンで接続して
複合部品としていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来のも
のにおいては、次のような課題があった。 (1) 厚膜素子で複合部品を作製する場合、各厚膜素子を
別々に形成し、これらを配線パターンで接続する方法で
は、製造工程が複雑で、手間と時間がかかる。従って、
製品のコストアップの原因ともなる。
【0006】(2) 個別部品(個別素子)を接続した厚膜
複合部品では、配線長が長くなり、浮遊容量等の影響が
大きく、高性能な複合部品は得られない。特に周波数の
高い領域で使用する部品は、その影響が大きい。また、
厚膜複合部品の小型化が困難である。
【0007】(3) 厚膜コイルは、絶縁基板上に、パター
ニングしたコイル導体のみで構成されており、透磁率が
小さく、インダクタンスの大きな素子が得にくい。本発
明は、このような従来の課題を解決し、厚膜コイルと厚
膜コンデンサを用いた厚膜複合部品の高性能化、及び小
型化等を実現すると共に、その製造工程を簡単にして、
コストダウンを可能にすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理説明
図であり、図1中、1は絶縁基板、2は第1の磁性厚膜
層、3は第1のコンデンサ電極、4は第1のコイル導
体、5は誘電体層、6は第2の磁性厚膜層、7は第2の
コンデンサ電極、8は第2のコイル導体、9はビア(v
ia)、10は絶縁体層(誘電体層)、11は第3の磁
性厚膜層、12は絶縁体層(保護層)を示す。
【0009】本発明は上記の課題を解決するため、次の
ように構成した。 (1) 絶縁基板1上に、厚膜コイル及び厚膜コンデンサを
一体的に形成した厚膜複合部品であって、上記絶縁基板
1上に設けた第1の磁性厚膜層2と、該第1の磁性厚膜
層2上に設けた第1のコンデンサ電極3及び、第1のコ
イル導体4と、該第1のコンデンサ電極3及び、第1の
コイル導体4上に設けた誘電体層5と、該誘電体層5の
間に設けた第2の磁性厚膜層6と、該誘電体層5の上に
設けた第2のコンデンサ電極7及び、第2のコイル導体
8と、これらの上に設けた第3の磁性厚膜層11と、該
第3の磁性厚膜層11の上に設けた絶縁体層12からな
り、上記第1、第2のコイル導体4、8からなるコイル
に、上記第1、第2、第3の磁性厚膜層2、6、11に
よる閉磁路を設定した。
【0010】(2) 絶縁基板1上に、厚膜コイルと厚膜コ
ンデンサとを一体的に設けた厚膜複合部品であって、上
記絶縁基板1上のコイル部に設けた第1の磁性厚膜層2
と、上記第1の磁性厚膜層2上に設けた第1のコイル導
体4と、上記絶縁基板1上のコンデンサ部に設けた第1
のコンデンサ電極3と、上記第1のコイル導体4及び、
第1のコンデンサ電極3上に設けた誘電体層5と、該誘
電体層5の間に設けた第2の磁性厚膜層6と、該誘電体
層5の上に設けた第2のコイル導体8及び、第2のコン
デンサ電極7と、第2のコイル導体8上及びその周辺部
に設けた第3の磁性厚膜層11と、上記第2のコンデン
サ電極7及び第3の磁性厚膜層11の上に設けた絶縁体
層12からなり、上記第1、第2のコイル導体4、8か
らなるコイルに、上記第1、第2、第3の磁性厚膜層
2、6、11による閉磁路を設定した。
【0011】(3) 上記構成(1)又は(2)記載の厚膜
複合部品において、第1、第2のコンデンサ電極と、そ
の間の誘電体層5により、3端子コンデンサを構成し、
上記第1、第2のコイル導体(4、8)間を接続して得
られるコイルを、上記3端子コンデンサと一体化するこ
とにより、分布定数型のLCフィルタを構成した。
【0012】(4) 上記構成(1)記載の厚膜複合部品の
製造方法において、絶縁基板1上に、第1の磁性厚膜層
2を形成する工程と、上記第1の磁性厚膜層2上に、第
1のコイル導体4と、第1のコンデンサ電極3とを形成
する工程と、上記第1のコンデンサ電極3及び、第1の
コイル導体4上に、誘電体層5を形成する工程と、該誘
電体層5の間に、第2の磁性厚膜層6を形成する工程
と、該誘電体層5の上に、第2のコンデンサ電極7と、
第2のコイル導体8を形成する工程と、これらの上に、
第3の磁性厚膜層11を形成する工程と、該第3の磁性
厚膜層11上に、絶縁体層12を形成する工程とからな
り、上記第1、第2のコイル導体4、8からなるコイル
部に、上記第1、第2、第3の磁性厚膜層2、6、11
による閉磁路を形成するようにした。
【0013】
【作用】上記構成に基づく本発明の作用を、図1に基づ
いて説明する。図1(A)に示したように、絶縁基板1
上には、コイル部(以下「L部」と言う)と、コンデン
サ部(以下「C部」と言う)を並べて形成する。
【0014】上記C部では、第1のコンデンサ電極3
と、誘電体層5と、第2のコンデンサ電極7とにより、
厚膜コンデンサを構成し、L部では、第1のコイル導体
4、第2のコイル導体8及び、第1の磁性厚膜層2、第
2の磁性厚膜層6、第3の磁性厚膜層11等で厚膜コイ
ルを構成している。
【0015】この場合、L部では、第1の磁性厚膜層
2、第2の磁性厚膜層6及び、第3の磁性厚膜層11に
より、第1のコイル導体4と第2のコイル導体8からな
るコイルの閉磁路(フェライトの閉磁路)を構成してい
る。
【0016】上記図1(A)に示した厚膜複合部品は、
略次のようにして作製する。すなわち、:絶縁基板1
の上に、第1の磁性厚膜層(例えば、フェライト層)2
を形成(印刷、乾燥、焼成)する。:第1の磁性厚膜
層(フェライト層)2の上に、第1のコンデンサ電極3
と、第1のコイル導体4を形成する。
【0017】:第1のコンデンサ電極3と、第1のコ
イル導体4上に、誘電体層5を形成する。:第1の誘
電体層5の間に、第2の磁性厚膜層6を形成する。:
各層の上に、第2のコンデンサ電極7と、第2のコイル
導体8を形成する。
【0018】:各層の上に、第3の磁性厚膜層11を
形成する。:第3の磁性厚膜層11の上には、絶縁体
層(誘電体層)12を形成し、完成する。この絶縁体層
12は、保護層として用いたり、或いは、更に多層化す
る場合の絶縁体として使用する。
【0019】また、図1(B)では、L部にのみ磁性体
層を形成したものであり、この点を除いて上記図1
(A)と同じである。 従って、:L部の厚膜コイルには、フェライト等の磁
性体による閉磁路が形成されるので、大きなインダクタ
ンス値を得る事が出来ると共に、高性能の厚膜コイルが
実現出来る。
【0020】:厚膜コイルと、厚膜コンデンサを同時
に、かつ一体化して形成する事が出来る。 :厚膜コンデンサを3端子構造のコンデンサとして、
この厚膜コンデンサを、厚膜コイルと一体的に形成する
ことにより、小型で高性能(浮遊容量も減少する)な分
布定数型のLCフィルタ等が実現出来る。:厚膜複合
部品の製造工程が簡単となる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。 (第1実施例の説明)図2〜図5は、本発明の第1実施
例を示した図であり、図2〜図5中、図1と同じもの
は、同一符号で示してある。また、13は端子(外部電
極)を示す。
【0022】第1実施例は、分布定数型のLC厚膜フィ
ルタに適用した例であり、以下、詳細に説明する。 (構造の説明)・・・図2、図3参照 第1実施例における分布定数型のLC厚膜フィルタの断
面図を図2に示す。LC厚膜フィルタは、絶縁基板1の
両側に作るが、同じ構造のものを両側に作るので、片側
のLC厚膜フィルタについて説明する。
【0023】図示のように、絶縁基板1の上には、L部
(コイル部)と、C部(コンデンサ部)を並べて形成す
る。上記C部では、第1のコンデンサ電極3と、誘電体
層5と、第2のコンデンサ電極7とにより、厚膜コンデ
ンサを構成している。
【0024】また、L部では、第1のコイル導体4、第
2のコイル導体8及び、第1の磁性厚膜層(フェライト
層)2、第2の磁性厚膜層(フェライト層)6、第3の
磁性厚膜層(フェライト層)11等で厚膜コイルを構成
している。
【0025】この場合、L部では、第1の磁性厚膜層
2、第2の磁性厚膜層6及び、第3の磁性厚膜層11に
より、第1のコイル導体4と第2のコイル導体8からな
るコイルの閉磁路(フェライトの閉磁路)を構成してい
る。
【0026】上記L部及びC部の両端部には、絶縁体層
(誘電体層)10を設けると共に、該L部及びC部の上
には、絶縁体層12を設ける。そして、絶縁基板1の両
端部側には、端子(外部電極)13を設けて、製品とす
る。
【0027】上記コイル導体及びコンデンサ電極を構成
する導体層は、図3A(立体配線図)のように構成され
ている。図示のように、C部では、第1のコンデンサ電
極3と、第2のコンデンサ電極7とが向かい合って(積
層方向で対向するように)形成されており、これらの電
極と、その間に介在する誘電体層5により、コンデンサ
を構成する。
【0028】また、L部では、第1のコイル導体4と、
第2のコイル導体8が向かい合って(積層方向で対向す
るように)2組形成されると共に、第2のコイル導体8
は、第2のコンデンサ電極7の両端部において、それぞ
れ該第2のコンデンサ電極7と一体的に形成されてい
る。
【0029】そして、第1のコイル導体3と、第2のコ
イル導体7は、その一部でビア(via)により、接続
され、2ターンのコイルとなる。そして、この2組のコ
イルは、その一端がコンデンサに接続された構造となっ
ている。
【0030】なお、L部では、上記2組のコイルの内、
一方のコイルの一端を入力端子(IN)に接続し、他方
のコイルの一端を出力端子(OUT)に接続する。上記
構成による分布定数型のLC厚膜フィルタの等価回路
は、図3Bのようになる。
【0031】図示のように、第1のコンデンサ電極3
が、GND側の電極となり、第2のコンデンサ電極7の
両端部にそれぞれコイルL1、L2が接続された回路構
成となる。
【0032】このように、第1のコンデンサ電極3と、
第2のコンデンサ電極7との間で形成されるコンデンサ
1 は、3端子コンデンサとなり、この3端子コンデン
サの両側に、コイルL1 と、コイルL2 が接続した回路
構成となる。
【0033】(製造方法の説明)・・・図4、図5参照 上記構造を有する分布定数型の厚膜LCフィルタは、次
の各工程により、製造する。なお、上記構成では、絶縁
基板1の両側に厚膜LCフィルタを設けたが、同じ構造
のものを両側に設けるので、以下の説明では、片側のL
Cフィルタについてのみ説明する。
【0034】:工程(1) 先ず、絶縁基板1を作製する。この絶縁基板1として
は、アルミナ等の絶縁体基板を使用する。
【0035】:工程(2) 上記絶縁基板1の上に、第1の磁性厚膜層(フェライト
層)2を形成する。この場合、磁性厚膜層(フェライト
層)2は、例えば、磁性体(フェライト)ペーストを印
刷し、その後、例えば150°Cの温度で乾燥し、更に
800〜950°Cの温度で焼成することにより形成す
る。
【0036】:工程(3) 上記第1の磁性厚膜層(フェライト層)2の上に、導体
層を形成し、第1のコンデンサ電極3と、第1のコイル
導体(1ターン分)4を形成する。この場合にも、工程
(2)と同様にして、導体層を印刷して乾燥し、800
〜950°Cの温度で焼成することにより形成する。
【0037】:工程(4) 上記導体層の上に、誘電体層5を形成する。この場合に
も、誘電体層5を印刷して乾燥し、更に800〜950
°Cの温度で焼成することにより形成する。
【0038】この場合、誘電体層5は、L部では、第1
のコイル導体と、第2のコイル導体との間の絶縁体とし
て使用すると共に、これらのコイル導体間に、容量を持
たせる(意図的にLCの並列回路を形成させる)ための
誘電体としても使用する。
【0039】なお、誘電体層5は、L部の誘電体材料
と、C部の材料を異ならせる(誘電率の異なる材料)こ
ともある。例えば、C部の誘電体層には高誘電体層を用
い、L部の誘電体層には、低誘電体層を用いる。
【0040】:工程(5) 上記第1の誘電体層5の間に、第2の磁性厚膜層6を形
成する。この場合、磁性厚膜層(フェライト層)2は、
例えば、磁性体(フェライト)ペーストを印刷し、その
後、例えば150°Cの温度で乾燥し、更に800〜9
50°Cの温度で焼成することにより形成する。なお、
第2の磁性厚膜層6は、第1の磁性厚膜層6と同じ材料
でも良いが、異なる材料でも良い。
【0041】:工程(6) 工程(5)で形成された各層の上に、導体層を形成し
て、第2のコンデンサ電極7と、第2のコイル導体8を
形成する。この場合、第1のコイル導体4と、第2のコ
イル導体8の間をビア9の導体によって接続する。前記
導体層は、導体層を印刷した後乾燥し、800〜950
°Cの温度で焼成することにより形成する。
【0042】なお、前記ビア9は、導体層と同時に形成
してもよいが、ビア9の導体だけ個別に形成してもよ
い。すにわち、印刷は個別に行い、焼成は同時に行って
も良い。
【0043】:工程(7) 上記L部及びC部以外の部分(図の左右の端部に位置
し、例えば、配線したり、抵抗体を形成したりするため
に使用する部分)に、絶縁体層(誘電体層)10を形成
する。
【0044】この場合には、誘電体層5を印刷して乾燥
し、更に500〜950°Cの温度で焼成する。 :工程(8) 上記工程で形成された各層の上に、第3の磁性厚膜層1
1を形成する。この場合には、第3の磁性厚膜層11を
印刷して乾燥し、更に800〜950°Cの温度で焼成
する。
【0045】:工程(9)・・・(図4、図5では図
示省略) 上記第3の磁性厚膜層11及び絶縁体層(誘電体層)1
0の上には、上記絶縁体層(誘電体層)12を形成し、
上記端子13を設けて完成する(この点は図2参照)。
この場合には、絶縁体層12を印刷して乾燥し、更に5
00〜950°Cの温度で焼成する。
【0046】この絶縁体層12は、保護層として用いた
り、或いは、更に多層化する場合の絶縁体として使用す
る。 (第2実施例の説明)図6〜図8は、本発明の第1実施
例を示した図であり、図中、図1、図1〜図5と同じも
のは、同一符号で示してある。
【0047】第2実施例は、上記第1実施例と同様に、
分布定数型のLC厚膜フィルタに適用した例であるが、
この例では、磁性厚膜層をL部にのみ形成し、C部には
該磁性厚膜層を形成しない(不要のため)例である。以
下、詳細に説明する。
【0048】(構造の説明)・・・図6参照 第2実施例における分布定数型のLC厚膜フィルタの一
部の断面図を図6に示す。この例でも上記LC厚膜フィ
ルタは、絶縁基板1の両側に作るが、同じ構造のものを
両側に作るので、片側のLC厚膜フィルタについて説明
する。
【0049】図示のように、絶縁基板1の上には、コイ
ル部と、コンデンサ部を並べて形成する。この実施例の
C部は、第1のコンデンサ電極3と、誘電体層(この例
では、厚みを揃えるため2層形成してある)5と、第2
のコンデンサ電極7とにより、厚膜コンデンサを構成し
ている。なお、このC部には、磁性厚膜層は設けてな
い。
【0050】また、L部では、第1のコイル導体4、第
2のコイル導体8及び、第1の磁性厚膜層(フェライト
層)2、第2の磁性厚膜層(フェライト層)6、第3の
磁性厚膜層(フェライト層)11等で厚膜コイルを構成
しており、これら第1の磁性厚膜層2、第2の磁性厚膜
層6、第3の磁性厚膜層11により、第1のコイル導体
4と第2のコイル導体8からなるコイルの閉磁路(フェ
ライトの閉磁路)を構成している。
【0051】また、上記L部及びC部の両端部には、絶
縁体層(誘電体層)10を設けると共に、該L部及びC
部の上には、絶縁体層12を設ける。そして、絶縁基板
1の両端部側には、端子13を設けて、製品とする。
【0052】なお、上記磁性厚膜層の構造以外は、上記
第1実施例と実質的に同じ構成なので、説明は省略す
る。 (製造方法の説明)・・・図7、図8参照 上記構造を有する分布定数型の厚膜LCフィルタは、次
の各工程により、製造する。なお、上記構成では、絶縁
基板1の両側に厚膜LCフィルタを設けたが、同じ構造
のものを両側に設けるので、以下の説明では、片側のL
Cフィルタについてのみ説明する。
【0053】:工程(1) 先ず、絶縁基板1を作製する。この絶縁基板1として
は、アルミナ等の絶縁体基板を使用する。
【0054】:工程(2) 上記絶縁基板1の上に、第1の磁性厚膜層(フェライト
層)2を、L部にのみ形成する。この場合、磁性厚膜層
(フェライト層)2は、例えば、磁性体(フェライト)
ペーストを印刷し、その後、例えば150°Cの温度で
乾燥し、更に800〜950°Cの温度で焼成すること
により形成する。
【0055】:工程(3) L部に形成した上記第1の磁性厚膜層(フェライト層)
2の上に第1のコイル導体(1ターン分)4を形成し、
C部の絶縁基板1の上に、第1のコンデンサ電極3を形
成する。この場合にも、工程(2)と同様にして、第1
のコイル導体(1ターン分)4と、第1のコンデンサ電
極3を印刷して乾燥し、800〜950°Cの温度で焼
成することにより形成する。
【0056】:工程(4) 上記第1のコイル導体(1ターン分)4と、第1のコン
デンサ電極3の上に、誘電体層5を形成する。この場合
にも、誘電体層5を印刷して乾燥し、更に800〜95
0°Cの温度で焼成することにより形成する。
【0057】この場合、誘電体層5は、L部では、第1
のコイル導体と、第2のコイル導体との間の絶縁体とし
て使用すると共に、これらのコイル導体間に、容量を持
たせる(意図的にLCの並列回路を形成させる)ための
誘電体としても使用する。
【0058】なお、誘電体層5は、L部の誘電体材料
と、C部の材料を異ならせる(誘電率の異なる材料)こ
ともある。例えば、C部に高誘電体層を形成し、L部に
低誘電体層を形成する。
【0059】また、この例では、C部の誘電体層5を厚
く(例えば2層分)形成して、L部と高さを揃えてい
る。 :工程(5) 上記誘電体層5の間に、第2の磁性厚膜層6を形成す
る。この場合、磁性厚膜層(フェライト層)2は、例え
ば、磁性体(フェライト層)ペーストを印刷し、その
後、例えば150°Cの温度で乾燥し、更に800〜9
50°Cの温度で焼成することにより形成する。
【0060】なお、第2の磁性厚膜層6は、第1の磁性
厚膜層6と同じ材料でも良いが、異なる材料でも良い。
また、この工程では、第2の磁性厚膜層6を形成するこ
とにより、表面の高さを揃え、次の工程の処理をやりや
すくしている。
【0061】:工程(6) 工程(5)で形成された各層の上に、導体層を形成し
て、第2のコンデンサ電極7と、第2のコイル導体8を
形成する。すなわち、L部には第2のコイル導体8を形
成すると共に、C部には第2のコンデンサ電極7を形成
する。
【0062】この場合、第1のコイル導体4と、第2の
コイル導体8の間をビア9の導体によって接続する。前
記導体層は、導体層を印刷した後乾燥し、その後800
〜950°Cの温度で焼成することにより形成する。
【0063】なお、前記ビア9は、導体層と同時に形成
してもよいが、ビア9の導体だけ個別に形成してもよ
い。すなわち、印刷は個別に行い、焼成は同時に行って
も良い。
【0064】:工程(7) 上記L部及びC部以外の部分(図の左右の端部に位置
し、例えば、配線したり、抵抗体Rを形成したり、端子
を設けたりするために使用する部分)に、絶縁体層(誘
電体層)10を形成し、高さを揃える。
【0065】この場合には、絶縁体層(誘電体層)10
を印刷して乾燥し、更に500〜950°Cの温度で焼
成する。 :工程(8) 上記工程で形成された各層の内、L部の上にのみ、第3
の磁性厚膜層11を形成する(C部には形成しない)。
この場合には、第3の磁性厚膜層11を印刷して乾燥
し、更に500〜950°Cの温度で焼成する。
【0066】:工程(9)・・・図示省略 上記工程で形成した各層の上には、図6に示した絶縁体
層(誘電体層)12を形成し、上記端子13を設けて完
成する。この場合には、絶縁体層12を印刷して乾燥
し、更に500〜950°Cの温度で焼成する。
【0067】この絶縁体層12は、保護層として用いた
り、或いは、更に多層化する場合の絶縁体として使用す
る。
【0068】
【他の実施例】以上実施例について説明したが、本発明
は次のようにしても実施可能である。 (1) 磁性厚膜層は、フェライトに限らず、他の磁性材料
を使用することも可能である。
【0069】(2) 誘電体層は、任意の誘電率の材料を使
用可能である。この場合、C部と、L部とで異なる誘電
率の材料を選定しても良いし、同一材料を使用しても良
い。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば次
のような効果がある。 (1) L部の厚膜コイルには、フェライト等の磁性体によ
る閉磁路が形成されているので、大きなインダクタンス
値を得る事が容易に出来ると共に、高性能の厚膜コイル
が容易に実現出来る。
【0071】(2) 厚膜コイルと、厚膜コンデンサは、使
用する材料が異なるが、上記の製造方法によれば、これ
らの素子を同時に、かつ一体化して容易に形成する事が
出来る。
【0072】(3) 厚膜コンデンサを3端子構造のコンデ
ンサとして、この厚膜コンデンサを、厚膜コイルと一体
的に形成することにより、小型で高性能(浮遊容量も減
少する)な分布定数型のLCフィルタ等が容易に実現出
来る。
【0073】(4) 製造工程が簡単となり、製品のコスト
ダウンが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明図である。
【図2】本発明の第1実施例におけるLCフィルタ(断
面図)を示した図である。
【図3】本発明の第1実施例の説明図である。
【図4】本発明の第1実施例の製造工程説明図(その
1)である。
【図5】本発明の第1実施例の製造工程説明図(その
2)である。
【図6】本発明の第2実施例におけるLCフィルタ(断
面図)を示した図である。
【図7】本発明の第2実施例の製造工程説明図(その
1)である。
【図8】本発明の第2実施例の製造工程説明図(その
2)である。
【符号の説明】
1 絶縁基板 2 第1の磁性厚膜層 3 第1のコンデンサ電極 4 第1のコイル導体 5 誘電体層 6 第2の磁性厚膜層 7 第2のコンデンサ電極 8 第2のコイル導体 9 ビア(via) 10 絶縁体層(誘電体層) 11 第3の磁性厚膜層 12 絶縁体層(保護層)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁基板(1)上に、厚膜コイル及び厚
    膜コンデンサを一体的に形成した厚膜複合部品であっ
    て、 上記絶縁基板(1)上に設けた第1の磁性厚膜層(2)
    と、 該第1の磁性厚膜層(2)上に設けた第1のコンデンサ
    電極(3)及び、第1のコイル導体(4)と、 該第1のコンデンサ電極(3)及び、第1のコイル導体
    (4)上に設けた誘電体層(5)と、 該誘電体層(5)の間に設けた第2の磁性厚膜層(6)
    と、 該誘電体層(5)の上に設けた第2のコンデンサ電極
    (7)及び、第2のコイル導体(8)と、 これらの上に設けた第3の磁性厚膜層(11)と、 該第3の磁性厚膜層(11)の上に設けた絶縁体層(1
    2)からなり、 上記第1、第2のコイル導体(4、8)からなるコイル
    に、上記第1、第2、第3の磁性厚膜層(2、6、1
    1)による閉磁路を設定したことを特徴とする厚膜複合
    部品。
  2. 【請求項2】 絶縁基板(1)上に、厚膜コイルと厚膜
    コンデンサとを一体的に設けた厚膜複合部品であって、 上記絶縁基板(1)上のコイル部に設けた第1の磁性厚
    膜層(2)と、 上記第1の磁性厚膜層(2)上に設けた第1のコイル導
    体(4)と、 上記絶縁基板(1)上のコンデンサ部に設けた第1のコ
    ンデンサ電極(3)と、 上記第1のコイル導体(4)及び、第1のコンデンサ電
    極(3)上に設けた誘電体層(5)と、 該誘電体層(5)の間に設けた第2の磁性厚膜層(6)
    と、 該誘電体層(5)の上に設けた第2のコイル導体(8)
    及び、第2のコンデンサ電極(7)と、 第2のコイル導体(8)上及びその周辺部に設けた第3
    の磁性厚膜層(11)と、 上記第2のコンデンサ電極(7)及び第3の磁性厚膜層
    (11)の上に設けた絶縁体層(12)からなり、 上記第1、第2のコイル導体(4、8)からなるコイル
    に、上記第1、第2、第3の磁性厚膜層(2、6、1
    1)による閉磁路を設定したことを特徴とする厚膜複合
    部品。
  3. 【請求項3】 上記第1、第2のコンデンサ電極と、そ
    の間の誘電体層(5)により、3端子コンデンサを構成
    し、 上記第1、第2のコイル導体(4、8)間を接続して得
    られるコイルを、上記3端子コンデンサと一体化するこ
    とにより、分布定数型のLCフィルタを構成したことを
    特徴とする請求項1又は2記載の厚膜複合部品。
  4. 【請求項4】 上記絶縁基板(1)上に、第1の磁性厚
    膜層(2)を形成する工程と、 上記第1の磁性厚膜層(2)上に、第1のコイル導体
    (4)と、第1のコンデンサ電極(3)とを形成する工
    程と、 上記第1のコンデンサ電極(3)及び、第1のコイル導
    体(4)上に、誘電体層(5)を形成する工程と、 該誘電体層(5)の間に、第2の磁性厚膜層(6)を形
    成する工程と、 該誘電体層(5)の上に、第2のコンデンサ電極(7)
    と、第2のコイル導体(8)を形成する工程と、 これらの上に、第3の磁性厚膜層(11)を形成する工
    程と、 該第3の磁性厚膜層(11)上に、絶縁体層(12)を
    形成する工程とからなり、 上記第1、第2のコイル導体(4、8)からなるコイル
    に、上記第1、第2、第3の磁性厚膜層(2、6、1
    1)による閉磁路を形成することを特徴とした請求項1
    記載の厚膜複合部品の製造方法。
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