JPH11163657A - 多連型ノイズフィルタ - Google Patents

多連型ノイズフィルタ

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JPH11163657A
JPH11163657A JP32680497A JP32680497A JPH11163657A JP H11163657 A JPH11163657 A JP H11163657A JP 32680497 A JP32680497 A JP 32680497A JP 32680497 A JP32680497 A JP 32680497A JP H11163657 A JPH11163657 A JP H11163657A
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JP
Japan
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side coil
ground
signal
filter
filter element
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Application number
JP32680497A
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English (en)
Inventor
Takafumi Nogi
貴文 野木
Akira Iwashita
晃 岩下
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Publication date
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  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)
  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)
  • Filters And Equalizers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 その目的は、互いに相互干渉することなく、
安定した特性を導出できる多連型ノイズフィルタを提供
することにある。 【解決手段】 積層体内に、信号側コイルLs1 〜Ls
4 とグランド側コイルLg1 〜Lg4 と、該コイルLs
1 〜Ls4 とLg1 〜Lg4 との間で容量成分が形成さ
れて成るフィルタ素子が複数併設されて成る多連型ノイ
ズフィルタである。そして、各フィルタ素子のグランド
側コイルLg1 〜Lg4 と共通グランド側端子電極6と
が、各フィルタ素子ごとに独立した引回し電極31〜3
4によって接続されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1つの積層体内に
複数のフィルタ素子が併設された多連型ノイズフィルタ
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ノイズフィルタは、所定周波数帯域の信
号を通過させ、他の周波数帯域の信号をノイズ信号をみ
なし抑制するフィルタであり、1つの積層体に1つのフ
ィルタ素子が配置されていた。しかし、回路配線の高密
度化に伴い、1つの積層体に複数のフィルタ素子を配置
した多連型ノイズフィルタが既に提案されている。
【0003】単体のノイズフィルタは、積層体内に、図
6の等価回路図になるように、信号側コイルLsとグラ
ンド側コイルLgとが配置されている。即ち、積層体内
に信号側コイルLsとグランド側コイルLgとが存在
し、しかも、このコイルLs、Lgとの間に容量成分C
が形成されるようにする。
【0004】図7はその一例の示す積層体内のコイルパ
ターンなどを斜視図で示している。
【0005】積層体1は、9層の誘電体層、例えば誘電
体層1a〜1iから構成されている。尚、図7は、コイ
ルパターンを示し、誘電体層そのものは省略している。
【0006】そして、誘電体層1bと1c、1cと1
d、1dと1e、1eと1f、1fと1gの5つの誘電
体層間に、信号側コイルLsを構成する信号側コイルパ
ターン2c〜2gが、グランド側コイルLgを構成する
グランド側コイルパターン3c〜3gが形成されてい
る。そして、夫々の信号側コイルパターン2c〜2g、
グランド側コイルパターン3c〜3gは、概略コ字状の
パターンとなっており、一層あたり、例えば、誘電層1
cと誘電体層1dとの間に形成された信号側コイルパタ
ーン2d、グランド側コイルパターン3dは、各々の開
口部分が互いに対向するように配置されている。
【0007】そして、各信号側コイルパターン2c〜2
g、グランド側コイルパターン3c〜3gの一端部に
は、各誘電体層1b〜1hを貫通するビアホール導体
(図面には点線でしめす)が形成されている。また、誘
電体層1aと1bとの間には、信号側コイルLsの一端
部を積層体1の端面に導出する引き出し電極2bが形成
されており、また、誘電体層1gと1hとの間には、信
号側コイルLsの他端部を積層体1の端面に導出する引
き出し電極2hが形成されている。さらに、誘電体層1
hと1iとの間には、グランド側コイルLgの一部を積
層体1の端面に導出する引回し電極3iが形成されてい
る。
【0008】これにより、信号側コイルLsは、引き出
し電極2b、信号側コイルパターン2c〜2g、引き出
し電極2hとで積層方向に螺旋状に周回して構成される
ことになる。また、グランド側コイルLgは、グランド
側コイルパターン3c〜3g、引き出し電極3hとで積
層方向に螺旋状に周回して構成されることになる。
【0009】また、例えば、信号側コイルパターン2d
に着目すると、誘電体層1cを介して、誘電体層1bと
1cとの間に形成されたグランド側コイルパターン3c
と対向しており、同時に、誘電体層1dを介して、誘電
体層1dと1eとの間に形成されたグランド側コイルパ
ターン3eと対向しており、その間に所定容量成分が夫
々形成されることになる。同様に、例えば、グランド側
コイルパターン3dに着目すると、誘電体層1cを介し
て、誘電体層1bと1cとの間に形成された信号側コイ
ルパターン2cと対向しており、同時に、誘電体層1d
を介して、誘電体層1dと1eとの間に形成された信号
側コイルパターン2eと対向しており、その間に所定容
量成分が夫々形成されることになる。尚、図には省略し
ているが、9層の誘電体層1a〜1iが積層してなる積
層体の一対の端面の一方には、引き出し電極2bと接続
する端子電極が形成されており、積層体の一対の端面の
他方には、引き出し電極2hと接続する端子電極が形成
されている。また、積層体のもう一対の端面には、引回
し電極3iと接続する端子電極が形成されている。
【0010】上述の構造により、信号側コイルLs、グ
ランド側コイルLgにインダクタンス成分が発生する。
また、両コイルLs、Lg間に容量成分Cが発生する。
そして、インダクタンス成分Ls、Lg及び容量成分C
が相互に作用しあって、所定周波数で減衰極を形成する
フィルタ特性が得られることになる。
【0011】このようなノイズフィルタの多連化は、図
8に示す構造となっていた。尚、図8は、4つのフィル
タ素子を具備する例を示している。
【0012】即ち、誘電体層1aと1bとの間には、第
1〜第4のフィルタ素子の引き出し電極21b〜24b
が配置されている。誘電体層1bと誘電体層1cとの間
には、第1〜第4のフィルタ素子の信号側コイルパター
ン21c〜24c、グランド側コイルパターン31c〜
34cが配置されている。同様にして、誘電体層1cと
1d、1dと1e、1eと1f、1fと1gとの間にも
夫々信号側コイルパターン21d〜24g、グランド側
コイルパターン31d〜34gが配置されている。ま
た、誘電体層1gと1hとの間には、第1〜第4のフィ
ルタ素子の引き出し電極21h〜24hが配置されてい
る。さらに、誘電体層1hと1iとの間には、第1〜第
4のフィルタ素子の共通引回し電極30iが形成されて
いる。
【0013】尚、図には省略しているが、9層の誘電体
層1a〜1iが積層してなる積層体の一対の端面の一方
には、第1〜第4のフィルタ素子の引き出し電極21b
〜24bと接続する第1〜第4の端子電極が形成されて
おり、積層体の一対の端面の他方には、第1〜第4のフ
ィルタ素子の引き出し電極21h〜24hと接続する第
1〜第4の端子電極が形成されている。また、積層体の
もう一対の端面には、共通引回し電極30iと接続する
端子電極が形成されている。
【0014】このような構成により、図9に示す等価回
路図のような多連型ノイズフィルタが達成される。特
に、等価回路上では、各フィルタ素子と端子電極間の間
に、共通引回し電極30iにインダクタンス成分Lg10
〜Lg12が存在することになる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の多連型
ノイズフィルタにおいて、第1〜第4のノイズフィルタ
素子は、誘電体層1hと1iとの間に形成した共通引回
し電極30iと共通的に接続されているために、各ノイ
ズフィルタ素子が積層体内で相互干渉が発生してしま
う。例えば、多連型ノイズフィルタのう1つのノイズフ
ィルタ素子の減衰特性は、その1つのノイズフィルタ素
子を動作させた場合の特性と、すべてのノイズフィルタ
素子を動作させた時の特性とが変動してしまうという問
題があった。
【0016】例えば、図10に4つのフィルタ素子のう
ち、1つの素子のフィルタ特性を示す。特性Aは多連型
ノイズフィルタを構成するフィルタ素子のうち、特性測
定に使用したフィルタ素子のみを動作させた状態の特性
である。また、特性Bは多連型ノイズフィルタを構成す
るすべてのフィルタ素子を動作させた状態の特性であ
る。
【0017】これは、多連型ノイズフィルタのすべての
ノイズフィルタ素子のグランド側コイルLgが共通引回
し電極30iに接続されており、グランド側コイルLg
と共通引回し電極30iとが接続する接続点と、グラン
ド側端子電極との間の距離が各々のフィルタ素子によっ
て異なり、ある値のインピーダンス成分を有する。例え
ば測定フィルタ素子を第2のフィルタ素子として、他の
フィルタ素子、例えば第3のフィルタ素子を動作させる
と、第3のノイズフィルタ素子の信号側コイルLsの信
号電位に対応して電圧が変動し、これに対応して第3の
ノイズフィルタのグランド側コイルLgの電位が変動し
てしまう。この結果、共通引回し電極30iのインピー
ダンス成分の変動が、第2のフィルタ素子にまで影響し
てしまい、その結果、第2のノイズフィルタのグランド
側コイルLgと共通引回し電極30iとの電気的回路的
な接続点Gbが変動してしまうことに起因するものと考
えられる。
【0018】上述の課題に鑑みて案出されたものであ
り、その目的は、複数のノイズフィルタ素子間の相互干
渉に抑制し、他のノイズフィルタ素子の動作にかかわら
ず、安定した特性を導出することができる多連型ノイズ
フィルタを提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、複数の
誘電体層を積層した直方体形状の積層体内に、前記誘電
体層を挟んで信号側コイルパターンとグランド側コイル
パターンとが対向配置させて形成される複数のフィルタ
素子を設けるとともに、前記積層体の端面に、各フィル
タ素子の信号コイルパターンの両端に接続する個別信号
側端子電極と前記グランド側コイルパターンに接続する
共通グランド側端子電極を形成した多連型ノイズフィル
タにおいて、前記各フィルタ素子のグランド側電位コイ
ルパターンの端部は、各フィルタ素子ごとに異なった引
回し電極を介して共通グランド側端子電極に接続してい
ることを特徴とする多連型ノイズフィルタである。
【0020】
【作用】この多連型ノイズフィルタによれば、各ノイズ
フィルタ素子の信号側コイルLsの両端部に接続する信
号側の端子電極は、夫々個別の端子電極として、積層体
の一対の端面に形成されている。
【0021】また、各ノイズフィルタ素子のグランド側
コイルLgの一部は、夫々個別の引回し電極を介して、
グランド側端子電極に接続されている。従って、すべて
のフィルタ素子が動作し、信号側コイルLsの電位によ
ってグランド側コイルLgの電位が変動しても、そのグ
ランド側コイルLgは、個別の引回し電極を介してグラ
ンド側端子電極に接地されるため、複数のフィルタ素子
間での相互干渉がない。その結果、各々フィルタ素子の
特性が安定して導出することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明のフィルタを図面に
基づいて詳説する。
【0023】図1は本発明のフィルタの外観斜視図であ
り、図2は図1のX−X線の断面図を示し、図3はその
積層体部分の各コイルパターンなどの導体の接続状態を
示す斜視図である。尚、説明には、4つのフィルタ素子
が併設された多連型ノイズフィルタを用いて、また、図
8と同一部分は同一符号で説明する。
【0024】多連型ノイズフィルタは、積層体1と、第
1のフィルタ素子の信号側端子電極41、51、第2の
フィルタ素子の信号側端子電極42、52、第3のフィ
ルタ素子の信号側端子電極43、53、第4のフィルタ
素子の信号側端子電極44、54、第1〜第4のフィル
タ素子のグランド側端子電極6とから構成されている。
【0025】また、積層体1内には、第1のフィルタ素
子を構成する信号側コイルパターン21c〜21gから
成る信号側コイルLs1 、グランド側コイルパターン3
1c〜31gから成るグランド側コイルLg1 、第2の
フィルタ素子を構成する信号側コイルパターン22c〜
22gから成る信号側コイルLs2 、グランド側コイル
パターン32c〜32gから成るグランド側コイルLg
2 、第3のフィルタ素子を構成する信号側コイルパター
ン23c〜23gから成る信号側コイルLs3、グラン
ド側コイルパターン33c〜33gから成るグランド側
コイルLg3 、第4のフィルタ素子を構成する信号側コ
イルパターン24c〜24gから成る信号側コイルLs
4 、グランド側コイルパターン34c〜34gから成る
グランド側コイルLg4 が配置されている。
【0026】積層体1は、チタン酸バリウム、チタンジ
ルコン酸バリウムなどの誘電体材料から成る誘電体層や
フェライト材料を含有する磁性体層(本発明では誘電体
層という)が、例えば12層積層されて構成されてい
る。符号として、1a〜1lで示す。
【0027】誘電体層1aと1bとの層間には、各フィ
ルタ素子の信号側コイルLs1 〜Ls4 の一端と端子電
極41〜44とを各々接続するための引き出し電極21
b〜24bが併設されている。
【0028】また、誘電体層1gと1hとの層間には、
各フィルタ素子の信号側コイルLs1 〜Ls4 の他端と
端子電極51〜54とを各々接続するための引き出し電
極21h〜24hが併設されている。
【0029】また、誘電体層1h〜1lの4つの層間に
は、各々のグランド側コイルLg1〜Lg4 と対をな
し、グランド側コイルLg1 〜Lg4 の一部と接続する
第1〜第4の引回し電極31〜34が形成されおり、こ
の第1〜第4の引回し電極31〜34を介して共通的な
グランド側端子電極6に接続されている。
【0030】さらに、積層体1の誘電体層1b〜1gの
各層間には、第1〜第4のフィルタ素子の信号側コイル
Ls1 〜Ls4 を構成する信号側コイルパターン21c
〜24g、第1〜第4のフィルタ素子のグランド側コイ
ルLg1 〜Lg4 を構成するグランド側コイルパターン
31c〜34gが形成されている。また、各誘電体層1
b〜1kには、信号側コイルLs1 〜Ls4 、グランド
側コイルLg1 〜Lg4 を構成し、グランド側コイルL
1 〜Lg4 を各々第1〜第4の引回し電極31〜34
に接続するためのビアホール導体が形成されている。
尚、図では、ビアホール導体は点線で示している。
【0031】例えば、誘電体層1bと誘電体層1cとの
層間には、第1〜第4のフィルタ素子の信号側コイルパ
ターン21c〜24c、グランド側コイルパターン31
c〜34cが併設されている。具体的には、信号側コイ
ルパターン21cとグランド側コイルパターン31c
は、概略コ字状となしており、信号側コイルパターン2
1cとグランド側コイルパターン31cとの開口が互い
に向き合うように配置されている。そして、信号側コイ
ルパターン21cの他端部分の誘電体層1cには信号側
コイルパターン21dの一端に接続するビアホール導体
が形成されており、グランド側コイルパターン31cの
他端部分の誘電体層1cにはグランド側コイルパターン
31dの一端に接続するビアホール導体が形成されてい
る。
【0032】さらに、誘電体層1bと1cとの間の第2
〜第4のフィルタ素子を構成する信号側コイルパターン
22c〜24c、グランド側コイルパターン32c〜3
4cについても、信号側コイルパターン21c、グラン
ド側コイルパターン31cと同様の構成となっている。
【0033】また、誘電体層1cと1dとの層間には、
誘電体層1b〜1cとの層間に配置された信号側コイル
パターン21c〜24c、グランド側コイルパターン3
1c〜34cと同様に、信号側コイルパターン21d〜
24d、グランド側コイルパターン31d〜34dが配
置されている。尚、信号側コイルパターン21c〜24
c、グランド側コイルパターン31c〜34cとの相違
点は、信号側コイルパターン21d〜24d、グランド
側コイルパターン31d〜34dは上述のビアホール導
体とを介して、信号側コイルパターン21c〜24c、
グランド側コイルパターン31c〜34cと接続して約
1ターンのコイルどなるように信号側コイルパターンと
グランド側コイルパターンとが入れ代わるように形成さ
れている。
【0034】このようして、誘電体層1d〜1gの各層
間には、信号側コイルパターン21e〜24g、グラン
ド側コイルパターン31e〜34gが形成されている。
【0035】上述の誘電体層1a〜1lの各層間に配置
された引き出し電極21b〜24b、信号側コイルパタ
ーン21c〜24g、引き出し電極21h〜24h、グ
ランド側コイルパターン31c〜34g、第1〜第4の
引回し電極31〜34は、Ag系(Ag単体またはAg
合金)またはCu系(Cu単体またはCu合金)を主成
分とする導体から構成されている。
【0036】以上の構成により、第1のフィルタ素子
は、信号側コイルパターン21c、21d、21e、2
1f、21gの螺旋状の接続より、信号側コイルLs1
が構成される。この信号側コイルLs1 の一端は引き出
し電極2bを介して端子電極4に接続し、信号側コイル
Ls1 の他端は引き出し電極2hを介して端子電極51
に接続している。同時に、グランド側コイルパターン3
1c、31d、31e、31f、31gの螺旋状の接続
により、グランド側コイルLg1 が構成し、このグラン
ド側コイルLg1 の一部が例えば誘電体層1hと1iと
の間に配置された引回し電極31を介して端子電極6に
接続している。また、第2〜第4のフィルタ素子の信号
側コイルLs2 〜Ls4 は第1のフィルタ素子と同様な
構造となっている。さらに、第2〜第4のフィルタ素子
のグランド側コイルLg2 〜Lg4の構成は、第1のフ
ィルタ素子のグランド側コイルLg1 と同様な構造とな
っている。ただし、各グランド側コイルLg2 〜Lg4
と端子電極6との接続状態が互いに相違する。
【0037】例えば、第2のフィルタ素子のグランド側
コイルLg2 の一部は、誘電体層1kと1lとの間に配
置された第2の引回し電極32に接続され、第2の引回
し電極32を介して端子電極6に接続されている。ま
た、第3のフィルタ素子のグランド側コイルLg3 の一
部は、誘電体層1jと1kとの間に配置された第3の引
回し電極33に接続され、第3の引回し電極33を介し
て端子電極6に接続され、第4のフィルタ素子のグラン
ド側コイルLg4 の一部は、誘電体層1iと1jとの間
に配置された第4の引回し電極34に接続され、第4の
引回し電極34を介して端子電極6に接続されている。
【0038】ここで重要なことは、各グランド側コイル
Lg1 〜Lg4 と第1〜第4の引回し電極31〜34と
の接続にあたり、他のグランド側コイルに接続すること
なく、第1〜第4の引回し電極31〜34に接続されて
いる。
【0039】例えば第1のフィルタ素子を構成するグラ
ンド側コイルLg1 の一部と接続する第1の引回し電極
31には、グランド側コイルLg2 〜Lg4 の一部が第
1の引回し電極と接続することがないように、非導電部
分31x、31y、31zが形成され、同時に、第2〜
第4の引回し電極32〜34と接続するために、この非
導電部分31x、31y、31zを貫通するビアホール
導体が形成されている。
【0040】図3では、第1のフィルタ素子のグランド
側コイルLg1 は、誘電体層1g、1hに形成されたビ
アホール導体を介して直接第1の引回し電極31に接続
されている。また、第2のフィルタ素子のグランド側コ
イルLg2 は、誘電体層1g、1h、第1の引回し電極
31の非導電部分31x、第2の引回し電極32の非導
電部分32x、第3の引回し電極33の非導電部分33
xに形成されたビアホール導体を介して誘電体層1kと
1lとの間の第2の引回し電極32に接続している。第
3のフィルタ素子のグランド側コイルLg3 は、誘電体
層1g、1h、第1の引回し電極31の非導電部分31
y、第2の引回し電極32の非導電部分32yに形成さ
れたビアホール導体を介して誘電体層1jと1kとの間
の第3の引回し電極32に接続している。第4のフィル
タ素子のグランド側コイルLgは、誘電体層1g、1
h、第1の引回し電極31の非導電部分31zに形成さ
れたビアホール導体を介して誘電体層1iと1jとの間
の第4の引回し電極34に接続している。
【0041】以上の構造により、例えば第1のフィルタ
素子は、信号側コイルLsとグランド側コイルLg
1 とからなり、また、信号側コイルLs1 を構成する信
号側コイルパターン2c〜2gとグランド側コイルLg
1 を構成するグランド側コイルパターン3c〜3gとが
誘電体層1c〜1fを介して互いに対向することによ
り、所定容量成分Cが形成されることになるため、LC
フィルタを構成することになる。同様にして、第2〜第
4のフィルタ素子に関しても同様となる。
【0042】また、上述の構造では、第1のフィルタ素
子のグランド側コイルLg1 と端子電極6との接続が第
1の引回し電極31を介して、第2のフィルタ素子のグ
ランド側コイルLg2 と端子電極6との接続が第2の引
回し電極33を介して、第3のフィルタ素子のグランド
側コイルLg3 は第3の引回し電極33を介して、さら
に、第4のフィルタ素子のグランド側コイルLg4 は第
4の引回し電極34を介して夫々独立して接続されてい
る。
【0043】従って、図4のような等価回路図のように
なる。
【0044】このため、あるフィルタ素子、例えば、第
1のフィルタ素子の動作により、信号側コイルLs1
電位が変動し、これに伴いグランド側コイルLg1 の電
位が変動しても、端子電極6までの間が夫々独立した引
回し電極31〜34によって接続されているため、他の
フィルタ素子に全く影響なく、夫々が安定した特性で動
作することができる。
【0045】図5は、本発明の多連型ノイズフィルタの
減衰特性を示す図である。
【0046】図5に示す特性は4つのノイズフィル素子
のうち、特定の1つのノイズフィルタの減衰特性であ
る。特性Aはこのノイズフィルタ素子のみを動作させた
時の特性である。また、特性Bは他のノイズフィルタ素
子を同時に動作させた時の特性である。
【0047】図5から理解できるように両者の減衰特性
においては、700〜800MHzの範囲で減衰量が微
小に異なる程度であり、図10に示す従来の特性図に比
較して非常に安定した特性が得られることになる。
【0048】上述の多連型ノイズフィルの製造方法を簡
単に説明すると、まず、誘電体層11a〜1l となるグ
リーンシートを用意する。次に、誘電体層1b〜1kと
なるグリーンシートの所定位置にビアホール導体となる
貫通孔を形成する。
【0049】次に、誘電体層1b〜1lとなるグリーン
シート上に、例えば、Agを主成分とする導電性ペース
トを用いて、引き出し電極21b〜24b、21h〜2
4h、31〜34、信号側コイルパターン21c〜24
g、グランド側コイルパターン31c〜34gとなる導
体膜を印刷、乾燥により形成する。
【0050】次に、上述のグリーンシート及び誘電体層
1aとなるグリーンシートを積層順番を考慮して、積層
圧着する。その後、必要に応じて、積層体の形状に裁断
を行う。
【0051】次に、グリーンシートの積層体を800〜
1050℃で大気雰囲気中で焼成処理を行う。その後、
バレル研磨などにより、積層体の端面を研磨処理し、積
層体1の一対の端面の一方面から信号側の端子電極と接
続する引き出し電極21b〜24bを、他方面から引き
出し電極21h〜24hを、さらに、もう一方の一対の
端面から端面から第1〜第4の引回し電極31〜34の
一部を露出させる。
【0052】次に、積層体1の一対の端面の一方面、即
ち、引き出し電極21b〜24bが露出している面に、
各々の引き出し電極21b〜24bに接続するように端
子電極41〜44を、他方面、即ち、引き出し電極21
h〜24hが露出している面に、各々の引き出し電極2
1h〜24hに接続するように端子電極51〜54を、
もう一方の一対の端面に、第1〜第4の引回し電極31
〜34に接続するように端子電極6を、夫々Agを主成
分とする導電性ペーストの焼き付けによって形成する。
尚、必要に応じて、この焼き付けAg導体膜上に、Ni
メッキ、半田メッキなどを施す。
【0053】また、高周波特性の向上のうために、積層
体1の内部の各導体をCu系材料で構成することも考え
られる。この場合、一体的に焼結される誘電層1a〜1
lを構成する材料には、チタン酸ジルコン酸カルシウム
などを主成分酸化物の非還元性誘電体材料を用い、焼成
雰囲気を還元性、または中性雰囲気で焼成する。尚、C
uの融点に達しないように、この複合酸化物に低温焼成
が可能なガラス材料などの助材を添加しておくこともで
きる。尚、端子電極は、Agの焼き付け以外に、Cuを
含有して樹脂ペーストを用いて、所定位置に塗布した
後、乾燥・硬化を行い、メッキ処理を行うこともでき
る。
【0054】尚、上述の実施例では、第1〜第4のフィ
ルタ素子を構成するグランド側コイルLg1 〜Lg4
夫々専有の引回し電極31〜34を介して端子電極6に
接続されている。この引回し電極31〜34は帯状に形
成されており、その両端部が積層体1のもう一対の両端
面には露出している。これは、グランド側コイルLg1
〜Lg4 から端子電極6までの距離を夫々近似させて、
実質的にグランド側コイルLg1 〜Lg4 側のインダク
タンス成分にバツラキを抑えるためである。従って、意
図的に複数のフィルタ素子で特性に変化を与えたりする
ために、あえて、引回し電極31〜34の一方端のみを
端子電極6に接続しても構わない。
【0055】また、図では、積層体1を構成する誘電体
層1h〜1l の4層間に夫々引回し電極を形成している
が、グランド側コイルLg1 〜Lg4 と端子電極6とを
接続する引回し電極31〜34を独立して形成しておれ
ば、夫々異なる誘電体層間に引回し電極31〜34を形
成する必要はない。その結果、引回し電極31〜34の
長さが相違して、グランド側コイルLg1 〜Lg4 のイ
ンダクタンス成分が変動してしまう場合には、引回し電
極31〜34やグランド側コイルパターン3c〜3gの
導体長さや幅を調整すればよい。
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、信号側コイルLsとグ
ランド側コイルLgと、その間に容量成分からなり、所
定フィルタ特性のフィルタ素子が複数併設された多連型
ノイズフィルタである。
【0057】そして、各フィルタ素子を構成するグラン
ド側コイルLg1 〜Lg4 とグランド側の端子電極との
間が、夫々独立して引回し電極によって接続されている
ため、あるフィルタ素子の信号側コイルLsの信号側電
位が変動し、これにともってグランド側コイルLgの電
位が変動しても、引回し電極が夫々独立しているため、
この電位の変動が他のフィルタ素子の動作には影響しな
い。
【0058】即ち、相互干渉を有効に抑えた多連型ノイ
ズフィルタとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多連型ノイズフィルタの外観斜視図で
ある。
【図2】図1のX−X線断面図である。
【図3】積層体内の信号側コイルパターン、グランド側
コイルパターン及び引回し電極の関係を示す斜視図であ
る。
【図4】本発明のフィルタの等価回路図である。
【図5】本発明の多連型ノイズフィルタの特性図であ
る。
【図6】従来のノイズフィルタの等価回路図を示す。
【図7】従来のノイズフィルタの積層体内の信号側コイ
ルパターン、グランド側コイルパターン及び引回し電極
の関係を示す斜視図である。
【図8】従来の多連型ノイズフィルタの積層体内の信号
側コイルパターン、グランド側コイルパターン及び引回
し電極の関係を示す斜視図である。
【図9】図8に示す多連型ノイズフィルタの等価回路図
である。
【図10】従来の多連型ノイズフィルタの特性図であ
る。
【符号の説明】
1・・・積層体 21c〜24g・・信号側コイルパターン 31c〜34g・・グランド側コイルパターン 21b〜24b・・信号側の引き出し電極 21h〜24h・・信号側の引き出し電極 31〜34・・・・グランド側の引回し電極 41〜44・・・個別信号側端子電極 51〜54・・・個別信号側端子電極 6・・・・・・・共通グランド側端子電極 Ls1 〜Ls4 ・・・信号側コイル Lg1 〜Lg4 ・・・グランド側コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01G 4/40 321A

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の誘電体層を積層した直方体形状の
    積層体内に、前記誘電体層を挟んで信号側コイルパター
    ンとグランド側コイルパターンとが対向配置させて形成
    される複数のフィルタ素子を設けるとともに、前記積層
    体の端面に、各フィルタ素子の信号コイルパターンの両
    端に接続する個別信号側端子電極と、前記グランド側コ
    イルパターンに接続する共通グランド側端子電極とを形
    成した多連型ノイズフィルタにおいて、 前記各フィルタ素子のグランド側電位コイルパターンの
    端部は、各フィルタ素子ごとに異なった引回し電極を介
    して共通グランド側端子電極に接続していることを特徴
    とする多連型ノイズフィルタ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001060840A (ja) * 1999-08-19 2001-03-06 Kyocera Corp 多連型ノイズフィルタ
JP2017126665A (ja) * 2016-01-14 2017-07-20 Tdk株式会社 コイル部品及びこれを用いた電子回路

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JP2001060840A (ja) * 1999-08-19 2001-03-06 Kyocera Corp 多連型ノイズフィルタ
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