JP2003516755A - ショットガン走査、すなわち機能性タンパク質エピトープをマッピングするための組み合わせ方法 - Google Patents

ショットガン走査、すなわち機能性タンパク質エピトープをマッピングするための組み合わせ方法

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Abstract

(57)【要約】 統計学およびDNA配列分析を用いる組み合わされた方法は、結合相互作用に対する個々のタンパク質側鎖の機能的および構造的重要性を迅速に査定する。この一般的な方法は、「ショットガン走査」と呼ばれ、機能性タンパク質およびペプチドエピトープの迅速なマッピングを可能にし、高処理量プロテオミックスに適する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】
本発明は、結合タンパク質中のどのアミノ酸残基が、該タンパク質に結合でき
るリガンドと作用し合うかを決定する方法に関する。より具体的には、本発明は
、タンパク質を走査して、該タンパク質と該リガンドとの結合相互作用に重要で
ある結合残基を決定する方法である。本発明は、ライブラリー、たとえばファー
ジ表示ライブラリーはもとより、ベクター、および該ベクターを有する宿主細胞
を調製するのにも用いることができる。
【0002】
【背景の考察】
バクテリオファージ(ファージ)表示(display)は、変異種ポリペプチドを
コートタンパク質との融合タンパク質としてバクテリオファージ粒子の表面で表
示する一手法である〔Scott, J.K. & Smith, G.P. (1990) Science 249;386〕。
ファージ表示の効用は、選択的にランダム化したタンパク質の変異種(またはラ
ンダムにクローニングしたcDNA)の大きいライブラリーは、標的分子に高い
親和性で結合するような配列について、迅速かつ効率的に選別することができる
ということにある。ファージについてのペプチド〔Cwirla, S.E. et al. (1990)
Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 87:6378〕またはタンパク質〔Lowman, H.B. et
al. (1991) Biochemistry, 30:10832;Clackson, T. et al. (1991) Nature, 35
2:624;Marks, J.D. et al. (1991) J. Mol. Biol., 222:581;Kang, A.S. et a
l. (1991) Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 88: 8363〕ライブラリーの表示は、特
異的結合タンパク質を有するものについて、数百万ものポリペプチドをスクリー
ニングするのに用いられている〔Smith, G.P. (1991) Current Opin. Biotechno
l., 2:668〕。ランダム突然変異種のファージライブラリーの選別は、多数の変
異種を製作し、増殖させるための戦略、標的受容体を用いた親和性精製のための
手順、および結合強化の結果を評価する手段を必要とする〔U.S. 5,223,409;U.
S. 5,403,484;U.S. 5,571,689;U.S. 5,663,143〕。
【0003】 代表的には、変異種ポリペプチドを、遺伝子IIIタンパク質に融合させて、ウ
イロンの一端で表示する。これに代えて、変異種ポリペプチドを、遺伝子IIIタ
ンパク質に融合させて、それがウイロンの主要コートタンパク質であってもよい
。そのような多価表示ライブラリーは、ファージの遺伝子IIIを、遺伝子IIIタン
パク質のアミノ末端に融合させた外来配列をコードしているcDNAで置き換え
ることによって構築される。これは、結合活性効果のため、すなわちファージが
、多くの点での付着によって標的に結合できるため、高親和性変異種をライブラ
リーから選別する努力を面倒にさせかねない。その上、遺伝子IIIタンパク質は
、宿主細胞、たとえば大腸菌内でのファージの付着および増殖に必要とされるた
め、融合タンパク質は、子孫ファージ粒子の感染力を劇的に低下させかねない。
【0004】 これらの困難を克服するため、タンパク質またはペプチド配列を遺伝子IIIタ
ンパク質の一部に融合させ、野生型遺伝子IIIタンパク質の存在下で、低いレベ
ルで発現させ、それゆえ粒子が、ほとんどが野生型の遺伝子IIIタンパク質を表
示し、かつ1コピーの融合タンパク質を表示するか、または全く表示しない、一
価ファージ表示が開発された〔Bass, S. et al. (1990) Proteins, 8:309;Lowm
an, H.B. & Wells, J.A. (1991) Methods: a Companion to Methods in Enzymol
ogy, 3:205〕。一価表示は、子孫ファージミド粒子が、完全な感染力を保持する
という点で、多価ファージ表示に勝る利点を有した。結合活性効果が、低減され
るため、選別は、固有のリガンド親和性に基づき、DNA操作を単純化するファ
ージミドベクターが用いられる。U.S. 5,750,373およびU.S. 5,780,279も参照さ
れたい。他の者も、ファージミドを用いて、タンパク質、特に抗体を表示してい
る〔U.S. 5,667,988;U.S. 5,759,817;U.S. 5,770,356;およびU.S. 5,658,727
〕。
【0005】 M13ファージで表示されるペプチドライブラリーから高親和性リガンドを選
ぶために、二工程の取組み方が用いられている。低親和性リードは、主要コート
タンパク質(タンパク質VIII)に表示される、未処理の多価ライブラリーから最
初に選択された。次いで、この低親和性の選択体は、遺伝子IIIの副次コートタ
ンパク質に移転され、一価フォーマットで高親和性へと成熟させられた。不幸に
も、ペプチドからタンパク質へのこの方法論の拡張は、困難であった。タンパク
質VIIIでの表示レベルは、融合の長さおよび順序によって変動する。融合サイズ
の増大は、概して、表示を低下させる。そのため、異なる多くのタンパク質VIII
を親和性成熟させるのに、一価ファージ表示が用いられている一方で、タンパク
質VIIIでの多価表示は、ほとんどのタンパク質足場物質には適用できないでいる
【0006】 ほとんどのファージ表示法は、繊維状ファージを用いているものの、λ系ファ
ージ表示システム〔WO 95/34683;U.S. 5,627,024〕、T4ファージ表示システ
ム〔Ren, Z-J. et al. (1998) Gene 215:439;Zhu, Z. (1997) CAN 33:534;Jia
ng, J. et al. (1997) CAN 128:44380;Ren, Z-J. et al. (1997) CAN 127:2156
44;Ren, Z-J. et al. (1996) Protein Sci. 5:1833;Efimov, V.P. et al. (19
95) Virus Genes 10:173〕およびT7ファージ表示システム〔Smith, G.P. & Sc
ott, J.K. (1993) Methods in Enzymology, 217, 228-257;U.S. 5,766,905〕も
、公知である。
【0007】 基本的なファージ表示の概念のその他多くの改良および変化が、現在開発され
ている。これらの改善は、選ばれた標的分子との結合についてペプチドライブラ
リーをスクリーニングし、これらのタンパク質を望みの特性についてスクリーニ
ングする潜在的能力を有する、機能性タンパク質を表示することができる表示シ
ステムの能力を高める。ファージ表示反応のための組合せ反応装置が開発され〔
WO 98/14277〕、ファージ表示ライブラリーが、二分子相互作用〔WO 98/20169;
WO 98/20159〕および拘束らせんペプチドの特性〔WO 98/20036〕を分析かつ制御
するために用いられている。WO 97/35196は、親和性リガンドを単離する方法を
記載していて、そこでは、ファージ表示ライブラリーを、リガンドが標的分子に
結合する一つの溶液、および親和性リガンドが標的分子に結合しない第二の溶液
に接触させて、結合するリガンドを選択的に単離する。WO 97/56251は、ランダ
ムファージ表示ライブラリーを、親和性精製した抗体でバイオパニングし、次い
で結合するファージを単離した後、マイクロプレートのウェルを用いて、高親和
性結合ファージを単離するマイクロパニング工程に付すという方法を記載してい
る。黄色ブドウ球菌のプロテインAを親和性タグとして用いることも、報告され
ている〔Li et al. (1998) Mol. Biotech., 9:187〕。WO 97/47314は、ファージ
表示ライブラリーであってもよい組合せライブラリーを用いて、酵素特異性を識
別するために、基質減算ライブラリーを用いることを記載している。ファージ表
示を用いて、洗剤中で用いるのに適した酵素を選ぶ方法は、WO 97/09446に記載
されている。特異的な結合性タンパク質を選ぶその他の方法は、U.S. 5,498,538
;U.S. 5,432,018;およびWO 98/15833に記載されている。
【0008】 ペプチドライブラリーを生成し、これらのライブラリーをスクリーニングする
方法も、U.S. 5,723,286;U.S. 5,432,018;U.S. 5,580,717;U.S. 5,427,908;
およびU.S. 5,498,530に記載されている。U.S. 5,770,434;U.S. 5,734,018;U.
S. 5,698,426;U.S. 5,763,192;およびU.S. 5,723,323も参照されたい。
【0009】 ファージの感染力を変える方法も、公知である。WO 95/34648およびU.S. 5,51
6,637は、標的タンパク質を宿主細胞のピリンタンパク質との融合タンパク質と
して表示する方法を記載しているが、ここで、ピリンタンパク質は、好ましくは
、表示ファージに対する受容体である。U.S. 5,712,089は、リガンドを発現する
ファージミドを細菌に感染させ、次いで、野生型タンパク質IIIを含むが、タン
パク質IIIをコードしている遺伝子は含まないヘルパーファージを該細菌に重感
染させた後、タンパク質IIIの第二リガンドを加え、この第二リガンドが、産生
されたファージで表示される第一リガンドに結合することを開示している。WO 9
6/22393も参照されたい。非感染性ファージ、および感染力を媒介する複合体を
用いた、選択的に感染するファージ系も公知である〔U.S. 5,514,548〕。
【0010】 リガンドを表示するファージ系は、サンプル中〔WO 97/44491〕、および動物
中〔U.S. 5,622,699〕のリガンドに結合するポリペプチドの存在を検出するのに
も用いられている。遺伝子療法〔WO 98/05344〕および薬物送達〔WO 97/12048〕
の方法も、哺乳動物細胞の表面に選択的に結合するファージを用いて提唱されて
いる。
【0011】 さらなる改良は、ファージ表示システムが、バクテリオファージ表面で抗体お
よび抗体フラグメントを発現するのを可能にして、特異的な特性、すなわち特異
的リガンドとの結合の選択〔EP 844306;U.S. 5,702,892;U.S. 5,658,727〕、
および抗体ポリペプチド鎖の組換え〔WO 97/09436〕を可能にしている。特異的
なペプチド−MHC複合体を認識する抗体を生成する方法も、開発されている〔
WO 97/02342〕。U.S. 5,723,287;U.S. 5,565,332;およびU.S. 5,733,743も参
照されたい。
【0012】 U.S. 5,534,257は、約30残基以下の外来エピトープが、MS−2ファージの
キャプシドタンパク質に組み込まれた発現系を記載している。このファージは、
適切な細菌宿主中でキメラタンパク質を発現して、ファージRNAその他の核酸
混入物を含まない空のファージ粒子を生じることができる。この空ファージは、
ワクチンとして役立つ。
【0013】 Gregoret, L.M.およびSauer, R.T.〔1993, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:4
246-4250〕は、組合せた方法を用いた、λリプレッサーのヘリックス・ターン・
ヘリックスにおける11のアミノ酸の二項突然変異誘発を記載している。突然変
異誘発のために、二本鎖カセットを合成し、それぞれの鎖を、11の突然変異し
た位置で、野生型アミノ酸またはアラニンのいずれかのコドンを生成する、塩基
の1:1混合物が用いられるように作成した。対で働く相互作用を評価した。こ
の取組み方は、単一のライブラリーを用いて、いくつかの残基位置に関する情報
を与える。しかし、この手法は、大腸菌で遺伝学的に選択できるタンパク質に限
定され、そのため、ほとんどの哺乳動物タンパク質には適用できない。さらに、
in vivo選択は、タンパク質に対する構造的摂動と機能的摂動とを区別すること
ができない。
【0014】 新たなDNAを導入するように細胞を形質転換する方法は、分子生物学および
現代遺伝子工学では周知である。初期の方法は、金属イオンの溶液、一般的には
塩化カルシウムで化学的に処理し、次いで加熱して、受容細菌として機能し、様
々な起源に由来する異種DNAを取り込むことができる適格細菌を産出すること
を含んだ。これら初期のプロトコールは、プラスミドDNA1μgあたり約105 〜106の形質転換コロニーという形質転換収率を与えた。異なる陽イオン、よ
り長い処理時間、他の化学薬剤を用いた、その後の改良は、約108コロニー/
DNAμgまでの形質転換効率を可能にしている〔Sambrook et al., Molecular
Cloning: A Laboratory Manual, 2nd edition, (1989) Cold Spring Harbor Lab
oratory Press, Cold Spring Harbor, NY, page 1.74〕。
【0015】 細胞は、高電圧電気穿孔を用いても形質転換することができる。電気穿孔は、
真核細胞(たとえば動物細胞、植物細胞等々)ばかりでなく、細菌、たとえば大
腸菌にDNAを導入するにも適している〔Sambrook et al., ibid, pages 1.75,
16.54-16.55〕。異なる細胞型は、最適の電気穿孔のための異なる条件を必要と
し、許容され得るレベルの発現または形質転換を見出すために、予備実験が実施
されるのが一般的である。哺乳動物細胞に対しては、250〜750V/cmの電圧
が、20〜50%の細胞の生存となる。1〜40μg/mlのDNA濃度を用いた、
室温ないし0℃およびそれ以下にわたる温度での20〜100ミリ秒の電気パル
ス長が、代表的なパラメータである。トランスフェクション効率は、線形DNA
を用いて、細胞を緩衝塩類溶液に懸濁させたときの方が、非イオン溶液に懸濁さ
せたときより高いことが報告されている〔Sambrook et al.,上記, pages 16.54-
16.55〕。Dower et al., 1988, Nucleic Acids Research, 16:6127-6145;U.S.
4,910,140;U.S. 5,186,800;およびU.S. 4,849,355も参照されたい。電気穿孔
および/または形質転換の様々な態様を教示する、追加の参考文献は、U.S. 5,1
73,158;U.S. 5,098,843;U.S. 5,422,272;U.S. 5,232,856;U.S. 5,283,194;
U.S. 5,128,257;U.S. 5,124,259およびU.S. 4,956,288を包含する。
【0016】 電気穿孔を包含する、細胞形質転換の重要な新たな用途は、ペプチドおよびタ
ンパク質の変種のライブラリーの調製である。これらの用途では、複製できる転
写または発現ベクター、たとえばプラスミド、ファージまたはファージミドを、
制限酵素と反応させて、ベクターDNAを開裂させ、望みのコーディングDNA
をベクター内に連結して、それぞれ異なる変種をコードしているベクターのライ
ブラリーを形成し、細胞を形質転換ベクターのライブラリーで形質転換して、ア
ミノ酸配列が一つまたはそれ以上の残基で異なる、ポリペプチド変種のライブラ
リーを調製する。そうして、ペプチドのライブラリーは、特定の特性を有するか
、または保有しないペプチドについて選択的にパニングすることができる。共通
の特性は、該変種ペプチドが、細胞表面受容体、抗体、リガンドその他の結合パ
ートナー(固体の担体に結合していてもよい)に結合できることである。変種は
、特異的な反応を触媒すること、反応を阻害すること、酵素を阻害すること等々
ができるその能力について選んでもよい。
【0017】 一用途では、バクテリオファージ(ファージ)、たとえば繊維状ファージを用
いて、ペプチド変種のライブラリーをコードしているファージベクターDNAで
宿主細胞を形質転換することによって、ファージ表示ライブラリーを生成する〔
J.K. Scott & G.P. Smith, Science, (1990), 249:386-390〕。ファージミドベ
クターは、ファージ表示に用いてもよい〔Lowman & Wells, 1991, Methods: A C
ompanion to Methods in Enzymology, 3:205-216〕。ペプチドおよびタンパク質
、たとえば抗体のファージおよびファージミド表示ライブラリーの調製は、現在
、当技術に周知である。これらの方法は、一般的には、ファージ粒子の表面で表
示される変種ペプチドまたはタンパク質の一つもしくはそれ以上のコピーを有す
る有するファージ粒子として、ライブラリーを増殖させるために、ファージまた
はファージミドベクターDNAで細胞を形質転換することを必要とする。たとえ
ばBarbas et al., Proc. Natl. Acad. Sci., USA, (1991), 88:7978-7982;Mark
s et al., J. Mol. Biol., (1991), 222:581-597;Hoogenboom & Winter, J. Mo
l. Biol., (1992), 227:381-388;Barbas et al., Proc. Natl. Acad. Sci., US
A, (1992), 89:4457-4461;Griffiths et al., EMBO Journal, (1994), 13:3245
-3260;de Kruif et al., J. Mol. Biol., (1995), 248:97-105;Bonnycastle e
t al., J. Mol. Biol., (1996), 258:747-762;およびVaughan et al., Nature
Biotechnology (1996), 14:309-314を参照されたい。ライブラリーDNAは、周
知のいくつかの突然変異誘発手順の一つ、たとえばカセット突然変異誘発または
オリゴヌクレオチド仲介突然変異誘発で制限および連結酵素を用いて、調製する
【0018】 ファージ技術およびタンパク質加工全般における無数の改変および改良にもか
かわらず、ファージ表示法、およびタンパク質加工の改良された方法における、
ポリペプチドを融合タンパク質として表示する改良された方法に対する、必要性
が存在し続けている。
【0019】
【発明の要約】
DNA技術の進歩は、タンパク質分析の手法のそれに勝っている。その結果、
ヒトのゲノム配列は、完了に近づいているが、多くのタンパク質−タンパク質相
互作用の詳細は、知られていない。プロテオームでのタンパク質による受容体−
リガンド相互作用の細目は、専門化された手法、たとえばX線結晶学を必要とし
て、それらを、それぞれの相互作用に適応させなければならない。この二分状態
は、DNAおよびペプチドという生体重合体の間の根本的相違を反映している。
DNAは、配列にかまわず容易に操作することができるのに対し、異なるタンパ
ク質配列は、高度に変動し得る物理的特性を有する、異なる三次元構造を生じる
ことができる。
【0020】 したがって、本発明の目的は、ポリペプチド中のどのアミノ酸位置がポリペプ
チドに対するリガンド結合性における役割を果たすのかを決定する、一般的な方
法を提供すること、および構造的保全、またはこれに代えてポリペプチドの機能
的保全に対する特定の残基の相対的重要性を示す、一般的な方法を提供すること
である。
【0021】 プロテオームの迅速な分析は、一般的な方法を要するものの、個々のタンパク
質の独自な特性は、専門化された手法を要求する。本発明は、「ショットガン走
査」の方法、すなわち受容体−リガンド分析の一般的な手法であって、主にDN
Aの操作に依拠する。DNA手法およびライブラリー選別手法、好ましくはファ
ージ表示によるそれは、少なくとも二つの利点を与える。第一に、ショットガン
走査は、非常に迅速であり、自動化することができる。第二に、この手法は、多
くの受容体−リガンド相互作用に容易に適応させることができる。
【0022】 本発明の一実施態様は、複数の融合タンパク質をコードしている融合遺伝子の
ライブラリーであって、ここで、該融合タンパク質は、ファージコートタンパク
質の少なくとも一部に融合したポリペプチド部分を含み、該融合タンパク質のポ
リペプチド部分は、予定された番号のアミノ酸位置で異なり、該融合遺伝子は、
それぞれの予定されたアミノ酸位置で、多くとも8個の異なるアミノ酸をコード
している。
【0023】 本発明のもう一つの実施態様は、複数の融合タンパク質をコードしている融合
遺伝子を含む発現ベクターのライブラリーであって、ここで、該融合タンパク質
は、ファージコートタンパク質の少なくとも一部に融合したポリペプチド部分を
含み、該融合タンパク質のポリペプチド部分は、予定された番号のアミノ酸位置
で異なり、該融合遺伝子は、それぞれの予定されたアミノ酸位置で多くとも8個
の異なるアミノ酸をコードしている。
【0024】 さらに一つの実施態様は、複数の融合タンパク質をコードしている融合遺伝子
を含む、ファージまたはファージミド粒子のライブラリーであって、ここで、該
融合タンパク質は、ファージコートタンパク質の少なくとも一部に融合したポリ
ペプチド部分を含み、該融合タンパク質のポリペプチド部分は、予定された番号
のアミノ酸位置で異なり、該融合遺伝子は、それぞれの予定されたアミノ酸位置
で多くとも8個の異なるアミノ酸をコードしている。
【0025】 好ましくは、融合遺伝子は、それぞれの予定されたアミノ酸位置で、ポリペプ
チド中に自然に発生する野生型アミノ酸、走査アミノ酸(たとえば単一走査アミ
ノ酸または相同体)、および2、3、4、5または6個の非野生型、非走査アミ
ノ酸もしくは停止コドン(たとえば、アンバーまたはオーカーのような抑制でき
る停止コドン)をコードしている。非野生型、非走査アミノ酸は、残余の天然に
産するアミノ酸のいずれであってもよい。融合遺伝子は、一つ以上の予定された
アミノ酸位置で、野生型アミノ酸および走査アミノ酸をコードしていてよい。こ
れに代えて、該融合遺伝子は、それぞれの予定されたアミノ酸位置で、野生型ア
ミノ酸および走査アミノ酸のみをコードしていてもよい。走査アミノ酸は、アラ
ニン、システイン、イソロイシン、フェニルアラニン、または他の自然に産する
周知のアミノ酸のいずれであってもよい。融合遺伝子は、好ましくは、それぞれ
の予定されたアミノ酸位置で、アラニンをコードしている。予定された番号は、
該ポリペプチド中の2〜60、好ましくは5〜40、より好ましくは5〜35ま
たは10〜50のアミノ酸位置の範囲内にある。
【0026】 もう一つの実施態様では、本発明は、上記のファージまたはファージミド粒子
のライブラリーを構築する方法であって、融合遺伝子が、野生型アミノ酸、走査
アミノ酸、および6個までの非野生型、非走査アミノ酸を、それぞれの予定され
たアミノ酸位置でコードしており、該粒子が、その表面で融合タンパク質を表示
する方法を提供する。次いで、該粒子のライブラリーを、標的分子に接触させ、
そのため該粒子の少なくとも一部が該標的分子に結合し;結合する粒子を結合し
ないそれから分離する。結合するか、または結合しない粒子のポリペプチドの少
なくとも一部について、予定された位置の一つ以上、好ましくはすべてにおける
走査アミノ酸に対する野生型アミノ酸の比率または頻度を決定してよい。一般的
には、ポリペプチドおよび標的分子は、リガンド/受容体、受容体/リガンド、
リガンド/抗体および抗体/リガンドを含むポリペプチド/標的分子の対の群か
ら選ばれるが、ここで、用語「リガンド」は、生体重合体と小分子との双方を包
含する。
【0027】 もう一つの実施態様では、本発明は、生成物であるポリペプチドを製造する方
法であって、下記工程: (1)複製できる発現ベクターで形質転換された宿主細胞を培養する工程であっ
て、複製できる発現ベクターは、宿主細胞内での該生成物ポリペプチドの発現を
実施することができる、制御配列に動作可能に結合された生成物ポリペプチドを
コードしているDNAを含み、ここで、該生成物ポリペプチドをコードしている
DNAが、下記工程:
【0028】 (a)ファージコートタンパク質の少なくとも一部分に融合した、予定された
番号のアミノ酸位置で異なる、ポリペプチド部分を含む、複数の融合タンパク質
をコードしている、それぞれの予定されたアミノ酸位置で多くとも8個の異なる
アミノ酸をコードしている、融合遺伝子を含む、発現ベクターのライブラリーを
構築する工程;
【0029】 (b)適する宿主細胞を該発現ベクターのライブラリーで形質転換する工程;
【0030】 (c)該形質転換された宿主細胞を、その表面で変異種融合タンパク質を表示
する、組換えファージまたはファージミド粒子を形成するのに適した条件下で培
養する工程;
【0031】 (d)該組換え粒子を標的分子と接触させ、そのため該粒子の少なくとも一部
が該標的分子に結合する工程;
【0032】 (e)標的分子に結合した粒子を、結合しなかったものから分離する工程;
【0033】 (f)該変異種の一つを生成物ポリペプチドとして選び、該生成物ポリペプチ
ドをコードしているDNAを該複製できる発現ベクター内にクローニングする工
程 を含む方法によって得られたものであり;および(2)該発現された生成物ポリ
ペプチドを回収する工程によって製造する方法を対象とする。場合により、選ば
れた変種を、カセット突然変異誘発またはオリゴヌクレオチド突然変異誘発のよ
うな周知の手法を用いて、突然変異した変異種を形成するよう突然変異させ、次
いで、該突然変異した変異種を生成物ポリペプチドとして選び、かつ製造してよ
い。
【0034】 さらに一つの実施態様では、本発明は、ポリペプチドとそのリガンドとの結合
に対する、個々のアミノ酸側鎖の寄与を決定する方法であって、
【0035】 本明細書に記載されたとおりのファージまたはファージミド粒子のライブラリ
ーを構築する工程;
【0036】 該粒子のライブラリーを標的分子と接触させ、そのため該粒子の少なくとも一
部が該標的分子に結合する工程;
【0037】 結合した粒子を、結合しなかったものから分離する工程 を含む方法を対象とする。
【0038】 野生型アミノ酸および走査アミノ酸が、それぞれの予定されたアミノ酸位置で
コードされているとき、本発明の方法は、さらに、結合するか、または結合しな
い粒子のポリペプチドの少なくとも一部について、該予定された位置の一つ以上
、好ましくはすべてにおける野生型アミノ酸:走査アミノ酸の比率を決定する工
程を含む。
【0039】 例示的な実施態様の下記の説明の途中で明らかになると思われる、この目的、
およびその他の目的は、本発明の本方法および他の実施態様によって達成されて
いる。
【0040】 好適実施態様の詳細な説明 定義 用語「親和性精製」は、分子の化学的または結合性のパートナーへの特異的な
引力または結合に基づく該分子の精製を意味し、該引力または結合は、該分子が
該パートナー部分に結合または牽引されて残留しつつ、不純物から分離されるの
を可能にする。
【0041】 1.「アラニン走査」は、ポリペプチド中のアミノ酸残基をアラニンに置き換え
て、目的の相互作用に関与する残基について走査するための、部位指向性突然変
異誘発である〔Clackson & Wells, 1995, Science 267:383〕。アラニン走査は
、機能性結合エピトープを系統的にマッピングするのに特に奏功している〔Cunn
ingham & Wells, 1989, Science 244:1081;Matthews, 1996, FASEB J. 10:35;
Wells, 1991, Meth. Enzymol. 202:390〕。
【0042】 用語「抗体」は、最も広い意味で用いられ、具体的には、単一のモノクローナ
ル抗体(作動薬および拮抗薬抗体を包含)、ポリペプチド特異性を有する抗体組
成物、親和性成熟させた抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体はもとより、望みの生物
学的活性を示す限り、抗体フラグメント(たとえばFab、F(ab′)2、s
cFvおよびFv)も網羅する。親和性成熟させた抗体は、代表的には、その結
合親和性が、単離もしくは天然抗体またはそのフラグメントのそれより2〜50
0倍も増強されている。好適な親和性成熟させた抗体は、受容体抗原に対するナ
ノモルまたはピコモルものレベルの親和性を有することになる。親和性成熟させ
た抗体は、当技術に公知の手順によって生成される。Marks, J.D.ら〔Bio/Techn
ology 10:779-783 (1992)〕は、VHおよびVLドメインシャッフリングによる
親和性成熟を記載している。CDRおよび/または枠組み残基のランダム突然変
異誘発は、Barbas, C. F.ら〔Proc Nat. Acad. Sci, USA 91:3809-3813 (1994)
〕、Schier, R.ら〔Gene 169:147-155 (1995)〕、Yelton, D. E.ら〔J. Immunol
. 155:1994-2004 (1995)〕、Jackson, J.R.ら〔J. Immunol. 154(7):3310-9 (19
95)〕およびHawkins, R.E.ら〔J. Mol. Biol. 226:889-896 (1992)〕が記載して
いる。ヒト化抗体は、公知である〔Jones et al., Nature, 321:522-525 (1986)
;Reichman et al., Nature, 332:323-329 (1988);およびPresta, Curr. Op. S
truct. Biol., 2:593-596 (1992)〕。
【0043】 「Fv」フラグメントは、完全な認識および結合部位を有する、最小の抗体フ
ラグメントである。この領域は、非共有結合で緊密に会合した、1重鎖および1
軽鎖可変ドメインの二量体からなる。それぞれ可変のドメインの三つのCDRが
作用し合って、VH−VL二量体の表面の抗原結合部位を規定するのは、この立体
配置においてである。集合的には、6CDRが、抗体との抗原結合特異性を付与
する。しかし、ただ一つの可変ドメイン(またはFvの、抗原に特異的なわずか
三つのCDRを含む半分)でさえ、結合部位全体より低い親和性でではあるが、
抗原を認識かつ結合する能力を有する。
【0044】 「Fab」フラグメントは、軽鎖の不変ドメイン、および重鎖の第一不変ドメ
イン(CH1)も含む。Fab′フラグメントは、抗体のヒンジ領域からの1個
以上のシステインを含む、重鎖CH1ドメインのカルボキシル末端にいくつかの
残基が付加されていることが、Fabフラグメントと異なる。Fab′−SHは
、本明細書では、不変ドメインの単数または複数のシステイン残基が自由なチオ
ール基を有する、Fab′の呼称である。F(ab′)2抗体フラグメントは、
本来は、ヒンジとなるシステインをそれらの間に有する、Fab′フラグメント
の対として生成された。その他の、抗体フラグメントの化学的カップリングも、
公知である。
【0045】 「一本鎖Fv」または「sFv」抗体フラグメントは、抗体のVHおよびVL
メインを含み、これらのドメインが、一本のポリペプチド鎖中に存在する。一般
的には、Fvポリペプチドは、VHおよびVLドメインの間のポリペプチドリンカ
ーをさらに含み、それが、sFvが抗原結合の望みの構造を形成するのを可能に
する。sFvの総説については、Pluckthun〔The Pharmacology of Monoclonal
Antibodies, vol. 113, Rosenburg & Moore eds. Springer-Verlag, New York,
pp.269-315 (1994)〕を参照されたい。
【0046】 用語「ダイアボディー」は、二つの抗原結合部位を有する小さい抗原フラグメ
ントを意味し、これらのフラグメントが、同じポリペプチド鎖(VH−VL)中の
軽鎖可変ドメイン(VL)に結合した重鎖可変ドメイン(VH)を含む。同じ鎖上
の2ドメイン間の対合を可能にするには短かすぎるリンカーを用いることによっ
て、これらのドメインは、もう一つの鎖の相補的ドメインと対合させられ、二つ
の抗原結合部位を形成する。ダイアボディーは、たとえば、EP 404,097;WO 93/
11161;およびHollinger et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:6444-6448 (
1993)にさらに充分に記載されている。
【0047】 「線形抗体」という表現は、Zapata et al. Protein Eng. 8(10):1057-1062 (
1995)に記載された抗体を意味する。略述すると、これらの抗体は、一対の抗原
結合領域を形成する、一対の縦列Fdセグメント(VH−CH1−VH−CH1)を
含む。線形抗体は、二重特異的または単一特異的であることができる。
【0048】 「細胞」、「細胞系」および「細胞培養体」は、本明細書では相互可換的に用
いられ、そのような呼称は、細胞または細胞系のすべての子孫を包含する。した
がって、たとえば、「形質転換」および「形質転換した細胞」のような用語は、
それに由来する初代対象細胞および培養体を、転移の数と無関係に包含する。す
べての子孫は、計画的または偶発的な突然変異のため、DNAの内容が正確に同
一でなくてもよいことも理解される。本来の形質転換細胞でスクリーニングされ
たのと同じ機能または生物学的活性を有する、突然変異した子孫は、包含される
。明確な指定が意図される場合、そのことは、文脈から明白であると思われる。
【0049】 用語「適格細胞」および「電気穿孔適格細胞」は、様々な起源からDNAを取
り込むのに適格である状態にあり、それができる細胞を意味する。この状態は、
一過的または恒久的であってよい。電気穿孔適格細胞は、電気穿孔の際にDNA
を取り込むことができる。
【0050】 発現に関するときの「制御配列」は、特定の宿主生物中の機能的に結合したコ
ーディング配列の発現に必要なDNA配列を意味する。たとえば原核生物に適す
る、制御配列は、プロモーター、場合によりオペレーター配列、リボソーム結合
部位、およびおそらくその他の、未だ不充分に理解されているにすぎない配列を
包含する。真核細胞は、プロモーター、ポリアデニル化シグナルおよびエンハン
サーを利用することが知られている。
【0051】 用語「コートタンパク質」は、少なくともその一部がウイルス粒子の表面に存
在する、タンパク質を意味する。機能上の見方からは、コートタンパク質は、宿
主細胞内でのウイルス組立過程の際に、ウイルス粒子と会合し、もう一つの細胞
に感染するまで、この組み立てられたウイルスと会合して残留するいかなるタン
パク質でもある。コートタンパク質は、主要コートタンパク質であっても、副次
コートタンパク質であってもよい。「主要」コートタンパク質は、10コピー以
上のタンパク質としてウイルスコートに存在する。主要コートタンパク質は、1
ビリオンあたり数十、数百または数千ものコピーで存在し得る。
【0052】 用語「電気穿孔」および「電気穿孔する」は、外来物質の細胞内への取込みを
可能にするのに充分な条件下で、細胞に電圧を印加することによって、外来物質
が細胞に導入される過程を意味する。外来物質は、代表的にはDNAである。
【0053】 「F因子」または「F′エピソーム」は、細胞内に存在するときに、バクテリ
オファージが該細胞に感染するのを可能にするDNAである。エピソームは、他
の遺伝子、たとえば選択遺伝子、マーカー遺伝子等々を有してよい。一般的なF
′エピソームは、大腸菌の、CJ236、CSH18、DH5αF′、JM10
1(JM103、JM105、JM107、JM109、JM110におけると
同じ)、KS1000、XL1−BLUEおよび71−18を包含する周知の株
に見出される。これらの株、およびそれに含まれるエピソームは、商業的に入手
可能(New England Biolabs)であり、Manassas, VAのATCCのような認識さ
れた寄託機関に寄託されている。
【0054】 「融合タンパク質」は、まとめて共有結合で結合された、それぞれが異なる特
性を有するポリペプチドである、二つの部分を有するポリペプチドである。この
特性は、生物学的特性、たとえば、in vitroまたはin vivoでの活性であってよ
い。この特性は、単純な化学的または物理的特性、たとえば標的分子との結合、
反応の触媒等々であってもよい。この二つの部分は、単一のペプチド結合によっ
て直接にか、または一つまたはそれ以上のアミノ酸残基を有するペプチドリンカ
ーを介して結合されていてよい。一般的には、二つの部分およびリンカーは、互
いに読み枠内にあることになる。
【0055】 「異種DNA」は、宿主細胞に導入される任意のDNAでもある。このDNA
は、ゲノムDNA、cDNA、合成DNA、およびこれらの融合または組合せを
包含する、様々な起源に由来してよい。DNAは、宿主または受容体細胞と同じ
細胞もしくは細胞型からのDNA、あるいは異なる細胞型、たとえば哺乳動物ま
たは植物からのDNAを包含してよい。DNAは、場合により、選択遺伝子、た
とえば抗生物質耐性遺伝子、温度耐性遺伝子等々を包含してよい。
【0056】 「連結」は、二つの核酸フラグメントの間にホスホジエステル結合を形成する
過程である。二つのフラグメントの連結のためには、フラグメントの末端が、互
いに適合しなければならない。ある場合には、末端は、エンドヌクレアーゼ消化
の後に直接適合するようになると思われる。しかし、初めに、エンドヌクレアー
ゼ消化後に一般的に生成される付着末端を平滑末端へと転換して、それらを連結
に適合するようにしなければならない。末端を平滑化するには、4種類のデオキ
シリボヌクレオチド三リン酸の存在下、適する緩衝液中で、DNAを、DNAポ
リメラーゼIまたはT4DNAポリメラーゼのクレノウフラグメント約10単位
で、15℃で少なくとも15分間処理する。次いで、DNAを、フェノール−ク
ロロホルム抽出およびエタノール沈澱によって精製する。互いに連結しようとす
るDNAフラグメントは、ほぼ等モル量で溶液に入れる。この溶液は、ATP、
リガーゼ緩衝液、およびDNA0.5μgあたり約10単位のT4DNAリガー
ゼのようなリガーゼも含有することになる。DNAをベクターに連結しようとす
るならば、初めに、ベクターを、適切な制限エンドヌクレアーゼによる消化によ
って線形化する。次いで、線形化されたフラグメントを、細菌のアルカリホスフ
ァターゼ、またはウシの腸ホスファターゼで処理して、連結工程の際の自己連結
を防止する。
【0057】 核酸に関するときの「動作可能に結合された」は、この核酸を、もう一つの核
酸配列に機能的に関連付けることを意味する。たとえば、プレ配列または分泌性
リーダーのためのDNAは、それが、あるポリペプチドの分泌に参加するプレタ
ンパク質として発現されるならば、そのポリペプチドのためのDNAに動作可能
に結合され;プロモーターまたはエンハンサーは、それが、翻訳を促進するよう
に定置されるならば、コーディング配列に動作可能に結合される。一般に、「動
作可能に結合された」は、結合しようとするDNA配列が、隣接し、分泌性リー
ダーの場合は、隣接し、かつ読取り相にあることを意味する。しかし、エンハン
サーは、隣接している必要はない。結合は、好都合な制限部位での連結によって
達成される。そのような部位が存在しないならば、慣行に従って、合成オリゴヌ
クレオチドアダプターが用いられる。
【0058】 「ファージ表示」は、変種ポリペプチドを、コートタンパク質への融合タント
して、ファージ、たとえば繊維状ファージの粒子表面に表示する手法である。フ
ァージ表示の効用は、ランダム化されたタンパク質の変種の大きいライブラリー
を、標的分子に高い親和性で結合するような配列を迅速かつ効率的に選別できる
ことにある。ペプチドおよびタンパク質ライブラリーのファージ上の表示は、数
百万のポリペプチドを特異的な結合特性を有するそれについてスクリーニングす
るのに用いられている。多価ファージ表示法は、小さいランダムペプチド、およ
び小さいタンパク質を、繊維状ファージの遺伝子IIIまたは遺伝子VIIIのいずれ
かとの融合を通じて表示するのに用いられている〔Wells & Lowman, Curr. Opin
. Struct. Biol., 1992, 3:355-362、およびそれに引用された参考文献〕。一価
ファージ表示では、タンパク質またはペプチドライブラリーを、遺伝子IIIまた
はその一部に融合させ、野生型遺伝子IIIタンパク質の存在下、低レベルで発現
させる結果、ファージ粒子が、1コピーの融合タンパク質を表示するか、または
全く表示しない。結合活性効果は、多価ファージに比して低減されるため、選別
は固有のリガンド親和性に基づき、またDNA操作を単純化するファージミドベ
クターが用いられる〔Lowman & Wells, Methods: A companion to Methods in E
nzymology, 1991, 3:205-216〕。
【0059】 「ファージミド」は、細菌の複製起点、たとえばColE1、およびバクテリオフ
ァージの1コピーの固有領域を有するプラスミドである。ファージミドは、繊維
状ファージおよびλ系バクテリオファージを包含する、公知のいかなるバクテリ
オファージに基づいてもよい。プラスミドは、一般的には、抗生物質耐性に対す
る選択できるマーカーも有することになる。これらのベクターにクローニングさ
れたDNAのセグメントは、プラスミドとして増殖させることができる。これら
のベクターを宿す細胞に、ファージ粒子の産生に必要なすべての遺伝子が与えら
れたとき、このプラスミドの複製様式は、ローリングサークル複製へと変化して
、プラスミドDNAの一本鎖のコピーを生成し、ファージ粒子をパッケージする
。ファージミドは、感染性または非感染性ファージ粒子を形成し得る。この用語
は、異種ポリペプチド遺伝子に遺伝子融合として結合された結果、該異種ポリペ
プチド遺伝子が、ファージ粒子の表面で表示される、ファージコートタンパク質
遺伝子、またはそのフラグメントを有するファージミドを包含する〔Sambrook e
t al.、上記、4.17〕。
【0060】 用語「ファージベクター」は、異種遺伝子を有し、複製することができる、バ
クテリオファージの二本鎖複製形態を意味する。ファージベクターは、ファージ
の複製起点を有して、ファージの複製、およびファージ粒子の形成を可能にする
。ファージは、好ましくは、繊維状ファージ、たとえばM13、f1、fd、P
f3ファージもしくはその誘導体、またはλ系ファージ、たとえばλ、21、φ
80、φ81、82、424、434等々もしくはその誘導体である。
【0061】 アミノ酸位置の「予定された」番号は、簡単には、ポリペプチド中の走査され
るアミノ酸位置の番号である。予定された番号は、該ポリペプチド中のアミノ酸
残基の1ないし総数にわたり得る。通常、予定された番号は、1より大きく、2
〜約60、好ましくは5〜約40、より好ましくは5〜約35のアミノ酸位置に
わたると思われる。予定された位置の番号は、3、4、6、7、8、9、10、
11、12、13、14、15、16、17、18、19、20等々であっても
よい。予定された位置は、単一ライブラリーまたは多重ライブラリーを実施し得
るとして用いて、走査され得る。
【0062】 細胞からのDNAの「調製」は、宿主細胞の培養体からプラスミドDNAを単
離することを意味する。DNA調製に一般的に用いられる方法は、Sambrookら〔
上記〕の第1.25〜1.33節に記載された、大および小規模プラスミド調製
である。DNAの調製後は、Sambrookら〔上記〕の第1.40節に記載されたそ
れのような、当技術に周知の方法によって、これを精製することができる。
【0063】 「オリゴヌクレオチド」は、公知の方法(たとえば、1988年5月4日刊行され
たEP 266,032に記載されたような固相手法を用いた、ホスホトリエステル、亜リ
ン酸塩もしくはホスホルアミダイト化学、またはFroehler ら〔Nucl. Acids Res
., 14:5399-5407 (1986)〕が記載したようなデオキシヌクレオシド−H−ホスホ
ン酸中間体を介して)によって化学的に合成される、短鎖の一本鎖ポリデオキシ
ヌクレオチドである。その他の方法は、下記に定義されるポリメラーゼ連鎖反応
その他のオートプライマー法、および固体担体上でのオリゴヌクレオチド合成を
包含する。これらの方法は、すべて、Engels et al., Agnew. Chem. Int. Ed. E
ngl., 28:716-734 (1989)に記載されている。これらの方法は、遺伝子の核酸配
列全体が知られているか、またはコーディング鎖に相補的な核酸の配列が利用可
能であるならば、用いられる。これに代えて、標的アミノ酸配列が知られている
ならば、各アミノ酸残基について公知の、かつ好適なコーディング残基を用いて
、あり得る核酸配列を推論してもよい。次いで、オリゴヌクレオチドをポリアク
リルアミドゲル上で精製する。
【0064】 「ポリメラーゼ連鎖反応」または「PCR」は、核酸、RNAおよび/または
DNAの微量の特定の一片を、1987年7月28日受理された米国特許第4,683,19
5号明細書に記載されたとおりに増幅する、手順または手法を意味する。一般に
、目的の領域の末端からのか、またはそれを越えて、オリゴヌクレオチドプライ
マーを指定できるような配列情報が入手できることが必要であって;これらのプ
ライマーは、増幅しようとする鋳型の反対の鎖と、配列が同一であるか、または
類似するものと思われる。二つのプライマーの5′末端ヌクレオチドは、増幅さ
れた材料の末端に符合し得る。PCRは、特定のRNA配列、ゲノムDNA全体
からの特定のDNA配列、および細胞性RNA全体、バクテリオファージまたは
プラスミド配列から転写されたcDNA等々を増幅するのに用いることができる
。一般的には、Mullis et al., Cold Spring Harbor Symp. Quant. Biol., 51:2
63 (1987);Erlich, ed., PCR Technology, (Stockton Press, NY, 1989)を参照
されたい。本明細書に用いられる限りで、PCRは、既知の核酸をプライマーと
して用いること、および核酸ポリメラーゼを用いて、核酸の特定の一片を増幅ま
たは生成することを含む、核酸試験サンプルを増幅するための核酸ポリメラーゼ
反応法の一例ではあるが、唯一の例ではないと考えられる。
【0065】 DNAは、核酸でない不純物から分離するときに、「精製」される。不純物は
、極性、非極性、イオン性等々であってよい。
【0066】 制限消化からのDNAの与えられたフラグメントの「回収」または「単離」は
、ポリアクリルアミドゲルまたはアガロースゲル上の消化物の電気泳動による分
離、目的のフラグメントの、既知分子量のマーカーDNAフラグメントのそれと
対比してのその移動度の比較による特定、望みのフラグメントを含有するゲル区
画の取出し、およびDNAからのゲルの分離を意味する。この手順は、一般的に
公知である。たとえば、Lawn et al., Nucleic Acids Res., 9:6103-6114 (1981
)およびGoeddel et al., Nucleic Acids Res., 8:4057(1980)を参照されたい。
【0067】 「小さい分子」は、約600g/モル以下の分子量を有する分子である。
【0068】 「DNAに特異的な結合親和性」を有する化学的な基または種は、タンパク質
、塩類および脂質を包含するその他の細胞成分で形成される結合より強い、DN
Aとの非共有結合を形成する、分子またはその一部を意味する。
【0069】 「転写調節要素」は、下記の成分の一つまたはそれ以上を含有する:エンハン
サー要素、プロモーター、オペレーター配列、リプレッサー遺伝子、および転写
終結配列。これらの成分は、当技術に周知である〔U.S. 5,667,780〕。
【0070】 「形質転換体」は、DNAに付随する表現型(たとえば、DNAがコードして
いるタンパク質によって付与される抗生物質耐性)の発現によって証拠立てられ
るようなDNAを取り込み、かつ維持している細胞である。
【0071】 「形質転換」は、細胞がDNAを取り込み、「形質転換体」になる過程を意味
する。DNA取込みは、恒久的または一過的であってよい。
【0072】 出発ポリペプチドの「変種」、たとえば融合タンパク質または異種ポリペプチ
ド(ファージに対して異種である)は、(1)出発ポリペプチドのそれとは異な
るアミノ酸配列を有し、(2)出発ポリペプチドから、天然または人工(人為的
)のいずれかの突然変異誘発を通じて誘導されたポリペプチドである。そのよう
な変種は、たとえば、目的のポリペプチドのアミノ酸配列内の残基からの欠失、
および/またはそれへの挿入、および/またはそれの置換を包含する。欠失、挿
入および置換のいかなる組合せも、最終的な構成体が望みの機能的特徴を保有す
ることを条件として、最終的な変種または突然変異種構成体に到達するよう形成
し得る。アミノ酸の変化は、ポリペプチドの翻訳後過程、たとえば糖鎖形成部位
の数または位置を変更する可能性もある。ポリペプチドのアミノ酸配列変種を生
成する方法は、参照によって本明細書に明示的に組み込まれる、U.S. 5,534,615
に記載されている。
【0073】 一般に、変種コートタンパク質は、野生型コートタンパク質との20%または
40%以上の配列同一性、および70%または85%以下の配列同一性、より好
ましくは95%または99.9%以下の配列同一性を保有することになる。配列
同一性の百分率は、配列を最高の相同性を与えるよう整列した後に、たとえば F
itchら〔Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80:1382-1386 (1983)〕、Needlemanら〔J
. Mol. Biol. 48:443-453 (1970)〕が記載したアルゴリズムのバージョンによっ
て決定される。ポリペプチドのアミノ酸配列変種は、該ポリペプチドをコードし
ているDNAに適切なヌクレオチド変化を導入すること、またはペプチド合成に
よって調製される。「変更残基」は、参照アミノ酸配列、たとえば野生型配列と
対比しての、アミノ酸残基の欠失、挿入または置換である。
【0074】 「機能性」突然変異種または変種は、野生型タンパク質によっても検出できる
までに示される、検出できる活性または機能を示すそれである。たとえば、主要
コートタンパク質の「機能性」突然変異種または変種は、実験的に検出すること
ができるレベルでファージコートに安定的に組み込まれたそれである。好ましく
は、ファージコート組込みは、ウイルス粒子1,000個あたりほぼ一つの融合
ないしウイルス粒子1個あたり約1,000以下の融合の範囲内で検出すること
ができる。
【0075】 「野生型」配列、または「野生型」ポリペプチドの配列は、突然変異の導入を
通じて変種ポリペプチドがそれから誘導される、参照配列である。一般に、与え
られたタンパク質に対する「野生型」配列は、自然界に最も一般的である配列で
ある。同様に、「野生型」遺伝子配列は、自然界に最も一般的に見出される該遺
伝子の配列である。突然変異は、自然的過程、またはヒトが誘導した手段のいず
れかを通じて「野生型」遺伝子(したがってまたそれがコードしているタンパク
質)に導入してよい。そのような過程の産物は、本来の「野生型」タンパク質ま
たは遺伝子の「変種」もしくは「突然変異種」形態である。
【0076】 好適実施態様の詳細な説明 本発明の方法は、「ショットガン走査」と呼ばれ、タンパク質の構造的および
機能的エピトープをマッピングするための一般的な組み合わせ方法である。残基
を、好ましくは、野生型としてか、または走査アミノ酸、たとえばアラニンとし
てのみ変化させる、組み合わせたタンパク質ライブラリーが構成される。本発明
のもう一つの態様では、遺伝暗号の縮重のため、いくつかの残基に対する二つま
たはそれ以上の、たとえば2〜6個のその他のアミノ酸置換、または場合により
停止コドンが必要になる。多様性は、各位置でいくつかの可能性にのみ限定され
るため、最新のライブラリー構築技術は、複数の、一般的には1〜約60、より
好ましくは1〜約40、はるかに好ましくは約5〜約25または約35の位置の
同時突然変異を、完全な網羅の合理的な確率で可能にする。ライブラリープール
は、ファージ粒子、たとえば繊維状ファージ粒子に表示することができ、in viv
o選択を用いて、好ましくは固体担体上に固定化された、標的リガンドに対する
結合を保持するメンバーを単離する。選ばれたクローンを配列決定し、各位置で
の野生型または走査アミノ酸の出現を作表する。選ばれた相互作用の性質に応じ
て、この情報は、タンパク質の構造および/または機能に対する各側鎖の寄与を
査定するのに用いることができる。ショットガン走査は、極めて迅速かつ単純で
ある。多くの側鎖は、高度に最適化されたDNA配列決定手法を用いて、同時に
分析され、実質的なタンパク質の精製および分析の必要性が回避される。この手
法は、基本的には、バクテリオファージに表示することができる、いかなるタン
パク質にも適用可能である。
【0077】 本発明の方法は、自然に産するいかなるアミノ酸もポリペプチドの予定された
部位に存在し得る、変種ポリペプチドを生成するための、慣用の飽和突然変異誘
発法に勝るいくつかの利点を有する。慣用的には、タンパク質工学は、飽和突然
変異を用いて、変種または突然変異種のライブラリーを生成し、次いで、各変種
/突然変異種の結合または活性を調べて、研究しているタンパク質の結合または
活性に対する該変種/突然変異種の効果を決定している。この種の分析では、選
択法は全く用いられず、各変種/突然変異種は、個別に研究される。この方法は
、労働集約的であり、時間浪費的であり、高処理量の用途には容易に適応させら
れない。
【0078】 これに代えて、飽和突然変異誘発は、たとえば、研究されるポリペプチドとそ
の結合パートナーとの結合親和性を用いた、選択法と併用されている。慣用のフ
ァージ表示法は、この取組み方の一例である。ポリペプチド変種の非常に大きい
ライブラリーを生成し、1ラウンドまたはそれ以上の選択で標的との結合につい
てスクリーニングかつパニングし、次いで、選択体の小さいサブセットを配列決
定し、さらに分析する。この方法は、初期の方法より速いが、選択体の小サブセ
ットのみの分析は、情報の損失を必然的に招く。突然変異部位の数を限定して、
情報の損失を限定することは、これが、リガンド/受容体対の結合相互作用を完
全に分析するには、より労働集約的であり、反復的ラウンドの突然変異を要する
ことから、不充分でもある。本発明の方法は、目的のポリペプチドと該ポリペプ
チドの結合パートナーとの結合および/または相互作用に対する、複数のアミノ
酸位置の重要性の同時評価を可能にする。結合パートナーは、目的のポリペプチ
ドに対するいかなるリガンド、たとえば、もう一つのポリペプチドまたはタンパ
ク質、たとえば細胞表面の受容体、リガンドもしくは抗体であってもよいか、あ
るいは核酸(たとえばDNAまたはRNA)、小さい有機分子のリガンド、また
は目的の、そのフラグメントを包含するポリペプチドの結合標的(たとえば薬物
、医薬、阻害剤、作動薬、遮断剤等々)であってもよい。たとえば、本発明のシ
ョットガン走査法は、タンパク質の結合ポケット、または酵素の活性部位内のア
ミノ酸残基の一群の、基質、作動薬、拮抗薬、阻害剤、リガンド等々との該タン
パク質または酵素の結合に対する重要性を評価するのに用いることができる。
【0079】 一般に、本発明の方法は、標的分子または結合パートナー分子を有するポリペ
プチドの活性に影響する、未知の活性ドメイン、およびこれらのドメイン内の個
々のアミノ酸残基を特定することによって、該ポリペプチドの構造および機能を
系統的に分析する方法を提供する。これらの未知の活性ドメインは、ポリペプチ
ドの一次アミノ酸配列中の単一の隣接ドメインを含んでも、または少なくとも二
つの不連続ドメインを含んでもよい。実際、本発明のショットガン走査法は、慣
用のアミノ酸走査技術について確認されたいずれの用途にも役立つ。US 5,580,7
23;US 5,766,854;US 5,834,250を参照されたい。
【0080】 第一の遺伝子がコードしているポリペプチドが抗体であるとき、本発明の方法
は、エピトープとの結合に重要であるアミノ酸残基について、抗体を走査するの
に用いることができる。たとえば、可変領域の相補的決定領域(CDR)および
/もしくは枠組み部分、ならびに/またはFc不変領域を走査して、抗原もしく
は標的との抗体の結合、または抗体のその他の機能、たとえばクリアランス受容
体との結合、補体固定、殺細胞等々に対する、これらの領域内の各残基の相対的
重要性を決定し得る。この実施態様の一例では、ショットガン走査は、抗体を親
和性成熟させるのに役立つ。マウスの、ヒトの、キメラ(たとえばヒト化された
)の、およびファージ表示生成された抗体を包含する、いかなる抗体も、本発明
の方法を用いて走査してよい。
【0081】 本発明の方法は、抗体に結合するリガンドでエピトープ分析を実施するのに用
いてもよい。リガンドは、融合タンパク質のライブラリーを生成し、本明細書に
記載されたファージ表示手法を用いて、ファージまたはファージミド粒子の表面
で該融合タンパク質を発現させることによって、ショットガン走査し得る。リガ
ンド上の予定された位置での、走査残基に対する野生型残基の比率の分析は、抗
体およびリガンドの結合に対する走査された位置の寄与に関する情報を与える。
そのため、ショットガン走査は、タンパク質工学、およびリガンドをエピトープ
マッピングする方法におけるツールになる。類似する方式で、リガンドと細胞表
面受容体との結合を分析することができる。リガンドおよび受容体上の結合領域
は、それぞれの結合パートナータンパク質のおのおのにおける結合残基または結
合パッチをマッピングする手段として、ショットガン走査し得る。
【0082】 本発明のショットガン走査法は、既知のアミノ酸配列のポリペプチドの構造的
走査として用いてよい。すなわち、この方法は、ポリペプチドを走査するのに用
いて、ポリペプチドの構造を維持するのにどのアミノ酸残基が重要であるかを決
定し得る。この実施態様では、ポリペプチドの構造に摂動を与える残基は、ファ
ージまたはファージミド粒子の表面のファージコートタンパク質との融合タンパ
ク質としての、ポリペプチドの表示のレベルを低下させる。より具体的には、野
生型残基を、ポリペプチドの位置Nxでの走査残基と置き換え、得られた変種が
、野生型残基を有する本来のポリペプチドに比して不充分な表示を示すならば、
位置Nxは、ポリペプチドの三次元構造を維持するのに重要である。この効果は
、Nx位について、野生型および/または走査残基の出現頻度を見出すことによ
って決定することができる。野生型残基が、構造を維持するのに重要ならば、野
生型の頻度は、1.0に近似するはずであり;野生型残基が、構造を維持するの
に重要でないならば、野生型の頻度は、0.0に近似するはずである。実際は、
0.0〜1.0の範囲全体での頻度が、野生型の頻度と走査残基の頻度との双方
について可能であり、それは、特定のいかなる残基も、相対的には、ポリペプチ
ドの構造に多少とも重要であり得るためである。走査は、本発明の方法では、多
数の位置Nx(x=1〜60、好ましくは10〜40または5〜35)について
同時に実施される。
【0083】 本発明のショットガン走査法は、既知のアミノ酸配列のポリペプチドの機能的
走査として用いてもよい。すなわち、この方法は、ポリペプチドを走査するのに
用いて、どのアミノ酸残基がポリペプチドの機能に、たとえばリガンドに対する
ポリペプチドの結合性に反映されるように、重要であることを決定することがで
きる。野生型残基が、リガンドとのポリペプチドの結合に重要ならば、野生型の
頻度は、1.0に近似するはずであり;野生型残基が結合に重要でないならば、
野生型の頻度は、0.0に近似するはずである。上記のとおり、野生型の頻度と
走査残基の頻度との双方について、0.0〜1.0の範囲全体での頻度が可能で
あり、それは、特定のいかなる残基も、相対的には、ポリペプチドの結合および
機能に多少とも重要であり得るためである。走査は、本発明の方法では、多数の
位置Nx(x=1〜60、好ましくは10〜40または5〜35)について同時
に実施される。
【0084】 変化させるか、または走査しようとする位置Nxは、当技術において周知であ
る、タンパク質工学の公知の方法を用いて決定することができる。たとえば、ポ
リペプチドの一次構造の知識に基づいて、慣用の物理的モデル化、およびコンピ
ュータモデル化手法を用いて、ポリペプチドの二次、三次および(適切ならば)
四次構造のモデルを創出することができる。そのようなモデルは、一般的には、
NMR、IRおよびX線による構造データのような、物理的データを用いて構成
される。理想的には、X線結晶学データが、本発明の方法を用いてどの残基を走
査すべきかを予定するのに用いられることになる。上記に考察された、物理的な
、かつ算出された特徴付けデータの好適な使用にもかかわらず、一次配列の知識
のみによって、走査すべき位置を無作為に予定することもできる。望みであれば
、複数のライブラリーを用いて、かつ予定された位置の数が、単一のライブラリ
ーで変化させ得る数を越えるならば、複数の走査を用いて、ポリペプチド全体を
走査することができる。すなわち、いかなる大きさのポリペプチドも、複数のラ
イブラリーを用い、ポリペプチド全体にわたって反復的に走査して、全体的に走
査することができる。
【0085】 望みであれば、たとえば、ファージまたはファージミド表示された変種の選択
の際の標的として、抗体を標的として用いて、ポリペプチドを走査して、構造的
に重要な残基を決定し、次いで、たとえば、ファージまたはファージミド表示さ
れた変種の選択の際の標的として、該ポリペプチドに対する結合リガンドまたは
受容体を用いて、構造的に重要な残基について走査することができる。他の選択
も、可能であり、独立してか、または構造および/もしくは機能の走査と組み合
わせて用いることができる。他の選択は、遺伝学的選択、および前進と復帰との
双方の選択を用いた酵母の二および三ハイブリッドを包含する〔Warbick, Struc
ture 5: 13-17;Brachmann & Boeke, Curr. Opin. Biotechnol. 8: 561-568〕。
【0086】 本発明の方法は、該ポリペプチド配列をコードしているDNAを統計的に解析
することによって、タンパク質の機能性エピトープをマッピングする方法を提供
する。選択のそれぞれについて、配列データを用いて、各位置での野生型の頻度
を算出することができるが、ここで、野生型の頻度は、Σn野生型/Σ(n野生 +nアラニン)に等しい。野生型の頻度は、アラニンに比しての野生型側鎖の
出現を比較し、そして、選ばれた特徴(すなわち受容体との結合)に対する与え
られた側鎖の寄与と相関する。結合相互作用に対する大きい有利な寄与について
の野生型の頻度は、1.0に近似する(野生型側鎖に対する100%の富化)は
ずである。結合に対する大きい負の寄与についての野生型の頻度は、0.0に近
似するはずであって、それは、野生型側鎖に対する選択から生じる。これらの計
算は、手動でか、または周知の方法を用いてプログラムされてよい、コンピュー
タを用いて実施してよい。適するコンピュータプログラムは、下記に述べる「sg
count」である。
【0087】 有意な構造および機能的情報は、ショットガン走査によって、単一型の走査か
ら得ることができる。たとえば、ポリペプチドに結合する異なる複数の抗体を、
別個の標的として用い、該ポリペプチドの変種を表示することによってショット
ガン走査使用とするポリペプチドを、固定化された抗体に対してパニングしてよ
い。複数の抗体標的に対するポリペプチドの与えられた特定の位置での、走査残
基に対比される野生型の高い頻度は、この特定の残基が、ポリペプチドの構造を
維持するのに重要であることを示す。逆に、低い頻度は、ポリペプチドが抗体に
接触した場合に、結合部位に影響する(たとえばその中にか、または近くにあり
得る)機能的に重要な残基を示す。
【0088】 本発明の一態様では、同じアミノ酸を、このポリペプチド、または目的のポリ
ペプチドの一部を通して走査する。この態様では、走査される位置のそれぞれに
ついて、野生型アミノ酸、および同じ走査アミノ酸をコードしている限定された
コドンセットが用いられる。たとえば、表1は、走査されるそれぞれの位置につ
いて、野生型アミノ酸およびアラニンがコードされているコドンセットを与える
【0089】 自然に産するアミノ酸のいずれを走査アミノ酸として用いてもよい。アラニン
は、このアミノ酸の側鎖が、帯電しておらず、空間的に大きくないことから、一
般的に用いられる。アラニンによるショットガン走査は、従来のアラニン走査の
利点のすべてに加えて、本発明の追加の利点も有する。US 5,580,723;US 5,766
,854;US 5,834,250を参照されたい。ロイシンは、走査される位置のそれぞれの
空間的に大きい側鎖の効果を評価するための、空間的走査に役立つ。フェニルア
ラニンは、比較的大きい、芳香族の側鎖によって走査するのに役立つ。同様に、
システインショットガン走査は、追加のジスルフィド架橋結合の可能性を有する
ポリペプチドに摂動を与え、それによって、ポリペプチドの構造および機能に対
するそのような架橋結合の効果を決定するのに用いることができる。グルタミン
酸またはアルギニンショットガン走査は、大きい帯電した側鎖による摂動につい
てスクリーニングするのに用いることができる。ショットガン走査のこれらの異
なるバージョンに用いられるコドンセットのについては、表1〜6を参照された
い。
【0090】 もう一つの態様では、走査アミノ酸は、野生型アミノ酸の、操作される位置の
一つまたはそれ以上での相同体である。相同ショットガン走査のためのコドンセ
ットを、表Bに示す。アミノ酸を、野生型のか、または化学的に類似するアミノ
酸(すなわち相同体)のみとして変化させるにすぎない、ライブラリーを構成す
ることもできる。この場合、突然変異は、与えられた位置での非常に微妙な変化
のみを導入するにすぎず、そのようなライブラリーは、野生型アミノ酸側鎖の役
割のいかに正確な役割が、タンパク質の構造および/または機能に存在するかを
査定するのに用いることができる。たとえば、いくつかの側鎖は、アラニン走査
における大きな効果によって証明されるとおり、機能に絶対に必要とされ得るが
、この側鎖の機能は、化学的に類似する側鎖で置き換えることができるならば、
相同体走査における副次的な効果によって証明されるとおり、非常に正確でなく
てもよい。一方、ある側鎖が機能に決定的かつ正確な役割を果たすならば、アラ
ニンまたは相同体のいずれかでの置換の効果は、ともに、大きいことが予測され
る。したがって、アラニン走査および相同体走査は、タンパク質の構造および機
能における側鎖の役割に関して、異なる、相補う情報を与える。アラニン走査は
、特定の側鎖が存在することの重要さを査定する一方で、相同体走査は、側鎖の
正確な化学的性質が適正な構造および/または機能にいかに決定的であるかを査
定する。相まって、この二つの走査は、いずれかの走査のみで可能であるより完
全な、境界面の像を与える。
【0091】 タンパク質の変種は、アミノ酸の置換、挿入および欠失を包含する。アミノ酸
置換に加え、挿入のショットガン走査は、タンパク質の、ループ、シートおよび
らせんを包含する表面のような特徴が、タンパク質の足場物質に加えられた、新
たに(de novo)設計されたタンパク質に用いることができる。逆に、欠失を有
する変種タンパク質は、故意に欠落させた表面特徴という状況で、タンパク質構
造の特定の領域の寄与を調べるのに用いることができる。したがって、挿入は、
おそらくは、または結合相互作用を得ようとの願望のもとに、表面特徴を作り上
げるのを可能にする一方で、欠失は、結合表面を浸食し、結合相互作用を吟味す
るのに用いることができる。
【0092】 本発明の方法は、自動化、および高生産性の用途にも充分適する。たとえば、
多数のウェル(96、384等々)を有するアッセープレートを用いて、望みの
数の予定された位置を同時に走査することができる。プレートのウェルを、目的
のポリペプチドの結合パートナー(たとえば受容体または抗体)で被覆し、必要
とされる数のライブラリーを、別個のウェルに、1ウェルにつき1ライブラリー
として、個別に加える。望みの走査が、予定された数の位置Nxを走査(すなわ
ち突然変異誘発)するのに二つのライブラリーを要するならば、二つのウェルを
用い、各ウェルに一つのライブラリーを加えることになる。結合に充分な時間を
可能にした後、プレートを洗浄して、非結合性変種を除去し、溶離させて、結合
した変種を取り出す。溶離した変種を、大腸菌に加え、溶離したファージに感染
させ、コロニーへと増殖させる。上記の工程は、すべて、慣用のファージ表示技
術を用いて、定型的に達成される。次いで、代表的な数(たとえば約10ないし
数百(約100〜約900)、または数千さえ)の個々のコロニーを特定しそし
て同定するために自動化されたコロニー採取機器を用い、次に採取された細菌を
一連の培養管に移し、そこで大腸菌を増殖させ増やす。次いで、標準的なファー
ジおよびファージ表示培養の条件を用いて、感染大腸菌によって産生されたファ
ージおよびファージミド粒子を入手し、培養体から精製し、自動化された手順を
用いて、ファージELISAに付す。Lowman, HB, 1998, Methods Mol. Biol. 8
7:249-264を参照されたい。具体的には、96穴ELISAプレートのロボット
様マニピュレーターを用いて、ファージELISAの全工程を実施することがで
き;これが、いくつかのタンパク質エピトープのショットガン走査に必要であり
得る、結合性選択からの数百ないし数千のクローンの高処理量解析を可能にする
。本明細書に記載された実施例のついては、数百のクローンを、数ラウンドのフ
ァージ選択の後で配列決定したにすぎないが、確固とした統計的データが得られ
た。
【0093】 本発明の一態様では、二つまたはそれ以上の(複数の)ライブラリーを、たと
えば一つのウェル内で混合し、混合されたライブラリーの変種を用いて、洗浄、
パニングその他の工程を完了することもできる。この態様は、たとえば、類似の
構造またはアミノ酸配列を有する、目的の複数のポリペプチド、たとえばタンパ
ク質相同体またはオーソローグのタンパク質またはペプチド変種のプールを走査
するのに役立つ。相同体またはオーソローグに対する変種は、本明細書に記載さ
れたとおりに調製かつ走査される。
【0094】 細胞は、異種DNAの不在下で、適格細胞を電気穿孔することによって、形質
転換してよく、この場合、DNAは、DNA親和性精製によって精製しておく。
好ましくは、細菌でのライブラリー構築のためには、DNAは、25μg/ml以上
の濃度、より好ましくは約70μg/ml以上の濃度、はるかに好ましくは約100
μg/ml以上の濃度、または非常にはるかに好ましくは数百μg/mlまでの濃度で存
在する。一般に、本発明の方法は、約50〜約500μg/mlの範囲のDNA濃度
を利用することになる。異種DNAを高度に精製することによって、DNA濃度
が非常に高いときでさえ、3.0ミリ秒(ms)より長い、電気穿孔の際の時間定
数が可能であって、高い形質転換効率が結果的に得られる。約50〜約400μ
g/mlのDNA濃度範囲にわたって、約3.6〜約4.4msの範囲の時間定数の使
用が、標準的な電気穿孔機器を用いて可能である。
【0095】 高いDNA濃度は、適格細胞を形質転換するのに用いられるDNAを高度に精
製することによって達成し得る。DNAは、電気穿孔法に用いられる、DNA溶
液の導電率を上昇させる混入物を除去するために精製する。DNAは、公知のい
かなる方法によって精製してもよいが、好適な精製法は、DNA親和性精製を用
いることである。DNA結合性樹脂および親和性試薬を用いたDNA、たとえば
組換え線形またはプラスミドDNAの精製は、周知であり、本発明では、公知の
方法のいずれを用いることもできる〔Vogelstein, B. & Gillespie, D., 1979,
Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 76:615;Callen, W., 1993, Strategies, 6:52-5
3〕。商業的に入手できるDNA単離および精製キットも、Stratagene(CLEARCU
T Miniprep Kit)およびLife Technologies(GALSSMAX DNA Isolation Systems
)を包含する、いくつかの供給源から入手可能である。適する非限定的なDNA
精製の方法は、カラムクロマトグラフィー〔U.S. 5,707,812〕、ヒドロキシル化
シリカ重合体〔U.S. 5,693,785〕、再水和シリカゲル〔U.S. 4,923,978〕、ホウ
素化ケイ酸塩〔U.S. 5,674,997〕、改質ガラス繊維膜〔U.S. 5,650,506;U.S. 5
,438,127〕、フッ素化吸着剤〔U.S. 5,625,054;U.S. 5,438,129〕、ケイ藻土〔
U.S. 5,075,430〕、透析〔U.S. 4,921,952〕、ゲル重合体〔U.S. 5,106,966〕の
使用、およびDNA結合性試薬とのカオトロピック化合物の使用〔U.S. 5,234,8
09〕を包含する。精製した後、DNAを、溶離させるか、さもなければ水、好ま
しくは蒸留水または脱イオン水に再懸濁させて、本発明の濃度で電気穿孔に用い
る。低塩類緩衝液の使用も、この溶液が、低い電気伝導度を有する、すなわち約
3.0msより高い時間定数での本発明の高いDNA濃度の使用と両立する場合は
、考えられる。
【0096】 電気穿孔によって形質転換することができる、いかなる細胞も宿主細胞として
用いてよい。本発明の方法で異種DNAにより形質転換することができる、適す
る宿主細胞は、動物細胞〔Neumann et al., EMBO J., (1982), 1:841;Wong & N
eumann, Biochem. Biophys. Res. Commun., (1982), 107:584;Potter et al.,
Proc. Natl. Acad. Sci., USA, (1984) 81:7161;Sugden et al., Mol. Cell. B
iol., (1985), 5:410;Toneguzzo et al., Mol. Cell. Biol., (1986), 6:703;
Pur-Kaspa et al., Mol. Cell. Biol., (1986), 6:716〕、植物細胞〔Fromm et
al., Proc. Natl. Acad. Sci., USA, (1985), 82:5824;Fromm et al., Nature,
(1986), 319:791;Ecker & Davis, Proc. Natl. Acad. Sci., USA, (1986) 83:
5372〕および細菌細胞〔Chu et al., Nucleic Acids Res., (1987), 15:1311;K
nutson & Yee, Anal. Biochem., (1987), 164:44〕を包含する。原核生物は、本
発明に好適な宿主細胞である。細胞系を変化させるためにトランスフェクション
効率に影響するパラメータを記載している、Andreason & Evans, Biotechniques
, (1988), 6:650も参照されたい。適する細菌細胞は、大腸菌E. coli〔Dower et
al.、上記;Taketo, Biochim. Biophys. Acta, (1988), 149:318〕、チーズ乳
酸桿菌L. casei〔Chassy & Flickinger, FEMS Microbiol. Lett., (1987), 44:1
73〕、乳酸連鎖球菌Strept. lactis〔Powell et al., Appl. Environ. Microbio
l., (1988), 54:655;Harlander, Streptococcal Genetics, ed. J. Ferretti &
R. Curtiss, III, page 229, American Society for Microbiology, Washin
gton, D.C., (1987)〕、ストレプトコッカス・サーモフィラス〔Somkuti & Stei
nberg, Proc. 4th Eur. Cong. Biotechnology, 1987, 1:412〕、カンピロバクタ
ー・ジェジュニ〔Miller et al., Proc. Natl. Acad. Sci., USA, (1988) 85:85
6〕、その他の、枯草菌のような桿菌、ネズミチフス菌またはライ菌Serratia ma
rcesansのようなその他の腸内細菌科、および様々なシュードモナス属の種を包
含する細菌株〔Fielder & Wirth, Anal. Biochem., (1988), 170:38〕を包含し
、すべて、宿主として用い得る。適する大腸菌株は、JM101、大腸菌K12
の294株(ATCC第31,446号)、大腸菌W3110株(ATCC第27,325号
)、大腸菌X1776(ATCC第31,537号)、大腸菌XL1-Blue(Stratagene)
、および大腸菌Bであるが;大腸菌のその他多くの株、たとえばXL1-Blue MRF'
、SURE、ABLE C、ABLE K、WM1100、MC1061、HB
101、CJ136、MV1190、JS4、JS5、NM522、NM538
、NM539、TG1その他多くの原核生物の種および属も同様に用い得る。
【0097】 細胞は、公知の手順を用いて、適格にさせる〔Sambrook et al.、上記、1.76-
1.81, 16.30〕。
【0098】 異種DNAは、好ましくは、複製できる転写または発現ベクター、たとえば 比較的容易に構成され、直ちに増幅される、ファージおよびファージミドの形態
をなす。これらのベクターは、一般的には、プロモーター、シグナル配列、表現
型選択遺伝子、複製起点その他の、当業者に公知の必要な構成要素を有する。こ
れらの構成要素、ならびに一つ以上の望みのクローニングされたポリペプチドを
コードしている遺伝子を有する、適するベクターの構築は、上記のSambrookらに
記載されたとおりの標準的な組換えDNAの手順を用いて調製される。ベクター
を形成するよう組み合わせようとする、単離されたDNAフラグメントを切断し
、裁断し、特定の順序および配向にまとめて連結して、望みのベクターを生成す
る。
【0099】 望みのポリペプチド(すなわち、強固な二次構造を有するペプチドもしくはポ
リペプチド、またはタンパク質)をコードしている遺伝子は、当技術に公知の方
法によって得ることができる(一般的には、Sambrookらを参照されたい)。遺伝
子の配列が既知であるならば、該遺伝子をコードしているDNAは、化学的に合
成してよい〔Merrfield, J. Am. Chem. Soc., 85:2149 (1963)〕。遺伝子の配列
が未知であるか、または遺伝子が以前に単離されていないならば、cDNAライ
ブラリー(望みの遺伝子が発現される、適する組織から得られたRNAから作成
する)からか、または適するゲノムDNAライブラリーからクローニングしてよ
い。そうして、遺伝子を、適切なプローブを用いて単離する。cDNAライブラ
リーには、適するプローブは、モノクローナルまたはポリクローナル抗体(cD
NAライブラリーが、発現ライブラリーであることを条件とする)、オリゴヌク
レオチド、相補的もしくは相同cDNA、またはそのフラグメントを包含する。
目的の遺伝子をゲノムDNAライブラリーから単離するのに用い得るプローブは
、同じか、または類似の遺伝子をコードしているcDNAもしくはそのフラグメ
ント、相同なゲノムDNAまたはDNAフラグメント、およびオリゴヌクレオチ
ドを包含する。cDNAまたはゲノムライブラリーの選ばれたプローブによるス
クリーニングは、上記Sambrookらの第10〜12章に記載されたとおりの、標準
的手順を用いて実施する。
【0100】 目的のタンパク質をコードしている遺伝子を単離するための代替的手段は、上
記Sambrookらの第14節に記載されたとおりのポリメラーゼ連鎖反応の方法(P
CR)を用いることである。この方法は、目的の遺伝子とハイブリダイズするよ
うなオリゴヌクレオチドの使用を要し、そのため、この遺伝子のDNAの少なく
ともいくつかは、該オリゴヌクレオチドを生成するためには、知られていなけれ
ばならない。
【0101】 遺伝子を単離した後は、Sambrookらに一般的に記載されたとおり、増幅に適す
る、上記のとおりのベクターに挿入し得る。
【0102】 DNAは、適する緩衝液中で、適切な単数または複数の制限酵素を用いて切断
する。一般的には、プラスミドまたはDNAフラグメント約0.2〜1μgを、
緩衝液約20μl中の適切な制限酵素約1〜2単位とともに用いる。適切な緩衝
液、DNA濃度、ならびに温置の時間および温度は、制限酵素の製造者が指定し
ている。一般的には、37℃で約1〜2時間の温置時間が適当であるが、いくつ
かの酵素は、より高い温度を必要とする。温置の後、酵素その他の混入物を、フ
ェノールおよびクロロホルムの混合物による消化溶液の抽出によって除去し、D
NAを、エタノールによる沈降、その他のDNA精製手法によって、水性画分か
ら回収する。
【0103】 DNAフラグメントを一緒に連結して、機能性ベクターを形成するには、DN
Aフラグメントの末端が、互いに融和できなければならない。ある場合には、末
端は、エンドヌクレアーゼ消化の後に直接融和できると思われる。しかし、エン
ドヌクレアーゼ消化によって一般的に生成される、粘着性の末端は、初めに、連
結に向けてそれらを融和できるようにするために、平滑末端へと転換することが
必要になり得る。末端を平滑化するには、DNAを、4種類のデオキシヌクレオ
チド三リン酸の存在下、適する緩衝液中で、DNAポリメラーゼIのクレノウフ
ラグメント(クレノウ)10単位で15℃で少なくとも15分間処理する。次い
で、DNAを、フェノール−クロロホルム抽出、およびエタノール沈降その他の
DNA精製手法によって精製する。
【0104】 切断されたDNAフラグメントをDNAゲル電気泳動を用いて、大きさで分離
し、選択してよい。DNAをアガロースまたはポリアクリルアミドのいずれかの
マトリックス中を電気泳動させてよい。マトリックスの選択は、分離しようとす
るDNAフラグメントの大きさに依存することになる。電気泳動の後、DNAは
、Sambrookら〔上記〕の第6.30〜6.33節に記載されたとおり、電気溶離
によってか、または低融点アガロースをマトリックスとして用いたならば、アガ
ロースの融解、およびそれからのDNAの抽出によって、マトリックスから抽出
する。
【0105】 一緒に連結しようとする(予め、連結しようとするフラグメントのそれぞれの
末端が融和できるように、適切な制限酵素で消化された)DNAフラグメントは
、約等モル量で溶液に入れる。この溶液は、ATP、リガーゼ緩衝液、およびD
NA0.5μgあたり約10単位のT4DNAリガーゼのようなリガーゼも含有
することになる。DNAフラグメントをベクター中に連結しようとするならば、
該ベクターを、初めに、適切な単数または複数の制限エンドヌクレアーゼで切断
することによって、線形化する。次いで、線形化されたベクターを、アルカリホ
スファターゼまたはウシ腸ホスファターゼで処理する。ホスファターゼ処理は、
連結工程の際のベクターの自己連結を防ぐ。
【0106】 連結の後、今や外来遺伝子が挿入されたベクターを、上記のとおり精製し、公
知の、かつ商業的に入手できる電気穿孔機器、および製造者が示し、上記のDowe
rらに一般的に記載された手順を用いた電気穿孔によって、上記されたそれのよ
うな適する宿主細胞内に形質転換する。1回の電気穿孔反応は、代表的には、1
x1010より多い形質転換体を生じる。しかし、1回より多い(複数の)電気穿
孔を実施して、宿主細胞内に形質転換されるDNAの量を増加させてもよい。反
復的な電気穿孔は、当技術に記載されたとおり実施する。上記のVaughanらを参
照されたい。追加の電気穿孔の数は、望みのとおりに、数(2、3、4…10)
回ないし数十(10、20、30…100)回、および数百(100、200、
300…1,000)回にまで変化させてよい。反復的な電気穿孔は、宿主細胞
内に形質転換される、組み合わされたライブラリー、たとえば抗体ライブラリー
の大きさを増大させるために望ましいことがある。複数の電気穿孔により、少な
くとも1.0x1012、2.0x1012さえもの異なる成員(クローン、ファー
ジ、ファージミド等々、細胞等々)を有するライブラリーを生成することが可能
である。
【0107】 電気穿孔は、当技術に公知であり、たとえばU.S. 4,910,140;U.S. 5,186,800
;U.S. 4,849,355;U.S. 5,173,158;U.S. 5,098,843;U.S. 5,422,272;U.S. 5
,232,856;U.S. 5,283,194;U.S. 5,128,257;U.S. 5,750,373;U.S. 4,956,288
に記載された方法、またはその他の公知のいかなる回分もしくは連続電気穿孔法
を、本発明の改良とともに用いて、実施してよい。
【0108】 代表的には、電気適格細胞を、氷点温度の望みの濃度のDNA溶液と混合する
。混合物のアリコートを、キュベットに入れ、電気穿孔機器、たとえば0.2cm
の代表的な間隙を有するGENE PULSER(Biorad)内に置く。各キュベットを、製
造者が記載したとおりに電気穿孔する。代表的な設定は:電圧=2.5kV、抵抗
=200オーム、静電容量=25mFである。次いで、キュベットを直ちに取り出
し、SOC培地〔Maniatis〕を加え、サンプルを、250ml入りバッフル付きフ
ラスコに移す。電気穿孔の後は、いくつかのキュベットの内容を併せてよい。次
いで、培養体を、37℃で振盪して、形質転換した細胞を培養する。
【0109】 形質転換した細胞は、一般的には、抗生物質、普通はテトラサイクリン(te
t)またはアンピシリン(amp)上での増殖(細胞は、ベクター中のtetお
よび/またはamp耐性遺伝子の存在のため、耐性にされている)によって選択
する。
【0110】 形質転換した細胞の選択の後、これらの細胞を培養体として増殖させ、次いで
、ベクターDNA(融合遺伝子ライブラリーを有するファージまたはファージミ
ドベクター)を単離してよい。ベクターDNAは、当技術に公知の方法を用いて
、単離することができる。適する二つの方法は、Sambrookら〔上記〕の第1.2
5〜1.33節に記載されたとおりの、DNAの小規模調製、およびDNAの大
規模調製である。単離されたDNAは、上記Sambrookらの第1.40節に記載さ
れたような、かつ上記のとおりの当技術に公知の方法によって精製することがで
きる。次いで、この精製されたDNAを、制限マッピングおよび/またはDNA
配列決定によって分析する。DNA配列決定は、一般的には、Messingら〔Nucle
ic Acids Res., 9:309 (1981)〕の方法、またはMaxamら〔Meth. Enzymol., 65:4
99 (1980)〕の方法のいずれかによって実施する。
【0111】 本発明では、ポリペプチドをコードしている遺伝子(遺伝子1)を、第二の遺
伝子(遺伝子2)に融合させる結果、転写の際に融合タンパク質が生成される。
遺伝子2は、代表的には、繊維状ファージ、好ましくは、ファージM13または
同類のファージ、のコートタンパク質遺伝子であり、遺伝子2は、好ましくは、
コートタンパク質III遺伝子もしくはコートタンパク質VIII遺伝子、またはそれ
らのフラグメントである。U.S. 5,750,373;WO 95/34683を参照されたい。遺伝
子1および2の融合は、上記の標準的手法を用いて、遺伝子2を、遺伝子1を含
むプラスミドの特定の部位に挿入するか、または遺伝子1を、遺伝子2を含むプ
ラスミドの特定の部位に挿入することによって達成してよい。
【0112】 これに代えて、遺伝子2は、転写された融合タンパク質を特定および/または
捕捉かつ精製するための分子タグであってもよい。たとえば、遺伝子2は、ヘル
ペス・シンプレックスウイルスの糖タンパク質Dをコードしていてよく〔Pabors
ky et al., 1990, Protein Engineering, 3:547-553〕、これを用いて、抗gD
抗体との結合を通じて融合タンパク質を親和性精製することができる。遺伝子2
は、ポリヒスチジン、たとえば(his)6をコードしていてもよく〔Sporeno e
t al., 1994, J. Biol. Chem., 269:10991-10995;Stuber et al., 1990, Immun
ol, Methods, 4:121-152;Waeber et al., 1993, FEBS Letters, 324:109-112
〕、これを用いて、金属イオン(Ni)カラム(QIAEXPRESS Ni-NTAタンパク質
精製システム、Quiagen, Inc.)との結合を通じて融合タンパク質を特定および
/または精製することができる。当技術に公知のその他の親和性タグを用い、遺
伝子2によってコードされてもよい。
【0113】 ファージまたはファージミドベクターへの遺伝子の挿入は、ベクターが、遺伝
子を挿入しようとする正確な位置で切断されることを必要とする。したがって、
この位置には、制限エンドヌクレアーゼ部位が存在しなければならない(好まし
くは、独自の部位が存在する結果、ベクターは、制限エンドヌクレアーゼ消化の
際にただ一つの位置でのみ切断されることになる)。上記のとおり、ベクターを
消化し、ホスファターゼ処理し、精製する。次いで、遺伝子を、二つのDNAを
一緒に連結することによって、この線形化されたベクターに挿入する。連結は、
ベクターの末端が、挿入しようとする遺伝子の末端と融和できるならば、達成す
ることができる。制限酵素を用いて、ベクターを切断し、挿入しようとする遺伝
子を単離し、それが平滑末端、または融和できる粘着性末端を創出するならば、
DNAは、バクテリオファージT4のDNAリガーゼのようなリガーゼを直接用
い、上記のSambrookらの第1.68節に記載されたとおり、ATPおよびリガー
ゼ緩衝液の存在下、16℃で1〜4時間混合物を温置して、連結することができ
る。末端が融和性でないならば、初めに、DNAポリメラーゼIのクレノウフラ
グメント、またはバクテリオファージT4のDNAポリメラーゼを用いることに
よって平滑にさせなければならないが、双方とも、消化されたDNAの張り出し
た一本鎖の末端を埋めるために、4種類のデオキシリボヌクレオチド三リン酸を
必要とする。これに代えて、末端を、ヌクレアーゼS1またはヤエナリヌクレア
ーゼのようなヌクレアーゼを用いて平滑化し得るが、双方とも、DNAの張り出
した一本鎖を刈り込むことによって機能する。次いで、上記のとおりのリガーゼ
を用いて、DNAを再連結する。ある場合には、コーディング領域の読み枠が変
えられることになるため、挿入しようとする遺伝子の末端を平滑化するのが可能
でないこともある。この問題を克服するには、オリゴヌクレオチドのリンカーを
用いてよい。リンカーは、挿入しようとする遺伝子にベクターを結合させるため
の、橋として働く。これらのリンカーは、標準的な方法を用いて、二本鎖または
一本鎖DNAとして合成によって作成することができる。リンカーは、挿入しよ
うとする遺伝子の末端と融和できる一端を有し;リンカーは、初めに、上記の連
結法を用いて、この遺伝子に連結する。リンカーの他端は、連結のためのベクタ
ーと融和できるよう設計されている。リンカーを設計する際は、挿入しようとす
る遺伝子の読み枠を破壊しないよう注意を払わなければならない。ある場合には
、リンカーを、それらがアミノ酸の部分をコードするようにか、または1種類ま
たはそれ以上のアミノ酸をコードするように設計することが必要となり得る。
【0114】 遺伝子1と遺伝子2との間に、終止コドンをコードしているDNAを挿入して
よく、そのような終止コドンは、UAG(アンバー)、UAA(オーカー)およ
びUGA(オペル)である〔Microbiology, Davis et al. Harper & Row, New Y
ork, 1980, pages 237, 245-47 & 274〕。野生型宿主細胞で発現される終止コド
ンは、遺伝子2のタンパク質が付着していない、遺伝子1のタンパク質生成物の
合成を招く。しかし、サプレッサー宿主細胞内での増殖は、検出できる量の融合
タンパク質の合成を招く。そのようなサプレッサー宿主細胞は、mRNAの終止
コドンの位置でアミノ酸を挿入するよう、改質されたtRNAを有し、そのため
、検出できる量の融合タンパク質の産生を招く。そのようなサプレッサー宿主細
胞は、周知であり、たとえば大腸菌サプレッサー株が記載されている〔Bullock
et al., BioTechniques 5:376-379〔1987〕〕。許容され得るいかなる方法も用
いて、そのような終止コドンを、融合ポリペプチドをコードしているmRNAに
入れてよい。
【0115】 抑制できるコドンは、ポリペプチドをコードしている最初の第一の遺伝子と、
ファージコートタンパク質の少なくとも一部をコードしている第二の遺伝子との
間に挿入してよい。これに代えて、抑制できる終止コドンを、ポリペプチド中の
最後のアミノ酸トリプレット、またはファージコートタンパク質中の最初のアミ
ノ酸を置き換えることによって、融合部位に隣接して挿入してもよい。抑制でき
るコドンを有するプラスミドをサプレッサー宿主細胞内で増殖させたとき、ポリ
ペプチドおよびコートタンパク質を含む融合ポリペプチドの検出できる産生を招
く。このプラスミドを非サプレッサー宿主細胞内で増殖させたときは、ポリペプ
チドは、UAG、UAAまたはUGAをコードしている、挿入された抑制できる
トリプレットで終結するため、ファージコートタンパク質との融合を実質的に伴
わずに合成される。非サプレッサー細胞内では、ポリペプチドは、合成され、他
の場合にはそれを宿主細胞に固着する、融合ファージコートタンパク質の不在の
ために、宿主細胞から分泌される。
【0116】 遺伝子1は、バクテリオファージの表面で発現かつ表示されることができる、
いかなるポリペプチドをコードしていてもよい。このポリペプチドは、好ましく
は哺乳動物のタンパク質であり、たとえば、ヒト成長ホルモン(hGH)、N−
メチオニルヒト成長ホルモン、ウシ成長ホルモン、副甲状腺ホルモン、チロキシ
ン、インスリンA鎖、インスリンB鎖、プロインスリン、レラキシンA鎖、レラ
キシンB鎖、プロレラキシン、濾胞刺激ホルモン(FSH)のような糖タンパク
質ホルモン、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、黄体形成ホルモン(LH)、糖タ
ンパク質ホルモン受容体、カルシトニン、グルカゴン、因子VIII、抗体、肺界面
活性物質、ウロキナーゼ、ストレプトキナーゼ、ヒト組織型プラスミノーゲン活
性化因子(t−PA)、ボンベシン、因子VII、因子IXおよび因子Xを包含する
血液凝固カスケード因子、トロンビン、造血系成長因子、腫瘍壊死因子αおよび
β、エンケファリナーゼ、ヒト血清アルブミン、ミュラー管抑制物質、マウス性
腺刺激ホルモン付随ペプチド、微生物タンパク質、たとえばベータラクタマーゼ
、組織因子タンパク質、インヒビン、アクチビン、血管内皮成長因子(VEGF
)、ホルモンまたは成長因子の受容体;インテグリン、トロンボポエチン(TP
O)、プロテインAまたはD、リウマチ因子、神経成長因子、たとえばNGFα
、血小板成長因子、トランスフォーミング増殖因子(TGF)、たとえばTGF
αおよびTGFβ、インスリン様増殖因子IおよびII、インスリン様増殖因子結
合タンパク質、CD−4、DNアーゼ、潜在性付随ペプチド、エリトロポエチン
(EPO)、骨誘導性因子、インターフェロン、たとえばインターフェロンα、
βおよびγ、コロニー刺激因子(CSF)、たとえばM−CSF、GM−CSF
およびG−CSF、インターロイキン(IL)、たとえばIL−1、IL−2、
IL−3、IL−4、IL−6、IL−8、IL−10、IL−12、スーパー
オキシドジスムターゼ;崩壊促進因子、ウイルス抗原、HIVエンベロープタン
パク質、たとえばGP120、GP140、心房性ナトリウム利尿ペプチドA、
BまたはC、免疫グロブリン、前立腺特異抗原(PSA)、前立腺幹細胞抗原(
PSCA)、ならびに上に列挙されたタンパク質のいずれかの変種およびフラグ
メントから選ばれ得る。他の例は、表皮成長因子(EGF)、EGF受容体、な
らびにこれらおよびその他のタンパク質を結合するペプチドを包含する。
【0117】 第一遺伝子は、約50〜80という少数の残基を有するペプチドをコードし得
る。これらの比較的小さいペプチドは、ペプチドの抗原特性を決定するのに、タ
ンパク質の抗原部位をマッピングするのに等々に役立つ。第一遺伝子は、数百も
の、たとえば100、200、300、400およびそれ以上のアミノ酸を有す
るポリペプチドもコードし得る。第一遺伝子は、約100を越えるアミノ酸残基
を有して、それらが折り畳まれて、標的と作用し合える複数のアミノ酸を表示す
る、複数の強固な二次構造を形成する、一つ以上のサブユニットからなるポリペ
プチドもコードし得る。
【0118】 タンパク質、ペプチド、および突然変異させたその変種のファージおよびファ
ージミド表示の、融合ポリペプチドをコードしている融合遺伝子に機能的に結合
した制御配列を含む変種の複製可能ベクターのファミリーを構成すること、適す
る宿主細胞を形質転換すること、形質転換した細胞を培養して、ファージ粒子の
表面で融合ポリペプチドを表示するファージ粒子を形成すること、組換えファー
ジ粒子を標的分子と接触させ、そして、該粒子の少なくとも一部が標的に結合す
ること、結合した粒子を結合していないものから分離することを包含する、公知
の方法を、本発明の方法に用いてよい。U.S. 5,750,373;WO 97/09446;U.S. 5,
514,548;U.S. 5,498,538;U.S. 5,516,637;U.S. 5,432,018;WO 96/22393;U.
S. 5,658,727;U.S. 5,627,024;WO 97/29185;O'Boyle et al, 1997, Virology
, 236:338-347;Soumillion et al, 1994, Appl. Biochem. Biotech., 47:175-1
90;O'Neil & Hoess, 1995, Curr. Opin. Struct. Biol., 5:443-449;Makowski
, 1993, Gene, 128:5-11;Dunn, 1996, Curr. Opin. Struct. Biol., 7:547-553
;Choo & Klug, 1995, Curr. Opin. Struct. Biol., 6:431-436;Bradbury & Ca
ttaneo, 1995, TINS, 18:242-249;Cortese et al., 1995, Curr. Opin. Struct
. Biol., 6:73-80;Allen et al., 1995, TIBS, 20:509-516;Lindquist & Nade
ri, 1995, FEMS Micro. Rev., 17:33-39;Clarkson & Wells, 1994, Tibtech, 1
2:173-184;Barbas, 1993, Curr. Opin. Biol., 4:526-530;McGregor, 1996, M
ol. Biotech., 6:155-162;Cortese et al., 1996, Curr. Opin. Biol., 7:616-
621;McLafferty et al., 1993, Gene, 128:29-36を参照されたい。変種のファ
ージ/ファージミド表示は、ファージコートタンパク質、またはその一部のN末
端もしくはC末端に存在してよい。さらに、このファージ/ファージミド表示は
、天然のか、または突然変異させたコートタンパク質、たとえば繊維状コートタ
ンパク質IIIもしくはVIIIの天然には産しない変種、またはde novoに設計された
コートタンパク質を用いてもよい。たとえば、2000年2月10日に刊行され
たWO 00/06717(参照によって、本明細書に明示的に組み込まれる)を参照され
たい。
【0119】 一実施態様では、遺伝子1は、抗体またはそのフラグメント、たとえばFab
、F(ab′)2、Fv、ダイアボディー、線形抗体等々の軽鎖または重鎖をコ
ードしている。遺伝子1は、一本鎖抗体(scFv)もコードしていてよい。抗
体またはそのフラグメントのライブラリーの調製は、当技術に周知であり、公知
の方法のいずれを用いて、本発明の方法を用いて宿主細胞に形質転換され得る、
形質転換ベクターの1ファミリーを構成してもよい。ファージにおける抗体軽お
よび重鎖のライブラリー〔Huse et al., 1989, Science, 246:1275〕、ならびに
ファージまたはファージミドにおける融合タンパク質のそれは、周知であり、公
知の手順に従って調製することができる。上記のVaughan et al., Barbasら、Ma
rksら、Hoogenboomら、Griffithsら、de Kruifら、およびWO 98/05344;WO 98/1
5833;WO 97/47314;WO 97/44491;WO 97/35196;WO 95/34648;U.S. 5,712,089
;U.S. 5,702,892;U.S. 5,427,908;U.S. 5,403,484;U.S. 5,432,018;U.S. 5
,270,170;WO 92/06176;U.S. 5,702,892を参照されたい。総説も刊行されてい
る〔Hoogenboom, 1997, Tibtech, 15:62-70;Neri et al., 1995, Cell Biophys
ics, 27:47;Winter et al., 1994, Annu. Rev. Immunol., 12:433-455;Soderl
ind et al., 1992, Immunol. Rev., 130:109-124;Jefferies, 1998, Parasitol
ogy, 14:202-206〕。
【0120】 遺伝子1がコードしていると考えられる特定の抗体は、ヒト白血球の表面マー
カー、サイトカインおよびサイトカイン受容体、酵素等々に結合する、抗体およ
びその抗原結合フラグメントを包含する。特定の白血球表面マーカーは、
【0121】
【表1】
【0122】 を包含する。その他の抗体結合性標的は、サイトカインおよびサイトカインスー
パーファミリー受容体、造血系成長因子スーパーファミリー受容体、および好ま
しくはそれらの細胞外ドメインを包含するが、これらは、一群の密接に関連する
糖タンパク質の細胞表面受容体であって、WSXWSドメインをしばしば包含す
る、顕著な相同性を共有し、一般的には、サイトカイン受容体スーパーファミリ
ーの成員として分類される〔たとえばNicola et al., Cell, 67:1-4 (1991)およ
びSkoda, R.C. et al. EMBO J. 12:2645-2653 (1993)を参照されたい〕。一般に
、これらの標的は、インターロイキン(IL)またはコロニー刺激因子(CSF
)に対する受容体である。このスーパーファミリーの成員は、IL−2(bおよ
びg鎖)〔Hatakeyama et al., Science, 244:551-556 (1989);Takeshita et a
l., Science, 257:379-382 (1991)〕、IL−3〔Itoh et al., Science, 247:3
24-328 (1990);Gorman et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 87:5459-5463 (
1990);Kitamura et al., Cell, 66:1165-1174 (1991a);Kitamura et al., Pro
c. Natl. Acad. Sci. USA, 88:5082-5086 (1991b)〕、IL−4〔Mosley et al.
, Cell, 59:335-348 (1989)〕、IL−5〔Takaki et al., EMBO J., 9:4367-43
74 (1990);Tavernier et al., Cell, 66:1175-1184 (1991)〕、IL−6〔Yama
saki et al., Science, 241:825-828 (1988);Hibi et al., Cell, 63:1149-115
7 (1990)〕、IL−7〔Goodwin et al., Cell, 60:941-951 (1990)〕、IL−
9〔Renault et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 89:5690-5694 (1992)〕、
顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)〔Gearing et al.,
EMBO J., 8:3667-3676 (1991);Hayashida et al., Proc. Natl. Acad. Sci. US
A, 244:9655-9659 (1990)〕、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)〔Fukunag
a et al., Cell, 61:341-350 (1990a);Fukunaga et al., Proc. Natl. Acad. S
ci. USA, 87:8702-8706 (1990b);Larsen et al., J. Exp. Med., 172:1559-157
0 (1990)〕、EPO〔D'Andrea et al., Cell, 57:277-285 (1989);Jones et a
l., Blood, 76:31-35 (1990)〕、白血病抑制因子(LIF)〔Gearing et al.,
EMBO J., 10:2839-2848 (1991)〕、オンコスタチンM(OSM)〔Rose et al.,
Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 88:8641-8645 (1991)〕に対する受容体、ならび
にプロラクチン〔Boutin et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 88:7744-7748
(1988);Edery et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 86:2112-2116 (1989)〕
、成長ホルモン(GH)〔Leung et al., Nature, 330:537-543 (1987)〕、毛様
体神経栄養因子(CNTF)〔Davis et al., Science, 253:59-63 (1991)〕お
よびc−Mpl〔M. Souyri et al., Cell 63:1137 (1990);I. Vigon et al.,
Proc. Natl. Acad. Sci. 89:5640 (1992)〕に対する受容体を包含するが、これ
らに限定されない。本発明によって作成される抗体に対するさらに他の標的は、
erb2、erb3、erb4、IL−10、IL−12、IL−13、IL−
15等々である。これらの抗体、抗体フラグメント、サイトカイン、受容体、酵
素、細胞表面マーカータンパク質等々を、第一遺伝子によってコードさせてよい
【0123】 望みの融合タンパク質ライブラリーをコードしている融合遺伝子のライブラリ
ーは、当技術に公知の様々な方法によって生成し得る。これらの方法は、オリゴ
ヌクレオチド介在突然変異誘発、およびカセット突然変異誘発を包含するが、こ
れらに限定されない。本発明の方法は、限定されたコドンセットを用いて、本発
明のライブラリーを調製する。限定されたコドンセットは、ポリペプチドの予定
された位置のそれぞれで、野生型アミノ酸および走査アミノ酸を可能にする。た
とえば、走査アミノ酸がアラニンであるならば、限定されたコドンセットは、予
定された位置のそれぞれでの可能なアミノ酸として、野生型アミノ酸およびアラ
ニンをコードしていると思われる。下記の表1〜6は、本発明に用いられる限定
されたコドンセットを調製する方法の例を与える。DNAの縮重は、IUBコー
ドによって表される(K=G/T、M=A/C、N=A/C/G/T、R=A/
G、S=G/C、W=A/T、Y=C/T)。他の走査アミノ酸の用途のための
、限定されたコドンセットに対するDNA縮重の表は、これらの例、および本明
細書での一般的開示に従って、遺伝暗号の公知の縮重から容易に構成することが
できる。
【0124】
【表2】
【0125】
【表3】
【0126】
【表4】
【0127】
【表5】
【0128】
【表6】
【0129】
【表7】
【0130】 一実施態様では、限定されたコドンセットは、予定されたポリペプチド位置の
それぞれでの走査残基および野生型残基のみを可能にする。そのような限定され
たコドンセットは、当技術に公知の方法を用い、トリヌクレオチドシントン単位
から調製したオリゴヌクレオチドを用いて作成してよい。たとえばGayan et al.
, Chem. Biol., 5:519-527を参照されたい。トリヌクレオチドの使用は、追加の
アミノ酸残基をコードしているコドンの動揺を除去する。この実施態様は、走査
されるそれぞれの位置での走査残基に対する野生型の1:1の比率を可能にする
【0131】 意外にも、二つ以上の、たとえば4個のアミノ酸残基、およびおそらくは一つ
の停止コドンを許すコドンセットの使用は、得られる野生型対走査残基の頻度の
分析、または構造的および/もしくは機能的に重要である、ポリペプチドの位置
を特定できる本発明の方法の能力に影響しない。本発明によって得られた結果は
、単一アラニン突然変異種に由来するΔΔGmut-wt値は、個々の側鎖の結合の
寄与の不充分な尺度であるという論議の見方からは、特に驚異的であって、それ
は、協力的な分子内相互作用は、ほとんどの大きい結合境界面を極めて非付加的
にする可能性があるからである〔Greenspan & Di Cera, 1999, Nature Biotechn
ology 17:936〕。本発明は、構造的な結合エピトープの大部分を網羅する、可能
なあらゆる多重走査アミノ酸、たとえばアラニンの突然変異種の、組み合わされ
た方式での構築および分析を可能にする。この極めて多様な背景においてさえ、
個々の側鎖の機能的寄与は、固定された野生型の、たとえばhGHの背景でのそ
れらの寄与に顕著に類似した(例1を参照されたい)。非付加的な効果は、確か
に考慮しなければならないが、タンパク質−リガンド、たとえばhGH−hGH
bp境界面での結合エネルギーの主要な寄与は、基本的に付加的な方式で独立し
て作用する。本発明について得られた結果は、hGH部位1〔Lowman & Wells,
1993, J. Mol. Biol. 234:564〕、およびその他の多くのタンパク質〔Wells, 19
90, Biochemistry 29:8509〕における付加性を立証している従来の研究と充分に
一致する。
【0132】 オリゴヌクレオチド介在突然変異誘発は、融合遺伝子のライブラリーを調製す
るための好適な方法である。この手法は、Zollerら〔Nucleic Acids Res., 10:6
487-6504 (1987)〕が記載しているとおり、当技術に周知である。略述すると、
遺伝子1を、望みの突然変異をコードしているオリゴヌクレオチドを、遺伝子1
の不変または未変性DNA配列を含む一本鎖形態のプラスミドである、DNA鋳
型とハイブリダイズさせることによって変化させる。こうして、ハイブリダイゼ
ーションの後、鋳型の第二の相補鎖全体を合成するのに用いたDNAポリメラー
ゼは、オリゴヌクレオチドプライマーを組み込み、遺伝子1における選ばれた変
化をコードすることになる。
【0133】 一般的には、長さが少なくとも25ヌクレオチドであるオリゴヌクレオチドが
用いられる。最適のオリゴヌクレオチドは、突然変異をコードしているヌクレオ
チドのいずれの側でも、鋳型に完全に相補的である、12〜15のヌクレオチド
を有すると思われる。このことは、オリゴヌクレオチドが、一本鎖DNA鋳型分
子と正しくハイブリダイズすることを確実にする。オリゴヌクレオチドは、Crea
ら〔Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 75:5765 (1978)〕が記載したそれのような
、当技術に公知の手法を用いて、容易に合成される。
【0134】 DNA鋳型は、好ましくは、バクテリオファージM13ベクター(商業的に入
手できるM13mp18およびM13mp19ベクターが適する)から誘導され
るベクター、またはVieraら〔Meth. Enzymol., 153:3 (1987)〕が記載したとお
りの、一本鎖ファージ複製起点を有するベクターのいずれかによって生成される
。こうして、突然変異を誘発させようとするDNAを、これらのベクターの一つ
に挿入して、一本鎖の鋳型を生成する。一本鎖の鋳型の生成は、上記Sambrookら
の第4.21〜4.41節に記載されている。
【0135】 未変性DNA配列を変更するには、オリゴヌクレオチドを、適するハイブリダ
イゼーション条件下で、一本鎖の鋳型とハイブリダイズさせる。次いで、DNA
重合酵素、通常はT7DNAポリメラーゼ、またはDNAポリメラーゼIのクレ
ノウフラグメントを加えて、該オリゴヌクレオチドを合成のためのプライマーと
して用いて、鋳型の相補鎖を合成する。こうして、ヘテロ二本鎖分子が形成され
る結果、DNAの一方の鎖は、突然変異した形態の遺伝子1をコードし、他方の
鎖(本来の鋳型)は、遺伝子1の未変性の不変配列をコードする。次いで、この
二本鎖分子を、適する宿主細胞、通常は大腸菌JM101のような原核生物中に
形質転換する。細胞は、増殖させた後、アガロースプレートに接種し、32−リ
ン酸塩で放射性標識化したオリゴヌクレオチドプライマーを用いてスクリーニン
グして、突然変異させたDNAを有する細菌コロニーを特定する。
【0136】 直前に記載された方法は、ベクターの双方の鎖が突然変異を含むホモ二本鎖分
子を生成するように、変更してよい。変更は、下記の通りである:一本鎖のオリ
ゴヌクレオチドを、上記のとおりの一本鎖の鋳型に対してアニーリングする。3
種類のデオキシリボヌクレオチド、すなわちデオキシリボアデノシン(dATP
)、デオキシリボグアノシン(dGTP)およびデオキシリボチミジン(dTT
P)の混合物を、dCTP−(aS)と呼ばれる、改質されたチオデオキシリボ
シトシン(Amershamから得ることができる)と組み合わせる。この混合物を、鋳
型−オリゴヌクレオチド複合体に加える。DNAポリメラーゼをこの混合物に加
えたならば、DNAの、突然変異した塩基以外は鋳型と同一である鎖が生成され
る。加えて、DNAのこの新たな鎖は、dCTPに代えてdCTP−(aS)を
含み、これが、制限エンドヌクレアーゼ消化からそれを保護するのに役立つ。二
本鎖とされたヘテロ二本鎖の鋳型鎖を、適切な制限酵素で切断した後、鋳型鎖は
、ExoIIIヌクレアーゼその他の適切なヌクレアーゼで、突然変異誘発しようとす
る部位を含む領域を通過して消化することができる。次いで、部分的にのみ一本
鎖とされたにすぎない分子を残すよう、反応を停止する。次いで、4種類のデオ
キシリボヌクレオチド三リン酸のすべて、ATPおよびDNAリガーゼの存在下
でDNAポリメラーゼを用いて、完全な二本鎖とされたDNAホモ二本鎖を形成
する。次いで、このホモ二本鎖分子は、上記のとおり、大腸菌JM101のよう
な適する宿主細胞内に形質転換させることができる。
【0137】 一つより多くのアミノ酸を置換しようとする突然変異体は、いくつかの方法の
一つで生成してよい。アミノ酸がポリペプチド鎖中で密接して位置するならば、
望みのアミノ酸置換のすべてをコードしている一つのオリゴヌクレオチドを用い
て、同時に突然変異させ得る。しかし、アミノ酸が互いに多少とも隔たって位置
する(約10アミノ酸以上離れている)ならば、望みの変化のすべてをコードし
ている単一のオリゴヌクレオチドを生成することは、より困難である。これに代
えて、二つの選択的方法の一つを用い得る。
【0138】 第一の方法では、置換しようとする各アミノ酸について、別個のオリゴヌクレ
オチドを生成する。次いで、このオリゴヌクレオチドを、一本鎖の鋳型DNAに
対して同時にアニーリングし、鋳型から合成されたDNAの第二の鎖が、望みの
アミノ酸置換のすべてをコードすることになる。これに代わる方法は、望みの突
然変異種を生成するために、2ラウンド以上の突然変異誘発を必要とする。第一
ラウンドは、単一突然変異種について記載したとおりである:野生型DNAを鋳
型に用い、第一の望みのアミノ酸置換をコードしているオリゴヌクレオチドを、
この鋳型に対してアニーリングし、そうして、ヘテロ二本鎖DNA分子を生成す
る。突然変異誘発の第二ラウンドは、突然変異誘発の第一ラウンドで生成された
突然変異DNAを鋳型として用いる。こうして、この鋳型は、一つまたはそれ以
上の突然変異を既に含む。次いで、追加の望みのアミノ酸置換をコードしている
オリゴヌクレオチドを、この鋳型に対してアニーリングし、得られたDNAの鎖
は、突然変異誘発の第一および第二ラウンド双方からの突然変異を今やコードし
ている。得られたこのDNAは、突然変異誘発の第三ラウンドおよびその後に鋳
型として用いることができる。
【0139】 カセット突然変異誘発も、融合遺伝子のライブラリーを調製するための好適な
方法である。この方法は、Wellsら〔Gene, 34:315 (1985)〕が記載したそれに基
づく。出発材料は、遺伝子1、すなわち突然変異させようとする遺伝子を有する
ベクターである。突然変異させようとする遺伝子1内の単数または複数のコドン
を特定する。特定された突然変異部位のそれぞれの側に、独自の制限エンドヌク
レアーゼ部位が存在しなければならない。そのような制限部位が全く存在しない
ならば、上記のオリゴヌクレオチド介在突然変異誘発法を用いて、それらを生成
して、遺伝子1の適切な位置に導入してよい。制限部位をベクターに導入した後
、ベクターをこれらの部位で切断して、それを線形化する。制限部位の間にDN
Aの配列をコードしているが、望みの突然変異を含む二本鎖オリゴヌクレオチド
を、標準的手順を用いて合成する。二本の鎖を別個に合成し、次いで、標準的手
法を用いて一緒にハイブリダイズする。この二本鎖オリゴヌクレオチドを、カセ
ットと呼ぶ。このカセットを、線形化されたベクターの末端と融和する3′およ
び5′末端を有するように設計する結果、それは、ベクターに直接連結すること
ができる。このベクターは、遺伝子1の突然変異したDNA配列を今や有する。
【0140】 好適実施態様では、遺伝子1を、ファージコートタンパク質の少なくとも一部
をコードしている遺伝子2に結合する。好適なコートタンパク質遺伝子は、大腸
菌に特異的な繊維状ファージ、たとえばM13,f1およびfdファージのコー
トタンパク質IIIおよびコートタンパク質VIIIをコードしている遺伝子である。
遺伝子1および遺伝子2の遺伝子融合をコードしている、複製できる発現ベクタ
ーライブラリーによる宿主細胞のトランスフェクション、および標準的手順によ
るファージまたはファージミド粒子ライブラリー(または融合タンパク質ライブ
ラリー)の生成は、遺伝子1がコードしている変種ポリペプチドがウイルス粒子
の表面に表示される、ファージまたはファージミド粒子を与える。
【0141】 本発明に用いるのに適するファージおよびファージミドベクターは、ファージ
表示のための公知のすべてのベクターを包含する。追加的な例は、pComb8〔Gra
m, H., Marconi, L. A., Barbas, C. F., Collet, T. A., Lerner, R. A., & Ka
ng, A.S. (1992) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:3576-3580〕;pC89〔Felici,
F., Catagnoli, L., Musacchio, A., Jappelli, R., & Cesareni, G. (1991) J
. Mol. Biol. 222:310-310〕;pIF4〔Bianchi, E., Folgori, A., Wallace, A.,
Nicotra, M., Acali, S., Phalipon, A., Barbato, G., Bazzo, R., Cortese,
R., Felici, F., & Pessi, A. (1995) J. Mol. Biol. 247:154-160〕;PM48、PM
52およびPM54〔Iannolo, G., Minenkova, O., Petruzzelli, R., & Cesareni, G
. (1995) J. Mol. Biol, 248:835-844〕;fdH〔Greenwood, J., Willis, A. E.,
& Perham, R. N. (1991) J. Mol. Biol., 220:821-827〕;pfd8SHU、pfd8SU、p
fd8SYおよびfdISPLAY8〔Malik, P. & Perham, R. N. (1996) Gene, 171:49-51〕
;”88”〔Smith, G. P. (1993) Gene, 128:1-2〕;f88.4〔Zhong, G., Smith
, G. P., Berry, J. & Brunham, R. C. (1994) J. Biol. Chem, 269:24183-2418
8〕;p8V5(Affymax);MB1、MB20、MB26、MB27、MB28、M
B42、MB48、MB49、MB56〔Markland, W., Roberts, B. L., Saxe
na, M. J., Guterman, S. K., & Ladner, R. C. (1991) Gene, 109:13-19〕を包
含する。同様に、公知のいかなるヘルパーファージも、ファージミドベクターを
ファージ表示系に用いたときに用いてよい。適するヘルパーファージの例は、M
13−KO7(Pharmacia)、M13−VCS(Stratagene)およびR408(S
tratagene)を包含する。
【0142】 トランスフェクションは、好ましくは、電気穿孔による。好ましくは、生存細
胞を、約1x1011〜約4x1011cfu/mlまで濃縮する。この範囲まで濃縮し得
る好適な細胞は、下記のSS320細胞である。この実施態様では、細胞を、標
準的な培養ブロス中、約37℃で、場合により約6〜48時間培養し、次いで、
ブロスを遠心分離し、上清を除去(たとえば傾瀉)する。当初の精製は、好まし
くは緩衝液(たとえばHEPES、pH7.4)中に細胞ペレットを再懸濁させ、
次いで再遠心分離し、上清を除去することによる。得られた細胞ペレットを、希
グリセリン(たとえば5〜20容量%)に再懸濁させ、再び遠心分離して、細胞
ペレットを形成し、上清を除去する。最終的な細胞濃度は、細胞ペレットを水ま
たは希グリセリン中に望みの濃度まで再懸濁させることによって得られる。これ
らの洗浄工程は、細胞生存率に、すなわち電気穿孔に用いられる濃縮細胞溶液中
の生存細胞の数にある効果を有する。洗浄および遠心分離工程を、洗浄前の出発
細胞の数に比して高い生存率で生き残る細胞を用いるのが好ましい。最も好まし
くは、洗浄前の生存細胞の数に対する洗浄後の生存細胞の数の比率は、1.0で
ある、すなわち細胞死が皆無である。しかし、生存率は、約0.8以上、好まし
くは約0.9〜1.0であってよい。
【0143】 特に好適な受容細胞は、本発明の電気穿孔適格大腸菌株であって、それは、フ
ァージF′エピソームを有する大腸菌株MC1061である。この株でのファー
ジ複製を可能にするいかなるF′エピソームも、本発明に用いてよい。適するエ
ピソームは、ATCCに寄託された株から入手できるか、または商業的に入手で
きる(CJ236、CSH18、DH5αF、JM101、JM103、JM1
05、JM107、JM110、KS1000、XL1−BLUE、71−18
その他)。SS320という菌株を、XL1−BLUEの稔性エピソーム(F′
プラスミド)をMC1061細胞に移転するのに充分な条件下で、MC1061
細胞をXL1−BLUE細胞と交配することによって調製した。一般に、二つの
細胞型の培養体を混合し、混合物を培地で37℃で約1時間増殖させることは、
交配およびエピソーム移転を発生させるのに充分である。得られた新たな大腸菌
株は、ストレプトマイシン耐性染色体マーカーを保有するMC1061の遺伝型
と、テトラサイクリン耐性を付与するF′プラスミドの遺伝型とを有する。この
交配の子孫は、双方の抗生物質に耐性であり、ストレプトマイシンおよびテトラ
サイクリンの存在下で選択的に増殖させることができる。株SS320は、アメ
リカンタイプカルチャーコレクション(ATCC:10801 University Boulevard
, Manassas, Virginia, USA)に1998年6月18日寄託され、登録番号98795を指定
されている。
【0144】 SS320細胞は、電気穿孔に特に有利である特性を有する。SS320細胞
は、特に頑健であり、多段階の洗浄工程を他のほとんどの電気穿孔適格細胞より
高い細胞生存率で生き残ることができる。より高い細胞濃度で用いるのに適する
その他の株は、TB1、MC1061等々を包含する。より高いこれらの細胞濃
度は、本発明の方法のための、より高い形質転換効率を与える。
【0145】 より高いDNA濃度(約10x)を電気穿孔の際に用いることは、形質転換効
率を上昇させ、宿主細胞内に形質転換されるDNAの量を増加させる。より高い
細胞濃度の使用は、効率も上昇させる(約10x)。より大量の移転されたDN
Aは、より高い多様性を有し、組合せライブラリーの、より多くの数の独自の成
員を表す、より大きいライブラリーを生成する。
【0146】 ライブラリー、たとえば融合ポリペプチドをコードしている融合遺伝子のライ
ブラリーの構築は、必然的に、このライブラリーを表すDNAフラグメントを適
するベクターに導入して、ベクターのファミリーまたはライブラリーを与えるこ
とを伴う。カセット突然変異誘発の場合、合成DNAは、二本鎖カセットである
のに対して、フィルイン突然変異誘発では、合成DNAは、一本鎖DNAである
。いずれの場合も、合成DNAをベクターに組み込んで、細胞内に形質転換させ
て、ライブラリーを生成することができる、閉じた環状の二本鎖DNAを含有す
る反応生成物を得る。
【0147】 形質転換した細胞は、一般的には、抗生物質、普通にはテトラサイクリン(t
et)またはアンピシリン(amp)上での増殖によって選択されるが、ベクタ
ー内にtetおよび/またはamp耐性遺伝子が存在するため、該細胞は、これ
らに対して耐性にされている。
【0148】 形質転換された細胞、これらの細胞を培養体で増殖させ、次いで、ベクターD
NAを単離する。ファージまたはファージミドベクターDNAは、当技術に公知
の方法、たとえばSambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual,
2nd edition, (1989) Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Ha
rbor, NYに記載されたとおりのそれを用いて単離することができる。単離された
DNAは、上記のとおり、上記のSambrookらの第1.40節に記載されたそれの
ような、当技術に公知の方法によって精製することができる。次いで、この精製
されたDNAは、DNA配列決定によって分析することができる。DNA配列決
定は、Messingら〔Nucleic Acids Res., 9:309 (1981)〕の方法、Maxamら〔Meth
. Enzymol., 65:499 (1980)〕の方法、またはその他いかなる公知の方法によっ
ても実施してよい。
【0149】 本発明は、複製できる発現ベクターで形質転換した宿主細胞を培養することに
よって得られた、生成物であるポリペプチドの製造も企図し、ここで、複製でき
る発現ベクターは、宿主細胞内での生成物であるポリペプチドの発現を実施する
ことができる、制御配列に機能的に結合した生成物ポリペプチドをコードしてい
るDNAを含み、生成物ポリペプチドをコードしているDNAは、
【0150】 (a)複数の融合タンパク質をコードしている融合遺伝子を含む発現ベクターの
ライブラリーを構築し、ここで、該融合タンパク質は、ファージコートタンパク
質の少なくとも一部に融合したポリペプチド部分を含み、該融合タンパク質のポ
リペプチド部分は、予定された番号のアミノ酸位置で異なり、該融合遺伝子は、
それぞれの予定されたアミノ酸位置で多くとも4個の異なるアミノ酸をコードし
ている工程と;
【0151】 (b)適する宿主細胞を該発現ベクターのライブラリーで形質転換する工程と;
【0152】 (c)該形質転換された宿主細胞を、その表面で変異種融合タンパク質を表示す
る、組換えファージまたはファージミド粒子を形成するのに適した条件下で培養
する工程と;
【0153】 (d)該組換え粒子を標的分子と接触させる結果、該粒子の少なくとも一部が該
標的分子に結合する工程と;
【0154】 (e)結合した粒子を、結合しなかったものから分離する工程と;
【0155】 (f)該変異種の一つを生成物ポリペプチドとして選び、該生成物ポリペプチド
をコードしているDNAを該複製できる発現ベクター内にクローニングし、発現
した生成物ポリペプチドを回収する工程とによって得られる。複製できる発現ベ
クターの構築、および生成物ポリペプチドの生成および回収の方法は、当技術に
一般的に公知である。
【0156】 U.S. 5,750,373は、複製できる発現ベクター(たとえばファージミド)で形質
転換した宿主細胞を培養することによって、生成物であるポリペプチドを製造か
つ回収する方法を一般的に記載していて、該ポリペプチドをコードしているDN
Aは、慣用のヘルパーファージを用いて、上記の工程(a)〜(f)によって得
たものであり、該ファージ粒子のわずかな量(<20%、好ましくは<10%、
より好ましくは<1%)が、粒子の表面で融合タンパク質を表示する。組換えフ
ァージミド粒子、たとえばVCS等々を生成するのに、適するいかなるヘルパー
ファージを用いてもよい。ファージ表示法によって得られる変種ポリペプチドの
一つは、宿主細胞内での組換え発現による、より大規模の製造のために選んでよ
い。該宿主細胞内での生成物ポリペプチドの発現を実施することができる、制御
配列に機能的に結合した、選ばれた変種である生成物ポリペプチドをコードして
いるDNAを有する、複製できる発現ベクターで形質転換された宿主細胞の培養
は、本発明の一部である。
【0157】
【実施例】
ショットガン走査の一般性および原理の代表例として、ヒト成長ホルモン(h
GH)の高親和性部位(部位1)を、その受容体(hGHbp)との結合につい
てマッピングした。結晶学的データを用いて、hGHbpと結合すると、少なく
とも60%が埋められ、まとまって、構造的結合エピトープの実質的な一部を構
成する、19個のhGHの側鎖を特定した〔A. M. de Vos et al, 1992, Scienc
e 255:306〕。これらの側鎖を、一次配列の隣接しない三つの伸張部分に位置さ
せるが、三次構造では、これらは、まとまって、隣接するパッチを形成する。こ
のライブラリーは、埋められた残基を縮重コドンの「ショットガンコード」に置
き換える(表1を参照されたい)。理想的には、二項突然変異誘発方法は、変異
させた位置に野生型アミノ酸またはアラニンのみを与えると思われる。遺伝暗号
に縮重があるため、いくつかの残基は、他の二つのアミノ酸置換も必要とする。
本発明者らは、各位置での野生型またはアラニンのレベルを考慮することによっ
て、二項分析をすべての突然変異に適用した。
【0158】 アミノ酸をアラニンに置き換えることは、β炭素以降のすべての側鎖原子を排
除する。この損失を、突然変異タンパク質の結合測定で評価して、該タンパク質
の構造および機能に対するこの側鎖の寄与を評価することができる〔Clackson &
Wells, 1995 Science 267:383〕。ここで、アラニン置換のそれぞれが作り上げ
る摂動を、受容体で被覆したプレートとの平衡結合をライブラリー選択として用
いて、まとめて評価した。ファージ表示したライブラリーを、抗hGH抗体また
はhGHbp細胞外ドメインのいずれかとの結合についての選択に付した。抗体
は、部位1から離れたhGHエピトープに結合し、結合のために正しいhGHの
折り畳みを必要とした。この抗体は、タンパク質の機能についての選択とは無関
係に、hGH構造を選んだ。
【0159】 選択のそれぞれから、数百の結合クローンを配列決定し、野生型またはアラニ
ンの出現率を、突然変異した位置のそれぞれについて作表した。追加の側鎖をコ
ードしていた位置で、野生型およびアラニンに対して分析を全面的に集中させた
。しかし、アラニン以外のアミノ酸によるショットガン走査も役立つ。
【0160】 ファージ粒子を含有する培養上清を、PCRのための鋳型として用いて、hG
H遺伝子を増幅し、M13(〜21)およびM13Rの普遍的配列決定プライマ
ーを組み込んだ。このライブラリーからのファージを、96穴Maxisorp免疫プレ
ート(NUNC)にコーティングした、捕捉標的としてのhGHbp、または抗
hGHモノクローナル抗体3F6.B1.4B1〔Jin et al, 1992, J. Mol. B
iol. 226:851〕とともに結合選択のラウンドを周回させた。ファージを、M13
−VCSヘルパーファージ(Stratagene)を加えて、大腸菌XL1−BLUE内
で増殖させた。1ラウンド(抗体選別)または3ラウンド(hGHbp選別)の
選択の後、個々のクローンを、96穴様式での500μl培養として成長させた
。培養上清をファージELISAに直接用いて、96穴Maxisorp免疫プレート上
に固定化されたhGHbpまたは抗hGH抗体3F6.B1.4B1のいずれか
に結合した、ファージ表示したhGH変種を検出した。増幅させたDNAフラグ
メントを、Big-Dye(登録商標)のターミネーター配列決定反応での鋳型として
用いて、ABI377シークエンサー(PE-Biosystems)によって分析した。す
べての反応は、96穴様式で実施した。「SGcount」というプログラムは、Needl
eman-Wunchのペアワイズアライメントアルゴリズムを用いて、各DNA配列を野
生型DNA配列に対して整合させ、許容され得る質の整合した配列のそれぞれを
翻訳し、次いで、各位置での各天然アミノ酸の出現率を作表した。加えて、「SG
count」は、突然変異したすべての位置で、同一アミノ酸を含むいかなる配列(
シブリングス)の存在も報告した。抗体選別(全175配列)は、いかなるシブ
リングスも含まなかったが、hGHbp選別(全330配列)は、5本の独自配
列を表す16のシブリングスを含んだ。
【0161】 プログラム「SGcount」は、Cで書かれ、Digital Unix 4.0Dの下でCompaq/DEC
によってコンパイルされ、試験された。ソースは、入手可能であり(e-mail:ck
w@gene.com)、ほとんどのUnixシステムで、修正なしにコンパイルする。Weiss
et al, 2000, PNAS 97:8950-8954およびWO 0015666も参照されたい。
【0162】 野生型の頻度(F)を、下記の通り算出した: F=Σn野生型/Σ(n野生型+nアラニン
【0163】 各側鎖について、本発明者らは、hGHbp選択(Fbp)と抗体選択(Fα
とについての野生型の頻度間の差は、機能性結合エピトープに対する側鎖の寄与
の量であると想定した。本発明者らは、FbpおよびFαの値を用いて、各側鎖に
対する「機能パラメータ」(Pf)を算出した。Pf、および付随する標準誤差(
SE)を、下記の通り算出した:
【0164】 Fbp>Fαに対しては、Pf=(Fbp−Fα)/(1−Fα
【0165】
【数1】
【0166】 Fbp<Fαに対しては、Pf=(Fbp−Fα)/Fα
【0167】
【数2】
【0168】 σ2 bpは、Fbpの分散であり、Fbp(1−Fbp)/nbpで近似される。 σ2 αは、Fαの分散であり、Fα(1−Fα)/nαで近似される。
【0169】 Fbp=Fαならば、側鎖は、機能性エピトープに寄与せず、Pf=0である。
【0170】 Fbp>Fαならば、側鎖は、機能性エピトープに有利に寄与し、Pf>0であ
る。
【0171】 正のPf値は、FbpがFαに関連し、1である場合の正規化された量である。
【0172】 可能な最大Pf値は、Pf=1であり、Fbp=1のとき出現する。
【0173】 Fbp<Fαならば、側鎖は、機能性エピトープに不利に寄与し、Pf<0であ
る。
【0174】 負のPf値は、FbpがFαに関連し、0である場合の正規化された量である。
【0175】 可能な最小Pf値は、Pf=−1であり、Fbp=0のとき出現する。
【0176】 各選択について、配列データを用いて、各位置での野生型の頻度を算出した〔
B. Virnekas et al., 1994, Nucleic Acids Res. 22:5600;Gaytan et al., Che
m. Biol. 5:519〕。野生型の頻度は、アラニンに対しての野生型側鎖の出現率に
匹敵し、そのため、選ばれた特徴(すなわち、抗体またはhGHbpとの結合)
に対する与えられた側鎖の寄与と相関する。結合相互作用に対する大きい、有利
な寄与のための野生型の頻度は、1.0に近づくはずである(野生型側鎖に対す
る100%の豊富化)。結合に対する大きい、否定的な寄与のための野生型の頻
度は、0.0に近づくはずである(野生型側鎖に対する選択)。hGHbpは、
突然変異した側鎖に接触するが、モノクローナル抗体は接触しないため、二つの
選択から算出された野生型の頻度間の差は、hGHbpと結合するためのhGH
の機能性エピトープをマッピングするのに用いることができる。二つの選択とも
、未処理のライブラリーでの偏向、発現の偏向、および全体的な構造的摂動に敏
感であるが、hGHbp選択だけは、構造エピトープでの突然変異した残基との
接触のため、結合エネルギーの得失に敏感である。本発明者らは、抗体選択(F α )およびhGHbp選択(Fbp)と野生型の頻度との差を用いて、機能性結合
エピトープに対する各側鎖の寄与を正規化する、「機能パラメータ」を算出した
【0177】 Pf値は、−1〜1にわたることができて、負または正の値が、それぞれ、機
能性エピトープに対する不利または有利な寄与を示す。ただ一つの側鎖(Tyr64
)のみが、負のPf値を有するにすぎず、そのため、すべてのPf値の平均は、正
であって(Pf,ave=0.49、標準偏差=0.35)、hGH構造エピトープ
内のほとんどの側鎖は、hGHbpと有利な接触をすることを示した。しかし、
大きい標準偏差は、構造エピトープ内の側鎖が、機能性構造エピトープに同等に
は寄与しないことを示した。実際には、Pf値は、二つの明確な集団を形成して
、一方の集団は、Pf,aveに満たないか、または等しいPf値を有し、第二集団は
、Pf,aveより有意に大きいPf値を有した。第二集団は、わずか7個の側鎖(Pr
o61、Arg64、Lys172、Thr175、Phe176、Arg178、Ile179)を含み、本発明者らの
結果は、このサブセットが、結合親和性の主な原因であることを示す。これらの
側鎖は、三次元構造でも一緒に集合し、こうして、緻密な機能性構造エピトープ
を形成する。全体として、ショットガン走査の結果は、やはり類似の結合エピト
ープを特定した、慣用のアラニン走査突然変異誘発の結果と充分に一致する〔Cu
nningham & Wells, 1993, J. Mol. Biol. 234:554〕。測定されたPf値を、個別
の精製したアラニン突然変異体との、慣用のアフィニティークロマトグラフィー
によって決定した、ΔΔG値に対してプロットした(図2)。ショットガン走査
は、9個の最大の結合エネルギー寄与因子(ΔΔG(突然変異−野生型)≧0.8
kcal/mol)のうち7個を特定した。
【0178】 ショットガン走査とアラニン走査との間のいくつかにすぎない相違は、ショッ
トガン走査ライブラリー中のいくつかの残基の間の非付加的相互作用による可能
性がある。特に、アラニンおよび野生型以外のすべての置換を、本発明者らは無
視したが、これらの追加の置換が、いくつかの位置での算出された野生型頻度を
歪曲した可能性がある。しかし、これらの非付加的効果は、突然変異部位の同時
変異を分析することによって、対処することができ;そのような分析は、単一突
然変異種を用いてはアラニン走査から得ることのできない、分子内相互作用に関
する情報を与えることができる。また、DNA合成における最近の発展は、いか
なる部位も、アラニン、または他の天然アミノ酸の一つのみに制限できるライブ
ラリーを構成することを可能にする(アミノ酸残基に対する1文字の略号は、下
記のとおりである:A、Ala;C、Cys;D、Asp;E、Glu;F、Phe;G、Gly;
H、His;I、Ile;K、Lys;L、Leu;M、Met;N、Asp;P、Pro;Q、Gln;
R、Arg;S、Ser;T、Thr;V、Val;W、Trp;およびY、Tyr)。ショットガ
ン走査は、hGHbpに結合するhGH部位1の機能性エピトープを正確にマッ
ピングした。
【0179】 これらの結果は、ショットガン走査による突然変異誘発は、高処理量のプロテ
オミックスに充分適する堅固な方法であることを立証する。タンパク質の構造お
よび機能の詳細なマッピングが、タンパク質のいかなる精製または分析もなしに
可能となる。タンパク質結合エピトープの高解像度のマップが、DNA配列のみ
から得られ、結果は、慣用のタンパク質に基づく手法で得られた結果と見事に一
致した。ショットガンコードの多様性が限定されていて、多くの位置を単一ライ
ブラリーによって走査することができ、多くのライブラリーを用いることができ
る。この方法は、抗体を包含するタンパク質に適用可能であり、タンパク質配列
全体を、隣接する残基の大きい伸張部分にまたがるライブラリーによって、迅速
に走査することができる。結合相互作用の焦点の特定は、機能的に決定的な残基
の迅速な決定を通じて、タンパク質工学を促進する。
【0180】 例1−ショットガン走査 実験の要領:ファージミドpW1205aを、Kunkelの方法〔Kunkel et al., 1987, Me
thods Enzymol. 154:367〕、および標準的な周知の分子生物学の手法を用いて構
築した。ファージミドpW1205aは、ライブラリー構築のための鋳型として用いた
。pW1205aは、繊維状ファージ粒子の表面でhGHを表示させるためのファージ
ミドpW1205aである。pW1205aでは、hGH−P8融合の転写が、IPTGで誘導
できるPtacプロモーターによって制御される〔Amman, E. & Brosius, J., 1985
, Gene 40, 183-190〕。pW1205aは、M13の表面でhGHを、主要コートタン
パク質(P8)のアミノ末端との融合として表示するよう設計された、以前に記
載されたファージミドと、下記の変化以外は同一である。pW1205aの成熟したP
8コーディングDNAセグメントは、コドン11〜20に対して下記のDNA配
列を有した(他の残基は、野生型として固定):
【0181】 TAT GAG GCT CTT GAG GAT ATT GCT ACT AAC(SEQ ID NO:1)。
【0182】 このセグメントは、下記のアミノ酸配列をコードしている:
【0183】 YEALEDIATN(SEQ ID NO:2)。
【0184】 第一に、hGH−P8融合部分は、ペプチドエピトープフラッグ(アミノ酸配
列:MADPNRFRGKDLGG)(SEQ ID NO:3)がそのアミノ末端に融合
していて、抗フラッグ抗体による検出を可能にする。第二に、hGHの残基第4
1、42、43、61、62、63、171、172および173番をコードし
ているコドンが、TAA終止コドンに置き換えられている。
【0185】 略述すると、pW1205aを、同時に、終止コドンを修復し、かつ、望みの部位に
突然変異を導入するよう設計された3種類の突然変異誘発性オリゴヌクレオチド
を用いる、Kunkel突然変異誘発法のための鋳型として用いた。突然変異誘発オリ
ゴヌクレオチドは、下記の配列を有した:
【0186】
【表8】
【0187】 (K=G/T、M=A/C、N=A/C/G/T、R=A/G、S=G/C、W
=A/T、Y=C/T)。ライブラリーは、1.2x1011の独自の成員を含み
、未処理ライブラリーのDNA配列決定は、そのうち45%が、設計されたすべ
ての位置で突然変異を有し、そのため、ライブラリーは、約5.4x1010の多
様性を有することを明らかにした。
【0188】 手順1:ヘテロ二本鎖DNAのin vitro合成 下記の3工程の手順は、Kunkelらの方法の最適化された、大規模バージョンで
ある。オリゴヌクレオチドは、初めに5′−リン酸化し、次いでdU-ssDNAフ
ァージミド鋳型へとアニーリングした。最後に、オリゴヌクレオチドを、酵素を
用いて延伸させ、CCC−DNAを形成するよう連結した。
【0189】 工程1:オリゴヌクレオチドのリン酸化 下記のものをエッペンドルフ管内で併せる: オリゴヌクレオチド0.6μg 10xTM緩衝液2μl 10mMAのTP2μl 100mMのDTT1μl
【0190】 20μlの全体積まで水を加えた。20単位のT4ポリヌクレオチドキナーゼ
、を加えた。37℃で1時間温置する。
【0191】 工程2:オリゴヌクレオチドの鋳型へのアニーリング 下記のものをエッペンドルフ管内で併せる: dU-ssDNA鋳型20μg リン酸化オリゴヌクレオチド0.6μg 10xTM緩衝液25μl
【0192】 250μlの全体積まで水を加える。DNAの量は、オリゴヌクレオチド:鋳
型の長さの比が1:100であるとして、オリゴヌクレオチド:鋳型の3:1の
モル比を与える。
【0193】 2.90℃で2分間、50℃で3分間、20℃で5分間温置する。 工程3:CCC−DNAの酵素による合成 アニーリングしたオリゴヌクレオチド/鋳型に、下記のものを加える: 10mMATP10μl 25mMdNTP類 100mMDTT15μl 30単位のT4DNAリガーゼ(ワイス単位) 30単位のT7DNAポリメラーゼ
【0194】 20℃で少なくとも3時間温置する。Qiagen QIAquickDNA精製キットを用
いて、DNAを親和性精製し、脱塩する。製造者の指示に従う。QIAquickカラム
1本を用い、超純粋H2O35μlで溶出させる。
【0195】 一本鎖の鋳型と並行して反応1.0μlを電気泳動させる。DNAの視覚化の
ために、TAE/1.0%アガロースゲルを臭化エチジウムと併用する。成功し
た反応は、一本鎖の鋳型から二本鎖DNAへの完全な転化を招く。通常、2本の
生成物バンドが視認できる。低い方のバンドは、正しく伸展かつ連結された生成
物(CCC−DNA)であって、大腸菌を非常に効率的に形質転換させ、高い突
然変異頻度(>80%)を与える。上方のバンドは、T7DNAポリメラーゼの
固有の鎖転置活性から生じた、望ましくない生成物である。鎖転置された生成物
は、低い突然変異頻度(<20%)を与えるが、やはり大腸菌をCCC−DNA
より少なくとも30倍下回る効率で形質転換する。そのため、有意な比率の鋳型
をCCC−DNAに転化するならば、高い突然変異頻度が得られることになる。
ときには、第三の生成物バンドが視認される。上記の2バンド間を移動するこの
バンドは、正しく伸展されたが、連結されなかったDNAであって、不充分なT
4DNAリガーゼ活性、または非効率的なオリゴヌクレオチドのリン酸化のいず
れかから生じる。この生成物は、大腸菌を効率的に形質転換するが、低い突然変
異頻度を与えるため、避けなければならない。
【0196】 手順2:電気適格大腸菌SS320の調製 大腸菌SS320の(新鮮な2YT/tetプレートからの)一つのコロニー
を、2YT/tet1mlに摘み入れる。200rpmで振盪しつつ、37℃で約8
時間温置する。培養体を500ml入りバッフル付きフラスコ内の2YT/tet
50mlに移し、終夜増殖させる。終夜培養体5mlを、5μg/mlのテトラサイクリ
ンで強化したスーパーブロス900mlを内用する2L入りバッフル付きフラスコ
6本に接種する。細胞を0.6〜0.8のOD600まで増殖させる(約4時間)
【0197】 3本のフラスコを、氷上で、周期的に振盪しつつ、10分間冷却する。これ以
後の工程はすべて、適用できる場合に、氷上および冷所で実施する。培養体を、
予備冷却した400ml入り遠沈管6本に移す。SorvallのGS−3ローター(5
,000G)内で5krpm、2℃で5分間遠心分離する。培養体を遠心分離する間
に、残余の3本のフラスコを、氷上で冷却する。上清を傾瀉し、残余の3本のフ
ラスコからの培養体を同じ遠沈管に加える。遠心分離を繰り返し、上清を傾瀉す
る。
【0198】 各管を1.0mMHEPES、pH7.0で満たす。無菌の磁気攪拌バーを加える
(攪拌バーは、使用の前後に滅菌水で洗浄し、エタノール中に保管しなければな
らない)。攪拌バーを用いて、ペレットを再懸濁させる:簡単に渦を起こして、
ペレットを管壁から落とし、次いで程々の速度で攪拌して、ペレットを完全な再
懸濁に到らせる。GS−3ローター内で5krpm、2℃で10分間遠心分離する。
管をローターから取り出すときは、ペレットを乱さない角度に保つよう注意しな
ければならない。上清を傾瀉するが、攪拌バーは除去しない。前の工程を2回繰
り返す。各ペレットを10%グリセリン150mlに再懸濁させる。この時点では
、ペレットを併せない。
【0199】 GS−3ローター内で5krpm、2℃で15分間遠心分離する。上清を傾瀉し、
攪拌バーを除去する。残留する痕跡量の上清を無菌のピペットで除去する。最初
の管に10%グリセリン3.0mlを加え、ペレットを、静かにピペット吸入する
ことによって再懸濁させる。懸濁液をもう1本の管に移し、すべてのペレットを
再懸濁させるまで繰り返す。細胞350μlをアリコートとして、エッペンドル
フ管に採取し、ドライアイス上で瞬間凍結させ、−70℃で保管する。この手順
は、3x1011cfu/mlの濃度の細胞約12mlを生じる。
【0200】 手順3:大腸菌の電気穿孔およびファージ産生 精製したDNA、および0.2cmの間隙の電気穿孔キュベットを氷上で冷却す
る。電気適格大腸菌SS320のアリコート350μlを氷上で解凍する。細胞
をDNAに加え、数回のピペット吸入によって混合する。混合物をキュベットに
移し、電気穿孔する。好ましくは、BTX ECM−600電気穿孔システムを
下記の設定で用いる:2.5kVの電場強度、129Ωの抵抗、および50μFの
静電容量。これに代えて、Bio-rad Gene Pulserを下記の設定で用いることがで
きる:2.5kVの電場強度、200Ωの抵抗、および25μFの静電容量。
【0201】 直ちにSOC培地1mlを加え、250ml入りバッフル付きフラスコに移す。キ
ュベットをSOC培地1mlで2回洗浄する。SOC培地を25mlの最終体積まで
加え、振盪しつつ、37℃で30分間温置する。系統希釈物を2YT/carbプレ
ートに接種して、ライブラリーの多様性を決定する。培養体を、2YT/carb/
VCSを内容する2L入りバッフル付きフラスコに移す。振盪しつつ、37℃で
終夜温置する。培養体を、SorvallのGSAローター(16,000G)内で10krpm、
2℃で10分間遠心分離する。上清を新鮮な管に移し、1/5容のPEG−Na
Cl溶液を加えて、ファージを沈澱させる。室温で5分間温置する。
【0202】 GSAローター内で10krpm、2℃で10分間遠心分離する。上清を傾瀉する
。簡単に再回転させ、残留する上清をピペットで除去する。ファージペレットを
1/20容のPBSまたはPBT緩衝液に再懸濁させる。不溶性物質を、SS−
34ローター内で15krpm、2℃で5分間遠心分離することによってペレット化
する。上清を、清浄な管に移す。ファージ濃度を分光光度測定によって決定する
(5x1012ファージ/mlを含む溶液に対してOD268=1.0)。直ちに用い
るか、またはドライアイス上で瞬間凍結し、−70℃で保管する。
【0203】 手順4:ライブラリーの親和性選別 Maxisorp免疫プレートのウェルを標的タンパク質溶液(コーティング緩衝液中
2〜5μg/ml)100μlで、室温で2時間、または4℃で終夜被覆する。必要
とされるウェルの数は、ライブラリーの多様性に依存する。好ましくは、ファー
ジ濃度は、1013ファージ/mlを越えてはならず、ファージの総数は、ライブラ
リーの多様性を1,000倍上回ってはならない。従って、1010の多様性に対
しては、1013のファージを用いなければならず、1013ファージ/mlの濃度を
用いると、10個のウェルが必要とされることになる。
【0204】 コーティング溶液を除去し、PBS中0.2%のBSA200μlで1時間ブ
ロックする。同時に、等しい数の未被覆ウェルを、負の対照としてブロックする
。ブロック溶液を除去し、PT緩衝液で8回洗浄する。PBT緩衝液中のライブ
ラリーファージ溶液100μlを、被覆および未被覆ウェルのそれぞれに加える
。静かに振盪しつつ、室温で2時間温置する。ファージ溶液を除去し、PT緩衝
液で10回洗浄する。結合したファージを溶離させるため、100mMHCl10
0μlを加える。室温で5分間温置する。HCl溶液をエッペンドルフ管に移す
。1.0MのトリスHCl、pH8.0(約1/3容)で中和する。溶離したファ
ージ溶液の半量を、活溌に増殖中の大腸菌SS320またはXL1−Blue(
OD600<1.0)10容に加える。振盪しつつ、37℃で20分間温置する。
系統希釈物を2YT/carbプレートに接種して、溶離したファージの数を決定す
る。富化比:すなわち、未被覆ウェルから溶離したファージの数で除した、標的
タンパク質で被覆したウェルから溶離したファージの数を決定する。培養体を、
被覆したウェルから2YT/carb/VCS25容に移し、振盪しつつ、37℃で
終夜温置する。ファージ粒子を、手順4に記載のとおりに単離する。選別サイク
ルを反復して、富化率を最大値に到達させる。代表的には、富化は、第3または
4ラウンドで最初に観察され、第6ラウンドを越える選別は、稀に必要であるに
すぎない。配列分析およびファージELISAのために、個々のクローンを採取
する。
【0205】 溶液および培地 2YT:細菌−酵母エキス10g、細菌−トリプトン16g、NaCl5g;1Lま
で水を加え、NaOHでpHを7.0に調整;オートクレーブ、 2YT/carb:2YT、50μg/mlのカルベニシリン、 2YT/carb/VCS:2YT/carb、1010pfu/mlのVCSM13、 2YT/tet:2YT、5μg/mlのテトラサイクリン、 10%グリセリン:超純粋グリセリン100ml、およびH2O900ml;フィル
ター滅菌、 10xTM緩衝液:500mMトリスHCl、100mMMgCl2、pH7.5、 コーティング緩衝液:50mM炭酸ナトリウム、pH9.6、 OPD溶液:OPD10mg、30%H224μl、PBS12ml、 PBS:137mMNaCl、3mMKCl、8mMNaHPO4;HClでpHを7.
2に調整;オートクレーブ、 PEG−NaCl溶液:200g/LのPEG−8000、146g/LのNaCl;
オートクレーブ処理、 PT緩衝液:PBS、0.05%トゥイーン20、 PBT緩衝液:PBS、0.2%BSA、0.1%トゥイーン20、 SOC培地:細菌−酵母エキス5g、細菌−トリプトン20g、NaCl0.5g
、KCl0.2g;1.0Lまで水を加え、NaOHでpHを7.0に調整;オート
クレーブ;2.0MMgCl25ml(オートクレーブ処理)、および1.0Mグル
コース20ml(フィルター滅菌)、 スーパーブロス:細菌−酵母エキス24g、細菌−トリプトン12g、グリセリン
5ml;900mlまで水を加え;オートクレーブ;0.17MKH2PO4、0.7
2MK2HPO4100mlを加える(オートクレーブ処理)。
【0206】 例2−hGHのセリンショットガン走査 pW1205aを鋳型として用い、下記の突然変異誘発オリゴヌクレオチドを用いた
以外は、例1に記載したそのとおりにして、ライブラリーを構成した:
【0207】
【表9】
【0208】 得られたライブラリーは、示されたコドンが、表6に記載されたような縮重コ
ドンで置き換えられた、hGH変種を含んだ。このライブラリーは、2.1x1
10の独自成員を含んだ。ライブラリーを、上記のとおり、hGHbpまたは抗
hGH抗体のいずれかに対して選別し、得られた選択体を、上記のとおり分析し
た。
【0209】 各選択について、各位置でのセリンに対する野生型(wt)の比を下記のとお
り算出した: wt/Ser=nwt/nserine
【0210】 次いで、本発明者らは、(wt/Ser)bp/(wt/Ser)抗体の比を決
定した。
【0211】 この最終比、すなわち(wt/Ser)bp/(wt/Ser)抗体は、各側鎖
のセリンに対する突然変異に寄与し得る結合自由エネルギーに対する効果を測定
する。本発明者らは、下記を仮定した: (wt/Ser)bp/(wt/Ser)抗体=Ka,wt/Ka,Ser
【0212】 式中、Ka,wtおよびKa,Serは、それぞれ、wtに結合するhGHbp、また
はセリン置換hGHに対する会合平衡定数である。この仮定により、標準的な方
程式中の(wt/Ser)bp/(wt/Ser)抗体をKa,wt/Ka,Serに置き
換えることによって、結合自由エネルギーに対する各セリン突然変異種の効果の
量を得た。 ΔΔGSer-wt=RTln〔Ka,wt/Ka,Ser〕=RTln〔(wt/Se
r)bp/(wt/Ser)抗体
【0213】 例3−hGHの相同体ショットガン走査 標準的な分子生物学の手法を用いて、ファージミドpW1269aを構成した。ファ
ージミドpW1269aは、hGHの第14、15および16コドンも、TAA終止コ
ドンで置き換えられている以外は、ファージミドpW1205a(例1)と同一である
【0214】 ファージミドpW1269aを、4種類のオリゴヌクレオチドをhGH遺伝子中の終
止コドンを同時に修復するように設計した、Kunkel突然変異誘発法のための鋳型
として用い、望みの部位での突然変異を導入した。突然変異誘発性オリゴヌクレ
オチドは、下記の配列を有した:
【0215】
【表10】
【0216】 得られたライブラリーは、指示されたコドンが表Bに記載されたような縮重コ
ドンで置き換えられた、hGH変種を含んだ。このライブラリーは、1.3x1
9の独自の成員を含んだ。ライブラリーを、上記のとおり、hGHbpまたは
抗hGH抗体のいずれかに対して選別し、得られた選択体を、上記のとおり分析
した(例1および2を参照されたい)。突然変異した位置のそれぞれについて、
例2にセリン走査について記載されたとおり、ΔΔGmut-wtを各相同体置換のそ
れぞれについて決定した。この分析の結果を、表Cに示す。
【0217】 例4−タンパク質8(P8)のショットガン走査 pS1607は、M13バクテリオファージの表面でhGHを主要コートタンパク質
(タンパク質8、P8)との融合として表示するよう設計された、以前に記載さ
れたファージミドである〔Sidhu S.S., Weiss, G.A. & Wells, J. A. (2000) J.
Mol. Biol. 296:487-495〕。二つのファージミド(pR212aおよびpR212b)を、K
unkel突然変異誘発法を用い、pS1607を鋳型として用いて構成した。ファージミ
ドpR212aは、P8の第19および20コドンに代えてTAA終止コドンを含むが
、ファージミドpR212bは、P8の第44および45コドンに代えてTAA終止コ
ドンを含む。3種類の突然変異誘発オリゴヌクレオチドを、下記のとおり合成し
た:
【0218】
【表11】
【0219】 pR212aをOligo1によるKunkel突然変異誘発法のための鋳型として用いて
、P8の、両端を含む第1〜19位に突然変異が導入されたライブラリーを生成
した。同様に、Oligo2を用いて、P8の、両端を含む第20〜36位に突
然変異を有するライブラリーを構築した。最後に、pR212bをOligo3による
鋳型として用いて、P8の、両端を含む第37〜50位に突然変異が導入された
第三のライブラリーを構成した。各ライブラリーで、突然変異したコドンを、表
1に示したとおりの縮重コドンに置き換えた。
【0220】 各ライブラリーを選別して、上記のとおり、hGHbpに結合した成員を選ん
だ。陽性のクローンを、上記のとおり、特定し、配列決定し、分析した。P8の
各位置について、wt/突然変異体の比を決定したが、ここで、突然変異体は、
グリシン(wtがアラニンのとき)またはアラニン(その他のwtアミノ酸に対
して)のいずれかである。この分析の結果を、表Dに示す。
【0221】 wt/突然変異体の比は、ファージコートへのP8の組み込みに対する、特定
の側鎖の重要性を示す。wt/突然変異体が1.0より大きいならば、wtの側
鎖は、組み込みに有利に寄与する。逆に、wt/突然変異体が1.0より小さい
ならば、wtの側鎖は、組み込みに不利に寄与する。
【0222】 例5−抗Her2Fab−2C4ショットガン走査 ファージミドベクター(S74.C11と呼ぶ)を構築して、重鎖が遺伝子3の副次
コートタンパク質(P3)のC末端ドメインのN末端に融合した、M13バクテ
リオファージでFab−2C4を表示させた〔Cam Adamsを参照されたい〕。軽
鎖は、ファージで表示される重鎖による自由な軽鎖の組立によって生じた、溶液
および機能性Fab表示で自由に発現された。また、軽鎖は、そのN末端に融合
して、抗タグ抗体(抗タグ抗体3C8)による検出および選択を許す、エピトー
プタグ(MADPNRFRGKDL)(SEQ ID NO:17)を有した。
【0223】 第A部:軽鎖走査 標準的な分子生物学の手法を用いて、Fab−2C4の軽鎖の第27、28、
50、51、91および92コドンをTAA終止コドンで置き換えた;新たなフ
ァージミドをpS-1655aと名付けた。
【0224】 下記の突然変異誘発オリゴヌクレオチドを合成した:
【0225】
【表12】
【0226】 Kunkel突然変異誘発法を用い、pS-1655aを鋳型として用いて、二つのライブラ
リーを構築した。ライブラリー1のためには、Oligo1、2および3を同時
に用いて、pS-1655a内のTAA終止コドンを同時に修復し、示されたコドンを、
表1に示したとおりの縮重コドンで置き換えた。ライブラリー1は、1.4x1
10の独自の成員を含んだ。ライブラリー2は、Oligo4、5および6を用
いたこと以外は同様に構成した;ライブラリー2は、2.5x1010の独自の成
員を含んだ。
【0227】 各ライブラリーを、Her2または抗タグ抗体3C8のいずれかに対して別個
に選別した。得られた選択体を、上記の例2に記載されたとおりに分析した。各
位置について、(wt/Ala)Her2/(wt/Ala)抗体の比を決定し、H
er2抗原との結合相互作用に対する各側鎖の重要性を査定するために用いた。
1より大きい比率は、結合に正の寄与を示すが、1未満の比率は、結合に負の寄
与を示す。この場合は、抗タグ抗体3C8の選別を用いて、突然変異によるFa
b表示レベルに対する効果について修正したが、それは、この抗体が、表示され
たFabレベルを検出するが、Fab自体には結合しないからである(これに代
えて、それは、軽鎖に融合したエピトープタグに結合する)。この分析の結果を
、表Eに示す。
【0228】 第B部:重鎖走査 標準的な分子生物学の手法を用いて、Fab−2C4の重鎖の第28、29、
50、51、99および100コドンをTAA終止コドンで置き換えた;新たな
ファージミドをpS-1655bと名付けた。
【0229】 下記の突然変異誘発オリゴヌクレオチドを合成した:
【0230】
【表13】
【0231】 上記の第A部に記載されたとおりに、二つのライブラリーを構成、選別、分析
した。ライブラリー1の構成には、ファージミドpS1655bを、Oligo1、2
および3によるKunkel突然変異誘発法のための鋳型として用いた。同様に、ライ
ブラリー2は、Oligo4、5および6を用いて構成した。ライブラリー1は
、4.6x1010の独自の成員を含み、ライブラリー2は、2.4x1010の独
自の成員を含んだ。分析の結果を表Fに示す。
【0232】 例6−抗Her2Fab−2C4相同体走査 この走査は、走査される残基を、表Bに示した「相同体ショットガンコード」
に従って突然変異させたこと以外は、例5に記載されたとおりに実施した。
【0233】 第A部:軽鎖走査 下記の突然変異誘発オリゴヌクレオチドを合成した:
【0234】
【表14】
【0235】 Kunkel突然変異誘発法を用い、鋳型としてのpS1655a、ならびにOligo1
、2および3を用いて、ライブラリーを構成した。このライブラリーは、2.4
x1010の独自の成員を含んだ。上記の例5に記載されたとおりに、ライブラリ
ーを選別、分析した。この分析の結果を、表Gに示す。
【0236】 第B部:重鎖走査 下記のオリゴヌクレオチドを合成した:
【0237】
【表15】
【0238】 Kunkel突然変異誘発法を用い、pS1655bを鋳型として用いて、二つのライブラ
リーを構築した。ライブラリー1は、Oligo2、4および6を用いたが、こ
れらは、上記のとおり、重鎖CDR−1およびCDR−3を野生型Fab−2C
4配列へと修復し、CDR−2の重鎖を突然変異させた。ライブラリー1は、2
.2x1010の独自の成員を含んだ。ライブラリー2は、Oligo1、3およ
び5を用いたが、これらは、上記のとおり、重鎖CDR−2を野生型Fab−2
C4配列へと修復し、CDR−1およびCDR−3を突然変異させた。ライブラ
リー2は、2.4x1010の独自の成員を含んだ。上記のライブラリーを選別し
、上記、例5に記載されたとおりに分析した。分析の結果を、表Hに示す。
【0239】
【表16】
【0240】
【表17】
【0241】
【表18】
【0242】
【表19】
【0243】
【表20】
【0244】
【表21】
【0245】
【表22】
【0246】
【表23】
【0247】 1999年9月20日初めて公衆に入手可能になった、ckw@gene.comから得られた、
プログラムsgcount、および関連するサブルーチンに関するソースコードを、下
記に示す:
【0248】 sgcount−1セットの二項突然変異させたDNA配列〔Gregory A. Weiss, Colin
K. Watanabe, Alan Zhong, Audrey Goddard, Sachdev S. Sidhu "Rapid mappin
g of protein functional epitopes by combinatorial alanine scanning" PNAS
97:8950-8954, August 1, 2000も参照されたい〕
【0249】 用途:sgcount〔-n#〕〔-g#〕〔-ssbfile〕dna.fasta dna.master start-end>ou
tfile ここで、dna.fastaは、分析しようとする配列を含むfastaファイルであり;dn
a.masterは、マスターRNA(最初のMetで出発すると仮定される)であり;sta
rt-endは、目的の範囲(master.dna配列内で1から計数)である。これらの変数
は、すべて、指定された順序で示されなければならない。
【0250】 動作を制御するためのいくつかの選択肢がある: -n#:許されるN(未知の塩基)の最大数をを設定する(デフォルトは30)、
たとえば、-n6は、値を6に設定する。 -g#:許されるindelの最大数を設定する(デフォルトは6)、たとえば、-g8。
-sfile:目的の位置を示す「突然変異」ファイルを設定する(翻訳されたマスタ
ー配列中で1から計数)。「入力」を参照されたい。
【0251】 例:sgcount -n10 -22ibs dna.hgh ss.hgh 88-543>out
【0252】 入力:プログラムは、分析しようとする配列を含む標準fastaファイルを待って
いる。各配列の登録は、「>」で始まる表題行で始まり、配列がこれに続く: >DNA1 配列 >DNA2 配列
【0253】 省略してもよい「sib」ファイルは、「シブリングス」、すなわち指定された
位置で同一である配列について試験する際に、用いようとする位置を指定するの
に用いることができる。これらの複製物は、「sib」ファイルが指定されている
ならば、無視される(一例のみ用いられる)。
【0254】 「sib」ファイルは、位置のリストからなる(1から計数)。複数の位置を指
定することができ(数の間にカンマまたはスペースを入れる)、範囲(出発−終
点)が許される、たとえば: 41 41,45 48 61-64,67 68 164 167 168 171 172 175 176 178
【0255】 出力:出力は、stdoutに対して行なわれ、マスター配列中の各位置での各アミノ
酸の計数を与える、タブで区切られたファイルである。このファイルは、エクセ
ル、または詳しい分析のための類似のプログラムにインポートすることができる
【0256】 最初の列は、位置(1から)を示し、第二の列は、野生型に見出されるアミノ
酸を示し、これに続く22列は、各アミノ酸の計数(終止および未知を包含)を
示し、最後の列は、この位置で見出された酸の総数(この位置に有効なアミノ酸
を有する配列の数)を示す。
【0257】 pos wild A C D E F ... V W Y O X total 30 E 0 0 0 89 0 ... 0 0 0 0 0 89 31 F 0 0 0 0 89 ... 1 0 0 0 0 90
【0258】 診断ファイル(「要約」)は、各配列に関する情報を含むファイルであって、
やはり生成され、「sib」ファイルが指定されたならば、いかなるsib(akaの複
製)も含まれる。入力セット中の各配列に対して、下記の情報が与えられる: bpおよびコドンでの長さ、あいまいな塩基の数、マスターとの整合における間隙
の数、類似性の%、および「sib」ファイルが指定されたならば、目的の位置の
アミノ酸。登録が二重になったならば、要約の行の後に、重複を列挙する行が後
続する(たとえば、下記の67という登録は、7、52の重複であり;最初の登
録(7)は、用いられ、他のすべての重複は用いられない)。
【0259】 1.DNA134312:414bp、129コドン、1N、1間隙、94.9%〔配列〕 2.DNA134314:459bp、152コドン、1N、2間隙、94.8%〔配列〕 … 67.DNA134440:483bp、152コドン、0N、0間隙、94.8%〔配列〕 sibs:7 52 … 72.DNA134450:483bp、152コドン、0N、0間隙、94.4%〔配列〕 73.DNA134452:484bp、152コドン、4N、0間隙、95.0%〔配列〕 最大indel:6、最大N:10、最小%:87.0 拒絶0 sib2:{18ホットな応答:41 42 45 48 61 62 63 64 67 68 164 171 172 175 176 178}
【0260】
【表24】
【0261】 本発明は、必要にかられて、好適実施態様と関連付けて記載されているが、当
業者は、これまでの明細を読了した後は、ここに記述された主題事項に、その精
神および対象範囲から逸脱せずに、様々な変化、等価物の置換、および変更を実
施するすることができると思われる。したがって、本発明は、ここに具体的に記
載されたもの以外の方法で実施することができる。そのため、これに関する特許
状によって許可された保護は、付記されたクレームおよびその等価物によっての
み限定されるにすぎないものとする。
【0262】 上に引用されたすべての特許および参考文献は、その全体が参照によってここ
に組み込まれる。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 ヒト成長ホルモン(hGH)を、ショットガン走査して、ヒト成長ホルモン結
合性タンパク質(hGHbp、各対の右側の塗りつぶした棒)または抗hGH抗
体(各対の左側の斜線の棒)を19の突然変異させたhGH残基(x軸)につい
て選択した結果を示す図である。野生型の分画(y軸)は、330のhGHbp
で選ばれた配列、または175の抗h−GH抗体で選ばれたクローンの配列から
、Σn野生型/Σ(n野生型+nアラニン)によって算出した。誤差の棒は、9
5%の信頼度を表す。
【図2】 個々の残基のアラニン突然変異(y軸)に対するショットガン走査(x軸)を
示す図である。各hGH突然変異種に対する結合の際のΔΔGとしてここに示し
た、アラニン突然変異のデータは、Cunningham & Well〔 (1993), J. Mol. Biol
. 234:554〕に従って測定した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12P 21/02 G01N 33/566 G01N 33/53 C12N 15/00 ZNAA 33/566 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN, YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 BA80 CA04 CA07 DA01 DA02 DA05 DA06 DA11 EA03 EA04 EA10 HA08 HA09 4B064 AF27 CA02 CA05 CA10 CA12 CA19 CC24 DA03 DA13 4B065 AA01X AA26X AA57X AA87X AA98X AA98Y AB01 CA24 CA44 CA46

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の融合タンパク質をコードしている融合遺伝子を含むラ
    イブラリーであって、該融合タンパク質が、ファージコートタンパク質の少なく
    とも一部に融合したポリペプチド部分を含み、該融合タンパク質のポリペプチド
    部分が、予定された番号のアミノ酸位置で異なり、該融合遺伝子が、それぞれの
    予定されたアミノ酸位置で多くとも8個の異なるアミノ酸をコードしている、ラ
    イブラリー。
  2. 【請求項2】 複数の融合タンパク質をコードしている融合遺伝子を含む発
    現ベクターを含むライブラリーであって、該融合タンパク質が、ファージコート
    タンパク質の少なくとも一部に融合したポリペプチド部分を含み、該融合タンパ
    ク質のポリペプチド部分が、予定された番号のアミノ酸位置で異なり、該融合遺
    伝子が、それぞれの予定されたアミノ酸位置で多くとも8個の異なるアミノ酸を
    コードしている、ライブラリー。
  3. 【請求項3】 その表面で融合タンパク質を表示するファージまたはファー
    ジミド粒子を含み、複数の融合タンパク質をコードしている融合遺伝子を含むラ
    イブラリーであって、該融合タンパク質が、ファージコートタンパク質の少なく
    とも一部に融合したポリペプチド部分を含み、該融合タンパク質のポリペプチド
    部分が、予定された番号のアミノ酸位置で異なり、該融合遺伝子が、それぞれの
    予定されたアミノ酸位置で多くとも8個の異なるアミノ酸をコードしている、ラ
    イブラリー。
  4. 【請求項4】 融合遺伝子が、それぞれの予定されたアミノ酸位置で、野生
    型アミノ酸、単一の走査アミノ酸、および場合により二つの非野生型の非走査ア
    ミノ酸のみをコードしている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のライブラリ
    ー。
  5. 【請求項5】 融合遺伝子が、一つ以上の予定されたアミノ酸位置で、野生
    型アミノ酸および単一の走査アミノ酸のみをコードしている、請求項1〜3のい
    ずれか一項に記載のライブラリー。
  6. 【請求項6】 融合遺伝子が、それぞれの予定されたアミノ酸位置で、野生
    型アミノ酸および単一の走査アミノ酸のみをコードしている、請求項1〜3のい
    ずれか一項に記載のライブラリー。
  7. 【請求項7】 融合遺伝子が、一つ以上の予定されたアミノ酸位置で、野生
    型アミノ酸および相同な走査アミノ酸のみをコードしている、請求項1〜3のい
    ずれか一項に記載のライブラリー。
  8. 【請求項8】 融合遺伝子が、それぞれの予定されたアミノ酸位置で、野生
    型アミノ酸および相同な走査アミノ酸のみをコードしている、請求項1〜3のい
    ずれか一項に記載のライブラリー。
  9. 【請求項9】 融合遺伝子が、予定されたアミノ酸位置で、アラニン、シス
    テイン、フェニルアラニン、プロリン、イソロイシン、セリン、グルタミン酸お
    よびアルギニンよりなる群から選ばれる走査アミノ酸をコードしている、請求項
    1〜8のいずれか一項に記載のライブラリー。
  10. 【請求項10】 融合遺伝子が、予定されたアミノ酸位置で、少なくともア
    ラニンをコードしている、請求項1〜9のいずれか一項に記載のライブラリー。
  11. 【請求項11】 ファージコートタンパク質が、繊維状ファージコートタン
    パク質である、請求項1〜10のいずれか一項に記載のライブラリー。
  12. 【請求項12】 ファージコートタンパク質が、M13ファージのコートタ
    ンパク質3または8である、請求項1〜11のいずれか一項に記載のライブラリ
    ー。
  13. 【請求項13】 予定された番号が、2〜60、好ましくは5〜40、より
    好ましくは5〜35の範囲内にある、請求項1〜12のいずれか一項に記載のラ
    イブラリー。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13のいずれか一項に記載のライブラリーを含
    む宿主細胞。
  15. 【請求項15】 下記工程: 請求項3〜13のいずれか一項に記載の粒子のライブラリーを構築する工程; 該粒子ライブラリーを標的分子と接触させ、そして該粒子の少なくとも一部が
    該標的分子に結合する工程;及び 結合した粒子を、結合しなかったものから分離する工程 を含む方法。
  16. 【請求項16】 さらに、結合するか、または結合しない粒子のポリペプチ
    ドの少なくとも一部について、予定された位置の一つ以上、好ましくはすべてに
    おける野生型アミノ酸:走査アミノ酸の比率を決定する工程を含む、請求項15
    記載の方法。
  17. 【請求項17】 ポリペプチドおよび標的分子が、リガンド/受容体、受容
    体/リガンド、リガンド/抗体および抗体/リガンドを含むポリペプチド/標的
    分子対の群から選ばれる、請求項15または16記載の方法。
  18. 【請求項18】 生成物ポリペプチドを製造する方法であって、下記工程:
    (1)複製できる発現ベクターで形質転換された宿主細胞を培養する工程であっ
    て、複製できる発現ベクターは、宿主細胞内での該生成物ポリペプチドの発現を
    実施することができる、制御配列に動作可能に結合された生成物ポリペプチドを
    コードしているDNAを含み、ここで、該生成物ポリペプチドをコードしている
    DNAが、下記工程: (a)請求項2、4〜13のいずれか一項に記載の発現ベクターのライブラリ
    ーを構築する工程; (b)適切な宿主細胞を該発現ベクターのライブラリーで形質転換する工程; (c)該形質転換された宿主細胞を、その表面で変異融合タンパク質を表示す
    る、組換えファージまたはファージミド粒子を形成するために適切な条件下で培
    養する工程; (d)該組換え粒子を標的分子と接触させ、そして該粒子の少なくとも一部が
    該標的分子に結合する工程; (e)結合した粒子を、結合しなかったものから分離する工程; (f)該変異種の一つを生成物ポリペプチドとして選び、該生成物ポリペプチ
    ドをコードしているDNAを該複製できる発現ベクター内にクローニングする工
    程 を含む方法によって得られたものである工程;および (2)該発現された生成物ポリペプチドを回収する工程 を含む方法。
  19. 【請求項19】 さらに(f)選ばれた変異種を突然変異させ、突然変異し
    た変異種を形成し、そして該突然変異した変異種を生成物ポリペプチドとして選
    ぶ工程を含む、請求項18記載の方法。
  20. 【請求項20】 ポリペプチドのそのリガンドへの結合に対する、個々のア
    ミノ酸側鎖の寄与を決定する方法であって、 請求項3〜13のいずれか一項に記載の粒子のライブラリーを構築する工程; 該粒子の少なくとも一部が該標的分子に結合するように、該粒子のライブラリ
    ーを標的分子と接触させる工程; 結合した粒子を、結合しなかったものから分離する工程 を含む方法。
  21. 【請求項21】 さらに、野生型アミノ酸および走査アミノ酸が、それぞれ
    の予定されたアミノ酸位置にコードされており、結合するか、または結合しない
    粒子のポリペプチドの少なくとも一部について、該予定された位置の一つ以上、
    好ましくはすべてにおける野生型アミノ酸:走査アミノ酸の比率を決定する工程
    を含む、請求項20記載の方法。
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