JP2012214806A - インクジェット用インクならびにインクセット - Google Patents

インクジェット用インクならびにインクセット Download PDF

Info

Publication number
JP2012214806A
JP2012214806A JP2012117660A JP2012117660A JP2012214806A JP 2012214806 A JP2012214806 A JP 2012214806A JP 2012117660 A JP2012117660 A JP 2012117660A JP 2012117660 A JP2012117660 A JP 2012117660A JP 2012214806 A JP2012214806 A JP 2012214806A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
ink
heterocyclic
dye
examples
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Abandoned
Application number
JP2012117660A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiki Taguchi
敏樹 田口
Takashi Ozawa
孝 小澤
Manabu Ogawa
学 小川
Naotaka Wachi
直孝 和地
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2012117660A priority Critical patent/JP2012214806A/ja
Publication of JP2012214806A publication Critical patent/JP2012214806A/ja
Abandoned legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D11/00Inks
    • C09D11/30Inkjet printing inks
    • C09D11/32Inkjet printing inks characterised by colouring agents
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D11/00Inks
    • C09D11/30Inkjet printing inks
    • C09D11/40Ink-sets specially adapted for multi-colour inkjet printing
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Abstract

【課題】画像の保存安定性に優れ、さらにインク液の長期間の経時後においても吐出安定性に優れたインクジェット記録用インク組成物を提供する。
【解決手段】λmaxが500nmから700nmにあり、λmaxでの吸光度を1.0に規格化した希薄溶液の吸収スペクトルにおける半値幅が100nm以上であって、下記一般式で表される染料を少なくとも2種以上、水性媒体中に溶解または分散してなるインクジェット用ブラックインクであり、該染料のうち、少なくとも1つの染料の酸化電位が、1.0V(vs SCE)よりも貴であるインクジェット用ブラックインク。

【選択図】なし

Description

本発明は、画像の保存安定性に優れ、さらにインク液の長期間の経時後においても吐出安定性に優れたインクジェット記録用インク組成物に関する。
近年、コンピューターの普及に伴い、インクジェットプリンターがオフィスだけでなく家庭で紙、フィルム、布等に印字するために広く利用されている。
インクジェット記録方法には、ピエゾ素子により圧力を加えて液滴を吐出させる方式、熱によりインク中に気泡を発生させて液滴を吐出させる方式、超音波を用いた方式、あるいは静電力により液滴を吸引吐出させる方式がある。これらのインクジェット記録用インク組成物としては、水性インク、油性インク、あるいは固体(溶融型)インクが用いられる。これらのインクのうち、製造、取り扱い性・臭気・安全性等の点から水性インクが主流となっている。
これらのインクジェット記録用インクに用いられる着色剤に対しては、溶剤に対する溶解性が高いこと、高濃度記録が可能であること、色相が良好であること、光、熱、空気、水や薬品に対する堅牢性に優れていること、受像材料に対して定着性が良く滲みにくいこと、インクとしての保存性に優れていること、毒性がないこと、純度が高いこと、さらには、安価に入手できることが要求されている。しかしながら、これらの要求を高いレベルで満たす着色剤を捜し求めることは、極めて難しい。
既にインクジェット用として様々な染料や顔料が提案され、実際に使用されているが、未だに全ての要求を満足する着色剤は、発見されていないのが現状である。カラーインデックス(C.I.)番号が付与されているような、従来からよく知られている染料や顔料では、インクジェット記録用インクに要求される色相と堅牢性とを両立させることは難しい。
発明者らは、染料を使用したインクジェット用インクの開発を進めてきた。この中で、ヘテロ環アゾ型のイエロー染料が耐候性に優れた染料であることを見出してきた(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記染料を単独で使用した場合、多色と混合されたグレー部での光堅牢性が劣化しやすいという問題があることがわかった。
また、マゼンタ染料の種類によっては、堅牢性は優れるが高湿度条件下での画像のにじみが起きてしまうものがあったり、堅牢性はそこそこのものの、重量あたりの吸光係数が低く、吐出安定性を悪化させてしまうものなど、染料によって利害得失があり、単独染料ではすべての性能を満足することは困難であることがわかった。
さらに、水性のブラックインクは画像耐久性が低いという問題があることがわかった。また、カーボンブラックなどとは異なり、単独で文字などの印字品質の高い黒画像を得ることができるような黒染料はほとんどなく、数種の異なった吸収スペクトルを有する染料を混合して使用することが必要であることが分かった。しかしながらこの場合、混合する染料によって褪色速度が異なったり、ブロードな吸収特性を有する染料において褪色により吸収波形が変化したりすると、黒が含まれる画像の品質が著しく損なわれることが分かった。
これを回避するために、染料を各種混合する手法が考えられるが、構造が同じグループに属する染料を混合した場合、高い反射濃度の黒画像が得られにくいという問題がある。
また、水溶性のブラックインクは広い範囲の波長領域をカバーする吸収特性を有する必要性があるため、固形分濃度が上がりやすく、インクの吐出性が悪化しやすいという問題があることが分かった。
特開2004-168865
本発明が解決しようとする課題は、光・熱・オゾンガスに対する堅牢性、インク吐出性に優れ、にじみの無い画像を与えるインクジェット用インクならびにインクセットを提供することである。
本発明の課題は、下記〔1〕〜〔4〕項のインクジェット用インク、およびインクセット、により達成された。
〔1〕
λmaxが500nmから700nmにあり、λmaxでの吸光度を1.0に規格化した希薄溶液の吸収スペクトルにおける半値幅が100nm以上であって、下記一般式(B1−B1)で表される染料を少なくとも2種以上、水性媒体中に溶解または分散してなるインクジェット用ブラックインクであり、該染料のうち、少なくとも1つの染料の酸化電位が、1.0V(vs SCE)よりも貴であることを特徴とするインクジェット用ブラックインク。
一般式(B1−B1):

式中、A41は置換されていてもよいフェニル基、ナフチル基、2−ピリジル基、2−チエニル基、2−チアゾリル基、2−ベンゾチアゾリル基、2−ベンゾオキサゾリル基または2−フリル基を表し、B41およびB42は、各々=CR41−または−CR42−を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子、他方が=CR41−または−CR42=を表し、R41、R42、R47、R48およびG4は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよい脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、複素環スルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキルもしくはアリールチオ基、複素環チオ基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、複素環スルホニル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、複素環スルフィニル基、スルファモイル基、またはスルホ基を表し、R45およびR46は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有してもよい脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルまたはアリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表す。
〔2〕
上記一般式(B1−B1)中、A41が置換されていてもよいナフチル基であることを特徴とする、〔1〕に記載のインクジェット用ブラックインク。
〔3〕
上記一般式(B1−B1)で表される染料の含有量が0.2〜20質量%であることを特徴とする、〔1〕または〔2〕に記載のインクジェット用ブラックインク。
〔4〕
〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載のブラックインクを少なくとも1つ含有するインクジェット用インクセット。
本発明は、上記〔1〕〜〔4〕項に関するものであるが、その他の事項についても参考のために記載した。
(1)
λmaxが390nmから470nmにあり、λmaxの吸光度I(λmax)と、λmax+70nmの吸光度I(λmax+70nm)との比I(λmax+70nm)/ I(λmax)が0.4以下で、かつ酸化電位が1.0V(vs SCE)よりも貴である染料を少なくとも2種、水性媒体中に溶解または分散してなるインクジェット用イエローインクにおいて、該染料の少なくとも1種が、下記一般式(Y1)で表される染料であることを特徴とする、インクジェット用イエローインク。
一般式(Y1)
(A11-N=N-B11)n−L
式中、A11およびB11はそれぞれ独立して、置換されていてもよい複素環基を表す。nは1または2を表し、Lは水素原子、1価の置換基、単なる結合または2価の連結基を表す。但し、nが1の場合にはLは水素原子または1価の置換基を表し、A11、B11共に1価の複素環基である。nが2の場合にはLは単なる結合または2価の連結基を表し、A11が1価の複素環基であり、B11が2価の複素環基である。
(2)
少なくとも一種の染料が、下記一般式(Y2)または(Y3)で表されるイエロー染料であることを特徴とする(1)記載のインクジェット用イエローインク。
一般式(Y2)
P-N=N-Q
式中、Pは置換されていてもよいアリール基であり、Qは置換されていてもよい複素環基を表す。
一般式(Y3)
X-N=N-Y
式中、XおよびYは、置換されていてもよいアリール基を表す。
(3)
一般式(Y1)で表される染料の、イエローインク中に含まれる全染料に対する質量含有百分率が、50%以上であることを特徴とする(1)または(2)に記載のインクジェット用イエローインク。
(4)
λmaxが500nmから700nmにあり、λmaxでの吸光度を1.0に規格化した希薄溶液の吸収スペクトルにおける半値幅が100nm以上である染料を少なくとも2種以上、水性媒体中に溶解または分散してなるインクジェット用ブラックインクであり、該染料のうち、少なくとも1つの染料の酸化電位が、1.0V(vs SCE)よりも貴であることを特徴とするインクジェット用ブラックインク。
(5)
染料のλmaxが350nmから500nmにある染料をさらに少なくとも1種含有することを特徴とする(4)記載のインクジェット用ブラックインク。
(6)
少なくとも1つの染料が、下記一般式(B1)で表される化合物であることを特徴とする、(4)または(5)に記載のインクジェット用ブラックインク。
一般式(B1)
41−N=N−A42−N=N=A43
式中、A41、A42およびA43は、それぞれ独立に、芳香族基、または複素環基を表し、各基は更に置換されていてもよい。A41およびA43は一価の基であり、A42は二価の基である。
(7)
少なくとも1つの染料が、下記一般式(B2)で表される化合物であることを特徴とする、(4)〜(6)のいずれかに記載のインクジェット用ブラックインク。
一般式(B2)
P−(N=N−Qx)y−N=N−R
式中、P,QおよびRは置換されていてもよい芳香族基を表す。xは1以上、yは0以上の整数である。
(8)
一般式(B2)において、Qが多環芳香族からなる基であり、xが1以上の整数であることを特徴とする(7)記載のインクジェット用ブラックインク。
(9)
λmaxが350nmから500nmにある染料が、(6)記載の一般式(B1)で表される化合物であることを特徴とする、(5)に記載のインクジェット用ブラックインク。
(10)
少なくとも、第一の染料と、第一の染料と異なる構造を有する第二の染料とを含み、第一の染料及び第二の染料は互いに独立して、酸化電位が1.0V(vs SCE)より貴の染料であり、第一の染料がアゾ基を有するアゾ染料であり該アゾ基の両端に複素環が連結することを特徴とするインクジェット用マゼンタインク。
(11)
上記第二の染料がアントラピリドン型染料であることを特徴とする(10)記載のインクジェット用マゼンタインク。
(12)
該アゾ染料が、下記一般式(M1)で表される化合物であることを特徴とする(10)または(11)に記載のインクジェット用マゼンタインク。
一般式(M1):
式中、A31は5員複素環を表す。
31およびB32は各々=CR31−もしくは−CR32=を表すか、またはいずれか一方が窒素原子、他方が=CR31−もしくは−CR32=を表す。
35、R36は各々独立に水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表わし、各基は更に置換基を有していても良い。
3、R31およびR32は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アリールアミノ基、複素環アミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、複素環スルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキル及びアリールチオ基、アルキル及びアリールスルホニル基、複素環スルホニル基、アルキル及びアリールスルフィニル基、複素環スルフィニル基、スルファモイル基、スルホ基、または複素環チオ基を表し、各基は更に置換されていても良い。
31とR35、またはR35とR36が結合して5または6員環を形成してもよい。
(13)
該アントラピリドン型染料が、下記一般式(M2)で表される化合物であることを特徴とする(11)または(12)に記載のインクジェット用マゼンタインク。
一般式(M2):
(式中Rは水素原子、アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、シクロヘキシル基、モノ又はジアルキルアミノアルキル基又はシアノ低級アルキル基を、Yは塩素、水酸基、アミノ基、モノ又はジアルキルアミノ基(アルキル基上にスルホン酸基、カルボキシ基および水酸基からなる群から選択される置換基を有してもよい)、アラルキルアミノ基、シクロアルキルアミノ基、アルコキシ基、フェノキシ基(ベンゼン環上にスルホン酸基、カルボキシ基、アセチルアミノ基、アミノ基及び水酸基からなる群から選択される置換基で置換されていても良い)、アニリノ基(スルホン酸基及びカルボキシ基からなる群から選択される1種又は2種の置換基で置換されていても良い。)、ナフチルアミノ基(ナフチル基はスルホン酸基で置換されていても良い。)、又はモノ又はジアルキルアミノアルキルアミノ基を表し、Xは架橋基をそれぞれ表し、Zは水素原子、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、アルキルアミノ基、アルカノ−ルアミノ基、アンモニウム基を表す。
(14)
(1)〜(3)のいずれかに記載のイエローインク、(4)〜(9)のいずれかに記載のブラックインク、または(10)〜(13)のいずれかに記載のマゼンタインクを少なくとも1つ含有するインクジェット用インク。
(15)
酸化電位が1.0V(VS SCE)より貴である染料を、少なくとも一種以上含むマゼンタインクを、少なくとも2種それぞれ独立して有するインクジェット用インクセットであって、一方のマゼンタインクにはアゾ基の両端に複素環が連結したアゾ染料を含み、他方のマゼンタインクにはアゾ染料以外の構造を有する染料を含むことを特徴とするインクジェット用インクセット。
(16)
少なくとも二種のマゼンタインクに含まれる少なくとも1種の染料が、(12)記載の一般式(M1)または(13)記載の一般式(M2)で表される染料であることを特徴とする、(15)記載のインクジェット用インクセット。
(17)
少なくとも2つのマゼンタインクのうちの少なくとも一方が(12)記載の一般式(M1)で表される染料を含むことを特徴とする、(15)または(16)記載のインクジェット用インクセット。
(18)
少なくとも2つのマゼンタインクのうちの少なくとも一方が(13)記載の一般式(M2)で表される染料を含むことを特徴とする、(15)〜(17)のいずれかに記載のインクジェット用インクセット。
(19)
少なくとも2つのマゼンタインクのうちの少なくとも一方が(12)記載の一般式(M1)で表される染料および(13)記載の一般式(M2)で表される染料を含むことを特徴とする、(15)〜(18)のいずれかに記載のインクジェット用インクセットによって達成された。
本発明によって、純色および混合色中でも変わらず耐候性ならびに吐出性に優れたインクジェット用イエローインクならびにインクセットが達成された。
また、本発明は、2種以上のブラック染料を併用することで、吸光特性に優れフラットなスペクトルを有するブラックインク、すなわち高濃度の黒画像を達成するともに、従来よりブラックインクにおいて問題となっていた溶解性を向上させるものである。
本発明のブラックインク及び、係るインクセットによって、吐出性に優れたインク並びに高濃度で耐久性に優れた画像が達成される。
さらに本発明によって、画像の保存安定性に優れ、またインク液の長期間の経時後においても吐出安定性に優れたインクジェット用マゼンタインク、及び係るインクセットが達成される。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明におけるインクのλmaxは、最大吸光度が1〜2の間に入るように水で希釈して分光吸収測定を行ったときに、吸光度が最大となる波長とする。本発明でイエローインクとは、λmaxが390nmから470nmにあり、半値幅が100nm未満のインクである。
本発明において使用するイエロー染料は、堅牢性、オゾンガスに対する堅牢性の点から、酸化電位が1.0V(vs SCE)よりも貴である染料が好ましく、1.1V(vs SCE)よりも貴である染料がさらに好ましく、1.2V(vs SCE)よりも貴である染料が特に好ましい。染料の種類としては、上記物性要件を満たすアゾ染料が特に好ましい。
酸化電位の値(Eox)は当業者が容易に測定することができる。この方法に関しては、例えばP.Delahay著“New InstrumentalMethods in
Electrochemistry”(1954年 Interscience Publishers社刊)やA.J.Bard他著“Electrochemical Methods”(1980年 JohnWiley & Sons社刊)、藤嶋昭他著“電気化学測定法”(1984年 技報堂出版社刊)に記載されている。
具体的に酸化電位は、過塩素酸ナトリウムや過塩素酸テトラプロピルアンモニウムといった支持電解質を含むジメチルホルムアミドやアセトニトリルのような溶媒中に、被験試料を1×10-2〜1×10-6モル/リットル溶解して、サイクリックボルタンメトリーを用いてSCE(飽和カロメル電極)に対する値として測定する。この値は、液間電位差や試料溶液の液抵抗などの影響で、数10ミリボルト程度偏位することがあるが、標準試料(例えばハイドロキノン)を入れて電位の再現性を保証することができる。
なお、電位を一義的に規定する為、本発明では、 0.1moldm-3の過塩素酸テトラプロピルアンモニウムを支持電解質として含むジメチルホルムアミド中(染料の濃度は0.001moldm-3)で測定した値(vs SCE)を染料の酸化電位とする。
Eoxの値は試料から電極への電子の移りやすさを表わし、その値が大きい(酸化電位が貴である)ほど試料から電極への電子の移りにくい、言い換えれば、酸化されにくいことを表す。化合物の構造との関連では、電子求引性基を導入することにより酸化電位はより貴となり、電子供与性基を導入することにより酸化電位はより卑となる。本発明では、求電子剤であるオゾンとの反応性を下げるために、染料骨格に電子求引性基を導入して酸化電位をより貴とすることが望ましい。
また、本発明において使用するイエロー染料は、堅牢性が良好であると共に色相が良好であるということが好ましく、特に吸収スペクトルにおいて長波側の裾切れが良好であることが好ましい。このためλmaxが390nmから470nmにあり、λmaxの吸光度I(λmax)と、λmax+70nmの吸光度I(λmax+70nm)との比I(λmax+70nm)/ I(λmax)が、0.4以下であるイエロー染料が好ましく、より好ましくは0.2以下であり、さらに好ましくは0.15以下であり、0.10以下が特に好ましい。
上記吸光度比は、ジアゾ成分、カプラー成分と共に、アゾ基を挟んだ遷移モーメントがなるべく均一となるように設計することにより得られる。なお、ここで定義した吸収波長及び吸光度は溶媒(水又は酢酸エチル)中での値を示す。
本発明では、このような酸化電位及び吸収特性を満足する染料として、下記一般式(Y1)で表されるものを使用する。
一般式(Y1)
(A11-N=N-B11)n−L
式中、A11およびB11はそれぞれ独立して、置換されていてもよい複素環基を表す。前記複素環としては、5員環または6員環から構成された複素環が好ましく、単環構造であっても、2つ以上の環が縮合した多環構造であっても良く、芳香族複素環であっても非芳香族複素環であっても良い。前記複素環を構成するヘテロ原子としては、N、O、S原子が好ましい。nは1または2から選ばれる整数を表し、2がより好ましい。LはA11もしくはB11と任意の位置で結合した置換基を表し、nが1の場合にはLは水素原子もしくは1価の置換基を表し、nが2の場合にはLは単なる結合もしくは2価の連結基を表す。nが2の場合には、2つのA11は同じでも異なっていてもよく、また2つのB11も同じでも異なっていてもよい。
前記一般式(Y1)において、A11で表される複素環としては、5−ピラゾロン、ピラゾール、トリアゾール、オキサゾロン、イソオキサゾロン、バルビツール酸、ピリドン、ピリジン、ローダニン、ピラゾリジンジオン、ピラゾロピリドン、メルドラム酸およびこれらの複素環にさらに炭化水素芳香環や複素環が縮環した縮合複素環が好ましい。中でも5-ピラゾロン、5−アミノピラゾール、ピリドン、2,6−ジアミノピリジン、ピラゾロアゾール類が好ましく、5−アミノピラゾール、2−ヒドロキシ−6−ピリドン、ピラゾロトリアゾールが特に好ましい。
11で表される複素環としては、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、キノキサリン、ピロール、インドール、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピラゾール、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ベンゾオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンゾイソチアゾール、チアジアゾール、ベンゾイソオキサゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、イミダゾリジン、チアゾリンなどが挙げられる。中でもピリジン、キノリン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピラゾール、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ベンゾオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンゾイソチアゾール、チアジアゾール、ベンゾイソオキサゾールが好ましく、キノリン、チオフェン、ピラゾール、チアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、イソチアゾール、イミダゾール、ベンゾチアゾール、チアジアゾールがさらに好ましく、ピラゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、イミダゾール、1,2,4-チアジアゾール、1,3,4-チアジアゾールが特に好ましい。
11およびB11に置換する置換基は、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基もしくは下記のイオン性親水性基が例として挙げられる。
Lが表す1価の置換基としては、上記A11及びB11に置換する置換基もしくは下記のイオン性親水性基を挙げることができる。
Lが表す2価の連結基としては、アルキレン基、アリーレン基、複素環残基、−CO−、−SO−(nは0、1、2)、−NR−(Rは水素原子、アルキル基、アリール基を表す)、−O−、およびこれらの連結基を組み合わせた二価の基であり、さらにそれらはA11及びB11に置換する置換基で挙げた置換基もしくは下記のイオン性親水性基を有していても良い。
一般式(Y1)の染料を水溶性染料として使用する場合には、分子内にイオン性親水性基を少なくとも1つ有することが好ましい。イオン性親水性基には、スルホ基、カルボキシル基、ホスホノ基および4級アンモニウム基等が含まれる。前記イオン性親水性基としては、カルボキシル基、ホスホノ基、およびスルホ基が好ましく、中でもカルボキシル基、スルホ基が好ましい。特に少なくとも1つはカルボキシル基である事が最も好ましい。カルボキシル基、ホスホノ基およびスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)および有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれる。対イオンの中でもアルカリ金属塩が好ましい。
一般式(Y1)で表される染料の中でも、A11−N=N−B11の部分が下記一般式(Y4)、(Y5)、(Y6)に相当する染料が好ましい。
一般式(Y4):
一般式(Y4)中、R1およびR3は、水素原子、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アリール基またはイオン性親水性基を表し、R2は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、カルバモイル基、アシル基、アリール基または複素環基を表し、R4は複素環基を表す。
一般式(Y5):
一般式(Y5)中、 R5は、水素原子、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アリール基またはイオン性親水性基を表し、 Zaは−N=、−NH−、または−C(R11)=を表し、ZbおよびZcは各々独立して、−N=または−C(R11)=を表し、R11は水素原子または非金属置換基を表し、R6は複素環基を表す。
一般式(Y6):
一般式(Y6)において、 R7およびR9は各々独立して、水素原子、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、またはイオン性親水性基を表し、R8は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、シアノ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、ウレイド基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、アシル基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヒドロキシ基、またはイオン性親水性基を表し、R10は複素環基を表す。
前記一般式(Y4)、(Y5)および(Y6)中、 R1、R2、R3、R5、R7、R8およびR9が表すアルキル基には、置換基を有するアルキル基および無置換のアルキル基が含まれる。前記アルキル基としては、炭素原子数が1乃至20のアルキル基が好ましい。
前記置換基の例には、ヒドロキシル基、アルコキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、およびイオン性親水性基が含まれる。前記アルキル基の例には、メチル、エチル、ブチル、イソプロピル、t−ブチル、ヒドロキシエチル、メトキシエチル、シアノエチル、トリフルオロメチル、3−スルホプロピル、および4−スルホブチルが含まれる。
R1、R2、R3、R5、R7、R8およびR9が表すシクロアルキル基には、置換基を有するシクロアルキル基および無置換のシクロアルキル基が含まれる。前記シクロアルキル基としては、炭素原子数が5乃至12のシクロアルキル基が好ましい。前記置換基の例にはイオン性親水性基が含まれる。前記シクロアルキル基の例には、シクロヘキシルが含まれる。R1、R2、R3、R5、R7、R8およびR9が表すアラルキル基には、置換基を有するアラルキル基および無置換のアラルキル基が含まれる。前記アラルキル基としては、炭素原子数が7乃至20のアラルキル基が好ましい。前記置換基の例にはイオン性親水性基が含まれる。前記アラルキル基の例には、ベンジル、および2−フェネチルが含まれる。
R1、R2、R3、R5、R7、およびR9が表すアリール基には、置換基を有するアリール基および無置換のアリール基が含まれる。前記アリール基としては、炭素原子数が6乃至20のアリール基が好ましい。前記置換基の例には、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アルキルアミノ基、およびイオン性親水性基が含まれる。前記アリール基の例には、フェニル、p−トリル、p−メトキシフェニル、o−クロロフェニル、およびm−(3−スルホプロピルアミノ)フェニルが含まれる。
R1、R2、R3、R5、R7、R8およびR9が表すアルキルチオ基には、置換基を有するアルキルチオ基および無置換のアルキルチオ基が含まれる。前記アルキルチオ基としては、炭素原子数が1乃至20のアルキルチオ基が好ましい。前記置換基の例にはイオン性親水性基が含まれる。前記アルキルチオ基の例には、メチルチオおよびエチルチオが含まれる。R1、R2、R3、R5、R7、R8およびR9が表すアリールチオ基には、置換基を有するアリールチオ基および無置換のアリールチオ基が含まれる。前記アリールチオ基としては、炭素原子数が6乃至20のアリールチオ基が好ましい。前記置換基の例には、アルキル基、およびイオン性親水性基が含まれる。前記アリールチオ基の例には、フェニルチオ基およびp−トリルチオが含まれる。
R2で表される複素環基は、5員または6員の複素環が好ましくそれらはさらに縮環していても良い。複素環を構成するヘテロ原子としては、N、S、Oが好ましい。また、芳香族複素環であっても非芳香族複素環であっても良い。前記複素環はさらに置換されていてもよく、置換基の例としては、後述のアリール基の置換基と同じものが挙げられる。好ましい複素環は、6員の含窒素芳香族複素環であり、特にトリアジン、ピリミジン、フタラジンを好ましい例としてあげることが出来る。
R8が表すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子および臭素原子が挙げられる。R1,R3,R5,R8が表すアルコキシ基には、置換基を有するアルコキシ基および無置換のアルコキシ基が含まれる。前記アルコキシ基としては、炭素原子数が1乃至20のアルコキシ基が好ましい。前記置換基の例には、ヒドロキシル基、およびイオン性親水性基が含まれる。前記アルコキシ基の例には、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、メトキシエトキシ、ヒドロキシエトキシおよび3−カルボキシプロポキシが含まれる。
R8が表すアリールオキシ基には、置換基を有するアリールオキシ基および無置換のアリールオキシ基が含まれる。前記アリールオキシ基としては、炭素原子数が6乃至20のアリールオキシ基が好ましい。前記置換基の例には、アルコキシ基、およびイオン性親水性基が含まれる。前記アリールオキシ基の例には、フェノキシ、p−メトキシフェノキシおよびo−メトキシフェノキシが含まれる。R8が表すアシルアミノ基には、置換基を有するアシルアミノ基および無置換のアシルアミノ基が含まれる。前記アシルアミノ基としては、炭素原子数が2乃至20のアシルアミノ基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記アシルアミノ基の例には、アセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミドおよび3,5−ジスルホベンズアミドが含まれる。
R8が表すスルホニルアミノ基には、置換基を有するスルホニルアミノ基および無置換のスルホニルアミノ基が含まれる。前記スルホニルアミノ基としては、炭素原子数が1乃至20のスルホニルアミノ基が好ましい。前記スルホニルアミノ基の例には、メチルスルホニルアミノ、およびエチルスルホニルアミノが含まれる。R8が表すアルコキシカルボニルアミノ基には、置換基を有するアルコキシカルボニルアミノ基および無置換のアルコキシカルボニルアミノ基が含まれる。前記アルコキシカルボニルアミノ基としては、炭素原子数が2乃至20のアルコキシカルボニルアミノ基が好ましい。前記置換基の例にはイオン性親水性基が含まれる。前記アルコキシカルボニルアミノ基の例には、エトキシカルボニルアミノが含まれる。
R8が表すウレイド基には、置換基を有するウレイド基および無置換のウレイド基が含まれる。前記ウレイド基としては、炭素原子数が1乃至20のウレイド基が好ましい。前記置換基の例には、アルキル基およびアリール基が含まれる。前記ウレイド基の例には、3−メチルウレイド、3,3−ジメチルウレイドおよび3−フェニルウレイドが含まれる。
R7,R8、R9が表すアルコキシカルボニル基には、置換基を有するアルコキシカルボニル基および無置換のアルコキシカルボニル基が含まれる。前記アルコキシカルボニル基としては、炭素原子数が2乃至20のアルコキシカルボニル基が好ましい。前記置換基の例にはイオン性親水性基が含まれる。前記アルコキシカルボニル基の例には、メトキシカルボニルおよびエトキシカルボニルが含まれる。
R2,R7、R8、R9が表すカルバモイル基には、置換基を有するカルバモイル基および無置換のカルバモイル基が含まれる。前記置換基の例にはアルキル基が含まれる。前記カルバモイル基の例には、メチルカルバモイル基およびジメチルカルバモイル基が含まれる。R8が表す置換基を有するスルファモイル基および無置換のスルファモイル基が含まれる。前記置換基の例には、アルキル基が含まれる。前記スルファモイル基の例には、ジメチルスルファモイル基およびジ−(2−ヒドロキシエチル)スルファモイル基が含まれる。
R8が表すスルホニル基の例には、メタンスルホニルおよびフェニルスルホニルが含まれる。R2、R8が表すアシル基には、置換基を有するアシル基および無置換のアシル基が含まれる。前記アシル基としては、炭素原子数が1乃至20のアシル基が好ましい。
前記置換基の例にはイオン性親水性基が含まれる。前記アシル基の例には、アセチルおよびベンゾイルが含まれる。
R8が表すアミノ基には、置換基を有するアミノ基および無置換のアミノ基が含まれる。置換基の例にはアルキル基、アリール基、複素環基が含まれる。アミノ基の例には、メチルアミノ、ジエチルアミノ、アニリノおよび2−クロロアニリノが含まれる。
R4、R6,R10で表される複素環基は、一般式(Y1)のB11で表される置換されていてもよい複素環基と同じであり、好ましい例、さらに好ましい例、特に好ましい例も先述のものと同じである。置換基としては、イオン性親水性基、炭素原子数が1乃至12のアルキル基、アリール基、アルキルまたはアリールチオ基、ハロゲン原子、シアノ基、スルファモイル基、スルホンアミノ基、カルバモイル基、およびアシルアミノ基等が含まれ、前記アルキル基およびアリール基等はさらに置換基を有していてもよい。
前記一般式(Y5)中、Zaは−N=、−NH−、または−C(R11)=を表し、ZbおよびZcは各々独立して、−N=または−C(R11)=を表し、R11は水素原子または非金属置換基を表す。R11が表す非金属置換基としては、シアノ基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、またはイオン性親水性基が好ましい。前記置換基の各々は、R1が表す各々の置換基と同義であり、好ましい例も同様である。前記一般式(Y5)に含まれる2つの5員環からなる複素環の骨格例を下記に示す。
上記で説明した各置換基がさらに置換基を有していても良い場合の置換基の例としては、先述の一般式(Y1)の複素環A11,B11に置換しても良い置換基を挙げることが出来る。
前記一般式(Y4)〜(Y6)で表される染料を水溶性染料として使用する場合には、分子内にイオン性親水性基を少なくとも1つ有することが好ましい。前記一般式(Y4)〜(Y6)中の、R1、R2、R3、R5、R7、R8およびR9がイオン性親水性基である染料の他、前記一般式(Y4)〜(Y6)中の、R1〜R11がさらにイオン性親水性基を置換基として有する染料が含まれる。イオン性親水性基には、スルホ基、カルボキシル基、ホスホノ基および4級アンモニウム基等が含まれる。前記イオン性親水性基としては、カルボキシル基、ホスホノ基、およびスルホ基が好ましく、特にカルボキシル基、スルホ基が好ましい。カルボキシル基、ホスホノ基およびスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)および有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれる。対イオンの中でもアルカリ金属塩が好ましい。
上記一般式(Y4)(Y5)(Y6)のうち、好ましいものは一般式(Y4)であるが、中でも下記一般式(Y4−1)で表されるものが特に好ましい。
一般式(Y4−1):
式(Y4−1)中、R21及びR23は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルコキシ基またはアリール基を表す。R22は、水素原子、アリール基または複素環基を表す。X及びYは、一方は窒素原子を表し、他方は−CR24を表す。R24は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル基、アルキルスルフィニル基、アルキルオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アリール基、アリールチオ基、アリールスルホニル基、アリールスルフィニル基、アリールオキシ基またはアシルアミノ基を表す。それぞれの置換基はさらに置換していてもよい。
本発明で使用される好ましい染料としては、特開2004−83903号、特開2003−277662号、特開2003−277661号、特開2003−128953号、特開2003−41160号に記載されたものが挙げられるが、中でも以下に例示する化合物が特に好ましい。なお、本発明に用いることのできる染料は、これらに限定されるものではない。これらの化合物は上記特許の他、特開平2−24191号、特開2001−279145号を参考にして合成することができる。
本発明のイエローインクには、上記染料のほかに、下記一般式(Y2)または(Y3)で表され、かつ酸化電位が1.0V(VS SCE)より貴であるイエロー染料を含有することが好ましい。
(Y2) P−N=N−Q
ここで、Pは置換されていてもよいアリール基を表し、Qは置換されていてもよい複素環基を表し、
(Y3) X−N=N−Y
ここで、X及びYはそれぞれ置換されていてもよいアリール基を表す。
ここで、一般式(Y2)中、Qは置換されていてもよい複素環基を表し、その内容は一般式(Y1)で詳述したものと同じである。また、一般式(Y2)中のP、及び一般式(Y3)中における、X及びYは、置換されていてもよいアリール基を表す。一般式(Y2)中で、複素環でないものはアリール基が好ましく、ここでいうアリール基の例としては、フェニル基、置換フェニル基、ナフチル基、置換ナフチル基などが好ましい。
また、置換基としては、種々のものが置換可能である。例えばアルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル等が挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニル等が挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニル等が挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル等が挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜12、特に好ましくは炭素数0〜6であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジフェニルアミノ、ジベンジルアミノ等が挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ等が挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、2−ナフチルオキシ等が挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイル等が挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル等が挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜10であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシ等が挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノ等が挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノ等が挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノ等が挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノ等が挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜16、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイル等が挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイル等が挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオ等が挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオ等が挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシル等が挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニル等が挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイド等が挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミド等が挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、複素環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含むものであり具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、カルバゾリル、アゼピニル等が挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリル等が挙げられる。)等が挙げられる。これらの置換基は更に置換されても良い。また置換基が二つ以上ある場合は、同一でも異なっていても良い。また、可能な場合には互いに連結して環を形成していても良い。
以下に、本発明で使用される一般式(Y2)、(Y3)に相当する好ましい染料の具体例を示すが、本発明に用いられる染料は、下記の具体例に限定されるものではない。
本発明のインクジェット用イエローインクは、前記アゾ染料を好ましくは、総計で0.2〜20質量%含有し、より好ましくは、0.5〜15質量%含有する。そのうち、好ましくは50質量%以上が一般式(Y1)で表される染料である。
本発明のブラックインクでは、波長λmaxが500nmから700nmにあり、吸光度1.0に規格化した希薄溶液の吸収スペクトルにおける半値幅(Wλ,1/2)が100nm以上(好ましくは120nm以上500nm以下、さらに好ましくは120nm以上350nm以下)である染料(L)を少なくとも2種以上使用することが好ましい。
また、ブラックインクに使用する上記染料(L)のうち、少なくとも1つの染料の酸化電位は、1.0V(vs SCE)よりも貴、好ましくは1.1V(vs SCE)よりも貴、さらに好ましくは1.2V(vs SCE)よりも貴、最も好ましくは1.25V(vs SCE)よりも貴であることが好ましい。
酸化電位値(Eox)は、当業者が容易に測定することができ、測定法としては、染料を溶解した水溶液もしくは水混合溶媒系におけるサイクリックボルタンメトリー法(CV)、回転リングディスク電極法、櫛形電極法等、種々の測定法が利用可能である。
本発明においては、前記染料(L)を混合して水性媒体中に溶解または分散することによりブラックインクを作製するが、該ブラックインクには、下記の染料を含むものが好ましい。
前記染料(L)単独で、画像品質の高い「(しまりのよい)黒」=観察光源によらず、かつB、G、Rのいずれかの色調が強調されにくい黒を実現できる場合は、この染料を単独でブラックインク用染料として使用することも可能であるが、通常はこの染料の吸収が低い領域をカバーする染料と併用するのが一般的である。通常はより短波長側のイエロー領域に主吸収(λmaxが350から500nm)を有する染料(S)と併用するのが好ましい。また、さらに他の染料と併用してブラックインクを作製することも可能である。
本発明のブラックインクとしては、前記一般式(B1)に記載のアゾ染料を使用して作製することが好ましい。一般式(B1)に記載のアゾ染料としては、まずλmaxが500nmから700nmにあり、吸光度1.0に規格化した希薄溶液の吸収スペクトルにおける半値幅が100nm以上である染料(L)に該当するものを挙げることができる。これの他に、λmaxが350nmから500nmにある染料(S)も同様に一般式(B1)の染料に該当するものとして挙げることができる。好ましくは染料(L)の少なくとも1つが一般式(B1)の染料であるが、特に好ましくは染料(L)、(S)のいずれにおいても少なくとも1つが一般式(B1)の染料であり、中でもインク中全染料の50質量%が一般式(B1)の染料であることが好ましい。
また、本発明のブラックインクには、この染料に加えて一般式(B2)で表されるアゾ染料を使用することが好ましい。一般式(B2)の染料としては、前述のλmaxが500nmから700nmにあり、吸光度1.0に規格化した希薄溶液の吸収スペクトルにおける半値幅が100nm以上である染料(L)に該当するものが好ましい。また、一般式(B1)の染料と同様に、一般式(B2)で表される染料も、λmaxが350nmから500nmの染料(S)とすることができる。
一般式(B2)で表される該染料は、芳香族ビスアゾ染料に分類される染料であり、一般式(B1)で表される染料と異なり、発色部位はすべて炭化水素環から形成される化合物である。このような染料の例としては、特許第3428178号、特許第2428263号、CN136830−A等に記載の染料を挙げることができる。
本発明では、上記一般式(B1)及び一般式(B2)で表される染料の中でも、特に酸化電位が高く、会合性の高い染料を本発明では好ましく使用する。そのためには分子中になるべく多くの電子吸引性基を有し、メインの芳香族環に存在するπ電子密度を下げた設計を採用することや、会合を促進しやすい平面構造ならびに分子間の置換基として、相互作用の強い基を分子中に複数有するような構造に設計され、会合を誘起するような分子を用いることが好ましい。
このような相互作用の強い基として水素結合性の基が挙げられ、−COOH、−OH、−SO2NH−、−CONH−基が好ましく、特に−CONH−基を有することが好ましい。これら水素結合性の基は、分子内に複数あることが好ましい。また、分子同士が重なり易い平面構造の基を多く有することも好ましく、このような基としては、特にビフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
会合性の高い染料の場合、染料のスペクトルを、濃度0.025mmol/l水溶液で光路長1cmのセルを用いて測定したときと、濃度50mmol/lの水溶液を光路長5μmのセルを用いて水溶液のスペクトルを測定したときで、そのスペクトルにおけるλmaxの位置及び吸光度が異なる。特に吸光度は劇的に変化し、通常高濃度側の溶液での吸光度で低濃度側の溶液の吸光度を割ると1.0以上となり、好ましくは1.2以上、特に好ましくは1.3以上となることが好ましい。
本発明においては、ブラック染料を混合し、水性媒体中に溶解または分散することによりブラックインクを作製するが、インクジェット記録用ブラックインクとして好ましい性能、すなわち、1)耐候性に優れること、および/または、2)褪色後も黒のバランスが崩れないことを満足するために、下記の特徴を満たすようなインクを作製するのが好ましい。
本発明のブラックインクを用いてJISコード2223の黒四角番号を48ポイントで印字し、これをステータスAフィルター(ビジュアルフィルター)により測定した反射濃度(Dvis)を初期濃度として規定する。ステータスAフィルターを搭載した反射濃度測定機としては、たとえばX−Rite濃度測定機などを挙げることができる。ここで「黒」を濃度測定する場合、標準的な観察反射濃度としてDvisによる測定値を使用する。この印刷物を、5ppmのオゾンを常時発生可能なオゾン褪色試験機を用いて強制的に褪色させ、その反射濃度(Dvis)が初期反射濃度値の80%となるまでの時間(t)から強制褪色速度定数(kvis)を「0.8=exp(−kvis・t)」なる関係式から求める。
ブラックインクでは、該速度定数(kvis)が5.0×10-2[hour-1]以下が好ましく、3.0×10-2[hour-1]以下がより好ましく、1.0×10-2[hour-1]以下が特に好ましい。
また、本発明のブラックインクを用いてJISコード2223の黒四角記号を48ポイントで印字し、これをステータスAフィルターにより測定した濃度測定値で、DvisではないC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)3色の反射濃度(DR,DG,DB)も初期濃度として規定する。ここで、(DR,DG,DB)は、(レッドフィルターのよるC反射濃度、グリーンフィルターのよるM反射濃度、ブルーフィルターのよるY反射濃度)を示す。この印刷物を上記の方法に従って5ppmのオゾンを常時発生可能なオゾン褪色試験機を用いて強制的に褪色させ、それぞれの反射濃度(DR,DG,DB)が初期濃度値の80%となるまでの時間からも同様に強制褪色速度定数(kR,kG,kB)を定める。該3つの速度定数を求めて、その最大値と最小値の比(R)を求めた場合(たとえばkRが最大値で、kGが最小値の場合、R=kR/kGである)、該比(R)が1.2以下が好ましく、1.1以下がより好ましく、1.05以下が特に好ましい。
なお、上記で使用した「JISコード2223の黒四角記号を48ポイントで印字した印字物」は、濃度測定に十分な大きさを与えるため、測定機のアパーチャーを十分にカバーする大きさに画像を印字したものである。
また、本発明のブラックインクに用いるブラック染料が、好ましい色相、堅牢性、保存安定性を有するためには、以下の物性を満足することが好ましい。
物性1:DMF中における吸収スペクトルの最大吸収波長をλmax(DMF)とした時、680nm≧λmax(DMF)≧570nm。
物性2:酸化電位が1.0V(vs SCE)より貴。
物性3:水中における吸収スペクトルの最大吸収波長をλmax(水)としたときに、|λmax(DMF)−λmax(水)|≧30nm。
物性4:DMF中でのモル吸収係数をε(DMF)、水中でのモル吸収波長をε(水)としたとき、ε(水)/ε(DMF)≦0.9。
物性5:水中で測定される吸収スペクトルにおいて、会合した染料(会合体)の最大吸収波長での吸光度をAbs(会合)、DMF中で測定されるモノマー吸収スペクトルの最大吸収波長での吸光度をAbs(モノマー)とした時、Abs(モノマー)/Abs(会合体)≦0.75。
なお、上記測定において、染料が100%DMFに溶解しない場合には、まず水(DMF溶媒の10質量%以下)を用いて染料を溶かし、これをDMFで希釈して測定したものを、DMF中での測定値とする。
上記物性を満足すると、好ましい黒色相を有し、耐光性・耐オゾン性に優れ、しかもインク中での保存安定性の優れたブラック染料となるので好ましい。
そのため、上記のタイプのブラック染料は、本発明に好ましく用いられる。
さらに、本発明のインクセット用のインクとしては、下記の特徴を有するインクであることが好ましい。
すなわち、2種類以上のインクをそれぞれ用いて、最高で30ml/m2までの15段階となる階段状の印字サンプルを作製した際に、そのパターン中の反射濃度測定値の最高値(反射濃度において、濃度が飽和し、印字量を増加しても濃度がそれ以上上がらなくなる場所での濃度測定値)が、高濃度側のインクの方が高くなるというものである。
本発明のインクセットは、これらのいずれかの条件について単独もしくは複数成立するものである。好ましくはすべての条件が成立するものである。
以下に、一般式(B1)で表される染料について説明する。
一般式(B1);
41−N=N−A42−N=N−A43
一般式(B1)中、A41、A42およびA43は、それぞれ独立に、置換されていてもよい芳香族基または置換されていてもよい複素環基を表す(A41およびA43は一価の基であり、A42は二価の基である)。
一般式(B1)で表されるアゾ染料は、特に下記一般式(B1−A)で表される染料であることが好ましい。
一般式(B1−A);
上記一般式(B1−A)中、B41およびB42は、各々=CR41−または−CR42=を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子、他方が=CR41−または−CR42=を表す。
4、R41およびR42は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アリールアミノ基、複素環アミノ基を含む)、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、複素環スルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキルもしくはアリールチオ基、複素環チオ基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、複素環スルホニル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、複素環スルフィニル基、スルファモイル基、またはスルホ基を表し、各基は更に置換されていてもよい。
45、R46は、各々独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルまたはアリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表し、各基は更に置換基を有していても良い。
また、R41とR45、あるいはR45とR46が結合して5乃至6員環を形成してもよい。
41およびA42は、一般式(B1)と同義である。
一般式(B1−A)で表されるアゾ染料は、さらに下記一般式(B1−B1)または(B1−B2)で表される染料であることが好ましい。
上記一般式(B1−B1)および(B1−B2)中、R47およびR48は、一般式(B1−A)のR41と同義である。A41、R45、R46、B41、B42およびG4は、一般式(B1−A)と同義である。
ここで、一般式(B1)、その下位概念である一般式(B1−A)および一般式(B1−B)(以下、一般式(B1−B1)と一般式(B1−B2)とをまとめて表すときには一般式(B1−B)と記載する。)の説明において使用される用語(置換基)について説明する。これらの用語は後述する一般式(B1−C)、一般式(B1−D)の説明にも共通するものである。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子および臭素原子が挙げられる。
脂肪族基は、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アラルキル基および置換アラルキル基を意味する。脂肪族基は分岐を有していてもよく、また環を形成していてもよい。脂肪族基の炭素原子数は1〜20であることが好ましく、1〜16であることがさらに好ましい。アラルキル基および置換アラルキル基のアリール部分はフェニルまたはナフチルであることが好ましく、フェニルが特に好ましい。脂肪族基の例には、メチル、エチル、ブチル、イソプロピル、t−ブチル、ヒドロキシエチル、メトキシエチル、シアノエチル、トリフルオロメチル、3−スルホプロピル、4−スルホブチル、シクロヘキシル基、ベンジル基、2−フェネチル基、ビニル基、およびアリル基を挙げることができる。
1価の芳香族基はアリール基および置換アリール基を意味する。アリール基は、フェニルまたはナフチルであることが好ましく、フェニルが特に好ましい。1価の芳香族基の炭素原子数は6〜20であることが好ましく、6〜16がさらに好ましい。1価の芳香族基の例には、フェニル、p−トリル、p−メトキシフェニル、o−クロロフェニルおよびm−(3−スルホプロピルアミノ)フェニルが含まれる。2価の芳香族基は、これらの1価の芳香族基を2価にしたものであり、その例としてフェニレン、p−トリレン、p−メトキシフェニレン、o−クロロフェニレンおよびm−(3−スルホプロピルアミノ)フェニレン、ナフチレンなどが含まれる。
複素環基には、置換基を有する複素環基および無置換の複素環基が含まれる。複素環に脂肪族環、芳香族環または他の複素環が縮合していてもよい。複素環基としては、5員または6員環の複素環基が好ましく、複素環のヘテロ原子としてはN、O、およびSを挙げることができる。上記置換基の例には、脂肪族基、ハロゲン原子、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アシルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、イオン性親水性基などが含まれる。1価の複素環基の例には、2−ピリジル基、2−チエニル基、2−チアゾリル基、2−ベンゾチアゾリル基、2−ベンゾオキサゾリル基および2−フリル基が含まれる。2価の複素環基は、前記の1価の複素環中の水素原子を取り除いて結合手になった基である。
カルバモイル基には、置換基を有するカルバモイル基および無置換のカルバモイル基が含まれる。前記置換基の例には、アルキル基が含まれる。前記カルバモイル基の例には、メチルカルバモイル基およびジメチルカルバモイル基が含まれる。
アルコキシカルボニル基には、置換基を有するアルコキシカルボニル基および無置換のアルコキシカルボニル基が含まれる。アルコキシカルボニル基としては、炭素原子数が2〜20のアルコキシカルボニル基が好ましい。置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記アルコキシカルボニル基の例には、メトキシカルボニル基およびエトキシカルボニル基が含まれる。
アリールオキシカルボニル基には、置換基を有するアリールオキシカルボニル基および無置換のアリールオキシカルボニル基が含まれる。アリールオキシカルボニル基としては、炭素原子数が7〜20のアリールオキシカルボニル基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記アリールオキシカルボニル基の例には、フェノキシカルボニル基が含まれる。
複素環オキシカルボニル基には、置換基を有する複素環オキシカボニル基および無置換の複素環オキシカルボニル基が含まれる。複素環オキシカルボニル基としては、炭素原子数が2〜20の複素環オキシカルボニル基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記複素環オキシカルボニル基の例には、2−ピリジルオキシカルボニル基が含まれる。
アシル基には、置換基を有するアシル基および無置換のアシル基が含まれる。アシル基としては、炭素原子数が1〜20のアシル基が好ましい。上記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。上記アシル基の例には、アセチル基およびベンゾイル基が含まれる。
アルコキシ基には、置換基を有するアルコキシ基および無置換のアルコキシ基が含まれる。アルコキシ基としては、炭素原子数が1〜20のアルコキシ基が好ましい。置換基の例には、アルコキシ基、ヒドロキシル基、およびイオン性親水性基が含まれる。上記アルコキシ基の例には、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、メトキシエトキシ基、ヒドロキシエトキシ基および3−カルボキシプロポキシ基が含まれる。
アリールオキシ基には、置換基を有するアリールオキシ基および無置換のアリールオキシ基が含まれる。アリールオキシ基としては、炭素原子数が6〜20のアリールオキシ基が好ましい。上記置換基の例には、アルコキシ基およびイオン性親水性基が含まれる。上記アリールオキシ基の例には、フェノキシ基、p−メトキシフェノキシ基およびo−メトキシフェノキシ基が含まれる。
複素環オキシ基には、置換基を有する複素環オキシ基および無置換の複素環オキシ基が含まれる。上記複素環オキシ基としては、炭素原子数が2〜20の複素環オキシ基が好ましい。上記置換基の例には、アルキル基、アルコキシ基、およびイオン性親水性基が含まれる。上記複素環オキシ基の例には、3−ピリジルオキシ基、3−チエニルオキシ基が含まれる。
シリルオキシ基としては、炭素原子数が1〜20の脂肪族基、芳香族基が置換したシリルオキシ基が好ましい。シリルオキシ基の例には、トリメチルシリルオキシ、ジフェニルメチルシリルオキシが含まれる。
アシルオキシ基には、置換基を有するアシルオキシ基および無置換のアシルオキシ基が含まれる。アシルオキシ基としては、炭素原子数1〜20のアシルオキシ基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。アシルオキシ基の例には、アセトキシ基およびベンゾイルオキシ基が含まれる。
カルバモイルオキシ基には、置換基を有するカルバモイルオキシ基および無置換のカルバモイルオキシ基が含まれる。前記置換基の例には、アルキル基が含まれる。カルバモイルオキシ基の例には、N−メチルカルバモイルオキシ基が含まれる。
アルコキシカルボニルオキシ基には、置換基を有するアルコキシカルボニルオキシ基および無置換のアルコキシカルボニルオキシ基が含まれる。アルコキシカルボニルオキシ基としては、炭素原子数が2〜20のアルコキシカルボニルオキシ基が好ましい。アルコキシカルボニルオキシ基の例には、メトキシカルボニルオキシ基、イソプロポキシカルボニルオキシ基が含まれる。
アリールオキシカルボニルオキシ基には、置換基を有するアリールオキシカルボニルオキシ基および無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基が含まれる。アリールオキシカルボニルオキシ基としては、炭素原子数が7〜20のアリールオキシカルボニルオキシ基が好ましい。アリールオキシカルボニルオキシ基の例には、フェノキシカルボニルオキシ基が含まれる。
アミノ基には、アルキル基、アリール基または複素環基で置換されたアミノ基が含まれ、アルキル基、アリール基および複素環基はさらに置換基を有していてもよい。アルキルアミノ基としては、炭素原子数1〜20のアルキルアミノ基が好ましい。置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。アルキルアミノ基の例には、メチルアミノ基およびジエチルアミノ基が含まれる。
アリールアミノ基には、置換基を有するアリールアミノ基および無置換のアリールアミノ基が含まれる。アリールアミノ基としては、炭素原子数が6〜20のアリールアミノ基が好ましい。置換基の例としては、ハロゲン原子、およびイオン性親水性基が含まれる。アリールアミノ基の例としては、アニリノ基および2−クロロフェニルアミノ基が含まれる。
複素環アミノ基には、置換基を有する複素環アミノ基および無置換の複素環アミノ基が含まれる。複素環アミノ基としては、炭素数2〜20個の複素環アミノ基が好ましい。置換基の例としては、アルキル基、ハロゲン原子、およびイオン性親水性基が含まれる。
アシルアミノ基には、置換基を有するアシルアミノ基および無置換基のアシルアミノ基が含まれる。アシルアミノ基としては、炭素原子数が2〜20のアシルアミノ基が好ましい。置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。アシルアミノ基の例には、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、N−フェニルアセチルアミノおよび3,5−ジスルホベンゾイルアミノ基が含まれる。
ウレイド基には、置換基を有するウレイド基および無置換のウレイド基が含まれる。ウレイド基としては、炭素原子数が1〜20のウレイド基が好ましい。置換基の例には、アルキル基およびアリール基が含まれる。ウレイド基の例には、3−メチルウレイド基、3,3−ジメチルウレイド基および3−フェニルウレイド基が含まれる。
スルファモイルアミノ基には、置換基を有するスルファモイルアミノ基および無置換のスルファモイルアミノ基が含まれる。置換基の例には、アルキル基が含まれる。スルファモイルアミノ基の例には、N, N−ジプロピルスルファモイルアミノ基が含まれる。
アルコキシカルボニルアミノ基には、置換基を有するアルコキシカルボニルアミノ基および無置換のアルコキシカルボニルアミノ基が含まれる。アルコキシカルボニルアミノ基としては、炭素原子数が2〜20のアルコキシカルボニルアミノ基が好ましい。置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。アルコキシカルボニルアミノ基の例には、エトキシカルボニルアミノ基が含まれる。
アリールオキシカルボニルアミノ基には、置換基を有するアリールオキシカボニルアミノ基および無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基が含まれる。アリールオキシカルボニルアミノ基としては、炭素原子数が7〜20のアリールオキシカルボニルアミノ基が好ましい。置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。アリールオキシカルボニルアミノ基の例には、フェノキシカルボニルアミノ基が含まれる。
アルキルスルホニルアミノ基及びアリールスルホニルアミノ基には、置換基を有するアルキルスルホニルアミノ基及びアリールスルホニルアミノ基、および無置換のアルキルスルホニルアミノ基及びアリールスルホニルアミノ基が含まれる。スルホニルアミノ基としては、炭素原子数が1〜20のスルホニルアミノ基が好ましい。置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。これらスルホニルアミノ基の例には、メチルスルホニルアミノ基、N−フェニル−メチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、および3−カルボキシフェニルスルホニルアミノ基が含まれる。
複素環スルホニルアミノ基には、置換基を有する複素環スルホニルアミノ基および無置換の複素環スルホニルアミノ基が含まれる。複素環スルホニルアミノ基としては、炭素原子数が1〜12の複素環スルホニルアミノ基が好ましい。置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。複素環スルホニルアミノ基の例には、2−チオフェンスルホニルアミノ基、3−ピリジンスルホニルアミノ基が含まれる。
複素環スルホニル基には、置換基を有する複素環スルホニル基および無置換の複素環スルホニル基が含まれる。複素環スルホニル基としては、炭素原子数が1〜20の複素環スルホニル基が好ましい。置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。複素環スルホニル基の例には、2−チオフェンスルホニル基、3−ピリジンスルホニル基が含まれる。
複素環スルフィニル基には、置換基を有する複素環スルフィニル基および無置換の複素環スルフィニル基が含まれる。複素環スルフィニル基としては、炭素原子数が1〜20の複素環スルフィニル基が好ましい。置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。複素環スルフィニル基の例には、4−ピリジンスルフィニル基が含まれる。
アルキル、アリール及び複素環チオ基には、置換基を有するアルキル、アリール及び複素環チオ基と無置換のアルキル、アリール及び複素環チオ基が含まれる。アルキル、アリール及び複素環チオ基としては、炭素原子数が1から20のものが好ましい。置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。アルキル、アリール及び複素環チオ基の例には、メチルチオ基、フェニルチオ基、2−ピリジルチオ基が含まれる。
アルキルスルホニル基およびアリールスルホニル基には、置換基を有するアルキルスルホニル基およびアリールスルホニル基、無置換のアルキルスルホニル基およびアリールスルホニル基が含まれる。アルキルスルホニル基およびアリールスルホニル基の例としては、それぞれメチルスルホニル基およびフェニルスルホニル基を挙げることができる。
アルキルスルフィニル基およびアリールスルフィニル基には、置換基を有するアルキルスルフィニル基およびアリールスルフィニル基、無置換のアルキルスルフィニル基およびアリールスルフィニル基が含まれる。アルキルスルフィニル基およびアリールスルフィニル基の例としては、それぞれメチルスルフィニル基およびフェニルスルフィニル基を挙げることができる。
スルファモイル基には、置換基を有するスルファモイル基および無置換のスルファモイル基が含まれる。置換基の例には、アルキル基が含まれる。スルファモイル基の例には、ジメチルスルファモイル基およびジ−(2−ヒドロキシエチル)スルファモイル基が含まれる。
次に、一般式(B1)、(B1−A)および(B1−B)について更に説明する。
以下の説明において、基、置換基は、既に説明したことが適用される。
一般式(B1)において、A41、A42、A43は、それぞれ独立して、置換されていてもよい芳香族基(A41、A43は1価の芳香族基、例えばアリール基;A42は2価の芳香族基、例えばアリーレン基)または置換されていてもよい複素環基(A41、A43は1価の複素環基;A42は2価の複素環基)を表す。芳香族環の例としてはベンゼン環やナフタレン環を挙げることができ、複素環のヘテロ原子としてはN、O、およびSを挙げることができる。複素環に脂肪族環、芳香族環または他の複素環が縮合していてもよい。
置換基はアリールアゾ基または複素環アゾ基であってもよい。従って、一般式(B1)で表される染料には、トリスアゾ染料やテトラキスアゾ染料も含まれる。
また、A41、A42、A43の少なくとも2つは、好ましくは複素環基である。
43の好ましい複素環基として、芳香族含窒素6員複素環基があげられる。特に好ましいものは、A43が下記一般式(B1−C)で表される芳香族含窒素6員複素環基の場合であり、この時、一般式(B1)は一般式(B1−A)に相当する。
一般式(B1−C)において、B41およびB42は、各々、=CR41−および−CR42=を表すか、またはいずれか一方が窒素原子、他方が=CR41−もしくは−CR42=を表すが、各々、=CR41−、−CR42=を表すものがより好ましい。
45、R46は、各々独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルまたはアリールスルホニル基、スルファモイル基を表し、各基は更に置換基を有していてもよい。R45、R46で表される好ましい置換基は、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルキルまたはアリールスルホニル基を挙げることができる。さらに好ましくは水素原子、芳香族基、複素環基、アシル基、アルキルまたはアリールスルホニル基である。最も好ましくは、水素原子、アリール基、複素環基である。各基は更に置換基を有していてもよい。
4、R41、R42は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アリールアミノ基、複素環アミノ基を含む)、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、複素環スルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキルもしくはアリールチオ基、複素環チオ基、アルキル及びアリールスルホニル基、複素環スルホニル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、複素環スルフィニル基、スルファモイル基、またはスルホ基を表し、各基は更に置換されていてもよい。
4で表される置換基としては、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、複素環オキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アリールアミノ基、複素環アミノ基を含む)、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールチオ基、または複素環チオ基が好ましく、更に好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アリールアミノ基、複素環アミノ基を含む)またはアシルアミノ基であり、中でも水素原子、アリールアミノ基、アシルアミノ基が最も好ましい。各基は更に置換基を有していてもよい。
41、R42で表される好ましい置換基は、水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、カルバモイル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、シアノ基を挙げることができる。各基は更に置換基を有していてもよい。
41とR45、あるいはR45とR46が結合して5乃至6員環を形成してもよい。A41、R41、R42、R45、R46、G4で表される各置換基が更に置換基を有する場合の置換基としては、上記G4、R41、R42で挙げた置換基を挙げることができる。また、A41、R41、R42、R45、R46、G4上のいずれかの位置に置換基としてさらにイオン性親水性基を有することが好ましい。
置換基としてのイオン性親水性基には、スルホ基、カルボキシル基、ホスホノ基および4級アンモニウム基等が含まれる。前記イオン性親水性基としては、カルボキシル基、ホスホノ基、およびスルホ基が好ましく、特にカルボキシル基、スルホ基が好ましい。カルボキシル基、ホスホノ基およびスルホ基は塩の状態であってもよい。塩を形成する対イオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)および有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジニウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれる。
42で表される好ましい複素環としては、チオフェン環、チアゾール環、イミダゾール環、ベンズイミダゾール環、チエノチアゾール環を挙げることができる。各複素環基は更に置換基を有していてもよい。中でも下記(h)から(l)で表されるチオフェン環、チアゾール環、イミダゾール環、ベンズイミダゾール環、チエノチアゾール環が好ましい。なお、A42が(h)で表されるチオフェン環であり、A43が前記一般式(B1−C)で表される構造であるときは、一般式(B1)は一般式(B1−B1)に相当し、A42が(i)で表されるチアゾール環であり、A43が前記一般式(B1−C)で表される構造であるときは、一般式(B1)は一般式(B1−B2)に相当することになる。
上記式(h)から(l)において、R409からR417は、一般式(B1−C)におけるG4、R41、R42と同義の置換基を表す。
本発明において、特に好ましい構造は、下記一般式(4−D1)または(4−D2)で表されるものである(一般式(4−D1)と(4−D2)をまとめて表すときに一般式(B1−D)と記す)。
一般式(4−D1)中、Z4はハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基を表す。Z4は、σp値が0.30以上の電子吸引性基であるのが好ましく0.45以上の電子吸引性基が更に好ましく、0.60以上の電子吸引性基が特に好ましいが、1.0を超えないことが望ましい。
具体的には、ハメット置換基定数σp値が0.60以上の電子吸引性基としては、シアノ基、ニトロ基、アルキルスルホニル基(例えばメタンスルホニル基、アリールスルホニル基(例えばベンゼンスルホニル基)を例として挙げることができる。
ハメット置換基定数σp値が0.45以上の電子吸引性基としては、上記に加えアシル基(例えばアセチル基)、アルコキシカルボニル基(例えばドデシルオキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例えば、m−クロロフェノキシカルボニル)、アルキルスルフィニル基(例えば、n−プロピルスルフィニル)、アリールスルフィニル基(例えばフェニルスルフィニル)、スルファモイル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル)、ハロゲン化アルキル基(例えば、トリフロロメチル)を挙げることができる。
ハメット置換基定数σp値が0.30以上の電子吸引性基としては、上記に加え、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ)、カルバモイル基(例えば、N−エチルカルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル)、ハロゲン化アルコキシ基(例えば、トリフロロメチルオキシ)、ハロゲン化アリールオキシ基(例えば、ペンタフロロフェニルオキシ)、スルホニルオキシ基(例えばメチルスルホニルオキシ基)、ハロゲン化アルキルチオ基(例えば、ジフロロメチルチオ)、2つ以上のσp値が0.15以上の電子吸引性基で置換されたアリール基(例えば、2,4−ジニトロフェニル、ペンタクロロフェニル)、およびヘテロ環(例えば、2−ベンゾオキサゾリル、2−ベンゾチアゾリル、1−フェニルー2−ベンズイミダゾリル)を挙げることができる。
ハメット置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基の具体例としては、上記に加え、ハロゲン原子などが挙げられる。
4としては、なかでも、炭素数2〜20のアシル基、炭素数2〜20のアルキルオキシカルボニル基、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、炭素数6〜20のアリールスルホニル基、炭素数1〜20のカルバモイル基及び炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基が好ましい。特に好ましいものは、シアノ基、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、炭素数6〜20のアリールスルホニル基であり、最も好ましいものはシアノ基である。
なお、ここで用いられるハメットの置換基定数σp値については、特開2003−306623号の段落0059〜0060に記載されたとおりである。
41、R42、R45、R46、R47は、一般式(B1−B)と同義である。R43、R44は、各々独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表す。中でも、水素原子、芳香族基、複素環基、アシル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基が好ましく、水素原子、芳香族基、複素環基が特に好ましい。
一般式(B1−D)で説明した各基は更に置換基を有していてもよい。これらの各基が更に置換基を有する場合、該置換基としては、一般式(B1−A)で説明した置換基、G4、R45、R46で例示した基やイオン性親水性基が挙げられる。
41は芳香族基、複素環基のいずれであってもよいが、好ましくはベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、イミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイソチアゾール環であり、更にはベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピラゾール環、イミダゾール環、イソチアゾール環、ベンゾチアゾール環であり、最も好ましくはベンゼン環、ナフタレン環である。
さらに本発明のブラック染料は、水溶液もしくはインク中での保存安定性を確保するために、アゾ基に直結していない芳香環の共役π電子が合計で12個を超えるアゾ染料となるように、置換基として芳香族基もしくは芳香族複素環基を有することが好ましい。アゾ基に直結した芳香環とはアゾ基に結合している芳香環全体のことを指すのに対し、アゾ基に直結していない芳香環はアゾ基には直接結合せずアゾ染料を構成する発色団上の置換基として存在する芳香環を意味する。例えばアゾ基にナフタレン環が直結していた場合、ナフタレン環の、アゾ基に結合しているベンゼン環1つのみではなく、ナフタレン環全体をアゾ基に直結している芳香環とみなす。アゾ基にビフェニル基が結合している場合は、アゾ基に結合しているフェニル基は直結した芳香環であり、もう一方のフェニル基は直結していない芳香環とする。芳香環とはアリール基のみならず、複素芳香環も包含する。本発明で用いるアゾ染料は、アゾ基に直結してない芳香環の共役π電子が12個を超えることが好ましい。共役π電子の算出は、例えば、アゾ基に直結していない芳香環として、ベンゼン環1個、ナフタレン環1個を有するアゾ染料では、6個+10個=16個と計算される。また、芳香環の共役π電子とは、芳香環(複素環を含み、6員環に限らない)に含まれる共役のπ電子である。このような芳香環を置換基として有することにより、染料は好ましい会合性を示すようになり、保存安定性を向上させることができる。なお、芳香環の置換位置としては、R41、R42、R43、R44、R45、R46、R47が好ましく、特に、R43、R44、R45、R46、R47が好ましい。
本発明で使用される好ましいブラックインク用アゾ染料の特に好ましい置換基の組み合わせは、R45およびR46として好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、スルホニル基、アシル基であり、さらに好ましくは水素原子、アリール基、複素環基、スルホニル基であり、最も好ましくは、水素原子、アリール基、複素環基である。ただし、R45およびR46が共に水素原子であることは無い。
4として、好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシル基、アミノ基、アシルアミノ基であり、さらに好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、アシルアミノ基であり、最も好ましくは水素原子、アミノ基、アシルアミノ基である。
41のうち、好ましくはベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、イミダゾール環、ピラゾール環であり、最も好ましくはベンゼン環、ナフタレン環である。
41およびB42が、それぞれ=CR41−、−CR42=であり、R41、R42は、各々好ましくは水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、カルバモイル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基であり、さらに好ましくは水素原子、アルキル基、カルボキシル基、シアノ基、カルバモイル基である。
尚、前記一般式(B1)で表される化合物の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
前記一般式(B1)で表されるアゾ色素の具体例を以下に示すが、本発明に用いられるアゾ色素は、下記の例に限定されるものではなく、またカルボキシル基、ホスホノ基およびスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)および有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジニウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まる。これらの中でもアンモニウムイオン、有機カチオン、リチウムイオンの場合が好ましく、リチウムイオンが最も好ましい。
一般式(B1)で表されるブラック染料は、ジアゾ成分とカップリング成分とのカップリング反応によって合成することができる。それらについては、特開2003−306623号や特願2003−353498号に記載の方法により合成することができる。
λmaxが350nmから500nmにある染料(S)としては、前述のイエロー染料及び黄色顔料が好ましく用いることができ、一般式(B1)及び一般式(B2)で表される染料も、nを0、あるいは、yを0とすることで、染料(S)として用いることが可能である。
一般式(B1)で表されるアゾ染料のインク中での含有量は、0.2〜20質量%が好ましく、0.5〜15質量%がより好ましい。
次に一般式(B2)化合物について、詳細に説明する。
一般式(B2)
P−(N=N−Qx)y−N=N−R
一般式(B2)中、P、Q及びRはそれぞれ置換されていてもよい芳香族基(P、Rは1価の芳香族基、例えばアリール基;Qは2価の芳香族基、例えばアリーレン基)を表す。特にQは、ナフタレン環などの多環芳香族であることが好ましい。
xは1以上の整数、yは0以上の整数であり、好ましくはx=y=1である。
一般式(B2)で用いられる置換基としては、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アリールアミノ基、複素環アミノ基を含む)、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、複素環スルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキルもしくはアリールチオ基、複素環チオ基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、複素環スルホニル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、複素環スルフィニル基、スルファモイル基、またはスルホ基が挙げられ、各基は更に置換されていても良い(これら置換基における好ましい基は、一般式(B1)の対応する基とそれぞれ同義である)。また、置換基はアリールアゾ基であっても良い。
なお、以下に本発明に用いることができる一般式(B2)のブラック染料の例示化合物を挙げるが、これらに限定されるものではない。また下記の具体例中でスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)および有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジニウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれ、中でもリチウムイオンが好ましい。
本発明のマゼンタインクでは酸化電位が1.0Vより貴である染料(好ましくは1.1Vより貴である染料、特に好ましくは1.2Vより貴である染料)を用いる。染料の酸化電位を1.0Vより貴とすることにより、画像耐久性、特にオゾン耐性に優れる画像を得ることができる。
併用する染料のうち、インク全体に含まれる染料全体の40質量%以上は酸化電位が1.0V (vs SCE)より貴の染料であることが好ましい。
酸化電位が1.0Vより貴である染料として、本発明では、複素環が連結したアゾ染料と、それ以外の構造を有するマゼンタ染料とを2種以上併用して使用する。ここで、それ以外の構造を有する染料とは、複素環がアゾ基の両端に連結したアゾ染料とは骨格が異なる染料であり、すなわち、アゾ基に連結する基が複素環ではない、または片側のみに複素環が連結したアゾ染料、あるいはアゾ染料以外の染料である。アゾ染料以外の染料としては、例えば、アントラピリドン型の染料が挙げられる。
複素環がアゾ基の両端に連結したアゾ染料としては、一般式(M1)で表される染料が好ましく、前記染料以外の構造を有する染料としては、アントラピリドン型染料が好ましく、一般式(M2)で表されるアントラピリドン型染料がより好ましい。
〔マゼンタ染料〕
以下に一般式(M1)で表される染料について説明する。
本発明で使用されるマゼンタ染料は、水性媒体中において500〜580nmの分光領域に吸収極大を有し、かつ1.0V(vsSCE)よりも貴の酸化電位を有するアゾ染料であることが好ましい。
このマゼンタ染料であるアゾ染料の好ましい構造上の第1の特徴は、一般式(複素環A)−N=N−(複素環B)で表される発色団を有する染料であることである。この場合、複素環Aと複素環Bは同一の構造であってもよい。複素環A及び複素環Bは、具体的には5員環、または6員環の複素環で、ピラゾ−ル、イミダゾ−ル、トリアゾ−ル、オキサゾ−ル、チアゾ−ル、セレナゾ−ル、ピリドン、ピラジン、ピリミジン、ピリジンから選ばれた複素環である。具体的には特開2001−279145号公報、特開2002−309116号公報、特開2003−12650号公報などに記載されている。
さらに、前記アゾ染料の好ましい構造上の第2の特徴は、アゾ基が、少なくともその一方に芳香族含窒素6員複素環をカップリング成分として直結させたアゾ染料であることで、その具体例は特開2002−371214号に記載されている。
構造上好ましい第3の特徴は、助色団が芳香族環アミノ基または複素環アミノ基の構造を有することであり、具体的にはアニリノ基、ヘテリルアミノ基である。
構造上好ましい第4の特徴は、立体構造を有することである。具体的には特開2002−371214号に記載されている。
アゾ染料に上記構造上の特徴を持たせることにより、染料の酸化電位を高め、オゾン耐性を向上させることができる。酸化電位を高める手段としては、アゾ染料のα水素を除去することが挙げられる。また、酸化電位を高める観点からも、下記一般式(M1)のアゾ染料は好ましい。アゾ染料の酸化電位を高める手段については、具体的には特開2003−64275号に記載されている。
上記特徴を有するアゾ染料を用いた本発明のマゼンタインクとしては、λmax(吸収極大波長)が500〜580nmであることが色相の点で優れており、さらに最大吸収波長の長波側と短波側の半値幅が100nmより小さい、すなわちシャープな吸収であることが好ましい。具体的には特開2002−309133号公報に記載されている。また一般式(M1)のアゾ染料を用いて、α位にメチル基を導入することにより吸収のシャープ化を具現できる。
また、該アゾ染料を用いたマゼンタインクのオゾンガスに対する強制褪色速度定数は、5.0×10-2[hour-1]以下が好ましく、3.0×10-2[hour-1]がより好ましく、1.5×10-2[hour-1]以下が特に好ましい。
オゾンガスに対する強制褪色速度定数の測定は、当該マゼンタインクのみを反射型受像媒体に印画して得られた画像の該インクの主分光吸収領域の色であってステータスAのフィルターを通して測定した反射濃度が0.90〜1.10の濃度の着色領域を初期濃度点として選択し、この初期濃度を開始濃度(=100%)とする。この画像を5mg/Lのオゾン濃度を常時維持するオゾン褪色試験機を用いて褪色させ、その濃度が初期濃度の80%となるまでの時間を測定し、この時間の逆数[hour-1]を求め、褪色濃度と時間関係が一次反応の速度式に従うとの仮定のもとに、褪色反応速度定数とする。
試験用の印画パッチは、JISコード2223の黒四角記号を印字したパッチ、マクベスチャートの階段状カラーパッチ、そのほか測定面積が得られる任意の階段濃度パッチを用いることができる。
測定用に印画される反射画像(階段状カラーパッチ)の反射濃度は、国際規格ISO5−4(反射濃度の幾何条件)を満たした濃度計によりステータスAフィルターを透した測定光で求められた濃度である。
オゾンガスに対する強制褪色速度定数測定用の試験チャンバーには、内部のオゾンガス濃度を定常的に5mg/Lに維持可能のオゾン発生装置(例えば乾燥空気に交流電圧を印可する高圧放電方式)が設けられ、曝気温度は25℃に調節される。
なお、この強制褪色速度定数は、光化学スモッグ、自動車排気、家具の塗装面や絨毯などからの有機蒸気、明室の額縁内の発生ガスなどの環境中の酸化性雰囲気による酸化の受け易さの指標であって、オゾンガスによってこれらの酸化性雰囲気を代表させた指標である。
以下に、上記特徴を有し、本発明で用いられるアゾ染料である一般式(M1)で表される染料について説明する。
一般式(M1):
一般式(M1)において、A31は5員複素環基を表す。
31およびB32は、各々、=CR31−、−CR32=を表すか、またはいずれか一方が窒素原子、他方が=CR31−もしくは−CR32=を表す。
35およびR36は、各々独立に、水素原子または置換基を表し、該置換基は脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表し、該各置換基の水素原子は置換されていてもよい。
3、R31およびR32は、各々独立して、水素原子または置換基を示し、該置換基は、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、複素環スルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、複素環スルホニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、複素環スルフィニル基、スルファモイル基、またはスルホ基を表し、該各置換基の水素原子はさらに置換されていてもよい。
31とR35、またはR35とR36が結合して5〜6員環を形成してもよい。
一般式(M1)において、A31は5員複素環基を表すが、複素環のヘテロ原子の例には、N、O、およびSを挙げることができる。好ましくは含窒素5員複素環であり、複素環に脂肪族環、芳香族環または他の複素環が縮合していてもよい。A31の好ましい複素環の例には、ピラゾール環、イミダゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環を挙げることができる。各複素環基は更に置換基を有していてもよい。中でも下記一般式(a)から(g)で表されるピラゾール環、イミダゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチアゾール環が好ましい。
下記一般式(a)から(g)において、R307からR322は一般式(M1)におけるG3、R31、R32と同じ置換基を表す。
一般式(a)から(g)のうち、好ましいのは一般式(a)、(b)で表されるピラゾール環、イソチアゾール環であり、最も好ましいのは一般式(a)で表されるピラゾール環である。
一般式(M1)において、B31およびB32は、各々、=CR31−および−CR32=を表すか、またはいずれか一方が窒素原子、他方が=CR31−もしくは−CR32=を表すが、各々、=CR31−、−CR32=を表すものがより好ましい。
35、R36は好ましくは、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルキルまたはアリールスルホニル基を挙げることができる。さらに好ましくは水素原子、芳香族基、複素環基、アシル基、アルキルまたはアリールスルホニル基である。最も好ましくは、水素原子、アリール基、複素環基である。該各置換基の水素原子は置換されていてもよい。ただし、R35およびR36が同時に水素原子であることはない。
3、R31およびR32は各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基、複素環アミノ基を含む)、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、複素環スルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキル及びアリールチオ基、複素環チオ基、アルキル及びアリールスルホニル基、複素環スルホニル基、アルキル及びアリールスルフィニル基、複素環スルフィニル基、スルファモイル基、またはスルホ基を表し、該基はさらに置換されていても良い。
3で表される置換基としては水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、複素環オキシ基、アミノ基(アニリノ基、複素環アミノ基を含む)、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキル及びアリールチオ基、または複素環チオ基が好ましく、更に好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アミノ基(アニリノ基、複素環アミノ基を含む)またはアシルアミノ基であり、中でも水素原子、アニリノ基、アシルアミノ基が最も好ましい。該基は更に置換基を有していてもよい。
31、R32として好ましいものは、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、カルバモイル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、シアノ基を挙げることができる。該各置換基の水素原子は置換されていてもよい。
31とR35、またはR35とR36が結合して5〜6員環を形成してもよい。
31が置換基を有する場合、またはR31、R32、R35、R36またはG3の置換基が更に置換基を有する場合の置換基としては、上記G3、R31、R32で挙げた置換基を挙げることができる。
上記一般式(M1)で表される染料が水溶性染料である場合には、A31、R31、R32、R35、R36、G3上のいずれかの位置に置換基としてさらにイオン性親水性基を有することが好ましい。置換基としてのイオン性親水性基には、スルホ基、カルボキシル基、ホスホノ基および4級アンモニウム基等が含まれる。前記イオン性親水性基としては、カルボキシル基、ホスホノ基、およびスルホ基が好ましく、特にカルボキシル基、スルホ基が好ましい。カルボキシル基、ホスホノ基およびスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)および有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジニウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれる。
ここで、一般式(M1)の説明において使用される用語(置換基)について説明する。これら用語は一般式(M1)及び後述の一般式(M1−A)においても共通である。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子および臭素原子が挙げられる。
脂肪族基はアルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アラルキル基および置換アラルキル基を意味する。「置換アルキル基」等に用いる「置換」とは、「アルキル基」等に存在する水素原子が上記G3、R31、R32で挙げた置換基等で置換されていることを示す。
脂肪族基は分岐を有していてもよく、また環を形成していてもよい。脂肪族基の炭素原子数は1〜20であることが好ましく、1〜16であることがさらに好ましい。アラルキル基および置換アラルキル基のアリール部分はフェニル基またはナフチル基であることが好ましく、フェニル基が特に好ましい。脂肪族基の例には、メチル基、エチル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、ヒドロキシエチル基、メトキシエチル基、シアノエチル基、トリフルオロメチル基、3−スルホプロピル基、4−スルホブチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、2−フェネチル基、ビニル基、およびアリル基を挙げることができる。
芳香族基はアリール基および置換アリール基を意味する。アリール基は、フェニル基またはナフチル基であることが好ましく、フェニル基が特に好ましい。芳香族基の炭素原子数は6〜20であることが好ましく、6から16がさらに好ましい。
芳香族基の例には、フェニル基、p−トリル基、p−メトキシフェニル基、o−クロロフェニル基およびm−(3−スルホプロピルアミノ)フェニル基が含まれる。
複素環基には、置換複素環基及び無置換複素環基が含まれる。複素環基は、複素環に脂肪族環、芳香族環または他の複素環が縮合していてもよい。前記複素環基としては、5員または6員環の複素環基が好ましい。前記置換基の例には、脂肪族基、ハロゲン原子、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アシルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、イオン性親水性基などが含まれる。前記複素環基の例には、2−ピリジル基、2−チエニル基、2−チアゾリル基、2−ベンゾチアゾリル基、2−ベンゾオキサゾリル基および2−フリル基が含まれる。
カルバモイル基には、置換カルバモイル基及び無置換カルバモイル基が含まれる。前記置換基の例には、アルキル基が含まれる。前記カルバモイル基の例には、メチルカルバモイル基およびジメチルカルバモイル基が含まれる。
アルコキシカルボニル基には、置換アルコキシカルボニル基及び無置換アルコキシカルボニル基が含まれる。前記アルコキシカルボニル基としては、炭素原子数が2〜20のアルコキシカルボニル基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記アルコキシカルボニル基の例には、メトキシカルボニル基およびエトキシカルボニル基が含まれる。
アリールオキシカルボニル基には、置換アリールオキシカルボニル基及び無置換アリールオキシカルボニル基が含まれる。前記アリールオキシカルボニル基としては、炭素原子数が7〜20のアリールオキシカルボニル基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記アリールオキシカルボニル基の例には、フェノキシカルボニル基が含まれる。
複素環オキシカルボニル基には、置換複素環オキシカルボニル基及び無置換複素環オキシカルボニル基が含まれる。複素環としては、前記複素環基で記載の複素環が挙げられる。前記複素環オキシカルボニル基としては、炭素原子数が2〜20の複素環オキシカルボニル基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記複素環オキシカルボニル基の例には、2−ピリジルオキシカルボニル基が含まれる。
アシル基には、置換アシル基及び無置換アシル基が含まれる。前記アシル基としては、炭素原子数が1〜20のアシル基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記アシル基の例には、アセチル基およびベンゾイル基が含まれる。
アルコキシ基には、置換アルコキシ基及び無置換アルコキシ基が含まれる。前記アルコキシ基としては、炭素原子数が1〜20のアルコキシ基が好ましい。前記置換基の例には、アルコキシ基、ヒドロキシル基、およびイオン性親水性基が含まれる。前記アルコキシ基の例には、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、メトキシエトキシ基、ヒドロキシエトキシ基および3−カルボキシプロポキシ基が含まれる。
アリールオキシ基には、置換アリールオキシ基及び無置換アリールオキシ基が含まれる。前記アリールオキシ基としては、炭素原子数が6〜20のアリールオキシ基が好ましい。前記置換基の例には、アルコキシ基、およびイオン性親水性基が含まれる。前記アリールオキシ基の例には、フェノキシ基、p−メトキシフェノキシ基およびo−メトキシフェノキシ基が含まれる。
複素環オキシ基には、置換複素環オキシ基及び無置換複素環オキシ基が含まれる。複素環としては、前記複素環基で記載の複素環が挙げられる。前記複素環オキシ基としては、炭素原子数が2〜20の複素環オキシ基が好ましい。前記置換基の例には、アルキル基、アルコキシ基、およびイオン性親水性基が含まれる。前記複素環オキシ基の例には、3−ピリジルオキシ基、3−チエニルオキシ基が含まれる。
シリルオキシ基としては、炭素原子数が1〜20の脂肪族基、芳香族基が置換したシリルオキシ基が好ましい。前記シリルオキシ基の例には、トリメチルシリルオキシ、ジフェニルメチルシリルオキシが含まれる。
アシルオキシ基には、置換アシルオキシ基及び無置換アシルオキシ基が含まれる。前記アシルオキシ基としては、炭素原子数1〜20のアシルオキシ基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記アシルオキシ基の例には、アセトキシ基およびベンゾイルオキシ基が含まれる。
カルバモイルオキシ基には、置換カルバモイルオキシ基及び無置換カルバモイルオキシ基が含まれる。前記置換基の例には、アルキル基が含まれる。前記カルバモイルオキシ基の例には、N−メチルカルバモイルオキシ基が含まれる。
アルコキシカルボニルオキシ基には、置換アルコキシカルボニルオキシ基及び無置換アルコキシカルボニルオキシ基が含まれる。前記アルコキシカルボニルオキシ基としては、炭素原子数が2〜20のアルコキシカルボニルオキシ基が好ましい。前記アルコキシカルボニルオキシ基の例には、メトキシカルボニルオキシ基、イソプロポキシカルボニルオキシ基が含まれる。
アリールオキシカルボニルオキシ基には、置換アリールオキシカルボニルオキシ基及び無置換アリールオキシカルボニルオキシ基が含まれる。前記アリールオキシカルボニルオキシ基としては、炭素原子数が7〜20のアリールオキシカルボニルオキシ基が好ましい。前記アリールオキシカルボニルオキシ基の例には、フェノキシカルボニルオキシ基が含まれる。
アミノ基には、置換アミノ基及び無置換アミノ基が含まれる。該置換基としてはアルキル基、アリール基または複素環基が含まれ、アルキル基、アリール基および複素環基はさらに置換基を有していてもよい。アルキルアミノ基には、置換アルキルアミノ基及び無置換アルキルアミノ基が含まれる。アルキルアミノ基としては、炭素原子数1〜20のアルキルアミノ基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記アルキルアミノ基の例には、メチルアミノ基およびジエチルアミノ基が含まれる。
アリールアミノ基には、置換アリールアミノ基及び無置換アリールアミノ基が含まれる。前記アリールアミノ基としては、炭素原子数が6〜20のアリールアミノ基が好ましい。前記置換基の例としては、ハロゲン原子、およびイオン性親水性基が含まれる。前記アリールアミノ基の例としては、フェニルアミノ基および2−クロロフェニルアミノ基が含まれる。
複素環アミノ基には、置換複素環アミノ基及び無置換複素環アミノ基が含まれる。複素環としては、前記複素環基で記載の複素環が挙げられる。前記複素環アミノ基としては、炭素数2〜20個の複素環アミノ基が好ましい。前記置換基の例としては、アルキル基、ハロゲン原子、およびイオン性親水性基が含まれる。
アシルアミノ基には、置換アシルアミノ基及び無置換アシルアミノ基が含まれる。前記アシルアミノ基としては、炭素原子数が2〜20のアシルアミノ基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記アシルアミノ基の例には、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、N−フェニルアセチルアミノおよび3,5−ジスルホベンゾイルアミノ基が含まれる。
ウレイド基には、置換ウレイド基及び無置換ウレイド基が含まれる。前記ウレイド基としては、炭素原子数が1〜20のウレイド基が好ましい。前記置換基の例には、アルキル基およびアリール基が含まれる。前記ウレイド基の例には、3−メチルウレイド基、3,3−ジメチルウレイド基および3−フェニルウレイド基が含まれる。
スルファモイルアミノ基には、置換スルファモイルアミノ基及び無置換スルファモイルアミノ基が含まれる。前記置換基の例には、アルキル基が含まれる。前記スルファモイルアミノ基の例には、N,N−ジプロピルスルファモイルアミノ基が含まれる。
アルコキシカルボニルアミノ基には、置換アルコキシカルボニルアミノ基及び無置換アルコキシカルボニルアミノ基が含まれる。前記アルコキシカルボニルアミノ基としては、炭素原子数が2〜20のアルコキシカルボニルアミノ基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記アルコキシカルボニルアミノ基の例には、エトキシカルボニルアミノ基が含まれる。
アリールオキシカルボニルアミノ基には、置換アリールオキシカルボニルアミノ基及び無置換アリールオキシカルボニルアミノ基が含まれる。前記アリールオキシカルボニルアミノ基としては、炭素原子数が7〜20のアリールオキシカルボニルアミノ基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記アリールオキシカルボニルアミノ基の例には、フェノキシカルボニルアミノ基が含まれる。
アルキルスルホニルアミノ基及びアリールスルホニルアミノ基には、置換アルキルスルホニルアミノ基及び置換アリールスルホニルアミノ基、及び無置換アルキルスルホニルアミノ基及び無置換アリールスルホニルアミノ基が含まれる。前記アルキルスルホニルアミノ基及びアリールスルホニルアミノ基としては、炭素原子数が1〜20のアルキルスルホニルアミノ基及びアリールスルホニルアミノ基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記アルキルスルホニルアミノ基及びアリールスルホニルアミノ基の例には、メチルスルホニルアミノ基、N−フェニル−メチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、および3−カルボキシフェニルスルホニルアミノ基が含まれる。
複素環スルホニルアミノ基には、置換複素環スルホニルアミノ基及び無置換複素環スルホニルアミノ基が含まれる。複素環としては、前記複素環基で記載の複素環が挙げられる。前記複素環スルホニルアミノ基としては、炭素原子数が1〜12の複素環スルホニルアミノ基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記複素環スルホニルアミノ基の例には、2−チエニルスルホニルアミノ基、3−ピリジルスルホニルアミノ基が含まれる。
アルキルチオ基、アリールチオ基及び複素環チオ基には、置換アルキルチオ基、置換アリールチオ基及び置換複素環チオ基及び無置換アルキルチオ基、無置換アリールチオ基及び無置換複素環チオ基が含まれる。複素環としては、前記複素環基で記載の複素環が挙げられる。前記アルキルチオ基、アリールチオ基及び複素環チオ基としては、炭素原子数が1から20のものが好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記アルキルチオ基、アリールチオ基及び複素環チオ基の例には、メチルチオ基、フェニルチオ基、2−ピリジルチオ基が含まれる。
アルキルスルホニル基およびアリールスルホニル基には、置換アルキルスルホニル基および置換アリールスルホニル基及び無置換アルキルスルホニル基および無置換アリールスルホニル基が含まれる。アルキルスルホニル基およびアリールスルホニル基の例としては、それぞれメチルスルホニル基およびフェニルスルホニル基をあげる事ができる。
複素環スルホニル基には、置換複素環スルホニル基及び無置換複素環スルホニル基が含まれる。複素環としては、前記複素環基で記載の複素環が挙げられる。前記複素環スルホニル基としては、炭素原子数が1〜20の複素環スルホニル基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記複素環スルホニル基の例には、2−チエニルスルホニル基、3−ピリジルスルホニル基が含まれる。
アルキルスルフィニル基およびアリールスルフィニル基には、置換アルキルスルフィニル基および置換アリールスルフィニル基及び無置換アルキルスルフィニル基および無置換アリールスルフィニル基が含まれる。アルキルスルフィニル基およびアリールスルフィニル基の例としては、それぞれメチルスルフィニル基およびフェニルスルフィニル基をあげる事ができる。
複素環スルフィニル基には、置換複素環スルフィニル基及び無置換複素環スルフィニル基が含まれる。複素環としては、前記複素環基で記載の複素環が挙げられる。前記複素環スルフィニル基としては、炭素原子数が1〜20の複素環スルフィニル基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記複素環スルフィニル基の例には、4−ピリジルスルフィニル基が含まれる。
スルファモイル基には、置換スルファモイル基及び無置換スルファモイル基が含まれる。前記置換基の例には、アルキル基が含まれる。前記スルファモイル基の例には、ジメチルスルファモイル基およびジ−(2−ヒドロキシエチル)スルファモイル基が含まれる。
一般式(M1)の中でも、特に好ましい構造は、下記一般式(M1−A)で表されるものである。
一般式(M1−A);
式中、R31、R32、R35およびR36は一般式(M1)と同義である。
33およびR34は、各々独立に、水素原子または置換基を表し、該置換基は脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表す。中でも水素原子、芳香族基、複素環基、アシル基、アルキルスルホニル基もしくはアリールスルホニル基が好ましく、水素原子、芳香族基、複素環基が特に好ましい。
31はハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基を表す。Z31はσp値が0.30以上の電子吸引性基であるのが好ましく、0.45以上の電子吸引性基が更に好ましく、0.60以上の電子吸引性基が特に好ましいが、1.0を超えないことが望ましい。
具体的には、ハメット置換基定数σp値が0.60以上の電子吸引性基としては、シアノ基、ニトロ基、アルキルスルホニル基(例えばメチルスルホニル基、アリールスルホニル基(例えばフェニルスルホニル基)を例として挙げることができる。
ハメット置換基定数σp値が0.45以上の電子吸引性基としては、上記に加えアシル基(例えばアセチル基)、アルコキシカルボニル基(例えばドデシルオキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例えば、m−クロロフェノキシカルボニル)、アルキルスルフィニル基(例えば、n−プロピルスルフィニル)、アリールスルフィニル基(例えばフェニルスルフィニル)、スルファモイル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル)、ハロゲン化アルキル基(例えば、トリフロロメチル)を挙げることができる。
ハメット置換基定数σp値が0.30以上の電子吸引性基としては、上記に加え、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ)、カルバモイル基(例えば、N−エチルカルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル)、ハロゲン化アルコキシ基(例えば、トリフロロメチルオキシ)、ハロゲン化アリールオキシ基(例えば、ペンタフロロフェニルオキシ)、スルホニルオキシ基(例えばメチルスルホニルオキシ基)、ハロゲン化アルキルチオ基(例えば、ジフロロメチルチオ)、2つ以上のσp値が0.15以上の電子吸引性基で置換されたアリール基(例えば、2,4−ジニトロフェニル、ペンタクロロフェニル)、および複素環(例えば、2−ベンゾオキサゾリル、2−ベンゾチアゾリル、1−フェニルー2−ベンゾイミダゾリル)を挙げることができる。
ハメット置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基の具体例としては、上記に加え、ハロゲン原子などが挙げられる。
31としては、上記のなかでも、炭素数2〜20のアシル基、炭素数2〜20のアルキルオキシカルボニル基、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、炭素数6〜20のアリールスルホニル基、炭素数1〜20のカルバモイル基及び炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基が好ましい。特に好ましいものは、シアノ基、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、炭素数6〜20のアリールスルホニル基であり、最も好ましいものはシアノ基である。
32は水素原子または置換基を表し、該置換基は脂肪族基、芳香族基もしくは複素環基を表す。Z32は好ましくは脂肪族基であり、更に好ましくは炭素数1〜6のアルキル基である。
Qは水素原子または置換基を表し、該置換基は脂肪族基、芳香族基もしくは複素環基を表す。中でもQは5〜8員環を形成するのに必要な非金属原子群からなる基が好ましい。前記5〜8員環は置換されていてもよいし、飽和環であっても不飽和結合を有していてもよい。その中でも特に芳香族基、複素環基が好ましい。好ましい非金属原子としては、窒素原子、酸素原子、イオウ原子または炭素原子が挙げられる。そのような環構造の具体例としては、例えばベンゼン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、シクロヘキセン環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環、トリアジン環、イミダゾール環,ベンゾイミダゾール環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、オキサン環、スルホラン環およびチアン環等が挙げられる。
一般式(M1−A)で説明した各置換基の水素原子は置換されていてもよい。該置換基としては、一般式(M1)で説明した置換基、G3、R31、R32で例示した基やイオン性親水性基が挙げられる。
前記一般式(M1)で表されるアゾ染料として特に好ましい置換基の組み合わせは、R35およびR36として好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、スルホニル基、アシル基であり、さらに好ましくは水素原子、アリール基、複素環基、スルホニル基であり、最も好ましくは、水素原子、アリール基、複素環基である。ただし、R35およびR36が共に水素原子であることは無い。
3として好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシル基、アミノ基、アシルアミノ基であり、さらに好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、アシルアミノ基であり、もっとも好ましくは水素原子、アミノ基、アシルアミノ基である。
31のうち、好ましくはピラゾール環、イミダゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチアゾール環であり、さらにはピラゾール環、イソチアゾール環であり、最も好ましくはピラゾール環である。
31およびB32がそれぞれ=CR31−、−CR32=であり、R31、R32は各々好ましくは水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、カルバモイル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基であり、さらに好ましくは水素原子、アルキル基、カルボキシル基、シアノ基、カルバモイル基である。
尚、前記一般式(M1)で表される化合物の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
前記一般式(M1)で表されるアゾ染料の具体例を以下に示すが、本発明は、下記の例に限定されるものではない。
一般式(M1)で表されるアゾ染料のインク中での含有量は、0.2〜20質量%が好ましく、0.5〜15質量%がより好ましい。また、その20℃における水への溶解度(又は安定状態での分散度)は、5質量%以上が好ましく、より好ましくは10質量%以上である。
次に、一般式(M2)で表される染料について説明する。
一般式(M2):

(式中Rは水素原子、アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、シクロヘキシル基、モノ又はジアルキルアミノアルキル基又はシアノ低級アルキル基を、Yは塩素、水酸基、アミノ基、モノ又はジアルキルアミノ基(アルキル基上にスルホン酸基、カルボキシ基および水酸基からなる群から選択される置換基を有してもよい)、アラルキルアミノ基、シクロアルキルアミノ基、アルコキシ基、フェノキシ基(ベンゼン環上にスルホン酸基、カルボキシ基、アセチルアミノ基、アミノ基及び水酸基からなる群から選択される置換基で置換されていても良い)、アニリノ基(スルホン酸基及びカルボキシ基からなる群から選択される1種又は2種の置換基で置換されていても良い。)、ナフチルアミノ基(ナフチル基はスルホン酸基で置換されていても良い。)、又はモノ又はジアルキルアミノアルキルアミノ基を表し、Xは架橋基をそれぞれ表し、Zは水素原子、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、アルキルアミノ基、アルカノ−ルアミノ基、アンモニウム基を表す。
本発明では、前記一般式(M2)で表されるアントラピリドン型染料を用いることが好ましい。式中、Zは、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、アルキルアミノ基、アルカノールアミノ基、またはアンモニウム基が好ましい。より好ましくはナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属元素、モノエタノールアミノ基、ジエタノールアミノ基、トリエタノールアミノ基、モノイソプロパノールアミノ基、ジイソプロパノールアミノ基、トリイソプロパノールアミノ基等のアルカノールアミノ基、アンモニウム基が挙げられる。
一般式(M2)の染料の代表的な1つとして一般式(M3)で表される化合物があげられる。
一般式(M3):
本発明において「アルキル」といった場合、通常の「アルキル」の定義に入るものであれば制限はない。通常、特別に断りのある場合を除き、炭素数1〜10程度のアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜4程度の低級アルキル基である。また、アルコキシ、アラルキル等におけるアルキル基についても同様である。
本発明における式(M2)、式(M3)等において、Rのアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基等のC1〜C4のアルキル基があげられる。また、Rにおけるヒドロキシ低級アルキル基及びシアノ低級アルキル基におけるアルキルとしては、例えばエチル、プロピル等が挙げられるが、エチルが好ましい。Yにおけるアルキルアミノ基としては、たとえばメチルアミノ基、エチルアミノ基、ブチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基等のC1〜C8のアルキルアミノ基があげられる。ジアルキルアミノ基としては、たとえばジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジヘキシルアミノ基等のC1〜C8のジアルキルアミノ基があげられる。また、アラルキルアミノ基としてはベンジルアミノ基、フェネチルアミノ基、フェニルプロピルアミノ基等のフェニル(C1〜C6)アルキルアミノ基があげられ、シクロアルキルアミノ基としてはたとえばシクロヘキシルアミノ基、シクロペンチルアミノ基等のシクロ(C5〜C7)アルキルアミノ基があげられ、アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等のC1〜C4のアルコキシ基があげられる。スルホン酸基又はカルボキシ基を有するアルキルアミノ基におけるアルキルとしては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル等のC1〜C4のアルキルがあげられる。
Yにおける、スルホン酸基、カルボキシ基、アセチルアミノ基、アミノ基、水酸基からなる群から選択される置換基で置換されていてもよいフェノキシ基の具体例としては、例えば4−スルホフェノキシ基、4−カルボキシフェノキシ基、4−アセチルアミノ−フェノキシ基、4−アミノフェノキシ基、4−ヒドロキシフェノキシ基等があげられる。
Yにおける、スルホン酸基又はカルボキシ基を有するアルキルアミノ基の具体例としては、例えば2−スルホエチルアミノ基、カルボキシメチルアミノ基、2−カルボキシエチルアミノ基、1−カルボキシエチルアミノ基、1,2−ジカルボキシエチルアミノ基又はジ(カルボキシメチル)アミノ基等があげられ、水酸基を有するアルキルアミノ基の具体例としては、例えばヒドロキシエチルアミノ基、ジヒドロキシエチルアミノ基等があげられる。
Yにおける、スルホン酸基及びカルボキシ基からなる群から選択される1種又は二種の置換基で置換されていてもよいアニリノ基の具体例としては、例えば2,5−ジスルホアニリノ基、3−スルホアニリノ基、2−スルホアニリノ基、4−スルホアニリノ基、2−カルボキシ−4−スルホアニリノ基、2−カルボキシ−5−スルホアニリノ基等があげられる。
Yにおける、スルホン酸基で置換されていてもよいナフチルアミノ基の具体例としては、例えば3,6,8−トリスルホ−1−ナフチルアミノ基、4,6,8−トリスルホ−2−ナフチルアミノ基、3,6,8−トリスルホ−2−ナフチルアミノ基、4,8−ジスルホ−2−ナフチルアミノ基等があげられる。
Xにおける架橋基としては、窒素原子、酸素原子または硫黄原子を含んでもよい炭素数1〜20の炭化水素残基の両末端に窒素原子または酸素原子を有し、該両末端の窒素原子または酸素原子を結合手とする2価の基があげられ、具体的には−N(H)m(−A−)n N(H)m−または−O−A−O−(式中、Aは2価の炭素数1〜20の炭化水素残基であり、窒素原子、酸素原子または硫黄原子を含んでもよく、nは1または2、mは1または0を示し、nが1の時mは1を示し、nが2の時mは0を示す)で表される基があげられる。
上記Aの2価の炭素数1〜20の炭化水素残基としては例えば、異項原子(例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子等)を1〜2個含んでもよい炭素数1〜15の2価の脂肪族基、異項原子(例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子等)を1〜3個含んでもよい2価の炭素数3〜10、好ましくは炭素数5〜10の芳香族基および前記脂肪族基と前記芳香族基が結合してできる2価の基があげられる。これらの基は置換基(スルホン酸基、カルボキシル基、アミノ基、芳香族基の時は低級アルキル基等)を有していてもよい。
上記の脂肪族基としては例えばメチレン、ジメチレン(エチレン)、トリメチレン(プロピレン)、2−メチルトリメチレン(2−メチルプロピレン)、テトラメチレン(ブチレン)、ヘキサメチレン等の低級アルキル基で置換されていてもよい炭素数1〜6の(ポリ)メチレン、シクロペンタン−1,2−または1,3−ジイル、シクロヘキサン−1,2−、−1,3−または−1,4−ジイル、シクロヘプタン−ジイル等の炭素数5〜7のシクロアルキレン、メチレンシクロヘキサン−1,4−ジイルメチレン(−CH2−C610−CH2−)、メチレンジシクロヘキサン−ジイル(−C610−CH2−C610−)、メチレンビス(メチルシクロヘキサン−ジイル){−C610(CH3)−CH2−C610(CH3)−}、シクロヘキサン−ジイル−ジメチレン(−CH2−C610−CH2−)等の低級アルキレンと炭素数5〜7の脂肪族環(低級アルキル置換をしていてもよい)からなる脂肪族基、メチレンオキシメチレン(−CH2−O−CH2−)、ビス(ジメチレン)アミノ(−C24−NH−C24−)、メチレンチオメチレン(−CH2−S−CH2−)、オキシジシクロヘキサン−ジイル(−C610−O−C610−)等の異項原子を含む炭素数1〜7の脂肪族基等が挙げられる。
2価の芳香族基としてはフェニレン(−C64−)、ナフチレン(−C106−)等の炭素数6〜10の芳香族基をあげることができる。
前記脂肪族基と前記芳香族基が結合してできる2価の基としてはキシリレン(−CH−C64−CH−)等をあげることができる。
上記Aとしてより好ましいのものとしては、ジメチレン、ヘキサメチレン、1,3−キシリレン、メチレンジシクロヘキサン−4,1−ジイル、メチレンビス(2−メチルシクロヘキサン−4,1−ジイル)、シクロヘキサン−1,3−ジイル−ジメチレンが挙げられる。
架橋基Xとしては、例えば1,2−ジアミノエチレン基(−NH−CH2CH2−NH−)、1,4−ジアミノブチレン基(−NH−C48−NH−)、1,6−ジアミノヘキシレン基(−NH−C612−NH−)等のジアミノアルキレン基、1,4−ピペラジンジイル基(−NC48N−)、1,4−ジアミノフェニレン基(−NH−C64−p−NH−)、1,3−ジアミノフェニレン基(−NH−C64−m−NH−)等のジアミノフェニレン基、4−スルホ−1,3−ジアミノフェニレン基{−NH−C64(p−SO3H)−m−NH−}、5−カルボキシ−1,3−ジアミノフェニレン基等の置換ジアミノフェニレン基、1,3−ジアミノキシリレン基(−NH−CH2−C64−m−CH2−NH−)、1,4−ジアミノキシリレン基(−NH−CH2−C64−p−CH2−NH−)、4,4’−ジアミノ−2−スルホージフェニルアミノ基{−NH−C64(m−SO3H)−NH−C64−p−NH−}、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン基(−NH−C610−4−CH2−C610−4’−NH−)、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン基{−NH−C610(3−CH3)−4−CH2−C610(3’−CH3)−4’−NH−}、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン基(−NH−CH2−C610−3−CH−NH−)、ジオキシエチレン基(−O−CH2CH2−O−)、1,4−ジオキシブチレン基(−O−C48−O−)、2,2’−ジオキシエチルエーテル基(−O−CH2CH2−O−CH2CH2−O−)等のジオキシ置換アルキレン基、1,4−ジオキシフェニレン基(−O−C64−p−O−)、1,3−ジオキシフェニレン基(−O−C64−m−O−)、4,4’−ジオキシジフェニルエーテル基(−O−C64−p−O−C64−p−O−)、4,4’−ジオキシフェニレンチオエーテル基(−O−C64−p−S−C64−p−O−)、2,5−及び2,6−ノルボルナンジアミノ基、1,4−ジオキシメチルシクロヘキシレン基(−O−CH−C610−4−CH2−O−)等があげられる。なお、式−N(H)m(−A−)n N(H)m−において、nが2であり、mが0である場合の基としては上記1,4−ピペラジンジイル(−NC48N−)などがあげられる。
R、Y、Xの好ましい組み合わせとしては、例えば、Rが水素原子又はメチル基、Yが塩素原子、水酸基又はアミノ基、Xがジアミノエチレン基、1,4−ピペラジンジイル基、1,3−ジアミノキシリレン基、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン基、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン基、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン基等である。
前記一般式(M3)で示されるアントラピリドン化合物の具体例を下記表に示す。尚、表中、ジアミノエチレンは、1,2−ジアミノエチレン基(−NH−CH2CH2−NH−)を意味する。またPhはフェニル基を示し、例えばPhOはフェノキシ基、NHPhはアニリノ基を示し、他も同様とする。またNHPh(p−SO3H)は4−スルホアニリノ基(p−SO3Hはスルホン酸基がフェニル基のパラ位にあることを示す)を、NHPh(COOH)2(3,5)は3,5−ジカルボキシアニリノ基{Ph(COOH)2(3,5)はフェニル基の3位および5位にカルボキシル基が置換していることを示す}を表し、他の基についても同様に記載する。また、naphthylはナフチル基を示し、NH−2naphthyl(SO3H)3(3,6,8)は3,6,8−トリスルホ−2ナフチルアミノを示し、NH(cyclohexyl)はシクロヘキシルアミノを示す。
式(M3)の化合物において、例えば、架橋基Xにおいて両末端にアミノ基を有する化合物を得るには、下記一般式(M4)の化合物2モルと2,4,6−トリクロロ−S−トリアジン(シアヌルクロライド)2〜2.4モルとを水中で、pH3〜7、5〜35℃、2〜8時間反応させて得られる1次縮合物である下記一般式(M5)の化合物に、下記式(M6)のジアミノ化合物1モルを、
一般式(M6);
HN(H)m−(−A−)n N(H)mH
(式中、Aは連結基であり、例えば2価の炭素数1〜20の炭化水素残基であり、窒素原子、酸素原子または硫黄原子を含んでもよく、nは1または2、mは1または0を示し、nが1の時mは1を示し、nが2の時mは0を示す。Aの好ましいものとしてはC1〜C6の(ポリ)メチレン、置換基を有してもよいフェニレン、キシリレン、メチレンジシクロヘキサン−ジイル、メチレンビス(メチルシクロヘキサン−ジイル)、シクロヘキサン−ジイル−ジメチレンが挙げられ、より好ましくは、ジメチレン、ヘキサメチレン、1,3−キシリレン、メチレンジシクロヘキサン−4,1−ジイル、メチレンビス(2−メチルシクロヘキサン)−4,1−ジイル、シクロヘキサン−1,3−ジイル−ジメチレンが挙げられる。)pH4〜10、5〜90℃、10分〜5時間反応させることにより、Yが塩素原子で、架橋基Xの両末端がアミノ基である式(M7)
の化合物が2次縮合物として得られる。ただし、上記式(M6)においてピペリジンなどのHN(−A−)2NH(式(M6)においてn=2,m=0)で表される化合物を使用した場合には、式(M7)における−NH−A−NH−の代わりに−N(−A−)2N−である化合物が得られる。次いで、化合物(M7)を、pH9〜12、70〜90℃、1〜5時間加水分解するか、又はアンモニア、対応するアミン類、フェノール類、ナフトール類もしくはメタノール等のアルコール類を、pH8〜10、90〜100℃、3〜8時間反応させることにより、3次縮合物としてYが塩素原子以外の式(M8)
の化合物が得られる。また、上記式(M6)においてHN(−A−)2NHで表される化合物を使用した場合には、式(M8)における−NH−A−NH−の代わりに−N(−A−)2N−である化合物が得られる。なお、縮合の順序は各種化合物の反応性に応じ、適宜定められ、上記に限定されない。
前記式(M8)で示される化合物の具体例は先の表1及び2に多数含まれているが、好ましい化合物を、表1及び2に示した化合物も含めて下記表に示す。
前記式(M6)のジアミノ化合物の代わりに、式 HO−A−OH(式中Aは前記と同じ)で表されるグリコール化合物を使用して、常法により縮合反応を行うことにより、前記式(M7)における架橋基−NH−A−NH−が−O−A−O−に代わった化合物が得られ、以下上記と同様に処理することにより、式(M8)における架橋基−NH−A−NH−が−O−A−O−に代わった化合物が得られる。
こうして得られる化合物は遊離酸の形で、あるいはその塩の形態で存在し、遊離酸またはその塩として、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アルキルアミン塩、アルカノールアミン塩またはアンモニウム塩として使用できる。好ましくはナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩等のアルカリ金属塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、モノイソプロパノールアミン塩、ジイソプロパノールアミン塩、トリイソプロパノールアミン塩等のアルカノールアミン塩、アンモニウム塩が挙げられる。
(インクセット)
本発明のインクセットには、前記染料とともにフルカラーの画像を得るため、あるいは色調を整えるために、他の染料を併用してもよい。併用することができる染料の例としては以下を挙げることができる。
イエロー染料としては、例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピラゾロン類、ピリドン類、開鎖型活性メチレン化合物類を有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料;例えばカップリング成分として開鎖型活性メチレン化合物類を有するアゾメチン染料;例えばベンジリデン染料やモノメチンオキソノール染料等のようなメチン染料;例えばナフトキノン染料、アントラキノン染料等のようなキノン系染料などがあり、これ以外の染料種としてはキノフタロン染料、ニトロ・ニトロソ染料、アクリジン染料、アクリジノン染料等を挙げることができる。これらの染料は、クロモフォアの一部が解離して初めてイエローを呈するものであってもよく、その場合のカウンターカチオンはアルカリ金属や、アンモニウムのような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニウム、4級アンモニウム塩のような有機のカチオンであってもよく、さらにはそれらを部分構造に有するポリマーカチオンであってもよい。
マゼンタ染料としては、例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類を有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料;例えばカップリング成分としてピラゾロン類、ピラゾロトリアゾール類を有するアゾメチン染料;例えばアリーリデン染料、スチリル染料、メロシアニン染料、オキソノール染料のようなメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボニウム染料、例えばナフトキノン、アントラキノン、アントラピリドンなどのようなキノン系染料、例えばジオキサジン染料等のような縮合多環系色素等を挙げることができる。これらの染料は、クロモフォアの一部が解離して初めてマゼンタを呈するものであってもよく、その場合のカウンターカチオンはアルカリ金属や、アンモニウムのような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニウム、4級アンモニウム塩のような有機のカチオンであってもよく、さらにはそれらを部分構造に有するポリマーカチオンであってもよい。
シアン染料としては、例えばインドアニリン染料、インドフェノール染料のようなアゾメチン染料;シアニン染料、オキソノール染料、メロシアニン染料のようなポリメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボニウム染料;フタロシアニン染料;アントラキノン染料;例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類を有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料、インジゴ・チオインジゴ染料を挙げることができる。これらの染料は、クロモフォアの一部が解離して初めてシアンを呈するものであってもよく、その場合のカウンターカチオンはアルカリ金属や、アンモニウムのような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニウム、4級アンモニウム塩のような有機のカチオンであってもよく、さらにはそれらを部分構造に有するポリマーカチオンであってもよい。
また、ポリアゾ染料などのブラック染料も使用することができる。
また、直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料、反応性染料等の水溶性染料を併用することもできる。なかでも好ましいものとしては、
C.I. ダイレクトレッド2、4、9、23、26、31、39、62、63、72、75、76、79、80、81、83、84、89、92、95、111、173、184、207、211、212、214、218、21、223、224、225、226、227、232、233、240、241、242、243、247
C.I. ダイレクトバイオレット7、9、47、48、51、66、90、93、94、95、98、100、101
C.I. ダイレクトイエロー8、9、11、12、27、28、29、33、35、39、41、44、50、53、58、59、68、86、87、93、95、96、98、100、106、108、109、110、130、132、142、144、161、163
C.I. ダイレクトブルー1、10、15、22、25、55、67、68、71、76、77、78、80、84、86、87、90、98、106、108、109、151、156、158、159、160、168、189、192、193、194、199、200、201、202、203、207、211、213、214、218、225、229、236、237、244、248、249、251、252、264、270、280、288、289、291
C.I. ダイレクトブラック9、17、19、22、32、51、56、62、69、77、80、91、94、97、108、112、113、114、117、118、121、122、125、132、146、154、166、168、173、199
C.I. アシッドレッド35、42、52、57、62、80、82、111、114、118、119、127、128、131、143、151、154、158、249、254、257、261、263、266、289、299、301、305、336、337、361、396、397
C.I. アシッドバイオレット5、34、43、47、48、90、103、126
C.I. アシッドイエロー17、19、23、25、39、40、42、44、49、50、61、64、76、79、110、127、135、143、151、159、169、174、190、195、196、197、199、218、219、222、227
C.I. アシッドブルー9、25、40、41、62、72、76、78、80、82、92、106、112、113、120、127:1、129、138、143、175、181、205、207、220、221、230、232、247、258、260、264、271、277、278、279、280、288、290、326
C.I. アシッドブラック7、24、29、48、52:1、172
C.I. リアクティブレッド3、13、17、19、21、22、23、24、29、35、37、40、41、43、45、49、55
C.I. リアクティブバイオレット1、3、4、5、6、7、8、9、16、17、22、23、24、26、27、33、34
C.I. リアクティブイエロー2、3、13、14、15、17、18、23、24、25、26、27、29、35、37、41、42
C.I. リアクティブブルー2、3、5、8、10、13、14、15、17、18、19、21、25、26、27、28、29、38
C.I. リアクティブブラック4、5、8、14、21、23、26、31、32、34
C.I. ベーシックレッド12、13、14、15、18、22、23、24、25、27、29、35、36、38、39、45、46
C.I. ベーシックバイオレット1、2、3、7、10、15、16、20、21、25、27、28、35、37、39、40、48
C.I. ベーシックイエロー1、2、4、11、13、14、15、19、21、23、24、25、28、29、32、36、39、40
C.I. ベーシックブルー1、3、5、7、9、22、26、41、45、46、47、54、57、60、62、65、66、69、71
C.I. ベーシックブラック8、等が挙げられる。
さらに、顔料を併用することもできる。
本発明のインクに用いることのできる顔料としては、市販のものの他、各種文献に記載されている公知のものが利用できる。文献に関してはカラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists編)、「改訂新版顔料便覧」日本顔料技術協会編(1989年刊)、「最新顔料応用技術」CMC出版(1986年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版(1984年刊)、W. Herbst, K. Hunger共著によるIndustrial Organic Pigments (VCH Verlagsgesellschaft、1993年刊)等がある。具体的には、有機顔料ではアゾ顔料(アゾレーキ顔料、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料)、多環式顔料(フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、インジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料等)、染付けレーキ顔料(酸性または塩基性染料のレーキ顔料)、アジン顔料等があり、無機顔料では、黄色顔料のC. I. Pigment Yellow 34, 37, 42, 53など、赤系顔料のC. I. Pigment Red 101, 108など、青系顔料のC. I. Pigment Blue 27, 29,17:1など、黒系顔料のC. I. Pigment Black 7,マグネタイトなど、白系顔料のC. I. Pigment White 4,6,18,21などを挙げることができる。
画像形成用に好ましい色調を持つ顔料としては、青ないしシアン顔料ではフタロシアニン顔料、アントラキノン系のインダントロン顔料(たとえばC. I. Pigment Blue 60など)、染め付けレーキ顔料系のトリアリールカルボニウム顔料が好ましく、特にフタロシアニン顔料(好ましい例としては、C. I. Pigment Blue 15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同15:6などの銅フタロシアニン、モノクロロないし低塩素化銅フタロシアニン、アルニウムフタロシアニンでは欧州特許860475号に記載の顔料、C. I. Pigment Blue 16である無金属フタロシアニン、中心金属がZn、Ni、Tiであるフタロシアニンなど、中でも好ましいものはC. I. Pigment Blue 15:3、同15:4、アルミニウムフタロシアニン)が最も好ましい。
赤ないし紫色の顔料では、アゾ顔料(好ましい例としては、C. I. Pigment Red 3、同5、同11、同22、同38、同48:1、同48:2、同48:3、同48:4、同49:1、同52:1、同53:1、同57:1、同63:2、同144、同146、同184)など、中でも好ましいものはC. I. Pigment Red 57:1、同146、同184)、キナクリドン系顔料(好ましい例としてはC. I. Pigment Red 122、同192、同202、同207、同209、C. I. Pigment Violet 19、同42、なかでも好ましいものはC. I. Pigment Red 122)、染め付けレーキ顔料系のトリアリールカルボニウム顔料(好ましい例としてはキサンテン系のC. I. Pigment Red 81:1、C. I. Pigment Violet 1、同2、同3、同27、同39)、ジオキサジン系顔料(例えばC. I. Pigment Violet 23、同37)、ジケトピロロピロール系顔料(例えばC. I. Pigment Red 254)、ペリレン顔料(例えばC. I. Pigment Violet 29)、アントラキノン系顔料(例えばC. I. Pigment Violet 5:1、同31、同33)、チオインジゴ系(例えばC. I. Pigment Red 38、同88)が好ましく用いられる。
黄色顔料としては、アゾ顔料(好ましい例としてはモノアゾ顔料系のC. I. Pigment Yellow 1, 3, 74, 98、ジスアゾ顔料系のC. I. Pigment Yellow 12, 13, 14, 16, 17, 83、総合アゾ系のC. I. Pigment Yellow 93, 94, 95, 128, 155、ベンズイミダゾロン系のC. I. Pigment Yellow 120, 151, 154, 156, 180など、なかでも好ましいものはベンジジン系化合物を原料に使用しなもの)、イソインドリン・イソインドリノン系顔料(好ましい例としてはC. I. Pigment Yellow 109, 110, 137, 139など)、キノフタロン顔料(好ましい例としてはC. I. Pigment Yellow 138など)、フラパントロン顔料(例えばC. I. Pigment Yellow 24など)が好ましく用いられる。
黒顔料としては、無機顔料(好ましくは例としてはカーボンブラック、マグネタイト)やアニリンブラックを好ましいものとして挙げることができる。
この他、オレンジ顔料(C. I. Pigment Orange 13, 16など)や緑顔料(C. I. Pigment Green 7など)を使用してもよい。
本発明のインクに使用できる顔料は、上述の裸の顔料であってもよいし、表面処理を施された顔料でもよい。表面処理の方法には、樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカップリング剤やエポキシ化合物、ポリイソシアネート、ジアゾニウム塩から生じるラジカルなど)を顔料表面に結合させる方法などが考えられ、次の文献や特許に記載されている。
(1) 金属石鹸の性質と応用(幸書房)
(2) 印刷インキ印刷(CMC出版 1984)
(3) 最新顔料応用技術(CMC出版 1986)
(4) 米国特許5,554,739号、同5,571,311号
(5) 特開平9-151342号、同10-140065号、同10-292143号、同11-166145号
特に、上記(4)の米国特許に記載されたジアゾニウム塩をカーボンブラックに作用させて調製された自己分散性顔料や、上記(5)の日本特許に記載された方法で調製されたカプセル化顔料は、インク中に余分な分散剤を使用することなく分散安定性が得られるため特に有効である。
本発明のインクおいては、顔料はさらに分散剤を用いて分散されていてもよい。分散剤は、用いる顔料に合わせて公知の種々のもの、例えば界面活性剤型の低分子分散剤や高分子型分散剤を用いることができる。分散剤の例としては特開平3-69949号、欧州特許549486号等に記載のものを挙げることができる。また、分散剤を使用する際に分散剤の顔料への吸着を促進するためにシナジストと呼ばれる顔料誘導体を添加してもよい。
本発明のインクに使用できる顔料の粒径は、分散後で0.01〜10μmの範囲であることが好ましく、0.05〜1μmであることが更に好ましい。
顔料を分散する方法としては、インク製造やトナー製造時に用いられる公知の分散技術が使用できる。分散機としては、縦型あるいは横型のアジテーターミル、アトライター、コロイドミル、ボールミル、3本ロールミル、パールミル、スーパーミル、インペラー、デスパーサー、KDミル、ダイナトロン、加圧ニーダー等が挙げられる。詳細は「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986)に記載がある。
次に、本発明のインクジェット用インクが含有し得る界面活性剤について説明する。
本発明のインクジェット用インクに界面活性剤を含有させ、インクの液物性を調整することで、インクの吐出安定性を向上させ、画像の耐水性の向上や印字したインクの滲みの防止などに優れた効果を持たせることができる。
界面活性剤としては、例えばドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルオキシスルホン酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤、セチルピリジニウムクロライド、トリメチルセチルアンモニウムクロライド、テロラブチルアンモニウムクロライド等のカチオン性界面活性剤や、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンナフチルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等のノニオン性界面活性剤などが挙げられる。中でも特にノニオン系界面活性剤が好ましく使用される。
界面活性剤の含有量はインクに対して0.001〜20質量%、好ましくは0.005〜10質量%、更に好ましくは0.01〜5質量%である。
本発明のインクジェット用インクは、水性媒体中に前記染料と、好ましくは界面活性剤とを溶解または分散させることによって作製することができる。本発明における「水性媒体」とは、水又は水と少量の水混和性有機溶剤との混合物に、必要に応じて湿潤剤、安定剤、防腐剤等の添加剤を添加したものを意味する。
本発明のインク液を調液する際には、水溶性インクの場合、まず水に溶解することが好ましい。そのあと、各種溶剤や添加物を添加し、溶解、混合して均一なインク液とする。
このときの溶解方法としては、攪拌による溶解、超音波照射による溶解、振とうによる溶解等種々の方法が使用可能である。中でも特に攪拌法が好ましく使用される。攪拌を行う場合、当該分野では公知の流動攪拌や反転アジターやディゾルバを利用した剪断力を利用した攪拌など、種々の方式が利用可能である。一方では、磁気攪拌子のように、容器底面との剪断力を利用した攪拌法も好ましく利用できる。
本発明において用いることができる上記水混和性有機溶剤の例には、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、グリコール誘導体(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングルコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングルコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、エチレングルコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル)、アミン(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、テトラメチルプロピレンジアミン)およびその他の極性溶媒(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アセトニトリル、アセトン)が挙げられる。尚、前記水混和性有機溶剤は、2種類以上を併用してもよい。
前記染料が油溶性染料の場合は、該油溶性染料を高沸点有機溶媒中に溶解させ、水性媒体中に乳化分散させることによって本発明のインクを調製することができる。
本発明に用いられる高沸点有機溶媒の沸点は150℃以上であるが、好ましくは170℃以上である。
例えば、フタル酸エステル類(例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジシクロへキシルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、デシルフタレート、ビス(2,4−ジ−tert−アミルフェニル)イソフタレート、ビス(1,1−ジエチルプロピル)フタレート)、リン酸又はホスホンのエステル類(例えば、ジフェニルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、ジオクチルブチルホスフェート、トリシクロヘキシルホスフェート、トリ−2−エチルヘキシルホスフェート、トリドデシルホスフェート、ジ−2−エチルヘキシルフェニルホスフェート)、安息香酸エステル酸(例えば、2−エチルヘキシルベンゾエート、2,4−ジクロロベンゾエート、ドデシルベンゾエート、2−エチルヘキシル−p−ヒドロキシベンゾエート)、アミド類(例えば、N,N−ジエチルドデカンアミド、N,N−ジエチルラウリルアミド)、アルコール類またはフェノール類(イソステアリルアルコール、2,4−ジ−tert−アミルフェノールなど)、脂肪族エステル類(例えば、コハク酸ジブトキシエチル、コハク酸ジ−2−エチルヘキシル、テトラデカン酸2−ヘキシルデシル、クエン酸トリブチル、ジエチルアゼレート、イソステアリルラクテート、トリオクチルシトレート)、アニリン誘導体(N,N−ジブチル−2−ブトキシ−5−tert−オクチルアニリンなど)、塩素化パラフィン類(塩素含有量10%〜80%のパラフィン類)、トリメシン酸エステル類(例えば、トリメシン酸トリブチル)、ドデシルベンゼン、ジイソプロピルナフタレン、フェノール類(例えば、2,4−ジ−tert−アミルフェノール、4−ドデシルオキシフェノール、4−ドデシルオキシカルボニルフェノール、4−(4−ドデシルオキシフェニルスルホニル)フェノール)、カルボン酸類(例えば、2−(2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ酪酸、2−エトキシオクタンデカン酸)、アルキルリン酸類(例えば、ジ−2(エチルヘキシル)リン酸、ジフェニルリン酸)などが挙げられる。高沸点有機溶媒は油溶性染料に対して質量比で0.01〜3倍量、好ましくは0.01〜1.0倍量で使用できる。
これらの高沸点有機溶媒は単独で使用しても、数種の混合〔例えばトリクレジルホスフェートとジブチルフタレート、トリオクチルホスフェートとジ(2−エチルヘキシル)セバケート、ジブチルフタレートとポリ(N−t−ブチルアクリルアミド)〕で使用してもよい。
本発明において用いられる高沸点有機溶媒の前記以外の化合物例及び/またはこれら高沸点有機溶媒の合成方法は例えば米国特許第2,322,027号、同第2,533,514号、同第2,772,163号、同第2,835,579号、同第3,594,171号、同第3,676,137号、同第3,689,271号、同第3,700,454号、同第3,748,141号、同第3,764,336号、同第3,765,897号、同第3,912,515号、同第3,936,303号、同第4,004,928号、同第4,080,209号、同第4,127,413号、同第4,193,802号、同第4,207,393号、同第4,220,711号、同第4,239,851号、同第4,278,757号、同第4,353,979号、同第4,363,873号、同第4,430,421号、同第4,430,422号、同第4,464,464号、同第4,483,918号、同第4,540,657号、同第4,684,606号、同第4,728,599号、同第4,745,049号、同第4,935,321号、同第5,013,639号、欧州特許第276,319A号、同第286,253A号、同第289,820A号、同第309,158A号、同第309,159A号、同第309,160A号、同第509,311A号、同第510,576A号、東独特許第147,009号、同第157,147号、同第159,573号、同第225,240A号、英国特許第2,091,124A号、特開昭48−47335号、同50−26530号、同51−25133号、同51−26036号、同51−27921号、同51−27922号、同51−149028号、同52−46816号、同53−1520号、同53−1521号、同53−15127号、同53−146622号、同54−91325号、同54−106228号、同54−118246号、同55−59464号、同56−64333号、同56−81836号、同59−204041号、同61−84641号、同62−118345号、同62−247364号、同63−167357号、同63−214744号、同63−301941号、同64−9452号、同64−9454号、同64−68745号、特開平1−101543号、同1−102454号、同2−792号、同2−4239号、同2−43541号、同4−29237号、同4−30165号、同4−232946号、同4−346338号等に記載されている。
上記高沸点有機溶媒は、油溶性染料に対し、質量比で0.01〜3.0倍量、好ましくは0.01〜1.0倍量で使用する。
本発明では油溶性染料や高沸点有機溶媒は、水性媒体中に乳化分散して用いられる。乳化分散の際、乳化性の観点から場合によっては低沸点有機溶媒を用いることができる。低沸点有機溶媒としては、常圧で沸点約30℃以上150℃以下の有機溶媒である。例えばエステル類(例えばエチルアセテート、ブチルアセテート、エチルプロピオネート、β−エトキシエチルアセテート、メチルセロソルブアセテート)、アルコール類(例えばイソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、セカンダリーブチルアルコール)、ケトン類(例えばメチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン)、アミド類(例えばジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン)、エーテル類(例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン)等が好ましく用いられるが、これに限定されるものではない。
乳化分散は、高沸点有機溶媒のみ、場合によっては高沸点有機溶媒と低沸点有機溶媒の混合溶媒に染料を溶かした油相を、水を主体とした水相中に分散し、油相の微小油滴を作るために行われる。この際、水相、油相のいずれか又は両方に、後述する界面活性剤、湿潤剤、染料安定化剤、乳化安定剤、防腐剤、防黴剤等の添加剤を必要に応じて添加することができる。
乳化法としては水相中に油相を添加する方法が一般的であるが、油相中に水相を滴下して行く、いわゆる転相乳化法も好ましく用いることができる。なお、本発明に用いる染料が水溶性で、添加剤が油溶性の場合にも前記乳化法を適用し得る。
乳化分散する際には、種々の界面活性剤を用いることができる。例えば脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等のアニオン系界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン系界面活性剤が好ましい。また、アセチレン系ポリオキシエチレンオキシド界面活性剤であるSURFYNOLS(AirProducts&Chemicals社)も好ましく用いられる。また、N,N−ジメチル−N−アルキルアミンオキシドのようなアミンオキシド型の両性界面活性剤等も好ましい。更に、特開昭59−157,636号の第(37)〜(38)頁、リサーチ・ディスクロージャーNo.308119(1989年)記載の界面活性剤として挙げたものも使うことができる。
また、乳化直後の安定化を図る目的で、上記界面活性剤と併用して水溶性ポリマーを添加することもできる。水溶性ポリマーとしては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミドやこれらの共重合体が好ましく用いられる。また多糖類、カゼイン、ゼラチン等の天然水溶性ポリマーを用いるのも好ましい。さらに染料分散物の安定化のためには実質的に水性媒体中に溶解しないアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、ビニルエステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、オレフィン類、スチレン類、ビニルエーテル類、アクリロニトリル類の重合により得られるポリビニルやポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレア、ポリカーボネート等も併用することができる。これらのポリマーは−SO3 -、−COO-を含有していること好ましい。これらの実質的に水性媒体中に溶解しないポリマーを併用する場合、高沸点有機溶媒の20質量%以下用いられることが好ましく、10質量%以下で用いられることがより好ましい。
乳化分散により油溶性染料や高沸点有機溶媒を分散させて水性インクとする場合、特に重要なのはその粒子サイズのコントロールである。インクジェットにより画像を形成した際の、色純度や濃度を高めるには平均粒子サイズを小さくすることが必須である。体積平均粒径で好ましくは1μm以下、より好ましくは5〜100nmである。
前記分散粒子の体積平均粒径および粒度分布の測定方法には静的光散乱法、動的光散乱法、遠心沈降法のほか、実験化学講座第4版の417〜418ページに記載されている方法を用いるなど、公知の方法で容易に測定することができる。例えば、インク中の粒子濃度が0.1〜1質量%になるように蒸留水で希釈して、市販の体積平均粒径測定機(例えば、マイクロトラックUPA(日機装(株)製))で容易に測定できる。更に、レーザードップラー効果を利用した動的光散乱法は、小サイズまで粒径測定が可能であり特に好ましい。
体積平均粒径とは粒子体積で重み付けした平均粒径であり、粒子の集合において、個々の粒子の直径にその粒子の体積を乗じたものの総和を粒子の総体積で割ったものである。体積平均粒径については「高分子ラテックスの化学(室井 宗一著 高分子刊行会)」の119ページに記載がある。
また、粗大粒子の存在も印刷性能に非常に大きな役割を示すことが明らかになった。即ち、粗大粒子がヘッドのノズルを詰まらせる、あるいは詰まらないまでも汚れを形成することによってインクの不吐出や吐出のヨレを生じ、印刷性能に重大な影響を与えることが分かった。これを防止するためには、インクにした時にインク1μl中で5μm以上の粒子を10個以下、1μm以上の粒子を1000個以下に抑えることが重要である。
これらの粗大粒子を除去する方法としては、公知の遠心分離法、精密濾過法等を用いることができる。これらの分離手段は乳化分散直後に行ってもよいし、乳化分散物に湿潤剤や界面活性剤等の各種添加剤を加えた後、インクカートリッジに充填する直前でもよい。
平均粒子サイズを小さくし、且つ粗大粒子を無くす有効な手段として、機械的な乳化装置を用いることができる。
乳化装置としては、簡単なスターラーやインペラー撹拌方式、インライン撹拌方式、コロイドミル等のミル方式、超音波方式など公知の装置を用いることができるが、高圧ホモジナイザーの使用は特に好ましいものである。
高圧ホモジナイザーは、US−4533254号、特開平6−47264号等に詳細な機構が記載されているが、市販の装置としては、ゴーリンホモジナイザー(A.P.V GAULIN INC.)、マイクロフルイダイザー(MICROFLUIDEX INC.)、アルティマイザー(株式会社スギノマシン)等がある。
また、近年になってUS−5720551号に記載されているような、超高圧ジェット流内で微粒子化する機構を備えた高圧ホモジナイザーは本発明の乳化分散に特に有効である。この超高圧ジェット流を用いた乳化装置の例として、DeBEE2000(BEE INTERNATIONAL LTD.)があげられる。
高圧乳化分散装置で乳化する際の圧力は50MPa以上であり、好ましくは60MPa以上、更に好ましくは180MPa以上である。
例えば、撹拌乳化機で乳化した後、高圧ホモジナイザーを通す等の方法で2種以上の乳化装置を併用するのは特に好ましい方法である。また、一度これらの乳化装置で乳化分散した後、湿潤剤や界面活性剤等の添加剤を添加した後、カートリッジにインクを充填する間に再度高圧ホモジナイザーを通過させる方法も好ましい方法である。
高沸点有機溶媒に加えて低沸点有機溶媒を含む場合、乳化物の安定性及び安全衛生上の観点から低沸点溶媒を除去するのが好ましい。低沸点溶媒を除去する方法は溶媒の種類に応じて各種の公知の方法を用いることができる。即ち、蒸発法、真空蒸発法、限外濾過法等である。この低沸点有機溶剤の除去工程は乳化直後、できるだけ速やかに行うのが好ましい。
なお、インクジェット用インクの調製方法については、特開平5−148436号、同5−295312号、同7−97541号、同7−82515号、同7−118584号の各公報に詳細が記載されていて、本発明のインクジェット記録用インクの調製にも利用できる。
本発明のインクジェット用インクの製造においては、染料などの添加物の溶解工程等に超音波振動を加えることもできる。
超音波振動とは、インクが記録ヘッドで加えられる圧力によって気泡を発生することを防止するため、記録ヘッドで受けるエネルギーと同等かそれ以上の超音波エネルギーを予めインクの製造工程中に加えて気泡を除去しておくものである。
超音波振動は、通常、振動数20kHz以上、好ましくは40kHz以上、より好ましくは50kHzの超超音波である。また超音波振動により液に加えられるエネルギーは、通常、2×107J/m3以上、好ましくは5×107J/m3以上、より好ましくは1×108J/m3以上である。また、超音波振動の付与時間としては、通常、10分〜1時間程度である。
超音波振動を加える工程は、染料を媒体に投入以降であれば何時行っても効果を示す。完成後のインクを一旦保存した後に超音波振動を加えても効果を示す。しかし、染料を媒体中に溶解及び/又は分散する際に超音波振動を付加することが、気泡除去の効果がより大きく、尚且つ超音波振動により色素の媒体への溶解及び/又は分散が促進されるので好ましい。
即ち、上記少なくとも超音波振動を加える工程は、染料を媒体中に溶解及び/又は分散する工程中でもその工程後であってもいずれの場合にも行うことができる。換言すれば、上記少なくとも超音波振動を加える工程は、インク調製後に製品となるまでの間に任意に1回以上行うことができる。
実施の形態としては媒体中に溶解及び/又は分散する工程は、前記染料を全媒体の一部分の媒体に溶解する工程と、残余の媒体を混合する工程とを有することが好ましく、上記少なくともいずれかの工程に超音波振動を加えることが好ましく、染料を全媒体の一部分の媒体に溶解する工程に少なくとも超音波振動を加えることが更に好ましい。
上記残余の溶媒を混合する工程は、単独工程でも複数工程でもよい。
また、本発明によるインク製造に加熱脱気あるいは減圧脱気を併用することは、インク中の気泡除去の効果を上げるので好ましい。加熱脱気工程あるいは減圧脱気工程は、残余の媒体を混合する工程と同時またはその後に実施することが好ましい。
超音波振動を加える工程における、超音波振動発生手段としては、超超音波分散機等の公知の装置が挙げられる。
本発明のインクジェット用インクを作製する際には、さらに調液した後に行われる、濾過により固形分であるゴミを除く工程が重要である。この作業には濾過フィルターを使用するが、このときの濾過フィルターとは、有効径が1μm以下、好ましくは0.3μm以下0.05μm以上、特に好ましくは0.3μm以下0.25μm以上のフィルターを用いる。フィルターの材質としては種々のものが使用できるが、特に水溶性染料のインクの場合には、水系の溶媒用に作製されたフィルターを用いるのが好ましい。中でも特にゴミの出にくい、ポリマー材料で作製されたフィルターを用いるのが好ましい。濾過法としては送液によりフィルターを通過させてもよいし、加圧濾過、減圧濾過のいずれの方法も利用可能である。
この濾過後には溶液中に空気を取り込むことが多い。この空気に起因する泡もインクジェット記録において画像の乱れの原因となることが多いため、前述の脱泡工程を別途設けることが好ましい。脱泡の方法としては、濾過後の溶液を静置してもよいし、市販の装置などを用いた超超音波脱泡や減圧脱泡等種々の方法が利用可能である。超超音波による脱泡の場合は、好ましくは30秒〜2時間、より好ましくは5分〜1時間程度脱泡操作を行うとよい。
これらの作業は、作業時におけるゴミの混入を防ぐため、クリーンルームもしくはクリーンベンチなどのスペースを利用して行うことが好ましい。本発明では特にクリーン度としてクラス1000以下のスペースにおいてこの作業を行うことが好ましい。ここで「クリーン度」とは、ダストカウンターにより測定される値を指す。
本発明のインクジェット用インクには、インクの噴射口での乾操による目詰まりを防止するための乾燥防止剤、インクを紙によりよく浸透させるための浸透促進剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、分散剤、分散安定剤、防黴剤、防錆剤、pH調整剤、消泡剤、キレート剤等の添加剤を適宜選択して適量使用することができる。
本発明に使用される乾燥防止剤としては水より蒸気圧の低い水溶性有機溶剤が好ましい。具体的な例としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、チオジグリコール、ジチオジグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、アセチレングリコール誘導体、グリセリン、トリメチロールプロパン等に代表される多価アルコール類、エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノエチル(又はブチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−エチルモルホリン等の複素環類、スルホラン、ジメチルスルホキシド、3−スルホレン等の含硫黄化合物、ジアセトンアルコール、ジエタノールアミン等の多官能化合物、尿素誘導体が挙げられる。これらのうちグリセリン、ジエチレングリコール等の多価アルコールがより好ましい。また上記の乾燥防止剤は単独で用いてもよいし2種以上併用してもよい。これらの乾燥防止剤はインク中に10〜50質量%含有することが好ましい。
本発明に使用される浸透促進剤としてはエタノール、イソプロパノール、ブタノール、ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテル、1,2−ヘキサンジオール等のアルコール類やラウリル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウムやノニオン性界面活性剤等を用いることができる。これらはインク中に10〜30質量%含有すれば充分な効果があり、印字の滲み、紙抜け(プリントスルー)を起こさない添加量の範囲で使用するのが好ましい。
本発明で画像の保存性を向上させるために使用される紫外線吸収剤としては特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、リサーチ・ディスクロージャーNo.24239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンゾオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤も用いることができる。
本発明では、画像の保存性を向上させるために使用される酸化防止剤として、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。有機の褪色防止剤としてはハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、複素環類などがあり、金属錯体としてはニッケル錯体、亜鉛錯体などがある。より具体的にはリサーチ・ディスクロージャーNo.17643の第VIIのIないしJ項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載された化合物や特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物の一般式及び化合物例に含まれる化合物を使用することができる。
本発明に使用される防黴剤としてはデヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンおよびその塩等が挙げられる。これらはインク中に0.02〜5.00質量%使用するのが好ましい。
尚、これらの詳細については「防菌防黴剤事典」(日本防菌防黴学会事典編集委員会編)等に記載されている。
また、防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグリコール酸アンモニウム、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト、ベンゾトリアゾール等が挙げられる。これらは、インク中に0.02〜5.00質量%使用するのが好ましい。
本発明に使用されるpH調整剤はpH調節、分散安定性付与などの点で好適に使用することができ、25℃でのインクのpHが8〜11に調整されていることが好ましい。pHが8未満である場合は染料の溶解性が低下してノズルが詰まりやすく、11を超えると耐水性が劣化する傾向がある。pH調製剤としては、塩基性のものとして有機塩基、無機アルカリ等が、酸性のものとして有機酸、無機酸等が挙げられる。
塩基性化合物としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸1水素ナトリウムなどの無機化合物やアンモニア水、メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、ピペリジン、ジアザビシクロオクタン、ジアザビシクロウンデセン、ピリジン、キノリン、ピコリン、ルチジン、コリジン等の有機塩基を使用することも可能である。
酸性化合物としては、塩酸、硫酸、リン酸、ホウ酸、硫酸水素ナトリウム、硫酸水素カリウム、リン酸2水素カリウム、リン酸2水素ナトリウム等の無機化合物や、酢酸、酒石酸、安息香酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サッカリン酸、フタル酸、ピコリン酸、キノリン酸等の有機化合物を使用することもできる。
本発明のインクの伝導度は0.01〜10S/mの範囲である。中でも好ましい範囲は伝導度が0.05〜5S/mの範囲である。
伝導度の測定方法は、市販の飽和塩化カリウムを用いた電極法により測定可能である。
伝導度は主に水系溶液中のイオン濃度によってコントロール可能である。塩濃度が高い場合、限外濾過膜などを用いて脱塩することができる。また、塩等を加えて伝導度調節する場合、種々の有機物塩や無機物塩を添加することにより調節することができる。
無機物塩としては、ハロゲン化物カリウム、ハロゲン化物ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸水素カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸1水素ナトリウム、ホウ酸、リン酸2水素カリウム、リン酸2水素ナトリウム等の無機化合物や、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酒石酸カリウム、酒石酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、p-トルエンスルホン酸ナトリウム、サッカリン酸カリウム、フタル酸カリウム、ピコリン酸ナトリウム等の有機化合物を使用することもできる。
また、他の添加剤の成分を選定することによっても伝導度を調整し得る。
本発明のインク粘度は、25℃において1〜20mPa・sである。更に好ましくは2〜15mPa・sであり、特に好ましくは2〜10mPa・sである。20mPa・sを超えると記録画像の定着速度が遅くなり、吐出性能も低下する。1mPa・s未満では、記録画像がにじむために品位が低下する。
粘度の調製はインク溶剤の添加量で任意に調製可能である。インク溶剤として例えば、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエタノールアミン、2−ピロリドン、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテルなどがある。
また、粘度調整剤を使用してもよい。粘度調整剤としては、例えば、セルロース類、ポリビニルアルコールなどの水溶性ポリマーやノニオン系界面活性剤等が挙げられる。更に詳しくは、「粘度調製技術」(技術情報協会、1999年)第9章、及び「インクジェットプリンタ用ケミカルズ(98増補)−材料の開発動向・展望調査−」(シーエムシー、1997年)162〜174頁に記載されている。
液体の粘度測定法はJISのZ8803に詳細に記載されているが、市販品の粘度計にて簡便に測定することができる。例えば、回転式では東京計器のB型粘度計、E型粘度計がある。本発明では山一電機の振動式VM−100A−L型により25℃にて測定した。粘度の単位はパスカル秒(Pa・s)であるが、通常はミリパスカル秒(mPa・s)を用いる。
本発明で用いるインクの表面張力は動的・静的表面張力のいずれも、25℃において20〜50mN/m以下であることが好ましく、20〜40mN/m以下であることが更に好ましい。表面張力が50mN/mを超えると吐出安定性、混色時のにじみ、ひげ等印字品質が著しく低下する。また、インクの表面張力を20mN/m以下にすると吐出時、ハード表面へのインクの付着等により印字不良となる場合がある。
表面張力を調整する目的において、前記カチオン、アニオン、ノニオン系の各種界面活性剤を添加することができる。界面活性剤は、インクジェット用インクに対して0.01〜20質量%の範囲で用いられることが好ましく、0.1〜10質量%の範囲で用いられることがさらに好ましい。また、界面活性剤は2種以上を併用することができる。
静的表面張力測定法としては、毛細管上昇法、滴下法、吊環法等が知られているが、本発明においては、静的表面張力測定法として、垂直板法を用いている。
ガラスまたは白金の薄い板を液体中に一部分浸して垂直に吊るすと、液面と板との接する部分に沿って液体の表面張力が下向きに働く。この力を上向きの力で釣り合わせて表面張力を測定することができる。
また、動的表面張力測定法としては、例えば、「新実験化学講座、第18巻、界面とコロイド」[(株)丸善、p.69〜90(1977)]に記載されるように、振動ジェット法、メニスカス落下法、最大泡圧法などが知られており、さらに、特開平3−2064号公報に記載されるような液膜破壊法が知られているが、本発明においては、動的表面張力測定法として、バブルプレッシャー差圧法を用いている。以下、その測定原理と方法について説明する。
撹拌して均一となった溶液中で気泡を生成すると、新たな気−液界面が生成され、溶液中の界面活性剤分子が水の表面に一定速度で集まってくる。バブルレート(気泡の生成速度)を変化させたとき、生成速度が遅くなれば、より多くの界面活性剤分子が泡の表面に集まってくるため、泡がはじける直前の最大泡圧が小さくなり、バブルレートに対する最大泡圧(表面張力)が検出できる。好ましい動的表面張力測定としては、大小二本のプローブを用いて溶液中で気泡を生成させ、二本のプローブの最大泡圧状態での差圧を測定し、動的表面張力を算出する方法を挙げることができる。
本発明のインク中における不揮発性成分は、インクの全量の10〜70質量%であることがインクの吐出安定性やプリント画質、画像の各種堅牢性や印字後の画像の滲みと印字面のべたつき低減の点で好ましく、20〜60質量%であることがインクの吐出安定性や印字後の画像の滲みの低減の点でさらに好ましい。
ここで、不揮発性成分とは、1気圧のもとでの沸点が150℃以上の液体や固体成分、高分子量成分を意味する。インクジェット記録用インクの不揮発性成分は、染料、高沸点溶媒、必要により添加されるポリマーラテックス、界面活性剤、染料安定化剤、防黴剤、緩衝剤などであり、これら不揮発性成分の多くは、染料安定化剤以外ではインクの分散安定性を低下させ、また印字後にもインクジェット受像紙上に存在するため、受像紙での染料の会合による安定化を阻害し、画像部の各種堅牢性や高湿度条件下での画像の滲みを悪化させる性質を有している。
本発明においては高分子量化合物を含有することも可能である。ここで高分子量化合物とは、インク中に含まれている数平均分子量が5000以上のすべての高分子化合物を指す。これらの高分子化合物としては水性媒体中に実質的に溶解する水溶性高分子化合物や、ポリマーラテックス、ポリマーエマルジョンなどの水分散性高分子化合物、さらには補助溶剤として使用する多価アルコールに溶解するアルコール可溶性高分子化合物などが挙げられるが、実質的にインク液中に均一に溶解又は分散するものであれば、いずれも本発明における高分子量化合物に含まれる。
水溶性高分子化合物の具体例としては、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドなどのポリアルキレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド誘導体等の水溶性高分子、多糖類、デンプン、カチオン化デンプン、カゼイン、ゼラチンなどの天然水溶性高分子、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミドやこれらの共重合体などの水性アクリル樹脂、水性アルキッド樹脂、分子内に−SO3 -、−COO-基を有してい実質的に水性媒体中に溶解する水溶性高分子化合物が挙げられる。
また、ポリマーラテックスとしては、スチレンブタジエンラテックス、スチレンーアクリルラテックスやポリウレタンラテックスなどが挙げられる。さらに、ポリマーエマルジョンとしては、アクリルエマルジョンなどが挙げられる。
これらの水溶性高分子化合物は単独でも2種以上併用して用いることもできる。
水溶性高分子化合物は、すでに述べたように粘度調整剤として、吐出特性の良好な粘度領域にインクの粘度を調節するために使用されるが,その添加量が多いとインクの粘度が高くなってインク液の吐出安定性が低下し、インクが経時したときに沈殿物によってノズルがつまり易くなる。
粘度調整剤の高分子化合物の添加量は、添加する化合物の分子量にもよるが(高分子量のものほど添加量は少なくて済む)、インク全量に対して添加量を0〜5質量%、好ましくは0〜3質量%、より好ましくは0〜1質量%である。
本発明では前記した界面活性剤とは別に表面張力調整剤として、ノニオン、カチオンあるいはアニオン界面活性剤が挙げられる。例えばアニオン系界面活性剤としては脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等を挙げることができ、ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等を挙げることができる。アセチレン系ポリオキシエチレンオキシド界面活性剤であるSURFYNOLS(AirProducts&Chemicals社)も好ましく用いられる。また、N,N−ジメチル−N−アルキルアミンオキシドのようなアミンオキシド型の両性界面活性剤等も好ましい。更に、特開昭59−157,636号の第(37)〜(38)頁、リサーチ・ディスクロージャーNo.308119(1989年)記載の界面活性剤として挙げたものも使うことができる。
また本発明では分散剤、分散安定剤として上述のカチオン、アニオン、ノニオン系の各種界面活性剤、消泡剤としてフッソ系、シリコーン系化合物やEDTAに代表されるキレート剤等も必要に応じて使用することができる。
〔受像材料〕
本発明に用いられる受像材料としては、下記で説明する反射型メディアである記録紙及び記録フィルムが挙げられる。
記録紙及び記録フィルムにおける支持体はLBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等からなり、必要に応じて従来の公知の顔料、バインダー、サイズ剤、定着剤、カチオン剤、紙力増強剤等の添加剤を混合し、長網抄紙機、円網抄紙機等の各種装置で製造されたもの等が使用可能である。支持体としては、これらの支持体の他に合成紙、プラスチックフィルムシートのいずれであってもよく、支持体の厚みは10〜250μm、坪量は10〜250g/m2が望ましい。
支持体にそのまま受像層及びバックコート層を設けて本発明のインクの受像材料としてもよいし、デンプン、ポリビニルアルコール等でサイズプレスやアンカーコート層を設けた後、受像層及びバックコート層を設けて受像材料としてもよい。さらに支持体には、マシンカレンダー、TGカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置により平坦化処理を行ってもよい。
本発明では支持体としては、両面をポリオレフィン(例、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブテンおよびそれらのコポリマー)やポリエチレンテレフタレートでラミネートした紙およびプラスチックフイルムがより好ましく用いられる。ポリオレフィン中に、白色顔料(例、酸化チタン、酸化亜鉛)または色味付け染料(例、コバルトブルー、群青、酸化ネオジウム)を添加することが好ましい。
支持体上に設けられる受像層には、多孔質材料や水性バインダーが含有される。また、受像層には顔料を含むのが好ましく、顔料としては、白色顔料が好ましい。白色顔料としては、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー、珪藻土、合成非晶質シリカ、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、二酸化チタン、硫化亜鉛、炭酸亜鉛等の無機白色顔料、スチレン系ピグメント、アクリル系ピグメント、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。特に好ましくは、多孔性の白色無機顔料がよく、特に細孔面積が大きい合成非晶質シリカ等が好適である。合成非晶質シリカは、乾式製造法(気相法)によって得られる無水珪酸及び湿式製造法によって得られる含水珪酸のいずれも使用可能である。
上記顔料を受像層に含有する記録紙としては、具体的には、特開平10−81064号、同10−119423号、同10−157277号、同10−217601号、同11−348409号、特開2001−138621号、同2000−43401号、同2000−211235号、同2000−309157号、同2001−96897号、同2001−138627号、特開平11−91242号、同8−2087号、同8−2090号、同8−2091号、同8−2093号、同8−174992号、同11−192777号、特開2001−301314号などに開示されたものを用いることができる。
受像層に含有される水性バインダーとしては、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、デンプン、カチオン化デンプン、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド誘導体等の水溶性高分子、スチレンブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン等の水分散性高分子等が挙げられる。これらの水性バインダーは単独または2種以上併用して用いることができる。本発明においては、これらの中でも特にポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコールが顔料に対する付着性、インク受容層の耐剥離性の点で好適である。
受像層は、顔料及び水性バインダーの他に媒染剤、耐水化剤、耐光性向上剤、耐ガス性向上剤、界面活性剤、硬膜剤その他の添加剤を含有することができる。
受像層中に添加する媒染剤は、不動化されていることが好ましい。そのためには、ポリマー媒染剤が好ましく用いられる。
ポリマー媒染剤については、特開昭48−28325号、同54−74430号、同54−124726号、同55−22766号、同55−142339号、同60−23850号、同60−23851号、同60−23852号、同60−23853号、同60−57836号、同60−60643号、同60−118834号、同60−122940号、同60−122941号、同60−122942号、同60−235134号、特開平1−161236号の各公報、米国特許2484430号、同2548564号、同3148061号、同3309690号、同4115124号、同4124386号、同4193800号、同4273853号、同4282305号、同4450224号の各明細書に記載がある。特開平1−161236号公報の212〜215頁に記載のポリマー媒染剤を含有する受像材料が特に好ましい。同公報記載のポリマー媒染剤を用いると、優れた画質の画像が得られ、かつ画像の耐光性が改善される。
耐水化剤は、画像の耐水化に有効であり、これらの耐水化剤としては、特にカチオン樹脂が望ましい。このようなカチオン樹脂としては、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン、ポリエチレンイミン、ポリアミンスルホン、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、カチオンポリアクリルアミド等が挙げられる。これらのカチオン樹脂の含有量は、インク受容層の全固形分に対して1〜15質量%が好ましく、特に3〜10質量%であることが好ましい。
耐光性向上剤、耐ガス性向上剤としては、フェノール化合物、ヒンダードフェノール化合物、チオエーテル化合物、チオ尿素化合物、チオシアン酸化合物、アミン化合物、ヒンダードアミン化合物、TEMPO化合物、ヒドラジン化合物、ヒドラジド化合物、アミジン化合物、ビニル基含有化合物、エステル化合物、アミド化合物、エーテル化合物、アルコール化合物、スルフィン酸化合物、糖類、水溶性還元性化合物、有機酸、無機酸、ヒドロキシ基含有有機酸、ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、トリアジン化合物、複素環化合物、水溶性金属塩、有機金属化合物、金属錯体等があげられる。
これらの具体的な化合物例としては、特開平10−182621号、特開2001−260519号、特開2000−260519号、特公平4−34953号、特公平4−34513号、特公平4−34512号、特開平11−170686号、特開昭60−67190号、特開平7−276808号、特開2000−94829号、特表平8−512258号、特開平11−321090号等に記載のものがあげられる。
界面活性剤は、塗布助剤、剥離性改良剤、スベリ性改良剤あるいは帯電防止剤として機能する。界面活性剤については、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載がある。
界面活性剤の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。有機フルオロ化合物の例には、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例、フッ素油)および固体状フッ素化合物樹脂(例、四フッ化エチレン樹脂)が含まれる。有機フルオロ化合物については、特公昭57−9053号(第8〜17欄)、特開昭61−20994号、同62−135826号の各公報に記載がある。
硬膜剤としては特開平1−161236号公報の222頁、特開平9−263036号、特開平10−119423号、特開2001−310547号に記載されている材料などを用いることができる。
その他の受像層に添加される添加剤としては、顔料分散剤、増粘剤、消泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐剤、pH調整剤、マット剤、硬膜剤等が挙げられる。尚、インク受容層は1層でも2層でもよい。
記録紙及び記録フィルムには、バックコート層を設けることもでき、この層に添加可能な成分としては、白色顔料、水性バインダー、その他の成分が挙げられる。
バックコート層に含有される白色顔料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の白色有機顔料等が挙げられる。
バックコート層に含有される水性バインダーとしては、スチレン/マレイン酸塩共重合体、スチレン/アクリル酸塩共重合体、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、デンプン、カチオン化デンプン、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子、スチレンブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン等の水分散性高分子等が挙げられる。バックコート層に含有されるその他の成分としては、消泡剤、抑泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐剤、耐水化剤等が挙げられる。
インクジェット記録紙及び記録フィルムの構成層(バック層を含む)には、ポリマー微粒子分散物を添加してもよい。ポリマー微粒子分散物は、寸度安定化、カール防止、接着防止、膜のひび割れ防止のような膜物性改良の目的で使用される。ポリマー微粒子分散物については、特開昭62−245258号、同62−136648号、同62−110066号の各公報に記載がある。ガラス転移温度が低い(40℃以下の)ポリマー微粒子分散物を媒染剤を含む層に添加すると、層のひび割れやカールを防止することができる。また、ガラス転移温度が高いポリマー微粒子分散物をバック層に添加しても、カールを防止できる。
〔インクジェット記録〕
本発明におけるインクの記録材料上への打滴体積は0.1pl以上100pl以下が好ましい。打滴体積のより好ましい範囲は0.5pl以上50pl以下であり、特に好ましい範囲は2pl以上50pl以下である。
本発明では、インクジェットの記録方式に制限はなく、公知の方式、例えば静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、及びインクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット(バブルジェット(登録商標))方式等に用いられる。
インクジェット記録方式には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。インクの打滴体積の制御は主にプリントヘッドにより行われる。
例えばサーマルインクジェット方式の場合、プリントヘッドの構造で打滴体積を制御することが可能である。すなわち、インク室、加熱部、ノズルの大きさを変えることにより、所望のサイズで打滴することができる。またサーマルインクジェット方式であっても、加熱部やノズルの大きさが異なる複数のプリントヘッドを持たせることで、複数サイズの打滴を実現することも可能である。
ピエゾ素子を用いたドロップオンデマンド方式の場合、サーマルインクジェット方式と同様にプリントヘッドの構造上打滴体積を変えることも可能であるが、後述するようにピエゾ素子を駆動する駆動信号の波形を制御することにより、同じ構造のプリントヘッドで複数のサイズの打滴を行うことができる。
本発明においてインクを、記録材料へ打滴するときの吐出周波数は1kHz以上が好ましい。
写真のように、高画質の画像を記録するためには、小さいインク滴で鮮鋭度の高い画像を再現するため、打滴密度を600dpi(1インチあたりのドット数)以上とする必要がある。
一方、インクを複数のノズルを有するヘッドで打滴するにあたり、記録紙とヘッドが互いに直交する方向に移動して記録するタイプでは同時に駆動できるヘッドの数は数十から200程度であり、ラインヘッドと呼ばれるヘッドが固定されたタイプでも数百であるという制約がある。これは駆動電力に制約があることや、ヘッドでの発熱が画像に影響を及ぼすため、多数のヘッドノズルを同時に駆動できないためである。このため、打滴密度を上げて記録するには、記録速度が長くなりがちであるが、駆動周波数を高くすることにより、記録速度を上げることが可能である。
打滴周波数を制御するには、サーマルインクジェット方式の場合、ヘッドを加熱するヘッド駆動信号の周波数を制御することで可能である。
ピエゾ方式の場合、ピエゾを駆動する信号の周波数を制御することで可能である。
ピエゾヘッドの駆動に関して説明する。プリントすべき画像信号はプリンタ制御部により、打滴サイズ、打滴速度、打滴周波数が決定され、プリントヘッドを駆動する信号が作成される。駆動信号はプリントヘッドに供給される。ピエゾを駆動する信号により打滴サイズ、打滴速度、打滴周波数が制御される。ここで打滴サイズと打滴速度は駆動波形の形状と振幅で決定され、周波数は信号の繰返し周期で決定される。
この打滴周波数を10kHzに設定すると、100マイクロ秒ごとにヘッドは駆動され、400マイクロ秒で1ラインの記録が終了する。記録紙の移動速度を400マイクロ秒に1/600インチすなわち約42ミクロン移動するように設定することにより、1.2秒に1枚の速度でプリントすることができる。
本発明のインクジェット用インクを用いる印刷装置の構成、プリンタの構成に関しては、たとえば特開平11−170527号公報に開示されるような様態が好適である。また、インクカートリッジに関しては、たとえば特開平5−229133号公報に開示されるものが好適である。吸引およびその際に印字ヘッド28を覆うキャップ等の構成に関しては、たとえば特開平7−276671号公報に開示されるものが好適である。また、ヘッド近傍には特開平9−277552号公報に開示されるような気泡を排除するためのフィルターを備えることが好適である。
また、ノズルの表面は特開2002−292878に記載されるような撥水処理を施すことが好適である。用途としては、コンピュータと接続されるプリンタであってもよいし、写真をプリントすることに特化した装置であってもよい。
本発明のインクジェット用インクは、記録材料へ打滴するときの平均打滴速度が2m/sec以上とするのが好ましく、5m/sec以上とするのがより好ましい。
打滴速度を制御するには、ヘッドを駆動する波形の形状と振幅を制御することにより行う。
また複数の駆動波形を使い分けることにより、同じヘッドで複数のサイズの打滴を行うことができる。
〔インクジェット用途〕
本発明のインクジェット用インクは、インクジェット記録以外の用途に使用することもできる。例えば、ディスプレイ画像用材料、室内装飾材料の画像形成材料および屋外装飾材料の画像形成材料などに使用が可能である。
ディスプレイ画像用材料としては、ポスター、壁紙、装飾小物(置物や人形など)、商業宣伝用チラシ、包装紙、ラッピング材料、紙袋、ビニール袋、パッケージ材料、看板、交通機関(自動車、バス、電車など)の側面に描画や添付した画像、ロゴ入りの洋服、等各種の物を指す。本発明の染料をディスプレイ画像の形成材料とする場合、その画像とは狭義の画像の他、抽象的なデザイン、文字、幾何学的なパターンなど、人間が認知可能な染料によるパターンをすべて含む。
室内装飾材料としては、壁紙、装飾小物(置物や人形など)、照明器具の部材、家具の部材、床や天井のデザイン部材等各種の物を指す。本発明の染料を画像形成材料とする場合、その画像とは狭義の画像の他、抽象的なデザイン、文字、幾何学的なパターンなど、人間が認知可能な染料によるパターンをすべて含む。
屋外装飾材料としては、壁材、ルーフィング材、看板、ガーデニング材料屋外装飾小物(置物や人形など)、屋外照明器具の部材等各種の物を指す。本発明の染料を画像形成材料とする場合、その画像とは狭義の画像のみならず、抽象的なデザイン、文字、幾何学的なパターンなど、人間が認知可能な染料によるパターンをすべて含む。
以上のような用途において、パターンが形成されるメディアとしては、紙、繊維、布(不織布も含む)、プラスチック、金属、セラミックス等種々の物を挙げることができる。染色形態としては、媒染、捺染、もしくは反応性基を導入した反応性染料の形で色素を固定化することもできる。この中で、好ましくは媒染形態で染色されることが好ましい。
以下、本発明を実施例によって説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
下記の成分に超純水(抵抗値18MΩ以上)を加え1リッターとした後、30〜40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔系0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過してイエローインク液 Y−101を調製した。
〔イエローインク Y−101処方〕
(固形分)
イエロー染料 (DYE-83) 50g/l
プロキセル 5g/l
尿素 25g/l
(液体成分)
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TGB) 100g/l
グリセリン(GR) 115g/l
トリエチレングリコール(TEG) 100g/l
2-ピロリドン 35g/l
トリエタノールアミン(TEA) 8g/l
サーフィノールSTG(SW) 10g/l
ここで使用したイエロー染料(DYE-83)の酸化電位は、染料の1mmol/l水溶液を用いた、サイクリックボルタンメトリー(CV)法、回転リングディスク電極法のいずれの測定法においても、1.23V(vs SCE)であった。
また、インクの比較タイプとしてエプソン(株)社製のPM−980Cのイエローインクカートリッジを使用した。
イエロ−インクY−101処方において、上記染料(DYE-83)の代わりに、イエロー染料C、 DYE−51、 YJ−3及びYJ−7を使用して、下表のイエローインクを作製した。
ここで使用したイエロー染料Cの酸化電位は0.98V(vs SCE)であり、それ以外の染料は全て1.2V(vs SCE)より貴であった。
イエロー染料C:
これらのインクをEPSON社製インクジェットプリンターPM−980Cのイエローインクのカートリッジに装填し、その他の色のインクはPM−980Cのインクを用いて、6色印字モードを選択し、階段状に濃度が変化したイエローの単色画像パターンならびにグレーの画像パターンを印字させた。
受像シートは、富士写真フイルム(株)製インクジェットペーパーフォト光沢紙「画彩」に画像を印刷し、画像品質ならびにインクの吐出性と画像堅牢性の評価を行った。
(評価実験)
1)吐出安定性については、環境温度ならびに相対湿度に関して、下記の条件下、カートリッジをプリンターにセットし、全ノズルからのインクの突出を確認した後、A4サイズの画像で300枚出力し、すべての条件における印字品質を以下の基準で評価した。なお、インクが無くなった場合は、カートリッジを交換して印字を続けた。
<評価条件>
30℃80%RH、30℃20%RH、10℃80%RH、10℃20%RHの4環境条件
<評価基準>
A:印刷開始から終了まで印字の乱れ無し
B:印字の乱れのある出力が発生する
C:印刷開始から終了まで印字の乱れあり
2)画像保存性については、印字サンプルを用いて、以下の評価を行った。
1. 光堅牢性は印字直後の画像濃度CiをX−rite 310にて測定した後、アトラス社製ウェザーメーターを用い画像にキセノン光(8万5千ルックス)を20日照射した後、再び画像濃度Cfを測定し染料残存率Cf/Ci×100を求め評価を行った。染料残像率について反射濃度が1,1.5,及び2の3点にて評価し、いずれの濃度でも染料残存率が70%以上の場合をA、2点が70%未満の場合をB、全ての濃度で70%未満の場合をCとした。
2. 熱堅牢性については、80℃70%RHの条件下に10日間、試料を保存する前後での濃度を、X−rite 310にて測定し染料残存率を求め評価した。染料残像率について反射濃度が1,1.5及び2の3点にて評価し、いずれの濃度でも染料残存率が90%以上の場合をA、2点が90%未満の場合をB、全ての濃度で90%未満の場合をCとした。
なお、いずれの濃度でも染料残存率が90%を越えていても、上記条件に1日保存した際に濃度上昇が5%以上認められた水準については、評価をAXとした。
3. 耐オゾン性については、前記画像を形成したフォト光沢紙を、オゾンガス濃度が5ppmの一定条件に設定されたボックス内に3日間放置し、オゾンガス下放置前後の画像濃度を反射濃度計(X−Rite310TR)を用いて測定し、色素残存率として評価した。尚、前記反射濃度は、1、1.5及び2の3点で測定した。ボックス内のオゾンガス濃度は、APPLICS製オゾンガスモニター(モデル:OZG−EM−01)を用いて設定した。
何れの濃度でも染料残存率が80%以上の場合をA、1又は2点が80%未満をB、全ての濃度で70%未満の場合をCとして、三段階で評価した。
得られた結果を表に示す。
Y−107では、熱堅牢性評価時に、1日経時で濃度上昇3%が認められた。
表の結果から、本発明のインクを使用した系では、堅牢性にも優れ、増色の少ない(good color-balance stability)インクが得られていることがわかった。
(実施例2)
次に、下記成分に超純水(抵抗値18MΩ以上)を加え1リッターとした後、30〜40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過してイエローインク液 Y−201を調製した。
〔イエローインク Y−201処方〕
(固形分)
本発明のイエロー染料 (DYE-83) 30g/l
プロキセル 5g/l
尿素 20g/l
(液体成分)
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TGB) 60g/l
グリセリン(GR) 100g/l
トリエチレングリコール(TEG) 40g/l
イソプロパノール 40g/l
1,5-ペンタンジオール 40g/l
トリエタノールアミン(TEA) 8g/l
サーフィノールSTG(SW) 10g/l
また、イエローインクY−201処方において、上記染料(DYE-83)の代わりに下記の染料を使用して、下表のイエローインクを作製した。
これらのインクをCANON社製インクジェットプリンターBJ−950のイエローインクのカートリッジに装填し、その他の色のインクはBJ−950のインクを用いて、階段状に濃度が変化したイエローの単色画像パターンならびにグレーの画像パターンを印字させた。
受像シートは、富士写真フイルム(株)製インクジェットペーパーフォト光沢紙「画彩」に画像を印刷し、実施例1と同様に画像品質ならびにインクの吐出性と画像堅牢性の評価を行った。
結果を下記に示す。
Y−207では、熱堅牢性評価時に、1日経時で濃度上昇3%が認められた。
表の結果から、本発明のインクを使用した系では、実施例1と同様に、堅牢性にも優れ、増色の少ないインクが得られていることがわかった。
(実施例3)
下記の成分に抵抗値18MΩ以上の超純水を加え1リッターとした後、30〜40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過して各色のインク液をそれぞれ調製した。
〔ライトシアンインク液処方〕
(固形分)
シアン染料(C-1) 20g/l
尿素(UR) 15g/l
ベンゾトリアゾール(BTZ) 0.08g/l
PROXEL XL2(PXL) 3.5g/l
(液体成分)
トリエチレングリコール(TEG) 110g/l
グリセリン(GR) 130g/l
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TGB) 110g/l
2−ピロリドン(PRD) 60g/l
トリエタノールアミン(TEA) 7g/l
サーフィノールSTG(SW) 10g/l
シアン染料(C−1):
〔シアンインク処方〕
(固形分)
シアン染料(C-1) 60g/l
尿素(UR) 30g/l
ベンゾトリアゾール(BTZ) 0.08g/l
PROXEL XL2(PXL) 3.5g/l
(液体成分)
トリエチレングリコール(TEG) 110g/l
グリセリン(GR) 130g/l
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TGB) 130g/l
2−ピロリドン(PRD) 60g/l
トリエタノールアミン(TEA) 7g/l
サーフィノールSTG(SW) 10g/l
〔ライトマゼンタインク処方〕
(固形分)
マゼンタ色素(M-1) 7.5g/l
尿素(UR) 10g/l
プロキセル 5g/l
(液体成分)
ジエチレングリコール(DEG) 90g/l
グリセリン(GR) 70g/l
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TGB) 70g/l
トリエタノールアミン(TEA) 6.9g/l
サーフィノールSTG(SW) 10g/l
マゼンタ色素(M−1):
〔マゼンタインク処方〕
(固形分)
マゼンタ色素(M-1) 23g/l
尿素(UR) 15g/l
プロキセル 5g/l
(液体成分)
ジエチレングリコール 90g/l
グリセリン 70g/l
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TGB) 70g/l
トリエタノールアミン 6.9g/l
サーフィノールSTG 10g/l
〔イエローインク処方〕
(固形分)
イエロー染料 (Y-1) 35g/l
プロキセル 3.5g/l
ベンゾトリアゾール(BTZ) 0.08g/l
尿素 10g/l
(液体成分)
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TGB) 130g/l
グリセリン(GR) 115g/l
ジエチレングリコール(DEG) 120g/l
2-ピロリドン 35g/l
トリエタノールアミン(TEA) 8g/l
サーフィノールSTG(SW) 10g/l
イエロー染料(Y−1):
〔ダークイエローインク処方〕
(固形分)
イエロー染料 (Y-1) 35g/l
マゼンタ染料 (M-1) 2g/l
シアン染料 (C-1) 2g/l
プロキセル 5g/l
ベンゾトリアゾール(BTZ) 0.08g/l
尿素 10g/l
(液体成分)
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TGB) 140g/l
グリセリン(GR) 125g/l
ジエチレングリコール(DEG) 120g/l
2-ピロリドン 35g/l
トリエタノールアミン(TEA) 8g/l
サーフィノールSTG(SW) 10g/l
〔ブラックインク処方〕
(固形分)
ブラック染料(BK-1) [λmax:587nm、半値幅:105nm] 75g/l
ブラック染料(BK-2) [λmax:447nm] 30g/l
プロキセル 5g/l
尿素 10g/l
ベンゾトリアゾール 3g/l
(液体成分)
ジエチレングリコールモノブチルエーテル(DGB) 120g/l
グリセリン(GR) 125g/l
ジエチレングリコール(DEG) 100g/l
2-ピロリドン 35g/l
トリエタノールアミン(TEA) 8g/l
サーフィノールSTG(SW) 10g/l
ブラック染料(BK-1):
ブラック染料(BK-2):
これらのインクからなるインクセットをIS−101とした。このインクセットのインクそれぞれにおいて、ブラックインクの染料を下記の表の通り一部置き換えた以外は、全く同じインクからなるインクセットIS−102〜108をそれぞれ作製した。
なお、ここで用いられる染料の酸化電位(Eox)は、すべて1.2V(VS SCE)より貴であった。
これらのインクをEPSON社製インクジェットプリンターPM−980Cのインクカートリッジに装填し、グレーの画像を形成するように、白黒モードで階段状に濃度が変化した画像パターンを印字させた。
ここで使用した受像シートは、富士写真フイルム(株)製インクジェットペーパーフォト光沢紙「画彩」を用いた。
(評価実験)
1)グレーの最高濃度は、X−rite濃度測定機Dvis測定値により評価した。
2)画像保存性については、グレーの連続画像に関して、以下の評価を行った。
1. 光堅牢性は印字直後の画像濃度CiをX−rite 310にて測定した後、アトラス社製ウェザーメーターを用い画像にキセノン光(8万5千ルックス)を20日照射した後、再び画像濃度Cfを測定し染料残存率Cf/Ci×100を求め評価を行った。染料残像率について反射濃度が1,1.5および2の3点にて評価し、いずれの濃度でも染料残存率が80%以上の場合をA、2点が80%未満の場合をB、全ての濃度で80%未満の場合をCとした。
2. 耐オゾン性については、前記画像を形成したフォト光沢紙を、オゾンガス濃度が5ppmに設定されたボックス内に7日間放置し、オゾンガス下放置前後の画像濃度を反射濃度計(X−Rite310TR)を用いて測定し、色素残存率として評価した。尚、前記反射濃度は、1、1.5及び2の3点で測定した。ボックス内のオゾンガス濃度は、APPLICS製オゾンガスモニター(モデル:OZG−EM−01)を用いて設定した。
何れの濃度でも色素残存率が80%以上の場合をA、1又は2点が80%未満をB、全ての濃度で80%未満の場合をCとして、三段階で評価した。
3. 吐出性は30℃・80%RHの恒温・恒湿下、A4の標準チャート紙を100枚印画して、黒画像のよれやカスリを観察した。全く問題の無いものをA、一部よれ等があるものをB、多数あるものをCとした。
以上の結果より本発明の効果は明らかである。
(実施例4)
下記の成分に抵抗値18MΩ以上の超純水を加え1リッターとした後、30〜40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過して各色のインク液をそれぞれ調製した。
〔フォトシアンインク液処方〕
(固形分)
シアン染料(C-1) 10g/l
尿素(UR) 15g/l
ベンゾトリアゾール(BTZ) 0.08g/l
PROXEL XL2(PXL) 3.5g/l
(液体成分)
トリエチレングリコール(TEG) 50g/l
グリセリン(GR) 100g/l
トリエチレングリコーモノブチルエーテル(TGB) 60g/l
1,5-ペンタンジオール(PTD) 40g/l
イソプロパノール(IPA) 20g/l
トリエタノールアミン(TEA) 7g/l
サーフィノールSTG(SW) 10g/l
〔シアンインク処方〕
(固形分)
シアン染料(C-1) 30g/l
尿素(UR) 40g/l
ベンゾトリアゾール(BTZ) 0.08g/l
PROXEL XL2(PXL) 3.5g/l
(液体成分)
トリエチレングリコール(TEG) 40g/l
グリセリン(GR) 100g/l
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TGB) 70g/l
1,5-ペンタンジオール(PTD) 50g/l
イソプロパノール(IPA) 20g/l
トリエタノールアミン(TEA) 7g/l
サーフィノールSTG(SW) 10g/l
〔フォトマゼンタインク処方〕
(固形分)
マゼンタ色素(M-1) 7.5g/l
尿素(UR) 10g/l
プロキセル 5g/l
(液体成分)
トリエチレングリコール(TEG) 40g/l
グリセリン(GR) 100g/l
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TGB) 60g/l
1,5-ペンタンジオール(PTD) 40g/l
イソプロパノール(IPA) 20g/l
トリエタノールアミン(TEA) 6.9g/l
サーフィノールSTG(SW) 10g/l
〔マゼンタインク処方〕
(固形分)
マゼンタ色素(M-1) 23g/l
尿素(UR) 15g/l
プロキセル 5g/l
(液体成分)
トリエチレングリコール(TEG) 50g/l
グリセリン(GR) 100g/l
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TGB) 50g/l
1,5-ペンタンジオール(PTD) 40g/l
イソプロパノール(IPA) 20g/l
トリエタノールアミン 6.9g/l
サーフィノールSTG 10g/l
〔イエローインク処方〕
(固形分)
イエロー染料 (Y-1) 35g/l
プロキセル 3.5g/l
ベンゾトリアゾール(BTZ) 0.08g/l
尿素 10g/l
(液体成分)
トリエチレングリコール(TEG) 40g/l
グリセリン(GR) 100g/l
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TGB) 70g/l
1,5-ペンタンジオール(PTD) 60g/l
イソプロパノール(IPA) 20g/l
トリエタノールアミン(TEA) 8g/l
サーフィノールSTG(SW) 10g/l
〔ブラックインク処方〕
(固形分)
ブラック染料(BK-1) 75g/l
ブラック染料(BK-2) 30g/l
プロキセル 5g/l
尿素 10g/l
ベンゾトリアゾール 3g/l
(液体成分)
トリエチレングリコール(TEG) 60g/l
グリセリン(GR) 100g/l
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TGB) 70g/l
1,5-ペンタンジオール(PTD) 50g/l
イソプロパノール(IPA) 20g/l
トリエタノールアミン(TEA) 8g/l
サーフィノールSTG(SW) 10g/l
これらのインクからなるインクセットをIS−201とした。このインクセットのインクそれぞれに、下表のように添加剤を加えた以外は、全く同じインクからなるインクセットIS−202〜208をそれぞれ作製した。染料A〜Eは実施例3と同様のものを使用した。
これらのインクをCANON社製インクジェットプリンターPIXUS950iのインクカートリッジに装填し、C,M,Y,B,G,R6色とグレーに関して、階段状に濃度が変化した画像パターンを印字させた。
ここで使用した受像シートは、コピー用の上質紙と、富士写真フイルム(株)製インクジェットペーパーフォト光沢紙「画彩」を用いた。
画像の評価は、実施例3と同様にして行った。
結果を下記に示す。
以上の結果からも本発明の効果は明らかである。
(実施例5)
下記の成分に抵抗値18MΩ以上の超純水を加え1リッターとした後、30〜40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過して各色のインク液をそれぞれ調製した。
下記の処方で、本発明のライトマゼンタインク液を調整した。
〔ライトマゼンタインク処方〕
(固形分)
マゼンタ色素(M-1) 8g/l
尿素(UR) 10g/l
プロキセル 5g/l
(液体成分)
ジエチレングリコール(DEG) 90g/l
グリセリン(GR) 120g/l
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TGB) 110g/l
トリエタノールアミン(TEA) 8g/l
サーフィノールSTG(SW) 10g/l
マゼンタ色素(M−1)を28gに増量した下記の処方でマゼンタインク液を調製した。
〔マゼンタインク処方〕
(固形分)
マゼンタ色素(M-1) 28g/l
尿素(UR) 15g/l
プロキセル 5g/l
(液体成分)
ジエチレングリコール 100g/l
グリセリン 130g/l
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 110g/l
トリエタノールアミン 8g/l
サーフィノールSTG 10g/l
マゼンタ色素(M−1);
本発明のインクセットに用いるインク液を、各々、以下の処方で調製した。
〔ライトシアンインク液処方〕
(固形分)
シアン染料(C-1) 20g/l
尿素(UR) 15g/l
ベンゾトリアゾール(BTZ) 0.08g/l
PROXEL XL2(PXL) 3.5g/l
(液体成分)
トリエチレングリコール(TEG) 110g/l
グリセリン(GR) 130g/l
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TGB) 110g/l
2−ピロリドン(PRD) 60g/l
トリエタノールアミン(TEA) 7g/l
サーフィノールSTG(SW) 10g/l
シアン染料C−1;
〔シアンインク処方〕
(固形分)
シアン染料(C-1) 60g/l
尿素(UR) 30g/l
ベンゾトリアゾール(BTZ) 0.08g/l
PROXEL XL2(PXL) 3.5g/l
(液体成分)
トリエチレングリコール(TEG) 110g/l
グリセリン(GR) 130g/l
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TGB) 130g/l
2−ピロリドン(PRD) 60g/l
トリエタノールアミン(TEA) 7g/l
サーフィノールSTG(SW) 10g/l
〔イエローインク処方〕
(固形分)
イエロー染料 (Y-1) 35g/l
プロキセル 3.5g/l
ベンゾトリアゾール(BTZ) 0.08g/l
尿素 10g/l
(液体成分)
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TGB) 130g/l
グリセリン(GR) 115g/l
ジエチレングリコール(DEG) 120g/l
2-ピロリドン(PRD) 35g/l
トリエタノールアミン(TEA) 8g/l
サーフィノールSTG(SW) 10g/l
イエロ−染料(Y−1);
〔ダークイエローインク処方〕
(固形分)
イエロー染料 (Y-1) 35g/l
マゼンタ染料 (M-1) 2g/l
シアン染料 (C-1) 2g/l
プロキセル 5g/l
ベンゾトリアゾール(BTZ) 0.08g/l
尿素 10g/l
(液体成分)
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TGB) 140g/l
グリセリン(GR) 125g/l
ジエチレングリコール(DEG) 120g/l
2-ピロリドン 35g/l
トリエタノールアミン(TEA) 8g/l
サーフィノールSTG(SW) 10g/l
〔ブラックインク処方〕
(固形分)
ブラック染料(BK-1) 75g/l
ブラック染料(BK-2) 30g/l
プロキセル 5g/l
尿素 10g/l
ベンゾトリアゾール 3g/l
(液体成分)
ジエチレングリコールモノブチルエーテル(DGB) 120g/l
グリセリン(GR) 125g/l
ジエチレングリコール(DEG) 100g/l
2-ピロリドン 35g/l
トリエタノールアミン(TEA) 8g/l
サーフィノールSTG(SW) 10g/l
これらのインクからなるインクセットをIS−301とした。このインクセットのマゼンタインクおよびライトマゼンタインクのマゼンタ染料を変更した以外は、全く同じインクからなるインクセットIS−302〜308をそれぞれ作製した。
なお、用いた染料M−1、M−2、M−3の酸化電位は全て、1.0Vより貴(VS SCE)であった。
これらのインクをEPSON社製インクジェットプリンターPM−980Cのインクカートリッジに装填し、C,M,Y,B,G,R6色とグレーに関して、階段状に濃度が変化した画像パターンを印字させた。
ここで使用した受像シートは、富士写真フイルム(株)製インクジェットペーパーフォト光沢紙「画彩」を用いた。
(評価実験)
1)吐出安定性については、カートリッジをプリンターにセットし、全ノズルからのインクの突出を確認した後、A4 100枚出力し、以下の基準で評価した。
A:印刷開始から終了まで印字の乱れ無し
B:印字の乱れのある出力が発生する
C:印刷開始から終了まで印字の乱れあり
2)画像保存性については、マゼンタの連続画像に関して、以下の評価を行った。
1. 光堅牢性は印字直後の画像濃度CiをX-rite 310にて測定した後、アトラス社製ウェザーメーターを用い画像にキセノン光(8万5千ルックス)を20日照射した後、再び画像濃度Cfを測定し染料残存率Cf/Ci×100を求め評価を行った。染料残像率について反射濃度が1,1.5および2の3点にて評価し、いずれの濃度でも染料残存率が70%以上の場合をA、2点が70%未満の場合をB、全ての濃度で70%未満の場合をCとした。
2. 耐オゾン性については、前記画像を形成したフォト光沢紙を、オゾンガス濃度が5ppmに設定されたボックス内に7日間放置し、オゾンガス下放置前後の画像濃度を反射濃度計(X−Rite310TR)を用いて測定し、色素残存率として評価した。尚、前記反射濃度は、1、1.5及び2の3点で測定した。ボックス内のオゾンガス濃度は、APPLICS製オゾンガスモニター(モデル:OZG−EM−01)を用いて設定した。
何れの濃度でも色素残存率が70%以上の場合をA、1又は2点が70%未満をB、全ての濃度で70%未満の場合をCとして、三段階で評価した。
3)高湿条件下での画像のにじみについては、マゼンタの3cm×3cmの正方形パターンが4つそれぞれ1mmの白地隙間を形成するように「田」の字型に並んだ印字パターンを作製し、この画像サンプルを25℃90%RHの条件下、72時間保存後に白地隙間におけるマゼンタ染料のにじみを観察し、印字直後に対する白地のマゼンタ濃度増加がステータスAのマゼンタフィルターにおいて、0.01未満の場合をA、0.01〜0.05の場合をB、0.05を超える場合をCとした。
得られた結果を表に示す。
以上の結果より本発明の効果は明らかである。
(実施例6)
下記の成分に抵抗値18MΩ以上の超純水を加え1リッターとした後、30〜40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過して各色のインク液をそれぞれ調製した。
〔フォトマゼンタインク処方〕
(固形分)
マゼンタ色素(M-1) 5g/l
尿素(UR) 10g/l
プロキセル 5g/l
(液体成分)
トリエチレングリコール(TEG) 40g/l
グリセリン(GR) 100g/l
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TGB) 60g/l
1,5-ペンタンジオール(PTD) 40g/l
イソプロパノール(IPA) 20g/l
トリエタノールアミン(TEA) 6.9g/l
サーフィノールSTG(SW) 10g/l
〔マゼンタインク処方〕
(固形分)
マゼンタ色素(M-1) 15g/l
尿素(UR) 15g/l
プロキセル 5g/l
(液体成分)
トリエチレングリコール(TEG) 50g/l
グリセリン(GR) 100g/l
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TGB) 50g/l
1,5-ペンタンジオール(PTD) 40g/l
イソプロパノール(IPA) 20g/l
トリエタノールアミン 6.9g/l
サーフィノールSTG 10g/l
〔フォトシアンインク液処方〕
(固形分)
シアン染料(C-1) 10g/l
尿素(UR) 15g/l
ベンゾトリアゾール(BTZ) 0.08g/l
PROXEL XL2(PXL) 3.5g/l
(液体成分)
トリエチレングリコール(TEG) 50g/l
グリセリン(GR) 100g/l
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TGB) 60g/l
1,5-ペンタンジオール(PTD) 40g/l
イソプロパノール(IPA) 20g/l
トリエタノールアミン(TEA) 7g/l
サーフィノールSTG(SW) 10g/l
〔シアンインク処方〕
(固形分)
シアン染料(C-1) 30g/l
尿素(UR) 40g/l
ベンゾトリアゾール(BTZ) 0.08g/l
PROXEL XL2(PXL) 3.5g/l
(液体成分)
トリエチレングリコール(TEG) 40g/l
グリセリン(GR) 100g/l
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TGB) 70g/l
1,5-ペンタンジオール(PTD) 50g/l
イソプロパノール(IPA) 20g/l
トリエタノールアミン(TEA) 7g/l
サーフィノールSTG(SW) 10g/l
〔イエローインク処方〕
(固形分)
イエロー染料 (Y-1) 35g/l
プロキセル 3.5g/l
ベンゾトリアゾール(BTZ) 0.08g/l
尿素 10g/l
(液体成分)
トリエチレングリコール(TEG) 40g/l
グリセリン(GR) 100g/l
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TGB) 70g/l
1,5-ペンタンジオール(PTD) 60g/l
イソプロパノール(IPA) 20g/l
トリエタノールアミン(TEA) 8g/l
サーフィノールSTG(SW) 10g/l
〔ブラックインク処方〕
(固形分)
ブラック染料(BK-1) 75g/l
ブラック染料(BK-2) 30g/l
プロキセル 5g/l
尿素 10g/l
ベンゾトリアゾール 3g/l
(液体成分)
トリエチレングリコール(TEG) 60g/l
グリセリン(GR) 100g/l
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TGB) 70g/l
1,5-ペンタンジオール(PTD) 50g/l
イソプロパノール(IPA) 20g/l
トリエタノールアミン(TEA) 8g/l
サーフィノールSTG(SW) 10g/l
これらのインクからなるインクセットをIS−401とした。このインクセットのマゼンタインク、フォトマゼンタインクの染料を変更した以外は、全く同じインクからなるインクセットIS-402〜408をそれぞれ作製した。
これらのインクをCANON社製インクジェットプリンターPIXUS950iのインクカートリッジに装填し、C,M,Y,B,G,R6色とグレーに関して、階段状に濃度が変化した画像パターンを印字させた。
ここで使用した受像シートは、コピー用の上質紙と、富士写真フイルム(株)製インクジェットペーパーフォト光沢紙「画彩」を用いた。画像堅牢性や吐出性の評価は、実施例5と同様にして行った。
結果を下記に示す。
以上の結果より本発明の効果が十分に支持される。
本発明を詳細に及び具体的な実施態様を参照して説明したが、当業者であれば本発明の精神と範囲内において種々の改良及び変更を加えることができるのは明らかある。
本発明は全て2003年10月23日に出願された特願2003−363727号、特願2003−363728号及び特願2003−363883号に基づき、これらの内容はここに参照して組み込まれる。
本発明は特定のインクジェット記録方法に限ることなく、利用することができる。例えば、静電気引力によりインクを吐出させる充電制御方式;ピエゾ素子の振動圧力を用いたドロップオンデマンド方式(加圧方式);電気信号を音響ビームに変換してインクに適用し、放射圧下でインクを吐出させる音響インクジェット方式;または熱により気泡を発生させ、得られた圧力を利用する熱インクジェット方式(気泡ジェット)等を挙げることができる。

Claims (4)

  1. λmaxが500nmから700nmにあり、λmaxでの吸光度を1.0に規格化した希薄溶液の吸収スペクトルにおける半値幅が100nm以上であって、下記一般式(B1−B1)で表される染料を少なくとも2種以上、水性媒体中に溶解または分散してなるインクジェット用ブラックインクであり、該染料のうち、少なくとも1つの染料の酸化電位が、1.0V(vs SCE)よりも貴であることを特徴とするインクジェット用ブラックインク。
    一般式(B1−B1):


    式中、A41は置換されていてもよいフェニル基、ナフチル基、2−ピリジル基、2−チエニル基、2−チアゾリル基、2−ベンゾチアゾリル基、2−ベンゾオキサゾリル基または2−フリル基を表し、B41およびB42は、各々=CR41−または−CR42−を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子、他方が=CR41−または−CR42=を表し、R41、R42、R47、R48およびG4は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよい脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、複素環スルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキルもしくはアリールチオ基、複素環チオ基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、複素環スルホニル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、複素環スルフィニル基、スルファモイル基、またはスルホ基を表し、R45およびR46は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有してもよい脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルまたはアリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表す。
  2. 上記一般式(B1−B1)中、A41が置換されていてもよいナフチル基であることを特徴とする、請求項1に記載のインクジェット用ブラックインク。
  3. 上記一般式(B1−B1)で表される染料の含有量が0.2〜20質量%であることを特徴とする、請求項1または2に記載のインクジェット用ブラックインク。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のブラックインクを少なくとも1つ含有するインクジェット用インクセット。
JP2012117660A 2003-10-23 2012-05-23 インクジェット用インクならびにインクセット Abandoned JP2012214806A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012117660A JP2012214806A (ja) 2003-10-23 2012-05-23 インクジェット用インクならびにインクセット

Applications Claiming Priority (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003363727 2003-10-23
JP2003363728 2003-10-23
JP2003363727 2003-10-23
JP2003363728 2003-10-23
JP2003363883 2003-10-23
JP2003363883 2003-10-23
JP2012117660A JP2012214806A (ja) 2003-10-23 2012-05-23 インクジェット用インクならびにインクセット

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006517867A Division JP5204974B2 (ja) 2003-10-23 2004-10-22 インクジェット用インクならびにインクセット

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2012214806A true JP2012214806A (ja) 2012-11-08

Family

ID=34527591

Family Applications (3)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006517867A Expired - Fee Related JP5204974B2 (ja) 2003-10-23 2004-10-22 インクジェット用インクならびにインクセット
JP2012117661A Abandoned JP2012197444A (ja) 2003-10-23 2012-05-23 インクジェット用インクならびにインクセット
JP2012117660A Abandoned JP2012214806A (ja) 2003-10-23 2012-05-23 インクジェット用インクならびにインクセット

Family Applications Before (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006517867A Expired - Fee Related JP5204974B2 (ja) 2003-10-23 2004-10-22 インクジェット用インクならびにインクセット
JP2012117661A Abandoned JP2012197444A (ja) 2003-10-23 2012-05-23 インクジェット用インクならびにインクセット

Country Status (5)

Country Link
US (1) US7776144B2 (ja)
EP (2) EP2455431B1 (ja)
JP (3) JP5204974B2 (ja)
KR (3) KR101093031B1 (ja)
WO (1) WO2005040292A1 (ja)

Families Citing this family (31)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5204944B2 (ja) * 2004-06-07 2013-06-05 富士フイルム株式会社 黒インク組成物、およびインクジェット記録方法。
CN101370882B (zh) * 2004-07-13 2011-07-13 富士胶片株式会社 油墨组合物和喷墨记录方法
KR101170372B1 (ko) * 2004-07-13 2012-08-01 후지필름 가부시키가이샤 블랙잉크 조성물, 이것을 포함하는 잉크셋, 및 잉크젯기록방법
KR101174741B1 (ko) * 2005-01-17 2012-08-17 니폰 가야꾸 가부시끼가이샤 안트라피리돈 화합물, 마젠타 잉크 조성물 및 착색체
US7758683B2 (en) * 2005-10-20 2010-07-20 Fujifilm Corporation Ink composition, ink set and recording method
JP5238155B2 (ja) * 2005-10-20 2013-07-17 富士フイルム株式会社 インク組成物、インクセット、並びに記録方法
JP4548398B2 (ja) * 2006-09-29 2010-09-22 セイコーエプソン株式会社 インクセット、インクカートリッジ、インクジェット記録方法及び記録物
JP4465721B2 (ja) * 2006-09-29 2010-05-19 セイコーエプソン株式会社 インクセット、インクカートリッジ、インクジェット記録方法及び記録物
JP4457412B2 (ja) * 2006-12-14 2010-04-28 セイコーエプソン株式会社 インクセット、インクカートリッジ、インクジェット記録方法及び記録物
JP2008255330A (ja) * 2007-03-09 2008-10-23 Fujifilm Corp インクセットおよびインクジェット記録方法
US8062819B2 (en) * 2007-04-17 2011-11-22 Konica Minolta Business Technologies, Inc. Magenta toner for developing electrostatic image
JP4873750B2 (ja) * 2007-05-01 2012-02-08 キヤノン株式会社 インクジェット用インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット、及びインクジェット記録装置
US9834660B2 (en) 2007-06-28 2017-12-05 Honeywell International Inc. Rare earth metal complexes that excite in the long UV wavelength range
JP5193525B2 (ja) * 2007-08-08 2013-05-08 富士フイルム株式会社 黒色インク組成物、インクセット、インクカートリッジ、インクジェットプリンター、及びインクジェット記録方法
CN101918502B (zh) 2007-10-24 2013-07-31 惠普发展公司,有限责任合伙企业 用于喷墨成像的品红色油墨和油墨组
JP2009235122A (ja) * 2008-03-25 2009-10-15 Fujifilm Corp インク組成物、インクセット、及び画像記録方法
JP5590813B2 (ja) * 2008-04-30 2014-09-17 キヤノン株式会社 インクジェット記録方法、記録ユニット、及びインクジェット記録装置
JP5377045B2 (ja) * 2008-05-13 2013-12-25 キヤノン株式会社 インクジェット用インク、インクジェット用インクの作製方法、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法
AU2009261211B2 (en) * 2008-06-16 2014-04-03 Fujifilm Corporation Ink composition, ink composition for inkjet recording, ink set, ink cartridge, inkjet recording method, and recorded matter
JP5568222B2 (ja) * 2008-06-16 2014-08-06 富士フイルム株式会社 インク組成物、インクジェット記録用インク組成物、インクセット、インクカートリッジ、インクジェット記録方法及び記録物
JP2010077285A (ja) * 2008-09-26 2010-04-08 Fujifilm Corp インクセット及び画像形成方法
JP5401299B2 (ja) * 2008-12-26 2014-01-29 富士フイルム株式会社 インクセット、記録物及び印刷物
JP5663255B2 (ja) * 2010-09-29 2015-02-04 富士フイルム株式会社 インクセット、インクカートリッジ、インクジェットプリンター、インクジェット記録方法及び記録物
JP2012211293A (ja) * 2011-03-18 2012-11-01 Fujifilm Corp インク組成物、インクジェット記録用インク及びインクジェット記録方法
JP6064785B2 (ja) * 2013-05-24 2017-01-25 セイコーエプソン株式会社 インクジェットインクセット
US9249329B2 (en) * 2014-04-19 2016-02-02 Xerox Corporation Aqueous ink jet printing ink
WO2016158648A1 (ja) * 2015-03-30 2016-10-06 Jsr株式会社 化学機械研磨用処理組成物、化学機械研磨方法および洗浄方法
JP6759073B2 (ja) * 2015-12-28 2020-09-23 キヤノン株式会社 インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法
EP3272815A1 (en) * 2016-07-21 2018-01-24 OCE Holding B.V. Method for preparing a colorant for use in a hot melt ink
JP6981624B2 (ja) 2017-10-16 2021-12-15 花王株式会社 水系インク
JP7081775B2 (ja) * 2017-10-16 2022-06-07 花王株式会社 インクジェット記録用インクセット

Family Cites Families (232)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
BE470936A (ja) 1940-02-24
US2548564A (en) 1946-12-31 1951-04-10 Eastman Kodak Co Photographic silver halide element with mordanted dye layer
US2484430A (en) 1946-12-31 1949-10-11 Eastman Kodak Co Quaternary salts of polyvinyl pyridine and polyvinyl quinoline
US2533514A (en) 1947-11-19 1950-12-12 Eastman Kodak Co Photographic emulsions containing color couplers and amide coupler solvents
BE528163A (ja) 1953-04-17
US2835579A (en) 1955-08-31 1958-05-20 Eastman Kodak Co N-alkyl and acylphenol coupler solvents for color photography
US3214463A (en) 1960-05-12 1965-10-26 Du Pont Uv-absorbing sulfonated benzophenone derivatives
BE607372A (ja) 1960-08-22
US4273853A (en) 1979-03-30 1981-06-16 Eastman Kodak Company Metal complexes of copolymers comprising vinylimidazole and their use in photographic elements
US3309690A (en) 1966-05-19 1967-03-14 Melville M Moffitt Helmet with detecting circuit mounted thereon for indicating approach to an energized powerline
DE1597593C3 (de) 1966-12-22 1974-08-29 Fuji Shashin Film K.K., Ashigara, Kanagawa (Japan) Verfahren zum Einverleiben von Filter-, Strahlungsschutz- und/oder Lichthofschutzfarbstoffen in mindestens eine Schicht eines photographischen lichtempfindlichen Aufzeichnungsmaterials
DE1772192C2 (de) 1968-04-11 1983-03-17 Agfa-Gevaert Ag, 5090 Leverkusen Verfahren zur Herstellung von lichtempfindlichen und nicht lichtempfindlichen Schichten für photographische Aufzeichnungsmaterialien
BE755248A (fr) 1969-08-27 1971-02-01 Fuji Photo Film Co Ltd Element photosensible de photographie en couleurs contenant un copulantmagenta
JPS4840422B1 (ja) 1969-09-05 1973-11-30
BE757036A (fr) 1969-10-07 1971-03-16 Fuji Photo Film Co Ltd Materiels photosensibles de photographie en couleurs ayant une meilleure solidite a la lumiere
DE2042659A1 (de) 1970-08-28 1972-03-02 Agfa-Gevaert Ag, 5090 Leverkusen Einlagerungsverfahren
DE2049689A1 (de) 1970-10-09 1972-07-20 Agfa-Gevaert Ag, 5090 Leverkusen Einlagerungsverfahren
JPS5512586B1 (ja) 1971-03-11 1980-04-02
JPS5439733B2 (ja) 1971-10-18 1979-11-29
US3748141A (en) 1972-05-25 1973-07-24 Eastman Kodak Co Coupler dispersions utilizing cyclohexane-containing esters as coupler solvents
JPS561615B2 (ja) 1972-12-28 1981-01-14
JPS5312378B2 (ja) 1973-07-03 1978-04-28
JPS524182B2 (ja) 1973-07-09 1977-02-02
JPS5529418B2 (ja) 1973-10-24 1980-08-04
JPS5125133A (ja) 1974-08-26 1976-03-01 Fuji Photo Film Co Ltd Harogenkaginshashinkankozairyo
US4004928A (en) 1974-08-28 1977-01-25 Mitsubishi Paper Mills, Ltd. Color photographic material
JPS5126036A (ja) 1974-08-28 1976-03-03 Mitsubishi Paper Mills Ltd Karaashashinzairyo
JPS5127922A (en) 1974-09-02 1976-03-09 Konishiroku Photo Ind Shashinyotenkazaino tenkahoho
JPS5127921A (en) 1974-09-02 1976-03-09 Konishiroku Photo Ind Shashinyotenkazaino tenkahoho
US4115124A (en) 1974-09-06 1978-09-19 Eastman Kodak Company Method of immobilizing optical brighteners
JPS51149028A (en) 1975-02-18 1976-12-21 Konishiroku Photo Ind Co Ltd Method of adding photographic additives
JPS525518A (en) 1975-07-03 1977-01-17 Fuji Photo Film Co Ltd Photographic light sensitive material
JPS5246816A (en) 1975-10-13 1977-04-14 Konishiroku Photo Ind Co Ltd Method for adding photographic additive
JPS5249029A (en) 1975-10-16 1977-04-19 Fuji Photo Film Co Ltd Silver halide color photographic light sensitive material
JPS531521A (en) 1976-06-28 1978-01-09 Fuji Photo Film Co Ltd Photographic photosensitive material
JPS531520A (en) 1976-06-28 1978-01-09 Fuji Photo Film Co Ltd Photographic photosensitive material
JPS5937814B2 (ja) 1976-07-26 1984-09-12 富士写真フイルム株式会社 写真感光材料
JPS5825260B2 (ja) 1977-02-09 1983-05-26 コニカ株式会社 写真用添加剤の添加方法
JPS53146622A (en) 1977-05-27 1978-12-20 Konishiroku Photo Ind Co Ltd Silver halide photographic material
JPS5845014B2 (ja) 1977-08-16 1983-10-06 富士写真フイルム株式会社 ハロゲン化銀写真感光材料
US4193800A (en) 1977-10-24 1980-03-18 Konishiroku Photo Industry Co., Ltd. Photographic dye mordant
JPS5474430A (en) 1977-10-24 1979-06-14 Konishiroku Photo Ind Co Ltd Photographic element for color diffusion transfer
JPS5931699B2 (ja) 1978-08-08 1984-08-03 コニカ株式会社 写真要素
JPS6049302B2 (ja) 1977-12-28 1985-11-01 オリエンタル写真工業株式会社 二浴処理用カラ−写真感光材料
JPS5494319A (en) 1978-01-09 1979-07-26 Konishiroku Photo Ind Co Ltd Silver halide photographic material
JPS5845017B2 (ja) 1978-02-02 1983-10-06 富士写真フイルム株式会社 ハロゲン化銀写真感光材料
JPS54106228A (en) 1978-02-08 1979-08-21 Mitsubishi Paper Mills Ltd Silver halide color photographic photosensitive material
JPS54118246A (en) 1978-03-06 1979-09-13 Oriental Photo Ind Co Ltd Color photographic lightsensitive material
JPS54119235A (en) 1978-03-09 1979-09-17 Fuji Photo Film Co Ltd Silver halide color photographic material
JPS5931696B2 (ja) 1978-03-20 1984-08-03 コニカ株式会社 カラ−拡散転写法用写真材料
JPS5525057A (en) 1978-08-10 1980-02-22 Fuji Photo Film Co Ltd Silver halide photographic material
DE2845907C2 (de) 1978-10-21 1985-03-28 Agfa-Gevaert Ag, 5090 Leverkusen Farbphotographische Entwicklungsbäder
US4282305A (en) 1979-01-15 1981-08-04 Eastman Kodak Company Receiving elements for image transfer film units
US4207393A (en) 1979-03-09 1980-06-10 Minnesota Mining And Manufacturing Company Photographic contrast enhancers
JPS55142339A (en) 1979-04-23 1980-11-06 Konishiroku Photo Ind Co Ltd Photographic element
JPS5619049A (en) 1979-07-25 1981-02-23 Konishiroku Photo Ind Co Ltd Silver halide photographic material
JPS5937490B2 (ja) 1979-10-30 1984-09-10 富士写真フイルム株式会社 ハロゲン化銀写真感光材料
DD147009A1 (de) 1979-11-12 1981-03-11 Christoph Roth Verfahren zur dispergierung von hydrophoben fotografischen zusaetzen
JPS5681836A (en) 1979-12-07 1981-07-04 Konishiroku Photo Ind Co Ltd Silver halide photographic sensitive material
DD157147A3 (de) 1980-01-11 1982-10-20 Lothar Kuhnert Verfahren zum einbringen von hydrophoben fotografischen zusaetzen
DD160538A1 (de) 1980-11-26 1983-09-07 Adw Ddr Verfahren zum einbringen von hydrophoben fotografischen zusaetzen
DD159573A1 (de) 1981-06-10 1983-03-16 Arndt Seifert Verfahren zum einbingen fotografischer zusaetze
DE3130079A1 (de) 1981-07-30 1983-02-17 Agfa-Gevaert Ag, 5090 Leverkusen Farbfotografisches aufzeichnungsmaterial
US4363837A (en) 1981-10-23 1982-12-14 Henry Weitz Artificial flower
JPS58105147A (ja) 1981-12-16 1983-06-22 Fuji Photo Film Co Ltd カラ−写真感光材料
EP0084694A1 (en) 1982-01-26 1983-08-03 Agfa-Gevaert N.V. Method of dispersing photographic adjuvants in hydrophilic colloid compositions
DE3271701D1 (en) 1982-01-26 1986-07-17 Agfa Gevaert Nv Method of dispersing photographic adjuvants in a hydrophilic colloid composition
JPS58185677A (ja) 1982-04-22 1983-10-29 Konishiroku Photo Ind Co Ltd 紫外線吸収剤
JPS59157636A (ja) 1983-02-25 1984-09-07 Fuji Photo Film Co Ltd カラ−画像形成方法
JPS59204041A (ja) 1983-05-06 1984-11-19 Fuji Photo Film Co Ltd ハロゲン化銀カラ−写真感光材料
US4450224A (en) 1983-07-06 1984-05-22 Eastman Kodak Company Polymeric mordants
JPS6023852A (ja) 1983-07-19 1985-02-06 Konishiroku Photo Ind Co Ltd 写真要素
JPS6023851A (ja) 1983-07-19 1985-02-06 Konishiroku Photo Ind Co Ltd 写真要素
JPS6023853A (ja) 1983-07-19 1985-02-06 Konishiroku Photo Ind Co Ltd 写真要素
JPS6023850A (ja) 1983-07-20 1985-02-06 Fuji Photo Film Co Ltd 新規な電子伝達剤及びそれを含有するカラ−写真感光材料
JPS6057836A (ja) 1983-09-09 1985-04-03 Fuji Photo Film Co Ltd 写真要素
JPS6060643A (ja) 1983-09-13 1985-04-08 Fuji Photo Film Co Ltd 写真要素
JPS6067190A (ja) 1983-09-22 1985-04-17 Ricoh Co Ltd インクジェット記録用媒体
JPS60118834A (ja) 1983-11-30 1985-06-26 Fuji Photo Film Co Ltd 写真要素
JPS60122942A (ja) 1983-12-08 1985-07-01 Fuji Photo Film Co Ltd 写真要素
JPS60122940A (ja) 1983-12-08 1985-07-01 Fuji Photo Film Co Ltd 写真要素
JPS60122941A (ja) 1983-12-08 1985-07-01 Fuji Photo Film Co Ltd 写真要素
JPS60235134A (ja) 1984-05-08 1985-11-21 Fuji Photo Film Co Ltd 写真要素
US4540657A (en) 1984-06-06 1985-09-10 Eastman Kodak Company Photographic coupler solvents and photographic elements employing same
DD225240A1 (de) 1984-07-02 1985-07-24 Wolfen Filmfab Veb Verfahren zur herstellung von farbkuppkerhaltigen dispersionen
JPS6120994A (ja) 1984-07-10 1986-01-29 松下電器産業株式会社 カラオケ練習装置
JPH0644135B2 (ja) 1984-10-02 1994-06-08 富士写真フイルム株式会社 ハロゲン化銀写真感光材料
JPS61146591A (ja) 1984-12-20 1986-07-04 Mitsubishi Paper Mills Ltd インクジェット記録用紙
JPS61154989A (ja) 1984-12-28 1986-07-14 Mitsubishi Paper Mills Ltd インクジェット記録用紙
JPS61163886A (ja) 1985-01-14 1986-07-24 Mitsubishi Paper Mills Ltd インクジェット記録用紙
US4587346A (en) 1985-01-22 1986-05-06 Ciba-Geigy Corporation Liquid 2-(2-hydroxy-3-higher branched alkyl-5-methyl-phenyl)-2H-benzotriazole mixtures, stabilized compositions and processes for preparing liquid mixtures
JPS62956A (ja) 1985-03-28 1987-01-06 Fuji Photo Film Co Ltd ハロゲン化銀カラ−写真感光材料
JPS62110066A (ja) 1985-11-07 1987-05-21 Aisin Seiki Co Ltd 変速機
US4728599A (en) 1985-12-02 1988-03-01 Eastman Kodak Company Sterically hindered phenolic ester photographic coupler dispersion addenda and photographic elements employing same
JPS62135826A (ja) 1985-12-09 1987-06-18 Konishiroku Photo Ind Co Ltd 熱現像感光材料
JPS62136648A (ja) 1985-12-11 1987-06-19 Konishiroku Photo Ind Co Ltd 熱現像カラ−感光材料
US4684606A (en) 1985-12-24 1987-08-04 Eastman Kodak Company Sterically hindered photographic coupler solvents and photographic elements employing same
JPS62173463A (ja) 1986-01-28 1987-07-30 Fuji Photo Film Co Ltd 画像形成方法
JPS62183457A (ja) 1986-02-07 1987-08-11 Fuji Photo Film Co Ltd 画像形成方法
JPS62215272A (ja) 1986-02-17 1987-09-21 Fuji Photo Film Co Ltd カラ−画像形成方法
US4745049A (en) 1986-04-11 1988-05-17 Konishiroku Photo Industry Co., Ltd. Silver halide photographic light-sensitive material
JPS62245258A (ja) 1986-04-18 1987-10-26 Fuji Photo Film Co Ltd 画像形成方法
JPS62247364A (ja) 1986-04-21 1987-10-28 Fuji Photo Film Co Ltd ハロゲン化銀カラ−写真感光材料
US5006453A (en) 1986-07-10 1991-04-09 Fuji Photo Film Co. Ltd. Silver halide color photographic material having improved dye image stability
JPS63167357A (ja) 1986-12-27 1988-07-11 Konica Corp 形成される色素の分光吸収特性が良好なハロゲン化銀写真感光材料
JPH06105341B2 (ja) 1987-03-04 1994-12-21 富士写真フイルム株式会社 ハロゲン化銀写真感光材料
GB8706358D0 (en) 1987-03-18 1987-04-23 Kodak Ltd Stabilization of dye images
IT1204570B (it) 1987-05-08 1989-03-10 Minnesota Mining & Mfg Materiali fotografici agli alogenuri d'argento sensibili alla luce e procedimento per incorporare additivi fotografici idrofobi in composizioni colloidali idrofile
JPH0743513B2 (ja) 1987-06-02 1995-05-15 コニカ株式会社 形成される色素の分光吸収特性が改良されたハロゲン化銀カラ−写真感光材料
JPS646454A (en) 1987-06-26 1989-01-11 Yuaisha Kk Wall panel mount method
JPS649452A (en) 1987-07-01 1989-01-12 Fuji Photo Film Co Ltd Silver halide color photographic sensitive material
JPH0693084B2 (ja) 1987-09-09 1994-11-16 富士写真フイルム株式会社 ハロゲン化銀写真感光材料
EP0309159B1 (en) 1987-09-21 1993-03-24 EASTMAN KODAK COMPANY (a New Jersey corporation) Photographic recording material comprising a dye image-forming coupler compound
US4935321A (en) 1987-09-21 1990-06-19 Eastman Kodak Company Photographic recording material comprising a dye image-forming compound
EP0309158B1 (en) 1987-09-21 1993-02-10 EASTMAN KODAK COMPANY (a New Jersey corporation) Photographic recording material comprising a magenta dye image forming coupler compound
DE3877673T2 (de) 1987-09-21 1993-08-05 Eastman Kodak Co Photographisches eintragungsmaterial, enthaltend eine farbbildbildende kupplerverbindung.
JPH087406B2 (ja) 1987-10-14 1996-01-29 富士写真フイルム株式会社 ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法
JPH077186B2 (ja) 1987-10-15 1995-01-30 富士写真フイルム株式会社 ハロゲン化銀写真感光材料
JPH01161236A (ja) 1987-12-17 1989-06-23 Fuji Photo Film Co Ltd 画像形成方法
EP0323408B1 (de) 1987-12-28 1994-04-06 Ciba-Geigy Ag Neue 2-(2-Hydroxyphenyl)-benztriazol-derivate
EP0324716A3 (en) 1988-01-12 1990-05-16 Fmc Corporation (Uk) Limited Triaryl phosphates
US4885272A (en) 1988-05-06 1989-12-05 Eastman Kodak Company Thiadiazolyl-azo-pyrazole yellow dye-donor element for thermal dye transfer
JPH024239A (ja) 1988-06-21 1990-01-09 Konica Corp ハロゲン化銀カラー写真感光材料
JPH0243541A (ja) 1988-08-04 1990-02-14 Fuji Photo Film Co Ltd ハロゲン化銀写真感光材料
US5013639A (en) 1989-02-27 1991-05-07 Minnesota Mining And Manufacturing Company Incorporation of hydrophobic photographic additives into hydrophilic colloid compositions
JP3246516B2 (ja) 1992-02-19 2002-01-15 セイコーエプソン株式会社 インクジェット記録装置、及びこれに使用するインクタンク
EP0458741B1 (de) 1990-05-10 1996-01-24 Ciba-Geigy Ag Strahlenhärtbare lichtstabilisierte Zusammensetzungen
JPH0429237A (ja) 1990-05-25 1992-01-31 Konica Corp 有機着色物質の光褪色防止方法及びカラー写真材料
JPH0430165A (ja) 1990-05-28 1992-02-03 Konica Corp ハロゲン化銀写真感光材料
US5164288A (en) 1990-05-29 1992-11-17 Eastman Kodak Company Photographic element containing pyrazoloazole coupler and oxidized developer competitor
US5232821A (en) 1991-04-01 1993-08-03 Eastman Kodak Company Photographic coupler compositions containing ballasted sulfoxides and sulfones and methods
US5298368A (en) 1991-04-23 1994-03-29 Eastman Kodak Company Photographic coupler compositions and methods for reducing continued coupling
JPH04346338A (ja) 1991-05-23 1992-12-02 Konica Corp ハロゲン化銀カラー写真感光材料
DE59205075D1 (de) 1991-07-03 1996-02-29 Ciba Geigy Ag Phenylthiophenylketone
US5298380A (en) 1991-09-05 1994-03-29 Ciba-Geigy Corporation Photographic material which contains a UV absober
JP3133428B2 (ja) 1991-11-26 2001-02-05 キヤノン株式会社 インクジェット記録液、その製造方法およびこれを用いるインクジェット記録方法
US5181124A (en) 1991-12-20 1993-01-19 Eastman Kodak Company Optical intermediate produced by a calibrated printer for use in an electrophotographic copier to compensate for determinable copier reproduction characteristics
JPH05295312A (ja) 1992-04-17 1993-11-09 Canon Inc インク、これを用いたインクジェット記録方法及びかかるインクを用いた機器
JPH069949A (ja) 1992-06-29 1994-01-18 Taikisha Ltd 人工雪、及び、人工雪の固化防止方法
JP3800344B2 (ja) 1992-09-07 2006-07-26 チバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド ヒドロキシフェニル−s−トリアジン
JP3178200B2 (ja) 1992-11-09 2001-06-18 セイコーエプソン株式会社 黒色再現性に優れた黒色インク組成物
JP3102209B2 (ja) 1993-06-25 2000-10-23 富士ゼロックス株式会社 インクジェット記録用インク、インクジェット記録装置およびその方法
JPH07118584A (ja) 1993-10-20 1995-05-09 Seiko Epson Corp インクジェット記録用インク
JP3611617B2 (ja) 1994-02-16 2005-01-19 富士写真フイルム株式会社 感熱記録材料
AU2143795A (en) 1994-04-19 1995-11-10 Ilford A.G. Recording sheets for ink jet printing
JP3438329B2 (ja) 1994-06-17 2003-08-18 旭硝子株式会社 インクジェット記録用シートおよびその製造方法
JP3398474B2 (ja) 1994-06-17 2003-04-21 旭硝子株式会社 記録シートおよびその製造方法
JP3398475B2 (ja) 1994-06-20 2003-04-21 旭硝子株式会社 インクジェット記録シートの製造方法
JP3443940B2 (ja) 1994-06-21 2003-09-08 旭硝子株式会社 インクジェット記録型カードの製造方法およびインクジェット記録型カード用記録媒体
US5556973A (en) 1994-07-27 1996-09-17 Ciba-Geigy Corporation Red-shifted tris-aryl-s-triazines and compositions stabilized therewith
JP3428178B2 (ja) 1994-08-26 2003-07-22 三菱化学株式会社 記録液
AU703967B2 (en) 1994-10-10 1999-04-01 Ciba Specialty Chemicals Holding Inc. Bisresorcinyltriazines
US5720551A (en) 1994-10-28 1998-02-24 Shechter; Tal Forming emulsions
US5554739A (en) 1994-12-15 1996-09-10 Cabot Corporation Process for preparing carbon materials with diazonium salts and resultant carbon products
US5571311A (en) 1994-12-15 1996-11-05 Cabot Corporation Ink jet ink formulations containing carbon black products
JP3325141B2 (ja) 1994-12-20 2002-09-17 富士写真フイルム株式会社 記録用シート
JP2568989B2 (ja) 1995-03-13 1997-01-08 セイコーエプソン株式会社 インクジェット記録装置のインク吸引方法
EP0750224A3 (en) 1995-06-19 1997-01-08 Eastman Kodak Company 2'-Hydroxyphenyl benzotriazole based UV absorbing polymers with particular substituents and photographic elements containing them
JP3428263B2 (ja) 1995-12-20 2003-07-22 三菱化学株式会社 記録液
JP3829370B2 (ja) 1995-09-28 2006-10-04 大日本インキ化学工業株式会社 記録液用アニオン性マイクロカプセル化顔料含有水性分散液及び記録液
JP3468974B2 (ja) 1996-03-27 2003-11-25 三菱製紙株式会社 インクジェット用受像体
JPH09277552A (ja) 1996-04-16 1997-10-28 Seiko Epson Corp インクジェット記録装置
JP3817840B2 (ja) 1996-06-20 2006-09-06 コニカミノルタホールディングス株式会社 インクジェット記録用紙
US5948605A (en) 1996-08-16 1999-09-07 Eastman Kodak Company Ultraviolet ray absorbing polymer latex compositions, method of making same, and imaging elements employing such particles
JPH10140065A (ja) 1996-09-11 1998-05-26 Dainippon Ink & Chem Inc 水性記録液
JP3882956B2 (ja) 1997-04-21 2007-02-21 大日本インキ化学工業株式会社 着色マイクロカプセル分散型水性ジェットインク
JP3321700B2 (ja) 1996-10-25 2002-09-03 コニカ株式会社 インクジェット記録用紙
GB2319523B (en) 1996-11-20 2000-11-08 Ciba Sc Holding Ag Hydroxyphenyltriazines
JP3861345B2 (ja) 1996-11-26 2006-12-20 コニカミノルタホールディングス株式会社 インクジェット記録用紙
JP4059356B2 (ja) 1997-02-06 2008-03-12 コニカミノルタホールディングス株式会社 インクジェット記録用紙及びインクジェット記録方法
US5817805A (en) 1997-02-21 1998-10-06 Eastman Kodak Company Synthesis of bis(phthalocyanylalumino)tetraphenyldisiloxanes
JP3492164B2 (ja) 1997-09-22 2004-02-03 タイホー工業株式会社 インクジェット記録用被記録材
JP3785775B2 (ja) 1997-12-05 2006-06-14 セイコーエプソン株式会社 印刷装置,画像処理方法およびこの方法を実現するプログラムを記録した記録媒体
JP3803762B2 (ja) 1997-12-05 2006-08-02 大日本インキ化学工業株式会社 インクジェットプリンター用水性記録液の製造方法
JPH11170686A (ja) 1997-12-11 1999-06-29 Fuji Photo Film Co Ltd 画像形成材料及び画像形成方法
JP3907811B2 (ja) 1998-01-05 2007-04-18 富士フイルム株式会社 インクジェット記録用シートの製造方法
JPH11321090A (ja) 1998-03-17 1999-11-24 Tomoegawa Paper Co Ltd インクジェット記録シ―ト
CN1096488C (zh) * 1998-03-25 2002-12-18 日本化药株式会社 新的蒽吡啶酮化合物,水基品红色墨水组合物和喷墨记录方法
JP3747635B2 (ja) 1998-06-10 2006-02-22 コニカミノルタホールディングス株式会社 インクジェット記録用紙
JP3581023B2 (ja) 1998-07-29 2004-10-27 三菱製紙株式会社 インクジェット記録用シート
JP3758378B2 (ja) 1998-09-25 2006-03-22 コニカミノルタホールディングス株式会社 インクジェット記録用紙
GB9827291D0 (en) * 1998-12-12 1999-02-03 Zeneca Ltd Compositions
JP2000260519A (ja) 1999-01-01 2000-09-22 Sumitomo Wiring Syst Ltd 雄型コネクタ
JP3798169B2 (ja) 1999-01-21 2006-07-19 三菱製紙株式会社 インクジェット記録用シート
JP4068270B2 (ja) 1999-09-28 2008-03-26 三菱製紙株式会社 インクジェット記録材料
JP3371365B2 (ja) 1999-04-27 2003-01-27 三菱製紙株式会社 インクジェット記録用シート
JP3842942B2 (ja) 1999-08-31 2006-11-08 三菱製紙株式会社 インクジェット記録用シート
JP2001138621A (ja) 1999-11-11 2001-05-22 Konica Corp インクジェット記録用紙
JP3824478B2 (ja) 2000-01-14 2006-09-20 三菱製紙株式会社 インクジェット記録材料
JP4105848B2 (ja) 2000-01-25 2008-06-25 富士フイルム株式会社 色素、インクジェット記録用インク及びインクジェット記録方法
JP2001301314A (ja) 2000-04-17 2001-10-31 Fuji Photo Film Co Ltd インクジェット記録用シート
JP3986725B2 (ja) 2000-04-27 2007-10-03 富士フイルム株式会社 インクジェット記録用シート
JP2002121414A (ja) * 2000-07-17 2002-04-23 Fuji Photo Film Co Ltd 着色組成物、インクジェット記録用インク及びインクジェット記録方法
JP2002292878A (ja) 2001-01-25 2002-10-09 Fuji Photo Film Co Ltd 記録ヘッドおよびその製造方法
JP4666873B2 (ja) 2001-04-09 2011-04-06 富士フイルム株式会社 画像形成用着色組成物、インクジェット記録用インク、インクジェット記録方法、感熱記録材料、カラートナー、およびカラーフィルター
JP4530570B2 (ja) * 2001-04-09 2010-08-25 富士フイルム株式会社 着色画像のオゾンガス堅牢性改良方法
JP2002309116A (ja) 2001-04-09 2002-10-23 Fuji Photo Film Co Ltd アゾ化合物、着色組成物、インク組成物、及びインクジェット記録方法
JP4397551B2 (ja) 2001-08-24 2010-01-13 富士フイルム株式会社 着色組成物、インクジェットインク組成物及びインクジェット記録方法、並びに、オゾンガス堅牢性改良方法
JP2002309137A (ja) * 2001-04-12 2002-10-23 Fuji Photo Film Co Ltd インクジェット記録用インク組成物
JP2003012650A (ja) 2001-06-27 2003-01-15 Fuji Photo Film Co Ltd ヘテロ環化合物の製造方法
JP4738655B2 (ja) * 2001-07-04 2011-08-03 富士フイルム株式会社 インクジェット記録用インク組成物
JP4102039B2 (ja) 2001-07-25 2008-06-18 富士フイルム株式会社 インク組成物及びインクジェット記録方法
JP4362027B2 (ja) * 2001-08-16 2009-11-11 富士フイルム株式会社 着色組成物、インクジェット記録方法、オゾン耐性改良方法
KR100635705B1 (ko) * 2001-09-26 2006-10-17 니폰 가야꾸 가부시끼가이샤 신규 안트라피리돈 화합물 및 그의 용도
JP4245888B2 (ja) 2001-11-22 2009-04-02 日本化学工業株式会社 リチウムコバルト系複合酸化物、その製造方法、リチウム二次電池正極活物質及びリチウム二次電池
JP4060138B2 (ja) 2002-01-15 2008-03-12 富士フイルム株式会社 インク、インクジェット記録方法及びアゾ化合物
JP4159796B2 (ja) 2002-01-15 2008-10-01 富士フイルム株式会社 化合物、インク及びインクジェット記録方法
CN1186396C (zh) 2002-01-30 2005-01-26 大连理工大学 非诱变性偶氮型黑色直接染料及其制备方法
JP3844338B2 (ja) 2002-02-01 2006-11-08 富士写真フイルム株式会社 インクセット、インクカートリッジ、記録方法、プリンター及び記録物
JP2003231835A (ja) 2002-02-08 2003-08-19 Fuji Photo Film Co Ltd インクジェット記録用インク組成物及びインクジェット記録方法
EP1475416A4 (en) * 2002-02-13 2005-08-03 Fuji Photo Film Co Ltd INK FOR INK JET PRINTING AND CORRESPONDING PRINTING METHOD
US6939399B2 (en) * 2002-02-20 2005-09-06 Fuji Photo Film Co., Ltd. Ink set, container for storing the same, inkjet recording method, and method for preventing discoloration of inkjet-recorded image
JP4171607B2 (ja) 2002-04-16 2008-10-22 富士フイルム株式会社 水性インク
JP4402917B2 (ja) 2002-08-06 2010-01-20 富士フイルム株式会社 インク、インクジェット記録方法及びビスアゾ化合物
JP2004083610A (ja) * 2002-08-22 2004-03-18 Fuji Photo Film Co Ltd インクセット、インクカートリッジ、記録方法、プリンター及び記録物
JP2004075959A (ja) 2002-08-22 2004-03-11 Fuji Photo Film Co Ltd インクジェット記録用インク組成物及びインクジェット記録方法
EP1548073A4 (en) * 2002-08-26 2011-02-23 Fujifilm Corp INK AND METHOD FOR INKJET PRINTING
JP4538187B2 (ja) 2002-09-30 2010-09-08 富士フイルム株式会社 インクジェット記録用ブラックインク
JP4538186B2 (ja) 2002-09-25 2010-09-08 富士フイルム株式会社 インクジェット記録用ブラックインク
JP4538188B2 (ja) 2002-09-30 2010-09-08 富士フイルム株式会社 インクジェット記録用インク
JP2004115702A (ja) 2002-09-27 2004-04-15 Fuji Photo Film Co Ltd インクジェット記録用インク
KR100825368B1 (ko) * 2002-09-25 2008-04-28 후지필름 가부시키가이샤 잉크젯 기록용 블랙 잉크 및 잉크젯 기록 방법
JP2004123772A (ja) 2002-09-30 2004-04-22 Fuji Photo Film Co Ltd インクジェット記録用ブラックインク
JP2004115703A (ja) 2002-09-27 2004-04-15 Fuji Photo Film Co Ltd インクジェット記録用インク
JP4452436B2 (ja) 2002-09-30 2010-04-21 富士フイルム株式会社 インクジェット記録用ブラックインク
JP2004123824A (ja) 2002-09-30 2004-04-22 Fuji Photo Film Co Ltd インクジェット記録用ブラックインク
JP2004168865A (ja) 2002-11-19 2004-06-17 Fuji Photo Film Co Ltd インクジェット用カラーインク
DE602004013286T2 (de) * 2003-03-05 2008-08-07 Nippon Kayaku K.K. Wässrige schwarztintenzusammensetzung und gefärbtes material
JP2004307832A (ja) * 2003-03-27 2004-11-04 Fuji Photo Film Co Ltd インクセット及びインクジェット記録方法
US7323045B2 (en) * 2003-09-30 2008-01-29 Seiko Epson Corporation Magenta ink composition
KR101170372B1 (ko) * 2004-07-13 2012-08-01 후지필름 가부시키가이샤 블랙잉크 조성물, 이것을 포함하는 잉크셋, 및 잉크젯기록방법
US7758683B2 (en) * 2005-10-20 2010-07-20 Fujifilm Corporation Ink composition, ink set and recording method

Also Published As

Publication number Publication date
EP2455431A1 (en) 2012-05-23
JP5204974B2 (ja) 2013-06-05
EP1702013A4 (en) 2009-03-25
WO2005040292A1 (en) 2005-05-06
EP1702013B1 (en) 2014-09-10
KR101075946B1 (ko) 2011-10-21
KR20110056343A (ko) 2011-05-26
US7776144B2 (en) 2010-08-17
KR20060094530A (ko) 2006-08-29
JP2007511619A (ja) 2007-05-10
KR101153252B1 (ko) 2012-06-05
US20070266890A1 (en) 2007-11-22
KR101093031B1 (ko) 2011-12-13
JP2012197444A (ja) 2012-10-18
EP2455431B1 (en) 2013-08-21
KR20110056435A (ko) 2011-05-27
EP1702013A1 (en) 2006-09-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5204974B2 (ja) インクジェット用インクならびにインクセット
JP4452436B2 (ja) インクジェット記録用ブラックインク
JP4452437B2 (ja) インクジェット記録用ブラックインク
JP2005307177A (ja) インク原液、インク組成物、及びそれらの製造方法
JP4210508B2 (ja) インクジェット記録用ブラックインク
JP2007516317A (ja) インクジェット用インクセットおよびインクジェット用ブラックインク
JP4486831B2 (ja) インクセットならびにインクジェット記録方法
JP2005264090A (ja) インク組成物及びインクジェット記録方法
JP4538186B2 (ja) インクジェット記録用ブラックインク
JP2005162823A (ja) インクジェット用インクセット
JP4538187B2 (ja) インクジェット記録用ブラックインク
JP2004115701A (ja) インクジェット記録用ブラックインク及びインクジェット記録方法
JP4213935B2 (ja) インクジェット記録用ブラックインク
JP2006037045A (ja) ブラックインク、インクセット、ならびにインクカートリッジ
JP4213942B2 (ja) インクジェット記録用ブラックインク
JP2004137332A (ja) インクジェット記録用ブラックインクの作製方法
JP2004123856A (ja) インクジェット記録用ブラックインク
JP2004123861A (ja) インクジェット記録用ブラックインクの製造方法
JP2004292482A (ja) インクジェット用ブラックインク
JP2004115702A (ja) インクジェット記録用インク
JP2004123860A (ja) インクジェット記録用ブラックインクならびにインクセット
JP2004115703A (ja) インクジェット記録用インク
JP2004123828A (ja) インクジェット記録用ブラックインク
JP2005220258A (ja) 着色組成物、インクジェット用インク、及びそれらを用いたインクジェット記録方法
JP2004123824A (ja) インクジェット記録用ブラックインク

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20120914

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20121004

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140121

A762 Written abandonment of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A762

Effective date: 20140210