JP4105848B2 - 色素、インクジェット記録用インク及びインクジェット記録方法 - Google Patents

色素、インクジェット記録用インク及びインクジェット記録方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な色素、およびそれを用いたインクジェット記録用インクならびにインクジェット記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方法は、材料費が安価であること、高速記録が可能なこと、記録時の騒音が少ないこと、さらにカラー記録が容易であることから、急速に普及し、さらに発展しつつある。インクジェット記録方法には、ピエゾ素子により圧力を加えて液滴を吐出させる方式、熱によりインク中に気泡を発生させて液滴を吐出させる方式、あるいは静電力により液滴を吸引吐出させる方式がある。また、インクジェット用インクとしては、水性インク、油性インク、あるいは固体(溶融型)インクが用いられる。インクジェット用インクに用いられる色素に対しては、溶剤に対する溶解性が高いこと、高濃度記録が可能であること、色相が良好であること、光、熱、空気、水や薬品に対する堅牢性に優れていること、受像材料に対して定着性が良く滲みにくいこと、インクとしての保存性に優れていること、毒性がないこと、純度が高いこと、さらには、安価に入手できることが要求されている。しかしながら、これらの要求を高いレベルで満たす色素を捜し求めることは、極めて難しい。特に、良好なイエロー色相を有し、光堅牢性に優れた色素が強く望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
既にインクジェット用として様々な染料や顔料が提案され、実際に使用されている。しかし、未だに全ての要求を満足する色素は、発見されていないのが現状である。カラーインデックス(C. I. )番号が付与されているような、従来から良く知られている染料や顔料では、インクジェット用インクに要求される色相と堅牢性とを両立させることは難しい。特開平2−212566号公報には、色相と光堅牢性の両立を目的としたインクジェット用インクが開示されている。しかし、同公報で用いている色素は、色相の改善と光堅牢性が共に不十分である。同公報に記載の色素には、湿熱堅牢性にも問題がある。また、特開平4−22714号公報には、感熱転写用色素として、チアジアゾリル−アゾ−ピラゾールイエロー色素が示されているが、この色素は、水溶液への溶解性が不充分であり、インクジェット用水溶性インクとしては使用することができない。
【0004】
本発明は、前記諸問題を解決することを目的とする。即ち、色相および光堅牢性の良好な画像を形成し得る色素、インクジェット記録用インク、およびインクジェット記録方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段は、以下の通りである
【0006】
【0007】
【0008】
<1> 下記一般式(2)で表される色素を少なくとも一種含有することを特徴とするインクジェット記録用インク。
【0009】
一般式(2)
【化9】
Figure 0004105848
【0010】
一般式(2)中、R1、R2、およびR3は各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、カルボキシル基、またはスルホ基を表し、R4は下記複素環基の群1から選ばれるいずれかの置換されていてもよい複素環基を表す。但し、一般式(2)で表される色素は分子中に少なくとも1つのカルボキシル基および/またはスルホ基を有する
【0011】
複素環基の群1
【化10】
Figure 0004105848
【0012】
【0013】
【0014】
【0018】
<2> <1>に記載のインクジェット記録用インクにエネルギーを供与して、前記インクの液滴を受像材料へ吐出させ、受像材料上に画像を記録することを特徴とするインクジェット記録方法。
【0019】
> 下記一般式(2)で表される色素。
【0020】
一般式(2)
【化13】
Figure 0004105848
【0021】
一般式(2)中、R1、R2、およびR3は各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、カルボキシル基、またはスルホ基を表し、R4は下記複素環基の群1から選ばれるいずれかの置換されていてもよい複素環基を表す。但し、一般式(2)で表される色素は分子中に少なくとも1つのカルボキシル基および/またはスルホ基を有する
【0022】
複素環基の群1
【化14】
Figure 0004105848
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0031】
【0032】
尚、前記一般式(2)で表される化合物が互変異性体を有する場合、互変異性体も本発明の範囲に含まれる。
【0033】
【発明の実施の形態】
[インクジェット記録用インク]
本発明のインクジェット記録用インクは、前記一般式(2)で表される色素を含有する。前記一般式(2)で表される色素は、光堅牢性が良好であるとともに、色相が良好であるという特長を有する。前記一般式(2)で表される色素の中でも、特にイエロー色素は、吸収スペクトルのピークがシャープな形状を示す。前記一般式(2)で表される色素の中でも、イエロー色素が好ましく、さらに、水溶液の吸収スペクトルのλmax(nm)の吸光度Iλmaxと、λmax+70(nm)の吸光度Iλmax+70との比(Iλmax+70/Iλmax)が、0.2以下であるイエロー色素が好ましい。
【0034】
前記一般式(2)中、 各々独立して、置換されてもよい複素環基を表す。前記複素環基の置換基としてはイオン性親水性基が含まれる。前記複素環基としては、5員環または6員環から構成された複素環基が好ましく、単環構造であっても、2以上の環が縮合した多環構造であってもよい。また、前記複素環基としては、N、O、S原子のいずれかを少なくとも含む複素環基が好ましい。以下に、前記複素環基の好ましい例を示す。
【0035】
【化17】
Figure 0004105848
【0036】
前記一般式(2)で表される色素は分子中に少なくとも1つのイオン性親水性基を含む。前記色素は、分子中にイオン性親水性基を有するので、水性媒体に対する溶解性または分散性が良好である。前記イオン性親水性基には、スルホ基、およびカルボキシル基が含まれる。中でも、スルホ基が特に好ましい。また、前記色素は分子中に、2種以上のイオン性親水性基を含んでいてもよく、2種以上のイオン性親水性基を含む場合は、カルボキシル基とスルホ基の組み合わせが好ましい。前記カルボキシル基および前記スルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アルカリ金属イオン(例、ナトリウムイオン、カリウムイオン)および有機カチオン(例、テトラメチルグアニジウムイオン)が含まれる。
【0037】
前記一般式(2)で表される色素は、色相および光堅牢性がより良好であるので好ましい。
【0038】
前記一般式(2)中、R1、R2およびR 3 は各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、またはイオン性親水性基を表す。
1、R2およびR 3 が表すアルキル基には、置換基を有するアルキル基および無置換のアルキル基が含まれる。前記アルキル基としては、炭素原子数が1乃至12のアルキル基が好ましい。前記置換基の例には、ヒドロキシル基、アルコキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、およびイオン性親水性基が含まれる。前記アルキル基の例には、メチル、エチル、ブチル、イソプロピル、t−ブチル、ヒドロキシエチル、メトキシエチル、シアノエチル、トリフルオロメチル、3−スルホプロピル、および4−スルホブチルが含まれる。
【0039】
1、R2およびR 3 表すシクロアルキル基には、置換基を有するシクロアルキル基および無置換のシクロアルキル基が含まれる。前記シクロアルキル基としては、炭素原子数が5乃至12のシクロアルキル基が好ましい。前記置換基の例にはイオン性親水性基が含まれる。前記シクロアルキル基の例には、シクロヘキシルが含まれる。
1、R2およびR 3 表すアラルキル基には、置換基を有するアラルキル基および無置換のアラルキル基が含まれる。前記アラルキル基としては、炭素原子数が7乃至12のアラルキル基が好ましい。前記置換基の例にはイオン性親水性基が含まれる。前記アラルキル基の例には、ベンジル、および2−フェネチルが含まれる。
【0040】
1、R2およびR 3 表すアリール基には、置換基を有するアリール基および無置換のアリール基が含まれる。前記アリール基としては、炭素原子数が7乃至12のアリール基が好ましい。前記置換基の例には、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アルキルアミノ基、およびイオン性親水性基が含まれる。前記アリール基の例には、フェニル、p−トリル、p−メトキシフェニル、o−クロロフェニル、およびm−(3−スルホプロピルアミノ)フェニルが含まれる。
【0041】
1、R2およびR 3 表すアルキルチオ基には、置換基を有するアルキルチオ基および無置換のアルキルチオ基が含まれる。前記アルキルチオ基としては、炭素原子数が1乃至12のアルキルチオ基が好ましい。前記置換基の例にはイオン性親水性基が含まれる。前記アルキルチオ基の例には、メチルチオおよびエチルチオが含まれる。
1、R2およびR 3 表すアリールチオ基には、置換基を有するアリールチオ基および無置換のアリールチオ基が含まれる。前記アリールチオ基としては、炭素原子数が6乃至12のアリールチオ基が好ましい。前記置換基の例には、アルキル基、およびイオン性親水性基が含まれる。前記アリールチオ基の例には、フェニルチオ基およびp−トリルチオが含まれる。
【0042】
1、R2およびR 3 表すイオン性親水性基には、スルホ基、カルボキシル基および4級アンモニウムが含まれる。中でも、スルホ基およびカルボキシル基が好ましく、スルホ基が特に好ましい。前記カルボキシル基および前記スルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アルカリ金属イオン(例、ナトリウムイオン、カリウムイオン)および有機カチオン(例、テトラメチルグアニジウムイオン)が含まれる。
【0043】
前記一般式(4)中、R8は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、シアノ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、ウレイド基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、アシル基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヒドロキシ基、またはイオン性親水性基を表す。
【0044】
8が表すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子および臭素原子が挙げられる。
8が表すアルキル基には、置換基を有するアルキル基および無置換のアルキル基が含まれる。前記アルキル基は、炭素原子数が1乃至12のアルキル基が好ましい。前記置換基の例には、ヒドロキシル基、アルコキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、およびイオン性親水性基が含まれる。アルキル基の例には、メチル、エチル、ブチル、イソプロピル、t−ブチル、ヒドロキシエチル、メトキシエチル、シアノエチル、トリフルオロメチル、3−スルホプロピルおよび4−スルホブチルが含まれる。
【0045】
8が表すアルコキシ基には、置換基を有するアルコキシ基および無置換のアルコキシ基が含まれる。前記アルコキシ基としては、炭素原子数が1乃至12のアルコキシ基が好ましい。前記置換基の例には、ヒドロキシル基、およびイオン性親水性基が含まれる。前記アルコキシ基の例には、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、メトキシエトキシ、ヒドロキシエトキシおよび3−カルボキシプロポキシが含まれる。
8が表すアリール基には、置換基を有するアリール基および無置換のアリール基が含まれる。前記アリール基としては、炭素原子数が7乃至12のアリール基が好ましい。前記置換基の例には、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アルキルアミノ基、およびイオン性親水性基が含まれる。前記アリール基の例には、フェニル、p−トリル、p−メトキシフェニル、o−クロロフェニルおよびm−(3−スルホプロピルアミノ)フェニルが含まれる。
【0046】
8が表すアリールオキシ基には、置換基を有するアリールオキシ基および無置換のアリールオキシ基が含まれる。前記アリールオキシ基としては、炭素原子数が6乃至12のアリールオキシ基が好ましい。前記置換基の例には、アルコキシ基、およびイオン性親水性基が含まれる。前記アリールオキシ基の例には、フェノキシ、p−メトキシフェノキシおよびo−メトキシフェノキシが含まれる。
8が表すアシルアミノ基には、置換基を有するアシルアミノ基および無置換のアシルアミノ基が含まれる。前記アシルアミノ基としては、炭素原子数が2乃至12のアシルアミノ基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記アシルアミノ基の例には、アセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミドおよび3,5−ジスルホベンズアミドが含まれる。
【0047】
8が表すスルホニルアミノ基には、置換基を有するスルホニルアミノ基および無置換のスルホニルアミノ基が含まれる。前記スルホニルアミノ基としては、炭素原子数が2乃至12のスルホニルアミノ基が好ましい。前記スルホニルアミノ基の例には、メチルスルホニルアミノ、およびエチルスルホニルアミノが含まれる。
8が表すアルコキシカルボニルアミノ基には、置換基を有するアルコキシカルボニルアミノ基および無置換のアルコキシカルボニルアミノ基が含まれる。前記アルコキシカルボニルアミノ基としては、炭素原子数が2乃至12のアルコキシカルボニルアミノ基が好ましい。前記置換基の例にはイオン性親水性基が含まれる。前記アルコキシカルボニルアミノ基の例には、エトキシカルボニルアミノが含まれる。
【0048】
8が表すウレイド基には、置換基を有するウレイド基および無置換のウレイド基が含まれる。前記ウレイド基としては、炭素原子数が1乃至12のウレイド基が好ましい。前記置換基の例には、アルキル基およびアリール基が含まれる。前記ウレイド基の例には、3−メチルウレイド、3,3−ジメチルウレイドおよび3−フェニルウレイドが含まれる。
8が表すアルキルチオ基には置換基を有するアルキルチオ基および無置換のアルキルチオ基が含まれる。前記アルキルチオ基としては、炭素原子数が1乃至12のアルキルチオ基が好ましい。前記置換基の例にはイオン性親水性基が含まれる。前記アルキルチオ基の例には、メチルチオおよびエチルチオが含まれる。
【0049】
8が表すアリールチオ基には、置換基を有するアリールチオ基および無置換のアリールチオ基が含まれる。前記アリールチオ基としては、炭素原子数が6乃至12のアリールチオ基が好ましい。前記置換基の例には、アルキル基、イオン性親水性基が含まれる。前記アリールチオ基の例には、フェニルチオおよびp−トリルチオ基が含まれる。
8が表すアルコキシカルボニル基には、置換基を有するアルコキシカルボニル基および無置換のアルコキシカルボニル基が含まれる。前記アルコキシカルボニル基としては、炭素原子数が2乃至12のアルコキシカルボニル基が好ましい。前記置換基の例にはイオン性親水性基が含まれる。前記アルコキシカルボニル基の例には、メトキシカルボニルおよびエトキシカルボニルが含まれる。
【0050】
8が表すカルバモイル基には、置換基を有するカルバモイル基および無置換のカルバモイル基が含まれる。前記置換基の例にはアルキル基が含まれる。前記カルバモイル基の例には、メチルカルバモイル基およびジメチルカルバモイル基が含まれる。
8が表す置換基を有するスルファモイル基および無置換のスルファモイル基が含まれる。前記置換基の例には、アルキル基が含まれる。前記スルファモイル基の例には、ジメチルスルファモイル基およびジ−(2−ヒドロキシエチル)スルファモイル基が含まれる。
【0051】
8が表すスルホニル基の例には、メタンスルホニルおよびフェニルスルホニルが含まれる。
8が表すアシル基には、置換基を有するアシル基および無置換のアシル基が含まれる。前記アシル基としては、炭素原子数が1乃至12のアシル基が好ましい。前記置換基の例にはイオン性親水性基が含まれる。前記アシル基の例には、アセチルおよびベンゾイルが含まれる。
【0052】
8が表すアルキルアミノ基には、置換基を有するアルキルアミノ基および無置換のアルキルアミノ基が含まれる。前記アルキルアミノ基としては、炭素原子数1乃至6のアルキルアミノ基が好ましい。前記置換基の例にはイオン性親水性基が含まれる。前記アルキルアミノ基の例には、メチルアミノおよびジエチルアミノが含まれる。
8が表すアリールアミノ基には、置換基を有するアリールアミノ基および無置換のアリールアミノ基が含まれる。前記アリールアミノ基としては、炭素原子数が6乃至12のアリールアミノ基が好ましい。前記置換基の例としては、ハロゲン原子、およびイオン性親水性基が含まれる。前記アリールアミノ基の例としては、アニリノおよび2−クロロアニリノが含まれる。
【0053】
8が表すイオン性親水性基には、スルホ基、カルボキシル基および4級アンモニウムが含まれる。中でも、スルホ基およびカルボキシル基が好ましく、スルホ基が特に好ましい。前記カルボキシル基および前記スルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アルカリ金属イオン(例、ナトリウムイオン、カリウムイオン)および有機カチオン(例、テトラメチルグアニジウムイオン)が含まれる。
【0054】
【0055】
【0056】
前記一般式(2)中、R4は前記複素環基の群1から選ばれるいずれかの置換されていてもよい複素環基を表す。置換基としては、イオン性親水性基、炭素原子数が1乃至12のアルキル基、アリール基、アルキルまたはアリールチオ基、ハロゲン原子、シアノ基、スルファモイル基、スルホンアミノ基、カルバモイル基、およびアシルアミノ基等が含まれ、前記アルキル基およびアリール基等はさらに置換基を有していてもよい。前記群1に示す複素環基の中でも、1,2,4−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾール、およびイミダゾールが好ましい。
【0057】
【0058】
前記一般式(4)中、R10は前記複素環基の群3から選ばれるいずれかの置換されていてもよい複素環基を表す。置換基としては、イオン性親水性基、炭素原子数が1乃至12のアルキル基、アリール基、アルキルまたはアリールチオ基、ハロゲン原子、シアノ基、スルファモイル基、スルホンアミノ基、カルバモイル基、およびアシルアミノ基等が含まれ、前記アルキル基およびアリール基等はさらに置換基を有していてもよい。前記群3に示す複素環基の中でも、1,2,4−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾール、イミダゾール、ベンゾチアゾールおよびベンゾオキサゾールが好ましい。
【0059】
前記一般式(2)で表される色素は分子中に少なくとも1つのイオン性親水性基を含む。前記一般式(2)中の、R1、R2およびR 3 がイオン性親水性基である色素の他、前記一般式(2)中の、R1〜R11がさらにイオン性親水性基を置換基として有する色素が含まれる。この様に、前記色素は分子中にイオン性親水性基を有するので、水性媒体に対する溶解性または分散性が良好である。前記イオン性親水性基には、スルホ基、およびカルボキシル基が含まれる中でも、スルホ基が特に好ましい。また、前記色素は分子中に、2種以上のイオン性親水性基を含んでいてもよく、2種以上のイオン性親水性基を含む場合は、カルボキシル基とスルホ基の組み合わせが好ましい。前記カルボキシル基および前記スルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アルカリ金属イオン(例、ナトリウムイオン、カリウムイオン)および有機カチオン(例、テトラメチルグアニジウムイオン)が含まれる。
【0060】
以下に、一般式(1)で表される色素の具体例(一般式(2)で表される色素の具体例(1−1〜1−16))を示すが、本発明に用いられる色素は、下記の具体例に限定されるものではない。
【0061】
【化18】
Figure 0004105848
【0062】
【化19】
Figure 0004105848
【0063】
【化20】
Figure 0004105848
【0064】
【化21】
Figure 0004105848
【0065】
【化22】
Figure 0004105848
【0066】
【化23】
Figure 0004105848
【0067】
【化24】
Figure 0004105848
【0068】
【化25】
Figure 0004105848
【0069】
【化26】
Figure 0004105848
【0070】
【化27】
Figure 0004105848
【0071】
【化28】
Figure 0004105848
【0072】
【化29】
Figure 0004105848
【0073】
【化30】
Figure 0004105848
【0074】
前記一般式(2)で表される色素は、ジアゾ成分とカプラー成分とのカップリング反応によって合成することができる。下記に、前記一般式(2)で表される色素の合成例を示す。下記合成例は、ジアゾ成分として式(A−1),(A−2)および(A−3)を各々用い、カプラー成分として式(B−1)、(B−2)および(B−3)を各々用いた例である。
【0075】
[色素1−3の合成例]
【化31】
Figure 0004105848
【0076】
ジアゾ成分A−1の1gを、酢酸とプロピオン酸の体積比3:2混合溶媒10ミリリットル中に溶解し、液温を0℃に維持しつつ、さらに40%のONHSO4を添加した。この溶液を、カプラー成分B−1の891mgを酢酸、プロピオン酸、および酢酸ナトリウムの混合溶媒15ミリリットルに溶解した溶液に、攪拌しながら添加し、1時間、0℃で反応させたところ、イエロー色の沈殿物が得られた。沈殿物を濾過により単離し、アセトニトリルで再結晶化したところ、色素1−3が1.5g得られた。収率は75%であった。λmax=453.2nm(in DMF)。
【0077】
[色素2−1の合成例]
【化32】
Figure 0004105848
【0078】
ジアゾ成分A−2の1gを、酢酸とプロピオン酸の体積比3:2混合溶媒18ミリリットル中に溶解し、液温を0℃に維持しつつ、さらに40%のONHSO4を添加した。この溶液を、カプラー成分B−2の4gを、酢酸、プロピオン酸、および酢酸ナトリウムの混合溶媒26ミリリットルに溶解した溶液に攪拌しながら添加し、1時間、0℃で反応させたところ、イエロー色の沈殿物が得られた。沈殿物を濾過により単離し、メタノールで再結晶化したところ、色素2−1が3.5g得られた。収率は68%であった。λmax=445.3nm(in DMF)。
【0079】
[色素3−3の合成例]
【化33】
Figure 0004105848
【0080】
ジアゾ成分A−3の1gを、酢酸とプロピオン酸の体積比3:2混合溶媒10ミリリットル中に溶解し、液温を0℃に維持しつつ、さらに40%のONHSO4を添加した。この溶液を、カプラー成分B−3の1.1gを、酢酸、プロピオン酸、および酢酸ナトリウムの混合溶媒15ミリリットルに溶解した溶液に攪拌しながら添加し、1時間、0℃で反応させたところ、イエロー色の沈殿物が得られた。沈殿物を濾過により単離し、エタノールで再結晶化したところ、色素3−3が1.3g得られた。収率は60%であった。λmax=455.5nm(in DMF)。
【0081】
また、ジアゾ成分とカプラー成分の種類及び量を代える以外は上記合成例と同様の方法で合成を行い、色素1−5、色素1−6、色素1−7、色素1−8、色素1−9、色素1−10、色素1−13、色素1−15、色素1−16、色素2−2、色素2−3、色素2−4、色素2−5、および色素2−10を得た。その収率とλmax(in DMF)を下記表1に示す。
【0082】
【表1】
Figure 0004105848
【0083】
本発明のインクジェット記録用インクは、水性媒体中に前記色素を溶解および/または分散させることによって作製することができる。前記色素を水性媒体中に分散させる場合は、分散機(例、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテーターミル、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、ジェットミル、オングミル)を用い、前記色素を微粒子の状態で分散させるのが好ましい。適当な有機溶媒に前記色素を溶解してから、得られた溶液を水性媒体中に乳化分散させてもよい。乳化分散させる場合は、分散剤(乳化剤)や界面活性剤を使用することができる。水性のインクジェット用インクの調製方法については、特開平5−148436号、同5−295312号、同7−97541号、同7−82515号、同7−118584号の各公報に詳細が記載されていて、本発明のインクジェット記録用インクの調製にも利用できる。
【0084】
本発明のインクジェット記録用インクに用いられる前記水性媒体は、水を主成分とし、所望により、水混和性有機溶剤を添加した混合物を用いることができる。前記水混和性有機溶剤の例には、アルコール(例、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec-ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール)、多価アルコール類(例、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、グリコール誘導体(例、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングルコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングルコールモノメチルエーテル、
【0085】
エチレングリコールジアセテート、エチレングルコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル)、アミン(例、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミンン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、テトラメチルプロピレンジアミン)およびその他の極性溶媒(例、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アセトニトリル、アセトン)が含まれる。尚、前記水混和性有機溶剤は、二種類以上を併用してもよい。
【0086】
本発明のインクジェット記録用インク100質量部中は、前記色素を0.2質量部以上10質量部以下含有するのが好ましい。また、本発明のインクジェット記録用インクに含有される色素は、1種類であっても2種類以上であってもよい。例えば、前記一般式(2)で表される色素の各々を2種以上組み合わせてもよい。また、前記一般式(2)で表される色素とともに、他の色素を併用してもよい。2種類以上の色素を併用する場合は、色素の含有量の合計が前記範囲となっているのが好ましい。
【0087】
本発明のインクジェット記録用インクは、粘度が40cp以下であるのが好ましい。また、その表面張力は20dyn/cm以上100dyn/cm以下であるのが好ましい。粘度および表面張力は、種々の添加剤、例えば、粘度調整剤、表面張力調整剤、比抵抗調整剤、皮膜調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、褪色防止剤、防黴剤、防錆剤、分散剤および界面活性剤を添加することによって、調整できる。
【0088】
本発明のインクジェット記録用インクは、単色の画像形成のみならず、フルカラーの画像形成に用いることができる。フルカラー画像を形成するために、マゼンタ色調インク、シアン色調インク、およびイエロー色調インクを用いることができ、また、色調を整えるために、さらにブラック色調インクを用いてもよい。
【0089】
[インクジェット記録方法]
本発明のインクジェット記録方法は、前記インクジェット記録用インクにエネルギーを供与して、前記インクの液滴を受像材料へ吐出させ、受像材料上に画像を記録することを特徴とするインクジェット記録方法である。前記受像材料としては、普通紙、コート紙、プラスチックフィルム等が挙げられる。受像材料としてコート紙を用いると、画質、画像保存耐久性が向上するので好ましい。
【0090】
前記受像材料としては、ポリマー媒染剤を含有する記録紙を用いることが望ましい。ポリマー媒染剤については、特開昭48−28325号、同54−74430号、同54−124726号、同55−22766号、同55−142339号、同60−23850号、同60−23851号、同60−23852号、同60−23853号、同60−57836号、同60−60643号、同60−118834号、同60−122940号、同60−122941号、同60−122942号、同60−235134号、特開平1−161236号の各公報、米国特許2484430号、同2548564号、同3148061号、同3309690号、同4115124号、同4124386号、同4193800号、同4273853号、同4282305号、同4450224号の各明細書に記載がある。特開平1−161236号公報の212〜215頁に記載のポリマー媒染剤を含有する受像材料が特に好ましい。同公報記載のポリマー媒染剤を用いると、優れた画質の画像が得られ、かつ画像の耐光性が改善される。
【0091】
本発明のインクジェット記録方法において、前記受像材料として、無機顔料を含有する受像材料を用いることができる。無機顔料の例には、シリカ顔料、アルミナ顔料、二酸化チタン顔料、酸化亜鉛顔料、酸化ジルコニウム顔料、雲母状酸化鉄、鉛白、酸化鉛顔料、酸化コバルト顔料、ストロンチウムクロメート、モリブデン系顔料、スメクタイト、酸化マグネシウム顔料、酸化カルシウム顔料、炭酸カルシウム顔料およびムライトが含まれる。二種類以上の無機顔料を併用してもよい。
【0092】
本発明のインクジェット記録方法において、前記受像材料として、親水性バインダーを含む親水性層をインク受容層として有することが好ましい。親水性バインダーとしては、高吸水性ポリマーを用いることが好ましい。親水性バインダーの例には、ゼラチン、ゼラチン誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール誘導体、ポリアルキレンオキサイドおよびポリアルキレンオキサイド誘導体が含まれる。親水性バインダーについては、特開平1−161236号公報の215〜222頁に記載がある。前記インク受容層には、硬膜剤を添加して硬化させることが好ましい。硬膜剤としては、特開平1−161236号公報の222頁に記載されている材料を用いることができる。
【0093】
本発明のインクジェット記録方法において、前記受像材料はマット剤を含有しているのが好ましい。前記マット剤については、特開平1−161236号公報の263〜264頁に記載がある。インクジェット記録方法の受像材料の構成層には、界面活性剤を添加しても良い。界面活性剤は、塗布助剤、剥離性改良剤、スベリ性改良剤あるいは帯電防止剤として機能する。界面活性剤については、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載がある。界面活性剤の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。有機フルオロ化合物の例には、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例、フッ素油)および固体状フッ素化合物樹脂(例、四フッ化エチレン樹脂)が含まれる。有機フルオロ化合物については、特公昭57−9053号(第8〜17欄)、特開昭61−20994号、同62−135826号の各公報に記載がある。
【0094】
本発明のインクジェット記録方法において、受像材料の構成層(バック層を含む)には、ポリマーラテックスを添加してもよい。ポリマーラテックスは、寸度安定化、カール防止、接着防止、膜のひび割れ防止のような膜物性改良の目的で使用される。ポリマーラテックスについては、特開昭62−245258号、同62−1316648号、同62−110066号の各公報に記載がある。ガラス転移温度が低い(40℃以下の)ポリマーラテックスを媒染剤を含む層に添加すると、層のひび割れやカールを防止することができる。また、ガラス転移温度が高いポリマーラテックスをバック層に添加しても、カールを防止できる。前記受像材料の構成層に、退色防止剤を添加してもよい。退色防止剤には、酸化防止剤、紫外線吸収剤および金属錯体が含まれる。退色防止剤については、特開平1−161236号公報の225〜247頁に記載がある。前記受像材料には、蛍光増白剤を添加してもよい。蛍光増白剤を本願発明のインクに添加して、外部から受像材料に供給することもできる。
【0095】
前記受像材料が、支持体とインク受容層を含む場合、前記支持体としては、両面をポリオレフィン(例、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブテンおよびそれらのコポリマー)でラミネートした紙およびプラスチックフイルムが特に好ましく用いられる。ポリオレフィンポリオレフィン中に、白色顔料(例、酸化チタン、酸化亜鉛)または色味付け染料(例、コバルトブルー、群青、酸化ネオジウム)を添加することが好ましい。
【0096】
本発明のインクジェット記録方法は、連続方式およびオンデマンド方式のいずれであってもよい。また、インクへのエネルギー供与の方式についても特に制限はなく、バブルジェット方式、サーマルジェット方式、および超音波を用いた方式のいずれであってもよい。
【0097】
インクジェット記録方式には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。本発明は、プリント速度が速く、濃度が低いインクを多量に噴射し、写真に近い画像を形成するインクジェット記録方式において、特に効果がある。
【0098】
【実施例】
[実施例1]
(水性インクの調製)
下記の成分を30〜40℃で加熱しながら1時間撹拌した後、平均孔径0. 8μ、直径47mmのミクロフィルターを用いて加圧濾過して、インク液を調製した。
【0099】
色素(例示化合物1−3) 4質量部
ジエチレングリコール 9質量部
テトラエチレングルコールモノブチルエーテル 9質量部
グリセリン 7質量部
ジエタノールアミン 1質量部
水 70質量部
【0100】
[実施例2]
色素を例示化合物1−5に代えた以外は、実施例1と同様にしてインク液を調製した。
[実施例3]
色素を例示化合物2−4に代えた以外は、実施例1と同様にしてインク液を調製した。
[実施例4]
色素を例示化合物3−4に代えた以外は、実施例1と同様にしてインク液を調製した。
[実施例5]
色素を例示化合物1−6に代えた以外は、実施例1と同様にしてインク液を調製した。
[実施例6]
色素を例示化合物1−7に代えた以外は、実施例1と同様にしてインク液を調製した。
[実施例7]
色素を例示化合物1−8に代えた以外は、実施例1と同様にしてインク液を調製した。
[実施例8]
色素を例示化合物1−9に代えた以外は、実施例1と同様にしてインク液を調製した。
[実施例9]
色素を例示化合物1−10に代えた以外は、実施例1と同様にしてインク液を調製した。
[実施例10]
色素を例示化合物1−13に代えた以外は、実施例1と同様にしてインク液を調製した。
[実施例11]
色素を例示化合物1−15に代えた以外は、実施例1と同様にしてインク液を調製した。
[実施例12]
色素を例示化合物1−16に代えた以外は、実施例1と同様にしてインク液を調製した。
【0101】
[参考例1]
色素を例示化合物2−1に代えた以外は、実施例1と同様にしてインク液を調製した。
[参考例2]
色素を例示化合物2−2に代えた以外は、実施例1と同様にしてインク液を調製した。
[参考例3]
色素を例示化合物2−3に代えた以外は、実施例1と同様にしてインク液を調製した。
[参考例4]
色素を例示化合物2−5に代えた以外は、実施例1と同様にしてインク液を調製した。
[参考例5]
色素を例示化合物2−10に代えた以外は、実施例1と同様にしてインク液を調製した。
【0102】
[比較例1]
色素を下記構造式1で表される色素に代えた以外は、実施例1と同様にしてインク液を調製した。
[比較例2]
色素を下記構造式2で表される色素に代えた以外は、実施例1と同様にしてインク液を調製した。
【0103】
【化34】
Figure 0004105848
【0104】
(画像記録および評価)
実施例1〜12、参考例1〜5および比較例1〜2で調製したインク液を用いて、インクジェットプリンター(PM−700C、セイコーエプソン(株)製)で、フォト光沢紙(富士写真フイルム(株)製インクジェットペーパー、スーパーフォトグレード)に画像を記録した。
得られた画像について、色相と光堅牢性を評価した。色相は、A(良好)およびB(不良)の二段階で評価した。光堅牢性は、記録した直後の画像濃度(Ci)を測定した後、ウェザーメーター(アトラスC.165)を用いて、画像にキセノン光(8万5千ルクス)を3日間照射した後、再び画像濃度(Cf)を測定し、キセノン光照射前後の画像濃度の差から色素残存率({(Ci−Cf)/Ci}×100%)を算出し、評価した。画像濃度は反射濃度計(X−Rite 310TR)を用いて測定した。色素残存率は、反射濃度が1、1.5、および2.0の3点で測定した。いずれの濃度でも色素残存率が80%以上の場合をA、1または2点が80%未満の場合をB、全ての濃度で80%未満の場合をCとして評価した。
以上の結果を下記表2に示す。
【0105】
【表2】
Figure 0004105848
【0106】
表2に示すように、実施例1〜12のインク液から得られたイエロー画像は、比較例1および2のインク液から得られたイエロー画像よりも鮮明であった。また、実施例1〜12のインク液を用いて得られた画像は、光堅牢性が優れていた。
【0107】
さらに、実施例1〜12のインク液を用いて、インクジェットプリンター(PM−700C、セイコーエプソン(株)製)により、スーパーファイン専用光沢紙(MJA4S3P、セイコーエプソン(株)製)に画像を記録した。得られた画像の色相と光堅牢性を評価したところ、いずれも表2と同様の結果が得られた。
【0108】
【発明の効果】
本発明によれば、色相および光堅牢性が良好な画像を形成し得る色素、インクジェット記録用インクおよびインクジェット記録方法を提供することができる。

Claims (3)

  1. 下記一般式(2)で表される色素を少なくとも一種含有することを特徴とするインクジェット記録用インク。
    一般式(2)
    Figure 0004105848
    (一般式(2)中、R1、R2、およびR3は各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、カルボキシル基、またはスルホ基を表し、R4は下記複素環基の群1から選ばれるいずれかの置換されていてもよい複素環基を表す。但し、一般式(2)で表される色素は分子中に少なくとも1つのカルボキシル基および/またはスルホ基を有する。)
    複素環基の群1
    Figure 0004105848
  2. 請求項1に記載のインクジェット記録用インクにエネルギーを供与して、前記インクの液滴を受像材料へ吐出させ、受像材料上に画像を記録することを特徴とするインクジェット記録方法。
  3. 下記一般式(2)で表される色素。
    一般式(2)
    Figure 0004105848
    (一般式(2)中、R1、R2、およびR3は各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、カルボキシル基、またはスルホ基を表し、R4は下記複素環基の群1から選ばれるいずれかの置換されていてもよい複素環基を表す。但し、一般式(2)で表される色素は分子中に少なくとも1つのカルボキシル基および/またはスルホ基を有する。)
    複素環基の群1
    Figure 0004105848
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