JP2006307143A - 印字濃度向上剤を含むインクジェット記録用インク、印字濃度向上剤および印字濃度向上方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】印字濃度が高く、堅牢性に優れた着色画像を与えるインクジェット用の水性インクを提供する。また、そのための印字濃度向上剤、印字濃度向上方法。
【解決手段】色素を含む水性のインクジェット記録用インクにおいて、ホスホン酸基とカルボキシル基とを有する化合物またはホスホン酸基を少なくとも2個有する化合物を印字濃度向上剤として含むことを特徴とするインクジェット記録用インク。該印字濃度向上剤。また、該印字濃度向上剤を用いる印字濃度向上方法。
【選択図】なし
【解決手段】色素を含む水性のインクジェット記録用インクにおいて、ホスホン酸基とカルボキシル基とを有する化合物またはホスホン酸基を少なくとも2個有する化合物を印字濃度向上剤として含むことを特徴とするインクジェット記録用インク。該印字濃度向上剤。また、該印字濃度向上剤を用いる印字濃度向上方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、特定の構造を有することにより印字濃度向上等に優れた効果を有する化合物を添加剤すなわち印字濃度向上剤として含むインクジェット記録用インクに関する。また、本発明は、インクジェット記録用インクの該印字濃度向上剤、および、該印字濃度向上剤を用いるインクジェット記録方法における印字濃度向上方法に関する。
インクジェット記録方法は、材料費が安価であること、高速記録が可能なこと、記録時の騒音が少ないこと、更にカラー記録が容易であることから、急速に普及し、更に発展しつつある。
インクジェット記録方法には、連続的に液滴を飛翔させるコンティニュアス方式と画像情報信号に応じて液滴を飛翔させるオンデマンド方式とが有り、その吐出方式にはピエゾ素子により圧力を加えて液滴を吐出させる方式、熱によりインク中に気泡を発生させて液滴を吐出させる方式、超音波を用いた方式、あるいは静電力により液滴を吸引吐出させる方式がある。また、インクジェット記録用インクとしては、水性インク、油性インク、あるいは固体(溶融型)インクが用いられる。
インクジェット記録方法には、連続的に液滴を飛翔させるコンティニュアス方式と画像情報信号に応じて液滴を飛翔させるオンデマンド方式とが有り、その吐出方式にはピエゾ素子により圧力を加えて液滴を吐出させる方式、熱によりインク中に気泡を発生させて液滴を吐出させる方式、超音波を用いた方式、あるいは静電力により液滴を吸引吐出させる方式がある。また、インクジェット記録用インクとしては、水性インク、油性インク、あるいは固体(溶融型)インクが用いられる。
このようなインクジェット記録用インクに用いられる色素に対しては、溶剤に対する溶解性あるいは分散性が良好なこと、高濃度記録が可能であること、色相が良好であること、光、熱、環境中の活性ガス(NOx、オゾン等の酸化性ガスの他SOxなど)に対して堅牢であること、水や薬品に対する堅牢性に優れていること、受像材料に対して定着性が良く滲みにくいこと、受像材料上で印字濃度が高いこと、インクとしての保存安定性に優れていること、毒性がないこと、純度が高いこと、更には、安価に入手できることが要求されている。しかしながら、これらの要求すべてを色素の性能だけで達成しようとすることは、極めて難しい。
そこで本発明者らは、インク中に色素以外の化合物を添加することにより、色素の性能を補い、インクジェット記録用インクに対する上記要求を満たそうと考えた。具体的には、インク中に特定の化合物を添加することによって、印字濃度や、耐光性、耐オゾン性を改善しようと考えた。特に色素の堅牢性を上げるために、会合を利用している場合、印字濃度が低くなる傾向にある。その場合は本発明の印字濃度向上剤が効果的である。特許文献1にはジカルボン酸の有機アミン塩とジカルボン酸とを併用することにより、上質紙において印字濃度が向上することが記載されている。しかし、ジカルボン酸を併用するとインクのpHが酸性になり、実用性がなくなってしまう。また、この特許文献に記載されたジカルボン酸(マレイン酸、リンゴ酸等)は発明者らの評価では印字濃度向上効果が低い。また特許文献2には有機ホスホン酸を含むことを特徴とするインクジェット組成物がヘッドの目詰まりを防止することが記載されているが、印字濃度や、堅牢性についてはまったく、実施例に記述がない。また特許文献3には複素環とカルボキシル基を有する化合物が配合されてなることを特徴とするインクジェト用インクが記載されているが、カルボン酸基1個のみを有しおり、発明者らの評価では効果が低い。また特許文献4に種々のキレート剤を含む水溶性インクが記載されているが、これはカルシウムやマグネシウムに対するキレート剤としての効果である。また特許文献5及び特許文献6には特定の有機ホスホン酸を含有するインクジェット記録用インクが記載されているが、コゲーション防止効果であり、印字濃度向上については記載も示唆もない。
本発明の目的は、印字濃度が高く、堅牢性に優れた着色画像を与えるインクジェット用の水性インクを提供することにある。
本発明者らは、印字濃度が高く、良好な色相を有し、且つ光およびオゾンに対する堅牢性が高い水性インクを目指して詳細に検討したところ、色素を会合させること等で堅牢性を上げるとともに、特に特定の添加剤を加えることにより、印字濃度を向上させることができ、上記目標を達成できることを見出した。
即ち、本発明によれば下記構成のインクジェット記録用インク、印字濃度向上剤、印字濃度向上方法が提供されて、上記目的が達成される。
即ち、本発明によれば下記構成のインクジェット記録用インク、印字濃度向上剤、印字濃度向上方法が提供されて、上記目的が達成される。
〔1〕 色素を含む水性のインクジェット記録用インクにおいて、ホスホン酸基とカルボキシル基とを有する化合物またはホスホン酸基を少なくとも2個有する化合物を印字濃度向上剤として含むことを特徴とするインクジェット記録用インク。
〔2〕 前記ホスホン酸基とカルボキシル基とを有する化合物またはホスホン酸基を少なくとも2個有する化合物が、下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする〔1〕に記載のインクジェット記録用インク。
〔2〕 前記ホスホン酸基とカルボキシル基とを有する化合物またはホスホン酸基を少なくとも2個有する化合物が、下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする〔1〕に記載のインクジェット記録用インク。
一般式(1)中、Zは置換されてもよい連結基を表し、Yは、−CO2X、−SO3X、またはその他アニオン性親水性置換基を表し、Xは、水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、または置換もしくは無置換のアンモニウムカチオンを表す。mは0以上の整数であり、nは、mが1以上でYに−SO3Xが含まれるときは1以上の整数、mが0またはmが1以上でもYに−SO3Xが含まれないときは2以上の整数を表す。なお、XおよびYが複数個存在する場合は、それらは同一でも異なっていてもよい。
〔3〕 前記化合物のXがリチウムであることを特徴とする〔2〕に記載のインクジェット記録用インク。
〔4〕 前記色素が、フタロシアニン色素、モノアゾ色素、ジスアゾ色素、トリスアゾ色素またはテトラキスアゾ色素から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
〔5〕 前記ジスアゾ色素が、下記一般式(2)で表されることを特徴とする〔4〕に記載のインクジェット記録用インク。
〔3〕 前記化合物のXがリチウムであることを特徴とする〔2〕に記載のインクジェット記録用インク。
〔4〕 前記色素が、フタロシアニン色素、モノアゾ色素、ジスアゾ色素、トリスアゾ色素またはテトラキスアゾ色素から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
〔5〕 前記ジスアゾ色素が、下記一般式(2)で表されることを特徴とする〔4〕に記載のインクジェット記録用インク。
一般式(2)中、A、BおよびCは、それぞれ独立に、置換されていてもよい芳香族基または置換されていてもよい複素環基を表す(AおよびCは一価の基であり、Bは二価の基である)。
〔6〕 前記ジスアゾ色素が下記一般式(3)で表されることを特徴とする〔5〕に記載のインクジェット記録用インク。
〔6〕 前記ジスアゾ色素が下記一般式(3)で表されることを特徴とする〔5〕に記載のインクジェット記録用インク。
一般式(3)中、AおよびCは、それぞれ独立に、置換されていてもよい芳香族基または置換されていてもよい複素環基を表す。R1は、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、複素環オキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、複素環アミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ニトロ基、アルキルもしくはアリールチオ基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、スルファモイル基、スルホ基、または複素環チオ基を表す。各基は更に置換されていてもよい。また、Dは、窒素原子もしくは−C(CN)=を表す。
〔7〕 前記ジスアゾ色素が下記一般式(4)で表されることを特徴とする〔6〕に記載のインクジェット記録用インク。
〔7〕 前記ジスアゾ色素が下記一般式(4)で表されることを特徴とする〔6〕に記載のインクジェット記録用インク。
一般式(4)中、R1、R2、R3は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、複素環オキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、複素環アミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ニトロ基、アルキルもしくはアリールチオ基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、スルファモイル基、スルホ基、または複素環チオ基を表す。各基は更に置換されていてもよい。また、Dは、窒素原子もしくは−C(CN)=を表す。Xは、水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、または置換もしくは無置換のアンモニウムカチオンを表し、nは0〜3の整数を表す。
〔8〕 前記ジスアゾ色素が下記一般式(6)で表されることを特徴とする〔5〕に記載のインクジェット記録用インク。
〔8〕 前記ジスアゾ色素が下記一般式(6)で表されることを特徴とする〔5〕に記載のインクジェット記録用インク。
一般式(6)中、R4、R5は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、複素環オキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、複素環アミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ニトロ基、アルキルもしくはアリールチオ基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、スルファモイル基、スルホ基、または複素環チオ基を表す。各基は更に置換されていてもよい。Ar1およびAr2は、各々独立に、置換されてもよい芳香環基もしくは複素環基を表し、複素環基としては、5員又は6員環のものが好ましく、それらは更に縮環していてもよい。また、芳香族複素環基であっても非芳香族複素環基であっても良い。例えば、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、キノキサリン、ピロール、インドール、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、ベンズオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾール、イソオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、イミダゾリジン、チアゾリンなどが挙げられる。中では芳香族複素環基が好ましく、その好ましい例を先と同様に例示すると、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、ベンズオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾールが挙げられ、より好ましくはピラゾール、イミダゾール、ベンズオキサゾール、チアジアゾールが挙げられ、ピラゾール、チアジアゾール(好ましくは1,3,4−チアジアゾール、1,2,4−チアジアゾール)が最も好ましい。それらは置換基を有していても良く、置換基の例としては、後述する芳香環基の置換基と同じである。芳香環基としては置換もしくは無置換の芳香環基が含まれ、炭素数6から30の芳香環基が好ましい。芳香環基の置換基の例としては、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシル基(塩の形でもよい)、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、複素環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基、スルファモイル基、スルホ基(塩の形でもよい)、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基が例として挙げられる。Ar1およびAr2で表される芳香環基としては置換フェニル基(置換基はカルボキシル基又はスルホ基が好ましい)がより好ましい。また、Xは、〔2〕と同義である。
〔9〕 前記モノアゾ色素が下記一般式(7)で表されることを特徴とする〔4〕に記載のインクジェット記録用インク。
〔9〕 前記モノアゾ色素が下記一般式(7)で表されることを特徴とする〔4〕に記載のインクジェット記録用インク。
一般式(7)中、Eは、置換されてもよい芳香環、もしくは置換されてもよい複素環を表す。F1およびF2は、各々−CR8=もしくは−CR9=を表すか、またはいずれか一方が窒素原子,他方が−CR8=もしくは−CR9=を表す。R6、R7は、各々独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表わす。各基は更に置換基を有していてもよい。R8及びR9は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、複素環オキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、複素環アミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ニトロ基、アルキルもしくはアリールチオ基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、スルファモイル基、スルホ基、または複素環チオ基を表す。各基は更に置換されていてもよい。また、R6とR7、またはR6とR9が結合して5または6員環を形成してもよい。aおよびeは各々独立に、アルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表すが、aおよびeが共にアルキル基である時は、そのアルキル基を構成する炭素数の合計が3以上であって、それらはさらに置換されていてもよい。b、c、dは、各々独立にR8、R9と同義であり、aとb、または、eとdで互いに縮環していてもよい。但し、一般式(7)は、少なくとも1つは溶解性を付与する置換基(染料が水溶性の場合にはイオン性親水性基、油溶性の場合には疎水性基)を有する。
〔10〕 前記フタロシアニン色素が、下記一般式(5)で表されることを特徴とする〔4〕に記載のインクジェット記録用インク。
〔10〕 前記フタロシアニン色素が、下記一般式(5)で表されることを特徴とする〔4〕に記載のインクジェット記録用インク。
一般式(5)中、G1、G2、G3およびG4は、それぞれ独立に、−SO−R10、−SO2−R10、−SO2NR11R12、スルホ基、−CONR11R12、または−CO2R11を表す。R10は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換の複素環基を表す。R11およびR12は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換の複素環基を表す。なお、R10が複数個存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。H1、H2、H3およびH4は、それぞれ独立に、一価の置換基を表す。また、a1〜a4およびb1〜b4は、それぞれG1〜G4およびH1〜H4の置換基数を表し、a1〜a4は、それぞれ独立に、0〜4の整数であり、全てが同時に0になることはなく、b1〜b4は、それぞれ独立に、0〜4の整数である。なお、a1〜a4およびb1〜b4が2以上の数を表す時、複数のG1〜G4、およびH1〜H4はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。Mは、水素原子、金属原子またはその酸化物、水酸化物もしくはハロゲン化物である。
〔11〕 前記色素が下記物性のいずれかまたは両方を有することを特徴とする〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
物性1:|λmax(DMF)−λmax(水)|≧30nm
物性2:ε(DMF)≧ε(水)
〔DMF溶媒で測定した吸収スペクトルの最大吸収波長をλmax(DMF)、水溶媒で測定した吸収スペクトルの最大吸収波長をλmax(水)とし、DMF溶媒でのモル吸光係数をε(DMF)、水溶媒でのモル吸光係数をε(水)とする。〕
〔12〕 〔1〕、〔2〕または〔3〕に記載の化合物からなるインクジェット記録用インクの印字濃度向上剤。
〔13〕 〔12〕に記載の印字濃度向上剤を用いることを特徴とするインクジェット記録方法における印字濃度向上方法。
〔11〕 前記色素が下記物性のいずれかまたは両方を有することを特徴とする〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
物性1:|λmax(DMF)−λmax(水)|≧30nm
物性2:ε(DMF)≧ε(水)
〔DMF溶媒で測定した吸収スペクトルの最大吸収波長をλmax(DMF)、水溶媒で測定した吸収スペクトルの最大吸収波長をλmax(水)とし、DMF溶媒でのモル吸光係数をε(DMF)、水溶媒でのモル吸光係数をε(水)とする。〕
〔12〕 〔1〕、〔2〕または〔3〕に記載の化合物からなるインクジェット記録用インクの印字濃度向上剤。
〔13〕 〔12〕に記載の印字濃度向上剤を用いることを特徴とするインクジェット記録方法における印字濃度向上方法。
本発明の印字濃度向上剤を用いたインクジェット記録用インク及びインクジェット記録方法によれば、印字濃度が高く、光及び環境中の活性ガス、特にオゾンガスに対して堅牢な画像を形成することができる。
以下、本発明についてより詳細に説明する。
[インクジェット記録用インク]
本発明のインクジェット記録用インクについて説明する。
インクジェット記録用インクは、親油性媒体や水性媒体中に色素を溶解及び/又は分散させることによって作製することができるが、本発明のインクジェット記録用インクは、水性媒体を用い色素を含む水性インクであり、さらに印字濃度向上等に優れた効果を奏する添加剤を含有する。
本発明のインクジェット記録用インクについて説明する。
インクジェット記録用インクは、親油性媒体や水性媒体中に色素を溶解及び/又は分散させることによって作製することができるが、本発明のインクジェット記録用インクは、水性媒体を用い色素を含む水性インクであり、さらに印字濃度向上等に優れた効果を奏する添加剤を含有する。
〔本発明の添加剤:印字濃度向上剤〕
まず本発明のインクジェット記録用インクに用いられて、印字濃度向上等に優れた効果を奏する添加剤(以下、「本発明の添加剤」、「本発明の印字濃度向上剤」、あるいは単に「印字濃度向上剤」ともいう。)について説明する。
本発明の添加剤は、ホスホン酸基またはカルボン酸基を有する化合物であるが、ホスホン酸基を少なくとも2個有する化合物またはホスホン酸基とカルボキシル基とを有する化合物である。ホスホン酸基の個数、カルボン酸基の個数は多いほど効果が高く、また、ホスホン酸基とカルボン酸基の両方を有する化合物が効果が高い。これらの化合物のカウンターカチオンには制約はなく、例えば、リチウム、ナトリウムが挙げられるが、印字濃度向上効果の点で、リチウムが最も好ましい。
本発明のインクジェット記録用インクは印字濃度向上効果、耐光性改良効果、耐オゾン性改良効果があるが、本発明の添加剤を含むインクジェット記録用インクは、中でも印字濃度向上効果が顕著であるため、本発明の添加剤を印字濃度向上剤と呼ぶことができる。
本発明の添加剤がどのような作用機構で印字濃度を高めるのかは明らかではないが、インクの浸透性を高めることによって、印字濃度を向上させているものと考えられる。
本発明の印字濃度向上剤として用いられる好ましい化合物例を以下に示すが、本発明の印字濃度向上剤としての化合物は下記の例に限定されるものではない。
まず本発明のインクジェット記録用インクに用いられて、印字濃度向上等に優れた効果を奏する添加剤(以下、「本発明の添加剤」、「本発明の印字濃度向上剤」、あるいは単に「印字濃度向上剤」ともいう。)について説明する。
本発明の添加剤は、ホスホン酸基またはカルボン酸基を有する化合物であるが、ホスホン酸基を少なくとも2個有する化合物またはホスホン酸基とカルボキシル基とを有する化合物である。ホスホン酸基の個数、カルボン酸基の個数は多いほど効果が高く、また、ホスホン酸基とカルボン酸基の両方を有する化合物が効果が高い。これらの化合物のカウンターカチオンには制約はなく、例えば、リチウム、ナトリウムが挙げられるが、印字濃度向上効果の点で、リチウムが最も好ましい。
本発明のインクジェット記録用インクは印字濃度向上効果、耐光性改良効果、耐オゾン性改良効果があるが、本発明の添加剤を含むインクジェット記録用インクは、中でも印字濃度向上効果が顕著であるため、本発明の添加剤を印字濃度向上剤と呼ぶことができる。
本発明の添加剤がどのような作用機構で印字濃度を高めるのかは明らかではないが、インクの浸透性を高めることによって、印字濃度を向上させているものと考えられる。
本発明の印字濃度向上剤として用いられる好ましい化合物例を以下に示すが、本発明の印字濃度向上剤としての化合物は下記の例に限定されるものではない。
(i)ホスホン酸基(−PO3H2)とカルボキシル基(−CO2H)とを有する化合物
(ii)ホスホン酸基(−PO3H2)を2個以上有する化合物
本発明のインクジェット記録用インク100質量部中には、本発明の印字濃度向上剤が0.1質量部以上10質量部以下の割合で含有されていることが、印字濃度向上効果の点から好ましい。本発明の印字濃度向上剤が0.5質量部以上5質量部以下の割合で含有されていることがより好ましく、1質量部以上3質量部以下の割合で含有されていることがさらに好ましい。
〔色素〕
次に本発明で用いることのできる色素について説明する。本発明では水性のインクジェット記録用インクに用いられるものであれば、どのような色素でも用いることができるが、中でもフタロシアニン色素、アントラピリドン色素、金属キレート色素、モノアゾ色素、ジスアゾ色素、トリアゾ色素、および、テトラキスアゾ色素より選ばれる色素が会合状態を形成しやすく、会合しやすい色素ほど印字濃度低下が顕著であるため、本発明の添加剤の併用が好ましい。更には、ジスアゾ色素、トリスアゾ色素、フタロシアニン色素が会合体を形成することにより堅牢性を大きく向上できることから、印字濃度の低下を補う意味で、本発明の印字濃度向上剤の併用が特に好ましい。
次に本発明で用いることのできる色素について説明する。本発明では水性のインクジェット記録用インクに用いられるものであれば、どのような色素でも用いることができるが、中でもフタロシアニン色素、アントラピリドン色素、金属キレート色素、モノアゾ色素、ジスアゾ色素、トリアゾ色素、および、テトラキスアゾ色素より選ばれる色素が会合状態を形成しやすく、会合しやすい色素ほど印字濃度低下が顕著であるため、本発明の添加剤の併用が好ましい。更には、ジスアゾ色素、トリスアゾ色素、フタロシアニン色素が会合体を形成することにより堅牢性を大きく向上できることから、印字濃度の低下を補う意味で、本発明の印字濃度向上剤の併用が特に好ましい。
(ジスアゾ色素)
ジスアゾ色素としては、下記一般式(2)で表されるものが、堅牢性の点で、特に好ましい。
ジスアゾ色素としては、下記一般式(2)で表されるものが、堅牢性の点で、特に好ましい。
一般式(2)中、A、BおよびCは、それぞれ独立に、置換されていてもよい芳香環基または置換されていてもよい複素環基を表す。(AおよびCは一価の基であり、Bは二価の基である)。
その中でも、下記一般式(3)で表されるものが、更に好ましい。
一般式(3)中、AおよびCは、それぞれ独立に、置換されていてもよい芳香族基または置換されていてもよい複素環基を表す。R1は、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、複素環オキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、複素環アミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ニトロ基、アルキルもしくはアリールチオ基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、スルファモイル基、スルホ基、または複素環チオ基を表す。各基は更に置換されていてもよい。また、Dは、窒素原子もしくは−C(CN)=を表す。
一般式(3)で表されるジスアゾ色素の中でも、下記一般式(4)で表されるものが、特に好ましい。
一般式(4)中、R1、R2、R3は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、複素環オキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、複素環アミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ニトロ基、アルキルもしくはアリールチオ基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、スルファモイル基、スルホ基、または複素環チオ基を表す。各基は更に置換されていてもよい。また、Dは、窒素原子もしくは−C(CN)=を表す。Xは、水素、ハロゲン、または置換もしくは無置換のアンモニウムカチオンを表し、nは0〜3の整数を表す。
また、ジスアゾ色素として、下記一般式(6)で表されるものも好ましい。
一般式(6)中、R4、R5は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、複素環オキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、複素環アミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ニトロ基、アルキルもしくはアリールチオ基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、スルファモイル基、スルホ基、または複素環チオ基を表す。各基は更に置換されていてもよい。Ar1およびAr2は、各々独立に、置換されてもよい芳香環基もしくは複素環基を表し、複素環基としては、5員又は6員環のものが好ましく、それらは更に縮環していてもよい。また、芳香族複素環基であっても非芳香族複素環基であっても良い。例えば、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、キノキサリン、ピロール、インドール、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、ベンズオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾール、イソオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、イミダゾリジン、チアゾリンなどが挙げられる。中では芳香族複素環基が好ましく、その好ましい例を先と同様に例示すると、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、ベンズオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾールが挙げられ、より好ましくはピラゾール、イミダゾール、ベンズオキサゾール、チアジアゾールが挙げられ、ピラゾール、チアジアゾール(好ましくは1,3,4−チアジアゾール、1,2,4−チアジアゾール)が最も好ましい。それらは置換基を有していても良く、置換基の例としては、後述する芳香環基の置換基と同じである。芳香環基としては置換もしくは無置換の芳香環基が含まれ、炭素数6から30の芳香環基が好ましい。芳香環基の置換基の例としては、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシル基(塩の形でもよい)、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、複素環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基、スルファモイル基、スルホ基(塩の形でもよい)、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基が例として挙げられる。Ar1およびAr2で表される芳香環基としては置換フェニル基(置換基はカルボキシル基又はスルホ基が好ましい)がより好ましい。また、Xは、水素、アルカリ金属、アルカリ土塁金属、または置換もしくは無置換のアンモニウムカチオンを表す。
本発明において用いられる好ましい色素化合物の具体例を以下に示すが、本発明に用いられる色素は下記の例に限定されるものではない。
一般式(2)において下記のようなA、B、Cの組み合わせの染料が好ましい。
以下に、本発明において用いられる好ましいジスアゾ色素、トリスアゾ色素、テトラキスアゾ色素の具体例を以下に示すが、本発明に用いられる色素は下記の例に限定されるものではない。
(フタロシアニン色素)
本発明において、シアン色素としてはフタロシアニン色素を用いることが好ましい。特に、下記一般式(5)で表されるフタロシアニン色素を用いることが好ましい。
本発明において、シアン色素としてはフタロシアニン色素を用いることが好ましい。特に、下記一般式(5)で表されるフタロシアニン色素を用いることが好ましい。
一般式(5)中、G1、G2、G3およびG4は、それぞれ独立に、−SO−R10、−SO2−R10、−SO2NR11R12、スルホ基、−CONR11R12、または−CO2R11を表す。R10は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換の複素環基を表す。R11およびR12は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換の複素環基を表す。なお、R10が複数個存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。H1、H2、H3およびH4は、それぞれ独立に、一価の置換基を表す。また、a1〜a4およびb1〜b4は、それぞれG1〜G4およびH1〜H4の置換基数を表し、a1〜a4は、それぞれ独立に、0〜4の整数であり、全てが同時に0になることはなく、b1〜b4は、それぞれ独立に、0〜4の整数である。なお、a1〜a4およびb1〜b4が2以上の数を表す時、複数のG1〜G4、およびH1〜H4はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。Mは、水素原子、金属原子またはその酸化物、水酸化物もしくはハロゲン化物である。
また、フタロシアニン色素としては、下記一般式(8)で表されるフタロシアニン染料を用いることができる。
一般式(8)中、X1〜X4およびY1〜Y4は、それぞれ独立に、炭素原子あるいは窒素原子を表す。好ましくは炭素原子である。A1〜A4は、それぞれ独立に、X1〜X4およびY1〜Y4と共に芳香族炭化水素環あるいは複素環(更に他の環と縮合環を形成しても良い)を形成するのに必要な原子群を表す。形成される複素環は含窒素6員環が好ましい。A1〜A4は置換基を有してもよい。A1〜A4のうち少なくとも1つは、あるいはA1〜A4の置換基のうち少なくとも1つは溶解性を付与する置換基(染料が水溶性の場合にはイオン性親水性基、油溶性の場合には疎水性基)を有する。Mは、一般式(5)の場合と同義である。
前記一般式(8)で表されるフタロシアニン染料の中でも、下記一般式(9)で表される構造のフタロシアニン染料が更に好ましい。
一般式(9)中、Q1〜Q4、P1〜P4、W1〜W4、R1〜R4は、それぞれ独立に、(=C(J1)−及びまたは−N=)、(=C(J2)−及びまたは−N=)、(=C(J3)−及びまたは−N=)、(=C(J4)−及びまたは−N=)を表す。J1〜J4は、それぞれ独立に、水素原子及びまたは置換基を表す。(Q1、P1、W1、R1)、(Q2、P2、W2、R2)、(Q3、P3、W3、R3)、(Q4、P4、W4、R4)から成る環{A環:(A)、B環:(B)、C環:(C)、D環:(D)}の4つのうち、少なくとも1つは芳香族炭化水素環であることが好ましく、2つ以上が芳香族炭化水素環であるものが更に好ましい。A環、B環、C環、D環の任意の環が複素環となる場合には、ピリジン環もしくはピラジン環が好ましい。J1〜J4が置換基である場合には、電子求引性の置換基が好ましく、更にJ1〜J4のうち少なくとも1つは、あるいはJ1〜J4が有する置換基のうち少なくとも1つは溶解性を付与する置換基(染料が水溶性の場合にはイオン性親水性基、油溶性の場合には疎水性基)を有する。Mは、一般式(5)の場合と同義である。
一般式(9)において、A環、B環、C環、D環の任意の環が芳香族炭化水素環である場合には、下記一般式(10)であることが好ましい。
一般式(9)において、A環、B環、C環、D環の任意の環が芳香族炭化水素環である場合には、下記一般式(10)であることが好ましい。
一般式(10)中、*はこの位置で結合してフタロシアニン骨格を形成することを表す。本明細書では、上記ベンゼン環の中で*から近い側をα位、遠い側をβ位と呼ぶが、一般式(10)は、Kの置換位置がα位,β位のいずれかに特定されないことを表す。Kは−SO−Z、−SO2−Z、−SO2NV1V2、−CONV1V2、−CO2−Z、−CO−Z、またはスルホ基を表す。tは、1〜4の整数を表す。一般式(10)の中でも、好ましいものは、Kが−SO−Z、−SO2−Z、−SO2NV1V2、−CONV1V2、−CO2−Z、またはスルホ基の場合であり、特に好ましいものは、Kが−SO−Z、−SO2−Z、−SO2NV1V2の場合であり、最も好ましいものは、Kが−SO2−Zの場合である。tは、1または2であることが好ましく、1が最も好ましい。Zは、同一または異なっていても良く、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換の複素環基を表す。好ましくは、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換の複素環基であり、その中でも置換アルキル基、置換アリール基、置換複素環基が最も好ましい。V1、V2は、同一または異なっていてもよく、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換の複素環基を表す。好ましくは水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換の複素環基であり、その中でも水素原子、置換アルキル基、置換アリール基、置換複素環基が最も好ましい。一般式(8において、A環、B環、C環、D環の任意の環が芳香族炭化水素環である場合には、少なくとも1つの芳香族炭化水素環が下記一般式(11)であることが特に好ましい。一般式(11)はKの置換位置がβ位であることを表す。
一般式(11)中、*はこの位置で結合してフタロシアニン骨格を形成することを表す。Kは一般式(10)と同義であり、好ましいものも、特に好ましいもの、最も好ましいものも同じである。sは、1または2であり、1が最も好ましい。中でも全ての芳香族炭化水素環が一般式(11)であることが特に好ましい。
フタロシアニン染料の中でも、特に好ましいものは一般式(12)のフタロシアニン染料である。
フタロシアニン染料の中でも、特に好ましいものは一般式(12)のフタロシアニン染料である。
一般式(12)において、K1〜K4は一般式(10)のKと同義であり、好ましいものも、特に好ましいもの、最も好ましいものも同じである。Mは、一般式(5)の場合と同義である。u1〜u4は1または2を表し、1が最も好ましい。
以下に、本発明において用いられる好ましいフタロシアニン色素の具体例を示すが、本発明に用いられるフタロシアニン色素は下記の例に限定されるものではない。
(モノアゾ色素)
本発明ではモノアゾ色素も用いることができる。本発明で用いることができるモノアゾ色素としては、例えば、下記一般式(13)で表されるものが挙げられる。
本発明ではモノアゾ色素も用いることができる。本発明で用いることができるモノアゾ色素としては、例えば、下記一般式(13)で表されるものが挙げられる。
一般式(13)中、Eは、置換されてもよい芳香環、もしくは置換されてもよい複素環を表す。F1およびF2は、各々−CR8=もしくは−CR9=を表すか、またはいずれか一方が窒素原子,他方が−CR8=もしくは−CR9=を表す。R6、R7は、各々独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表わす。各基は更に置換基を有していてもよい。L、R8及びR9は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、複素環オキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、複素環アミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ニトロ基、アルキルもしくはアリールチオ基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、スルファモイル基、スルホ基、または複素環チオ基を表す。各基は更に置換されていてもよい。また、R6とR7、またはR6とR9が結合して5または6員環を形成してもよい。但し、一般式(13)は、少なくとも1つは溶解性を付与する置換基(染料が水溶性の場合にはイオン性親水性基、油溶性の場合には疎水性基)を有する。
前記一般式(13)で表されるモノアゾ色素の中でも、下記一般式(7)で表される構造のモノアゾ色素が更に好ましい。
一般式(7)中、Eは、置換されてもよい芳香環、もしくは置換されてもよい複素環を表す。F1およびF2は、各々−CR8=もしくは−CR9=を表すか、またはいずれか一方が窒素原子,他方が−CR8=もしくは−CR9=を表す。R6、R7は、各々独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表わす。各基は更に置換基を有していてもよい。R8及びR9は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、複素環オキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、複素環アミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ニトロ基、アルキルもしくはアリールチオ基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、スルファモイル基、スルホ基、または複素環チオ基を表す。各基は更に置換されていてもよい。また、R6とR7、またはR6とR9が結合して5または6員環を形成してもよい。aおよびeは各々独立に、アルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表すが、aおよびeが共にアルキル基である時は、そのアルキル基を構成する炭素数の合計が3以上であって、それらはさらに置換されていてもよい。b、c、dは、各々独立にR8、R9と同義であり、aとb、または、eとdで互いに縮環していてもよい。但し、一般式(7)は、少なくとも1つは溶解性を付与する置換基(染料が水溶性の場合にはイオン性親水性基、油溶性の場合には疎水性基)を有する。
一般式(13)および一般式(7)の染料について更に詳細に説明する。
一般式(13)および一般式(7)において、Eは、置換されてもよい芳香環、もしくは置換されてもよい複素環を表す。より好ましくは5員複素環であり、ヘテロ原子の例には、N、O、およびSを挙げることができる。好ましくは含窒素5員複素環であり、複素環に脂肪族環、芳香族環または他の複素環が縮合していてもよい。Eの好ましい複素環の例には、ピラゾール環、イミダゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、オキサゾール環、チアジアゾール環、トリアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環を挙げる事ができる。各複素環基は更に置換基を有していても良い。中でも下記一般式(a)から(g)で表されるピラゾール環、イミダゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチアゾール環、トリアゾール環が好ましい。
一般式(13)および一般式(7)において、Eは、置換されてもよい芳香環、もしくは置換されてもよい複素環を表す。より好ましくは5員複素環であり、ヘテロ原子の例には、N、O、およびSを挙げることができる。好ましくは含窒素5員複素環であり、複素環に脂肪族環、芳香族環または他の複素環が縮合していてもよい。Eの好ましい複素環の例には、ピラゾール環、イミダゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、オキサゾール環、チアジアゾール環、トリアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環を挙げる事ができる。各複素環基は更に置換基を有していても良い。中でも下記一般式(a)から(g)で表されるピラゾール環、イミダゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチアゾール環、トリアゾール環が好ましい。
上記一般式(a)から(g)において、R8〜R23は一般式(12)におけるL、R8、R9と同じ置換基を表す。
一般式(a)から(g)のうち、好ましいのは一般式(a)、(b)、(g)で表されるピラゾール環、イソチアゾール環、トリアゾール環であり、最も好ましいのは一般式(a)で表されるピラゾール環である。
一般式(a)から(g)のうち、好ましいのは一般式(a)、(b)、(g)で表されるピラゾール環、イソチアゾール環、トリアゾール環であり、最も好ましいのは一般式(a)で表されるピラゾール環である。
一般式(13)および一般式(7)において、F1およびF2は、各々−CR8=もしくは−CR9=を表すか、またはいずれか一方が窒素原子,他方が−CR8=もしくは−CR9=を表すが、−CR8=もしくは−CR9=を表すものがより好ましい。
R6、R7は、各々独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表わす。各基は更に置換基を有していてもよい。R6、R7で表される好ましい置換基は、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルキルまたはアリールスルホニル基を挙げる事ができる。さらに好ましくは水素原子、芳香族基、複素環基、アシル基、アルキルまたはアリールスルホニル基である。最も好ましくは、水素原子、アリール基、複素環基である。各基は更に置換基を有していても良い。ただしR6、R7が同時に水素原子であることはない。
R6、R7は、各々独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表わす。各基は更に置換基を有していてもよい。R6、R7で表される好ましい置換基は、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルキルまたはアリールスルホニル基を挙げる事ができる。さらに好ましくは水素原子、芳香族基、複素環基、アシル基、アルキルまたはアリールスルホニル基である。最も好ましくは、水素原子、アリール基、複素環基である。各基は更に置換基を有していても良い。ただしR6、R7が同時に水素原子であることはない。
一般式(13)において、L、R8及びR9は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、複素環オキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、複素環アミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ニトロ基、アルキルもしくはアリールチオ基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、スルファモイル基、スルホ基、または複素環チオ基を表す。各基は更に置換されていてもよい。Lで表される置換基としては水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、複素環オキシ基、アミノ基(アニリノ基、複素環アミノ基を含む)、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキル及びアリールチオ基、または複素環チオ基が好ましく、更に好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アミノ基(アニリノ基、複素環アミノ基を含む)またはアシルアミノ基であり、中でも水素原子、アニリノ基、アシルアミノ基が更に好ましく、一般式(7)で表されるものが最も好ましい。各基は更に置換基を有していても良い。aおよびeは各々独立に、アルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表すが、aおよびeが共にアルキル基である時は、そのアルキル基を構成する炭素数の合計が3以上であって、それらはさらに置換されていてもよい。b、c、dは、各々独立にR8、R9と同義であり、aとb、または、eとdで互いに縮環していてもよい。但し、一般式(13)および一般式(7)は、少なくとも1つは溶解性を付与する置換基(染料が水溶性の場合にはイオン性親水性基、油溶性の場合には疎水性基)を有する。
R8、R9で表される好ましい置換基は、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、カルバモイル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、シアノ基を挙げる事ができる。各基は更に置換基を有していても良い。
R6とR7、またはR6とR9が結合して5または6員環を形成してもよい。
E、R6、R7、R8、R9、Lで表される各置換基が更に置換基を有する場合の置換基としては、上記L、R8及びR9で挙げた置換基を挙げる事ができる。
R6とR7、またはR6とR9が結合して5または6員環を形成してもよい。
E、R6、R7、R8、R9、Lで表される各置換基が更に置換基を有する場合の置換基としては、上記L、R8及びR9で挙げた置換基を挙げる事ができる。
本発明において、モノアゾ色素としては下記一般式(14)、(15)、(16)で表されるものを用いることも好ましい。
一般式(14)中、R24及びR26は、水素原子、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アリール基またはイオン性親水性基を表し、R25は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、カルバモイル基、アシル基、アリール基または複素環基を表し、R27は複素環基を表す。
一般式(15)中、R28は、水素原子、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アリール基またはイオン性親水性基を表し、Z1は−N=、−NH−、または−C(R34)=を表し、Z2及びZ3は各々独立して、−N=または−C(R34)=を表し、R34は水素原子または非金属置換基を表し、R29は複素環基を表す。
一般式(16)において、R30及びR32は各々独立して、水素原子、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、またはイオン性親水性基を表し、R31は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、シアノ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、ウレイド基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、アシル基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヒドロキシ基、またはイオン性親水性基を表し、R33は複素環基を表す。
前記一般式(14)、(15)及び(16)中、R24、R25、R26、R28、R30、R31及びR32が表すアルキル基には、置換基を有するアルキル基および無置換のアルキル基が含まれる。前記アルキル基としては、炭素原子数が1乃至20のアルキル基が好ましい。前記置換基の例には、ヒドロキシ基、アルコキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、およびイオン性親水性基が含まれる。前記アルキル基の例には、メチル、エチル、ブチル、イソプロピル、t−ブチル、ヒドロキシエチル、メトキシエチル、シアノエチル、トリフルオロメチル、3−スルホプロピル、および4−スルホブチルが含まれる。
R24、R25、R26、R28、R30、R31及びR32が表すシクロアルキル基には、置換基を有するシクロアルキル基および無置換のシクロアルキル基が含まれる。前記シクロアルキル基としては、炭素原子数が5乃至12のシクロアルキル基が好ましい。前記置換基の例にはイオン性親水性基が含まれる。前記シクロアルキル基の例には、シクロヘキシルが含まれる。R24、R25、R26、R28、R30、R31及びR32が表すアラルキル基には、置換基を有するアラルキル基および無置換のアラルキル基が含まれる。前記アラルキル基としては、炭素原子数が7乃至20のアラルキル基が好ましい。前記置換基の例にはイオン性親水性基が含まれる。前記アラルキル基の例には、ベンジル、および2−フェネチルが含まれる。
R24、R25、R26、R28、R30及びR32が表すアリール基には、置換基を有するアリール基および無置換のアリール基が含まれる。前記アリール基としては、炭素原子数が6乃至20のアリール基が好ましい。前記置換基の例には、ヒドロキシ基、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルキルアミノ基、アシルアミノ基およびイオン性親水性基が含まれる。前記アリール基の例には、フェニル、p−トリル、p−メトキシフェニル、o−クロロフェニル、およびm−(3−スルホプロピルアミノ)フェニルが含まれる。
R24、R25、R26、R28、R30、R31及びR32が表すアルキルチオ基には、置換基を有するアルキルチオ基および無置換のアルキルチオ基が含まれる。前記アルキルチオ基としては、炭素原子数が1乃至20のアルキルチオ基が好ましい。前記置換基の例にはイオン性親水性基が含まれる。前記アルキルチオ基の例には、メチルチオおよびエチルチオが含まれる。R24、R25、R26、R28、R30、R31及びR32が表すアリールチオ基には、置換基を有するアリールチオ基および無置換のアリールチオ基が含まれる。前記アリールチオ基としては、炭素原子数が6乃至20のアリールチオ基が好ましい。前記置換基の例には、前述のアリール基の置換基と同じものが挙げられる。前記アリールチオ基の例には、フェニルチオ基およびp−トリルチオが含まれる。
R25で表される複素環基は、5員または6員の複素環が好ましくそれらはさらに縮環していても良い。複素環を構成するヘテロ原子としては、N,S,Oが好ましい。また、芳香族複素環であっても非芳香族複素環であっても良い。前記複素環はさらに置換されていてもよく、置換基の例としては、前述のアリール基の置換基と同じものが挙げられる。好ましい複素環は、6員の含窒素芳香族複素環であり、特にトリアジン、ピリミジン、フタラジンを好ましい例としてあげることが出来る。
R31が表すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子および臭素原子が挙げられる。R24、R26、R28、R31が表すアルコキシ基には、置換基を有するアルコキシ基および無置換のアルコキシ基が含まれる。前記アルコキシ基としては、炭素原子数が1乃至20のアルコキシ基が好ましい。前記置換基の例には、ヒドロキシ基、およびイオン性親水性基が含まれる。前記アルコキシ基の例には、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、メトキシエトキシ、ヒドロキシエトキシおよび3−カルボキシプロポキシが含まれる。
R31が表すアリールオキシ基には、置換基を有するアリールオキシ基および無置換のアリールオキシ基が含まれる。前記アリールオキシ基としては、炭素原子数が6乃至20のアリールオキシ基が好ましい。前記置換基の例には、前述のアリール基の置換基と同じものが挙げられる。前記アリールオキシ基の例には、フェノキシ、p−メトキシフェノキシおよびo−メトキシフェノキシが含まれる。R31が表すアシルアミノ基には、置換基を有するアシルアミノ基および無置換のアシルアミノ基が含まれる。前記アシルアミノ基としては、炭素原子数が2乃至20のアシルアミノ基が好ましい。前記置換基の例には、前述のアリール基の置換基と同じものが挙げられる。前記アシルアミノ基の例には、アセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミドおよび3,5−ジスルホベンズアミドが含まれる。
R31が表すスルホニルアミノ基は、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、およびヘテロ環スルホニルアミノ基が含まれ、各々のアルキル基部分、アリール基部分、ヘテロ環部分は置換基を有していても良い。前記置換基の例には、前述のアリール基の置換基と同じものが挙げられる。前記スルホニルアミノ基としては、炭素原子数が1乃至20のスルホニルアミノ基が好ましい。前記スルホニルアミノ基の例には、メチルスルホニルアミノ、およびエチルスルホニルアミノが含まれる。R31が表すアルコキシカルボニルアミノ基には、置換基を有するアルコキシカルボニルアミノ基および無置換のアルコキシカルボニルアミノ基が含まれる。前記アルコキシカルボニルアミノ基としては、炭素原子数が2乃至20のアルコキシカルボニルアミノ基が好ましい。前記置換基の例にはイオン性親水性基が含まれる。前記アルコキシカルボニルアミノ基の例には、エトキシカルボニルアミノが含まれる。
R31が表すウレイド基には、置換基を有するウレイド基および無置換のウレイド基が含まれる。前記ウレイド基としては、炭素原子数が1乃至20のウレイド基が好ましい。前記置換基の例には、アルキル基、アリール基が含まれる。前記ウレイド基の例には、3−メチルウレイド、3,3−ジメチルウレイドおよび3−フェニルウレイドが含まれる。
R7、R8、R9が表すアルコキシカルボニル基には、置換基を有するアルコキシカルボニル基および無置換のアルコキシカルボニル基が含まれる。前記アルコキシカルボニル基としては、炭素原子数が2乃至20のアルコキシカルボニル基が好ましい。前記置換基の例にはイオン性親水性基が含まれる。前記アルコキシカルボニル基の例には、メトキシカルボニルおよびエトキシカルボニルが含まれる。
R7、R8、R9が表すアルコキシカルボニル基には、置換基を有するアルコキシカルボニル基および無置換のアルコキシカルボニル基が含まれる。前記アルコキシカルボニル基としては、炭素原子数が2乃至20のアルコキシカルボニル基が好ましい。前記置換基の例にはイオン性親水性基が含まれる。前記アルコキシカルボニル基の例には、メトキシカルボニルおよびエトキシカルボニルが含まれる。
R25、R30、R31、R32が表すカルバモイル基には、置換基を有するカルバモイル基および無置換のカルバモイル基が含まれる。前記置換基の例にはアルキル基が含まれる。前記カルバモイル基の例には、メチルカルバモイル基およびジメチルカルバモイル基が含まれる。R31が表す置換基を有するスルファモイル基および無置換のスルファモイル基が含まれる。
前記置換基の例には、アルキル基が含まれる。前記スルファモイル基の例には、ジメチルスルファモイル基およびジ−(2−ヒドロキシエチル)スルファモイル基が含まれる。
前記置換基の例には、アルキル基が含まれる。前記スルファモイル基の例には、ジメチルスルファモイル基およびジ−(2−ヒドロキシエチル)スルファモイル基が含まれる。
R31が表すスルホニル基は、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基もしくはヘテロ環スルホニル基が含まれ、それらは更に置換基を有していても良い。置換基の例にはイオン性親水性基が含まれる。スルホニル基の例には、メチルスルホニルおよびフェニルスルホニルが含まれる。R25、R31が表すアシル基には、置換基を有するアシル基および無置換のアシル基が含まれる。前記アシル基としては、炭素原子数が1乃至20のアシル基が好ましい。
前記置換基の例にはイオン性親水性基が含まれる。前記アシル基の例には、アセチルおよびベンゾイルが含まれる。
前記置換基の例にはイオン性親水性基が含まれる。前記アシル基の例には、アセチルおよびベンゾイルが含まれる。
R31が表すアミノ基には、置換基を有するアミノ基および無置換のアミノ基が含まれる。置換基の例にはアルキル基、アリール基、複素環基が含まれる。アミノ基の例には、メチルアミノ、ジエチルアミノ、アニリノおよび2−クロロアニリノが含まれる。
R27、R29、R33で表される複素環基は、一般式(13)および一般式(7)のEで表される置換されていてもよい複素環基と同じであり、好ましい例、さらに好ましい例、特に好ましい例も先述のものと同じである。置換基としては、イオン性親水性基、炭素原子数が1乃至12のアルキル基、アリール基、アルキルまたはアリールチオ基、ハロゲン原子、シアノ基、スルファモイル基、スルホンアミノ基、カルバモイル基、およびアシルアミノ基等が含まれ、前記アルキル基およびアリール基等はさらに置換基を有していてもよい。
前記一般式(15)中、Z1は−N=、−NH−、または−C(R34)=を表し、Z2およびZ3は各々独立して、−N=または−C(R34)=を表し、R34は水素原子または非金属置換基を表す。R34が表す非金属置換基としては、シアノ基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、またはイオン性親水性基が好ましい。前記置換基の各々は、R24が表す各々の置換基と同義であり、好ましい例も同様である。前記一般式(15)に含まれる2つの5員環からなる複素環の骨格例を下記に示す。
上記で説明した各置換基がさらに置換基を有していても良い場合の置換基の例としては、先述の一般式(13)および一般式(7)のEに置換しても良い置換基を挙げることが出来る。
上記一般式(14)、(15)及び(16)のうち、好ましいものは一般式(14)であるが、中でも下記一般式(17)で表されるものが特に好ましい。
一般式(17)中、R24、R25及びR26は、一般式(14)と同義である。X及びYは、一方は窒素原子を表し、他方は−CR35を表す。R35は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル基、アルキルスルフィニル基、アルキルオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アリール基、アリールチオ基、アリールスルホニル基、アリールスルフィニル基、アリールオキシ基またはアシルアミノ基を表す。中でも水素原子、アルキル基、アルキル及びアリールチオ基およびアリール基が好ましく、特に水素原子、アルキルチオ基およびアリール基が特に好ましい。それぞれの置換基は、更に置換されていてもよい。
本発明のインクジェット記録用インクには、上記色素とともに、下記一般式(18)、(19)、(20)および(21)で表されるアゾ色素を併用しても、同様の効果を得ることができる。
本発明のインクジェット記録用インクには、上記色素とともに、下記一般式(18)、(19)、(20)および(21)で表されるアゾ色素を併用しても、同様の効果を得ることができる。
一般式(18)中、Y1およびZ1は、それぞれ独立して、置換もしくは無置換の芳香族基または置換もしくは無置換の複素環基を表し(Y1は1価の基であり、Z1は2価の基である)、W1およびW2は、それぞれ独立して、水素原子または置換基を表す。
一般式(19)中、Y2およびZ2は、それぞれ独立して、置換もしくは無置換の芳香族基または置換もしくは無置換の複素環基を表し(Y2は1価の基であり、Z2は2価の基である)、W3およびW4は、それぞれ独立して、水素原子または置換基を表す。
一般式(20)中、Y3およびZ3は、それぞれ独立して、置換もしくは無置換の芳香族基または置換もしくは無置換の複素環基を表す(Y3、Z3は、いずれも1価の基である)。
一般式(21)中、VはOH基またはNH2基を表し、Y4およびZ4は、それぞれ独立して、置換もしくは無置換の芳香族基または置換もしくは無置換の複素環基を表す(Y4、Z4は、いずれも1価の基である)。
次に、一般式(18)、(19)、(20)および(21)について説明する。
一般式(18)中、Y1およびZ1は、それぞれ独立して、置換もしくは無置換の芳香族基(Y1は、1価の芳香族基、例えばアリール基;Z1は、2価の芳香族基、例えばアリーレン基)または置換もしくは無置換の複素環基(Y1は1価の複素環基であり、Z1は2価の複素環基である)を表す。芳香族環の例としては、ベンゼン環やナフタレン環をあげることができ、複素環のヘテロ原子としてはN、O、およびSをあげることができる。複素環に脂肪族環、芳香族環または他の複素環が縮合していてもよい。Y1およびZ1の置換基としては、一般式(13)のLで挙げた置換基、アリールアゾ基または複素環アゾ基であってもよい。
W1およびW2は、それぞれ独立して、水素原子または置換基を表す。W1およびW2の置換基としては、一般式(13)のLで挙げた置換基を挙げることができる。
W1およびW2は、それぞれ独立して、水素原子または置換基を表す。W1およびW2の置換基としては、一般式(13)のLで挙げた置換基を挙げることができる。
一般式(19)中、Y2およびZ2は、それぞれ独立して、置換もしくは無置換の芳香族基(Y2は、1価の芳香族基、例えばアリール基;Z2は、2価の芳香族基、例えばアリーレン基)または置換もしくは無置換の複素環基(Y2は1価の複素環基であり、Z2は2価の複素環基である)を表す。芳香族環の例としては、ベンゼン環やナフタレン環をあげることができ、複素環のヘテロ原子としてはN、O、およびSをあげることができる。複素環に脂肪族環、芳香族環または他の複素環が縮合していてもよい。Y2およびZ2の置換基としては、一般式(13)のLで挙げた置換基、アリールアゾ基または複素環アゾ基であってもよい。
W3およびW4は、それぞれ独立して、水素原子または置換基を表す。W3およびW4の置換基としては、一般式(13)のLで挙げた置換基を挙げることができる。
W3およびW4は、それぞれ独立して、水素原子または置換基を表す。W3およびW4の置換基としては、一般式(13)のLで挙げた置換基を挙げることができる。
一般式(20)中、Y3およびZ3は、それぞれ独立して、置換もしくは無置換の芳香族基(Y3およびZ3は、1価の芳香族基、例えばアリール基)または置換もしくは無置換の複素環基(Y3およびZ3は1価の複素環基)を表す。芳香族環の例としては、ベンゼン環やナフタレン環をあげることができ、複素環のヘテロ原子としてはN、O、およびSをあげることができる。複素環に脂肪族環、芳香族環または他の複素環が縮合していてもよい。Y3およびZ3の置換基としては、一般式(13)のLで挙げた置換基、アリールアゾ基または複素環アゾ基であってもよい。
一般式(21)中、VはOH基またはNH2基を表し、Y4およびZ4は、それぞれ独立して、置換もしくは無置換の芳香族基(Y4およびZ4は、1価の芳香族基、例えばアリール基)または置換もしくは無置換の複素環基(Y4およびZ4は1価の複素環基)を表す。芳香族環の例としては、ベンゼン環やナフタレン環をあげることができ、複素環のヘテロ原子としてはN、O、およびSをあげることができる。複素環に脂肪族環、芳香族環または他の複素環が縮合していてもよい。Y4およびZ4の置換基としては、一般式(13)のLで挙げた置換基、アリールアゾ基または複素環アゾ基であってもよい。
また、一般式(18)、(19)、(20)および(21)中のカルボキシル基、ホスホノ基およびスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)および有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれる。また、一般式(18)、(19)、(20)および(21)で表されるアゾ色素が、金属とキレート錯体を形成していてもよい。
前記一般式(18)、(19)、(20)および(21)で表されるアゾ色素の具体例を以下に示すが、本発明に用いられるアゾ色素は、下記の例に限定されるものではない。
さらに本発明のインクジェット記録用インクには、下記一般式(22)、(23)および(25)で表されるアントラピリドン色素を併用しても、同様の効果を得ることができる。
一般式(22)中、R1およびR3は、各々独立に水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表わす。R2は水素原子、アルキル基、アルコキシ低級アルキル基、アルコキシ低級アルコキシ低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、シクロヘキシル基、モノもしくはジアルキルアミノアルキル基又はシアノ低級アルキル基を表す。R1、R2、R3の各基は、さらに置換基を有していてもよい。但し、一般式(22)は、少なくとも1つは溶解性を付与する置換基(染料が水溶性の場合にはイオン性親水性基、油溶性の場合には疎水性基)を有する。
前記一般式(22)で表されるアントラピリドン色素の中でも、下記一般式(23)で表される構造のアントラピリドン色素が更に好ましい。
前記一般式(22)で表されるアントラピリドン色素の中でも、下記一般式(23)で表される構造のアントラピリドン色素が更に好ましい。
一般式(23)中、R2は、一般式(22)と同義であり、R4水素原子又はメトキシ基を表す。R5は、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、複素環オキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、複素環アミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ニトロ基、アルキルもしくはアリールチオ基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、スルファモイル基、スルホ基、または複素環チオ基を表す。各基は、さらに置換基を有していてもよい。Z1およびZ2は、各々独立に水素原子、もしくはイオン性親水性基を表し、mは0〜2の整数を表す。
R5の置換基のうち下記一般式(24)で表される置換基が挙げられる。
R5の置換基のうち下記一般式(24)で表される置換基が挙げられる。
R6およびR7は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、複素環オキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、複素環アミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ニトロ基、アルキルもしくはアリールチオ基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、スルファモイル基、スルホ基、または複素環チオ基を表す。各基は、さらに置換基を有していてもよい。
さらに、二分子のアントラピリドンを架橋した下記一般式(25)で表されるアントラピリドン色素も挙げられる。
さらに、二分子のアントラピリドンを架橋した下記一般式(25)で表されるアントラピリドン色素も挙げられる。
Xは、置換されてもよい連結基を表す。R2、R4およびR6は、一般式(23)および一般式(24)と同義であり、Z3〜Z6は、各々独立に水素原子、もしくはイオン性親水性基を表し、n、mは各々独立に0〜2の整数を表す。
前記一般式(22)、(23)および(24)で表されるアントラピリドン色素の具体例を以下に示すが、本発明に用いられるアントラピリドン色素は、下記の例に限定されるものではない。なお、下記具体例中の色素は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)および有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれる。
前記一般式(22)、(23)および(24)で表されるアントラピリドン色素の具体例を以下に示すが、本発明に用いられるアントラピリドン色素は、下記の例に限定されるものではない。なお、下記具体例中の色素は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)および有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれる。
(含有割合)
本発明のインクジェット記録用インク100質量部中には、色素が0.2質量部以上10質量部以下の割合で含有されていることが好ましい。また、本発明のインクジェット記録用インクは、色素が併用されていてもよい。2種類以上の色素を併用する場合は、色素の含有量の合計が前記した範囲となっているのが好ましい。
本発明のインクジェット記録用インク100質量部中には、色素が0.2質量部以上10質量部以下の割合で含有されていることが好ましい。また、本発明のインクジェット記録用インクは、色素が併用されていてもよい。2種類以上の色素を併用する場合は、色素の含有量の合計が前記した範囲となっているのが好ましい。
(物性)
本発明のインクジェット記録用インクでは、色素が下記物性のいずれかまたは両方を有することが望ましい。
物性1:|λmax(DMF)−λmax(水)|≧30nm
〔DMF(N,N‐ジメチルホルムアミド)溶媒で測定した吸収スペクトルの最大吸収波長をλmax(DMF)、水溶媒で測定した吸収スペクトルの最大吸収波長をλmax(水)とする。〕
物性2:ε(DMF)≧ε(水)
〔DMF溶媒でのモル吸光係数をε(DMF)、水溶媒でのモル吸光係数をε(水)とする。〕
本発明のインクジェット記録用インクでは、色素が下記物性のいずれかまたは両方を有することが望ましい。
物性1:|λmax(DMF)−λmax(水)|≧30nm
〔DMF(N,N‐ジメチルホルムアミド)溶媒で測定した吸収スペクトルの最大吸収波長をλmax(DMF)、水溶媒で測定した吸収スペクトルの最大吸収波長をλmax(水)とする。〕
物性2:ε(DMF)≧ε(水)
〔DMF溶媒でのモル吸光係数をε(DMF)、水溶媒でのモル吸光係数をε(水)とする。〕
色素が物性1または物性2を有することで、その色素が会合性の色素であることがわかる。
(フルカラー画像の形成)
本発明のインクジェット記録用インクは、単色の画像形成のみならず、フルカラーの画像形成に用いることができる。フルカラー画像を形成するために、マゼンタ色調インク、シアン色調インク、及びイエロー色調インクを用いることができ、また、色調を整えるために、更にブラック色調インクを用いてもよい。これらのインクには、他の色材(色素や
顔料)をも用いて画像再現性能を向上させることができる。
本発明のインクジェット記録用インクは、単色の画像形成のみならず、フルカラーの画像形成に用いることができる。フルカラー画像を形成するために、マゼンタ色調インク、シアン色調インク、及びイエロー色調インクを用いることができ、また、色調を整えるために、更にブラック色調インクを用いてもよい。これらのインクには、他の色材(色素や
顔料)をも用いて画像再現性能を向上させることができる。
(イエロー色素)
本発明に、適用できるイエロー色素としては、任意のものを使用することが出来る。例えばカップリング成分(以降カプラー成分と呼ぶ)としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピラゾロンやピリドン等のようなヘテロ環類、開鎖型活性メチレン化合物類、などを有するアリールもしくはヘテリルアゾ色素;例えばカプラー成分として開鎖型活性メチレン化合物類などを有するアゾメチン色素;例えばベンジリデン色素やモノメチンオキソノール色素等のようなメチン色素;例えばナフトキノン色素、アントラキノン色素等のようなキノン系色素などがあり、これ以外の色素種としてはキノフタロン色素、ニトロ・ニトロソ色素、アクリジン色素、アクリジノン色素等を挙げることができる。
本発明に、適用できるイエロー色素としては、任意のものを使用することが出来る。例えばカップリング成分(以降カプラー成分と呼ぶ)としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピラゾロンやピリドン等のようなヘテロ環類、開鎖型活性メチレン化合物類、などを有するアリールもしくはヘテリルアゾ色素;例えばカプラー成分として開鎖型活性メチレン化合物類などを有するアゾメチン色素;例えばベンジリデン色素やモノメチンオキソノール色素等のようなメチン色素;例えばナフトキノン色素、アントラキノン色素等のようなキノン系色素などがあり、これ以外の色素種としてはキノフタロン色素、ニトロ・ニトロソ色素、アクリジン色素、アクリジノン色素等を挙げることができる。
(マゼンタ色素)
適用できるマゼンタ色素としては、任意のものを使用することが出来る。例えばカプラー成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類などを有するアリールもしくはヘテリルアゾ色素;例えばカプラー成分としてピラゾロン類、ピラゾロトリアゾール類などを有するアゾメチン色素;例えばアリーリデン色素、スチリル色素、メロシアニン色素、シアニン色素、オキソノール色素などのようなメチン色素;ジフェニルメタン色素、トリフェニルメタン色素、キサンテン色素などのようなカルボニウム色素、例えばナフトキノン、アントラキノン、アントラピリドンなどのようなキノン色素、例えばジオキサジン色素等のような縮合多環色素等を挙げることができる。
適用できるマゼンタ色素としては、任意のものを使用することが出来る。例えばカプラー成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類などを有するアリールもしくはヘテリルアゾ色素;例えばカプラー成分としてピラゾロン類、ピラゾロトリアゾール類などを有するアゾメチン色素;例えばアリーリデン色素、スチリル色素、メロシアニン色素、シアニン色素、オキソノール色素などのようなメチン色素;ジフェニルメタン色素、トリフェニルメタン色素、キサンテン色素などのようなカルボニウム色素、例えばナフトキノン、アントラキノン、アントラピリドンなどのようなキノン色素、例えばジオキサジン色素等のような縮合多環色素等を挙げることができる。
(シアン色素)
適用できるシアン色素としては、任意のものを使用することが出来る。例えばカプラー成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類などを有するアリールもしくはヘテリルアゾ色素;例えばカプラー成分としてフェノール類、ナフトール類、ピロロトリアゾールのようなヘテロ環類などを有するアゾメチン色素;シアニン色素、オキソノール色素、メロシアニン色素などのようなポリメチン色素;ジフェニルメタン色素、トリフェニルメタン色素、キサンテン色素などのようなカルボニウム色素;フタロシアニン色素;アントラキノン色素;インジゴ・チオインジゴ色素などを挙げることができる。
適用できるシアン色素としては、任意のものを使用することが出来る。例えばカプラー成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類などを有するアリールもしくはヘテリルアゾ色素;例えばカプラー成分としてフェノール類、ナフトール類、ピロロトリアゾールのようなヘテロ環類などを有するアゾメチン色素;シアニン色素、オキソノール色素、メロシアニン色素などのようなポリメチン色素;ジフェニルメタン色素、トリフェニルメタン色素、キサンテン色素などのようなカルボニウム色素;フタロシアニン色素;アントラキノン色素;インジゴ・チオインジゴ色素などを挙げることができる。
前記の各色素は、クロモフォアの一部が解離して初めてイエロー、マゼンタ、シアンの各色を呈するものであっても良く、その場合のカウンターカチオンはアルカリ金属や、アンモニウムのような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニウム、4級アンモニウム塩のような有機のカチオンであってもよく、さらにはそれらを部分構造に有するポリマーカチオンであってもよい。
適用できる黒色材としては、ジスアゾ、トリスアゾ、テトラアゾ色素のほか、カーボンブラックの分散体を挙げることができる。
適用できる黒色材としては、ジスアゾ、トリスアゾ、テトラアゾ色素のほか、カーボンブラックの分散体を挙げることができる。
(色素の水性媒体への分散)
色素を水性媒体に分散させる場合は、特開平11−286637号、特開2001−240763号、同2001−262039号、同2001−247788号の各公報記載のように色素と油溶性ポリマーとを含有する着色微粒子を水性媒体に分散したり、特開2001−262018号、同2001−240763号、同2001−335734号、同2002−80772号の各公報記載のように高沸点有機溶媒に溶解した色素を水性媒体中に分散することが好ましい。色素を水性媒体に分散させる場合の具体的な方法、使用する油溶性ポリマー、高沸点有機溶剤、添加剤及びそれらの使用量は、前記特許に記載されたものを好ましく使用することができる。あるいは、前記アゾ化合物を固体のまま微粒子状態に分散してもよい。分散時には、分散剤や界面活性剤を使用することができる。分散装置としては、簡単なスターラーやインペラー攪拌方式、インライン攪拌方式、ミル方式(例えば、コロイドミル、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテーターミル等)、超音波方式、高圧乳化分散方式(高圧ホモジナイザー;具体的な市販装置としてはゴーリンホモジナイザー、マイクロフルイダイザー、DeBEE2000等)を使用することができる。上記のインクジェット記録用インクの調製方法については、先述の特許以外にも特開平5−148436号、同5−295312号、同7−97541号、同7−82515号、同7−118584号、同11−286637号、特開2001−271003号の各公報に詳細が記載されていて、本発明のインクジェット記録用インクの調製にも利用できる。
色素を水性媒体に分散させる場合は、特開平11−286637号、特開2001−240763号、同2001−262039号、同2001−247788号の各公報記載のように色素と油溶性ポリマーとを含有する着色微粒子を水性媒体に分散したり、特開2001−262018号、同2001−240763号、同2001−335734号、同2002−80772号の各公報記載のように高沸点有機溶媒に溶解した色素を水性媒体中に分散することが好ましい。色素を水性媒体に分散させる場合の具体的な方法、使用する油溶性ポリマー、高沸点有機溶剤、添加剤及びそれらの使用量は、前記特許に記載されたものを好ましく使用することができる。あるいは、前記アゾ化合物を固体のまま微粒子状態に分散してもよい。分散時には、分散剤や界面活性剤を使用することができる。分散装置としては、簡単なスターラーやインペラー攪拌方式、インライン攪拌方式、ミル方式(例えば、コロイドミル、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテーターミル等)、超音波方式、高圧乳化分散方式(高圧ホモジナイザー;具体的な市販装置としてはゴーリンホモジナイザー、マイクロフルイダイザー、DeBEE2000等)を使用することができる。上記のインクジェット記録用インクの調製方法については、先述の特許以外にも特開平5−148436号、同5−295312号、同7−97541号、同7−82515号、同7−118584号、同11−286637号、特開2001−271003号の各公報に詳細が記載されていて、本発明のインクジェット記録用インクの調製にも利用できる。
〔その他の添加剤〕
必要に応じてその他の添加剤を、本発明の効果を害しない範囲内において含有することができる。その他の添加剤としては、例えば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。これらの各種添加剤は、水溶性インクのインク液に直接添加する。油溶性色素を分散物の形で用いる場合には、色素分散物の調製後分散物に添加するのが一般的であるが、調製時に水相に添加してもよい。
必要に応じてその他の添加剤を、本発明の効果を害しない範囲内において含有することができる。その他の添加剤としては、例えば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。これらの各種添加剤は、水溶性インクのインク液に直接添加する。油溶性色素を分散物の形で用いる場合には、色素分散物の調製後分散物に添加するのが一般的であるが、調製時に水相に添加してもよい。
(乾燥防止剤)
乾燥防止剤はインクジェット記録方式に用いるノズルのインク噴射口において該インクジェット記録用インクが乾燥することによる目詰まりを防止する目的で好適に使用される。
乾燥防止剤はインクジェット記録方式に用いるノズルのインク噴射口において該インクジェット記録用インクが乾燥することによる目詰まりを防止する目的で好適に使用される。
乾燥防止剤としては、水より蒸気圧の低い水溶性有機溶剤が好ましい。具体的な例としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、チオジグリコール、ジチオジグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、アセチレングリコール誘導体、グリセリン、トリメチロールプロパン等に代表される多価アルコール類、エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノエチル(又はブチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−エチルモルホリン等の複素環類、スルホラン、ジメチルスルホキシド、3−スルホレン等の含硫黄化合物、ジアセトンアルコール、ジエタノールアミン等の多官能化合物、尿素誘導体が挙げられる。これらのうちグリセリン、ジエチレングリコール等の多価アルコールがより好ましい。また上記の乾燥防止剤は単独で用いても良いし2種以上併用しても良い。これらの乾燥防止剤はインク中に10〜50質量%含有することが好ましい。
(浸透促進剤)
浸透促進剤は、インクジェット記録用インクを紙により良く浸透させる目的で好適に使用される。浸透促進剤としては、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテル、1,2−ヘキサンジオール等のアルコール類やラウリル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウムやノニオン性界面活性剤等を用いることができる。これらはインク中に5〜30質量%含有すれば通常充分な効果があり、印字の滲み、紙抜け(プリントスルー)を起こさない添加量の範囲で使用するのが好ましい。
浸透促進剤は、インクジェット記録用インクを紙により良く浸透させる目的で好適に使用される。浸透促進剤としては、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテル、1,2−ヘキサンジオール等のアルコール類やラウリル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウムやノニオン性界面活性剤等を用いることができる。これらはインク中に5〜30質量%含有すれば通常充分な効果があり、印字の滲み、紙抜け(プリントスルー)を起こさない添加量の範囲で使用するのが好ましい。
(紫外線吸収剤)
紫外線吸収剤は、画像の保存性を向上させる目的で使用される。紫外線吸収剤としては特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号明細書等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、リサーチディスクロージャーNo.24239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤も用いることができる。
紫外線吸収剤は、画像の保存性を向上させる目的で使用される。紫外線吸収剤としては特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号明細書等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、リサーチディスクロージャーNo.24239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤も用いることができる。
(褪色防止剤)
褪色防止剤は、画像の保存性を向上させる目的で使用される。褪色防止剤としては、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。有機の褪色防止剤としてはハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類などがあり、金属錯体としてはニッケル錯体、亜鉛錯体などがある。より具体的にはリサーチディスクロージャーNo.17643の第VIIのIないしJ項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載された化合物や特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物の一般式及び化合物例に含まれる化合物を使用することができる。
褪色防止剤は、画像の保存性を向上させる目的で使用される。褪色防止剤としては、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。有機の褪色防止剤としてはハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類などがあり、金属錯体としてはニッケル錯体、亜鉛錯体などがある。より具体的にはリサーチディスクロージャーNo.17643の第VIIのIないしJ項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載された化合物や特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物の一般式及び化合物例に含まれる化合物を使用することができる。
(防黴剤)
防黴剤としてはデヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン及びその塩等が挙げられる。これらはインク中に0.02〜1.00質量%使用するのが好ましい。
防黴剤としてはデヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン及びその塩等が挙げられる。これらはインク中に0.02〜1.00質量%使用するのが好ましい。
(pH調整剤)
pH調整剤としては前記中和剤(有機塩基、無機アルカリ)を用いることができる。pH調整剤はインクジェット記録用インクの保存安定性を向上させる目的で、該インクジェット記録用インクがpH6〜10となるように添加するのが好ましく、pH7〜10となるように添加するのがより好ましい。
pH調整剤としては前記中和剤(有機塩基、無機アルカリ)を用いることができる。pH調整剤はインクジェット記録用インクの保存安定性を向上させる目的で、該インクジェット記録用インクがpH6〜10となるように添加するのが好ましく、pH7〜10となるように添加するのがより好ましい。
(表面張力調整剤)
表面張力調整剤としてはノニオン、カチオンあるいはアニオン界面活性剤が挙げられる。本発明のインクジェット記録用インクの表面張力は、25〜70mPa・sが好ましく、25〜60mPa・sがより好ましい。また本発明のインクジェット記録用インクの粘度は30mPa・s以下が好ましく、20mPa・s以下に調整することがより好ましい。界面活性剤の例としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等のアニオン系界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン系界面活性剤が好ましい。また、アセチレン系ポリオキシエチレンオキシド界面活性剤であるSURFYNOLS(AirProducts&Chemicals社)も好ましく用いられる。また、N,N−ジメチル−N−アルキルアミンオキシドのようなアミンオキシド型の両性界面活性剤等も好ましい。更に、特開昭59−157636号公報の37〜38頁、リサーチ・ディスクロージャーNo.308119(1989年)記載の界面活性剤として挙げたものも使うことができる。
表面張力調整剤としてはノニオン、カチオンあるいはアニオン界面活性剤が挙げられる。本発明のインクジェット記録用インクの表面張力は、25〜70mPa・sが好ましく、25〜60mPa・sがより好ましい。また本発明のインクジェット記録用インクの粘度は30mPa・s以下が好ましく、20mPa・s以下に調整することがより好ましい。界面活性剤の例としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等のアニオン系界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン系界面活性剤が好ましい。また、アセチレン系ポリオキシエチレンオキシド界面活性剤であるSURFYNOLS(AirProducts&Chemicals社)も好ましく用いられる。また、N,N−ジメチル−N−アルキルアミンオキシドのようなアミンオキシド型の両性界面活性剤等も好ましい。更に、特開昭59−157636号公報の37〜38頁、リサーチ・ディスクロージャーNo.308119(1989年)記載の界面活性剤として挙げたものも使うことができる。
(消泡剤)
消泡剤としては、フッ素系、シリコーン系化合物やEDTAに代表されるキレート剤等も必要に応じて使用することができる。
消泡剤としては、フッ素系、シリコーン系化合物やEDTAに代表されるキレート剤等も必要に応じて使用することができる。
〔水混和性有機溶剤〕
水性媒体は、水を主成分とし、所望により、水混和性有機溶剤を添加した混合物を用いることができる。前記水混和性有機溶剤の例には、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、グリコール誘導体(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングルコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル)、アミン(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、テトラメチルプロピレンジアミン)及びその他の極性溶媒(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アセトニトリル、アセトン)が含まれる。尚、前記水混和性有機溶剤は、二種類以上を併用してもよい。
水性媒体は、水を主成分とし、所望により、水混和性有機溶剤を添加した混合物を用いることができる。前記水混和性有機溶剤の例には、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、グリコール誘導体(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングルコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル)、アミン(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、テトラメチルプロピレンジアミン)及びその他の極性溶媒(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アセトニトリル、アセトン)が含まれる。尚、前記水混和性有機溶剤は、二種類以上を併用してもよい。
[インクジェット記録方法](受像材料)
本発明のインクジェット記録方法は、前記インクジェット記録用インクにエネルギーを供与して、公知の受像材料、即ち普通紙、樹脂コート紙、例えば特開平8−169172号公報、同8−27693号公報、同2−276670号公報、同7−276789号公報、同9−323475号公報、特開昭62−238783号公報、特開平10−153989号公報、同10−217473号公報、同10−235995号公報、同10−337947号公報、同10−217597号公報、同10−337947号公報等に記載のインクジェット専用紙、フィルム、電子写真共用紙、布帛、ガラス、金属、陶磁器等に画像を形成する。
本発明のインクジェット記録方法は、前記インクジェット記録用インクにエネルギーを供与して、公知の受像材料、即ち普通紙、樹脂コート紙、例えば特開平8−169172号公報、同8−27693号公報、同2−276670号公報、同7−276789号公報、同9−323475号公報、特開昭62−238783号公報、特開平10−153989号公報、同10−217473号公報、同10−235995号公報、同10−337947号公報、同10−217597号公報、同10−337947号公報等に記載のインクジェット専用紙、フィルム、電子写真共用紙、布帛、ガラス、金属、陶磁器等に画像を形成する。
〔記録方式〕
本発明のインクはインクジェットの記録方式に制限はなく、公知の方式、例えば静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して、放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、及びインクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット方式等に用いられる。インクジェット記録方式には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
本発明のインクはインクジェットの記録方式に制限はなく、公知の方式、例えば静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して、放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、及びインクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット方式等に用いられる。インクジェット記録方式には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
(ポリマーラテックス化合物の併用)
画像を形成する際に、光沢性や耐水性を与えたり耐候性を改善する目的からポリマーラテックス化合物を併用してもよい。ラテックス化合物を受像材料に付与する時期については、着色剤を付与する前であっても,後であっても、また同時であってもよく、したがって添加する場所も受像紙中であっても、インク中であってもよく、あるいはポリマーラテックス単独の液状物として使用しても良い。具体的には、特開2002−166638号、同2002−121440号、同2002−154201号、同2002−144696号、同2002−80759号、同2002−187342号、同2002−172774号の各公報に記載された方法を好ましく用いることが出きる。
画像を形成する際に、光沢性や耐水性を与えたり耐候性を改善する目的からポリマーラテックス化合物を併用してもよい。ラテックス化合物を受像材料に付与する時期については、着色剤を付与する前であっても,後であっても、また同時であってもよく、したがって添加する場所も受像紙中であっても、インク中であってもよく、あるいはポリマーラテックス単独の液状物として使用しても良い。具体的には、特開2002−166638号、同2002−121440号、同2002−154201号、同2002−144696号、同2002−80759号、同2002−187342号、同2002−172774号の各公報に記載された方法を好ましく用いることが出きる。
[記録紙及び記録フィルム]
以下に、本発明のインクを用いてインクジェットプリントをするのに用いられる記録紙及び記録フィルムについて説明する。
以下に、本発明のインクを用いてインクジェットプリントをするのに用いられる記録紙及び記録フィルムについて説明する。
〔支持体〕
記録紙及び記録フィルムにおける支持体は、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等からなり、必要に応じて従来公知の顔料、バインダー、サイズ剤、定着剤、カチオン剤、紙力増強剤等の添加剤を混合し、長網抄紙機、円網抄紙機等の各種装置で製造されたもの等が使用可能である。これらの支持体の他に合成紙、プラスチックフィルムシートのいずれであってもよく、支持体の厚みは10〜250μm、坪量は10〜250g/m2が望ましい。支持体には、そのままインク受容層及びバックコート層を設けてもよいし、デンプン、ポリビニルアルコール等でサイズプレスやアンカーコート層を設けた後、インク受容層及びバックコー卜層を設けてもよい。更に支持体には、マシンカレンダー、TGカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置により平坦化処理を行ってもよい。本発明では支持体としては、両面をポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブテン及びそれらのコポリマー)でラミネートした紙及びプラスチックフィルムがより好ましく用いられる。ポリオレフィン中に、白色顔料(例えば、酸化チタン、酸化亜鉛)又は色味付け色素(例えば、コバルトブルー、群青、酸化ネオジウム)を添加することが好ましい。
記録紙及び記録フィルムにおける支持体は、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等からなり、必要に応じて従来公知の顔料、バインダー、サイズ剤、定着剤、カチオン剤、紙力増強剤等の添加剤を混合し、長網抄紙機、円網抄紙機等の各種装置で製造されたもの等が使用可能である。これらの支持体の他に合成紙、プラスチックフィルムシートのいずれであってもよく、支持体の厚みは10〜250μm、坪量は10〜250g/m2が望ましい。支持体には、そのままインク受容層及びバックコート層を設けてもよいし、デンプン、ポリビニルアルコール等でサイズプレスやアンカーコート層を設けた後、インク受容層及びバックコー卜層を設けてもよい。更に支持体には、マシンカレンダー、TGカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置により平坦化処理を行ってもよい。本発明では支持体としては、両面をポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブテン及びそれらのコポリマー)でラミネートした紙及びプラスチックフィルムがより好ましく用いられる。ポリオレフィン中に、白色顔料(例えば、酸化チタン、酸化亜鉛)又は色味付け色素(例えば、コバルトブルー、群青、酸化ネオジウム)を添加することが好ましい。
〔インク受容層〕(顔料)
支持体上に設けられるインク受容層には、顔料や水性バインダーが含有される。顔料としては、白色顔料が好ましく、白色顔料としては、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー、珪藻土、合成非晶質シリカ、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、二酸化チタン、硫化亜鉛、炭酸亜鉛等の白色無機顔料、スチレン系ピグメント、アクリル系ピグメント、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。インク受容層に含有される白色顔料としては、多孔性無機顔料が好ましく、特に細孔面積が大きい合成非晶質シリカ等が好適である。合成非晶質シリカは、乾式製造法によって得られる無水珪酸及び湿式製造法によって得られる含水珪酸のいずれも使用可能であるが、特に含水珪酸を使用することが望ましい。
支持体上に設けられるインク受容層には、顔料や水性バインダーが含有される。顔料としては、白色顔料が好ましく、白色顔料としては、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー、珪藻土、合成非晶質シリカ、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、二酸化チタン、硫化亜鉛、炭酸亜鉛等の白色無機顔料、スチレン系ピグメント、アクリル系ピグメント、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。インク受容層に含有される白色顔料としては、多孔性無機顔料が好ましく、特に細孔面積が大きい合成非晶質シリカ等が好適である。合成非晶質シリカは、乾式製造法によって得られる無水珪酸及び湿式製造法によって得られる含水珪酸のいずれも使用可能であるが、特に含水珪酸を使用することが望ましい。
(水性バインダー)
インク受容層に含有される水性バインダーとしては、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、デンプン、カチオン化デンプン、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド誘導体等の水溶性高分子、スチレンブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン等の水分散性高分子等が挙げられる。これらの水性バインダーは単独又は2種以上併用して用いることができる。本発明においては、これらの中でも特にポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコールが顔料に対する付着性、インク受容層の耐剥離性の点で好適である。
インク受容層は、顔料及び水性結着剤の他に媒染剤、耐水化剤、耐光性向上剤、界面活性剤、その他の添加剤を含有することができる。
インク受容層に含有される水性バインダーとしては、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、デンプン、カチオン化デンプン、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド誘導体等の水溶性高分子、スチレンブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン等の水分散性高分子等が挙げられる。これらの水性バインダーは単独又は2種以上併用して用いることができる。本発明においては、これらの中でも特にポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコールが顔料に対する付着性、インク受容層の耐剥離性の点で好適である。
インク受容層は、顔料及び水性結着剤の他に媒染剤、耐水化剤、耐光性向上剤、界面活性剤、その他の添加剤を含有することができる。
(媒染剤)
インク受容層中に添加する媒染剤は、不動化されていることが好ましい。そのためには、ポリマー媒染剤が好ましく用いられる。
ポリマー媒染剤については、特開昭48−28325号、同54−74430号、同54−124726号、同55−22766号、同55−142339号、同60−23850号、同60−23851号、同60−23852号、同60−23853号、同60−57836号、同60−60643号、同60−118834号、同60−122940号、同60−122941号、同60−122942号、同60−235134号、特開平1−161236号の各公報、米国特許第2484430号、同2548564号、同3148061号、同3309690号、同4115124号、同4124386号、同4193800号、同4273853号、同4282305号、同4450224号の各明細書に記載がある。特開平1−161236号公報の212〜215頁に記載のポリマー媒染剤を含有する受像材料が特に好ましい。同公報記載のポリマー媒染剤を用いると、優れた画質の画像が得られ、かつ画像の耐光性が改善される。
インク受容層中に添加する媒染剤は、不動化されていることが好ましい。そのためには、ポリマー媒染剤が好ましく用いられる。
ポリマー媒染剤については、特開昭48−28325号、同54−74430号、同54−124726号、同55−22766号、同55−142339号、同60−23850号、同60−23851号、同60−23852号、同60−23853号、同60−57836号、同60−60643号、同60−118834号、同60−122940号、同60−122941号、同60−122942号、同60−235134号、特開平1−161236号の各公報、米国特許第2484430号、同2548564号、同3148061号、同3309690号、同4115124号、同4124386号、同4193800号、同4273853号、同4282305号、同4450224号の各明細書に記載がある。特開平1−161236号公報の212〜215頁に記載のポリマー媒染剤を含有する受像材料が特に好ましい。同公報記載のポリマー媒染剤を用いると、優れた画質の画像が得られ、かつ画像の耐光性が改善される。
(耐水化剤)
耐水化剤は、画像の耐水化に有効であり、これらの耐水化剤としては、特にカチオン樹脂が望ましい。このようなカチオン樹脂としては、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン、ポリエチレンイミン、ポリアミンスルホン、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、カチオンポリアクリルアミド、コロイダルシリカ等が挙げられ、これらのカチオン樹脂の中で特にポリアミドポリアミンエピクロルヒドリンが好適である。これらのカチオン樹脂の含有量は、インク受容層の全固形分に対して1〜15質量%が好ましく、特に3〜10質量%であることが好ましい。
耐水化剤は、画像の耐水化に有効であり、これらの耐水化剤としては、特にカチオン樹脂が望ましい。このようなカチオン樹脂としては、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン、ポリエチレンイミン、ポリアミンスルホン、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、カチオンポリアクリルアミド、コロイダルシリカ等が挙げられ、これらのカチオン樹脂の中で特にポリアミドポリアミンエピクロルヒドリンが好適である。これらのカチオン樹脂の含有量は、インク受容層の全固形分に対して1〜15質量%が好ましく、特に3〜10質量%であることが好ましい。
(耐光性向上剤)
耐光性向上剤としては、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、ヒンダードアミン系酸化防止剤、ベンゾフェノン系やベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤等が挙げられる。これらの中で特に硫酸亜鉛が好適である。
耐光性向上剤としては、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、ヒンダードアミン系酸化防止剤、ベンゾフェノン系やベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤等が挙げられる。これらの中で特に硫酸亜鉛が好適である。
(界面活性剤、その他の添加剤)
界面活性剤は、塗布助剤、剥離性改良剤、スベリ性改良剤あるいは帯電防止剤として機能する。界面活性剤については、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載がある。界面活性剤の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。有機フルオロ化合物の例には、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例えば、フッ素油)及び固体状フッ素化合物樹脂(例えば、四フッ化エチレン樹脂)が含まれる。有機フルオロ化合物については、特公昭57−9053号(第8〜17欄)、特開昭61−20994号、同62−135826号の各公報に記載がある。その他のインク受容層に添加される添加剤としては、顔料分散剤、増粘剤、消泡剤、色素、蛍光増白剤、防腐剤、pH調整剤、マット剤、硬膜剤等が挙げられる。尚、インク受容層は1層でも2層でもよい。
界面活性剤は、塗布助剤、剥離性改良剤、スベリ性改良剤あるいは帯電防止剤として機能する。界面活性剤については、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載がある。界面活性剤の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。有機フルオロ化合物の例には、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例えば、フッ素油)及び固体状フッ素化合物樹脂(例えば、四フッ化エチレン樹脂)が含まれる。有機フルオロ化合物については、特公昭57−9053号(第8〜17欄)、特開昭61−20994号、同62−135826号の各公報に記載がある。その他のインク受容層に添加される添加剤としては、顔料分散剤、増粘剤、消泡剤、色素、蛍光増白剤、防腐剤、pH調整剤、マット剤、硬膜剤等が挙げられる。尚、インク受容層は1層でも2層でもよい。
〔バックコート層〕(白色顔料)
記録紙及び記録フィルムには、バックコート層を設けることもでき、この層に添加可能な成分としては、白色顔料、水性バインダー、その他の成分が挙げられる。バックコート層に含有される白色顔料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬べーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント,ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。
記録紙及び記録フィルムには、バックコート層を設けることもでき、この層に添加可能な成分としては、白色顔料、水性バインダー、その他の成分が挙げられる。バックコート層に含有される白色顔料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬べーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント,ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。
(水性バインダー、その他の添加剤)
バックコート層に含有される水性バインダーとしては、スチレン/マレイン酸塩共重合体、スチレン/アクリル酸塩共重合体、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、デンプン、カチオン化デンプン、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子、スチレンブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン等の水分散性高分子等が挙げられる。バックコート層に含有されるその他の成分としては、消泡剤、抑泡剤、色素、蛍光増白剤、防腐剤、耐水化剤等が挙げられる。
バックコート層に含有される水性バインダーとしては、スチレン/マレイン酸塩共重合体、スチレン/アクリル酸塩共重合体、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、デンプン、カチオン化デンプン、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子、スチレンブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン等の水分散性高分子等が挙げられる。バックコート層に含有されるその他の成分としては、消泡剤、抑泡剤、色素、蛍光増白剤、防腐剤、耐水化剤等が挙げられる。
〔ポリマーラテックスの添加〕
インクジェット記録紙及び記録フィルムの構成層(バックコート層を含む)には、ポリマーラテックスを添加してもよい。ポリマーラテックスは、寸度安定化、カール防止、接着防止、膜のひび割れ防止のような膜物性改良の目的で使用される。ポリマーラテックスについては、特開昭62−245258号、同62−1316648号、同62−110066号の各公報に記載がある。ガラス転移温度が低い(40℃以下の)ポリマーラテックスを媒染剤を含む層に添加すると、層のひび割れやカールを防止することができる。また、ガラス転移温度が高いポリマーラテックスをバックコート層に添加しても、カールを防止することができる。
インクジェット記録紙及び記録フィルムの構成層(バックコート層を含む)には、ポリマーラテックスを添加してもよい。ポリマーラテックスは、寸度安定化、カール防止、接着防止、膜のひび割れ防止のような膜物性改良の目的で使用される。ポリマーラテックスについては、特開昭62−245258号、同62−1316648号、同62−110066号の各公報に記載がある。ガラス転移温度が低い(40℃以下の)ポリマーラテックスを媒染剤を含む層に添加すると、層のひび割れやカールを防止することができる。また、ガラス転移温度が高いポリマーラテックスをバックコート層に添加しても、カールを防止することができる。
以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1](ブラックインク液の調製)
下記の成分に脱イオン水を加え、LiOH 10mol/LにてpH=8.5に調製し、1Lとした後、30〜40℃で加熱しながら1時時間撹拌した。その後平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過しブラックインク液1を調製した。
下記の成分に脱イオン水を加え、LiOH 10mol/LにてpH=8.5に調製し、1Lとした後、30〜40℃で加熱しながら1時時間撹拌した。その後平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過しブラックインク液1を調製した。
ブラックインク液1の組成:
色素 1 60g
色素 2 15g
印字濃度向上剤(A−1) 20g
トリエチレングリコール 30g
グリセリン 100g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 100g
トリエタノールアミン 10g
サーフィノール465 10g
PROXEL XL2 1.8g
色素 1 60g
色素 2 15g
印字濃度向上剤(A−1) 20g
トリエチレングリコール 30g
グリセリン 100g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 100g
トリエタノールアミン 10g
サーフィノール465 10g
PROXEL XL2 1.8g
ブラックインク液2以下の組成:
印字濃度向上剤を、A−1に替えて下記表1に示すように変更した以外は、ブラックインク液1の調製と同様にして、ブラックインク液2〜7を作製した。
印字濃度向上剤を、A−1に替えて下記表1に示すように変更した以外は、ブラックインク液1の調製と同様にして、ブラックインク液2〜7を作製した。
印字濃度向上剤を変更する場合は、印字濃度向上剤の添加量がインク液1に対して等モルとなるように使用した。
なお、印字濃度向上剤を添加しない場合(ブラックインク液8)、マレイン酸を添加した場合(ブラックインク液9)、前記特許文献2に記載のマレイン酸:マレイン酸トリエタノールアミンが1:3でなる添加剤を加えた場合(ブラックインク液10)を、比較例とした。
これらのブラックインクをセイコーエプソン(株)製インクジェットプリンターPM−980Cのブラックインクのカートリッジに装填し、その他の色のインクはPM−980Cの純正インクを使用したときに、濃度が11段階、階段状に変化したブラックの単色画像を印字させた。受像シートはセイコーエプソン(株)製フォトマット紙(KA450PM、EPSON)に画像を印刷し、印字濃度と画像堅牢性の評価を行った。
(評価方法)
1)印字濃度については、フォトマット紙(KA450PM、EPSON)に30℃80%RHの環境下で11段階に段階状に印字した単色画像の画像濃度を反射濃度計(X−Rite社製310TR)を用いて測定し、そのなかで最も印字濃度の高い画像の測定結果を比較した。
1)印字濃度については、フォトマット紙(KA450PM、EPSON)に30℃80%RHの環境下で11段階に段階状に印字した単色画像の画像濃度を反射濃度計(X−Rite社製310TR)を用いて測定し、そのなかで最も印字濃度の高い画像の測定結果を比較した。
2)画像堅牢性については、フォトマット紙(KA450PM、EPSON)に印字したブラック画像印字サンプルの反射濃度0.9〜1.1の範囲の点を用いて以下の評価を行った。
(i)光堅牢性
印字直後の画像濃度CiをX−Rite310TRにて測定した後、アトラス社製ウェザーメーターを用い画像にキセノン光(8万5千ルックス)を10日照射した後、再び画像濃度Cfを測定し色素残存率Cf/Ci*100を求め評価を行った。色素残像率について反射濃度が1、1.5、2の3点にて評価し、いずれの濃度でも色素残存率が70%以上の場合をA、2点が70%未満の場合をB、全ての濃度で70%未満の場合をCとした。
(ii)熱堅牢性
80℃15%RHの条件下に10日間、試料を保存する前後での濃度を、X−Rite310TRにて測定し色素残存率を求め評価した。色素残像率について反射濃度が1、1.5、2の3点にて評価し、いずれの濃度でも色素残存率が90%以上の場合をA、2点が90%未満の場合をB、全ての濃度で90%未満の場合をCとした。
(iii)耐オゾン性
上記画像を形成したフォトマットを、オゾンガス濃度が0.5ppmに設定されたボックス内に7日間放置し、オゾンガス下放置前後の画像濃度をX−Rite310TRを用いて測定し、色素残存率として評価した。なお、上記反射濃度は、1、1.5、2の3点で測定した。ボックス内のオゾンガス濃度は、(株)アプリクス製オゾンガスモニター(モデル:OZG−EM−01)を用いて設定した。
何れの濃度でも色素残存率が80%以上の場合をA、1または2点が80%未満をB、全ての濃度で70%未満の場合をCとして、三段階で評価した。
(i)光堅牢性
印字直後の画像濃度CiをX−Rite310TRにて測定した後、アトラス社製ウェザーメーターを用い画像にキセノン光(8万5千ルックス)を10日照射した後、再び画像濃度Cfを測定し色素残存率Cf/Ci*100を求め評価を行った。色素残像率について反射濃度が1、1.5、2の3点にて評価し、いずれの濃度でも色素残存率が70%以上の場合をA、2点が70%未満の場合をB、全ての濃度で70%未満の場合をCとした。
(ii)熱堅牢性
80℃15%RHの条件下に10日間、試料を保存する前後での濃度を、X−Rite310TRにて測定し色素残存率を求め評価した。色素残像率について反射濃度が1、1.5、2の3点にて評価し、いずれの濃度でも色素残存率が90%以上の場合をA、2点が90%未満の場合をB、全ての濃度で90%未満の場合をCとした。
(iii)耐オゾン性
上記画像を形成したフォトマットを、オゾンガス濃度が0.5ppmに設定されたボックス内に7日間放置し、オゾンガス下放置前後の画像濃度をX−Rite310TRを用いて測定し、色素残存率として評価した。なお、上記反射濃度は、1、1.5、2の3点で測定した。ボックス内のオゾンガス濃度は、(株)アプリクス製オゾンガスモニター(モデル:OZG−EM−01)を用いて設定した。
何れの濃度でも色素残存率が80%以上の場合をA、1または2点が80%未満をB、全ての濃度で70%未満の場合をCとして、三段階で評価した。
上記表に示されている結果から、印字濃度向上剤である化合物を添加した本発明のブラックインクを使用した場合は、印字濃度が向上し、比較例に対して勝っていることが明らかである。
さらに、イエロー、マゼンタおよびシアンの各インクの色素と印字濃度向剤との併用においても同様の効果を示すことを確認した。
Claims (13)
- 色素を含む水性のインクジェット記録用インクにおいて、ホスホン酸基とカルボキシル基とを有する化合物またはホスホン酸基を少なくとも2個有する化合物を印字濃度向上剤として含むことを特徴とするインクジェット記録用インク。
- 前記ホスホン酸基とカルボキシル基とを有する化合物またはホスホン酸基を少なくとも2個有する化合物が、下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用インク。
- 前記一般式(1)で表される化合物のXがリチウムであることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録用インク。
- 前記色素が、フタロシアニン色素、モノアゾ色素、ジスアゾ色素、トリスアゾ色素またはテトラキスアゾ色素から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
- 前記ジスアゾ色素が下記一般式(3)で表されることを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録用インク。
- 前記ジスアゾ色素が下記一般式(4)で表されることを特徴とする請求項6に記載のインクジェット記録用インク。
- 前記フタロシアニン色素が、下記一般式(5)で表されることを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録用インク。
- 前記色素が下記物性のいずれかまたは両方を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
物性1:|λmax(DMF)−λmax(水)|≧30nm
物性2:ε(DMF)≧ε(水)
〔DMF溶媒で測定した吸収スペクトルの最大吸収波長をλmax(DMF)、水溶媒で測定した吸収スペクトルの最大吸収波長をλmax(水)とし、DMF溶媒でのモル吸光係数をε(DMF)、水溶媒でのモル吸光係数をε(水)とする。〕 - ホスホン酸基とカルボキシル基とを有する化合物またはホスホン酸基を少なくとも2個有する化合物からなるインクジェット記録用インクの印字濃度向上剤。
- 前記ホスホン酸基とカルボキシル基とを有する化合物またはホスホン酸基を少なくとも2個有する化合物が、下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする請求項10に記載の印字濃度向上剤。
- 前記一般式(1)で表される化合物のXがリチウムであることを特徴とする請求項11に記載の印字濃度向上剤。
- 請求項10〜12のいずれかに記載の印字濃度向上剤を用いることを特徴とするインクジェット記録方法における印字濃度向上方法。
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