JP4810123B2 - インク組成物及びインクジェット記録方法 - Google Patents
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Description
(1)三原色の黄色としての色再現性に優れた吸収特性を有し、且つ光、熱、湿度及び環境中の活性ガスに対して十分な堅牢性を有し、且つブロンズ現象が発生しない新規なインク組成物を提供すること、
(2)特に、イエロー系アゾ色素の使用により良好な色相を有し、光及び環境中の活性ガス、特にオゾンガスに対して堅牢性が高く、耐水性に優れ、且つブロンズ現象が発生しない画像を形成することができる、インクジェット記録用インク組成物及びインクジェット記録方法を提供すること、及び
(3)上記のインクジェット記録方法を利用することによって、ブロンズ現象が発生しない画像記録物及びブロンズ現象を改良する方法を提供すること、
にある。
水、
一般式(2)、(3)、又は(4)で表されるイエロー系染料、
並びに式(AC1)で表される芳香族化合物、下記化合物群Aの化合物及びそれらの塩から選ばれた少なくとも1つの酸基含有化合物
を含むことを特徴とするインクジェット記録用インク組成物。
一般式(2)〜(4)のR3 〜R 10 で表される一価の基は後述するアリール基の置換基と同じである。
Ar1、Ar 2 、Ar 4 、及びAr 5 はそれぞれ独立に、ヘテロ環基又はアリール基を表す。
Ar1、Ar 2 、Ar 4 、及びAr 5 で表されるヘテロ環基のヘテロ環としては、5員又は6員環のヘテロ環を表し、それらは更に縮環していてもよい。また、芳香族ヘテロ環であっても非芳香族ヘテロ環であっても良い。それらは置換基を有していても良く、置換基は、後述するアリール基の置換基と同じである。
Ar 1 、Ar 2 、Ar 4 、及びAr 5 で表されるアリール基としては置換もしくは無置換のアリール基である。
アリール基の置換基は、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基(塩の形でもよい)、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基(塩の形でもよい)、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、又はシリル基である。
Ar 3 及びAr 6 はアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、二価のヘテロ環基、−O−、−CO−、−NR−(Rは水素原子、アルキル基又はアリール基)、−S−、−SO 2 −、−SO−又はこれらの組み合わせより選択される二価の連結基である。
Mは水素原子又はLi、Na、K、NH 4 、NR 4 (但し、Rはアルキル基又はアリール基を表す。)より選択されるカチオンである。
Z−(X)n (AC1)
Xはそれぞれ独立に、カルボキシル基(−COOH)、スルホ基(−SO3H)、及びリン酸基(−OP(O)(OH)2)から選ばれ、それらは塩の形をとりうる。nは1〜6の整数を表す。nが2以上のときは、Xは同じでも異なっていてもよい。
Zは置換基を有してよい、フェニル基、ピリジル基、ピリドニル基、チオフェニル基、フラニル基、ナフチル基、キノリル基、インドリニル基、ベンゾチエニル基、又はベンゾフラニル基を表し、これらが置換基を有する場合の置換基は、前記アリール基の置換基と同じである。
化合物群A:酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、n−バレリアン酸(n−吉草酸)、ラウリン酸(ドデカン酸)、ヘキサヒドロ安息香酸(シクロヘキサンカルボン酸);蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシリック アシッド、エチレンジアミン テトラアセティックアシッド;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸;アスコルビン酸、クエン酸;ピロメリト酸(ピロメリテック アシッド)、トリメシン酸、トリメリト酸、スルホフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、p−メルカプト安息香酸(p−メルカプトベンゾイック アシッド)、チオサリチル酸、スルホサリチル酸、
ピリジン−2−カルボン酸、ピリジン−3−カルボン酸、ピリジン−4−カルボン酸、ニコチン酸、イソニコチン酸、キノリン酸、ルチジン酸、イソシンコメロン酸、及びジピコリン酸からなる群。
〔2〕
前記式(AC1)におけるnが1又は2の整数を表し、Zが置換基を有する場合の置換基がアルキル基を表すことを特徴とする〔1〕に記載のインクジェット記録用インク組成物。
〔3〕
前記酸基含有化合物が、化合物群Aの化合物及びそれらの塩から選択されることを特徴とする〔1〕又は〔2〕に記載のインクジェット記録用インク組成物。
〔4〕
前記酸基含有化合物が、ピリジン−2−カルボン酸、ピリジン−3−カルボン酸、またはピリジン−4−カルボン酸及びそれらの塩であることを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のインクジェット記録用インク組成物。
〔5〕
前記酸基含有化合物が、ピリジン−2−カルボン酸及びそれらの塩であることを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のインクジェット記録用インク組成物。
〔6〕
前記酸基含有化合物をインク組成物全量に対して0.1〜6質量%含むことを特徴とする〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載のインクジェット記録用インク組成物。
〔7〕
前記酸基含有化合物:前記イエロー系染料の質量比が0.1:1.0〜6.0:1.0であることを特徴とする〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載のインクジェット記録用インク組成物。
〔8〕
23℃におけるインク組成物のpHが7〜9であることを特徴とする〔1〕〜〔7〕のいずれか一項に記載のインクジェット記録用インク組成物。
〔9〕
〔1〕〜〔8〕のいずれか一項に記載のインク組成物を含むことを特徴とするインクジェット記録用インクセット。
〔10〕
〔1〕〜〔9〕のいずれか一項に記載のインク組成物またはインクセットを用いることを特徴とするインクジェット記録方法。
〔11〕
インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて記録を行うことを特徴とする〔10〕に記載のインクジェット記録方法。
〔12〕
〔10〕または〔11〕に記載のインクジェット記録方法を用いて記録されたことを特徴とするインクジェット記録物。
〔13〕
式(AC1)で表される芳香族化合物、下記化合物群Aの化合物及びそれらの塩から選ばれた少なくとも1つの酸基含有化合物を用いることを特徴とする一般式(2)、(3)又は(4)で表されるイエロー系染料を含むインクジェット記録におけるブロンズ現象の改良方法。
一般式(2)〜(4)のR3 〜R 10 で表される一価の基は後述するアリール基の置換基と同じである。
Ar1、Ar 2 、Ar 4 、及びAr 5 はそれぞれ独立に、ヘテロ環基又はアリール基を表す。
Ar1、Ar 2 、Ar 4 、及びAr 5 で表されるヘテロ環基のヘテロ環としては、5員又は6員環のヘテロ環を表し、それらは更に縮環していてもよい。また、芳香族ヘテロ環であっても非芳香族ヘテロ環であっても良い。それらは置換基を有していても良く、置換基は、後述するアリール基の置換基と同じである。
Ar 1 、Ar 2 、Ar 4 、及びAr 5 で表されるアリール基としては置換もしくは無置換のアリール基である。
アリール基の置換基は、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基(塩の形でもよい)、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基(塩の形でもよい)、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、又はシリル基である。
Ar 3 及びAr 6 はアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、二価のヘテロ環基、−O−、−CO−、−NR−(Rは水素原子、アルキル基又はアリール基)、−S−、−SO 2 −、−SO−又はこれらの組み合わせより選択される二価の連結基である。
Mは水素原子又はLi、Na、K、NH 4 、NR 4 (但し、Rはアルキル基又はアリール基を表す。)より選択されるカチオンである。
Z−(X)n (AC1)
Xはそれぞれ独立に、カルボキシル基(−COOH)、スルホ基(−SO3H)、及びリン酸基(−OP(O)(OH)2)から選ばれ、それらは塩の形をとりうる。nは1〜6の整数を表す。nが2以上のときは、Xは同じでも異なっていてもよい。
Zは置換基を有してよい、フェニル基、ピリジル基、ピリドニル基、チオフェニル基、フラニル基、ナフチル基、キノリル基、インドリニル基、ベンゾチエニル基、又はベンゾフラニル基を表し、これらが置換基を有する場合の置換基は、前記アリール基の置換基と同じである。
化合物群A:酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、n−バレリアン酸(n−吉草酸)、ラウリン酸(ドデカン酸)、ヘキサヒドロ安息香酸(シクロヘキサンカルボン酸);蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシリック アシッド、エチレンジアミン テトラアセティックアシッド;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸;アスコルビン酸、クエン酸;ピロメリト酸(ピロメリテック アシッド)、トリメシン酸、トリメリト酸、スルホフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、p−メルカプト安息香酸(p−メルカプトベンゾイック アシッド)、チオサリチル酸、スルホサリチル酸、
本発明は上記〔1〕〜〔13〕にかかるものであるが、その他の事項についても参考のため記載している。
(1) 水、酸化電位が1.0Vより貴であるイエロー系染料、並びにカルボキシル基、スルホ基及びリン酸基の少なくとも1つを有する、芳香族化合物(複素環であっても炭化水素環であってもよい芳香族化合物)、脂肪族化合物及びそれらの塩から選ばれた少なくとも1つの酸基含有化合物を含むことを特徴とするインク組成物。
(2) 前記酸基含有化合物が、芳香族化合物及びその塩であることを特徴とする(1)に記載のインク組成物。
(3) 前記酸基含有化合物が、カルボキシル基の少なくとも1つを有することを特徴とする(1)または(2)に記載のインク組成物。
(4) 前記酸基含有化合物が、ピリジン−2−カルボン酸、ピリジン−3−カルボン酸、またはピリジン−4−カルボン酸及びそれらの塩であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか一項に記載のインク組成物。
(5) 前記酸基含有化合物が、ピリジン−2−カルボン酸及びそれらの塩であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか一項に記載のインク組成物。
(6) 前記イエロー系染料が下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載のインク組成物。
(7) 前記酸基含有化合物をインク組成物全量に対して0.1〜6質量%含むことを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載のインク組成物。
(8) 前記酸基含有化合物:前記イエロー系染料の質量比が0.1:1.0〜6.0:1.0であることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載のインク組成物。
(9) 更に、アセチレングリコール系界面活性剤を含むことを特徴とする(1)〜(8)のいずれか一項に記載のインク組成物。
(10) 前記アセチレングリコール系界面活性剤をインク組成物全量に対して0.1〜5質量%含むことを特徴とする(9)記載のインク組成物。
(11) 更に、グリコールエーテル系浸透促進剤を含むことを特徴とする(1)〜(10)のいずれか一項に記載のインク組成物。
(12) 更に、グリセリン及び/またはトリエチレングリコールを含むことを特徴とする(1)〜(11)のいずれか一項に記載のインク組成物。
(13) 更に、尿素を含むことを特徴とする(1)〜(12)のいずれか一項に記載のインク組成物。
(14) 更に、トリエタノールアミンを含むことを特徴とする(1)〜(13)のいずれか一項に記載のインク組成物。
(15) 更に、防腐剤を含むことを特徴とする(1)〜(14)のいずれか一項に記載のインク組成物。
(16) 23℃におけるインク組成物のpHが7〜9であることを特徴とする(1)〜(15)のいずれか一項に記載のインク組成物。
(17) (1)〜(16)のいずれか一項に記載のインク組成物を含むことを特徴とするインクセット。
(18) (1)〜(17)のいずれか一項に記載のインク組成物またはインクセットを用いることを特徴とするインクジェット記録方法。
(19) 電歪素子の機械的変形によりインク滴を形成するインクジェットヘッドを用いることを特徴とする(18)に記載のインクジェット記録方法。
(20) インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて記録を行うことを特徴とする(18)または(19)に記載のインクジェット記録方法。
(21) (18)〜(20)のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法を用いて記録されたことを特徴とするインクジェット記録物。
(22) 前記酸基含有化合物を用いることを特徴とするイエロー系染料を含むインクジェット記録におけるブロンズ現象の改良方法。
以下、本発明に有用なイエロー染料について詳細に説明する。
本発明において使用するイエロー染料は、堅牢性、オゾンガスに対する堅牢性の点から、酸化電位が1.0V(vs SCE)よりも貴である染料が好ましく、1.1V(vs SCE)よりも貴である染料がさらに好ましく、1.2V(vs SCE)よりも貴である染料が特に好ましい。
酸化電位の値(Eox)は当業者が容易に測定することができる。この方法に関しては、例えばP.Delahay著“New InstrumentalMethods in Electrochemistry”(1954年 Interscience Publishers社刊)やA.J.Bard他著“Electrochemical Methods”(1980年 JohnWiley & Sons社刊)、藤嶋昭他著“電気化学測定法”(1984年 技報堂出版社刊)に記載されている。
なお、電位を一義的に規定する為、本発明では0.1moldm-3の過塩素酸テトラプロピルアンモニウムを支持電解質として含むN,N−ジメチルホルムアミド中(染料の濃度は10-3mol/L)で参照電極としてSCE(飽和カロメル電極)、作用極としてグラファイト電極、対極として白金電極を使用して測定した値(vs SCE)を染料の酸化電位とする。
以下、一般式(1)について詳細に説明する。
R1、R2およびZの一価の基としては後述するアリール基の置換基と同じである。
前記染料はその分子中にアゾ基を2個有するが、[1]分子中に2個のアゾ基が置換した基を1つ有するか、[2]アゾ基を1個有する基を2つ有する。前記アゾ基が置換した基及び前記アゾ基を有する基としてはヘテロ環基が好ましい。ヘテロ環基を構成するヘテロ環としては、例えば、5-ピラゾロン環、5-アミノピラゾール環、オキサゾロン環、バルビツール酸環、ピリドン環、ローダニン環、ピラゾリジンジオン環、ピラゾロピリドン環、メルドラム酸環が挙げられ、5-ピラゾロン環および5−アミノピラゾール環が好ましく、5-アミノピラゾールが特に好ましい。
本発明において、Mは水素原子又はカチオンである。Mで表されるカチオンとしては、アルカリ金属イオン、アンモニウム又は第4級アンモニウムカチオンであり、好ましくはLi、Na、K、NH4、NR4である。但し、R はアルキル基およびアリール基であり後述するアルキル基およびアリール基と同じである。
Ar1およびAr2で表されるヘテロ環基のヘテロ環としては、5員又は6員環のものが好ましく、それらは更に縮環していてもよい。また、芳香族ヘテロ環であっても非芳香族ヘテロ環であっても良い。例えば、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、キノキサリン、ピロール、インドール、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、ベンズオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾール、イソオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、イミダゾリジン、チアゾリンなどが挙げられる。中では芳香族ヘテロ環基が好ましく、その好ましい例を先と同様に例示すると、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、ベンズオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾールが挙げられ、より好ましくはイミダゾール、、ベンズオキサゾール、チアジアゾールが挙げられ、チアジアゾール(好ましくは1,3,4−チアジアゾール、1,2,4−チアジアゾール)が最も好ましい。それらは置換基を有していても良く、置換基の例としては、後述するアリール基の置換基と同じである。
Ar1およびAr2で表されるアリール基としては置換もしくは無置換のアリール基が含まれる。置換もしくは無置換のアリール基としては、炭素数6から30のアリール基が好ましい。アリール基の置換基の例としては、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基(塩の形でもよい)、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基(塩の形でもよい)、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基が例として挙げられる。
Ar1およびAr2で表されるアリール基としては置換フェニル基(置換基はカルボキシル基又はスルホ基が好ましい)がより好ましい。
ハロゲン原子は、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を表す。
アルキル基は、置換もしくは無置換のアルキル基が含まれる。置換又は無置換のアルキル基は、炭素原子数が1〜30のアルキル基が好ましい。置換基の例としては、アリール基の置換基と同じものが挙げられる。中でも、ヒドロキシル基、アルコキシ基、シアノ基、およびハロゲン原子、スルホ基(塩の形でもよい)およびカルボキシル基(塩の形でもよい)が好ましい。前記アルキル基の例には、メチル、エチル、ブチル、t−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、ヒドロキシエチル、シアノエチルおよび4−スルホブチルを挙げることが出来る。
アルケニル基は、直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基を表す。好ましくは炭素数2−30の置換又は無置換のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル、2−シクロペンテンー1−イル、2−シクロヘキセンー1−イルなどを挙げることが出来る。
アリール基は炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリール基、例えばフェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルアミノフェニルである。
ヘテロ環基は5又は6員の置換もしくは無置換の、芳香族もしくは非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、更に好ましくは、炭素数3から30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル、モルホリノである。
シリルオキシ基は、炭素数3から20のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシである。
ヘテロ環オキシ基は、炭素数2から30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基、例えば、1−フェニルテトラゾールー5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシである。
アシルオキシ基はホルミルオキシ基、炭素数2から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニルオキシである。
カルバモイルオキシ基は、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイルオキシである。
アルコキシカルボニルオキシ基は、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えばメトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、n−オクチルカルボニルオキシである。
アリールオキシカルボニルオキシ基は、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシである。
アシルアミノ基は、ホルミルアミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノである。
アミノカルボニルアミノ基は、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ、例えば、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノである。
アルコキシカルボニルアミノ基は炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチルーメトキシカルボニルアミノである。
アリールオキシカルボニルアミノ基は、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ、p-クロロフェノキシカルボニルアミノ、m-n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノである。
スルファモイルアミノ基は、炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノである。
アルキル及びアリールスルホニルアミノ基は炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ、例えば、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノである。
アリールチオ基は炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールチオ、例えば、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メトキシフェニルチオである。
ヘテロ環チオ基は炭素数2から30の置換又は無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオである。
アルキル及びアリールスルフィニル基は、炭素数1から30の置換又は無置換のアルキルスルフィニル基、6から30の置換又は無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニル、p−メチルフェニルスルフィニルである。
アルキル及びアリールスルホニル基は、炭素数1から30の置換又は無置換のアルキルスルホニル基、6から30の置換又は無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−メチルフェニルスルホニルである。
アルコキシカルボニル基は、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニルである。
カルバモイル基は、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイル、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイルである。
ホスフィニル基は、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル、ジオクチルオキシホスフィニル、ジエトキシホスフィニルである。
ホスフィニルオキシ基は、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィニルオキシである。
ホスフィニルアミノ基は、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチルアミノホスフィニルアミノである。
シリル基は、炭素数3から30の置換もしくは無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリルである。
Ar3で表される二価の連結基はアルキレン基(例、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン)、アルケニレン基(例、エテニレン、プロぺニレン)、アルキニレン基(例、エチニレン、プロピニレン)、アリーレン基(例、フェニレン、ナフチレン)、二価のヘテロ環基(例、6ークロロー1、3、5ートリアジンー2、4ージイル基、ピリミジン2、4ージイル基、キノキサリンー2、3ージイル基、ピリダジンー3,6−ジイル)、−O−、−CO−、−NR−(Rは水素原子、アルキル基又はアリール基)、−S−、−SO2 −、−SO−又はこれらの組み合わせ(例えば−NHCH2CH2NH−、−NHCONH−等)であることが好ましい。
アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、二価のヘテロ環基、Rのアルキル基又はアリール基は、置換基を有していてもよい。置換基の例としては、アリール基の置換基と同じである。Rのアルキル基およびアリール基は前述と同義である。
さらに好ましくは、炭素数10以下のアルキレン基、炭素数10以下のアルケニレン基、炭素数10以下のアルキニレン基、炭素数6以上10以下のアリーレン基、−S−、−SO-、―SO2-又はこれらの組み合わせ(例えば−SCH2CH2 S−、−SCH2CH2CH2S−等)であることがさらに好ましい。
二価の連結基の総炭素数は0乃至50であることが好ましく、0乃至30であることがより好ましく、0乃至10であることが最も好ましい。
親水性基としてはイオン性解離基である限りいかなるものであってもよい。具体的にはスルホ基、カルボキシル基(それらの塩を含む)、水酸基(塩でもよい)、ホスホノ基(塩でもよい)又は4級アンモニウムを挙げることが出来る。好ましくはスルホ基、カルボキシル基、水酸基(それらの塩を含む)である。
前記一般式(1)(2)(3)および(4)で表される染料は、色再現性の観点から、H2O中で380〜490nmの最大吸収波長(λmax)を有することが好ましく、400〜480nmのλmaxを有することがさらに好ましく、420〜460nmのλmaxを有することが特に好ましい。
(1)NaHCO3 18.5gおよびH2O 185mlを40℃に加温し、化合物a 18.4gおよびアセトン48mlの溶液を加え、一時間攪拌した。アセトンを濃縮した後、ヒドラジン40gを加え室温で3時間攪拌し、析出した結晶をろ過し、14gの化合物bを得た。
(2)化合物b 10.5g、化合物c 20gおよびH2O 330mlの混合物に1N−NaOH10ml加え、3時間加温した。ろ過し、ロ液を酢酸で酸性にして析出した結晶ろ過し、4gの化合物dを得た。
(3)15gの化合物eをジアゾ化し、化合物d 3g、MeOH100mlおよびAcOK16gの混合物に5℃で加えた。析出した結晶をろ過し、セファデックスを用いてカラムクロマトを行い、4.9gの染料(Dye1)を得た。
λmax451.7nm(H2O)、ε:5.88×104(dm3.cm/mol)
〔Dye20の合成〕
以下にDye20の合成過程を示す。前記Dye1の合成法を適用することでDye20が同様に合成できる。
9.1gの化合物fと27mlのN,N−ジメチルアセトアミドの混合物に22.6gの化合物gを加え、室温で2時間反応し、メタノールを加え析出した結晶を炉別し23gの化合物hを得た。
化合物iの合成:
23gの化合物h、CF3COOH 31ml、チオ尿素6.2gを120℃で2時間攪拌し、H2OおよびEtOHを添加し析出した結晶をろ過し化合物i 14gを得た。
化合物jの合成:
化合物i 14gと水150mlの混合液に10%KOH 80mlを加え、室温で2時間攪拌し、濃塩酸32mlを加え析出した結晶をろ過し、14gの化合物jを得た。
Dye40の合成:
5.5gの化合物jをNaNO2 0.9gでジアゾ化し、中間体d 2.2g、ジメチルホルムアミド10ml、メタノール50mlの混合物に10℃以下で加えた。析出した結晶をろ過し、5%KOHでアルカリ性にし、セファデックスを用いてカラムクロマトを行い、3.4gのDye40を得た。
λmax456.8nm(H2O)、ε:6.10×104(dm3.cm/mol)
〔Dye62の合成〕
NaHCO3 18.5gおよびH2O 185mlを40℃に加温し、化合物a1(東京化成品)18.4gおよびアセトン48mlの溶液を加え、一時間攪拌した。アセトンを濃縮した後、ヒドラジン40gを加え室温で3時間攪拌し、析出した結晶をろ過し、14gの化合物b1(m.p.>300℃)を得た。
(2)化合物c1の合成:
化合物b1 10.5g、ピバロイルアセトニトリル(東京化成品) 20gおよびH2O 330mlの混合物に1N−NaOH10ml加え、3時間加温した。ろ過し、ロ液を酢酸で酸性にして析出した結晶ろ過し、4gの化合物c1(m.p.=233〜235℃)を得た。1H-NMR(DMSO-d6),δ値TMS基準:1.2〜1.3(18H,s)
(3)化合物e1の合成:
化合物d1 90.57gを、H2O 500mlに懸濁しておき、130mlの濃塩酸を注入後内温が5℃以下になるまで冷却した。次に亜硝酸ナトリウム36.23gと70mlの水溶液を内温4〜6℃の範囲で滴下し、更に内温5℃以下で30分間撹拌した。次に、159gの亜硫酸ナトリウムと636mlのH2Oを内温20℃以下を保ちながら注入し、更に内温25℃で250mlの濃塩酸を注入し、引き続き内温90℃で1時間撹拌後、内温を室温が冷却後ろ過、200mlの水で洗浄し風乾後80.0gの化合物e1を得た。
化合物e1 23.3gと209mlのエタノール懸濁液にトリエチルアミン28mlを室温で滴下後12.2gのエトキシメチレンマロノニトリル(ALDRICH品)を分割添加し、3時間還流し室温まで冷却後ろ過、400mlのイソプロピルアルコールで洗浄し乾燥後23.57gの化合物f1を得た。
(5)Dye62の合成:
化合物f1 5.4gを43mlの燐酸に室温で溶解し、内温0℃で撹拌しながら3mlの亜硝酸イソアミル(東京化成品)を滴下し、同温度で10分間撹拌した後、3gの化合物c1を100mlのメタノールに懸濁した溶液へ、内温−3〜5℃で滴下し、そのまま同温度で20分間撹拌した後、500mlのH2Oへ反応液を注ぎ、室温で10分間撹拌した後、ろ過、H2O洗浄して、風乾後Dye62の粗結晶5.5gを得た。得られた粗結晶を10wt%aq(at25℃:pH≒8.3:KOHaq調製)とした後、ゲルクロマトグラフィ(H2O;SephadexLH−20;AmershamBiosciences)で精製して、2.8gのDye62を得た。
λmax=436nm(H2O)、ε:3.38×104(dm3.cm/mol)
他の染料も同様に合成することが出来る。
本発明では、芳香族化合物は複素環であっても炭化水素環であってもよい芳香族化合物を意味する。
前記芳香族化合物、脂肪族化合物は好ましくは次式(AC1)で表される。
Z−(X)n (AC1)
式中、Zは芳香族基、または脂肪族基を表す。Xはそれぞれ独立に、カルボキシル基(−COOH)、スルホ基(−SO3H)、及びリン酸基(−OP(O)(OH)2)から選ばれ、それらは塩の形をとりうる。nは1〜6の整数、好ましくは1〜4の整数、より好ましくは1または2を表す。nが2以上のときは、Xは同じでも異なっていてもよい。塩のカウンターカチオンについては制限はなく、アルカリ金属、アンモニウム、有機のカチオン(テトラメチルアンモニウム、グアニジニウム、ピリジウムなど)を挙げることができるが、中でもアルカリ金属、アンモニウムが好ましく、特にリチウム、カリウム、ナトリウム、アンモニウムが好ましく、リチウム、アンモニウムが最も好ましい。
芳香族基は単環芳香族基でも多環でもよく、好ましくは置換基を有してよい、フェニル基、ピリジル基、ピリドニル基、チオフェニル基、フラニル基等が挙げられる。
多環芳香族基として、好ましくは置換基を有してよい、ナフチル基、キノリル基、インドリニル基、ベンゾチエニル基、ベンゾフラニル基等が挙げられる。
前記連結基としては、−O−、−S−、−NH−、−CO−、−CH2−、−CH(CH3)−、−CH=CH−等及びこれらが複数組合わさった基が挙げられる。
芳香族基及び脂肪族基の置換基としては、前記アリール基の置換基と同じものが挙げられる。Xが結合する位置は芳香族基、脂肪族基に直接でも、またそれらの置換基にでもよい。
上記の酸基含有化合物の中で、芳香族化合物(及びその塩)が好ましい。さらに、環構造にヘテロ原子を少なくとも一つ含む芳香族化合物が好ましい。ヘテロ原子としては窒素がより好ましい。カルボキシル基、スルホ基、リン酸基の中で、カルボキシル基がより好ましい。これらの化合物は実質的に無色であることが好ましい。実質的に無色とは、最も長波側の吸収ピークの波長(λmax)が350nm以下で、且つモル吸光係数が1万以下である。具体的にはピコリン酸(ピリジン−2−カルボン酸)、(ピリジン−3−カルボン酸)、(ピリジン−4−カルボン酸)及びその塩が好ましく、ピリジン−2−カルボン酸及びその塩が特に好ましく用いられる。
上記酸基含有化合物(の合計量)をインク組成物全量に対して、好ましくは0.01〜60%質量%、より好ましくは0.05〜10質量%、更に好ましくは0.1〜6質量%含む。
本発明の好ましいインク組成物(以降、「インク組成物」を単に「インク」と略記することあり)は、少なくとも一種の一般式(1)で表される染料を含有するインクである。 本発明のインクは、媒体を含有させることができるが、媒体として溶媒を用いた場合は特にインクジェット記録用インクとして好適である。本発明のインクは、媒体として、親油性媒体や水性媒体を用いて、それらの中に、本発明の染料を溶解及び/又は分散させることによって作製することができる。好ましくは、水性媒体を用いる場合である。
インク組成物中において、前記酸基含有化合物(の合計量):前記イエロー系染料の質量比が0.1:1.0〜6.0:1.0であることが好ましく、0.5:1.0〜3.0:1.0がより好ましい。
本発明ではジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル系浸透促進剤が好ましく用いられる。
これらはインク中に10〜30質量%含有すれば充分な効果があり、印字の滲み、紙抜け(プリントスルー)を起こさない添加量の範囲で使用するのが好ましい。
尚、これらの詳細については「防菌防黴剤事典」(日本防菌防黴学会事典編集委員会編)等に記載されている。
また、防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト、ベンゾトリアゾール等が挙げられる。これらは、インク中に0.02〜5.00質量%使用するのが好ましい。
前記有機塩基としては、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン等が挙げられる。前記無機アルカリとしては、アルカリ金属の水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等)、炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等)、アンモニウム等が挙げられる。また、前記有機酸としては、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、アルキルスルホン酸等が挙げられる。前記無機酸としては、塩酸、硫酸、リン酸等が挙げられる。pH調整剤としは、トリエタノールアミンが特に好ましく用いられる。
本発明ではアセチレングリコール系(好ましくはアセチレン系ポリオキシエチレンオキシド)界面活性剤が好ましく用いられ、その例として、SURFYNOLS(AirProducts&Chemicals社、サーフィノール465など)が挙げられる。界面活性剤の含有量はインク組成物全量に対して0.001〜15質量%、好ましくは0.005〜10質量%、更に好ましくは0.01〜5質量%、特に好ましくは0.1〜5質量%である。
本発明で用いるインクの表面張力は動的・静的表面張力のいずれも、25℃において20〜50mN/m以下であることが好ましく、20〜40mN/m以下であることが更に好ましい。表面張力が50mN/mを超えると吐出安定性、混色時のにじみ、ひげ等印字品質が著しく低下する。また、インクの表面張力を20mN/m以下にすると吐出時、ハード表面へのインクの付着等により印字不良となる場合がある。
粘度の調製はインク溶剤の添加量で任意に調製可能である。インク溶剤として例えば、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエタノールアミン、2−ピロリドン、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテルなどがある。
また、粘度調整剤を使用してもよい。粘度調整剤としては、例えば、セルロース類、ポリビニルアルコールなどの水溶性ポリマーやノニオン系界面活性剤等が挙げられる。更に詳しくは、「粘度調製技術」(技術情報協会、1999年)第9章、及び「インクジェットプリンタ用ケミカルズ(98増補)−材料の開発動向・展望調査−」(シーエムシー、1997年)162 〜174 頁に記載されている。
本発明のインクは被記録材に記録される。本発明の好ましいインクジェット記録方法は、前記インクジェット記録用インクにエネルギーを供与して、被記録材としての公知の受像材料、即ち普通紙、樹脂コート紙、例えば特開平8−169172号公報、同8−27693号公報、同2−276670号公報、同7−276789号公報、同9−323475号公報、特開昭62−238783号公報、特開平10−153989号公報、同10−217473号公報、同10−235995号公報、同10−337947号公報、同10−217597号公報、同10−337947号公報等に記載されているインクジェット専用紙、フィルム、電子写真共用紙、布帛、ガラス、金属、陶磁器等に画像を形成する。なお、本発明のインクジェット記録方法として特開2003−306623号公報段落番号0093〜0105の記載が適用できる。
具体的には、特開2002−166638号公報、特開2002−121440号公報、特開2002−154201号公報、特開2002−144696号公報、特開2002−080759号公報、特開2002−187342号公報、特開2002−172774号公報に記載された方法を好ましく用いることができる。
以下、本発明を実施例によって説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
〔イエローインクY-101処方〕
イエロー染料(Dye40) 50g/l
尿素 10g/l
トリエチレングリコール 90g/l
グリセリン 90g/l
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 90g/l
2-ピロリドン 20g/l
トリエタノールアミン 7g/l
サーフィノール465(日信化学製) 10g/l
プロキセルXL2(アビシア製) 5g/l
Y-101 イエロー染料(Dye-40 50g/l) 本発明化合物無添加
Y-102 イエロー染料(Dye-1 50g/l) 本発明化合物無添加
Y-103 イエロー染料(Dye-40 50g/l) 本発明化合物(2−ナフトエ酸:30g/l)
Y-104 イエロー染料(Dye-40 50g/l) 本発明化合物(マロン酸:20g/l)
Y-105 イエロー染料(Dye-40 50g/l) 本発明化合物(p−トルエンスルホン酸:25g/l)
Y-106 イエロー染料(Dye-1 50g/l) 本発明化合物(ピリジン−2−カルボン酸:20g/l)
Y-107 イエロー染料(Dye-40 50g/l) 本発明化合物(ピリジン−2−カルボン酸:20g/l)
Y-108 イエロー染料(Dye-62 50g/l) 本発明化合物(ピリジン−2−カルボン酸:20g/l)
尚、本発明化合物添加によるpH変動は塩基(ex.KOH)あるいは酸(ex.クエン酸)にてpHを8〜8.5の範囲に調製した。
また、比較タイプとしてエプソン(株)社製のPM-G800のイエローインクカートリッジを使用し、インクセット109とした。
これらのインクをEPSON社製インクジェットプリンターPM-G800のカートリッジに装填し、受像シートはEPSON 写真用紙<光沢>、およびEPSON 光沢紙に階段状に濃度が変化したイエローの単色画像パターンならびにグリーン、レッド、グレーの画像パターンをPM−G800にて印字させ、画像品質ならびにインクの吐出性と画像堅牢性の評価を行った。
1)吐出安定性については、カートリッジをプリンターにセットし全ノズルからのインクの突出を確認した後、A4 20枚出力し、以下の基準で評価した。
A:印刷開始から終了まで印字の乱れ無し
B:印字の乱れのある出力が発生する
C:印刷開始から終了まで印字の乱れあり
この実験を、インク充填直後(吐出性A)と、インクカートリッジを40℃80%RHの条件下、2週間保存後(吐出性B)に行った。
2)イエロー染料の画像保存性については、グレー画像パターンを用いて、グレー中のイエロー濃度を測定することで以下の評価を行った。
[1]光堅牢性は印字直後の画像濃度CiをX-rite 310にて測定した後、アトラス社製ウェザーメーターを用い画像にキセノン光(10万ルックス)を10日照射した後、再び画像濃度Cfを測定し染料残存率Cf/Ci×100を求め評価を行った。染料残像率について反射濃度が0.7,1.4,1.8の3点にて評価し、いずれの濃度でも染料残存率が85%以上の場合をA、1点が85%未満の場合をB、2点が85%の場合をC、3点全ての濃度で85%未満の場合をDとした。
[2]熱堅牢性については、80℃60%RHの条件下に7日間、試料を保存する前後での濃度を、X-rite 310にて測定し染料残存率を求め評価した。染料残像率について反射濃度が0.7,1.4,1.8の3点にて評価し、いずれの濃度でも染料残存率が85%以上の場合をA、1点が85%未満の場合をB、2点が85%未満の場合をC、全ての濃度で85%未満の場合をDとした。
[3]耐オゾン性については、オゾンガス濃度が5ppmに設定されたボックス内に10日間放置し、オゾンガス下放置前後の画像濃度を反射濃度計(X−Rite310TR)を用いて測定し、色素残存率として評価した。尚、前記反射濃度は、0.7、1.4及び1.8の3点で測定した。ボックス内のオゾンガス濃度は、APPLICS製オゾンガスモニター(モデル:OZG−EM−01)を用いて設定した。
何れの濃度でも染料残存率が85%以上の場合をA、1点が85%未満をB、2点が85%の場合をC、全ての濃度で85%未満の場合をDとして、四段階で評価した。
3)金属光沢の発生有無は、イエロー及びレッドのベタ印画部を反射光により目視観察し評価した。
得られた結果を下表に示す。
Claims (13)
- 水、
一般式(2)、(3)、又は(4)で表されるイエロー系染料、
並びに式(AC1)で表される芳香族化合物、下記化合物群Aの化合物及びそれらの塩から選ばれた少なくとも1つの酸基含有化合物
を含むことを特徴とするインクジェット記録用インク組成物。
Ar1、Ar 2 、Ar 4 、及びAr 5 はそれぞれ独立に、ヘテロ環基又はアリール基を表す。
Ar1、Ar 2 、Ar 4 、及びAr 5 で表されるヘテロ環基のヘテロ環としては、5員又は6員環のヘテロ環を表し、それらは更に縮環していてもよい。また、芳香族ヘテロ環であっても非芳香族ヘテロ環であっても良い。それらは置換基を有していても良く、置換基は、後述するアリール基の置換基と同じである。
Ar 1 、Ar 2 、Ar 4 、及びAr 5 で表されるアリール基としては置換もしくは無置換のアリール基である。
アリール基の置換基は、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基(塩の形でもよい)、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基(塩の形でもよい)、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、又はシリル基である。
Ar 3 及びAr 6 はアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、二価のヘテロ環基、−O−、−CO−、−NR−(Rは水素原子、アルキル基又はアリール基)、−S−、−SO 2 −、−SO−又はこれらの組み合わせより選択される二価の連結基である。
Mは水素原子又はLi、Na、K、NH 4 、NR 4 (但し、Rはアルキル基又はアリール基を表す。)より選択されるカチオンである。
Z−(X)n (AC1)
Xはそれぞれ独立に、カルボキシル基(−COOH)、スルホ基(−SO3H)、及びリン酸基(−OP(O)(OH)2)から選ばれ、それらは塩の形をとりうる。nは1〜6の整数を表す。nが2以上のときは、Xは同じでも異なっていてもよい。
Zは置換基を有してよい、フェニル基、ピリジル基、ピリドニル基、チオフェニル基、フラニル基、ナフチル基、キノリル基、インドリニル基、ベンゾチエニル基、又はベンゾフラニル基を表し、これらが置換基を有する場合の置換基は、前記アリール基の置換基と同じである。
化合物群A:酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、n−バレリアン酸(n−吉草酸)、ラウリン酸(ドデカン酸)、ヘキサヒドロ安息香酸(シクロヘキサンカルボン酸);蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシリック アシッド、エチレンジアミン テトラアセティックアシッド;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸;アスコルビン酸、クエン酸;ピロメリト酸(ピロメリテック アシッド)、トリメシン酸、トリメリト酸、スルホフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、p−メルカプト安息香酸(p−メルカプトベンゾイック アシッド)、チオサリチル酸、スルホサリチル酸、
ピリジン−2−カルボン酸、ピリジン−3−カルボン酸、ピリジン−4−カルボン酸、ニコチン酸、イソニコチン酸、キノリン酸、ルチジン酸、イソシンコメロン酸、及びジピコリン酸からなる群。 - 前記式(AC1)におけるnが1又は2の整数を表し、Zが置換基を有する場合の置換基がアルキル基を表すことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用インク組成物。
- 前記酸基含有化合物が、化合物群Aの化合物及びそれらの塩から選択されることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録用インク組成物。
- 前記酸基含有化合物が、ピリジン−2−カルボン酸、ピリジン−3−カルボン酸、またはピリジン−4−カルボン酸及びそれらの塩であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録用インク組成物。
- 前記酸基含有化合物が、ピリジン−2−カルボン酸及びそれらの塩であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット記録用インク組成物。
- 前記酸基含有化合物をインク組成物全量に対して0.1〜6質量%含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット記録用インク組成物。
- 前記酸基含有化合物:前記イエロー系染料の質量比が0.1:1.0〜6.0:1.0であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェット記録用インク組成物。
- 23℃におけるインク組成物のpHが7〜9であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のインクジェット記録用インク組成物。
- 請求項1〜8のいずれか一項に記載のインク組成物を含むことを特徴とするインクジェット記録用インクセット。
- 請求項1〜9のいずれか一項に記載のインク組成物またはインクセットを用いることを特徴とするインクジェット記録方法。
- インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて記録を行うことを特徴とする請求項10に記載のインクジェット記録方法。
- 請求項10または11に記載のインクジェット記録方法を用いて記録されたことを特徴とするインクジェット記録物。
- 式(AC1)で表される芳香族化合物、下記化合物群Aの化合物、及びそれらの塩から選ばれた少なくとも1つの酸基含有化合物を用いることを特徴とする一般式(2)、(3)、又は(4)で表されるイエロー系染料を含むインクジェット記録におけるブロンズ現象の改良方法。
Ar1、Ar 2 、Ar 4 、及びAr 5 はそれぞれ独立に、ヘテロ環基又はアリール基を表す。
Ar1、Ar 2 、Ar 4 、及びAr 5 で表されるヘテロ環基のヘテロ環としては、5員又は6員環のヘテロ環を表し、それらは更に縮環していてもよい。また、芳香族ヘテロ環であっても非芳香族ヘテロ環であっても良い。それらは置換基を有していても良く、置換基は、後述するアリール基の置換基と同じである。
Ar 1 、Ar 2 、Ar 4 、及びAr 5 で表されるアリール基としては置換もしくは無置換のアリール基である。
アリール基の置換基は、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基(塩の形でもよい)、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基(塩の形でもよい)、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、又はシリル基である。
Ar 3 及びAr 6 はアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、二価のヘテロ環基、−O−、−CO−、−NR−(Rは水素原子、アルキル基又はアリール基)、−S−、−SO 2 −、−SO−又はこれらの組み合わせより選択される二価の連結基である。
Mは水素原子又はLi、Na、K、NH 4 、NR 4 (但し、Rはアルキル基又はアリール基を表す。)より選択されるカチオンである。
Z−(X)n (AC1)
Xはそれぞれ独立に、カルボキシル基(−COOH)、スルホ基(−SO3H)、及びリン酸基(−OP(O)(OH)2)から選ばれ、それらは塩の形をとりうる。nは1〜6の整数を表す。nが2以上のときは、Xは同じでも異なっていてもよい。
Zは置換基を有してよい、フェニル基、ピリジル基、ピリドニル基、チオフェニル基、フラニル基、ナフチル基、キノリル基、インドリニル基、ベンゾチエニル基、又はベンゾフラニル基を表し、これらが置換基を有する場合の置換基は、前記アリール基の置換基と同じである。
化合物群A:酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、n−バレリアン酸(n−吉草酸)、ラウリン酸(ドデカン酸)、ヘキサヒドロ安息香酸(シクロヘキサンカルボン酸);蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシリック アシッド、エチレンジアミン テトラアセティックアシッド;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸;アスコルビン酸、クエン酸;ピロメリト酸(ピロメリテック アシッド)、トリメシン酸、トリメリト酸、スルホフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、p−メルカプト安息香酸(p−メルカプトベンゾイック アシッド)、チオサリチル酸、スルホサリチル酸、
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