JP4928792B2 - インク、インクジェット記録方法及びアゾ染料 - Google Patents

インク、インクジェット記録方法及びアゾ染料 Download PDF

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Description

本発明は、アゾ色素、該色素を含む画像形成等に用いるインク及びインクジェット記録方法、感熱記録材料、カラートナー、カラーフィルターに関する。
近年、画像記録材料としては、特にカラー画像を形成するための材料が主流であり、具体的には、インクジェット方式の記録材料、感熱転写方式の記録材料、電子写真方式の記録材料、転写式ハロゲン化銀感光材料、印刷インク、記録ペン等が盛んに利用されている。また、撮影機器ではCCDなどの撮像素子において、ディスプレーではLCDやPDPにおいて、カラー画像を記録・再現するためにカラーフィルターが使用されている。
これらのカラー画像記録材料やカラーフィルターでは、フルカラー画像を表示あるいは記録する為に、いわゆる加法混色法や減法混色法の3原色の色素(染料や顔料)が使用されているが、好ましい色再現域を実現出来る吸収特性を有し、且つさまざまな使用条件、環境条件に耐えうる堅牢な色素がないのが実状であり、改善が強く望まれている。
インクジェット記録方法は、材料費が安価であること、高速記録が可能なこと、記録時の騒音が少ないこと、更にカラー記録が容易であることから、急速に普及し、更に発展しつつある。
インクジェット記録方法には、連続的に液滴を飛翔させるコンティニュアス方式と画像情報信号に応じて液滴を飛翔させるオンデマンド方式が有り、その吐出方式にはピエゾ素子により圧力を加えて液滴を吐出させる方式、熱によりインク中に気泡を発生させて液滴を吐出させる方式、超音波を用いた方式、あるいは静電力により液滴を吸引吐出させる方式がある。また、インクジェット記録用インクとしては、水性インク、油性インク、あるいは固体(溶融型)インクが用いられる。
このようなインクジェット記録用インクに用いられる色素に対しては、溶剤に対する溶解性あるいは分散性が良好なこと、高濃度記録が可能であること、色相が良好であること、光、熱、環境中の活性ガス(NOx、オゾン等の酸化性ガスの他SOxなど)に対して堅牢であること、水や薬品に対する堅牢性に優れていること、受像材料に対して定着性が良く滲みにくいこと、インクとしての保存性に優れていること、毒性がないこと、純度が高いこと、更には、安価に入手できることが要求されている。しかしながら、これらの要求を高いレベルで満たす色素を提供することは、極めて難しい。特に、良好なイエロー色相を有し、光、湿度、熱に対して堅牢な色素であること、中でも多孔質の白色無機顔料粒子を含有するインク受容層を有する受像材料上に印字する際には環境中のオゾンなどの酸化性ガスに対して堅牢であることが強く望まれている。
電子写真方式を利用したカラーコピア、カラーレーザープリンターにおいては、一般に樹脂粒子中に着色材を分散させたトナーが広く用いられている。カラートナーに要求される性能として、好ましい色再現域を実現出来る吸収特性、特にOverHeadProjector(以下OHP)で使用される際に問題となる高い透過性(透明性)、及び使用される環境条件下における各種堅牢性が挙げられる。顔料を着色材として粒子に分散させたトナーが特開昭62−157051号、同62−255956号及び特開平6−118715号に開示されているが、これらのトナーは耐光性には優れるが、不溶性であるため凝集しやすく、透明性の低下や透過色の色相変化が問題となる。一方、染料を着色材として使用したトナーが特開平3−276161号、同7−209912号、同8−123085号に開示されているが、これらのトナーは逆に透明性が高く、色相変化はないものの、耐光性に問題がある。
感熱転写記録は、装置が小型で低コスト化が可能なこと、操作や保守が容易であること、更にランニングコストが安いこと等の利点を有している。感熱転写記録で使用される色素に要求される性能として、好ましい色再現域を実現出来る吸収特性、熱移行性と転写後の定着性の両立、熱安定性、得られた画像の各種堅牢性が挙げられるが、従来知られていた色素ではこれらの性能をすべて満足するものはない.例えば定着性と耐光性を改良する目的から、熱拡散性色素を予め受像材料中に添加した遷移金属イオンによってキレート形成させる感熱転写記録材料及び画像形成方法が特開昭60−2398号等で提案されているが、形成されるキレート色素の吸収特性は不満足なレベルであり、遷移金属を使用することによる環境上の問題もある。
カラーフィルタは高い透明性が必要とされるために、染料を用いて着色する染色法と呼ばれる方法が行われてきた。たとえば、被染色性のフォトレジストをパターン露光,現像することによりパターンを形成し、次いでフィルタ色の染料で染色する方法を全フィルタ色について順次繰り返すことにより、カラーフィルタを製造することができる。染色法の他にも米国特許4,808,501号や特開平6−35182号などに記載されたポジ型レジストを用いる方法によってもカラーフィルターを製造する事ができる。これらの方法は染料を使用するために透過率が高く、カラーフィルタの光学特性は優れているが、耐光性や耐熱性等に限界があり、諸耐性に優れかつ透明性の高い色素が望まれていた。一方、染料の代わりに耐光性や耐熱性が優れる有機顔料を用いる方法が広く知られているが、顔料を用いたカラーフィルタでは染料のような光学特性を得ることは困難であった。
上記の各用途で使用する色素には、共通して次のような性質を具備している必要がある。即ち、色再現性上好ましい吸収特性を有すること、使用される環境条件下における堅牢性、例えば耐光性、耐熱性、耐湿性、オゾンなどの酸化性ガスに対する耐性、その他亜硫酸ガスなどの耐薬品堅牢性が良好であること等である。
特に、良好なイエロー色相を有し、光、湿熱及び環境中の活性ガス、中でもオゾンなどの酸化性ガスに対して堅牢な色素が強く望まれている。
インクジェット記録用インクに用いられるイエローの色素骨格としてはアゾ系が代表的である。
代表的なアゾ色素としては、特開昭57−5770および58−147470号記載のアミノピラゾールアゾ色素およびピラゾロンアゾキレート色素、特開昭57−642775号記載のピラゾロンアゾ色素、特開平6−184481号記載のピリドンアゾ色素、特開平5−255625号および5−331396号記載のスチルベンアゾ色素および特開昭57−65757号記載のビスアゾ染料などを挙げることができる。また、特開平2−24191号には熱転写用チアジアゾールーアゾーピラゾール色素が開示されている。さらに、J.Soc.Dye & Cololurists 102,176−181(1986)にはトリアジニルピラゾール骨格を有する色素が記載されているがインクジェット用インク、感熱転写用インクシート、カラートナーおよびカラーフィルターでの使用は記載されていない。
これらの色素は、昨今環境問題として取りあげられることの多い酸化窒素ガスやオゾン等の酸化性ガスによって変色及び消色し、同時に印字濃度も低下してしまう。また、耐光性も必ずしも満足できない色素が多い。
今後、使用分野が拡大して、広告等の展示物に広く使用されると、光、熱、湿度や環境中の活性ガスに曝される場合が多くなるため、特に良好な色相を有し、光堅牢性、湿熱堅牢性および環境中の活性ガス(NO、オゾン等の酸化性ガスの他SOなど)に対する堅牢性に優れた色素及びインク組成物がますます強く望まれるようになる。
しかしながら、これらの要求を高いレベルで満たすアゾ色素及びイエローインクを捜し求めることは、極めて難しい。特開2003‐277662号にはアミノピラゾールをトリアジン、もしくはピリミジンで連結することによって、高い画像堅牢性および良好な色相を有するアゾ色素を得ているが、まだ満足のいくレベルではなかった。
本発明は、前記従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、1)三原色の色素として色再現性に優れた吸収特性を有し、且つ光,熱,湿度および環境中の活性ガスに対して十分な堅牢性を有する新規な化合物を提供し、2)色相と堅牢性に優れた着色画像や着色材料を与える、インクジェットなどの印刷用のインク、感熱記録インクシート、電子写真用カラートナー、LCD、PDPなどのディスプレイやCCDなどの撮像素子で用いられるカラーフィルターなどの各種着色組成物を提供し、3)特に、該色素の使用により良好な色相を有し、光、湿熱及び環境中の活性ガス、特にオゾンガスに対して堅牢性の高い画像を形成することができるインク及びインクジェット記録方法を提供し、4)工業・農業・医療・学術などに用いる有用な有機化合物あるいはその中間体となり得る特定の構造の新規な色素誘導体を提供することを目的とする。
本発明者らは、良好な色相を有し、且つ光、オゾンおよび湿熱に対する堅牢性の高い色素を目指して詳細に検討したところ、従来知られていない特定の色素構造の下記一般式(1)で表される化合物により、前記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。即ち、本発明は、
<1>
下記一般式(1)で表され、且つ1.10V以上の酸化電位を有することを特徴とするアゾ染料。
Figure 0004928792

式中、Aは各々独立して、下記A−1〜A−19で表されるヘテロ環群から選ばれるヘテロ環基を示す。
Lは、下記L−1、L−3、L−6、L−7、L−8、L−11、L−12、L−15、L−16、L−17、L−18、L−20、及びL−21で表される群から選ばれるヘテロ環を示し、これらは置換基として、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基またはシリル基を有していてもよい。但し、L−21のBは、上記Bと結合することを意味する。
Bは各々独立して、下記B−1〜B〜20で表されるヘテロ環群から選ばれるヘテロ環を示す。mは2以上の整数を表す。
Figure 0004928792

式中、A−1〜A−19は、夫々、置換基として、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基またはシリル基を有していてもよい。Azoはアゾ基を示す。
Figure 0004928792


Figure 0004928792

式中、B−1〜B−20は、夫々、置換基として、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基またはシリル基を有していてもよい。R 〜R は、夫々独立して、水素原子または置換基を示す。Azoはアゾ基を示す。
<2>
一般式(1)で表されるアゾ染料において、1.15V以上の酸化電位を有することを特徴とする、上記<1>に記載のアゾ染料。
<3>
一般式(1)で表されるアゾ染料において、1.20V以上の酸化電位を有することを特徴とする、上記<1>または<2>に記載のアゾ染料。
<4>
一般式(1)で表されるアゾ染料において、Bが、下記B−1〜B〜10で表されるヘテロ環群から選ばれることを特徴とする、上記<1>〜<3>のいずれか1項に記載のアゾ染料。
Figure 0004928792

式中、B−1〜B−10は、夫々、置換基として、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基またはシリル基を有していてもよい。R 〜R は、夫々独立して、水素原子または置換基を示す。Azoはアゾ基を示す。
<5>
一般式(1)で表されるアゾ染料において、Aが、前記A−1〜A−9及びA−16〜A−19で表されるヘテロ環群から選ばれることを特徴とする、上記<1>〜<4>のいずれか1項に記載のアゾ染料。
<6>
一般式(1)で表されるアゾ染料が、少なくとも1つ以上のイオン性親水性基を有することを特徴とする、上記<1>〜<5>のいずれか1項に記載のアゾ染料。
<7>
上記<1>〜<6>のいずれか1項に記載のアゾ染料を、少なくとも1種以上含有することを特徴とするインク組成物。
<8>
上記<7>に記載のインク組成物を含有することを特徴とする、インクジェット用インク。
<9>
上記<8>に記載のインクを含有することを特徴とする、インクジェット用インクセット。
<10>
支持体上に白色無機顔料粒子を含有するインク受容層を有する受像材料上に、上記<8>または<9>に記載のインクまたはインクセットを用いて画像形成することを特徴とするインクジェット記録方法。
<11>
支持体上に白色無機顔料粒子を含有するインク受容層を有する受像材料上に、上記<8>または<9>に記載のインクまたはインクセットを用いて画像形成した、着色画像。
<12>
上記<1>〜<6>のいずれか1項に記載のアゾ染料を、少なくとも1種以上含有することを特徴とするインクシート。
<13>
上記<1>〜<6>のいずれか1項に記載のアゾ染料を、少なくとも1種以上含有することを特徴とするカラートナー。
<14>
上記<1>〜<6>のいずれか1項に記載のアゾ染料を、少なくとも1種以上含有することを特徴とするカラーフィルター。
本発明は上記<1>〜<14>に関するものであるが、その他の事項についても参考のため記載した。
1.下記一般式(1)で表され、且つ1.10V以上の酸化電位を有することを特徴とするアゾ染料。
Figure 0004928792
式中、AおよびBは、夫々独立して、置換または無置換のヘテロ環基を示す。
Lは、下記L−1〜L〜23で表される群から選ばれるヘテロ環を示し、これらは置換基を有していてもよい。但し、L−21〜L〜23のBは、上記Bと結合することを意味する。mは2以上の整数を表す。
Figure 0004928792
2. 一般式(1)で表されるアゾ染料において、1.15V以上の酸化電位を有することを特徴とする、1に記載のアゾ染料。
3. 一般式(1)で表されるアゾ染料において、1.20V以上の酸化電位を有することを特徴とする、1または2に記載のアゾ染料。
4. 一般式(1)で表されるアゾ染料において、Bが、下記B−1〜B〜20で表されるヘテロ環群から選ばれることを特徴とする、1〜3のいずれかに記載のアゾ染料。
Figure 0004928792
式中、B−1〜B−20は、夫々、置換基を有していてもよく、また縮環していてもよい。R〜Rは、夫々独立して、水素原子または置換基を示す。Azoはアゾ基を示す。
5. 一般式(1)で表されるアゾ染料において、Aが、下記A−1〜A−19で表されるヘテロ環群から選ばれることを特徴とする、1〜4のいずれかに記載のアゾ染料。
Figure 0004928792
式中、A−1〜A−19は、さらに置換基を有していてもよく、Azoはアゾ基を示す。但し、一般式(1)において、Bが、B−1、B−2、B−8である場合は、Aは、A-7になることはない。
6. 一般式(1)で表されるアゾ染料が、少なくとも1つ以上のイオン性親水性基を有することを特徴とする、1〜5のいずれかに記載のアゾ染料。
7. 1〜6のいずれかに記載のアゾ染料を、少なくとも1種以上含有することを特徴とするインク組成物。
8. 7に記載のインク組成物を含有することを特徴とする、インクジェット用インク。
9. 8に記載のインクを含有することを特徴とする、インクジェット用インクセット。
10. 支持体上に白色無機顔料粒子を含有するインク受容層を有する受像材料上に、8または9に記載のインクまたはインクセットを用いて画像形成することを特徴とするインクジェット記録方法。
11. 支持体上に白色無機顔料粒子を含有するインク受容層を有する受像材料上に、8または9に記載のインクまたはインクセットを用いて画像形成した、着色画像。
12. 1〜6のいずれかに記載のアゾ染料を、少なくとも1種以上含有することを特徴とするインクシート。
13. 1〜6のいずれかに記載のアゾ染料を、少なくとも1種以上含有することを特徴とするカラートナー。
14. 1〜6のいずれかに記載のアゾ染料を、少なくとも1種以上含有することを特徴とするカラーフィルター。
を提供するものである。
本発明によれば、1)三原色の色素として色再現性に優れた吸収特性を有し、且つ光,熱,湿度および環境中の活性ガスに対して十分な堅牢性を有する新規な色素を提供し、2)色相と堅牢性に優れた着色画像や着色材料を与える、インクジェットなどの印刷用のインク、感熱記録材料におけるインクシート、電子写真用のカラートナー、LCD、PDPなどのディスプレイやCCDなどの撮像素子で用いられるカラーフィルター、各種繊維の染色の為の染色液などの各種着色組成物を提供し、3)特に、該色素の使用により良好な色相を有し、光及び環境中の活性ガス、特にオゾンガスに対して堅牢性の高い画像を形成することができるインク及びインクジェット記録方法を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明におけるアゾ染料は前記一般式(1)で表される。
Figure 0004928792
(式中、AおよびBはそれぞれ独立に置換されてもよい、ヘテロ環基を示し、これらはそれぞれ縮環していてもよい。Lは下記L−1〜L〜23で表される群から選ばれるヘテロ環を示し、これらは置換基を有していてもよく、また縮環していてもよい。但し、L−1〜L〜20におけるBの置換位置はそれぞれ任意であるが、L−21〜L〜23においては所定の位置である。mは2以上の整数を表し、複数あるAおよびBはそれぞれ独立に、同じであっても、異なっていてもよい。)
Figure 0004928792
これらは置換基を有していても良く、置換基の例としては、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基またはシリル基が例として挙げられる。これらはさらに置換基を有していてもよく、また、イオン性親水性基を有するものは塩の形態をとっていてもよい。
前記段落に記載の置換基の例について以下に詳しく説明する。
ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等を表し、アルキル基は、置換もしくは無置換のアルキル基が含まれる。置換または無置換のアルキル基は、炭素原子数が1〜30のアルキル基が好ましい。置換基の例としては、ヒドロキシル基、アルコキシ基、シアノ基、およびハロゲン原子、スルホ基(塩の形でもよい)およびカルボキシル基(塩の形でもよい)が好ましい。前記アルキル基の例には、メチル、エチル、ブチル、t−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、ヒドロキシエチル、シアノエチルおよび4−スルホブチルを挙げることが出来る。
シクロアルキル基は、置換もしくは無置換のシクロアルキル基が含まれる。置換基または無置換のシクロアルキル基は、炭素原子数が5〜30のシクロアルキル基が好ましい。置換基の例としては、前述の置換基と同じものが挙げられる。前記シクロアルキル基の例にはシクロヘキシル、シクロペンチル、4−n−ドデシルシクロヘキシルを挙げることが出来る。
アラルキル基は、置換もしくは無置換のアラルキル基が含まれる。置換もしくは無置換のアラルキル基としては、炭素原子数が7〜30のアラルキル基が好ましい。置換基の例としては、前述の置換基と同じものが挙げられる。前記アラルキル基の例にはベンジルおよび2−フェネチルを挙げることが出来る。
アルケニル基は、直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基を表す。置換基の例としては、前述の置換基と同じものが挙げられる。前記アルケニル基の例には、炭素数2から30の置換または無置換のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イルを挙げることが出来る。
アルキニル基は、炭素数2から30の置換または無置換のアルキニル基であり、置換基の例としては、前述の置換基と同じものが挙げられる。前記アルキニル基の例には、エチニル、プロパルギルを挙げることが出来る。
アリール基は炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリール基であり、置換基の例としては、前述の置換基と同じものが挙げられる。前記アリール基の例には、フェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルアミノフェニルを挙げることが出来る。
ヘテロ環基は、5または6員の置換もしくは無置換の、芳香族もしくは非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、更に好ましくは、炭素数3から30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。置換基の例としては、前述の置換基と同じものが挙げられる。前記へテロ環基の例には、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリルを挙げることが出来る。
アルコキシ基は置換もしくは無置換のアルコキシ基が含まれる。置換もしくは無置換のアルコキシ基としては、炭素原子数が1乃至30のアルコキシ基が好ましい。置換基の例としては、前述の置換基と同じものが挙げられる。前記アルコキシ基の例には、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−オクチルオキシ、メトキシエトキシ、ヒドロキシエトキシおよび3−カルボキシプロポキシなどを挙げることが出来る。
アリールオキシ基は、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基であり、置換基の例としては、前述の置換基と同じものが挙げられる。前記アリールオキシキ基の例には、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、2−テトラデカノイルアミノフェノキシを挙げることが出来る。
シリルオキシ基は、炭素数3から20のシリルオキシ基である。置換基の例としては、前述の置換基と同じものが挙げられる。前記シリルオキシキ基の例には、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシを挙げることが出来る。
ヘテロ環オキシ基は、炭素数2から30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基である。置換基の例としては、前述の置換基と同じものが挙げられる。前記へテロ環オキシ基の例には、1−フェニルテトラゾールー5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシを挙げることが出来る。
アシルオキシ基はホルミルオキシ基、炭素数2から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基である。置換基の例としては、前述の置換基と同じものが挙げられる。前記アシルオキシ基の例には、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニルオキシを挙げることが出来る。
カルバモイルオキシ基は、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基である。置換基の例としては、前述の置換基と同じものが挙げられる。前記へテロ環基の例には、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイルオキシを挙げることが出来る。
アルコキシカルボニルオキシ基は、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基である。置換基の例としては、前述の置換基と同じものが挙げられる。前記アルコキシカルボニルオキシ基の例には、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、n−オクチルカルボニルオキシを挙げることが出来る。
アリールオキシカルボニルオキシ基は、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基である。置換基の例としては、前述の置換基と同じものが挙げられる。前記アリールオキシカルボニルオキシ基の例には、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシを挙げることが出来る。
アミノ基は、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアニリノ基である。置換基の例としては、前述の置換基と同じものが挙げられる。前記アミノ基の例には、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、N−メチル−アニリノ、ジフェニルアミノを挙げることが出来る。
アシルアミノ基は、ホルミルアミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基である。置換基の例としては、前述の置換基と同じものが挙げられる。前記アシルアミノ基の例には、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノを挙げることが出来る。
アミノカルボニルアミノ基は、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノである。置換基の例としては、前述の置換基と同じものが挙げられる。前記アミノカルボニルアミノ基の例には、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノを挙げることが出来る。
アルコキシカルボニルアミノ基は炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基である。置換基の例としては、前述の置換基と同じものが挙げられる。前記アルコキシカルボニルアミノ基の例には、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチルーメトキシカルボニルアミノを挙げることが出来る。
アリールオキシカルボニルアミノ基は、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基である。置換基の例としては、前述の置換基と同じものが挙げられる。前記アリールオキシカルボニルアミノ基の例には、フェノキシカルボニルアミノ、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノを挙げることが出来る。
スルファモイルアミノ基は、炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基である。置換基の例としては、前述の置換基と同じものが挙げられる。前記スルファモイルアミノ基の例には、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノを挙げることが出来る。
アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基は炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノである。置換基の例としては、前述の置換基と同じものが挙げられる。前記アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基の例には、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノを挙げることが出来る。
アルキルチオ基は、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基である。置換基の例としては、前述の置換基と同じものが挙げられる。前記アルキルチオ基の例には、メチルチオ、エチルチオ、n−ヘキサデシルチオを挙げることが出来る。
アリールチオ基は炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールチオである。置換基の例としては、前述の置換基と同じものが挙げられる。前記アリールチオ基の例には、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メトキシフェニルチオを挙げることが出来る。
ヘテロ環チオ基は炭素数2から30の置換または無置換のヘテロ環チオ基である。置換基の例としては、前述の置換基と同じものが挙げられる。前記へテロ環チオ基の例には、2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオを挙げることが出来る。
スルファモイル基は炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイル基である。置換基の例としては、前述の置換基と同じものが挙げられる。前記スルファモイル基の例には、N−エチルスルファモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル、N−(N‘−フェニルカルバモイル)スルファモイル)を挙げることが出来る。
アルキルもしくはアリールスルフィニル基は、炭素数1から30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、6から30の置換または無置換のアリールスルフィニル基である。置換基の例としては、前述の置換基と同じものが挙げられる。前記アルキルもしくはアリールスルフィニル基の例には、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニル、p−メチルフェニルスルフィニルを挙げることが出来る。
アルキルもしくはアリールスルホニル基は、炭素数1から30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6から30の置換または無置換のアリールスルホニル基である。置換基の例としては、前述の置換基と同じものが挙げられる。前記アルキルもしくはアリールスルホニル基の例には、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−メチルフェニルスルホニルを挙げることが出来る。
アシル基はホルミル基、炭素数2から30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数4から30の置換もしくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基である。置換基の例としては、前述の置換基と同じものが挙げられる。前記アシル基の例には、アセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル、2−ピリジルカルボニル、2―フリルカルボニルを挙げることが出来る。
アリールオキシカルボニル基は、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基である。置換基の例としては、前述の置換基と同じものが挙げられる。前記アリールオキシカルボニル基の例には、フェノキシカルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、p−t−ブチルフェノキシカルボニルを挙げることが出来る。
アルコキシカルボニル基は、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基である。置換基の例としては、前述の置換基と同じものが挙げられる。前記アルコキシカルボニル基の例には、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニルを挙げることが出来る。
カルバモイル基は、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイルである。置換基の例としては、前述の置換基と同じものが挙げられる。前記カルバモイル基の例には、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイルを挙げることが出来る。
ホスフィノ基は、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィノ基である。置換基の例としては、前述の置換基と同じものが挙げられる。前記ホスフィノ基の例には、ジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、メチルフェノキシホスフィノを挙げることが出来る。
ホスフィニル基は、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニル基である。置換基の例としては、前述の置換基と同じものが挙げられる。前記ホスフィニル基の例には、ホスフィニル、ジオクチルオキシホスフィニル、ジエトキシホスフィニルを挙げることが出来る。
ホスフィニルオキシ基は、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基である。置換基の例としては、前述の置換基と同じものが挙げられる。前記ホスフィニルオキシ基の例には、ジフェノキシホスフィニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィニルオキシを挙げることが出来る。
ホスフィニルアミノ基は、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基である。置換基の例としては、前述の置換基と同じものが挙げられる。前記ホスフィニルアミノ基の例には、ジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチルアミノホスフィニルアミノを挙げることが出来る。
シリル基は、炭素数3から30の置換もしくは無置換のシリル基である。置換基の例としては、前述の置換基と同じものが挙げられる。前記シリル基の例には、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリルを挙げることが出来る。
連結基Lとしては、L‐1、L−3、L−6、L−7、L−8、L−11、L−12、L−15、L−16、L−17、L−18、L−20、L−21が好ましく、より好ましくはL−1、L−3、L−8、L−11、L−12、L−16、L−17、L−20が、最も好ましくはL−1、L−8、L−17である。
一般式(1)におけるBとしては、下記B−1〜20に表されるものが好ましく、B−1〜10がより好ましく、B−1’〜6’および3”で表される置換位置にアゾ基を有するものが最も好ましい。式中のヘテロ環はそれぞれ置換基を有していてもよく、また縮環していてもよい。Azoはアゾ基を示す。R〜Rはそれぞれ独立に水素原子、あるいは任意の置換基を示す。
Figure 0004928792
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ヘテロ環に直結する置換基の例としては、上記のLの置換基と同じものが挙げられる。R〜Rの例としては、水素、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、またはシリル基が挙げられる。これらの好ましい例については、上記のLの置換基における例と同じである。
一般式(1)におけるAとしては、下記A−1〜19に表されるものが好ましく、A−1〜9およびA−16〜19がより好ましく、A−6’〜9’、16’〜19’、8”、17”および19”で表される置換位置にアゾ基を有するものが、もっとも好ましい。式中のヘテロ環はそれぞれ置換基を有していてもよく、また縮環していてもよい。Azoはアゾ基を示す。
Figure 0004928792
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これらの置換基の例としては、上記のLの置換基と同じものが挙げられ、好ましい例も同じである。
次に酸化電位について説明する。
本発明では、求電子剤であるオゾンとの反応性を下げるために、アゾ結合の両末端をヘテロ環にすることで酸化電位を上げ、さらに連結基にヘテロ環を用いることによって電子吸引的な置換基効果により、より高い酸化電位を得ている。酸化電位は1.10V(vs SCE)よりも貴とすることが望ましい。酸化電位は貴であるほど好ましく、酸化電位が1.15V(vs SCE)よりも貴であるものがより好ましく、1.20V(vs SCE)より貴であるものが最も好ましい。
本発明者らは着色画像のオゾンガス堅牢性について研究したところ、着色画像に用いる化合物の酸化電位とオゾンガス堅牢性との間に相関があり、酸化電位の値が飽和カロメル電極(SCE)に対して1.10Vよりも貴であるアゾ染料を用いることにより、オゾンガス堅牢性がより改良されることがわかった。
着色画像のオゾンガス堅牢性が改良される理由としては、化合物とオゾンガスのHOMO(最高被占軌道)およびLUMO(最低空軌道)の関係によって説明できる。すなわち、着色化合物のHOMOとオゾンガスのLUMOとの反応により着色化合物が酸化されて、その結果着色画像のオゾンガス堅牢性が低下していると考えられるため、オゾンガス堅牢性を向上させるには、化合物のHOMOを下げてオゾンガスとの反応性を低下させればよい。
酸化電位の値は、試料から電極への電子の移りやすさを表わし、その値が大きい(酸化電位が貴である)ほど試料から電極への電子の移りにくい、言い換えれば、酸化されにくいことを表わす。化合物の構造との関連では、電子求引性基を導入することにより酸化電位はより貴となり、電子供与性基を導入することにより酸化電位はより卑となる。
酸化電位の測定方法は下記に詳述するが、化合物がボルタンメトリーにおいて陽極で、化合物の電子が引き抜かれる電位を意味し、その化合物の基底状態におけるHOMOのエネルギーレベルと近似的に一致すると考えられている。
酸化電位の値(Eox)は当業者が容易に測定することができる。この方法に関しては、例えばP.Delahay著“New InstrumentalMethods in Electrochemistry”(1954年 Interscience Publishers社刊)やA.J.Bard他著“Electrochemical Methods”(1980年 JohnWiley & Sons社刊)、藤嶋昭他著“電気化学測定法”(1984年 技報堂出版社刊)に記載されている。
酸化電位の測定について具体的に説明する。酸化電位は、過塩素酸ナトリウムや過塩素酸テトラプロピルアンモニウムといった支持電解質を含むジメチルホルムアミドやアセトニトリルのような溶媒中に、被験試料を1×10-4〜1×10-6mol・dm-3の濃度に溶解して、サイクリックボルタンメトリーや直流ポーラログラフィーを用いてSCE(飽和カロメル電極)に対する値として測定する。また、用いる支持電解質や溶媒は、被験試料の酸化電位や溶解性により適当なものを選ぶことができる。用いることができる支持電解質や溶媒については藤嶋昭他著“電気化学測定法”(1984年 技報堂出版社刊)101〜118ページに記載がある。
酸化電位の値は、液間電位差や試料溶液の液抵抗などの影響で、数10ミルボルト程度偏位することがあるが、標準試料(例えばハイドロキノン)を用いて校正することにより、測定された電位の値の再現性を保証することができる。
本発明における酸化電位は、0.1mol・dm-3の過塩素酸テトラプロピルアンモニウムを支持電解質として含むN,N−ジメチルホルムアミド中(化合物の濃度は1×10-3mol・dm-3)で、参照電極としてSCE(飽和カロメル電極)、作用極としてグラファイト電極、対極として白金電極を使用し、直流ポーラログラフィーにより測定した値を使用する。
また、化合物の構造によっても酸化電位は異なるため、求電子剤であるオゾンとの反応性を下げるためには、元々酸化電位が貴である色素構造を選択したほうが、オゾンガス堅牢性の観点だけでなく、その他の堅牢性、色相、物性などを調節するために電子求引性基または電子供与性基を任意に導入することができるため、分子設計の観点からもより好ましいと言える。
前記一般式(1)で表される染料の具体例(例示染料1〜14)を以下に示すが、本発明に用いられる染料は、下記の例に限定されるものではない。
Figure 0004928792
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本発明の染料は以下の方法により合成できる。代表例として染料1、4、7の合成法を記述する。
Figure 0004928792
〔合成例〕
ピリジン誘導体(a)10gを水150mlに溶解し、氷冷下でヒドラジン水和物5.5gを25℃以下で加え、室温で8時間攪拌し、濃縮し(b)を得た。
(b)8.0g、ピバロイルアセトニトリル9.9g、炭酸水素ナトリウム20.0g、水60mlおよびエタノール60mlの溶液を2時間加熱し、塩酸22mlを加え、さらに2時間加温した。濃縮後結晶を濾過し、7.3gの(c)を得た。
(c)3.6g、メタノール14ml、酢酸9.6ml、酢酸ソーダ8.4gの混合液を10℃以下に冷却した。別に(d)3.3gを用いてジアゾ液を調合し、10℃以下で混合液に加え、室温で2時間攪拌した。反応液を、1mol/Lの水酸化カリウム水溶液で中和し、濃縮後、析出した結晶を濾過した後、セファデックスゲルクロマトグラフィーにて精製、0.7gの染料1を得た。
染料1の酸化電位を上記の方法で測定したところは1.25Vであった。
Figure 0004928792
ピラジン誘導体(a)10gをメタノール100mlに溶解し、氷冷下でナトリウムメチラートの28wt%メタノール溶液30mlを加え、2時間撹拌した後、塩化アンモニウム水溶液を注入、濃縮後濾過し、(b)を得た。
アミノピラゾール誘導体(c)8.0gをアセトニトリル80mlに溶解し、(b)を9.4gを加え、室温で7時間撹拌を行なった。次に、ヒドロキシルアミンのメタノール溶液を加えて、さらに8時間撹拌を行なった。反応終了後、この溶液に水を加え、析出した結晶を濾過し、(d)を得た。
(d)5.0gをジメチルアセトアミド20mlに溶解し、メタンスルホン酸クロライド2.6gを加え、次にピリジン4.2mlを加えた。室温で2時間撹拌後、メタノールを50ml加え、55℃で5時間撹拌を行なった。反応終了後、室温まで冷却し、水を加え、析出した結晶を濾過し、(e)を得た。
1,2,4−チアジアゾール誘導体(f)3.3gを用いてジアゾ液を調合し、(e)2.5gをメタノール25mlに溶解した溶液に、10℃以下で加え、室温で2時間撹拌した。反応液を4mol/Lの水酸化リチウム水溶液で中和し、濃縮後、析出した結晶を濾過した後、セファデックスゲルクロマトグラフィーにて精製、1.8gの染料4を得た。
染料4の酸化電位は1.20Vであった。
Figure 0004928792
ピリジン誘導体(a)10.0gをアニリン50mlに溶解させ、150℃に加熱し、2時間撹拌した。反応終了後、水を滴下し冷却した後、析出した結晶を濾過し、(b)を得た。
鉄紛7.5g、塩化アンモニウム1.2gに水20mlを加え、85℃で30分撹拌した後、室温に冷却し、イソプロピルアルコール100mlを加えた。次に、(b)10.0gを加え、70℃で3時間撹拌した。反応終了後、鉄紛を濾過で除去し、濾液を濃縮した。析出した結晶を濾過し、(c)を得た。
酢酸エチル25ml中にホスゲンを飽和させ、そこに(c)8.5gを酢酸エチル85mlに溶解させたものをゆっくり滴下した。滴下終了後、さらに50℃で30分撹拌し、その後溶媒を留去した。溶媒濃縮後、四塩化炭素中で再結晶し、(d)を得た。
(d)5.0gをエタノール5ml、N−メチルモルホリン2mlの混合液に溶解させ、120℃で15時間撹拌した。反応液を濃縮し、析出した結晶を濾過し、(e)を得た。
アミノチオフェン誘導体(f)1.5gを用いてジアゾ液を調合し、(e)1.1gをメタノール11mlに溶解した溶液に、10℃以下で加え、室温で2時間撹拌した。反応液を4mol/Lの水酸化リチウム水溶液で中和し、濃縮後、析出した結晶を濾過した後、セファデックスゲルクロマトグラフィーにて精製、0.8gの染料7を得た。
染料7の酸化電位は1.15Vであった。
上記以外の化合物例において、染料2、3、5、6、12、13および14については染料1と同様の合成法で合成できる。また、染料11については染料4と同様の合成法で合成できる。染料8、9および10については、日本化学会編“新実験化学講座14−有機化合物の合成と反応[IV]2192〜3頁および2263頁”(1978年 丸善株式会社刊)に記載の方法でB−L−B部を合成した後、アゾカップリング反応することで合成できる。
本発明の色素の用途としては、画像、特にカラー画像を形成するための画像記録材料が挙げられ、具体的には、以下に詳述するインクジェット方式記録材料を始めとして、感熱記録材料、感圧記録材料、電子写真方式を用いる記録材料、転写式ハロゲン化銀感光材料、印刷インク、記録ペン等があり、好ましくはインクジェット方式記録材料、感熱記録材料、電子写真方式を用いる記録材料であり、更に好ましくはインクジェット方式記録材料である。
また、CCDなどの固体撮像素子やLCD,PDP等のディスプレーで用いられるカラー画像を記録・再現するためのカラーフィルター、各種繊維の染色の為の染色液にも適用できる。
本発明の色素は、その用途に適した溶解性、分散性、熱移動性などの物性を、置換基で調整して使用する。また、本発明の色素は、用いられる系に応じて溶解状態、乳化分散状態、さらには固体分散状態でも使用する事が出来る。
[インク]
本発明のインクは、少なくとも一種以上の本発明の色素を含有するインクを意味する。本発明のインクは、媒体を含有させることができるが、媒体として溶媒を用いた場合は特にインクジェット記録用インクとして好適である。本発明のインクは、媒体として親油性媒体や水性媒体を用いて、それらの中に、本発明の色素を溶解及び/又は分散させることによって作製することができる。好ましくは、水性媒体を用いる場合である。本発明のインクには、媒体を除いたインク用組成物も含まれる。必要に応じてその他の添加剤を、本発明の効果を害しない範囲内において含有される。その他の添加剤としては、例えば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。これらの各種添加剤は、水溶性インクの場合にはインク液に直接添加する。油溶性染料を分散物の形で用いる場合には、染料分散物の調製後分散物に添加するのが一般的であるが、調製時に油相または水相に添加してもよい。
前記乾燥防止剤はインクジェット記録方式に用いるノズルのインク噴射口において該インクジェット用インクが乾燥することによる目詰まりを防止する目的で好適に使用される。
前記乾燥防止剤としては、水より蒸気圧の低い水溶性有機溶剤が好ましい。具体的な例としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、チオジグリコール、ジチオジグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、アセチレングリコール誘導体、グリセリン、トリメチロールプロパン等に代表される多価アルコール類、エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノエチル(又はブチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、2−ピロリドン、N−メチルー2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−エチルモルホリン等の複素環類、スルホラン、ジメチルスルホキシド、3−スルホレン等の含硫黄化合物、ジアセトンアルコール、ジエタノールアミン等の多官能化合物、尿素誘導体が挙げられる。これらのうちグリセリン、ジエチレングリコール等の多価アルコールがより好ましい。また上記の乾燥防止剤は単独で用いても良いし2種以上併用しても良い。これらの乾燥防止剤はインク中に10〜50質量%含有することが好ましい。
前記浸透促進剤は、インクジェット用インクを紙により良く浸透させる目的で好適に使用される。前記浸透促進剤としてはエタノール、イソプロパノール、ブタノール,ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテル、1,2−ヘキサンジオール等のアルコール類やラウリル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウムやノニオン性界面活性剤等を用いることができる。これらはインク中に5〜30質量%含有すれば通常充分な効果があり、印字の滲み、紙抜け(プリントスルー)を起こさない添加量の範囲で使用するのが好ましい。
前記紫外線吸収剤は、画像の保存性を向上させる目的で使用される。前記紫外線吸収剤としては特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、リサーチディスクロージャーNo.24239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤も用いることができる。
前記褪色防止剤は、画像の保存性を向上させる目的で使用される。前記褪色防止剤としては、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。有機の褪色防止剤としてはハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類などがあり、金属錯体としてはニッケル錯体、亜鉛錯体などがある。より具体的にはリサーチディスクロージャーNo.17643の第VIIのIないしJ項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載された化合物や特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物の一般式及び化合物例に含まれる化合物を使用することができる。
前記防黴剤としてはデヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンおよびその塩等が挙げられる。これらはインク中に0.02〜1.00質量%使用するのが好ましい。尚、これらの詳細については「防菌防黴剤事典」(日本防菌防黴学会事典編集委員会編)等に記載されている。
また、防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト、ベンゾトリアゾール等が挙げられる。これらは、インク中に0.02〜5.00質量%使用するのが好ましい。
前記pH調整剤としては前記中和剤(有機塩基、無機アルカリ)を用いることができる。前記pH調整剤はインクジェット用インクの保存安定性を向上させる目的で、該インクジェット用インクがpH6〜10となるように添加するのが好ましく、pH7〜10となるように添加するのがより好ましい。
前記表面張力調整剤としてはノニオン、カチオンあるいはアニオン界面活性剤が挙げられる。尚、本発明のインクジェット用インクの表面張力は20〜60mN/mが好ましい。さらに25〜45mN/mが好ましい。また本発明のインクジェット用インクの粘度は30mPa・s以下が好ましい。更に20mPa・s以下に調整することがより好ましい。界面活性剤の例としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等のアニオン系界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン系界面活性剤が好ましい。また、アセチレン系ポリオキシエチレンオキシド界面活性剤であるSURFYNOLS(AirProducts&Chemicals社)も好ましく用いられる。また、N,N−ジメチル−N−アルキルアミンオキシドのようなアミンオキシド型の両性界面活性剤等も好ましい。更に、特開昭59−157,636号の第(37)〜(38)頁、リサーチ・ディスクロージャーNo.308119(1989年)記載の界面活性剤として挙げたものも使うことができる。
前記消泡剤としては、フッ素系、シリコーン系化合物やEDTAに代表されるキレート剤等も必要に応じて使用することができる。
本発明の化合物を水性媒体に分散させる場合は、特開平11−286637号、特願平2000−78491号、同2000−80259号、同2000−62370号のように色素と油溶性ポリマーとを含有する着色微粒子を水性媒体に分散したり、特願平2000−78454号、同2000−78491号、同2000−203856号,同2000−203857号のように高沸点有機溶媒に溶解した本発明の色素を水性媒体中に分散することが好ましい。本発明の色素を水性媒体に分散させる場合の具体的な方法,使用する油溶性ポリマー、高沸点有機溶剤、添加剤及びそれらの使用量は、前記特許に記載されたものを好ましく使用することができる。あるいは、前記アゾ色素を固体のまま微粒子状態に分散してもよい。分散時には、分散剤や界面活性剤を使用することができる。分散装置としては、簡単なスターラーやインペラー攪拌方式、インライン攪拌方式、ミル方式(例えば、コロイドミル、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテーターミル等)、超音波方式、高圧乳化分散方式(高圧ホモジナイザー;具体的な市販装置としてはゴーリンホモジナイザー、マイクロフルイダイザー、DeBEE2000等)を使用することができる。上記のインクジェット記録用インクの調製方法については、先述の特許以外にも特開平5−148436号、同5−295312号、同7−97541号、同7−82515号、同7−118584号、特開平11−286637号、特願2000−87539号の各公報に詳細が記載されていて、本発明のインクジェット記録用インクの調製にも利用できる。
前記水性媒体は、水を主成分とし、所望により、水混和性有機溶剤を添加した混合物を用いることができる。前記水混和性有機溶剤の例には、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、グリコール誘導体(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングルコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル)、アミン(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、テトラメチルプロピレンジアミン)及びその他の極性溶媒(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アセトニトリル、アセトン)が含まれる。尚、前記水混和性有機溶剤は、二種類以上を併用してもよい。
本発明のインクは、100質量部中に本発明の化合物を0.2質量部以上10質量部以下含有するのが好ましい。また、本発明のインクは、本発明の化合物とともに、他の色素を併用してもよい。2種類以上の色素を併用する場合は、色素化合物の含有量の合計が前記範囲となっているのが好ましい。
本発明のインクは、単色の画像形成のみならず、フルカラーの画像形成に用いることができる。フルカラー画像を形成するために、マゼンタ色調インク、シアン色調インク、及びイエロー色調インクを用いることができ、また、色調を整えるために、更にブラック色調インクを用いてもよい。
さらに、本発明におけるインクは、上記本発明における色素の他に別のイエロー染料を同時に用いることが出来る。適用できるイエロー染料としては、任意のものを使用する事が出来る。例えばカップリング成分(以降カプラー成分と呼ぶ)としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピラゾロンやピリドン等のようなヘテロ環類、開鎖型活性メチレン化合物類、などを有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料;例えばカプラー成分として開鎖型活性メチレン化合物類などを有するアゾメチン染料;例えばベンジリデン染料やモノメチンオキソノール染料等のようなメチン染料;例えばナフトキノン染料、アントラキノン染料等のようなキノン系染料などがあり、これ以外の染料種としてはキノフタロン染料、ニトロ・ニトロソ染料、アクリジン染料、アクリジノン染料等を挙げることができる。
適用できるマゼンタ染料としては、任意のものを使用する事が出来る。例えばカプラー成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類などを有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料;例えばカプラー成分としてピラゾロン類、ピラゾロトリアゾール類などを有するアゾメチン染料;例えばアリーリデン染料、スチリル染料、メロシアニン染料、シアニン染料、オキソノール染料などのようなメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料などのようなカルボニウム染料、例えばナフトキノン、アントラキノン、アントラピリドンなどのようなキノン染料、例えばジオキサジン染料等のような縮合多環染料等を挙げることができる。
本発明のインクセットに含むことができるシアンインク組成物の着色剤として用いるシアン染料は、好ましくは、下記条件1および条件2を満たすフタロシアニン化合物である。
条件1:水溶液の分光吸収曲線における660nmから680nmに至る吸収帯内の最大吸光度bと、600nmから640nmに至る吸収帯内の最大吸光度aとの吸光度比b/aが1未満
条件2:酸化電位が1.0V(vsSCE)よりも貴
上記条件1および条件2に記載の吸光度比や酸化電位の測定方法は、特開2002−285050号公報や特開2002−309118号公報に詳細が説明されている。
条件1の吸光度比b/aの値が、1未満のフタロシアニン化合物であれば着色剤としての形成画像の堅牢性が良好な特性を有しているが、吸光度比b/aの値が0.8未満であることが好ましく、0.6以下であることが特に好ましい。
また、条件2の酸化電位の値は、貴であるほど好ましく、酸化電位が1.1V(vsSCE)よりも貴であるものがより好ましく、1.15V(vsSCE)より貴であるものが最も好ましい。
本発明においてシアンインク組成物に着色剤として用いられるシアン系染料として好ましくは、条件1および条件2を満たす下記一般式(2)で表されるフタロシアニン化合物である。次に、下記一般式(2)について詳細に説明する。
Figure 0004928792
一般式(2)中、X、X、X及びXは、それぞれ独立に−SO−Z、−SO−Z、−SONV、−CONV、−COZ、−CO−Z及びスルホ基のいずれかを表す。ここで、Zは、置換もしくは無置換の脂肪族基、置換もしくは無置換の芳香族基、又は置換もしくは無置換の複素環基を表す。V、Vは、同一または異なっていてもよく、水素原子、置換もしくは無置換の脂肪族基、置換もしくは無置換の芳香族基、または置換もしくは無置換の複素環基を表す。
、Y、Y及びYは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、アリールアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、複素環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、複素環チオ基、ホスホリル基、アシル基、又はイオン性親水性基を表す。
〜a及びb〜bは、それぞれX〜X及びY〜Yの置換基数を表す。そして、a〜aは、それぞれ独立に0〜4の整数であり、すべてが同時に0になることはない。b〜bは、それぞれ独立に0〜4の整数を表す。
Mは、水素原子、金属原子又はその酸化物、水酸化物もしくはハロゲン化物である。ただし、X、X、X、X、Y、Y、Y及びYの内の少なくとも1つは、イオン性親水性基であるか又はイオン性親水性基を置換基として有する基である。
一般式(2)において、a、a、a及びaとして好ましくは、0または1であり、かつa、a、a及びaのうち2つ以上が1であり、さらにb、b、b及びbは、それぞれa、a、a及びaとの和が4となる整数であることが好ましい。
一般式(2)において、X、X、X及びXは、それぞれ独立に−SO−Z、−SO−Z、−SONV、−CONV、−COZ、−CO−Z及びスルホ基のいずれかを表す。
Zとして好ましくは、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換の複素環基であり、その中でも置換アルキル基、置換アリール基、または置換複素環基が好ましく、特に置換アルキル基が最も好ましい。
、Vとして好ましくは、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換の複素環基であり、その中でも水素原子、置換アルキル基、置換アリール基、または置換複素環基が最も好ましい。
Z、V、Vが表す置換もしくは無置換の脂肪族基としては、炭素原子数が1〜50の脂肪族基が好ましい。特に、染料の溶解性やインク安定性を高めるという理由から、炭素鎖が分岐した脂肪族基が好ましく、特に、不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)が特に好ましい。脂肪族基に置換する好ましい置換基としては、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、アミノ基、アミド基、スルファモイル基が染料の会合性を高め堅牢性を向上させるので特に好ましい。この他、ハロゲン原子やイオン性親水性基を有していても良い。
Z、V、Vが表す置換もしくは無置換の芳香族基としては、炭素原子数が6〜30の芳香族基が好ましい。芳香族基に置換する好ましい置換基としては、染料の酸化電位を貴とし、堅牢性を向上させるので電子求引性基が特に好ましい。
Z、V、Vが表す複素環基としては、5または6員環のものが好ましく、それらは更に縮環していてもよい。また、芳香族複素環であっても非芳香族複素環であっても良い。以下にZ、V、Vで表される複素環基を、置換位置を省略して複素環の形で例示するが、置換位置は限定されるものではなく、例えばピリジンであれば、2位、3位、4位で置換することが可能である。ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、キノキサリン、ピロール、インドール、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、ベンズオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾール、イソオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、イミダゾリジン、チアゾリンなどが挙げられる。中でも芳香族複素環基が好ましく、その好ましい例を先と同様に例示すると、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、またはチアジアゾールが挙げられる。それらは置換基(前記の置換基W)を有していても良く、電子求引性基で置換されているのが好ましい。
本発明のフタロシアニン染料が水溶性である場合には、イオン性親水性基を有することが好ましい。イオン性親水性基としては、カルボキシル基、ホスホノ基、またはスルホ基が好ましく、カルボキシル基、またはスルホ基が特に好ましい。カルボキシル基、ホスホノ基、スルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)および有機カチオン(例えば、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれる。対イオンの中でもアルカリ金属塩が好ましく、特にリチウム塩は染料の溶解性を高めインク安定性を向上させるため特に好ましい。最も好ましいイオン性親水性基はスルホ基のリチウム塩である。
イオン性親水性基の数としては、本発明のフタロシアニン染料1分子中少なくとも2個以上有するものが好ましく、特にスルホ基および/またはカルボキシル基を少なくとも2個以上有するものが特に好ましい。
Mとして好ましい物は、水素原子、金属原子としては、Li、Na、K、Mg、Ti、Zr、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hg、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi等が挙げられる。酸化物としては、VO、GeO等が挙げられる。また、水酸化物としては、Si(OH)、Cr(OH)、Sn(OH)等が挙げられる。さらに、ハロゲン化物としては、AlCl、SiCl、VCl、VCl、VOCl、FeCl、GaCl、ZrCl等が挙げられる。中でも特に、Cu、Ni、Zn、Al等が好ましく、Cuが最も好ましい。
本発明のフタロシアニン染料の化学構造としては、スルフィニル基(−SO−Z);スルホニル基(−SO−Z);スルファモイル基(−SONV);カルバモイル基(−CONV);アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基(−COZ);アシル基(−CO−Z);スルホ基のような電子求引性基を、本発明のフタロシアニンの各ベンゼン環に少なくとも一つずつ、フタロシアニン骨格全体の置換基のσp値の合計で1.2以上となるように導入することが特に好ましい。その中でも、スルフィニル基(−SO−Z);スルホニル基(−SO−Z);スルファモイル基(−SONV)が好ましく、更にスルホニル基(−SO−Z);スルファモイル基(−SONV)が好ましく、スルホニル基(−SO−Z)が最も好ましい。
一般式(2)で表されるフタロシアニン化合物の中で、下記一般式(3)で表されるフタロシアニン化合物であることが特に好ましい。
Figure 0004928792
一般式(3)中、R、R、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、アリールアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルフィニル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、複素環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、複素環チオ基、ホスホリル基、アシル基またはイオン性親水性基を表す。これらの基は、さらに置換基(前記の置換基W)を有していてもよい。
、Z、Z及びZは、それぞれ独立に置換もしくは無置換の脂肪族基、置換もしくは無置換の芳香族基、または置換もしくは無置換の複素環基を表す。ただし、Z、Z、Z及びZのうち少なくとも1つは、イオン性親水性基を置換基として有する。
l、m、n、p、q、q、q、qは、それぞれ独立に1または2の整数を表し、Mは、一般式(2)の場合と同義である。
一般式(3)において、l、m、n、pのうち2つ以上が1であるのが好ましく、l=m=n=p=1が最も好ましい。
一般式(3)において、q、q、q、qのうち2つ以上が2であるのが好ましく、q=q=q=q=2が最も好ましい。
一般式(3)において、Z、Z、Z、Zとして好ましくは、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換の複素環基であり、その中でも置換アルキル基、置換アリール基、または置換複素環基が好ましく、特に置換アルキル基が最も好ましい。ただし、Z、Z、Z、Zのうち少なくとも1つは、イオン性親水性基を置換基として有する。
一般式(3)において、R、R、R、R、R、R、R、Rとして好ましくは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルフィニル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ホスホリル基、アシル基、またはイオン性親水性基であり、更に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、スルファモイル基、スルフィニル基、スルホニル基、またはイオン性親水性基がより好ましく、特に、水素原子が最も好ましい。
一般式(3)において、Mは、前記一般式(2)中のMと同義であり、好ましい例も同じである。
本発明の一般式(2)および一般式(3)で表される化合物の具体例は、例えば、以下に示す特許文献1〜5に記載の化合物が好ましいものとして挙げられるが、本発明に用いられる化合物は、下記の例に限定されるものではない。
・特許文献1 :特開2002−285050号公報の段落番号0173〜0183に記載の101〜143の化合物
・特許文献2 :特開2002−309118号公報の段落番号0195〜0204に記載の101〜175の化合物
・特許文献3 :特開2004−002670号公報の段落番号0208〜0216に記載の101〜145の化合物、段落番号0219に記載の146〜150の化合物、段落番号0222に記載の151〜155の化合物
・特許文献4:国際公開第(WO)2004/085541号パンフレット中のNo.1〜55の化合物
・特許文献5:特開2004−323605号公報
前記の各染料は、クロモフォアの一部が解離して初めてイエロー、マゼンタ、シアンの各色を呈するものであっても良く、その場合のカウンターカチオンはアルカリ金属や、アンモニウムのような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニウム、4級アンモニウム塩のような有機のカチオンであってもよく、さらにはそれらを部分構造に有するポリマーカチオンであってもよい。
適用できる黒色材としては、ジスアゾ、トリスアゾ、テトラアゾ染料のほか、カーボンブラックの分散体を挙げることができる。
[インクジェット記録方法]
本発明のインクジェット記録方法は、前記インクにエネルギーを供与して、公知の受像材料、例えば普通紙、樹脂コート紙、例えば特開平8−169172号公報、同8−27693号公報、同2−276670号公報、同7−276789号公報、同9−323475号公報、特開昭62−238783号公報、特開平10−153989号公報、同10−217473号公報、同10−235995号公報、同10−337947号公報、同10−217597号公報、同10−337947号公報等に記載されているインクジェット専用紙、フィルム、電子写真共用紙、布帛、ガラス、金属、陶磁器等に画像を形成するものである。
画像を形成する際に、光沢性や耐水性を与えたり耐候性を改善する目的からポリマーラテックス化合物を併用してもよい。ラテックス化合物を受像材料に付与する時期については、着色剤を付与する前であっても,後であっても、また同時であってもよく、したがって添加する場所も受像紙中であっても、インク中であってもよく、あるいはポリマーラテックス単独の液状物として使用しても良い。具体的には、特願2000−363090、同2000−315231、同2000−354380、同2000−343944、同2000−268952、同2000−299465、同2000−297365に記載された方法を好ましく用いることができる。
以下に、本発明のインクを用いてインクジェットプリントをするのに用いられる記録紙及び記録フィルムについて説明する。記録紙及び記録フィルムにおける支持体は、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等からなり、必要に応じて従来公知の顔料、バインダー、サイズ剤、定着剤、カチオン剤、紙力増強剤等の添加剤を混合し、長網抄紙機、円網抄紙機等の各種装置で製造されたもの等が使用可能である。これらの支持体の他に合成紙、プラスチックフィルムシートのいずれであってもよく、支持体の厚みは10〜250μm、坪量は10〜250g/mが望ましい。支持体には、そのままインク受容層及びバックコート層を設けてもよいし、デンプン、ポリビニルアルコール等でサイズプレスやアンカーコート層を設けた後、インク受容層及びバックコー卜層を設けてもよい。更に支持体には、マシンカレンダー、TGカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置により平坦化処理を行ってもよい。本発明では支持体としては、両面をポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブテン及びそれらのコポリマー)でラミネートした紙及びプラスチックフィルムがより好ましく用いられる。ポリオレフィン中に、白色顔料(例えば、酸化チタン、酸化亜鉛)又は色味付け染料(例えば、コバルトブルー、群青、酸化ネオジウム)を添加することが好ましい。
支持体上に設けられるインク受容層には、顔料や水性バインダーが含有される。顔料としては、白色顔料が好ましく、白色顔料としては、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー、珪藻土、合成非晶質シリカ、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、二酸化チタン、硫化亜鉛、炭酸亜鉛等の白色無機顔料、スチレン系ピグメント、アクリル系ピグメント、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。インク受容層に含有される白色顔料としては、多孔性無機顔料が好ましく、特に細孔面積が大きい合成非晶質シリカ等が好適である。合成非晶質シリカは、乾式製造法によって得られる無水珪酸及び湿式製造法によって得られる含水珪酸のいずれも使用可能であるが、特に含水珪酸を使用することが望ましい。
インク受容層に含有される水性バインダーとしては、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、デンプン、カチオン化デンプン、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド誘導体等の水溶性高分子、スチレンブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン等の水分散性高分子等が挙げられる。これらの水性バインダーは単独又は2種以上併用して用いることができる。本発明においては、これらの中でも特にポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコールが顔料に対する付着性、インク受容層の耐剥離性の点で好適である。
インク受容層は、顔料及び水性結着剤の他に媒染剤、耐水化剤、耐光性向上剤、界面活性剤、その他の添加剤を含有することができる。
インク受容層中に添加する媒染剤は、不動化されていることが好ましい。そのためには、ポリマー媒染剤が好ましく用いられる。
ポリマー媒染剤については、特開昭48−28325号、同54−74430号、同54−124726号、同55−22766号、同55−142339号、同60−23850号、同60−23851号、同60−23852号、同60−23853号、同60−57836号、同60−60643号、同60−118834号、同60−122940号、同60−122941号、同60−122942号、同60−235134号、特開平1−161236号の各公報、米国特許2484430号、同2548564号、同3148061号、同3309690号、同4115124号、同4124386号、同4193800号、同4273853号、同4282305号、同4450224号の各明細書に記載がある。特開平1−161236号公報の212〜215頁に記載のポリマー媒染剤を含有する受像材料が特に好ましい。同公報記載のポリマー媒染剤を用いると、優れた画質の画像が得られ、かつ画像の耐光性が改善される。
前記耐水化剤は、画像の耐水化に有効であり、これらの耐水化剤としては、特にカチオン樹脂が望ましい。このようなカチオン樹脂としては、ポリアミドポリルジアリルアンモニウムクロライド重合物、カチオンポリアクリルアミド、コロイダルシリカ等が挙げられ、これらのカチオン樹脂の中で特にポリアミドポリアミンエピクロルヒドリンが好適である。これらのカチオン樹脂の含有量は、インク受容層の全固形分に対して1〜15質量%が好ましく、特に3〜10質量%であることが好ましい。
前記耐光性向上剤としては、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、ヒンダーアミン系酸化防止剤、ベンゾフェノン等のベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤等が挙げられる。これらの中で特に硫酸亜鉛が好適である。
前記界面活性剤は、塗布助剤、剥離性改良剤、スベリ性改良剤あるいは帯電防止剤として機能する。界面活性剤については、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載がある。界面活性剤の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。有機フルオロ化合物の例には、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例えば、フッ素油)及び固体状フッ素化合物樹脂(例えば、四フッ化エチレン樹脂)が含まれる。有機フルオロ化合物については、特公昭57−9053号(第8〜17欄)、特開昭61−20994号、同62−135826号の各公報に記載がある。その他のインク受容層に添加される添加剤としては、顔料分散剤、増粘剤、消泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐剤、pH調整剤、マット剤、硬膜剤等が挙げられる。尚、インク受容層は1層でも2層でもよい。
記録紙及び記録フィルムには、バックコート層を設けることもでき、この層に添加可能な成分としては、白色顔料、水性バインダー、その他の成分が挙げられる。バックコート層に含有される白色顔料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬べーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント,ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。
バックコート層に含有される水性バインダーとしては、スチレン/マレイン酸塩共重合体、スチレン/アクリル酸塩共重合体、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、デンプン、カチオン化デンプン、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子、スチレンブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン等の水分散性高分子等が挙げられる。バックコート層に含有されるその他の成分としては、消泡剤、抑泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐剤、耐水化剤等が挙げられる。
インクジェット記録紙及び記録フィルムの構成層(バックコート層を含む)には、ポリマーラテックスを添加してもよい。ポリマーラテックスは、寸度安定化、カール防止、接着防止、膜のひび割れ防止のような膜物性改良の目的で使用される。ポリマーラテックスについては、特開昭62−245258号、同62−1316648号、同62−110066号の各公報に記載がある。ガラス転移温度が低い(40℃以下の)ポリマーラテックスを媒染剤を含む層に添加すると、層のひび割れやカールを防止することができる。また、ガラス転移温度が高いポリマーラテックスをバックコート層に添加しても、カールを防止することができる。
本発明のインクはインクジェットの記録方式に制限はなく、公知の方式、例えば静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して、放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、及びインクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット方式等に用いられる。インクジェット記録方式には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
[カラートナー]
本発明の色素を導入するカラートナー用バインダー樹脂としては一般に使用される全てのバインダーが使用出来る。例えば、スチレン系樹脂・アクリル系樹脂・スチレン/アクリル系樹脂・ポリエステル樹脂等が挙げられる。本発明の化合物は、特に制限されることなく、通常用いられる量で含有される。
トナーに対して流動性向上、帯電制御等を目的として無機微粉末、有機微粒子を外部添加しても良い。表面をアルキル基含有のカップリング剤等で処理したシリカ微粒子、チタニア微粒子が好ましく用いられる。なお、これらは数平均一次粒子径が10〜500nmのものが好ましく、さらにはトナー中に0.1〜20量%添加するのが好ましい。
離型剤としては、従来使用されている離型剤は全て使用することができる。具体的には、低分子量ポリプロピレン・低分子量ポリエチレン・エチレン−プロピレン共重合体等のオレフィン類、マイクロクリスタリンワックス・カルナウバワックス・サゾールワックス・パラフィンワックス等があげられる。これらの添加量はトナー中に1〜5質量%添加することが好ましい。
荷電制御剤としては、必要に応じて添加しても良いが、発色性の点から無色のものが好ましい。例えば4級アンモニウム塩構造のもの、カリックスアレン構造を有するものなどがあげられる。
キャリアとしては、鉄・フェライト等の磁性材料粒子のみで構成される非被覆キャリア、磁性材料粒子表面を樹脂等によって被覆した樹脂被覆キャリアのいずれを使用してもよい。このキャリアの平均粒径は体積平均粒径で30〜150μmが好ましい。
本発明のトナーが適用される画像形成方法としては、特に限定されるものではないが、例えば感光体上に繰り返しカラー画像を形成した後に転写を行い画像を形成する方法や、感光体に形成された画像を逐次中間転写体等へ転写し、カラー画像を中間転写体等に形成した後に紙等の画像形成部材へ転写しカラー画像を形成する方法等があげられる。
[感熱転写材料]
感熱記録材料は、支持体上に本発明の色素をバインダーとともに塗設したインクシート、及び画像記録信号に従ってサーマルヘッドから加えられた熱エネルギーに対応して移行してきた色素を固定する受像シートから構成される。インクシートは、本発明の化合物をバインダーと共に溶剤中に溶解することによって、或いは溶媒中に微粒子状に分散させることによってインク液を調製し、該インクを支持体上に塗布して適宜に乾燥することにより形成することができる。本発明の化合物は、特に制限されることなく、通常用いられる量で含有される。
用いる事のできる好ましいバインダー樹脂、インク溶媒、支持体、更には受像シートについては、特開平7−137466号に記載されたものを好ましく用いることができる。
該感熱記録材料をフルカラー画像記録が可能な感熱記録材料に適用するには、シアン画像を形成することができる熱拡散性シアン色素を含有するシアンインクシート、マゼンタ画像を形成することができる熱拡散性マゼンタ色素を含有するマゼンタインクシート、イエロー画像を形成することができる熱拡散性イエロー色素を含有するイエローインクシートを支持体上に順次塗設して形成する事が好ましい。また、必要に応じて他に黒色画像形成物質を含むインクシートがさらに形成されていても良い。
[カラーフィルター]
カラーフィルターの形成方法としては、初めにフォトレジストによりパターンを形成し、次いで染色する方法、或いは特開平4−163552号、特開平4−128703号、特開平4−175753号公報で開示されているように色素を添加したフォトレジストによりパターンを形成する方法がある。本発明の色素をカラーフィルターに導入する場合に用いられる方法としては、これらのいずれの方法を用いても良いが、好ましい方法としては、特開平4−175753号や特開平6−35182号に記載されたところの、熱硬化性樹脂、キノンジアジド化合物、架橋剤、色素及び溶剤を含有してなるポジ型レジスト組成物、並びに、それを基体上に塗布後、マスクを通して露光し、該露光部を現像してポジ型レジストパターンを形成させ、上記ポジ型レジストパターンを全面露光し、次いで露光後のポジ型レジストパターンを硬化させることからなるカラーフィルターの形成方法を挙げる事ができる。又、常法に従いブラックマトリックスを形成させ、RGB原色系あるいはY,M.C補色系カラーフィルターを得ることができる。
この際使用する熱硬化性樹脂、キノンジアジド化合物、架橋剤、及び溶剤とそれらの使用量については、前記特許に記載されているものを好ましく使用することができる。
本発明の化合物は、特に制限されることなく、通常用いられる量で含有される。
[実施例]
以下、本発明を実施例に基きさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
下記の成分に脱イオン水を加え1リッターとした後、30〜40℃で加熱しながら1時時間撹拌した。その後KOH 10mol/LにてpH=9に調製し、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過しイエロー用インク液を調製した。
〔インク液Aの組成〕
本発明のイエロー染料 1 8.9g
ジエチレングリコール 20g
グリセリン 120g
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 230g
2−ピロリドン 80g
トリエタノールアミン 17.9g
ベンゾトリアゾール 0.06g
サーフィノールTG 8.5g
(商品名、エアープロダクツ社製)
PROXEL XL2 1.8g
(商品名、ICI Co., Ltd. 製)
前記染料を、それぞれ染料4、7に変更した以外は、インク液Aの調製と同様にして、インク液B、Cをそれぞれ作製した。
この際に、比較用のインク液として下記比較染料1および2を用いてインク液101および102を作成した。
染料を変更する場合は、染料の添加量がインク液Aに対して等モルとなるように使用した。
(画像記録及び評価)
以上の各実施例(インク液A〜C)及び比較例(インク液101、102)のインクジェット用インクについて、下記評価を行った。その結果を表1に示した。
なお、表1において、「色調」、「紙依存性」、「耐水性」、「耐光性」及び「耐オゾンガス性」は、各インクジェット用インクをカートリッジに充填し、インクジェットプリンター(セイコーエプソン(株)社製;商品名 PM−A700)で写真用紙<光沢>(セイコーエプソン(株)社製;商品名 KA420PSK)に画像を記録した後で評価したものである。
<紙依存性>
上記プリンタの印刷濃度設定をトナーセーブにして、前記写真用紙<光沢>又はPPC用普通紙に印刷を行った。前記写真用紙<光沢>に形成した画像と、別途にPPC用普通紙に形成した画像との色調を比較し、両画像間の差が小さい場合をA(良好)、両画像間の差が大きい場合をB(不良)として、二段階で評価した。
<耐水性>
前記画像を形成した写真用紙<光沢>を、1時間室温乾燥した後、10秒間脱イオン水に浸漬し、室温にて自然乾燥させ、滲みを観察した。滲みが少ないものをA、滲みが中程度のものをB、滲みが多いものをCとして、三段階で評価した。
<耐光性>
前記画像を形成した写真用紙<光沢>に、ウェザーメーター(アトラス社製C.I65(商品名))を用いて、キセノン光(85000 lx)を7日間照射し、キセノン照射前後の画像濃度を反射濃度計(X−Rite社製、商品名 X−Rite310TR)を用いて測定し、色素残存率[(照射後濃度/照射前濃度)×100%]として評価した。なお、前記反射濃度は、照射前の画像濃度が1、1.5及び2.0の3点で測定した。
何れの濃度でも色素残存率が70%以上の場合をA、1又は2点が70%未満をB、全ての濃度で70%未満の場合をCとして、三段階で評価した。
<耐オゾン性>
前記画像を形成した写真用紙<光沢>を、オゾンガス濃度が0.5±0.1ppm、室温、暗所に設定されたボックス内に7日間放置し、オゾンガス下放置前後の画像濃度を反射濃度計(X−Rite310TR)を用いて測定し、色素残存率[(照射後濃度/照射前濃度)×100%]として評価した。なお、前記反射濃度は、照射前の画像濃度が1、1.5及び2.0の3点で測定した。ボックス内のオゾンガス濃度は、APPLICS製オゾンガスモニター(モデル:OZG−EM−01)を用いて設定した。
何れの濃度でも色素残存率が70%以上の場合をA、1又は2点が70%未満をB、全ての濃度で70%未満の場合をCとして、三段階で評価した。
Figure 0004928792
Figure 0004928792
表1から明らかなように、本発明のインクジェット用インクは紙依存性が小さく、耐水性および耐光性並びに耐オゾン性に優れるものであった。特に高い酸化電位を有することによって、耐光性、耐オゾン性等の画像保存性に優れることがわかる。また、耐湿熱性にも優れていた。
実施例1で作製した同じカートリッジを、実施例1の同機にて画像を富士写真フイルム製インクジェットペーパー「画彩写真仕上げAdvance(商品)」にプリントし、実施例1と同様な評価を行ったところ、実施例1と同様な結果が得られた。
実施例1で作製した同じインク液を、インクジェットプリンターBJ−F850(商品名、CANON社製)のカートリッジに詰め、同機にて同社のフォト光沢紙GP−301(商品名)に画像をプリントし、実施例1と同様な評価を行ったところ、実施例1と同様な結果が得られた。

Claims (14)

  1. 下記一般式(1)で表され、且つ1.10V以上の酸化電位を有することを特徴とするアゾ染料。
    Figure 0004928792

    式中、Aは各々独立して、下記A−1〜A−19で表されるヘテロ環群から選ばれるヘテロ環基を示す。
    Lは、下記L−1、L−3、L−6、L−7、L−8、L−11、L−12、L−15、L−16、L−17、L−18、L−20、及びL−21で表される群から選ばれるヘテロ環を示し、これらは置換基として、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基またはシリル基を有していてもよい。但し、L−21のBは、上記Bと結合することを意味する。
    Bは各々独立して、下記B−1〜B〜20で表されるヘテロ環群から選ばれるヘテロ環を示す。mは2以上の整数を表す。
    Figure 0004928792

    式中、A−1〜A−19は、夫々、置換基として、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基またはシリル基を有していてもよい。Azoはアゾ基を示す。
    Figure 0004928792


    Figure 0004928792

    式中、B−1〜B−20は、夫々、置換基として、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基またはシリル基を有していてもよい。R〜Rは、夫々独立して、水素原子または置換基を示す。Azoはアゾ基を示す。
  2. 一般式(1)で表されるアゾ染料において、1.15V以上の酸化電位を有することを特徴とする、請求項1に記載のアゾ染料。
  3. 一般式(1)で表されるアゾ染料において、1.20V以上の酸化電位を有することを特徴とする、請求項1または2に記載のアゾ染料。
  4. 一般式(1)で表されるアゾ染料において、Bが、下記B−1〜B〜10で表されるヘテロ環群から選ばれることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のアゾ染料。
    Figure 0004928792

    式中、B−1〜B−10は、夫々、置換基として、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基またはシリル基を有していてもよい。R〜Rは、夫々独立して、水素原子または置換基を示す。Azoはアゾ基を示す。
  5. 一般式(1)で表されるアゾ染料において、Aが、前記A−1〜A−9及びA−16〜A−19で表されるヘテロ環群から選ばれることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のアゾ染料。
  6. 一般式(1)で表されるアゾ染料が、少なくとも1つ以上のイオン性親水性基を有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のアゾ染料。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のアゾ染料を、少なくとも1種以上含有することを特徴とするインク組成物。
  8. 請求項7に記載のインク組成物を含有することを特徴とする、インクジェット用インク。
  9. 請求項8に記載のインクを含有することを特徴とする、インクジェット用インクセット。
  10. 支持体上に白色無機顔料粒子を含有するインク受容層を有する受像材料上に、請求項8または9に記載のインクまたはインクセットを用いて画像形成することを特徴とするインクジェット記録方法。
  11. 支持体上に白色無機顔料粒子を含有するインク受容層を有する受像材料上に、請求項8または9に記載のインクまたはインクセットを用いて画像形成した、着色画像。
  12. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のアゾ染料を、少なくとも1種以上含有することを特徴とするインクシート。
  13. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のアゾ染料を、少なくとも1種以上含有することを特徴とするカラートナー。
  14. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のアゾ染料を、少なくとも1種以上含有することを特徴とするカラーフィルター。
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