JP2005200565A - インク組成物、受像材料、画像形成材料及び画像形成方法 - Google Patents

インク組成物、受像材料、画像形成材料及び画像形成方法 Download PDF

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薫 東條
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Abstract

【課題】 受像材料上に画像を記録する際に画像の定着性に優れていて滲みが生じることがなく、かつ記録された画像も保存中に滲みやボケが起こることがないインク組成物、受像材料、画像形成材料及び画像形成方法を提示すること。
【解決手段】 水溶性染料、媒染剤を受像層中に含む受像材料上に画像情報に応じてインク滴を吐出するインクジェット記録方式に使用する少なくとも水溶性染料を含むインクであって、該水溶性染料は、染料中の媒染剤と結合する結合基の濃度と該媒染剤中の染料を媒染する媒染基の濃度とがそれぞれ0.1mmol/lとなるように、染料及び媒染剤をpH5〜8の緩衝溶液中に混合したときに、不溶性の沈澱物を生じる染料であることを特徴とするインク組成物、これに組合される受像材料、それらからなる画像形成材料及び画像形成方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、画像の定着性と耐水性、経時にじみを改良したインク組成物、受像材料、画像形成材料及び画像形成方法、特にインジェット記録用インクと受像材料並びに画像形成方法に関する。
近年、コンピューターの普及に伴い、インクジェットプリンタがオフィスだけでなく家庭で紙、フィルム、布等に印字するために広く利用されている。
インクジェット記録方法には、ピエゾ素子により圧力を加えて液滴を吐出させる方式、熱によりインク中に気泡を発生させて液滴を吐出させる方式、超音波を用いた方式、あるいは静電気により液滴を吸引吐出させる方式がある。これらのインクジェット記録用インク組成物としては、水性インク、油性インク、あるは固体(溶融型)インクが用いられる。これらのインクのうち、製造、取り扱い性、臭気、安全性等の点から水性インクが主流となっている。
これらのインクジェット記録用インク組成物に用いられる着色剤に対しては、溶剤に対する溶解性が高いこと、高濃度記録が可能であること、色相が良好であること、光、熱、空気、水や薬品に対する堅牢性に優れていること、受像材料に対して定着性が良く滲みにくいこと、インクとしての保存性に優れていること、毒性がないこと、純度が高いこと、さらには、安価に入手できることが要求されている。しかしながら、これらの要求を高いレベルで満たす着色剤を捜し求めることは、極めて難しい。既にインクジェット用として様々な染料や顔料が提案され、実際に使用されているが、未だに全ての要求を満足する着色剤は、発見されていないのが現状である。カラーインデックス(C.I.)番号が付与されているような、従来からよく知られている染料や顔料では、インクジェット記録用インクに要求される色相や堅牢性とを両立させることは難しい。
上記のようにインクジェット用の着色剤としては溶剤に対する溶解性が高いものが好ましい。しかし溶剤に対する溶解性が高い着色剤を用いたインク組成物では、吐出された液滴が記録材料表面に着弾してから乾燥するまでの間に周囲に存在するインク溶剤や水によって滲んでしまうことや、乾燥後も高湿下などでの水分や溶剤の存在によって着色剤が再溶解し受像層中を移動することによる画像のボケや経時での画像の滲みが起こりやすい。
一般に画像の定着性や耐水性を改良するために受像層に染料と相互作用して水分や溶剤に対して不溶化させるような媒染剤が添加されるが、インク中の染料と媒染剤の組み合わせによってはその効果が不十分であるために、経時でのにじみや画像のボケが発生してしまうという問題を有していた。
本発明は、上記背景に基いて行われたものであり、したがって、その解決しようとする課題は、受像材料上に画像を記録する際に画像の定着性に優れていて滲みが生じることがなく、かつ記録された画像も保存中に滲みやボケが起こることがないインク組成物、受像材料、画像形成材料及び画像形成方法、とりわけインクジェット用の上記各材料及び画像形成方法を提示することである。
本発明の課題は下記1〜27項のインク組成物、受像材料、画像形成材料及び画像形成方法によって達成された。
(1)少なくとも水溶性染料を含むインク組成物であって、該水溶性染料は、該インク組成物を用いて印画する受像材料中に含まれる媒染剤と溶液中に混合したときに、不溶性の沈澱物を生じる染料であることを特徴とするインク組成物。
(2)前記インク組成物中の水溶性染料は、前記媒染剤と結合する結合基を有し、前記受像材料中に含まれる媒染剤は染料を媒染する媒染基を有することを特徴とする上記(1)に記載のインク組成物。
(3)前記水溶性染料中の結合基の濃度と前記媒染剤中の結合基の濃度とがそれぞれ0.1mmmol/lとなるように、前記水溶性染料及び前記媒染剤をpH5〜8の緩衝溶液中に混合したときに、不溶性の沈澱物を生じる染料であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のインク組成物。
(4)前記不溶性の沈澱物を濾別して得た濾液(A)と、前記水溶性染料及び前記媒染剤をpH5〜8の緩衝溶液中に混合した溶液(B)のそれぞれの可視域吸収スペクトルにおける最大吸収ピークの吸光度をそれぞれAbs(A)、Abs(B)としたときに、Abs(A)/Abs(B)<0.3であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載のインク組成物。
(5)前記水溶性染料がアニオン解離性基を有する染料であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載のインク組成物。
(6)前記水溶性染料が酸化電位が1.0Vよりも貴であるフタロシアニン染料又はアゾ染料であることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載のインク組成物。
(7)前記水溶性染料が複素環基を有するフタロシアニン染料又はアゾ染料であることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載のインク組成物。
(8)前記水溶性染料が下記一般式(1)で表される構造を有する染料であることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載のインク組成物。
一般式(1)
Figure 2005200565
A,Bは、それぞれ独立して、置換されていてもよい芳香族基または複素環基であり、A,Bの少なくとも1つは複素環基である。
(9)前記水溶性染料が下記一般式(2)で表される構造を有する染料であることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載のインク組成物。
一般式(2)
Figure 2005200565
式中、X1、X2、X3およびX4は、それぞれ独立に、−SO−Z、−SO2−Z、−SO2NR12、スルホ基、−CONR12、または−CO21を表す。Zは、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換の複素環基を表す。R1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換の複素環基を表す。なお、Zが複数個存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。Y1、Y2、Y3およびY4は、それぞれ独立に、一価の置換基を表す。なお、X1〜X4およびY1〜Y4のいずれかが複数個存在するとき、それらは、同一でも異なっていてもよい。Mは、水素原子、金属原子またはその酸化物、水酸化物もしくハロゲン化物である。
1〜a4およびb1〜b4は、それぞれX1〜X4およびY1〜Y4の置換奇数を表し、a1〜a4はそれぞれ独立に、0〜4の整数であり、全てが同時に0になることはなく、b1〜b4は、それぞれ独立に、0〜4の整数である。
(10)前記インク組成物がインクジェット用インクであることを特徴とする上記(1)〜(9)のいずれかに記載のインク組成物。
(11)少なくとも媒染剤を含む受像材料であって、該媒染剤は該受像材料を印画するために用いるインク組成物に含まれる水溶性染料と溶液中に混合したときに、不溶性の沈澱物を生じる媒染剤であることを特徴とする受像材料。
(12)前記受像材料中に含まれる媒染剤は前記水溶性染料を媒染する媒染基を有し、前記インク組成物中に含まれる水溶性染料は前記媒染剤と結合する結合基を有することを特徴とする上記(11)に記載の受像材料。
(13)前記媒染剤中の媒染基の濃度と前記水溶性染料中の結合基の濃度とがそれぞれ0.1mmmol/lとなるように、前記媒染剤及び前記水溶性染料をpH5〜8の緩衝溶液中に混合したときに、前記不溶性の沈澱物を生じることを特徴とする上記(11)又は(12)に記載の受像材料。
(14)前記媒染剤がカチオン性を有する有機物又は無機物であることを特徴とする上記(11)〜(13)のいずれかに記載の受像材料。
(15)前記媒染剤がアミン性窒素原子を含む官能基を有するポリマーであることを特徴とする上記(11)〜(14)のいずれかに記載の受像材料。
(16)前記媒染剤が金属の塩、金属錯体又は無機微粒子分散物であることを特徴とする上記(11)〜(15)のいずれかに記載の受像材料。
(17)前記受像材料がインクジェット用受像材料であることを特徴とする上記(11)〜(16)のいずれかに記載の受像材料。
(18)受像材料上に画像情報に応じてインク組成物を吐出して画像形成する画像形成材料であって、前記インク組成物は水溶性染料を含み、前記受像材料は媒染剤を含み、かつ前記水溶性染料と前記媒染剤は溶液中に混合したときに不溶性の沈澱物を生じることを特徴とする画像形成材料。
(19)前記インク組成物中の水溶性染料は、前記媒染剤と結合する結合基を有し、前記受像材料中に含まれる媒染剤は染料を媒染する媒染基を有することを特徴とする上記(18)に記載の画像形成材料。
(20)前記水溶性染料中の結合基の濃度と前記媒染剤中の結合基の濃度とがそれぞれ0.1mmmol/lとなるように、前記水溶性染料及び前記媒染剤をpH5〜8の緩衝溶液中に混合したときに、前記不溶性の沈澱物を生じる染料であることを特徴とする上記(18)又は(19)に記載の画像形成材料。
(21)記水溶性染料がアニオン解離性基を有する染料であり、かつ前記媒染剤がカチオン性基を有する有機物又は無機物であることを特徴とする上記(18)〜(20)のいずれかに記載の画像形成材料。
(22)染料がアニオン解離性基を有する染料であり、かつ前記媒染剤がアミン性窒素原子を含む官能基を有するポリマー又は無機微粒子であるであることを特徴とする上記(18)〜(21)のいずれかに記載の画像形成材料。
(23)前記画像形成材料がインクジェット用画像形成材料であることを特徴とする上記(18)〜(22)のいずれかに記載の画像形成材料。
(24)媒染剤を含む受像材料上に画像情報に応じて水溶性染料を含むインク組成物を吐出して画像形成する画像形成方法であって、前記前記水溶性染料と前記媒染剤は溶液中に混合したときに不溶性の沈澱物を生じる水溶性染料と前記媒染剤であることを特徴とする画像形成方法。
(25)前記インク組成物中の水溶性染料は、前記媒染剤と結合する結合基を有し、前記受像材料中に含まれる媒染剤は染料を媒染する媒染基を有することを特徴とする上記(24)に記載の画像形成方法。
(26)前記水溶性染料中の結合基の濃度と前記媒染剤中の結合基の濃度とがそれぞれ0.1mmmol/lとなるように、前記水溶性染料及び前記媒染剤をpH5〜8の緩衝溶液中に混合したときに、前記不溶性の沈澱物を生じる水溶性染料と媒染剤を用いることを特徴とする上記(24)又は(25)に記載の画像形成方法。
(27)前記不溶性の沈澱物を濾別して得た濾液(A)と、前記水溶性染料及び前記媒染剤をpH5〜8の緩衝溶液中に混合した溶液(B)のそれぞれの可視域吸収スペクトルにおける最大吸収ピークの吸光度をそれぞれAbs(A)、Abs(B)としたときに、Abs(A)/Abs(B)<0.3である水溶性染料と前記媒染剤を用いることを特徴とする上記(24)〜(26)のいずれかに記載の画像形成方法。
上記(1)〜(27)に述べたインク組成物、受像材料、画像形成材料及び画像形成方法によって、記録画像の定着性がよく滲みがなく、かつ画像を保存する間にも経時による画像滲みやボケの発生も抑止される。従って、画像にじみが少なく、安定なインクジェット記録画像が得られる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のインク組成物、受像材料、画像形成材料及び画像形成方法は、画像の定着性が良く、画像記録時に画像滲みが生じることがなく、かつ記録された画像が経時しても滲みにくいことが特徴であり、特に受像材料上の記録画像が高湿条件下に保存されたときでも経時による滲みの増加が起こりにくい点で優れている。
インク組成物は、下記の染料・媒染剤相互作用試験方法で目視で認めうる不溶性の沈澱物を生成する、媒染基結合性の水溶性染料を実質的に含有するインク組成物であり、特にインクジェット記録用インクとして画像滲みが抑止されていて優れている。
また、好ましくは、下記の吸光度比測定試験方法で吸光度比が0.3より低い染料を実質的に含有するインク組成物である。Abs(A)/Abs(B)の値は、好ましくは0.2以下、さらに好ましくは0.1以下である。
ここで「実質的に含有する」とは、上記条件を満たす染料のインク組成物中の含有量の和がインク組成物中に含まれる全染料の50質量%以上であることを意味する。
好ましい水溶性染料は、後述する各染料群から選択される。
また、上記インク組成物と組み合わせて用いられる受像材料は、上記インク組成物を受容して下記の染料・媒染剤相互作用試験方法で目視で認めうる不溶性の沈澱物を生成する媒染剤を含有している。
受像材料に好ましく用いられる媒染剤は、後述する各染料群から選択される。
本発明の画像形成材料は、このようなインク組成物と受像材料とが組合されてなる画像形成材料であり、本発明の画像形成方法は、このようなインク組成物と受像材料とを用いて画像を形成する画像形成方法である。
<染料・媒染剤相互作用試験方法>
インク組成物中に用いられている水溶性染料と、受像材料中に使用されている媒染剤の水溶液または分散物を、水溶性染料が有する媒染基と結合する結合基の濃度及び媒染剤が有する媒染基の濃度がそれぞれ0.1mmol/lとなるように、pH5〜8の範囲の緩衝溶液中で混合し、混合によって沈澱生成が起こるかを目視で観察する。
ここで、不溶性の沈澱物を目視で認めうる限界は、上記の混合溶液50mLを重力加速度1000Gで遠心分離したときに視認し得る沈澱を認めうることである。混合液がそのままでも明瞭な沈澱物を認めうるのであれば遠心分離して調べる必要がないことは言うまでもない。
<吸光度比測定試験方法>
上記の染料・媒染剤相互作用試験方法において生じる不溶性の着色成分を濾別した後の濾液の吸光度(A)と、該水溶性染料をそのまま前記緩衝溶液に該染料が有する媒染基と結合する結合基の濃度が0.1mmol/lとした溶液(B)の可視域吸収スペクトルをそれぞれ測定して、最大吸光度比Abs(A)/Abs(B)を求める。ここに、Abs(A)、Abs(B)は溶液(A)及び(B)の最大吸収ピークにおける吸光度である。
(媒染剤)
媒染剤とは、媒染作用を有する化合物を意味し、無機化合物でも有機化合物でも、又はそれらを組み合わせて使用してもよい。(以下、それぞれ無機媒染剤、有機媒染剤という。)
有機媒染剤としては、イオン性化合物が好ましく、中でもカチオン性化合物が好ましく、特にカチオン性ポリマーが好ましく使用できる。イオン性化合物は、インク組成物に接触した時にアニオン又はカチオンを生成する性質を備えたアニオン性基又はカチオン性基を有している。特に、カチオン性化合物は、アニオン性染料を色材として有する液状インクとの間で相互作用し色材を安定化し、耐水性や耐経時ニジミを向上させる作用を強く発揮できる。
有機媒染剤は単独または組み合わせて使用してもよい。
また、イオン性化合物を直接用いても良く、あるいは媒染剤に対してイオン性化合物として作用するイオン性化合物前駆体を用いてもよい。以下の説明には、そのような前駆体も含めて説明する。
カチオン性化合物としては第1級〜第3級アミノ基およびその塩、又は第4級アンモニウム塩基等のカチオン性基を有するアミンが好適に用いられる。
ポリマー媒染剤としては、カチオン性基を有する単量体(媒染モノマー)の単独重合体や、該媒染モノマーと他のモノマー(以下、「非媒染モノマー」という。)との共重合体又は縮合重合体として得られるものが好ましい。また、これらのポリマー媒染剤は、水溶性ポリマー又は水分散性ラテックス粒子のいずれの形態でも使用できる。
上記単量体(媒染モノマー)としては、例えばトリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチル−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチル−m−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−メチル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−n−プロピル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−n−オクチル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−ベンジル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−ベンジル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−(4−メチル)ベンジル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−フェニル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド;
トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムブロマイド、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムブロマイド、トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムスルホネート、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムスルホネート、トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムアセテート、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムアセテート、N,N,N−トリエチル−N−2−(4−ビニルフェニル)エチルアンモニウムクロライド、N,N,N−トリエチル−N−2−(3−ビニルフェニル)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−2−(4−ビニルフェニル)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−2−(4−ビニルフェニル)エチルアンモニウムアセテート;、
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート(N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート又はN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートを意味する。ここで用いた(メタ)の使用法は、以下同様である)、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,Nジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドのメチルクロライド、エチルクロライド、メチルブロマイド、エチルブロマイド、メチルアイオダイド若しくはエチルアイオダイドによる4級化物、またはそれらのアニオンを置換したスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、酢酸塩若しくはアルキルカルボン酸塩等が挙げられる
具体的には、例えばモノメチルジアリルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(アクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−3−(メタクリロイルオキシ)プロピルアンモニウムクロライド、トリエチル−3−(メタクリロイルオキシ)プロピルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(メタクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(メタクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(アクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(アクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、
トリメチル−3−(メタクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリエチル−3−(メタクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリメチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリエチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリエチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド;
N,N−ジメチル−N−エチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−エチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクルライド、トリメチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムブロマイド、トリメチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムブロマイド、トリメチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムスルホネート、トリメチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムアセテート等を挙げることができる。
その他、イオン性化合物前駆体を形成する共重合可能なモノマーとして、N−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール等もあげられる。
また、アリルアミン、ジアリルアミンやその誘導体、塩などもイオン性化合物前駆体として利用できる。このような化合物の例としてはアリルアミン、アリルアミン塩酸塩、アリルアミン酢酸塩、アリルアミン硫酸塩、ジアリルアミン、ジアリルアミン塩酸塩、ジアリルアミン酢酸塩、ジアリルアミン硫酸塩、ジアリルメチルアミンおよびこの塩(該塩としては、例えば塩酸塩、酢酸塩、硫酸塩など)、ジアリルエチルアミンおよびこの塩(該塩としては、例えば塩酸塩、酢酸塩、硫酸塩など)ジアリルジメチルアンモニウム塩(該塩の対アニオンとしてはクロライド、酢酸イオン、硫酸イオンなど)が挙げられる。尚、これらのアリルアミンおよびジアリルアミン誘導体はアミンの形態では重合性が劣るので塩の形で重合し、必要に応じて脱塩することが一般的である。
また、N−ビニルアセトアミド、N−ビルニホルムアミドなどの単位を用い、重合後に加水分解によってビニルアミン単位とすること、及びこれを塩にしたものも利用できる。
非媒染モノマーとは、第1級〜第3級アミノ基およびその塩、又は第4級アンモニウム塩基等の塩基性(前駆体の例)あるいはカチオン性部分を含まず、インクジェットインク中の染料と相互作用を示さない、あるいは相互作用が実質的に小さいモノマーをいう。
非媒染モノマーとしては、例えば(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;(メタ)アクリル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸アリールエステル;(メタ)アクリル酸ベンジル等のアリールアルカノールのエステル;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等のビニルエステル類;酢酸アリル等のアリルエステル類;塩化ビニリデン、塩化ビニル等のハロゲン含有単量体;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル類;プロピレン、プロピレン等のオレフィン類、等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アルキル部位の炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく例えば、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。中でも、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタアクリレート、エチルメタアクリレート、ヒドロキシエチルメタアクリレートが好ましい。
上記非媒染モノマーも一種単独で又は二種以上を組み合わせて使用できる。
更に、前記ポリマー媒染剤として、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリメタクリロイルオキシエチル−β−ヒドロキシエチレンジメチルアンモニウムクロライド、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン及びその誘導体、ポリアミド−ポリアミン樹脂、カチオン化でんぷん、ジシアンジアミドホルマリン縮合物、ジメチル−2−ヒドロキシプロピルアンモニウム塩重合物、ポリアミジン、ポリビニルアミン、ジシアンジアミド−ホルマリン重縮合物に代表されるジシアン系カチオン樹脂、ジシアンアミド−ジエチレントリアミン重縮合物に代表されるポリアミン系カチオン樹脂、エピクロルヒドリン−ジメチルアミン付加重合物、ジメチルジアリンアンモニウムクロリド−SO2共重合物、ジアリルアミン塩−SO2共重合物、第4級アンモニウム塩基置換アルキル基をエステル部分に有する(メタ)アクリレート含有ポリマー、第4級アンモニウム塩基置換アルキル基を有するスチリル型ポリマー等も好ましいものとして挙げることができる。
前記ポリマー媒染剤として、具体的には、特開昭48−28325号、同54−74430号、同54−124726号、同55−22766号、同55−142339号、同60−23850号、同60−23851号、同60−23852号、同60−23853号、同60−57836号、同60−60643号、同60−118834号、同60−122940号、同60−122941号、同60−122942号、同60−235134号、特開平1−161236号の各公報、米国特許2484430号、同2548564号、同3148061号、同3309690号、同4115124号、同4124386号、同4193800号、同4273853号、同4282305号、同4450224号、特開平1−161236、同10−81064号、同10−119423号、同10−157277号、同10−217601号、同11−348409号、特開2001−138621号、同2000−43401号、同2000−211235号、同2000−309157号、同2001−96897号、同2001−138627号、特開平11−91242号、同8−2087号、同8−2090号、同8−2091号、同8−2093号、同8−174992号、同11−192777号、特開2001−301314号、特公平5−35162号、同5−35163号、同5−35164号、同5−88846号、特開平7−118333号、特開2000−344990号、特許第2648847号、同2661677号等の各公報に記載のものが挙げられる。
本発明の媒染剤としては無機媒染剤を用いることも可能で、多価の水溶性金属塩や疎水性金属塩化合物が挙げられる。また、これらの無機媒染剤は単独または組み合わせて使用してもよい。
無機媒染剤の具体例としては、例えば、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、マンガン、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ストロンチウム、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、インジウム、バリウム、ランタン、セリウム、プラセオジミウム、ネオジミウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ジスロプロシウム、エルビウム、イッテルビウム、ハフニウム、タングステン、ビスマスから選択される金属の塩又は錯体が挙げられる。
具体的には例えば、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸バリウム、硫酸バリウム、リン酸バリウム、塩化マンガン、酢酸マンガン、ギ酸マンガンニ水和物、硫酸マンガンアンモニウム六水和物、塩化第二銅、塩化アンモニウム銅(II)二水和物、硫酸銅、塩化コバルト、チオシアン酸コバルト、硫酸コバルト、硫酸ニッケル六水和物、塩化ニッケル六水和物、酢酸ニッケル四水和物、硫酸ニッケルアンモニウム六水和物、アミド硫酸ニッケル四水和物、硫酸アルミニウム、アルミニウムミョウバン、亜硫酸アルミニウム、チオ硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム九水和物、塩化アルミニウム六水和物、塩基性硫酸アルミニウム、塩基性硝酸アルミニウム、塩基性ギ酸アルミニウム、塩基性酢酸アルミニウム、塩基性アルミニウムグリシネート、臭化第一鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、フェノールスルホン酸亜鉛、臭化亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛六水和物、硫酸亜鉛、四塩化チタン、テトライソプロピルチタネート、チタンアセチルアセトネート、乳酸チタン、ジルコニウムアセチルアセトネート、酢酸ジルコニル、硫酸ジルコニル、炭酸ジルコニウムアンモニウム、ステアリン酸ジルコニル、オクチル酸ジルコニル、硝酸ジルコニル、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、乳酸ジルコニル、こはく酸ジルコニル、蓚酸ジルコニル、酢酸ジルコニウムアンモニウム、炭酸ジルコニウムカリウム、塩基性ジルコニウムグリシネート、酢酸クロム、硫酸クロム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム六水和物、クエン酸マグネシウム九水和物、りんタングステン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムタングステン、12タングストリん酸n水和物、12タングストけい酸26水和物、塩化モリブデン、12モリブドリん酸n水和物、硝酸ガリウム、硝酸ゲルマニウム、硝酸ストロンチウム、酢酸イットリウム、塩化イットリウム、硝酸イットリウム、硝酸インジウム、硝酸ランタン、塩化ランタン、酢酸ランタン、安息香酸ランタン、塩化セリウム、硫酸セリウム、オクチル酸セリウム、硝酸プラセオジミウム、硝酸ネオジミウム、硝酸サマリウム、硝酸ユーロピウム、硝酸ガドリニウム、硝酸ジスプロシウム、硝酸エルビウム、硝酸イッテルビウム、塩化ハフニウム、硝酸ビスマス等があげられる。
本発明の無機媒染剤としては、アルミニウム含有化合物、チタン含有化合物、ジルコニウム含有化合物、元素周期律表第IIIB族元素を含む金属化合物(塩または錯体)が好ましい。
本発明でインク受容層に含まれる上記媒染剤量は、0.01g/m2〜5g/m2が好ましく、0.1g/m2〜3g/m2がより好ましい。
(緩衝溶液)
本発明に係る染料・媒染剤相互作用試験には、緩衝溶液としてはBritton−Robinsonの広域緩衝液(以下B.R.バッファーという)を用いることとする。ただし、緩衝溶液としてはMcIlvainの広域緩衝液、Carmodyの広域緩衝液も緩衝液中の化合物と染料や媒染剤との相互作用が無い限りB.R.バッファーと同じ結果を与えるので使用可能である。また、試験対象の染料や媒染剤がB.R.バッファー成分と相互作用する場合は、McIlvainの広域緩衝液又はCarmodyの広域緩衝液を使用する。これら緩衝液の詳細は化学便覧に記載されている。
また調節するpH領域としては5〜8が好ましいが、該媒染剤を含む受像層に該水溶性染料を含有するインクが打滴された際の受像層中のpHと近いpHに調節されることが好ましい。
(水溶性染料)
本発明のインク組成物には、インクジェット記録適性を有する水溶性染料を広く使用することができるが、前記した染料・媒染剤相互作用試験において不溶性沈澱物が認められない少なくとも1種の水溶性染料を実質的に(すなわち全インクの50質量%以上)含有していることを特徴としている。好ましくは、前記した吸光度比測定試験において吸光度比が0.3未満である少なくとも1種の水溶性染料を実質的に(すなわち全インクの50質量%以上)含有している。
このような特性を有する染料は、以下の染料からインク画像が記録される受像媒体に含まれる媒染剤と組み合わせた上記試験に適合するものを選択して用いることができる。
また、本発明では、以下の染料で、上記試験において本発明の要求特性に満たないものであっても、インク中の全染料の50質量%を超えない範囲で用いることが出来る。
本発明のインクに用いる染料としては、単色、フルカラーの画像などの色調と階調を整えるために、公知の染料を広く使用することができる。これらの染料としては以下の例を挙げることができる。また、1つのインク組成物に複数の染料を併用することもできる。
イエロー染料としては、例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピラゾロン類、ピリドン類、開鎖型活性メチレン化合物類を有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料;例えばカップリング成分として開鎖型活性メチレン化合物類を有するアゾメチン染料;例えばベンジリデン染料やモノメチンオキソノール染料等のようなメチン染料;例えばナフトキノン染料、アントラキノン染料等のようなキノン系染料などがあり、これ以外の染料種としてはキノフタロン染料、ニトロ・ニトロソ染料、アクリジン染料、アクリジノン染料等を挙げることができる。これらの染料は、クロモフォアの一部が解離して初めてイエローを呈するものであってもよく、その場合のカウンターカチオンはアルカリ金属や、アンモニウムのような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニウム、4級アンモニウム塩のような有機のカチオンであってもよく、さらにはそれらを部分構造に有するポリマーカチオンであってもよい。
マゼンタ染料としては、例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類を有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料;例えばカップリング成分としてピラゾロン類、ピラゾロトリアゾール類を有するアゾメチン染料;例えばアリーリデン染料、スチリル染料、メロシアニン染料、オキソノール染料のようなメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボニウム染料、例えばナフトキノン、アントラキノン、アントラピリドンなどのようなキノン系染料、例えばジオキサジン染料等のような縮合多環系色素等を挙げることができる。これらの染料は、クロモフォアの一部が解離して初めてマゼンタを呈するものであってもよく、その場合のカウンターカチオンはアルカリ金属や、アンモニウムのような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニウム、4級アンモニウム塩のような有機のカチオンであってもよく、さらにはそれらを部分構造に有するポリマーカチオンであってもよい。
シアン染料としては、例えばインドアニリン染料、インドフェノール染料のようなアゾメチン染料;シアニン染料、オキソノール染料、メロシアニン染料のようなポリメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボニウム染料;フタロシアニン染料;アントラキノン染料;例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類を有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料、インジゴ・チオインジゴ染料を挙げることができる。これらの染料は、クロモフォアの一部が解離して初めてシアンを呈するものであってもよく、その場合のカウンターカチオンはアルカリ金属や、アンモニウムのような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニウム、4級アンモニウム塩のような有機のカチオンであってもよく、さらにはそれらを部分構造に有するポリマーカチオンであってもよい。
また、ポリアゾ染料などのブッラク染料も使用することができる。
また、直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料、反応性染料等の水溶性染料を併用することもできる。なかでも好ましいものとしては、
C.I. ダイレクトレッド2、4、9、23、26、31、39、62、63、72、75、76、79、80、81、83、84、89、92、95、111、173、184、207、211、212、214、218、21、223、224、225、226、227、232、233、240、241、242、243、247
C.I. ダイレクトバイオレット7、9、47、48、51、66、90、93、94、95、98、100、101
C.I. ダイレクトイエロー8、9、11、12、27、28、29、33、35、39、41、44、50、53、58、59、68、86、87、93、95、96、98、100、106、108、109、110、130、132、142、144、161、163
C.I. ダイレクトブルー1、10、15、22、25、55、67、68、71、76、77、78、80
、84、86、87、90、98、106、108、109、151、156、158、159、160、168、189、
192、193、194、199、200、201、202、203、207、211、213、214、218、225、229、236、237、244、248、249、251、252、264、270、280、288、289、291
C.I. ダイレクトブラック9、17、19、22、32、51、56、62、69、77、80、91、94、97、108、112、113、114、117、118、121、122、125、132、146、154、166、168、173、199
C.I. アシッドレッド35、42、52、57、62、80、82、111、114、118、119、127、
128、131、143、151、154、158、249、254、257、261、263、266、289、299、301、305、336、337、361、396、397
C.I. アシッドバイオレット5、34、43、47、48、90、103、126
C.I. アシッドイエロー17、19、23、25、39、40、42、44、49、50、61、64、76、79、110、127、135、143、151、159、169、174、190、195、196、197、199、218、219、222、227
C.I. アシッドブルー9、25、40、41、62、72、76、78、80、82、92、106、112、
113、120、127:1、129、138、143、175、181、205、207、220、221、230、232、247、258、260、264、271、277、278、279、280、288、290、326
C.I. アシッドブラック7、24、29、48、52:1、172
C.I. リアクティブレッド3、13、17、19、21、22、23、24、29、35、37、40、41、43、45、49、55
C.I. リアクティブバイオレット1、3、4、5、6、7、8、9、16、17、22、23、24、26、27、33、34
C.I. リアクティブイエロー2、3、13、14、15、17、18、23、24、25、26、27、29、35、37、41、42
C.I. リアクティブブルー2、3、5、8、10、13、14、15、17、18、19、21、25、26、27、28、29、38
C.I. リアクティブブラック4、5、8、14、21、23、26、31、32、34
C.I. ベーシックレッド12、13、14、15、18、22、23、24、25、27、29、35、36、38、39、45、46
C.I. ベーシックバイオレット1、2、3、7、10、15、16、20、21、25、27、28、35、37、39、40、48
C.I. ベーシックイエロー1、2、4、11、13、14、15、19、21、23、24、25、28、29、32、36、39、40
C.I. ベーシックブルー1、3、5、7、9、22、26、41、45、46、47、54、57、60、62、65、66、69、71
C.I. ベーシックブラック8、等が挙げられる。
本発明に用いられる水溶性染料は、酸化電位が1.0Vよりも貴であるフタロシアニン染料又はアゾ染料であることが好ましい。より好ましくは酸化電位が1.1Vよりも貴であるフタロシアニン染料又はアゾ染料である。
酸化電位の値(Eox)は当業者が容易に測定することができる。この方法に関しては、例えばP.Delahay著"New Instrumental Methods in Electrochemistry"(1954年 Interscience Publishers社刊)、A.J.Bard他著"Electrochemical Methods"(1980年 JohnWiley & Sons社刊)、藤嶋昭他著"電気化学測定法"(1984年 技報堂出版社刊)などに記載されている。
具体的には、酸化電位は、過塩素酸ナトリウムや過塩素酸テトラプロピルアンモニウムなどの支持電解質を含むジメチルホルムアミドやアセトニトリルなどの溶媒中に、被験試料を1×10-6〜1×10-4モル/リットルの濃度に溶解して、サイクリックボルタンメトリーを用いてSCE(飽和カロメル電極)に対する値として測定する。この値は、液間電位差や試料溶液の液抵抗などの影響で、数10ミルボルト程度偏位することがあるが、標準試料(例えばハイドロキノン)を入れて電位の再現性を保証することができる。なお、電位を一義的に規定するために、本発明では、0.1mol・dm-3の過塩素酸テトラプロピルアンモニウムを支持電解質として含むジメチルホルムアミド中(染料の濃度は0.001mol・dm-3)で測定した値(vs SCE)を染料の酸化電位とする。
上記した染料を、インクジェット用インクに用いる場合の好ましい含有量はインク全体に対して0.2〜25質量%、好ましくは、0.5〜15質量%である。2種以上を併用する場合は、染料の全量が上記の範囲に入るように用いられる。
上記した染料の中でも、本発明のインクに好ましく用いることができる染料は、下記一般式(1)又は一般式(2)で表される構造を有する化合物から選ばれる水溶性染料である。
一般式(1)
Figure 2005200565
A,Bは、それぞれ独立して、置換されていてもよい芳香族基または複素環基であり、A,Bの少なくとも1つは複素環基である。
Aで表される芳香族基はアリール基および置換アリール基を意味する。アリール基は、フェニルまたはナフチルであることが好ましく、フェニルが特に好ましい。アリール基および置換アリール基の炭素原子数は6〜30であることが好ましく、6から20がさらに好ましい。芳香族基の例には、フェニル、p−トリル、p−メトキシフェニル、o−クロロフェニルおよびm−(3−スルホプロピルアミノ)フェニルが含まれる。
A又はBで表される複素環基には、置換基を有する複素環基および無置換の複素環基が含まれる。複素環には脂肪族環、芳香族環または他の複素環が縮合していてもよい。複素環基としては、5員または6員環の複素環基が好ましく、複素環のヘテロ原子としてはN、O、およびSをあげることができる。置換又は無置換複素環基の炭素原子数は6〜30であることが好ましく、6から20がさらに好ましい。複素環基の例には、オキサゾリル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピロリル基、ピロリニル基、チエニル基、ピペラジニル基、ピリジル基、ピリジル基、とくに、2−ピリジル基、2−チエニル基、2−チアゾリル基、2−ベンゾチアゾリル基、2−ベンゾオキサゾリル基および2−フリル基が含まれる。
A又はBで表される芳香族基または複素環基に置換してもよい置換基の例には、脂肪族基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アシルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アリールアゾ基、ヘテロ環アゾ基、イオン性親水性基などが含まれる。上記アリールアゾ基及びヘテロ環アゾ基が有するアリール基及びヘテロ環基は、上記のアリール基及びヘテロ環基と同義である。
また、各置換基は、さらに置換されていてもよく、その場合の置換基としては、上記置換基の説明に挙げたものが挙げられる。
一般式(1)で表される構造を有する染料の具体例としては、例えば特開2002−371214号公報の表1〜表14に示された染料及び特開2003−238863号公報に示されたイエロー、マゼンタ、ブラックの染料をあげることができるが、これらに限定されるものではない。
一般式(2)
Figure 2005200565
式中、X1、X2、X3およびX4は、それぞれ独立に、−SO−Z、−SO2−Z、−SO2NR12、スルホ基、−CONR12、または−CO21を表す。Zは、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換の複素環基を表す。R1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換の複素環基を表す。なお、Zが複数個存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。Y1、Y2、Y3およびY4は、それぞれ独立に、一価の置換基を表す。なお、X1〜X4およびY1〜Y4のいずれかが複数個存在するとき、それらは、同一でも異なっていてもよい。Mは、水素原子、金属原子またはその酸化物、水酸化物もしくハロゲン化物である。
1〜a4およびb1〜b4は、それぞれX1〜X4およびY1〜Y4の置換奇数を表し、a1〜a4はそれぞれ独立に、0〜4の整数であり、全てが同時に0になることはなく、b1〜b4は、それぞれ独立に、0〜4の整数である。
一般式(2)で表される構造を有する染料の具体例としては、特開2003−3086号、特開2003−3099号、特開2003−3109号、特開2003−12952号、特開2003−12956号などの各公報に例示された各フタロシアニン染料をあげることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明のインクに用いる上記した染料や受像材料に用いる媒染剤に係る説明以外について述べる。
本発明のインク組成物が含有し得る界面活性剤について説明する。
本発明では、インク組成物に界面活性剤を含有させ、インク組成物の液物性を調整することで、インクの吐出安定性を向上させ、画像の耐水性の向上や印字したインクの滲みの防止などに優れた効果を持たせることができる。
界面活性剤としては、例えばドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルオキシスルホン酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤、セチルピリジニウムクロライド、トリメチルセチルアンモニウムクロライド、テロラブチルアンモニウムクロライド等のカチオン性界面活性剤や、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンナフチルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等のノニオン性界面活性剤などが挙げられる。中でも特にノニオン系界面活性剤が好ましく使用される。
界面活性剤の含有量はインクに対して0.001〜15質量%、好ましくは0.005〜10質量%、更に好ましくは0.01〜5質量である。
本発明のインク組成物は、水性媒体中に前記の染料と界面活性剤を溶解および/または分散させることによって作製することができる。本発明における「水性媒体」とは、水又は水と少量の水混和性有機溶剤との混合物に、必要に応じて湿潤剤、安定剤、防腐剤等の添加剤を添加したものを意味する。
本発明のインク組成物を調液する際には、水溶性インクの場合、まず水に溶解することが好ましい。そのあと、各種溶剤や添加物を添加し、溶解、混合して均一なインク液とする。
このときの溶解方法としては、攪拌による溶解、超音波照射による溶解、振とうによる溶解等種々の方法が使用可能である。中でも特に攪拌法が好ましく使用される。攪拌を行う場合、当該分野では公知の流動攪拌や反転アジターやディゾルバを利用した剪断力を利用した攪拌など、種々の方式が利用可能である。一方では、磁気攪拌子のように、容器底面との剪断力を利用した攪拌法も好ましく利用できる。
本発明において用いることができる水混和性有機溶剤の例には、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、グリコール誘導体(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングルコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングルコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、エチレングルコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル)、アミン(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、テトラメチルプロピレンジアミン)およびその他の極性溶媒(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アセトニトリル、アセトン)が挙げられる。尚、前記水混和性有機溶剤は、2種類以上を併用してもよい。
本発明では油溶性素材や高沸点有機溶媒を水性媒体中に乳化分散して用いることもできる。乳化分散の際、乳化性の観点から場合によっては低沸点有機溶媒を用いることができる。低沸点有機溶媒としては、常圧で沸点約30℃以上150℃以下の有機溶媒である。例えばエステル類(例えばエチルアセテート、ブチルアセテート、エチルプロピオネート、β−エトキシエチルアセテート、メチルセロソルブアセテート)、アルコール類(例えばイソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、セカンダリーブチルアルコール)、ケトン類(例えばメチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン)、アミド類(例えばジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン)、エーテル類(例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン)等が好ましく用いられるが、これに限定されるものではない。
乳化分散は、高沸点有機溶媒と場合によっては低沸点有機溶媒の混合溶媒に染料を溶かした油相を、水を主体とした水相中に分散し、油相の微小油滴を作るために行われる。この際、水相、油相のいずれか又は両方に、後述する界面活性剤、湿潤剤、染料安定化剤、乳化安定剤、防腐剤、防黴剤等の添加剤を必要に応じて添加することができる。
乳化法としては水相中に油相を添加する方法が一般的であるが、油相中に水相を滴下して行く、いわゆる転相乳化法も好ましく用いることができる。なお、本発明に用いるアゾ染料が水溶性で、添加剤が油溶性の場合にも前記乳化法を適用し得る。
乳化分散する際には、種々の界面活性剤を用いることができる。例えば脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等のアニオン系界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン系界面活性剤が好ましい。また、アセチレン系ポリオキシエチレンオキシド界面活性剤であるSURFYNOLS(AirProducts&Chemicals社)も好ましく用いられる。また、N,N−ジメチル−N−アルキルアミンオキシドのようなアミンオキシド型の両性界面活性剤等も好ましい。更に、特開昭59−157,636号の第(37)〜(38)頁、リサーチ・ディスクロージャーNo.308119(1989年)記載の界面活性剤として挙げたものも使うことができる。
また、乳化直後の安定化を図る目的で、上記界面活性剤と併用して水溶性ポリマーを添加することもできる。水溶性ポリマーとしては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミドやこれらの共重合体が好ましく用いられる。また多糖類、カゼイン、ゼラチン等の天然水溶性ポリマーを用いるのも好ましい。さらに染料分散物の安定化のためには実質的に水性媒体中に溶解しないアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、ビニルエステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、オレフィン類、スチレン類、ビニルエーテル類、アクリロニトリル類の重合により得られるポリビニルやポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレア、ポリカーボネート等も併用することができる。これらのポリマーは−SO3 -、−COO-を含有していること好ましい。これらの実質的に水性媒体中に溶解しないポリマーを併用する場合、高沸点有機溶媒の20質量%以下用いられることが好ましく、10質量%以下で用いられることがより好ましい。
乳化分散により油溶性染料や高沸点有機溶媒を分散させて水性インクとする場合、特に重要なのはその粒子サイズのコントロールである。インクジェットにより画像を形成した際の、色純度や濃度を高めるには平均粒子サイズを小さくすることが必須である。体積平均粒径で好ましくは1μm以下、より好ましくは5〜100nmである。
前記分散粒子の体積平均粒径および粒度分布の測定方法には静的光散乱法、動的光散乱法、遠心沈降法のほか、実験化学講座第4版の417〜418ページに記載されている方法を用いるなど、公知の方法で容易に測定することができる。例えば、インク中の粒子濃度が0.1〜1質量%になるように蒸留水で希釈して、市販の体積平均粒径測定機(例えば、マイクロトラックUPA(日機装(株)製))で容易に測定できる。更に、レーザードップラー効果を利用した動的光散乱法は、小サイズまで粒径測定が可能であり特に好ましい。
体積平均粒径とは粒子体積で重み付けした平均粒径であり、粒子の集合において、個々の粒子の直径にその粒子の体積を乗じたものの総和を粒子の総体積で割ったものである。体積平均粒径については「高分子ラテックスの化学(室井 宗一著 高分子刊行会)」の119ページに記載がある。
また、粗大粒子の存在も印刷性能に非常に大きな影響を与えることが明らかになった。即ち、粗大粒子がヘッドのノズルを詰まらせる、あるいは詰まらないまでも汚れを形成することによってインクの不吐出や吐出のヨレを生じ、印刷性能に重大な影響を与えることが分かった。これを防止するためには、インクにした時にインク1μl中で5μm以上の粒子を10個以下、1μm以上の粒子を1000個以下に抑えることが重要である。
これらの粗大粒子を除去する方法としては、公知の遠心分離法、精密濾過法等を用いることができる。これらの分離手段は乳化分散直後に行ってもよいし、乳化分散物に湿潤剤や界面活性剤等の各種添加剤を加えた後、インクカートリッジに充填する直前でもよい。
平均粒子サイズを小さくし、且つ粗大粒子を無くす有効な手段として、機械的な乳化装置を用いることができる。
本発明のインク組成物には、インクの噴射口での乾操による目詰まりを防止するための乾燥防止剤、インクを紙によりよく浸透させるための浸透促進剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、分散剤、分散安定剤、防黴剤、防錆剤、pH調整剤、消泡剤、キレート剤等の添加剤を適宜選択して適量使用することができる。
乾燥防止剤としては水より蒸気圧の低い水溶性有機溶剤が好ましい。具体的な例としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、チオジグリコール、ジチオジグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、アセチレングリコール誘導体、グリセリン、トリメチロールプロパン等に代表される多価アルコール類、エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノエチル(又はブチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、2−ピロリドン、N−メチルー2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−エチルモルホリン等の複素環類、スルホラン、ジメチルスルホキシド、3−スルホレン等の含硫黄化合物、ジアセトンアルコール、ジエタノールアミン等の多官能化合物、尿素誘導体が挙げられる。これらのうちグリセリン、ジエチレングリコール等の多価アルコールがより好ましい。また上記の乾燥防止剤は単独で用いてもよいし2種以上併用してもよい。これらの乾燥防止剤はインク中に10〜50質量%含有することが好ましい。
浸透促進剤としてはエタノール、イソプロパノール、ブタノール、ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテル、1,2−ヘキサンジオール等のアルコール類やラウリル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウムやノニオン性界面活性剤等を用いることができる。これらはインク中に10〜30質量%含有すれば充分な効果があり、印字の滲み、紙抜け(プリントスルー)を起こさない添加量の範囲で使用するのが好ましい。
本発明に係る画像形成材料によって得られた画像の保存性を向上させるためにインク組成物などに使用される紫外線吸収剤としては特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、リサーチディスクロージャーNo.24239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンゾオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤も用いることができる。
画像の保存性を向上させるために使用される酸化防止剤としては、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。有機の褪色防止剤としてはハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、複素環類などがあり、金属錯体としてはニッケル錯体、亜鉛錯体などがある。より具体的にはリサーチディスクロージャーNo.17643の第VIIのIないしJ項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載された化合物や特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物の一般式及び化合物例に含まれる化合物を使用することができる。
インク組成物に使用される防黴剤としてはデヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンおよびその塩等が挙げられる。これらはインク中に0.02〜5.00質量%使用するのが好ましい。
尚、これらの詳細については「防菌防黴剤事典」(日本防菌防黴学会事典編集委員会編)等に記載されている。
また、防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト、ベンゾトリアゾール等が挙げられる。これらは、インク中に0.02〜5.00質量%使用するのが好ましい。
本発明のインク組成物に加えられるpH調整剤はpH調節、分散安定性付与などの点で好適に使用できるものであって、25℃でのインクのpHが4〜11に調整されていることが好ましい。pHが4未満である場合は染料の溶解性が低下してノズルが詰まりやすく、11を超えると耐水性が劣化する傾向がある。pH調製剤としては、塩基性のものとして有機塩基、無機アルカリ等が、酸性のものとして有機酸、無機酸等が挙げられる。
塩基性化合物としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸1水素ナトリウムなどの無機化合物やアンモニア水、メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、ピペリジン、ジアザビシクロオクタン、ジアザビシクロウンデセン、ピリジン、キノリン、ピコリン、ルチジン、コリジン等の有機塩基を使用することも可能である。
酸性化合物としては、塩酸、硫酸、リン酸、ホウ酸、硫酸水素ナトリウム、硫酸水素カリウム、リン酸2水素カリウム、リン酸2水素ナトリウム等の無機化合物や、酢酸、酒石酸、安息香酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サッカリン酸、フタル酸、ピコリン酸、キノリン酸等の有機化合物を使用することもできる。
本発明のインク組成物中の不揮発性成分は、インクの全量の10〜70質量%であることがインクの吐出安定性やプリント画質、画像の各種堅牢性や印字後の画像の滲みと印字面のべたつき低減の点で好ましく、20〜60質量%であることがインクの吐出安定性や印字後の画像の滲みの低減の点でさらに好ましい。
ここで、不揮発性成分とは、1気圧のもとでの沸点が150℃以上の液体や固体成分、高分子量成分を意味する。インクジェット用インクの不揮発性成分は、染料、高沸点溶媒、必要により添加されるポリマーラテックス、界面活性剤、染料安定化剤、防黴剤、緩衝剤などであり、これら不揮発性成分の多くは、染料安定化剤以外ではインクの分散安定性を低下させ、また印字後にもインクジェット受像紙上に存在するため、受像紙での染料の会合による安定化を阻害し、画像部の各種堅牢性や高湿度条件下での画像の滲みを悪化させる性質を有している。
本発明においては高分子量化合物を含有することも可能である。ここで高分子量化合物とは、インク中に含まれている数平均分子量が5000以上のすべての高分子化合物を指す。これらの高分子化合物としては水性媒体中に実質的の溶解する水溶性高分子化合物や、ポリマーラテックス、ポリマーエマルジョンなどの水分散性高分子化合物、さらには補助溶剤として使用する多価アルコールに溶解するアルコール可溶性高分子化合物などが挙げられるが、実質的にインク液中に均一に溶解又は分散するものであれば、いずれも本発明における高分子量化合物に含まれる。
水溶性高分子化合物の具体例としては、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドなどのポリアルキレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド誘導体等の水溶性高分子、多糖類、デンプン、カチオン化デンプン、カゼイン、ゼラチンなどの天然水溶性高分子、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミドやこれらの共重合体などの水性アクリル樹脂、水性アルキッド樹脂,分子内に−SO3 -、−COO-基を有してい実質的に水性媒体中に溶解する水溶性高分子化合物が挙げられる。
また、ポリマーラテックスとしては、スチレンーブタジエンラテックス、スチレンーアクリルラテックスやポリウレタンラテックスなどが挙げられる。さらに、ポリマーエマルジョンとしては、アクリルエマルジョンなどが挙げられる。
これらの水溶性高分子化合物は単独でも2種以上併用して用いることもできる。
水溶性高分子化合物は、すでに述べたように粘度調整剤として、吐出特性の良好な粘度領域にインクの粘度を調節するために使用されるが,その添加量が多いとインクの粘度が高くなってインク液の吐出安定性が低下し、インクが経時したときに沈殿物によってノズルがつまり易くなる。
粘度調整剤の高分子化合物の添加量は、添加する化合物の分子量にもよるが(高分子量のものほど添加量は少なくて済む)、インク全量に対して添加量を0〜5質量%、好ましくは0〜3質量%、より好ましくは0〜1質量%である。
本発明では前記した界面活性剤とは別に表面張力調整剤として、ノニオン、カチオンあるいはアニオン界面活性剤が挙げられる。例えばアニオン系界面活性剤としては脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等を挙げることができ、ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等を挙げることができる。アセチレン系ポリオキシエチレンオキシド界面活性剤であるSURFYNOLS(AirProducts&Chemicals社)も好ましく用いられる。また、N,N−ジメチル−N−アルキルアミンオキシドのようなアミンオキシド型の両性界面活性剤等も好ましい。更に、特開昭59−157,636号の第(37)〜(38)頁、リサーチ・ディスクロージャーNo.308119(1989年)記載の界面活性剤として挙げたものも使うことができる。
本発明のインク組成物の表面張力は、これらを使用してあるいは使用しないで20〜60mN/mが好ましい。さらに25〜45mN/mが好ましい。
また本発明では分散剤、分散安定剤として上述のカチオン、アニオン、ノニオン系の各種界面活性剤、消泡剤としてフッソ系、シリコーン系化合物やEDTAに代表されるキレート剤等も必要に応じて使用することができる。
本発明が適用されるインクジェット記録に用いられる受像材料すなわち記録紙及び記録フィルムについて前記媒染剤に係ること以外について説明する。記録紙及び記録フィルムにおける支持体はLBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等からなり、必要に応じて従来の公知の顔料、バインダー、サイズ剤、定着剤、カチオン剤、紙力増強剤等の添加剤を混合し、長網抄紙機、円網抄紙機等の各種装置で製造されたもの等が使用可能である。支持体としては、これらの支持体の他に合成紙、プラスチックフィルムシートのいずれであってもよく、支持体の厚みは10〜250μm、坪量は10〜250g/m2が望ましい。
支持体にそのまま受像層及びバックコート層を設けて本発明のインクの受像材料としてもよいし、デンプン、ポリビニルアルコール等でサイズプレスやアンカーコート層を設けた後、受像層及びバックコート層を設けて受像材料としてもよい。さらに支持体には、マシンカレンダー、TGカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置により平坦化処理を行ってもよい。
支持体としては、両面をポリオレフィン(例、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブテンおよびそれらのコポリマー)やポリエチレンテレフタレートでラミネートした紙およびプラスチックフイルムがより好ましく用いられる。ポリオレフィン中に、白色顔料(例、酸化チタン、酸化亜鉛)または色味付け染料(例、コバルトブルー、群青、酸化ネオジウム)を添加することが好ましい。
支持体上に設けられる受像層には、多孔質材料や水性バインダーが含有される。また、受像層には顔料を含むのが好ましく、顔料としては、白色顔料が好ましい。白色顔料としては、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー、珪藻土、合成非晶質シリカ、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、二酸化チタン、硫化亜鉛、炭酸亜鉛等の無機白色顔料、スチレン系ピグメント、アクリル系ピグメント、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。特に好ましくは、多孔性の白色無機顔料がよく、特に細孔面積が大きい合成非晶質シリカ等が好適である。合成非晶質シリカは、乾式製造法(気相法)によって得られる無水珪酸及び湿式製造法によって得られる含水珪酸のいずれも使用可能である。
上記顔料を受像層に含有する記録紙としては、具体的には、特開平10−81064号、同10−119423、同10−157277、同10−217601、同11−348409、特開2001−138621、同2000−43401、同2000−211235、同2000−309157、同2001−96897、同2001−138627、特開平11−91242、同8−2087、同8−2090、同8−2091、同8−2093、同8−174992、同11−192777、特開2001−301314などに開示されたものを用いることができる。
受像層に含有される水性バインダーとしては、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、デンプン、カチオン化デンプン、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド誘導体等の水溶性高分子、スチレンブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン等の水分散性高分子等が挙げられる。これらの水性バインダーは単独または2種以上併用して用いることができる。本発明においては、これらの中でも特にポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコールが顔料に対する付着性、インク受容層の耐剥離性の点で好適である。
受像層は、顔料及び水性バインダーの他に媒染剤、耐水化剤、耐光性向上剤、耐ガス性向上剤、界面活性剤、硬膜剤その他の添加剤を含有することができる。
受像層中に添加する媒染剤は、不動化されていることが好ましい。そのためには、前記した媒染剤が好ましく、とくにポリマー媒染剤が好ましく用いられる。
ポリマー媒染剤については、特開昭48−28325号、同54−74430号、同54−124726号、同55−22766号、同55−142339号、同60−23850号、同60−23851号、同60−23852号、同60−23853号、同60−57836号、同60−60643号、同60−118834号、同60−122940号、同60−122941号、同60−122942号、同60−235134号、特開平1−161236号の各公報、米国特許2484430号、同2548564号、同3148061号、同3309690号、同4115124号、同4124386号、同4193800号、同4273853号、同4282305号、同4450224号の各明細書に記載がある。特開平1−161236号公報の212〜215頁に記載のポリマー媒染剤を含有する受像材料が特に好ましい。同公報記載のポリマー媒染剤を用いると、優れた画質の画像が得られ、かつ画像の耐光性が改善される。
耐水化剤は、画像の耐水化に有効であり、これらの耐水化剤としては、特にカチオン樹脂が望ましい。このようなカチオン樹脂としては、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン、ポリエチレンイミン、ポリアミンスルホン、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、カチオンポリアクリルアミド等が挙げられる。これらのカチオン樹脂の含有量は、インク受容層の全固形分に対して1〜15質量%が好ましく、特に3〜10質量%であることが好ましい。
耐光性向上剤、耐ガス性向上剤としては、フェノール化合物、ヒンダードフェノール化合物、チオエーテル化合物、チオ尿素化合物、チオシアン酸化合物、アミン化合物、ヒンダードアミン化合物、TEMPO化合物、ヒドラジン化合物、ヒドラジド化合物、アミジン化合物、ビニル基含有化合物、エステル化合物、アミド化合物、エーテル化合物、アルコール化合物、スルフィン酸化合物、糖類、水溶性還元性化合物、有機酸、無機酸、ヒドロキシ基含有有機酸、ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、トリアジン化合物、ヘテロ環化合物、水溶性金属塩、有機金属化合物、金属錯体等があげられる。
これらの具体的な化合物例としては、特開平10−182621号、特開2001−260519号、特開2000−260519号、特公平4−34953号、特公平4−34513号、特公平4−34512号、特開平11−170686号、特開昭60−67190号、特開平7−276808号、特開2000−94829号、特表平8−512258号、特開平11−321090号等に記載のものがあげられる。
界面活性剤は、塗布助剤、剥離性改良剤、スベリ性改良剤あるいは帯電防止剤として機能する。界面活性剤については、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載がある。
界面活性剤の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。有機フルオロ化合物の例には、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例、フッ素油)および固体状フッ素化合物樹脂(例、四フッ化エチレン樹脂)が含まれる。有機フルオロ化合物については、特公昭57−9053号(第8〜17欄)、特開昭61−20994号、同62−135826号の各公報に記載がある。
硬膜剤としては特開平1−161236号公報の222頁、特開平9−263036号、特開平10−119423号、特開2001−310547号に記載されている材料などを用いることが出来る。
その他の受像層に添加される添加剤としては、顔料分散剤、増粘剤、消泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐剤、pH調整剤、マット剤、硬膜剤等が挙げられる。尚、インク受容層は1層でも2層でもよい。
記録紙及び記録フィルムには、バックコート層を設けることもでき、この層に添加可能な成分としては、白色顔料、水性バインダー、その他の成分が挙げられる。
バックコート層に含有される白色顔料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。
バックコート層に含有される水性バインダーとしては、スチレン/マレイン酸塩共重合体、スチレン/アクリル酸塩共重合体、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、デンプン、カチオン化デンプン、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子、スチレンブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン等の水分散性高分子等が挙げられる。バックコート層に含有されるその他の成分としては、消泡剤、抑泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐剤、耐水化剤等が挙げられる。
インクジェット記録紙及び記録フィルムの構成層(バック層を含む)には、ポリマー微粒子分散物を添加してもよい。ポリマー微粒子分散物は、寸度安定化、カール防止、接着防止、膜のひび割れ防止のような膜物性改良の目的で使用される。ポリマー微粒子分散物については、特開昭62−245258号、同62−1316648号、同62−110066号の各公報に記載がある。ガラス転移温度が低い(40℃以下の)ポリマー微粒子分散物を媒染剤を含む層に添加すると、層のひび割れやカールを防止することができる。また、ガラス転移温度が高いポリマー微粒子分散物をバック層に添加しても、カールを防止できる。
本発明のインクセットを適用するインクジェットの記録方式に制限はなく、公知の方式例えば静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、及びインクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット(例えばバブルジェット(登録商標名))方式等に用いられる。
インクジェット記録方式には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
本発明のインクジェット記録用インクは、インクジェット記録以外の用途に使用することもできる。例えば、ディスプレイ画像用材料、室内装飾材料の画像形成材料および屋外装飾材料の画像形成材料などに使用が可能である。
ディスプレイ画像用材料としては、ポスター、壁紙、装飾小物(置物や人形など)、商業宣伝用チラシ、包装紙、ラッピング材料、紙袋、ビニール袋、パッケージ材料、看板、交通機関(自動車、バス、電車など)の側面に描画や添付した画像、ロゴ入りの洋服、等各種の物を指す。本発明の染料をディスプレイ画像の形成材料とする場合、その画像とは狭義の画像の他、抽象的なデザイン、文字、幾何学的なパターンなど、人間が認知可能な染料によるパターンをすべて含む。
室内装飾材料としては、壁紙、装飾小物(置物や人形など)、照明器具の部材、家具の部材、床や天井のデザイン部材等各種の物を指す。本発明の染料を画像形成材料とする場合、その画像とは狭義の画像の他、抽象的なデザイン、文字、幾何学的なパターンなど、人間が認知可能な染料によるパターンをすべて含む。
屋外装飾材料としては、壁材、ルーフィング材、看板、ガーデニング材料屋外装飾小物(置物や人形など)、屋外照明器具の部材等各種の物を指す。本発明の染料を画像形成材料とする場合、その画像とは狭義の画像ののみならず、抽象的なデザイン、文字、幾何学的なパターンなど、人間が認知可能な染料によるパターンをすべて含む。
以上のような用途において、パターンが形成されるメディアとしては、紙、繊維、布(不織布も含む)、プラスチック、金属、セラミックス等種々の物を挙げることができる。染色形態としては、媒染、捺染、もしくは反応性基を導入した反応性染料の形で色素を固定化することもできる。この中で、好ましくは媒染形態で染色されることが好ましい。
本発明におけるインクの記録材料上への打滴体積は0.1pl以上100pl以下である。打滴体積の好ましい範囲は0.5pl以上50pl以下であり、特に好ましい範囲は2pl以上50pl以下である。
本発明では、インクジェットの記録方式に制限はなく、公知の方式、例えば静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、及びインクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット(例えばバブルジェット(登録商標名))方式等に用いられる。
インクジェット記録方式には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。インクの打滴体積の制御は主にプリントヘッドにより行われる。
例えばサーマルインクジェット方式の場合、プリントヘッドの構造で打滴体積を制御することが可能である。すなわち、インク室、加熱部、ノズルの大きさを変えることにより、所望のサイズで打滴することができる。またサーマルインクジェット方式であっても、加熱部やノズルの大きさが異なる複数のプリントヘッドを持たせることで、複数サイズの打滴を実現することも可能である。
ピエゾ素子を用いたドロップオンデマンド方式の場合、サーマルインクジェット方式と同様にプリントヘッドの構造上打滴体積を変えることも可能であるが、後述するようにピエゾ素子を駆動する駆動信号の波形を制御することにより、同じ構造のプリントヘッドで複数のサイズの打滴を行うことができる。
本発明においてインクを、記録材料へ打滴するときの吐出周波数は1KHz以上である。
写真のように、高画質の画像を記録するためには、小さいインク滴で鮮鋭度の高い画像を再現するため、打滴密度を600dpi(1インチあたりのドット数)以上とする必要がある。
一方、インクを複数のノズルを有するヘッドで打滴するにあたり、記録紙とヘッドが互いに直交する方向に移動して記録するタイプでは同時に駆動できるヘッドの数は数十から200程度であり、ラインヘッドと呼ばれるヘッドが固定されたタイプでも数百であるという制約がある。これは駆動電力に制約があることや、ヘッドでの発熱が画像に影響を及ぼすため、多数のヘッドノズルを同時に駆動できないためである。
ここで駆動周波数を高くすることにより、記録速度を上げることが可能である。
打滴周波数を制御するには、サーマルインクジェット方式の場合、ヘッドを加熱するヘッド駆動信号の周波数を制御することで可能である。
ピエゾ方式の場合、ピエゾを駆動する信号の周波数を制御することで可能である。
ピエゾヘッドの駆動に関して説明する。プリントすべき画像信号はプリンタ制御部により、打滴サイズ、打滴速度、打滴周波数が決定され、プリントヘッドを駆動する信号が作成される。駆動信号はプリントヘッドに供給される。打滴サイズ、打滴速度、打滴周波数は、エピゾを駆動する信号により制御される。ここで打滴サイズと打滴速度は駆動波形の形状と振幅で決定され、周波数は信号の繰返し周期で決定される。
この打滴周波数を10KHzに設定すると、100マイクロ秒ごとにヘッドは駆動され、400マイクロ秒で1ラインの記録が終了する。記録紙の移動速度を400マイクロ秒に1/600インチすなわち約42ミクロン移動するように設定することにより、1.2秒に1枚の速度でプリントすることが出来る。
本発明の実施の際に用いる印刷装置の構成、プリンタの構成に関しては、たとえば特開平11-170527に開示されるような様態が好適である。また、インクカートリッジに関しては、たとえば特開平5-229133に開示されるものが好適である。吸引およびその際に印字ヘッド28を覆うキャップ等の構成に関しては、たとえば特開平7-276671に開示されるものが好適である。また、ヘッド近傍には特開平9-277552に開示されるような気泡を排除するためのフィルタを備えることが好適である。
また、ノズルの表面は特開2002-292878に記載されるような撥水処理を施すことが好適である。用途としては、コンピュータと接続されるプリンタであってもよいし、写真をプリントすることに特化した装置であってもよい。
また、ノズルの表面は特開2002-292878に記載されるような撥水処理を施すことが好適である。用途としては、コンピュータと接続されるプリンタであってもよいし、写真をプリントすることに特化した装置であってもよい。
本発明のインクジェット記録方法は、インクジェット記録用インク組成物を、記録材料へ打滴するときの平均打滴速度が2m/sec以上、好ましくは5m/sec以上であることが好ましい。
打滴速度の制御は、ヘッドを駆動する波形の形状と振幅を制御することにより行う。
また複数の駆動波形を使い分けることにより、同じヘッドで複数のサイズの打滴を行うことができる。
以下、本発明を実施例によって説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[実施例1]
(染料ならびにポリマーの水溶液の調液)
マゼンタ染料M−1、2、シアン染料C−1、ブラックインク用染料Bk−1を用いて、それぞれの媒染剤と結合する結合基(スルホン酸基、カルボン酸基)基準で5.0mmol/Lの水溶液を調製した(溶液濃度の単位について以下、慣用的用法に従って「mmol/L」を用いるが、正確には「ミリ当量/L」を指す)。また下記媒染ポリマーP−1(分子量Mw=10000)をピロリジニウム環窒素当量で5.0mmol/Lの水溶液となるように調製した(以下、P−1水溶液と呼ぶ)。
Figure 2005200565
上記シアン、マゼンタ、ブラックの各染料の構造を以下に示す。
M-1
Figure 2005200565
M-2
Figure 2005200565
C-1
Figure 2005200565
Bk-1
Figure 2005200565
(沈澱実験:染料・媒染剤相互作用試験)
23℃50%RHに調節された実験室において、pH7.0に調節したB.R.バッファー48mLをガラス容器中に量り取った。そこにスターラーチップを入れて、マグネチックスターラーを用いて撹拌しながら、P−1水溶液を1.0mL添加した。次に撹拌をしたまま、水溶性染料の5mmol/L水溶液1.0mLを添加した。10分間撹拌を続けた後、スターラーチップを取り出して24時間、室温で静置した。この溶液をAとする。溶液Aを遠心機((株)コクサン製H200n型)を用いて6400rpm(1000G)で30分遠心分離した後に目視にて沈澱の有無を観察した。
(吸光度比測定試験>
同様にpH7.0に調節したB.R.バッファー49ccをガラス容器中に量り取り、撹拌しながら水溶性染料の5mmol/L水溶液1.0mLを加えて10分撹拌を続けた後、スターラーチップを取り出して24時間静置した液をBとする。
上記A、Bの溶液をそれぞれ平均孔径0.2μmのミクロフィルターを用いてろ過して不溶物を濾別した。それぞれの濾液の吸光度を日本分光(株)製分光光度計V-560で光路長10mmのガラスセルを用いて測定したときの、極大吸収波長における吸光度をそれぞれAbs(A)、Abs(B)とした。
表1に上記方法で測定した沈澱の有無及びAbs(A)、Abs(B)ならびに Abs(A)/Abs(B)を示す。
Figure 2005200565
(インク調液)
下記の処方で、水溶性染料M−1、M-2、C−1、Bk−1を用いてインク液を作製した。
工程条件としては、すべての添加物を添加の後、脱イオン水を加え1リッターとして、そのインク液を30〜40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過してインクとした。
Figure 2005200565
DEG: ジエチレングリコール
GR: グリセリン
TGB: トリエチレンク゛リコールモノフ゛チルエーテル
DGB: シ゛エチレンク゛リコールモノフ゛チルエーテル
2PD: 2-ピロリドン
TEA: トリエタノールアミン
SW: 界面活性剤(商品名 サーフィノールSTG、Avecia社製)
(印画)
調液したインクを、EPSON社製インクジェットプリンターPM-980Cの対応するカラーインクのカートリッジに装填し、画像を印画させた。受像シートはP−1を媒染剤として含有する受像紙を使用し、高湿条件下の画像のニジミについて評価した。
(評価試験)
1)にじみ性試験
各色単色の3cm×3cmの正方形パターンが4つそれぞれ1mmの白地隙間を形成するように「田」の字型に並んだ印字パターンを作製し、この画像試料を25℃、90%RHの条件下、72時間保存後に白地隙間における各染料のニジミを観察した。にじみの観察は、下記方法によって行なった。すなわち、この画像の印字後すぐと、25℃90%の環境に置き7日間保存した後とに、ミクロ濃度計のアパーチュアを0.05mmとしてそれぞれ対応する色のステータスAフィルター光又は視覚中性フィルター光(マゼンタ染料についてはステータスA緑フィルター、シアン染料についてはステータスA赤フィルター、ブラック染料については視覚中性フィルター)によって白地部分の濃度を測定した。印字直後に対する白地の濃度増加が0.01以下の場合をA、0.01〜0.05の場合をB、0.05以上の場合をCとした。表3に評価結果を示す。
2)画像保存性試験
各インクをそれぞれ用いて、印字試料を作製して以下の評価を行った。ここで印字試料は、マゼンタ、シアンならびにグレーの、階段状に濃度の変化したパターンを印字して、このパターン中でX-rite濃度測定機により各ステータスAのフィルター(ブラックインクの描画部は視覚中性フィルター)を用いて、印字後すぐに求めた濃度が1.0±0.1、1.5±0.1及び2.0±0.1となっているパターンに選んで下記褪色試験における評価用測定点とした。
A)光堅牢性の評価は、印字直後の画像濃度CiをX-rite 310(国際規格ISO5に準拠した市販濃度計)にて測定した後、光堅牢性試験装置(アトラス社製ウェザーオーメーター)を用い画像にキセノン光(8万5千ルックス)を20日照射した後、再び画像濃度Cfを測定し染料残存率Cf/Ci*100を求め評価を行った。オゾンガス濃度は、オゾンガスモニター(Applics社製、モデルOZG−EM−0)を用いて設定及び調整した。染料残像率について各C,Mの単色の純色とグレー部について、光照射前の反射濃度が1,1.5,2の3点にて評価し、いずれの濃度でも染料残存率が70%以上の場合をA、1又は2点が70%未満の場合をB、全ての濃度で70%未満の場合をCとした。
B)耐オゾン性の評価は、前記画像を描画したフォト光沢紙をオゾンガス濃度が0.5ppmに設定されたボックス内に7日間放置し、オゾンガス曝露の前後の濃度を同様に測定して残存画像濃度測定をもとめて色素残存率を得た。染料残像率について各C,Mの単色の純色とグレー部について、オゾンガス曝露前の反射濃度が1,1.5,2の3点にて評価し、いずれの濃度でも染料残存率が80%以上の場合をA、1又は2点が80%未満の場合をB、全ての濃度で80%未満の場合をCとした。
得られた結果を表に示す。
Figure 2005200565
表3が示すようにで染料・媒染剤相互作用試験で不溶性沈澱を生成し、吸光度比が0.3以下であった染料C−1及びBk−1をそれぞれ含有する本発明インク試料C−1及びBk−1は、滲み評価がAランクであり、染料・媒染剤相互作用試験で不溶性沈澱を生成せず、吸光度比が0.3を超えたM−1及びM−2をそれぞれ含有する比較インク試料M−1及びM−2の滲み評価がCランクであった。しかも光堅牢性及び耐オゾン性に関しても本発明の方法は優れていることも示されている。
[実施例2]
(ポリマー水溶液の調液)
実施例1で使用したP−1水溶液と同様に、また媒染ポリマーP−2(平均分子量Mw=3000)、P−3(平均分子量Mw=6770)及びP−4(平均分子量Mw=7000)を各官能基窒素当量で5.0mmol/Lの水溶液となるように調製した(以下、それぞれP−2水溶液、P−3水溶液、P−4水溶液と呼ぶ)。
P−2
Figure 2005200565
P−3
Figure 2005200565
P−4
Figure 2005200565
(沈澱実験:染料・媒染剤相互作用試験)
実施例1で使用したマゼンタ染料M−1の1.0mmol/Lの水溶液とポリマー水溶液(P−1、P−2、P−3、P−4水溶液)を用いて実施例1と同様の方法で沈澱実験を行った。その結果を表4に示す。
(吸光度比測定試験)
マゼンタ染料M−1の5.0mmol/Lの水溶液とポリマー水溶液(P−1、P−2、P−3、P−4水溶液)を用いて実施例1と同様の方法で吸光度比をAbs(A)/Abs(B)を求めた。その結果も表4に示す。
Figure 2005200565
マゼンタ染料M−1の水溶液とポリマー水溶液(P−1)との混合例では沈澱物は認められず、かつ高い吸光度比を示すが、M−1の水溶液とポリマー水溶液P−2、P−3又はP−4水溶液とを混合した場合は明らかな沈澱物が認められ、吸光度比も十分に低い値であった。
(印画)
実施例1と同様の手順で調液した染料M−1のインクを、EPSON社製インクジェットプリンターPM-980Cの対応するカラーインクのカートリッジに装填し、画像を印画させた。受像シートはP−1、P−2、P−3、P−4を媒染剤として含有する受像紙をそれぞれ使用し、高湿条件下の画像のニジミについて実施例1と同様の方法で評価した。表5に評価結果を示す。
Figure 2005200565
上記試験が示すように、染料M-1に対して染料・媒染剤相互作用試験で不溶性沈澱を生成し、吸光度比測定試験における吸光度比が0.3以下であったP−2、P−3及びP−4をそれぞれ含む受像シートを用いてM−1使用インクで画像記録した場合は、滲み評価がAランクであり、染料M-1に対して染料・媒染剤相互作用試験で不溶性沈澱を生成せず、沈澱を生じないで吸光度比も0.3を超えた組み合わせであるポリマーP−1を含有する受像シートに画像記録した場合では滲み評価がCランクであった。

Claims (27)

  1. 少なくとも水溶性染料を含むインク組成物であって、該水溶性染料は、該インク組成物を用いて印画する受像材料中に含まれる媒染剤と溶液中に混合したときに、不溶性の沈澱物を生じる染料であることを特徴とするインク組成物。
  2. 前記インク組成物中の水溶性染料は、前記媒染剤と結合する結合基を有し、前記受像材料中に含まれる媒染剤は染料を媒染する媒染基を有することを特徴とする請求項1に記載のインク組成物。
  3. 前記水溶性染料中の結合基の濃度と前記媒染剤中の結合基の濃度とがそれぞれ0.1mmmol/lとなるように、前記水溶性染料及び前記媒染剤をpH5〜8の緩衝溶液中に混合したときに、不溶性の沈澱物を生じる染料であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインク組成物。
  4. 前記不溶性の沈澱物を濾別して得た濾液(A)と、前記水溶性染料及び前記媒染剤をpH5〜8の緩衝溶液中に混合した溶液(B)のそれぞれの可視域吸収スペクトルにおける最大吸収ピークの吸光度をそれぞれAbs(A)、Abs(B)としたときに、Abs(A)/Abs(B)<0.3であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインク組成物。
  5. 前記水溶性染料がアニオン解離性基を有する染料であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインク組成物。
  6. 前記水溶性染料が酸化電位が1.0Vよりも貴であるフタロシアニン染料又はアゾ染料であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のインク組成物。
  7. 前記水溶性染料が複素環基を有するフタロシアニン染料又はアゾ染料であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のインク組成物。
  8. 前記水溶性染料が下記一般式(1)で表される構造を有する染料であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のインク組成物。
    一般式(1)
    Figure 2005200565
    A,Bは、それぞれ独立して、置換されていてもよい芳香族基または複素環基であり、A,Bの少なくとも1つは複素環基である。
  9. 前記水溶性染料が下記一般式(2)で表される構造を有する染料であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のインク組成物。
    一般式(2)
    Figure 2005200565
    式中、X1、X2、X3およびX4は、それぞれ独立に、−SO−Z、−SO2−Z、−SO2NR12、スルホ基、−CONR12、または−CO21を表す。Zは、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換の複素環基を表す。R1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換の複素環基を表す。なお、Zが複数個存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。Y1、Y2、Y3およびY4は、それぞれ独立に、一価の置換基を表す。なお、X1〜X4およびY1〜Y4のいずれかが複数個存在するとき、それらは、同一でも異なっていてもよい。Mは、水素原子、金属原子またはその酸化物、水酸化物もしくハロゲン化物である。
    1〜a4およびb1〜b4は、それぞれX1〜X4およびY1〜Y4の置換奇数を表し、a1〜a4はそれぞれ独立に、0〜4の整数であり、全てが同時に0になることはなく、b1〜b4は、それぞれ独立に、0〜4の整数である。
  10. 前記インク組成物がインクジェット用インクであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のインク組成物。
  11. 少なくとも媒染剤を含む受像材料であって、該媒染剤は該受像材料を印画するために用いるインク組成物に含まれる水溶性染料と溶液中に混合したときに、不溶性の沈澱物を生じる媒染剤であることを特徴とする受像材料。
  12. 前記受像材料中に含まれる媒染剤は前記水溶性染料を媒染する媒染基を有し、前記インク組成物中に含まれる水溶性染料は前記媒染剤と結合する結合基を有することを特徴とする請求請項11に記載の受像材料。
  13. 前記媒染剤中の媒染基の濃度と前記水溶性染料中の結合基の濃度とがそれぞれ0.1mmmol/lとなるように、前記媒染剤及び前記水溶性染料をpH5〜8の緩衝溶液中に混合したときに、前記不溶性の沈澱物を生じることを特徴とする請求項11又は12に記載の受像材料。
  14. 前記媒染剤がカチオン性を有する有機物又は無機物であることを特徴とする請求項11〜13のいずれかに記載の受像材料。
  15. 前記媒染剤がアミン性窒素原子を含む官能基を有するポリマーであることを特徴とする請求項11〜14のいずれかに記載の受像材料。
  16. 前記媒染剤が金属の塩、金属錯体又は無機微粒子分散物であることを特徴とする請求項11〜15のいずれかに記載の受像材料。
  17. 前記受像材料がインクジェット用受像材料であることを特徴とする請求項11〜16のいずれかに記載の受像材料。
  18. 受像材料上に画像情報に応じてインク組成物を吐出して画像形成する画像形成材料であって、前記インク組成物は水溶性染料を含み、前記受像材料は媒染剤を含み、かつ前記水溶性染料と前記媒染剤は溶液中に混合したときに不溶性の沈澱物を生じることを特徴とする画像形成材料。
  19. 前記インク組成物中の水溶性染料は、前記媒染剤と結合する結合基を有し、前記受像材料中に含まれる媒染剤は染料を媒染する媒染基を有することを特徴とする請求項18に記載の画像形成材料。
  20. 前記水溶性染料中の結合基の濃度と前記媒染剤中の結合基の濃度とがそれぞれ0.1mmmol/lとなるように、前記水溶性染料及び前記媒染剤をpH5〜8の緩衝溶液中に混合したときに、前記不溶性の沈澱物を生じる染料であることを特徴とする請求項18又は19に記載の画像形成材料。
  21. 前記水溶性染料がアニオン解離性基を有する染料であり、かつ前記媒染剤がカチオン性基を有する有機物又は無機物であることを特徴とする請求項18〜20のいずれかに記載の画像形成材料。
  22. 前記水溶性染料がアニオン解離性基を有する染料であり、かつ前記媒染剤がアミン性窒素原子を含む官能基を有するポリマー又は無機微粒子であるであることを特徴とする請求項18〜21のいずれかに記載の画像形成材料。
  23. 前記画像形成材料がインクジェット用画像形成材料であることを特徴とする請求項18〜22のいずれかに記載の画像形成材料。
  24. 媒染剤を含む受像材料上に画像情報に応じて水溶性染料を含むインク組成物を吐出して画像形成する画像形成方法であって、前記前記水溶性染料と前記媒染剤は溶液中に混合したときに不溶性の沈澱物を生じる水溶性染料と前記媒染剤であることを特徴とする画像形成方法。
  25. 前記インク組成物中の水溶性染料は、前記媒染剤と結合する結合基を有し、前記受像材料中に含まれる媒染剤は染料を媒染する媒染基を有することを特徴とする請求項24に記載の画像形成方法。
  26. 前記水溶性染料中の結合基の濃度と前記媒染剤中の結合基の濃度とがそれぞれ0.1mmmol/lとなるように、前記水溶性染料及び前記媒染剤をpH5〜8の緩衝溶液中に混合したときに、前記不溶性の沈澱物を生じる水溶性染料と媒染剤を用いることを特徴とする請求項24又は25に記載の画像形成方法。
  27. 前記不溶性の沈澱物を濾別して得た濾液(A)と、前記水溶性染料及び前記媒染剤をpH5〜8の緩衝溶液中に混合した溶液(B)のそれぞれの可視域吸収スペクトルにおける最大吸収ピークの吸光度をそれぞれAbs(A)、Abs(B)としたときに、Abs(A)/Abs(B)<0.3である水溶性染料と前記媒染剤を用いることを特徴とする請求項24〜26のいずれかに記載の画像形成方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007197538A (ja) * 2006-01-25 2007-08-09 Fujifilm Corp インク、インクジェット記録方法及びアゾ染料

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