JP2007197491A - インク組成物、記録方法及びそれによる記録物 - Google Patents

インク組成物、記録方法及びそれによる記録物 Download PDF

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Abstract

【課題】三原色の黄色としての色再現性に優れた吸収特性を有し、且つ光、熱、湿度及び環境中の活性ガスに対して十分な堅牢性を有し、にじみが少なく且つブロンズ現象が発生しない新規なインク組成物、該組成物を用いたインクセット、記録方法および記録物を提供する。
【解決手段】濃度の異なる淡色および濃色のイエローインクを有するインク組成物において、前記淡色イエローインクおよび前記濃色イエローインクが、それぞれ一般式(Y−I)で表される少なくとも1種の染料を水性媒体中に溶解または分散してなり、かつ、(淡色イエローインク中の水混和性有機溶剤の含有率)≦(濃色イエローインク中の水混和性有機溶剤の含有率)なる関係を満たすことを特徴とするインク組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、インク組成物、記録方法、及びそれによる記録物に関し、特に、記録画像の耐ガス性、耐光性、にじみ、ブロンズ現象を改良するインク組成物、記録方法、およびそれによる記録物に関する。
インクジェット記録方法は、材料費が安価であること、高速記録が可能なこと、記録時の騒音が少ないこと、更にカラー記録が容易であることから、急速に普及し、更に発展しつつある。インクジェット記録方法には、連続的に液滴を飛翔させるコンティニュアス方式と画像情報信号に応じて液滴を飛翔させるオンデマンド方式が有り、その吐出方式にはピエゾ素子により圧力を加えて液滴を吐出させる方式、熱によりインク中に気泡を発生させて液滴を吐出させる方式、超音波を用いた方式、あるいは静電力により液滴を吸引吐出させる方式がある。また、インクジェット用インクとしては、水性インク、油性インク、あるいは固体(溶融型)インクが用いられる。
このようなインクジェット用インクに用いられる色素に対しては、水などの溶剤に対する溶解性が良好なこと、高濃度記録が可能であること、色相が良好であること、光、熱、環境中の活性ガス(NOx、オゾン等の酸化性ガスの他SOxなど)に対して堅牢であること、水や薬品に対する堅牢性に優れていること、受像材料に対して定着性が良く滲みにくいこと、インクとしての保存性に優れていること、毒性がないこと、純度が高いこと、更には、安価に入手できることが要求されている。特に、光、湿度、熱に対して堅牢な色素であること、中でも多孔質の白色無機顔料粒子を含有するインク受容層を有する受像材料上に印字する際には環境中のオゾンなどの酸化性ガスに対して堅牢であること、及び耐水性に優れることが強く望まれている。
耐水性付与やにじみ防止に関しては、印字濃度を染料濃度で制御することが必要となる。全印字を同一の濃色インクで行なった場合、低濃度部のドットは小さくなり、そのため、水混和性有機溶剤や水による影響を受けやすくなり、耐水性が低下したり、にじみが大きくなってしまう。逆に、低濃度部を淡色インクで印字した場合には、ドットを構成する染料は十分に広がっており、水混和性有機溶剤や水による影響を受けにくくなる。
一方、通常インクジェット記録インクの中には、乾燥防止剤、浸透促進剤として水混和性有機溶剤を含有させるが、この水混和性有機溶剤は、印字、乾燥後もインクジェット受像紙中に残存して、印字物の画質や堅牢性に悪影響を及ぼす。そのため、高画質画像の形成が可能で、かつ、吐出安定性が高いインクを得るためには、インク中の水混和性有機溶剤の量が重要となり、該量の適性なる制御が必要である。また、染料濃度の異なる濃色および淡色のインクを調整する際には、各インク中の染料濃度が異なるために、インク中の水混和性有機溶剤の量には、一層注意を払う必要がある。さらには、インク中の水混和性有機溶剤は、印字物のにじみの要因となる問題もある。
また、光学濃度が高い記録画像を形成させた場合において、乾燥するにつれて色素の結晶が記録材料表面に析出して、記録画像が光を反射して金属光沢を放つという、いわゆるブロンズ現象の問題が知られている。この現象は、耐水性、耐光性や耐ガス性を向上させるために色素の水溶解性を下げたり、色素構造中に水素結合性基を導入したりすることにより生じやすい傾向がある。ブロンズ現象の発生によって光を反射、散乱するので、記録画像の光学濃度が低下してしまうばかりでなく、記録画像の色相も所望のものとは大きく異なったり、透明度が失われたりするため、ブロンズ現象抑制はインクジェットインクに要求される性能として重要なものの一つである。
ブロンズ現象抑制の方法としては、(特許文献1から特許文献3)などが知られているが、印画条件によっては、ブロンズ現象の抑制が十分でなく、また、これらの方法では、画像の堅牢性が不十分である。
このように、添加物を使用することでさまざまな効果が得られるものの、従来の添加物だけでは諸性能を維持しながら使用することは難しく、各種支持体への適性確保と堅牢性の両立が難しく、従って、従来にない新たな発想による色材の開発による堅牢性の確保と耐水性およびにじみの改良、本質的なブロンズ現象抑制方法の導入が強く望まれていた。
特開2004−10635号公報 特開2004−149612号公報 特開2004−149613号公報
本発明の目的は、
(1)三原色の黄色としての色再現性に優れた吸収特性を有し、且つ光、熱、湿度及び環境中の活性ガスに対して十分な堅牢性を有し、且つにじみやブロンズ現象が発生しない新規なインク組成物を提供すること、
(2)特に、イエロー系アゾ色素の使用により良好な色相を有し、光及び環境中の活性ガス、特にオゾンガスに対して堅牢性が高く、また、濃色インクおよび淡色インクの使用により、耐水性に優れ、且つブロンズ現象が発生しない画像を形成することができる、インクジェット記録用インク組成物及びインクジェット記録方法を提供すること、及び
(3)上記のインクジェット記録方法を利用することによって、にじみが少なく、ブロンズ現象が発生しない画像記録物及びにじみ及びブロンズ現象を改良する方法を提供すること、にある。
本発明は、以下の通りである。
(1)濃度の異なる淡色および濃色のイエローインクを有するインク組成物において、前記淡色イエローインクおよび前記濃色イエローインクが、それぞれ下記一般式(Y−I)で表される少なくとも1種の染料を水性媒体中に溶解または分散してなり、かつ、(淡色イエローインク中の水混和性有機溶剤の含有率)≦(濃色イエローインク中の水混和性有機溶剤の含有率)なる関係を満たすことを特徴とするインク組成物。
一般式(Y−I):
Figure 2007197491
式中、Gはヘテロ環基を表し、nは1〜3の整数を表す。nが1の時は、R、X、Y、Z、Q、Gは一価の基を表す。nが2の時は、R、X、Y、Z、Q、Gは一価または2価の置換基を表し、少なくとも1つは2価の置換基を表す。nが3の時は、R、X、Y、Z、Q、Gは一価、2価または3価の置換基を表し、少なくとも二つが2価の置換基を表すかまたは少なくとも1つが3価の置換基を表す。
(2)前記一般式(Y-1)で表される染料の酸化電位が、1.0V(vs SEC)よりも貴であることを特徴とするインク組成物。
(3)淡色イエローインクおよび濃色イエローインクが、(濃色イエローインク中の水混和性有機溶剤の含有率×0.6)<(淡色イエローインク中の水混和性有機溶剤の含有率)≦(濃色イエローインク中の水混和性有機溶剤の含有率)なる関係を満たすことを特徴とするインク組成物。
(4)前記(1)〜(3)のいずれかに記載のインク組成物を記録媒体上に付与することを特徴とする記録方法。
(5)前記(1)〜(3)のいずれかに記載のインク組成物の液滴を記録媒体上に吐出させて記録を行うことを特徴とする記録方法。
(6)前記(4)または(5)に記載の記録方法を用いて記録されたことを特徴とする記録物。
本発明によれば、色再現性に優れ、且つ光,熱,湿度及び環境中の活性ガスに対して十分な堅牢性を有し、にじみが少なく、ブロンズ現象が発生しないイエロー画像を形成できるインク組成物(好ましくはインクジェット記録用インク組成物)が提供され、さらには画像のにじみが少なく、ブロンズ発生が防止された、インクジェット記録物及びインクジェット記録方法、さらに画像のにじみおよびブロンズ発生を防止する方法が提供される。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下、本発明に有用なイエロー染料について詳細に説明する。
本発明のインク組成物は、下記一般式(Y−I)で表される化合物を含有する。
一般式(Y−I):
Figure 2007197491
式中、Gはヘテロ環基を表し、nは1〜3の整数を表す。nが1の時は、R、X、Y、Z、Q、Gは一価の基を表す。nが2の時は、R、X、Y、Z、Q、Gは一価または2価の置換基を表し、少なくとも1つは2価の置換基を表す。nが3の時は、R、X、Y、Z、Q、Gは一価、2価または3価の置換基を表し、少なくとも二つが2価の置換基を表すかまたは少なくとも1つが3価の置換基を表す。
一般式(Y−I)で表される化合物はイエロー染料として機能する。本発明のインク組成物は、イエローインク組成物であることが好ましい。
以下、一般式(Y−I)について詳細に説明する。
一般式(Y−I)中、Gの好ましい置換基例は、5〜8員ヘテロ環基が好ましく、その中でも5又は6員の置換もしくは無置換の、芳香族もしくは非芳香族のヘテロ環基が好ましく、それらは更に縮環していてもよい。更に好ましくは、炭素数3から30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。
前記Gで表されるヘテロ環基の例には、置換位置を限定しないで例示すると、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピリミジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、キノキサリン、ピロール、インドール、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、ベンズオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾール、イソオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、イミダゾリジン、チアゾリン、スルホランなどが挙げられる。
前記ヘテロ環基が、更に置換基を有することが可能な基であるときは、以下に挙げたような置換基を更に有してもよい。
炭素数1〜12の直鎖又は分岐鎖アルキル基、炭素数7〜18の直鎖又は分岐鎖アラルキル基、炭素数2〜12の直鎖又は分岐鎖アルケニル基、炭素数2〜12の直鎖又は分岐鎖アルキニル基、炭素数3〜12の直鎖又は分岐鎖シクロアルキル基、炭素数3〜12の直鎖又は分岐鎖シクロアルケニル基(以上の各基は分岐鎖を有するものが染料の溶解性及びインクの安定性を向上させる理由から好ましく、不斉炭素を有するものが特に好ましい。例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、sec-ブチル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、2−メチルスルホニルエチル、3−フェノキシプロピル、トリフルオロメチル、シクロペンチル)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)、アリール基(例えば、フェニル、4−t−ブチルフェニル、2,4−ジ−t−アミルフェニル)、ヘテロ環基(例えば、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシ基、アミノ基、アルキルオキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−メチルスルホニルエトキシ)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、3−t−ブチルオキシカルボニルフェノキシ、3−メトキシカルボニルフェニルオキシ、アシルアミノ基(例えば、アセトアミド、ベンズアミド、4−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)ブタンアミド)、アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、ブチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルブチルアミノ)、アリールアミノ基(例えば、フェニルアミノ、2−クロロアニリノ)、ウレイド基(例えば、フェニルウレイド、メチルウレイド、N,N−ジブチルウレイド)、スルファモイルアミノ基(例えば、N,N−ジプロピルスルファモイルアミノ)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、オクチルチオ、2−フェノキシエチルチオ)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、2−ブトキシ−5−t−オクチルフェニルチオ、2−カルボキシフェニルチオ)、アルキルオキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ)、アルキルスルホニルアミノ基及びアリールスルホニルアミノ基(例えば、メチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、p−トルエンスルホニルアミノ)、カルバモイル基(例えば、N−エチルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル)、スルファモイル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N−フェニルスルファモイル)、スルホニル基(例えば、メチルスルホニル、オクチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−トルエンスルホニル)、アルキルオキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、ブチルオキシカルボニル)、ヘテロ環オキシ基(例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アゾ基(例えば、フェニルアゾ、4−メトキシフェニルアゾ、4−ピバロイルアミノフェニルアゾ、2−ヒドロキシ−4−プロパノイルフェニルアゾ)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ)、カルバモイルオキシ基(例えば、N−メチルカルバモイルオキシ、N−フェニルカルバモイルオキシ)、シリルオキシ基(例えば、トリメチルシリルオキシ、ジブチルメチルシリルオキシ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(例えば、フェノキシカルボニルアミノ)、イミド基(例えば、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)、ヘテロ環チオ基(例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、2,4−ジ−フェノキシ−1,3,5−トリアゾール−6−チオ、2−ピリジルチオ)、スルフィニル基(例えば、3−フェノキシプロピルスルフィニル)、ホスホニル基(例えば、フェノキシホスホニル、オクチルオキシホスホニル、フェニルホスホニル)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル)、アシル基(例えば、アセチル、3−フェニルプロパノイル、ベンゾイル)、イオン性親水性基(例えば、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基及び4級アンモニウム基)が挙げられる。
一般式(I)中、Q、R、X、Y及びZの好ましい置換基例を詳細に説明する。
Q、R、X、Y及びZが一価の基を示す場合、一価の基としては、水素原子、または一価の置換基を表す。一価の置換基を更に詳しく説明する。この一価の置換基の例としては、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アリールアミノ基)、アシルアミノ基(アミド基)、アミノカルボニルアミノ基(ウレイド基)、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基、アゾ基、またはイミド基を挙げることができ、各々はさらに置換基を有していてもよい。
中でも特に好ましいものは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、アルコキシ基、アミド基、ウレイド基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルバモイル基、またはアルコキシカルボニル基であり、特に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、またはヘテロ環基が好ましく、水素原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、またはアルキルスルホニル基が最も好ましい。
以下に、前記Q、R、X、Y及びZを更に詳しく説明する。
Q、R、X、Y及びZで表されるハロゲン原子は、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子を表す。中でも塩素原子、または臭素原子が好ましく、特に塩素原子が好ましい。
Q、R、X、Y及びZで表されるアルキル基は、置換もしくは無置換のアルキル基が含まれる。置換又は無置換のアルキル基は、炭素原子数が1〜30のアルキル基が好ましい。置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。中でも、ヒドロキシ基、アルコキシ基、シアノ基、およびハロゲン原子、スルホ基(塩の形でもよい) またはカルボキシル基(塩の形でもよい)が好ましい。前記アルキル基の例には、メチル、エチル、ブチル、t−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、ヒドロキシエチル、シアノエチルまたは4−スルホブチルを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるシクロアルキル基は、置換もしくは無置換のシクロアルキル基が含まれる。置換基又は無置換のシクロアルキル基は、炭素原子数が5〜30のシクロアルキル基が好ましい。置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記シクロアルキル基の例にはシクロヘキシル、シクロペンチル、または4−n−ドデシルシクロヘキシルを挙げることができる。
Q、R、X、Y及びZで表されるアラルキル基は、置換もしくは無置換のアラルキル基が含まれる。置換もしくは無置換のアラルキル基としては、炭素原子数が7〜30のアラルキル基が好ましい。置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記アラルキルの例にはベンジルおよび2−フェネチルを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるアルケニル基は、直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基を表す。好ましくは炭素数2−30の置換又は無置換のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル、2−シクロペンテンー1−イル、2−シクロヘキセンー1−イルなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるアルキニル基は、炭素数2から30の置換又は無置換のアルキニル基であり、例えば、エチニル、またはプロパルギルを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるアリール基は、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリール基、例えばフェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、またはo−ヘキサデカノイルアミノフェニルである。置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。
Q、R、X、Y及びZで表されるヘテロ環基は、5又は6員の置換もしくは無置換の、芳香族もしくは非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、それらは更に縮環していてもよい。更に好ましくは、炭素数3から30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記ヘテロ環基の例には、置換位置を限定しないで例示すると、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピリミジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、キノキサリン、ピロール、インドール、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、ベンズオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾール、イソオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、イミダゾリジン、チアゾリンなどが挙げられる。
Q、R、X、Y及びZで表されるアルコキシ基は、置換もしくは無置換のアルコキシ基が含まれる。置換もしくは無置換のアルコキシ基としては、炭素原子数が1〜30のアルコキシ基が好ましい。置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記アルコキシ基の例には、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−オクチルオキシ、メトキシエトキシ、ヒドロキシエトキシおよび3−カルボキシプロポキシなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるアリールオキシ基は、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基が好ましい。置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記アリールオキシ基の例には、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、2−テトラデカノイルアミノフェノキシなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるシリルオキシ基は、炭素数3から20のシリルオキシ基が好ましく、例えば、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるヘテロ環オキシ基は、炭素数2から30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基が好ましい。置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記ヘテロ環オキシ基の例には、例えば、1−フェニルテトラゾールー5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるアシルオキシ基は、ホルミルオキシ基、炭素数2から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記アシルオキシ基の例には、例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニルオキシなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるカルバモイルオキシ基は、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。
前記カルバモイルオキシ基の例には、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイルオキシなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるアルコキシカルボニルオキシ基は、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記アルコキシカルボニルオキシ基の例には、例えばメトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、n−オクチルカルボニルオキシなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるアリールオキシカルボニルオキシ基は、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記アリールオキシカルボニルオキシ基の例には、例えば、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるアミノ基は、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールアミノ基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記アミノ基の例には、例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、N-メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ、ヒドロキシエチルアミノ、カルボキシエチルアミノ、スルフォエチルアミノ、3,5−ジカルボキシアニリノなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるアシルアミノ基は、ホルミルアミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記アシルアミノ基の例には、例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるアミノカルボニルアミノ基は、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記アミノカルボニルアミノ基の例には、例えば、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるアルコキシカルボニルアミノ基は、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記アルコキシカルボニルアミノ基の例には、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチルーメトキシカルボニルアミノなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるアリールオキシカルボニルアミノ基は、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記アリールオキシカルボニルアミノ基の例には、例えば、フェノキシカルボニルアミノ、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるスルファモイルアミノ基は、炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記スルファモイルアミノ基の例には、例えば、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるアルキル及びアリールスルホニルアミノ基は、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記アルキルスルホニルアミノ基及びアリールスルホニルアミノ基の例には、例えば、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるアルキルチオ基は、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記アルキルチオ基の例には、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−ヘキサデシルチオなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるアリールチオ基は炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールチオ基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記アリールチオ基の例には、例えば、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メトキシフェニルチオなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるヘテロ環チオ基は、炭素数2から30の置換又は無置換のヘテロ環チオ基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記ヘテロ環チオ基の例には、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるスルファモイル基は、炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイル基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記スルファモイル基の例には、例えば、N−エチルスルファモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル、N−(N‘−フェニルカルバモイル)スルファモイル)などを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるアルキル及びアリールスルフィニル基は、炭素数1から30の置換又は無置換のアルキルスルフィニル基、6から30の置換又は無置換のアリールスルフィニル基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記アルキル及びアリールスルフィニル基の例には、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニル、p−メチルフェニルスルフィニルなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるアルキル及びアリールスルホニル基は、炭素数1から30の置換又は無置換のアルキルスルホニル基、6から30の置換又は無置換のアリールスルホニル基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記アルキル及びアリールスルホニル基の例には、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−トルエンスルホニルなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるアシル基は、ホルミル基、炭素数2から30の置換又は無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数4から30の置換もしくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記アシル基の例には、例えば、アセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル、2―ピリジルカルボニル、2―フリルカルボニルなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるアリールオキシカルボニル基は、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記アリールオキシカルボニル基の例には、例えば、フェノキシカルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、p−t−ブチルフェノキシカルボニルなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるアルコキシカルボニル基は、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記アルコキシカルボニル基の例には、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニルなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるカルバモイル基は、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイル基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記カルバモイル基の例には、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイルなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるホスフィノ基は、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィノ基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記ホスフィノ基の例には、例えば、ジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、メチルフェノキシホスフィノなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるホスフィニル基は、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニル基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記ホスフィニル基の例には、例えば、ホスフィニル、ジオクチルオキシホスフィニル、ジエトキシホスフィニルなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるホスフィニルオキシ基は、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記ホスフィニルオキシ基の例には、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィニルオキシなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるホスフィニルアミノ基は、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記ホスフィニルアミノ基の例には、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチルアミノホスフィニルアミノなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるシリル基は、炭素数3から30の置換もしくは無置換のシリル基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記シリル基の例には、例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリルなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるアゾ基は、例えば、フェニルアゾ、4−メトキシフェニルアゾ、4−ピバロイルアミノフェニルアゾ、2−ヒドロキシ−4−プロパノイルフェニルアゾなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZで表されるイミド基は、例えば、N−スクシンイミド、N−フタルイミドなどを挙げることが出来る。
Q、R、X、Y及びZが二価の基を示す場合、二価の基としては、アルキレン基(例、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン)、アルケニレン基(例、エテニレン、プロぺニレン)、アルキニレン基(例、エチニレン、プロピニレン)、アリーレン基(例、フェニレン、ナフチレン)、二価のヘテロ環基(例、6−クロロ−1、3、5−トリアジン−2、4−ジイル基、ピリミジン−2、4−ジイル基、ピリミジン−4、6−ジイル基、キノキサリン−2、3−ジイル基、ピリダジン−3,6−ジイル)、−O−、−CO−、−NR’−(R’は水素原子、アルキル基又はアリール基)、−S−、−SO−、−SO−又はこれらの組み合わせ(例えば−NHCHCHNH−、−NHCONH−等)であることが好ましい。
アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、二価のヘテロ環基、Rのアルキル基又はアリール基は、置換基を有していてもよい。
置換基の例としては、上記Gで説明した置換基と同義である。
上記R’のアルキル基およびアリール基は、上記Gの置換基例と同義である。
さらに好ましくは、炭素数10以下のアルキレン基、炭素数10以下のアルケニレン基、炭素数10以下のアルキニレン基、炭素数6以上10以下のアリーレン基、二価のヘテロ環基、−S−、−SO−、―SO−又はこれらの組み合わせ(例えば−SCHCHS−、−SCHCHCHS−等)であることがさらに好ましい。
二価の連結基の総炭素数は0乃至50であることが好ましく、0乃至30であることがより好ましく、0乃至10であることが最も好ましい。
Q、R、X、Y及びZが三価の基を示す場合、三価の基としては、3価の炭化水素基、三価のヘテロ環基、>N−、又はこれと2価の基の組み合わせ(例えば>NCHCHNH−、>NCONH−等)であることが好ましい。
三価の連結基の総炭素数は0乃至50であることが好ましく、0乃至30であることがより好ましく、0乃至10であることが最も好ましい。
一般式(Y−I)中、nの好ましい例は、1または2であり、特に2が好ましい。
一般式(Y−I)中、Xの好ましい置換基例は電子吸引性基である。特に、ハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基であり、より好ましくは、σp値が0.30以上の電子吸引性基であることが好ましい。上限としては1.0以下の電子吸引性基である。
σp値が0.20以上の電子吸引性基であるXの具体例としては、アシル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、ジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、ジアリールホスフィニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホニルオキシ基、アシルチオ基、スルファモイル基、チオシアネート基、チオカルボニル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン化アリールオキシ基、ハロゲン化アルキルアミノ基、ハロゲン化アルキルチオ基、σp値が0.20以上の他の電子吸引性基で置換されたアリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、アゾ基、又はセレノシアネート基が挙げられる。
Xの好ましいものとしては、炭素数2〜12のアシル基、炭素数2〜12のアシルオキシ基、炭素数1〜12のカルバモイル基、炭素数2〜12のアルキルオキシカルボニル基、炭素数7〜18のアリールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜12のアルキルスルフイニル基、炭素数6〜18のアリールスルフイニル基、炭素数1〜12のアルキルスルホニル基、炭素数6〜18のアリールスルホニル基、炭素数0〜12のスルファモイル基、炭素数1〜12のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜12のハロゲン化アルキルオキシ基、炭素数1〜12のハロゲン化アルキルチオ基、炭素数7〜18のハロゲン化アリールオキシ基、2つ以上のσp0.20以上の他の電子吸引性基で置換された炭素数7〜18のアリール基、及び窒素原子、酸素原子、またはイオウ原子を有する5〜8員環で炭素数1〜18のヘテロ環基を挙げることができる。
更に好ましくは、シアノ基、炭素数1〜12のアルキルスルホニル基、炭素数6〜18のアリールスルホニル基、または炭素数0〜12のスルファモイル基である。
Xとして特に好ましいものは、シアノ基、炭素数1〜12のアルキルスルホニル基、または炭素数0〜12のスルファモイル基であり、最も好ましいものは、シアノ基、または炭素数1〜12のアルキルスルホニル基である。
一般式(Y−I)中、Zの好ましい置換基例は、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のヘテロ環基などである。
Zが表す詳細な置換基例は、前述のGで表されるヘテロ環基の例で説明した対応する置換基例と同義であり、好ましい例も同じである。
Zが表す特に好ましい置換基は置換アリール基、または置換へテロ環基であり、その中でも特に置換アリール基が好ましい。
一般式(Y−I)中、Qの好ましい置換基例は、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアシル基、置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基、または置換もしくは無置換のアリールスルホニル基が好ましく、特に水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアシル基が好ましく、その中でも特に水素原子が好ましい。
一般式(Y−I)中、Rは置換もしくは無置換の総炭素数C1〜C12のアルキル基、置換もしくは無置換の総炭素数C6〜C18のアリール基、または置換もしくは無置換の総炭素数C4〜C12ヘテロ環基が好ましく、その中でも、総炭素原子数C1〜C8の直鎖アルキル基または分岐のアルキル基が好ましく、特に2級または3級アルキル基が好ましく、t−ブチル基が最も好ましい。
一般式(Y−I)中、Yは水素原子、置換もしくは無置換の総炭素数C1〜C12のアルキル基、置換もしくは無置換の総炭素数C6〜C18のアリール基、または置換もしくは無置換の総炭素数C4〜C12ヘテロ環基が好ましく、その中でも、水素原子、総炭素原子数C1〜C8の直鎖アルキル基及びまたは分岐のアルキル基が好ましく、特に水素原子、またはC1〜C8のアルキル基が好ましく、水素原子が最も好ましい。
本発明の一般式(Y−I)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
本発明の一般式(Y−I)で表される色素として特に好ましい組み合わせは、以下の(イ)〜(ト)を含むものである。
(イ)Gは、5〜8員含窒素ヘテロ環が好ましく、特にS-トリアジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジン環、ピリジン環、イミダゾール環、ピラゾール環、またはピロール環が好ましく、その中でもS-トリアジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、またはピラジン環が好ましく、S-トリアジン環が最も好ましい。
(ロ)Rは置換もしくは無置換の総炭素数C1〜C12のアルキル基、置換もしくは無置換の総炭素数C6〜C18のアリール基、または置換もしくは無置換の総炭素数C4〜C12ヘテロ環基が好ましく、その中でも、総炭素原子数C1〜C8の直鎖アルキル基または分岐のアルキル基が好ましく、特に2級または3級アルキル基が好ましく、t−ブチル基が最も好ましい。
(ハ)Xとして特に好ましいものは、シアノ基、炭素数1〜12のアルキルスルホニル基、炭素数6〜18のアリールスルホニル基、または炭素数0〜12のスルファモイル基であり、その中でも、シアノ基、または炭素数1〜12のアルキルスルホニル基が好ましく、最も好ましいものは、シアノ基である。
(ニ)Yは水素原子、置換もしくは無置換の総炭素数C1〜C12のアルキル基、置換もしくは無置換の総炭素数C6〜C18のアリール基、または置換もしくは無置換の総炭素数C4〜C12ヘテロ環基が好ましく、その中でも、水素原子、総炭素原子数C1〜C8の直鎖アルキル基または分岐のアルキル基が好ましく、特に水素原子、またはC1〜C8のアルキル基が好ましく、水素原子が最も好ましい。
(ホ)Zは、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のヘテロ環基が好ましく、特に好ましい置換基は置換アリール基、または置換へテロ環基であり、その中でも特に置換アリール基が好ましい。
(ヘ)Qは、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアシル基、置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基、または置換もしくは無置換のアリールスルホニル基が好ましく、特に水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアシル基が好ましく、その中でも特に水素原子が好ましい。
(ト)nは1〜3の整数を表し、好ましくは1または2であり、特に2が最も好ましい。
一般式(Y−I)で表される化合物は、下記一般式(Y−1)、一般式(Y−2)、一般式(Y−3)、一般式(Y−4)又は一般式(Y−5)のいずれかで表される化合物であることが好ましい。
一般式(Y−1)
Figure 2007197491
式中、R、R、X、X、Y、Y、Z、及びZは一価の基を示し、Gは5〜8員含窒素ヘテロ環を構成する原子団を示し、Mは水素原子またはカチオンを示す。mは0〜3の整数を表す。
Gの例としては、前述の一般式(Y−I)におけるGと同様のものが挙げられ、R、R、X、X、Y、Y、Z、及びZの表す一価の基の例としては、前述の一般式(Y−I)におけるQ、R、X、Y、及びZと同様のものが挙げられる。
一般式(Y−2)
Figure 2007197491
式中、R、R、R11、R12、X、X、Z、及びZは一価の基を示し、Lは2価の連結基を示し、G、Gはそれぞれ独立に5〜8員含窒素ヘテロ環を構成する原子団を示し、Mは水素原子またはカチオンを示す。m21、m22は、それぞれ独立に0〜3の整数を表す。
、Gの例としては、前述の一般式(Y−I)におけるGと同様のものが挙げられ、R、R、R11、R12、X、X、Z、及びZの表す一価の基の例としては、前述の一般式(Y−I)におけるQ、R、X、Y、及びZと同様のものが挙げられ、Lの表す2価の連結基の例としては、前述の一般式(Y−I)におけるQ、R、X、Y、及びZが2価の基を表す場合の例と同様のものが挙げられる。
一般式(Y−3)
Figure 2007197491
式中、R、R、R11、R12、X、X、Y、及びYは一価の基を示し、Lは2価の連結基を示し、G、Gはそれぞれ独立に5〜8員含窒素ヘテロ環を構成する原子団を示し、Mは水素原子またはカチオンを示す。m31、m32は、それぞれ独立に0〜3の整数を表す。
、Gの例としては、前述の一般式(Y−I)におけるGと同様のものが挙げられ、R、R、R11、R12、X、X、Y、及びYの表す一価の基の例としては、前述の一般式(Y−I)におけるQ、R、X、Y、及びZと同様のものが挙げられ、L2の表す2価の連結基の例としては、前述の一般式(Y−I)におけるQ、R、X、Y、及びZが2価の基を表す場合の例と同様のものが挙げられる。
一般式(Y−4)
Figure 2007197491
式中、R11、R12、X、X、Y、Y、Z、及びZは一価の基を示し、Lは2価の連結基を示し、G、Gはそれぞれ独立に5〜8員含窒素ヘテロ環を構成する原子団を示し、Mは水素原子またはカチオンを示す。m41、m42は、それぞれ独立に0〜3の整数を表す。
、Gの例としては、前述の一般式(Y−I)におけるGと同様のものが挙げられ、R11、R12、X、X、Y、Y、Z、及びZの表す一価の基の例としては、前述の一般式(Y−I)におけるQ、R、X、Y、及びZと同様のものが挙げられ、L3の表す2価の連結基の例としては、前述の一般式(Y−I)におけるQ、R、X、Y、及びZが2価の基を表す場合の例と同様のものが挙げられる。
一般式(5)
Figure 2007197491
式中、R、R、R11、R12、Y、Y、Z、及びZは一価の基を示し、Lは2価の連結基を示し、G、Gはそれぞれ独立に5〜8員含窒素ヘテロ環を構成する原子団を示し、Mは水素原子またはカチオンを示す。m51、m52は、それぞれ独立に0〜3の整数を表す。
、Gの例としては、前述の一般式(Y−I)におけるGと同様のものが挙げられ、R、R、R11、R12、Y、Y、Z、及びZの表す一価の基の例としては、前述の一般式(Y−I)におけるQ、R、X、Y、及びZと同様のものが挙げられ、L4の表す2価の連結基の例としては、前述の一般式(Y−I)におけるQ、R、X、Y、及びZが2価の基を表す場合の例と同様のものが挙げられる。
一般式(Y−I)で表される化合物は、下記一般式(Y−1)、一般式(Y−2)、一般式(Y−3)、一般式(Y−4)又は一般式(Y−5)中、G、G及びGで構成される含窒素ヘテロ環がS−トリアジン環であることが好ましい。
一般式(Y−I)で表される化合物で表される染料の具体例(例示染料DYE−1〜26)を以下に示すが、本発明に用いられる染料は、下記の例に限定されるものではない。
また、以下の具体例の構造は遊離の酸の形で示されるが、任意の塩の形で用いても良いことは言うまでもない。
好ましいカウンターカチオンとしては、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム)、アンモニウム、または有機のカチオン(例えば、ピリジニウム、テトラメチルアンモニウム、グアニジウム)を挙げることができる。
Figure 2007197491
Figure 2007197491
Figure 2007197491
Figure 2007197491
Figure 2007197491
Figure 2007197491
Figure 2007197491
Figure 2007197491
Figure 2007197491

一般式(Y−I)で表される化合物は、例えば、合成法(特開2001−279145号、特開2003−277661号、特開2003−277662号、特開2004−83903号公報が参照できる)を用いて合成可能である。
代表例として染料(DYE-11)の合成法を記述する。
〔DYE-11の合成〕
Figure 2007197491
(1)化合物b1の合成:
NaHCO3 18.5gおよびH2O 185mlを40℃に加温し、化合物a1(東京化成品)18.4gおよびアセトン48mlの溶液を加え、一時間攪拌した。アセトンを濃縮した後、ヒドラジン40gを加え室温で3時間攪拌し、析出した結晶をろ過し、14gの化合物b1(m.p.>300℃)を得た。
(2)化合物c1の合成:
化合物b1 10.5g、ピバロイルアセトニトリル(東京化成品) 20gおよびH2
O 330mlの混合物に1N−NaOH10ml加え、3時間加温した。ろ過し、ロ液
を酢酸で酸性にして析出した結晶ろ過し、4gの化合物c1(m.p.=233〜235℃)を得た。1H-NMR(DMSO-d6),δ値TMS基準:1.2〜1.3(18H,s)
(3)化合物e1の合成:
化合物d1 90.57gを、H2O 500mlに懸濁しておき、130mlの濃塩
酸を注入後内温が5℃以下になるまで冷却した。次に亜硝酸ナトリウム36.23gと70mlの水溶液を内温4〜6℃の範囲で滴下し、更に内温5℃以下で30分間撹拌した。次に、159gの亜硫酸ナトリウムと636mlのH2Oを内温20℃以下を保ちながら注入し、更に内温25℃で250mlの濃塩酸を注入し、引き続き内温90℃で1時間撹拌後、内温を室温が冷却後ろ過、200mlの水で洗浄し風乾後80.0gの化合物e1を得た。
(4)化合物f1の合成:
化合物e1 23.3gと209mlのエタノール懸濁液にトリエチルアミン28mlを室温で滴下後12.2gのエトキシメチレンマロノニトリル(ALDRICH品)を分割添加し、3時間還流し室温まで冷却後ろ過、400mlのイソプロピルアルコールで洗浄し乾燥後23.57gの化合物f1を得た。
(5)DYE-11の合成:
化合物f1 5.4gを43mlの燐酸に室温で溶解し、内温0℃で撹拌しながら3mlの亜硝酸イソアミル(東京化成品)を滴下し、同温度で10分間撹拌した後、3gの化合物c1を100mlのメタノールに懸濁した溶液へ、内温−3〜5℃で滴下し、そのまま同温度で20分間撹拌した後、500mlのH2Oへ反応液を注ぎ、室温で10分間撹
拌した後、ろ過、H2O洗浄して、風乾後DYE−11の粗結晶5.5gを得た。得られた粗結晶を10wt%aq(at25℃:pH≒8.3:KOHaq調製)とした後、ゲルクロマトグラフィ(H2O;SephadexLH−20;AmershamBiosciences)で精製して、2.8gのDYE-11を得た。
λmax=436nm(H2O)、ε:3.38×104(dm3.cm/mol)
本発明のインク組成物は、(淡色イエローインク中の水混和性有機溶剤の含有率)≦(濃色イエローインク中の水混和性有機溶剤の含有率)なる関係を満たすことを特徴とし、さらに、淡色イエローインクおよび濃色イエローインクが、(濃色イエローインク中の水混和性有機溶剤の含有率×0.6)<(淡色イエローインク中の水混和性有機溶剤の含有率)≦(濃色イエローインク中の水混和性有機溶剤の含有率)なる関係を満たすことが好ましい。
本発明のインク組成物は、一般式(Y−I)で表される化合物以外のイエロー染料を併用することができる。
この併用されるイエロー系染料としては、例えば、国際特許公開WO2005/075573、特開2004−83903号(段落番号〔0024〕〜〔0062〕)、同2003−277661号(段落番号〔0021〕〜〔0050〕)、同2003−277262号(段落番号〔0042〕〜〔0047〕)、同2003−128953号(段落番号〔0025〕〜〔0076〕)、同2003−41160号(段落番号〔0028〕〜〔0064〕)、米国出願公開US2003/0213405号(段落番号〔0108〕)に記載されたもの、C.I.ダイレクトイエロー8,9,11,12,27,28,29,33,35,39,41,44,50,53,59,68,87,93,95,96,98,100,106,108,109,110,130,142,144,161,163、C.I.アシッドイエロー17,19,23,25,39,40,42,44,49,50,61,64,76,79,110,127,135,143,151,159,169,174,190,195,196,197,199,218,219,222,227、C.I.リアクティブイエロー2,3,13,14,15,17,18,23,24,25,26,27,29,35,37,41,42、C.I.ベーシックイエロー1,2,4,11,13,14,15,19,21,23,24,25,28,29,32,36,39,40および下記の一般式(Y−6)、一般式(Y−7)等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
一般式(Y−6)
Figure 2007197491


一般式(Y−7)
Figure 2007197491
(前記一般式(Y−6)及び(Y−7)中、K、K、K11、及びK21、は独立して、CH3、OCH3を表し、Z及びZ'は、独立して、5又は6員の置換もしくは無置換の、芳香族もしくは非芳香族のヘテロ環基を表し、それらは更に縮環していてもよい。また、Z及びZ'は、互いに同一であっても異なっていても良い。
本発明において使用するイエロー染料は、堅牢性、オゾンガスに対する堅牢性の点から、酸化電位が1.0V(vs SCE)よりも貴である染料が好ましく、1.1V(vs SCE)よりも貴である染料がさらに好ましく、1.2V(vs SCE)よりも貴である染料が特に好ましい。
酸化電位の値(Eox)は当業者が容易に測定することができる。この方法に関しては、例えばP.Delahay著“New InstrumentalMethods in Electrochemistry”(1954年 Interscience Publishers社刊)やA.J.Bard他著“Electrochemical Methods”(1980年 JohnWiley & Sons社刊)、藤嶋昭他著“電気化学測定法”(1984年 技報堂出版社刊)に記載されている。
具体的に酸化電位は、過塩素酸ナトリウムや過塩素酸テトラプロピルアンモニウムといった支持電解質を含むジメチルホルムアミドやアセトニトリルのような溶媒中に、被験試料を1×10-2〜1×10-6mol/L(リットル)溶解して、各種ボルタンメトリー(滴下水銀電極を用いるポーラログラフィー、サイクリックボルタンメトリー、回転式ディスク電極を用いた方法)を用いてSCE(飽和カロメル電極)に対する値として測定する。この値は、液間電位差や試料溶液の液抵抗などの影響で、数10ミルボルト程度偏位することがあるが、標準試料(例えばハイドロキノン)を入れて電位の再現性を保証することができる。
なお、電位を一義的に規定する為、本発明では0.1moldm-3の過塩素酸テトラプロピルアンモニウムを支持電解質として含むN,N−ジメチルホルムアミド中(染料の濃度は10-3mol/L)で参照電極としてSCE(飽和カロメル電極)、作用極としてグラファイト電極、対極として白金電極を使用して測定した値(vs SCE)を染料の酸化電位とする。
Eoxの値は試料から電極への電子の移りやすさを表わし、その値が大きい(酸化電位が貴である)ほど試料から電極への電子の移りにくい、言い換えれば、酸化されにくいことを表す。化合物の構造との関連では、電子求引性基を導入することにより酸化電位はより貴となり、電子供与性基を導入することにより酸化電位はより卑となる。本発明では、求電子剤であるオゾンとの反応性を下げるために、イエロー染料骨格に電子求引性基を導入して酸化電位をより貴とすることが望ましい。
また、本発明において使用する染料は、堅牢性が良好であると共に色相が良好であるということが好ましく、イエロー色調インク組成物(イエローインク)として用いる場合、特に吸収スペクトルにおいて長波側の裾切れが良好であることが好ましい。このためλmaxが390nmから470nmにあり、λmaxの吸光度I(λmax)と、λmax+70nmの吸光度I(λmax+70nm)との比I(λmax+70nm)/I(λmax)が、0.20以下であるイエロー染料が好ましく、0.15以下がより好ましく、0.10以下がさらに好ましい。なお、ここで定義した吸収波長及び吸光度は、溶媒(水又は酢酸エチル)中での値を示す。
本発明のインク組成物は、媒体を含有させることができるが、媒体として溶媒を用いた場合は特にインクジェット記録用インクとして好適である。本発明のインクは、媒体として、親油性媒体や水性媒体を用いて、それらの中に、本発明の染料を溶解及び/又は分散させることによって作製することができる。好ましくは、水性媒体を用いる場合である。
本発明で用いられる染料を水性媒体に分散させる場合は、特開平11−286637号、特開2001−240763号、特開2001−262039号、特開2001−247788号のように染料と油溶性ポリマーとを含有する着色微粒子を水性媒体に分散したり、特開2001−262018号、特開2001−240763号、特開2001−335734号、特開2002−80772号のように高沸点有機溶媒に溶解した本発明の染料を水性媒体中に分散することが好ましい。本発明で用いられる染料を水性媒体に分散させる場合の具体的な方法、使用する油溶性ポリマー、高沸点有機溶剤、添加剤及びそれらの使用量は、前記特許文献に記載されたものを好ましく使用することができる。あるいは、前記アゾ染料を固体のまま微粒子状態に分散してもよい。分散時には、分散剤や界面活性剤を使用することができる。分散装置としては、簡単なスターラーやインペラー攪拌方式、インライン攪拌方式、ミル方式(例えば、コロイドミル、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテーターミル等)、超音波方式、高圧乳化分散方式(高圧ホモジナイザー;具体的な市販装置としてはゴーリンホモジナイザー、マイクロフルイダイザー、DeBEE2000等)を使用することができる。上記のインクジェット記録用インクの調製方法については、先述の特許文献以外にも特開平5−148436号、同5−295312号、同7−97541号、同7−82515号、同7−118584号、特開平11−286637号、特開2001−271003号の各公報に詳細が記載されていて、本発明のインクジェット記録用インクの調製にも利用できる。
前記水性媒体は、水を主成分とし、所望により、水混和性有機溶剤を添加した混合物を用いることができる。前記水混和性有機溶剤の例には、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、グリコール誘導体(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングルコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル)、アミン(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、テトラメチルプロピレンジアミン)及びその他の極性溶媒(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アセトニトリル、アセトン)が含まれる。尚、前記水混和性有機溶剤は、二種類以上を併用してもよい。なお、上記の水混和性有機溶剤は、インクジェット記録用インクの乾燥防止剤、浸透促進剤、湿潤剤などの機能を有する材料である。
本発明のインク組成物100質量部中に、一般式(Y−I)で表される染料を0.1質量部以上20質量部以下含有するのが好ましく、0.2質量部以上15質量部以下含有するのがより好ましく、0.5〜12質量部含有するのがさらに好ましい。また、本発明のインク組成物には、一般式(Y−I)で表される染料とともに、他の染料を併用してもよい。2種類以上の染料を併用する場合は、染料の含有量の合計が前記範囲となっているのが好ましい。
本発明で得られたインクジェット記録用インク組成物には、インクの噴射口での乾操による目詰まりを防止するための乾燥防止剤(湿潤剤)、インクを紙によりよく浸透させるための浸透促進剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、消泡剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、分散剤、分散安定剤、防黴剤、防錆剤、pH調整剤等の添加剤を適宜選択して適量使用することができる。
本発明に使用される乾燥防止剤(湿潤剤)としては水より蒸気圧の低い水溶性有機溶剤が好ましい。具体的な例としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、チオジグリコール、ジチオジグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、アセチレングリコール誘導体、グリセリン、トリメチロールプロパン等に代表される多価アルコール類、エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノエチル(又はブチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、2−ピロリドン、N−メチルー2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−エチルモルホリン等の複素環類、スルホラン、ジメチルスルホキシド、3−スルホレン等の含硫黄化合物、ジアセトンアルコール、ジエタノールアミン等の多官能化合物、尿素誘導体(尿素等)が挙げられる。これらのうち尿素、グリセリン、トリエチレングリコールがより好ましい。また上記の乾燥防止剤は単独で用いてもよいし2種以上併用してもよい。これらの乾燥防止剤はインク中に0.5〜50質量%、好ましくは10〜50質量%含有する。
本発明に使用される浸透促進剤としてはエタノール、イソプロパノール、ブタノール、ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテル、1,2−ヘキサンジオール等のアルコール類やラウリル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウムやノニオン性界面活性剤等を用いることができる。
本発明ではジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル系浸透促進剤が好ましく用いられる。
これらはインク中に10〜30質量%含有すれば充分な効果があり、印字の滲み、紙抜け(プリントスルー)を起こさない添加量の範囲で使用するのが好ましい。
本発明で画像の保存性を向上させるために使用される紫外線吸収剤としては特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、リサーチディスクロージャーNo.24239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤も用いることができる。
本発明では、画像の保存性を向上させるために使用される酸化防止剤としては、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。有機の褪色防止剤としてはハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類などがあり、金属錯体としてはニッケル錯体、亜鉛錯体などがある。より具体的にはリサーチディスクロージャーNo.17643の第VIIのIないしJ項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載された化合物や特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物の一般式及び化合物例に含まれる化合物を使用することができる。
本発明に使用される消泡剤は、ジメチルポリシロキサンとポリアルキレンオキサイドとのコポリマーであり、ペンダント型、末端変性型又はABN型等があるが、ペンダント型が好ましい。これらのコポリマーはFZ−2203、−2207、−2222、−2166(日本ユニカー社製 商品名)等が挙げられる。
本発明に使用される防黴剤としてはデヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンおよびその塩等が挙げられる。これらはインク中に0.02〜5.00質量%使用するのが好ましい。
尚、これらの詳細については「防菌防黴剤事典」(日本防菌防黴学会事典編集委員会編)等に記載されている。
また、防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト、ベンゾトリアゾール等が挙げられる。これらは、インク中に0.02〜5.00質量%使用するのが好ましい。
本発明に使用されるpH調整剤は、pH調節、分散安定性付与などの点で好適に使用する事ができ、23℃でのインクのpHが8〜11、好ましくは7〜9に調整されていることが好ましい。pHが8未満である場合は染料の溶解性が低下してノズルが詰まりやすく、11を超えると耐水性が劣化する傾向がある。pH調整剤としては、塩基性のものとして有機塩基、無機アルカリ等が、酸性のものとして有機酸、無機酸等が挙げられる。
前記有機塩基としては、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン等が挙げられる。前記無機アルカリとしては、アルカリ金属の水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等)、炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等)、アンモニウム等が挙げられる。また、前記有機酸としては、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、アルキルスルホン酸等が挙げられる。前記無機酸としては、塩酸、硫酸、リン酸等が挙げられる。pH調整剤としは、トリエタノールアミンが特に好ましく用いられる。
本発明では表面張力調整剤等として、ノニオン、カチオンあるいはアニオン界面活性剤が挙げられる。例えばアニオン系界面活性剤としては脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等を挙げることができ、ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等を挙げることができる。
本発明ではアセチレングリコール系(好ましくはアセチレン系ポリオキシエチレンオキシド)界面活性剤が好ましく用いられ、その例として、SURFYNOLS(AirProducts&Chemicals社、サーフィノール465など)が挙げられる。界面活性剤の含有量はインク組成物全量に対して0.001〜15質量%、好ましくは0.005〜10質量%、更に好ましくは0.01〜5質量%、特に好ましくは0.1〜5質量%である。
本発明で用いるインクの表面張力は動的・静的表面張力のいずれも、25℃において20〜50mN/m以下であることが好ましく、20〜40mN/m以下であることが更に好ましい。表面張力が50mN/m以下であると、吐出安定性、混色時のにじみ、ひげ等印字品質が向上する。また、インクの表面張力を20mN/m以上であると吐出時、ハード表面へのインクの付着等の観点で優れた効果を発揮する。
本発明のインク粘度は、25℃において1〜30mPa・sであることが好ましい。更に好ましくは2〜15mPa・sであり、特に好ましくは2〜10mPa・sである。
粘度の調製はインク溶剤の添加量で任意に調製可能である。インク溶剤として例えば、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエタノールアミン、2−ピロリドン、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテルなどがある。
また、粘度調整剤を使用してもよい。粘度調整剤としては、例えば、セルロース類、ポリビニルアルコールなどの水溶性ポリマーやノニオン系界面活性剤等が挙げられる。更に詳しくは、「粘度調製技術」(技術情報協会、1999年)第9章、及び「インクジェットプリンタ用ケミカルズ(98増補)−材料の開発動向・展望調査−」(シーエムシー、1997年)162〜174頁に記載されている。
本発明のインク組成物は、単色の画像形成のみならず、フルカラーの画像形成に用いることが好ましい。フルカラー画像を形成するために、マゼンタインク、シアンインク、及びイエローインクを含むインクセットを用いることができ、また、色調を整えるために、更にブラックインクを用いてもよい。マゼンタインクおよびシアンインクのほかにライトマゼンタインクおよびライトシアンインクを用いてもよい。
インクセットにおいて、マゼンタインク組成物に使用するマゼンタ染料としては、例えばカプラー成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類などを有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料;例えばカプラー成分としてピラゾロン類、ピラゾロトリアゾール類などを有するアゾメチン染料;例えばアリーリデン染料、スチリル染料、メロシアニン染料、シアニン染料、オキソノール染料などのようなメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料などのようなカルボニウム染料、例えばナフトキノン、アントラキノン、アントラピリドンなどのようなキノン染料、例えばジオキサジン染料等のような縮合多環染料等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
マゼンタ染料としては、複素環アゾ染料が好ましく、国際出願公開2002/83795号(35〜55頁)、同2002−83662号(27〜42頁)、特開2004−149560号(段落番号[0046]〜[0059])、同2004−149561号(段落番号[0047]〜[0060])に記載されたものが挙げられる。
本発明のインクセットにおいて、シアンインク組成物に使用するシアン染料としては、例えばカプラー成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類などを有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料;例えばカプラー成分としてフェノール類、ナフトール類、ピロロトリアゾールのようなヘテロ環類などを有するアゾメチン染料;シアニン染料、オキソノール染料、メロシアニン染料などのようなポリメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料などのようなカルボニウム染料;フタロシアニン染料;アントラキノン染料;インジゴ・チオインジゴ染料などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
会合性のフタロシアニン染料としては、国際出願公開2002/60994号、同2003/811号、同2003/62324号、特開2003−213167号、同2004−75986号、同2004−323605号、同2004−315758、同2004−315807、同2005−179469号に記載されたものが挙げられる。
本発明のインクセットにおいて、ブラックインク組成物に使用できる黒色色材としては、ジスアゾ、トリスアゾ、テトラアゾ染料のほか、カーボンブラックの分散体を挙げることができる。好ましい例として、特開2005-139727に詳しく記載されている。
[インク記録方法]
本発明の記録方法は、本発明のインク組成物を記録媒体上に付与することを特徴とする。本発明の好ましい記録方法は、好ましくは、インク組成物の液滴を記録媒体上に吐出させて記録を行うことを特徴とするインクジェット記録方法で、インク組成物にエネルギーを供与して記録媒体としての公知の受像材料、即ち普通紙、樹脂コート紙、例えば特開平8−169172号公報、同8−27693号公報、同2−276670号公報、同7−276789号公報、同9−323475号公報、特開昭62−238783号公報、特開平10−153989号公報、同10−217473号公報、同10−235995号公報、同10−337947号公報、同10−217597号公報、同10−337947号公報等に記載されているインクジェット専用紙、フィルム、電子写真共用紙、布帛、ガラス、金属、陶磁器等に画像を形成する。なお、本発明のインクジェット記録方法として特開2003−306623号公報段落番号0093〜0105の記載が適用できる。
画像を形成する際に、光沢性や耐水性を与えたり耐候性を改善する目的からポリマーラテックス化合物を併用してもよい。ラテックス化合物を受像材料に付与する時期については、着色剤を付与する前であっても、後であっても、また同時であってもよく、したがって添加する場所も受像紙中であっても、インク中であってもよく、あるいはポリマーラテックス単独の液状物として使用しても良い。
具体的には、特開2002−166638号公報、特開2002−121440号公報、特開2002−154201号公報、特開2002−144696号公報、特開2002−080759号公報、特開2002−187342号公報、特開2002−172774号公報に記載された方法を好ましく用いることができる。
以下に、本発明のインクを用いてインクジェットプリントをするのに用いられる記録紙及び記録フィルムについて説明する。記録紙及び記録フィルムにおける支持体は、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等からなり、必要に応じて従来公知の顔料、バインダー、サイズ剤、定着剤、カチオン剤、紙力増強剤等の添加剤を混合し、長網抄紙機、円網抄紙機等の各種装置で製造されたもの等が使用可能である。これらの支持体の他に合成紙、プラスチックフィルムシートのいずれであってもよく、支持体の厚みは10〜250μm、坪量は10〜250g/m2が望ましい。支持体には、そのままインク受容層及びバックコート層を設けてもよいし、デンプン、ポリビニルアルコール等でサイズプレスやアンカーコート層を設けた後、インク受容層及びバックコー卜層を設けてもよい。更に支持体には、マシンカレンダー、TGカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置により平坦化処理を行ってもよい。本発明では支持体としては、両面をポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブテン及びそれらのコポリマー)でラミネートした紙及びプラスチックフィルムがより好ましく用いられる。ポリオレフィン中に、白色顔料(例えば、酸化チタン、酸化亜鉛)又は色味付け染料(例えば、コバルトブルー、群青、酸化ネオジウム)を添加することが好ましい。
支持体上に設けられるインク受容層には、顔料や水性バインダーが含有される。顔料としては、白色顔料が好ましく、白色顔料としては、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー、珪藻土、合成非晶質シリカ、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、二酸化チタン、硫化亜鉛、炭酸亜鉛等の白色無機顔料、スチレン系ピグメント、アクリル系ピグメント、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。インク受容層に含有される白色顔料としては、多孔性無機顔料が好ましく、特に細孔面積が大きい合成非晶質シリカ等が好適である。合成非晶質シリカは、乾式製造法によって得られる無水珪酸及び湿式製造法によって得られる含水珪酸のいずれも使用可能であるが、特に含水珪酸を使用することが望ましい。
本発明の記録方法はインクジェットの記録方式に制限はなく、公知の方式、例えば静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、電歪素子の機械的変形によりインク滴を形成するインクジェットヘッドを用いる、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して、放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、及びインクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット方式等に用いられる。インクジェット記録方式には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
以下、本発明を実施例によって説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[実施例1]
下記の成分に超純水(抵抗値18MΩ以上)を加え1リッターとした後、30〜40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過して淡色イエローインク液を調製した。
〔淡色イエローインク調整処方〕
イエロー染料(Y−1) 30g/l
尿素 10g/l
トリエチレングリコール 90g/l
グリセリン 90g/l
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 90g/l
2−ピロリドン 20g/l
トリエタノールアミン 7g/l
1,2-ヘキサンジオール 8g/l
サーフィノール465(日信化学製) 10g/l
プロキセルXL2(アビシア製) 5g/l
〔濃色イエローインク調整処方〕
イエロー染料(Y−1) 75g/l
尿素 10g/l
トリエチレングリコール 110g/l
グリセリン 80g/l
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 100g/l
2−ピロリドン 20g/l
トリエタノールアミン 7g/l
1,2-ヘキサンジオール 10g/l
サーフィノール465(日信化学製) 10g/l
プロキセルXL2(アビシア製) 5g/l
[実施例2〜3、比較例1]
実施例1において、淡色イエローインク及び濃色イエローインクの染料種および水混和性有機溶剤種の使用量を表1に示すように変更した以外は、全て実施例1と同様にして淡色イエロー用インク液及び濃色イエロー用インク液を調整した。
Figure 2007197491
これらのインクをEPSON社製インクジェットプリンターPM−G800のカートリッジに装填し、受像シートは富士写真フイルム製 写真仕上げPro、およびEPSON製 CRISPIAに階段状に濃度が変化したイエローの単色画像パターンをPM−G800にて印字させ、画像品質ならびにインクの吐出性と画像堅牢性の評価を行った。
(評価実験)
1)吐出安定性については、カートリッジをプリンターにセットし全ノズルからのインクの突出を確認した後、A4 20枚出力し、以下の基準で評価した。
A:印刷開始から終了まで印字の乱れ無し
B:印字の乱れのある出力が発生する
C:印刷開始から終了まで印字の乱れあり
この実験を、インク充填直後(吐出性A)と、印字サンプルを40℃80%RHの条件下、2週間保存後に評価を行なった。
2)イエロー染料の画像保存性については、画像パターンを用いて、イエロー濃度を測定することで以下の評価を行った。
[1]光堅牢性は印字直後の画像濃度CiをX−rite310にて測定した後、アトラス社製ウェザーメーターを用い画像にキセノン光(10万ルックス)を10日照射した後、再び画像濃度Cfを測定し染料残存率Cf/Ci×100を求め評価を行った。染料残像率について反射濃度が0.7,1.4,1.8の3点にて評価し、いずれの濃度でも染料残存率が85%以上の場合をA、1点が85%未満の場合をB、2点が85%の場合をC、3点全ての濃度で85%未満の場合をDとした。
[2]熱堅牢性については、80℃60%RHの条件下に7日間、試料を保存する前後での濃度を、X−rite310にて測定し染料残存率を求め評価した。染料残像率について反射濃度が0.7,1.4,1.8の3点にて評価し、いずれの濃度でも染料残存率が85%以上の場合をA、1点が85%未満の場合をB、2点が85%未満の場合をC、全ての濃度で85%未満の場合をDとした。
[3]耐オゾン性については、オゾンガス濃度が5ppmに設定されたボックス内に10日間放置し、オゾンガス下放置前後の画像濃度を反射濃度計(X−Rite310TR)を用いて測定し、色素残存率として評価した。尚、前記反射濃度は、0.7、1.4及び1.8の3点で測定した。ボックス内のオゾンガス濃度は、APPLICS製オゾンガスモニター(モデル:OZG−EM−01)を用いて設定した。
何れの濃度でも染料残存率が85%以上の場合をA、1点が85%未満をB、2点が85%の場合をC、全ての濃度で85%未満の場合をDとして、四段階で評価した。
[4]金属光沢の発生有無は、イエロー及びレッドのベタ印画部を反射光により目視観察し光沢性を評価した。金属光沢が観察されないものを○、観察されるものを×とする。
得られた結果を下表に示す。
Figure 2007197491
表の結果から、本発明のインクを使用した系ではにじみが少なく、吐出性、耐侯性に優れ、金属光沢の発生が押さえられることがわかった。
(Y−1)
Figure 2007197491
(Y−2)
Figure 2007197491

Claims (6)

  1. 濃度の異なる淡色および濃色のイエローインクを有するインク組成物において、前記淡色イエローインクおよび前記濃色イエローインクが、それぞれ下記一般式(Y−I)で表される少なくとも1種の染料を水性媒体中に溶解または分散してなり、かつ、(淡色イエローインク中の水混和性有機溶剤の含有率)≦(濃色イエローインク中の水混和性有機溶剤の含有率)なる関係を満たすことを特徴とするインク組成物。
    一般式(Y−I):
    Figure 2007197491

    式中、Gはヘテロ環基を表し、nは1〜3の整数を表す。nが1の時は、R、X、Y、Z、Q、Gは一価の基を表す。nが2の時は、R、X、Y、Z、Q、Gは一価または2価の置換基を表し、少なくとも1つは2価の置換基を表す。nが3の時は、R、X、Y、Z、Q、Gは一価、2価または3価の置換基を表し、少なくとも二つが2価の置換基を表すかまたは少なくとも1つが3価の置換基を表す。
  2. 前記一般式(Y-1)で表される染料の酸化電位が、1.0V(vs SEC)よりも貴であることを特徴とする請求項1に記載のインク組成物。
  3. 淡色イエローインクおよび濃色イエローインクが、(濃色イエローインク中の水混和性有機溶剤の含有率×0.6)<(淡色イエローインク中の水混和性有機溶剤の含有率)≦(濃色イエローインク中の水混和性有機溶剤の含有率)なる関係を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載のインク組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のインク組成物を記録媒体上に付与することを特徴とする記録方法。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載のインク組成物の液滴を記録媒体上に吐出させて記録を行うことを特徴とする記録方法。
  6. 請求項4または5に記載の記録方法を用いて記録されたことを特徴とする記録物。
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