JP5241564B2 - 活性放射線硬化型インクジェット記録用インク組成物、インクジェット記録方法、および印刷物 - Google Patents

活性放射線硬化型インクジェット記録用インク組成物、インクジェット記録方法、および印刷物 Download PDF

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Description

本発明は、活性放射線硬化型インクジェット記録用インク組成物、前記活性放射線硬化型インクジェット記録用インク組成物を用いたインクジェット記録方法、および、前記活性放射線硬化型インクジェット記録用インク組成物を用いて得られた印刷物に関する。
近年、インクジェット記録方式は、簡便・安価に画像を作成でき、ノズルよりインクを被記録媒体と非接触状態で吐出するので、不規則な表面形状の記録媒体に対して良好な印刷を行うことができる。
専用紙を必要とするインクジェット記録方式は、記録媒体が制限されること、記録媒体のコストアップが問題となる。そこで、専用紙と異なる被転写媒体へインクジェット方式により記録する試みが多数なされている。
近年、紫外線などの放射線の照射により硬化可能なインク(活性放射線硬化型インクジェット記録用インク)を、インクジェットにより描画した後、紫外線などの放射線を照射して、インクを硬化する、無溶剤型のインクジェット記録方式が注目されている。
一般に、水を希釈剤として含む水性インクや有機溶剤を希釈剤として含む溶剤型インクと比較して、活性放射線硬化型インクによるインクジェット記録方式は、ガラス、金属、プラスチック基材といった非吸収性基材への描画が可能であり、基材の適応範囲が広い、描画画像の耐擦過性や耐溶剤性に優れる、感度が高い、生産性に優れる、揮発性の溶剤を含まないので臭気等の人体への影響や環境への負荷が小さい、といったメリットを有する。このため、産業用途での利用が期待されている。
活性放射線硬化型インクジェット記録用インクの着色剤としては、耐光性や耐候性に優れることから、顔料が広く使用されている。
しかしながら、色材に各色顔料を用い、吐出安定性に優れた紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物が強く求められている。
例えば、特許文献1には、イエロー顔料としてC.I.ピグメント・イエロー・180と高分子分散剤を含有する紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物が開示されており、吐出安定性と保存安定性に優れた紫外線硬化型インクジェット記録用イエロー色インクが得られるとされている。
特開2004−2528号公報
しかしながら、特許文献1に記載の紫外線硬化型インクジェット記録用イエロー色インクでは、長期間保存あるいは高温で経時された後に使用すると、濃度ムラおよび筋ムラを引き起こし満足できるレベルでないことが判明した。
そこで、長期間保存後または高温経時後の紫外線硬化型インクジェット記録用イエロー色インクにおいて、吐出インク体積のバラツキを小さくし、目標着弾位置からのズレを小さくすることにより、濃度ムラおよび筋ムラを改善することが求められており、以下の点が本発明の課題となる。
即ち、本発明の課題は、長期間保存後または高温経時後であっても、吐出安定性に優れた活性放射線硬化型インクジェット記録用インク組成物を提供することにある。
また、本発明の他の課題は、上記活性放射線硬化型インクジェット記録用インク組成物を用いた、濃度ムラおよび筋ムラを改善しうるインクジェット記録方法、および該インクジェット記録方法により得られた、高品質の印刷物を提供することにある。
前記課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
<1> (A)下記一般式(1)で表されるアゾ顔料およびその互変異性体ならびにそれらの塩および水和物の少なくとも1種、
(B)高分子分散剤、
(C)ラジカル重合性化合物、および、
(D)ラジカル重合開始剤を含有することを特徴とする活性放射線硬化型インクジェット記録用インク組成物。
Figure 0005241564
上記一般式(1)中、Zは、5〜8員の含窒素ヘテロ環に由来する2価の基を表し、Y、Y、R11、R12は、それぞれ独立に、水素原子、または置換基を表し、G、Gは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、またはヘテロ環基を表し、W、Wは、それぞれ独立に、アルコキシ基、アミノ基、アルキル基、またはアリール基を表す。
<2> 前記一般式(1)中のW、Wが、それぞれ独立に、総炭素数3以下のアルコキシ基、アミノ基、または総炭素数3以下のアルキルアミノ基である前記<1>に記載の活性放射線硬化型インクジェット記録用インク組成物。
<3> 前記一般式(1)中のG、Gが、それぞれ独立に、総炭素数3以下のアルキル基である前記<1>または<2>に記載の活性放射線硬化型インクジェット記録用インク組成物。
<4> 前記一般式(1)中のZが、6員の含窒素ヘテロ環に由来する2価の基であることを特徴とする前記<1>〜<3>のいずれか1に記載の活性放射線硬化型インクジェット記録用インク組成物。
<5> 被記録媒体上に、前記<1>〜<4>いずれか1に記載の活性放射線硬化型インクジェット記録用インク組成物を吐出する工程、および、
吐出された活性放射線硬化型インクジェット記録用インク組成物に活性放射線を照射して、前記活性放射線硬化型インクジェット記録用インク組成物を硬化する工程を含むことを特徴とするインクジェット記録方法。
<6> 前記<5>に記載のインクジェット記録方法によって記録された印刷物。
本発明によれば、長期間保存後または高温経時後であっても、吐出安定性に優れた活性放射線硬化型インクジェット記録用インク組成物を提供することができる。
また、本発明によれば、上記活性放射線硬化型インクジェット記録用インク組成物を用いた、濃度ムラおよび筋ムラを改善しうるインクジェット記録方法、および該インクジェット記録方法により得られた、高品質の印刷物を提供することができる。
本発明者等は、活性放射線硬化型インクジェット記録用インク組成物に、アゾ基が結合する炭素原子に隣接する炭素原子に分子内水素結合を形成可能なカルボニル基を有するアゾ顔料を適用すると、該インク組成物を長期間保存後あるいは高温に曝した後であっても、吐出安定性に優れ、その結果、濃度ムラおよび筋ムラの発生を抑制し得ることを見出し、本発明を完成させた。
<活性放射線硬化型インクジェット記録用インク組成物>
以下、まず、本発明の活性放射線硬化型インクジェット記録用インク組成物について詳細に説明する。
以降、本発明の活性放射線硬化型インクジェット記録用インク組成物を、単に、「インク組成物」と称する場合がある。
本発明のインク組成物は、(A)一般式(1)で表されるアゾ顔料およびその互変異性体ならびにそれらの塩および水和物の少なくとも1種、(B)高分子分散剤、(C)ラジカル重合性化合物、および、(D)ラジカル重合開始剤を含有することを特徴とする。
これら(A)〜(D)成分について、順に説明する。
(A)アゾ顔料
本発明に用いられるアゾ顔料は、代表的には一般式(1)で表される。また、(A)アゾ顔料は一般式(1)で表される構造であっても、その互変異性体であってもよい。
以下、下記一般式(1)で表されるアゾ顔料について説明する。
一般式(1)で表される化合物は、その特異的な構造により分子間相互作用を形成しやすく、水または有機溶媒等に対する溶解性が低く、アゾ顔料とすることができる。
ここで、顔料は、水や有機溶媒等に分子分散状態で溶解させて使用する染料とは異なり、溶媒中に分子集合体等の固体粒子として微細に分散させて用いるものである。
Figure 0005241564
一般式(1)中、Zは、5〜8員の含窒素ヘテロ環に由来する2価の基を表し、Y、Y、R11、R12は、それぞれ独立に、水素原子、または置換基を表し、G、Gは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、またはヘテロ環基を表し、W、Wは、それぞれ独立に、アルコキシ基、アミノ基、アルキル基またはアリール基を表す。
一般式(1)において、Zは、5〜8員の含窒素ヘテロ環に由来する2価の基を表し、それらはさらに縮環していてもよい。好ましい含窒素ヘテロ環を、置換位置を限定せずに例示すると、ピロール環、ピラゾール環、トリアゾール環、イミダゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアジアゾール環、チオフェン環、フラン環、ピリジン環、ピリミジン環、トリアジン環、ピリダン環である。より好ましくは、6員含窒素ヘテロ環であり、例えば、ピリジン環、ピリミジン環、S−トリアジン環が挙げられる。Zとして特に好ましくは、ピリミジン環に由来する2価の基である。
Zが6員含窒素ヘテロ環に由来する2価の基の場合、色素分子の分子内、分子間作用が、水素結合性、分子の平面性の点からもより向上しやすい点で好ましい。
一般式(1)において、YおよびYが置換基を表す場合、その例としては、ハロゲン原子、アルキル基(直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基であり、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、さらに環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えば、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アルキルスルホニル基中のアルキル基)もこのような概念のアルキル基を表す。)、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルまたはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、アルキルまたはアリールスルフィニル基、アルキルまたはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールまたはヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基が挙げられる。
およびYとして特に好ましくは、水素原子、アルキル基(例えば、メチル基)、アリール基(例えば、フェニル基)、ヘテロ環基(例えば、2−ピリジル基)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基)であり、さらに好ましくは、水素原子、メチル基、フェニル基、メチルチオ基であり、その中でも水素原子が最も好ましい。
なお、YおよびYは同一であっても異なっていてもよい。
一般式(1)において、R11およびR12は、それぞれ独立に、水素原子、または置換基を表す。
11およびR12が置換基を表す場合、その置換基としては、炭素数1〜12の直鎖または分岐鎖アルキル基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、2−メチルスルホニルエチル、3−フェノキシプロピル、トリフルオロメチル)、炭素数7〜18の直鎖または分岐鎖アラルキル基(例えば、ベンジル)、炭素数2〜12の直鎖または分岐鎖アルケニル基(例えば、ビニル)、炭素数2〜12の直鎖または分岐鎖アルキニル基(例えば、エチニル)、炭素数3〜12の直鎖または分岐鎖シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル)、炭素数3〜12の直鎖または分岐鎖シクロアルケニル基(例えば、シクロペンテニル)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)、アリール基(例えば、フェニル、4−t−ブチルフェニル、2,4−ジ−t−アミルフェニル)、ヘテロ環基(例えば、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシ基、アミノ基、アルキルオキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−メチルスルホニルエトキシ)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、3−t−ブチルオキシカルボニルフェノキシ、3−メトキシカルボニルフェニルオキシ、アシルアミノ基(例えば、アセトアミド、ベンズアミド、4−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)ブタンアミド)、アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、ブチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルブチルアミノ)、アリールアミノ基(例えば、フェニルアミノ、2−クロロアニリノ)、ウレイド基(例えば、フェニルウレイド、メチルウレイド、N,N−ジブチルウレイド)、スルファモイルアミノ基(例えば、N,N−ジプロピルスルファモイルアミノ)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、オクチルチオ、2−フェノキシエチルチオ)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、2−ブトキシ−5−t−オクチルフェニルチオ、2−カルボキシフェニルチオ)、アルキルオキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ)、アルキルスルホニルアミノ基およびアリールスルホニルアミノ基(例えば、メチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、p−トルエンスルホニルアミノ)、カルバモイル基(例えば、N−エチルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル)、スルファモイル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N−フェニルスルファモイル)、スルホニル基(例えば、メチルスルホニル、オクチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−トルエンスルホニル)、アルキルオキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、ブチルオキシカルボニル)、ヘテロ環オキシ基(例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アゾ基(例えば、フェニルアゾ、4−メトキシフェニルアゾ、4−ピバロイルアミノフェニルアゾ、2−ヒドロキシ−4−プロパノイルフェニルアゾ)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ)、カルバモイルオキシ基(例えば、N−メチルカルバモイルオキシ、N−フェニルカルバモイルオキシ)、シリルオキシ基(例えば、トリメチルシリルオキシ、ジブチルメチルシリルオキシ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(例えば、フェノキシカルボニルアミノ)、イミド基(例えば、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)、ヘテロ環チオ基(例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、2,4−ジ−フェノキシ−1,3,5−トリアゾール−6−チオ、2−ピリジルチオ)、スルフィニル基(例えば、3−フェノキシプロピルスルフィニル)、ホスホニル基(例えば、フェノキシホスホニル、オクチルオキシホスホニル、フェニルホスホニル)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル)、アシル基(例えば、アセチル、3−フェニルプロパノイル、ベンゾイル)、イオン性親水性基(例えば、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基および4級アンモニウム基)が挙げられる。
一般式(1)において、好ましいR11およびR12は、置換もしくは無置換の総炭素数1〜8のアシルアミノ基、置換もしくは無置換の総炭素数1〜12のアルキル基、置換もしくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、または置換もしくは無置換の総炭素数4〜12のヘテロ環基であり、より好ましくは、総炭素数1〜8の直鎖アルキル基または分岐アルキル基であり、さらに好ましくは、メチル基またはt−ブチル基であり、その中でも特にt−ブチル基が最も好ましい。
なお、R11およびR12は同一であっても異なっていてもよい。
一般式(1)におけるGおよびGは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、またはヘテロ環基を表し、特に好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、シクロプロピル基、ベンジル基、2−フェネチル基、ビニル基、アリル基、エチニル基、プロパルギル基、フェニル基、p−トリル基、ナフチル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基であり、さらに好ましくは、水素原子、メチル基、フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基であり、その中でも、メチル基、2−ピリジル基、2,6−ピリミジニル基、または2,5−ピラジニル基が好ましい。
また、GおよびGがアルキル基を表す場合、総炭素数5以下のアルキル基であることが好ましく、総炭素数3以下のアルキル基であることがより好ましく、メチル基が最も好ましい。
なお、GおよびGは同一であっても異なっていてもよい。
一般式(1)において、WおよびWは、それぞれ独立に、アルコキシ基、アミノ基、アルキル基、またはアリール基を表す。
およびWで表されるアルコキシ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基等が挙げられる。
およびWで表されるアミノ基としては、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基を含み、好ましくは、アミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアニリノ基、例えば、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基等が挙げられる。
およびWで表されるアルキル基としては、直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基が挙げられ、このアルキル基は、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、さらに環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。
具体的には、アルキル基としては、好ましくは、炭素数1から30のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、エイコシル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。シクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数3から30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基等が挙げられる。ビシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5から30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、ビシクロ[1.2.2]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2.2.2]オクタン−3−イル基等が挙げられる。
およびWで表されるアリール基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリール基、例えば、フェニル基、p−トリル基、ナフチル基、m−クロロフェニル基、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル基等が挙げられる。
その中でも好ましいWおよびWは、アルコシキ基、アミノ基、またはアルキル基であり、より好ましくは、アルコキシ基、またはアミノ基であり、さらに好ましくは、総炭素数5以下のアルコキシ基、アミノ基(−NH基)、総炭素数5以下のアルキルアミノ基であり、特に好ましくは、総炭素数3以下のアルコキシ基、または総炭素数3以下のアルキルアミノ基であり、その中でも特にメトキシ基が最も好ましい。
およびWが、総炭素数5以下のアルコキシ基、アミノ基、または総炭素数5以下のアルキルアミノ基の場合、色素分子が分子内および分子間で相互作用を強固に形成しやすくなり、より安定な分子配列の顔料を構成しやすくなることで、良好な色相、高い堅牢性(耐光・ガス・熱・水・薬品)の点で好ましい。
なお、WおよびWは、同一であっても異なっていてもよい。
本発明において、Z、Y、Y、R11、R12,G、G、W、およびWが、さらに置換基を有しうる基である場合、導入しうる置換基としては、下記の置換基を挙げることができる。
例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルまたはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、アルキルまたはアリールスルフィニル基、アルキルまたはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールまたはヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基が例として挙げられる。
本発明におけるアゾ顔料は、一般式(1)で表されるアゾ顔料の互変異性体もその範囲に含むものである。一般式(1)は、化学構造上取りうる数種の互変異性体の中から極限構造式の形で示しているが、記載された構造以外の互変異性体であってもよく、複数の互変異性体を含有した混合物として用いてもよい。
例えば、一般式(1)で表されるアゾ顔料には、下記一般式(1’)で表されるアゾ−ヒドラゾンの互変異性体が考えられる。
本発明は、一般式(1)で表されるアゾ顔料の互変異性体である以下の一般式(1’)で表される化合物もその範囲に含むものである。
Figure 0005241564
一般式(1’)中、R11、R12、W、W、Y、Y、G、G、およびZは、一般式(1)中のR11、R12、W、W、Y、Y、G、G、およびZとそれぞれ同義である。
なお、前記一般式(1)で表される化合物の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
本発明の一般式(1)で表されるアゾ顔料として特に好ましい組み合わせは、以下の(イ)〜(ホ)を含むものである。
(イ)W、Wは、それぞれ独立に、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基)、アミノ基(例えば、−NH基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基)、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、シクロプロピル基)、またはアリール基(例えば、フェニル基、p−トリル基、ナフチル基)が好ましく、その中でも、アルコシキ基、アミノ基、またはアルキル基が好ましく、より好ましくはアルコキシ基、アミノ基であり、さらに好ましくは、総炭素数5以下のアルコキシ基、アミノ基(−NH基)、総炭素数5以下のアルキルアミノ基であり、特に好ましくは、総炭素数3以下のアルコキシ基、アミノ基(−NH基)、総炭素数3以下のアルキルアミノ基であり、その中でも特にメトキシ基(−OCH基)が最も好ましい。
(ロ)R11、R12は、それぞれ独立に、水素原子、または置換基(例えば、置換もしくは無置換の総炭素数1〜8のアシルアミノ基、置換もしくは無置換の総炭素数1〜12のアルキル基、置換もしくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、または置換もしくは無置換の総炭素数4〜12のヘテロ環基)が好ましく、より好ましくは、総炭素数1〜8の直鎖アルキル基または分岐アルキル基であり、さらに好ましくは、メチル基、イソプロピル基、またはtert−ブチル基であり、その中でも特にtert−ブチル基が最も好ましい。
(ハ)Zは、5〜8員の含窒素ヘテロ環基に由来する2価の基を表し、それらはさらに縮環していてもよい。Zにおける含窒素ヘテロ環としては、5または6員の置換もしくは無置換の含窒素ヘテロ環、例えば、ピロール環、ピラゾール環、トリアゾール環、イミダゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアジアゾール環、チオフェン環、フラン環、ピリジン環、ピリミジン環、トリアジン環、ピリダジン環が好ましく、特に好ましくは、炭素数3から10の6員含窒素ヘテロ環基である。さらに好ましい含窒素ヘテロ環の例は、ピリジン環、ピリミジン環、S−トリアジン環、ピリダジン環、ピラジン環であり、より好ましくは、ピリジン環、ピリミジン環、S−トリアジン環、ピリダジン環、ピラジン環であり、さらに好ましくは、ピリミジン環、S−トリアジン環であり、その中でも特にピリミジン環が最も好ましい。
(ニ)G、Gは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、またはヘテロ環基を表し、特に好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、シクロプロピル基、ベンジル基、2−フェネチル基、ビニル基、アリル基、エチニル基、プロパルギル基、フェニル基、p−トリル基、ナフチル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基が好ましく、さらに好ましくは、水素原子、メチル基、フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基であり、その中でもメチル基、2−ピリジル基、2,6−ピリミジニル基、2,5−ピラジニル基が好ましい。
また、G、Gで表されるアルキル基としては、総炭素数5以下のアルキル基がより好ましく、総炭素数3以下のアルキル基がより好ましく、メチル基が最も好ましい。
(ホ)Y、Yは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基(例えば、メチル基)、アリール基(例えば、フェニル基)、ヘテロ環基(例えば2−ピリジル基)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基)であり、好ましくは、水素原子、メチル基、フェニル基、メチルチオ基であり、その中でも水素原子が最も好ましい。
本発明における上記一般式(1)で表されるアゾ顔料のうち、好ましくは下記一般式(2)で表されるアゾ顔料である。
Figure 0005241564
上記一般式(2)中のG、G、R11、R12、W、W、Y、およびYは、上記一般式(1)中のG、G、R11、R12、W、W、Y、およびYと、それぞれ同義である。
11、X12は、それぞれ独立に、上記一般式(1)中のZで表される含窒素ヘテロ環化合物に由来する2価の基(Het.)中のヘテロ原子を表す。
本発明において、上記一般式(1)で表されるアゾ顔料においては多数の互変異性体が考えられる。
また、本発明において、一般式(1)で表されるアゾ顔料は、分子内水素結合または分子内交叉水素結合を形成する置換基を有することが好ましい。本発明における一般式(1)で表されるアゾ顔料は、少なくとも1個以上の分子内交叉水素結合を形成する置換基を有することが好ましく、少なくとも3個以上の分子内水素結合を形成する置換基を有することがより好ましく、少なくとも3個以上の分子内水素結合を形成する置換基を有し、且つ、それらの水素結合の少なくとも2個が分子内交叉水素結合を形成する置換基を有する場合が特に好ましい。
一般式(1)で表されるアゾ顔料のうち、前述したように特に好ましいアゾ顔料の一般式の例としては、上記一般式(2)で表されるアゾ顔料を挙げることができる。
この構造が好ましい要因としては、一般式(2)で示すようにアゾ顔料構造に含有するヘテロ環を構成する窒素原子、水素原子およびヘテロ原子(アゾ基またはその互変異性体であるヒドラゾン基の窒素原子とカルボニル基の酸素原子またはアミノ基の窒素原子)が少なくとも1個以上の分子内の交叉水素結合(分子内水素結合)を容易に形成し易いことが挙げられる。
これらの構造が好ましい要因としては、上記一般式(2)で示すように、アゾ顔料が含有するヘテロ環基を構成する窒素原子、アミノ基の水素原子およびヘテロ原子(例えば、アゾ基またはその互変異性体であるヒドラゾン基の窒素原子、カルボニル基の酸素原子またはアミノ基の窒素原子)が少なくとも4個以上の分子内水素結合を容易に形成し易く、且つ、少なくとも2個以上の分子内の交叉水素結合を容易に形成し易いことが挙げられる。
その結果、分子の平面性が上がり、さらに分子内・分子間相互作用が向上し、例えば一般式(2)で表されるアゾ顔料の結晶性が高くなり(高次構造を形成し易くなり)、顔料としての要求性能である、光堅牢性、熱安定性、湿熱安定性、耐水性、耐ガス性およびまたは耐溶剤性が大幅に向上するため、最も好ましい例となる。
また、本発明におけるアゾ顔料においては、一般式(1)で表される化合物中に同位元素(例えば、H、H、13C、15N)を含有していてもよい。
以下に、前記一般式(1)で表されるアゾ顔料の具体例として、Pig.−1〜Pig.−46を示すが、本発明に用いられるアゾ顔料は、下記の例に限定されるものではない。また、以下の具体例の構造は化学構造上取りうる数種の互変異性体の中から極限構造式の形で示されているが、記載された構造以外の互変異性体構造のものであってもよいことは言うまでもない。
Figure 0005241564
Figure 0005241564
Figure 0005241564
Figure 0005241564
本発明における一般式(1)で表されるアゾ顔料は、化学構造式が一般式(1)で表されるもの、またはその互変異性体であればよく、その結晶形態についても特に制限はない。例えば、多形(結晶多形)とも呼ばれるいかなる結晶形態の顔料であってもよい。
結晶多形は、同じ化学組成を有するが、結晶中におけるビルディングブロック(分子またはイオン)の配置が異なる結晶のことを言う。結晶多形においては、その結晶構造によって化学的および物理的性質が決定され、各結晶多形は、レオロジー、色相、および他の色特性によってそれぞれ区別することができる。また、異なる結晶多形は、X-Ray Diffraction(粉末X線回折測定結果)やX-Ray Analysis(X線結晶構造解析結果)によって確認することもできる。
本発明における一般式(1)で表されるアゾ顔料に結晶多形が存在する場合、その結晶型はどの多形であってもよく、また2種以上の多形の混合物であってもよいが、結晶型が単一のものを主成分とすることが好ましい。すなわち結晶多形の混入が少ないものが好ましく、単一の結晶型を有するアゾ顔料の含有量はアゾ顔料全体に対し70%〜100%、好ましくは80%〜100%、より好ましくは90%〜100%、さらに好ましくは95%〜100、特に好ましくは100%である。
単一の結晶型を有するアゾ顔料を主成分とすることで、色素分子の配列に対して規則性が向上し、分子内・分子間相互作用が強まり高次な3次元ネットワークを形成しやすくなる。その結果として色相の向上・光堅牢性・熱堅牢性・湿度堅牢性・酸化性ガス堅牢性および耐溶剤性等、顔料に要求される性能の点で好ましい。
アゾ顔料における結晶多形の混合比は、単結晶X線結晶構造解析、粉末X線回折(XRD)、結晶の顕微鏡写真(TEM)、IR(KBr法)等の固体の物理化学的測定値から確認できる。
本発明において、一般式(1)で表されるアゾ顔料が酸基を有する場合には、酸基の一部あるいは全部が塩型のものであってもよく、塩型の顔料と遊離酸型の顔料が混在していてもよい。上記の塩型の例としてNa、Li、K等のアルカリ金属の塩、アルキル基もしくはヒドロキシアルキル基で置換されていてもよいアンモニウムの塩、または有機アミンの塩が挙げられる。有機アミンの例として、低級アルキルアミン、ヒドロキシ置換低級アルキルアミン、カルボキシ置換低級アルキルアミンおよび炭素数2〜4のアルキレンイミン単位を2〜10個有するポリアミン等が挙げられる。これらの塩型の場合、その種類は1種類に限られず複数種混在していてもよい。
さらに、本発明で使用するアゾ顔料の構造において、その1分子中に酸基が複数含まれる場合は、その複数の酸基は、それぞれ独立に塩型あるいは酸型であり、互いに異なるものであってもよい。
本発明において、前記一般式(1)で表されるアゾ顔料は、結晶中に水分子を含む水和物であってもよく、また結晶中に含まれる水分子の数にも特に制限はない。
次に、上記一般式(1)で表されるアゾ顔料の製造方法の一例について説明する。
一般式(1)で表されるアゾ顔料は、例えば、下記一般式(A)で表されるヘテロ環アミンを酸性条件でジアゾニウム化し、下記一般式(B)で表される化合物とカップリング反応を行い、常法による後処理を行うことで、製造することができる。
Figure 0005241564
一般式(A)および(B)中、Wは一般式(1)におけるWおよびWと同義であり、Gは一般式(1)におけるGおよびGと同義であり、R11、R12、およびZは一般式(1)におけるR11、R12、およびZとそれぞれ同義である。
上記一般式(A)で表されるヘテロ環アミンは、一般的には公知慣用の方法、例えば、Helv.Chim.Acta,41,1958,1052〜1056やHelv.Chim.Acta,42,1959,349〜352等に記載の方法、および、それに準じた方法で製造することができる。
また、上記一般式(B)で表される化合物は、国際公開第06/082669号や特開2006−57076号公報に記載の方法、および、それに準じた方法で製造することができる。
上記一般式(A)で表されるヘテロ環アミンのジアゾニウム化反応は、例えば、硫酸、リン酸、酢酸、塩酸、メタンスルホン酸などの酸性溶媒中、亜硝酸ナトリウム、ニトロシル硫酸、亜硝酸イソアミル等の試薬を15℃以下の温度で10分〜6時間程度反応させることで行うことができる。
カップリング反応は、上述の方法で得られたジアゾニウム塩と上記一般式(B)で表される化合物とを40℃以下、好ましくは、25℃以下で10分〜12時間程度反応させることで行うことができる。
このようにして反応させたものは、結晶が析出している場合もあるが、一般的には、反応液に水、あるいはアルコール系溶媒を添加し、結晶を析出させ、結晶を濾取することができる。また、反応液にアルコール系溶媒、水等を添加して結晶を析出させて、析出した結晶を濾取することができる。濾取した結晶を必要に応じて洗浄・乾燥して、一般式(1)で表されるアゾ顔料を得ることができる。
上記の製造方法によって、上記一般式(1)で表されるアゾ顔料は粗アゾ顔料(クルード)として得られるが、本発明の顔料として用いる場合、この粗アゾ顔料(クルード)に対して後処理を行うことが望ましい。
この後処理の方法としては、例えば、ソルベントソルトミリング、ソルトミリング、ドライミリング、ソルベントミリング、アシッドペースティング等の磨砕処理、溶媒加熱処理などによる顔料粒子制御工程、樹脂、界面活性剤および分散剤等による表面処理工程が挙げられる。
本発明の一般式(1)で表されるアゾ顔料は、後処理として溶媒加熱処理および/またはソルベントソルトミリングを行うことが好ましい。
溶媒加熱処理に使用される溶媒としては、例えば、水、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、イソプロパノール、イソブタノール等のアルコール系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等の極性非プロトン性有機溶媒、氷酢酸、ピリジン、またはこれらの混合物等が挙げられる。上記で挙げた溶媒に、さらに無機または有機の酸または塩基を加えてもよい。溶媒加熱処理の温度は所望する顔料の一次粒子径の大きさによって異なるが、40〜150℃が好ましく、60〜100℃がさらに好ましい。また、処理時間は、30分〜24時間が好ましい。
ソルベントソルトミリングとしては、例えば、粗アゾ顔料と、無機塩と、それを溶解しない有機溶剤とを混練機に仕込み、その中で混練磨砕を行うことが挙げられる。上記無機塩としては、水溶性無機塩が好適に使用でき、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等の無機塩を用いることが好ましい。また、平均粒子径0.5〜50μmの無機塩を用いることがより好ましい。当該無機塩の使用量は、粗アゾ顔料に対して3〜20質量倍とするのが好ましく、5〜15質量倍とするのがより好ましい。有機溶剤としては、水溶性有機溶剤が好適に使用できるが、混練時の温度上昇により溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から高沸点溶剤が好ましい。
このような有機溶剤としては、例えば、ジエチレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングルコール、液体ポリプロピレングリコール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2ー(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングルコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールまたはこれらの混合物が挙げられる。当該水溶性有機溶剤の使用量は、粗アゾ顔料に対して0.1〜5質量倍が好ましい。混練温度は、20〜130℃が好ましく、40〜110℃が特に好ましい。混練機としては、例えばニーダーやミックスマーラー等が使用できる。
本発明において、一般式(1)で表されるアゾ顔料粒子の平均粒径は、好ましくは0.005〜0.5μm、より好ましくは0.01〜0.45μm、さらに好ましくは0.015〜0.4μmとなるよう、顔料、分散剤、媒体の選定、分散条件、ろ過条件を設定することが好ましい。
本発明のインク組成物は、一般式(1)で表されるアゾ顔料およびその互変異性体ならびにそれらの塩および水和物の少なくとも1種を含んでいればよく、これらの中から2種以上を併用してもよい。
また、一般式(1)で表されるアゾ顔料およびその互変異性体ならびにそれらの塩および水和物の含有量は、インク組成物の全量に対して、0.1〜10質量%が好ましく、1〜7質量%がより好ましく、2〜5質量%がさらに好ましい。
一般式(1)で表されるアゾ顔料の含有量がこの範囲であれば、所望のイエローの色相が得られ、且つ、吐出安定性にも優れることとなる。
なお、本発明のインク組成物には、一般式(1)で表されるアゾ顔料に加え、下記の顔料を併用することができる。
併用可能な顔料の例としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、14C、16、17、24、34、35、37、42、53、55、65、73、74、75、81、83、93、95、97、98、100、101、104、108、109、110、114、117、120、128、129、138、150、151、153、154、155、180を挙げることができる。
このように、一般式(1)で表されるアゾ顔料とその他の顔料を併用する場合、一般式(1)で表されるアゾ顔料の含有量は、顔料全体に対して20質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましい。
(B)高分子分散剤
本発明のインク組成物は(B)高分子分散剤を含有する。
本発明において、前述した一般式(1)で表されるアゾ顔料を混合・分散する工程は、高分子分散剤の存在下にて行うことが好ましい。
本発明における「高分子分散剤」とは、重量平均分子量が1,000以上の分散剤を意味する。
高分子分散剤の主鎖骨格は、特に制限は無いが、ポリウレタン骨格、ポリアクリル骨格、ポリエステル骨格、ポリアミド骨格、ポリイミド骨格、ポリウレア骨格等が挙げられ、インク組成物の保存安定性の点で、ポリウレタン骨格、ポリアクリル骨格、ポリエステル骨格が好ましい。また、高分子分散剤の構造に関しても特に制限はないが、ランダム構造、ブロック構造、くし型構造、星型構造等が挙げられ、同様に保存安定性の点で、ブロック構造またはくし型構造が好ましい。
高分子分散剤として、具体的には、ビックケミー社より市販されている湿潤分散剤DISPER BYKシリーズの101、102、103、106、108、109、110、111、112、116、130、140、142、145、161、162、163、164、166、167、168、170、171、174、108、182、183、184、185、2000、2001、2020、2050、2070、2096、2150、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社より市販されているEFKAシリーズの4008、4009、4010、4015、4020、4046、4047、4050、4055、4060、4080、4300、4330、4340、4400、4401、4402、4403、4406、4800、5010、5044、5054、5055、5063、5064、5065、5066、5070、5244、ルーブリゾール社より市販されているSolsperseシリーズの3000、5000、11200、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000SC、24000GR、26000、28000、31845、32000、32500、32550、32600、33000、34750、35100、35200、36000、36600、37500、38500、39000、53095、54000、55000、56000、71000、楠本化成(株)より市販されているDISPAR LONシリーズの1210、1220、1831、1850、1860、2100、2150、2200、7004、KS−260、KS−273N、KS−860、KS−873N、PW−36、DN−900、DA−234、DA−325、DA−375、DA−550、DA−1200、DA−1401、DA−7301、味の素ファインテクノ(株)より市販されているアジスパーシリーズのPB−711、PB−821、PB−822、PN−411、PA−111、エアープロダクツ社より市販されているサーフィノールシリーズの104A、104C、104E、104H、104S、104BC、104DPM、104PA、104PG−50、420、440、DF110D、DF110L、DF37、DF58、DF75、DF210、CT111、CT121、CT131、CT136、GA、TG、TGE、日信化学工業(株)より市販されているオルフィンシリーズのSTG、E1004、サンノプコ(株)製SNスパースシリーズの70、2120、2190、(株)ADEKAより市販されているアデカコールおよびアデカトールシリーズ、三洋化成工業(株)より市販されているサンノニックシリーズ、ナロアクティーCLシリーズ、エマルミンシリーズ、ニューポールPEシリーズ、イオネットMシリーズ、イオネットDシリーズ、イオネットSシリーズ、イオネットTシリーズ、サンセパラー100が挙げられる。
インク組成物中の(B)高分子分散剤の好ましい添加量は、インク組成物中における顔料の質量をP、インク組成物中における高分子分散剤の質量をDとした場合、その質量比(D/P)が、0.01≦D/P≦1.5であることが好ましく、0.03≦D/P≦1.0であることがより好ましく、0.05≦D/P≦0.6であることがさらに好ましい。
上記範囲であると、顔料の凝集・沈降、インク粘度上昇が生じず、保存安定性に優れるインク組成物が得られ、インク粘度が低粘度となり、吐出安定性にも優れるインク組成物が得られる。
(C)ラジカル重合性化合物
本発明のインク組成物は(C)ラジカル重合性化合物(以下、「重合性化合物」または「モノマー」ともいう。)を含有する。
ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物であり、分子中にラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する化合物であればどのようなものでもよく、モノマー、オリゴマー、ポリマー等の化学形態を持つものが含まれる。ラジカル重合性化合物は1種のみ用いてもよく、また、目的とする特性を向上するために任意の比率で2種以上を併用してもよく、2種以上併用して用いることが、反応性、印刷物の品質を制御する上で好ましい。
重合性化合物としては、芳香族単官能エチレン性不飽和化合物、N−ビニルラクタム類、脂肪族環状構造を有する単官能エチレン性不飽和化合物、および、多官能エチレン性不飽和化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物を含有することがより好ましい。
以下、それぞれについて詳述する。
(芳香族単官能エチレン性不飽和化合物、および脂肪族環状構造を有する単官能エチレン性不飽和化合物)
脂肪族環状構造を有する単官能エチレン性不飽和化合物、および芳香族単官能エチレン性不飽和化合物は、以下の式(C1)で表される単官能エチレン性不飽和化合物であることが好ましい。なお、脂肪族環状構造を有する単官能エチレン性不飽和化合物とは、ヘテロ原子を含んでもよい脂環式炭化水素基を有する単官能エチレン性不飽和化合物であり、また、芳香族単官能エチレン性不飽和化合物とは、芳香族基を有する単官能エチレン性不飽和化合物である。
また、単官能エチレン性不飽和化合物は、ラジカル重合性モノマーであり、重合性のあるエチレン性不飽和結合を1つのみ有するモノマーである。重合性のあるエチレン性不飽和結合を有する基としては、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基、ビニル基、ビニルオキシ基が好ましく例示できる。
なお、本発明において、脂肪族環状構造を有するラジカル重合性モノマーは、脂肪族環状構造の他にエチレン性不飽和結合を有しており、脂肪族環状構造内に有するエチレン性不飽和結合は、重合性のあるエチレン性不飽和結合に該当しない。また、芳香族単官能エチレン性不飽和化合物は、芳香族基の他に、エチレン性不飽和結合を1つ有する化合物である。
脂肪族環状構造を有する単官能エチレン性不飽和化合物、および芳香族単官能エチレン性不飽和化合物として具体的には、特開2008−87248の段落〔0194〕〜〔0207〕に記載のラジカル重合性モノマーが挙げられ、ここに記載の化合物を本発明でも好適に用いることができる。
(N−ビニルラクタム類)
本発明において、重合性化合物として、N−ビニルラクタム類を使用することができる。
本発明に用いることができるN−ビニルラクタム類の好ましい例として、下記一般式(C)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0005241564
一般式(C)中、mは1〜5の整数を表し、インク組成物が硬化した後の柔軟性、被記録媒体との密着性、および、原材料の入手性の観点から、mは2〜4の整数であることが好ましく、mが2または4であることがより好ましく、mが4である、すなわちN−ビニルカプロラクタムであることが特に好ましい。N−ビニルカプロラクタムは安全性に優れ、汎用的で比較的安価に入手でき、特に良好なインク硬化性、および硬化膜の被記録媒体への密着性が得られるので好ましい。
また、上記N−ビニルラクタム類は、ラクタム環上に、アルキル基、アリール基等の置換基を有していてもよく、飽和または不飽和環構造を連結していてもよい。
N−ビニルラクタム類はインク組成物中に1種のみ含有されていてもよく複数種含有されていてもよい。
(多官能エチレン性不飽和化合物)
本発明におけるラジカル重合性化合物として、アクリレート基、メタクリレート基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基、ビニルオキシ基、およびN−ビニル基よりなる群から選択されるエチレン性不飽和二重結合基を2つ以上有する多官能エチレン性不飽和化合物(以下、多官能モノマーと称する。)を使用することもできる。
多官能モノマーを含有することで、高い硬化膜強度を有する画像を提供できるインク組成物が得られる。
多官能モノマーは、具体的には、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、変性グリセリントリ(メタ)アクリレート、変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのPO付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのEO付加物ジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
中でも、環状構造を有していない非環状多官能モノマーが好ましい。
本発明に用いることができるインク組成物の全体に対する(C)ラジカル重合性化合物の総量は40〜95質量%であることが好ましく、50〜90質量%であることがより好ましく、60〜85質量%含有することがさらに好ましい。上記範囲内であると、硬化性に優れ、また、粘度が適度であるため好ましい。
本発明において、ラジカル重合性化合物として芳香族単官能エチレン性不飽和化合物を含有する場合には、芳香族単官能エチレン性不飽和化合物の含有量は、インク組成物全体の80質量%以下であることが好ましく、より好ましくは5〜70質量%であり、さらに好ましくは10〜50質量%である。上記の数値の範囲内であると、適切な粘度に調整でき、インクジェット吐出性に優れるため好ましい。
本発明において、ラジカル重合性化合物としてN−ビニルラクタム類を用いる場合は、インク組成物全体の50質量%以下含有することが好ましく、より好ましくは5〜45質量%であり、さらに好ましくは、10〜40質量%である。上記範囲において他のラジカル重合性化合物との良好な共重合性を示し、硬化性に優れるインク組成物が得られるので好ましい。
また、ラジカル重合性化合物として、脂肪族環状構造を有する単官能エチレン性不飽和化合物を使用する場合には、インク組成物全体の50質量%以下含有することが好ましく、5〜45質量%含有することがより好ましく、10〜40質量%含有することがさらに好ましい。上記範囲において硬化性、耐擦過性に優れるインク組成物が得られるので好ましい。
硬化膜の基材(被記録媒体)密着性を保持する観点で、多官能モノマーがインク組成物全体に占める割合は、70質量%以下であることが好ましい。より好ましくは0〜60質量%である。特に柔軟な硬化膜を得るためには0〜40質量%であることが好ましく、1〜30質量%であることがより好ましい。
(その他の重合性化合物)
ラジカル重合性化合物として、下記の非環状単官能モノマーをあわせて使用することもできる。
非環状単官能モノマーは比較的低粘度であり、例えば、インク組成物を低粘度化する目的においても好ましく使用できる。ただし、硬化膜のべとつきを抑えることや、成形加工時にキズ等を発生させない高い膜強度を与えるという観点で、下記非環状単官能モノマーがインク組成物全体に占める割合は、20質量%以下であることが好ましい。より好ましくは15質量%以下である。
非環状単官能モノマーとして、具体的には、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレートモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートモノメチルエーテル、ポリテトラエチレングリコール(メタ)アクリレートモノメチルエーテル等が挙げられる。
また、ラジカル重合性化合物の別の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸およびそれらの塩、エチレン性不飽和基を有する無水物、アクリロニトリル、さらに種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン(メタ)アクリル系モノマーあるいはプレポリマー、ウレタン系モノマーあるいはプレポリマー等の(メタ)アクリル酸エステルが好ましく用いられる。
さらに、ラジカル重合性化合物として、ビニルエーテル化合物を用いることも好ましい。好適に用いられるビニルエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、エチレングリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ヒドロキシエチルモノビニルエーテル、ヒドロキシノニルモノビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジまたはトリビニルエーテル化合物、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
これらのビニルエーテル化合物のうち、硬化性、密着性、表面硬度の観点から、ジビニルエーテル化合物、トリビニルエーテル化合物が好ましく、特に、ジビニルエーテル化合物が好ましい。ビニルエーテル化合物は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。本発明においてビニルエーテル化合物は特に低粘度化の目的で好ましく使用されるが、添加量が多くなると硬化性の劣化や硬化膜表面のべたつきを引き起こすことがあり、ビニルエーテル化合物の添加量はインク組成物の全体に対して20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがさらに好ましい。
(D)ラジカル重合開始剤
本発明のインク組成物は、(D)ラジカル重合開始剤(以下、「重合開始剤」、「光重合開始剤」、「光開始剤」ともいう。)を含有する。本発明において、ラジカル重合開始剤としては、公知のラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。本発明に用いることができるラジカル重合開始剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明に用いることのできるラジカル重合開始剤は、活性放射線の照射により重合開始種を生成する化合物である。活性放射線としては、γ線、β線、電子線、紫外線、可視光線、赤外線が例示できるが、装置コストや操作上の安全性の観点から、紫外線または可視光線が好ましい。
具体的なラジカル重合開始剤は当業者間で公知のものを制限なく使用でき、具体的には、例えば、Bruce M. Monroeら著、Chemical Review, 93, 435 (1993)や、R. S. Davidson著、Journal of Photochemistry and Biology A: Chemistry, 73. 81 (1993)や、J. P. Faussier, Photoinitiated Polymerization-Theory and Applications: Rapra Review vol.9, Report, Rapra Technology (1998)や、M. Tsunooka et al., Prog. Polym. Sci., 21, 1 (1996)に多く記載されている。また、「イメージング用有機材料」(有機エレクトロニクス材料研究会編、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)に化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が多く記載されている。さらには、F. D. Saeva, Topics in Current Chemistry, 156, 59 (1990)、G. G. Maslak, Topics in Current Chemistry, 168, 1 (1993)、H. B. Shuster et al, JACS, 112, 6329 (1990)、I. D. F. Eaton et al, JACS, 102, 3298 (1980)等に記載されているような、増感剤の電子励起状態との相互作用を経て、酸化的もしくは還元的に結合解裂を生じる化合物群も知られる。
特に、本発明におけるラジカル重合開始剤としては、(a)芳香族ケトン類、(b)アシルホスフィン化合物、(c)芳香族オニウム塩化合物、(d)有機過酸化物、(e)チオ化合物、(f)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(g)ケトオキシムエステル化合物、(h)ボレート化合物、(i)アジニウム化合物、(j)メタロセン化合物、(k)活性エステル化合物、(l)炭素ハロゲン結合を有する化合物、および(m)アルキルアミン化合物等が好ましく用いられる。
本発明において、ラジカル重合開始剤としては、アシルホスフィンオキサイド化合物、およびα−アミノアセトフェノン化合物よりなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含有することが好ましい。これらの化合物をラジカル重合開始剤として使用すると、特に高感度で硬化させることができるので好ましい。
アシルホスフィンオキサイド化合物として具体的には、特開2008−246832号公報の段落〔0059〕〜〔0077〕に記載の化合物が挙げられ、ここに記載の化合物を本発明でも好適に用いることができる。
また、α−アミノアセトフェノン化合物として具体的には、特開2008−246832号公報の段落〔0078〕〜〔0096〕に記載の化合物が挙げられ、ここに記載の化合物を本発明でも好適に用いることができる。
(その他のラジカル重合開始剤)
本発明において、ラジカル重合開始剤として、その他のラジカル重合開始剤を含有することができる。
その他のラジカル重合開始剤としては、α−ヒドロキシアセトフェノン化合物、オキシムエステル化合物が例示できる。
−α−ヒドロキシアセトフェノン化合物−
α−ヒドロキシアセトフェノン化合物として具体的には、特開2008−246832号公報の段落〔0097〕〜〔0100〕に記載の化合物が挙げられ、ここに記載の化合物を本発明でも好適に用いることができる。
−オキシムエステル化合物−
また、オキシムエステル化合物として具体的には、特開2008−246832号公報の段落〔0101〕〜〔0105〕に記載の化合物が挙げられ、ここに記載の化合物を本発明でも好適に用いることができる。
本発明のインク組成物において、(D)ラジカル重合開始剤の総使用量は、インク組成物に対して、好ましくは0.01〜35質量%、より好ましくは0.5〜20質量%、さらに好ましくは1.0〜15質量%の範囲である。0.01質量%以上であると、組成物を十分硬化させることができ、35質量%以下であると、硬化度が均一な硬化膜を得ることができる。
また、本発明において、ラジカル重合開始剤としてアシルホスフィンオキサイド化合物を使用することが好ましく、アシルホスフィンオキサイド化合物をインク組成物の総量に対して0.01〜35質量%使用することが好ましく、より好ましくは1〜25質量%であり、さらに好ましくは3〜20質量%である。
また、本発明のインク組成物に後述する増感剤(増感色素)を用いる場合、ラジカル重合開始剤の総使用量は、増感剤に対して、ラジカル重合開始剤:増感剤の質量比で、好ましくは200:1〜1:200、より好ましくは50:1〜1:50、さらに好ましくは20:1〜1:5の範囲である。
(E)その他の成分
本発明のインク組成物は、前記(A)〜(D)成分以外に、下記に示すようなその他の成分を含有していてもよい。
(E−1)増感色素
本発明においては、(D)ラジカル重合開始剤の感度を向上させる目的で、増感色素を添加してもよい。増感色素としては、以下の化合物類に属しており、かつ350nmから450nm域に吸収波長を有するものが好ましい。
増感色素としては、例えば、多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン)が挙げられる。
増感色素として具体的には、特開2008−214395号公報の段落〔0085〕〜〔0098〕に記載の化合物が挙げられ、ここに記載の化合物を本発明に適用することができる。
(E−2)共増感剤
さらに、本発明のインク組成物には、感度を一層向上させる、あるいは酸素による重合阻害を抑制する等の作用を有する公知の化合物を共増感剤として加えてもよい。
このような共増感剤としては、アミン類、例えば、M. R. Sanderら著「Journal of Polymer Society」第10巻3173頁(1972)、特公昭44−20189号公報、特開昭51−82102号公報、特開昭52−134692号公報、特開昭59−138205号公報、特開昭60−84305号公報、特開昭62−18537号公報、特開昭64−33104号公報、Research Disclosure 33825号に記載の化合物等が挙げられ、より具体的には、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ホルミルジメチルアニリン、p−メチルチオジメチルアニリン等が挙げられる。
他の共増感剤としては、チオールおよびスルフィド類、例えば、特開昭53−702号公報、特公昭55−500806号公報、特開平5−142772号公報記載のチオール化合物、特開昭56−75643号公報のジスルフィド化合物等が挙げられ、より具体的には、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリン、β−メルカプトナフタレン等が挙げられる。
また他の共増感剤としては、例えば、アミノ酸化合物(例、N−フェニルグリシン等)、特公昭48−42965号公報記載の有機金属化合物(例、トリブチル錫アセテート等)、特公昭55−34414号公報記載の水素供与体、特開平6−308727号公報記載のイオウ化合物(例、トリチアン等)、特開平6−250387号公報記載のリン化合物(ジエチルホスファイト等)、特願平6−191605号公報記載のSi−H、Ge−H化合物等が挙げられる。
(E−3)その他の添加剤
本発明のインク組成物には、目的に応じて種々の添加剤を併用することができる。例えば、インク組成物の安定性向上のため、酸化防止剤、重合禁止剤を添加することができる。
また、本発明のインク組成物には、さらに、各種の有機系および金属錯体系の褪色防止剤、射出物性の制御を目的としたチオシアン酸カリウム、硝酸リチウム、チオシアン酸アンモニウム、ジメチルアミン塩酸塩などの導電性塩類、被記録媒体との密着性を改良するため、極微量の有機溶剤を添加することができる。
また、本発明のインク組成物には、膜物性を調整するため、各種高分子化合物を添加することができる。
また、本発明のインク組成物には、液物性調整のためにノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤や、有機フルオロ化合物などを添加することもできる。
また、本発明のインク組成物には、この他にも、必要に応じて、例えば、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのワックス類、ポリオレフィンやPET等の被記録媒体への密着性を改善するために、重合を阻害しないタッキファイヤーなどを含有させることができる。
以下に、それぞれの添加剤について述べる。
(E−3−1)界面活性剤
本発明のインク組成物には、長時間安定した吐出性を付与するため、界面活性剤を添加してもよい。
界面活性剤としては、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載されたものが挙げられる。例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、シリコーンオイル類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第4級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。なお、前記界面活性剤の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。前記有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。前記有機フルオロ化合物としては、例えば、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例、フッ素油)および固体状フッ素化合物樹脂(例、四フッ化エチレン樹脂)が含まれ、特公昭57−9053号(第8〜17欄)、特開昭62−135826号の各公報に記載されたものが挙げられる。
インク組成物中の界面活性剤の含量は、インクジェットヘッドの吐出に適した表面張力に適合させるように適宜調整されるが、0〜6質量%が好ましく、より好ましくは0〜4質量%、さらに好ましくは0〜2質量%の範囲である。
(E−3−2)重合禁止剤
本発明のインク組成物の保存性を高める観点から重合禁止剤を添加してもよい。また、本発明のインク組成物はインクジェット記録に適用するため、40〜80℃の範囲で加熱し、低粘度化して吐出することが好ましく、熱重合によるヘッド詰まりを防ぐためにも、重合禁止剤を添加することが好ましい。
重合禁止剤は、本発明のインク組成物全量に対し、200〜20,000ppm添加することが好ましい。
ラジカル重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、ベンゾキノン、p−メトキシフェノール、TEMPO、TEMPOL、クペロンAl、tris(N−nitroso−N−phenylhydroxylamine)aluminum salt等が挙げられる。
(E−3−3)酸化防止剤
本発明のインク組成物の安定性向上のため、酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤としては、ヨーロッパ公開特許第223739号公報、同309401号公報、同第309402号公報、同第310551号公報、同第310552号公報、同第459416号公報、ドイツ公開特許第3435443号公報、特開昭54−48535号公報、同62−262047号公報、同63−113536号公報、同63−163351号公報、特開平2−262654号公報、特開平2−71262号公報、特開平3−121449号公報、特開平5−61166号公報、特開平5−119449号公報、米国特許第4814262号明細書、米国特許第4980275号明細書等に記載のものを挙げることができる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、インク組成物の総量に対して0.1〜8質量%であることが好ましい。
(E−3−4)褪色防止剤
本発明のインク組成物には、各種の有機系および金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。前記有機系の褪色防止剤としては、ハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類などが挙げられる。前記金属錯体系の褪色防止剤としては、ニッケル錯体、亜鉛錯体などが挙げられ、具体的には、リサーチディスクロージャーNo.17643の第VIIのI〜J項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載された化合物や、特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物の一般式および化合物例に含まれる化合物を使用することができる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、インク組成物の総量に対して0.1〜8質量%であることが好ましい。
(E−3−5)導電性塩類
本発明のインク組成物には、吐出物性の制御を目的として、チオシアン酸カリウム、硝酸リチウム、チオシアン酸アンモニウム、ジメチルアミン塩酸塩などの導電性塩類を添加することができる。
(E−3−6)溶剤
本発明のインク組成物には、被記録媒体との密着性を改良するため、極微量の有機溶剤を添加することも有効である。
溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール系溶剤、クロロホルム、塩化メチレン等の塩素系溶剤、ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピルなどのエステル系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤などが挙げられる。
この場合、耐溶剤性やVOCの問題が起こらない範囲での添加が有効であり、その量はインク組成物全体に対し0.1〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜3質量%の範囲である。
(E−3−7)高分子化合物
本発明のインク組成物には、膜物性を調整するため、各種高分子化合物を添加することができる。高分子化合物としては、アクリル系重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、シェラック、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類、その他の天然樹脂等が使用できる。また、これらは2種以上併用してもかまわない。これらのうち、アクリル系のモノマーの共重合によって得られるビニル系共重合が好ましい。さらに、高分子化合物の共重合組成として、「カルボキシル基含有モノマー」、「メタクリル酸アルキルエステル」、または「アクリル酸アルキルエステル」を構造単位として含む共重合体も好ましく用いられる。
(E−3−8)塩基性化合物
塩基性化合物は、インク組成物の保存安定性を向上させる観点から添加することが好ましい。本発明に用いることができる塩基性化合物としては、公知の塩基性化合物を用いることができ、例えば、無機塩等の塩基性無機化合物や、アミン類等の塩基性有機化合物を好ましく用いることができる。
(E−3−9)その他
この他にも、必要に応じて、例えば、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのワックス類、ポリオレフィンやPET等の被記録媒体への密着性を改善するために、重合を阻害しないタッキファイヤーなどを含有させることができる。
タッキファイヤーとしては、具体的には、特開2001−49200号公報の5〜6ページに記載されている高分子量の粘着性ポリマー(例えば、(メタ)アクリル酸と炭素原子数1〜20のアルキル基を有するアルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素原子数3〜14の脂環属アルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素原子数6〜14の芳香属アルコールとのエステルからなる共重合物)や、重合性不飽和結合を有する低分子量粘着付与性樹脂などが例示できる。
〔インク組成物の物性]
本発明のインク組成物は、吐出性を考慮し、25℃における粘度が40mPa・s以下であることが好ましい。より好ましくは5〜40mPa・s、さらに好ましくは7〜30mPa・sである。また吐出温度(好ましくは25〜80℃、より好ましくは25〜50℃)における粘度が、3〜15mPa・sであることが好ましく、3〜13mPa・sであることがより好ましい。
本発明のインク組成物は、粘度が上記範囲になるように適宜組成比を調整することが好ましい。室温での粘度を高く設定することにより、多孔質な被記録媒体を用いた場合でも、被記録媒体中へのインク浸透を回避し、未硬化モノマーの低減が可能となる。さらにインク液滴着弾時のインクの滲みを抑えることができ、その結果として画質が改善されるので好ましい。
また、本発明のインク組成物の25℃における表面張力は、20〜35mN/mであることが好ましい。より好ましくは23〜33mN/mである。ポリオレフィン、PET、コート紙、非コート紙など様々な被記録媒体へ記録する場合、滲みおよび浸透の観点から、20mN/m以上が好ましく、濡れ性の点はで35mN/m以下が好ましい。
<インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、および印刷物>
本発明のインクジェット記録方法は、被記録媒体(支持体、記録材料等)上に本発明のインク組成物を吐出する工程、および、吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、該インク組成物を硬化する工程を含むことを特徴とする。これらの工程を行うことで、被記録媒体上に硬化したインク組成物による画像が形成される。
本発明のインクジェット記録方法では、本発明のインク組成物が吐出安定性を有することから、吐出インク体積のバラツキが小さくなり、目標着弾位置からのズレが小さくなることで、濃度ムラおよび筋ムラを抑制することが可能となる。
本発明のインクジェット記録方法には、以下に詳述するインクジェット記録装置を用いることができる。
(インクジェット記録装置)
本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置としては、特に制限はなく、目的とする解像度を達成し得る公知のインクジェット記録装置を任意に選択して使用することができる。すなわち、市販品を含む公知のインクジェット記録装置であれば、いずれも、本発明のインクジェット記録方法における被記録媒体へのインク組成物の吐出を実施することができる。
本発明で用いることのできるインクジェット記録装置としては、例えば、インク供給系、温度センサー、活性放射線源を含む装置が挙げられる。
インク供給系は、例えば、本発明のインク組成物を含む元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドからなる。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、好ましくは1〜100pl、より好ましくは8〜30plのマルチサイズドットを、好ましくは320×320〜4,000×4,000dpi、より好ましくは400×400〜1,600×1,600dpi、さらに好ましくは720×720dpiの解像度で吐出できるよう駆動することができる。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
上述したように、本発明のインク組成物のように活性放射線硬化型インクは、吐出されるインクを一定温度にすることが望ましいことから、インクジェット記録装置には、インク組成物温度の安定化手段を備えることが好ましい。一定温度にする部位はインクタンク(中間タンクがある場合は中間タンク)からノズル射出面までの配管系、部材の全てが対象となる。すなわち、インク供給タンクからインクジェットヘッド部分までは、断熱および加温を行うことができる。
温度コントロールの方法としては、特に制約はないが、例えば、温度センサーを各配管部位に複数設け、インク流量、環境温度に応じた加熱制御をすることが好ましい。温度センサーは、インク供給タンクおよびインクジェットヘッドのノズル付近に設けることができる。また、加熱するヘッドユニットは、装置本体を外気からの温度の影響を受けないよう、熱的に遮断もしくは断熱されていることが好ましい。加熱に要するプリンター立上げ時間を短縮するため、あるいは熱エネルギーのロスを低減するために、他部位との断熱を行うとともに、加熱ユニット全体の熱容量を小さくすることが好ましい。
上記のインクジェット記録装置を用いて、インク組成物の吐出はインク組成物を好ましくは25〜80℃、より好ましくは25〜50℃に加熱して、インク組成物の粘度を、好ましくは3〜15mPa・s、より好ましくは3〜13mPa・sに下げた後に行うことが好ましい。特に、本発明のインク組成物として、25℃におけるインク粘度が50mPa・s以下であるものを用いると、良好に吐出が行えるので好ましい。この方法を用いることにより、高い吐出安定性を実現することができる。
本発明のインク組成物のような活性放射線硬化型インクジェット記録用インク組成物は、概して通常インクジェット記録用インクで使用される水性インクより粘度が高いため、吐出時の温度変動による粘度変動が大きい。インク組成物の粘度変動は、液滴サイズの変化および液滴吐出速度の変化に対して大きな影響を与え、ひいては画質劣化を引き起こす。したがって、吐出時のインク組成物の温度はできるだけ一定に保つことが必要である。よって、本発明において、インク組成物の温度の制御幅は、好ましくは設定温度の±5℃、より好ましくは設定温度の±2℃、さらに好ましくは設定温度±1℃とすることが適当である。
次に、吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、前記インク組成物を硬化する工程について説明する。
被記録媒体上に吐出されたインク組成物は、活性放射線を照射することによって硬化する。これは、本発明のインク組成物に含まれるラジカル重合開始剤が活性放射線の照射により分解して、ラジカルを発生し、そのラジカルによってラジカル重合性化合物の重合反応が、生起、促進されるためである。このとき、インク組成物においてラジカル重合開始剤と共に増感剤が存在すると、系中の増感剤が活性放射線を吸収して励起状態となり、ラジカル重合開始剤と接触することによってラジカル重合開始剤の分解を促進させ、より高感度の硬化反応を達成させることができる。
ここで、使用される活性放射線は、α線、γ線、電子線、X線、紫外線、可視光または赤外光などが使用され得る。活性放射線のピーク波長は、増感剤の吸収特性にもよるが、例えば、200〜600nmであることが好ましく、300〜450nmであることがより好ましく、350〜420nmであることがさらに好ましい。
また、本発明のインク組成物は、低出力の活性放射線であっても十分な感度を有するものである。したがって、露光面照度が、好ましくは10〜4,000mW/cm、より好ましくは20〜2,500mW/cmで硬化させることが適当である。
活性放射線源としては、水銀ランプやガス・固体レーザー等が主に利用されており、紫外線光硬化型インクジェット記録用インクの硬化に使用される光源としては、水銀ランプ、メタルハライドランプが広く知られている。しかしながら、現在環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。さらに、LED(UV−LED),LD(UV−LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、光硬化型インクジェット用光源として期待されている。
また、発光ダイオード(LED)およびレーザーダイオード(LD)を活性放射線源として用いることが可能である。特に、紫外線源を要する場合、紫外LEDおよび紫外LDを使用することができる。例えば、日亜化学(株)は、主放出スペクトルが365nmと420nmとの間の波長を有する紫色LEDを上市している。さらに一層短い波長が必要とされる場合、米国特許番号第6,084,250号明細書は、300nmと370nmとの間に中心付けされた活性放射線を放出し得るLEDを開示している。また、他の紫外LEDも、入手可能であり、異なる紫外線帯域の放射を照射することができる。本発明で特に好ましい活性放射線源はUV−LEDであり、特に好ましくは350〜420nmにピーク波長を有するUV−LEDである。
なお、LEDの被記録媒体上での最高照度は10〜2,000mW/cmであることが好ましく、20〜1,000mW/cmであることがより好ましく、50〜800mW/cmであることが特に好ましい。
本発明のインク組成物は、このような活性放射線に、好ましくは0.01〜120秒、より好ましくは0.1〜90秒照射されることが適当である。
活性放射線の照射条件並びに基本的な照射方法は、特開昭60−132767号公報に開示されている。具体的には、インクの吐出装置を含むヘッドユニットの両側に光源を設け、いわゆるシャトル方式でヘッドユニットと光源を走査することによって行われる。活性放射線の照射は、インク着弾後、一定時間(好ましくは0.01〜0.5秒、より好ましくは0.01〜0.3秒、さらに好ましくは0.01〜0.15秒)をおいて行われることになる。このようにインク着弾から照射までの時間を極短時間に制御することにより、被記録媒体に着弾したインクが硬化前に滲むことを防止するこが可能となる。また、多孔質な被記録媒体に対しても光源の届かない深部までインクが浸透する前に露光することができるため、未反応モノマーの残留を抑えることができるので好ましい。
さらに、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させてもよい。国際公開第99/54415号パンフレットでは、照射方法として、光ファイバーを用いた方法やコリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されており、このような硬化方法もまた、本発明のインクジェット記録方法に適用することができる。
上述したようなインクジェット記録方法を採用することにより、表面の濡れ性が異なる様々な被記録媒体に対しても、着弾したインクのドット径を一定に保つことができ、画質が向上する。
本発明のインクジェット記録方法には、本発明のインク組成物を含むインクセットを好適に使用することができる。例えば、本発明のインク組成物(イエロー色)に、シアン色のインク組成物、マゼンタ色のインク組成物、ブラック色の組成物を組み合わせてインクセットとして使用することが例示できる。
本発明のインク組成物を使用してフルカラー画像を得るためには、イエロー(本発明のインク組成物)、シアン、マゼンタ、ブラックよりなる4色の濃色インク組成物を組み合わせたインクセットであることが好ましい。また、イエロー(本発明のインク組成物)、シアン、マゼンタ、ブラック、ホワイトよりなる5色の濃色インク組成物群と、ライトシアン、ライトマゼンタのインク組成物群と、を組み合わせたインクセットであることがさらに好ましい。
なお、本発明における「濃色インク組成物」とは、顔料の含有量がインク組成物全体の1質量%を超えているインク組成物を意味する。
なお、本発明のインクジェット記録方法にてカラー画像を得るためには、各色のインク組成物(インクセット)を用い、明度の低い色から順に重ねていくことが好ましい。具体的には、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックのインク組成物からなるインクセットを使用する場合には、イエロー→シアン→マゼンタ→ブラックの順で被記録媒体上に付与することが好ましい。さらに、ライトシアン、ライトマゼンタ色のインク組成物群と、シアン、マゼンタ、ブラック、ホワイト、イエローの濃色インク組成物群と、の計7色が少なくとも含まれるインクセットを使用する場合には、その場合には、ホワイト→ライトシアン→ライトマゼンタ→イエロー→シアン→マゼンタ→ブラックの順で被記録媒体上に付与することが好ましい。
このように、明度の低いインクから順に重ねることにより、下部のインクまで照射線が到達しやすくなり、良好な硬化感度、残留モノマーの低減、密着性の向上が期待できる。また、照射は、全色を吐出してまとめて露光することが可能だが、1色毎に露光するほうが、硬化促進の観点で好ましい。
本発明において、被記録媒体としては、特に限定されず、支持体や記録材料として公知の被記録媒体を使用することができる。例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上述した金属がラミネートされまたは蒸着された紙またはプラスチックフィルム等が挙げられる。また、本発明における被記録媒体として、非吸収性被記録媒体が好適に使用することができる。
本発明の印刷物は、濃度ムラおよび筋ムラが抑制された本発明のインクジェット記録方法によって記録された印刷物であることから、高品質の印刷物となる。
また、本発明の印刷物は、画像形成に用いられるインク組成物が色相および感度にも優れるため、発色性と鮮鋭度に優れた高品質な画像を有することから、広汎な分野に適用し得る。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」および「%」は質量基準である。
[合成例1]
〜例示化合物(Pig.−1)の合成〜
例示化合物(Pig.−1)の合成スキームを下記に示す。
Figure 0005241564
(1)中間体(a)の合成
シアノ酢酸メチル29.7g(0.3モル)にオルトギ酸トリメチル42.4g(0.4モル)、無水酢酸20.4g(0.2モル)、p−トルエンスルホン酸0.5gを加えて110℃(外温)に加熱し、反応系から生じる低沸点成分を留去しながら20時間攪拌した。この反応液を減圧濃縮した後、シリカゲルカラム精製を行い、前記中間体(a)を14.1g(黄色粉末、収率30%)で得た。得られた中間体(a)のNMR測定結果は以下の通りである。
H−NMR(300MHz、CDCl)7.96(s,1H),4.15(s,3H),3.81(s,3H)
(2)中間体(b)の合成
メチルヒドラジン7.4mL(141ミリモル)にイソプロパノール150mLを加えて15℃(内温)に冷却し、この混合液に中間体(a)7.0g(49.6ミリモル)を徐々に添加した後、50℃に加熱して1時間40分攪拌した。この反応液を減圧濃縮した後、シリカゲルカラム精製を行い、前記中間体(b)を10.5g(白色粉末、収率50%)で得た。得られた中間体(b)のNMR測定結果は以下の通りである。
H−NMR(300MHz、CDCl)7.60(s,1H),4.95(brs,2H),3.80(s,3H),3.60(s,3H)
(3)中間体(c)の合成
ヒドラジン1水和物130mLにメタノール100mLを加えて10℃(内温)に冷却し、この混合液に4,6−ジクロロピリミジン50.0g(336ミリモル)を徐々に添加(内温20℃以下)した後、50℃に加熱して4時間30分攪拌した。反応液から析出した結晶をろ取、イソプロパノールでかけ洗い後、乾燥を行い、前記中間体(c)を43.1g(白色粉末、収率92%)で得た。得られた中間体(c)のNMR測定結果は以下の通りである。
H−NMR(300MHz、d−DMSO)7.82(s,1H),7.55(s,2H),5.96(s,1H),4.12(s,4H)
(4)中間体(d)の合成
中間体(c)35.0g(0.25モル)、ピバロイルアセトニトリル68.8g(0.55モル)に水900mLを加えて室温で攪拌した。この懸濁液に1M塩酸水をpH3になるように滴下した後、50℃に加熱して8時間攪拌した。この反応液に8M水酸化カリウム水溶液を滴下してpH8に調整して、さらに1M塩酸水を滴下してpH6に調整して析出した結晶をろ取、イソプロパノールでかけ洗い後、乾燥を行い前記中間体(d)を83.0g(白色粉末、収率94%)で得た。得られた中間体(d)のNMR測定結果は以下の通りである。
H−NMR(300MHz、d−DMSO)8.73(s,1H),7.97(s,1H),6.88(s,4H),5.35(s,2H),1.22(s,18H)
(5)例示化合物(Pig.−1)の合成
濃硫酸4.1mLに酢酸18.5mLを加えて氷冷で攪拌し、40%ニトロシル硫酸3.85g(12.1ミリモル)を滴下した。この混合液に中間体(b)1.71g(11.0ミリモル)を徐々に添加(内温0℃以下)した後、0℃で2時間攪拌した。この反応液に尿素150mgを添加し、さらに0℃で15分攪拌して、ジアゾ液Aを調製した。
中間体(d)にメタノール50mLを加えて加熱溶解させた後、氷冷で攪拌した混合液に前記ジアゾ液Aをゆっくり滴下した(内温10℃以下)。この反応液を室温で2時間攪拌した後、析出した結晶をろ取、メタノールでかけ洗いして前記例示化合物(Pig.−1)の粗結晶を得た。さらに前記粗結晶に水を加えて攪拌した後、この懸濁液を水酸化ナトリウム水溶液でpH7に調整し、さらにジメチルアセトアミド20mLを加えて、80℃で2時間攪拌した。析出した結晶をろ取、さらにメタノールで懸濁洗浄し得られた結晶をろ取、乾燥して例示化合物(Pig.−1)を2.0g(黄色粉末、収率79%)で得た。
なお、上記合成スキームと同様にして、例示化合物(Pig.−18)、例示化合物(Pig.−21)、および例示化合物(Pig.−33)を合成した。
[実施例1〜3で使用した各素材]
実施例1〜3で使用した各素材は下記に示す通りである。
・RAPI−CURE DVE−3(トリエチレングリコールジビニルエーテル、ISP社製)
・DISPERBYK−168(高分子分散剤、固形分30%、BYK Chemie社製)
・N−ビニル−ε−カプロラクタム(NVC、BASF社製)
・FA−512A(ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレ−ト、日立化成工業(株)製)
・SR339A(2−フェノキシエチルアクリレート、SARTOMER社製)
・KAYARAD DPCA−60(カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、日本化薬(株)製)
・FIRSTCURE ST−1(重合禁止剤、Chem First社製)
・p−メトキシフェノール(重合禁止剤、和光純薬工業(株)製)
・Lucirin TPO(ラジカル重合開始剤、BASF社製)
・ベンゾフェノン(ラジカル重合開始剤、和光純薬工業(株)製)
・KF−353(シリコーン系界面活性剤、信越化学工業(株)製)
なお、以下の各素材は特開2004−2528号公報の実施例1においても使用したものである。
・Yellow HG AF(クラリアント製C.I.ピグメント・イエロー・180)
・アジスパーPB821(高分子分散剤、味の素ファインテクノ製)
・イルガキュア369(ラジカル重合開始剤、チバ・スペチャリティー・ケミカルズ製)
・ダロキュア1173(ラジカル重合開始剤、チバ・スペチャリティー・ケミカルズ製)
[顔料分散物(ミルベース)の調製]
イエローミルベースを以下の組成にて混合し、ミキサー(シルバーソン社製L4R)を用いて3,000回転/分にて10分撹拌した。その後、ビーズミル分散機DISPERMAT SL(VMA−GETZMANN GmbH社製)に入れ、直径0.65mmのジルコニアビーズ(YTZボール、(株)ニッカトー社製)を用い、ビーズ充填率80体積%、2,500回転/分で6時間分散を行い、イエローミルベースYM1を作製した。
<イエローミルベースYM1>
・顔料:例示化合物(Pig.−1) 30部
・RAPI−CURE DVE−3 26部
・DISPERBYK−168 44部
〔実施例1〕
以下の成分を、ミキサー(シルバーソン社製L4R)を用いて2,500回転/分にて15分撹拌して、イエロー色のインク組成物(実験例101のインク組成物)を得た。
東機産業(株)製TVE−22LTを用いて測定した25℃における粘度は18.5mPa・sであった。協和界面科学(株)社製、全自動表面張力計CBVP−Zを用いて測定した25℃における表面張力は27.6mN/mであった。
・イエローミルベースYM1 13.0部
・N−ビニル−ε−カプロラクタム 24.7部
・FA−512A 37.0部
・SR339A 9.3部
・KAYARAD DPCA−60 1.9部
・FIRSTCURE ST−1 0.3部
・p−メトキシフェノール 1.5部
・Lucirin TPO 9.0部
・ベンゾフェノン 3.2部
・KF−353 0.1部
実験例101のインク組成物の調製において、イエローミルベースYM1の例示化合物(Pig.−1)を同質量の例示化合物(Pig.−18)、(Pig.−21)、(Pig.−33)、またはC.I.ピグメントイエロー−180に表1記載のように適宜置換え、高分子分散剤DISPERBYK−168を同質量のアジスパーPB821に表1記載のように適宜置換え、ラジカル重合開始剤Lucirin TPOを同質量のイルガキュア369に表1記載のように適宜置換え、さらに、ラジカル重合開始剤ベンゾフェノンを同質量のダロキュア1173に表1記載のように適宜置換えた以外は、実験例101と同様にして、実験例102〜112のインク組成物を調製した。
[評価]
〜吐出精度評価〜
上記で得られたインクジェット記録用インク組成物(実験例101〜112のインク組成物)を、それぞれPET製容器に密栓し70℃環境下に4週間経時した。インクジェット記録装置として、インクジェットプリントヘッドCA3(東芝テック製)を搭載したJetLyzer(ミマキエンジニアリング社製)を吐出電圧22V、吐出ドロップ数7ドロップに設定し、インク組成物を45℃にて60分間連続吐出したのち、10cmラインにて印字した。被記録媒体としてのポリ塩化ビニル(厚み220μm)を用いた。
印字サンプルの打滴開始部から5cmの部位のライン間の距離を王子計測機器製ドットアナライザイーDA−6000で測定し、その標準偏差を算出し、吐出の方向精度を評価した。評価基準は以下の通りである。また、評価結果を表1に示す。
−評価基準−
◎・・・標準偏差が2μm未満
○・・・標準偏差が2μm以上4μm未満
△・・・標準偏差が4μm以上6μm未満
×・・・標準偏差が6μm以上
Figure 0005241564
実験例101〜108、および111から判るように、顔料として本発明の例示化合物(Pig.−1)、(Pig.−18)、(Pig.−21)、および(Pig.−33)を用いることにより、高温条件下で保存した後であっても、インクの吐出精度が良好な結果が得られたことが判る。
また、実験例109、110、112から判るように、顔料としてC.I.ピグメントイエロー−180に変更すると、吐出精度が悪化していることが判る。
〔実施例2〕
特開2004−2528号公報の実施例1のインク組成物を調製し、前記吐出精度評価を行ったところ、吐出精度は「×」であった。なお、特開2004−2528号公報の実施例1のインク中に含まれる顔料は、C.I.ピグメントイエロー−180である(比較例)。
また、特開2004−2528号公報の実施例1のインク中に含まれる顔料であるC.I.ピグメントイエロー−180を、例示化合物(Pig.−1)、(Pig.−18)、(Pig.−21)、および(Pig.−33)にそれぞれ変更してインク組成物を調製した(本発明)。得られたインク組成物について前記吐出精度評価を行ったところ、評価結果は「○」であり、良好な結果が得られた。
〔実施例3〕
実施例1、および実施例2で調製された各インク組成物を、PET製容器に密栓して70℃環境下に4週間経時する代わりに、高密度ポリエチレン容器に密栓して室温で3ヶ月経時させた以外は前記吐出精度評価と同様にして吐出精度を評価した。その結果、本発明の活性放射線硬化型インクジェット記録用インク組成物〔例示化合物(Pig.−1)、(Pig.−18)、(Pig.−21)、または(Pig.−33)を含むもの〕は、実施例1、および実施例2と同様に、「○」の結果となり、良好な性能が得られることが確認できた。

Claims (6)

  1. (A)下記一般式(1)で表されるアゾ顔料およびその互変異性体ならびにそれらの塩および水和物の少なくとも1種、
    (B)高分子分散剤、
    (C)ラジカル重合性化合物、および、
    (D)ラジカル重合開始剤を含有することを特徴とする活性放射線硬化型インクジェット記録用インク組成物。
    Figure 0005241564
    (一般式(1)中、Zは、5〜8員の含窒素ヘテロ環に由来する2価の基を表し、Y、Y、R11、R12は、それぞれ独立に、水素原子、または置換基を表し、G、Gは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、またはヘテロ環基を表し、W、Wは、それぞれ独立に、アルコキシ基、アミノ基、アルキル基、またはアリール基を表す。)
  2. 前記一般式(1)中のW、Wが、それぞれ独立に、総炭素数3以下のアルコキシ基、アミノ基、または総炭素数3以下のアルキルアミノ基である請求項1に記載の活性放射線硬化型インクジェット記録用インク組成物。
  3. 前記一般式(1)中のG、Gが、それぞれ独立に、総炭素数3以下のアルキル基である請求項1または請求項2に記載の活性放射線硬化型インクジェット記録用インク組成物。
  4. 前記一般式(1)中のZが、6員の含窒素ヘテロ環に由来する2価の基であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の活性放射線硬化型インクジェット記録用インク組成物。
  5. 被記録媒体上に、請求項1〜請求項4いずれか1項に記載の活性放射線硬化型インクジェット記録用インク組成物を吐出する工程、および、
    吐出された活性放射線硬化型インクジェット記録用インク組成物に活性放射線を照射して、前記活性放射線硬化型インクジェット記録用インク組成物を硬化する工程を含むことを特徴とするインクジェット記録方法。
  6. 請求項5に記載のインクジェット記録方法によって記録された印刷物。
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