JP2011021118A - インク組成物、及び、インクジェット記録方法 - Google Patents

インク組成物、及び、インクジェット記録方法 Download PDF

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Abstract

【課題】表面硬化性、内部硬化性、及び、保存安定性に優れるインク組成物、並びに、前記インク組成物を用いたインクジェット記録方法を提供すること。
【解決手段】(A)式(I)で表される化合物と、(B)式(II−1)〜式(II−4)で表される化合物よりなる群から選ばれた1種以上の化合物とを含有することを特徴とするインク組成物、並びに、(a1)被記録媒体上に、前記インク組成物を吐出する工程、及び、(b1)吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、前記インク組成物を硬化する工程、を含むインクジェット記録方法インクジェット記録方法。
Figure 2011021118

【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録用として好適に用いられるインク組成物、及び、インクジェット記録方法に関する。
重合性の化合物を含有する活性エネルギー線硬化性組成物は、紫外線や電子線等の活性エネルギー線を照射すると該化合物が重合して硬化するものであり、例えば、薄膜コーティング材、印刷インキ等に適用されている。このような活性エネルギー線硬化性組成物は、硬化特性等が良好であることから、インクジェット記録用インク組成物に適用することが可能であり、特に近年ではインクジェット記録用インク組成物の高性能化に対する要求が大きくなるに従い、そのような分野に好適に適用することができ、薄膜での光硬化特性に優れるものが求められている。
また、活性エネルギー線硬化性組成物としては、特許文献1及び2が知られている。
特許文献1には、1分子中に1つ以上の(メタ)アクリレート基と1つ以上のビニルエーテル基とを有する化合物(A)、及び、1分子中に1つ以上の(メタ)アクリレート基と1つ以上の複素5員環構造とを有する化合物(B)を含有してなることを特徴とする活性エネルギー線硬化性組成物が記載されている。
特許文献2には、2種類以上の脂環式、またはヘテロ環式、または芳香環式単官能アクリレートモノマーと、脂環式、または芳香環式多官能アクリレートモノマーからなる活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ組成物が記載されている。
特開2004−224841号公報 特開2008−45147号公報
従来の活性エネルギー線硬化性組成物を薄膜で光硬化させようとすると、空気中の酸素による重合阻害で硬化が困難であった。これに対して、空気中の酸素による影響を少なくするために、光硬化させる装置内を窒素置換することが考えられるが、工業的にコストが過大となり、また、多量に光重合開始剤を用いることも考えられるが、薄膜での光硬化性を充分に向上させることは困難であった。
また、特許文献1及び特許文献2に記載された発明においても、硬化性が十分ではなく、また、保存安定性の悪化が問題であった。
本発明の目的は、表面硬化性、内部硬化性、及び、保存安定性に優れるインク組成物、並びに、前記インク組成物を用いたインクジェット記録方法を提供することである。
上記目的は、下記<1>又は<12>に記載の手段により達成された。好ましい実施態様である<2>〜<11>と共に以下に示す。
<1>(A)式(I)で表される化合物と、(B)式(II−1)〜式(II−4)で表される化合物よりなる群から選ばれた1種以上の化合物とを含有することを特徴とするインク組成物、
Figure 2011021118
(式(I)中、R1は水素原子又はメチル基を表し、Xはアルキレン基、又は、アルキレン基を2つ以上及びエーテル結合を1つ以上組み合わせた基を表し、Yは、環員に酸素原子、硫黄原子、カルボニル基及び/又は窒素原子を含む二価の連結基を表し、R2及びR3はそれぞれ独立に、水素原子又は一価の有機基を表し、R2、R3及び/又はYは2以上が結合して環構造を形成してもよく、また、R2、R3及びYのうちの2つが結合して不飽和結合を形成してもよい。)
Figure 2011021118
(式(II−4)中、nは0以上の整数を表す。)
<2>前記式(I)で表される化合物が、式(III)で表される化合物である上記<1>に記載のインク組成物、
Figure 2011021118
(式(III)中、R4は水素原子又はメチル基を表し、Zは−CH2−、−O−、−S−、又は、−NR9−を表し、R9は水素原子又は炭素数1〜4の炭化水素基を表し、R5〜R8はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4の炭化水素基を表し、また、R5〜R8のうちの2以上が結合してシクロヘキサン環、シクロヘキセン環又はベンゼン環を形成してもよく、また、R5〜R8のうちの2つが結合して不飽和結合を形成してもよい。)
<3>前記(A)式(I)で表される化合物の含有量が、インク組成物の全重量に対し、1〜50重量%である上記<1>又は<2>に記載のインク組成物、
<4>前記(A)式(I)で表される化合物及び前記(B)式(II−1)〜式(II−4)で表される化合物の総含有量が、インク組成物の全重量に対し、50重量%以上である上記<1>〜<3>のいずれか1つに記載のインク組成物、
<5>(C)重合開始剤として、ホスフィンオキサイド系光開始剤をさらに含有する上記<1>〜<4>のいずれか1つに記載のインク組成物、
<6>前記ホスフィンオキサイド系光開始剤の含有量が、インク組成物の全重量に対し、0.5〜18重量%である上記<5>に記載のインク組成物、
<7>(D)増感剤として、チオキサントン系増感剤をさらに含有する上記<1>〜<6>のいずれか1つに記載のインク組成物、
<8>前記チオキサントン系増感剤の含有量が、インク組成物の全重量に対し、1〜10重量%である上記<7>に記載のインク組成物、
<9>(E)アミン化合物をさらに含有する上記<1>〜<8>のいずれか1つに記載のインク組成物、
<10>前記(E)アミン化合物の含有量が、インク組成物の全重量に対し、0.5〜15重量%である上記<9>に記載のインク組成物、
<11>前記(E)アミン化合物が、アミン変性オリゴマーである上記<9>又は<10>に記載のインク組成物、
<12>(a1)被記録媒体上に、上記<1>〜<11>のいずれか1つに記載のインク組成物を吐出する工程、及び、(b1)吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、前記インク組成物を硬化する工程、を含むインクジェット記録方法。
本発明によれば、表面硬化性、内部硬化性、及び、保存安定性に優れるインク組成物、並びに、前記インク組成物を用いたインクジェット記録方法を提供することができた。
(1)インク組成物
本発明のインク組成物(以下、単に「インク」ともいう。)は、(A)式(I)で表される化合物と、(B)式(II−1)〜式(II−4)で表される化合物よりなる群から選ばれた1種以上の化合物とを含有することを特徴とする。
Figure 2011021118
(式(I)中、R1は水素原子又はメチル基を表し、Xはアルキレン基、又は、アルキレン基を2つ以上及びエーテル結合を1つ以上組み合わせた基を表し、Yは、環員に酸素原子、硫黄原子、カルボニル基及び/又は窒素原子を含む二価の連結基を表し、R2及びR3はそれぞれ独立に、水素原子又は一価の有機基を表し、R2、R3及び/又はYは2以上が結合して環構造を形成してもよく、また、R2、R3及びYのうちの2つが結合して不飽和結合を形成してもよい。)
Figure 2011021118
(式(II−4)中、nは0以上の整数を表す。)
本発明のインク組成物は、インクジェット記録用インク組成物として好適に使用することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のインク組成物は、放射線により硬化可能なインク組成物であり、また、油性のインク組成物である。
本発明でいう「放射線」とは、その照射によりインク組成物中において開始種を発生させ得るエネルギーを付与することができる活性放射線であれば、特に制限はなく、広くα線、γ線、X線、紫外線(UV)、可視光線、電子線などを包含するものであるが、中でも、硬化感度及び装置の入手容易性の観点から紫外線及び電子線が好ましく、特に紫外線が好ましい。したがって、本発明のインク組成物としては、放射線として、紫外線を照射することにより硬化可能なインク組成物が好ましい。
(A)式(I)で表される化合物
本発明のインク組成物は、前記(A)式(I)で表される化合物を含有する。
前記式(I)におけるR1は、水素原子又はメチル基を表す。すなわち、前記(A)式(I)で表される化合物は、アクリレート化合物又はメタクリレート化合物である。
前記式(I)におけるXは、アルキレン基、又は、アルキレン基を2つ以上及びエーテル結合を1つ以上組み合わせた基を表し、アルキレン基、又は、下記式(X−1)で表される基であることが好ましい。
Figure 2011021118
(式(X−1)中、RAlはそれぞれ独立に、アルキレン基を表し、mは1以上の整数を表す。)
前記式(X−1)のRAlにおけるアルキレン基は、炭素数2〜8のアルキレン基であることが好ましく、−CH2CH2−、−CH(CH3)CH2−、又は、−CH2CH(CH3)−であることがより好ましい。
前記式(X−1)におけるmは、1〜20の整数であることが好ましく、1〜8であることがより好ましく、1又は2であることが更に好ましく、1であることが特に好ましい。
また、前記式(I)のXにおけるアルキレン基は、炭素数2〜8のアルキレン基であることが好ましく、−CH2CH2−、−CH(CH3)CH2−、又は、−CH2CH(CH3)−であることがより好ましい。
前記式(I)におけるYは、環員に酸素原子、硫黄原子、カルボニル基及び/又は窒素原子を含む二価の連結基を表し、前記式(I)におけるR2及びR3はそれぞれ独立に、水素原子又は一価の有機基を表し、R2、R3及び/又はYは2以上が結合して環構造を形成してもよく、また、R2、R3及びYのうちの2つが結合して不飽和結合を形成してもよい。
前記Yにおける二価の連結基としては、環員に酸素原子、硫黄原子、カルボニル基及び/又は窒素原子を含んでいれば、特に制限はないが、Yを含む環構造が5員環又は6員環を形成していることが好ましく、5員環を形成していることがより好ましい。
また、前記Yにおける二価の連結基としては、環員に窒素原子又は酸素原子を含む二価の連結基であることが好ましく、環員に酸素原子を含む二価の連結基であることがより好ましく、環員に酸素原子及びカルボニル基を含む二価の連結基であることがよ更に好ましい。
また、前記(A)式(I)で表される化合物は、ウレタン結合又はウレア結合を有する化合物であることが好ましく、ウレタン結合を有する化合物であることがより好ましい。
前記R2及びR3における一価の有機基としては、特に制限はないが、炭素数1〜20の炭化水素基であることが好ましく、炭素数1〜8の炭化水素基であることがより好ましく、メチル基であることが更に好ましい。
また、前記R2、R3及び/又はYは2以上が結合して環構造を形成してもよく、形成する環構造としては、5員環と6員環との縮合環であることが好ましい。
前記式(I)において、R2、R3及びYを含み、Xと連結する環構造としては、下記(R−1)〜(R−18)に示す環構造が好ましく例示できる。
Figure 2011021118
前記(R−1)〜(R−18)に示す環構造において、波線部分は、Xとの結合位置を表す。
また、前記(R−1)〜(R−18)に示す環構造における飽和結合は、任意の位置において不飽和結合であってもよく、例えば、シクロヘキサン環がベンゼン環であってもよい。
また、前記(R−1)〜(R−18)に示す環構造における炭素原子上の水素原子、及び/又は、窒素原子上の水素原子は、一価の有機基により置換されていてもよく、一価の有機基としては、炭素数1〜20の炭化水素基であることが好ましく、炭素数1〜8の炭化水素基であることがより好ましく、メチル基であることが更に好ましい。
前記(R−1)〜(R−18)に示す環構造の中でも、(R−1)〜(R−12)に示す環構造であることが好ましく、(R−1)又は(R−2)に示す環構造であることがより好ましい。
また、前記(A)式(I)で表される化合物としては、下記式(III)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2011021118
(式(III)中、R4は水素原子又はメチル基を表し、Zは−CH2−、−O−、−S−、又は、−NR9−を表し、R9は水素原子又は炭素数1〜4の炭化水素基を表し、R5〜R8はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4の炭化水素基を表し、また、R5〜R8のうちの2以上が結合してシクロヘキサン環、シクロヘキセン環又はベンゼン環を形成してもよく、また、R5〜R8のうちの2つが結合して不飽和結合を形成してもよい。)
前記式(III)におけるZは、−CH2−、−O−、−S−、又は、−NR9−を表し、−O−、−S−、又は、−NR9−であることが好ましく、−O−、又は、−NR9−であることがより好ましく、−O−であることが更に好ましい。また、R9は水素原子又は炭素数1〜4の炭化水素基を表し、水素原子、又は、メチル基であることが好ましい。
前記式(III)におけるR5〜R8はそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基であるか、R5〜R8のうちの2以上が結合してシクロヘキサン環、シクロヘキセン環又はベンゼン環を形成しているか、又は、R5〜R8のうちの2以上が結合して不飽和結合を形成していることが好ましく、R5〜R8の全てが水素原子であるか、又は、R5〜R8のうちの2以上が結合してシクロヘキサン環又はベンゼン環を形成していることがより好ましく、R5〜R8の全てが水素原子であることが更に好ましい。
式(I)で表される化合物の具体例としては、以下に示すA−1〜A−11、B−1〜B−9、C−1〜C−5、D−1〜D−5、E−1〜E−5、F−1〜F−5、G−1〜G−5、H−1〜H−5、I−1〜I−5、及び、J−1〜J−8が好ましく例示でき、A−1〜A−11、B−1〜B−9、C−1〜C−5、D−1〜D−5、E−1〜E−5、F−1〜F−5、I−1〜I−5、及び、J−1〜J−8がより好ましく例示でき、A−1、A−2、A−5、A−10、A−11、及び、I−1が更に好ましく例示できる。
Figure 2011021118
Figure 2011021118
Figure 2011021118
本発明のインク組成物は、前記(A)式(I)で表される化合物を、インク組成物の全重量に対し、1〜50重量%含有することが好ましく、2〜40重量%含有することがより好ましく、3〜35重量%含有することが更に好ましい。
前記(A)式(I)で表される化合物の製造方法としては、特に制限はなく、公知の方法、又は、公知の方法を組み合わせて製造することができる。
(B)式(II−1)〜式(II−4)で表される化合物
本発明のインク組成物は、前記(B)式(II−1)〜式(II−4)で表される化合物よりなる群から選ばれた1種以上の化合物を含有する。
Figure 2011021118
(式(II−4)中、nは0以上の整数を表す。)
式(II−4)におけるnは、0〜20であることが好ましく、0〜8であることがより好ましく、0〜2であることが更に好ましく、1であることが特に好ましい。
前記式(II−1)で表される化合物は、N−ビニルカプロラクタムであり、前記式(II−2)で表される化合物は、テトラヒドロフルフリルアクリレートであり、前記式(II−3)で表される化合物は、イソボルニルアクリレートであり、前記式(II−4)で表される化合物は、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、又は、ジシクロペンテニルオキシポリ(オキシエチレン)アクリレートである。
本発明のインク組成物は、式(II−1)〜式(II−4)で表される化合物を1種単独で含有しても、2種以上含有してもよいが、1種単独で含有することが好ましい。
本発明のインク組成物は、保存安定性の観点から、式(II−1)〜式(II−4)で表される化合物のうち、式(II−2)〜式(II−4)で表される化合物を少なくとも含有することが好ましく、式(II−2)で表される化合物を少なくとも含有することがより好ましい。
本発明のインク組成物における前記(B)式(II−1)〜式(II−4)で表される化合物の総含有量は、インク組成物の全重量に対し、10〜70重量%であることが好ましく、15〜60重量%であることがより好ましく、20〜50重量%であることが更に好ましく、30〜50重量%であることが特に好ましい。
本発明のインク組成物における前記(A)式(I)で表される化合物及び前記(B)式(II−1)〜式(II−4)で表される化合物の総含有量は、インク組成物の全重量に対し、30重量%以上であることが好ましく、50重量%以上であることがより好ましく、また、80重量%以下であることが好ましく、70重量%以下であることがより好ましい。
(C)重合開始剤
本発明のインク組成物は、(C)重合開始剤を含有する。
本発明に用いることができる重合開始剤としては、例えば、(a)芳香族ケトン類、(b)アシルホスフィン化合物、(c)芳香族オニウム塩化合物、(d)有機過酸化物、(e)チオ化合物、(f)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(g)ケトオキシムエステル化合物、(h)ボレート化合物、(i)アジニウム化合物、(j)メタロセン化合物、(k)活性エステル化合物、(l)炭素ハロゲン結合を有する化合物、及び、(m)アルキルアミン化合物等が挙げられる。これら重合開始剤としては、特開2009−73945号公報に記載されているものが例示できる。
重合開始剤は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
重合開始剤の含有量は、保存安定性と硬化速度の点から、インク組成物の全重量に対して、0.1〜25重量%であることが好ましく、0.3〜20重量%であることがより好ましく、0.5〜18重量%であることが更に好ましく、5〜15重量%であることが特に好ましい。
また、本発明のインク組成物に後述する増感剤を用いる場合、重合開始剤の総使用量は、それぞれ、増感剤に対して、重合開始剤:増感剤の重量比で、200:1〜1:200であることが好ましく、50:1〜1:50であることがより好ましく、20:1〜1:5であることが更に好ましい。
<アシルホスフィン化合物>
本発明のインク組成物には、前記重合開始剤として、アシルホスフィン化合物を用いることが好ましい。アシルホスフィン化合物を用いると、硬化膜の耐ブロッキング性、耐擦過性に優れるインク組成物が得られる。
アシルホスフィン化合物を用いる場合、インク組成物全体の1〜8重量%用いることが好ましく、1〜7重量%用いることがより好ましく、1〜6重量%用いることが更に好ましい。
アシルホスフィン化合物としては、モノアシルホスフィンオキサイド化合物及びビスアシルホスフィンオキサイド化合物等を使用することができ、ビスアシルホスフィンオキシドを少なくとも用いることがより好ましい。
ビスアシルホスフィンオキサイド化合物を用いる場合、インク組成物全体の0.5〜18重量%用いることが好ましい。
アシルホスフィン化合物としては、化合物の構造中に式(3)又は式(4)の構造式を有するものが例示でき、それぞれ、モノアシルホスフィンオキサイド化合物及びビスアシルホスフィンオキサイド化合物に対応する。
Figure 2011021118
Figure 2011021118
特に、アシルホスフィン化合物としては、式(5)又は式(6)の化学構造を有するものが特に好ましい。
Figure 2011021118
(式中、R6、R7、R8はメチル基又はエチル基を置換基として有していてもよい芳香族炭化水素基を表す。)
Figure 2011021118
(式中、R9、R10、R11はメチル基又はエチル基を置換基として有していてもよい芳香族炭化水素基を表す。)
アシルホスフィン化合物としては、モノアシルホスフィンオキサイド化合物及びビスアシルホスフィンオキサイド化合物等を使用することができ、ビスアシルホスフィンオキサイド化合物を使用することが好ましい。
モノアシルホスフィンオキサイド化合物としては、公知のモノアシルホスフィンオキサイド化合物を使用することができる。例えば特公昭60−8047号公報、特公昭63−40799号公報に記載のモノアシルホスフィンオキサイド化合物が挙げられる。
具体例としては、イソブチリルメチルホスフィン酸メチルエステル、イソブチリルフェニルホスフィン酸メチルエステル、ピバロイルフェニルホスフィン酸メチルエステル、2−エチルヘキサノイルフェニルホスフィン酸メチルエステル、ピバロイルフェニルホスフィン酸イソプロピルエステル、p−トルイルフェニルホスフィン酸メチルエステル、o−トルイルフェニルホスフィン酸メチルエステル、2,4−ジメチルベンゾイルフェニルホスフィン酸メチルエステル、p−t−ブチルベンゾイルフェニルホスフィン酸イソプロピルエステル、アクリロイルフェニルホスフィン酸メチルエステル、イソブチリルジフェニルホスフィンオキサイド、2−エチルヘキサノイルジフェニルホスフィンオキサイド、o−トルイルジフェニルホスフィンオキサイド、p−t−ブチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、3−ピリジルカルボニルジフェニルホスフィンオキサイド、アクリロイルジフェニルホスフィンオキサイド、ベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ピバロイルフェニルホスフィン酸ビニルエステル、アジポイルビスジフェニルホスフィンオキサイド、ピバロイルジフェニルホスフィンオキサイド、p−トルイルジフェニルホスフィンオキサイド、4−(t−ブチル)ベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、テレフタロイルビスジフェニルホスフィンオキサイド、2−メチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、バーサトイルジフェニルホスフィンオキサイド、2−メチル−2−エチルヘキサノイルジフェニルホスフィンオキサイド、1−メチル−シクロヘキサノイルジフェニルホスフィンオキサイド、ピバロイルフェニルホスフィン酸メチルエステル及びピバロイルフェニルホスフィン酸イソプロピルエステル等が挙げられる。
ビスアシルホスフィンオキサイド化合物としては、公知のビスアシルホスフィンオキサイド化合物が使用できる。例えば特開平3−101686号公報、特開平5−345790号公報、特開平6−298818号公報に記載のビスアシルホスフィンオキサイド化合物が挙げられる。
具体例としては、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−2−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−1−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−クロロフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,4−ジメトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)デシルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−オクチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロ3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロ−3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メトキシ−1−ナフトイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−クロロ−1−ナフトイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
これらの中でも、本発明において、アシルホスフィン化合物としては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(IRGACURE 819:チバスペシャルティーケミカルズ社製)、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド(DAROCUR TPO:チバスペシャルティーケミカルズ社製、Lucirin TPO:BASF社製)などが好ましい。
本発明にインク組成物においては、アシルホスフィン化合物を含有することが好ましく、アシルホスフィン化合物とベンゾフェノン化合物又はチオキサントン化合物とを併用するか、アシルホスフィン化合物とα−アミノケトン化合物とを併用することがより好ましい。特に好ましくは、アシルホスフィン化合物とベンゾフェノン化合物とを併用することである。上記組み合わせにより、硬化性、耐ブロッキング性に優れるインク組成物が得られる。チオキサントン化合物又はベンゾフェノン化合物を用いる場合、インク組成物全体の0.5〜4重量%用いることが好ましく、1〜3.5重量%用いることがより好ましい。
(D)増感剤
本発明のインク組成物は、特定の活性エネルギー線を吸収して、前記光酸発生剤の分解を促進させるために、(D)増感剤を含有することが好ましい。
増感剤は、特定の活性エネルギー線を吸収して電子励起状態となる。電子励起状態となった増感剤は、光酸発生剤と接触して、電子移動、エネルギー移動、発熱などの作用が生じる。これにより光酸発生剤は化学変化を起こして分解し、酸又はカチオンを生成する。
好ましい増感剤の例としては、以下の化合物類に属しており、かつ350nmから450nm域に吸収波長を有するものを挙げることができる。
多核芳香族類(例えば、アントラセン、9,10−ジアルコキシアントラセン、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、チオキサントン類(例えば、イソプロピルチオキサントン)、チオクロマン−4−オン類(例えば、チオクロマン−4−オン)、シアニン類(例えば、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン)。
これらの中でも、本発明のインク組成物は、チオキサントン類、及び/又は、チオクロマン−4−オン類を含有することが好ましく、チオキサントン類を含有することがより好ましい。
チオキサントン類として具体的には、チオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、3−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−ドデシルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、1−メトキシカルボニルチオキサントン、2−エトキシカルボニルチオキサントン、3−(2−メトキシエトキシカルボニル)チオキサントン、4−ブトキシカルボニルチオキサントン、3−ブトキシカルボニル−7−メチルチオキサントン、1−シアノ−3−クロロチオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−クロロチオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−エトキシチオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−アミノチオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−フェニルスルフリルチオキサントン、3,4−ジ〔2−(2−メトキシエトキシ)エトキシカルボニル〕チオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−(1−メチル−1−モルホリノ−エチル)チオキサントン、2−メチル−6−ジメトキシメチル−チオキサントン、2−メチル−6−(1,1−ジメトキシベンジル)チオキサントン、2−モルホリノメチルチオキサントン、2−メチル−6−モルホリノメチルチオキサントン、N−アリルチオキサントン−3,4−ジカルボキシイミド、N−オクチルチオキサントン−3,4−ジカルボキシイミド、N−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)チオキサントン−3,4−ジカルボキシイミド、1−フェノキシチオキサントン、6−エトキシカルボニル−2−メトキシチオキサントン、6−エトキシカルボニル−2−メチルチオキサントン、チオキサントン−2−ポリエチレングリコールエステル、及び、2−ヒドロキシ−3−(3,4−ジメチル−9−オキソ−9H−チオキサントン−2−イルオキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパンアミニウムクロリドが好ましく例示できる。これらの中でも、2−イソプロピルチオキサントン、及び、2,4−ジエチルチオキサントンがより好ましく例示できる。
また、市販品としては、FIRSTCURE ITX(Albemarle社製)、KAYACURE DETX(日本化薬(株)製)などが好ましく例示できる。
Figure 2011021118
チオクロマン−4−オン類として具体的には、下記の(I−1)〜(I−35)で表される化合物が好ましく例示できる。なお、下記化学式中、Meはメチル基を表し、Butはt−ブチル基を表し、Priはイソプロピル基を表す。
Figure 2011021118
Figure 2011021118
本発明のインク組成物における増感剤の含有量は、使用目的により適宜選択されるが、インク組成物の全重量に対し、0.01〜20重量%であることが好ましく、0.05〜15重量%であることがより好ましく、1〜10重量%であることが更に好ましく、1〜5重量%であることが特に好ましい。
(E)アミン化合物
本発明のインク組成物は、(E)アミン化合物を含有することが好ましい。
本発明に用いることのできるアミン化合物としては、従来公知のアミン化合物であれば特に制限なく使用することができる。
また、本発明に用いることのできるアミン化合物は、一級、二級及び三級のアミン化合物のいずれでもよいが、重合性化合物との副反応や変色反応の抑制の観点から、三級のアミン化合物を使用することが好ましい。
アミン化合物としては、トリエタノールアミン、N−メチル−ジエタノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル又はミヒラーケトン及び対応する誘導体が好ましく例示できる。また、公知のアミド及び他のアミン誘導体も用いることができる。
前記ミヒラーケトン及び対応する誘導体としては、下記のものが好ましく挙げられる。
Figure 2011021118
また、アミン化合物としては、アミン変性アクリレート化合物が好ましく挙げられる。
アミン変性アクリレート化合物は、例えば、US3844916、EP280222、US5482649又はUS5734002で記載されている、第一級又は第二級アミンとの反応により改変されているアクリレートが好ましく例示できる。
また、アミン変性アクリレート化合物は、広く市販されており、例えば、アミノアクリレートは、例えば、EBECRYL 80、EBECRYL 81、EBECRYL 83、EBECRYL 7100(以上、UCB Chemicals社製)、LAROMER PO 83F、LAROMER PO 84F、LAROMER PO 94F(以上、BASF社製)、PHOTOMER 4775 F、PHOTOMER 4967 F(以上、Cognis社製)、CN501、CN503、CN550、CN383、CN384、CN371(以上、サートマー社製)が挙げられる。
本発明のインク組成物におけるアミン化合物の含有量は、インク組成物の全重量に対し、0.5〜20重量%であることが好ましく、1〜18重量%であることがより好ましく、3〜15重量%であることが更に好ましい。
(F)その他の重合性化合物
本発明のインク組成物は、前記式(I)及び式(II−1)〜式(II−4)で表される化合物以外に、他の重合性化合物を含有することが好ましい。
他の重合性化合物としては、ラジカル重合性化合物が好ましく挙げられる。
なお、本発明において「ラジカル重合性化合物」とは、前記式(I)又は式(II−1)〜式(II−4)で表される化合物を除く他のラジカル重合性化合物を意味することはいうまでもない。
ラジカル重合性化合物としては、例えば、特開平7−159983号、特公平7−31399号、特開平8−224982号、特開平10−863号等の各公報に記載されている光重合性組成物を用いた光硬化型材料が知られている。
ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物であり、分子中にラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する化合物であればどのようなものでもよく、モノマー、オリゴマー、ポリマー等の化学形態を持つものが含まれ、モノマー、オリゴマーが好ましく使用できる。ラジカル重合性化合物は目的とする特性を向上するために任意の比率で1種が含まれていてもよく、2種以上が含まれていてもよい。
ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する重合性化合物の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸、それらのエステル及びそれらの塩、エチレン性不飽和基を有する無水物、アクリロニトリル、スチレン、さらに種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン(メタ)アクリル系モノマー又はプレポリマー、エポキシ系モノマー又はプレポリマー、ウレタン系モノマー又はプレポリマー等の(メタ)アクリル酸エステルが好ましく用いられる。
具体的には、(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレートメチルエステル、(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレートエチルエステル、(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレートフェニルエステル、(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートフェニルエステル、(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アクリレートメチルエステル、(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アクリレートエチルエステル、(ポリ)プロピレングリコールジグリシジルエーテルアクリル酸付加物、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのPO(プロピレンオキシド)付加物ジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、ビスフェノールAのEO(エチレンオキシド)付加物ジ(メタ)アクリレート、EO変性ペンタエリスリトールトリアクリレート、PO変性ペンタエリスリトールトリアクリレート、EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート、PO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート、EO変性ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、PO変性ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変性テトラメチロールメタンテトラアクリレート、PO変性テトラメチロールメタンテトラアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、n−デシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、n−ラウリルアクリレート、n−トリデシルアクリレート、n−セチルアクリレート、n−ステアリルアクリレート、イソミリスチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ベンジルアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、オリゴエステルアクリレート、イソアミルアクリレート、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、エポキシアクリレート等のアクリル酸誘導体、メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、n−デシルメタクリレート、イソオクチルメタクリレート、n−ラウリルメタクリレート、n−トリデシルメタクリレート、n−セチルメタクリレート、n−ステアリルメタクリレート、アリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ジメチルアミノメチルメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン等のメタクリル誘導体、その他、アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート等のアリル化合物の誘導体、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,10−デカンジオールジアクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコールアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、2−アクリロイロキシエチルフタル酸、ノニルフェノールEO付加物アクリレート、メトキシ−ポリエチレングリコールアクリレート、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、エトキシ化フェニルアクリレート、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、変性グリセリントリアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルアクリル酸付加物、変性ビスフェノールAジアクリレート、フェノキシ−ポリエチレングリコールアクリレート、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ラクトン変性可撓性アクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、2−ヒドロキシエチルアクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマーが挙げられ、さらに具体的には、山下晋三編「架橋剤ハンドブック」(1981年、大成社);加藤清視編「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」(1985年、高分子刊行会);ラドテック研究会編「UV・EB硬化技術の応用と市場」79頁(1989年、シーエムシー);滝山栄一郎著「ポリエステル樹脂ハンドブック」(1988年、日刊工業新聞社)等に記載の市販品もしくは業界で公知のラジカル重合性又は架橋性のモノマー、オリゴマー及びポリマーを用いることができる。
これらのアクリレート化合物は、従来UV硬化型インクに用いられてきた重合性化合物より、比較的粘度を下げることができ、安定したインク吐出性が得られ、重合感度、記録媒体との密着性も良好であるので好ましい。
さらに、ラジカル重合性化合物として、ビニルエーテル化合物を用いることも好ましく、モノビニルエーテル化合物及びジー又はトリビニルエーテル化合物に大別できる。好適に用いられるビニルエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物;エチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、ヒドロキシエチルモノビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシノニルモノビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
ビニルエーテル化合物は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
本発明においては、オリゴマーや、ポリマーを併せて使用することができる。ここでオリゴマーとは分子量(分子量分布を有するものに関しては、重量平均分子量)が2,000以上の化合物を意味し、ポリマーとは、分子量(分子量分布を有するものに関しては、重量平均分子量)が10,000以上の化合物を意味する。該オリゴマー、ポリマーはラジカル重合性基を有していなくてもよいが、有する方が好ましい。該オリゴマー、ポリマー1分子中に有するラジカル重合性基が平均1以上4以下であると、柔軟性に優れたインク組成物が得られるので好ましい。オリゴマーやポリマーは、インクを吐出に最適な粘度に調整ために適当な量を添加することができる。
これらの中でも、他の重合性化合物としては、芳香環を有するモノマーであることが好ましく、フェノキシエチルアクリレートであることがより好ましい。
本発明のインク組成物において、他の重合性化合物は、含まないか、又は、インク組成物の全重量に対し、0〜40重量%含有することが好ましい。
(G)着色剤
本発明のインク組成物は、着色剤を含有することが好ましい。
本発明に用いることができる着色剤としては、特に制限はなく、顔料、油溶性染料、水溶性染料、分散染料等の公知の着色剤から任意に選択して使用することができる。この中でも、着色剤としては、耐候性に優れ、色再現性に富む点から、顔料、及び/又は、油溶性染料であることが好ましく、顔料であることがより好ましい。
本発明のインク組成物に好適に用いることができる着色剤は、活性放射線による硬化反応の感度を低下させないという観点からは、硬化反応である重合反応において重合禁止剤として機能しない化合物を選択することが好ましい。
<顔料>
顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の有機顔料及び無機顔料などが挙げられ、また、染料で染色した樹脂粒子、市販の顔料分散体や表面処理された顔料(例えば、顔料を分散媒として水、液状有機化合物や不溶性の樹脂等に分散させたもの、及び、樹脂や顔料誘導体等で顔料表面を処理したもの等)も挙げられる。なお、前記顔料としては、例えば、伊藤征司郎編「顔料の辞典」(2000年、朝倉書店発行)、橋本勲著「有機顔料ハンドブック」(2006年、カラーオフィス発行)、W.Herbst,K.Hunger編「Industrial Organic Pigments」(1992年、Wiley−VHC発行)、特開2002−12607号公報、特開2002−188025号公報、特開2003−26978号公報、特開2003−342503号公報に記載のものが挙げられる。
前記有機顔料及び無機顔料としては、例えば、黄色顔料、赤色顔料、マゼンタ顔料、青色顔料、シアン顔料、緑色顔料、橙色顔料、紫色顔料、褐色顔料、黒色顔料、白色顔料等が挙げられる。
前記黄色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー 1、2、3、4、5、10、65、73、74、75、97、98、111、116、130、167、205等のモノアゾ顔料、61、62、100、168、169、183、191、206、209、212等のモノアゾレーキ顔料、12、13、14、16、17、55、63、77、81、83、97、83、124、126、127、152、155、172、174、176、214、219等のジスアゾ顔料、24、108、193、199等のアントラキノン顔料、60等のモノアゾピラゾロン顔料、93、95、128、166等の縮合アゾ顔料、109、110、139、173、185等のイソインドリン顔料、120、151、154、175、180、181、194等のベンズイミダゾロン顔料、117、150、153等のアゾメチン金属錯体顔料、138等のキノフタロン顔料、213等のキノキサリン顔料が好ましい。
前記赤色又はマゼンタ顔料としては、C.I.ピグメントレッド 3等のモノアゾ系顔料、193等のモノアゾレーキ顔料、38等のジスアゾ顔料、2、5、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、22、23、31、32、112、114、146、147、150、170、187、188、210、213、238、245、253、256、258、266、268、269等のナフトールAS顔料、3、4、6等のβ−ナフトール顔料、49、53、68等β−ナフトールレーキ顔料、237、239、247等のナフトールASレーキ顔料、41等のピラゾロン顔料、48、52、57、58、63、64:1、200等のBONAレーキ顔料、81:1、169、172等のキサンテンレーキ顔料、88、181等のチオインジゴ顔料、122、202(C.I.ピグメントバイオレット 19との混合物を含む)、123、149、178、179、190、224等のペリレン顔料、144、166、214、220、221、242、262等の縮合アゾ顔料、168、177、263等のアントラキノン顔料、83等のアントラキノンレーキ顔料、171、175、176、185、208等のベンズイミダゾロン顔料、207、209、262等のキナクリドン顔料、254、255、264、270、272等のジケトピロロピロール顔料、257、271等のアゾメチン金属錯体顔料が好ましい。
前記青色又はシアン顔料としては、C.I.プグメントブルー 25、26等のナフトールAS顔料、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17:1等のフタロシアニン顔料、1、24:1、56等の染付けレーキ顔料、60等のアントラキノン系顔料が好ましい。
前記緑色顔料としては、C.I.ピグメントグリーン 1、4等の染付けレーキ顔料、7、36等のフタロシアニン顔料、8等のアゾメチン金属錯体顔料が好ましい。
前記橙色顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ 1等のモノアゾ顔料、2、3、5等のβ−ナフトール顔料、4、24、38、74等のナフトールAS顔料、13、34等のピラゾロン顔料、36、60、62、64、72等のベンズイミダゾロン顔料、15、16等のジスアゾ顔料、17、46等のβ−ナフトールレーキ顔料、19等のナフタレンスルホン酸レーキ顔料、43等のペリノン顔料、48、49等のキナクリドン顔料、51等のアントラキノン系顔料、61等のイソインドリノン顔料、66等のイソインドリン系顔料、68等のアゾメチン金属錯体顔料、71、73、81等のジケトピロロピロール顔料が好ましい。
前記褐色顔料としては、C.I.ピグメントブラウン 5等のBONAレーキ顔料、23、41、42等の縮合アゾ顔料、25、32等のベンズイミダゾロン顔料が好ましい。
前記紫色顔料としては、C.I.ピグメントバイオレット 1、2、3、27等の染付けレーキ顔料、13、17、25、50等のナフトールAS顔料、5:1等のアントラキノンレーキ顔料、19等のキナクリドン顔料、23、37等のジオキサジン顔料、29等のペリレン顔料、32等のベンズイミダゾロン顔料、38等のチオインジゴ顔料が好ましい。
前記黒色顔料としては、C.I.ピグメントブラック 1等のインダジン顔料、7であるカーボンブラック、10であるグラファイト、11であるマグネタイト、20等のアントラキノン顔料、31、32等のペリレン顔料が好ましい。
前記白色顔料としては、C.I.ピグメントホワイト 4である酸化亜鉛、6である酸化チタン、7である硫化亜鉛、12である酸化ジルコニウム(ジルコニウムホワイト)、18である炭酸カルシウム、19である酸化アルミニウム・酸化ケイ素(カオリンクレー)、21又は22である硫酸バリウム、23である水酸化アルミニウム(アルミナホワイト)、27である酸化ケイ素、28であるケイ酸カルシウムが好ましい。
白色顔料に使用される無機粒子は単体でもよいし、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタン等の酸化物や有機金属化合物、有機化合物との複合粒子であってもよい。
中でも前記酸化チタンは、他の白色顔料と比べて比重が小さい、屈折率が大きい、隠蔽力や着色力が大きい、酸やアルカリ、その他の環境に対する耐久性にも優れていることから、好適に使用される。なお、前記酸化チタンに加えて他の白色顔料(上述した白色顔料以外のものであってもよい)を併用してもよい。
酸化チタンは、特に限定されず、白色顔料として使用されている公知の酸化チタンから適宜選択して使用することができる。ルチル型二酸化チタン及びアナターゼ型二酸化チタンのいずれも使用することができるが、触媒活性能が低く、経時安定性に優れる点から、ルチル型二酸化チタンが好ましく使用される。
酸化チタンは上市されており、例えば、TIPAQUE CR60−2、Tipaque A−220(いずれも、石原産業(株)製)や、KRONOS1001、1014、1071、1074、1075、1077、1078、1080、1171、2044、2047、2056、2063、2080、2081、2084、2087、2160、2190、2211、2220、2222、2225、2230、2233、2257、2300、2310、2450、2500、3000、3025(いずれも、KRONOS社製)等が例示できる。
また、酸化チタンは、必要に応じて表面処理を行ってもよい。具体的には、例えば、シリカ、アルミナ、亜鉛、ジルコニア、有機物処理が行われ、処理方法によって耐候性や親油水性が異なる。本発明においてはアルミナ、亜鉛、ジルコニア、塩基性有機物処理されたものが好ましい。
<油溶性染料>
以下に、本発明でに用いることができる油溶性染料について説明する。
本発明で使用することのできる油溶性染料とは、水に実質的に不溶な染料を意味する。具体的には、25℃での水への溶解度(水100gに溶解できる染料の質量)が1g以下であり、好ましくは0.5g以下、より好ましくは0.1g以下であるものを指す。従って、油溶性染料とは、所謂水に不溶性の顔料や油溶性色素を意味し、これらの中でも油溶性色素が好ましい。
本発明にに用いることができる油溶性染料のうち、イエロー染料としては、任意のものを使用することができる。例えば、カップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピラゾロン類、ピリドン類、開鎖型活性メチレン化合物類を有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料;例えばカップリング成分として開鎖型活性メチレン化合物類を有するアゾメチン染料;例えばベンジリデン染料やモノメチンオキソノール染料等のようなメチン染料;例えばナフトキノン染料、アントラキノン染料等のようなキノン系染料;等が挙げられ、これ以外の染料種としてはキノフタロン染料、ニトロ・ニトロソ染料、アクリジン染料、アクリジノン染料等を挙げることができる。
本発明にに用いることができる油溶性染料のうち、マゼンタ染料としては、任意のものを使用することができる。例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類を有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料;例えばカップリング成分としてピラゾロン類、ピラゾロトリアゾール類を有するアゾメチン染料;例えばアリーリデン染料、スチリル染料、メロシアニン染料、オキソノール染料のようなメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボニウム染料;例えばナフトキノン、アントラキノン、アントラピリドンなどのようなキノン系染料;例えばジオキサジン染料等のような縮合多環系染料等を挙げることができる。
本発明にに用いることができる油溶性染料のうち、シアン染料としては、任意のものを使用することができる。例えばインドアニリン染料、インドフェノール染料あるいはカップリング成分としてピロロトリアゾール類を有するアゾメチン染料;シアニン染料、オキソノール染料、メロシアニン染料のようなポリメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボニウム染料;フタロシアニン染料;アントラキノン染料;例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類を有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料;インジゴ・チオインジゴ染料等を挙げることができる。
前記の各染料は、クロモフォア(発色性の原子団)の一部が解離して初めてイエロー、マゼンタ、シアンの各色を呈するものであってもよく、その場合のカウンターカチオンはアルカリ金属や、アンモニウムのような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニウム、4級アンモニウム塩のような有機のカチオンであってもよく、さらにはそれらを構造に有するポリマーカチオンであってもよい。
以下に限定されるものではないが、好ましい具体例としては、例えば、C.I.ソルベント・ブラック 3,7,27,29及び34;C.I.ソルベント・イエロー 14,16,19,29,30,56,82,93及び162;C.I.ソルベント・レッド 1,3,8,18,24,27,43,49,51,72,73,109,122,132及び218;C.I.ソルベント・バイオレット 3;C.I.ソルベント・ブルー 2,11,25,35,38,67及び70;C.I.ソルベント・グリーン 3及び7;並びにC.I.ソルベント・オレンジ 2等が挙げられる。
これらの中で特に好ましいものは、Nubian Black PC−0850、Oil Black HBB 、Oil Yellow 129、Oil Yellow 105、Oil Pink 312、Oil Red 5B、Oil Scarlet 308、Vali Fast Blue 2606、Oil Blue BOS(オリエント化学(株)製)、Aizen Spilon Blue GNH(保土ヶ谷化学(株)製)、NeopenYellow 075、Neopen Mazenta SE1378、Neopen Blue 808、Neopen Blue FF4012、Neopen Cyan FF4238(BASF社製)等である。
<分散染料>
また、本発明においては、水非混和性有機溶媒に溶解する範囲で、分散染料を用いることもできる。分散染料は一般に水溶性の染料も包含するが、本発明においては水非混和性有機溶媒に溶解する範囲で用いることが好ましい。
分散染料の好ましい具体例としては、C.I.ディスパースイエロー 5,42,54,64,79,82,83,93,99、100,119,122,124,126,160,184:1,186,198,199,201,204,224及び237;C.I.ディスパーズオレンジ 13,29,31:1,33,49,54,55,66,73,118,119及び163;C.I.ディスパーズレッド 54,60,72,73,86,88,91,92,93,111,126,127,134,135,143,145,152,153,154,159,164,167:1,177,181,204,206,207,221,239,240,258,277,278,283,311,323,343,348,356及び362;C.I.ディスパーズバイオレット 33;C.I.ディスパーズブルー 56,60,73,87,113,128,143,148,154,158,165,165:1,165:2,176,183,185,197,198,201,214,224,225,257,266,267,287,354,358,365及び368;並びにC.I.ディスパーズグリーン 6:1及び9等が挙げられる。
本発明に用いることができる(G)着色剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明において、着色剤の含有量は、着色剤の物性(比重、着色力や色味等)、インク組成物を何色組み合わせて印刷物を作製するかといった条件により適宜選択することができるが、隠蔽力や着色力の点から、インク組成物全体の重量に対して、0.1〜30重量%であることが好ましく、0.2〜25重量%であることがさらに好ましく、0.3〜20重量%であることが特に好ましい。
本発明において、着色剤は、インク組成物の調製に際して、各成分とともに直接添加により配合してもよいが、予め汎用の有機溶剤(メチルエチルケトン、トルエン、ブタノール、酢酸ブチル等)あるいは本発明に使用するラジカル重合性化合物のような液体の媒体に添加し、分散又は溶解させた後、配合することもできる。媒体が硬化画像に残留する場合の耐溶剤性の劣化及び残留するVOC(Volatile Organic Compound:揮発性有機化合物)の問題を避けるためにも、着色剤は、ラジカル重合性化合物に予め添加して配合することが好ましい。また、配合時の作業性を考慮すると、使用する媒体は、最も低粘度のラジカル重合性化合物を選択することがより好ましい。
本発明において、着色剤に顔料を使用する場合には、顔料と分散剤とを混合した後、ラジカル重合性化合物に添加して分散する、又は、ラジカル重合性化合物と分散剤とを混合した後、顔料を添加して分散することが好ましい。分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、ソルトミル、アトライター、ロールミル、アジテーター、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等の各分散装置を用いることができる。
なお、着色剤として顔料を使用する場合には、顔料粒子の平均粒径は、好ましくは0.005〜0.5μm、より好ましくは0.01〜0.45μm、さらに好ましくは0.015〜0.4μmとなるよう、顔料、分散剤、媒体の選定、分散条件、ろ過条件を設定することが好ましい。平均粒径が上記の範囲であると、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インク組成物の保存安定性、透明性及び硬化速度を維持することができる。
本発明のインク組成物において、着色剤として顔料を使用する場合には、インク組成物中に安定に顔料を分散させるため、分散剤を含有することが好ましい。
本発明に用いることができる分散剤としては、高分子分散剤が好ましい。なお、本発明における「高分子分散剤」とは、重量平均分子量が1,000以上の分散剤を意味する。
また、高分子分散剤の主鎖骨格は、特に制限は無いが、ポリウレタン骨格、ポリアクリル骨格、ポリエステル骨格、ポリアミド骨格、ポリアミド骨格、ポリウレア骨格等が挙げられ、インク組成物の保存安定性の点で、ポリウレタン骨格、ポリアクリル骨格、ポリエステル骨格が好ましい。また、高分子分散剤の構造に関しても特に制限は無いが、ランダム構造、ブロック構造、くし型構造、星型構造等が挙げられ、同様に保存安定性の点で、ブロック構造又はくし型構造が好ましい。
高分子分散剤としては、ビックケミー社より市販されている湿潤分散剤DISPERBYKシリーズの101、102、103、106、108、109、110、111、112、116、130、140、142、145、161、162、163、164、166、167、168、170、171、174、108、182、183、184、185、2000、2001、2020、2050、2070、2096、2150、チバスペシャルティーケミカルズ社より市販されているEFKAシリーズの4008、4009、4010、4015、4020、4046、4047、4050、4055、4060、4080、4300、4330、4340、4400、4401、4402、4403、4406、4800、5010、5044、5054、5055、5063、5064、5065、5066、5070、5244、ルーブリゾール社より市販されているSolsperseシリーズの3000、5000、11200、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000SC、24000GR、26000、28000、31845、32000、32500、32550、32600、33000、34750、35100、35200、36000、36600、37500、38500、39000、53095、54000、55000、56000、71000、楠本化成(株)より市販されているDISPARLONシリーズの1210、1220、1831、1850、1860、2100、2150、2200、7004、KS−260、KS−273N、KS−860、KS−873N、PW−36、DN−900、DA−234、DA−325、DA−375、DA−550、DA−1200、DA−1401、DA−7301、味の素(株)より市販されているアジスパーシリーズのPB−711、PB−821、PB−822、PN−411、PA−111、エアープロダクツ社より市販されているサーフィノールシリーズの104A、104C、104E、104H、104S、104BC、104DPM、104PA、104PG−50、420、440、DF110D、DF110L、DF37、DF58、DF75、DF210、CT111、CT121、CT131、CT136、GA、TG、TGE、日信化学工業(株)より市販されているオルフィンシリーズのSTG、E1004、サンノプコ(株)製SNスパースシリーズの70、2120、2190、(株)ADEKAより市販されているアデカコール及びアデカトールシリーズ、三洋化成工業(株)市販されているサンノニックシリーズ、ナロアクティーCLシリーズ、エマルミンシリーズ、ニューポールPEシリーズ、イオネットMシリーズ、イオネットDシリーズ、イオネットSシリーズ、イオネットTシリーズ、サンセパラー100が挙げられる。
さらに、分散時には、分散剤に加えて、一般にシナジストと呼ばれる分散助剤(例えば、ルーブリゾール社より市販されているSolsperseシリーズの5000、12000、22000、チバスペシャルティーケミカルズ社より市販されているEFKA6745等)や、各種界面活性剤、消泡剤を添加して、顔料の分散性、濡れ性を向上させることも好ましい。
本発明において、顔料に対する分散剤の重量比は、インク組成物中における顔料の重量をPと、インク組成物中における分散剤の重量Dとした場合、その重量比(D/P)が、0.5<D/P≦15であることが好ましく、1≦D/P≦10であることがより好ましく、1.2≦D/P≦8であることがさらに好ましい。上記範囲であると、顔料の凝集・沈降、インク粘度上昇が生じず、保存安定性に優れるインク組成物が得られ、インク粘度が低粘度で吐出安定性にも優れるインク組成物が得られる。
(H)その他の成分
本発明のインク組成物には、必要に応じて、前記成分以外の(H)その他の成分を添加することができる。
その他の成分としては、例えば、強増感剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、褪色防止剤、導電性塩類、溶剤、高分子化合物、塩基性化合物等が挙げられる。
<強増感剤>
本発明のインク組成物は、強増感剤(「共増感剤」、又は、「強色増感剤」という場合もある。)を含有することも好ましい。本発明において強増感剤は、増感剤の活性放射線に対する感度を一層向上させる、又は、酸素による重合性化合物の重合阻害を抑制する等の作用を有する。
このような強増感剤の例としては、アミン類、例えばM. R. Sanderら著,Journal of Polymer Society,第10巻,3173頁(1972)、特公昭44−20189号公報、特開昭51−82102号公報、特開昭52−134692号公報、特開昭59−138205号公報、特開昭60−84305号公報、特開昭62−18537号公報、特開昭64−33104号公報、Research Disclosure 33825号記載の化合物等が挙げられる。
具体的には、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ホルミルジメチルアニリン、p−メチルチオジメチルアニリン等が挙げられる。
強増感剤の別の例としては、チオール及びスルフィド類、例えば、特開昭53−702号公報、特公昭55−500806号公報、特開平5−142772号公報記載のチオール化合物、特開昭56−75643号公報記載のジスルフィド化合物等が挙げられる。
具体的には、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリン、β−メルカプトナフタレン等が挙げられる。
また別の例としては、アミノ酸化合物(例、N−フェニルグリシン等)、特公昭48−42965号公報記載の有機金属化合物(例、トリブチル錫アセテート等)、特公昭55−34414号公報記載の水素供与体、特開平6−308727号公報記載のイオウ化合物(例、トリチアン等)、特開平6−250387号公報記載のリン化合物(ジエチルホスファイト等)、特開平8−54735号公報記載のSi−H、Ge−H化合物等が挙げられる。
本発明のインク組成物中における強増感剤の含有量は、使用目的により適宜選択されるが、インク組成物全体の重量に対し、0.05〜4重量%であることが好ましい。
<界面活性剤>
本発明のインク組成物には、長時間安定した吐出性を付与するため、界面活性剤を添加することが好ましい。
界面活性剤としては、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載されたものが挙げられる。例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。なお、前記界面活性剤の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。前記有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。前記有機フルオロ化合物としては、例えば、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例、フッ素油)及び固体状フッ素化合物樹脂(例、四フッ化エチレン樹脂)が含まれ、特公昭57−9053号(第8〜17欄)、特開昭62−135826号の各公報に記載されたものが挙げられる。
界面活性剤としては、ポリジアルキルシロキサン類であることが好ましく、ポリエトキシ変性ポリジメチルシロキサンであることがより好ましい。
インク組成物中における界面活性剤の含有量は、使用目的により適宜選択されるが、インク組成物全体の重量に対し、それぞれ0.0001〜1重量%であることが好ましい。
<紫外線吸収剤>
本発明においては、得られる画像の耐候性向上、退色防止の観点から、紫外線吸収剤を用いることができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、リサーチディスクロージャーNo.24239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤などが挙げられる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、固形分換算で0.5〜15重量%であることが好ましい。
<酸化防止剤>
インク組成物の安定性向上のため、酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤としては、ヨーロッパ公開特許第223739号公報、同309401号公報、同第309402号公報、同第310551号公報、同第310552号公報、同第459416号公報、ドイツ公開特許第3435443号公報、特開昭54−48535号公報、同62−262047号公報、同63−113536号公報、同63−163351号公報、特開平2−262654号公報、特開平2−71262号公報、特開平3−121449号公報、特開平5−61166号公報、特開平5−119449号公報、米国特許第4814262号明細書、米国特許第4980275号明細書等に記載のものを挙げることができる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、固形分換算で0.1〜8重量%であることが好ましい。
<褪色防止剤>
本発明のインク組成物には、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。前記有機系の褪色防止剤としては、ハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類などが挙げられる。前記金属錯体系の褪色防止剤としては、ニッケル錯体、亜鉛錯体などが挙げられ、具体的には、リサーチディスクロージャーNo.17643の第VIIのI〜J項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載された化合物や、特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物の一般式及び化合物例に含まれる化合物を使用することができる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、固形分換算で0.1〜8重量%であることが好ましい。
<導電性塩類>
本発明のインク組成物には、吐出物性の制御を目的として、チオシアン酸カリウム、硝酸リチウム、チオシアン酸アンモニウム、ジメチルアミン塩酸塩などの導電性塩類を添加することができる。
<溶剤>
本発明のインク組成物には、被記録媒体との密着性を改良するため、極微量の有機溶剤を添加することも有効である。
溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール系溶剤、クロロホルム、塩化メチレン等の塩素系溶剤、ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピルなどのエステル系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤などが挙げられる。
この場合、耐溶剤性やVOCの問題が起こらない範囲での添加が有効であり、その量はインク組成物全体に対し0.1〜5重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜3重量%の範囲である。
<高分子化合物>
本発明のインク組成物には、膜物性を調整するため、各種高分子化合物を添加することができる。高分子化合物としては、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、シェラック、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類、その他の天然樹脂等が使用できる。また、これらは2種以上併用してもかまわない。これらのうち、アクリル系のモノマーの共重合によって得られるビニル系共重合が好ましい。さらに、高分子化合物の共重合組成として、「カルボキシル基含有モノマー」、「メタクリル酸アルキルエステル」、又は「アクリル酸アルキルエステル」を構造単位として含む共重合体も好ましく用いられる。
<塩基性化合物>
塩基性化合物は、インク組成物の保存安定性を向上させる観点から添加することが好ましい。本発明に用いることができる塩基性化合物としては、公知の塩基性化合物を用いることができ、例えば、無機塩等の塩基性無機化合物や、アミン類等の塩基性有機化合物を好ましく用いることができる。
この他にも、必要に応じて、例えば、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのワックス類、ポリオレフィンやPET等の被記録媒体への密着性を改善するために、重合を阻害しないタッキファイヤー(粘着付与剤)などを含有させることができる。
タッキファイヤーとしては、具体的には、特開2001−49200号公報の5〜6pに記載されている高分子量の粘着性ポリマー(例えば、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルキル基を有するアルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数3〜14の脂環族アルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数6〜14の芳香族アルコールとのエステルからなる共重合物)や、重合性不飽和結合を有する低分子量粘着付与性樹脂などが例示できる。
〔インク物性〕
本発明においては、吐出性を考慮し、インク組成物の25℃における粘度が40mPa・s以下であることが好ましく、5〜40mPa・sであることがより好ましく、7〜35mPa・sであることが更に好ましい。
また、吐出温度(好ましくは25〜80℃、より好ましくは25〜50℃)における粘度が、3〜15mPa・sであることが好ましく、3〜13mPa・sであることがより好ましい。本発明のインク組成物は、粘度が上記範囲になるように適宜組成比を調整することが好ましい。室温での粘度を高く設定することにより、多孔質な被記録媒体を用いた場合でも、被記録媒体中へのインク組成物の浸透を回避し、未硬化モノマーの低減が可能となる。さらにインク組成物の液滴着弾時におけるインクの滲みを抑えることができ、その結果として画質が改善されるので好ましい。
本発明のインク組成物の25℃における表面張力は、20〜35mN/mであることが好ましく、23〜33mN/mであることがより好ましい。ポリオレフィン、PET、コート紙、非コート紙など様々な被記録媒体へ記録する場合、滲み及び浸透の観点から、20mN/m以上が好ましく、濡れ性の点では、35mN/m以下が好ましい。
(2)インクジェット記録方法、インクジェット記録装置及び印刷物
本発明のインク組成物は、インクジェット記録用として好適に使用される。
本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインク組成物をインクジェット記録用として被記録媒体(支持体、記録材料等)上に吐出し、被記録媒体上に吐出されたインク組成物に活性放射線を照射し、インクを硬化して画像を形成する方法である。
より具体的には、本発明のインクジェット記録方法は、(a1)被記録媒体上に、本発明のインク組成物を吐出する工程、及び、(b1)吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、該インク組成物を硬化する工程、を含むことを特徴とする。
本発明のインクジェット記録方法は、上記(a1)及び(b1)工程を含むことにより、被記録媒体上において硬化したインク組成物により画像が形成される。
また、本発明の印刷物は、本発明のインク組成物を使用して得られた印刷物であり、本発明のインクジェット記録方法によって記録された印刷物であることが好ましい。
前記吐出は、圧電素子の変形によりインク組成物を吐出するインクジェットヘッドを用いて行われることが好ましい。
また、前記吐出は、1〜10plの液滴量、かつ1,200×1,200〜4,800×4,800dpiで行われることが好ましい。
本発明のインクジェット記録方法における(a1)工程には、以下に詳述するインクジェット記録装置が用いることができる。
〔インクジェット記録装置〕
本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置としては、特に制限はなく、目的とする解像度を達成することができる公知のインクジェット記録装置を任意に選択して使用することができる。すなわち、市販品を含む公知のインクジェット記録装置であれば、いずれも、本発明のインクジェット記録方法の(a1)工程における被記録媒体へのインクの吐出を実施することができる。
本発明で用いることのできるインクジェット記録装置としては、例えば、インク供給系、温度センサー、活性放射線源を含む装置が挙げられる。
インク供給系は、例えば、本発明のインク組成物を含む元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドからなる。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、好ましくは1〜100pl、より好ましくは1〜10plのマルチサイズドットを、好ましくは300×300〜4,800×4,800dpi、より好ましくは1,200×1,200〜4,800×4,800dpiの解像度で吐出できるよう駆動することができる。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
また、本発明のインクジェット記録方法においては、インクジェットヘッドとして、圧電素子の変形によりインク組成物を吐出するインクジェットヘッド、いわゆる、ピエゾ型のインクジェットヘッドを使用することが好ましい。
上述したように、本発明のインク組成物のように放射線硬化型インク組成物は、吐出されるインク組成物を一定温度にすることが望ましいことから、インク供給タンクからインクジェットヘッド部分までは、断熱及び加温を行うことができる。温度コントロールの方法としては、特に制約はないが、例えば、温度センサーを各配管部位に複数設け、インク組成物の流量、環境温度に応じた加熱制御をすることが好ましい。温度センサーは、インク供給タンク及びインクジェットヘッドのノズル付近に設けることができる。また、加熱するヘッドユニットは、装置本体を外気からの温度の影響を受けないよう、熱的に遮断若しくは断熱されていることが好ましい。加熱に要するプリンター立上げ時間を短縮するため、又は、熱エネルギーのロスを低減するために、他部位との断熱を行うと共に、加熱ユニット全体の熱容量を小さくすることが好ましい。
上記のインクジェット記録装置を用いて、本発明のインク組成物の吐出は、インク組成物を、好ましくは25〜80℃、より好ましくは25〜50℃に加熱して、インク組成物の粘度を、好ましくは3〜15mPa・s、より好ましくは3〜13mPa・sに下げた後に行うことが好ましい。特に、本発明のインク組成物として、25℃におけるインク粘度が50mPa・s以下であるものを用いると、良好に吐出が行えるので好ましい。この方法を用いることにより、高い吐出安定性を実現することができる。
本発明のインク組成物のような放射線硬化型インク組成物は、概して通常インクジェット記録用インク組成物で使用される水性インク組成物より粘度が高いため、吐出時の温度変動による粘度変動が大きい。インク組成物の粘度変動は、液滴サイズの変化及び液滴吐出速度の変化に対して大きな影響を与え、ひいては画質劣化を引き起こす。したがって、吐出時のインク組成物の温度はできるだけ一定に保つことが必要である。よって、本発明において、インク組成物の温度の制御幅は、好ましくは設定温度の±5℃、より好ましくは設定温度の±2℃、さらに好ましくは設定温度±1℃とすることが適当である。
次に、(b1)吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、前記インク組成物を硬化する工程について説明する。
被記録媒体上に吐出されたインク組成物は、活性放射線を照射することによって硬化する。これは、本発明のインク組成物に含まれる重合開始剤が活性放射線の照射により分解して、酸やカチオンなどの開始種を発生し、その開始種の機能にカチオン重合性化合物の重合反応が、生起、促進されるためである。このとき、インク組成物において重合開始剤と共に増感剤が存在すると、系中の増感剤が活性放射線を吸収して励起状態となり、重合開始剤と接触することによって重合開始剤の分解を促進させ、より高感度の硬化反応を達成させることができる。
ここで、使用される活性放射線は、α線、γ線、電子線、X線、紫外線、可視光又は赤外光などが使用され得る。活性放射線のピーク波長は、増感剤の吸収特性にもよるが、例えば、200〜600nmであることが好ましく、300〜450nmであることがより好ましく、350〜420nmであることがさらに好ましい。
また、本発明のインク組成物の、カチオン重合開始系は、低出力の活性放射線であっても十分な感度を有するものである。したがって、露光面照度が、好ましくは10〜4,000mW/cm2、より好ましくは20〜2,500mW/cm2で硬化させることが適当である。
活性放射線源としては、水銀ランプやガス・固体レーザー等が主に利用されており、紫外線光硬化型インクジェット記録用インクの硬化に使用される光源としては、水銀ランプ、メタルハライドランプが広く知られている。しかしながら、現在環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。さらに、LED(UV−LED),LD(UV−LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、光硬化型インクジェット用光源として期待されている。
また、発光ダイオード(LED)及びレーザーダイオード(LD)を活性放射線源として用いることが可能である。特に、紫外線源を要する場合、紫外LED及び紫外LDを使用することができる。例えば、日亜化学(株)は、主放出スペクトルが365nmと420nmとの間の波長を有する紫色LEDを上市している。さらに一層短い波長が必要とされる場合、米国特許番号第6,084,250号明細書は、300nmと370nmとの間に中心付けされた活性放射線を放出し得るLEDを開示している。また、他の紫外LEDも、入手可能であり、異なる紫外線帯域の放射を照射することができる。本発明で特に好ましい活性放射線源はUV−LEDであり、特に好ましくは350〜420nmにピーク波長を有するUV−LEDである。
なお、LEDの被記録媒体上での最高照度は10〜2,000mW/cm2であることが好ましく、20〜1,000mW/cm2であることがより好ましく、50〜800mW/cm2であることが特に好ましい。
本発明のインク組成物は、このような活性放射線に、好ましくは0.01〜120秒、より好ましくは0.1〜90秒照射されることが適当である。
活性放射線の照射条件並びに基本的な照射方法は、特開昭60−132767号公報に開示されている。具体的には、インクの吐出装置を含むヘッドユニットの両側に光源を設け、いわゆるシャトル方式でヘッドユニットと光源を走査することによって行われる。活性放射線の照射は、インク組成物の着弾後、一定時間(好ましくは0.01〜0.5秒、より好ましくは0.01〜0.3秒、さらに好ましくは0.01〜0.15秒)をおいて行われることになる。このようにインク組成物の着弾から照射までの時間を極短時間に制御することにより、被記録媒体に着弾したインク組成物が硬化前に滲むことを防止するこが可能となる。また、多孔質な被記録媒体に対しても光源の届かない深部までインク組成物が浸透する前に露光することができるため、未反応モノマーの残留を抑えることができるので好ましい。
さらに、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させてもよい。国際公開第99/54415号パンフレットでは、照射方法として、光ファイバーを用いた方法やコリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されており、このような硬化方法もまた、本発明のインクジェット記録方法に適用することができる。
上述したようなインクジェット記録方法を採用することにより、表面の濡れ性が異なる様々な被記録媒体に対しても、着弾したインク組成物のドット径を一定に保つことができ、画質が向上する。なお、カラー画像を得るためには、明度の低い色から順に重ねていくことが好ましい。明度の低いインク組成物から順に重ねることにより、下部のインク組成物まで照射線が到達しやすくなり、良好な硬化感度、残留モノマーの低減、密着性の向上が期待できる。また、照射は、全色を吐出してまとめて露光することが可能だが、1色毎に露光するほうが、硬化促進の観点で好ましい。
このようにして、本発明のインク組成物は、活性放射線の照射により高感度で硬化することで、被記録媒体表面に画像を形成することができる。
本発明において、被記録媒体としては、特に限定されず、支持体や記録材料として公知の被記録媒体を使用することができる。例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上述した金属がラミネートされ又は蒸着された紙又はプラスチックフィルム等が挙げられる。また、本発明における被記録媒体として、非吸収性被記録媒体が好適に使用することができる。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
なお、以下の記載における「部」とは、特に断りのない限り「重量部」を示すものとする。
本実施例で使用した化合物を以下に記載する。
<顔料>
・C顔料(シアン顔料):IRGALITTE BLUE GLVO (チバスペシャルティーケミカルズ社製)
・M顔料(マゼンタ顔料):CINQUASYA MAGENTA RT−355D (チバスペシャルティーケミカルズ社製)
・Y顔料(イエロー顔料):NOVOPERM YELLOW H2G (クラリアント社製)
・K顔料(ブラック顔料):SPECIAL BLACK 250 (チバスペシャルティーケミカルズ社製)
・W顔料(ホワイト顔料):アルミナ処理酸化チタン(KRONOS社製)
<分散剤>
・ソルスパース36000(アビシア社製)
・BYK168(BYK Chemie社製)
<モノマー>
前記式(I)で表される化合物として、前述したA−1、A−2、A−5、A−10、A−11、及び、I−1を使用した。なお、A−1は、東亞合成(株)製MT−1000を使用した。
また、前記式(II−1)〜(II−4)で表される化合物として、下記に示すモノマーを使用した。
・N−ビニルカプロラクタム(NVC、アルドリッチ社製)
・テトラヒドロフルフリルアクリレート(THFA、ライトアクリレートTHFA、共栄社化学(株)製)
・イソボルニルアクリレート(IBOA、東京化成工業(株)製)
・ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート(FA−512A、日立化成工業(株)製)
Figure 2011021118
また、下記のモノマーを使用した。
・フェノキシエチルアクリレート(アルドリッチ社製)
・4−ヒドロキシブチルアクリレート(アルドリッチ社製)
・HDDA(1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(ダイセルサイテック社製))
・Z−1(下記化合物)
・Z−2(下記化合物)
Figure 2011021118
<重合開始剤>
・DAROCUR TPO(チバスペシャルティーケミカルズ社製)
・IRGCURE 819(チバスペシャルティーケミカルズ社製)
・IRGCURE 907(チバスペシャルティーケミカルズ社製)
・IRGCURE 127(チバスペシャルティーケミカルズ社製)
Figure 2011021118
<増感剤>
・FIRSTCURE ITX(ITX、2−イソプロピルチオキサントンと4−イソプロピルチオキサントンとの混合物、Albemarle社製)
Figure 2011021118
<アミン化合物>
・CN371(アミン変性アクリレートオリゴマー、サートマー社製)
・EPA(下記化合物、日本化薬(株)製)
Figure 2011021118
<I−1の合成方法>
テトラヒドロフラン(THF)88.9部中に2−ヒドロキシアクリレート(アルドリッチ社製:12.0部、0.10モル当量)とp−トルエンスルホニルクロライド(アルドリッチ社製:20.0部、0.10モル当量)、炭酸カリウム(15.2部、0.11モル当量)を加え室温で6時間反応させることで、2−ヒドロキシアクリレートのトシル化体(Ts体)を収率87%(24.3部、0.09モル当量)で得た。
さらにそのTs体を含む溶液に、N−メチルイミダゾリジン(アルドリッチ社製:7.8部、0.09モル当量)と炭酸カリウム(13.8部、0.10モル当量)を加え、室温で6時間反応させることで、目的としているI−1を収率41%(7.4部、0.08モル当量)で合成した。
Figure 2011021118
<A−2、A−5、A−10、及び、A−11の合成方法>
A−2、A−5、A−10、及び、A−11は、反応基質を変更した以外は、前記I−1の合成方法と同様な方法により、合成した。
<シアンミルベースCの調製>
・C顔料(シアン顔料):IRGALITE BLUE GLVO(チバスペシャルティケミカルズ社製) 300重量部
・HDDA 500重量部
・BYK168 200重量部
以下の成分を撹拌し、シアンミルベースCを得た。なお、顔料ミルベースの調製は、分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで8時間分散を行った。
<マゼンタミルベースMの調製>
・M顔料(マゼンタ顔料):CINQUASIA MAGENTA RT−355D(チバスペシャルティケミカルズ社製) 300重量部
・HDDA 300重量部
・BYK168 400重量部
以下の成分を撹拌し、マゼンタミルベースMを得た。なお、顔料ミルベースの調製は、分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで8時間分散を行った。
<イエローミルベースYの調製>
・Y顔料(イエロー顔料):NOVOPERM YELLOW H2G(クラリアント社製) 300重量部
・HDDA 300重量部
・BYK168 400重量部
以下の成分を撹拌し、イエローミルベースYを得た。なお、顔料ミルベースの調製は、分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで8時間分散を行った。
<ブラックミルベースKの調製>
・K顔料(ブラック顔料):SPECIAL BLACK 250(チバスペシャルティケミカルズ社製) 300重量部
・HDDA 300重量部
・BYK168 400重量部
以下の成分を撹拌し、ブラックミルベースKを得た。尚、顔料ミルベースの調製は、分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで8時間分散を行った。
<ホワイトミルベースWの調製>
・W顔料(ホワイト顔料):アルミナ処理酸化チタン(KRONOS社製)
600重量部
・HDDA 360重量部
・ソルスパース36000(アビシア社製) 40重量部
以下の成分を撹拌し、ホワイトミルベースWを得た。なお、顔料ミルベースの調製は、分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで8時間分散を行った。
(実施例1〜42、及び、比較例1〜12)
<インクの調製>
各ミルベース、各重合性化合物、重合開始剤、及び、その他の添加剤をそれぞれ表1〜3に示す処方で混合し、高速撹拌することでインク組成物をそれぞれ得た。
<インクジェット画像記録>
次に、ピエゾ型インクジェットノズルを有する市販のインクジェット記録装置を用いて、被記録媒体への記録を行った。インク供給系は、元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドから成り、インク供給タンクからインクジェットヘッド部分までを断熱及び加温を行った。温度センサーは、インク供給タンク及びインクジェットヘッドのノズル付近にそれぞれ設け、ノズル部分が常に40℃±2℃となるよう、温度制御を行った。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、1〜10plのマルチサイズドットを4,800×4,800dpiの解像度で射出できるよう駆動した。着弾後はUV光を露光面照度700mW/cm2に集光し、被記録媒体上にインク組成物が着弾した0.1秒後に照射が始まるよう露光系、主走査速度及び射出周波数を調整した。また、露光時間を可変とし、露光エネルギーを照射した。紫外線ランプには、HAN250NLハイキュア水銀ランプ((株)ジーエス・ユアサ コーポレーション製)を使用した。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。被記録媒体として、エステルフィルムE5000(膜厚125μm、東洋紡績(株)製)を用いた。
<インク評価>
〔硬化性評価1(表面硬化性)〕
前記インクジェット記録方法に従い、平均膜厚が12μmのベタ画像の描画を行い、紫外線照射後の画像面において、粘着感の無くなる露光エネルギー量(mJ/cm2)を硬化性評価1と定義した。数値が小さいものほど高感度であることを表す。
また、硬化感度は以下の基準で評価した。
10・・・1,000mJ/cm2未満
9・・・1,000mJ/cm2以上1,500mJ/cm2未満
8・・・1,500mJ/cm2以上2,000mJ/cm2未満
7・・・2,000mJ/cm2以上2,500mJ/cm2未満
6・・・2,500mJ/cm2以上3,000mJ/cm2未満
5・・・3,000mJ/cm2以上3,500mJ/cm2未満
4・・・3,500mJ/cm2以上4,000mJ/cm2未満
3・・・4,000mJ/cm2以上4,500mJ/cm2未満
2・・・4,500mJ/cm2以上5,000mJ/cm2未満
1・・・5,000mJ/cm2以上
〔硬化性評価2(内部硬化性)〕
さらに上記の硬化性評価1にて粘度感の無くなる露光エネルギー量以上に露光した画像に重り(1kg)を一日間置いた後、転写の確認を行い、転写がなくなる(開始剤の染み出し等がなくなる)露光エネルギー量(mJ/cm2)を硬化性評価2と定義した。数値が小さいものほど高感度であることを表す。
また、硬化感度は以下の基準で評価した。
10・・・3,000mJ/cm2未満
9・・・3,000mJ/cm2以上3,500mJ/cm2未満
8・・・3,500mJ/cm2以上4,000mJ/cm2未満
7・・・4,000mJ/cm2以上5,000mJ/cm2未満
6・・・5,000mJ/cm2以上6,000mJ/cm2未満
5・・・6,000mJ/cm2以上7,000mJ/cm2未満
4・・・7,000mJ/cm2以上8,000mJ/cm2未満
3・・・8,000mJ/cm2以上9,000mJ/cm2未満
2・・・9,000mJ/cm2以上10,000mJ/cm2未満
1・・・10,000mJ/cm2以上
〔粘度増加率〕
作製したインク組成物を75%RH、60℃で3日保存した後、各インク組成物の25℃における粘度を、E型粘度計(東機産業(株)製、RE−80L)を用いて測定し、インク組成物の粘度の増加分を、保存後/保存前の粘度比で表した。
粘度が変化せず1.0に近いほうが、保存安定性が良好であり、1.5以上であると、射出時に目詰まりを起こす場合があり好ましくない。
保存安定性は以下の基準で評価した。
5・・・保存後/保存前の粘度比が1.0以上1.10未満
4・・・保存後/保存前の粘度比が1.10以上1.20未満
3・・・保存後/保存前の粘度比が1.20以上1.30未満
2・・・保存後/保存前の粘度比が1.40以上1.50未満
1・・・保存後/保存前の粘度比が1.50以上
以下の表1〜3に、各インク組成物の組成、及び、評価結果をまとめて示す。なお、各インク組成物の組成を表す各数字の単位は、重量部であり、カラーにおけるMはマゼンタ、Cはシアン、Yはイエロー、Kはブラック、Wはホワイトである。
Figure 2011021118
Figure 2011021118
Figure 2011021118

Claims (12)

  1. (A)式(I)で表される化合物と、
    (B)式(II−1)〜式(II−4)で表される化合物よりなる群から選ばれた1種以上の化合物とを含有することを特徴とする
    インク組成物。
    Figure 2011021118
    (式(I)中、R1は水素原子又はメチル基を表し、Xはアルキレン基、又は、アルキレン基を2つ以上及びエーテル結合を1つ以上組み合わせた基を表し、Yは、環員に酸素原子、硫黄原子、カルボニル基及び/又は窒素原子を含む二価の連結基を表し、R2及びR3はそれぞれ独立に、水素原子又は一価の有機基を表し、R2、R3及び/又はYは2以上が結合して環構造を形成してもよく、また、R2、R3及びYのうちの2つが結合して不飽和結合を形成してもよい。)
    Figure 2011021118
    (式(II−4)中、nは0以上の整数を表す。)
  2. 前記式(I)で表される化合物が、式(III)で表される化合物である請求項1に記載のインク組成物。
    Figure 2011021118
    (式(III)中、R4は水素原子又はメチル基を表し、Zは−CH2−、−O−、−S−、又は、−NR9−を表し、R9は水素原子又は炭素数1〜4の炭化水素基を表し、R5〜R8はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4の炭化水素基を表し、また、R5〜R8のうちの2以上が結合してシクロヘキサン環、シクロヘキセン環又はベンゼン環を形成してもよく、また、R5〜R8のうちの2つが結合して不飽和結合を形成してもよい。)
  3. 前記(A)式(I)で表される化合物の含有量が、インク組成物の全重量に対し、1〜50重量%である請求項1又は2に記載のインク組成物。
  4. 前記(A)式(I)で表される化合物及び前記(B)式(II−1)〜式(II−4)で表される化合物の総含有量が、インク組成物の全重量に対し、50重量%以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載のインク組成物。
  5. (C)重合開始剤として、ホスフィンオキサイド系光開始剤をさらに含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載のインク組成物。
  6. 前記ホスフィンオキサイド系光開始剤の含有量が、インク組成物の全重量に対し、0.5〜18重量%である請求項5に記載のインク組成物。
  7. (D)増感剤として、チオキサントン系増感剤をさらに含有する請求項1〜6のいずれか1項に記載のインク組成物。
  8. 前記チオキサントン系増感剤の含有量が、インク組成物の全重量に対し、1〜10重量%である請求項7に記載のインク組成物。
  9. (E)アミン化合物をさらに含有する請求項1〜8のいずれか1項に記載のインク組成物。
  10. 前記(E)アミン化合物の含有量が、インク組成物の全重量に対し、0.5〜15重量%である請求項9に記載のインク組成物。
  11. 前記(E)アミン化合物が、アミン変性オリゴマーである請求項9又は10に記載のインク組成物。
  12. (a1)被記録媒体上に、請求項1〜11のいずれか1項に記載のインク組成物を吐出する工程、及び、
    (b1)吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、前記インク組成物を硬化する工程、を含むインクジェット記録方法。
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