JP5224694B2 - インクジェット記録用インク組成物、及び、インクジェット記録方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット記録用インク組成物、及び、該インクジェット記録用インク組成物を用いたインクジェット記録方法に関する。
詳しくは、析出物の生成や相分離が起こり難く、硬化後においては、画像部が充分な柔軟性と密着性とを有するインクジェット記録用インク組成物、及び、それを用いたインクジェット記録方法に関する。
画像データ信号に基づき、紙などの被記録媒体に画像を形成する画像記録方法として、電子写真方式、昇華型及び溶融型熱転写方式、インクジェット方式などがある。電子写真方式は、感光体ドラム上に帯電及び露光により静電潜像を形成するプロセスを必要とし、システムが複雑となり、結果的に製造コストが高価になる。また熱転写方式は、装置は安価であるが、インクリボンを用いるため、ランニングコストが高く、かつ廃材が発生する。
一方、インクジェット方式は、安価な装置で、且つ、必要とされる画像部のみにインクを吐出し被記録媒体上に直接画像形成を行うため、インクを効率よく使用でき、ランニングコストが安い。更に、インクジェット方式は、騒音が少なく、画像記録方式として優れている。
インクジェット記録に用い得るインク組成物は、紫外線などの活性放射線の照射により硬化可能な放射線硬化型インク組成物でなければならない。したがって、インクジェット記録用インク組成物としては、高感度で硬化し、高画質の画像を形成し得るものが求められている。放射線硬化型インク組成物の高感度化を達成することにより、活性放射線の照射により高い硬化性が付与されるため、消費電力の低減や活性放射線発生器への負荷軽減による機器の高寿命化などの利点を有する。また、未硬化の低分子物質の揮発、形成された画像強度の低下などを抑制することができるなど、種々の利点を有する。また、放射線硬化型インク組成物の高感度化による硬化被膜強度の向上は、このインク組成物により形成した画像部に高い強度と耐久性をもたらすことになる。
このようなインク組成物は形成された画像部の強度に優れるものの、柔軟性には乏しい。このインク組成物を可撓性や柔軟性にすぐれた樹脂膜などの被記録媒体に適用した場合、被記録媒体の変形に対して形成された画像部が追従せず、使用態様によっては画像部にクラックなどの損傷を生じるといった問題を有している。
紫外線硬化型のインク組成物としては、例えば、単官能モノマー又は多官能モノマーのうち、互いに異なる官能基を有するモノマーを組み合わせて用いるインク組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、放射線硬化性組成物として、多官能アクリレートを含む組成物が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
これらのインク組成物は、いずれも優れた硬化性を有するものの、これらにより形成された被膜の柔軟性は不充分であった。
更に、インクジェット記録方式において、被記録材との密着性を高め、被記録材からの剥離を防止し堅牢な画像を形成する目的で、リン酸基を含む重合性化合物とこれ以外の重合性化合物とを併用してインク組成物を調製する技術が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。リン酸基の極性が、被記録材との密着性に影響を与えていると推測される。
このように、インク硬化後の画像が充分な柔軟性を示し、被記録媒体と充分な接着性を有するインクジェット記録用インク組成物の開発が望まれているのが現状である。
特開平5−214280号公報 特開平8−41133号公報 特開2006−328227号公報
本発明の目的は、インク中で析出物の生成や相分離が起こり難く、且つインク硬化後の画像が充分な柔軟性を示し、被記録媒体と充分な接着性を有するインクジェット記録用インク組成物、及び、該インク組成物を用いたインクジェット記録方法を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、インク組成物に、特定の燐酸エステルモノマーを使用することにより、硬化後の硬化体が充分な柔軟性を示し、この硬化体を基材上に形成した場合に該基材と充分な密着性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。しかも、このインク組成物は、インク中で析出物の生成や相分離を起こし難く、インクジェット記録用に適したインク組成物であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
<1> (A)下記の化合物1、化合物2、化合物3、化合物4及び化合物9から選ばれた少なくとも1つの化合物と、(B)ラジカル重合開始剤と、を含有することを特徴とするインクジェット記録用インク組成物である。
Figure 0005224694
<2> 更に、(C)着色剤を含有することを特徴とする前記<1>に記載のインクジェット記録用インク組成物である。
> (i−1)被記録媒体上に、前記<1>又は<2>に記載のインクジェット記録用インク組成物を吐出する工程と、(i−2)吐出されたインクジェット記録用インク組成物に活性放射線を照射して、該インク組成物を硬化する工程と、を含むことを特徴とするインクジェット記録方法である。
本発明によれば、インク硬化後の画像は充分な柔軟性を示し、且つ被記録媒体との高い接着性を有し、インク中で析出物の生成や相分離が起こり難いインクジェット記録用インク組成物、及び、該インク組成物を用いたインクジェット記録方法を提供することができる。
本発明のインク組成物は、析出物の生成や相分離を起こし難く、紫外線等の放射線により硬化するので、インクジェット記録用インク組成物として好適に用いることができる。またインク組成物を硬化した後の画像は、充分な柔軟性と密着性を示す。
以下、本発明のインク組成物に含有される各成分について順次説明する。なお、本明細書において「〜」はその前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
[燐酸エステルモノマー]
本発明のインク組成物は、一般式(1)で表される化合物(以下、「特定の燐酸エステルモノマー」と称する場合がある)に包含される化合物を含有する。
Figure 0005224694
一般式(1)中、R、R及びR3は、各々独立に、アルキル基、アリール基、又は重合性二重結合を有する一価の基を表す。但し、R、R及びR3のうち少なくとも1つは、アルキル基又はアリール基であり、R、R及びR3のうち少なくとも1つは重合性二重結合を有する一価の基である。
一般式(1)で表される化合物に包含される化合物を含有する本発明のインク組成物が、本発明の効果を奏する理由について正確には明らかとなっていないが、以下のように推測する。但し、このような推測によって本発明が限定されることは無い。
一般式(1)で表される化合物は、骨格として燐酸基を有するために密着性が向上すると推測される。
また、一般式(1)では、R、R及びR3のうち少なくとも1つは重合性二重結合を有する一価の基であるが、全てが重合性二重結合を有する一価の基であることはない。つまり、化合物中に重合部位を1つ又は2つ有する。重合部位を3つ有する場合には、重合反応によってより緻密な網目構造が形成されるため、剛直な重合体が生成する。しかし、一般式(1)で表される化合物中の重合部位は1つ又は2つであるので、得られる硬化体は充分な柔軟性を示すものと推測される。
更に、一般式(1)で表される化合物は、燐酸のOH部分が全てエステル化され水酸基を有さない。上記重合性二重結合を有する一価の基でエステル化されていない燐酸のOH部分は、アルキル基又はアリール基でエステル化されているので、一般式(1)で表される化合物は水酸基を有さないことから、疎水性の高いインク中において溶解性が高く、インク中での析出や相分離を起こし難い。
前記一般式(1)中、R、R又はR3で表されるアルキル基は、炭素数1以上のアルキル基であり、炭素数1〜20のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜12のアルキル基であることがより好ましい。
該アルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよいが、直鎖状又は分岐状のアルキル基であることが、インク溶解性及び低粘度の観点からより好ましい。
一般式(1)中、R、R又はR3で表される好ましいアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、n−ノニル基などが挙げられる。より好ましくは、エチル基、n-ブチル基等が挙げられる。
一般式(1)中、R、R又はR3で表されるアルキル基は、置換基を有していても、無置換でもよい。
、R又はR3が置換アルキル基の場合、導入可能な置換基としては、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アシル基、アミノ基、水酸基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子等が好ましく挙げられる。
前記一般式(1)中、R、R又はR3で表されるアリール基は、環を構成する原子数が6〜18のアリール基が好ましく、環を構成する原子数が6〜12のアリール基がより好ましい。アリール基は複素環であってもよい。
具体的には、R、R又はR3で表されるアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、を挙げることができ、インク溶解性及び低粘度の観点からフェニル基であることが好ましい。
、R又はR3で表されるアリール基は、置換基を有していても、無置換でもよい。
、R又はR3が置換アリール基の場合、導入可能な置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アシル基、アミノ基、水酸基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子等を好ましく挙げられる。
、R又はR3がアルキル基又はアリール基の場合、特に好ましくは、メチル基、エチル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、n−ノニル基、フェニル基、である。
一般式(1)中、R、R又はRで表される、重合性二重結合を有する一価の基としては、(メタ)アクリロイル基、アリル基、スチリル基、ビニルオキシ基が挙げられ、硬化感度の観点から(メタ)アクリロイル基であることが好ましい。
より具体的には、一般式(1)で表される化合物は、一般式(2)又は一般式(3)で表される化合物であることが好ましく、より好ましくは、一般式(2−1)又は一般式(3−1)で表される化合物の場合である。
Figure 0005224694
Figure 0005224694
一般式(2)、(3)、(2−1)及び(3−1)中、R4はメチル基または水素原子を表し、メチル基であることが好ましい。
一般式(2)、(3)、(2−1)及び(3−1)中、R及びRは、各々独立に、アルキル基又はアリール基を表し、R、RおよびRで説明したアルキル基又はアリール基と同義である。
一般式(2)、(3)、(2−1)及び(3−1)中、Z、Z、Z及びZは、2価の連結基を表す。
、Z、Z及びZとして好ましくは、アルキレン基を含有する2価の連結基である。前記アルキレン基としては、炭素数1〜20のアルキレン基であることが好ましい。具体的には、炭素数3〜12程度のアルキレン基が好ましく、プロピレン基、ブチレン基、オクチレン基、ノニレン基等が挙げられる。
、Z、Z及びZ中に含有される該アルキレン基は、置換基を有していても無置換であってもよく、導入可能な置換基としては、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アシル基、アミノ基、水酸基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子等が好ましく挙げられる。しかし、該アルキレン基は、無置換のアルキレン基であることが好ましい。
アルキレン基を含有する2価の連結基は、アルキレン基単独で構成されていてもよいが、アルキレン基のほかに、−CO−、−O−、−S−又は−NR−から選択される2価の基を有していてもよく、このような2価の基を有する場合が好ましく、エーテル結合(−O−)を有する場合がより好ましい。ここでRはR、RおよびRで説明したアルキル基と同義である。
、Z、Z及びZで表される2価の連結基は、上述の2価の連結基の2種以上を組み合わせて構成されてもよい。
とZとは、同一であっても異なっていてもよい。また、ZとZとは、同一であっても異なっていてもよい。
、Z、Z及びZで表される2価の連結基としては、下記構造式(1)で表される連結基が好ましい。
Figure 0005224694
構造式(1)中、X及びXはアルキレン基を表し、好ましくは無置換のアルキレン基であり、より好ましくは各々独立に炭素数2〜7の無置換のアルキレン基であり、より好ましくは、炭素数2〜5の無置換のアルキレン基である。
一般式(2)、(3)中、nは0又は1を表す。
以下に、一般式(1)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。また、各例示化合物において立体異性体が存在する場合は、それらのいずれを用いてもよく、立体異性体の混合物を用いてもよい。
Figure 0005224694
上記具体例化合物の中でも、分子内に(メタ)アクリロイル基を有する化合物(1)、(2)、(7)〜(10)などが好ましい。
本発明のインク組成物において、一般式(1)で表される化合物の含有量は、組成物を構成する全固形分に対して、1〜90質量%が好ましく、1〜70質量%がより好ましく、1〜50質量%が更に好ましい
一般式(1)で表される化合物の合成方法はJ.Org.Chem., 34, 968(1969)及び第5版実験化学講座16第3章リン酸エステル(丸善株式会社)に記載の方法により合成できる。
<(B)ラジカル重合開始剤>
本発明のインクジェット記録用インク組成物は、ラジカル重合開始剤を含有する。
ラジカル重合開始剤としては、併用する重合性化合物の種類、インク組成物の使用目的に応じて、公知の重合開始剤を適宜選択して使用することができる。
本発明のインク組成物に使用するラジカル重合開始剤は、外部エネルギーを吸収して重合開始種を生成する化合物である。重合を開始するために使用される外部エネルギーは、熱及び放射線に大別され、それぞれ、熱重合開始剤及び光重合開始剤が使用される。放射線には、γ線、β線、電子線、紫外線、可視光線、赤外線が例示できる。
熱重合開始剤及び光重合開始剤としては公知の化合物が使用できる。
本発明で使用され得る好ましいラジカル重合開始剤としては(a)芳香族ケトン類、(b)アシルホスフィンオキシド化合物、(c)芳香族オニウム塩化合物、(d)有機過酸化物、(e)チオ化合物、(f)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(g)ケトオキシムエステル化合物、(h)ボレート化合物、(i)アジニウム化合物、(j)メタロセン化合物、(k)活性エステル化合物、(l)炭素ハロゲン結合を有する化合物、及び(m)アルキルアミン化合物等が挙げられる。
本発明においてラジカル重合開始剤は単一種で用いてもよいし、併用してもよい。効果の観点からは、2種以上のラジカル重合開始剤を併用することが好ましい
本発明における(B)ラジカル重合開始剤は、前記(A)一般式(1)で表される化合物の総量に対して、或いは、(A)一般式(1)で表される化合物と、後述する任意成分としての(D)他の重合性化合物との総量に対して、0.01〜35質量%の範囲が好ましく、0.1〜30質量%の範囲がより好ましく、0.5〜30質量%の範囲が更に好ましい。
また、(B)ラジカル重合開始剤は、後述の必要に応じて用いることのできる(E)増感色素に対して、重合開始剤:増感色素の質量比で、200:1〜1:200、好ましくは、50:1〜1:50、より好ましくは、20:1〜1:5の範囲で含まれることが適当である。
<(C)着色剤>
本発明のインクジェット記録用インク組成物は、透明インクであってもよいので着色剤を含有させることは必須ではないが、着色画像を形成しようとするときには、(C)着色剤を含有させる。
本発明に使用することのできる着色剤としては、特に制限はなく、顔料、油溶性染料、水溶性染料、分散染料、等の任意の公知の着色剤から選択して使用することができる。この中でも、着色剤としては、耐候性に優れ、色再現性に富んだ顔料、油溶性染料が好ましく、顔料であることがより好ましい。
本発明のインク組成物又はインクジェット記録用インク組成物に好適に使用し得る着色剤は、活性放射線による硬化反応の感度を低下させないという観点からは、硬化反応である重合反応において重合禁止剤として機能しない化合物を選択することが好ましい。
−顔料−
本発明に使用できる顔料としては、特に限定されるわけではないが、例えばカラーインデックスに記載される下記の番号の有機又は無機顔料が使用できる。
赤あるいはマゼンタ顔料としては、例えば、Pigment Red 3、5、19、22、31、38、43、48:1、48:2、48:3、48:4、48:5、49:1、53:1、57:1、57:2、58:4、63:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、88、104、108、112、122、123、144、146、149、166、168、169、170、177、178、179、184、185、208、216、226、257、Pigment Violet 3、19、23、29、30、37、50、88、Pigment Orange 13、16、20、36、等が挙げられる。
青又はシアン顔料としては、例えば、Pigment Blue 1、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17−1、22、27、28、29、36、60、等が挙げられる。
緑顔料としては、例えば、Pigment Green 7、26、36、50、党が挙げられる。
黄顔料としては、例えば、Pigment Yellow 1、3、12、13、14、17、34、35、37、55、74、81、83、93、94,95、97、108、109、110、137、138、139、153、154、155、157、166、167、168、180、185、193、等が挙げられる。
黒顔料としては、例えば、Pigment Black 7、28、26、等が挙げられる。
白色顔料としては、例えば、PigmentWhite 6、18、21、等が挙げられる。
これらの顔料は、目的に応じて適宜選択して使用できる。
−油溶性染料−
以下に、本発明で使用することのできる油溶性染料について説明する。
本発明で使用することのできる油溶性染料とは、水に実質的に不溶な染料を意味する。具体的には、25℃での水への溶解度(水100gに溶解できる染料の質量)が1g以下であり、好ましくは0.5g以下、より好ましくは0.1g以下であるものを指す。従って、油溶性染料とは、所謂水に不溶性の顔料や油溶性色素を意味し、これらの中でも油溶性色素が好ましい。
本発明に使用可能な油溶性染料のうち、イエロー染料としては、任意のものを使用することができる。例えば、カップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピラゾロン類、ピリドン類、開鎖型活性メチレン化合物類を有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料;例えばカップリング成分として開鎖型活性メチレン化合物類を有するアゾメチン染料;例えばベンジリデン染料やモノメチンオキソノール染料等のようなメチン染料;例えばナフトキノン染料、アントラキノン染料等のようなキノン系染料;等が挙げられ、これ以外の染料種としてはキノフタロン染料、ニトロ・ニトロソ染料、アクリジン染料、アクリジノン染料等を挙げることができる。
本発明に使用可能な油溶性染料のうち、マゼンタ染料としては、任意のものを使用することができる。例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類を有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料;例えばカップリング成分としてピラゾロン類、ピラゾロトリアゾール類を有するアゾメチン染料;例えばアリーリデン染料、スチリル染料、メロシアニン染料、オキソノール染料のようなメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボニウム染料;例えばナフトキノン、アントラキノン、アントラピリドンなどのようなキノン系染料;例えばジオキサジン染料等のような縮合多環系染料;等を挙げることができる。
本発明に適用可能な油溶性染料のうち、シアン染料としては、任意のものを使用することができる。例えばインドアニリン染料、インドフェノール染料あるいはカップリング成分としてピロロトリアゾール類を有するアゾメチン染料;シアニン染料、オキソノール染料、メロシアニン染料のようなポリメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボニウム染料;フタロシアニン染料;アントラキノン染料;例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類を有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料;インジゴ・チオインジゴ染料;等を挙げることができる。
前記の各染料は、クロモフォア(発色性の原子団)の一部が解離して初めてイエロー、マゼンタ、シアンの各色を呈するものであってもよく、その場合のカウンターカチオンはアルカリ金属や、アンモニウムのような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニウム、4級アンモニウム塩のような有機のカチオンであってもよく、さらにはそれらを構造に有するポリマーカチオンであってもよい。
以下に限定されるものではないが、好ましい具体例としては、例えば、C.I.ソルベント・ブラック 3,7,27,29及び34;C.I.ソルベント・イエロー 14,16,19,29,30,56,82,93及び162;C.I.ソルベント・レッド 1,3,8,18,24,27,43,49,51,72,73,109,122,132及び218;C.I.ソルベント・バイオレット 3;C.I.ソルベント・ブルー 2,11,25,35,38,67及び70;C.I.ソルベント・グリーン 3及び7;並びにC.I.ソルベント・オレンジ 2;等が挙げられる。
これらの中で特に好ましいものは、Nubian Black PC−0850、Oil Black HBB 、Oil Yellow 129、Oil Yellow 105、Oil Pink 312、Oil Red 5B、Oil Scarlet 308、Vali Fast Blue 2606、Oil Blue BOS(オリエント化学(株)製)、Aizen Spilon Blue GNH(保土ヶ谷化学(株)製)、NeopenYellow 075、Neopen Mazenta SE1378、Neopen Blue 808、Neopen Blue FF4012、Neopen Cyan FF4238(BASF社製)等である。
−分散染料−
また、本発明においては、水非混和性有機溶媒に溶解する範囲で、分散染料を用いることもできる。分散染料は一般に水溶性の染料も包含するが、本発明においては水非混和性有機溶媒に溶解する範囲で用いることが好ましい。
分散染料の好ましい具体例としては、C.I.ディスパースイエロー 5,42,54,64,79,82,83,93,99、100,119,122,124,126,160,184:1,186,198,199,201,204,224及び237;C.I.ディスパーズオレンジ 13,29,31:1,33,49,54,55,66,73,118,119及び163;C.I.ディスパーズレッド 54,60,72,73,86,88,91,92,93,111,126,127,134,135,143,145,152,153,154,159,164,167:1,177,181,204,206,207,221,239,240,258,277,278,283,311,323,343,348,356及び362;C.I.ディスパーズバイオレット 33;C.I.ディスパーズブルー 56,60,73,87,113,128,143,148,154,158,165,165:1,165:2,176,183,185,197,198,201,214,224,225,257,266,267,287,354,358,365及び368;並びにC.I.ディスパーズグリーン 6:1及び9;等が挙げられる。
本発明に使用することができる着色剤は、本発明のインクジェット記録用インク組成物に添加された後、適度に分散させることが好ましい。着色剤の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等の各分散装置を用いることができる。
また、着色剤の分散を行う際に分散剤を添加することも可能である。分散剤としては、その種類に特に制限はないが、好ましくは高分子分散剤を用いることであり、高分子分散剤としては、例えば、Zeneca社のSolsperseシリーズが挙げられる。また、分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。本発明において、これらの分散剤及び分散助剤は、着色剤100質量部に対し、1〜50質量部添加することが好ましい。
着色剤は、本発明のインク組成物の調製に際して、各成分とともに直接添加により配合してもよいが、分散性向上のため、あらかじめ溶剤、又は本発明における一般式(1)で表される化合物や、所望により併用される他の重合性化合物のような分散媒体に添加し、均一分散或いは溶解させた後、配合することもできる。
本発明において、溶剤が硬化画像に残留する場合の耐溶剤性の劣化並びに残留する溶剤のVOC(Volatile Organic Compound:揮発性有機化合物)の問題を避けるためにも、着色剤は、一般式(1)で表される化合物のいずれか1つ又はそれらの混合物に予め添加して、配合することが好ましい。
なお、一般式(1)で表される化合物を含めて重合性化合物を2種類以上併用している場合には、分散適性の観点のみを考慮すれば、最も粘度の低い重合性化合物に着色剤を予め添加させることが好ましい。
着色剤は、インク組成物の使用目的に応じて、1種又は2種以上を適宜選択して用いればよい。
なお、本発明のインク組成物中において、固体のまま存在する顔料などの着色剤を使用する際には、着色剤粒子の平均粒径は、好ましくは0.005〜0.5μm、より好ましくは0.01〜0.45μm、さらに好ましくは、0.015〜0.4μmとなるよう、着色剤、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を設定することが好ましい。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性及び硬化感度を維持することができるので好ましい。
本発明のはインク組成物中における着色剤の含有量は、使用目的により適宜選択されるが、インク物性、着色性を考慮すれば、一般的には、インク組成物全体の質量に対して、1〜10質量%であることが好ましく、2〜8質量%含有することがより好ましい。
本発明のインク組成物には、前記必須成分に加え、本発明の効果を損なわない限りにおいて、物性向上などの目的で、他の成分を併用することができる。
以下、これら任意の成分について以下に説明する。
<(D)他の重合性化合物>
本発明のインク組成物では、(A)一般式(1)で表される化合物に加えて、(D)他の重合性化合物を含むことも好ましい。本発明に併用可能な他の重合性化合物としては、ラジカル重合性化合物、カチオン重合性化合物が挙げられる。(D)他の重合性化合物は、目的とする諸特性、或いは、前記(B)ラジカル重合開始剤との関連において適宜選択して用いればよい。
本発明において、重合性化合物の総含有量、即ち、(A)一般式(1)で表される化合物と(D)他の重合性化合物と、の総含有量は、本発明のインク組成物全体の質量に対し、45〜95質量%であることが好ましく、より好ましくは50〜90質量%である。
(A)一般式(1)で表される化合物が1官能の化合物(重合性二重結合を有する基を分子内に1つ有する化合物)の場合には、本発明のインク組成物において、(A)一般式(1)で表される化合物は、インク組成物に含有される重合性化合物の総含有量(即ち、(A)一般式(1)で表される化合物及び(D)他の重合性化合物成分との総含有量)に対し、10〜60質量%含有することが好ましく、15〜50質量%であることがより好ましく、25〜35質量%であることが更に好ましい。
(A)一般式(1)で表される化合物が2官能の化合物(重合性二重結合を有する基を分子内に2つ有する化合物)の場合には、本発明のインク組成物において、(A)一般式(1)で表される化合物は、インク組成物に含有される重合性化合物の前記総含有量に対し、3〜30質量%含有することが好ましく、3〜20質量%であることがより好ましく、3〜10質量%であることが更に好ましい。
以下、本発明に適用しうる他の重合性化合物について説明する。
ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物であり、分子中にラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する化合物であればどのようなものでもよく、モノマー、オリゴマー、ポリマー等の化学形態を持つものが含まれる。ラジカル重合性化合物は1種のみ用いてもよく、また目的とする特性を向上するために任意の比率で2種以上を併用してもよい。好ましくは2種以上併用して用いることが、反応性、物性などの性能を制御する上で好ましい。
ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する重合性化合物の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸及びそれらの塩、エチレン性不飽和基を有する無水物、アクリロニトリル、スチレン、更に種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン等のラジカル重合性化合物が挙げられる。
具体的には、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、トリデシルアクリレート、カルビトールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン(重量平均分子量が360を越えるもの)、ポリエチレングリコールジアクリレート(重量平均分子量が360を越えるもの)、ポリプロピレングリコールジアクリレート(重量平均分子量が360を越えるもの)、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、オリゴエステルアクリレート、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、エポキシアクリレート、イソボルニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート等のアクリル酸誘導体;メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、アリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ジメチルアミノメチルメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート(重量平均分子量が360を越えるもの)、ポリプロピレングリコールジメタクリレート(重量平均分子量が360を越えるもの)、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン(重量平均分子量が360を越えるもの)等のメタクリル誘導体;その他、アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート等のアリル化合物の誘導体、が挙げられる。
更に具体的には、山下晋三編、「架橋剤ハンドブック」、(1981年大成社);加藤清視編、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」(1985年、高分子刊行会);ラドテック研究会編、「UV・EB硬化技術の応用と市場」、79頁、(1989年、シーエムシー);滝山栄一郎著、「ポリエステル樹脂ハンドブック」、(1988年、日刊工業新聞社)等に記載の市販品若しくは業界で公知のラジカル重合性又は架橋性のモノマー、オリゴマー及びポリマーを用いることができる。
また、ラジカル重合性化合物としては、例えば、特開平7−159983号、特公平7−31399号、特開平8−224982号、特開平10−863号、特開平9−134011号、特表2004−514014公報等の各公報に記載されている光重合性組成物に用いられる光硬化型の重合性化合物材料が知られており、これらも本発明のインク組成物に適用することができる
更に、ラジカル重合性化合物としてビニルエーテル化合物を用いることが好ましい。好適に用いられるビニルエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、エチレングリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ヒドロキシエチルモノビニルエーテル、ヒドロキシノニルモノビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物;エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−O−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
これらのビニルエーテル化合物のうち、硬化性、接着性、表面硬度の観点から、ジビニルエーテル化合物、トリビニルエーテル化合物が好ましく、特にジビニルエーテル化合物が好ましい。ビニルエーテル化合物は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
また、他の重合性化合物としては、(メタ)アクリル系モノマー或いはプレポリマー、エポキシ系モノマー或いはプレポリマー、ウレタン系モノマー或いはプレポリマー等の(メタ)アクリル酸エステル(以下、適宜、アクリレート化合物と称する。)を用いてもよく下記化合物が化合物例として挙げられる。
即ち、2−エチルヘキシル−ジグリコールアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、2−アクリロイロキシエチルフタル酸、メトキシ−ポリエチレングリコールアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、エトキシ化フェニルアクリレート、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、ノニルフェノールEO付加物アクリレート、変性グリセリントリアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルアクリル酸付加物、変性ビスフェノールAジアクリレート、フェノキシ−ポリエチレングリコールアクリレート、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ビスフェノールAのPO付加物ジアクリレート、ビスフェノールAのEO付加物ジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートトリレンジイソシアナートウレタンプレポリマー、ラクトン変性可撓性アクリレート、ブトキシエチルアクリレート、プロピレングリコールジグリシジルエーテルアクリル酸付加物、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアナートウレタンプレポリマー、2−ヒドロキシエチルアクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアナートウレタンプレポリマー、ステアリルアクリレート、イソアミルアクリレート、イソミリスチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、ラクトン変性アクリレート、N−ビニルカプロラクタム、等が挙げられる。
これらのアクリレート化合物は、UV硬化型インクに用いられてきた重合性化合物として、皮膚刺激性や感作性(かぶれ易さ)が小さく、比較的低粘度で安定したインク吐出性が得られ、重合感度、被記録媒体との接着性が良好であるため好ましい。
ここで(D)他の重合性化合物として列挙されているモノマーは、低分子量であっても感作性が小さいものであり、かつ、反応性が高く、粘度が低く、記録媒体への接着性に優れる。
感度、滲み、被記録媒体との接着性をより改善するためには、(D)他の重合性化合物成分として、モノアクリレートと、分子量400以上、好ましくは分子量500以上の多官能アクリレートモノマー又は多官能アクリレートオリゴマーを併用することが好ましい態様である。
特に、PETフィルムやPPフィルムといった柔軟な被記録媒体への記録に使用するインク組成物においては、上記化合物群の中から選ばれるモノアクリレート、前述の(A)一般式(1)で表される化合物から選択される1種と、(D)成分から選択される多官能アクリレートモノマー又は多官能アクリレートオリゴマーとの併用は、膜に可撓性を持たせて接着性を高めつつ、膜強度を高められるため好ましい。
更に、単官能、二官能、三官能以上の多官能モノマーの少なくとも3種の重合性化合物を併用する態様が、安全性を維持しつつ、更に、感度、滲み、被記録媒体との接着性をより改善することができるという観点から、好ましい態様として挙げられる。
モノアクリレートとしてはステアリルアクリレート、イソアミルアクリレート、イソミスチルアクリレート、イソステアリルアクリレートが感度も高く、低収縮性でカールの発生を防止できるとともに、滲み防止、印刷物の臭気、照射装置のコストダウンの点で好ましい。
モノアクリレートと併用しうるオリゴマーとしては、エポキシアクリレートオリゴマー、ウレタンアクリレートオリゴマーが特に好ましい。
なお、メタクリレートは、皮膚低刺激性がアクリレートより良好である。
上記化合物の中でもアルコキシアクリレートを70質量%以下の量で使用し、残部をアクリレートとする場合、良好な感度、滲み特性、臭気特性を有するため好ましい。
本発明において、(D)他の重合性化合物として、前記アクリレート化合物を使用する場合、他の重合性化合物の全質量〔即ち、(D)成分の総量〕に対して前記アクリレート化合物が30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることが更に好ましい。また、併用する(D)他の重合性化合物のすべてを、前記アクリレート化合物とすることもできる。
なお、本発明において、重合開始剤と重合性化合物の選択に関して言えば、種々の目的に応じて(例えば、インク組成物に使用する着色剤の遮光効果による感度低下を防ぐ手段として)、ラジカル重合性化合物とラジカル重合開始剤との組み合わせの他、これらと共に、カチオン重合性化合物とカチオン重合開始剤とを併用したラジカル・カチオンのハイブリッド型硬化インクとしてもよい。
本発明に用いうるカチオン重合性化合物は、光酸発生剤から発生する酸により重合反応を開始し、硬化する化合物であれば特に制限はなく、光カチオン重合性モノマーとして知られる各種公知のカチオン重合性のモノマーを使用することができる。カチオン重合性モノマーとしては、例えば、特開平6−9714号、特開2001−31892号、同2001−40068号、同2001−55507号、同2001−310938号、同2001−310937号、同2001−220526号などの各公報に記載されているエポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。
また、カチオン重合性化合物としては、例えば、カチオン重合系の光硬化性樹脂に適用される重合性化合物が知られており、最近では400nm以上の可視光波長域に増感された光カチオン重合系の光硬化性樹脂に適用される重合性化合物として、例えば、特開平6−43633号、特開平8−324137号の各公報等に公開されている。これらも本発明のインク組成物に適用することができる。
本発明に前記カチオン重合性化合物を使用する際に併用しうるカチオン重合開始剤(光酸発生剤)としては、例えば、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)。本発明に好適なカチオン重合開始剤の例を以下に挙げる。
第1に、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウムなどの芳香族オニウム化合物のB(C654 -、PF6 -、AsF6 -、SbF6 -、CF3SO3 -塩を挙げることができる。第2に、スルホン酸を発生するスルホン化物を挙げることができる。第3に、ハロゲン化水素を光発生するハロゲン化物も用いることができる。第4に、鉄アレン錯体を挙げることができる。
カチオン重合開始剤は、単独で用いてもよいし、併用してもよい。
〔(E)増感色素〕
本発明のインク組成物には、(B)ラジカル重合開始剤の活性光線照射による分解を促進させるために(E)増感色素を添加することができる。増感色素は、特定の活性放射線を吸収して電子励起状態となる。電子励起状態となった増感色素は、重合開始剤と接触して、電子移動、エネルギー移動、発熱などの作用を生じ、これにより重合開始剤の化学変化、即ち、分解、ラジカル、酸或いは塩基の生成を促進させるものである。
増感色素は、インク組成物に使用される(B)ラジカル重合開始剤に開始種を発生させる活性放射線の波長に応じた化合物を使用すればよいが、一般的なインク組成物の硬化反応に使用されることを考慮すれば、好ましい増感色素の例としては、以下の化合物類に属しており、かつ、350nmから450nm域に吸収波長を有するものを挙げることができる。
多核芳香族類(例えば、アントラセン、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、チオキサントン類(例えば、イソプロピルチオキサントン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン)等が挙げられ、多核芳香族類およびチオキサントン類が好ましい類として挙げられる。
より好ましい増感色素の例としては、下記式(IV)〜(VIII)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0005224694
一般式(IV)中、A1は硫黄原子又はNR50を表し、R50はアルキル基又はアリール基を表し、L2は隣接するA1及び隣接炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R51、R52はそれぞれ独立に水素原子又は一価の非金属原子団を表し、R51、R52は互いに結合して、色素の酸性核を形成してもよい。Wは酸素原子又は硫黄原子を表す。
Figure 0005224694
一般式(V)中、Ar1及びAr2はそれぞれ独立にアリール基を表し、−L3−による結合を介して連結している。ここでL3は−O−又は−S−を表す。また、Wは式(IV)に示したものと同義である。
Figure 0005224694
一般式(VI)中、A2は硫黄原子又はNR59を表し、L4は隣接するA2及び炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R53、R54、R55、R56、R57及びR58はそれぞれ独立に一価の非金属原子団の基を表し、R59はアルキル基又はアリール基を表す。
Figure 0005224694
一般式(VII)中、A3、A4はそれぞれ独立に−S−又は−NR62−又は−NR63−を表し、R62、R63はそれぞれ独立に置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアリール基を表し、L5、L6はそれぞれ独立に、隣接するA3、A4及び隣接炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R60、R61はそれぞれ独立に水素原子又は一価の非金属原子団であるか又は互いに結合して脂肪族性又は芳香族性の環を形成することができる。
Figure 0005224694
一般式(VIII)中、R66は置換基を有してもよい芳香族環又はヘテロ環を表し、A5は酸素原子、硫黄原子又は=NR67を表す。R64、R65及びR67はそれぞれ独立に水素原子又は一価の非金属原子団を表し、R67とR64、及びR65とR67はそれぞれ互いに脂肪族性又は芳香族性の環を形成するため結合することができる。
一般式(IV)〜(VIII)で表される化合物の好ましい具体例としては、以下に示すものが挙げられる。
Figure 0005224694
Figure 0005224694
<(F)共増感剤>
本発明のインク組成物は、共増感剤を含有することもできる。本発明において共増感剤は、増感色素の活性放射線に対する感度を一層向上させる、或いは酸素による重合性化合物の重合阻害を抑制する等の作用を有する。
この様な共増感剤の例としては、アミン類、例えば、M.R.Sanderら著「Journal of Polymer Society」第10巻3173頁(1972)、特公昭44−20189号公報、特開昭51−82102号公報、特開昭52−134692号公報、特開昭59−138205号公報、特開昭60−84305号公報、特開昭62−18537号公報、特開昭64−33104号公報、Research Disclosure 33825号記載の化合物等が挙げられ、具体的には、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ホルミルジメチルアニリン、p−メチルチオジメチルアニリン等が挙げられる。
共増感剤の別の例としてはチオール及びスルフィド類、例えば、特開昭53−702号公報、特公昭55−500806号公報、特開平5−142772号公報記載のチオール化合物、特開昭56−75643号公報のジスルフィド化合物等が挙げられ、具体的には、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリン、β−メルカプトナフタレン等が挙げられる。
また別の例としては、アミノ酸化合物(例、N−フェニルグリシン等)、特公昭48−42965号公報記載の有機金属化合物(例、トリブチル錫アセテート等)、特公昭55−34414号公報記載の水素供与体、特開平6−308727号公報記載のイオウ化合物(例、トリチアン等)、特開平6−250387号公報記載のリン化合物(ジエチルホスファイト等)、特開平8−65779号記載のSi−H、Ge−H化合物等が挙げられる。
<(G)その他の成分>
本発明のインク組成物には、必要に応じて、他の成分を添加することができる。その他の成分としては、例えば、重合禁止剤、溶剤等が挙げられる。
重合禁止剤は、保存性を高める観点から添加され得る。また、本発明のインクジェト記録用インク組成物は、40〜80℃の範囲で加熱、低粘度化して吐出することが好ましく、熱重合によるヘッド詰まりを防ぐためにも、重合禁止剤を添加することが好ましい。重合禁止剤は、本発明のインク組成物全量に対し、200〜20,000ppm添加することが好ましい。重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、ベンゾキノン、p−メトキシフェノール、TEMPO、TEMPOL、クペロンAl等が挙げられる。
本発明のインク組成物が放射線硬化型インク組成物であることに鑑み、インク組成物着弾直後に速やかに反応しかつ硬化し得るよう、溶剤を含まないことが好ましい。しかし、インク組成物の硬化速度等に影響がない限り、所定の溶剤を含めることができる。本発明において、溶剤としては、有機溶剤、水が使用できる。特に、有機溶剤は、被記録媒体(紙などの支持体)との接着性を改良するために添加され得る。有機溶剤を添加すると、VOCの問題が回避できるので有効である。
有機溶剤の量は、本発明のインク組成物全体の質量に対し、例えば、0.1〜5質量%、好ましくは0.1〜3質量%の範囲である。
この他に、必要に応じて公知の化合物を本発明のインク組成物に添加することができる。例えば、界面活性剤、レベリング添加剤、マット剤、消泡剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類等を適宜選択して添加することができる。
また、ポリオレフィンやPET等の被記録媒体への接着性を改善するために、重合を阻害しないタッキファイヤーを含有させることも好ましい。具体的には、特開2001−49200号公報の5〜6頁に記載されている高分子量の粘着性ポリマー(例えば、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルキル基を有するアルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数3〜14の脂環属アルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数6〜14の芳香属アルコールとのエステルからなる共重合物)や、重合性不飽和結合を有する低分子量粘着付与性樹脂などが挙げられる。
〔インクジェット記録用インク組成物の性質〕
本発明のインク組成物はインクジェット記録用インクとして使用するため、このような使用態様における好ましい物性について説明する。
本発明のインクジェット記録用インク組成物は、吐出性を考慮し、吐出時の温度(例えば、40〜80℃、好ましくは25〜50℃)において、粘度が、好ましくは7〜30mPa・sであり、より好ましくは7〜25mPa・sである。例えば、本発明のインク組成物の室温(25〜30℃)での粘度は、好ましくは10〜50mPa・s、より好ましくは12〜40mPa・sである。
本発明のインク組成物は、粘度が上記範囲になるように適宜組成比を調整することが好ましい。室温での粘度を高く設定することにより、多孔質な被記録媒体を用いた場合でも、被記録媒体中へのインク浸透を回避し、未硬化モノマーの低減、臭気低減が可能となる。更にインク液滴着弾時のインクの滲みを抑えることができ、その結果として画質が改善される。
本発明のインク組成物の表面張力は、好ましくは20〜30mN/m、より好ましくは23〜28mN/mである。ポリオレフィン、PET、コート紙、非コート紙など様々な被記録媒体へ記録する場合、滲み及び浸透の観点から、20mN/m以上が好ましく、濡れ性の点はで30mN/m以下が好ましい。
[インクジェット記録方法]
本発明のインクジェット記録方法、及び該インクジェット記録方法に適用しうるインクジェット記録装置について、以下説明する。
本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインク組成物をインクジェッと記録用として被記録媒体(支持体、記録材料等)上に吐出し、被記録媒体上に吐出されたインク組成物に活性放射線を照射し、インクを硬化して画像を形成する方法である。
即ち、本発明のインクジェット記録方法は、(i−1)被記録媒体上に、本発明のインク組成物を吐出する工程、及び、(i−2)吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、該インク組成物を硬化する工程、を含むことを特徴とする。
本発明のインクジェット記録方法は、上記(i−1)及び(i−2)工程を含むことにより、被記録媒体上において硬化したインク組成物により画像が形成される。
本発明のインクジェット記録方法における(i−1)工程には、以下に詳述するインクジェット記録装置を適用することができる。
−インクジェット記録装置−
本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置としては、特に制限はなく、目的とする解像度を達成しうる公知のインクジェット記録装置を任意に選択して使用することができる。即ち、市販品を含む公知のインクジェット記録装置であれば、いずれも、本発明のインクジェット記録方法の(i−1)工程における被記録媒体へのインクの吐出を実施することができる。
本発明で用いることのできるインクジェット記録装置としては、例えば、インク供給系、温度センサー、活性放射線源を含む装置が挙げられる。
インク供給系は、例えば、本発明のインク組成物を含む元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドからなる。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、1〜100pl、好ましくは、8〜30plのマルチサイズドットを例えば、320×320〜4000×4000dpi、好ましくは、400×400〜1600×1600dpi、より好ましくは、720×720dpiの解像度で吐出できるよう駆動することができる。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
上述したように、本発明のインク組成物のように放射線硬化型インクは、吐出されるインクを一定温度にすることが望ましいことから、インク供給タンクからインクジェットヘッド部分までは、断熱及び加温を行うことができる。温度コントロールの方法としては、特に制約はないが、例えば、温度センサーを各配管部位に複数設け、インク流量、環境温度に応じた加熱制御をすることが好ましい。温度センサーは、インク供給タンク及びインクジェットヘッドのノズル付近に設けることができる。また、加熱するヘッドユニットは、装置本体を外気からの温度の影響を受けないよう、熱的に遮断若しくは断熱されていることが好ましい。加熱に要するプリンター立上げ時間を短縮するため、或いは熱エネルギーのロスを低減するために、他部位との断熱を行うとともに、加熱ユニット全体の熱容量を小さくすることが好ましい。
上記のインクジェット記録装置を用いて、本発明のインク組成物の吐出は、インク組成物を、好ましくは40〜80℃、より好ましくは25〜50℃に加熱して、インク組成物の粘度を、好ましくは7〜30mPa・s、より好ましくは7〜25mPa・sに下げた後に行うことが好ましい。特に、本発明のインク組成物として、25℃におけるインク粘度が35〜500mPa・sであるものを用いると、大きな効果を得ることができるので好ましい。この方法を用いることにより、高い吐出安定性を実現することができる。
本発明のインク組成物のような放射線硬化型インク組成物は、概して通常インクジェット記録用インクで使用される水性インクより粘度が高いため、吐出時の温度変動による粘度変動が大きい。インクの粘度変動は、液滴サイズの変化及び液滴吐出速度の変化に対して大きな影響を与え、ひいては画質劣化を引き起こす。従って、吐出時のインクの温度はできるだけ一定に保つことが必要である。よって、本発明において、インクの温度の制御幅は、設定温度の±5℃、好ましくは設定温度の±2℃、より好ましくは設定温度±1℃とすることが適当である。
次に、(i−2)吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、該インク組成物を硬化する工程について説明する。
被記録媒体上に吐出されたインク組成物は、活性放射線を照射することによって硬化する。これは、本発明のインク組成物に含まれる(B)ラジカル重合開始剤が活性放射線の照射により分解して、ラジカルなどの開始種を発生し、その開始種の機能により(A)一般式(1)で表される化合物や、所望により併用される(D)他の重合性化合物の重合反応が、生起、促進されるためである。このとき、インク組成物において(B)ラジカル重合開始剤と共に(E)増感色素が存在すると、系中の(E)増感色素が活性放射線を吸収して励起状態となり、(B)ラジカル重合開始剤と接触することによって(A)重合開始剤の分解を促進させ、より高感度の硬化反応を達成させることができる。
ここで、使用される活性放射線は、α線、γ線、電子線、X線、紫外線、可視光又は赤外光などが使用され得る。特に電子線、紫外線、可視光線のいずれかであることが好ましい。活性放射線のピーク波長は、増感色素の吸収特性にもよるが、例えば、200〜600nmであることが好ましく、300〜450nmであることがより好ましく、350〜420nmであることが更に好ましい。
また、本発明のインク組成物における重合開始系は、低出力の活性放射線であっても充分な感度を有するものである。従って、活性放射線の出力は、2,000mJ/cm2以下であることが好ましく、より好ましくは、10〜2,000mJ/cm2であり、更に好ましくは、20〜1,000mJ/cm2であり、特に好ましくは、50〜800mJ/cm2である。
更に、活性放射線は、露光面照度が、例えば、10〜2,000mW/cm2、好ましくは、20〜1,000mW/cm2で照射されることが適当である。
活性放射線源としては、水銀ランプやガス・固体レーザー等が主に利用されており、紫外線光硬化型インクジェット記録用インクの硬化に使用される光源としては、水銀ランプ、メタルハライドランプが広く知られている。しかしながら、現在環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。更に、LED(UV−LED),LD(UV−LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、光硬化型インクジェット用光源として期待されている。
また、発光ダイオード(LED)及びレーザーダイオード(LD)を活性放射線源として用いることが可能である。特に、紫外線源を要する場合、紫外LED及び紫外LDを使用することができる。例えば、日亜化学(株)は、主放出スペクトルが365nmと420nmとの間の波長を有する紫色LEDを上市している。更に一層短い波長が必要とされる場合、米国特許番号第6,084,250号明細書は、300nmと370nmとの間に中心付けされた活性放射線を放出し得るLEDを開示している。また、他の紫外LEDも、入手可能であり、異なる紫外線帯域の放射を照射することができる。本発明で特に好ましい活性放射線源は、UV−LEDであり、特に好ましくは、350〜420nmにピーク波長を有するUV−LEDである。
なお、LEDの被記録媒体上での最高照度は10〜2,000mW/cm2であることが好ましく、20〜1,000mW/cm2であることがより好ましく、特に好ましくは50〜800mW/cm2である。
本発明のインク組成物は、このような活性放射線に、例えば、0.01〜120秒、好ましくは、0.1〜90秒照射されることが適当である。
活性放射線の照射条件並びに基本的な照射方法は、特開昭60−132767号公報に開示されている。具体的には、インクの吐出装置を含むヘッドユニットの両側に光源を設け、いわゆるシャトル方式でヘッドユニットと光源を走査することによって行われる。活性放射線の照射は、インク着弾後、一定時間(例えば、0.01〜0.5秒、好ましくは、0.01〜0.3秒、より好ましくは、0.01〜0.15秒)をおいて行われることになる。このようにインク着弾から照射までの時間を極短時間に制御することにより、被記録媒体に着弾したインクが硬化前に滲むことを防止するこが可能となる。また、多孔質な被記録媒体に対しても光源の届かない深部までインクが浸透する前に露光することができるため、未反応モノマーの残留を抑えられ、その結果として臭気を低減することができる。
更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させてもよい。WO99/54415号パンフレットでは、照射方法として、光ファイバーを用いた方法やコリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されており、このような硬化方法もまた、本発明のインクジェット記録方法に適用することができる。
上述したようなインクジェット記録方法を採用することにより、表面の濡れ性が異なる様々な被記録媒体に対しても、着弾したインクのドット径を一定に保つことができ、画質が向上する。なお、カラー画像を得るためには、明度の低い色から順に重ねていくことが好ましい。明度の低いインクから順に重ねることにより、下部のインクまで照射線が到達しやすくなり、良好な硬化感度、残留モノマーの低減、臭気の低減、接着性の向上が期待できる。また、照射は、全色を吐出してまとめて露光することが可能だが、1色毎に露光するほうが、硬化促進の観点で好ましい。
また、前述のように、本発明のインク組成物により形成された画像は、被記録媒体との接着性及び柔軟性に優れることから、印刷物の作製などに適用される一般的に使用されるインク組成物として有用であるのみならず、例えば、柔軟な樹脂フィルム上に画像形成し、そのフィルムを曲面に貼付して用いるような場合においても画像部に損傷を生じることがないため、種々の用途に適用することができる。
以下実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例における形態に限定されるものではない。なお、以下の実施例は各色のUVインクジェット記録用インクに係るものである。また、以下の説明においては、特に断りのない限り、「部」はすべて「質量部」を意味する。
〔実施例1〕
<インクの調製>
(イエロー色インク組成物)
・一般式(1)で表される化合物〔例示化合物(1)〕 22.0部
・N−ビニルカプロラクタム 16.0部
・2−フェノキシエチルアクリレート(Sartomer社製SR339) 21.4部
・トリメチロールプロパントリアクリレート(Sartomer社製SR351) 3.0部
・ジプロピレングリコールジアクリレート(Sartomer社製SR508) 1.0部
・Solsperse 32000(Noveon社製分散剤) 0.4部
・Cromophtal Yellow LA(Ciba Specialty Chemicals社製顔料) 3.6部
・Genorad 16(Rahn社製重合抑制剤) 0.05部
・Rapi-Cure DVE-3(ISP Europe社製ビニルエーテル化合物) 2.0部
・Lucirin TPO(BASF社製光開始剤) 8.5部
・ベンゾフェノン(光開始剤) 4.0部
・Irgacure 184(Ciba Specialty Chemicals社製光開始剤) 4.0部
・イソプロピルチオキサントン(ITX) 1.0部
・Byk 307(BYK Chemie社製消泡剤) 0.05部
(マゼンタ色インク組成物)
・一般式(1)で表される化合物〔例示化合物(1)〕 20.0部
・N−ビニルカプロラクタム 15.0部
・2−フェノキシエチルアクリレート(Sartomer社製、SR339) 26.4部
・トリメチロールプロパントリアクリレート(Sartomer社製、SR351) 5.0部
・Solsperse 32000(Noveon社製、分散剤) 0.4部
・Cinquasia Mazenta RT-355D(Ciba Specialty Chemicals社製、顔料) 3.6部
・Genorad 16(Rahn社製、重合抑制剤) 0.05部
・Rapi-Cure DVE-3(ISP Europe社製、ビニルエーテル化合物) 4.0部
・Lucirin TPO(BASF社製、光開始剤) 8.5部
・ベンゾフェノン(光開始剤) 4.0部
・Irgacure 184(Ciba Specialty Chemicals社製、光開始剤) 4.0部
・イソプロピルチオキサントン(ITX) 1.0部
・Byk 307(BYK Chemie社製、消泡剤) 0.05部
(シアン色インク組成物)
・一般式(1)で表される化合物〔例示化合物(1)〕 12.0部
・トリデシルアクリレート(Sartomer社製SR498E) 11.0部
・2−フェノキシエチルアクリレート(Sartomer社製SR339) 23.4部
・N−ビニルカプロラクタム 13.0部
・トリメチロールプロパントリアクリレート(Sartomer社製SR351) 8.0部
・Solsperse 32000(Noveon社製分散剤) 0.4部
・Irgalite Blue GLVO(Ciba Specialty Chemicals社製顔料) 3.6部
・Genorad 16(Rahn社製、重合抑制剤) 0.05部
・Rapi-Cure DVE-3(ISP Europe社製ビニルエーテル化合物) 4.0部
・Lucirin TPO(BASF社製光開始剤) 8.5部
・ベンゾフェノン(光開始剤) 4.0部
・Irgacure 184(Ciba Specialty Chemicals社製光開始剤) 4.0部
・Byk 307(BYK Chemie社製消泡剤) 0.05部
(ブラックインク組成物)
・一般式(1)で表される化合物〔例示化合物(1)〕 20.0部
・イソボルニルアクリレート(Sartomer社製SR506D) 17.0部
・2−フェノキシエチルアクリレート(Sartomer社製SR339) 28.4部
・トリメチロールプロパントリアクリレート(Sartomer社製SR351) 6.0部
・Solsperse 32000(Noveon社製分散剤) 0.4部
・Microlith Black C-K(Ciba Specialty Chemicals社製顔料) 2.6部
・Genorad 16(Rahn社製重合抑制剤) 0.05部
・Lucirin TPO(BASF社製光開始剤) 8.5部
・ベンゾフェノン(光開始剤) 4.0部
・Irgacure 184(Ciba Specialty Chemicals社製光開始剤) 4.0部
・イソプロピルチオキサントン(ITX) 1.0部
・Byk 307(BYK Chemie社製消泡剤) 0.05部
以上の組成で混合し、得られた各色の混合液を絶対濾過精度2μmのフィルターにて濾過して、ブラックインク1、シアンインク1、マゼンタインク1、イエローインク1、を得た。
<4色インクジェット画像の形成>
次に、ピエゾ型インクジェットノズルを有する市販のインクジェット記録装置を用いて、被記録媒体上に100%被覆画像を形成した。
インク供給系は、元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドから成り、インク供給タンクからインクジェットヘッド部分までを断熱および加温を行った。温度センサーは、インク供給タンクおよびインクジェットヘッドのノズル付近にそれぞれ設け、ノズル部分が常に70℃±2℃となるよう、温度制御を行った。
ピエゾ型のインクジェットヘッド(東芝テック製のCA3ヘッド)を、8〜30plのマルチサイズドットを720×720dpiの解像度で射出するように駆動させた。
着弾後はUV−A光を露光面照度300mW/cm2、に集光し、被記録媒体上にインクが着弾した0.1秒後に照射が始まるよう露光系、主走査速度及び射出周波数を調整した。また、露光時間を可変とし、露光エネルギーを照射した。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
上記調製した各色インクを用い、環境温度25℃にて、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの順に重ねて射出し、1色毎に紫外線光を照射した。触診で粘着性が無くなる様、完全に硬化するエネルギーとして、1色あたりのトータル露光エネルギーを一律900mJ/cm2で露光した。
被記録媒体としては、砂目立てしたアルミニウム支持体、印刷適性を持たせた表面処理済みの透明二軸延伸ポリプロピレンフィルム、軟質塩化ビニルシート(Avery社製、商品名:MPI1005)、キャストコート紙(日本製紙社製、商品名:エスプリコートC)、再生紙(コクヨ社製、商品名:KJ-WPS610)を用いた。
<4色インクジェット画像の評価>
以下の項目について評価を行なった。
−硬化性−
4色インクジェット画像を上記被記録媒体に記録したところ、いずれの被記録媒体においてもドットの滲みの無い高解像度の画像が得られた。上質紙においてもインクが裏周りすることなく、充分にインクが硬化し、未反応モノマーによる臭気が殆どしなかった。
−柔軟性−
透明二軸延伸ポリプロピレンフィルムに記録した実施例1の4色インクジェット画像は充分な可とう性があり、折り曲げても4色インクジェット画像にクラックが入ることは無かった。
−密着性−
上記それぞれの被記録媒体上に記録した4色インクジェット画像について、セロテープ(登録商標)での剥離による密着性テストを行なった。
実施例1の4色インクジェット画像は、この密着性テストにおいても問題無かった。
<マゼンタ単色のインクジェット画像およびマゼンタインクの評価>
インクとしてマゼンタインク1のみを用いた以外は、上記4色インクジェット画像の場合と同様にして、インクジェット画像を下記評価項目に記載の被記録媒体に形成し、そのマゼンタ画像および画像形成前のマゼンタインク1について下記の方法に準じて、インクへの溶解性、被記録媒体に対する密着性、硬化物の柔軟性の評価を行った。結果を表1に示す。
−硬化前のインク中での溶解性−
調整したマゼンタインク1を目視で、濁り、析出物および相分離について観察した。表1において、○は、析出物および相分離が観測されなかったものであり、×は析出物又は相分離が観測されたものを示す。
−柔軟性−
柔軟性の評価は、被記録媒体としてPVCシート(Avery社製)を用いて行った。
マゼンタ画像を有するPVCシートを、10回折り曲げた後に硬化膜(画像)に生じた亀裂の程度によって評価した。この折り曲げ試験は、亀裂がまったく生じない状態を5点とした5段階評価の官能評価であり、3点以上を実用上問題の無い状態と評価する。
−密着性−
被記録媒体に対する密着性の官能評価は、被記録媒体としてコロナ処理ポリプロピレン板を用いて行った。
マゼンタ画像を有するコロナ処理ポリプロピレン板を、クロスハッチテスト(EN ISO2409)により評価し、ASTM法による表記5B〜1Bで表した。5Bが最も密着性に優れ、3B以上を実用上問題の無いレベルであると評価する。
[実施例2]
<マゼンタインク2>
実施例1で調製したマゼンタインク1において、重合性化合物として用いたモノマーのうち、一般式(1)で表される化合物[例示化合物(1)]20質量部を、[例示化合物(2)]20質量部に変更した以外は、前記マゼンタインク1と同様にして、マゼンタインク2を調製した。
以上のようにして調製したマゼンタインク2を用い、実施例1のマゼンタ画像の形成方法と同様にして、マゼンタ画像を形成した。この形成されたマゼンタ画像及び画像形成前のマゼンタインク2について、実施例1のマゼンタ画像の評価方法およびマゼンタインクの評価方法と同様の方法で評価を行った。評価結果を表1に示す。
[実施例3]
<マゼンタインク3>
実施例1で調製したマゼンタインク1において、重合性化合物として用いたモノマーのうち、一般式(1)で表される化合物[例示化合物(1)]20質量部を、[例示化合物(3)]30質量部に変更した以外は、前記マゼンタインク1と同様にして、マゼンタインク3を調製した。
以上のようにして調製したマゼンタインク3を用い、実施例1のマゼンタ画像の形成方法と同様にして、マゼンタ画像を形成した。この形成されたマゼンタ画像及び画像形成前のマゼンタインク3について、実施例1のマゼンタ画像の評価方法およびマゼンタインクの評価方法と同様の方法で評価を行った。評価結果を表1に示す。
[実施例4]
<マゼンタインク4>
実施例1で調製したマゼンタインク1において、重合性化合物として用いたモノマーのうち、一般式(1)で表される化合物[例示化合物(1)]20質量部を、[例示化合物(4)]30質量部に変更した以外は、前記マゼンタインク1と同様にして、マゼンタインク4を調製した。
以上のようにして調製したマゼンタインク4を用い、実施例1のマゼンタ画像の形成方法と同様にして、マゼンタ画像を形成した。この形成されたマゼンタ画像及び画像形成前のマゼンタインク4について、実施例1のマゼンタ画像の評価方法およびマゼンタインクの評価方法と同様の方法で評価を行った。評価結果を表1に示す。
[実施例5]
<マゼンタインク5>
以下の組成で混合し、得られた混合液を絶対濾過精度2μmのフィルターにて濾過して、マゼンタインク5とした。
・特定重合性化合物〔例示化合物(9) 5.0部
・N−ビニルカプロラクタム 25.0部
・2−フェノキシエチルアクリレート(Sartomer社製、SR339)36.4部
・Solsperse 32000(Noveon社製、分散剤) 0.4部
・Cinquasia Mazenta RT−355D(Ciba Specialty Chemicals社製、顔料) 3.6部
・Genorad 16(Rahn社製、重合抑制剤) 0.05部
・Rapi−Cure DVE−3(ISP Europe社製、ビニルエーテル化合物) 4.0部
・Lucirin TPO(BASF社製、光開始剤) 8.5部
・ベンゾフェノン(光開始剤) 4.0部
・Irgacure 184(Ciba Specialty Chemicals社製、光開始剤) 4.0部
・イソプロピルチオキサントン(ITX) 1.0部
・Byk 307(BYK Chemie社製、消泡剤) 0.05部
以上のようにして調製したマゼンタインク5を用い、実施例1のマゼンタ画像の形成方法と同様にして、マゼンタ画像を形成した。この形成されたマゼンタ画像及び画像形成前のマゼンタインク5について、実施例1のマゼンタ画像の評価方法およびマゼンタインクの評価方法と同様の方法で評価を行った。評価結果を表1に示す。
[比較例1]
<マゼンタインク6>
実施例1で調製したマゼンタインク1において、重合性化合物として用いたモノマーのうち、一般式(1)で表される化合物[例示化合物(1)]20質量部を、2−フェノキシエチルアクリレート20質量部に変更した以外は、前記マゼンタインク1と同様にして、マゼンタインク6を調製した。
以上のようにして調製したマゼンタインク6を用い、実施例1のマゼンタ画像の形成方法と同様にして、マゼンタ画像を形成した。この形成されたマゼンタ画像及び画像形成前のマゼンタインク6について、実施例1のマゼンタ画像の評価方法およびマゼンタインクの評価方法と同様の方法で評価を行った。評価結果を表1に示す。
[比較例2]
<マゼンタインク7>
実施例1で調製したマゼンタインク1において、重合性化合物として用いたモノマーのうち、一般式(1)で表される化合物[例示化合物(1)]20質量部を、下記[比較化合物1]20質量部に変更した以外は、前記マゼンタインク1と同様にして、マゼンタインク7を調製した。
Figure 0005224694
比較化合物1
以上のようにして調製したマゼンタインク7を用い、実施例1のマゼンタ画像の形成方法と同様にして、マゼンタ画像を形成した。この形成されたマゼンタ画像及び画像形成前のマゼンタインク7について、実施例1のマゼンタ画像の評価方法およびマゼンタインクの評価方法と同様の方法で評価を行った。評価結果を表1に示す。
[比較例3]
<マゼンタインク8>
実施例5で調製したマゼンタインク1において、重合性化合物として用いたモノマーのうち、一般式(1)で表される化合物[例示化合物(9)]5質量部を、下記[比較化合物2]5質量部に変更した以外は、前記マゼンタインク5と同様にして、マゼンタインク8を調製した。
Figure 0005224694
以上のようにして調製したマゼンタインク8を用い、実施例1のマゼンタ画像の形成方法と同様にして、マゼンタ画像を形成した。この形成されたマゼンタ画像及び画像形成前のマゼンタインク8について、実施例1のマゼンタ画像の評価方法およびマゼンタインクの評価方法と同様の方法で評価を行った。評価結果を表1に示す。
Figure 0005224694


「N.D.」とは、インクに溶解しなかったため、評価できなかったことを示す。
上記実施例及び比較例で作製したインク組成物において、インクの吐出温度でのインク粘度は、7〜20mPa・sの範囲内であった。
表1に明らかなように、実施例1〜5のインク組成物は、被記録媒体との接着性、形成された画像の柔軟性、インク中での溶解性、のすべての評価項目において優れており、実用上問題のないレベルであった。
なかでも、実施例1及び実施例2の結果と、実施例3及び実施例4の結果との対比により、一般式(1)で表される化合物が、一般式(2−1)又は(3−1)で表される化合物の場合に、接着性及び柔軟性の双方に優れていることがわかる。また、実施例1と実施例5との対比により、柔軟性に関しては、一般式(2−1)で表される化合物よりも、一般式(3−1)で表される化合物の方が、より優れた効果を示すことがわかる。
一方、燐酸エステルを用いた場合であっても、水酸基を有する燐酸エステルを用いた比較例2のインク組成物は、燐酸エステルがインクに溶解せず、評価を行なうことができなかった。
更に、燐酸エステルを用いた場合であっても、重合性二重結合を有する基で全てエステル化された燐酸エステルを用いた比較例3では、柔軟性に乏しく、また密着性については実用できる程度ではあったが、本実施例に比べると劣るものであった。

Claims (3)

  1. (A)下記の化合物1、化合物2、化合物3、化合物4及び化合物9から選ばれた少なくとも1つの化合物と、
    (B)ラジカル重合開始剤と、
    を含有することを特徴とするインクジェット記録用インク組成物。
    Figure 0005224694
  2. 更に、(C)着色剤を含有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用インク組成物。
  3. (i−1)被記録媒体上に、請求項1又は請求項2に記載のインクジェット記録用インク組成物を吐出する工程と、
    (i−2)吐出されたインクジェット記録用インク組成物に活性放射線を照射して、該インク組成物を硬化する工程と、
    を含むことを特徴とするインクジェット記録方法。
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