JP5853637B2 - インクジェット印刷方法 - Google Patents
インクジェット印刷方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5853637B2 JP5853637B2 JP2011256647A JP2011256647A JP5853637B2 JP 5853637 B2 JP5853637 B2 JP 5853637B2 JP 2011256647 A JP2011256647 A JP 2011256647A JP 2011256647 A JP2011256647 A JP 2011256647A JP 5853637 B2 JP5853637 B2 JP 5853637B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ink
- meth
- heating
- acrylate
- printing method
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Ink Jet (AREA)
- Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
- Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
Description
本発明者らは、上記課題について検討した結果、(メタ)アクリル酸エステル及び(メタ)アクリルアミドに対して、ビニルエーテルを併用することにより、低粘度化と硬化性向上を両立させることに成功し、先に出願した(特願2011−107318)。
なお、特許文献1、2には、印刷中及び/又は印刷後に加熱を伴う乾燥工程を含む印刷方法に係る発明が開示されている。しかし、これらの発明は、本願発明とは課題が異なる上に、用いるインクも硬化型ではない。
1) 光重合性インクジェットインクを60〜100℃に加温する工程、光重合性インクジェットインクを記録媒体に吐出する工程、加温され吐出された光重合性インクジェットインクに光照射して硬化させる工程を有し、前記インクが、(メタ)アクリル酸エステルとトリエチレングリコールジビニルエーテルを含むか、又は(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリルアミドとトリエチレングリコールジビニルエーテルを含み、前記インクを加温する工程が、インクを吐出した後に記録媒体上でインクを加温するか、又はインクを吐出する前に記録媒体を加温し、該記録媒体の熱によりインクを加温することにより行われるインクジェット印刷方法。
2) 光重合性インクジェットインクを80〜100℃に加温する1)記載のインクジェット印刷方法。
3) 前記(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド及びビニルエーテルの皮膚感さ性試験(LLNA法)における感さ性の程度を示すStimulation Index(SI値)が、いずれも3未満である1)又は2)記載のインクジェット印刷方法。
4) 前記(メタ)アクリル酸エステル及び(メタ)アクリルアミドが、下記式(1)で示されるポリエチレングリコールジメタクリレート、γ−ブチロラクトンメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート〔CH2=CH−CO−(OC3H6)n−OCO−CH=CH2(n≒12)〕、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのジアクリレート、ポリエトキシ化テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ステアリルアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリルアミドから選ばれた少なくとも1種からなる3)記載のインクジェット印刷方法。
5) 前記インクが光ラジカル重合開始剤を含む1)〜4)のいずれかに記載のインクジェット印刷方法。
6) 前記加温用のエネルギーとして硬化用光源の廃熱を利用する1)〜5)のいずれかに記載のインクジェット印刷方法。
本発明者らは、(メタ)アクリル酸エステルとビニルエーテルを含むか、又は(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリルアミドとビニルエーテルを含む光重合性インクジェットインク(以下、インクということもある)を用いた印刷方法において、前記インクを、60〜100℃に加温した後、光照射して硬化させることにより、前述のような僅かなタック感を解消できることを見出した。
加温方法としては、インクを吐出ヘッド内で加温する方法、インクを吐出した後に記録媒体上でインクを加温する方法、記録媒体をあらかじめ加温しておき、該記録媒体の熱によりインクを加温する方法などが挙げられる。しかし、80℃を超えると、記録媒体に変形、反り、収縮などが生じることがあり、100℃を超えると、インクに増粘、ゲル化などを生じることがあるため、100℃程度が上限である。
さらに、加温用のエネルギーとして硬化用光源の廃熱を利用すると、省エネルギー化が図れるので好ましい。
硬化用光源としては、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、UVLEDなど既存のものを使用できるが、いずれも光照射に伴い発熱するため、通常は安定的に光照射し続けるための冷却手段が必要になる。
なお、SI値の評価方法であるLLNA法とは、OECDテストガイドライン429として定められる皮膚感さ性試験であり、文献(例えば、「機能材料」2005年9月号、Vol.25、No.9、P55)に示されるように、皮膚感さ性の程度を示すSI値が3未満の場合に、感さ性について問題なしと判断するものである。また、MSDS(化学物質安全性データシート)において、皮膚感さ性陰性又は皮膚感さ性なしと評価されたものは、当然上記SI値を満たすので、本発明に包含される。
上記皮膚感さ性に問題がない(メタ)アクリル酸エステル及び/又は(メタ)アクリアミドの全モノマーに対する割合は、30〜80重量%程度が望ましく、さらに好ましくは50〜70重量%である。
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、γ−ブチロラクトンアクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ホルマール化トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリル酸安息香酸エステル、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート〔CH2=CH−CO−(OC2H4)n−OCOCH=CH2(n≒4)〕、同(n≒9)、同(n≒14)、同(n≒23)〕、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクレート〔CH2=C(CH3)−CO−(OC3H6)n−OCOC(CH3)=CH2(n≒7)〕、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、メタアクリロイルモルホリン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、エチレンオキサイド変性テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化グリセリルトリ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、ポリエステルトリ(メタ)アクリレート、ポリエステルテトラ(メタ)アクリレート、ポリエステルペンタ(メタ)アクリレート、ポリエステルポリ(メタ)アクリレート、ビニルカプロラクタム、ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、ポリウレタンジ(メタ)アクリレート、ポリウレタントリ(メタ)アクリレート、ポリウレタンテトラ(メタ)アクリレート、ポリウレタンペンタ(メタ)アクリレート、ポリウレタンヘキサ(メタ)アクリレートなど。
光ラジカル重合開始剤としては、分子開裂型光重合開始剤や水素引抜き型光重合開始剤が挙げられる。
光ラジカル重合促進剤の例としては、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシル、p−ジメチルアミノ安息香酸メチル、安息香酸−2−ジメチルアミノエチル、p−ジメチルアミノ安息香酸ブトキシエチルなどが挙げられる。
光ラジカル重合禁止剤の例としては、4−メトキシ−1−ナフトール、メチルハイドロキノン、ハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、メトキノン、ジ−t−ブチルハイドロキノン、フェノチアジン、2,2′−ジヒドロキシ−3,3′−ジ(α−メチルシクロヘキシル)−5,5′−ジメチルジフェニルメタン、p−ベンゾキノン、ジ−t−ブチルジフェニルアミン、9,10−ジ−n−ブトキシシアントラセン、4,4′−[1,10−ジオキソ−1,10−デカンジイルビス(オキシ)]ビス[2,2,6,6−テトラメチル]−1−ピペリジニルオキシなどが挙げられる。
着色剤としては公知の無機顔料や有機顔料を使用することができる。
ブラック顔料としては、ファーネス法又はチャネル法で製造されたカーボンブラック等が使用できる。
イエロー顔料としては、Pig.Yellow系の顔料、例えばピグメントイエロー1、2、3、12、13、14、16、17、73、74、75、83、93、95、97、98、114、120、128、129、138、150、151、154、155、180等が使用できる。
マゼンタ顔料としては、Pig.Red系の顔料、例えばピグメントレッド5、7、12、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、112、122、123、168、184、202、ピグメントバイオレット19等が使用できる。
シアン顔料としてはPig.Blue系の顔料、例えばピグメントブルー1、2、3、15、15:3、15:4、16、22、60、バットブルー4、60等が使用できる。
その他にも、必要に応じて物理特性などを考慮して、種々の無機顔料や有機顔料が使用できる。
さらにインクには、高級脂肪酸系、シリコーン系、フッ素系などの界面活性剤や、極性基含有高分子顔料分散剤などを加えることができる。
給紙装置から搬送された記録媒体にインクを吐出し、次いで、吐出されたインクを加熱手段で加温した後、紫外線照射装置(高圧水銀灯、メタルハライドランプ、UVLEDなど)で硬化させる。図1では紫外線照射装置の冷却手段として送風ファンを設けているが、この送風ファンによる廃熱を利用するため、上部にフィンを並べ、ここにヒートパイプを通して記録媒体の裏側面に送り、加熱手段とするものである。なお、図では加熱と硬化が同時に行われるように見えるが、実際の操作では、インクが所定温度に加温された後に硬化されるように設定する。
図2は本発明を実施するための装置の他の例である。図1と同様に記録媒体にインクを吐出し、紫外線照射装置で硬化させるが、送風ファンによる廃熱が直接照射部を通過するインクに当たるようにダクトを設けている。
廃熱の利用のみでは所望の温度まで加温できないときは、別途、ヒータ等の熱源を利用することになるが、廃熱を利用することにより、ヒータ等で消費する電力を少なくすることができる。
また、インクを加温できるインクジェット吐出ヘッドとしては、リコープリンティングシステムズ社製GEN3、GEN4などがあり、例えば、GEN3ヘッドでは130℃、GEN4ヘッドでは60℃までの温度でヘッド内にインクを保持して加温吐出することが可能である。
SI値が3未満でないモノマーを含む下記(A)のモノマー組成物、及びSI値が3未満のモノマーからなる下記(B1)〜(B4)のモノマー組成物を調製した。
・ジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサアクリレート(感さ性データなし)…20部
・トリメチロールプロパントリアクリレート(MSDSに感さ性ありの記載)…25部
・プロピレンオキサイド変性ネオペンチルグリコールジアクリレート(3.7)
…20部
・ネオペンチルグリコールジメタクリレート(2.0)…5部
・トリエチレングリコールジビニルエーテル(MSDSに感さ性なしの記載)…30部
・カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(MSDSに陰性の記載)…30部
・ポリエトキシ化テトラメチロールメタンテトラアクリレート(1.6)…10部
・カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのジアクリレート
(0.9)…5部
・ヒドロキシエチルアクリルアミド(MSDSに感さ性なしの記載)…2部
・ポリプロピレングリコール(n≒12)ジアクリレート(1.5)…5部
・ポリエチレングリコール(n≒14)ジメタクリレート(1.6)…1部
・ポリエチレングリコール(n≒9)ジメタクリレート(1.3)…1部
・トリメチロールプロパントリメタクリレート(1.9)…2部
・γ−ブチロラクトンメタクリレート(2.1)…1部
・ステアリルアクリレート(2.7)…2部
・ネオペンチルグリコールジメタクリレート(2.0)…2部
・1,4,−ブタンジオールジメタクリレート(2.6)…2部
・トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート(1.3)…2部
・トリエチレングリコールジビニルエーテル(MSDSに感さ性なしの記載)…35部
・カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(MSDSに陰性の記載)…20部
・エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート(1.2)…20部
・カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのジアクリレート
(0.9)…10部
・ヒドロキシエチルアクリルアミド(MSDSに感さ性なしの記載)…10部
・ポリプロピレングリコール(n≒12)ジアクリレート(1.5)…10部
・トリエチレングリコールジビニルエーテル(MSDSに感さ性なしの記載)…30部
・ポリエトキシ化テトラメチロールメタンテトラアクリレート(1.6)…65部
・トリエチレングリコールジビニルエーテル(MSDSに感さ性なしの記載)…35部
・カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(MSDSに陰性の記載)…50部
・トリエチレングリコールジビニルエーテル(MSDSに感さ性なしの記載)…50部
60℃粘度は、東機産業社製コーンプレート型回転粘度計により、恒温循環水の温度を60℃に設定して測定した。60℃という温度は、例えばリコープリンティングシステムズ社製GEN3、GEN4など、加温可能な市販のインクジェット吐出ヘッドの仕様を想定したものである。
硬化に必要な光量は、フュージョンシステムズジャパン社製UV照射機LH6により、1000、500、200、100、50(mJ/cm2)と段階的に照射光量を変え、市販のPETフィルム上に手引き塗工して作成した厚さ約9ミクロンの塗膜が、指触によりべたつきのない状態となったところで硬化したと判断し、そのときの照射光量を記載した。
即ち、前記GEN3、GEN4は、60℃に加温可能で、粘度20(mPa・s)まで吐出可能であるが、上記表1の結果はこれらの条件の範囲内である。また、照射光量が200(mJ/cm2)程度あれば、50〜100m/分の印刷速度で実施できるので、一般的な印刷物作成において必要とされる生産性を満足する。
また、各クリアインク98重量部に、さらに着色剤として三菱化学社製カーボンブラック♯10を1重量部、及び顔料分散剤として日本ルーブリゾール社製ソルスパースを1重量部加えた組成のインクを作成した。
(C)光ラジカル重合開始剤
・分子開裂型の2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イルフェニル)ブタン−1−オン(MSDSに感さ性なしの記載)
(D)汎用的な光ラジカル重合禁止剤
・4−メトキシ−1−ナフトール
評価手順は以下のとおりであり、評価結果を表2に示す。
・東洋紡社製PPフィルム「P2161」(厚さ60ミクロン)を基材とし、各インクをリコープリンティングシステムズ社製のインクジェット吐出ヘッドGEN4により吐出して、約5cm角で厚さ約9ミクロンのベタ画像を作成した。
・作成した画像サンプルを、あらかじめ所定温度に設定したオーブンに約10秒間静置し、ベタ画像塗膜を所定温度に調整した。なお、あらかじめ実施した予備実験において、この操作によって光照射前のインク塗膜が増粘していないこと、すなわち、今回実施した温度条件において熱重合していないことを指触で確認した。
・ベタ画像塗膜サンプルをオーブンから取り出した直後に、フュージョンシステムズジャパン社製の紫外線照射装置LH6(Dバルブ)を用いて、(A)及び(B1)〜(B4)のモノマー組成物を用いた各インクについて、室温(23℃)で指触によりタック感が認められない最低限度の積算光量(200mJ/cm2)で光照射し硬化させた。
・光照射後の塗膜表面に別途用意した前記と同じ材質の基材を直接密着させ、塗膜表面が空気層を押しのけて自己粘着してしまうという挙動が見られなくなるまでに必要な光照射後の放置時間(自己粘着性消失までの時間)を計測した。なお、実験設備や実験操作における様々な制約から光照射直後の評価は難しく、5秒以内の短いタイムスケールにおいては詳細な経時評価はできなかったため、5秒経過時点での評価で既に自己粘着性が消失している場合には、一律に「5秒以下」とした。
・なお、80℃という条件は、当該フィルムが、変形、反り、収縮などの外観上の変化がみられない範囲での最高温度であり、40℃、60℃という条件は、それよりも温和な任意の一条件という位置づけである。
評価手順は以下のとおりであり、評価結果を表3に示す。
・表2の場合と同じ基材に対し、あらかじめ100℃に加温した各インクを、リコープリンティングシステムズ社製のインクジェット吐出ヘッドGEN3により吐出して、約5cm角で厚さ約9ミクロンのベタ画像を作成した。
・該ベタ画像塗膜作成直後に、表2の場合と同様にして光照射し硬化させた。
・次いで、表2の場合と同様にして、自己粘着性消失までの時間を計測した。
・なお、100℃という条件は、当該インクが所定温度に達するまでの数分間において、増粘、ゲル化などの外観上の変化がみられない範囲の温度であり、前記の加温可能なインクジェット吐出ヘッドGEN3で可能な温度範囲である。
評価手順は以下のとおりであり、評価結果を表4に示す。
・表2の場合と同じ基材に対し、各インクをリコープリンティングシステムズ社製のインクジェット吐出ヘッドGEN4により吐出して、約5cm角で厚さ約9ミクロンのベタ画像を作成した。
・該ベタ画像塗膜作成直後に、表1の場合と同様にして光照射し硬化させた。
・次いで、表2の場合と同様にして、自己粘着性消失までの時間を計測した。
・なお、80℃という条件は、当該フィルムが、変形、反り、収縮などの外観上の変化がみられない範囲での最高温度であり、40℃、60℃という条件は、それよりも温和な任意の一条件という位置づけである。
上記インクに代えてクリアインクを用いた点以外は、実施例1〜10、16〜25、参考例11〜15、及び比較例1〜25と同様にして自己粘着性消失までの時間を評価したところ、表2〜表4の場合と同様の結果となった。自己粘着性は硬化後のポリマーの物性の一つであるが、インクの98重量%はクリアインクと同一組成のモノマー組成物であるから当然の結果である。
Claims (6)
- 光重合性インクジェットインクを60〜100℃に加温する工程、光重合性インクジェットインクを記録媒体に吐出する工程、加温され吐出された光重合性インクジェットインクに光照射して硬化させる工程を有し、前記インクが、(メタ)アクリル酸エステルとトリエチレングリコールジビニルエーテルを含むか、又は(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリルアミドとトリエチレングリコールジビニルエーテルを含み、前記インクを加温する工程が、インクを吐出した後に記録媒体上でインクを加温するか、又はインクを吐出する前に記録媒体を加温し、該記録媒体の熱によりインクを加温することにより行われるインクジェット印刷方法。
- 光重合性インクジェットインクを80〜100℃に加温する請求項1記載のインクジェット印刷方法。
- 前記(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド及びビニルエーテルの皮膚感さ性試験(LLNA法)における感さ性の程度を示すStimulation Index(SI値)が、いずれも3未満である請求項1又は2記載のインクジェット印刷方法。
- 前記(メタ)アクリル酸エステル及び(メタ)アクリルアミドが、下記式(1)で示されるポリエチレングリコールジメタクリレート、γ−ブチロラクトンメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート〔CH2=CH−CO−(OC3H6)n−OCO−CH=CH2(n≒12)〕、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのジアクリレート、ポリエトキシ化テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ステアリルアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリルアミドから選ばれた少なくとも1種からなる請求項3記載のインクジェット印刷方法。
- 前記インクが光ラジカル重合開始剤を含む請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット印刷方法。
- 前記加温用のエネルギーとして硬化用光源の廃熱を利用する請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット印刷方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011256647A JP5853637B2 (ja) | 2011-11-24 | 2011-11-24 | インクジェット印刷方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011256647A JP5853637B2 (ja) | 2011-11-24 | 2011-11-24 | インクジェット印刷方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013107374A JP2013107374A (ja) | 2013-06-06 |
JP5853637B2 true JP5853637B2 (ja) | 2016-02-09 |
Family
ID=48704655
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011256647A Active JP5853637B2 (ja) | 2011-11-24 | 2011-11-24 | インクジェット印刷方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5853637B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10538680B2 (en) | 2013-07-12 | 2020-01-21 | Sericol Limited | Printing ink |
WO2015004488A1 (en) * | 2013-07-12 | 2015-01-15 | Sericol Limited | Printing ink |
WO2016088703A1 (ja) * | 2014-12-01 | 2016-06-09 | コニカミノルタ株式会社 | プライマー、インクセットおよび画像形成方法 |
JP6493799B2 (ja) * | 2015-06-16 | 2019-04-03 | 株式会社リコー | インクジェット記録装置及びそれを用いた記録方法 |
JP7421401B2 (ja) | 2020-03-31 | 2024-01-24 | 太陽ホールディングス株式会社 | 低粘度光硬化性組成物、硬化物及び電子部品 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4961728B2 (ja) * | 2005-11-28 | 2012-06-27 | コニカミノルタエムジー株式会社 | インクジェット記録装置 |
JP2007177058A (ja) * | 2005-12-27 | 2007-07-12 | Fujifilm Corp | インク組成物 |
JP2007246820A (ja) * | 2006-03-17 | 2007-09-27 | Fujifilm Corp | インク組成物、インクジェット記録方法、印刷物、平版印刷版の製造方法、及び、平版印刷版 |
JP5224694B2 (ja) * | 2007-02-06 | 2013-07-03 | 富士フイルム株式会社 | インクジェット記録用インク組成物、及び、インクジェット記録方法 |
JP2008300063A (ja) * | 2007-05-29 | 2008-12-11 | Shin Etsu Polymer Co Ltd | 導電性インク、透明導電層、入力デバイス及び表示デバイス |
-
2011
- 2011-11-24 JP JP2011256647A patent/JP5853637B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2013107374A (ja) | 2013-06-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6646111B2 (ja) | 放射線硬化性インキジェットインキ | |
JP5994357B2 (ja) | 光重合性インクジェットインク、インクカートリッジ、インクジェット記録装置 | |
JP5874194B2 (ja) | 光重合性インクジェットインク、インクカートリッジ、プリンタ | |
KR101643597B1 (ko) | 활성 에너지선 경화성 잉크젯 기록용 잉크 | |
JP6268953B2 (ja) | 重合性インク組成物、インクカートリッジ、及びインクジェットプリンタ | |
JP5853637B2 (ja) | インクジェット印刷方法 | |
JP2014122335A (ja) | 重合性インク組成物、該インク組成物を含むインクカートリッジ、及び、インクジェットプリンタ | |
US20200062983A1 (en) | Printing ink | |
JP2019031618A (ja) | 活性エネルギー線硬化型インクジェット印刷用インク組成物 | |
JP6476519B2 (ja) | インクジェットインク | |
WO2018146495A1 (en) | Printing method and ink | |
GB2561984A (en) | Printing ink | |
GB2562169A (en) | Printing ink | |
US20120207985A1 (en) | Printing ink | |
US10844234B2 (en) | Method of printing | |
JP2008138028A (ja) | インクジェット用インク組成物、及び、インクジェット記録方法 | |
EP3209736B1 (en) | Printing ink | |
JP5899702B2 (ja) | 重合性インクジェットインク組成物、該インク組成物を含むインクカートリッジ、及び、インクジェットプリンタ | |
US20230193063A1 (en) | Inkjet ink | |
GB2564485A (en) | A printing ink | |
JP7339059B2 (ja) | 光硬化型インクジェット記録用インク組成物およびインクセット | |
US20230203331A1 (en) | Method of inkjet printing | |
JP7403229B2 (ja) | 光硬化型インクジェット記録用インク組成物およびインクセット | |
JP2017140751A (ja) | 光重合性インクを用いるインクジェット印刷装置及び硬化物 | |
JP2008221510A (ja) | 紫外線硬化型インクジェット記録装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20141020 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150714 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20150715 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150903 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20151110 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20151123 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5853637 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |