JP6493799B2 - インクジェット記録装置及びそれを用いた記録方法 - Google Patents
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Description
近年では、家庭用のみならず、例えばディスプレイ、ポスター、掲示板など産業用途にインクジェット技術が利用されてきている。
しかし、溶剤系インクジェットインクは、溶剤を大量に大気中に蒸発させるため、環境負荷の観点から好ましくなく、紫外線硬化型インクジェットインクは、使用するモノマーによっては皮膚感さ性を有することがあり、また、高価な紫外線照射装置をプリンタ本体に組み込む必要があるため適用分野が限られてしまう。
上記効果が得られる詳細な理由は不明であるが、シクロヘキサン成分を含むウレタン樹脂粒子を用いたインクを加温した場合に、シクロヘキサン成分がインクの樹脂粒子間の凝集性を高め、その結果、インクジェットヘッドのノズル面と樹脂成分との付着力が低下したものと推察される。
(1)インクを収容したインク収容容器と、インクを吐出させるインクジェットヘッドとを有するインクジェット記録装置において、
前記インクジェットヘッドは、ノズル形成部材のインクを吐出する側の面に無機酸化物層及びフッ素を含有する撥インク層をこの順に有してなるノズル板を有し、
前記インクは、少なくとも水、色材、シクロヘキサン成分を含むウレタン樹脂粒子及びポリエーテル変性シリコーン化合物を含有し、
更に、インクをインクジェットヘッド内で加温する加熱手段を有しており、
前記加熱手段がインクを30℃以上50℃以下に加温する加熱手段である
ことを特徴とするインクジェット記録装置。
なお、本発明(1)の実施の形態には、次の(2)〜(4)も含まれるので、これらについても併せて説明する。
(2)前記インクが、シリコーン−アクリル樹脂粒子を更に含有し、前記ウレタン樹脂粒子と前記シリコーン−アクリル樹脂粒子との比率が質量比で2/1〜10/1であることを特徴とする(1)に記載のインクジェット記録装置。
(3)前記ポリエーテルシリコーン化合物が、下記一般式(I)〜(IV)で示される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも一種からなることを特徴とする(1)または(2)に記載のインクジェット記録装置。
(4)前記加熱手段がインクを30℃以上50℃以下に加温する加熱手段であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
(5)インクをインクジェットヘッドのノズルから吐出、飛翔させ、記録媒体に付与して記録するインクジェット記録方法であって、(1)〜(4)のいずれかに記載のインクジェット記録装置を用い、インクとして水、色材、シクロヘキサン成分を含むウレタン樹脂粒子、ポリエーテル変性シリコーン化合物を含有するインクを用い、記録媒体として非浸透記録媒体を用いることを特徴とするインクジェット記録方法。
(6)インクジェットヘッド内で、インクを30℃以上50℃以下に加温することを特徴とする(5)に記載のインクジェット記録方法。
色材としては特に限定されず、顔料、染料、金属酸化物、金属粉体、樹脂粒子、樹脂中空粒子などを使用することが可能である。
顔料には有機顔料と無機顔料があり、用いる色によって適宜選択し用いることができる。
黒色顔料としては、中でもカーボンブラック(Pigment Black 7)が特に好ましく、Regal(登録商標)、Black Pearls(登録商標)、Elftex(登録商標)、Monarch(登録商標)、Mogul(登録商標)及びVulcan(登録商標)の商標でCabot Corporation社から入手できるカーボンブラック(例えば、Black Pearls 2000、同1400、同1300、同1100、同1000、同900、同880、同800、同700、同570、Black Pearls L、Elftex 8、Monarch 1400、同1300、同1100、同1000、同900、同880、同800、同700、Mogul L、Regal 330、同400、同660、Vulcan P)、SENSIJET BlackSDP100(SENSIENT)、SENSIJET BlackSDP1000(SENSIENT)、SENSIJET BlackSDP2000(SENSIENT)等が挙げられる。
所望の表面積と合わない場合には、顔料を比較的小さい粒径にするために、サイズ減少又は粉砕処理(例えば、ボールミル粉砕、又はジェットミル粉砕、又は超音波処理)をすれば良い。
インクの顔料分散安定性、吐出安定性、画像濃度、インク生産性の点で、顔料のインク中での体積平均粒径(D50)は、10〜300nmが好ましく、より好ましくは20〜250nmである。
本発明のインクは樹脂粒子としてシクロヘキサン成分を含むウレタン樹脂粒子を含有することを特徴とする。
本発明におけるウレタン樹脂とは、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られるものを指し、シクロヘキサン成分を含むポリオール、又はシクロヘキサン成分を含むポリイソシアネート成分をウレタン樹脂中に含む。
シクロヘキサン成分を含むポリオールとしては、1,4−シクロヘキサンジオールなどが挙げられ、ポリイソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水素添加MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水素添加TDI)等を使用することができる。
樹脂エマルジョン中の樹脂固形分は20質量%以上であると、インクの製造が行いやすく好ましい。
また、ウレタン樹脂粒子を水性媒体中に分散させるにあたり、分散剤を利用した強制乳化型のものを用いることもできるが、塗膜に分散剤が残り強度を下げることがあることから、分子構造中にアニオン性を有した、いわゆる自己乳化型のものが好適に用いることができる。
その場合の酸価は20〜100mgKOH/gとなる範囲でアニオン性基を含有することが、優れた耐擦過性や耐薬品性を付与する上で好ましい。
前記アニオン性基を中和する中和剤として使用可能な塩基性化合物としては、例えばアンモニア、トリエチルアミン、ピリジン、モルホリンなどの有機アミンや、モノエタノールアミンなどのアルカノールアミンや、Na、K、Li、Caなどを含む金属塩基化合物などが挙げられる。
前記ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレンポリオール、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシアルキレン多環フェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
好ましいノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等が挙げられる。
界面活性剤の添加量は、ウレタン樹脂粒子に対して0.1〜30質量%であり、より好ましくは5〜20質量%である。
ウレタン樹脂粒子の製造方法としては従来一般的に用いられている方法をいずれも用いることができ、例えば以下の方法である。
まず、無溶剤下または有機溶剤の存在下で、前記ポリオールと前記ポリイソシアネートを、イソシアネート基が過剰になる当量比で反応させて、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを製造する。
次いで、前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマー中のアニオン性基を必要に応じて前記中和剤により中和し、その後鎖延長剤と反応させて、最後に必要に応じて系内の有機溶剤を除去することによってウレタン樹脂粒子を得ることが出来る。
シクロヘキサン成分を含むウレタン樹脂粒子と前記シリコーン−アクリル樹脂粒子とを併用する際のウレタン樹脂粒子とシリコーン−アクリル樹脂粒子との比率が質量比で2/1〜10/1であると、シリコーン−アクリル樹脂粒子成分のシリコーン成分がインクジェットヘッドへのノズル固着防止効果を高め、特に有効である。
ポリエーテル変性シリコーン化合物の中でも水分散性着色剤の種類や有機溶剤の組合せによって分散安定性を損なわず、動的表面張力が低く、浸透性、レベリング性の高いものが好ましい。
また、必要に応じて、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤及びアセチレングリコール又はアセチレンアルコール系界面活性剤と併用して使用しても良い。
前記ポリエーテル変性シリコーン化合物、及び界面活性剤のインクジェット記録用インク中における含有量は、0.001〜5質量%が好ましく、0.5〜3質量%がより好ましい。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が、起泡性が小さいので特に好ましい。
パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。
パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。
これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH4、NH3CH2CH2OH、NH2(CH2CH2OH)2、NH(CH2CH2OH)3等が挙げられる。
防腐防黴剤としては、1、2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、ぺンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム等が挙げられる。
本発明のインク中には、インクの安定性、非浸透メディアへの定着性を向上させることができるため、有機溶剤を含むことが望ましい。含有する有機溶剤としては特に限定されないが、水溶性有機溶剤が好適に使用される。
これらは1種を単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
本発明のインクジェット記録装置はインクを収容したインク収容容器と、インクを吐出させるインクジェットヘッドとを備えている。
本発明のインクジェット記録装置は、少なくとも、インクジェットヘッドが、撥インク性を有するノズル板を有している。該ノズル板は、ノズル形成部材のインクを吐出する側の面に無機酸化物層を介してフッ素を含有する撥インク層を具備するものであり、インクをインクジェットヘッド内で30℃以上50℃以下に加温する加熱手段を有する。
加熱手段としては、多くの既知の加熱装置の中から適宜選択して1つ又は複数を使用することができる。加熱装置としては、強制空気加熱、輻射加熱、伝導加熱、高周波乾燥、マイクロ波乾燥用の装置などが挙げられる。このような加熱装置は、既存のインクジェットプリンターに組込んだものであっても、また、既存のインクジェットプリンターに外付けされたものであってもよい。
図1の装置は、装置本体101と、装置本体101に装着した記録媒体を装填するための給紙トレイ102と、装置本体101に装着され印字された記録媒体をストックするための排紙トレイ103と、インクカートリッジ装填部104とを有する。インクカートリッジ装填部104の上面には、操作キーや表示器などの操作部105が配置されている。インクカートリッジ装填部104は、インクカートリッジ200の脱着を行うための開閉可能な前カバー115を有している。111は上カバー、112は前カバーの前面である。
キャリッジ133には、図3に示すように、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する4列のノズル列136を有するノズル板を有するインクジェット記録用ヘッドからなる記録ヘッド134が装着されている。
また、キャリッジ133には、記録ヘッド134に各色のインクを供給するための各色のサブタンク135が搭載されている。サブタンク135には、インク供給チューブ(不図示)を介して、インクカートリッジ装填部104に装填されたインクカートリッジ200からインクが供給されて補充される。
この給紙部から給紙された記録媒体142を記録ヘッド134の下方側で搬送するための搬送部として、記録媒体142を静電吸着して搬送するための搬送ベルト151と、給紙部からガイド145を介して送られる記録媒体142を搬送ベルト151との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ152と、略鉛直上方に送られる記録媒体142を略90°方向転換させて搬送ベルト151上に倣わせるための搬送ガイド153と、押さえ部材154で搬送ベルト151側に付勢された先端加圧コロ155とが備えられ、また、搬送ベルト151表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ156が備えられている。
このインクジェット記録装置においては、給紙部から記録媒体142が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された記録媒体142は、ガイド145で案内され、搬送ベルト151とカウンタローラ152との間に挟まれて搬送される。更に先端を搬送ガイド153で案内されて先端加圧コロ155で搬送ベルト151に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。このとき、帯電ローラ156によって搬送ベルト151が帯電されており、記録媒体142は、搬送ベルト151に静電吸着されて搬送される。そこで、キャリッジ133を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド134を駆動することにより、停止している記録媒体142にインク滴を吐出して1行分を記録し、記録媒体142を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は記録媒体142の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、記録媒体142を排紙トレイ103に排紙する。
図4は、本発明の一実施形態に係るインクジェットヘッドの要素拡大図、図5は、同ヘッドのチャンネル間方向の要部拡大断面図である。
このインクジェットヘッドは、インク供給口と共通液室1bとなる彫り込みを形成したフレーム10と、流体抵抗部2a、加圧液室2bとなる彫り込みとノズル3aに連通する連通口2cを形成した流路板20と、ノズル3aを形成するノズル板30と、島状凸部6a、ダイヤフラム部6b及びインク流入口6cを有する振動板60と、該振動板60に接着層70を介して接合された積層圧電素子50と、該積層圧電素子50を固定しているベース40を備えている。
積層圧電素子50は、厚さ10〜50μm/1層のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)の圧電層と、厚さ数μm/1層の銀・パラジウム(AgPd)からなる内部電極層とを交互に積層している。内部電極層は両端で外部電極に接続する。
積層圧電素子50はハーフカットのダイシング加工により櫛歯上に分割され、1つ毎に駆動部5fと支持部5g(非駆動部)として使用する。外部電極の外側はハーフカットのダイシング加工で分割されるように、切り欠き等の加工により長さを制限しており、これらは複数の個別電極となる。他方はダイシングでは分割されずに導通しており共通電極となる。
この振動板60の島状凸部6aと積層圧電素子50の駆動部5f、振動板50とフレーム10の結合は、ギャップ材を含んだ接着層70をパターニングして接着している。
エッチングで残された部分が加圧液室2bの隔壁2dとなる。また、このヘッドではエッチング幅を狭くする部分を設けて、これを流体抵抗部2aとした。
無機酸化物層の材料としてはSiO2、TiO2などが挙げられる。無機酸化物層はノズル形成部材とフッ素樹脂との密着性を上げるために設けられており、その厚みは1〜300Åが好ましく、さらに好ましくは10〜100Åである。ノズル形成部材が樹脂の場合には介在層として無機酸化物層を設けることにより、撥インク層の密着性向上効果が特に大きくなる。
無機酸化物層は、例えば、ノズル形成部材上に、SiO2をスパッタリング、あるいはディッピング等により薄膜を形成することで得られる。
特に好ましい例としては、変性パーフルオロポリオキセタン(ダイキン工業製オプツールDSX)を例示できる。この場合、膜厚としては1〜100Åが好ましく、さらに好ましくは1〜30Åである。
また、インクは温度検出センサを具備したヒータ80を用いて、30℃以上50℃以下に加温される。
本発明のインクジェット記録方法は、インクジェット記録方式による各種記録に適用することができ、例えば、インクジェット記録用プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、などに特に好適に適用することができる。
ノズル形成部材としてポリイミドフィルム(Du Pont製カプトン 粒子添加無し)を用い、スパッタリング法にて10ÅのSiO2層を形成後、真空蒸着法にて30Åの変性パーフルオロポリオキセタン(ダイキン工業製オプツールDSX)の撥インク層を形成し、ポリイミドフィルム側からエキシマレーザーでノズル孔加工を行ないノズル板Aを作製した。
ノズル板Aの作製で使用したノズル形成部材上に、スパッタリング法にて10ÅのSiO2層を形成後、ポリイミドフィルム側からエキシマレーザーでノズル孔加工を行なった。次いでノズル孔内部を水溶性樹脂でマスキングし、浸漬法にてフッ素系コーティング剤フロロサーフFG−5010(フロロテクノロジー社製)塗布して0.01μmの撥インク層を形成した。撥インク層塗布形成後、マスキング材を剥離除去し、120℃1時間加熱して撥インク層を形成し、ノズル板Bを作製した。
ノズル板Aの作製で使用したノズル形成部材上に、スパッタリング法にて10ÅのSiO2層を形成後、ポリイミドフィルム側からエキシマレーザーでノズル孔加工を行なった。次いでノズル孔内部を水溶性樹脂でマスキングし、スプレー法にてシリコーン樹脂(東レダウコーニングシリコーン社製SR2316)を塗布して約1.0μmの撥インク層を形成した。撥インク層塗布形成後、剥離除去し、120℃1時間加熱してノズル板Cを作製した。
ノズル板A〜Cを用いて、図4に示す構成のインクジェットヘッド(ヘッドA、ヘッドB、ヘッドC)を作製した。
ヘッドA〜Cの材料、無機酸化物層及び撥水層の構成を表1に示す。
攪拌機、還流冷却管及び温度計を挿入した反応容器に、ポリカーボネートジオール(1,6−ヘキサンジオールとジメチルカーボネートの反応生成物)1500g、2,2−ジメチロールプロピオン酸(DMPA)220g及びジプロピレングリコールジメチルエーテル(bp171℃)1347gを窒素気流下で仕込み、60℃に加熱してDMPAを溶解させた。
反応混合物を80℃まで冷却しこれにトリエチルアミン149gを添加・混合したものの中から4340gを抜き出して、強攪拌下のもと水5400g及びトリエチルアミン15gの混合溶液の中に加えた。
ついで氷1500gを投入し、35質量%の2−メチル−1,5−ペンタンジアミン水溶液626gを加えて鎖延長反応を行い、固形分濃度が30%となるように溶媒を留去し、シクロヘキサン成分を含むウレタン樹脂粒子A(ウレタン樹脂成分30%、水64%、ジプロピレングリコールジメチルエーテル6%)を得た。
ウレタン樹脂粒子Aの調製において、シクロヘキサン成分を含む、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートの代わりに、イソホロンジイソシアネートに変更した以外は同様にして、シクロヘキサン成分を含むウレタン樹脂粒子B(ウレタン樹脂成分30%、水64%、ジプロピレングリコールジメチルエーテル6%)を得た。
攪拌機、還流冷却管及び温度計を挿入した反応容器に、シクロヘキサン成分を含む、1,4−シクロヘキサンジオール1500g、2,2−ジメチロールプロピオン酸(DMPA)220g及びジプロピレングリコールジメチルエーテル(bp171℃)1347gを窒素気流下で仕込み、60℃に加熱してDMPAを溶解させた。
続いてヘキサメチレンジイソシアネートを1445g、ジブチルスズジラウリレート(触媒)を2.6g加え90℃まで加熱し、5時間かけてウレタン化反応を行い、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを得た。
ついで氷1500gを投入し、35質量%の2−メチル−1,5−ペンタンジアミン水溶液626gを加えて鎖延長反応を行い、固形分濃度が30%となるように溶媒を留去し、シクロヘキサン成分を含むウレタン樹脂粒子C(ウレタン樹脂成分30%、水64%、ジプロピレングリコールジメチルエーテル6%)を得た。
攪拌機、還流冷却管及び温度計を挿入した反応容器に、ポリカーボネートジオール(1,6−ヘキサンジオールとジメチルカーボネートの反応生成物)1500g、2,2−ジメチロールプロピオン酸(DMPA)220g及びジプロピレングリコールジメチルエーテル(bp171℃)1347gを窒素気流下で仕込み、60℃に加熱してDMPAを溶解させた。
続いてヘキサメチレンジイソシアネートを1445g、ジブチルスズジラウリレート(触媒)を2.6g加え90℃まで加熱し、5時間かけてウレタン化反応を行い、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを得た。
ついで氷1500gを投入し、35質量%の2−メチル−1,5−ペンタンジアミン水溶液626gを加えて鎖延長反応を行い、固形分濃度が30%となるように溶媒を留去し、シクロヘキサン成分を含まないウレタン樹脂粒子D(ウレタン樹脂成分30%、水64%、ジプロピレングリコールジメチルエーテル6%)を得た。
−ポリマー溶液Aの調製−
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管、及び滴下ロートを備えた1Lのフラスコ内を充分に窒素ガス置換した後、スチレン11.2g、アクリル酸2.8g、ラウリルメタクリレート12.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート4.0g、スチレンマクロマー4.0g、及びメルカプトエタノール0.4gを混合し65℃に昇温した。
次に、スチレン100.8g、アクリル酸25.2g、ラウリルメタクリレート108.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート36.0g、ヒドロキシルエチルメタクリレート60.0g、スチレンマクロマー36.0g、メルカプトエタノール3.6g、アゾビスメチルバレロニトリル2.4g、及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を、2.5時間かけて、フラスコ内に滴下した。滴下後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8g及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を0.5時間かけてフラスコ内に滴下した。
65℃で1時間熟成した後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8gを添加し、更に1時間熟成した。反応終了後、フラスコ内にメチルエチルケトン364gを添加し、濃度が50%のポリマー溶液Aを800g得た。
ポリマー溶液Aを28gと、カーボンブラック(デグサ社製、FW100)を42g、1mol/Lの水酸化カリウム水溶液13.6g、メチルエチルケトン20g、及び水13.6gを十分に攪拌した後、ロールミルを用いて混練した。得られたペーストを純水200gに投入し、充分に攪拌した後、エバポレータでメチルエチルケトン及び水を留去し、更に粗大粒子を除くためにこの分散液を平均孔径5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターで加圧濾過し、顔料固形分15%、固形分濃度20%のブラック顔料分散体を得た。
前記ブラック顔料分散体の調整で用いたカーボンブラックを以下に変更した以外は同様にして、マゼンタ、シアン、イエロー、オレンジ、グリーン顔料分散体をそれぞれ得た。
マゼンタ: Sun Chemical社製 Pigment Red 122
シアン:東洋インキ株式会社製 銅フタロシアニン顔料(C.I.ピグメント・ブルー15:4、商品名:LX4033)
イエロー:大日精化工業株式会社製 イエロー顔料(ピグメント・イエロー74、商品名:イエローNO.46)
表2〜4に示す処方に基づいて実施例1〜19、比較例1〜6のインクを作製した。
なお、表2〜5において「←」は「左の欄に同じ」を意味する。
また、実施例19のインクの界面活性剤については、以下の材料を用いてインクを作製した。
ドットチリは、テストパターンを目視観察した際のドットチリの程度により下記の評価基準で評価した。
(評価基準)
A : ドットチリ 未発生
B : 一部の箇所に、非常に僅かにドットチリが確認される
C : 画像の半分以上に、ドットチリが確認される
D : 画像全体に、ドットチリが確認される
評価結果を表5に示す。
2a 流体抵抗部
2b 加圧液室
2c 連通口
2d 隔壁
3a ノズル
5f 駆動部
5g 支持部(非駆動部)
6a 島状凸部
6b ダイヤフラム部
6c インク流入口
10 フレーム
20 流路板
30 ノズル板
31 無機酸化物層
32 撥インク層
40 ベース
50 積層圧電素子
60 振動板
70 接着層
80 温度検出センサを具備したヒータ
101 装置本体
102 給紙トレイ
103 排紙トレイ
104 インクカートリッジ装填部
105 操作部
111 上カバー
112 前カバーの前面
115 前カバー
131 ガイドロッド
132 ステー
133 キャリッジ
134 記録ヘッド
135 サブタンク
136 ノズル列
141 記録媒体載置部
142 記録媒体
143 給紙コロ
144 分離パッド
145 ガイド
151 搬送ベルト
152 カウンタローラ
153 搬送ガイド
154 押さえ部材
155 先端加圧コロ
156 帯電ローラ
157 搬送ローラ
158 テンションローラ
161 ガイド部材
171 分離爪
172 排紙ローラ
173 排紙コロ
181 両面給紙ユニット
182 手差し給紙部
200 インクカートリッジ(インク収容容器)
Claims (5)
- インクを収容したインク収容容器と、インクを吐出させるインクジェットヘッドとを有するインクジェット記録装置において、
前記インクジェットヘッドは、ノズル形成部材のインクを吐出する側の面に無機酸化物層及びフッ素を含有する撥インク層をこの順に有してなるノズル板を有し、
前記インクは、少なくとも水、色材、シクロヘキサン成分を含むウレタン樹脂粒子及びポリエーテル変性シリコーン化合物を含有し、
更に、インクをインクジェットヘッド内で加温する加熱手段を有しており、
前記加熱手段がインクを30℃以上50℃以下に加温する加熱手段である
ことを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記インクが、シリコーン−アクリル樹脂粒子を更に含有し、前記ウレタン樹脂粒子と前記シリコーン−アクリル樹脂粒子との比率が質量比で2/1〜10/1であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
- 前記ポリエーテル変性シリコーン化合物が、下記一般式(I)〜(IV)で示される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも一種からなることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
- インクをインクジェットヘッドのノズルから吐出、飛翔させ、記録媒体に付与して記録するインクジェット記録方法であって、請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録装置を用い、インクとして水、色材、シクロヘキサン成分を含むウレタン樹脂粒子、ポリエーテル変性シリコーン化合物を含有するインクを用い、記録媒体として非浸透記録媒体を用いることを特徴とするインクジェット記録方法。
- インクジェットヘッド内で、インクを30℃以上50℃以下に加温することを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録方法。
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