JP2006272853A - インクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】インクの増粘によるノズルの目詰まりを防止することのできるインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】 光を照射することによって硬化する光硬化型インクを記録媒体に向けて吐出させる記録ヘッド8と、記録ヘッド8の内部のインク温度を測定する温度センサ12と、温度センサ12の測定結果に基づいた頻度で記録ヘッド8に空吐出を行わせることを特徴とする制御部16と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図2
【解決手段】 光を照射することによって硬化する光硬化型インクを記録媒体に向けて吐出させる記録ヘッド8と、記録ヘッド8の内部のインク温度を測定する温度センサ12と、温度センサ12の測定結果に基づいた頻度で記録ヘッド8に空吐出を行わせることを特徴とする制御部16と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、インクジェット記録装置に係り、特に、光を照射することによって硬化する光硬化型のインクを用いて画像記録を行うインクジェット記録装置に関する。
一般に、様々な記録媒体に対して印刷を行うことのできる手段として、インクジェット方式によって画像記録を行うインクジェット記録装置が知られている。このようなインクジェット記録装置は、例えば、インクタンクからインク供給管を介して記録ヘッドにインクを供給し、供給されたインクを記録ヘッドに設けられたノズルから記録媒体に対して吐出させるものであり、記録媒体にインクを浸透若しくは定着させながら記録ヘッドと記録媒体とを相対的に移動させることによって、記録媒体に順次画像を記録するものである。このように、インクジェット記録装置は、従来のフレキソ印刷等のように製版工程を必要としないため少量の印刷にも簡易かつ迅速に対応することができ、需要に応じた印刷が可能であるという長所がある。
特に、近年は、紫外線などの光によって硬化する光硬化型インクなどの高粘度の産業用インクを用いて画像記録を行うインクジェット記録装置が知られている(特許文献1参照)。このような光硬化型インクを用いることにより、普通紙の他、インク吸収性のない樹脂フィルム等の記録媒体に対しても容易に高品質の印刷を行うことが可能となる。
しかし、このような高粘度の産業用インクを用いて画像記録を行う場合に、インクを高粘度のまま吐出させると、ノズル内に増粘したインクが付着して、目詰まりやノズル欠の発生が起こり得る。また、インクの温度が上昇しすぎると、ノズルから吐出される際にミスト状のインクミストとなって周囲に飛散することが起こり得る。このようにインクミストが飛散すると、記録媒体の正確な位置に着弾させることができない上に、インクミストが記録ヘッドのノズル面に付着するとノズルの目詰まりやインクの吐出曲がりの原因となるおそれもある。
そこで、メンテナンスとして記録ヘッドに空吐出を行わせてノズルの目詰まりを防止するインクジェット記録装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。このような装置を用いることにより、ノズル内に残留付着したインクの強制的な除去が可能であり、ノズルの目詰まりを有効に防止することができるようになっている。
また、温度などの条件によってインクの粘性が変動する特性を利用して、記録ヘッドにインクを加温するための発熱体を設けてインクを加温して、所望の粘度でインクを吐出することのできるインクジェット記録装置がある(例えば、特許文献3参照)。
特開2001−310454号公報
特公平1−60428号公報
特許2127077号公報
また、温度などの条件によってインクの粘性が変動する特性を利用して、記録ヘッドにインクを加温するための発熱体を設けてインクを加温して、所望の粘度でインクを吐出することのできるインクジェット記録装置がある(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、特許文献3に記載のようなインクジェット記録装置においては、画像記録の終了とともに発熱体による加温を停止させたとしても、光エネルギーに加えて熱エネルギーによってもインク硬化反応が起こる光硬化型インクを用いる場合、記録ヘッド内部のインクは既に加温されて増粘した状態となっている。そして、この状態のまま記録ヘッドからインクの吐出が行われないと、ノズル内に増粘したインクが付着して硬化反応が進行してしまいノズルの目詰まりが発生するおそれがあるという問題があった。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、インクの増粘によるノズルの目詰まりを防止することのできるインクジェット記録装置を提供することを目的とするものである。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、インクジェット記録装置において、
光を照射することによって硬化する光硬化型インクを記録媒体に向けて吐出させる記録ヘッドと、
前記記録ヘッドの内部のインク温度を測定する温度測定手段と、
前記温度測定手段の測定結果に基づいた頻度で前記記録ヘッドに空吐出を行わせることを特徴とする制御部と、
を備えることを特徴とする。
光を照射することによって硬化する光硬化型インクを記録媒体に向けて吐出させる記録ヘッドと、
前記記録ヘッドの内部のインク温度を測定する温度測定手段と、
前記温度測定手段の測定結果に基づいた頻度で前記記録ヘッドに空吐出を行わせることを特徴とする制御部と、
を備えることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、記録ヘッドの内部のインク温度を測定する温度測定手段の測定結果に基づいた頻度で、記録ヘッドにより空吐出が行われる。つまり、測定温度手段により測定したインク温度が高いほど、記録ヘッドから空吐出が高い頻度で行われる。従って、高温条件下で増粘された記録ヘッド内部のインクが空吐出により吐出されるとともに、記録ヘッドには新たにインクが供給されるので、ノズル内に増粘したインクが付着することを防止する。
ここで、空吐出の頻度は用いるインクの種類によっても異なるが、温度測定手段の測定結果により記録ヘッド内部のインク温度が45℃以上を示す場合は一分間に一回、35〜45℃を示す場合は五分間に一回の頻度で空吐出が行われる。
ここで、空吐出の頻度は用いるインクの種類によっても異なるが、温度測定手段の測定結果により記録ヘッド内部のインク温度が45℃以上を示す場合は一分間に一回、35〜45℃を示す場合は五分間に一回の頻度で空吐出が行われる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェット記録装置において、
前記制御部は、前記温度測定手段によって測定された温度が所定値以下になるまで一定頻度で前記記録ヘッドに空吐出を行わせることを特徴とする。
前記制御部は、前記温度測定手段によって測定された温度が所定値以下になるまで一定頻度で前記記録ヘッドに空吐出を行わせることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、温度測定手段によって測定された温度が所定値以下になるまで一定頻度で記録ヘッドに空吐出を行わせて加温されたインクを吐出させるとともに、記録ヘッドに新たにインクを供給させる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置において、
前記記録ヘッドの内部のインクを加温する加温手段を備えており、
前記制御部は、画像記録の際には画像信号に基づいて前記記録ヘッドによりインクを吐出させるとともに、前記加温手段により前記記録ヘッドの内部のインクを加温することを特徴とする。
前記記録ヘッドの内部のインクを加温する加温手段を備えており、
前記制御部は、画像記録の際には画像信号に基づいて前記記録ヘッドによりインクを吐出させるとともに、前記加温手段により前記記録ヘッドの内部のインクを加温することを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、画像記録の際には、加温手段により記録ヘッド内部のインクを均一に加温させてから、画像信号に基づいて記録ヘッドによりインクを吐出させる。従って、記録ヘッド内部のインクは加温手段により均一に加温されて一定の粘度で吐出されるので、インク粘度のバラツキを防止して高精細な画像記録を行うことができる。また、画像記録を行わない際には、温度測定手段による測定結果に基づいた頻度で記録ヘッドにより空吐出を行わせて内部のインクを交換させるようになっている。
ここで、用いるインクや記録媒体の種類など各種条件によって異なるが、加温手段は記録ヘッド内部のインクが、画像記録の際には50℃以上、画像記録を行わない際(例えば、シャットダウンやスタンバイ状態)には30℃以下となるように加温する。
ここで、用いるインクや記録媒体の種類など各種条件によって異なるが、加温手段は記録ヘッド内部のインクが、画像記録の際には50℃以上、画像記録を行わない際(例えば、シャットダウンやスタンバイ状態)には30℃以下となるように加温する。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記記録ヘッドを複数備えており、
前記制御部は、前記記録ヘッド毎の使用頻度に応じて空吐出を行わせることを特徴とする。
前記記録ヘッドを複数備えており、
前記制御部は、前記記録ヘッド毎の使用頻度に応じて空吐出を行わせることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、記録ヘッド毎の使用頻度に応じて空吐出を行わせるので、使用頻度の低い記録ヘッドほど空吐出を行わせて、内部のインクを交換させるようになっている。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において
前記記録ヘッドにはインクを吐出する複数のノズルが備えられており、
前記制御部は、前記ノズル毎の使用頻度に応じて空吐出を行わせることを特徴とする。
前記記録ヘッドにはインクを吐出する複数のノズルが備えられており、
前記制御部は、前記ノズル毎の使用頻度に応じて空吐出を行わせることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、ノズル毎の使用頻度に応じて空吐出を行わせるので、使用頻度の低いノズルほど空吐出を行わせて、該ノズル付近のインクを循環させるようになっている。従って、使用頻度の低いノズル内に増粘したインクが付着して硬化されることを防止する。
請求項1に記載の発明によれば、記録ヘッドは空吐出を行って内部のインクを交換させるので、記録ヘッド内部のインクが増粘されたまま吐出されずにノズル内に付着して硬化することを防止する。また、空吐出を少なくとも一回行うことによりノズル内に付着していたインクを確実に吐出させることができるので、ノズルの目詰まりを有効に防止して、高精細な画像記録を行うことができる。
特に、画像記録終了後には、前記空吐出を行わせて記録ヘッド内部のインクを交換させることにより、ノズルの目詰まりを防止するとともに記録ヘッド内部のインク温度を速やかに低下させることができるので、ノズル内におけるインクの超過加温によるインクの変質や硬化反応などの弊害を防止することができる。
特に、画像記録終了後には、前記空吐出を行わせて記録ヘッド内部のインクを交換させることにより、ノズルの目詰まりを防止するとともに記録ヘッド内部のインク温度を速やかに低下させることができるので、ノズル内におけるインクの超過加温によるインクの変質や硬化反応などの弊害を防止することができる。
請求項2に記載の発明によれば、温度測定手段によって測定された温度が所定値以下になるまで一定頻度で記録ヘッドに空吐出を行わせるので、簡易な構成で請求項1に記載の効果を得ることができる。
請求項3に記載の発明によれば、画像記録の際には加温手段によりインクを一定の粘度で吐出させて画像記録を行わせる光硬化型のインクジェット記録装置においても、記録ヘッド内部のインク温度に応じて空吐出を行わせて温度調整を行って請求項1又は2に記載の効果を得ることができる。
請求項4に記載の発明によれば、記録ヘッド毎の使用頻度に応じて空吐出を行わせて内部のインクを循環させるので、使用頻度の低い記録ヘッドにおいてもノズルの目詰まりを有効に防止して高精細な画像記録を行わせることができる。
請求項5に記載の発明によれば、ノズル毎の使用頻度に応じて空吐出を行わせて、使用頻度の低いノズルであっても増粘したインクが付着することはないので、ノズルの目詰まりを有効に防止して高精細な画像記録を行わせることができる。
以下に、本発明に係るインクジェット記録装置の実施形態について、図面を参照して説明する。ただし、発明の範囲を図示例に限定するものではない。
図1に示すように、本実施形態において、インクジェット記録装置1はシリアルプリント方式によるインクジェット記録装置1であり、このインクジェット記録装置1には平板状に形成され記録媒体を非記録面から支持するプラテン2が搬送方向Xに直交する方向に延在するように設けられている。
プラテン2の下方には、搬送方向に記録媒体Xを送るための搬送手段3(図4参照)が設けられている。搬送手段3は一対の搬送ローラ4,4などにより構成されており、搬送ローラ4を回転させることによって、記録媒体を搬送方向の上流側から下流側に間欠搬送するようになっている。
プラテン2の側方には、空吐出されたインクを受けるインク受け口(図示省略)が備えられている。プラテン2及び前記インク受け口の上方には、プラテン2の長手方向に延在する棒状のガイドレール5,5が設けられている。ガイドレール5には、キャリッジ6が支持されている。キャリッジ6には移動手段7(図4参照)が接続されており、ガイドレール5に沿って往復走査自在となっている。
図2に示すように、キャリッジ6には、本実施形態におけるインクジェット記録装置1で使用される各色(ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y))に対応した四つの記録ヘッド8…が搭載されている。各記録ヘッド8にはインクタンク(図示省略)がインク供給管(図示省略)によって接続されており、継続的にインクを供給されるようになっている。記録ヘッド8は外形が略直方体状になるように形成されており、その長手方向が搬送方向に沿って互いに平行となるように配置されている。
ここで、インクジェット記録装置1で使用されるインクの色はこれらに限定されず、例えば、ライトイエロー(LY)、ライトマゼンタ(LM)、ライトシアン(LC)などの色を使用することもできる。この場合には、各色に対応した記録ヘッドがキャリッジに搭載されることとなる。
ここで、インクジェット記録装置1で使用されるインクの色はこれらに限定されず、例えば、ライトイエロー(LY)、ライトマゼンタ(LM)、ライトシアン(LC)などの色を使用することもできる。この場合には、各色に対応した記録ヘッドがキャリッジに搭載されることとなる。
図3(a)には記録ヘッド8の側方からの透視図を示す。また、図3(b)には記録ヘッド8の底面図を示す。記録ヘッド8の記録媒体に対向する面には、図3(b)に示すような、平板状のノズル面9が備えられている。ノズル面9には、記録ヘッド8の内部のインクを吐出する複数のノズル10…が、ノズル面9の長手方向に沿って等間隔に設けられている。
それぞれの記録ヘッド8には、内部のインクを均一に加温するための加温手段としてヒータ11,11が設けられている。ヒータ11はそれぞれ記録ヘッド8の側面に沿って備えられており、発熱して内部のインクを加温するようになっている。また、ヒータ11は、電気信号に基づいてON/OFFの切換温度や設定温度の調整を行うようになっている。ここで、加温手段としては適宜変更可能であり、記録ヘッド8の内部のインクを均一に加温可能なものであれば、ヒータ11のような直接的な加温手段の他に、加温したインクを記録ヘッドに供給するような間接的な加温手段も適用可能である。
また、記録ヘッド8にはその内部のインクの温度を測定する温度測定手段としての温度センサ12が設けられている。記録ヘッド8の内部のインクは均一に加温されているので、温度センサ12の設けられる位置は特に限定されないが、インク温度の変動の影響が大きいノズル10の付近に配置されることが好ましい。
図2に示すように、キャリッジ6に搭載される記録ヘッド8の両側には、光照射装置としての紫外線照射装置13,13が配設されている。紫外線照射装置13には、記録媒体に吐出されたインクを硬化定着させる光としての紫外線を照射する光源14が備えられている。
本実施形態に用いられる「インク」は、光としての紫外線が照射されることにより硬化する性質を具備する光硬化型インクであり、主成分として、少なくとも重合性化合物(公知の重合性化合物を含む。)と、光開始剤と、色材とを含むものである。上記光硬化型インクは、重合性化合物としてラジカル重合性化合物を含むラジカル重合系インクとカチオン重合性化合物を含むカチオン重合系インクとに大別されるが、この両系のインクが本実施形態に用いられるインクとしてそれぞれ適用可能である。また、ラジカル重合系インクとカチオン重合系インクとを複合させたハイブリッド型インクを本実施形態に用いられるインクとして適用してもよい。しかしながら、酸素による重合反応の阻害作用が少ない又は無いカチオン重合系インクの方が機能性、汎用性に優れるため、特に、カチオン重合系インクを用いることが好ましい。カチオン重合系インクは、少なくともオキセタン化合物,エポキシ化合物,ビニルエーテル化合物等のカチオン重合性化合物と、光カチオン開始剤と、色材とを含む混合物である。
また、本実施形態に用いられる「記録媒体」は、普通紙、再生紙、合成紙、光沢紙等の各種紙、各種布地、各種不織布、樹脂、金属、ガラス等の種々の材質からなる記録媒体が適用可能である。また、記録媒体の形態としては、ロール状、カットシート状、板状等の各種形態が適用可能である。
次に、図4を参照しつつ、本実施形態におけるインクジェット記録装置1の制御構成について説明する。
図4に示すように、インクジェット記録装置1には、入力部15、温度センサ12、移動手段7、搬送手段3、記録ヘッド8、光源14、ヒータ11などに電気的に接続されるとともにこれらを制御する制御部16が設けられている。制御部16は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、各種の処理プログラムなどを格納するROM(Read Only Memory)、画像データなどの各種データなどを一時記憶するRAM(Random Access Memory)など(いずれも図示せず)からなり、ROMに記録された処理プログラムをRAMの作業領域に展開してCPUによりこの処理プログラムを実行するようになっている。ここで、ROMからRAMに一つの画像データが送られ、その画像データをCPUが実行する一連の流れを1ジョブとする。
入力部15は、例えばキーボードや操作パネルからなり、用いるインクの種類や種々の画像記録条件などを制御部16に入力するようになっている。ユーザは入力部15を操作することにより、ヒータ11によるインク加温温度や画像記録条件などを適宜設定することができるようになっている。ここで、制御部16は、操作者によるインク加温温度や画像記録条件などの選択がない場合は、入力された条件に基づいてこれらの値を設定することとしてもよい。
また、制御部16には温度センサ12が接続されており、温度センサ12によるインク温度の測定結果が送られるようになっている。
画像記録を開始させる際には、制御部16は、温度センサ12の測定結果が設定されたインク温度を示すまで、ヒータ11により記録ヘッド8の内部のインクを加温するようになっている。また、制御部16は、記録媒体を搬送方向Xに所定量ずつ間欠搬送させるとともに、記録媒体に対して紫外線を照射するように光源14を点灯させるようになっている。
画像記録の際には、制御部16は、記録媒体の間欠搬送に伴ってキャリッジ6を往復走査させるように移動手段7を制御するようになっている。また、制御部16はキャリッジ6を移動させながら、図示しない外部装置から送られてきた画像データに基づいてノズル10からインクを吐出させるように各記録ヘッド8を制御するようになっている。さらに、制御部16は、画像記録の間も記録ヘッド8の内部のインクを均一に加温するようにヒータ11を制御している。ここで、好適なインク加温温度は用いるインクなどによっても異なるが、具体的な値としては、画像記録の際には50℃以上、画像記録を行わない際(シャットダウンやスタンバイ状態)には30℃以下である。
1ジョブの画像記録が終了した際には、制御部16は、1ジョブの画像記録を行う際に一度も用いなかった記録ヘッド8又はノズル10がある場合、その記録ヘッド8又はノズル10に空吐出を行わせてメンテナンスを行わせるように制御している。具体的には、移動手段7によりキャリッジ6を移動させて記録ヘッド8をインク受け口に対向させてから、温度センサ12の測定結果に基づいた一定の頻度で記録ヘッド8に空吐出させるようになっている。
また、全ての画像記録が終了した際には、制御部16は、ヒータ11の加温を停止させるとともに、温度センサ12の測定結果が所定値以下になるまで記録ヘッド8による空吐出を行わせるように制御している。ここで、行わせる空吐出の頻度は用いるインクの種類によっても異なるが、温度センサ12の測定結果が45℃以上の場合は一分間に一回、35〜45℃の場合は五分間に一回の頻度で空吐出を行わせるようになっている。
ここで、記録ヘッド8のメンテナンスは1ジョブの画像記録が終了する度に行うものとしたが、ノズル10のインク不吐出を検出する機構を備え、インク不吐出が検出された際にのみインク不吐出が検知された記録ヘッド8により空吐出を適宜行わせるように制御してもよい。また、メンテナンスの際には記録ヘッド8の空吐出に加えてノズル面9の拭き取りなどを行って付着したインクを除去することとしてもよい。
次に、本実施形態の作用について説明する。
図示しない外部装置から入力された画像データがインクジェット記録装置1に送られると、送られた画像データは制御部16のRAMに記憶される。そして、ユーザにより入力部15からインクの加温温度及び画像記録条件などが入力されると、制御部16は、入力された情報や各種の条件に適合するように、ヒータ11によるインク加温温度を決定してインクの加温を開始させる。その後、制御部16は、記録ヘッド8の内部のインクが50℃以上に加温されたことを温度センサ12の測定結果により確認してから、画像記録を開始させる。
まず、制御部16は、搬送手段3を制御することにより記録媒体を記録開始位置まで搬送させる。続いて制御部16は、移動手段7を制御することによりキャリッジ6を記録媒体に対向させながらガイドレール5に沿って移動させる。すると、キャリッジ6に追従して記録ヘッド8が移動されるので、制御部16は、記録ヘッド8のノズル10から所定量のインク液滴を吐出させ記録媒体に着弾させる。また、キャリッジ6に追従して紫外線照射装置13も移動されるので、制御部16は光源14を点灯させて紫外線を照射させる。このようにして、記録媒体に着弾したインクに光源14から光エネルギーが付与されて、記録媒体に着弾したインクが硬化して画像が記録される。
このようにキャリッジ6が往復移動して画像が記録されると、一旦キャリッジ6は移動を停止して、搬送手段3は記録媒体を所定量搬送する。その後、引き続きキャリッジ6の往復移動に伴う記録ヘッド8による画像記録と、記録媒体の搬送と、を繰り返して1ジョブの画像記録を終了させる。
画像記録が終了すると、キャリッジ6は記録ヘッド8がインク受け口に対向する位置に移動する。記録ヘッド8がインク受け口に対向すると、制御部16は記録ヘッド8に空吐出を行わせて、加温されたインクを一定頻度で吐出させるようになっている。つまり、画像記録が終了してから温度センサ12の測定結果が45℃より低い温度を示すまでは一分間に一回の頻度で空吐出させ、温度センサ12の測定結果が45℃から35℃の範囲の温度を示す際には五分間に一回の頻度で空吐出させる。そして、加温されたインクが吐出されると同時に、記録ヘッド8には新たに加温されていないインクが図示しないインクタンクから供給される。従って、記録ヘッド8の内部のインクが交換され、内部に留まってインクが超過加温されることが防止される。また、加温されたインクは増粘しているが、前記空吐出を行うことによりノズル10の内部に増粘したインクが残ることを防止する。
ここで、制御部16は画像記録終了の際には全ての記録ヘッド8に空吐出を行わせるものとしたが、1ジョブの画像記録の際に用いられなかった記録ヘッド8又はノズル10にのみ空吐出を行わせるものとしてもよい。
以上のように、本実施形態によれば、記録ヘッド8は内部のインク温度に基づいた頻度で空吐出を行うことにより、増粘されたインクを吐出させるとともに新たにインクを供給されるので、記録ヘッド8の内部のインクを交換させることができる。また、少なくとも一回空吐出を行うことによって、記録ヘッド8の内部のインクが増粘されたまま吐出されずにノズル内に付着して硬化することを防止することができる。また、記録ヘッド8の内部のインクが超過加温されることはなく、インクの変質などを有効に防止することができ、高精細な画像記録を行わせることができる。
特に、画像記録終了後には、温度センサ12による測定結果が所定の温度(35℃)以下になるまで記録ヘッド8に空吐出を行わせるので、記録ヘッド8の内部のインク温度を速やかに低下させることができるので、ノズル内でインクが硬化するのを未然に防ぐことができる。
特に、画像記録終了後には、温度センサ12による測定結果が所定の温度(35℃)以下になるまで記録ヘッド8に空吐出を行わせるので、記録ヘッド8の内部のインク温度を速やかに低下させることができるので、ノズル内でインクが硬化するのを未然に防ぐことができる。
また、画像記録の際にはヒータ11によりインクを加温させてから一定の粘度で吐出させて画像記録を行わせることも可能である。さらに、記録ヘッド8やノズル10ごとの使用頻度に応じて空吐出を行わせて内部のインクを変動させるので、使用頻度の低い記録ヘッド8やノズル10においてもノズルの目詰まりを有効に防止して高精細な画像記録を行わせることができる。
なお、本実施形態においてはキャリッジ6の両側に紫外線照射装置13を備えて往復走査させながら画像記録を行うものとしたが、キャリッジ6の一端側にのみ紫外線照射装置13を備えて片方向の走査の際にのみ画像記録を行うものとしてもよい。また、インクジェット記録装置1はシリアルプリント方式のものとしたが、記録媒体の幅方向に延在する記録ヘッドを用いるラインプリント式のインクジェット記録装置にも適用可能である。
1 インクジェット記録装置
3 搬送手段
4 搬送ローラ
7 移動手段
8 記録ヘッド
10 ノズル
11 ヒータ
12 温度センサ
13 紫外線照射装置
14 光源
16 制御部
3 搬送手段
4 搬送ローラ
7 移動手段
8 記録ヘッド
10 ノズル
11 ヒータ
12 温度センサ
13 紫外線照射装置
14 光源
16 制御部
Claims (5)
- 光を照射することによって硬化する光硬化型インクを記録媒体に向けて吐出させる記録ヘッドと、
前記記録ヘッドの内部のインク温度を測定する温度測定手段と、
前記温度測定手段の測定結果に基づいた頻度で前記記録ヘッドに空吐出を行わせることを特徴とする制御部と、
を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 請求項1に記載のインクジェット記録装置において、
前記制御部は、前記温度測定手段によって測定された温度が所定値以下になるまで一定頻度で前記記録ヘッドに空吐出を行わせることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置において、
前記記録ヘッドの内部のインクを加温する加温手段を備えており、
前記制御部は、画像記録の際には画像信号に基づいて前記記録ヘッドによりインクを吐出させるとともに、前記加温手段により前記記録ヘッドの内部のインクを加温することを特徴とするインクジェット記録装置。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記記録ヘッドを複数備えており、
前記制御部は、前記記録ヘッド毎の使用頻度に応じて空吐出を行わせることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において
前記記録ヘッドにはインクを吐出する複数のノズルが備えられており、
前記制御部は、前記ノズル毎の使用頻度に応じて空吐出を行わせることを特徴とするインクジェット記録装置。
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