JP2014008633A - 高密度液体吐出ヘッド及び画像形成装置 - Google Patents

高密度液体吐出ヘッド及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】インク吸引動作等によるメンテナンス頻度を低減するため、空吐出にてリフレッシュさせ、早期に正常吐出できる高密度液体吐出ヘッド及び画像形成装置を提供すること。
【解決手段】駆動制御は、印字開始前にノズル6からインクが吐出しない条件で駆動電圧波形を圧電素子8に印加することにより、圧電素子8を発熱させると同時に自己発熱して、液室2内のインク温度を所定以上の温度とする液室2の予備加熱工程と、液室2内の液体(インク)が印字のための適温になるまで液室2内のインクをノズルから空吐出をさせる空吐出工程と、液室2内の液体(インク)が印字のための適温になったときにノズル6から液体(インク)を吐出させて印字動作を開始する印字工程と、を有する。
【選択図】 図7

Description

本発明は、プリンタ、複写装置、ファクシミリ装置等に用いられる高密度液体吐出ヘッド及び画像形成装置に関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、プリンタ/ファクシミリ/複写機の複合機などの各種画像形成装置において、記録液を吐出する液体吐出ヘッドを搭載し、被記録媒体に画像を形成する液体吐出装置を備えたものが知られている。なお、液体吐出装置は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の被記録媒体(記録媒体、転写紙、用紙などとも称され、これらは材質にかかわらず、同義語として使用する。)に液体を吐出する装置を意味し、また、「記録」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を被記録媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を被記録媒体に付与することをも意味し、画像形成、印写、印字、印刷も同義語で使用する。
液体吐出ヘッドとしての例えばインクジェットヘッドとしては、液室内の液体であるインクを加圧する圧力を発生するための圧力発生手段として圧電体を積層あるいは薄膜状に形成したヘッドや発熱素子を有したヘッドなどが知られている。
このインクジェットヘッドにおいて、使用する環境温度変化によってインクの粘度が変化すると十分な吐出を行えない事態が生じることがある。
このような場合、インク吐出が精度良く行われず、画像品質が低下することになる。
特に冬期の早朝など、低温環境でインクジェットプリンタを使用する場合には、使用開始からしばらくの間は十分なインク吐出が行えない場合がある。
このような問題のため、特許文献1(特開2005-254463号公報)において、インクジェットプリンタのヘッド近傍にヒータ等の加熱手段を設ける提案がされている。
しかし、このように新たな加熱手段を設けると、ヘッド近傍の部品点数が増加し、構成が複雑化してしまう。また、ヘッドの液体収容室内のインクを広範囲に加熱制御することが難しく、加熱制御する際の効率が悪いなど、上述したヒータによる加熱制御を用いても、ヘッドの温度を均一に保つことは極めて難しい。
これらの課題を解決する手段として、特許文献2(特開平11-138798号公報)ではピエゾ素子にインクを吐出しない条件で加熱用信号を加えることで、ピエゾ素子の発熱を利用して加熱するとともに、温度検出手段を搭載することで、微妙な温度調整をすることが提案されている。新たな加熱手段を設けていないことから構成は簡素化でき、温度制御も可能となる。
しかし、実際の使用環境下においては、使用環境温度による粘度変化だけではなく、所定の期間と吐出していないノズル部ではインク表面(以下、メニスカスと言う)が乾燥し、局部的な粘度上昇が発生してしまう。この局部的な粘度上昇が発生した場合は、非印字領域以外で空吐出を実施する等のメンテナンス動作が行われている。従来、空吐出を実施しても吐出特性に不具合が生じる場合が多く、ノズル面からのインク吸引等の動作を実施することで復帰させる必要がでてくるため、インク廃棄量が極端に多くなってしまうため、空吐出動作で復帰できることが望ましい。
ここで、特に薄膜状の圧電素子をアクチュエータとするインクジェットヘッドは、アクチュエータの変形力が小さいため低温域での粘度上昇に加え、メニスカス乾燥が多くなると、加熱信号を印加して多少温度を上昇させたとしても空吐出動作を実施しても、正常吐出させるまでの復帰が出来ないことがあり、インク吸引動作によるメンテナンス動作を実施することが必要となってくる。
本発明は、インク吸引動作等によるメンテナンス頻度を低減するため、空吐出にてリフレッシュさせ、早期に正常吐出できる高密度液体吐出ヘッド及び画像形成装置を提供することを目的とする。
この目的を達成するため、この発明は、 複数の液室が設けられたアクチュエータ基板と、
前記複数の液室からインクを吐出する複数のノズルと、
前記液室の上部を閉成する薄膜状の振動板および前記振動板上に設けられた薄膜状の圧電素子を有し、且つ、前記圧電素子で前記振動板を振動させることにより、前記液室内のインクを加圧する薄膜状のアクチュエータと、前記アクチュエータ基板上に設けられていると共に前記圧電素子を駆動制御させる駆動用ICと、前記液室内の温度を検出するヘッド温度検出素子と、を備え、前記駆動用ICが前記ヘッド温度検出素子からの検出温度信号に基づいて前記圧電素子を駆動制御することにより、前記圧電素子および前記駆動用ICは前記圧電素子の駆動制御時にそれぞれ発熱して前記液室内のインク温度を上昇させることができる高密度液体吐出ヘッドであって、前記駆動制御は、印字開始前に前記ノズルからインクが吐出しない条件で駆動電圧波形を前記圧電素子に印加することにより、前記圧電素子を発熱させると同時に自己発熱して、前記液室内のインク温度を所定以上の温度とする前記液室の予備加熱工程と、前記液室内の液体が印字のための適温になるまで前記液室内のインクを前記ノズルから空吐出をさせる空吐出工程と、前記液室内の液体が印字のための適温になったときに前記ノズルから前記液体を吐出させて印字動作を開始する印字工程と、有することを特徴とする。また、この発明に係る画像形成装置は上記高密度液体吐出ヘッドを搭載している。
この構成によれば、インク吸引動作等によるメンテナンス頻度を低減するため、空吐出にてリフレッシュさせ、早期に正常吐出できる。
この発明に係る高密度液体吐出ヘッドをノズル列が2列のインクジェットヘッドに適用した実施例の断面図である。 図1のフレーム,振動板及びFPCを省略したインクジェットヘッドの平面図である。 図1の上フレームを省略したインクジェットヘッドの平面図である。 図1のA1−A1線に沿う断面図である。 図1のA2−A2線に沿う断面図である。 図1のA3−A3線に沿う断面図である。 図1のフレームを省略したインクジェットヘッドの平面図である。 印字開始前のノズル部(ノズル)のメンテナンス動作制御を示す説明図である。 この発明の高密度液体吐出ヘッドの他の例を示す断面図である。 この発明に係る高密度液体吐出ヘッド(インクジェットヘッド)を適用した実施例3の画像形成装置の概略説明図である。 図9の高密度液体吐出ヘッド(インクジェットヘッド)と操作方向の関係を示す概略平面図である。 図10ヘッドコントローラと温度検出素子等の関係を示す回路図である。 図11のヘッドコントローラにる印字制御のフローチャートである。
本発明に係る高密度液体吐出ヘッドの実施例1を図1〜図7に基づいて以下に説明する。
[構成]
A.基本構成
図1はこの発明に係る高密度液体吐出ヘッドをノズル列が2列のインクジェットヘッドに適用した実施例の断面図である。図2は、図1のフレーム,振動板及びFPCを省略したインクジェットヘッドの平面図である。図2Aは、図1の上フレームを省略したインクジェットヘッドの平面図である。図3は図1のA1−A1線に沿う断面図、図4は図1のA2−A2線に沿う断面図、図5は図1のA3−A3線に沿う断面図である。また、図6は図1のフレームを省略したインクジェットヘッドの平面図である。
この実施例1の構成はノズル列が2列のインクジェットヘッドに適用した例で説明するが、本発明は2列より多いノズル列を有するインクジェットヘッドへも同様に適用できる。
図1において、1はガラスや薄い金属板の積層体、シリコン基板等で作成されたアクチュエータ基板である。このアクチュエータ基板1は、好ましくはシリコン基板で作製すると良い。このアクチュエータ基板1がシリコン基板等で作成されている場合、複数の液室2はシリコン基板をエッチング処理することにより形成できる。
このアクチュエータ基板1には、図1に示したように両面(図1のアクチュエータ基板1の上面および下面)に開放する液室(個別液室)2が複数形成されている。この各液室2は、図2に示したようにアクチュエータ基板1の短手方向(図2の左右方向)に直線状に細長く延びている。
この複数の液室2は、図2,図3に示したようにアクチュエータ基板1の長手方向(図2の上下方向、図3の左右方向)に等ピッチで直線状に配列された第1液室列Lq1と、図2,図4に示したようにアクチュエータ基板1の長手方向(図2の上下方向、図4の左右方向)に等ピッチで直線状に配列された第2液室列Lq2を構成している。しかも、この第1,第2液室列Lq1,Lq2は、アクチュエータ基板1の短手方向(図2の左右方向)に向けて2列に配列(短手方向に並設)されている。ここで、アクチュエータ基板1の短手方向の側縁部を図1,図2に示したように1a,1bとする。
このアクチュエータ基板1の各側縁部1a,1bには、第1,第2液室列Lq1,Lq2の各液室2にそれぞれ対応し且つアクチュエータ基板1の両面に開口する複数の個別流路3がそれぞれ形成されている。また、この側縁部1a,1bには、アクチュエータ基板1の一面側に開放し且つ各個別流路3と各液室2をそれぞれ連通させる複数の切欠状の個別連通路4が形成されている。
尚、第1液室列Lq1側の個別連通路4と第2液室列Lq2側の個別連通路4は、第1液室列Lq1の細長い液室2と第2液室列Lq2の細長い液室2の互いに反対側の部分に連通している。
この個別連通路4は、小断面積に形成されていて、個別流路3から液室2に流れる液体の流量を制限するようになっている。尚、アクチュエータ基板1がシリコン基板等で作成されている場合には、液室2,個別流路3および個別連通路4等はエッチングにより形成できる。
(ノズル板5、ノズル6)
各液室2,個別流路3および個別連通路4は、図1に示したように、アクチュエータ基板1の一面側(図1の下面側)への開放端がアクチュエータ基板1の一面に接合(固着)されたノズル板5で閉成されている。
このノズル板5は樹脂又は金属材料から形成され、このノズル板5には図1,図3,図4に示したように、各液室2にそれぞれ連通する複数のノズル6がノズル部として形成されている。この複数のノズル6は、図2に示すように、アクチュエータ基板1の短手方向(図2の左右方向)に向けて2列に配列されていて、短手方向に並設された2列の第1,第2ノズル列Nz1,Nz2を構成(形成)している。
この第1ノズル列Nz1のノズル6と第2ノズル列Nz2のノズル6は、図1,図2に示したように、第1液室列Lq1と第2液室列Lq2の隣接側に位置させられている。即ち、第1ノズル列Nz1のノズル6と第2ノズル列Nz2のノズル6は、第1液室列Lq1の液室2と第2液室列Lq2の液室2の互いに隣接する側の端部に連通している。
(振動板7)
また、本実施例では、液室2のアクチュエータ基板1の他面側端部は、アクチュエータ基板1の他面に設けられた薄膜状の振動板7で閉成されている。この振動板7は、SOI(Silicon On Insurator)基板のSiO2層から形成されている。また、アクチュエータ基板1が上述したようにガラスや薄い金属板の積層体の支持基板で形成されている場合、アクチュエータ基板1と別体のSOI基板をアクチュエータ基板1に接合又は固着して貼り合わせ、このSOI基板を薄膜状に研磨することにより、薄膜状のSOI基板を振動板7とすることができる。
また、アクチュエータ基板1が上述したようにシリコン基板等で作成されている場合にも、アクチュエータ基板1と別体のSOI基板をアクチュエータ基板1に接合又は固着して貼り合わせ、このSOI基板を薄膜状に研磨することにより、薄膜状のSOI基板を振動板7とすることができる。
尚、アクチュエータ基板1が上述したようにシリコン基板等で作成されている場合、シリコン基板の一面に薄膜状のSiO2層を形成することにより、シリコン基板のSiO2層が形成されていない部分をアクチュエータ基板本体(支持基板)とすることもできる。このアクチュエータ基板本体は図1ではアクチュエータ基板1となる。
そして、このシリコン基板に他面側からエッチング処理を施して複数の液室2を形成する際、SiO2層をエッチングストップ層として使うことができる。そして、この液室2を形成することにより、薄膜状のSiO2層を図1の振動板7としてシリコン基板の一面に形成できる。このように振動板7をSiN(Si02)などで成膜した薄膜振動板にすることにより、SOI基板より安価になるので、コストダウンを図ることができる。尚、アクチュエータ基板1をシリコン基板から形成した場合には、振動板7をアクチュエータ基板1と一体に形成することもできる。
尚、この振動板7には、図1に示したように、個別流路3に対応して個別流路3に一致する連通路7pが形成されている。
(圧電素子8、配線)
また、図1に示したように、振動板7の液室2と反対側の面には、スパッタリングやゾルゲル(sol-gel)法などの加工方法によって形成された薄膜PZT[即ちPb(ZrTi)O3]が薄膜状の圧電素子(薄膜状圧電素子)8として設けられている。ただし、ここでは薄膜状の圧電素子(薄膜状圧電素子)8を薄膜PZTから形成しているが、圧電素子8はPZT以外の圧電素子でも良い。
この圧電素子8は、交流電圧が印加されることで膨張・収縮して振動板7を振動させて、この振動板7により液室2に圧力を作用させるので、振動板7と共にアクチュエータを構成している。また、複数の圧電素子8は、図5,図6に示したように、直線状に2列に配列されていて、2列の第1,第2圧電素子列Pz1,Pz2を構成(形成)している。ここで、図6において、7a,7bは振動板7における第1,第2圧電素子列Pz1,Pz2の並設方向の互いに反対の側縁部、7cは振動板7における第1,第2圧電素子列Pz1,Pz2の延びる方向の端部である。
この振動板7の液室2と反対側の面には、図6に示したように、側縁部7aおよび端部7cに沿って延びる第1Com配線(即ち第1Comパターン配線)9と、側縁部7b及び端部7cに沿って延びる第2Com配線(即ち第2Comパターン配線)10がエッチング等により形成されている。そして、第1圧電素子列Pz1の各圧電素子8は第1Com配線9に接続され、第2圧電素子列Pz2の各圧電素子8は第2Com配線10に接続されている。
また、振動板7の端部7cには、第1Com配線9から分岐する入力端子9a,第2Com配線10から分岐する入力端子10a形成されている。更に、振動板7の端部7cには、第1Com配線9と第2Com配線10との間に位置させてVcom配線11,12が形成されていると共にVcom配線11,12から分岐する複数の入力端子11a,12aが形成されている。また、振動板7の端部7cには、入力端子11a,12a間に位置させた複数の入力端子13が形成されている。
上述した複数の液室2,ノズル6および圧電素子(薄膜状圧電素子)8は図1,図3,図4に示したように対応するものが符号を省略した液吐出ヘッド部(液吐出部)を構成している。この液吐出ヘッド部は、各液室2に対応して複数設けられていると共に、直線状に2列に配列されていて、2列の第1,第2の液吐出ヘッド部列(符号省略)を構成(形成)している。
(下フレーム板14)
また、図1,図3,図4に示したように、振動板7上には下フレーム板(サブフレーム)14が接合(固着)されている。この下フレーム板14には、第1,第2圧電素子列Pz1,Pz2の各圧電素子8にそれぞれ臨む振動許容凹部14aが複数形成されている。この複数の振動許容凹部14aは、直線状で細長い液室2と同形状で、各液室2と一致して重なるように設けられている。
下フレーム板14には、図1,図2Aに示したように、第1,第2圧電素子列Pz1,Pz2間に位置して上下面に開口する配設空間14bが形成され、配設空間14b内には振動板7上に固定した駆動用IC15が制御装置(制御部、制御回路)として配設されている。この駆動用IC15は、アンダーフィル剤15aにより封止されていて、裏面側が他部品と接触することのない状態となっている。
この駆動用IC15は、振動板7上の圧電素子8を駆動制御するように各圧電素子8の一端に配線接続されていると共に、入力端子11a,12a,13に配線接続されている。
(上フレーム板16)
更に、図1に示したように、下フレーム板14上には上フレーム板(上フレーム)16が接合(固着)されている。この下フレーム板14と上フレーム板16の互いに反対側の側縁部には、図1に示したように、下フレーム板14と上フレーム板16に跨って形成され且つ第1,第2圧電素子列Pz1,Pz2の互いに反対側の側方に位置する第1,第2共通液室17a,17bがそれぞれ形成されている。この第1,第2共通液室17a,17bは、図2Aに示したように、個別流路3の配列方向に沿って延びている。また、この上フレーム板16の第1,第2圧電素子列Pz1,Pz2に対応する部分には、図1に示したように、第1,第2共通液室17a,17bにそれぞれ連通する供給口16a,16bが形成されている。尚、この供給口16a,16bは、例えば、第1,第2圧電素子列Pz1,Pz2の延びる方向の略中央又は端部側に位置させて上フレーム板16に設けられる。
(ボンデイング部)
ノズル板5は各第1,第2ノズル列Nz1,Nz2の延びる方向(即ち各第1,第2ノズル列Nz1,Nz2のノズル6の配列方向)の寸法がアクチュエータ基板1の寸法よりも大きく形成されている。これにより、ノズル板5の各第1,第2ノズル列Nz1,Nz2の延びる方向の両端側には、図2〜図6に示したように、アクチュエータ基板1の端から突出する延設部5a(他方図示せず)が突出端部として形成されている。
この延設部5a上には、配線接続用のFPC(フレキシブル配線基板)18の配線端部18aが配設されている。この配線端部18aの表面には複数の配線端子19が並設されている。また、図3,図4に示したように、配線端部18aの裏面には裏打ち板20が固着されている。この裏打ち板20を延設部5aに固着することにより、FPC18の配線端部18aが延設部5a上に取り付けられている。
この配線端部18aの複数の配線端子19は、振動板7に設けた複数の入力端子11a,12a,13にボンデイングワイヤ21によりそれぞれボンデイング接続(ワイヤボンディング)されている。
(温度検出素子)
また、高密度液体吐出ヘッドには、図2A,図5に示したように液室(個別液室)2のインク温度を検出させるサーミスタ等の温度検出素子(ヘッド温度検出素子)22が設けられる。この温度検出素子22は、液室(個別液室)2内のインク温度を精度良く検出することが望まれる。このため、温度検出素子22は、液室(個別液室)2に隣接しているノズル板5やアクチュエータ基板1或いはアクチュエータ基板1の振動板7の上に設ける。
本実施例では、温度検出素子22は、駆動用IC15に隣接して振動板7の上面に設けている。この温度検出素子22からの温度検出信号は駆動用IC15に入力されるようになっている。
[作用]
次に、このような構成の高密度液体吐出ヘッドであるインクジェットヘッドの他の構成条件や作用を説明する。
(i).印字開始前のノズル部(ノズル)のメンテナンス動作制御(印字前のノズル部(ノズル6)におけるメニスカス部のインク空吐出制御)
上記記載の通り、液体を吐出する複数のノズル6と、このノズル6が連通する液室2と、この液室2内の液体を加圧する圧力を発生させるためのアクチュエータ(振動板7と圧電素子8)と温度検出素子22を有する高密度液体吐出ヘッドにおいて、アクチュエータ(振動板7と圧電素子8)はアクチュエータ基板1上に薄膜状に形成されている。また、このアクチュエータ基板1上に駆動用IC15を実装している。そして、圧電素子8の駆動時には、圧電素子8と駆動用IC15が発熱するため、発熱密度が高い構成であるとともにアクチュエータが基板1を通じて液室2内のインクに熱が伝わりやすい構成としている。
ただし、通常印字時は吐出されるインクにより排熱されるため、ヘッドの温度上昇を抑えることができる。
特に低温低湿度環境下で一定時間吐出されないノズル部(ノズル6)においては、メニスカス部で局部的な乾燥が起こりやすく、低温環境下ではインクの粘度が上昇するため、駆動力の弱い薄膜状の圧電素子8では大きな変位量を確保することが出来ない。このため、圧電素子8の駆動波形(振動波形)に液室2(個別液室)の共振駆動波形を利用しても、空吐出(正常にメンテナンス動作)することが困難となる。尚、メニスカス部は、ノズル6内のインクの先端が表面張力等によって凹んだり凸状に盛り上がったりする部分を言う。
ここでは、ノズル部(ノズル6)の空吐出前の予備加熱として、インクが吐出されない条件で駆動電圧波形を駆動用IC15から圧電素子8に印加することで、インクによる排熱が起こらないため、液室2(個別液室)内のインク温度は上昇する。
即ち、駆動用IC15に印字のための駆動電力が図示しない制御回路からFPC18を介して供給されると、駆動用IC15は圧電素子8に電圧を印加して圧電素子8を発熱させると共に自己発熱を開始する。この際、温度検出素子22から温度検出信号が駆動用IC15に入力される。
この状態で、図7に示したように駆動用IC15は、ノズル部(ノズル6)の空吐出前に、時間t1の環境温度X1から設定された印字温度(印字開始温度X2)よりも高い予備加熱温度X3になる時間t2まで液室2(個別液室)内のインク温度を上昇させる。そして、駆動用IC15は、温度検出素子22からの温度検出信号から液室2(個別液室)内のインク温度が予備加熱温度X3になったのを検知すると、圧電素子8を振動(作動)させて、ノズル部(ノズル6)の空吐出を行わせる。これにより、ノズル部(ノズル6)からインクが吐出されて、液室2(個別液室)内の熱がインクと共に廃熱されて液室2内の温度が低下する。この液室2内の温度が時間t3で印字温度(印字開始温度X2)になると、駆動用IC15は印字を開始する。
このようにインクの空吐出動作を実施することで、ノズル部(ノズル6)におけるインク粘度は低下し、ノズル部(ノズル6)の乾燥したメニスカス部の振動も得られるため、空吐出が可能となる。
この空吐出による排熱で液室2(個別液室内)のインク温度は低下する。ここでの特徴としては、本ヘッド構成が発熱密度は高いが、各ノズル部(ノズル6)の熱容量は小さいため、ノズル部(ノズル6)からのインク排熱により急激に温度低下させることで、迅速にメニスカス部のインクの粘性を低くし且つ迅速に印字温度(印字開始温度X2)にできることにある。
このように液室2(個別液室内)の温度が所定以下の温度に早く戻ることから、メンテナンス動作時に印字動作までの開始時間を短縮することが出来るようになる。
空吐出波形としては、液室2(個別液室内)の共振周期と合わせることでメニスカス振動を大きくすることが出来、安定して空吐出することができるようになる。
本構成のように2列のノズル列に対して列間に駆動用IC15をアクチュエータがアクチュエータ基板1上に実装していることから、駆動用IC15の発熱をノズル列方向に均一に伝えることが出来、液室2(個別液室内)内のインクを予備加熱時に効率よく加熱することが出来る。
駆動用IC15は、アクチュエータ基板1上にフリップチップ実装されており、図1のアンダーフィル剤15aにより封止されている。駆動用IC15の裏面側は他部品と接触することなく、中空状態の構成となっている。
このため、駆動用IC15で発生する熱は、効率よくアクチュエータ基板1に伝わる構成となっており、印字時にはインクによる排熱が効率よく行われ、予備加熱時には効率よく液室2(個別液室)内のインク温度を高くする効果を有している。
(ii).駆動用IC15による圧電素子8の駆動電圧波形周期すなわち圧電素子8の駆動波形(振動波形)の制御
上記構成において圧電素子8の駆動波形(振動波形)等について説明する。
2列のノズル列間に駆動用IC15を実装しているため、FPC18の接続端子はヘッドの短手方向に引き出す構成となる。つまり、図2Aに示すとおり、圧電素子8への充放電時に流れる電流は第1,第2Com配線9,10、Vcom配線11,12に集結され、駆動チャネル(ノズル)分だけの電流が流れることになる
ここで、予備加熱および空吐出等すべてのチャネル(ノズル)を連続して駆動すると、圧電素子8への充放電時にアクチュエータ基板1上の第1,第2Com配線9,10、Vcom配線11,12に流れる電流が非常に大きくなる。このため、エレクトロマイグレーション等の問題を解決するため、配線の断面積を大きくする。この場合、配線厚を厚くするあるいは配線幅を広くする等の設計変更が必要となり、ヘッド構成としてコストアップを招くこととなる。
このため、予備加熱あるいは空吐出時における配線部の電流を低減するには、次のような対策をすると良い。
予備加熱時の駆動用IC15による圧電素子8の駆動電圧波形周期すなわち駆動波形(振動波形)を、液室2(個別液室)の共振周期より長くすることで、第1,第2Com配線9,10、Vcom配線11,12を流れる電流の実効電流を小さくしている。
ここで、各ノズル6又は各ノズル6に連通する各液室2(個別液室)若しくはノズル6と液室2に跨って形成される液通路(インク通路)を1チャネルとしたとき、駆動用IC15による各チャネルに対応する圧電素子8の駆動制御は次のようにする。
以下の説明では、各液室2を1チャネルとして説明し、各液室2に対応する圧電素子8を駆動用IC15により駆動して、各圧電素子8の発熱により各液室2を加熱するする場合、圧電素子8により加熱される液室2を駆動チャネルとして説明する。
予備加熱時の駆動用IC15で駆動される圧電素子8により加熱される駆動チャネルをたとえば1チャネルおきに分割して、分割したチャネルの圧電素子8を駆動することで、第1,第2Com配線9,10、Vcom配線11,12に同時に流れる電流を制限する一方で、この分割したチャネルの圧電素子8の駆動を高速にスイッチングして切り替えることで、全てのチャネルの圧電素子8を時間差で駆動し、全てのチャネル(ノズル6および液室2)を予備加熱する。
上記同様、複数のチャネルを分割駆動とするとともに、分割駆動される各チャネルの圧電素子8の駆動波形(駆動電圧波形周期)を液室2の共振周期よりも早くすることで、各チャネルの圧電素子8の発熱を大きくし、発熱効率を高めるとともに、配線部に流れる電流を制限することが出来る。
予備加熱時の駆動波形として波形の立上がり、立下り時間をインク吐出時の駆動波形よりも長くすることで、配線部に流れる最大電流および実効電流を低減することが出来る
空吐出時の駆動チャネルをたとえば1チャネル(1つのノズル6)おきに分割して、分割したチャネルの圧電素子8を駆動することで、複数の圧電素子8に同時に流れる電流を制限する一方で、複数の圧電素子8を高速でスイッチングして切替駆動することで、複数の液室2内の排熱も急速に出来るようになる。
図8は、この発明の他の実施例を示したものである。本実施例の高密度液体吐出ヘッドの基本構成は実施例1の構成と同じである。本実施例では、ノズル列の中央付近に供給口16a(16b)が形成されている。供給口16a(16b)の付近はインクを伝わっていくことから、供給口16a(16b)の近傍の個別液室温度は両端部よりも温度が上がりにくい構成となっている。
このため、供給口16a(16b)の近傍のチャネルについては、予備加熱による消費電力が大きくなるように制御している。
図9,図10は、実施例3を示したものである。この実施例3は、実施例1の高密度液体吐出ヘッドをプリンタ等の画像形成装置に適用した例を示したものである。この実施例3の高密度液体吐出ヘッドの基本構成は実施例1に同じとなる。
この図9,図10において画像形成装置は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材であるガイドロッド101とガイドレール102とでキャリッジ103を主走査方向に摺動自在に保持し、主走査モータ104で駆動プーリ106Aと従動プーリ106B間に架け渡したタイミングベルト105を介して矢示方向(主走査方向)に移動走査する。
このキャリッジ103には、例えば、カラー画像形成用の記録ヘッド107が保持されている。この記録ヘッド107は、ブラック(K)の記録液(インク)の液滴(インク滴)を吐出する高密度液体吐出ヘッド107k、シアン(C)の色の記録液(インク)の色の液滴(インク滴)を吐出する高密度液体吐出ヘッド107c、マゼンタ(M)の色の記録液(インク)の液滴(インク滴)を吐出する高密度液体吐出ヘッド107m、イエロー(Y)の色の記録液(インク)の液滴(インク滴)を吐出する高密度液体吐出ヘッド107yを備えている。この高密度液体吐出ヘッド107k、107c、107m、107yには、実施例1又は実施例2の高密度液体吐出ヘッドの構成が用いられている。
また、高密度液体吐出ヘッド107k、107c、107m、107yは、主走査方向に沿う方向に配置されていると共に、液滴吐出方向が下方に向けて装着されている。なお、ここでは独立した高密度液体吐出ヘッドを用いているが、各色の記録液の液滴を吐出する複数のノズル列を有する1又は複数のヘッドを用いる構成とすることもできる。また、色の数及び配列順序はこれに限るものではない。
キャリッジ103には、記録ヘッド107に各色のインクを供給するための各色のサブタンク108を搭載している。このサブタンク108にはインク供給チューブ109を介して図示しないメインタンク(インクカートリッジ)からインクが補充供給される。
一方、給紙カセット110などの用紙積載部(圧板)111上に積載した被記録媒体(用紙)112を給紙するための給紙部として、用紙積載部111から用紙112を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙ローラ)113及び給紙ローラ113に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド114を備え、この分離パッド114は給紙ローラ113側に付勢されている。
そして、この給紙部から給紙された用紙112を記録ヘッド107の下方側で搬送するための搬送部として、用紙112を静電吸着して搬送するための搬送ベルト121と、給紙部からガイド115を介して送られる用紙112を搬送ベルト121との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ122と、略鉛直上方に送られる用紙112を略90°方向転換させて搬送ベルト121上に倣わせるための搬送ガイド123と、押さえ部材124で搬送ベルト121側に付勢された加圧コロ125A及び先端加圧コロ125Bとを備えている。また、搬送ベルト121表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ126を備えている。
ここで、搬送ベルト121は、無端状ベルトであり、搬送ローラ127とテンションローラ128との間に掛け渡されて、副走査モータ131からタイミングベルト132及びタイミングローラ133を介して搬送ローラ127が回転されることで、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。なお、搬送ベルト121の裏面側には記録ヘッド107による画像形成領域に対応してガイド部材129を配置している。
帯電ローラ126は、搬送ベルト121の表層に接触し、搬送ベルト121の回動に従動して回転するように配置され、加圧力として軸の両端に各2.5Nをかけている。
さらに、記録ヘッド107で記録された用紙112を排紙するための排紙部として、搬送ベルト121から用紙112を分離するための分離部と、排紙ローラ152及び排紙コロ153と、排紙される用紙112をストックする排紙トレイ154とを備えている。
また、背部には両面給紙ユニット155が着脱自在に装着されている。この両面給紙ユニット155は搬送ベルト121の逆方向回転で戻される用紙112を取り込んで反転させて再度カウンタローラ122と搬送ベルト121との間に給紙する。
さらに、図10に示すように、キャリッジ103の走査方向の一方側の非印字領域には、記録ヘッド107のノズルの状態を維持し、回復するための維持回復機構156を配置している。
この維持回復機構156は、記録ヘッド107の各ノズル面をキャピングするための各キャップ157と、ノズル面をワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレード158と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行なうときの液滴を受ける空吐出受け159などを備えている。
このように構成した画像形成装置においては、給紙部から用紙112が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙112はガイド115で案内され、搬送ベルト121とカウンタローラ122との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド123で案内されて先端加圧コロ125Bで搬送ベルト121に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、図示しない制御回路によってACバイアス供給部から帯電ローラ126に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト121が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト121上に用紙112が給送されると、用紙112が搬送ベルト121に静電力で吸着され、搬送ベルト121の周回移動によって用紙112が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ103を往路及び復路方向に移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド107を駆動することにより、停止している用紙112にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙112を所定量搬送後、次の行の記録を行う。
(記録用紙112への記録)
用紙112の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙112を排紙トレイ154に排紙する。
また、両面印刷の場合には、表面(最初に印刷する面)の記録が終了したときに、搬送ベルト121を逆回転させることで、記録済みの用紙112を両面給紙ユニット155内に送り込み、用紙112を反転させて(裏面が印刷面となる状態にして)再度カウンタローラ122と搬送ベルト121との間に給紙し、タイミング制御を行って、前述したと同様に搬送ベル121上に搬送して裏面に記録を行った後、排紙トレイ154に排紙する
また、印字(記録)待機中にはキャリッジ103は維持回復機構156側に移動されて、キャップ157で記録ヘッド107のノズル面がキャッピングされて、ノズルを湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、キャップ157で記録ヘッド107をキャッピングした状態でノズルから記録液を吸引し(「ノズル吸引」又は「ヘッド吸引」という。)、増粘した記録液や気泡を排出する回復動作を行い、この回復動作によって記録ヘッド107のノズル面に付着したインクを清掃除去するためにワイパーブレード158でワイピングを行なう。また、記録開始前、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出する空吐出動作を行う。これによって、記録ヘッド107の安定した吐出性能を維持する。
このようにこの画像形成装置においては本発明に係る高密度液体吐出ヘッドで構成した記録ヘッドを備えるので、小型化、低コスト化を図るとともに吐出ヘッドサイズが同等で吐出可能なノズル数を増やせることから、更なる高速印刷も可能となる。なお、上記実施形態では本発明をプリンタ構成の画像形成装置に適用した例で説明したが、これに限るものではなく、例えば、プリンタ/ファックス/コピア複合機などの画像形成装置に適用することができる。また、インク以外の液体である記録液や定着処理液などを用いる画像形成装置にも適用することができる。
(高密度液体吐出ヘッドの印字動作開始制御の構成)
この実施例の画像形成装置では、駆動前は画像形成装置が設置されている場所の環境温度(外部温度)により画像形成装置内(機内)の初期温度が決定され、この初期温度の状態から主走査モータ104や副走査モータ131等のモータを駆動したとき、このモータの発熱により機内温度が初期温度から上昇する。この機内温度は、高密度液体吐出ヘッドの印字性能に影響する。
このため、本実施例では、プリンタ等の画像形成装置内(機内)の雰囲気温度を検出するための機内温度検出素子(本体用温度検出素子)23をキャリッジ103内に搭載している。
このような画像形成装置では、記録用の用紙112の高密度液体吐出ヘッド107k、107c、107m、107yによる印字領域外で予備加熱動作をさせることにより、実施例1の液室2(個別液室)内のインク温度を上昇させる。しかも、高密度液体吐出ヘッド107k、107c、107m、107y内の温度検出素子22の温度が所定以上になったときに空吐出波形を印加することで、メニスカス振動を大きくできることから安定して空吐出を行うことができる。空吐出されたインクによる排熱で液室2(個別液室)内の温度は低下する。
機内雰囲気温度よりも若干高い状態で、機内雰囲気温度に対してヘッド温度差の温度テーブルを持っており、その温度差が所定範囲内になったら印字動作を開始することができる。
これは、通常印字状態においても発熱と排熱のバランスにより、数℃上昇するためである。
ただ、実施例1のアクチュエータ基板1に形成されている電極およびアクチュエータ基板1自体の熱伝導率が高いことから、高密度液体吐出ヘッド107k、107c、107m、107y(以下、場合により単にヘッドと略称)内の温度均一性は確保することができる。
ここで、温度検出素子(場合により、ヘッド温度検出素子と略称)22で検出されるヘッド温度検出信号からヘッド温度データが得られ、機内雰囲気温度検出素子23からの機内温度検出信号から機内温度データが得られる。このヘッド温度データと機内温度データは随時リアルタイムで得られて図11のヘッドコントローラ(ヘッド制御装置)24に入力されるようになっている。このヘッドコントローラ24は、高密度液体吐出ヘッド107k、107c、107m、107yの印字動作の制御を行うようになっている。また、ヘッドコントローラ24にはメモリMが接続され、このメモリMには温度テーブルデータが格納されている。
この温度テーブルデータとしては、例えば、表1に示したように画像形成装置の駆動開始時の機内雰囲気温度と印字動作を開始する温度差との関係を示すデータである。画像形成装置の駆動開始時の機内雰囲気温度が高いと、第1,第2共通液室17a,17b内のインク温度が高いことから、機内温度が高いほど、機内雰囲気との温度差が小さくなってから印字動作を開始するように設定するデータである。
このような画像形成装置の本体シーケンスの構成としては、リアルタイムで得られるヘッド温度データと機内温度データおよび温度テーブルデータをヘッドコントローラ24により演算して、空吐出動作から印字動作を開始する判断をする等の構成で実現できる。
この際、ヘッドコントローラ24は、画像形成装置の駆動開始時の機内温度データを機内雰囲気温度検出素子23で検出して画像形成装置の駆動初期の機内雰囲気温度とし、駆動初期の機内雰囲気温度に対応する印字開始温度差を求める。一方、ヘッドコントローラ24は、リアルタイムで得られるヘッド温度データと機内温度データとの実温度差を演算する。
そして、ヘッドコントローラ24は、図12のステップS1の予備加熱動作をして、ステップS2で空吐出し、ステップS3でヘッド温度が適温になったか否かを表1の温度テーブルに基づいて判断し、ヘッド温度が適温になったと判断したとき即ち機内温度に対応する温度差が表1の備考に記載した温度差(印字開始温度差)となったときにステップS4に移行して空吐出動作から印字動作を開始する判断をさせる。
尚、ヘッドコントローラ(ヘッド制御装置)24は、図示しないフレキシブルケーブルおよびキャリッジ103を介して、高密度液体吐出ヘッド107k、107c、107m、107yに接続されていて、各高密度液体吐出ヘッド107k、107c、107m、107yの駆動用IC(実施例1の駆動用IC15)を介して実施例1の圧電素子8を駆動制御する。このようなヘッドコントローラ24の機能は駆動用IC15に持たせることもできる。
上記、空吐出動作後に印字を開始するヘッド部(高密度液体吐出ヘッド107k、107c、107m、107y)の温度(ヘッド温度)に関して、機内雰囲気温度が高いと共通液室内のインク温度が高いことから、印字時の駆動波形電圧は低くなり、圧電素子8および駆動用IC15での発熱が低くなることから、通常印字時の温度上昇幅が小さくなる。
このため、空吐出後のヘッド温度と機内雰囲気温度との差が大きいと印字中に温度が低下するため、駆動波形制御が困難となるため、機内雰囲気温度が高いほど、機内雰囲気との温度差が小さくなってから印字動作を開始するように設定する。
環境温度:10℃において、1日保管した状態で動作を確認した。
環境温度:10℃から全てのチャネル(ノズル6及び液室2)に対して、予備加熱波形を印加し、約10秒後にはノズル板5上面温度が40℃に到達。
その直後に空吐出動作を実施。
空吐出開始から数秒後にはノズル板5上面温度は13℃以下まで冷却され、そのノズル板5上面温度に適した実際の駆動波形を印加することにより、すべてのチャネル(ノズル)において正常吐出することを確認した。
(補足説明1)
高密度液体吐出ヘッドでは、ヘッド構成を複雑化することなく、低温およびメニスカス乾燥状態でも安定して空吐出でき、その後印字動作に入れるようにするのが望ましい。また、高密度液体吐出ヘッドでは、インク吸引動作等によるメンテナンス頻度を低減するため、空吐出にてリフレッシュさせ、早期に正常吐出できるのが望ましい。
このため、この発明の実施の形態の高密度液体吐出ヘッドは、複数の液室2が設けられたアクチュエータ基板1と、前記複数の液室2からインクを吐出する複数のノズル6と、前記液室2の上部を閉成する薄膜状の振動板7および前記振動板7上に設けられた薄膜状の圧電素子8を有し、且つ、前記圧電素子8で前記振動板7を振動させることにより、前記液室2内のインクを加圧する薄膜状のアクチュエータと、前記アクチュエータ基板1上に設けられて前記圧電素子8を駆動制御させる駆動用IC15と、前記液室2内の温度を検出するヘッド温度検出素子(温度検出素子22)と、を備えている。そして前記駆動用IC15が前記ヘッド温度検出素子(温度検出素子22)からの検出温度信号に基づいて前記圧電素子8を駆動制御することにより、前記圧電素子8および前記駆動用IC15は前記圧電素子8の駆動制御時にそれぞれ発熱して前記液室2内のインク温度を上昇させることができるようになっている。しかも、前記駆動制御は、印字開始前に前記ノズル6からインクが吐出しない条件で駆動電圧波形を前記圧電素子8に印加することにより、前記圧電素子8を発熱させると同時に自己発熱して、前記液室2内のインク温度を所定以上の温度とする前記液室2の予備加熱工程と、前記液室2内の液体(インク)が印字のための適温になるまで前記液室2内のインクを前記ノズルから空吐出をさせる空吐出工程と、前記液室2内の液体(インク)が印字のための適温になったときに前記ノズル6から前記液体(インク)を吐出させて印字動作を開始する印字工程と、を有する。
この構成によれば、高密度液体吐出ヘッドでは、インク吸引動作等によるメンテナンス頻度を低減するため、空吐出にてリフレッシュさせ、早期に正常吐出できる。
しかも、アクチュエータ基板1上に発熱体である圧電素子8と駆動用IC15を実装し、インク不吐出状態では液室(個別液室)2内のインク温度を上昇させ、インク吐出時には排熱により急激に温度低下できる構成としているため、メニスカス乾燥時のメンテナンス動作において、インク吐出しない予備加熱工程と空吐出工程と空吐出により温度低下してから印字動作を行うことにより、吐出力の低い薄膜状の圧電素子8を有するヘッドにおいても安定したメンテナンス動作を実施することができるようになる。
尚、高密度液体吐出ヘッドの発熱密度を小さくまた、熱容量を小さくし高密度液体吐出ヘッドを加熱できる構成とし、通常インク吐出時はインク吐出により排熱できる構成としている。
(補足説明2)
また、高密度液体吐出ヘッドでは、ヘッド構成を複雑化することなく、低温およびメニスカス乾燥状態でも安定して空吐出でき、その後印字動作に入れることが望ましい。
このため、この発明の実施の形態の高密度液体吐出ヘッドにおいて前記駆動用IC15は、前記圧電素子8を駆動制御して、前記空吐出時のインク温度を印字動作時のインク温度よりも高くしている。
この構成によれば、上記予備加熱温度を印字動作時の温度より高くした状態で空吐出することでメニスカス振動を大きくでき、空吐出の確実性が大幅に向上できる。また、空吐出により排熱できるとともに、ヘッドの熱容量が小さいため、急激に温度は低下でき、そのまま印字動作に移行できる。
(補足説明3)
また、高密度液体吐出ヘッドでは、予備加熱時のアクチュエータ基板1上の配線パターンに流れる電流を抑えることにより、アクチュエータ基板1上の配線膜厚(第1,第2Com配線9,10、Vcom配線11,12の膜圧)を厚くしなくてもエレクトロマイグレーションを防止できるようにすることが望ましい。
このため、この発明の実施の形態の高密度液体吐出ヘッドの前記駆動用IC15は、前記圧電素子8の駆動電圧波形周期が前記液室の共振周期より長くなるよう、前記圧電素子8を駆動制御させるようになっている。
この構成によれば、予備加熱工程において、駆動電圧波形周期を液室(個別液室)2の共振周期より長くしていることにより、圧電素子8の充放電時に流れるアクチュエータ基板1上の配線部(第1,第2Com配線9,10、Vcom配線11,12)の最大電流と実効電流を小さくすることができ、エレクトロマイグレーション等の信頼性対策のために配線膜厚(第1,第2Com配線9,10、Vcom配線11,12の膜圧)を厚くするなどが不要となり、コストアップを招くことがない。
(補足説明4)
また、高密度液体吐出ヘッドでは、予備加熱時のアクチュエータ基板1上の配線パターン(第1,第2Com配線9,10、Vcom配線11,12)に流れる電流を抑えることにより、アクチュエータ基板1上の配線膜厚(第1,第2Com配線9,10、Vcom配線11,12の膜圧)を厚くしなくてもエレクトロマイグレーションを防止できるようにすることが望ましい。
このため、この発明の実施の形態の高密度液体吐出ヘッドの前記駆動用IC15は、前記複数の圧電素子8のうち同時に駆動制御する対象を切り替えることにより、前記圧電素子8の発熱で同時に予備加熱する前記液室2の数を制限するようにする。
この構成によれば、予備加熱工程において、同時に予備加熱する チャネル(ノズル)数を制限して、駆動チャネル(液室2)を切り替えて加熱することにより、圧電素子8の充放電時に流れるアクチュエータ基板1上の配線部(第1,第2Com配線9,10、Vcom配線11,12)の最大電流と実効電流を小さくすることができ、エレクトロマイグレーション等の信頼性対策のために配線膜厚(第1,第2Com配線9,10、Vcom配線11,12の膜圧)を厚くするなどが不要となり、コストアップを招くことがない。
(補足説明5)
また、高密度液体吐出ヘッドでは、予備加熱時のアクチュエータ基板1上の配線パターン(第1,第2Com配線9,10、Vcom配線11,12)に流れる電流を抑えることにより、アクチュエータ基板1上の配線膜厚(第1,第2Com配線9,10、Vcom配線11,12の膜圧)を厚くしなくてもエレクトロマイグレーションを防止できることが望ましい。
このため、この発明の実施の形態の高密度液体吐出ヘッドの前記駆動用IC15は、前記圧電素子8の前記駆動電圧波形の周期が前記液室2の共振周期より短くなるように前記圧線素子8を駆動制御させると共に、前記駆動電圧波形で同時に駆動制御する前記圧電素子8の対象を制限することにより、同時に予備加熱する前記液室2の数を制限する。
この構成によれば、予備加熱工程において、駆動電圧波形周期が共振周期より短く、同時に予備加熱するチャネル(液室2)の数を制限して、加熱することにより、圧電素子8の充放電時に流れるアクチュエータ基板1上の配線部(第1,第2Com配線9,10、Vcom配線11,12)の最大電流と実効電流を小さくすることができ、エレクトロマイグレーション等の信頼性対策のために配線膜厚(第1,第2Com配線9,10、Vcom配線11,12の膜圧)を厚くするなどが不要となり、コストアップを招くことがない。
(補足説明6)
また、高密度液体吐出ヘッドでは、予備加熱時のアクチュエータ基板1上の配線パターン(第1,第2Com配線9,10、Vcom配線11,12)に流れる電流を抑えることにより、アクチュエータ基板1上の配線膜厚(第1,第2Com配線9,10、Vcom配線11,12の膜圧)を厚くしなくてもエレクトロマイグレーションを防止できることが望ましい。
このため、この発明の実施の形態の高密度液体吐出ヘッドの前記駆動用IC15は、前記圧電素子8の駆動電圧波形の立上がり、立下り時間をインク吐出時の電圧波形よりも長く制御する。
この構成によれば、予備加熱工程において、駆動電圧波形の立上がり、立下り時間をインク吐出時の電圧波形よりも長くすることにより、圧電素子8の充放電時に流れるアクチュエータ基板1上の配線部(第1,第2Com配線9,10、Vcom配線11,12)の最大電流と実効電流を小さくすることができ、エレクトロマイグレーション等の信頼性対策のために配線膜厚(第1,第2Com配線9,10、Vcom配線11,12の膜圧)を厚くするなどが不要となり、コストアップを招くことがない。
(補足説明7)
また、高密度液体吐出ヘッドでは、予備駆動時のインク供給口16aの近傍消費電力を大きくすることにより、第1,第2共通液室17a,17bのインクによる冷却作用を補い、ヘッドを均一に予備加熱できることが望ましい。
このため、この発明の実施の形態の高密度液体吐出ヘッドにおいて、前記複数の液室2に連通する共通路(第1,第2共通液室17a,17b)へインクを供給する供給口16a,16bが前記複数の液室2の一部に近接するように設けられていると共に、前記駆動用IC15は、前記供給口16a,16bの近傍の前記液室2に対応する前記圧電素子8の予備駆動による消費電力を他の前記液室2に対応する圧電素子8の予備駆動による消費電力よりも大きくする。
この構成によれば、予備加熱工程において、供給口16a,16bの近傍チャネル(液室2)の予備駆動による消費電力を他のチャネル(液室2)よりも大きくすることで、供給口16a,16bの近傍はインクへの放熱により温度が上がりにくい構成となるが、ノズル列(第1,第2ノズル列Nz1,Nz2)に対して均一に温度上昇できるようになる。
(補足説明8)
また、高密度液体吐出ヘッドでは、空吐出時のメニスカス振動を大きくし、メンテナンス動作を確実に実施できることが望ましい。
このため、この発明の実施の形態の高密度液体吐出ヘッドの前記駆動用IC15は、前記空吐出工程における前記駆動電圧波形を前記液室2の共振波形に制御する。
この構成によれば、空吐出波形において空吐出駆動は共振波形を印加することで、メニスカス振動を大きくでき安定した空吐出動作を実現できる。また、空吐出の駆動電圧を低くすることができ、低消費電力とすることができる。
(補足説明9)
また、高密度液体吐出ヘッドでは、空吐出時のアクチュエータ基板1上の配線パターン(第1,第2Com配線9,10、Vcom配線11,12)に流れる電流を抑えることにより、アクチュエータ基板1上の配線膜厚を厚くしなくてもエレクトロマイグレーションを防止できることが望ましい。
このため、この発明の実施の形態の高密度液体吐出ヘッドの前記駆動用IC15は、前記空吐出工程で前記複数の圧電素子8のうち同時に駆動制御させる対象を制限する制御をして、前記空吐出を同時にさせる前記液室2の数を制限すると共に、前記複数の圧電素子8のうち同時に駆動制御させる対象を切替制御することにより、前記複数の液室2のうち前記空吐出させる対象を切り替えるようにする。
空吐出動作において、同時に空吐出する チャネル数を制限して、チャネル(液室2)を切り替えて空吐出することにより、圧電素子8の充放電時に流れるアクチュエータ基板1上の配線部(第1,第2Com配線9,10、Vcom配線11,12)の最大電流と実効電流を小さくすることができ、エレクトロマイグレーション等の信頼性対策のために配線膜厚(第1,第2Com配線9,10、Vcom配線11,12の膜圧)を厚くするなどが不要となり、コストアップを招くことがない。
(補足説明10)
また、高密度液体吐出ヘッドでは、予備加熱時のノズル列内分布を均一化し、安定したメンテナンス動作を確保できるのが望ましい。
このため、この発明の実施の形態の高密度液体吐出ヘッドにおいて、前記駆動用IC15は少なくとも二つのノズル列(第1,第2ノズル列Nz1,Nz2)間に実装されている。
この構成によれば、二つのノズル列(第1,第2ノズル列Nz1,Nz2)間に駆動用IC15が実装されていることから、駆動用ICからの発熱をノズル列(第1,第2ノズル列Nz1,Nz2)方向に均一に伝えることができ、予備加熱時に均一温度上昇ができるとともに、空吐出時に均一に温度低下できるようになる。
(補足説明11)
また、低コストでノズル位置精度を確保できる画像形成装置を提供できるのが望ましい。
このため、この発明の実施の形態の高密度液体吐出ヘッドにおいて、空吐出後の印字動作を開始するヘッド温度は、機内雰囲気温度より高い温度であり、機内雰囲気温度との差を温度テーブルと比較して所定温度以下になることで判断する。
この構成によれば、空吐出後の印字動作を開始する温度は、機内雰囲気温度との差異が所定温度以下になった時点としている。これは、印字開始後の温度上昇を考慮して、空吐出後のインク温度が機内雰囲気温度よりも高い状態でも印字を開始するためで、印字開始後の温度変化を低くできるようにしている。
(補足説明12)
また、高密度液体吐出ヘッドでは、予備加熱および空吐出動作後のヘッド温度は雰囲気温度よりも高くなっているが、印字時のインクによる排熱でヘッド温度変動が所定以下に抑えられるようにするのが望ましい。
このため、この発明の実施の形態の高密度液体吐出ヘッドにおいて、空吐出後の印字動作を開始するヘッド温度は、印字開始時の機内雰囲気との温度差が雰囲気温度が高いときほど、小さくなるように設定されている。
この構成によれば、空吐出後の印字動作を開始する温度は、印字開始時の機内雰囲気との温度差が雰囲気温度が高いときほど、小さくしている。これは、機内雰囲気温度にともないインク温度が高くなり、印字時の駆動波形電圧が低くなることから、印字動作時の温度上昇が小さくなることに対して、印字開始後の温度変化を低くできるようにしている。
(補足説明13)
予備加熱および空吐出動作時の雰囲気温度が高いほうが、印字時のインクによる排熱でのヘッド温度変動が小さくなるため、空吐出終了後に印字を開始するまでの時間を短く出来るようにするのが望ましい。
このため、この発明の実施の形態の高密度液体吐出ヘッドは、駆動用IC15を前記アクチュエータ基板1上にフリップチップ実装し、前記駆動用IC15の裏面側を他の部材に接しない構成とする。
この構成によれば、駆動用IC15をアクチュエータ基板1上にフリップチップ実装し、駆動用IC15の裏面側を他の部材に接しない構成とすることで駆動用IC15からはアクチュエータ基板1側へ熱伝達しやすい構成としている。これにより、予備加熱工程では効率よく加熱し、空吐出工程ではインクによる排熱により効率よく温度を低下できるようになる。
(補足説明14)
また、この発明の実施の形態の画像形成装置は、上述した高密度液体吐出ヘッドを搭載している。
この構成によれば、低コストで安定したメンテナンス動作を確保できる画像形成装置を提供できる。また、薄膜状の圧電素子をアクチュエータとした高密度、低コスト高密度液体吐出ヘッドと搭載し、空吐出により安定したメンテナンス動作を実現できるため廃インク量を少なくできる画像形成装置を提供できる
1 アクチュエータ基板
2 液室
3 個別流路
4 個別連通路
5 ノズル板
6 ノズル
Nz1 第1ノズル列
Nz2 第2ノズル列
7 振動板(薄膜状振動板)
8 圧電素子(薄膜状圧電素子)
9 第1Com配線(第1Comパターン配線)
10 第2Com配線(第2Comパターン配線)
11 Vcom配線(Vcomパターン配線)
12 Vcom配線(Vcomパターン配線)
15 駆動用IC(制御装置)
16a 供給口
16b 供給口
17a 第1共通液室
17b 第2共通液室
18 FPC(フレキシブル配線基板)
22 温度検出素子
23 機内温度検出素子
24 ヘッドコントローラ
特開2005-254463号公報 特開平11-138798号公報

Claims (14)

  1. 複数の液室が設けられたアクチュエータ基板と、
    前記複数の液室からインクを吐出する複数のノズルと、
    前記液室の上部を閉成する薄膜状の振動板および前記振動板上に設けられた薄膜状の圧電素子を有し、且つ、前記圧電素子で前記振動板を振動させることにより、前記液室内のインクを加圧する薄膜状のアクチュエータと、
    前記アクチュエータ基板上に設けられていると共に前記圧電素子を駆動制御させる駆動用ICと、
    前記液室内の温度を検出するヘッド温度検出素子と、を備え、
    前記駆動用ICが前記ヘッド温度検出素子からの検出温度信号に基づいて前記圧電素子を駆動制御することにより、前記圧電素子および前記駆動用ICは前記圧電素子の駆動制御時にそれぞれ発熱して前記液室内のインク温度を上昇させることができる高密度液体吐出ヘッドであって、

    前記駆動制御は、印字開始前に前記ノズルからインクが吐出しない条件で駆動電圧波形を前記圧電素子に印加することにより、前記圧電素子を発熱させると同時に自己発熱して、前記液室内のインク温度を所定以上の温度とする前記液室の予備加熱工程と、
    前記液室内の液体が印字のための適温になるまで前記液室内のインクを前記ノズルから空吐出をさせる空吐出工程と、
    前記液室内の液体が印字のための適温になったときに前記ノズルから前記液体を吐出させて印字動作を開始する印字工程と、
    を有することを特徴とする高密度液体吐出ヘッド。
  2. 請求項1に記載の高密度液体吐出ヘッドにおいて、前記駆動用ICは、前記圧電素子を駆動制御して、前記空吐出時のインク温度を印字動作時のインク温度よりも高くすることを特徴とする高密度液体吐出ヘッド。
  3. 請求項1に記載の高密度液体吐出ヘッドにおいて、前記駆動用ICは、前記圧電素子の駆動電圧波形周期が前記液室の共振周期より長くなるよう、前記圧電素子を駆動制御させることを特徴とする高密度液体吐出ヘッド。
  4. 請求項1に記載の高密度液体吐出ヘッドにおいて、前記駆動用ICは、前記複数の圧電素子のうち同時に駆動制御する対象を切り替えることにより、前記圧電素子の発熱で同時に予備加熱する前記液室の数を制限することを特徴とする高密度液体吐出ヘッド。
  5. 請求項1に記載の高密度液体吐出ヘッドにおいて、前記駆動用ICは、前記圧電素子の前記駆動電圧波形の周期が前記液室の共振周期より短くなるように前記圧電素子を駆動制御させると共に、前記駆動電圧波形で同時に駆動制御する前記圧電素子の対象を制限することにより、同時に予備加熱する前記液室の数を制限することを特徴とする高密度液体吐出ヘッド。

  6. 請求項1に記載の高密度液体吐出ヘッドにおいて、前記駆動用ICは、前記圧電素子の駆動電圧波形の立上がり、立下り時間をインク吐出時の電圧波形よりも長く制御することを特徴とする高密度液体吐出ヘッド。
  7. 請求項1に記載の高密度液体吐出ヘッドにおいて、前記複数の液室に連通する共通路へインクを供給する供給口が前記複数の液室の一部に近接するように設けられていると共に、前記駆動用ICは前記供給口の近傍の前記液室に対応する前記圧電素子の予備駆動による消費電力を他の前記液室に対応する圧電素子の予備駆動による消費電力よりも大きくしていることを特徴とする高密度液体吐出ヘッド。
  8. 請求項1に記載の高密度液体吐出ヘッドにおいて、前記駆動用ICは、前記空吐出工程における前記駆動電圧波形を前記液室の共振波形に制御することを特徴とする高密度液体吐出ヘッド。
  9. 請求項1に記載の高密度液体吐出ヘッドにおいて、前記駆動用ICは、前記空吐出工程で前記複数の圧電素子のうち同時に駆動制御させる対象を制限する制御をして、前記空吐出を同時にさせる前記液室の数を制限すると共に、前記複数の圧電素子のうち同時に駆動制御させる対象を切替制御することにより、前記複数の液室のうち前記空吐出させる対象を切り替えることを特徴とする高密度液体吐出ヘッド。
  10. 請求項1に記載の高密度液体吐出ヘッドにおいて、前記駆動用ICは少なくとも二つのノズル列間に実装されていることを特徴とする高密度液体吐出ヘッド。
  11. 請求項1に記載の高密度液体吐出ヘッドにおいて、空吐出後の印字動作を開始するヘッド温度は機内雰囲気温度より高い温度であり、機内雰囲気温度との差を温度テーブルと比較して所定温度以下になることで判断することを特徴とする高密度液体吐出ヘッド。
  12. 請求項1に記載の高密度液体吐出ヘッドにおいて、空吐出後の印字動作を開始するヘッド温度は、印字開始時の機内雰囲気との温度差が雰囲気温度が高いときほど、小さくなるように設定されていることを特徴とする高密度液体吐出ヘッド。
  13. 請求項1に記載の高密度液体吐出ヘッドにおいて、駆動用ICを前記アクチュエータ基板上にフリップチップ実装し、前記駆動用ICの裏面側を他の部材に接しない構成とすることを特徴とする高密度液体吐出ヘッド。
  14. 請求項1〜13のいずれか一つに記載の高密度液体吐出ヘッドを搭載した画像形成装置。
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