JP4961728B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

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本発明は、インクジェット記録装置に係り、特に、熱エネルギーを加えることにより乾燥又は硬化反応が促進されるインクを用いて画像記録を行うインクジェット記録装置に関するものである。
一般に、少量多品種の需要に対して臨機応変に対応できる記録装置として、従来よりインクジェット方式の記録装置(以下「インクジェット記録装置」と称する。)が知られている。インクジェット記録装置は、記録ヘッドの記録媒体に対向する面に設けられたノズルからインクを吐出して記録媒体上に着弾、定着させることにより記録媒体に画像を記録するものであり、従来のグラビア印刷方式やフレキソ印刷方式による画像記録手段と異なって製版工程を必要としないため少量の需要にも簡易かつ迅速に対応することができるという特徴を有している。また、騒音が少なく多色のインクを用いることによってカラーでの画像記録も容易に行うことができるという長所がある。
さらに近年は、様々な記録媒体に対応可能なインクジェット記録装置として、例えば紫外線等の光に対して所定の感度を有する光開始剤が含有された光硬化型インクを用い、記録媒体上に着弾したインクに光を照射することで、インクを硬化させ記録媒体上に定着させる光硬化型インクを用いたインクジェット記録装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような光硬化型インクを用いたインクジェット記録装置等、活性エネルギー線を照射することによって硬化するインクを用いて記録を行うインクジェット記録装置は、活性エネルギー線の照射によりインクが瞬時に硬化するため、記録媒体へのインクの浸透や滲みが少なく、普通紙はもとより、インク受容層を持たずインク吸収性の全くない樹脂製のフィルムや金属等の記録媒体に対しても画像記録を行うことが可能である。
このような活性エネルギー線を照射することによって硬化するインクとしては、例えば重合性化合物としてラジカル重合性化合物を含むラジカル重合系インクやカチオン重合性化合物を含むカチオン重合系インク等がある。しかし、光硬化型インクは、種々の環境条件によってインク硬化の度合いが変化するという性質がある。特にカチオン重合系の光硬化インクの場合には、光の照射のみならず、熱エネルギーを加えることによっても硬化する性質を有するため、光照射のみならず、熱エネルギーをも加えて硬化反応を活性化させることが好ましい。
そこで、従来、インクに光を照射する光照射装置を熱源として利用し、光照射装置からの廃熱によって記録媒体の加熱を行った後に画像記録を行うインクジェット記録装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2001−310454号公報 特開2004−160925号公報
しかしながら、インクジェット記録装置によって記録可能な記録媒体には、加熱することにより表面積の変化を生じ、しわが発生したり、記録媒体を支持する支持部材との間に浮きを生じたりするおそれがある。そして、このようにしわや浮きを生じたままでは、記録媒体を支持部材上に適正に保持することができず、画像記録の際に記録媒体の搬送不良や画質の低下を招くおそれがあるとの問題がある。
そこで、本発明は以上のような課題を解決するためになされたものであり、記録媒体に熱エネルギーを加えてインクの乾燥又は硬化反応を促進する場合でも記録媒体のしわや浮きの発生を防止して高精細な画像記録を行うことのできるインクジェット記録装置を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するため、請求項1に記載のインクジェット記録装置は、記録媒体に熱エネルギーを加える加熱機構と、記録媒体に熱エネルギーを加えることにより乾燥又は硬化反応が促進されるインクを吐出する記録ヘッドと、を備えるインクジェット記録装置において、
前記記録媒体を支持する支持部材と、
前記記録媒体を前記支持部材上に保持する保持機構と、
前記保持機構が前記記録媒体を保持した後であって前記記録ヘッドによる画像記録開始前に前記記録媒体に熱エネルギーを加えるように前記加熱機構を制御するとともに、前記記録媒体に熱エネルギーを加えた後に前記記録媒体の保持を少なくとも一部開放し、画像記録が行われる直前に再度保持するように前記保持機構を制御する制御部とを備えたことを特徴としている。
このような構成を有する請求項1に記載の発明においては、加熱機構により記録媒体に熱エネルギーを加えることにより乾燥又は硬化反応が促進されるインクを記録ヘッドから吐出させて画像記録を行う場合に、記録媒体を支持部材上に保持する保持機構が記録媒体を保持した後に加熱機構により記録媒体に熱エネルギーを加え、記録媒体に熱エネルギーを加えた後に記録媒体の保持を少なくとも一部開放してから再度保持機構により保持するように制御部が制御を行うようになっている。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェット記録装置において、前記記録媒体の保持を少なくとも一部開放する前に加えられる熱エネルギーは、乾燥又は硬化反応時に付与される熱エネルギーとほぼ同等又はそれ以上であることを特徴としている。
したがって、請求項2に記載の発明では、記録媒体の保持を少なくとも一部開放する前に、乾燥又は硬化反応時に付与される熱エネルギーとほぼ同等又はそれ以上の熱エネルギーを加えるようになっている。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のインクジェット記録装置において、前記記録媒体に着弾した前記インクに活性エネルギー線を照射する照射装置を備え、
前記加熱機構は前記照射装置であることを特徴としている。
このような構成を有する請求項3に記載の発明においては、記録媒体に着弾したインクに活性エネルギー線を照射する照射装置が加熱機構として記録媒体に熱エネルギーを加えるようになっている。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、前記支持部材は、円筒形状に形成され外周面上に前記記録媒体を支持するドラムであることを特徴としている。
したがって、請求項4に記載の発明では、円筒形状に形成されたドラムが支持部材として外周面上に記録媒体を支持するようになっている。
さらに、請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、前記支持部材上に支持された前記記録媒体を平面化する平面化機構を備えていることを特徴としている。
このように、請求項5に記載の発明は、平面化機構によって支持部材上に支持された記録媒体を平面化するようになっている。
さらに、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のインクジェット記録装置において、前記平面化機構は、前記記録媒体に接するように配置されたローラであることを特徴としている。
したがって、請求項6に記載の発明によれば、記録媒体に接するように配置されたローラによって記録媒体を平面化するようになっている。
また、請求項7に記載の発明は、請求項5又は請求項6に記載のインクジェット記録装置において、前記記録ヘッドを走査するヘッド走査機構又は前記照射装置を走査する照射装置走査機構のうち少なくともいずれか一方を備え、
前記平面化機構は、前記ヘッド走査機構又は前記照射装置走査機構により走査方向に移動可能であることを特徴としている。
このように、請求項7に記載の発明によれば、記録ヘッドを走査するヘッド走査機構又は照射装置を走査する照射装置走査機構により平面化機構を走査方向に移動できるようになっている。
請求項1に記載された発明によれば、加熱機構により記録媒体に熱エネルギーを加えた後に記録媒体の保持を少なくとも一部開放してから再度保持する。このため、熱エネルギーの付与により記録媒体の表面積や形状等が変化した場合でも、表面積や形状等が変化した後の状態で記録媒体を保持し直して画像記録を行うので、記録媒体にしわや浮きを生じない状態で画像記録を行うことができる。これにより、画像記録時に記録媒体のしわや浮きに起因する搬送不良が発生することを防止することができるとともに、高精細な画像記録を行うことができるという効果を奏する。
請求項2に記載された発明によれば、乾燥又は硬化反応時に付与される熱エネルギーとほぼ同等又はそれ以上の熱エネルギーを加えた後に記録媒体を保持して画像記録を行う。このため、記録媒体にしわや浮きを生じるのをより精度よく抑制して画像記録を行うことができ、高精細な画像記録を行うことができるという効果を奏する。
請求項3に記載された発明によれば、記録媒体に着弾したインクに活性エネルギー線を照射する照射装置を加熱機構として利用する。このため、別途加熱機構を設ける必要がないので、装置構成を複雑にすることなく熱エネルギーによりインクの硬化反応を促進させることができる。そして、この場合でも熱エネルギーの付与により表面積や形状等が変化した後の状態で記録媒体を保持して画像記録を行うので、記録媒体にしわや浮きを生じない状態で画像記録を行うことができる。これにより、画像記録時に記録媒体のしわや浮きに起因する搬送不良が発生することを防止することができるとともに、高精細な画像記録を行うことができるという効果を奏する。
請求項4に記載された発明によれば、円筒形状のドラムを支持部材として用いる場合のように、記録媒体を長時間同じ位置に保持する必要のある場合でも、記録媒体にしわや浮きを生じない状態で画像記録を行うことができ、高精細な画像記録を行うことができるという効果を奏する。
請求項5に記載された発明によれば、平面化機構によって記録媒体を平面化するので、熱エネルギーの付与により表面積や形状等が変化した場合でもより確実に記録媒体のしわや浮きを防止して高精細な画像記録を行うことができるという効果を奏する。
請求項6に記載された発明によれば、ローラによって記録媒体を平面化するので、熱エネルギーの付与により表面積や形状等が変化した場合でもより確実に記録媒体のしわや浮きを防止して高精細な画像記録を行うことができるという効果を奏する。
請求項7に記載された発明によれば、ヘッド走査機構又は照射装置走査機構により平面化機構を走査方向に移動できるので、画像記録を行いながら逐次記録媒体を平面化し、記録媒体にしわや浮きが発生するのを防止することができ、高精細な画像記録を行うことができるという効果を奏する。
以下、図1から図3を参照しつつ、本発明に係るインクジェット記録装置の第1の実施形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態におけるインクジェット記録装置1には、図示しない給紙部から給紙されインクジェット記録装置1の内部に搬入された記録媒体2を下方から支持し記録媒体2の搬送経路を形成する平板状の板状部材3が設けられている。また、板状部材3により形成される搬送経路上には、図示しない駆動機構により回転駆動し記録媒体2を搬送方向Aに搬送する複数の搬送ローラ4が設けられている。
板状部材3における記録媒体2の搬送方向Aの下流側には、搬送されてきた記録媒体2を外周面に保持する支持部材としてほぼ円筒形状のドラム回転体5が設けられている。ドラム回転体5は、ドラム回転体5の中心軸とほぼ同心となるように設けられた回転軸(図示せず)を備えており、ドラム回転体5は当該回転軸が記録媒体2の搬送方向Aと直交するように配置されている。ドラム回転体5は、後述する回転機構7(図3参照)により回転軸が回転することによってドラム回転体5の周方向である所定の回転方向(以下「主走査方向X」と称する。)に一定速度で回転可能となっている。
図1及び図2に示すように、ドラム回転体5の下方であって、板状部材3における記録媒体2の搬送方向Aの下流側一端に接する位置には、搬送されてきた記録媒体2をドラム回転体5に押し当てて外周面上に引き込むための引込みローラ8が配設されている。
ドラム回転体5の内面であって、記録媒体2がドラム回転体5の外周面上に巻き付けられた際に記録媒体2の主走査方向Xの下流側端部及び上流側端部に対応する位置には、記録媒体2をドラム回転体5の外周面上に保持する保持機構10a,10bがそれぞれ設けられている。
保持機構10a,10bは、例えばドラム回転体5に電圧を印加することによりドラム回転体5の外周面に静電気を発生させて記録媒体2を外周面上に静電吸着させるものである。なお、保持機構10a,10bはドラム回転体5の外周面上に記録媒体2を保持可能なものであればよく、保持機構10a,10bの構成はここに例示したものに限定されない。例えば、ドラム回転体5の外周面上に記録媒体2の主走査方向Xの下流側端部と上流側端部を挟持する保持機構を備える構成としてもよい。また、例えばドラム回転体5の外周面に複数の吸引孔を穿設し、図示しない吸引装置によりドラム回転体5の内部の空気を吸引することによって、ドラム回転体5の外周面に記録媒体2を吸着させる構成としてもよい。
また、ドラム回転体5の下方には、保持機構10a,10bによる保持が解除された記録媒体2が排出される排出トレイ(図示せず)が備えられている。
なお、ドラム回転体5に保持される記録媒体2としては、普通紙、再生紙、光沢紙等の各種紙、各種布地、各種不織布、樹脂、金属、ガラス等の種々の材質からなる記録媒体2が適用可能であるが、記録媒体2の形態としては、カットシート状、板状等、ドラム回転体5の外周面上に保持可能な各種形態が適用可能である。なお、本実施形態において記録媒体2は、ドラム回転体5の外周の長さより小さい寸法のものを適用することができる。
また、ドラム回転体5の外周面と対向する位置には、記録媒体2の主走査方向Xに直交する方向(以下「副走査方向Y」と称する)に延在する図示しないガイドレールが設けられている。このガイドレールにはキャリッジ11が支持されており、このキャリッジ11は、後述するキャリッジ駆動機構12(図3参照)によりガイドレールに沿って副走査方向Yに往復移動可能となっている。
キャリッジ11には、本実施形態におけるインクジェット記録装置1で使用される各色(例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)。)に対応した記録ヘッド13が互いに長手方向に沿って平行となるように配設されている。記録ヘッド13の一面はインクを吐出するノズル(図示せず)が複数設けられたインク吐出面(図示せず)となっている。記録ヘッド13は、インク吐出面がドラム回転体5上の記録媒体2に対向するように配置されており、記録ヘッド13から吐出されたインクが、ドラム回転体5上の記録媒体2の所定位置に着弾するように位置調整がなされている。なお、記録ヘッド13の数や配置はここに例示したものに限定されず、他の配置パターンで、より複数の記録ヘッドを備える構成としてもよい。
なお、インクジェット記録装置1で使用されるインクは例示したものに限定されず、例えば、ライトイエロー(LY)、ライトマゼンタ(LM)、ライトシアン(LC)等の色インクや透明インク等を使用することもできる。この場合には、各色に対応した記録ヘッド13がキャリッジ11に搭載される。
また、ドラム回転体5の外周面と対向する位置であって、キャリッジ11に対して主走査方向Xの下流側には、副走査方向Yに延在する図示しないガイドレールが設けられている。このガイドレールには、記録媒体2の上に吐出され着弾したインクを硬化定着させる活性エネルギー線として紫外線を照射する照射装置である紫外線照射装置14が支持されており、後述する照射装置移動機構15(図3参照)によりガイドレールに沿って副走査方向Yに往復移動可能となっている。後述するように、本実施形態において紫外線照射装置14は、記録媒体2に熱エネルギーを付与する加熱機構として機能するものである。
紫外線照射装置14は、紫外線を照射する紫外線光源(図示せず)を有している。この紫外線光源としては、例えば高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、半導体レーザー、冷陰極管、エキシマーランプ、又はLED(Light Emitting Diode)等を適用することが可能であるが、紫外線光源はここに例示したものに限定されない。
また、ドラム回転体5と対向する位置であって、前記キャリッジ11及び紫外線照射装置14よりも主走査方向Xの下流側には、ドラム回転体5の外周面に巻き付けられた記録媒体2を平面化する平面化機構としての押圧ローラ17が、ドラム回転体5の外周面に接するように設けられている。押圧ローラ17は、ドラム回転体5が回転するとこれに伴って回転する従動ローラとなっている。なお、押圧ローラ17は従動ローラである場合に限定されず、押圧ローラが図示しない駆動機構によって回転駆動するように構成してもよい。
ここで本実施形態に用いられるインクについて説明する。
本実施形態に用いられるインクは、活性エネルギー線としての紫外線が照射されることにより硬化する性質を具備する紫外線硬化型インクであり、主成分として、少なくとも重合性化合物(公知の重合性化合物を含む。)と、光開始剤と、色材とを含むものである。上記光硬化型インクは、重合性化合物としてラジカル重合性化合物を含むラジカル重合系インクとカチオン重合性化合物を含むカチオン重合系インクとに大別されるが、この両系のインクが本実施形態に用いられるインクとしてそれぞれ適用可能である。また、ラジカル重合系インクとカチオン重合系インクとを複合させたハイブリッド型インクを本実施形態に用いられるインクとして適用してもよい。しかしながら、酸素による重合反応の阻害作用が少ない又は無いカチオン重合系インクの方が機能性、汎用性に優れるため、特に、カチオン重合系インクを用いることが好ましい。カチオン重合系インクは、少なくともオキセタン化合物,エポキシ化合物,ビニルエーテル化合物等のカチオン重合性化合物と、光カチオン開始剤と、色材とを含む混合物である。
次に、図3を参照しつつ、本実施形態におけるインクジェット記録装置1の制御構成について説明する。
インクジェット記録装置1には、例えば、CPU(Central Processing Unit)、各種の制御プログラム等を格納するROM(Read Only Memory)、画像データ等を一時記憶するRAM(Random Access Memory)(いずれも図示せず)等を備えて構成される制御部20が設けられている。制御部20は、ROMに記録された制御プログラムをRAMの作業領域に展開してCPUにより実行するようになっている。
また、インクジェット記録装置1は、記録媒体2の種類や画像記録条件等を入力する入力部21を有しており、入力部21から入力された情報は、制御部20に送られるようになっている。入力部21は、例えばキーボードや操作パネルであり、ユーザは入力部21を操作することにより画像記録に用いる記録媒体2や所望の画像記録速度、解像度等の各種画像記録条件を選択、設定することができるようになっている。
また、制御部20は、搬送ローラ4を回転駆動させて記録媒体2を所定の搬送方向Aに搬送させるとともに、搬送されてきた記録媒体2を保持機構10a,10bによりドラム回転体5の外周面上に保持させるようになっている。そして、後述するように紫外線照射装置14によって記録媒体2が加熱されると、制御部20は、主走査方向Xの上流側に位置する保持機構10bによる記録媒体2の保持を一旦解除するとともに、画像記録が行われる前に再度保持するようになっている。また、制御部20は、画像記録が完了すると保持機構10a,10bによる記録媒体2の保持を解除するようになっている。
さらに、制御部20は、回転機構7を制御してドラム回転体5を回転させ記録媒体2を一定の速度で主走査方向Xに搬送させるとともに、キャリッジ駆動機構12を制御してキャリッジ11を副走査方向Yに走査させるようになっている。
さらに、制御部20には、図示しない外部装置から記録画像に関する画像データが送られるようになっており、制御部20は、送られてきた画像データ及び入力部21から入力された情報等に基づいて、キャリッジ11が副走査方向Yの往路方向(図2における矢印方向)に移動している間、記録ヘッド13を動作させる。これにより、各記録ヘッド13から適切な吐出量のインクが吐出され、記録媒体2上に所定の画像を記録されるようになっている。
また、制御部20は、画像記録前に紫外線照射装置14を動作させて紫外線光源を点灯させるとともに、照射装置移動機構15を制御して紫外線照射装置14を副走査方向Yに往復移動させながら紫外線光源から生じる廃熱によって記録媒体2を加熱するようになっている。このときに紫外線光源によって記録媒体2に付与される熱エネルギーは、記録媒体2に対し乾燥又は硬化反応時に付与される熱エネルギーとほぼ同等又はそれ以上の熱エネルギーであることが好ましい。また画像記録時には、制御部20は、照射装置移動機構15を制御して紫外線照射装置14をキャリッジ11の移動に対応して副走査方向Yに移動させるとともに、紫外線照射装置14を動作させて記録媒体2上に吐出されたインクに対して紫外線を照射させるようになっている。
次に、本実施形態における作用について説明する。
図示しない外部装置から入力された画像データがインクジェット記録装置1に送られると、送られた画像データは制御部20のRAM等に記憶される。そして、ユーザにより入力部21から画像記録を開始する信号が入力されると、制御部20は、記録媒体2をドラム回転体5まで搬送して保持機構10a,10bによりドラム回転体5の外周面に保持しする。そして、紫外線照射装置14を点灯させて紫外線照射装置14を副走査方向Yに往復移動させ紫外線光源から生じる廃熱により乾燥又は硬化反応時に付与される熱エネルギーとほぼ同等又はそれ以上の熱エネルギーを記録媒体2に加えて加熱する。記録媒体2を加熱した後、一旦保持機構10a,10bのうち記録媒体2の主走査方向Xの上流側端部を保持する保持機構10bのみを解除する。そして、記録媒体2の主走査方向Xの下流側端部のみを保持機構10aによって保持した状態でドラム回転体5を主走査方向Xに回転させる。これによりドラム回転体5の外周面に保持された記録媒体2がドラム回転体5と押圧ローラ17との間で押圧され、記録媒体2の表面を平面化する。その後、保持機構10bで再度記録媒体の主走査方向Xの上流側端部を保持する。
保持機構10a,10bによって記録媒体2が保持されると、制御部20が回転機構12を制御することにより記録媒体2が順次主走査方向Xの上流側から下流側に搬送される。また、制御部20がキャリッジ駆動機構12を制御することによりキャリッジ11を記録媒体2の上を副走査方向Yに沿って走査させるとともに、制御部20は各記録ヘッド13を制御することにより、キャリッジ11が副走査方向Yの往路方向に移動する間、所定量のインクを所定の画素に吐出させる。
また制御部20は、キャリッジ11の動きに対応して紫外線照射装置14を移動させ、記録媒体2上に吐出されたインクに紫外線照射装置14から紫外線を照射させる。これによりインクが硬化定着し、記録媒体2上に画像が記録される。画像記録が完了すると、記録媒体2は保持機構10a,10bによる保持が解除されてドラム回転体5の外周面から離間し排出トレイに排出される。
以上のように、本実施形態によれば、乾燥又は硬化反応時に付与される熱エネルギーとほぼ同等又はそれ以上の熱エネルギーを記録媒体2に付与した後に再度記録媒体2を保持し直し、押圧ローラ17によって記録媒体2を平面化した上で画像記録を行う。このため、熱エネルギーを加えることによって記録媒体2の表面積や形状が変化するような場合でも、記録媒体2をしわや浮きが生じないように保持した状態で記録動作を行うことができ、記録媒体2のしわや浮きに起因する搬送不良を防止するとともに、高精彩、高画質の画像形成が可能となる。
また、本実施形態におけるインクジェット吐記録装置1は、ドラム回転体5に記録媒体2を支持して画像記録を行うドラム式であり、リニアモータ等を用いて副走査方向Yの走査を精密に制御して行うことができる。このため比較的簡易な構成で高精細な画像記録を行うことができる。そして、このようなドラム式のインクジェット記録装置1では、1枚の記録媒体2について画像記録が終了するまでの間、記録媒体2をドラム回転体5に保持し続ける必要があり、シリアル方式のインクジェット記録装置と比較して、熱エネルギーの付与により記録媒体2が変形等した場合の影響が大きいが、加熱後に再度記録媒体2を保持し直すので、記録媒体2をしわや浮きを生じないように保持した状態で記録動作を行うことができ、高精彩、高画質の画像を記録することができる。
なお、本実施形態においては、紫外線を照射することにより硬化するインクを用いて画像記録を行うものとしたが、インクは必ずしもこれには限定されず、例えば、紫外線、電子線、X線、可視光線、赤外線等の電磁波といった紫外線以外の光を照射することにより硬化するインクであってもよい。この場合、インクには、紫外線以外の光で重合して硬化する重合性化合物と、紫外線以外の光で重合性化合物同士の重合反応を開始させる光開始剤とが適用される。また、紫外線以外の光で硬化する光硬化型のインクを用いる場合は、紫外線光源に代えて、その光を照射する光源を適用する。
また、本実施形態においては、キャリッジ11を一方向(副走査方向Yの往路方向)に移動させるときのみに記録ヘッド13からインクを吐出させる構成としたが、副走査方向Yに沿っていずれの方向に走査する際にもインクを吐出させ記録を行う構成としてもよい。
また、本発明によるインクジェット記録装置1で使用する記録ヘッド13は、オンデマンド方式でもコンティニュアス方式でも構わない。また、吐出方式としては、例えば、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型等)、静電吸引方式(例えば、電界制御型、スリットジェット型等)及び放電方式(例えば、スパークジェット型等)等のうち、いずれの吐出方式を用いても構わない。
その他、本発明が上記実施の形態に限らず適宜変更可能であるのは勿論である。
次に、図4を参照しつつ、本発明に係るインクジェット記録装置の第2の実施形態について説明する。なお、第2の実施形態は、記録媒体2に熱エネルギーを付与する構成が第1の実施形態と異なるものであるので、以下においては、特に第1の実施形態と異なる点について説明する。
図4に示すように、本実施形態におけるインクジェット記録装置には、第1の実施形態と同様に、記録媒体2を下方から支持し記録媒体2の搬送経路を形成する板状部材3が設けられている。記録媒体2は搬送経路上に設けられた複数の搬送ローラ4により順次搬送方向Aの下流側に搬送されるようになっている。板状部材3において記録媒体2の搬送方向Aの下流側には、第1の実施形態と同様、主走査方向Xに一定速度で回転可能に構成された支持部材であるドラム回転体5が設けられている。
板状部材3の下方であって搬送方向Aの最下流に位置する搬送ローラ4よりも搬送方向Aの下流側には、搬送されてくる記録媒体2を非記録面側から加熱する加熱機構としてのヒータ26が設けられている。ヒータ26は、乾燥又は硬化反応時に記録媒体2に付与される熱エネルギーとほぼ同等又はそれ以上の熱エネルギーを記録媒体2に付与することが好ましい。
ヒータ26は、例えばシート状に形成されたヒートプレート等であり、記録媒体2を均一に加熱できるように記録媒体2の幅方向に延在し記録媒体2の幅寸法とほぼ等しい長さ寸法を有することが好ましい。なお、ヒータ26は、記録媒体2を画像記録前に加熱可能なものであればよく、記録媒体2を非記録面側から加熱する構成のものの他、記録媒体2の上方に記録媒体2のインク着弾面に対向するように非接触型のヒータ26を設ける構成としてもよい。この場合にはヒータ26としては、例えばコイルヒータ、ハロゲンヒータ等の輻射型ヒータが用いられる。また、この輻射型ヒータとしては記録媒体2のインク着弾面側の上方に金属板を配置して、電磁誘導加熱により金属板を加熱することで発熱させるような構成のものを用いてもよい。これらの非接触型のヒータは、離れた位置から対象物を加熱することが可能であるため、記録媒体2の表面を傷つけたり記録媒体2の搬送を阻害したりすることなく記録媒体2のインク着弾面側から記録媒体2を加熱することができる。
また、板状部材3における搬送方向Aの下流側端部には引込みローラ25が設けられている。引込みローラ25は、搬送されてきた記録媒体2をドラム回転体5の外周面上に引き込むとともに、ヒータ26の上を通過した記録媒体2をドラム回転体5に押し当てながら表面を平面化する平面化機構としても機能するものである。ドラム回転体5には、第1の実施形態と同様の保持機構10a,10bが設けられており、引込みローラ25によって表面が平面化された記録媒体2が保持機構10a,10bによってドラム回転体5の外周面上に保持されるようになっている。
ドラム回転体5の外周面に対向する位置には、第1実施形態と同様、キャリッジ11に搭載された記録ヘッド13が設けられており、キャリッジ11よりも主走査方向Xの下流側には紫外線を照射する紫外線照射装置14が設けられている。
また、インクジェット記録装置には、第1の実施形態と同様に、装置各部を制御する制御部(図示せず)が設けられている。
制御部は、搬送ローラ4を回転駆動させて記録媒体2を所定の搬送方向Aに搬送させるとともに、ヒータ26を制御して板状部材3の下方から記録媒体2に乾燥又は硬化反応時に記録媒体2に付与される熱エネルギーとほぼ同等又はそれ以上の熱エネルギーを付与するようになっている。また制御部は、ヒータ26によって加熱されドラム回転体5まで搬送されてきた記録媒体2を保持機構10a,10bによりドラム回転体5の外周面上に保持させる。
その他、制御部の制御構成、及び装置各部の構成は、第1の実施形態に示したものと同様であるので、同一箇所には同一の符号を付してその説明を省略する。
次に、本実施形態における作用について説明する。
画像記録を開始する信号が入力されると、制御部は、ヒータ26を制御して板状部材3の上を搬送される記録媒体2に乾燥又は硬化反応時に記録媒体2に付与される熱エネルギーとほぼ同等又はそれ以上の熱エネルギーを付与することにより、記録媒体2を非記録面側から加熱する。加熱された記録媒体2は、引込みローラ25によって表面を平面化されつつドラム回転体5に引き込まれ、保持機構10a,10bによりドラム回転体5の外周面に保持される。
記録媒体2はドラム回転体5が回転することにより順次主走査方向Xの上流側から下流側に搬送される。そしてキャリッジ11が記録媒体2の上を副走査方向Yに沿って走査するとともに、キャリッジ11が副走査方向Yの往路方向に移動する間、各記録ヘッド13から所定量のインクが所定の画素に吐出される。さらにキャリッジ11の動きに対応して紫外線照射装置14が移動し、記録媒体2上に吐出されたインクに紫外線照射装置14から紫外線を照射される。これによりインクが硬化定着し、記録媒体2上に画像が記録される。画像記録が完了すると、記録媒体2は保持機構10a,10bによる保持が解除されてドラム回転体5の外周面から離間し排出トレイに排出される。
以上のように、本実施形態によれば、記録媒体2に乾燥又は硬化反応時に記録媒体2に付与される熱エネルギーとほぼ同等又はそれ以上の熱エネルギーを付与した後に引込みローラ25によって記録媒体2を平面化し、その上で保持機構10a,10bにより記録媒体2を保持して画像記録を行う。このため、熱エネルギーを加えることによって記録媒体2の表面積や形状が変化するような場合でも、記録媒体2をしわや浮きが生じないように保持した状態で記録動作を行うことができ、記録媒体2のしわや浮きに起因する搬送不良を防止するとともに、高精彩、高画質の画像形成が可能となる。
また、記録媒体2を平面化する平面化機構として引込みローラ25を用いるので、別途ローラを設けることなく記録媒体の平面化を行うことができる。このため、装置の部品点数を少なくして装置コストを低減させることができる。
なお、ヒータ26を設ける位置はここに例示したものに限定されない。例えば、図5に示すように、ヒータ26をキャリッジ11よりも主走査方向Xの上流側に、ドラム回転体5の外周面と対向するように配置するようにしてもよい。この場合には、ヒータ26とキャリッジ11との間に記録媒体2を押圧して平面化する平面化機構としての押圧ローラ27を設ける。
また、平面化機構は、ドラム回転体5の回転軸方向に延在するローラに限定されない。例えば、図6に示すように、キャリッジ11の副走査方向Yの下流側に平面化機構としての押圧ローラ28を備え、キャリッジ11が副走査方向Yに移動するのに伴って押圧ローラ28が副走査方向Yに移動しながら記録媒体2を平面化するように構成してもよい。この場合、例えば、キャリッジ11の副走査方向Yの下流側側面に取り付けたアーム29の先端部に押圧ローラ28の回転軸28aを回転自在に軸支させる。このように構成することによって画像記録を行いながら随時記録媒体2の表面を平面化することができ、常に記録媒体2にしわや浮き等のない状態で画像記録を行うことができる。
なお、アーム29をヒンジ機構等により図6における上下方向に回動自在に設けて、必要に応じて押圧ローラ28が記録媒体2上から退避可能となるように構成してもよい。なお、副走査方向Yに移動しながら記録媒体2を平面化するローラは、キャリッジ11に設けられている場合に限定されず、紫外線照射装置14に設けられていてもよい。
なお、平面化機構は複数設けられていてもよく、例えば、引込みローラ8やドラム回転体の回転軸方向に延在する押圧ローラ27の他に、図6に示したような副走査方向Yに移動しながら記録媒体2を平面化する押圧ローラ28を備えるようにしてもよい。
また、平面化機構は記録媒体2を平面化できるものであればローラに限定されず、例えば平板状の部材等、各種形状の部材を適用することが可能である。
その他、本発明が上記実施の形態に限らず適宜変更可能であるのは第1の実施形態と同様である。
次に、図7及び図8を参照しつつ、本発明に係るインクジェット記録装置の第3の実施形態について説明する。なお、以下においては、特に第1の実施形態及び第2の実施形態と異なる点について説明する。
まず、図7に示すように、本実施の形態において、インクジェット記録装置30は、シリアルプリント方式によるインクジェット記録装置30であり、このインクジェット記録装置30には、平板状に形成され記録媒体2を非記録面から支持する支持部材としてのプラテン31が設けられている。プラテン31には、例えば、表面に静電気を生じさせて記録媒体を静電吸着させることによって保持する保持機構32(図8参照)を備えている。なお、保持機構32が記録媒体2を保持する構成はここに例示したものに限定されない。
プラテン31の上方には、プラテン31の長手方向に延在する棒状のガイドレール33が設けられている。このガイドレール33には、キャリッジ34が支持されており、キャリッジ34は後述するキャリッジ駆動機構35(図8参照)によりガイドレール33に沿って主走査方向Xに往復移動自在となっている。
また、インクジェット記録装置30には、複数の搬送ローラ36等により構成され、主走査方向Xと直交する副走査方向Yに記録媒体2を送るための記録媒体搬送機構37(図8参照)が設けられている。記録媒体搬送機構37は、搬送ローラ36を回転させることによって、画像記録時において、キャリッジ34の動作に合わせて記録媒体2の搬送と停止とを繰り返し、記録媒体2を副走査方向Yの上流側から下流側に間欠的に搬送するようになっている。
図7に示すように、キャリッジ34には、本実施形態におけるインクジェット記録装置30で使用される各色(ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)。)に対応した4つの記録ヘッド40が搭載されている。各記録ヘッド40は、外形が略直方体状に形成されており、長手方向が互いに平行となるように配置されている。なお、インクジェット記録装置30で使用されるインクはこれに限定されず、例えば、ライトイエロー(LY)、ライトマゼンタ(LM)、ライトシアン(LC)等の色を使用することもできる。この場合には、各色に対応した記録ヘッドがキャリッジに搭載される。なお、本実施形態に適用されるインクは、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様であるため説明を省略する。
キャリッジ34の内側であり記録ヘッド40の主走査方向Xの上流側には、記録媒体2の上に吐出され着弾したインクを硬化定着させる活性エネルギー線として紫外線を照射する照射装置として紫外線照射装置41が配設されている。紫外線照射装置41は、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様の紫外線を照射する紫外線光源(図示せず)を有している。
なお、紫外線照射装置41の配置はこれに限定されず、各記録ヘッド40の間にもそれぞれ紫外線照射装置41を設けるようにしてもよい。また、紫外線照射装置41は、キャリッジ34の上に搭載されている場合に限られず、キャリッジ34の外に設けられていてもよい。
また、記録媒体2としては、普通紙、再生紙、光沢紙等の各種紙、各種布地、各種不織布、樹脂、金属、ガラス等の種々の材質からなる記録媒体2が適用可能である。また、記録媒体2の形態としては、ロール状、カットシート状、板状等の各種形態が適用可能である。
記録媒体2の搬送経路上であってキャリッジ34よりも副走査方向Yの上流側には、搬送されてくる記録媒体2を記録面側から加熱する加熱機構としてのヒータ42が設けられている。ヒータ42は、乾燥又は硬化反応時に記録媒体2に付与される熱エネルギーとほぼ同等又はそれ以上の熱エネルギーを記録媒体2に付与することが好ましい。
ヒータ42は、例えば記録媒体2の上方に記録媒体2のインク着弾面に対向するように設けられた非接触型のヒータ42であり、記録媒体2を均一に加熱できるように記録媒体2の幅方向に延在し記録媒体2の幅寸法とほぼ等しい長さ寸法を有することが好ましい。ヒータ42としては、例えばコイルヒータ、ハロゲンヒータ等の輻射型ヒータ等が用いられる。また、この輻射型ヒータとしては記録媒体2のインク着弾面側の上方に金属板を配置して、電磁誘導加熱により金属板を加熱することで発熱させるような構成のものを用いてもよい。これらの非接触型のヒータは、離れた位置から対象物を加熱することが可能であるため、記録媒体2の表面を傷つけたり記録媒体2の搬送を阻害したりすることなく記録媒体2のインク着弾面側から記録媒体2を加熱することができる。なお、ヒータ42は、記録媒体2を画像記録前に加熱可能なものであればよく、例えばシート状に形成されたヒートプレート等、記録媒体2を非記録面側から加熱する構成のものであってもよい。
搬送経路上であってヒータ42とキャリッジ34との間には、記録媒体2を平面化する平面化機構として押圧ローラ43が主走査方向Xに延在して設けられている。
図8に示すように、インクジェット記録装置30には、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様に、装置各部を制御する制御部45及び各種の情報を入力する入力部46が設けられている。
制御部45は、ヒータ42を制御して画像記録前に記録媒体2に乾燥又は硬化反応時に記録媒体2に付与される熱エネルギーとほぼ同等又はそれ以上の熱エネルギーを付与するようになっている。また、保持機構32を動作させて、プラテン31の表面に記録媒体2を吸着保持させるようになっている。
また、制御部45は、キャリッジ駆動機構35を制御してキャリッジ34を主走査方向Xに移動させるとともに、記録媒体搬送機構37を制御して搬送ローラ36を回転駆動させることによりキャリッジ34の動きに合わせて記録媒体2を副走査方向Yの上流側から下流側に向かって間欠搬送させるようになっている。
さらに、制御部45は、記録ヘッド40を動作させて所定量のインクを吐出させるとともに、紫外線照射装置41を制御して記録ヘッド40から吐出され記録媒体2上に着弾したインクに対して紫外線を照射するようになっている。
その他、制御部40の制御構成、及び装置各部の構成は、第1の実施形態及び第2の実施形態に示したものと同様であるので、同一箇所には同一の符号を付してその説明を省略する。
次に、本実施形態における作用について説明する。
画像記録を開始する信号が入力されると、制御部40は、ヒータ42を制御して搬送される記録媒体2に乾燥又は硬化反応時に記録媒体2に付与される熱エネルギーとほぼ同等又はそれ以上の熱エネルギーを付与し、記録媒体2を記録面側から加熱する。加熱された記録媒体2は、押圧ローラ43によって表面を平面化されるとともに順次副走査方向Yに搬送される。記録媒体2がプラテン31の上まで搬送されると、記録媒体2は保持機構32によってプラテン31の上に保持される。記録媒体2は、記録媒体搬送機構37によって順次副走査方向Yの上流側から下流側に間欠搬送され、同時にキャリッジ34が記録媒体2の上を主走査方向Xに沿って走査する。そして、キャリッジ34が主走査方向Xの往路方向に移動する間、各記録ヘッド40から所定の吐出量のインクが所定の画素に吐出される。さらに記録媒体2上に吐出されたインクに紫外線照射装置41から紫外線を照射される。これによりインクが硬化定着し、記録媒体2上に画像が記録される。
以上のように、本実施形態によれば、記録媒体2に熱エネルギーを付与した後に押圧ローラ43によって記録媒体2を平面化し、その上で保持機構32により記録媒体2を保持して画像記録を行う。このため、熱エネルギーを加えることによって記録媒体2の表面積や形状が変化するような場合でも、記録媒体2をしわや浮きが生じないように保持した状態で記録動作を行うことができ、記録媒体2のしわや浮きに起因する搬送不良を防止するとともに、高精彩、高画質の画像形成が可能となる。
なお、本実施形態においては、押圧ローラ43によって記録媒体2を平面化するように構成したが、平面化機構はこれに限定されず、例えば、図9に示すように、キャリッジ34の主走査方向Xの下流側に押圧ローラ50を備え、キャリッジ34が主走査方向Xに移動するのに伴って押圧ローラ50が主走査方向Xに移動しながら記録媒体2を平面化するように構成してもよい。この場合、例えば、キャリッジ34の主走査方向Xの下流側側面に取り付けたアーム51の先端部に押圧ローラ50の回転軸52を回転自在に軸支させる。なお、アーム51をヒンジ機構等により図9における上下方向に回動自在に設けて、必要に応じて押圧ローラ50が記録媒体2上から退避可能となるように構成してもよい。
なお、平面化機構は複数設けられていてもよく、例えば、本実施形態で示した押圧ローラ43の他に、図9に示したような副走査方向Yに移動しながら記録媒体2を平面化する押圧ローラ50をさらに備えるようにしてもよい。
また、本実施形態においてインクジェット記録装置30は、キャリッジ34に搭載された記録ヘッド40を主走査方向Xに往復移動させるとともに、記録媒体2を副走査方向Yに搬送させながら、各記録ヘッド40からインクを吐出させて、画像を形成するシリアルプリント方式のインクジェット記録装置30としたが、プリンタ本体に固定された各記録ヘッドからインクを吐出させるとともに、記録媒体2を搬送させながら、画像を形成するラインプリント方式のインクジェット記録装置としてもよい。この場合には、加熱機構としてのヒータを記録ヘッドよりも記録媒体の搬送方向の上流側に配置するとともに、平面化機構をヒータと記録ヘッドとの間に配置して、記録媒体を加熱し平面化した後に画像記録領域に保持して記録を行うようにする。
その他、本発明が本実施の形態に限られないことは、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様である。
本発明に係るインクジェット記録装置の第1実施形態の要部構成を示した側面図である。 本発明に係るインクジェット記録装置の第1実施形態の要部構成を示した斜視図である。 本実施の形態に係るインクジェット記録装置の第1実施形態の制御構成の概略を示した要部ブロック図である。 本発明に係るインクジェット記録装置の第2実施形態の要部構成を示した側面図である。 本発明に係るインクジェット記録装置の第2実施形態の変形例の要部構成を示した側面図である。 本発明に係るインクジェット記録装置に適用可能な平面化機構の一例を示した図である。 本発明に係るインクジェット記録装置の第3実施形態の要部構成を示した上面図である。 本実施の形態に係るインクジェット記録装置の第3実施形態の制御構成の概略を示した要部ブロック図である。 本発明の第3実施形態に係るインクジェット記録装置に適用可能な平面化機構の一例を示した図である。
符号の説明
1 インクジェット記録装置
2 記録媒体
5 ドラム回転体
10 保持機構
13 記録ヘッド
14 紫外線照射装置
17 押圧ローラ
20 制御部
A 搬送方向
X 主走査方向
Y 副走査方向

Claims (7)

  1. 記録媒体に熱エネルギーを加える加熱機構と、記録媒体に熱エネルギーを加えることにより乾燥又は硬化反応が促進されるインクを吐出する記録ヘッドと、を備えるインクジェット記録装置において、
    前記記録媒体を支持する支持部材と、
    前記記録媒体を前記支持部材上に保持する保持機構と、
    前記保持機構が前記記録媒体を保持した後であって前記記録ヘッドによる画像記録開始前に前記記録媒体に熱エネルギーを加えるように前記加熱機構を制御するとともに、前記記録媒体に熱エネルギーを加えた後に前記記録媒体の保持を少なくとも一部開放し、画像記録が行われる直前に再度保持するように前記保持機構を制御する制御部とを備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記記録媒体の保持を少なくとも一部開放する前に加えられる熱エネルギーは、乾燥又は硬化反応時に付与される熱エネルギーとほぼ同等又はそれ以上であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記記録媒体に着弾した前記インクに活性エネルギー線を照射する照射装置を備え、
    前記加熱機構は前記照射装置であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記支持部材は、円筒形状に形成され外周面上に前記記録媒体を支持するドラムであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記支持部材上に支持された前記記録媒体を平面化する平面化機構を備えていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記平面化機構は、前記記録媒体に接するように配置されたローラであることを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記記録ヘッドを走査するヘッド走査機構又は前記照射装置を走査する照射装置走査機構のうち少なくともいずれか一方を備え、
    前記平面化機構は、前記ヘッド走査機構又は前記照射装置走査機構により走査方向に移動可能であることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のインクジェット記録装置。
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