JP7339059B2 - 光硬化型インクジェット記録用インク組成物およびインクセット - Google Patents
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Description
CH2=CR1-COOR2-O-CH=CH-R3 (I)
[式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は炭素数2~20の2価の有機残基であり、R3は水素原子又は炭素数1~11の1価の有機残基である。]
で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類を含有する、ワンパス方式のインクジェットシステムに用いる紫外線硬化型インクが記載されている。特許文献2の紫外線硬化型インクは、上記ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類を含有し、ピーク強度が800mW/cm2以上の紫外線を照射することにより、塗膜の硬化性が向上し、硬化シワの発生が防止されるものである。
重合性化合物として、式
CH2=CR1-COOR2-O-CH=CH-R3・・・(I)
[式中、R1は水素原子またはメチル基を表し、R2は炭素原子数2以上20以下の2価の有機残基を表し、R3は水素原子または炭素原子数1以上11以下の1価の有機残基を表す。]
で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類30~40質量%、
30℃以上のTgを有する単官能モノマー1~9質量%及び
30℃以上のTgを有する多官能(メタ)アクリルモノマー10~40質量%と、
光重合開始剤とを、
含有する、光硬化型インクジェット記録用インク組成物を提供する。
着色剤として、C.I.ピグメントイエロー180と、
重合性化合物として、式
CH2=CR1-COOR2-O-CH=CH-R3・・・(I)
[式中、R1は水素原子またはメチル基を表し、R2は炭素原子数2以上20以下の2価の有機残基を表し、R3は水素原子または炭素原子数1以上11以下の1価の有機残基を表す。]
で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類30~40質量%、
30℃以上のTgを有する単官能モノマー1~9質量%及び
30℃以上のTgを有する多官能(メタ)アクリルモノマー10~40質量%と、
光重合開始剤とを、
含有する、光硬化型インクジェット記録用インク組成物
を含むインクセットを提供する。
本発明の実施形態に係るインクジェット記録用インク組成物(以下、インク組成物と記載することがある)は、シングルパス方式のインクジェット記録装置に用いられる。インク組成物は、重合性化合物と光重合開始剤とを含有する。重合性化合物は、ビニエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類と、単官能モノマーと、多官能(メタ)アクリルモノマーとを含む。ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類は、一般式(I)で表される。単官能モノマーは、アクリルアミド系モノマーおよび単官能(メタ)アクリルモノマーからなる群から選択される少なくとも1種である。単官能モノマーの含有率は、1質量%以上9質量%以下である。多官能(メタ)アクリルモノマーの含有率は、5質量%以上50質量%以下である。単官能モノマーの重合体のガラス転移温度が30℃以上であり、多官能(メタ)アクリルモノマーの重合体のガラス転移温度が30℃以上である。
シングルパス方式のインクジェット記録装置は、記録媒体の搬送方向に対して垂直方向の記録媒体全域をカバーするラインヘッドを備える。このインクジェット記録装置は、固定されたラインヘッドに対して記録媒体を搬送方向に一回だけ移動させ、この移動に連動してラインヘッドのノズルからインク液滴を吐出する動作で記録媒体上に画像を形成する。このため、シングルパス方式のインクジェット記録装置は高速印刷が可能であり、生産性を向上させることができる。吐出方式は、ピエゾ方式が好ましい。
本明細書において、光重合開始剤は、活性エネルギー線を吸収し光重合反応(連鎖重合反応)を開始させる。光重合開始剤としては、たとえば、アシルホスフィンオキサイド系化合物、アルキルフェノン系化合物、およびチオキサントン系化合物が挙げられる。
本明細書において、重合性化合物は、重合反応により重合体を形成し得る化合物である。重合性化合物は、一般式(I)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類と、アクリルアミド系モノマーおよび単官能(メタ)アクリルモノマーからなる群から選択される少なくとも1種の単官能モノマーと、多官能(メタ)アクリルモノマーとを含む。単官能モノマーの重合体のガラス転移温度が30℃以上である。多官能(メタ)アクリルモノマーの重合体のガラス転移温度が30℃以上である。
ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類は、一般式(I):
CH2=CR1-COOR2-O-CH=CH-R3・・・(I)
(前記一般式(I)中、R1は水素原子またはメチル基を表し、R2は炭素原子数2以上20以下の2価の有機残基を表し、R3は水素原子または炭素原子数1以上11以下の1価の有機残基を表す)で表される。以下、一般式(I)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類を(メタ)アクリル酸エステル類(I)と記載することがある。
本明細書において、単官能モノマーは、1分子中に重合性の部分(たとえば、エチレン性二重結合)を1つ有する。単官能モノマーは、アクリルアミド系モノマーおよび単官能(メタ)アクリルモノマーからなる群から選択される少なくとも1種である。単官能モノマーの含有率は、インク組成物において1質量%以上9質量%以下である。単官能モノマーの重合体のガラス転移温度Tgが30℃以上である。単官能モノマーの重合体のガラス転移温度Tgは、好ましくは35~200℃、より好ましくは40~150℃である。
アクリルアミド系モノマーとしては、たとえば、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、2-ヒドロキシエチルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、およびアクリロイルモルフォリン(ACMO)が挙げられる。これらのアクリルアミド系モノマーのうち、環状構造(より具体的には、脂環式構造またはヘテロ環式構造等)を有するアクリルアミド系モノマーが好ましく、アクリロイルモルフォリンがより好ましい。
単官能(メタ)アクリルモノマーとしては、たとえば、鎖状構造または環状構造を有する単官能(メタ)アクリルモノマーが挙げられる。ここで、鎖状構造を有する単官能(メタ)アクリルモノマーは、その分子構造中に環式構造を有さず、直鎖状構造または分岐状構造を有する。環状構造を有する単官能(メタ)アクリルモノマーは、その分子構造中に環状構造を有し、鎖状構造をさらに有してもよい。
本明細書において、多官能(メタ)アクリルモノマーは、1分子中に重合性の部分(たとえば、エチレン性二重結合)を2以上有する。多官能(メタ)アクリルモノマーとしては、二官能(メタ)アクリルモノマー、三官能(メタ)アクリルモノマー、四官能(メタ)アクリルモノマー、および五官能(メタ)アクリルモノマーが挙げられる。多官能(メタ)アクリルモノマーは、鎖状構造または脂環式構造を有してもよい。ここで鎖状構造を有する多官能(メタ)アクリルモノマーは、その分子構造中に環式構造を有さず、直鎖状構造または分岐状構造を有する。脂環式構造を有する多官能(メタ)アクリルモノマーは、その分子構造中に脂環式構造を有し、鎖状構造をさらに有してもよい。
インク組成物は、重合性化合物および光重合開始剤の他に、必要に応じて任意の成分をさらに含んでもよい。任意の成分としては、たとえば、界面活性剤(表面張力調整剤)、着色材、重合禁止剤、分散剤、有機溶剤、定着性樹脂、レベリング剤、消泡剤、酸化防止剤、pH調整剤、電荷付与剤、殺菌剤、防腐剤、防臭剤、電荷調整剤、湿潤剤、および紫外線吸収剤が挙げられる。これらの任意の成分は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
記録媒体および/またはインクジェットヘッドのノズル基板へのインクのぬれ性を調整する目的で、インク組成物は界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤としては、たとえば、シリコーン系化合物が挙げられる。シリコーン系化合物としては、たとえば、ジメチルシロキサン構造を有するシリコーン系化合物が好ましく、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンがより好ましい。界面活性剤の市販品としては、たとえば、ビックケミー社製「BYK-350、352、354、355、358N、361N、381N、381、392、BYK-300、302、306、307、310、315、320、322、323、325、330、331、333、337、340、344、348、370、375、377、378、355、356、357、390、UV3500、UV3510、およびUV3570」、テゴケミー社製「Tegorad-2100、2200、2250、2500、および2700」、並びにエボニックデグサ社製「TEGO(登録商標) Glide 100、110、130、403、406、410、411、415、432、435、440、450、および482」等が挙げられるがこれに限定されるものではない。これら界面活性剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。界面活性剤は、良好な相溶性を維持する観点から、2種以上を用いることが好ましい。2種以上の界面活性剤を併用することにより、インク組成物を長期間保存した場合でも良好な相溶性を保つためインク組成物が記録媒体上で十分に濡れ広がり、顔料の特徴である広い色再現性を保つことができるからである。
光重合反応の進行を制御する目的で、インク組成物は重合禁止剤を含んでもよい。重合禁止剤としては、たとえば、ヒドロキノン系化合物、カテコール系化合物、およびフェノール系化合物が挙げられる。ヒドロキノン系化合物としては、たとえば、ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、tert-ブチルヒドロキノン、およびジtert-ブチルヒドロキノンが挙げられる。カテコール系化合物としては、たとえば、カテコール、メチルカテコール、およびtert-ブチルカテコールが挙げられる。フェノール系化合物としては、たとえば、フェノール、3,5-ジtert-ブチル-4-ヒドロキシトルエン(ブチルヒドロキシトルエン(BHT))、クレゾール、およびメトキノンが挙げられる。
着色材としては、たとえば、顔料および染料が挙げられる。形成される画像の耐候性を向上させる観点から、顔料(より具体的には、有機顔料および無機顔料等)が好ましい。 食品包装等に使用される印刷物には優れた色再現性が要求される。インクジェット記録法においては、ブラック、マゼンタ、イエロー及びシアンの基本色インクと組み合わせて特色インクを使用することで、色再現性に優れた塗膜が提供される。
インク組成物中で着色材を分散させる目的で、インク組成物は分散剤(より具体的には、顔料分散体等)を含んでもよい。分散剤としては、たとえば、ポリビニルアルコール、アクリル酸系樹脂、スチレン-アクリル酸系樹脂、および酢酸ビニル系樹脂が挙げられる。アクリル酸系樹脂としては、たとえば、ポリアクリル酸、アクリル酸-アクリロニトリル共重合体、およびアクリル酸-アクリル酸アルキルエステル共重合体が挙げられる。スチレン-アクリル酸系樹脂としては、たとえば、スチレン-アクリル酸共重合体、スチレン-メタクリル酸共重合体、およびスチレン-アクリル酸-アクリル酸アルキルエステル共重合体が挙げられる。酢酸ビニル系樹脂としては、たとえば、酢酸ビニル-エチレン共重合体、および酢酸ビニル-マレイン酸エステル共重合体が挙げられる。
インク組成物は、インク組成物の粘度を調整する目的で、有機溶剤を含んでもよい。インク組成物の乾燥性および形成画像の転写性を向上させる観点から、インク組成物は有機溶剤を実質的に含まないことが好ましい。このようにインク組成物は、希釈する目的で有機溶剤を含む必要がないため、インク組成物を吐出する際に粘度を調整する目的でインク組成物を過度に加熱する必要がない。また、インク組成物は、希釈する目的で有機溶剤を含む必要がないため、インク組成物の保存中又は使用中に、インク組成物中の有機溶剤の揮発に起因するインク組成物の粘度の上昇等が生じにくい。更に、インク組成物が顔料を含む場合であっても、粘度上昇に伴う顔料の沈降が抑制され、良好な分散安定性を有する傾向にある。このように、インク組成物は、吐出安定性を更に向上させる観点からも、有機溶剤を実質的に含まないことが好ましい。有機溶剤の含有量は、インク組成物100質量部に対して3質量部以下であることが好ましく、1質量部以下であることがより好ましく、0質量部であることが更に好ましい。有機溶剤としては、たとえば、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、エーテル、およびケトンが挙げられる。
インク組成物のPII値は、インク組成物の安全性を向上させる観点から、2未満であることが好ましく、2.00未満であることがより好ましく、1.70未満であることが更に好ましい。インク組成物のPII値の算出方法は、実施例に記載する。
インク組成物は、特に一次皮膚刺激性インデックスPII値が2未満である場合には、人の手に触れる画像形成物の用途に適している。インク組成物は、ラベルとして食品包装の表面に記録するための食品包装記録用のインク組成物として用いることができる。ラベルとしては、たとえば、商品名、商品の成分、メーカー名、製造年月日、ロット番号、および注意書きが挙げられる。
インク組成物の調製方法は、従来から公知の調製方法を使用することができる。以下、インク組成物が着色材として顔料を含む場合の好適な調製方法を説明する。分散機を用いて、着色剤と、重合性化合物の一部と、必要に応じて任意の成分(より具体的には、顔料分散剤等)とを予備混合(プレミックス)し、各成分を溶解または分散させることで一次分散体を調製する。分散機としては、たとえば、ディスパ、容器駆動媒体ミル(より具体的には、ボールミル、遠心ミル、および遊星ボールミル等)、高速回転ミル(より具体的には、サンドミル等)、および媒体撹拌ミル(より具体的には、撹拌槽型ミル等)が挙げられる。
インクセットは、インクジェット記録方法を行う際に同時に使用される複数色(たとえば、シアン色、マゼンタ色、イエロー色、ブラック色、およびホワイト色)の光硬化型インクジェット記録用インク組成物を組み合わせた一式をいう。インクセットを構成するインクジェット記録用インク組成物は、混合されていない状態で組み合わされている。
[1.インク組成物の調製]
(1-1.顔料分散体の調製)
表1~5に示された、顔料、顔料分散剤、および二官能(メタ)アクリルモノマーをプラスチック製ビンに投入した。ハイスピードミキサーを用いて、プラスチック製ビンの内容物を均一になるまで撹拌し、ミルベースを得た。次いで、ペイントコンディショナー(東洋精機社製)を用いて、ミルベースを2時間分散させて、顔料分散体を得た。
顔料分散体を含むプラスチック製ビンに、表1~5に示された、(メタ)アクリル酸エステル類(I)と、単官能(メタ)アクリルモノマーと、アクリルアミド系モノマーと、光重合開始剤と、界面活性剤と、重合禁止剤とを更に投入した。マグネチックスターラーを用いて、顔料分散体および追加投入した成分を30分撹拌し、混合物を得た。撹拌後、グラスフィルター(桐山製作所製)を用いて、混合物を吸引ろ過し、インク組成物を調製した。表1~5にインク組成物の組成を示す。
重合性化合物の1種(単官能(メタ)アクリルモノマー及び多官能(メタ)アクリルモノマーのうちの1種)と、光重合開始剤として1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニルケトン(チバ社製「IRGACURE184」)とを、質量比(重合性化合物/光重合開始剤)95/5で混合し、溶液を調製した。バーコータ(#20)を用いてこの溶液をガラス基板上に塗布して均一な塗布膜を形成した。次に、メタルハライドランプを用いて、積算光量200mJ/cm2の条件で紫外線を塗布膜に照射して硬化させ、硬化物を得た。得られた硬化物をガラス基板から剥離し、測定試料とした。熱重量測定装置(マックサイエンス社製「TG-GDA」)を用いて、測定試料のガラス転移温度(単位:温度)を測定した。測定した測定試料のガラス転移温度を、単官能(メタ)アクリルモノマー又は多官能(メタ)アクリルモノマーの重合体のガラス転移温度とした。得られたガラス転移温度を表2および表3にまとめた。なお、測定条件は、窒素雰囲気下、昇温速度10℃/分、測定温度範囲-100~180℃で行った。
(2-1.光沢性の評価:塗膜の光沢度測定)
滴サイズ7pLおよび解像度600×600dpiの条件で、インクジェットヘッドからインク組成物を吐出させて基材(白PET)上に塗布し、塗布膜を形成した。このインクジェットヘッドは、シングルパス方式のインクジェット記録装置に搭載するインクジェットヘッドである。紫外線LED(日亜化学工業社製「NCCU001E」)を用いて、トータル照射光量が300mJ/cm2となるように塗布膜に紫外線を照射して、塗布膜を硬化させ、基材上に塗膜(膜厚3μm)を形成した。その結果、塗膜光沢度測定用試料を得た。このように硬化させた塗膜光沢度測定用試料の光沢度を測定し、下記の基準で評価した。光沢度計(BYKガードナー社製、「micro-TRI-gloss」)を用いて60°光沢を測定した。評価S(特に良好)、A(良好)、およびB(良)を塗膜強度が実用上問題のない水準であると判断した。光沢性の評価結果を表1~5に示す。
S(特に良好):光沢度が75以上である。
A(良好) :光沢度が60以上75未満である。
B(良) :光沢度が50以上60未満である。
C(不良) :光沢度が50未満である。
滴サイズ7pLおよび解像度600×600dpiの条件で、インクジェットヘッドからインク組成物を吐出させて基材(白PET)上に塗布し、塗布膜を形成した。このインクジェットヘッドは、シングルパス方式のインクジェット記録装置に搭載するインクジェットヘッドである。紫外線LED(日亜化学工業社製「NCCU001E」)を用いて、トータル照射光量が300mJ/cm2となるように塗布膜に紫外線を照射して、塗布膜を硬化させ、基材上に塗膜(膜厚3μm)を形成した。その結果、密着性測定用試料を得た。次いで、密着性測定用試料の塗膜表面をクロスカットし、粘着シート(ニチバン社製「セロテープ(登録商標)」)の粘着層側の面を貼り付け、粘着シートを引き剥がした。塗膜の状態を目視で観察した。観察結果から密着性を下記評価基準に基づいて評価した。評価S(特に良好)、A(良好)、およびB(良)を密着性が実用上問題のない水準であると判断した。密着性の評価結果を表1~5に示す。なお、密着性の評価は、温度25℃で実施された。
S(特に良好):塗膜が全く剥離しない。
A(良好) :塗膜がわずかに剥離しない。
B(良) :塗膜が一部剥離する。
C(不良) :粘着シートを貼り付けた部分の塗膜の全面が剥離する。
滴サイズ7pLおよび解像度600×600dpiの条件で、インクジェットヘッドからインク組成物を吐出させて基材(白PET)上に塗布し、塗布膜を形成した。このインクジェットヘッドは、シングルパス方式のインクジェット記録装置に搭載するインクジェットヘッドである。紫外線LED(日亜化学工業社製「NCCU001E」)を用いて、トータル照射光量が300mJ/cm2となるように塗布膜に紫外線を照射して、塗布膜を硬化させ、基材上に塗膜(膜厚3μm)を形成した。その結果、塗膜強度測定用試料を得た。このように硬化させた塗膜強度測定用試料の鉛筆硬度を測定し、下記の基準で評価した。なお、日本工業規格(JIS)K5400に規定された鉛筆硬度の測定方法に基づき、の表面性試験機(新東科学社製「HEIDON-14DR」)を用いて測定した。評価S(特に良好)、A(良好)、およびB(良)を塗膜強度が実用上問題のない水準であると判断した。評価結果を表1~5に示す。
S(特に良好):鉛筆硬度が4H以上である。
A(良好) :鉛筆硬度が3H以上4H未満である。
B(良) :鉛筆硬度がHB以上3H未満である。
C(不良) :鉛筆硬度がHB未満である。
表1および表5に記載されたインク組成物の成分のPII値およびインク組成物の組成に基づき、インク組成物のPII値を算出した。得られたPII値を表1~5に示す。
JIS Z8803に準拠した方法により、R100型粘度計(東機産業社製)を用いて、温度25℃およびコーン回転数5rpmの条件下で、インク組成物の粘度を測定した。得られた粘度(単位:mPa・s)を表1~5に示す。
イエロー顔料PY180(C.I.ピグメントイエロー180、Clariant社製「PV Fast Yellow Hg」)及びイエロー顔料PY155(C.I.ピグメントイエロー155、クラリアント社製「Ink Jet Yellow 4GC」)を使用し、以下に示す配合量を使用すること以外は上記実施例と同様にして顔料分散体及びインク組成物を調製した。
Claims (6)
- 着色剤として、C.I.ピグメントオレンジ34及びC.I.ピグメントブルー15:6から成る群から選択される一種と、
重合性化合物として、式
CH2=CR1-COOR2-O-CH=CH-R3・・・(I)
[式中、R1は水素原子またはメチル基を表し、R2は炭素原子数2以上20以下の2価の有機残基を表し、R3は水素原子または炭素原子数1以上11以下の1価の有機残基を表す。]
で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類30~40質量%、
単官能モノマーの重合体が30℃以上のTgを有する単官能モノマー1~9質量%及び
多官能(メタ)アクリルモノマーの重合体が30℃以上のTgを有する多官能(メタ)アクリルモノマー10~40質量%と、
光重合開始剤とを、
含有する、光硬化型インクジェット記録用インク組成物であって、
該単官能モノマーは、アクリルアミド系モノマーおよび単官能(メタ)アクリルモノマーからなる群から選択される少なくとも1種である、光硬化型インクジェット記録用インク組成物。 - 前記単官能モノマーはアクリルアミド系モノマーを含む、請求項1に記載の光硬化型インクジェット記録用インク組成物。
- 前記単官能モノマーは、イソボルニルアクリレート、3,3,5-トリメチルシクロヘキシルアクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレートおよびイソボルニルメタアクリレートからなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1又は2に記載の光硬化型インクジェット記録用インク組成物。
- 前記多官能(メタ)アクリルモノマーは、ジシクロペンタニルジアクリレート、メチル-1,5-ペンタンジオールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバリン酸エステルジアクリレート、1,10-デカンジオールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールプロピレンオキシドジアクリレートおよび1,9-ノナンジオールジアクリレートからなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の光硬化型インクジェット記録用インク組成物。
- シングルパス方式のインクジェット記録方法に使用される請求項1~4のいずれか1項に記載の光硬化型インクジェット記録用インク組成物。
- 請求項1~5のいずれか1項に記載の光硬化型インクジェット記録用インク組成物、及び
着色剤として、C.I.ピグメントイエロー180と、
重合性化合物として、式
CH2=CR1-COOR2-O-CH=CH-R3・・・(I)
[式中、R1は水素原子またはメチル基を表し、R2は炭素原子数2以上20以下の2価の有機残基を表し、R3は水素原子または炭素原子数1以上11以下の1価の有機残基を表す。]
で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類30~40質量%、
単官能モノマーの重合体が30℃以上のTgを有する単官能モノマー1~9質量%及び
多官能(メタ)アクリルモノマーの重合体が30℃以上のTgを有する多官能(メタ)アクリルモノマー10~40質量%と、
光重合開始剤とを、
含有する、光硬化型インクジェット記録用インク組成物
を含むインクセットであって、
該単官能モノマーは、アクリルアミド系モノマーおよび単官能(メタ)アクリルモノマーからなる群から選択される少なくとも1種である、インクセット。
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