JP5756071B2 - インクジェットインク組成物、及びインクジェット記録方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、特許文献1の技術においては、得られる膜の基材密着性に関して未だ改善の余地がある。また、膜硬度、インク組成物の吐出安定性についても改良の余地がある。
<1>(成分A)式(I)で表される構成繰り返し単位を有する重量平均分子量3,000〜100,000の樹状の高分子化合物、(成分B)重合開始剤、及び(成分C)ラジカル重合性化合物、を含有することを特徴とするインクジェットインク組成物、
<3>成分C−1の含有量が成分Cの総重量の80重量%以上である、上記<2>に記載のインクジェットインク組成物、
<4>成分C−1の含有量が成分Cの総重量の85重量%以上である、上記<2>又は<3>に記載のインクジェットインク組成物、
<5>成分Cが、2官能ラジカル重合性化合物を含有する、上記<1>〜<4>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物、
<6>成分Aの重量平均分子量が3,000〜60,000である、上記<1>〜<5>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物、
<7>成分Aが、多官能チオール化合物残基を含有する、上記<1>〜<6>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物、
<8>成分Aが、4価以上の多官能チオール化合物残基を含有する、上記<1>〜<7>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物、
<9>成分Aの分子量分布(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))が3以下である、上記<1>〜<8>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物、
<10>(成分D)着色剤を更に含有する、上記<1>〜<9>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物、
<11>成分Cが、(成分C−2)N−ビニル化合物を含有する、上記<1>〜<10>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物、
<12>成分C−2が、N−ビニルカプロラクタムである、上記<11>に記載のインクジェットインク組成物、
<13>成分Aが、前記式(I)で表される構成繰り返し単位と式(II)で表される構成繰り返し単位とを有する共重合体である、上記<1>〜<12>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物、
<15>成分Aが、ハイパーブランチポリマーである、上記<1>〜<14>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物、
<16>成分Aが、枝構造として式(I)で表される構成繰り返し単位を有するポリマー鎖を有するハイパーブランチポリマーである、上記<1>〜<15>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物、
<17>(a1)被記録媒体上に、上記<1>〜<16>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物を吐出する工程、及び、(b1)吐出されたインクジェットインク組成物に活性放射線を照射して、前記インクジェットインク組成物を硬化する工程、を含むことを特徴とするインクジェット記録方法。
本発明のインクジェットインク組成物(以下、「インク組成物」ともいう。)は、(成分A)式(I)で表される構成繰り返し単位を有する重量平均分子量3,000〜100,000の樹状の高分子化合物、(成分B)重合開始剤、及び(成分C)ラジカル重合性化合物、を含有することを特徴とする。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及び「メタアクリル」のいずれか一方、又は、その両方を含む語であり、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及び「メタアクリレート」のいずれか一方、又は、その両方を含む語である。
本発明のインク組成物は、式(I)で表される構成繰り返し単位を有する重量平均分子量3,000〜100,000の樹状の高分子化合物を含有する。
樹状高分子はハイパーブランチポリマーやデンドリチックポリマーとも呼ばれ、枝分かれのある高分子の総称で、分岐型高分子(枝分かれ高分子又は分岐高分子ともいう。)の一種である。多官能連鎖移動剤や多官能開始剤を用いた重合反応や、A−B2型モノマーを用いた重付加反応を用いて合成することができる。樹状高分子は、直鎖構造のポリマーとは異なる物性を示す分岐構造を簡便に導入することができる。
上記範囲に分子量を低く抑えることにより、インク組成物の粘度上昇を抑え、インク組成物の吐出安定性に寄与していると推定される。
成分Aの重量平均分子量は、ポリスチレン換算による、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定できる。
本発明のインク組成物に用いられる成分Aは、樹状高分子となるためにその合成手段として、多官能開始剤、又は多官能連鎖移動剤を添加したラジカル重合反応による方法が好ましく用いられる。更に、リビングラジカル重合反応とすることで、より好ましい成分Aを得ることができる。連鎖移動剤は、重合反応において連鎖移動反応により、反応の活性点を移動させる基(以下、連鎖移動性基ともいう。)を有する化合物であれば特に制限なく使用することができる。中でも、多官能連鎖移動剤として1分子内に複数個の連鎖移動性基を有する化合物がより効果があり好ましい。また、連鎖移動剤としては、ハロゲン化合物、アルコール類、又はイオウ化合物等があるが、チオール化合物がより好ましい。本発明に用いられる成分Aにおいては、その重合反応において多官能連鎖移動剤として、3個以上のチオール基を有する多官能チオール化合物がより好ましく用いられる。
以下、多官能チオール化合物について説明する。
本発明のインク組成物に用いられる成分Aは、多官能チオール化合物残基を含有することが好ましい。
チオール化合物は、チオール基が連鎖移動剤として作用する連鎖移動剤化合物として一般に公知の化合物である。連鎖移動剤は、重合反応において連鎖移動反応により、反応の活性点を移動させる物質であれば特に制限なく使用することができる。中でも、連鎖移動剤としてはチオール化合物が好ましく用いられるが、本発明に用いられる成分Aにおいては、その重合反応において連鎖移動剤として、一分子内に3個以上のチオール基を有する多官能チオール化合物がより好ましく用いられる。
R1は、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基であり、R2は水素原子であることが好ましい。
R1は、水素原子又は炭素原子数1〜10のアルキル基であり、R2は水素原子であることが好ましい。
すなわち、メルカプト基は、第1級又は第2級のメルカプト基であることが好ましく、第1級のメルカプト基がより好ましい。更に、多官能チオール化合物がメルカプト基含有基を3個有する(y=3)よりも、4個以上有する(yが4以上の整数である。)ことがより好ましい。なお、一分子中に存在する複数のメルカプト基含有基は、全て同じであっても互いに異なっていてもよい。
以下に、上記の有機残基(母核)の化学構造について、詳述する。
芳香族基は、べンゼン環又はナフタレン環からなることが好ましく、ベンゼン環からなることが更に好ましい。
脂肪族基、芳香族基及び複素環基の置換基の例には、ヒドロキシ基、ハロゲン原子(例、塩素原子)、シアノ基、アミノ基、置換アミノ基、複素環基、アシル基及びアシルオキシ基が含まれる。置換アミノ基の置換基は、アルキル基又はアリール基であることが好ましい。芳香族基及び複素環基は、アルキル基を置換基として有していてもよい。
ただし、上記の置換基として、メルカプト基又はこれを含有する基は含まない。
これらの化合物には、1,3,5−トリス(3−メルカブトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリヒドロキシエチルトリイソシアヌール酸トリスチオプロピオネート、トリス[(3−メルカプトプロピオニロキシ)エチル]イソシアヌレート等の3個の官能基を有する3官能チオール化合物、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)等の4官能以上のチオール化合物等が挙げられる。
これらの多官能チオール化合物(式(b))には、市販のものとして、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)(カレンズMTPE1)(商標)、1,3,5−トリス(3−メルカブトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン(カレンズMTNR1)(商標)(いずれも昭和電工(株)製)や、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)(TMMP)(商標)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(PEMP)(商標)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)(DPMP)(商標)、トリス[(3−メルカプトプロピオニロキシ)エチル]イソシアヌレート(TEMPIC)(商標)(いずれも堺化学工業(株)製)等がある。
市販品としては、カレンズMTシリーズ(昭和電工(株)製)が好適に用いられる。
また、カルボン酸エステル結合を有する多官能チオール化合物が好ましい。エステル結合を有する多官能チオール化合物としては、チオグリコール酸、3−メルカプト酪酸、又は3−メルカプトプロピオン酸と多価アルコールとのエステルが好ましい。
好ましい具体例を化学構造式で以下に示した。
多官能チオール化合物は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、成分Aの合成で使用される多官能チオール化合物の量は、成分Aの目的に応じて適宜選択することができるが、成分Aの重合に使用される重合性化合物100モル%に対し、0.01〜20モル%が好ましく、0.1〜10モル%がより好ましく、0.1〜5モル%が更に好ましい。
銅触媒としては、トリス[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミン(Me6−TREN)やトリス(2−ピリジルメチル)アミン(TPMA)等のポリアミン化合物を配位子として有する一価の銅触媒が好ましく挙げられる。
多官能ハロゲン化アルキル開始剤としては、3官能以上のハロゲン化アルキル開始剤であることが好ましく、3〜6官能のハロゲン化アルキル開始剤であることがより好ましく、以下に示す化合物であることが特に好ましい。また、多官能ハロゲン化アルキル開始剤におけるハロゲン原子は、安定性や合成の容易性、反応性の観点から、臭素原子であることが好ましく、また、第2級又は第3級炭素原子に結合したハロゲン原子であることが好ましい。
本発明のインク組成物における成分Aの含有量は、インク組成物全重量に対して、0.1〜20重量%が好ましく、0.2〜15重量%がより好ましく、0.5〜10重量%が更に好ましく、1〜10重量%が特に好ましい。上記範囲であると、基材密着性及び吐出安定性により優れる。
本発明のインク組成物は、重合開始剤を含有する。
本発明に用いられる重合開始剤としては、熱重合開始剤及び光重合開始剤のいずれであってもよいが、本発明では、光重合開始剤が好ましく用いられる。光重合開始剤としては、公知の光重合開始剤を、重合性化合物の種類、インク組成物の使用目的に応じて、適宜選択して使用することができる。
本発明のインク組成物に使用する光重合開始剤は、外部エネルギー(光)を吸収して重合開始種であるラジカルを生成する化合物である。光重合開始剤において、重合を開始させる光とは、活性エネルギー線、すなわち、α線、γ線、電子線、紫外線、可視光線、赤外線等を示し、好ましくは、紫外線である。
また、重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤であることが好ましい。
本発明のインク組成物における重合開始剤の含有量は、インク組成物全重量に対して、0.1〜20重量%が好ましく、0.5〜15重量%がより好ましく、1〜10重量%が更に好ましい。
本発明のインク組成物は、ラジカル重合性化合物を含有する。
本発明のインク組成物に含有されるラジカル重合性化合物は、重合可能な不飽和結合を有する化合物であれば限定されないが、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する重合性モノマーであることが好ましい。
本発明のインク組成物における成分Cの含有量は、インク組成物全重量に対して、0.30〜95重量%が好ましく、40〜90重量%がより好ましく、45〜80重量%が更に好ましく、50〜75重量%が特に好ましい。上記範囲であると、基材密着性及び吐出安定性により優れる。
また、エチレン性不飽和結合を1分子内に1個有する、すなわち(成分C−1)単官能ラジカル重合性化合物を含有することがより好ましい。
本発明のインク組成物は、成分C−1を成分Cの総重量の80重量%以上含有することが好ましく、85重量%以上含有することがより好ましく、91〜100重量%が特に好ましい。成分C−1を成分Cの総重量の85重量%以上含有することにより、延伸性の優れたインク組成物が得られる。更に91重量%以上とすることで密着性にも優れたインク組成物が得られる。
また、本発明のインク組成物は、成分Cとして、3官能以上の多官能ラジカル重合性化合物を含有しないことが好ましい。
成分C−1は、1種単独で用いても、2種以上併用してもよい。
本発明のインク組成物に用いられるN−ビニル化合物としては、N−ビニルラクタム類が好ましく挙げられる。N−ビニルラクタム類としては、式(c)で表される化合物が好ましい。
また、上記N−ビニルラクタム類は、ラクタム環上の水素原子がアルキル基、アリール基等の置換基により置換されていてもよく、ラクタム環と飽和又は不飽和環構造とが連結していてもよい。
式(c)で表される化合物は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
本発明のインク組成物はラジカル重合性化合物を必須の成分として含有し、必要に応じて、成分C−1及び成分C−1以外の重合性化合物を含むことが好ましい。成分C−1以外の重合性化合物としては、例えば、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を2つ以上有する多官能ラジカル重合性化合物等が挙げられる。
単官能(メタ)アクリルアミド化合物としては、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミドが好ましく、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドがより好ましい。N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミドにおけるN−アルキル基の炭素数は、1〜8が好ましい。
また、成分Cは、3種以上の単官能(メタ)アクリレート化合物を含有することが好ましく、3〜6種の単官能(メタ)アクリレート化合物を含有することがより好ましい。
単官能(メタ)アクリレート化合物としては、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート及び2−フェノキシエチル(メタ)アクリレートよりなる群から選ばれた化合物が好ましい。
また、成分Cは、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート及び2−フェノキシエチル(メタ)アクリレートよりなる群から選ばれた3種以上の化合物を含有することが好ましく、イソボルニルアクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート及び2−フェノキシエチルアクリレートを含有することが特に好ましい。上記態様であると、基材密着性により優れる。
成分Cは、2官能ラジカル重合性化合物を含有することが好ましく、2官能ラジカル重合性化合物として、ジビニルエーテル化合物を少なくとも含有することが好ましく、ジビニルエーテル化合物及び2官能(メタ)アクリレート化合物を含有することがより好ましい。上記態様であると、基材密着性により優れる。
ジビニルエーテル化合物としては、ポリアルキレングリコールジビニルエーテルが好ましく、トリエチレングリコールジビニルエーテルがより好ましい。
2官能(メタ)アクリレート化合物としては、アルカンジオールジ(メタ)アクリレートが好ましく、直鎖状アルカンジオールジ(メタ)アクリレートがより好ましい。アルカンジオールジ(メタ)アクリレートのアルカンジオールの炭素数は、4〜18であることが好ましく、6〜12であることがより好ましい。
本発明のインク組成物は、(成分D)着色剤を更に含有することが好ましい。インク組成物に着色剤を添加することで、可視画像(有色画像)を形成しうるインク組成物とすることができる。
本発明のインク組成物に用いることのできる着色剤は、特に制限はなく、用途に応じて公知の種々の色材、(顔料、染料)を適宜選択して用いることができる。例えば、耐候性に優れた画像を形成する場合には、顔料が好ましい。また、染料としては、水溶性染料及び油溶性染料のいずれも使用できるが、油溶性染料が好ましい。
まず、本発明のインク組成物における着色剤として好ましく使用される顔料について述べる。着色剤として顔料を用いた場合、インク組成物を使用して形成された着色画像は耐光性に優れたものとなる。
前記顔料としては、特に限定されるものではなく、一般に市販されているすべての有機顔料及び無機顔料、又は顔料を、分散媒として不溶性の樹脂等に分散させたもの、或いは顔料表面に樹脂をグラフト化したもの等を用いることができる。また、樹脂粒子を染料で染色したもの等も用いることができる。
これらの顔料としては、例えば、伊藤征司郎編「顔料の辞典」(2000年刊)、W.Herbst,K.Hunger「Industrial Organic Pigments」、特開2002−12607号公報、特開2002−188025号公報、特開2003−26978号公報、特開2003−342503号公報に記載の顔料が挙げられる。
また、分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。これらの分散剤及び分散助剤は、顔料100重量部に対し、1〜50重量部添加することが好ましい。
次に、本発明のインク組成物に用いられる着色剤として、好ましく使用される染料について述べる。
染料としては、従来公知の化合物(染料)から適宜選択して使用することができる。具体的には、特開2002−114930号公報の段落0023〜0089、特開2008−13646号公報の段落0136〜0140に記載の化合物などを挙げることができ、これらを本発明にも適用することができる。
更に、本発明のインク組成物は上記以外の成分を添加することができる。以下順次説明する。
本発明のインク組成物には、重合開始剤の活性光線照射による分解を促進させるために増感剤を添加することができる。増感剤は、特定の活性エネルギー線を吸収して電子励起状態となる。電子励起状態となった増感剤は、重合開始剤と接触して、電子移動、エネルギー移動、発熱などの作用を生じ、これにより重合開始剤の化学変化、即ち、分解、ラジカル、酸或いは塩基の生成を促進させるものである。
多核芳香族類(例えば、アントラセン、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、チオキサントン類(例えば、イソプロピルチオキサントン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン)等が挙げられ、多核芳香族類及びチオキサントン類が好ましい類として挙げられる。
また、特開2008−95086号公報記載の増感色素も好適である。
本発明のインク組成物は、共増感剤を含有することもできる。本発明において共増感剤は、増感剤の活性エネルギー線に対する感度を一層向上させる、或いは酸素による重合性化合物の重合阻害を抑制する等の作用を有する。
本発明のインク組成物には、得られる画像の耐候性向上、退色防止等の観点から、紫外線吸収剤を用いることができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号明細書等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、リサーチディスクロージャーNo.24239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤、などが挙げられる。
紫外線吸収剤の添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、インク組成物全重量に対し0.5〜15重量%であることが好ましい。
本発明のインク組成物の安定性向上のため、酸化防止剤を添加することができる。
酸化防止剤としては、欧州公開特許第223739号公報、同309401号公報、同第309402号公報、同第310551号公報、同第310552号公報、同第459416号公報、ドイツ公開特許第3435443号公報、特開昭54−48535号公報、同62−262047号公報、同63−113536号公報、同63−163351号公報、特開平2−262654号公報、特開平2−71262号公報、特開平3−121449号公報、特開平5−61166号公報、特開平5−119449号公報、米国特許第4814262号明細書、米国特許第4980275号明細書等に記載のものを挙げることができる。
酸化防止剤の添加量は目的に応じて適宜選択されるが、インク組成物全重量に対し0.1〜8重量%であることが好ましい。
本発明のインク組成物には、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。
有機系の褪色防止剤としては、ハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類、などが挙げられる。
また、金属錯体系の褪色防止剤としては、ニッケル錯体、亜鉛錯体、などが挙げられ、具体的には、リサーチディスクロージャーNo.17643の第VIIのI〜J項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載された化合物や、特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物の一般式及び化合物例に含まれる化合物を使用することができる。
褪色防止剤の添加量は目的に応じて適宜選択されるが、インク組成物全重量に対して0.1〜8重量%であることが好ましい。
本発明のインク組成物には、吐出物性の制御を目的として、チオシアン酸カリウム、硝酸リチウム、チオシアン酸アンモニウム、ジメチルアミン塩酸塩などの導電性塩類を添加することができる。
本発明のインク組成物には、被記録媒体(基材)との密着性を改良するため、極微量の非硬化性の有機溶剤を添加してもよい。
溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール系溶剤、クロロホルム、塩化メチレン等の塩素系溶剤、ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピルなどのエステル系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤、などが挙げられる。
この場合、耐溶剤性又はVOC(Volatile Organic Compound)の問題が起こらない範囲での添加が有効であり、その量はインク組成物全重量に対し実質的に含有しないことが好ましく、0.1〜5重量%がより好ましく、更に好ましくは0.1〜3重量%の範囲である。
本発明のインク組成物には、膜物性を調整するため、成分A以外の各種油溶性の高分子化合物を併用することもできる。
油溶性高分子化合物としては、アクリル系重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、シェラック、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類、その他の天然樹脂等が使用できる。また、これらは2種以上併用してもかまわない。これらのうち、アクリル系のモノマーの共重合によって得られるビニル系共重合体が好ましい。更に、高分子化合物の共重合組成として、「カルボキシル基含有モノマー」、「メタクリル酸アルキルエステル」、又は「アクリル酸アルキルエステル」を構造単位として含む共重合体も好ましく用いられる。
また、本発明のインク組成物を膜としたときに、タック性改善等の目的で表面に偏析しやすい高分子化合物の使用も好適である。これらの高分子化合物は特開2008−248119号公報の段落0017〜0037、特開2005−250890号公報の段落0015〜0034などに記載されたSi、F原子を含む高分子、長鎖アルキル基を側鎖に有する高分子などが利用可能である。
本発明のインク組成物には、界面活性剤を添加してもよい。
界面活性剤としては、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載されたものが挙げられる。例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第4級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。
なお、界面活性剤の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。
有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。有機フルオロ化合物としては、例えば、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例、フッ素油)及び固体状フッ素化合物樹脂(例、四フッ化エチレン樹脂)が含まれ、特公昭57−9053号(第8〜17欄)、特開昭62−135826号の各公報に記載されたものが挙げられる。
組成物中における界面活性剤の含有量は使用目的により適宜選択されるが、インク組成物全体に対し、0.0001〜1重量%が好ましく、0.001〜0.1重量%がより好ましい。
重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、メトキシベンゾキノン、メトキシフェノール、フェノチアジン、t−ブチルカテコール、メルカプトベンズイミダゾール、アルキルジチオカルバミン酸塩類、アルキルフェノール類、アルキルビスフェノール類、サリチル酸塩類、チオジプロピオン酸エステル類、ホスファイト類、ニトロキサイドアルミニウム錯体などが挙げられる。具体的には、Genorad16、18、20、21、22(Rahn社製)等が挙げられる。重合禁止剤の含有量は限定的でないが、インク組成物全重量に対して、0.01〜5重量%が好ましく、0.02〜1重量%がより好ましい。
タッキファイヤーとしては、具体的には、特開2001−49200号公報の5〜6pに記載されている高分子量の粘着性ポリマー(例えば、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルキル基を有するアルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数3〜14の脂環族アルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数6〜14の芳香族アルコールとのエステルからなる共重合物)や、重合性不飽和結合を有する低分子量粘着付与性樹脂などである。
本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインク組成物をインクジェット記録用として被記録媒体(支持体、記録材料等)上に吐出し、被記録媒体上に吐出されたインク組成物に活性放射線(活性エネルギー線、ともいう。)を照射し、インク組成物を硬化して画像を形成する方法である。
本発明のインクジェット記録方法は、上記(a1)及び(b1)工程を含むことにより、被記録媒体上において硬化したインク組成物により画像が形成される。
また、本発明の印刷物は、本発明のインクジェット記録方法によって記録された印刷物である。
本発明のインクジェット記録方法に用いることができるインクジェット記録装置としては、特に制限はなく、目的とする解像度を達成し得る公知のインクジェット記録装置を任意に選択して使用することができる。すなわち、市販品を含む公知のインクジェット記録装置であれば、いずれも、本発明のインクジェット記録方法の(a1)工程における被記録媒体へのインク組成物の吐出を実施することができる。
インク供給系は、例えば、本発明のインク組成物を含む元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドからなる。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、好ましくは1〜100pl、より好ましくは8〜30plのマルチサイズドットを、好ましくは320×320〜4,000×4,000dpi、より好ましくは400×400〜1,600×1,600dpi、更に好ましくは720×720dpiの解像度で吐出できるよう駆動することができる。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
インク組成物の粘度は、VISCOMETER TV−22(東機産業(株)製)を用い、25℃の条件下で測定されるものである。
本発明のインク組成物のような放射線硬化型インク組成物は、概して通常インクジェット記録用インク組成物で使用される水性インク組成物より粘度が高いため、吐出時の温度変動による粘度変動が大きい。インク組成物の粘度変動は、液滴サイズの変化及び液滴吐出速度の変化に対して大きな影響を与え、ひいては画質劣化を引き起こす。したがって、吐出時のインク組成物の温度はできるだけ一定に保つことが必要である。よって、本発明において、インク組成物の温度の制御幅は、好ましくは設定温度の±5℃、より好ましくは設定温度の±2℃、更に好ましくは設定温度±1℃とすることが適当である。
インク吐出側の面が親インク処理されたノズルプレートを有するインクジェットヘッドとしては、例えばFUJIFILM Dimatix社製のピエゾ駆動方式によるオンデマンド・インクジェットヘッドが挙げられる。その具体例として、S−class、Q−class Sapphireが挙げられる。
具体的には、前記ノズルプレートが、インク吐出側の面の少なくとも一部に、金、ステンレス、鉄、チタン、タンタル、プラチナ、ロジウム、ニッケル、クロム、酸化ケイ素、窒化ケイ素及び窒化アルミニウムよりなる群から選ばれた少なくとも1種により形成された層を備えることが好ましく、金、ステンレス、鉄、チタン、酸化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウムよりなる群から選ばれた少なくとも1種により形成された層を備えることがより好ましく、金、ステンレス及び酸化ケイ素よりなる群から選ばれた少なくとも1種により形成された層を備えることが更に好ましく、酸化ケイ素により形成された層を備えることが最も好ましい。
被記録媒体上に吐出されたインク組成物は、活性エネルギー線を照射することによって硬化する。これは、本発明のインク組成物に含まれる重合開始剤が活性エネルギー線の照射により分解して、ラジカルなどの重合開始種を発生し、その開始種の機能に重合性化合物の重合反応が、生起、促進されるためである。このとき、インク組成物において重合開始剤と共に増感剤が存在すると、系中の増感剤が活性エネルギー線を吸収して励起状態となり、重合開始剤と接触することによって重合開始剤の分解を促進させ、より高感度の硬化反応を達成させることができる。
また、発光ダイオード(LED)及びレーザーダイオード(LD)を活性エネルギー線源として用いることが可能である。特に、紫外線源を要する場合、紫外LED及び紫外LDを使用することができる。例えば、日亜化学工業(株)は、主放出スペクトルが365nmと420nmとの間の波長を有する紫色LEDを上市している。更に一層短い波長が必要とされる場合、米国特許第6,084,250号明細書は、300nmと370nmとの間に中心付けされた活性エネルギー線を放出し得るLEDを開示している。また、他の紫外LEDも、入手可能であり、異なる紫外線帯域の放射を照射することができる。本発明で特に好ましい活性エネルギー線源はUV−LEDであり、特に好ましくは340〜400nmにピーク波長を有するUV−LEDである。
なお、LEDの被記録媒体上での最高照度は、10〜2,000mW/cm2であることが好ましく、20〜1,000mW/cm2であることがより好ましく、50〜800mW/cm2であることが特に好ましい。
活性エネルギー線の照射条件及び基本的な照射方法は、特開昭60−132767号公報に開示されている。具体的には、インク組成物の吐出装置を含むヘッドユニットの両側に光源を設け、いわゆるシャトル方式でヘッドユニットと光源を走査することによって行われる。活性エネルギー線の照射は、インク組成物の着弾後、一定時間(好ましくは0.01〜0.5秒、より好ましくは0.01〜0.3秒、更に好ましくは0.01〜0.15秒)をおいて行われることになる。このようにインク組成物の着弾から照射までの時間を極短時間に制御することにより、被記録媒体に着弾したインク組成物が硬化前に滲むことを防止することが可能となる。また、多孔質な被記録媒体に対しても光源の届かない深部までインク組成物が浸透する前に露光することができるため、未反応モノマーの残留を抑えることができるので好ましい。
更に、駆動を伴わない別光源によって完了させてもよい。国際公開第99/54415号パンフレットでは、照射方法として、光ファイバーを用いた方法やコリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されており、このような硬化方法もまた、本発明のインクジェット記録方法に適用することができる。
このようにして、本発明のインク組成物は、活性エネルギー線の照射により高感度で硬化することで、被記録媒体表面に画像を形成することができる。
本発明のインクジェット記録方法において、吐出する各着色インク組成物の順番は、特に限定されるわけではないが、明度の高い着色インク組成物から被記録媒体に付与することが好ましく、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックを使用する場合には、イエロー→シアン→マゼンタ→ブラックの順で被記録媒体上に付与することが好ましい。また、これにホワイトを加えて使用する場合にはホワイト→イエロー→シアン→マゼンタ→ブラックの順で被記録媒体上に付与することが好ましい。更に、本発明はこれに限定されず、イエロー、ライトシアン、ライトマゼンタ、シアン、マゼンタ、ブラック、ホワイトのインク組成物との計7色が少なくとも含まれるインクセットを好ましく使用することもでき、その場合には、ホワイト→ライトシアン→ライトマゼンタ→イエロー→シアン→マゼンタ→ブラックの順で被記録媒体上に付与することが好ましい。
・C.I.ピグメントレッド57:1(マゼンタ顔料、クラリアント社製)
・C.I.ピグメントブルー15:3(シアン顔料、クラリアント社製)
・C.I.ピグメントブラック7(ブラック顔料、クラリアント社製)
・MICROLITH WHITE R−A(ホワイト顔料、チバ・ジャパン(株)製)
・ソルスパース32000(高分子分散剤、日本ルーブリゾール(株)製)
・PEA(2−フェノキシエチルアクリレート、単官能ラジカル重合性化合物、ビスコート#192、大阪有機化学工業(株)製)
・NVC(N−ビニルカプロラクタム、単官能ラジカル重合性化合物、V−CAP、BASF社製)
・IBOA(イソボルニルアクリレート、単官能ラジカル重合性化合物、アロニックスM−156、東亞合成(株)製)
・DMAAM(N,N−ジメチルアクリルアミド、単官能ラジカル重合性化合物、DMAA、(株)興人製)
・EOEOEA(2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、単官能ラジカル重合性化合物、SR256、サートマー社製)
・DVE3(トリエチレングリコールジビニルエーテル、2官能ラジカル重合性化合物、Rapi−Cure DVE−3、ISP Europe社製)
・HDDA:ヘキサンジオールジアクリレート、2官能ラジカル重合性化合物、KS−HDDA、サートマー社製)
・TMP(PO)TA(トリメチロールプロパンプロピレンオキシド変性トリアクリレート、3官能ラジカル重合性化合物、アロニックスM−310、東亞合成(株)製)
・Lucirin TPO(2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、光重合開始剤、BASF社製)
・p−フェニルベンゾフェノン(光重合開始剤、和光純薬工業(株)製)
・カレンズMTPE1(ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、連鎖移動剤、多官能チオール化合物、昭和電工(株)製)
・カレンズMTNR1(1,3,5−トリス(3−メルカブトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、昭和電工(株)製)
・Byk 307(界面活性剤、BYK Chemie社製)
・Genorad 16(重合禁止剤、Rahn社製)
なお、実施例で合成したポリマーA−1〜A−8は、前述したポリマーA−1〜A−8と同じものである。
テトラヒドロフラン70g、N−n−ブチルアクリルアミド 30g、カレンズMTPE1 1.5g、V−601(ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、和光純薬工業(株)製) 0.2g、を冷却管を備えた300ml三口フラスコに秤量し、窒素気流下、80℃で5時間反応を行った。その後、V−601 0.2gを追加し、更に4時間反応を行った。放冷したサンプルをヘキサン中へ注ぎ、再沈精製後、真空乾燥しポリマーA−1 約30gを得た。
使用するモノマーを表1のように変更した以外は、ポリマーA−1とほぼ同様に合成を行い、ポリマーA−2〜A−4を得た。
冷却管を備えた300ml三口フラスコ中へ、テトラヒドロフラン(THF)100g、N,N−ジエチルアクリルアミド32.8g、メチルメタクリレート17.2g、1,1,1−トリス(2−ブロモイソブチリロキシメチル)エタン 0.81g、酸化銅(I)0.62g、Me6−TREN(トリス[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミン、アルドリッチ社製) 0.99gを加え、真空ポンプにより減圧脱気を数回繰り返した後、窒素気流下、60℃に加熱し、12時間反応を行った。メタンスルホン酸2gを添加した後、窒素を止め急冷後、THF100gを追加し、大量の水中へ注ぎ再沈精製を行いポリマーA−5 31.2gを得た。
使用する原材料を表1のように変更し、ポリマーA−5とほぼ同様に合成を行い、ポリマーA−6〜A−8を得た。
テトラヒドロフラン70g、N−n−ブチルアクリルアミド 30g、V−601 0.6g、を冷却管を備えた300ml三口フラスコに秤量し、窒素気流下、80℃で5時間反応を行った。その後、V−601 0.3gを追加し、更に4時間反応を行った。放冷したサンプルをヘキサン中へ注ぎ、再沈精製後、真空乾燥しポリマーB−1 約30gを得た。
(ポリマーB−2の合成:アクリル樹脂)
2−ブタノン70g、メチルメタクリレート30g、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)0.4g、V−601 0.3gを、冷却管を備えた300ml三口フラスコに秤量し、窒素気流下、80℃で5時間反応を行った。その後、V−601 1.2gを追加し、更に4時間反応を行った。放冷したサンプルをヘキサン中へ注ぎ、再沈精製後、真空乾燥しポリマーB−2 約30gを得た。
(ポリマーB−3の合成:分岐がなく、分子量が比較的小さい樹脂)
テトラヒドロフラン70g、N−n−ブチルアクリルアミド30g、V−601 3.1gを、冷却管を備えた300ml三口フラスコに秤量し、窒素気流下、80℃で5時間反応を行った。その後、V−601 1.2gを追加し、更に4時間反応を行った。放冷したサンプルをヘキサン中へ注ぎ、再沈精製後、真空乾燥しポリマーB−3 約30gを得た。
次に示す顔料、分散剤、重合性化合物を混合して、ミキサー(シルバーソン社製L4R)を用いて2,500回転/分にて10分撹拌した。その後、ビーズミル分散機DISPERMAT LS(VMA社製)に入れ、直径0.65mmのYTZボール((株)ニッカトー製)を用い、2,500回転/分で6時間分散を行い、各色の顔料分散物(Y、M、C、K、及びW)を調製した。
・顔料:C.I.ピグメントイエロー12 10部
・分散剤:ソルスパース32000 5部
・単官能重合性化合物:2−フェノキシエチルアクリレート 85部
・顔料:C.I.ピグメントレッド57:1 15部
・分散剤:ソルスパース32000 5部
・単官能重合性化合物:2−フェノキシエチルアクリレート 80部
・顔料:C.I.ピグメントブルー15:3 20部
・分散剤:ソルスパース32000 5部
・単官能重合性化合物:2−フェノキシエチルアクリレート 75部
・顔料:C.I.ピグメントブラック7 20部
・分散剤:ソルスパース32000 5部
・単官能重合性化合物:2−フェノキシエチルアクリレート 75部
・顔料:MICROLITH WHITE R−A 20部
・分散剤:ソルスパース32000 5部
・単官能重合性化合物:2−フェノキシエチルアクリレート 75部
<インク組成物の調製>
表2に示す成分に下記の成分を更に加えて混合して、ミキサー(シルバーソン社製L4R)を用いて1,000回転/分にて5分撹拌した。その後、日本ポール(株)製カートリッジフィルター(製品名:プロファイルIIAB01A01014J)を用いてろ過し、実施例1〜25及び比較例1〜4のインク組成物を調製した。
・重合禁止剤:Genorad 16 0.05部
・光重合開始剤(成分B):Lucirin TPO 6.0部
・光重合開始剤(成分B):p−フェニルベンゾフェノン 4.0部
・界面活性剤:Byk 307 0.05部
なお、表2中、「−」は非含有を表す。PEA(*)は、顔料分散物に由来するPEAの量も含む。
被記録媒体としてポリカーボネートシート(PC、帝人化成(株)製)及びアクリルシート(Acryl、日本アクリエース(株)製)を用い、各々の表面に、得られた実施例1〜25及び比較例1〜4のインク組成物を、Kハンドコーター(バーNo.2)を用いてウェット膜厚12μmとなるように塗布した。次いで、オゾンレスメタルハライドランプMAN250Lを搭載し、コンベアスピード9.0m/分、露光強度2.0W/cm2に設定した実験用UVミニコンベア装置CSOT((株)ジーエス・ユアサパワーサプライ製)により、エネルギー線により硬化させた。被記録媒体への接着性は、この硬化塗膜を用いてISO2409(クロスカット法)により下記の基準で評価した。結果を表2に示す。
0:カットの縁が完全に滑らかで、どの格子の目にもはがれがない。
1:カットの交差点における塗膜の小さなはがれが生じる。クロスカット部分で影響を受けるのは、5%を上回ることはない。
2:塗膜のカットの縁に沿って、及び/又は、交差点においてはがれる。クロスカット部分で影響を受けるのは、5%を超えるが、15%を上回ることはない。
3:塗膜がカットの縁に沿って、部分的又は全面的に大はがれを生じており、及び/又は目のいろいろな部分が、部分的又は全面的にはがれている。クロスカット部分で影響を受けるのは、15%を超えるが、35%を上回ることはない。
4:塗膜がカットの縁に沿って、部分的又は全面的に大はがれを生じており、及び/又は数か所の目が部分的又は全面的にはがれている。クロスカット部分で影響を受けるのは、35%を超えるが、65%を上回ることはない。
5:はがれの程度が65%を超える。
0〜1が許容されるレベルであった。
基材密着性評価に用いたものと同様に作製したインク硬化膜について、JIS K5600−4に基づき、鉛筆硬度試験を行った。結果を表2に示す。
延伸性を有する本発明のインク組成物において、硬度の許容範囲はHB以上であり、H以上であることが好ましい。評価結果がB以下である印刷物は印刷物の取り扱い時にキズが生じる可能性があり好ましくない。
なお、鉛筆は三菱鉛筆(株)製のUNI(登録商標)を使用した。
インクのヘッドノズルでの吐出安定性を評価するために、下記の条件でピエゾ型インクジェットノズルを有する市販のインクジェット記録装置により60分間連続吐出におけるノズルロス個数(ノズルが詰まってしまった数)の評価を行った。
実験は、被記録媒体としてPET(ポリエチレンテレフタレート)基板上に実施例1〜25及び比較例1〜4のインク組成物を、下記条件で60分間連続吐出して、露光(露光量:1000mW/cm2)を行った場合のノズルロス数を数えた。
チャンネル数:318/ヘッド
駆動周波数:4.8kHz/dot
インク滴:7滴、42pl
温度:45℃
A:ノズルロスが0個以上5個未満
B:ノズルロスが5個以上10個未満
C:ノズルロスが10以上
A又はBが許容されるレベルであった。
Claims (17)
- (成分A)式(I)で表される構成繰り返し単位を有する重量平均分子量3,000〜100,000の樹状の高分子化合物、
(成分B)重合開始剤、及び
(成分C)ラジカル重合性化合物、を含有することを特徴とする
インクジェットインク組成物。
(式(I)中、R1及びR2はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を表し、R 1 及びR 2 におけるアルキル基が有していてもよい置換基は、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基又は炭素数1〜3のアルコキシル基であり、R3は置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基を表し、R 3 におけるアルキル基が有していてもよい置換基は、アリール基、アルコキシル基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、ハロゲン原子、アリールアミノ基、アミノ基、カルバモイル基、ヒドロキシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルアミノ基、イミダゾリル基、ピリジル基、イミダゾリウム基、ピリジニウム基又はアンモニオ基であり、R2とR3は連結して5員環から7員環構造を形成してもよい。) - 成分Cが、(成分C−1)単官能ラジカル重合性化合物を含有する、請求項1に記載のインクジェットインク組成物。
- 成分C−1の含有量が成分Cの総重量の80重量%以上である、請求項2に記載のインクジェットインク組成物。
- 成分C−1の含有量が成分Cの総重量の85重量%以上である、請求項2又は3に記載のインクジェットインク組成物。
- 成分Cが、2官能ラジカル重合性化合物を含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
- 成分Aの重量平均分子量が3,000〜60,000である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
- 成分Aが、多官能チオール化合物残基を含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
- 成分Aが、4価以上の多官能チオール化合物残基を含有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
- 成分Aの分子量分布(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))が3以下である、請求項1〜8のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
- (成分D)着色剤を更に含有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
- 成分Cが、(成分C−2)N−ビニル化合物を含有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
- 成分C−2が、N−ビニルカプロラクタムである、請求項11に記載のインクジェットインク組成物。
- 成分Aが、前記式(I)で表される構成繰り返し単位と式(II)で表される構成繰り返し単位とを有する共重合体である、請求項1〜12のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
(式(II)中、R4は水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を表し、R 4 におけるアルキル基が有していてもよい置換基は、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基又は炭素数1〜3のアルコキシル基であり、R5は置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表し、R 5 におけるアルキル基及びアリール基が有していてもよい置換基は、アルキル基、アリール基、アルコキシル基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アミノ基、カルバモイル基、ヒドロキシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルアミノ基又はヘテロ環基である。) - 成分Aが、少なくとも2種の異なる前記式(I)で表される構成繰り返し単位を有する共重合体である、請求項1〜13のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
- 成分Aが、ハイパーブランチポリマーである、請求項1〜14のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
- 成分Aが、枝構造として式(I)で表される構成繰り返し単位を有するポリマー鎖を有するハイパーブランチポリマーである、請求項1〜15のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
- (a1)被記録媒体上に、請求項1〜16のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物を吐出する工程、及び、
(b1)吐出されたインクジェットインク組成物に活性放射線を照射して、前記インクジェットインク組成物を硬化する工程、を含むことを特徴とする
インクジェット記録方法。
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