JP5241349B2 - インク組成物、インクジェット記録方法及び印刷物 - Google Patents

インク組成物、インクジェット記録方法及び印刷物 Download PDF

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Description

本発明は、インクジェット記録用として好適に用いられるインク組成物、前記インク組成物を用いたインクジェット記録方法、及び、前記インク組成物を用いて得られた印刷物に関する。
画像データ信号に基づき、紙などの被記録媒体に画像を形成する画像記録方法として、電子写真方式、昇華型及び溶融型熱転写方式、インクジェット方式などがある。中でも、インクジェット方式は、安価な装置で実施可能であり、かつ、必要とされる画像部のみにインクを吐出して被記録媒体上に直接画像形成を行うため、インクを効率よく使用でき、ランニングコストが安い。さらに、騒音が少なく、画像記録方式として優れている。
インクジェット方式によれば、普通紙のみならずプラスチックシート、金属板など非吸水性の被記録媒体にも印字可能であるが、印字する際の高速化及び高画質化が重要な課題となっており、印字後の液滴の乾燥、硬化に要する時間が、画像の鮮鋭度に大きく影響する性質を有している。
インクジェット方式の一つとして、活性放射線の照射により硬化可能なインクジェット記録用インクを用いた記録方式がある。この方法によれば、印字後直ちに放射線照射し、インク液滴を硬化させることで鮮鋭な画像を形成することができる。
このような硬化性インク組成物は、発色性に優れた高精細画像を形成するため、高い顔料分散性とその経時的な安定性が求められる。インク組成物に鮮明な色調と高い着色力を付与するためには、顔料の微細化が必須である。特に、インクジェット記録用に用いられるインクでは、吐出されるインク液滴が画像の鮮鋭度に大きな影響を与えるため、吐出液滴も少量となり、かつ、該インクにより形成されるインク硬化膜の膜厚よりも微細な粒子を用いることが必須となる。このように、高い着色力を得るために顔料粒子をより微細化していくと、微粒子の分散が困難になり、凝集体が発生しやすくなる。また、分散剤の添加により組成物の粘度が上昇するといった問題も生じる。顔料凝集体の発生やインク組成物の粘度上昇はいずれもインク吐出性に悪影響を与えるので、顔料の凝集や増粘などが生じたインク組成物をインクジェット記録用として用いるのは好ましくない。
また、インク組成物をインクジェット記録用として用いる場合には、インク組成物はカートリッジ内に収納され、吐出時には加熱され、非吐出時、保存時には降温するため、加熱−冷却の繰り返し温度変化を受けるが、この温度変化もまた、顔料分散性に悪影響を与え、経時的に顔料の分散性が低下し、顔料の凝集や増粘などが生じやすくなるという問題もあった。
したがって、充分な流動性を有し、かつ微細化された顔料を安定に分散させ、さらに、顔料分散の経時安定性に優れるインク組成物が求められている。安定な顔料分散液を得るための分散剤については、種々の提案がなされている。
顔料との親和性を向上させるため、顔料誘導体を分散剤として使用したインク組成物(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)や、フタロシアニン、キナクリドン系などの特定の顔料に対し、分散剤として塩基性基を有するポリマーを用いたインク組成物(例えば、特許文献3参照。)、ポリ(エチレンイミン)−ポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)グラフトポリマーなどの分散剤と該分散剤を溶解させる特定のモノマーを含有する、有機溶剤を用いないインク組成物(例えば、特許文献4参照。)が提案されている。また、2級のアミノ基をグラフト鎖に有する分散剤として、ポリエチレンイミンをグラフト鎖に有するビニル重合体からなる分散剤(例えば、特許文献5参照。)が提案されている。
特開2003−119414号公報 特開2004−18656号公報 特開2003−321628号公報 特開2004−131589号公報 特開2004−344795号公報
上記特許文献に記載のこれらのインク組成物は、該分散剤の機能により、確かに従来のものより顔料の分散安定性は向上しているものの、使用されている顔料の微細化は不十分であり、さらなる微小な顔料粒子における分散性向上効果にはなお改良の余地があった。さらに、長期間あるいは温度変化を繰り返した際の分散安定性が未だ不十分であるという問題があった。また、これらの分散剤を使用したラジカル重合性インク組成物では光硬化時の硬化性や保存安定性が不十分であるという課題も残っていた。
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。すなわち、本発明は、顔料(好ましくは微細な顔料)の分散性及びその安定性に優れ、高画質の画像を形成することができ、活性放射線の照射により高感度で硬化しうる、インクジェット記録用として好適なインク組成物、及び、前記インク組成物を用いたインクジェット記録方法を提供することを目的とする。さらに、本発明は、前記インク組成物を用いて得られる印刷物を提供することを目的とする。
本発明の上記課題は、<1>、<9>、<10>に記載の手段により解決された。好ましい実施態様である、<2>〜<8>と共に以下に記載する。
<1> (A)脂肪族環状構造を有する単官能ラジカル重合性モノマー、N−ビニルラクタム類、及び、芳香族単官能ラジカル重合性モノマーよりなる群から選ばれる少なくとも1つの重合性化合物、(B)ラジカル重合開始剤、(C)顔料、及び、(D)式(D1)で表される繰り返し単位をグラフト鎖に有するグラフト共重合体、を含有することを特徴とするインク組成物、
Figure 0005241349
(式(D1)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Xは単結合、−O−、−CO−、−COO−、−CONR1−、−OCO−、又は、フェニレン基のいずれかを表し、R1は水素原子、アルキル基、アリール基、又は、アラルキル基のいずれかを表し、Lは単結合又は二価連結基を表し、Zは−NR23を表し、R2、R3はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、又は、アラルキル基のいずれかを表し、R2とR3は互いに結合して環を形成してもよい。)
<2> 前記N−ビニルラクタム類がN−ビニルカプロラクタムである、上記<1>に記載のインク組成物、
<3> 前記脂肪族環状構造を有する単官能ラジカル重合性モノマーが式(A2)で表される、上記<1>又は上記<2>に記載のインク組成物、
Figure 0005241349
(式(A2)中、R1は水素原子、ハロゲン原子、又は、炭素数1〜4のアルキル基を表し、X1は二価の連結基を表し、R2は置換基を表し、rは0〜5の整数を表し、qは環状炭化水素構造を表し、前記環状炭化水素構造として炭化水素結合以外にカルボニル結合(−C(O)−)及び/又はエステル結合(−C(O)O−)を含んでいてもよく、r個存在するR2はそれぞれ同じであっても、異なっていてもよく、また、ノルボルナン骨格中の一炭素原子をエーテル結合(−O−)及び/又はエステル結合(−C(O)O−)で置換してもよい。)
<4> 前記式(A2)で表される化合物が式(A3)又は式(A4)で表される化合物である、上記<3>に記載のインク組成物、
Figure 0005241349
(式(A3)及び式(A4)中、R1は水素原子、ハロゲン原子、又は、炭素数1〜4のアルキル基を表し、X1は二価の連結基を表し、R3及びR4はそれぞれ独立に置換基を表し、s及びtはそれぞれ独立に0〜5の整数を表し、また、s個存在するR3及びt個存在するR4はそれぞれ同じであっても、異なっていてもよい。)
<5> 前記芳香族単官能ラジカル重合性モノマーが式(A5)で表される、上記<1>〜上記<4>いずれかに1つに記載のインク組成物、
Figure 0005241349
(式(A5)中、R1は水素原子、ハロゲン原子、又は、炭素数1〜4のアルキル基を表し、X1は二価の連結基を表し、R5は置換基を表し、uは0〜5の整数を表し、また、u個存在するR5はそれぞれ同じであっても、異なっていてもよく、複数のR5がお互いに結合して環を形成してもよく、その環は芳香環であってもよい。)
<6> 前記(B)ラジカル重合開始剤がアシルホスフィンオキサイド化合物を含有する、上記<1>〜上記<5>いずれか1つに記載のインク組成物、
<7> 前記(D)グラフト共重合体が式(D2)で表される構成繰り返し単位を含む、上記<1>〜上記<6>いずれか1つに記載のインク組成物、
Figure 0005241349
(式(D2)中、R、R’はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、X、X’はそれぞれ独立に単結合、−O−、−CO−、−COO−、−CONR5−、−OCO−、又はフェニレン基のいずれかを表し、R5は水素原子、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基のいずれかを表し、L、L’はそれぞれ独立に単結合又は二価の連結基を表し、Yはビニル重合体の停止末端を表し、Zは−NR67を表し、R6、R7はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基のいずれかを表し、R6とR7は互いに結合して環を形成してもよい。)
<8> 前記(D)グラフト共重合体が、アミノ基を有しないグラフト鎖をさらに含む、上記<1>〜上記<7>いずれか1つに記載のインク組成物、
<9> (a1)被記録媒体上に、上記<1>〜上記<8>いずれか1つに記載のインク組成物を吐出する工程、及び、(b1)吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、該インク組成物を硬化する工程、を含むことを特徴とするインクジェット記録方法、
<10> 上記<9>に記載のインクジェット記録方法によって記録された印刷物。
本発明によれば、顔料(好ましくは微細な顔料)の分散性及びその安定性に優れ、高画質の画像を形成することができ、活性放射線の照射により高感度で硬化しうる、インクジェット記録用として好適なインク組成物、及び、前記インク組成物を用いたインクジェット記録方法を提供することができた。さらに、本発明によれば、前記インク組成物を用いて得られる印刷物を提供することができた。
(1)インク組成物
本発明のインク組成物は、(A)脂肪族環状構造を有する単官能ラジカル重合性モノマー、N−ビニルラクタム類、及び芳香族単官能ラジカル重合性モノマーよりなる群から選ばれる少なくとも1つの重合性化合物、(B)ラジカル重合開始剤、(C)顔料、及び、(D)式(D1)で表される繰り返し単位をグラフト鎖に有するグラフト共重合体(以下、「(D)特定重合体」ともいう。)を含有する。また、本発明のインク組成物は、上記の成分の他に、増感剤、共増感剤や、上記脂肪族環状構造を有する単官能ラジカル重合性モノマー、N−ビニルラクタム類及び芳香族単官能ラジカル重合性モノマー以外の重合性化合物等を含有することができる。
Figure 0005241349
(式(D1)中、Rは水素原子又はメチル基を表す。Xは単結合、−O−、−CO−、−COO−、−CONR1−、−OCO−、又は、フェニレン基のいずれかを表し、R1は水素原子、アルキル基、アリール基、又は、アラルキル基のいずれかを表す。Lは単結合又は二価連結基を表す。Zは−NR23を表し、R2、R3はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、又は、アラルキル基のいずれかを表し、互いに結合して環を形成してもよい。)
本発明において、インク組成物は、活性放射線の照射により硬化可能である。
本発明でいう「活性放射線」とは、その照射によりインク組成物中において開始種を発生させうるエネルギーを付与することができる活性放射線であれば、特に制限はなく、広くα線、γ線、X線、紫外線(UV)、可視光線、電子線などを包含するものであるが、中でも、硬化感度及び装置の入手容易性の観点から紫外線及び電子線が好ましく、特に紫外線が好ましい。したがって、本発明において、インク組成物としては、放射線として、紫外線を照射することにより硬化可能なインク組成物が好ましい。
以下、それぞれの成分について説明する。
(A)重合性化合物
本発明において、重合性化合物として、脂肪族環状構造を有する単官能ラジカル重合性モノマー、N−ビニルラクタム類、及び、芳香族単官能ラジカル重合性モノマーよりなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物を含有する。なお、本発明のインク組成物は、重合性化合物として、他の重合性化合物を併用することもできる。
<脂肪族環状構造を有する単官能ラジカル重合性モノマー及び芳香族単官能ラジカル重合性モノマー>
脂肪族環状構造を有する単官能ラジカル重合性モノマー及び芳香族単官能ラジカル重合性モノマーは、以下の式(A1)で表される単官能ラジカル重合性モノマーであることが好ましい。なお、脂肪族環状構造を有する単官能ラジカル重合性モノマーとは、ヘテロ原子を含んでもよい脂環式炭化水素基を有する単官能ラジカル重合性モノマーであり、芳香族単官能ラジカル重合性モノマーとは芳香族基を有する単官能ラジカル重合性モノマーである。また、単官能ラジカル重合性モノマーは、重合性のあるエチレン性不飽和結合を1つのみ有するモノマーであり、重合性のあるエチレン性不飽和結合を有する基としては、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基、ビニル基、ビニルオキシ基が好ましく例示できる。
なお、本発明において、脂肪族環状構造を有するラジカル重合性モノマーは、脂肪族環状構造の他にラジカル重合性基を有しており、脂肪族環状構造内に有するエチレン性不飽和結合は、重合性のあるエチレン性不飽和結合に該当しないものとする。
Figure 0005241349
上記式(A1)において、R1は水素原子、ハロゲン原子、又は、炭素数1〜4のアルキル基を表し、X1は、単結合、エーテル結合(−O−)、エステル結合(−C(O)O−又は−OC(O)−)、アミド結合(―C(O)NH−、又は、−NHC(O)−)、カルボニル結合(−C(O)―)、分岐を有していてもよい炭素数20以下のアルキレン基、又はこれらを組み合わせた第2の二価の連結基が結合してもよく、第1の二価の連結基のみ又は第2の二価の連結基を有する場合はエーテル結合、エステル結合及び炭素数20以下のアルキレン基を有するものが好ましい。
2は単環芳香族基及び多環芳香族基などの芳香族基又は脂環式炭化水素基であり、前記芳香族基及び脂環式炭化水素基は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基、シロキサン基、炭素数30以下の置換基を有していてもよく、前記芳香族基及び脂環炭化水素基の環状構造には、O、N、S等のヘテロ原子を含んでいてもよい。
上記式(A1)において、R1は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、より好ましくは水素原子又はメチル基であり、特に好ましくは水素原子である。
また、X1はエステル結合(−C(O)O−)を有するものであることが好ましい。
すなわち、本発明において、脂肪族環状構造を有する単官能ラジカル重合性モノマー及び芳香族単官能ラジカル重合性モノマーは、アクリレート(アクリル酸エステル)又はメタクリレート(メタクリル酸エステル)であることが好ましい。
〔脂肪族環状構造を有する単官能ラジカル重合性モノマー〕
本発明において、脂肪族環状構造を有する単官能ラジカル重合性モノマーは、N−ビニルラクタム類を除く脂肪族環状構造を有する単官能ラジカル重合性モノマーを意味する。
式(A1)のR2は脂環式炭化水素基でもよい。また、O、N、Sなどのヘテロ原子を含む脂環式炭化水素基を有する基でもよい。
脂環式炭化水素基は、炭素数3〜12のシクロアルカン類を有する基でもよい。
上記O、N、Sなどのヘテロ原子を含む脂環式炭化水素基は、具体的には、ピロリジン、ピラゾリジン、イミダゾリジン、イソオキサゾリジン、イソチアゾリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルフォリン、チオモルフォリン、ジアゾール、トリアゾール、テトラゾールから1つ以上の水素を除いた基が例示できる。
これらの脂環式炭化水素基及びヘテロ環を有する脂環式炭化水素基は、置換基を有していてもよく、該置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基、チオール基、シロキサン基、さらに置換基を有していてもよい総炭素数30以下の炭化水素基若しくはO、N、S等のヘテロ原子を含む複素環基、又は、二価の置換基としてオキシ基(=O)であることが好ましい。
脂肪族環状構造を有する単官能ラジカル重合性モノマーは、下記式(A2)で表されるノルボルナン骨格を有する化合物であることがより好ましい。
Figure 0005241349
式(A2)中、R1は水素原子、ハロゲン原子、又は、炭素数1〜4のアルキル基を表し、X1は二価の連結基を表し、エーテル基(−O−)、エステル基(−C(O)O−若しくは−OC(O)−)、アミド基(−C(O)NR’−)、カルボニル基(−C(O)−)、イミノ基(−NR’−)、置換基を有していてもよい炭素数1〜15のアルキレン基、又は、これらを2以上組み合わせた二価の基であることが好ましい。なお、R’は水素原子、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状若しくは環状アルキル基、又は、炭素数6〜20のアリール基を表す。R2は置換基を表し、rは0〜5の整数を表し、qは環状炭化水素構造を表し、前記環状炭化水素構造として炭化水素結合以外にカルボニル結合(−C(O)−)及び/又はエステル結合(−C(O)O−)を含んでいてもよく、r個存在するR2はそれぞれ同じであっても、異なっていてもよく、また、ノルボルナン骨格中の一炭素原子をエーテル結合(−O−)及び/又はエステル結合(−C(O)O−)で置換してもよい。
式(A2)中、R1は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、より好ましくは水素原子又はメチル基である。
式(A2)におけるX1のビニル基と結合する端部は、X1のカルボニル炭素とビニル基とが結合するエステル基又はアミド基であることが好ましく、より好ましくはエステル結合である。特に、H2C=C(R1)−C(O)O−の構造を有するものであることが好ましい。その場合、ノルボルナン骨格と結合するX1の他の部分は、単結合であっても、前記の基から任意に選択したものであってもよい。
1及びX1を含むビニル部分(H2C=C(R1)−X1−)は、脂環式炭化水素構造上の任意の位置で結合することができる。なお、「脂環式炭化水素構造上」とは、式(A2)におけるノルボルナン構造上及びqを含む環状炭化水素構造上を指す。
また、着色剤との親和性を向上させるという観点から、式(A2)におけるX1の脂環式炭化水素構造と結合する端部は、酸素原子であることが好ましく、エーテル性酸素原子であることがより好ましく、式(A2)におけるX1は−C(O)O(CH2CH2O)p−(pは1又は2を表す。)であることがさらに好ましい。
すなわち、式(A2)におけるX1は、*−C(O)O(LO)q−又は*−C(O)NH(LO)q−であることが好ましい。ここで、*は、式(A2)のX1とビニル基との結合位置を示し、qは0〜10の整数であり、Lは炭素数2〜4のアルキレン基を表す。これらの中でも、X1は*−C(O)O(LO)q−であることが好ましく、qは0〜4の整数であることが好ましく、0〜2の整数であることがより好ましく、1又は2であることがさらに好ましい。Lは炭素数2又は3であることが好ましく、すなわち、LOは、エチレンオキシド鎖又はプロピレンオキシド鎖であることが好ましい。
式(A2)におけるR2はそれぞれ独立に置換基を表し、脂環式炭化水素構造上の任意の位置で結合することができる。また、r個存在するR2はそれぞれ同じであっても、異なっていてもよい。
r個存在するR2は、それぞれ独立に一価又は多価の置換基であってもよく、一価の置換基としてヒドロキシル基、置換若しくは無置換のアミノ基、チオール基、シロキサン基、さらに置換基を有していてもよい総炭素数30以下の炭化水素基若しくは複素環基、又は、二価の置換基としてオキシ基(=O)であることが好ましい。
2の置換数rは0〜5の整数を表す。
式(A2)におけるqは、環状炭化水素構造を表し、その両端はノルボルナン骨格の任意の位置で置換していてもよく、単環構造であっても、多環構造であってもよく、また、前記環状炭化水素構造として炭化水素結合以外に、カルボニル結合(−C(O)−)及び/又はエステル結合(−C(O)O−)を含んでいてもよい。
前記式(A2)で表されるモノマーとしては、式(A3)又は式(A4)で表されるモノマーであることが好ましい。なお、式(A4)中の環状炭化水素構造中の不飽和結合は、ラジカル重合性が低く、本発明において、式(A4)で表される化合物は単官能ラジカル重合性モノマーであるものとする。
Figure 0005241349
式(A3)及び式(A4)中、R1は水素原子、ハロゲン原子、又は、炭素数1〜4のアルキル基を表し、X1は二価の連結基を表し、R3及びR4はそれぞれ独立に置換基を表し、s及びtはそれぞれ独立に0〜5の整数を表し、また、s個存在するR3及びt個存在するR4はそれぞれ同じであっても、異なっていてもよい。
式(A3)又は式(A4)におけるR1及びX1は、式(A2)におけるR1及びX1と同義であり、好ましい範囲も同様である。
式(A3)又は式(A4)におけるR1及びX1を含むビニル部分は、式(A3)又は式(A4)における下記に示す各脂環式炭化水素構造上の任意の位置で結合することができる。
Figure 0005241349
式(A3)又は式(A4)におけるR3及びR4はそれぞれ独立に置換基を表し、式(A3)、又は式(A4)における上記各脂環式炭化水素構造上の任意の位置で結合することができる。R3及びR4における置換基は、式(A2)のR2における置換基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
式(A3)又は式(A4)におけるs及びtはそれぞれ独立に0〜5の整数を表し、また、s個存在するR3及びt個存在するR4はそれぞれ同じであっても、異なっていてもよい。
式(A2)で表されるモノマーとして、単官能アクリレートの好ましい具体例を以下に示す。
なお、下記例示化合物の一部において、炭化水素鎖を炭素(C)及び水素(H)の記号を省略した簡略構造式で記載する。
Figure 0005241349
式(A2)で表されるモノマーとして、単官能メタクリレートの好ましい具体例を以下に示す。
Figure 0005241349
式(A2)で表されるモノマーとして、単官能アクリルアミドの好ましい具体例を以下に示す。
Figure 0005241349
〔芳香族単官能ラジカル重合性モノマー〕
芳香族単官能ラジカル重合性モノマーは、以下の式(A5)で表される重合性モノマーであることが好ましい。
Figure 0005241349
(式(A5)中、R1は水素原子、ハロゲン原子、又は、炭素数1〜4のアルキル基を表し、X1は二価の連結基を表し、R5は置換基を表し、uは0〜5の整数を表し、また、u個存在するR5はそれぞれ同じであっても、異なっていてもよく、複数のR5がお互いに結合して環を形成してもよく、その環は芳香環であってもよい。)
式(A5)中、R1として好ましくは、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、より好ましくは水素原子又はメチル基であり、さらに好ましくは水素原子である。
1は式(A2)におけるX1と同義であり、その好ましい範囲も同じである。
u個存在するR5は、それぞれ独立に一価又は多価の置換基であってもよく、一価の置換基としてヒドロキシル基、置換若しくは無置換のアミノ基、チオール基、シロキサン基、又は、さらに置換基を有していてもよい総炭素数30以下の炭化水素基若しくは複素環基であることが好ましい。
式(A5)中、複数のR5は、お互いに結合して環を形成している場合には、芳香環を形成していることが好ましい。
すなわち、式(A5)中、芳香族基として好ましいものは、単環芳香族であるベンゼンから1つ以上の水素を除いた基(フェニル基、フェニレン基等)のほか、2〜4つの環を有する多環芳香族基であり、限定されるものではない。具体的には、ナフタレン、アントラセン、1H−インデン、9H−フルオレン、1H−フェナレン、フェナントレン、トリフェニレン、ピレン、ナフタセン、テトラフェニレン、ビフェニレン、as−インダセン、s−インダセン、アセナフチレン、フルオランテン、アセフェナントリレン、アセアントリレン、クリセン、プレイアデン等から1つ以上の水素原子を除いた基が例示できる。
これらの芳香族基は、O、N、S等のヘテロ原子を含む芳香族複素環基であってもよい。具体的には、フラン、チオフェン、1H−ピロール、2H−ピロール、1H−ピラゾール、1H−イミダゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、2H−ピラン、2H−チオピラン、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール等の単環芳香族複素環化合物から、少なくとも1つの水素原子を除いた基が挙げられる。
また、チアントレン、イソベンゾフラン、イソクロメン、4H−クロメン、キサンテン、フェノキサチイン、インドリジン、イソインドール、インドール、インダゾール、プリン、4H−キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、カルバゾール、β−カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、ペリミジン、フェナントロリン、フェナジン、フェノチアジン、フェノキサジン、ピロリジン、等の多環芳香族複素環化合物から、少なくとも1つの水素原子を除いた基が挙げられる。
上記の芳香族基は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基、チオール基、シロキサン基、炭素数30以下の置換基を1又は2以上有していてもよい。例えば無水フタル酸やフタルイミドのように芳香族基が有する2以上の置換基でO、N、S等のヘテロ原子を含む環状構造を形成してもよい。
本発明において、多環芳香族基としてさらに好ましいものは、2〜3つの環を有する多環芳香族基であり、特に好ましいものは、ナフチル基である。
芳香族単官能ラジカル重合性モノマーの具体例として[L−1]〜[L−68]が好ましく挙げられるが、下記に限定されたものではない。
Figure 0005241349
Figure 0005241349
Figure 0005241349
Figure 0005241349
Figure 0005241349
Figure 0005241349
Figure 0005241349
<N−ビニルラクタム類>
本発明において、重合性化合物として、N−ビニルラクタム類を使用することが好ましい。本発明に用いることができるN−ビニルラクタム類の好ましい例として、下記式(A6)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0005241349
式(A6)中、mは1〜5の整数を表し、インク組成物が硬化した後の柔軟性、被記録媒体との密着性、及び、原材料の入手性の観点から、mは2〜4の整数であることが好ましく、mが2又は4であることがより好ましく、mが4である、すなわちN−ビニルカプロラクタムであることが特に好ましい。N−ビニルカプロラクタムは安全性に優れ、汎用的で比較的安価に入手でき、特に良好なインク硬化性、及び硬化膜の被記録媒体への密着性が得られるので好ましい。
また、上記N−ビニルラクタム類は、ラクタム環上にアルキル基、アリール基等の置換基を有していてもよく、飽和又は不飽和環構造を連結していてもよい。上記N−ビニルラクタム類はインク組成物中に1種のみ含有されていてもよく複数種含有されていてもよい。
本発明において、N−ビニルラクタム類をインク組成物全体の5重量%〜40重量%含有することが好ましく、より好ましくは8重量%〜35重量%であり、さらに好ましくは、10重量%〜30重量%である。上記範囲において他の重合性化合物との良好な共重合性を示し、硬化性、耐ブロッキング性に優れるインク組成物が得られるので好ましい。
本発明において、重合性化合物としてN−ビニルラクタム類を少なくとも含有し、その他に脂肪族環状構造を有する単官能ラジカル重合性モノマー及び/又は芳香族単官能ラジカル重合性モノマーを含有することがより好ましい。
この場合、N−ビニルラクタム類をインク組成物全体の5〜50重量%含有することが好ましく、8〜40重量%含有することがより好ましく、10〜35重量%含有することがさらに好ましい。また、脂肪族環状構造を有する単官能ラジカル重合性モノマー及び/又は芳香族単官能ラジカル重合性モノマーを、インク組成物全体の20〜80重量%含有することが好ましく、25〜70重量%含有することがより好ましく、30〜60重量%含有することがさらに好ましい。
重合性化合物の全体に対するN−ビニルラクタム類、脂肪族環状構造を有する単官能ラジカル重合性モノマー及び芳香族単官能ラジカル重合性モノマーの総量は20重量%以上であることが好ましく、40重量%以上であることがより好ましく、60重量%以上であることがさらに好ましい。
インク組成物における含有量が上記範囲内であると低粘度であり、硬化性が良好なインク組成物を得ることができるので好ましい。また、インク組成物を硬化させた硬化膜の表面のベタツキがなく柔軟性に優れた硬化膜を得ることができるので好ましい。
<その他の重合性化合物>
重合性化合物として、下記非環状単官能モノマーをあわせて使用することもできる。非環状単官能モノマーは比較的低粘度であり、例えば、インク組成物を低粘度化する目的においても好ましく使用できる。ただし、硬化膜のべとつきを抑えることや、キズ等を発生させない高い膜強度を与えるという観点で、下記非環状単官能モノマーがインク組成物全体に占める割合は、20重量%以下であることが好ましい。より好ましくは15重量%以下である。
具体的には、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレートモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートモノメチルエーテル、ポリテトラエチレングリコール(メタ)アクリレートモノメチルエーテル等が挙げられる。
また、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する重合性化合物の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸及びそれらの塩、エチレン性不飽和基を有する無水物、アクリロニトリル、さらに種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン(メタ)アクリル系モノマーあるいはプレポリマー、エポキシ系モノマーあるいはプレポリマー、ウレタン系モノマーあるいはプレポリマー等が好ましく用いられる。
上記の中で単官能の(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレートメチルエステル、(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレートエチルエステル、(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アクリレートメチルエステル、(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アクリレートエチルエステル、
2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、n−デシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、n−ラウリルアクリレート、n−トリデシルアクリレート、n−セチルアクリレート、n−ステアリルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、エポキシアクリレート等のアクリル酸誘導体、メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、n−デシルメタクリレート、イソオクチルメタクリレート、n−ラウリルメタクリレート、n−トリデシルメタクリレート、n−セチルメタクリレート、n−ステアリルメタクリレート、アリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ジメチルアミノメチルメタクリレート等のメタクリル誘導体、その他、アリルグリシジルエーテル等のアリル化合物の誘導体、2−エチルヘキシル−ジグリコールアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、変性グリセリントリアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルアクリル酸付加物、ラクトン変性可撓性アクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、が挙げられ、さらに具体的には、山下晋三編「架橋剤ハンドブック」(1981年、大成社);加藤清視編「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」(1985年、高分子刊行会);ラドテック研究会編「UV・EB硬化技術の応用と市場」79頁(1989年、シーエムシー);滝山栄一郎著「ポリエステル樹脂ハンドブック」(1988年、日刊工業新聞社)等に記載の市販品若しくは業界で公知のラジカル重合性乃至架橋性のモノマー、オリゴマー及びポリマーを用いることができる。
ラジカル重合性モノマーとして必要に応じて、アクリレート基、メタクリレート基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基、ビニルオキシ基、及びN−ビニル基よりなる群から選択されるエチレン性不飽和二重結合基を2つ以上有する多官能モノマーをあわせて使用することもできる。多官能モノマーを含有することで、高い硬化膜強度を有するインク組成物が得られる。ただし、硬化膜の基材(被記録媒体)密着性を保持する観点で、下記多官能モノマーがインク組成物全体に占める割合は、50重量%以下であることが好ましい。より好ましくは45重量%以下である。
具体的には、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,10−デカンジオールジアクリレート、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド(EO)変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド(PO)変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、EO変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、PO変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートトリレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、EO変性ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、PO変性ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、EO変性テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、PO変性テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、変性グリセリントリ(メタ)アクリレート、変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのPO付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのEO付加物ジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート等が挙げられる。
さらに、ラジカル重合性化合物として、ビニルエーテル化合物を用いることも好ましい。好適に用いられるビニルエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物、エチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、ヒドロキシエチルモノビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ヒドロキシノニルモノビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
これらのビニルエーテル化合物のうち、硬化性、密着性、表面硬度の観点から、ジビニルエーテル化合物、トリビニルエーテル化合物が好ましく、特に、ジビニルエーテル化合物が好ましい。ビニルエーテル化合物は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
本発明においては、上述した重合性化合物として列挙されているモノマーは、反応性が高く、粘度が低く、また、被記録媒体への密着性に優れる。
本発明に用いることができるインク組成物の全体に対する重合性化合物の総量は40〜99重量%であることが好ましく、50〜97重量%であることがより好ましく、60〜95重量%含有することがさらに好ましい。上記範囲内であると、硬化性に優れ、また、粘度が適度であるため好ましい。
(B)重合開始剤
本発明において、重合開始剤(光重合開始剤)としては、公知のラジカル重合開始剤を使用することができる。本発明に用いることができる重合開始剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、ラジカル重合開始剤とカチオン重合開始剤を併用することもでき、重合性化合物としてカチオン重合性化合物を併用する場合には、カチオン重合開始剤を使用することが好ましい。
本発明に用いることのできる重合開始剤は、活性放射線の照射により重合開始種を生成する化合物である。活性放射線としては、γ線、β線、電子線、紫外線、可視光線、赤外線が例示できるが、装置コストや操作上の安全性の観点から、紫外線又は可視光線が好ましい。
具体的な重合開始剤は当業者間で公知のものを制限なく使用でき、具体的には、例えば、Bruce M. Monroeら著、Chemical Review, 93, 435 (1993)や、R. S. Davidson著、Journal of Photochemistry and Biology A: Chemistry, 73. 81 (1993)や、J. P. Faussier, Photoinitiated Polymerization-Theory and Applications: Rapra Review vol.9, Report, Rapra Technology (1998)や、M. Tsunooka et al., Prog. Polym. Sci., 21, 1 (1996)に多く記載されている。また、(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)に化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が多く記載されている。さらには、F. D. Saeva, Topics in Current Chemistry, 156, 59 (1990)、G. G. Maslak, Topics in Current Chemistry, 168, 1 (1993)、H. B. Shuster et al, JACS, 112, 6329 (1990)、I. D. F. Eaton et al, JACS, 102, 3298 (1980)等に記載されているような、増感剤の電子励起状態との相互作用を経て、酸化的もしくは還元的に結合解裂を生じる化合物群も知られる。
本発明において、光重合開始剤としては、アシルホスフィンオキサイド化合物を含有することが好ましい。好ましく用いることができるアシルホスフィンオキサイド化合物は以下の通りである。
<アシルホスフィンオキサイド化合物>
アシルホスフィンオキサイド化合物としては、下記式(B1)又は下記式(B2)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0005241349
前記式(B1)中のR1及びR2は、それぞれ独立に脂肪族基、芳香族基、脂肪族オキシ基、芳香族オキシ基、又は、複素環基を表し、R3は、脂肪族基、芳香族基、又は、複素環基を表す。前記R1とR2は結合して5員環乃至9員環を形成してもよい。前記環構造は、環構造中に酸素原子、窒素原子、硫黄原子等を有する複素環であってもよい。
前記R1、R2又はR3で表される脂肪族基としては、例えば、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アラルキル基、又は置換アラルキル基等が挙げられ、中でも、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アラルキル基、又は置換アラルキル基が好ましく、アルキル基、置換アルキル基がより好ましい。また、前記脂肪族基は、環状脂肪族基でも鎖状脂肪族基でもよい。また、鎖状脂肪族基は分岐を有していてもよい。
前記アルキル基としては、直鎖状、分岐状、環状のアルキル基が挙げられ、該アルキル基の炭素原子数としては、1以上30以下が好ましく、1以上20以下がより好ましい。置換アルキル基のアルキル部分の炭素原子数の好ましい範囲については、アルキル基の場合と同様である。前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、ネオペンチル基、イソプロピル基、イソブチル基等が挙げられる。
前記置換アルキル基の置換基としては、−COOH(カルボキシル基)、−SO3H(スルホ基)、−CN(シアノ基)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、−OH(ヒドロキシ基)、炭素数30以下のアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基)、炭素数30以下のアルキルスルホニルアミノカルボニル基、炭素数30以下のアリールスルホニルアミノカルボニル基、炭素数30以下のアルキルスルホニル基、炭素数30以下のアリールスルホニル基、炭素数30以下のアシルアミノスルホニル基、炭素数30以下のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、ベンジルオキシ基、フェノキシエトキシ基、フェネチルオキシ基等)、炭素数30以下のアルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルチオエチルチオエチル基等)、炭素数30以下のアリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、p−トリルオキシ基、1−ナフトキシ基、2−ナフトキシ基等)、ニトロ基、炭素数30以下のアルコキシカルボニルオキシ基、炭素数30以下のアリールオキシカルボニルオキシ基、炭素数30以下のアシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基等)、炭素数30以下のアシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基等)、炭素数30以下のカルバモイル基(例えば、カルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、炭素数30以下のモルホリノカルボニル基、ピペリジノカルボニル基等)、炭素数30以下のスルファモイル基(例えば、スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、モルホリノスルホニル基、ピペリジノスルホニル基等)、炭素数30以下のアリール基(例えば、フェニル基、4−クロロフェニル基、4−メチルフェニル基、α−ナフチル基等)、置換アミノ基(例えば、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アシルアミノ基等)、置換ウレイド基、置換ホスホノ基、複素環基等が挙げられる。ここで、カルボキシル基、スルホ基、ヒドロキシ基、ホスホノ基は、塩の状態であってもよい。その際、塩を形成するカチオンは、陽イオンを形成し得る基であり、有機カチオン性化合物、遷移金属配位錯体カチオン(特許2791143号公報に記載の化合物等)又は金属カチオン(例えば、Na+、K+、Li+、Ag+、Fe2+、Fe3+、Cu+、Cu2+、Zn2+、Al3+等)が好ましい。
前記アルケニル基としては、直鎖状、分岐状、環状のアルケニル基が挙げられ、該アルケニル基の炭素原子数としては、2以上30以下が好ましく、2以上20以下がより好ましい。また、該アルケニル基は、置換基を有する置換アルケニル基、無置換のアルケニル基のいずれであってもよく、置換アルケニル基のアルケニル部分の炭素原子数の好ましい範囲はアルケニル基の場合と同様である。前記置換アルケニル基の置換基としては、前記置換アルキル基の場合と同様の置換基が挙げられる。
前記アルキニル基としては、直鎖状、分岐状、環状のアルキニル基が挙げられ、該アルキニル基の炭素原子数としては、2以上30以下が好ましく、2以上20以下がより好ましい。また、該アルキニル基は、置換基を有する置換アルキニル基、無置換のアルキニル基のいずれであってもよく、置換アルキニル基のアルキニル部分の炭素原子数の好ましい範囲はアルキニル基の場合と同様である。置換アルキニル基の置換基としては、前記置換アルキル基の場合と同様の置換基が挙げられる。
前記アラルキル基としては、直鎖状、分岐状、環状のアルキル側鎖を有するアラルキル基が挙げられ、該アラルキル基の炭素原子数としては、7以上35以下が好ましく、7以上25以下がより好ましい。また、該アラルキル基は、置換基を有する置換アラルキル基、無置換のアラルキル基のいずれであってもよく、置換アラルキル基のアラルキル部分の炭素原子数の好ましい範囲はアラルキル基の場合と同様である。置換アラルキル基の置換基としては、前記置換アルキル基の場合と同様の置換基が挙げられる。また、アラルキル基のアリール部分が置換基を有していてもよく、該置換基としては前記アルキル基の場合と同様の置換基及び炭素数30以下の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基が例示できる。
前記R1、R2又はR3で表される芳香族基としては、例えば、アリール基、置換アリール基が挙げられる。アリール基の炭素原子数としては、6以上30以下が好ましく、6以上20以下がより好ましい。置換アリール基のアリール部分の好ましい炭素原子数の範囲としては、アリール基と同様である。前記アリール基としては、例えば、フェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基等が挙げられる。置換アリール基の置換基としては、前記置換アルキル基の場合と同様の置換基及び炭素数30以下の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基が挙げられる。
前記R1又はR2で表される脂肪族オキシ基としては、炭素数1以上30以下のアルコキシ基が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、オクチルオキシ基、フェノキシエトキシ基等が挙げられる。ただし、これらに限定されるものではない。
前記R1又はR2で表される芳香族オキシ基としては、炭素数6以上30以下のアリールオキシ基が好ましく、例えば、フェノキシ基、メチルフェニルオキシ基、クロロフェニルオキシ基、メトキシフェニルオキシ基、オクチルオキシフェニルオキシ基等が挙げられる。ただし、これらに限定されるものではない。
前記R1、R2又はR3で表される複素環基としては、N、O又はS原子を含む複素環基が好ましく、例えば、ピリジル基、フリル基、チエニル基、イミダゾリル基、ピロリル基等が挙げられる。
Figure 0005241349
前記式(B2)中のR4及びR6は、それぞれ独立にアルキル基、アリール基、複素環基を表し、R5は、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、複素環基を表す。
前記R4、R5又はR6で表される、アルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシ基及びアリールオキシ基は、置換基を有していてもよく、該置換基としては、前記式(B1)における場合と同様の置換基が挙げられる。
前記式(B2)におけるアルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシ基及びアリールオキシ基としては、前記式(B1)における場合と同義である。
前記式(B1)で表される化合物は、下記式(B3)で表される化合物であることがより好ましい。
Figure 0005241349
式(B3)中、R7及びR8はそれぞれ独立に、フェニル基、メトキシ基、又は、イソプロポキシ基を表し、R9は2,4,6−トリメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2−メチルフェニル基(o−トルイル基)、イソブチル基、又は、t−ブチル基を表す。
前記式(B2)で表される化合物は、下記式(B4)で表される化合物であることがより好ましい。
Figure 0005241349
式(B4)中、R10及びR12はそれぞれ独立に、2,4,6−トリメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、又は、2,6−ジメトキシフェニル基を表し、R11はフェニル基、又は、2,4,4−トリメチルペンチル基を表す。
前記式(B1)又は(B2)で表されるアシルホスフィンオキサイド化合物としては、例えば、特公昭63−40799号公報、特公平5−29234号公報、特開平10−95788号公報、特開平10−29997号公報等に記載の化合物を挙げることできる。
具体的なアシルホスフィンオキサイド化合物の例としては、以下に示す化合物(例示化合物(P−1)乃至(P−26))が挙げられるが、本発明においては、これらに限定されるものではない。
Figure 0005241349
Figure 0005241349
アシルホスフィンオキサイド化合物としては、モノアシルホスフィンオキサイド化合物及びビスアシルホスフィンオキサイド化合物等を使用することができ、モノアシルホスフィンオキサイド化合物としては、公知のモノアシルホスフィンオキサイド化合物を使用することができる。例えば特公昭60−8047号公報、特公昭63−40799号公報に記載のモノアシルホスフィンオキサイド化合物が挙げられる。
具体例としては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、イソブチリル−メチルホスフィン酸メチルエステル、イソブチリル−フェニルホスフィン酸メチルエステル、ピバロイル−フェニルホスフィン酸メチルエステル、2−エチルヘキサノイル−フェニルホスフィン酸メチルエステル、ピバロイル−フェニルホスフィン酸イソプロピルエステル、p−トルイル−フェニルホスフィン酸メチルエステル、o−トルイル−フェニルホスフィン酸メチルエステル、2,4−ジメチルベンゾイル−フェニルホスフィン酸メチルエステル、p−t−ブチルベンゾイル−フェニルホスフィン酸イソプロピルエステル、アクリロイル−フェニルホスフィン酸メチルエステル、イソブチリル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2−エチルヘキサノイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、o−トルイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、p−t−ブチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、3−ピリジルカルボニル−ジフェニルホスフィンオキサイド、アクリロイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、ベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、ピバロイル−フェニルホスフィン酸ビニルエステル、アジポイル−ビス−ジフェニルホスフィンオキサイド、ピバロイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、p−トルイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、4−(t−ブチル)−ベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2−メチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2−メチル−2−エチルヘキサノイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、1−メチル−シクロヘキサノイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、ピバロイル−フェニルホスフィン酸メチルエステル及びピバロイル−フェニルホスフィン酸イソプロピルエステル等が挙げられる。
ビスアシルホスフィンオキサイド化合物としては公知のビスアシルホスフィンオキサイド化合物が使用できる。例えば特開平3−101686号、特開平5−345790号、特開平6−298818号に記載のビスアシルホスフィンオキサイド化合物が挙げられる。具体例としては、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−2−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−1−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−4−クロルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−2,4−ジメトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−デシルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−4−オクチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロル−3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロル−3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メトキシ−1−ナフトイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−クロル−1−ナフトイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
これらの中でも、本発明において、アシルホスフィンオキサイド化合物としては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド(IRGACURE 819:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド(DAROCUR TPO:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、LUCIRIN TPO:BASF社製)などが好ましい。
<その他のラジカル重合開始剤>
本発明において、ラジカル重合開始剤として、その他のラジカル重合開始剤を含有することができる。その他のラジカル重合開始剤としてはα−アミノアセトフェノン化合物、α−ヒドロキシアセトフェノン化合物、オキシムエステル化合物が例示できる。
〔α−アミノアセトフェノン化合物〕
α−アミノアセトフェノン化合物は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を使用することもできる。
該α−アミノアセトフェノン化合物としては下記の式(B5)で表される化合物を好ましく用いることができる。
Figure 0005241349
式中X1は下記(a)、(b)又は(c)で表される基を表す。
Figure 0005241349
式中pは0又は1である。
Figure 0005241349
式中qは0乃至3の整数であり、rは0又は1である。なお、rが0の時、(CH3rは水素原子を表す。
Figure 0005241349
式中、Yは水素原子、ハロゲン原子、OH基、炭素数1以上12以下のアルキル基(なお、特に断りのない場合、アルキル基とは直鎖状又は分岐状のアルキル基を意味する。本発明において、同様。)、炭素数1以上12以下のアルコキシ基、芳香環基、又は、複素環基を表す。前記芳香環基としては、フェニル基、又は、ナフチル基が好ましく例示できる。また、前記複素環基としては、フリル基、チエニル基、又は、ピリジル基が好ましく例示できる。
Yにおけるアルキル基、アルコキシ基、芳香環基、及び、複素環基は置換基を有していてもよい。
Yにおけるアルキル基が有していてもよい置換基としては、OH基、ハロゲン原子、−N(X102(X10は水素原子、炭素数1以上8以下のアルキル基、炭素数3以上5以下のアルケニル基、炭素数7以上9以下のフェニルアルキル基、炭素数1以上4以下のヒドロキシアルキル基、もしくはフェニル基を表し、2つのX10はお互いに同一でも異なっていてもよい。)、炭素数1以上12以下のアルコキシ基、−COOR(Rは炭素数1以上18以下のアルキル基を表す。)、−CO(OCH2OCH2nOCH3(nは1以上20以下の整数を表す。)、又は、−OCOR(Rは炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。)が挙げられる。
Yにおけるアルコキシ基が有していてもよい置換基としては、−COOR(Rは炭素数1以上18以下のアルキル基を表す。)、又は、−CO(OCH2CH2nOCH3(nは1以上20以下の整数を表す。)が挙げられる。
Yにおける芳香環基又は複素環基が有していてもよい置換基としては、−(OCH2CH2nOH(nは1以上20以下の整数を表す。)、−(OCH2CH2nOCH3(nは1以上20以下の整数を表す。)、炭素数1以上8以下のアルキルチオ基、フェノキシ基、−COOR(Rは炭素数1以上18以下のアルキル基を表す。)、−CO(OCH2CH2nOCH3(nは1以上20以下の整数を表す。)、フェニル基、又は、ベンジル基が挙げられる。
これら置換基は、可能であれば2以上有していてもよく、可能であれば、置換基をさらに置換していてもよい。
また、式中、X12は水素原子、炭素数1以上8以下のアルキル基、又は、フェニル基を表す。X13、X14及びX15は互いに独立して水素原子、又は、炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。X13とX14とは架橋して炭素数3以上7以下のアルキレン基を形成してもよい。
式中X2は前記X1と同じ基、炭素数5もしくは6のシクロアルキル基、炭素数1以上12以下のアルキル基、又は、フェニル基を表す。
2におけるアルキル基、及び、フェニル基は置換基を有していてもよい。
2におけるアルキル基が有していてもよい置換基としては、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、フェノキシ基、ハロゲン原子、又は、フェニル基が挙げられる。
2におけるフェニル基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上12以下のアルキル基、又は、炭素数1以上4以下のアルコキシ基が挙げられる。
これら置換基は、可能であれば2以上有していてもよく、可能であれば、置換基をさらに置換していてもよい。
また、式中X1とX2とは架橋して次式で表される基を形成してもよい。
Figure 0005241349
式中X3は水素原子、炭素数1以上12以下のアルキル基、炭素数3以上5以下のアルケニル基、炭素数5以上12以下のシクロアルキル基、又は、炭素数7以上9以下のフェニルアルキル基を表す。
3におけるアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、及び、フェニルアルキル基は、置換基を有していてもよく、該置換基としては、OH基、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、−CN、又は、−COOR(Rは炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。)が挙げられる。
式中X4は炭素数1以上12以下のアルキル基、炭素数3以上5以下のアルケニル基、炭素数5以上12以下のシクロアルキル基、炭素数7以上9以下のフェニルアルキル基、又は、フェニル基を表す。
4におけるアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、フェニルアルキル基、及び、フェニル基は置換基を有していてもよい。
4におけるアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、及び、フェニルアルキル基が有していてもよい置換基としては、OH基、炭素数1以上4以下のアルコキシル基、−CN、又は、−COOR(Rは炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。)が挙げられる。また、X4におけるアルキル基が置換基を有する場合、置換されるアルキル基の炭素数は2以上4以下であることが好ましい。
4におけるフェニル基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上12以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、又は、−COOR(Rは炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。)が挙げられる。
ここで、X2とX4とは架橋して炭素数1以上7以下のアルキレン基、炭素数7以上10以下のフェニルアルキレン基、o−キシリレン基、2−ブテニレン基、又は、炭素数2もしくは3のオキサ−もしくはアザ−アルキレン基を形成してもよい。
また、X3とX4とは架橋して炭素数3以上7以下のアルキレン基を形成してもよい。
3とX4とが架橋して形成するアルキレン基は、置換基として、OH基、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、又は、−COOR(Rは炭素数1以上4以下のアルキルを表す。)を有していてもよく、また、結合中に−O−、−S−、−CO−、又は、−N(X16)−(X16は水素原子、炭素数1以上12以下のアルキル基、又は、結合鎖中に1もしくは2以上の−O−を有する炭素数1以上12以下のアルキル基、炭素数3以上5以下のアルケニル基、炭素数7以上9以下のフェニルアルキル基、炭素数1以上4以下のヒドロキシアルキル基、−CH2CH2CN、−CH2CH2COOR(Rは炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。)、炭素数2以上8以下のアルカノイル基もしくはベンゾイル基を介在させた炭素数1以上12以下のアルキル基を表す。)を介在させてもよい。
式中X5、X6、X7、X8、X9は互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上12以下のアルキル基、炭素数5もしくは6のシクロアルキル基、フェニル基、ベンジル基、ベンゾイル基、−OX17基、−SX18基、−SO−X18基、−SO2−X18基、−N(X19)(X20)基、−NH−SO2−X21基、又は、次式で表される基を表す。
Figure 0005241349
式中、Zは−O−、−S−、−N(X10)−X11−N(X10)−又は次式で表される基を表す。X1、X2、X3及びX4は前記式(B5)と同義である。
Figure 0005241349
式中X10は前記と同じ、X11は炭素数が2以上16以下の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、又はこれらの鎖中に1以上の−O−、−S−、もしくは−N(X10)−が介在する炭素数が2以上16以下の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基(X10は前記と同じ)を表す。
17は水素原子、炭素数1以上12以下のアルキル基、−(CH2CH2O)nH(nは2以上20以下の整数)、炭素数2以上8以下のアルカノイル基、炭素数3以上12以下のアルケニル基、シクロヘキシル基、ヒドロキシシクロヘキシル基、フェニル基、炭素数7以上9以下のフェニルアルキル基、又は、−Si(R4r(R53-r(R4は炭素数1以上8以下のアルキル基、R5はフェニル基、rは1、2もしくは3)を表す。
17におけるアルキル基、及び、フェニル基は置換基を有していてもよい。
17におけるアルキル基が有していてもよい置換基としては、−CN、−OH、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、炭素数3以上6以下のアルケニルオキシ基、−OCH2CH2CN、−CH2CH2COOR(Rは炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。)、−COOH、又は、−COOR(Rは炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。)が挙げられる。また、X17におけるアルキル基が置換基を有する場合、置換されるアルキル基の炭素数は1以上6以下であることが好ましい。
17におけるフェニル基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上12以下のアルキル基、又は、炭素数1以上4以下のアルコキシ基が挙げられる。
18は水素原子、炭素数1以上12以下のアルキル基、炭素数3以上12以下のアルケニル基、シクロヘキシル基、フェニル基、又は、炭素数7以上9以下のフェニルアルキル基を表す。
18におけるアルキル基、及び、フェニル基は置換基を有していてもよい。
18におけるアルキル基が有していてもよい置換基は、−SH、−OH、−CN、−COOR(Rは炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。)、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、−OCH2CH2CN、又は、−OCH2CH2COOR(Rは炭素数1以上4以下のアルキルを表す。)が挙げられる。
18におけるフェニル基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上12以下のアルキル基、又は、炭素数1以上4以下のアルコキシ基が挙げられる。
19及びX20は互いに独立して水素原子;炭素数1以上12以下のアルキル基;炭素数2以上4以下のヒドロキシアルキル基;炭素数2以上10以下のアルコキシアルキル基;炭素数3以上5以下のアルケニル基;炭素数5以上12以下のシクロアルキル基;炭素数7以上9以下のフェニルアルキル基;フェニル基;ハロゲン原子、炭素数1以上12以下のアルキル基もしくは炭素数1以上4以下のアルコキシ基により置換されたフェニル基;又は炭素数2若しくは3のアルカノイル基;又はベンゾイル基を表す。また、X19とX20とは架橋して炭素数2以上8以下のアルキレン基、又は、OH基、炭素数1以上4以下のアルコキシ基もしくは−COOR(Rは炭素数1以上4以下のアルキル)基により置換された炭素数2以上8以下のアルキレン基;結合鎖中に−O−、−S−もしくは−N(X16)−を介在させた炭素数2以上8以下のアルキレン基(X16は前記と同じ)を形成してもよい。
21は炭素数1以上18以下のアルキル基;フェニル基;ナフチル基;又は、ハロゲン原子、炭素数1以上12以下のアルキル基もしくは炭素数1以上8以下のアルコキシ基によって置換されたフェニル基もしくはナフチル基を表す。
式(B5)は式(d)で表されることがより好ましい。
Figure 0005241349
式(d)中、X1及びX2はそれぞれ独立に、メチル基、エチル基、又は、ベンジル基を表し、−NX34はジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基又は、モルフォリノ基を表し、X5は、水素原子、炭素数1以上8以下のアルキル基、炭素数1以上8以下のアルコキシ基、炭素数1以上8以下のアルキルチオ基、ジメチルアミノ基、又は、モルフォリノ基を表す。また、前記ベンジル基は、炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよい。
これらの中でも−NX34はジメチルアミノ基、又は、モルフォリノ基であることがより好ましい。X5は炭素数1以上4以下のアルキルチオ基又はモルフォリノ基であることが好ましい。
さらに、α−アミノアセトフェノン化合物として、上記式(B5)で表される化合物の酸付加物塩を使用することもできる。
また、市販のα−アミノアセトフェノン化合物として、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製からイルガキュア907(IRGACURE 907)、イルガキュア369(IRGACURE 369)、イルガキュア379(IRGACURE 379)の商品名で入手可能な重合開始剤が例示でき、これらを好適に使用することができる。
α−アミノアセトフェノン化合物として、具体的には、以下の化合物が例示できる。
例えば、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ジエチルアミノ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルホリノ−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−(4−メチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−1−(4−エチルフェニル)−2−メチルプロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−1−(4−イソプロピルフェニル)−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ブチルフェニル)−2−ジメチルアミノ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−1−(4−メトキシフェニル)−2−メチルプロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(IRGACURE 907)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン(IRGACURE 369)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−ジメチルアミノフェニル)−ブタン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォルニル)フェニル]−1−ブタノン(IRGACURE 379)などが挙げられる。
〔α−ヒドロキシアセトフェノン化合物〕
α−ヒドロキシアセトフェノン化合物は、下記式(B6)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0005241349
式(B6)中、R1は水素原子、炭素数1以上10以下のアルキル基、又は、炭素数1以上10以下のアルコキシ基を表す。R2、R3は互いに独立して、水素原子、又は、炭素数1以上10以下のアルキル基を表す。また、R2とR3は結合して炭素数4以上8以下の環を形成していてもよい。
上記アルキル基、アルコキシ基及び炭素数4以上8以下の環は、置換基を有していてもよく、置換基としては式(B1)で挙げた置換基を例示できる。
α−ヒドロキシアセトフェノン類としては、例えば、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(DAROCUR 1173)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルブタン−1−オン、1−(4−メチルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ブチルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−オクチルフェニル)プロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−メトキシフェニル)−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−メチルチオフェニル)−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−クロロフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ブロモフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−カルボエトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(IRGACURE 184)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(IRGACURE 2959)などが挙げられる。
また、市販のα−ヒドロキシアセトフェノン化合物として、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製からイルガキュア184(IRGACURE 184)、ダロキュア1173(DAROCUR 1173)、イルガキュア127(IRGACURE 127)、イルガキュア2959(IRGACURE 2959)の商品名で入手可能な重合開始剤も使用することができる。
〔オキシムエステル化合物〕
オキシムエステル化合物は、下記式(B7)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0005241349
式中、Ar1は、ナフタレン構造、アントラセン構造、アントラキノン構造、ベンゾフェノン構造、チアントレン構造、フェノキサチアン構造、ジフェニルチオエーテル構造、チオキサントン構造、及びモルホリノベンゼン構造からなる群から選ばれる構造を表す。中でも、ナフタレン構造、アントラキノン構造、ベンゾフェノン構造、ジフェニルチオエーテル構造、チオキサントン構造、及びモルホリノベンゼン構造が好ましく、チオキサントン構造が特に好ましい。Ar2は、フェニル基を表す。これらの構造又は基は、メチル基、エチル基等のアルキル基、ハロゲン原子、−CN(シアノ基)等の置換基を有していてもよい。
nは、1又は2の整数を表す。nが1のとき、Mは、メチル基、エチル基等の炭素数1以上20以下のアルキル基、シクロプロパン基、シクロヘキサン基等の炭素数5以上8以下のシクロアルキル基、アセチルオキシ基、プロピノイルオキシ等の炭素数2以上20以下のアルカノイル基、プロピルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル等の炭素数2以上12以下のアルコキシカルボニル基、複数のポリメチレン基がエーテル結合によって連結された二価の基の1つの結合手にアルコキシ基が連結された一価の基、フェニル基、ベンゾイル基、ベンゾイルオキシ基、フェノキシカルボニル基、炭素数7以上13以下のアラルキルカルボニルオキシ基、炭素数7以上13以下のアラルキルオキシカルボニル基、又は炭素数1以上6以下のアルキルチオ基を表す。これらの中でも、Mが炭素数1以上20以下のアルキル基又はフェニル基であることが好ましい。
nが2のとき、Mは、エチレン基、プロピレン基等の炭素数1以上12以下のアルキレン基、テトラメチレン基等の炭素数3以上12以下のポリメチレン基、オキシプロピレンオキシ基、オキシブチルオキシ基等の炭素数1以上12以下のオキシアルキレンオキシ基、シクロヘキシレン基、フェニレン基、−CO−O−A−O−CO−、−CO−O−(CH2CH2O)m−CO−、又は−CO−A−CO−を表し、Aは、炭素数2以上12以下のアルキレン基を表し、mは、1以上20以下の整数を表す。これらの中でも、Mが炭素数1以上6以下のアルキレン基、炭素数3以上12以下のポリメチレン基、又はシクロヘキシレン基であることが好ましい。
オキシムエステル化合物として、具体的には、3−ベンゾイロキシイミノブタン−2−オン、3−アセトキシイミノブタン−2−オン、3−プロピオニルオキシイミノブタン−2−オン、2−アセトキシイミノペンタン−3−オン、2−アセトキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンゾイロキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、3−p−トルエンスルホニルオキシイミノブタン−2−オン、2−エトキシカルボニルオキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン等が挙げられる。
また、市販のオキシムエステル化合物として、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製からイルガキュアOXE−01(1−(4−フェニルチオフェニル)−1,2−オクタンジオン−2−(O−ベンゾイルオキシム))、イルガキュアOXE−02(1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−エタノン−1−(O−アセチルオキシム))の商品名で入手可能な重合開始剤も使用することができる。
本発明のインク組成物において、重合開始剤の総使用量は、インク組成物に対して、好ましくは0.01〜35重量%、より好ましくは0.5〜20重量%、さらに好ましくは1.0〜15重量%の範囲である。0.01重量%以上であると、組成物を十分硬化させることができ、35重量%以下であると、硬化度が均一な硬化膜を得ることができる。
また、本発明において、重合開始剤としてアシルホスフィンオキサイド化合物を使用することが好ましく、アシルホスフィンオキサイド化合物をインク組成物の総量に対して0.01〜35重量%使用することが好ましく、より好ましくは1〜25重量%であり、さらに好ましくは3〜20重量%である。
また、本発明のインク組成物に後述する増感剤を用いる場合、重合開始剤の総使用量は、増感剤に対して、重合開始剤:増感剤の重量比で、好ましくは200:1〜1:200、より好ましくは50:1〜1:50、さらに好ましくは20:1〜1:5の範囲である。
(C)顔料
本発明のインク組成物は顔料を必須成分として含む。粒径が小さい顔料粒子が、後記(D)特定重合体の機能によりインク組成物中に、均一、かつ、安定に分散されることにより、発色性に優れた鮮鋭な画像を形成することができる。
前記顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の種々の顔料、染料を適宜選択して用いることができる。また、着色剤として顔料を含むことから、本発明のインク組成物により得られる画像は耐候性に優れる。
本発明のインク組成物に含まれる顔料としては、特に限定されるものではなく、一般に市販されているすべての有機顔料及び無機顔料、また、樹脂粒子を染料で染色したもの等も用いることができる。さらに、市販の顔料分散体や表面処理された顔料、例えば、顔料を分散媒としての不溶性の樹脂等に分散させたもの、あるいは顔料表面に樹脂をグラフト化したもの等も、本発明の効果を損なわない限りにおいて用いることができる。
これらの顔料としては、例えば、伊藤征司郎編「顔料の辞典」(2000年刊)、W.Herbst,K.Hunger「Industrial Organic Pigments」、特開2002−12607号公報、特開2002−188025号公報、特開2003−26978号公報、特開2003−342503号公報に記載の顔料が挙げられる。
本発明のインク組成物に含まれる有機顔料及び無機顔料としては、例えば、イエロー色を呈するものとして、C.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG等),C.I
.ピグメントイエロー74の如きモノアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー12(ジスアジイエローAAA等)、C.I.ピグメントイエロー17の如きジスアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー180の如き非ベンジジン系のアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー100(タートラジンイエローレーキ等)の如きアゾレーキ顔料、C.I.ピグメントイエロー95(縮合アゾイエローGR等)の如き縮合アゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー115(キノリンイエローレーキ等)の如き酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントイエロー18(チオフラビンレーキ等)の如き塩基性染料レーキ顔料、フラバントロンイエロー(Y−24)の如きアントラキノン系顔料、イソインドリノンイエロー3RLT(Y−110)の如きイソインドリノン顔料、キノフタロンイエロー(Y−138)の如きキノフタロン顔料、イソインドリンイエロー(Y−139)の如きイソインドリン顔料、C.I.ピグメントイエロー153(ニッケルニトロソイエロー等)の如きニトロソ顔料、C.I.ピグメントイエロー117(銅アゾメチンイエロー等)の如き金属錯塩アゾメチン顔料、C.I.ピグメントイエロー120(キナクリドン系顔料PY120)等が挙げられる。
赤あるいはマゼンタ色を呈するものとしては、例えば、C.I.ピグメントレッド3(トルイジンレッド等)の如きモノアゾ系顔料、C.I.ピグメントレッド38(ピラゾロンレッドB等)の如きジスアゾ顔料、C.I.ピグメントレッド53:1(レーキレッドC等)やC.I.ピグメントレッド57:1(ブリリアントカーミン6B)の如きアゾレーキ顔料、C.I.ピグメントレッド144(縮合アゾレッドBR等)の如き縮合アゾ顔料、C.I.ピグメントレッド174(フロキシンBレーキ等)の如き酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントレッド81(ローダミン6G’レーキ等)の如き塩基性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントレッド177(ジアントラキノニルレッド等)の如きアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントレッド88(チオインジゴボルドー等)の如きチオインジゴ顔料、C.I.ピグメントレッド194(ペリノンレッド等)の如きペリノン顔料、C.I.ピグメントレッド149(ペリレンスカーレット等)の如きペリレン顔料、C.I.ピグメントバイオレット19(無置換キナクリドン)、C.I.ピグメントレッド122(キナクリドンマゼンタ等)の如きキナクリドン顔料、C.I.ピグメントレッド180(イソインドリノンレッド2BLT等)の如きイソインドリノン顔料、C.I.ピグメントレッド83(マダーレーキ等)の如きアリザリンレーキ顔料等が挙げられる。
青あるいはシアン色を呈する顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー25(ジアニシジンブルー等)の如きジスアゾ系顔料、C.I.ピグメントブルー15(フタロシアニンブルー等)、C.I.ピグメントブルー15:3の如きフタロシアニン顔料、C.I.ピグメントブルー24(ピーコックブルーレーキ等)の如き酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントブルー1(ビクロチアピュアブルーBOレーキ等)の如き塩基性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントブルー60(インダントロンブルー等)の如きアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントブルー18(アルカリブルーV−5:1)の如きアルカリブルー顔料等が挙げられる。
緑色を呈する顔料としては、例えば、C.I.ピグメントグリーン7(フタロシアニングリーン)、C.I.ピグメントグリーン36(フタロシアニングリーン)の如きフタロシアニン顔料、C.I.ピグメントグリーン8(ニトロソグリーン)等の如きアゾ金属錯体顔料等が挙げられる。
オレンジ色を呈する顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ66(イソインドリンオレンジ)の如きイソインドリン系顔料、C.I.ピグメントオレンジ51(ジクロロピラントロンオレンジ)の如きアントラキノン系顔料が挙げられる。
黒色を呈する顔料としては、例えば、カーボンブラック、チタンブラック、アニリンブラック等が挙げられる。
白色顔料としては、例えば、塩基性炭酸鉛(2PbCO3Pb(OH)2、いわゆる、シルバーホワイト)、酸化亜鉛(ZnO、いわゆる、ジンクホワイト)、酸化チタン(TiO2、いわゆる、チタンホワイト)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3、いわゆる、チタンストロンチウムホワイト)などが利用可能である。
ここで、酸化チタンは他の白色顔料と比べて比重が小さく、屈折率が大きく化学的、物理的にも安定であるため、顔料としての隠蔽力や着色力が大きく、さらに、酸やアルカリ、その他の環境に対する耐久性にも優れている。したがって、白色顔料としては酸化チタンを利用することが好ましい。もちろん、必要に応じて他の白色顔料(列挙した白色顔料以外であってもよい。)を使用してもよい。
顔料の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、ジェットミル、ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ニーダー、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル等の分散装置を用いることができる。
顔料の分散を行う際には、後記(D)特定重合体を添加することが好ましい。
また、顔料を添加するにあたっては、必要に応じて、分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。分散助剤は、顔料100重量部に対し、1〜50重量部添加することが好ましい。
インク組成物において顔料などの諸成分の分散媒としては、溶剤を添加してもよく、また、無溶媒で、低分子量成分である前記(A)重合性化合物を分散媒として用いてもよいが、本発明のインク組成物は、放射線硬化型のインクであり、インクを被記録媒体上に適用後、硬化させるため、無溶剤であることが好ましい。これは、硬化されたインク画像中に、溶剤が残留すると、耐溶剤性が劣化したり、残留する溶剤のVOC(Volatile Organic Compound)の問題が生じるためである。このような観点から、分散媒としては、(A)重合性化合物を用い、中でも、最も粘度が低い重合性化合物を選択することが分散適性やインク組成物のハンドリング性向上の観点から好ましい。
ここで白色以外のインク組成物に用いる顔料の平均粒径は小さいほど発色性に優れるため、0.01〜0.4μm程度であることが好ましく、さらに好ましくは0.02〜0.3μmの範囲である。最大粒径は3μm、好ましくは1μmとなるよう、(C)顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を設定する。また、白インク組成物に用いる顔料の平均粒径は充分な隠蔽性を与える観点で0.1〜0.5μm程度である事が好ましく、さらに好ましくは0.15〜0.3μm程度であることが好ましい。他色のインク組成物と同様に、最大粒径は3μm、好ましくは1μmとなるよう、(C)顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を設定する。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性及び硬化感度を維持することができる。本発明においては分散性、安定性に優れた(D)特定重合体を用いるため、微粒子顔料を用いた場合でも、均一で安定な分散物が得られる。
インク組成物中における顔料の粒径は、公知の測定方法で測定することができる。具体的には遠心沈降光透過法、X線透過法、レーザー回折・散乱法、動的光散乱法により測定することができる。
顔料はインク組成物中、固形分換算で1〜20重量%添加されることが好ましく、2〜10重量%がより好ましい。
(D)式(D1)で表される繰り返し単位をグラフト鎖に有するグラフト共重合体
(D)式(D1)の繰り返し単位(以下、適宜、「特定繰り返し単位」と称する)をグラフト鎖に有するグラフト共重合体(以下、適宜、「(D)特定重合体」と称する)について説明する。
式(D1)は以下の通りである。
Figure 0005241349
式(D1)におけるRは、水素原子又はメチル基を表す。
式(D1)におけるXは、単結合、−O−、−CO−、−(CO)O−、−CONR1−、−O(CO)−、又は、フェニレン基のいずれかを表し、中でも、−(CO)O−、−CONR1−、又は、フェニレン基が好ましい。R1は水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−ヒドロキシエチル基)、置換基を有していてもよいアリール基(例えば、フェニル基)、又は、置換基を有していてもよいアラルキル基のいずれかを表し、中でも、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましい。
また、前記置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基、シロキサン基、炭素数30以下の置換基が例示できる。
式(D1)におけるLは、単結合又は二価の連結基を表す。前記二価の連結基としては、例えば、直鎖、分岐若しくは環状のアルキレン基、アラルキレン基、アリーレン基等が挙げられ、これらは置換基を有してもよい。前記アルキレン基としては、炭素数1〜10のもの(例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、デシレン基)が好ましく、炭素数1〜4のもの(例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基)がより好ましい。前記アラルキレン基としては、炭素数7〜13のアラルキレン基が好ましい。前記炭素数7〜13のアラルキレン基としては、例えば、トルエンから水素を2つ除いた基(−C(Ph)H−、−CH2(Ph)−)、β−メチルスチレンから水素を2つ除いた基等が挙げられる。前記Lで表されるアリーレン基としては、炭素数6〜12のアリーレン基が好ましく、例えば、フェニレン基、クメニレン基、メシチレン基、トリレン基、キシリレン基等が挙げられ、中でも、フェニレン基が好ましい。また、各二価の連結基には、−NR4−、−(CO)O−、−O(CO)−、−O−、−SO2NH−、−NHSO2−、−NH(CO)O−、−O(CO)NH−、又は複素環から誘導される基、が結合基として介在されていてもよい。前記R4は、水素原子又はアルキル基を表し、例えば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられる。
式(D1)におけるZは、−NR23を表し、R2、R3はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、又は、炭素数7〜20のアラルキル基のいずれかを表し、互いに結合して環を形成してもよい。R2、R3としては、水素原子、メチル基、エチル基が好ましく、メチル基、エチル基がより好ましい。R2、R3で表されるアルキル基、アリール基及びアラルキル基は置換基を有していてもよく、該置換基としてはハロゲン原子等が例示できる。
すなわち、前記(D)特定重合体は、側鎖としてのグラフト鎖に塩基性官能基(−NR23)を有するグラフト共重合体である。
前記(D)特定重合体は、特定繰り返し単位をグラフト鎖に複数個含んでいることが好ましい。特定繰り返し単位の割合は、特定重合体の重量に対して、1〜50重量%であることが好ましく、2〜40重量%であることがより好ましく、5〜30重量%であることが特に好ましい。
前記(D)特定重合体は、式(D1)の繰り返し単位をグラフト鎖に有するグラフト共重合体の中でも、式(D2)で表される構成繰り返し単位を含むグラフト共重合体が好ましい。式(D1)の繰り返し単位のみからなるグラフト鎖を含むこと、すなわち、式(D2)で表される構成繰り返し単位を含む共重合成分を含有する共重合体を用いることが好ましい。
Figure 0005241349
式(D2)におけるR、R’はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表す。
式(D2)におけるX、X’は単結合、−O−、−CO−、−(CO)O−、−CONR5−、−O(CO)−、又はフェニレン基のいずれかを表し、中でも、−(CO)O−、−CONR5−、又はフェニレン基が好ましい。R5は水素原子、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−ヒドロキシエチル基)、アリール基(例えば、フェニル基)、又は、アラルキル基のいずれかを表す。
5におけるアルキル基は、炭素数1〜20であることが好ましく、炭素数1〜8であることがより好ましい。前記アルキル基は置換されていてもよく、前記置換基としてはヒドロキシ基、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルコキシ基が例示できる。R5におけるアリール基は、炭素数6〜20であることが好ましく、より好ましくは6〜10である。前記アリール基は、置換されていてもよく、前記置換基としてはヒドロキシ基、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基が例示できる。R5におけるアラルキル基は、炭素数7〜20であることが好ましく、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基が例示できる。また、前記アラルキル基は置換されていてもよく、該置換基はアリール基で挙げた置換基と同様である。
式(D2)におけるL、L’は単結合又は二価の連結基を表す。前記二価の連結基としては、例えば、直鎖、分岐若しくは環状のアルキレン基、アラルキレン基、アリーレン基等が挙げられ、これらは置換基を有してもよい。前記アルキレン基としては、炭素数1〜10のアルキレン基(例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、デシレン基)が好ましく、炭素数1〜4のアルキレン基(例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基)がより好ましい。
前記L、L’で表されるアラルキレン基としては、炭素数7〜13のアラルキレン基が好ましい。前記炭素数7〜13のアラルキレン基としては、例えば、トルエンから水素を2つ除いた基(−C(Ph)H−、−CH2−Ph−)、β−メチルスチレンから水素を2つ除いた基等が挙げられる。前記L、L’で表されるアリーレン基としては、炭素数6〜12のアリーレン基が好ましく、例えば、フェニレン基、クメニレン基、メシチレン基、トリレン基、キシリレン基等が挙げられ、中でも、フェニレン基が好ましい。また、各二価の連結基中には、−NR8−、−(CO)O−、−O(CO)−、−O−、−SO2NH−、−NHSO2−、−NH(CO)O−、−O(CO)NH−、又は複素環から誘導される基、が結合基として介在されていてもよい。前記R8は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、例えば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられる。
式(D2)におけるZは、−NR67を表し、R6、R7はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、又は、炭素数7〜20のアラルキル基を表し、互いに連結して環構造を形成してもよい。R6、R7としては、水素原子、メチル基、エチル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましい。
前記(D)特定重合体を顔料分散剤として使用することが好ましい。前記(D)特定重合体は、顔料との親和性が高いアミノ基を有するので、酸−塩基相互作用により顔料を良好に吸着して安定分散物を得ることができる。また、前記(D)特定重合体は、特定の繰り返し単位をグラフト鎖に有する高分子化合物であるので、高分子鎖の立体反発効果により顔料の分散安定化が可能である。
前記(D)特定重合体は、幹ポリマーの官能基と、末端に官能基を有しかつアミノ基を含有するオリゴマーとの反応によりグラフト鎖を導入するGrafting−onto法や、グラフト共重合体のグラフト鎖に後反応でアミノ基を導入する方法や、末端にエチレン性二重結合を有するアミノ基を含有する重合性オリゴマー(マクロモノマー)を共重合する方法により得ることができる。本発明では、所望の割合で特定繰り返し単位を導入できる観点から、マクロモノマーを共重合する方法による合成が好ましい。特定繰り返し単位を有するマクロモノマーは、3−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドのようなアミノ基を有するモノマーを単独重合又は他のモノマーと共重合する際にラジカル重合の連鎖移動剤として、例えば、6−メルカプトヘキサノールや2−メルカプトエタノールのような水酸基を有するメルカプト化合物を添加し、鎖末端に水酸基を有するポリマーを合成した後、これとメタクリル酸クロリドやメタクリロイロキシエチルイソシアナート等の水酸基と反応し共有結合を形成するモノマーとを反応させることで容易に合成可能である。
式(D1)で表される繰り返し単位として好ましい具体例を以下に挙げる。なお、本発明はこれに限るものではない。
Figure 0005241349
式(D1)の繰り返し単位をグラフト鎖に有するグラフト共重合体(例えば、式(D2)で表される構成繰り返し単位を含むグラフト共重合体)を与える重合性オリゴマーとして、例えば、以下の例示化合物(d−1)〜(d−4)が挙げられる。
Figure 0005241349
本発明において、(D)特定重合体はアミノ基を有しないグラフト鎖をさらに含むことが好ましい。アミノ基を有しないグラフト鎖をさらに含むことで分散媒との親和性が増大し、分散安定性が向上する。このようなアミノ基を有しないグラフト鎖は、末端にエチレン性不飽和二重結合を有する重合性オリゴマー(マクロモノマー)を共重合することで容易に得ることができる。本発明において用いられる重合性オリゴマーは、ポリマー鎖部分とその末端のエチレン性不飽和二重結合を有する重合可能な官能基の部分からなる。このようなエチレン性不飽和二重結合を有する基は、ポリマー鎖の一方の末端にのみ有することが好ましい。エチレン性不飽和二重結合を有する基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基が好ましく、(メタ)アクリロイル基がより好ましい。マクロモノマーの分子量は、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が1,000〜50,000の範囲にあることが好ましく、2,000〜15,000の範囲がより好ましい。マクロモノマーの分子量が1,000以上であると、分散安定性が良好であり、また、50,000以下であると、粘度が適当であり、良好な吐出安定性を得ることができるので好ましい。
前記ポリマー鎖部分は、公知の(メタ)アクリレート化合物、スチレン及びその誘導体、アクリロニトリル、ビニルエステル類及びジエン類などのビニル重合性化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種のモノマーからなる単独重合体又は共重合体、あるいはポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドなどのポリオール、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリ(γ−ブチロラクトン)などのポリエステル類であることが一般的である。
前記アミノ基を有しないグラフト鎖を得るために用いられる重合性オリゴマー(マクロモノマー)は、下記式(D3)で表される重合性オリゴマーであることが好ましい。
Figure 0005241349
ただし、R11及びR13は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を表す。R12は炭素原子数1〜12のアルキレン基を表し、炭素原子数2〜4のアルキレン基が好ましい。前記アルキレン基は置換基(例えば水酸基)を有していてもよく、さらにエステル結合、エーテル結合、アミド結合等を介して連結していてもよい。Yは、フェニル基、炭素原子数1〜4のアルキル基を有するフェニル基、又は、−COOR14(ただし、R14は、炭素原子数1〜6のアルキル基、フェニル基、又は炭素原子数7〜10のアリールアルキル基のいずれかを表す)を表し、qは20〜200である。なお、Yは、フェニル基及び−COOR14(ただし、R14は、炭素原子数1〜12のアルキル基)のいずれかであることが好ましい。
また、式(D3)中の繰り返し単位は単一でなくてもよく、複数の繰り返し単位からなる共重合体であってもよい。
上記重合性オリゴマー(マクロモノマー)の好ましい例としては、ポリ(メチル(メタ)アクリレート)、ポリ(n−ブチル(メタ)アクリレート)、ポリ(i−ブチル(メタ)アクリレート)、ポリスチレンの分子末端の一個に(メタ)アクリロイル基が結合したポリマーを挙げることができる。市場で入手できるこのような重合性オリゴマーとしては、片末端メタクリロイル化ポリスチレンオリゴマー(Mn=6,000、商品名:AS−6、東亞合成(株)製)、片末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレートオリゴマー(Mn=6,000、商品名:AA−6、東亞合成(株)製)及び片末端メタクリロイル化ポリ−n−ブチルアクリレートオリゴマー(Mn=6,000、商品名:AB−6、東亞合成(株)製)、片末端メタクリロイル化ポリ(n−ブチルメタクリレート−co−2−ヒドロキシエチルメタクリレート)(Mn=6,000、商品名:AX−707S、東亞合成(株)製)を挙げることができる。
前記アミノ基を有しないグラフト鎖を得るために用いられる重合性オリゴマーは、前記式(D3)で表される重合性オリゴマーだけでなく、下記式(D4)で表される重合性オリゴマーであることも好ましく、これらは使用する(A)重合性化合物に応じて適宜選択することが特に好ましい。
Figure 0005241349
ただし、R21は水素原子又はメチル基を表し、R22は炭素数1〜8のアルキレン基を表す。X21は−OR23又は−OCOR24を表す。ここでR23、R24は水素原子、アルキル基、又は、アリール基のいずれかを表す。nは2〜200を表す。
前記式(D4)において、R21は、水素原子又はメチル基のいずれかを表す。R22は、炭素数1〜8のアルキレン基を表し、中でも、炭素数1〜6のアルキレン基が好ましく、炭素数2〜3のアルキレン基がより好ましい。X21は、−OR23又は−OCOR24を表す。ここで、R23は、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、フェニル基、又は、炭素数1〜18のアルキル基で置換されたフェニル基のいずれかが好ましい。R24は、炭素数1〜18のアルキル基が好ましい。また、nは、2〜200を表し、5〜100が好ましく、10〜100がより好ましい。
前記式(D4)で表される重合性オリゴマーとしては、例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールモノメタクリレートなどが挙げられ、これらは市販品であってもよいし、適宜合成したものであってもよい。
前記式(D4)で表される重合性オリゴマーは、前記したように市販品としても入手可能であり、市販品としては、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(商品名:NKエステルM−40G、M−90G、M−230G(以上、新中村化学工業(株)製);商品名:ブレンマーPME−100、PME−200、PME−400、PME−1000、PME−2000、PME−4000(以上、日本油脂(株)製))、ポリエチレングリコールモノメタクリレート(商品名:ブレンマーPE−90、PE−200、PE−350、日本油脂(株)製)、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(商品名:ブレンマーPP−500、PP−800、PP−1000、日本油脂(株)製)、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノメタクリレート(商品名:ブレンマー70PEP−370B、日本油脂(株)製)、ポリエチレングリコールポリテトラメチレングリコールモノメタクリレート(商品名:ブレンマー55PET−800、日本油脂(株)製)、ポリプロピレングリコールポリテトラメチレングリコールモノメタクリレート(商品名:ブレンマーNHK−5050、日本油脂(株)製)などが挙げられる。
本発明に用いられる(D)特定重合体は、さらに上述した特定重合体成分と共重合可能な他のモノマーとの共重合体であってもよい。これらと共重合可能な他のモノマーの例として、芳香族ビニル化合物(例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−ビニルイミダゾールなど)、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレートなど)、(メタ)アクリル酸アルキルアリールエステル(例えば、ベンジル(メタ)アクリレートなど)、(メタ)アクリル酸置換アルキルエステル(例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなど)、カルボン酸ビニルエステル(例えば、酢酸ビニル及びプロピオン酸ビニル)、シアン化ビニル(例えば、(メタ)アクリロニトリル及びα−クロロアクリロニトリル)、及び脂肪族共役ジエン(例えば、1、3−ブタジエン及びイソプレン)を挙げることができる。これらの中で、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸アルキルアリールエステル及びカルボン酸ビニルエステルが好ましい。
本発明において、(D)特定重合体は、式(D1)の繰り返し単位をグラフト鎖に有する構成繰り返し単位と、前記アミノ基を有しないグラフト鎖を有する重合性オリゴマー(マクロモノマー)から与えられる構成繰り返し単位とからなる共重合体であること、あるいは、式(D1)の繰り返し単位をグラフト鎖に有する構成繰り返し単位と、前記アミノ基を有しないグラフト鎖を有する重合性オリゴマー(マクロモノマー)から与えられる構成繰り返し単位と、これらの特定重合体成分と共重合可能な他のモノマー単位からなる共重合体であることが好ましい。前記共重合体が、式(D1)の繰り返し単位を有するグラフト鎖(側鎖)を、2〜50重量%で有することが好ましく、5〜30重量%の範囲で有することがより好ましい。さらに、前記重合性オリゴマー(マクロモノマー)から与えられるグラフト鎖(側鎖)を、50〜98重量%含むことが好ましく、50〜80重量%含むことがより好ましい。
さらに、これらの特定重合体成分と共重合可能な他のモノマーを使用する場合、この他のモノマーの含有率は、(D)特定重合体の5〜30重量%の範囲であることが好ましい。
前記共重合体の重量平均分子量(Mw)は、1,000〜200,000の範囲が好ましく、10,000〜100,000の範囲がより好ましい。この重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(キャリア:テトラヒドロフラン)により測定されるポリスチレン換算重量平均分子量である。
(D)特定重合体に好適に用いられる前記グラフト共重合体の例を以下に示すが、本発明はこれらに制限されるものではない。
P−1) 前記例示化合物d−1で表される重合性オリゴマー/末端メタクリロイル化ポリ(n−ブチルアクリレート)共重合体
P−2) 前記例示化合物d−1で表される重合性オリゴマー/ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート共重合体
P−3) 前記例示化合物d−1で表される重合性オリゴマー/末端メタクリロイル化ポリカプロラクトン共重合体
P−4) 前記例示化合物d−2で表される重合性オリゴマー/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート共重合体
P−5) 前記例示化合物d−2で表される重合性オリゴマー/ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート共重合体
P−6) 前記例示化合物d−3で表される重合性オリゴマー/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート共重合体
P−7) 前記例示化合物d−4で表される重合性オリゴマー/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート共重合体
P−8) 前記例示化合物d−1で表される重合性オリゴマー/3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート共重合体
P−9) 前記例示化合物d−1で表される重合性オリゴマー/3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート/ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート共重合体
P−10) 前記例示化合物d−1で表される重合性オリゴマー/スチレン/ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート共重合体
このようなグラフト共重合体は、アミノ基を有する重合性オリゴマー、所望により併用される窒素原子含有基を有するモノマーや他のモノマーを、溶媒中でラジカル重合させることにより得ることができる。その際、一般に、ラジカル重合開始剤が使用されるが、開始剤に加えてさらに連鎖移動剤(例えば、2−メルカプトエタノール及びドデシルメルカプタン)を添加して合成してもよい。
本発明のインク組成物には、(D)特定重合体を1種のみ添加してもよく、2種以上を併用してもよい。インク組成物中の(D)特定重合体の含有量は、顔料の添加量に対し、1〜100重量%が好ましく、5〜50重量%であることがより好ましい。
なお、本発明のインク組成物には、効果を損なわない限りにおいて、(D)特定重合体に加えて、公知の顔料分散剤を併用することができる。この添加量としては、(D)特定重合体の50重量%以下であることが好ましい。
(E)その他の成分
<増感剤>
本発明おいては、光重合開始剤の感度を向上させる目的で、増感剤を添加してもよい。増感剤は、特定の活性放射線を吸収して電子励起状態となる。増感剤としては、以下の化合物類に属しており、かつ350nmから450nm域に吸収波長を有するものが好ましい。
増感剤としては、例えば、多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン)が挙げられる。
また、増感剤としては、下記式(IX)〜(XIII)で表される化合物がより好ましい。
Figure 0005241349
式(IX)中、A1は硫黄原子又は−NR50−を表し、R50はアルキル基又はアリール基を表し、L2は隣接するA2及び隣接炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R51、R52はそれぞれ独立に水素原子又は一価の非金属原子団を表し、R51、R52は互いに結合して、色素の酸性核を形成してもよい。Wは酸素原子又は硫黄原子を表す。
式(X)中、Ar1及びAr2はそれぞれ独立にアリール基を表し、−L3−による結合を介して連結している。ここでL3は−O−又は−S−を表す。また、Wは式(IX)に示したものと同義である。
式(XI)中、A2は硫黄原子又はNR59を表し、L4は隣接するA2及び炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R53、R54、R55、R56、R57及びR58はそれぞれ独立に一価の非金属原子団の基を表し、R59はアルキル基又はアリール基を表す。
式(XII)中、A3、A4はそれぞれ独立に−S−又は−NR62−又は−NR63−を表し、R62、R63はそれぞれ独立に置換若しくは非置換のアルキル基、又は、置換若しくは非置換のアリール基を表し、L5、L6はそれぞれ独立に、隣接するA3、A4及び隣接炭素原子と協働して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R60、R61はそれぞれ独立に水素原子又は一価の非金属原子団であるか又は互いに結合して脂肪族性又は芳香族性の環を形成することができる。
式(XIII)中、R66は置換基を有してもよい芳香族環又はヘテロ環を表し、A5は酸素原子、硫黄原子又は−NR67−を表す。R64、R65及びR67はそれぞれ独立に水素原子又は一価の非金属原子団を表し、R67及びR64と、R65及びR67とは、それぞれ互いに脂肪族性又は芳香族性の環を形成するため結合することができる。
式(IX)〜(XIII)で表される化合物の好ましい具体例としては、以下に示す例示化合物(A−1)〜(A−20)などが挙げられる。
Figure 0005241349
Figure 0005241349
<共増感剤>
さらに、本発明のインク組成物には、感度を一層向上させる、あるいは酸素による重合阻害を抑制する等の作用を有する公知の化合物を共増感剤として加えてもよい。
このような共増感剤としては、アミン類、例えば、M. R. Sanderら著「Journal of Polymer Society」第10巻3173頁(1972)、特公昭44−20189号公報、特開昭51−82102号公報、特開昭52−134692号公報、特開昭59−138205号公報、特開昭60−84305号公報、特開昭62−18537号公報、特開昭64−33104号公報、Research Disclosure 33825号に記載の化合物等が挙げられ、より具体的には、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ホルミルジメチルアニリン、p−メチルチオジメチルアニリン等が挙げられる。
他の共増感剤としては、チオール及びスルフィド類、例えば、特開昭53−702号公報、特公昭55−500806号公報、特開平5−142772号公報記載のチオール化合物、特開昭56−75643号公報のジスルフィド化合物等が挙げられ、より具体的には、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリン、β−メルカプトナフタレン等が挙げられる。
また他の共増感剤としては、例えば、アミノ酸化合物(例、N−フェニルグリシン等)、特公昭48−42965号公報記載の有機金属化合物(例、トリブチル錫アセテート等)、特公昭55−34414号公報記載の水素供与体、特開平6−308727号公報記載のイオウ化合物(例、トリチアン等)、特開平6−250387号公報記載のリン化合物(ジエチルホスファイト等)、特開平8−54735号公報記載のSi−H、Ge−H化合物等が挙げられる。
本発明のインク組成物には、前記(A)重合性化合物、(B)ラジカル重合開始剤、(C)顔料、及び(D)特定重合体とともに用いられる増感剤、共増感剤に加え、目的に応じて種々の添加剤を併用することができる。例えば、得られる画像の耐候性向上、退色防止の観点から、紫外線吸収剤を用いることができる。また、インク組成物の安定性向上のため、酸化防止剤、重合禁止剤を添加することができる。
また、本発明のインク組成物には、さらに、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤、射出物性の制御を目的としたチオシアン酸カリウム、硝酸リチウム、チオシアン酸アンモニウム、ジメチルアミン塩酸塩などの導電性塩類、被記録媒体との密着性を改良するため、極微量の有機溶剤を添加することができる。
また、本発明のインク組成物には、膜物性を調整するため、各種高分子化合物を添加することができる。
また、本発明のインク組成物には、液物性調整のためにノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤や、有機フルオロ化合物などを添加することもできる。
また、本発明のインク組成物には、この他にも、必要に応じて、例えば、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのワックス類、ポリオレフィンやPET等の被記録媒体への密着性を改善するために、重合を阻害しないタッキファイヤーなどを含有させることができる。
以下に、それぞれの添加剤について述べる。
<界面活性剤>
本発明のインク組成物には、長時間安定した吐出性を付与するため、界面活性剤を添加してもよい。
界面活性剤としては、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載されたものが挙げられる。例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第4級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。なお、前記界面活性剤の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。前記有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。前記有機フルオロ化合物としては、例えば、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例、フッ素油)及び固体状フッ素化合物樹脂(例、四フッ化エチレン樹脂)が含まれ、特公昭57−9053号(第8〜17欄)、特開昭62−135826号の各公報に記載されたものが挙げられる。
重合禁止剤は保存性を高める観点から添加してもよい。また、本発明のインク組成物をインクジェト記録用インク組成物として使用する場合には、40〜80℃の範囲で加熱、低粘度化して吐出することが好ましく、熱重合によるヘッド詰まりを防ぐためにも、重合禁止剤を添加することが好ましい。重合禁止剤は、本発明のインク組成物全量に対し、200〜20,000ppm添加することが好ましい。ラジカル重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、ベンゾキノン、p−メトキシフェノール、TEMPO、TEMPOL、クペロンAl、tris(N−nitroso−N−phenylhydroxylamine)aluminum salt等が挙げられる。
<紫外線吸収剤>
本発明においては、得られる画像の耐候性向上、退色防止の観点から、紫外線吸収剤を用いることができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、リサーチディスクロージャーNo.24239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤などが挙げられる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、固形分換算で0.5〜15重量%であることが好ましい。
<酸化防止剤>
インク組成物の安定性向上のため、酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤としては、ヨーロッパ公開特許第223739号公報、同309401号公報、同第309402号公報、同第310551号公報、同第310552号公報、同第459416号公報、ドイツ公開特許第3435443号公報、特開昭54−48535号公報、同62−262047号公報、同63−113536号公報、同63−163351号公報、特開平2−262654号公報、特開平2−71262号公報、特開平3−121449号公報、特開平5−61166号公報、特開平5−119449号公報、米国特許第4814262号明細書、米国特許第4980275号明細書等に記載のものを挙げることができる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、固形分換算で0.1〜8重量%であることが好ましい。
<褪色防止剤>
本発明のインク組成物には、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。前記有機系の褪色防止剤としては、ハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類などが挙げられる。前記金属錯体系の褪色防止剤としては、ニッケル錯体、亜鉛錯体などが挙げられ、具体的には、リサーチディスクロージャーNo.17643の第VIIのI〜J項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載された化合物や、特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物の一般式及び化合物例に含まれる化合物を使用することができる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、固形分換算で0.1〜8重量%であることが好ましい。
<導電性塩類>
本発明のインク組成物には、吐出物性の制御を目的として、チオシアン酸カリウム、硝酸リチウム、チオシアン酸アンモニウム、ジメチルアミン塩酸塩などの導電性塩類を添加することができる。
<溶剤>
本発明のインク組成物には、被記録媒体との密着性を改良するため、極微量の有機溶剤を添加することも有効である。
溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール系溶剤、クロロホルム、塩化メチレン等の塩素系溶剤、ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピルなどのエステル系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤などが挙げられる。
この場合、耐溶剤性やVOCの問題が起こらない範囲での添加が有効であり、その量はインク組成物全体に対し0.1〜5重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜3重量%の範囲である。
<高分子化合物>
本発明のインク組成物には、膜物性を調整するため、各種高分子化合物を添加することができる。高分子化合物としては、アクリル系重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、シェラック、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類、その他の天然樹脂等が使用できる。また、これらは2種以上併用してもかまわない。これらのうち、アクリル系のモノマーの共重合によって得られるビニル系共重合が好ましい。さらに、高分子化合物の共重合組成として、「カルボキシル基含有モノマー」、「メタクリル酸アルキルエステル」、又は「アクリル酸アルキルエステル」を構造単位として含む共重合体も好ましく用いられる。
<塩基性化合物>
塩基性化合物は、インク組成物の保存安定性を向上させる観点から添加することが好ましい。本発明に用いることができる塩基性化合物としては、公知の塩基性化合物を用いることができ、例えば、無機塩等の塩基性無機化合物や、アミン類等の塩基性有機化合物を好ましく用いることができる。
この他にも、必要に応じて、例えば、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのワックス類、ポリオレフィンやPET等の被記録媒体への密着性を改善するために、重合を阻害しないタッキファイヤーなどを含有させることができる。
タッキファイヤーとしては、具体的には、特開2001−49200号公報の5〜6pに記載されている高分子量の粘着性ポリマー(例えば、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルキル基を有するアルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数3〜14の脂環族アルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数6〜14の芳香族アルコールとのエステルからなる共重合物)や、重合性不飽和結合を有する低分子量粘着付与性樹脂などが例示できる。
(インク物性)
本発明においては、吐出性を考慮し、25℃における粘度が40mPa・s以下であるインク組成物を使用することが好ましい。より好ましくは5〜40mPa・s、さらに好ましくは7〜30mPa・sである。また吐出温度(好ましくは25〜80℃、より好ましくは25〜50℃)における粘度が、3〜15mPa・sであることが好ましく、3〜13mPa・sであることがより好ましい。本発明のインク組成物は、粘度が上記範囲になるように適宜組成比を調整することが好ましい。室温での粘度を高く設定することにより、多孔質な被記録媒体を用いた場合でも、被記録媒体中へのインク浸透を回避し、未硬化モノマーの低減が可能となる。さらにインク液滴着弾時のインクの滲みを抑えることができ、その結果として画質が改善されるので好ましい。
本発明のインク組成物の25℃における表面張力は、20〜35mN/mであることが好ましい。より好ましくは23〜33mN/mである。ポリオレフィン、PET、コート紙、非コート紙など様々な被記録媒体へ記録する場合、滲み及び浸透の観点から、20mN/m以上が好ましく、濡れ性の点では35mN/m以下が好ましい。
(2)インクジェット記録方法、インクジェット記録装置及び印刷物
本発明のインク組成物は、インクジェット記録用として好適に使用される。
本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインク組成物をインクジェット記録用として被記録媒体(支持体、記録材料等)上に吐出し、被記録媒体上に吐出されたインク組成物に活性放射線を照射し、インクを硬化して画像を形成する方法である。
より具体的には、本発明のインクジェット記録方法は、(a1)被記録媒体上に、本発明のインク組成物を吐出する工程、及び、(b1)吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、該インク組成物を硬化する工程、を含むことを特徴とする。
本発明のインクジェット記録方法は、上記(a1)及び(b1)工程を含むことにより、被記録媒体上において硬化したインク組成物により画像が形成される。
また、本発明の印刷物は、本発明のインクジェット記録方法によって記録された印刷物である。
本発明のインクジェット記録方法における(a1)工程には、以下に詳述するインクジェット記録装置が用いることができる。
〔インクジェット記録装置〕
本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置としては、特に制限はなく、目的とする解像度を達成しうる公知のインクジェット記録装置を任意に選択して使用することができる。すなわち、市販品を含む公知のインクジェット記録装置であれば、いずれも、本発明のインクジェット記録方法の(a1)工程における被記録媒体へのインクの吐出を実施することができる。
本発明で用いることのできるインクジェット記録装置としては、例えば、インク供給系、温度センサー、活性放射線源を含む装置が挙げられる。
インク供給系は、例えば、本発明のインク組成物を含む元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドからなる。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、好ましくは1〜100pl、より好ましくは8〜30plのマルチサイズドットを、好ましくは320×320〜4,000×4,000dpi、より好ましくは400×400〜1,600×1,600dpi、さらに好ましくは720×720dpiの解像度で吐出できるよう駆動することができる。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
上述したように、本発明のインク組成物のように放射線硬化型インクは、吐出されるインクを一定温度にすることが望ましいことから、インクジェット記録装置には、インク組成物温度の安定化手段を備えることが好ましい。一定温度にする部位はインクタンク(中間タンクがある場合は中間タンク)からノズル射出面までの配管系、部材の全てが対象となる。すなわち、インク供給タンクからインクジェットヘッド部分までは、断熱及び加温を行うことができる。
温度コントロールの方法としては、特に制約はないが、例えば、温度センサーを各配管部位に複数設け、インク流量、環境温度に応じた加熱制御をすることが好ましい。温度センサーは、インク供給タンク及びインクジェットヘッドのノズル付近に設けることができる。また、加熱するヘッドユニットは、装置本体を外気からの温度の影響を受けないよう、熱的に遮断若しくは断熱されていることが好ましい。加熱に要するプリンター立上げ時間を短縮するため、或いは熱エネルギーのロスを低減するために、他部位との断熱を行うとともに、加熱ユニット全体の熱容量を小さくすることが好ましい。
上記のインクジェット記録装置を用いて、本発明のインク組成物の吐出は、インク組成物を、好ましくは25〜80℃、より好ましくは25〜50℃に加熱して、インク組成物の粘度を、好ましくは3〜15mPa・s、より好ましくは3〜13mPa・sに下げた後に行うことが好ましい。特に、本発明のインク組成物として、25℃におけるインク粘度が50mPa・s以下であるものを用いると、良好に吐出が行えるので好ましい。この方法を用いることにより、高い吐出安定性を実現することができる。
本発明のインク組成物のような放射線硬化型インク組成物は、概して通常インクジェット記録用インクで使用される水性インクより粘度が高いため、吐出時の温度変動による粘度変動が大きい。インクの粘度変動は、液滴サイズの変化及び液滴吐出速度の変化に対して大きな影響を与え、ひいては画質劣化を引き起こす。したがって、吐出時のインクの温度はできるだけ一定に保つことが必要である。よって、本発明において、インクの温度の制御幅は、好ましくは設定温度の±5℃、より好ましくは設定温度の±2℃、さらに好ましくは設定温度±1℃とすることが適当である。
前記好ましい射出条件によれば、本発明のインク組成物は加温、降温を繰り返すことになるが、前記(D)特定重合体の機能により、このような温度条件下で保存された場合でも、顔料分散性の低下が抑制され、長期間にわたり優れた発色性が得られ、かつ、顔料の凝集に起因する吐出性の低下も抑制されるという利点をも有する。
次に、(b1)吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、該インク組成物を硬
化する工程について説明する。
被記録媒体上に吐出されたインク組成物は、活性放射線を照射することによって硬化する。これは、本発明のインク組成物に含まれる重合開始剤が活性放射線の照射により分解して、ラジカル、酸、塩基などの開始種を発生し、その開始種の機能にラジカル重合性化合物の重合反応が、生起、促進されるためである。このとき、インク組成物において重合開始剤と共に増感剤が存在すると、系中の増感剤が活性放射線を吸収して励起状態となり、重合開始剤と接触することによって重合開始剤の分解を促進させ、より高感度の硬化反応を達成させることができる。
ここで、使用される活性放射線は、α線、γ線、電子線、X線、紫外線、可視光又は赤外光などが使用され得る。活性放射線のピーク波長は、増感剤の吸収特性にもよるが、例えば、200〜600nmであることが好ましく、300〜450nmであることがより好ましく、350〜420nmであることがさらに好ましい。
また、本発明のインク組成物の、重合開始系は、低出力の活性放射線であっても十分な感度を有するものである。したがって、露光面照度が、好ましくは10〜4,000mW/cm2、より好ましくは20〜2,500mW/cm2で硬化させることが適当である。
活性放射線源としては、水銀ランプやガス・固体レーザー等が主に利用されており、紫外線光硬化型インクジェット記録用インクの硬化に使用される光源としては、水銀ランプ、メタルハライドランプが広く知られている。しかしながら、現在環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。さらに、LED(UV−LED),LD(UV−LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、光硬化型インクジェット用光源として期待されている。
また、発光ダイオード(LED)及びレーザーダイオード(LD)を活性放射線源として用いることが可能である。特に、紫外線源を要する場合、紫外LED及び紫外LDを使用することができる。例えば、日亜化学(株)は、主放出スペクトルが365nmと420nmとの間の波長を有する紫色LEDを上市している。さらに一層短い波長が必要とされる場合、米国特許番号第6,084,250号明細書は、300nmと370nmとの間に中心付けされた活性放射線を放出し得るLEDを開示している。また、他の紫外LEDも、入手可能であり、異なる紫外線帯域の放射を照射することができる。本発明で特に好ましい活性放射線源はUV−LEDであり、特に好ましくは350〜420nmにピーク波長を有するUV−LEDである。
なお、LEDの被記録媒体上での最高照度は10〜2,000mW/cm2であることが好ましく、20〜1,000mW/cm2であることがより好ましく、50〜800mW/cm2であることが特に好ましい。
本発明のインク組成物は、このような活性放射線に、好ましくは0.01〜120秒、より好ましくは0.1〜90秒照射されることが適当である。
活性放射線の照射条件並びに基本的な照射方法は、特開昭60−132767号公報に開示されている。具体的には、インクの吐出装置を含むヘッドユニットの両側に光源を設け、いわゆるシャトル方式でヘッドユニットと光源を走査することによって行われる。活性放射線の照射は、インク着弾後、一定時間(好ましくは0.01〜0.5秒、より好ましくは0.01〜0.3秒、さらに好ましくは0.01〜0.15秒)をおいて行われることになる。このようにインク着弾から照射までの時間を極短時間に制御することにより、被記録媒体に着弾したインクが硬化前に滲むことを防止するこが可能となる。また、多孔質な被記録媒体に対しても光源の届かない深部までインクが浸透する前に露光することができるため、未反応モノマーの残留を抑えることができるので好ましい。
さらに、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させてもよい。国際公開第99/54415号パンフレットでは、照射方法として、光ファイバーを用いた方法やコリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されており、このような硬化方法もまた、本発明のインクジェット記録方法に適用することができる。
上述したようなインクジェット記録方法を採用することにより、表面の濡れ性が異なる様々な被記録媒体に対しても、着弾したインクのドット径を一定に保つことができ、画質が向上する。なお、カラー画像を得るためには、明度の低い色から順に重ねていくことが好ましい。明度の低いインクから順に重ねることにより、下部のインクまで照射線が到達しやすくなり、良好な硬化感度、残留モノマーの低減、密着性の向上が期待できる。また、照射は、全色を吐出してまとめて露光することが可能だが、1色毎に露光するほうが、硬化促進の観点で好ましい。
このようにして、本発明のインク組成物は、活性放射線の照射により高感度で硬化することで、被記録媒体表面に画像を形成することができる。
本発明のインクジェット記録方法には、本発明のインク組成物を好適に使用することができる。吐出する各インク組成物の順番は、特に限定されるわけではないが、明度の低いインク組成物から被記録媒体に付与することが好ましく、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックを使用する場合には、イエロー→シアン→マゼンタ→ブラックの順で被記録媒体上に付与することが好ましい。また、これにホワイトを加えて使用する場合にはホワイト→イエロー→シアン→マゼンタ→ブラックの順で被記録媒体上に付与することが好ましい。さらに、本発明はこれに限定されず、ライトシアン、ライトマゼンタ、のインク組成物とシアン、マゼンタ、ブラック、ホワイト、イエローの濃色インク組成物の計7色が少なくとも含まれるインクセットとして使用することもでき、その場合には、ホワイト→ライトシアン→ライトマゼンタ→イエロー→シアン→マゼンタ→ブラックの順で被記録媒体上に付与することが好ましい。
本発明において、被記録媒体としては、特に限定されず、支持体や記録材料として公知の被記録媒体を使用することができる。例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上述した金属がラミネートされ又は蒸着された紙又はプラスチックフィルム等が挙げられる。また、本発明における被記録媒体として、非吸収性被記録媒体が好適に使用することができる。
(インクセット)
本発明のインクを複数色そろえ、インクセットとして用いる場合、本発明のインク組成物を少なくとも1つ含み、本発明のインク組成物又は本発明以外のインク組成物とを組み合わせた2種以上のインク組成物を有するインクセットであれば、特に制限はないが、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、ホワイト、ライトマゼンタ、ライトシアンよりなる群から選択される色の本発明のインク組成物を少なくとも1つ含むことが好ましい。
また、本発明のインク組成物を少なくとも1つ含むインクセットは、本発明のインクジェット記録方法に好適に用いることができる。
本発明のインク組成物を使用してフルカラー画像を得るためには、インクセットとして、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックよりなる4色の濃色インク組成物を組み合わせたインクセットであることが好ましく、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック、ホワイトよりなる5色の濃色インク組成物であることがより好ましく、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック、ホワイトよりなる5色の濃色インク組成物とライトシアン、ライトマゼンタよりなる2色の淡色インク組成物を組み合わせたインクセットとすることもできる。
なお、本発明における「濃色インク組成物」とは、着色剤の含有量がインク組成物全体の1重量%を超えているインク組成物を意味する。前記着色剤としては、特に制限はなく公知の着色剤を用いることができ、顔料や油溶性染料が例示できる。
また、本発明のインクセットには、顔料以外の着色剤を1重量%以下で含有するインク組成物を含んでいてもよいことは言うまでもない。
本発明において、インクセットが、同系色の着色剤を用いた濃色インク組成物及び淡色インク組成物を含む、濃色インク組成物と淡色インク組成物との着色剤濃度の比が、濃色インク組成物:淡色インク組成物=15:1〜4:1であることが好ましく、12:1〜4:1であることがより好ましく、10:1〜4.5:1であることがさらに好ましい。上記範囲であると、粒状感の少ない、鮮やかなフルカラー画像が得られる。
本発明のインク組成物をインクジェットプリンターにより被記録媒体に印字し、その後、好ましくは、印字されたインク組成物に活性放射線を照射して硬化することで、本発明の印刷物を得ることができる。本発明の印刷物は、画像形成に用いられるインクが微細な顔料粒子を均一、かつ、安定に分散して含むため、発色性と鮮鋭度に優れた高品質な画像を有し、画像の耐候性にも優れることから、広汎な分野に適用しうる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例における形態に限定されるものではない。
なお、下記に示す合成例中のポリマーの分子量は、重量平均分子量を表し、GPC((株)島津製作所製HPLC LC−10AD)にて測定した。また、このGPC測定は、カラムとして昭和電工(株)製のShodex GPC−KF−804を用い、テトラヒドロフラン(THF)を溶離液とし、40℃、0.8mL/秒の流量で測定を行った。また、分子量は標準ポリスチレンとの比較により算出した。
(合成例1)
<式(D1)の繰り返し単位を含む重合性オリゴマー(d−1)の合成>
脱水プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート80重量部、3−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド62.4重量部(東京化成工業(株)製)、6−メルカプトヘキサノール(Aldrich社製)5.36重量部を、窒素置換した三口フラスコに導入し、撹拌機(新東科学(株):スリーワンモータ)にて撹拌し、窒素をフラスコ内に流しながら加熱して105℃まで昇温した。VA−086(2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド]、和光純薬工業(株)製)0.288重量部を加えた後、2時間撹拌した。さらに、VA−086を0.144重量部添加し、115℃にて4時間加熱撹拌を行った。反応溶液を50℃に冷却後、カレンズMOI(2−メタクリロイロキシエチルイソシアナート、昭和電工(株)製)6.39重量部を加え、5時間撹拌した。反応溶液をn−ヘキサン4,000重量部に再沈殿させた。溶媒をデカンテーションにて取り除いた後、メチルエチルケトン120重量部を加えアミノ基を有する重合性オリゴマー溶液1(前記d−1に相当)を得た(固形分濃度28%、重量平均分子量5,600)。
<(D)特定重合体の合成>
−特定重合体1の合成−
メチルエチルケトン2重量部(和光純薬工業(株)製)を窒素置換した三口フラスコに導入し、撹拌機(新東科学(株):スリーワンモータ)にて撹拌し、窒素をフラスコ内に流しながら加熱して68℃まで昇温した。別に調製した、下記の原料溶液1を2時間かけて滴下した。滴下が終了して2時間後、V−65(2,2’−アゾビス[2,4−ジメチルバレロニトリル]、和光純薬工業(株)製)を0.08重量部添加し、78℃にて3時間加熱撹拌を行った。得られた反応液をヘキサン1,000重量部に撹拌しながら注ぎ、生じた沈殿を加熱乾燥させることでグラフト共重合体1(前記P−1に相当)を得た。グラフト共重合体1の重量平均分子量は27,000であった。
−原料溶液1−
・重合性オリゴマー1(固形分濃度28%) 14.3重量部
・末端メタクリロイル化ポリ(n−ブチルアクリレート) 16重量部
(数平均分子量6,000、東亞合成(株)製AB−6)
・V−65 0.2重量部
(2,2’−アゾビス[2,4−ジメチルバレロニトリル]、和光純薬工業(株)製)
・メチルエチルケトン(和光純薬工業(株)製) 12重量部
(合成例2)
合成例1の原料溶液1における「末端にメタクリロイル基を有するポリ(n−ブチルアクリレート)」をメトキシポリエチレングリコールメタクリレート(新中村化学工業(株)製、NKエステルM−230G)に変更した以外は、合成例1と同様にしてグラフト共重合体2(前記P−2に相当)を得た。グラフト共重合体2の重量平均分子量は12,000であった。
(合成例3)
合成例1の原料溶液1を下記原料溶液2に変更した以外は、合成例1と同様にしてグラフト共重合体3(前記P−4に相当)を得た。グラフト共重合体3の重量平均分子量は32,000であった。
−原料溶液2−
・重合性オリゴマー1(固形分濃度28%) 7.1重量部
・末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート 16重量部
(数平均分子量6,000、東亞合成(株)製、AA−6)
・N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(東京化成工業(株)製) 2重量部
・V−65 0.2重量部
(2,2’−アゾビス[2,4−ジメチルバレロニトリル]、和光純薬工業(株)製)
・メチルエチルケトン(和光純薬工業(株)製) 19重量部
(合成例4)
シクロヘキサノン29重量部を窒素置換した三口フラスコに導入し、撹拌機(新東科学(株):スリーワンモータ)にて撹拌し、窒素をフラスコ内に流しながら加熱して90℃まで昇温した。別に調製した、下記の原料溶液3を2時間かけて滴下した。滴下が終了して2時間後、V−65(2,2’−アゾビス[2,4−ジメチルバレロニトリル]、和光純薬工業(株)製)を0.06重量部添加し、1時間加熱撹拌を行い、固形分31%の重合体を得た。
窒素置換した三口フラスコに、ポリエチレンイミン(Aldrich社製)0.016重量部、シクロヘキサノン0.091重量部を導入し、撹拌機にて撹拌しながら得られた重合体溶液5.93重量部とシクロヘキサノン5.94重量部を30分かけて滴下した。さらに1時間反応を継続することで固形分濃度15%のグラフト共重合体4溶液を得た。グラフト共重合体4の重量平均分子量は45,000であった。
−原料溶液3−
・n−ブチルメタクリレート(東京化成工業(株)製) 14重量部
・メチルメタクリレート(和光純薬工業(株)製) 2.3重量部
・2−メタクリロイロキシエチルイソシアナート 0.14重量部
(カレンズMOI 昭和電工(株)製)
・2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(和光純薬工業(株)製) 0.32重量部
・シクロヘキサノン(和光純薬工業(株)製) 3.9重量部
本発明で使用した素材は下記に示す通りである。
・IRGALITE BLUE GLVO(シアン顔料、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社(CSC社)製、平均粒子径0.16μm)
・CINQUASIA MAGENTA RT−355 D(マゼンタ顔料、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、平均粒子径0.13μm)
・NOVOPERM YELLOW H2G(イエロー顔料、クラリアント社製、平均粒子径0.13μm)
・SPECIAL BLACK 250(ブラック顔料、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、平均粒子径0.14μm)
・Tipaque CR60−2(ホワイト顔料、石原産業(株)製、平均粒子径0.20μm)
・Solsperse 28000(分散剤、日本ルーブリゾール(株)製)
・Solsperse 36000(分散剤、日本ルーブリゾール(株)製)
・Disper BYK−168(高分子分散剤、BYK Chemie社製)
・ファンクリルFA−512A(ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレ−ト、例示化合物M−11に相当、日立化成工業(株)製)
・ファンクリルFA−513A(ジシクロペンタニルアクリレ−ト、例示化合物M−12に相当、日立化成工業(株)製)
・ファンクリルFA−512M(ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、例示化合物M−16に相当、日立化成工業(株)製)
・N−ビニルカプロラクタム(NVC、Aldrich社製)
・Actilane 421(プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、Akcros社製)
・KAYARAD DPCA−60(DPCA、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、日本化薬(株)製)
・NKエステルAMP−10G(PEA、フェノキシエチルアクリレート、新中村化学工業(株)製)
・NKエステルLA(ラウリルアクリレート、新中村化学工業(株)製)
・NKエステルA−TMPT(トリメチロールプロパントリアクリレート、新中村化学工業(株)製)
・DPGDA(ジプロピレングリコールジアクリレート、ダイセルUCB社製)
・FIRSTCURE ST−1(重合禁止剤、Chem First社製)
・Lucirin TPO(アシルホスフィンオキサイド系光開始剤(2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド)、BASF社製光開始剤)
・Irgacure 819(アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド)、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
・ベンゾフェノン(光重合開始剤、和光純薬工業(株)製)
・FIRSTCURE ITX(増感剤、Chem First社製)
・Irgacure 184(光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
・Irgacure 369(α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1)、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
・Irgacure 907(α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤(2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン)、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
・KF−353(シリコーン系界面活性剤、信越化学工業(株)製)
・BYK307(シリコーン系界面活性剤、BYK Chemie社製)
(シアンミルベースAの調製)
・IRGALITE BLUE GLVO 30重量部
・Actilane 421 61重量部
・特定重合体(合成例1で得たグラフト共重合体1) 9重量部
上記の成分を撹拌混合し、シアンミルベースAを得た。なお、シアンミルベースAの調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで4時間分散を行った。
(マゼンタミルベースBの調製)
・CINQUASIA MAGENTA RT−335 D 30重量部
・Actilane 421 61重量部
・特定重合体(合成例1で得たグラフト共重合体1) 9重量部
上記の成分を撹拌混合し、マゼンタミルベースBを得た。なお、マゼンタミルベースBの調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで10時間分散を行った。
(イエローミルベースCの調製)
・NOVOPERM YELLOW H2G 30重量部
・Actilane 421 61重量部
・特定重合体(合成例1で得たグラフト共重合体1) 9重量部
上記の成分を撹拌混合し、イエローミルベースCを得た。なお、イエローミルベースCの調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで10時間分散を行った。
(イエローミルベースDの調製)
・NOVOPERM YELLOW H2G 30重量部
・Actilane 421 65重量部
・特定重合体(合成例1で得たグラフト共重合体1) 5重量部
上記の成分を撹拌混合し、イエローミルベースDを得た。なお、イエローミルベースDの調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで10時間分散を行った。
(イエローミルベースE及びイエローミルベースFの調製)
特定重合体(合成例1で得たグラフト共重合体1)の代わりに合成例2で得たグラフト共重合体2、合成例3で得たグラフト共重合体3をそれぞれ使用したこと以外はすべてイエローミルベースCと同様にしてイエローミルベースE、イエローミルベースFの分散をそれぞれ行った。
(ブラックミルベースGの調製)
・SPECIAL BLACK 250 30重量部
・Actilane 421 61重量部
・特定重合体(合成例1で得たグラフト共重合体1) 9重量部
上記の成分を撹拌混合し、ブラックミルベースGを得た。なお、ブラックミルベースGの調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで7時間分散を行った。
(ホワイトミルベースHの調製)
・Tipaque CR60−2 50重量部
・NKエステルAMP−10G 45重量部
・特定重合体(合成例1で得たグラフト共重合体1) 5重量部
上記の成分を撹拌混合し、ホワイトミルベースHを得た。なお、ホワイトミルベースHの調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで4時間分散を行った。
(イエローミルベースIの調製)
特定重合体(合成例1で得たグラフト共重合体1)の代わりに、塩基を主鎖に有する市販の顔料分散剤である「Solsperse 28000」(日本リーブリゾール(株)製)を用いた以外はすべてイエローミルベースCと同様にして分散を行い、イエローミルベースIを得た。
(イエローミルベースJの調製)
特定重合体(合成例1で得たグラフト共重合体1)の代わりに、塩基を主鎖に有する市販の顔料分散剤である「DisperBYK−168」(ビックケミー・ジャパン(株)製:有効成分30%)を30重量部用いて、Actilane 421の代わりにNKエステルAMP−10Gを40重量部使用したこと以外はすべてイエローミルベースCと同様にして分散を行った。
(イエローミルベースKの調製)
特定重合体(合成例1で得たグラフト共重合体1)の代わりに、合成例4で合成したグラフト共重合体4を用いた以外はすべてイエローミルベースCと同様にして分散を行った。
(ホワイトミルベースLの調製)
特定重合体(合成例1で得たグラフト共重合体1)の代わりに、酸性基を主鎖に有する市販の顔料分散剤である「Solsperse 36000」(日本リーブリゾール(株)製)を用いた以外はすべてホワイトミルベースHと同様にして分散を行った。
表1に記載の成分を高速水冷式撹拌機によって撹拌し、実施例1〜10、比較例1〜6のインクを作製した。なお、表1は、それぞれの成分の重量部を示している。
Figure 0005241349
<インクジェット記録方法>
次に、ピエゾ型インクジェットノズルを有するインクジェット記録実験装置を用いて、被記録媒体への記録を行った。インク供給系は、元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドから成り、インク供給タンクからインクジェットヘッド部分までを断熱及び加温を行った。温度センサーは、インク供給タンク及びインクジェットヘッドのノズル付近にそれぞれ設け、ノズル部分が常に45℃±2℃となるよう、温度制御を行った。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、8〜30plのマルチサイズドットを720×720dpiの解像度で射出できるよう駆動した。着弾後はUV光を露光面照度1,630mW/cm2、に集光し、被記
録媒体上にインク着弾した0.1秒後に照射が始まるよう露光系、主走査速度及び射出周波数を調整した。また、画像に照射される積算光量を1,500mJ/cm2となるよう
にした。紫外線ランプには、HAN250NL ハイキュア水銀ランプ(ジーエス・ユアサコーポレーション社製)を使用した。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。被記録媒体として、エステルフィルムE5000(膜厚125μm、東洋紡績(株)製)を用いた。
(粘度測定方法)
本実施例における粘度測定は、B型粘度計:Brookfield LVDV-I(Brookfield社製)を用い、25℃条件下で、ローターの回転数20rpmで粘度測定を行った。
(粘度の経時変化)
保存後の粘度変化については保存前後における粘度の比(保存後の粘度÷保存前の粘度)によって以下のように評価した。
3: 粘度の比が1.05以下
2: 粘度の比が1.05より大きく、1.15以下
1: 粘度の比が1.15より大きい
(硬化感度の測定方法)
上記インクジェット記録方法に従い、平均膜厚が12μmのベタ画像の描画を行い、紫外線照射後の画像面において、触診により、画像のべとつきの程度を評価した。
また、硬化感度は以下の基準で評価した。
3: 画像にべとつきなし。
2: 画像がややべとついている。
1: 未硬化のインクが手に転写するほど固まっていない。
(連続吐出性評価方法)
30分間連続して、線幅0.5ポイントのラインを印字し、印字したラインが途切れたり、かすれたり、ラインの周囲にミストが発生したりが否かを観察して、下記の基準で評価した。
3:ラインの途切れ、かすれ、及びミストは全く見られなかった。連続吐出性が極めて良好。
2:ラインの途切れはないものの、かすれ気味の箇所がわずかに見られるか、若干のミストが生じている箇所がわずかに見られた。連続吐出性良好。
1:ラインの途切れた箇所が見られるか、又は、ひどいミストが発生している箇所が見られた。連続吐出性不良。
得られたインク組成物を用いて、インクジェット記録を行った。評価の結果を表2に示す。
Figure 0005241349

Claims (8)

  1. (A)脂肪族環状構造を有する単官能ラジカル重合性モノマー、及び、N−ビニルカプロラクタムよりなる群から選ばれる少なくとも1つの重合性化合物、
    (B)ラジカル重合開始剤、
    (C)顔料、及び、
    (D)式(D1)で表される繰り返し単位をグラフト鎖に有するグラフト共重合体、を含有し、
    前記脂肪族環状構造を有する単官能ラジカル重合性モノマーが式(A3)又は式(A4)で表される化合物であることを特徴とする
    インク組成物。
    Figure 0005241349
    (式(D1)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Xは単結合、−O−、−CO−、−COO−、−CONR1−、−OCO−、又は、フェニレン基のいずれかを表し、R1は水素原子、アルキル基、アリール基、又は、アラルキル基のいずれかを表し、Lは単結合又は二価連結基を表し、Zは−NR23を表し、R2、R3はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、又は、アラルキル基のいずれかを表し、R2とR3は互いに結合して環を形成してもよい。)
    Figure 0005241349
    (式(A3)及び式(A4)中、R 1 は水素原子、ハロゲン原子、又は、炭素数1〜4のアルキル基を表し、X 1 は二価の連結基を表し、R 3 及びR 4 はそれぞれ独立に置換基を表し、s及びtはそれぞれ独立に0〜5の整数を表し、また、s個存在するR 3 及びt個存在するR 4 はそれぞれ同じであっても、異なっていてもよい。)
  2. インク組成物が、重合性化合物として更に芳香族単官能ラジカル重合性モノマーを含有する、請求項1に記載のインク組成物。
  3. 前記芳香族単官能ラジカル重合性モノマーが式(A5)で表される、請求項に記載のインク組成物。
    Figure 0005241349
    (式(A5)中、R1は水素原子、ハロゲン原子、又は、炭素数1〜4のアルキル基を表し、X1は二価の連結基を表し、R5は置換基を表し、uは0〜5の整数を表し、また、u個存在するR5はそれぞれ同じであっても、異なっていてもよく、複数のR5がお互いに結合して環を形成してもよく、その環は芳香環であってもよい。)
  4. 前記(B)ラジカル重合開始剤がアシルホスフィンオキサイド化合物を含有する、請求項1〜いずれか1つに記載のインク組成物。
  5. 前記(D)グラフト共重合体が式(D2)で表される構成繰り返し単位を含む、請求項1〜いずれか1つに記載のインク組成物。
    Figure 0005241349
    (式(D2)中、R、R’はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、X、X’はそれぞれ独立に単結合、−O−、−CO−、−COO−、−CONR5−、−OCO−、又はフェニレン基のいずれかを表し、R5は水素原子、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基のいずれかを表し、L、L’はそれぞれ独立に単結合又は二価の連結基を表し、Yはビニル重合体の停止末端を表し、Zは−NR67を表し、R6、R7はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基のいずれかを表し、R6とR7は互いに結合して環を形成してもよい。)
  6. 前記(D)グラフト共重合体が、アミノ基を有しないグラフト鎖をさらに含む、請求項1〜いずれか1つに記載のインク組成物。
  7. (a1)被記録媒体上に、請求項1〜いずれか1つに記載のインク組成物を吐出する工程、及び、
    (b1)吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、該インク組成物を硬化する工程、を含むことを特徴とするインクジェット記録方法。
  8. 請求項に記載のインクジェット記録方法によって記録された印刷物。
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