JP2006160916A - インクジェット用インク組成物及びインクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット用インク組成物及びインクジェット記録方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 色材として染料を用いた場合でも良好に硬化するインク組成物を提供すること。
【解決手段】 染料と、光重合開始剤と、脂環式アルキル置換基を有する(メタ)アクリレート又は(メタ)アクリルアミドとを含有することを特徴とするインクジェット用インク組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、インクジェット用インク組成物及びそれを用いたインクジェット記録方法に関する。
水性のインクジェット用インクは、普通紙に印刷した場合に耐水性が劣ったり、滲みが生じやすく、さらに、プラスチックなど非吸水性の被記録材に印刷した場合には、インク液滴の付着が悪いために画像形成ができなかったり、溶剤の乾燥が極めて遅いために印刷直後には記録物を重ねずに乾燥させる必要があったり、画像がにじみやすいといった欠点があった。
非吸水性の被記録材料に対する印刷に適するものとして、被記録材料との接着性に優れた多官能モノマーを用いた紫外線硬化性インクが開示されているが、水分散型のインクのために乾燥が遅く、フルカラーの画像を形成するには不十分であった。乾燥性を解決するために、インクの溶剤として揮発性の有機溶剤を用いる方法が行われてきたが、急速に乾燥させるためにはメチルエチルケトン及びエタノールなど高度に引火性があり、さらに揮発性の高い溶剤を用いる必要があった。
これらの問題点を解決するために、インク溶媒の揮発ではなく放射線によって硬化し固着するインクジェット用インクが開示されている。例えば、特許文献1〜3には重合性基を有するモノマーと油溶性染料とを含むインクが開示されている。また、特許文献4には光重合可能な化合物と光重合開始剤とを含む光重合性組成物が開示されている。しかし、ラジカル重合系では酸素や染料によって重合が阻害されるため、硬化性が不十分であるという問題点があった。一方、色材として顔料を用いた場合は色材による重合阻害性は少なくなるが、光透過性や液安定性が悪化する傾向がある(例えば特許文献5参照)。また、ラジカル重合による硬化型インクでは体積収縮が生じるため、密着性や機械強度が問題であった。
特開2003−221528号公報 特開2003−221532号公報 特開2003−221530号公報 特開2001−222105号公報 特表2001−525479号公報
本発明が解決しようとする課題は、色材として染料を用いた場合でも良好に硬化するインク組成物を提供することである。更にインクの安定性が良好で、目詰まりが少なく、硬化後は基材への接着性や基材の反り、透明支持体に印刷した場合のインクの透明性が良好であるインク組成物を提供する事にある。また、そのようなインク組成物を用いたインクジェット記録方法を提供することにある。
本発明が解決しようとする課題は、染料と、光重合開始剤と、脂環式アルキル置換基を有する(メタ)アクリレートまたは(メタ)アクリルアミドとを含有するインクジェット記録用インク組成物及びそれを用いたインクジェット記録方法によって解決された。
即ち、本発明は次のものを提供するものである。
<1> 染料と、光重合開始剤と、脂環式アルキル置換基を有する(メタ)アクリレート又は(メタ)アクリルアミドとを含有することを特徴とするインクジェット用インク組成物。
<2> 染料が油溶性であることを特徴とする<1>記載のインクジェット用インク組成物。
<3> 染料の酸化電位が1.0V(vsSCE)以上である<1>又は<2>記載のインクジェット用インク組成物。
<4> <1>、<2>又は<3>記載のインク組成物をインクジェットプリンターにより被記録材料に印刷した後、印刷された該インク組成物に活性エネルギー線を照射して硬化させることを特徴とするインクジェット記録方法。
本発明に用いる重合性化合物は、特許文献1から5に記載のモノマーに比べ、重合性が高く、酸素存在下での重合が進行しやすい特徴がある。したがって、紫外線や、電子線照射による硬化性が高く、特に大気中で硬化する紫外線硬化ではその効果が顕著となる。さらに、得られた硬化物は基材への密着性が良いという特徴を有している。
従って、本発明によると、インクの安定性に優れ、良好な画像を形成でき、色材として染料を用いた場合の硬化性や被記録剤との接着性に優れたインクジェット用インク及び、インクジェット記録方法を提供する事ができる。
本発明のインク組成物は、染料と、光重合開始剤と、脂環式アルキル置換基を有するアクリレートまたは(メタ)アクリルアミドとを含有し、更に必要により他の成分を含有せしめてもよい。
(脂環式アルキル置換基を有する(メタ)アクリレートまたは(メタ)アクリルアミド)
本発明における重合性化合物である、脂環式アルキル置換基を有する(メタ)アクリレートまたは(メタ)アクリルアミドは、少なくとも1つ以上の(メタ)アクリレート部位、または(メタ)アクリルアミド部位と、それらのエステルまたはアミド置換基として、必要に応じて適当な連結基を介して無置換または置換された脂環式のアルキル基を少なくとも1つ以上有する構造を有しているものである。
脂環式アルキル置換基とは飽和の環状のアルキル基を含むものであれば特に限定はなく、例えば、シクロプロパン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロドデカン、ノルボルナン、デカヒドロナフタレン、ペルヒドロフルオレン、トリシクロ[5,2,1,0(2,6)]デカン又はアダマンタン、ビシクロ(4,3,0)ノナンを(メタ)アクリレートのエステル置換基または(メタ)アクリルアミドのアミド置換基として直接または、連結基を介して含むものである。この際、環状アルキル置換基は更に置換基を有してもよく、該置換基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、水酸基、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、カルボニル基、シアノ基が挙げられる。環状アルキル基は縮合環でも良いが、粘度や溶解性の問題から環状アルキル基の炭素数は5から20までが好ましく用いられる。
前記連結基としては炭素数1から20までの、アルキル基、アルケニル基、アルキレン基、アラルキル基、アルコキシ基、モノまたはオリゴエチレングルコール基、モノまたはオリゴプロピレングリコール基などが好適なものとして挙げられる。
本発明に用いられる脂環式アルキル置換基を有する(メタ)アクリレートのインク組成物中の含有量は、5〜95重量%が好ましく、特に15〜95重量%が好ましく、更に25〜95重量%が好ましい。また、本発明に用いられる脂環式アルキル置換基を有する(メタ)アクリルアミドのインク組成物中の含有量は、5〜95重量%が好ましく、特に10〜90重量%が好ましく、更に10〜75重量%が好ましい。
本発明に用いられる脂環式アルキル置換基を有する(メタ)アクリレートまたは(メタ)アクリルアミドの具体的構造としては下記のものが挙げられるが、本発明に使用できる化合物はこれに限定されるものではない。式中のAは(メタ)アクリレートを示す。
単官能(メタ)アクリレートとしては次のものが挙げられる。
Figure 2006160916
Figure 2006160916
多官能体としては以下のものが挙げられる。
Figure 2006160916
(メタ)アクリルアミドとしては例えば以下のものが挙げられる。ただし、式中Bは下記記載の構造である。
Figure 2006160916
また、本発明のインクには、硬化膜物性や組成物の親和性などを調整するために、前記の脂環式アルキル置換基を有する(メタ)アクリレートまたは(メタ)アクリルアミドの他に必要に応じて公知の重合性化合物を併用して用いる事ができる。
このような公知の重合性化合物としては、例えば、モノ(メタ)アクリレート化合物、多官能(メタ)アクリレート化合物、単官能(メタ)アクリルアミドが挙げられる。具体的には単官能のものとしてヘキシル基(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、tert−オクチル(メタ)アクリレート、2−クロロエチル(メタ)アクリレート、4−ブロモブチル(メタ)アクリレート、シアノエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブトシキメチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、アルコキシメチル(メタ)アクリレート、アルコキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2,2,2−テトラフルオロエチル(メタ)アクリレート、1H, 1H, 2H, 2Hパーフルオロデシル(メタ)アクリレート、4−ブチルフェニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2,4,5−テトラメチルフェニル(メタ)アクリレート、4−クロロフェニル(メタ)アクリレート、フェノキシメチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジルアルキル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジルプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキシドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシド(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキシド(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴプロピレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレートが挙げられる。
二官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングルコールジ(メタ)アクリレート、オリゴエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチル−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリエトキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFポリエトキシジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、オリゴプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
三官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ((メタ)アクリロイルオキシプロピル)エーテル、イソシアヌル酸アルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ヒドロキシピバルアルデヒド変性ジメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレートを挙げることができる。
四官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートを挙げることができる。
五官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートを挙げることができる。
六官能の(メタ)アクリレートの具体例として、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、フォスファゼンのアルキレンオキサイド変性ヘキサ(メタ)アクリレート、カプトラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートを挙げることができる。
ここで上記の(メタ)アクリレートの表記はメタクリレートおよびアクリレートの両方の構造をとり得ることを表す省略的表記である。
また、種々の不飽和カルボン酸と脂肪族アルコール化合物とのエステルであるラジカル重合性化合物が市販されており、これらも使用することができる。このような重合性化合物としては、PEG600ジアクリレート(EB11:ダイセル・ユーシービー製)、KAYARAD DPCA−60(カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート:日本化薬(株)製)が例示できる。
上記重合性化合物は臭気や安全性の問題から分子量400以上のものが好ましく、硬化性を考えると二官能以上のものがより好ましい。前記脂環式アルキル置換基を有する(メタ)アクリレートまたは(メタ)アクリルアミドとの割合としては、脂環式アルキル置換基を有する(メタ)アクリレートまたは(メタ)アクリルアミドに対して0から200%の範囲内で用いる事ができ、好ましくは0から100%の範囲で用いられる。
(光重合開始剤)
本発明のインク組成物の重合を進行させるための活性エネルギー線としてはα線、γ線、X線、紫外線、可視光線、電子線などが使用できる。これらのうち、紫外線、可視光線を用いることがコスト及び安全性の点から好ましく、紫外線を用いることが更に好ましい。
紫外線を発生させる光源としては、公知の紫外線ランプである低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、ショートアーク放電ランプ、紫外線発光ダイオードなどを使用することができ、開始剤に適した光量や波長により高圧放電ランプに属する高圧水銀ランプやメタルハライドランプ、ショートアーク放電ランプに属するキセノンランプが好ましく用いられる。また、省エネルギーの観点から紫外線発光ダイオードも好ましく用いられる。
活性エネルギー線として紫外線、可視光線などを使用する場合は、重合を開始するための光重合開始剤が併用される。したがって、本発明の活性エネルギー線硬化型インクは、モノマー類の重合を開始するための光重合開始剤を含有するものである。
本発明に用いられる光重合開始剤とは、活性なエネルギー線付与により活性なラジカル種又はカチオン種を発生し、インク組成物の重合反応を開始、促進する化合物を示す。
活性エネルギー線の作用によりラジカルを発生させる重合開始剤の例としてはアセトフェノン系化合物、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、ベンジル系化合物、アシルフォスフィンオキサイド系化合物等が好ましい。アセトフェノン系化合物としては、例えば、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシメチル−1−フェニルプロパン−1−オン、4'−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン、p−ジメチルアミノアセトン、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、p−アジドベンザルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等が挙げられる。ベンゾイン系化合物としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイン−n−プロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、ミヒラーズケトン、4,4'−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4,4'−ジクロロベンゾフェノン等が挙げられる。チオキサントン系化合物としては、例えば、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等が挙げられる。ベンジル系化合物としては、例えば、ベンジル、ベンジル−β−メトキシエチルアセタール等が挙げられる。アシルフォスフィンオキサイド系化合物としては、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)(2,4,4−トリメチルペンチル)フォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。
下記に述べる、通常、光カチオン発生剤として用いられるスルホニウム塩やヨードニウム塩なども紫外線照射によりラジカル発生剤として作用するため、本発明ではこれらを単独で用いてもよい。
紫外線によって活性なカチオン種を発生させる光重合開始剤としては、トリアリールスルホニウム塩等の芳香族ヨードニウム塩、ジアリールヨードニウム塩等の芳香族ヨードニウム塩等のオニウム塩開始剤が有用であり、スルホン酸のニトロベンジルエステルなどの非イオン性開始剤も使用できる。これらの中でも、芳香族スルフォニウム塩等が、熱的に比較的安定であるために、好ましい。その他、有機エレクトロニクス材料研究会編、"イメージング用有機材料"ぶんしん出版社刊(1997)などに記載されている公知の光重合開始剤も使用できる。
芳香族スルフォニウム塩及び芳香族ヨードニウム塩をオニウム塩光反応開始剤として使用する場合、その対アニオンとしては、BF4 -、AsF6 -、SbF6 -、PF6 -、PF6 -、B(C654 -などが挙げられる。開始剤としては、芳香族スルフォニウムのPF6塩又はSbF6塩が、溶解性と適度の重合活性を有するために好ましく使用できる。又、溶解性を改良するために、芳香族基ヨードニウム塩又は芳香族スルフォニウム塩の芳香族基、通常はフェニル基に、1ないし10の炭素を有する、アルキル基又はアルコキシ基を1つ以上導入した化学構造が好ましい。
芳香族スルフォニウム塩のPF6塩又はSbF6塩は、ユニオンカーバイド日本(株)等から市販されている。旭電化工業(株)からも、アデカオプトマーSPシリーズの商品名で芳香族スルフォニウムのPF6塩が市販されている。
芳香族スルフォニウム塩は約360nmまでに吸収を有し、芳香族ヨードニウム塩は約320nmまでに吸収を有するので、硬化させるには、この領域の分光エネルギーを含む紫外線を照射することが好ましい。
さらに光重合開始剤の例としては、加藤清視著「紫外線硬化システム」(株式会社総合技術センター発行:平成元年)の第65−148頁に記載されている光重合開始剤などを挙げる事ができる。これらの開始剤は1種あるいは2種以上組み合わせて用いることがで、増感剤と併用させても良い。また、光重合開始剤は安定性の観点から70度まで分解しないものであることが望ましい。
光重合開始剤の添加量は、重合性化合物及び光重合開始剤の総量に対して0.05〜10重量%とすることが好ましく、0.1〜5重量%とすることがより好ましい。光重合開始剤の量が10重量%を超えるとインクの強度や擦り耐性が悪化する場合があり好ましくない。
また、感度を高める目的で重合開始剤に加えて、増感剤を用いてもよい。増感剤は、単独では光照射によって活性化しないが、光重合開始剤と一緒に使用した場合に光重合開始剤単独で用いた場合よりも効果があるもので、一般にアミン類が用いられる。アミン類の添加により硬化速度が速くなるのは、第一に水素引き抜き作用により光重合開始剤に水素を供給するためであり、第二に生成ラジカルが大気中の酸素分子と結合して反応性が悪くなるのに対して、アミンが組成中に溶け込んでいる酸素を捕獲する作用があるためである。 及び等が含まれる。
増感剤としては、アミン化合物(n−ブチルアミン、トリエチルアミン等の脂肪族アミン、芳香族基を含むアミン、ピペリジン、エポキシ樹脂とアミンの反応生成物、トリエタノールアミントリアクリレートなど)、尿素化合物(アリルチオ尿素、o−トリルチオ尿素など)、イオウ化合物(チオキサントン誘導体、ナトリウムジエチルジチオホスフェート、芳香族スルフィン酸の可溶性塩など)、ニトリル系化合物(N,N−ジエチル−p−アミノベンゾニトリルなど)、リン化合物(トリ−n−ブチルホスフィン、ナトリウムジエチルジチオホスファイドなど)、窒素化合物(ミヒラーケトン、N−ニトリソヒドロキシルアミン誘導体、オキサゾリジン化合物、テトラヒドロ−1,3−オキサジン化合物、ホルムアルデヒドまたはアセトアルデヒドとジアミンの縮合物など)
、塩素化合物(四塩化炭素、ヘキサクロロエタンなど)等が挙げられる。
増感剤のインク中の使用量は、通常0〜10質量%であり、0.1〜10質量%が好ましく、0.2〜5質量%が特に好ましい。光開始剤と増感剤の選定や組み合わせ、及び配合比に関しては使用する紫外線硬化モノマー、使用装置によって適宜選定すればよい。
(着色剤)
本発明のインクジェット用インク組成物には、着色剤として染料を含有する。本発明で染料とは、溶解性の化合物を意味し、顔料は含まない。前記染料としては、従来公知の化合物(染料)から適宜選択して使用することができる。具体的には、特開2002−114930号公報の段落[0023]から[0089]に記載されている染料などが挙げられる。
イエロー染料としては、例えば、カップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピラゾロン類、ピリドン類、閉鎖型活性メチレン化合物類を有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料、例えば、カップリング成分として閉鎖型活性メチレン化合物を有するアゾメチン染料、例えば、ベンジリデン染料やモノメチンオキソノール染料等のようなメチン染料、例えば、ナフトキノン染料、アントラキノン染料等のキノン系染料などがあり、これ以外の染料としては、キノフタロン染料、エトロ、エトロソ染料、アクリジン染料、アクリジノン染料等が挙げられる。
マゼンタ染料としては、例えば、カップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピラゾロン類、ピリドン類、ピラゾロトリアゾール類、閉環型活性メチレン化合物類(例えば、ジメドン、バルビツール酸、4−ヒドロキシクマリン誘導体)、電子過剰ヘテロ環(例えば、ピロール、イミダゾール、チオヘン、チアゾール誘導体)、を有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料、例えば、カップリング成分としてピラゾロン類、ピラゾロトリアゾール類を有するアゾメチン染料、例えばアリーリデン染料、スチリル染料、メロシアニン染料、オキソノール染料のようなメチン染料、ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボニウム染料、例えばナフトキノン、アントラキノン、アントラピリドンなどのキノン系染料、例えばジオキサジン染料などのような縮合多環系染料等を挙げることができる。
シアン染料としては、例えば、インドアニリン染料、インドフェノール染料のようなアゾメチン染料、シアニン染料、オキソノール染料、メロシアニン染料のようなポリメチン染料、ジフェニルメタン染料、トリフェエルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボニウム染料、フタロシアニン染料、アントラキノン染料、例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピロロピリミジン−オン、ピロロトリアジン−オン誘導体を有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料、インジゴ・チオインジゴ染料を挙げることができる。
前記各染料は、クロモフォアの一部が解離して初めてイエロー、マゼンタ、シアンの各色を呈するものであってもよく、その場合のカウンターカチオンは、アルカリ金属やアンモニウムのような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニウム、4級アンモニウム塩のような有機カチオンであってもよく、更にそれらの部分構造を有するカチオンポリマーであってもよい。
本発明に用いる染料は、前記脂環式アルキル置換基を有する(メタ)アクリレートまたは(メタ)アクリルアミドとの関係から油溶性のものが好ましい。具体的には、25℃での水への溶解度(水100gに溶解する色素の質量)が1g以下であるものを意味し、好ましくは0.5g以下、より好ましくは0.1g以下である。従って、所謂水に不溶性の油溶性染料が好ましく用いられる。
本発明に用いる染料は、インク組成物に必要量溶解させるために上記記載の染料母核に対して油溶化基を導入することも好ましい。
油溶化基としては、長鎖、分岐アルキル基、長鎖、分岐アルコキシ基、長鎖、分岐アルキルチオ基、長鎖、分岐アルキルスルホニル基、長鎖、分岐アシルオキシ基、長鎖、分岐アルコキシカルボニル基、長鎖、分岐アシル基、長鎖、分岐アシルアミノ基、長鎖、分岐アルキルスルホニルアミノ基、長鎖、分岐アルキルアミノスルホニル基及びこれら長鎖、分岐置換基を含むアリール基、アリールオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールカルボニルオキシ基、アリールアミノカルボニル基、アリールアミノスルホニル基、アリールスルホニルアミノ基等が挙げられる。
また、カルボン酸、スルホン酸を有する水溶性染料に対して、長鎖、分岐アルコール、アミン、フェノール、アニリン誘導体を用いて油溶化基であるアルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルアミノスルホニル基、アリールアミノスルホニル基に変換することにより染料を得てもよい。
前記油溶性染料としては、融点が200℃以下のものが好ましく、融点が150℃以下であるものがより好ましく、融点が100℃以下であるものが更に好ましい。融点が低い油溶性染料を用いることにより、インク組成物中での色素の結晶析出が抑制され、インク組成物の保存安定性が良くなる。
また、退色、特にオゾンなどの酸化性物質に対する耐性を向上させるために、酸化電位が貴である(高い)ことが望ましい。このため、本発明で用いる油溶性染料として、酸化電位が1.0V(vs SCE)よりも貴であるものが好ましく用いられる。酸化電位は高いほうが好ましく、酸化電位が1.1V(vs SCE)よりも高いものがより好ましく、1.15V(vs SCE)より高いものが特に好ましい。
イエロー色の染料としては、特開2004−250483号公報の記載の一般式(Y−I)で表される構造の化合物が好ましい。
特に好ましい染料は、特開2004−250483号公報の段落番号[0034]に記載されている一般式(Y−II)〜(Y−IV)で表される染料であり、具体例として特開2004−250483号公報の段落番号[0060]から[0071]に記載の化合物が挙げられる。尚、該公報記載の一般式(Y−I)の油溶性染料はイエローのみでなく、ブラックインク、レッドインクなどのいかなる色のインクに用いても良い。
マゼンタ色の染料としては、特開2002−114930号公報に記載の一般式(3)、(4)で表される構造の化合物が好ましく、具体例としては、特開2002−114930号公報の段落[0054]〜[0073]に記載の化合物が挙げられる。
特に好ましい染料は、特開2002−121414号公報の段落番号[0084]から
[0122]に記載されている一般式(M−1)〜(M−2)で表されるアゾ染料であり、具体例として特開2002−121414号公報の段落番号[0123]から[0132]に記載の化合物が挙げられる。尚、該公報記載の一般式(3)、(4)、(M−1)〜(M−2)の油溶性染料はマゼンタのみでなく、ブラックインク、レッドインクなどのいかなる色のインクに用いても良い。
シアン色の染料としては、特開2001−181547号公報に記載の式(I)〜(IV)で表される染料、特開2002−121414号公報の段落番号[0063]から[0078]に記載されている一般式(IV−1)〜(IV−4)で表される染料が好ましいものとして挙げられ、具体例として特開2001−181547号公報の段落番号[0052]から[0066]、特開2002−121414号公報の段落番号[0079]から[0081]に記載の化合物が挙げられる。
特に好ましい染料は、特開2002−121414号公報の段落番号[0133]から[0196]に記載されている一般式(C−I)、(C−II)で表されるフタロシアニン染料であり、更に一般式(C−II)で表されるフタロシアニン染料が好ましい。この具体例としては、特開2002−121414号公報の段落番号[0198]から[0201]に記載の化合物が挙げられる。尚、前記式(I)〜(IV)、(IV−1)〜(IV−4)、(C−I)、(C−II)の油溶性染料はシアンのみでなく、ブラックインクやグリーンインクなどのいかなる色のインクに用いても良い。
〔酸化電位〕
本発明の染料の酸化電位の値(Eox)は当業者が容易に測定することができる。この方法に関しては、例えばP.Delahay著“New Instrumental Methods in Electrochemistry”(1954年,Interscience Publishers社刊)やA.J.Bard他著“Electrochemical Methods”(1980年、John Wiley&Sons社刊)、藤嶋昭他著“電気化学測定法”(1984年技報堂出版社刊)に記載されている。
具体的に酸化電位は、過塩素酸ナトリウムや過塩素酸テトラプロピルアンモニウムといった支持電解質を含むジメチルホルムアミドやアセトニトリルのような溶媒中に、被験試料を1×10-2〜1×10-6モル/リットル溶解して、サイクリックボルタンメトリーや直流ポーラログラフィー装置により、作用極として炭素(GC)を、対極として回転白金電極を用いて酸化側(貴側)に掃引したときの酸化波を直線で近似して、この直線と残余電流・電位直線との交点と、直線と飽和電流直線との交点(又はピーク電位値を通る縦軸に平行な直線との交点)とで作られる線分の中間電位値をSCE(飽和カロメル電極)に対する値として測定する。この値は、液間電位差や試料溶液の液抵抗などの影響で、数10ミルボルト程度偏位することがあるが、標準試料(例えばハイドロキノン)を入れて電位の再現性を保証することができる。また、用いる支持電解質や溶媒は、被験試料の酸化電位や溶解性により適当なものを選ぶことができる。用いることができる支持電解質や溶媒については藤嶋昭他著“電気化学測定法”(1984年技報堂出版社刊)101〜118ページに記載がある。
なお、上記の測定溶媒とフタロシアニン化合物試料の濃度範囲では、非会合状態の酸化電位が測定される。
Eoxの値は試料から電極への電子の移りやすさを表わし、その値が大きい(酸化電位が貴である)ほど試料から電極への電子の移りにくい、言い換えれば、酸化されにくいことを表す。
前記油溶性染料はインク中で溶解した状態で存在することが好ましく、経時での結晶析出がないことが好ましい。すなわち、重合性化合物との相溶性が高いことが重要である。
前記油溶性染料のインク組成物中の含有量は、0.05〜30質量%が好ましく、1〜25質量%が更に好ましく、5〜20質量%が特に好ましい。
本発明のインク組成物においては、油溶性染料は1種単独で用いてもよく、また、数種類を混合して用いてもよい。また、必要に応じて、他の水溶性染料、分散染料、顔料等の着色材が含有されていてもよい。また、特開2001−181549号公報に記載されている表面張力調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、pH調整剤などを用いてもよい。
インクの好ましい物性は印刷する装置にも依存するが、本発明ではインクの粘度は25℃で、10〜100mPa・sの範囲であり、10〜80mPa・sが好ましく、15〜80mPa・sが更に好ましい。表面張力は20〜60mN/mが好ましく、30〜50mN/mが更に好ましい。
(インクジェト記録方法)
本発明のインクジェット記録方法においては、前記インクジェット記録用インクを用いて記録を行うが、その際に使用するインクノズル等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。なおインクジェト記録方法は特開2001−279141号の段落番号(0247)に記載のものを用いることができる。特に好ましいのは、電荷制御方式、圧力パルス方式、音響インクジェット方式である。
本発明のインクジェット記録用インクは、公知の被記録材に好適に印刷等することができる。例えば、普通紙、樹脂コート紙、インクジェット専用紙、フィルム、電子写真共用紙、布帛、ガラス、金属、陶磁器等が挙げられる。被記録材に関しては、特開2001−181549号公報、特開2001−279141号の段落番号(0228)から(0246)に記載されているものを用いることができる。
以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
実施例1
重合性化合物:下記「化1」 15g
重合性化合物:DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート) 5g
光重合開始剤:LucirinTPO-L(アシルフォスフィンオキサイド化合物、BASF製)
0.8g
着色剤:下記 Y-1 0.4g
上記の成分を攪拌混合し、イエローインクを得た。
実施例2〜8
重合性化合物化1の代わりに表1中の二種の化合物をそれぞれ7.5gずつ使用し、合計15g用いた以外は実施例1と同様にして、イエローインクを得た。
比較例1
重合性化合物として化1の代わりにBMA(n-ブチルメタクリレート)を使用した以外は、実施例1と同様にして比較例用のイエローインクを得た。
比較例2
重合性化合物として化1の代わりにHDDA(ヘキサンジオールジアクリレート)を使用した以外は、実施例1と同様にして比較例用のイエローインクを得た。
実施例9,10 比較例3、4
表1に記す重合性化合物、着色剤を使用した以外はすべて実施例2と同様にして各マゼンタインクおよびシアンインクを得た。
比較例5
ピグメントイエロー12(P-1) を10g、高分子分散剤(Zeneca社製 Solsprseシリーズ)5g、ステアリルアクリレート85gを顔料粒子の粒径が0.2〜0.3μmの範囲となるように、公知の分散装置を用いて分散し、ついで、加熱フィルターろ過を用いて顔料分散物(E-1)を調製した。
得られた顔料分散液を下記の通りに混合し、攪拌することでイエローインクを得た。
重合性化合物:化6=7.5g 、 化7=7.5g
重合性化合物:DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート) 5g
光重合開始剤:LucirinTPO-L(アシルフォスフィンオキサイド化合物、BASF製)
0.8g
顔料分散物:E−1 3g
実施例11
重合性化合物:化8 7.5g
重合性化合物:HDDA 7.5g
重合性化合物:DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート) 5g
光重合開始剤:LucirinTPO−L
(アシルフォスフィンオキサイド化合物、BASF製) 0.8g
着色剤:Y−1 0.4g
上記の成分を攪拌混合し、イエローインクを得た。
実施例12
重合性化合物:化9 10g
重合性化合物:HDDA 5g
重合性化合物:DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート) 5g
光重合開始剤:LucirinTPO−L
(アシルフォスフィンオキサイド化合物、BASF製) 0.8g
着色剤:Y−1 0.4g
上記の成分を攪拌混合し、イエローインクを得た。
Figure 2006160916
Figure 2006160916
(評価)
得られたインク組成物をインクジェットプリンター(印字密度300dpi、打滴周波数4kHz、ノズル数64)でアート紙上に印字してから、Deep UVランプ(ウシオ製、SP−7)で15mJ/cm2のエネルギーとなる条件で露光し、印字サンプルを得た。
印字後10分経過したサンプルを下記評価項目にしたがって評価した。結果を表1に示す。
(硬化性)
印字面をタックフリーテストにて評価した。硬化皮膜を指で触れて、べたつきが無い場合をA、僅かにべたつきがある場合をB、著しくべたつく場合をCとして評価した。
(接着性)
硬化皮膜に、碁盤目状にカッターで切れ目をいれた後、その表面に粘着テープを貼り付け、ついで、粘着テープを剥離した際の基材上の硬化皮膜の残存状態を目視観察した。剥離が見られない場合をA、一部剥離が見られた場合をB、著しく剥離がみられた場合をCとして評価した。
(基材の反り)
インクを厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートシート上に印字した後、紫外線照射により硬化させて厚さ10μmの受理層を形成し、作製したフィルムの反りを水平な台に静置して評価した。カールの見られないものをA、カールが見られるものの印字に支障のないものをB、印字に支障のあるカールが見られるものをCとして評価した。
(透明性)
インクを厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートシート上に印字した後、紫外線照射により硬化させて厚さ10μmの受理層を形成した場合の印刷物の透明性を目視で評価した。透明性が良好なものをA、半透明性であるものをB,不透明であるものをCとして評価した。
(インク安定性)
調整したインク1gを直径5mlの試験管に入れ、室温で2週間静置し、インクの沈降を評価した。変化が見られないものをA、沈降が見られたものをCとして評価した。
Figure 2006160916
以上の結果から、実施例のものは、全て硬化性に優れ、また、他の評価も満足の行くレベルであった。
本発明によれば、色材として染料を用いた場合でも良好に硬化するインク組成物を提供することができる。更にインクの安定性が良好で、目詰まりが少なく、硬化後は基材への接着性や基材の反り、透明支持体に印字した場合のインクの透明性が良好であるインク組成物を提供することもできる。また、これらインク組成物を用いたインクジェット記録方法も提供できる。

Claims (4)

  1. 染料と、光重合開始剤と、脂環式アルキル置換基を有する(メタ)アクリレート又は(メタ)アクリルアミドとを含有することを特徴とするインクジェット用インク組成物。
  2. 染料が油溶性であることを特徴とする請求項1記載のインクジェット用インク組成物。
  3. 染料の酸化電位が1.0V(vsSCE)以上である請求項1又は2記載のインクジェット用インク組成物。
  4. 請求項1、2又は3記載のインク組成物をインクジェットプリンターにより被記録材料に印刷した後、印刷された該インク組成物に活性エネルギー線を照射して硬化させることを特徴とするインクジェット記録方法。
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