JP2010018739A - 顔料分散物、及び、それを用いたインク組成物 - Google Patents

顔料分散物、及び、それを用いたインク組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】微細な顔料の分散性及びその安定性に優れた顔料分散物及びそれを含有する、鮮明な色調と高い着色力を有する画像を形成しうる、インクジェット記録用途に好適なインク組成物を提供する。
【解決手段】(a)顔料、(b)下記一般式(1)で表される化合物、及び、(c)塩基性顔料分散剤を少なくとも含む顔料分散物。一般式(1)中、Rは、(m+n)価の有機連結基を表し、R及びRは単結合又は2価の有機連結基を表し、R、R、Rのいずれかに硫黄原子を含む。Aは、有機顔料に含まれる複素環を有する1価の複素環残基を表す。nは、1〜6、mは、2〜10を表し、m+nは、3〜11である。Aは、1価の酸性基を表す。
Figure 2010018739

【選択図】なし

Description

本発明は、着色剤である顔料の分散性及び分散安定性が良好な顔料分散物、及び、該顔料分散物を含有する、特にインクジェット記録用途に好適なインク組成物に関する。
画像データ信号に基づき、紙などの被記録媒体に画像を形成する画像記録方法として、電子写真方式、昇華型・溶融型の熱転写方式、インクジェット方式などが知られている。これらの中でも、前記インクジェット方式は、安価な装置で実施可能であり、かつ、必要とされる画像部のみにインクを吐出して被記録媒体上に直接画像形成を行うため、インクを効率良く使用でき、ランニングコストが安く、更に騒音が少なく、画像記録方式として優れている。前記インクジェット方式によれば、普通紙のみならずプラスチックシート、金属板など非吸水性の被記録媒体にも印字可能であるが、印字する際の高速化及び高画質化が重要な課題となっており、印字後の液滴の乾燥、硬化に要する時間が、画像の鮮鋭度に大きく影響する性質を有している。
前記インクジェット方式の一つとして、活性放射線の照射によって硬化可能なインクジェット記録用の硬化性インク組成物を用いた記録方式がある。この方法によれば、印字後直ちに放射線照射し、インク液滴を硬化させることで鮮鋭な画像を形成することができる。
前記硬化性インク組成物においては、発色性に優れた高精細画像を形成するため、高い顔料分散性と経時的安定性が求められる。一般に、インク組成物に鮮明な色調と高い着色力を付与するためには、顔料の微細化が必須であり、特にインクジェット記録用のインク組成物では、吐出されるインク液滴が画像の鮮鋭度に大きな影響を与えるため、吐出液滴も少量となり、かつ、該インク組成物によって形成されるインク硬化膜の膜厚よりも微細な粒子を用いることが必須となる。このように、高い着色力を得るために顔料をより微粒子化していくと、該顔料の分散が困難になり、顔料凝集体が生じてしまい、顔料分散剤を添加すると、インク組成物の粘度が上昇してしまうという問題が生ずる。顔料凝集体の発生やインク組成物の粘度上昇は、いずれもインク吐出性に悪影響を与え、インク組成物の性能の大幅な低下を招く。また、前記インクジェット方式に用いられるインク組成物は、カートリッジ内に収納され、吐出時には加熱され、非吐出時、保存時には降温するため、加熱−冷却の繰返し温度変化を受け、この温度変化も前記顔料分散性に悪影響を与え、経時的に顔料の分散性が低下し、増粘、凝集などが生じ易くなるという問題がある。
このため、充分な流動性を有し、かつ微細化された顔料を安定に分散させ、さらに、顔料分散の経時安定性に優れるインク組成物が求められており、従来に置いては、安定な顔料分散液を得るための分散剤について種々の提案がなされている。
例えば、顔料との親和性を向上させるため、顔料誘導体を分散剤として使用したインク組成物(特許文献1及び2参照)、フタロシアニン、キナクリドン系などの特定の顔料に対し、分散剤として塩基性基を有するポリマーを用いたインク組成物(特許文献3参照)、ポリ(エチレンイミン)−ポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)グラフトポリマーなどの分散剤と該分散剤を溶解させる特定のモノマーを含有する、有機溶剤を用いないインク組成物(特許文献4参照)が提案されている。
しかしながら、これらのインク組成物の場合、該分散剤の機能によって従来よりも顔料分散安定性は向上しているものの、使用されている顔料の微細化は不十分であり、更なる微小な顔料粒子の分散性向上効果には改良の余地があり、長期間経過後乃至繰返しの温度変化後の分散安定性が十分ではないという問題がある。
特開2003−119414公報 特開2004−18656公報 特開2003−321628公報 特開2004−131589公報
本発明が解決しようとする課題は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することである。即ち、本発明は、微細な顔料の分散性及びその安定性に優れた顔料分散物を提供することを目的とする。
また、本発明のさらなる目的は、前記本発明の顔料分散物を含有する、鮮明な色調と高い着色力を有する高画質の画像を形成することができ、活性放射線の照射により硬化しうる、インクジェット記録用途に好適なインク組成物を提供することにある。
前記課題を解決するために、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、特定のグラフト重合体を顔料分散剤として使用すると顔料分散性に優れ、また、長期の保存、繰り返し温度変化を経た後でも分散安定性の低下が効果的に抑制されたインク組成物が得られることを知見した。本発明は、本発明者らの知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。即ち、
<1>(a)顔料、(b)下記一般式(1)で表される化合物、及び、(c)塩基性顔料分散剤を少なくとも含む顔料分散物。
Figure 2010018739
前記一般式(1)において、Rは、(m+n)価の有機連結基を表し、R及びRは、それぞれ独立に単結合又は2価の有機連結基を表し、R、R、Rのいずれかに硫黄原子を含む。Aは、有機顔料に含まれる複素環を有する1価の複素環残基を表す。n個のA、Rは、同一であっても、異なっていてもよく、nは、1〜5、mは、2〜5を表し、m+nは、3〜6である。Aは、1価の酸性基を表す。m個のA、Rは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
<2> <1>に記載の顔料分散物を含有するインク組成物。
<3> さらに、(d)重合性化合物及び(e)重合開始剤を含む<2>記載のインク組成物。
<4> インクジェット記録用である<2>又は<3>に記載のインク組成物
本発明によれば、微細な顔料の分散性及びその安定性に優れた顔料分散物を提供することができる。
また、本発明によれば、微細な顔料の分散性及びその安定性に優れ、鮮明な色調と高い着色力を有する高画質の画像を形成することができ、活性放射線の照射により硬化しうる、インクジェット記録用途に好適なインク組成物を提供することができる。
本発明の顔料分散物は、(a)顔料、(b)下記一般式(1)で表される化合物、及び、(c)塩基性顔料分散剤を少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の成分を含有してなる。前記顔料分散物は、顔料の分散性が良好なので、前記(a)顔料を着色剤として含有するインク組成物に好適に利用しうる。
以下、本発明の顔料分散物に含まれる各成分について順次説明する。
<(b)一般式(1)で表される化合物>
(b)一般式(1)で表される化合物(以下、単に「(b)成分」と略称することがある)は、下記一般式(1)で表される重合体である。
本発明においては、前記(b)成分は、顔料分散剤として作用あるいは機能し、有機顔料に含まれる複素環を有する1価の複素環残基を有する構造であるので、以下に詳述する(a)顔料との親和性が高く、該(a)顔料に対する吸着性が良好である。また、前記(b)成分中の酸性基は、以下に詳述する本発明の必須成分である(c)塩基性顔料分散剤(以下、単に「(c)成分」と略称することがある)の塩基と酸−塩基相互作用し、前記(b)成分を介して(c)成分を(a)顔料に良好に吸着せしめることができるとともに、(c)成分中の媒体親和性の高い高分子鎖に由来する立体反発効果により、該(b)成分及び(c)成分を含む本発明の顔料分散物は(a)顔料の分散安定性に優れる。
下記一般式(1)で表される化合物は、少なくとも1種の有機色素を形成する構造と、少なくとも1種の酸性基を少なくとも1つ以上、好ましくはそれぞれ複数個有しているので、顔料表面に対する吸着性に優れ、顔料表面への塩基性分散剤の吸着性を高める顔料分散助剤として好適である。
Figure 2010018739
前記一般式(1)において、Rは、(m+n)価の有機連結基を表し、R及びRは、それぞれ独立に単結合又は2価の有機連結基を表し、R、R、Rのいずれかに硫黄原子を含む。Aは、有機顔料に含まれる複素環を有する1価の複素環残基を表す。n個のA、Rは、同一であっても、異なっていてもよく、nは、1〜5、mは、2〜5を表し、m+nは、3〜6の範囲にある。Aは、1価の酸性基を表す。m個のA、Rは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
以下、これらの置換基について説明する。
(置換基:A
前記一般式(1)において、Aは、有機顔料に含まれる複素環を有する1価の複素環残基を表す。n個のAは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
で表される置換基は、顔料吸着能を有する構造である有機顔料に含まれる複素環構造の残基、或いは、その残基に1〜200の炭素原子、20以下の窒素原子、100以下の酸素原子、1〜400の水素原子、及び40以下の硫黄原子から選択される原子を含んで構成される有機連結基が結合してなる前記1価の有機基(複素環残基)である。
前記A中に存在する有機顔料に含まれる複素環を有する1価の複素環残基(以下、単に「複素環残基」と略称することがある)について、以下に説明する。前記有機顔料に含まれる複素環を有する1価の複素環残基とは、有機顔料の部分骨格、或いは、顔料母核(発色原子団)として含まれる複素環構造であり、π−π相互作用、部分構造の平面性、媒体への低い溶解性、水素結合などの要因から、同一の複素環構造を含む顔料のみならず、異なる構造の顔料に関しても作用乃至機能して顔料表面に吸着するものと考えられる。
このような複素環構造を含む有機顔料としては、例えば、フタロシアニン系、不溶性アゾ系、アゾレーキ系、アントラキノン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、ジケトピロロピロール系、アントラピリジン系、アンサンスロン系、インダンスロン系、フラバンスロン系、ペリノン系、ペリレン系、チオインジゴ系などが挙げられ、これらに含まれる色素構造(複素環構造)などが好適に挙げられる。これらの中でも、フタロシアニン系、アゾレーキ系、アントラキノン系、ジオキサジン系、ジケトピロロピロール系の色素構造が好ましく、不溶性アゾ系、キナクリドン系、フタロシアニン系、アントラキノン系の色素構造がより好ましい。
前記複素環残基としては、例えば、チオフェン、フラン、キサンテン、ピロール、ピロリン、ピロリジン、ジオキソラン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、チアジアゾール、ピラン、ピリジン、ピペリジン、ジオキサン、モルホリン、ピリダジン、ピリミジン、ピペラジン、トリアジン、トリチアン、イソインドリン、イソインドリノン、ベンズイミダゾロン、ベンゾチアゾール、コハクイミド、フタルイミド、ナフタルイミド、ヒダントイン、インドール、キノリン、カルバゾール、アクリジン、アクリドン、アントラキノン、などの残基が好適に挙げられる。これらの中でも、ピロリン、ピロリジン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、イミダゾール、トリアゾール、ピリジン、ピペリジン、モルホリン、ピリダジン、ピリミジン、ピペラジン、トリアジン、イソインドリン、イソインドリノン、ベンズイミダゾロン、ベンゾチアゾール、コハクイミド、フタルイミド、ナフタルイミド、ヒダントイン、カルバゾール、アクリジン、アクリドン、アントラキノンなどの残基が好ましい。
なお、前記複素環残基は、更に置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、炭素数1〜20のアルキル基(メチル基、エチル基等)、炭素数6〜16のアリール基(フェニル基、ナフチル基等)、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、炭素数1〜6のアシルオキシ基(アセトキシ基等)、炭素数1〜20のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基等)、ハロゲン原子(塩素、臭素等)、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等)、シアノ基、炭酸エステル基(t−ブチルカーボネート等)、などが挙げられる。
ここで、前記複素環残基Aは、複素環にさらに2価の有機連結基を結合して構成される置換基であってもよい。Aに含まれうる2価の有機連結基としては、以下に示す構造を有する連結基、或いは、以下に示す構造が複数組み合わさって構成される2価の連結基が挙げられる。
Figure 2010018739
上記連結基のなかでも、好ましい構造を形成する組み合わせとしては、以下に示す構造から選ばれる組み合わせが挙げられる。なお、これら有機連結基はさらに置換基を有していてもよい。
Figure 2010018739
(1価の酸性基:A
前記Aを構成する酸性基について説明する。(b)成分は前記複素環残基の作用に加え、Aに由来する酸性基の作用により顔料表面に良好に吸着する。(a)有機顔料表面は一般に酸、塩基の両方が検出されることが多く、このうちの塩基性の領域が(b)成分中の酸性基Aと酸−塩基相互作用することで、(a)顔料と(b)成分の吸着性を向上し得る。
前記酸性基として、例えば、カルボン酸基、スルホン酸基、モノ硫酸エステル基、リン酸基、モノリン酸エステル基、ホウ酸基などが好適に挙げられる。これらのなかでも、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、モノリン酸エステル基が好ましく、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基がより好ましい。
ここで、前記酸性基Aは、酸性基と共に2価の有機基を含んで構成されてもよい。
に含まれうる2価の有機連結基としては、1〜100の炭素原子、10以下の窒素原子、50以下の酸素原子、1〜200の水素原子、及び20以下の硫黄原子から選択される原子を含んで構成される有機連結基が好ましく、該有機連結基は置換基で置換されていてもよい。
2価の有機連結基としては、以下に示す構造を有する連結基、或いは、以下に示す構造が複数組み合わさって構成される2価の有機連結基などが好適に挙げられる。
Figure 2010018739
上記連結基のなかでも、以下に示す構造が複数組み合わさって構成される2価の有機連結基などがより好ましい。
なお、これら有機連結基はさらに置換基を有していてもよい。
Figure 2010018739
前記A、Aに含まれる有機連結基が置換基を有する場合、導入可能な置換基としては、例えば、炭素数1〜20のアルキル基(メチル基、エチル基等)、炭素数6〜16のアリール基(フェニル基、ナフチル基等)、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、炭素数1〜6のアシルオキシ基(アセトキシ基等)、炭素数1〜6のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基等)、塩素、臭素等のハロゲン原子、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等)、炭酸エステル基(シアノ基、t−ブチルカーボネート等)、などが好適に挙げられる。
本発明においては、前記一般式(1)中の−R−Aが、前記1種の酸性基を複数有する1価の有機基である一般式(4)であることも好ましい態様である。
Figure 2010018739
前記一般式(4)において、Bは、カルボン酸、スルホン酸、リン酸より選ばれる酸性基であり、Rは、(a+1)価の有機連結基を表す。aは、2〜4の整数を表し、2〜3がより好ましく、2が最も好ましい。また、前記(a+1)価の有機連結基としては、1〜100の炭素原子、10以下の窒素原子、50以下の酸素原子、1〜200の水素原子、及び20以下の硫黄原子から選択される原子を含んで構成される基が挙げられる。Rで表される(a+1)価の有機連結基の中でも、1〜10の炭素原子、5以下の窒素原子、10以下の酸素原子、1〜30までの水素原子、及び5以下の硫黄原子qを含んで構成される有機連結基が特に好ましい。
前記(a+1)価の有機連結基Rの具体例としては、下記構造を示す連結基、或いは、下記構造の組合せにより構成される基などが好適に挙げられ、下記構造の組合せにより構成される連結基は環構造を形成していてもよい。
Figure 2010018739
前記(a+1)価の有機連結基は置換基を有するものであってもよく、導入可能な置換基としては、例えば、炭素数1〜20のアルキル基(メチル基、エチル基等)、炭素数6〜16のアリール基(フェニル基、ナフチル基等)、水酸基、アミノ基、カルボキシル基(アセトキシ基等)、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、炭素数1〜6のアシルオキシ基、炭素数1〜6のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基等)、ハロゲン原子(塩素、臭素等)、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等)、シアノ基、炭酸エステル基(t−ブチルカーボネート等)、などが挙げられる。
<R、R
前記一般式(1)において、R、Rは、それぞれ独立に単結合、又は2価の有機連結基を表す。n個のRは、同一であってもよいし、異なっていてもよく、m個のRは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
前記2価の有機連結基としては、1〜100の炭素原子、10以下の窒素原子、50以下の酸素原子、1〜200の水素原子、及び20以下の硫黄原子を含んで構成される基が好適に挙げられ、置換基で置換されていてもよい。
前記2価の有機連結基の具体例としては、下記構造を有するものや下記構造が2以上組合されて構成される基などが好適に挙げられる。
Figure 2010018739
前記R、Rとしては、単結合、又は、1〜50の炭素原子、8以下の窒素原子、25以下の酸素原子、1〜100の水素原子、及び10以下の硫黄原子から構成される2価の有機連結基が好ましく、単結合、又は、1〜30の炭素原子、6以下の窒素原子、15以下の酸素原子、1〜50の水素原子、及び7以下の硫黄原子を含んで構成される2価の有機連結基がより好ましく、単結合、又は、1〜10の炭素原子、5以下の窒素原子、10以下の酸素原子、1〜30の水素原子、及び5以下の硫黄原子から構成される2価の有機連結基が特に好ましい。
また、前記R、Rは(m+n)価の連結基R1と硫黄原子を介して結合する構造がより好ましい。
前記2価の有機連結基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、炭素数1〜20のアルキル基(メチル基、エチル基等)、炭素数6〜16のアリール基(フェニル基、ナフチル基等)、水酸基、アミノ基、カルボキシル基(アセトキシ基等)、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、炭素数1〜6のアシルオキシ基、炭素数1〜6のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基等)、ハロゲン原子(塩素、臭素等)、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等)、シアノ基、炭酸エステル基(t−ブチルカーボネート等)、などが挙げられる。
<R
前記一般式(1)において、Rは、(m+n)価の有機連結基を表す。m+nは、3〜6である。
前記Rで表される、(m+n)価の有機連結基としては、1〜100の炭素原子、10以下の窒素原子、50以下の酸素原子、1〜200の水素原子、及び20以下の硫黄原子から構成される基が含まれ、置換基で置換されていてもよい。
前記(m+n)価の有機連結基の具体例としては、下記の構造単位又はその組合せで構成される基(環構造を形成していてもよい)などが好適に挙げられる。
Figure 2010018739
前記(m+n)価の有機連結基としては、1〜60の炭素原子、10以下の窒素原子、40以下の酸素原子、1〜120の水素原子、及び10以下の硫黄原子から構成される基が好ましく、1〜50の炭素原子、10以下の窒素原子、30以下の酸素原子、1〜100の水素原子、及び7以下の硫黄原子を含んで構成される基がより好ましく、1〜40の炭素原子、8以下の窒素原子、20以下の酸素原子、1〜80の水素原子、及び5以下の硫黄原子から構成される基が特に好ましい。
前記(m+n)価の有機連結基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、炭素数1〜20のアルキル基(メチル基、エチル基等)、炭素数6〜16のアリール基(フェニル基、ナフチル基等)、水酸基、アミノ基、カルボキシル基(アセトキシ基等)、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、炭素数1〜6のアシルオキシ基、炭素数1〜6のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基等)、ハロゲン原子(塩素、臭素等)、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等)、シアノ基、炭酸エステル基(t−ブチルカーボネート等)、などが挙げられる。
<m及びn>
前記一般式(1)において、mは、1〜5を表し、2〜4がより好ましい。
また、nは、2〜5を表し、3〜5が好ましい。なお、m+nは、3〜6である。
ここで、前記Rで表される、前記(m+n)価の有機連結基の具体例〔(1)〜(17)〕を以下に示す。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2010018739
Figure 2010018739
上記具体例〔(1)〜(17)〕の中でも、原料の入手性、合成の容易さ、各種溶媒への溶解性の観点からは、下記(m+n)価の有機連結基が特に好ましい。
Figure 2010018739
本発明の顔料分散物は、一般式(1)で表される化合物の、R、R及びRのうちの少なくともいずれか1つに硫黄原子を含む。硫黄原子を含む基としては、スルフィド、スルホン、スルホキシド、チオエステル、スルホンアミド、メルカプト基などが挙げられる。なかでも、原料入手性や合成適性の観点からスルフィド結合を有する事が好ましい。R、R及びRに含まれる硫黄原子の数は1から11であることが好ましく、2〜10であることがより好ましく、3〜6であることが最も好ましい。
本発明においては、前記(b)成分は一般式(1)で表される化合物の中でも、下記一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2010018739
前記一般式(2)において、Aは、前記一般式(1)における前記Aと同義であり、好ましい態様も同様である。Aは、前記一般式(1)における前記Aと同義であり、好ましい態様も同様である。
及びRは、各々独立に、単結合又は2価の有機連結基を表す。r個のR、q個のRは、各々独立に、同一であってもよいし、異なっていてもよい。R及びRは、前記一般式(1)における、前記R及びRとそれぞれ同義であり、好ましい態様も同様である。q及びrは前記一般式(1)におけるm及びnとそれぞれ同義であり、好ましい態様も同様である。
前記一般式(2)において、Rは、(q+r)価の有機連結基を表す。q+rは、3〜6である。
前記Rで表される、(q+r)価の有機連結基としては、例えば、1〜60の炭素原子、10以下の窒素原子、50以下の酸素原子、1〜100の水素原子、及び20以下の硫黄原子を含んで構成される基が含まれ、さらに置換基を有していてもよい。
前記Rで表される、前記(q+r)価の有機連結基としては、前記Rにおける(q+r)価の有機連結基と同義であり、その好ましい態様も同様である。
前記一般式(2)において、qは、2〜5を表し、2〜4が好ましい。rは、1〜5を表し、2〜5が好ましい。なお、q+rは3〜6の範囲である。
前記一般式(2)で表される化合物のうち、上記q及びrに加え、以下に示す、R、R、R全てを満たすものが最も好ましい。
:前記具体例(1)、(2)、(10)、(11)、(16)、又は(17)
及びR:単結合、又は、下記の構造単位又はその組合せで構成される、1〜10の炭素原子、5以下の窒素原子、10以下の酸素原子、1〜30の水素原子、及び0〜5の硫黄原子から構成される2価の有機連結基(置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、炭素数1〜20のアルキル基(メチル基、エチル基等)、炭素数6〜16のアリール基(フェニル基、ナフチル基等)、水酸基、アミノ基、カルボキシル基(アセトキシ基等)、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、炭素数1〜6のアシルオキシ基、炭素数1〜6のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基等)、ハロゲン原子(塩素、臭素等)、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等)、シアノ基、炭酸エステル基(t−ブチルカーボネート等)、などが挙げられる。
Figure 2010018739
前記一般式(1)で表される化合物(一般式(2)で表されるものを含む)は、例えば、複数のメルカプタンを有する化合物と、炭素−炭素二重結合と複素環残基を有する化合物、及び炭素−炭素二重結合と酸性基を有する化合物を、反応させる方法により合成することができる。
一分子中に3〜10個のメルカプト基を有する化合物の具体例〔(18)〜(35)〕としては、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2010018739
Figure 2010018739
Figure 2010018739
上記化合物の具体例((18)〜(35))の中でも、原料の入手性、合成の容易さ、各種溶媒への溶解性の点で、以下の化合物が特に好ましい。
Figure 2010018739
前記一般式(1)におけるR-Aを形成する、またはRにAを導入するために用いうる、複素環残基を有し、かつ炭素−炭素二重結合を有する化合物としては、特に制限されないが、以下のものが好適に挙げられる。
Figure 2010018739
Figure 2010018739
Figure 2010018739
Figure 2010018739
前記一般式(1)におけるRを形成する、またはRにAを導入するために用いうる、前記酸性基を有し、かつ炭素−炭素二重結合を有する化合物としては、特に制限されないが、以下のものが好適に挙げられる。
Figure 2010018739
前記一分子中に3〜10個のメルカプト基を有する化合物と、前記顔料吸着構造を有し、かつ炭素−炭素二重結合を有する化合物とのラジカル付加反応生成物は、例えば、上記一分子中に3〜10個のメルカプト基を有する化合物及び前記顔料吸着構造を有し、かつ炭素−炭素二重結合を有する化合物を適当な溶媒中に溶解し、ここにラジカル発生剤を添加して、約50℃〜100℃で、付加させる方法(チオール−エン反応法)を利用して得ることができる。
前記チオール−エン反応法で用いられる適当な溶媒の例としては、一分子中に3〜10個のメルカプト基を有する化合物、前記顔料吸着構造を有し、かつ炭素−炭素二重結合を有する化合物、及び生成するラジカル付加反応生成物の溶解性に応じて任意に選択できる。
前記溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メトキシプロピルアセテート、乳酸エチル、酢酸エチル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、トルエン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
前記ラジカル発生剤としては、例えば、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、2,2’−アゾビス−(2,4’−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル等のアゾ化合物、ベンゾイルパーオキシドのような過酸化物、及び過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、などが挙げられる。
前記、複数のメルカプタンを有する化合物と、炭素−炭素二重結合と複素環残基を有する化合物、及び炭素−炭素二重結合と酸性基を有する化合物を、反応させる方法により合成できる、(b)成分の好ましい化合物例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2010018739
Figure 2010018739
本発明においては、前記(b)成分としては、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明のインク組成物における前記(b)成分の含有量としては、前記(a)顔料の添加量に対し、0.5〜50質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましく、1〜10質量%が特に好ましい。この範囲よりも小さい場合には分散安定性が低下する傾向にあり、この範囲よりも大きい場合には不溶化した(b)成分に由来する粘度上昇が起こり、インクジェットインクを作成した場合には吐出不良の原因になる。
<(c)塩基性顔料分散剤>
本発明のインク組成物においては、前記(b)成分に加えて、公知の(c)塩基性顔料分散剤を併用することを要する。この場合、公知の(c)塩基性顔料分散剤の前記インク組成物における含有量としては、前記(a)顔料の添加量に対し、1〜100質量%であるのが好ましく、5〜60%がより好ましく、10〜50%が最も好ましい。添加量がこの範囲である場合、良好な分散安定性が維持され、且つ、粘度が実用上問題になるほどに上昇することがないため、インクジェットインクを作製する場合にも、吐出不良などの懸念がない。
前記公知の(c)塩基性顔料分散剤としては、塩基性の高分子分散剤〔例えば、ポリアミドアミンとその塩、塩基性官能基変性ポリウレタン、塩基性官能基変性ポリエステル、塩基性官能基変性ポリ(メタ)アクリレート、〕、及び、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルカノールアミン、などが挙げられる。
前期高分子分散剤は、その構造からさらに直鎖状高分子、末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子に分類することができる。
前期高分子分散剤は、前記顔料の表面および、(b)成分が吸着した顔料の表面に吸着し、再凝集を防止する様に作用する。そのため、該顔料の表面へのアンカー部位を有する末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子が好ましい構造として挙げられる。一方、前記顔料誘導体は、前記顔料の表面を改質することで、高分子分散剤の吸着を促進させる効果を有する。
前記公知の入手容易な分散剤の具体例としては、(c)塩基性分散剤としては、ビニル重合体の他、変性ポリウレタン、ポリアミノアミドと酸エステルの塩、変性ポリエチレンイミン、変性ポリアリルアミンなどの重合体や塩基を含む市販分散剤についても同様に使用することができる。
市販分散剤の例としては、例えば、日本ルーブリゾール(株)製SOLSPERSE11200、SOLSPERSE13240、SOLSPERSE13650、SOLSPERSE13940、SOLSPERSE16000、SOLSPERSE17000、SOLSPERSE18000、SOLSPERSE20000、SOLSPERSE24000SC、SOLSPERSE24000GR、SOLSPERSE2600、SOLSPERSE28000、SOLSPERSE31845、SOLSPERSE32000、SOLSPERSE32500、SOLSPERSE32550、SOLSPERSE32600、SOLSPERSE33000、SOLSPERSE34750、SOLSPERSE35100、SOLSPERSE35200、SOLSPERSE37500、SOLSPERSE38500、SOLSPERSE39000、SOLSPERSE56000;
ビックケミー・ジャパン(株)製Disperbyk−101、Disperbyk−108、Disperbyk−109、Disperbyk−112、Disperbyk−116、Disperbyk−130、Disperbyk−140、Disperbyk−142、Disperbyk−145、Disperbyk−161、Disperbyk−162、Disperbyk−163、Disperbyk−164、Disperbyk−166、Disperbyk−167、Disperbyk−168、Disperbyk−180、Disperbyk−182、Disperbyk−183、Disperbyk−185、Disperbyk−184、Disperbyk−2000、Disperbyk−2001、Disperbyk−2020、Disperbyk−2050、Disperbyk−2070、Disperbyk−2150;
エフカアディティブズ ジャパン コリア社製 EFKA4008、EFKA4046、EFKA4047、EFKA4015、EFKA4020、EFKA4050、EFKA4055、EFKA4060、EFKA4080、EFKA4300、EFKA4330、EFKA4400、EFKA4401、EFKA4402、EFKA4403、EFKA4500、EFKA4510、EFKA4530、EFKA4800、EFKA;
味の素ファインテクノ(株)アジスパーPB−711、アジスパーPB−821、アジスパーPB−822などが好ましく用いられる。
本発明における(c)成分としては、アミノ基などの塩基性の官能基を有していれば特にポリマー構造についての制限はなく、エチレン性二重結合と塩基を共に含む化合物の単独重合体または共重合体の他、塩基を有する重縮合物、重付加物など公知の塩基性を示す重合体を使用することができる。好ましい構造としては、例えば、アミノ基を含有する重合体が好ましい。重合体としては、アミノ基を有するポリ(メタ)アクリレート、アミノ基を有するポリスチレン類、アミノ基を有するポリビニル化合物、アミノ基を有するポリウレタン、アミノ基を有するポリエステル、ポリアミン変性物などが挙げられる。
本発明に用いられる(c)塩基性顔料分散剤は、アミノ基とエチレン性二重結合とを有するモノマーの単独重合体または共重合体である構造が好ましく用いられ、アミン窒素原子とエチレン性二重結合とを有するモノマーとの共重合体であることが好ましい。アミノ基とエチレン性二重結合とを有するモノマーとしては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、1−(N,N−ジメチルアミノ)−1、1−ジメチルメチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノヘキシル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジイソプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジ−n−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジ−i−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、ピペリジノエチル(メタ)アクリレート、1−ピロリジノエチル(メタ)アクリレート、N,N−メチル−2−ピロリジルアミノエチル(メタ)アクリレート、及びN,N−メチルフェニルアミノエチル(メタ)アクリレート(以上(メタ)アクリレート類);(メタ)アクリロイルモルホリン、ピペリジノ(メタ)アクリルアミド、N−メチル−2−ピロリジル(メタ)アクリルアミド、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリルアミド、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル(メタ)アクリルアミド、3−(N,N−ジエチルアミノ)プロピル(メタ)アクリルアミド、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル(メタ)アクリルアミド、1−(N,N−ジメチルアミノ)−1,1−ジメチルメチル(メタ)アクリルアミド、及び6−(N,N−ジエチルアミノ)ヘキシル(メタ)アクリルアミド(以上(メタ)アクリルアミド類);p−ビニルベンジル−N,N−ジメチルアミン、p−ビニルベンジル−N,N−ジエチルアミン、及びp−ビニルベンジル−N,N−ジヘキシルアミン(以上ビニルベンジルアミン類);2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−ビニルイミダゾールが挙げられる。これらのうち、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、3−(N,N−ジエチルアミノ)プロピル(メタ)アクリルアミド、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル(メタ)アクリルアミド、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−ビニルイミダゾールなどが好ましい。
前記アミノ基とエチレン性二重結合とを有するモノマーと共重合するモノマーは、これらと共重合可能なモノマーであれば特に限定はなく公知のビニル化合物を使用することができる。これらと共重合可能な他のモノマーの例として、芳香族ビニル化合物(例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−ビニルイミダゾールなど)、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレートなど)、(メタ)アクリル酸アルキルアリールエステル(例えば、ベンジル(メタ)アクリレートなど)、(メタ)アクリル酸置換アルキルエステル(例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなど)、カルボン酸ビニルエステル(例えば、酢酸ビニル及びプロピオン酸ビニル)、シアン化ビニル(例えば、(メタ)アクリロニトリル及びα−クロロアクリロニトリル)、及び脂肪族共役ジエン(例えば、1、3−ブタジエン及びイソプレン)、不飽和カルボン酸(例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸及びフマル酸)を挙げることができる。これらの中で、不飽和カルボン酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸アルキルアリールエステル、及びカルボン酸ビニルエステルが好ましい。
(c)塩基性顔料分散剤に好適に用いられるビニル重合により得られる重合体の例を以下に示すが、本発明はこれらに制限されるものではない。
分散安定化の観点から(c)塩基性顔料分散剤は末端にエチレン性不飽和2重結合を有する重合性オリゴマーを共重合単位として含むグラフト共重合体である構造も好ましく用いられる。(c)塩基性顔料分散剤に使用される重合性オリゴマーとしては、公知ものを媒体との親和性に併せて使用できる。重合性オリゴマーとしては、特開2007−9117号公報段落番号〔0029〕〜〔0039〕に記載されているものも好ましく用いる事ができる。
本発明に係る(c)塩基性顔料分散剤は、アミノ基とエチレン性二重結合とを有するモノマーと前記重合性オリゴマー(マクロモノマー)から与えられる単位とからなる共重合体、または、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸アリールエステルからなる共重合体であることが好ましい。前記共重合体が、アミノ基子とエチレン性二重結合とを有するモノマー単位を、全繰り返し単位の2〜50重量%の範囲で有することが好ましく、5〜30重量%の範囲で有することがより好ましい。さらに、前記重合性オリゴマー(マクロモノマー)から与えられる単位を、全繰り返し単位の30〜98重量%含むことが好ましく、70〜95%含むことがさらに好ましい。この他のモノマーを共重合成分として導入する場合、式(1)で表される繰り返し単位を、全繰り返し単位の2〜40重量%の範囲で有することが好ましく、5〜20重量%の範囲で有することがさらに好ましい。さらに、前記重合性オリゴマー(マクロモノマー)から与えられる単位を、全繰り返し単位の30〜98重量%含むことが好ましく、60〜95%含むことがさらに好ましい。上記共重合体の重量平均分子量(Mw)は、1,000〜1,000,000の範囲が好ましく、特に10,000〜300,000の範囲が好ましい。この重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィにより測定されるポリスチレン換算重量平均分子量である。
(c)塩基性顔料分散剤に好適に用いられるビニル重合により得られる重合体の例を以下に示すが、本発明はこれらに制限されるものではない。尚、下記に記載の組成比は分子中に含まれるモノマー成分の質量比の平均値を表し、分子量はGPC測定により算出された標準ポリスチレン換算の重量平均分子量であり。組成比や平均分子量は塩基性顔料分散剤としての性質を損なわない範囲内で顔料、分散媒、用途に応じて任意に変更できる。
C−1)3−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド/9−ビニルベンジルアクリドン/メチルメタクリレート共重合体(AA−6 東亞合成(株)製)共重合体(組成比10:10:80、分子量152,000)
C−2)3−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート(AA−6 東亞合成(株)製)共重合体(組成比10:10:80、分子量84,300)
C−3)N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド/9−(4−ビニルベンジル)アクリドン/末端メタクリロイル化ポリブチルアクリレート(AB−6 東亞合成(株)製)共重合体(組成比10:10:80、分子量52,000)
C−4)N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド/エチルメタクリレート/末端メタクリロイル化ポリブチルアクリレート(AB−6 東亞合成(株)製)/メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(ブレンマー−PME−4000 日本油脂(株)製)共重合体(組成比10:10:80、分子量32,000)
C−5)N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート/末端アクリロイル化ポリカプロラクトン(プラクセルFA10L ダイセル化学(株)製)共重合体(組成比10:10:80、分子量62,000)
C−6)N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート/メチルメタクリレート/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート(AA−6 東亞合成(株)製)共重合体(組成比10:10:80、分子量102,000)
C−7)N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート共重合体(組成比10:10:80、分子量152,000)
C−8)N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート/メチルメタクリレート共重合体(組成比10:10:80、分子量42,000)
本発明の顔料分散物には、(c)成分を1種のみ添加してもよく、2種以上を併用してもよい。
顔料分散物中の(c)成分の含有量は、顔料の添加量に対し、1〜100質量%が好ましく、2〜50質量%であることがより好ましい。なお、(a)顔料として無機顔料を使用した場合の含有量は、顔料の添加量に対し1〜50質量%が好ましく、2〜20質量%であることがより好ましい。
<(a)顔料>
本発明の顔料分散物は顔料を必須成分として含む。
本発明の顔料分散物は、(b)成分及び(c)成分の作用により、粒径が小さい顔料粒子であっても顔料分散物中に、均一且つ安定に分散される。
本発明の顔料分散物に用いられる顔料には、特に制限はなく、目的に応じて公知の種々の顔料を適宜選択して用いることができる。
本発明の顔料分散物に含まれる顔料は、一般に用いられる有機顔料、無機顔料、さらには、樹脂粒子を染料で染色したもの等も用いることができる。通常、市販されている顔料はいずれも使用でき、さらに、市販の顔料分散体や表面処理剤などで予め処理された顔料、例えば、顔料を分散媒としての不溶性の樹脂等に分散させたもの、あるいは顔料表面に樹脂をグラフト化したもの等も、本発明の効果を損なわない限りにおいて用いることができる。
これらの顔料としては、例えば、伊藤征司郎編「顔料の辞典」(2000年刊)、W.Herbst,K.Hunger「Industrial Organic Pigments」、特開2002−12607号公報、特開2002−188025号公報、特開2003−26978号公報、特開2003−342503号公報に記載の顔料が挙げられる。
本発明に用いうる有機顔料及び無機顔料としては、例えば、イエロー色を呈するものとして、C.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG等),C.I.ピグメントイエロー74の如きモノアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー12(ジスアジイエロー等)、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー16、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー219の如きジスアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー100(タートラジンイエローレーキ等)の如きアゾレーキ顔料、C.I.ピグメントイエロー95(縮合アゾイエロー等)、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー166の如き縮合アゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー115(キノリンイエローレーキ等)の如き酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントイエロー18(チオフラビンレーキ等)の如き塩基性染料レーキ顔料、フラバントロンイエロー(Y−24)の如きアントラキノン系顔料、イソインドリノンイエロー3RLT(Y−110)の如きイソインドリノン顔料、キノフタロンイエロー(Y−138)の如きキノフタロン顔料、イソインドリンイエロー(Y−139)の如きイソインドリン顔料、C.I.ピグメントイエロー153(ニッケルニトロソイエロー等)の如きニトロソ顔料、C.I.ピグメントイエロー117(銅アゾメチンイエロー等)の如き金属錯塩アゾメチン顔料、C.I.ピグメントイエロー120(ベンズイミダゾロンイエロー)C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー175、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー181、C.I.ピグメントイエロー194等の如きアセトロン顔料等が挙げられる。
赤あるいはマゼンタ色を呈するものとしては、例えば、C.I.ピグメントレッド3(トルイジンレッド等)の如きモノアゾ系顔料、C.I.ピグメントレッド1、C.I.ピグメントレッド4、C.I.ピグメントレッド6等の如きB−ナフトール顔料、C.I.ピグメントレッド38(ピラゾロンレッドB等)の如きジスアゾ顔料、C.I.ピグメントレッド53:1(レーキレッドC等)やC.I.ピグメントレッド57:1(ブリリアントカーミン6B等)、C.I.ピグメントレッド52:1、C.I.ピグメントレッド48(B−オキシナフト酸レーキ等)の如きアゾレーキ顔料、C.I.ピグメントレッド144(縮合アゾレッド等)、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド214、C.I.ピグメントレッド221、C.I.ピグメントレッド242の如き縮合アゾ顔料、C.I.ピグメントレッド174(フロキシンBレーキ等)、C.I.ピグメントレッド172(エリスロシンレーキ等)の如き酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントレッド81(ローダミン6G’レーキ等)の如き塩基性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントレッド177(ジアントラキノニルレッド等)の如きアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントレッド88(チオインジゴボルドー等)の如きチオインジゴ顔料、C.I.ピグメントレッド194(ペリノンレッド等)の如きペリノン顔料、C.I.ピグメントレッド149(ペリレンスカーレット等)、
C.I.ピグメントレッド179、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド190、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド224の如きペリレン顔料、C.I.ピグメントバイオレット19(無置換キナクリドン)、C.I.ピグメントレッド122(キナクリドンマゼンタ等)、C.I.ピグメントレッド262、C.I.ピグメントレッド207、C.I.ピグメントレッド209の如きキナクリドン顔料、C.I.ピグメントレッド180(イソインドリノンレッド2BLT等)の如きイソインドリノン顔料、C.I.ピグメントレッド83(マダーレーキ等)の如きアリザリンレーキ顔料、C.I.ピグメントレッド171、C.I.ピグメントレッド175、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド208の如きナフトロン顔料、C.I.ピグメントレッド247の如きナフトールAS系レーキ顔料、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド21、C.I.ピグメントレッド170、C.I.ピグメントレッド187、C.I.ピグメントレッド256、C.I.ピグメントレッド268、C.I.ピグメントレッド269の如きナフトールAS顔料、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントレッド264、C.I.ピグメントレッド27の如き、ジケトピロロピロール顔料等が挙げられる。
青あるいはシアン色を呈する顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー25(ジアニシジンブルー等)の如きジスアゾ系顔料、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー16(フタロシアニンブルー等)の如きフタロシアニン顔料、C.I.ピグメントブルー24(ピーコックブルーレーキ等)の如き酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントブルー1(ビクロチアピュアブルーBOレーキ等)の如き塩基性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントブルー60(インダントロンブルー等)の如きアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントブルー18(アルカリブルーV−5:1)の如きアルカリブルー顔料等が挙げられる。
緑色を呈する顔料としては、例えば、C.I.ピグメントグリーン7(フタロシアニングリーン)、C.I.ピグメントグリーン36(フタロシアニングリーン)の如きフタロシアニン顔料、C.I.ピグメントグリーン8(ニトロソグリーン)、C.I.ピグメントグリーン10等の如きアゾ金属錯体顔料等が挙げられる。
オレンジ色を呈する顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ66(イソインドリンオレンジ)の如きイソインドリン系顔料、C.I.ピグメントオレンジ51(ジクロロピラントロンオレンジ)の如きアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントオレンジ2、C.I.ピグメントオレンジ3、C.I.ピグメントオレンジ5の如きΒ−ナフトール顔料、C.I.ピグメントオレンジ4、C.I.ピグメントオレンジ22、C.I.ピグメントオレンジ24、C.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ74等の如きナフトールAS顔料、C.I.ピグメントオレンジ61等の如きイソインドリノン顔料、C.I.ピグメントオレンジ43等の如きペリノン顔料、C.I.ピグメントオレンジ15、C.I.ピグメントオレンジ16等の如きジスアゾ顔料、C.I.ピグメントオレンジ48、C.I.ピグメントオレンジ49等の如きキナクリドン顔料、C.I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントオレンジ62、C.I.ピグメントオレンジ60、C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントオレンジ72等の如きアセトロン顔料、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ34等の如きピラゾロン顔料、が挙げられる。
茶色を呈する顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブラウン25、C.I.ピグメントブラウン32等のナフトロン顔料などが挙げられる。
黒色を呈する顔料としては、例えば、カーボンブラック、チタンブラック、C.I.ピグメントブラック1(アニリンブラック)等の如きインダジン顔料、C.I.ピグメントブラック31、C.I.ピグメントブラック32の如きペリレン顔料等が挙げられる。
白色顔料としては、例えば、塩基性炭酸鉛(2PbCOPb(OH)、いわゆる、シルバーホワイト)、酸化亜鉛(ZnO、いわゆる、ジンクホワイト)、酸化チタン(TiO、いわゆる、チタンホワイト)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO、いわゆる、チタンストロンチウムホワイト)などが利用可能である。白色顔料に使用される無機粒子は単体でも良いし、例えば、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタン等の酸化物や有機金属化合物、有機化合物との複合粒子であっても良い。
ここで、酸化チタンは他の白色顔料と比べて比重が小さく、屈折率が大きく化学的、物理的にも安定であるため、顔料としての隠蔽力や着色力が大きく、さらに、酸やアルカリ、その他の環境に対する耐久性にも優れている。したがって、白色顔料としては酸化チタンを利用することが好ましい。もちろん、必要に応じて他の白色顔料(列挙した白色顔料以外であってもよい。)を使用してもよい。
なお、白色以外の顔料分散物に用いる顔料の平均粒径は小さいほど発色性に優れるため、0.01〜0.4μm程度であることが好ましく、さらに好ましくは0.02〜0.3μmの範囲である。また、上記のような観点から、最大粒径は3μm以下、好ましくは1μm以下となるよう、顔料、特定分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を設定することが好ましい。
白色の顔料分散物に用いる顔料の平均粒径は充分な隠蔽性を与える観点で0.05〜1.0μm程度である事が好ましく、さらに好ましくは0.1〜0.4μm程度であることが好ましい。他色のインク組成物と同様に、最大粒径は3μm以下、好ましくは1μm以下となるように調整されることが好ましい。
この粒径管理によって、顔料分散物の保存安定性、顔料分散物の透明性を維持することができる。さらに、上記粒径を選択することで、本発明の顔料分散物を硬化性組成物として使用した場合の硬化感度を適切に維持することができ、従って、このような顔料分散物をインクジェット用インク組成物に適用する場合でも、ヘッドノズルの詰まりを抑制しうるという利点をも有する。
インク組成物中における顔料の粒径は、顔料分散物において述べたのと同様の方法により測定することができる。
本発明においては前記(b)成分、及び(c)塩基性分散剤の双方を用いるために、微粒子顔料を用いた場合でも、均一で安定な分散物が得られる。
顔料分散物中における顔料の粒径は、公知の測定方法で測定することができる。具体的には遠心沈降光透過法、X線透過法、レーザー回折・散乱法、動的光散乱法により測定することができ、本発明では、実施例に上述するように、光散乱回折式の粒度分布測定装置で測定した値を採用している。
<分散媒>
本発明の顔料分散物において、顔料などの諸成分を分散させる際に使用する分散媒としては、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、溶剤を分散媒としてもよいし、また、本発明の顔料分散物を後述するインク組成物のごとき硬化性を有する組成物に適用する場合には、溶媒を含まないか、或いは、含有量を極微量として、硬化成分である低粘度の重合性化合物を分散媒として用いてもよい。
分散媒として溶剤を用いる場合、該溶剤としては、公知のアルコール系溶剤、エステル系溶剤、エーテル系溶剤、炭化水素系溶剤などが好ましく用いられる。具体的には、アルキレンオキシドモノアルキルエーテル、アルキレンオキシドモノアルキルエーテルアセテート、アルキレングリコールジアセテート、ジカルボン酸ジエアルキルエステル、(メタ)アクリレート類、ジビニルエーテル類などが好ましい。
また、顔料分散物を後述するような活性エネルギー線硬化型のインク組成物等の着色硬化性組成物に適用する場合には、揮発性溶媒を含まないことが好ましく、沸点が180℃以上の高沸点溶剤、もしくは無溶剤であることが好ましい。そのような場合、重合性化合物を分散媒として使用することも好ましい。
本発明の顔料分散物は、着色剤として顔料を含むことから、着色剤の耐候性を必要とする用途、例えば、インク組成物、着色硬化性組成物などに好適に用いうる。また、この顔料分散物を各種組成物の着色成分として適用するに際しては、色相などを調整する目的で、染料を併用しても構わない。
また、顔料の分散安定性に優れた本発明の顔料分散物を含むインク組成物は、発色性に優れた鮮鋭な画像を形成することができるなど、種々の顔料を含む組成物に本発明の顔料分散物を適用することができる。
[2.インク組成物]
本発明のインク組成物は、本発明の顔料分散物を含む態様の好適な適用形態の一つであり、少なくとも、当該顔料分散物を含有し、好ましくは、(d)重合性化合物と、(e)重合開始剤と、を含むことを特徴とする。本発明のインク組成物には、前記顔料分散物を、インク組成物中おける(a)顔料の濃度が1質量%〜10質量%となる量で含有することが好ましい。
本発明のインク組成物は、本発明の顔料分散物を含有するため、微細顔料を用いた場合でも顔料の分散性、分散安定性に優れ、このため、発色性に優れたインク組成物となる。また、微細顔料を含む場合でもその分散性に優れるために、活性エネルギー線の照射又は加熱により硬化しうるインク組成物に適用してその効果が著しいといえる。
本発明のインク組成物は、前記本発明の顔料分散物を含有するが、硬化性のインク組成物とする場合には、重合性化合物を分散媒として含む本発明の顔料分散物を調製し、このような顔料分散物に、少なくとも重合開始剤を加えることにより得ることができる。
<顔料分散物>
本発明のインク組成物の好ましい態様である活性放射線の照射により硬化するインク組成物は、本発明の顔料分散物のうち、後述する(d)重合性化合物を分散媒として含む態様の顔料分散物を用いて調製すればよい。該顔料分散物が含有しうる各成分(顔料、特定重合体、重合性化合物、等)の種類及びその好適な態様の詳細は、既述の顔料分散物の説明にて詳述した通りである。
ここで、本発明のインク組成物における顔料の濃度については、1質量%〜10質量%であり、1質量%〜9質量%であることが好ましく、1.5質量%〜8.5質量%がより好ましい。インク組成物における顔料濃度は、インク組成物を調製する際において、本発明の顔料分散物の使用量を調製することにより設定することができる。
さらに、本発明のインク組成物が含む重合性化合物の含有量については、硬化性の観点から、インク組成物の全質量に対して、60質量%〜95質量%が好ましく、75質量%〜92質量%がより好ましい。
<(d)重合性化合物>
本発明のインク組成物を、硬化性のインク組成物とする場合には、(d)重合性化合物と後述する(e)重合開始剤とを含有することが好ましい。
前記(d)重合性化合物(以下、単に「(d)成分」又は「重合性化合物」と称することがある)は、外部からの刺激、例えば何らかのエネルギー付与、により重合反応を生じ、硬化可能な化合物であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、モノマー、オリゴマー、ポリマーの種を問わず使用することができるが、前記(e)重合開始剤から発生する重合開始種により、重合反応を生ずる、光カチオン重合性モノマー、光ラジカル重合性モノマーとして知られる各種公知の重合性のモノマーが好ましい。
前記重合性化合物は、1種単独で使用してもよいし、反応速度、インク物性、硬化膜物性等を調整する目的で2種以上を併用してもよい。
前記重合性化合物としては、単官能化合物であってもよいし、多官能化合物であってもよい。
−光カチオン重合性モノマー−
前記重合性化合物として使用可能な前記光カチオン重合性モノマーとしては、例えば、特開平6−9714号、特開2001−31892、同2001−40068、同2001−55507、同2001−310938、同2001−310937、同2001−220526などの各公報に記載されているエポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物などが好適に挙げられる。
前記エポキシ化合物としては、単官能エポキシ化合物であってもよいし、多官能エポキシ化合物であってもよい。
前記単官能エポキシ化合物としては、例えば、フェニルグリシジルエーテル、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、1,2−ブチレンオキサイド、1,3−ブタジエンモノオキサイド、1,2−エポキシドデカン、エピクロロヒドリン、1,2−エポキシデカン、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、3−メタクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−アクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−ビニルシクロヘキセンオキサイド等が挙げられる。
前記多官能エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールSジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンオキサイド、4−ビニルエポキシシクロヘキサン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールのジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル類、1,1,3−テトラデカジエンジオキサイド、リモネンジオキサイド、1,2,7,8−ジエポキシオクタン、1,2,5,6−ジエポキシシクロオクタン、などが挙げられる。
これらのエポキシ化合物の中でも、硬化速度に優れる点で、芳香族エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物が好ましく、脂環式エポキシ化合物が特に好ましい。
前記ビニルエーテル化合物としては、単官能ビニルエーテル化合物であってもよいし、多官能ビニルエーテル化合物であってもよい。
前記単官能ビニルエーテル化合物としては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルメチルビニルエーテル、4−メチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ジシクロペンテニルビニルエーテル、2−ジシクロペンテノキシエチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、ブトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、エトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、テトラヒドロフリフリルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、クロルブチルビニルエーテル、クロルエトキシエチルビニルエーテル、フェニルエチルビニルエーテル、フェノキシポリエチレングリコールビニルエーテル、などが挙げられる。
前記多官能ビニルエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ブチレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキサイドジビニルエーテル、ビスフェノールFアルキレンオキサイドジビニルエーテルなどのジビニルエーテル類;トリメチロールエタントリビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、エチレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテルなどの多官能ビニルエーテル類、などが挙げられる。
これらのビニルエーテル化合物の中でも、硬化性、被記録媒体との密着性、形成された画像の表面硬度等の点で、ジ又はトリビニルエーテル化合物が好ましく、ジビニルエーテル化合物が特に好ましい。
前記オキセタン化合物は、オキセタン環を有する化合物を意味し、その例としては、特開2001−220526、同2001−310937、同2003−341217の各公報に記載の公知オキセタン化合物が好適に挙げられる。
前記オキセタン化合物としては、本発明においては、その構造内にオキセタン環を1〜4個有する化合物が好ましい。このような化合物を使用すると、前記インク組成物の粘度をハンドリング性の良好な範囲に維持することが容易となり、また、硬化後のインクの被記録媒体との高い密着性を得ることができる点で有利である。
前記オキセタン化合物としては、単官能オキセタン化合物であってもよいし、多官能オキセタン化合物であってもよい。
前記単官能オキセタン化合物としては、例えば、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−(メタ)アリルオキシメチル−3−エチルオキセタン、(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチルベンゼン、4−フルオロ−〔1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、4−メトキシ−〔1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、〔1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)エチル〕フェニルエーテル、イソブトキシメチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−エチルヘキシル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチルジエチレングリコール(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンタジエン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラヒドロフルフリル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−テトラブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−トリブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシプロピル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ブトキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタクロロフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、などが挙げられる。
前記多官能オキセタン化合物としては、例えば、3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−オキサ−ノナン、3,3’−(1,3−(2−メチレニル)プロパンジイルビス(オキシメチレン))ビス−(3−エチルオキセタン)、1,4−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、1,2−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エタン、1,3−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]プロパン、エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリシクロデカンジイルジメチレン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、1,4−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ブタン、1,6−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ヘキサン、ペンタエリスリトールトリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ポリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジトリメチロールプロパンテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールF(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、などが挙げられる。
前記オキセタン化合物としては、これらのほかに、前記特開2003−341217公報、段落番号〔0021〕〜〔0084〕に詳述された化合物も本発明において好適に使用することができる。
上述した前記オキセタン化合物の中でも、本発明においては、インク組成物の粘度と粘着性の点で、オキセタン環を1〜2個有する化合物が好ましい。
本発明のインク組成物においては、(d)重合性化合物を、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよいが、インク硬化時の収縮を効果的に抑制する観点からは、少なくとも1種の前記オキセタン化合物と、エポキシ化合物及びビニルエーテル化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物と、を併用することが好ましい。
−光ラジカル重合性モノマー−
本発明において、(d)重合性化合物として使用可能な前記光ラジカル重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリルアミド類、芳香族ビニル類、などが挙げられる。なお、本発明において、「アクリレート」、「メタクリレート」の双方或いはいずれかを指す場合「(メタ)アクリレート」と、「アクリル」、「メタクリル」の双方或いはいずれかを指す場合「(メタ)アクリル」と、それぞれ記載することがある。
前記(メタ)アクリレート類としては、単官能(メタ)アクリレート類であってもよいし、多官能(メタ)アクリレート類であってもよい。
前記単官能(メタ)アクリレート類としては、例えば、ヘキシル基(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、tert−オクチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−n−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エチヘキシルジグリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−クロロエチル(メタ)アクリレート、4−ブロモブチル(メタ)アクリレート、シアノエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブトシキメチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、アルコキシメチル(メタ)アクリレート、アルコキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2,2,2−テトラフルオロエチル(メタ)アクリレート、1H,1H,2H,2Hパーフルオロデシル(メタ)アクリレート、4−ブチルフェニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2,4,5−テトラメチルフェニル(メタ)アクリレート、4−クロロフェニル(メタ)アクリレート、フェノキシメチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキシドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシド(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキシド(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴプロピレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、2−メタクリロイロキシチルコハク酸、2−メタクリロイロキシヘキサヒドロフタル酸、2−メタクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、EO変性フェノール(メタ)アクリレート、EO変性クレゾール(メタ)アクリレート、EO変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、PO変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、EO変性−2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、などが挙げられる。
前記多官能(メタ)アクリレートとしては、二官能、三官能、四官能、五官能、六官能のものなどが挙げられる。
前記二官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ブチルエチルプロパンジオール(メタ)アクリレート、エトキシ化シクロヘキサンメタノールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングルコールジ(メタ)アクリレート、オリゴエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチル−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFポリエトキシジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、オリゴプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチルプロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグルコールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
前記三官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ((メタ)アクリロイルオキシプロピル)エーテル、イソシアヌル酸アルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ヒドロキシピバルアルデヒド変性ジメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリアクリレート、などが挙げられる。
前記四官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、などが挙げられる。
前記五官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、などが挙げられる。
前記六官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、フォスファゼンのアルキレンオキサイド変性ヘキサ(メタ)アクリレート、カプトラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、などが挙げられる。
前記(メタ)アクリルアミド類としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、などが挙げられる。
前記芳香族ビニル類としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、クロルメチルスチレン、メトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、ブロムスチレン、ビニル安息香酸メチルエステル、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン、3−プロピルスチレン、4−プロピルスチレン、3−ブチルスチレン、4−ブチルスチレン、3−ヘキシルスチレン、4−ヘキシルスチレン、3―オクチルスチレン、4−オクチルスチレン、3−(2−エチルヘキシル)スチレン、4−(2−エチルヘキシル)スチレン、アリルスチレン、イソプロペニルスチレン、ブテニルスチレン、オクテニルスチレン、4−t−ブトキシカルボニルスチレン、4−メトキシスチレン、4−t−ブトキシスチレン、などが挙げられる。
前記光ラジカル重合性モノマーとしては、更に、ビニルエステル類[酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニルなど]、アリルエステル類[酢酸アリルなど]、ハロゲン含有単量体[塩化ビニリデン、塩化ビニルなど]、ビニルエーテル[メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、メトキシビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、クロロエチルビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテルなど]、シアン化ビニル[(メタ)アクリロニトリルなど]、オレフィン類[エチレン、プロピレンなど]、なども使用することができる。
これらの中でも、硬化速度の点で、(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリルアミド類が好ましく、4官能以上の(メタ)アクリレートがより好ましく、また、インク組成物の粘度の点で、多官能(メタ)アクリレートと、単官能若しくは2官能の(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミドとを併用することが好ましい。
(d)重合性化合物の前記インク組成物における含有量としては、該インク組成物の全固形分に対し、50〜95質量%が好ましく、60〜92質量%がより好ましく、70〜90質量%が特に好ましい。
<(e)重合開始剤>
本発明のインク組成物は、瞬時に乾燥硬化させる観点から、顔料分散物に(d)重合性化合物と共に(e)重合開始剤を加えることも好ましい。
本発明のインク組成物に用いられる重合開始剤としては、熱重合開始剤及び光重合開始剤のいずれであってもよい。熱重合開始剤を含むと、インク組成物は加熱により良好な硬化性を示す。また、光重合開始剤を含むと、インク組成物は活性エネルギー線の照射により硬化する。本発明のインク組成物を用いて画像を形成する場合、鮮鋭な画像を得るためには、インク組成物を瞬時に硬化させることが好ましい。このため、本発明のインク組成物には、重合開始剤として光重合開始剤を用いることが好ましい。また、本発明のインク組成物は顔料の分散安定性が良好であるため、光重合開始剤存在化での保存安定性が良好であることも特徴の一つである。
ここで活性エネルギー線とは、その照射によりインク組成物中において開始種を発生させうるエネルギーを付与することができるものであれば、特に制限はなく、α線、γ線、X線、紫外線、可視光線、電子線などを包含する。これらのうち、硬化感度及び装置の入手容易性の観点からは、紫外線又は電子線が好ましく、紫外線がより好ましい。したがって、本発明のインク組成物としては、放射線として、紫外線を照射することにより硬化可能なものが好ましい。紫外線を発生させる光源としては、300nm〜400nmに発光波長を有するものが好ましく、公知の紫外線ランプである低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、ショートアーク放電ランプ、紫外線発光ダイオード、半導体レーザー、蛍光灯などを使用することができ、開始剤に適した光量や波長により、高圧放電ランプに属する高圧水銀ランプやメタルハライドランプ、ショートアーク放電ランプに属するキセノンランプが好ましく用いられる。また、省エネルギーの観点から紫外線発光ダイオードも好ましく用いられる。
本発明のインク組成物は、ラジカル重合の重合開始剤を含有することが好ましく、光重合開始剤を含有することがより好ましい。
<光重合開始剤>
光重合開始剤は、光の作用、又は、増感色素の電子励起状態との相互作用を経て、化学変化を生じ、ラジカル、酸及び塩基のうちの少なくともいずれか1種を生成する化合物である。
光重合開始剤は、照射される活性光線、例えば、波長が400nm〜200nmの紫外線、遠紫外線、g線、h線、i線、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光、電子線、X線、分子線又はイオンビームなどに感度を有するものを適宜選択して使用することができる。
光重合開始剤としては、当業者間で公知のものを制限なく使用でき、例えば、Bruce M. Monroeら著、Chemical Revue,93,435(1993).や、R.S.Davidson著、Journal of Photochemistry and biology A :Chemistry,73.81(1993).や、J.P.Faussier ”Photoinitiated Polymerization−Theory and Applications” :Rapra Review vol.9,Report,Rapra Technology(1998).や、M.Tsunooka et al.,Prog.Polym.Sci.,21,1(1996).に多く記載されているものを使用することができる。また、有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照に記載されている化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物を使用することができる。さらには、F.D.Saeva,Topics in Current Chemistry,156,59(1990).、G.G.Maslak,Topics in Current Chemistry,168,1(1993).、H.B.Shuster et al,JACS,112,6329(1990).、I.D.F.Eaton et al,JACS,102,3298(1980).等に記載されているような、増感色素の電子励起状態との相互作用を経て、酸化的もしくは還元的に結合解裂を生じる化合物群も知られる。
光重合開始剤としては、(i)芳香族ケトン類、(ii)芳香族オニウム塩化合物、(iii)有機過酸化物、(iv)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(v)ケトオキシムエステル化合物、(vi)ボレート化合物、(vii)アジニウム化合物、(viii)メタロセン化合物、(ix)活性エステル化合物、(x)炭素ハロゲン結合を有する化合物等が好ましい。
(i)芳香族ケトン類としては、「RADIATION CURING IN POLYMER SCIENCE AND TECHNOLOGY」J.P.FOUASSIER J.F.RABEK (1993)、p77〜117記載のベンゾフェノン骨格或いはチオキサントン骨格を有する化合物等が好ましく、特公昭47−6416記載のα−チオベンゾフェノン化合物、特公昭47−3981記載のベンゾインエーテル化合物、特公昭47−22326記載のα−置換ベンゾイン化合物、特公昭47−23664記載のベンゾイン誘導体、特開昭57−30704号公報記載のアロイルホスホン酸エステル、特公昭60−26483号公報記載のジアルコキシベンゾフェノン、特公昭60−26403号公報、特開昭62−81345号公報記載のベンゾインエーテル類、特公平1−34242号公報、米国特許第4,318,791号、ヨーロッパ特許0284561A1号記載のα−アミノベンゾフェノン類、特開平2−211452号公報記載のp−ジ(ジメチルアミノベンゾイル)ベンゼン、特開昭61−194062号公報記載のチオ置換芳香族ケトン、特開昭58−15471号公報記載のアシルフォスフィンオキサイド、特公平2−9597号公報記載のアシルホスフィンスルフィド、特公平2−9596号公報記載のアシルホスフィン、特公昭63−61950号公報記載のチオキサントン類、特公昭59−42864号公報記載のクマリン類等、特公昭60−8047号公報、特公昭63−40799号公報に記載のモノアシルホスフィンオキサイド、特開平3−101686号、特開平5−345790号、特開平6−298818号に記載のビスアシルホスフィンオキサイドがより好ましい。
(ii)芳香族オニウム塩としては、周期律表の第V、VI及びVII族の元素、具体的にはN、P、As、Sb、Bi、O、S、Se、Te、又はIの芳香族オニウム塩が含まれる。例えば、欧州特許104143号明細書、米国特許4837124号明細書、特開平2−150848号公報、特開平2−96514号公報に記載されるヨードニウム塩類、欧州特許370693号、同233567号、同297443号、同297442号、同279210号、及び同422570号各明細書、米国特許3902144号、同4933377号、同4760013号、同4734444号、及び同2833827号各明細書に記載されるスルホニウム塩類、ジアゾニウム塩類(置換基を有してもよいベンゼンジアゾニウム等)、ジアゾニウム塩樹脂類(ジアゾジフェニルアミンのホルムアルデヒド樹脂等)、N−アルコキシピリジニウム塩類等(例えば、米国特許4,743,528号明細書、特開昭63−138345号、特開昭63−142345号、特開昭63−142346号、及び特公昭46−42363号各公報等に記載されるもので、具体的には1−メトキシ−4−フェニルピリジニウム テトラフルオロボレート等)、さらには特公昭52−147277号、同52−14278号、及び同52−14279号各公報記載の化合物が好適に使用される。活性種としてラジカルや酸を生成する。
(iii)有機過酸化物としては、分子中に酸素−酸素結合を1個以上有する有機化合物のほとんど全てが含まれるが、例えば、3,3′4,4′−テトラ−(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′4,4′−テトラ−(t−アミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′4,4′−テトラ−(t−ヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′4,4′−テトラ−(t−オクチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′4,4′−テトラ−(クミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′4,4′−テトラ−(p−イソプロピルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、ジ−t−ブチルジパーオキシイソフタレートなどの過酸化エステル系が好ましい。
(iv)ヘキサアリールビイミダゾールとしては、例えば、特公昭45−37377号公報、特公昭44−86516号公報記載のロフィンダイマー類、例えば2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2′−ビス(o,o′−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−メチルフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−トリフルオロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
(v)ケトオキシムエステルとしては、例えば、3−ベンゾイロキシイミノブタン−2−オン、3−アセトキシイミノブタン−2−オン、3−プロピオニルオキシイミノブタン−2−オン、2−アセトキシイミノペンタン−3−オン、2−アセトキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンゾイロキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、3−p−トルエンスルホニルオキシイミノブタン−2−オン、2−エトキシカルボニルオキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン等が挙げられる。
(vi)ボレート塩としては、例えば、米国特許3,567,453号公報、同4,343,891号公報、ヨーロッパ特許109,772号公報、同109,773号公報に記載されている化合物が挙げられる。
(vii)アジニウム塩化合物としては、例えば、特開昭63−138345号、特開昭63−142345号公報、特開昭63−142346号公報、特開昭63−143537号公報ならびに特公昭46−42363号公報記載のN−O結合を有する化合物群が挙げられる。
(viii)メタロセン化合物としては、例えば、特開昭59−152396号公報、特開昭61−151197号公報、特開昭63−41484号公報、特開平2−249号公報、特開平2−4705号公報記載のチタノセン化合物ならびに、特開平1−304453号公報、特開平1−152109号公報記載の鉄−アレーン錯体が挙げられる。
前記チタノセン化合物としては、例えば、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ジ−クロライド、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−フェニル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフェニ−1−イル、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピリ−1−イル)フェニル)チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(メチルスルホンアミド)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ブチルビアロイル−アミノ)フェニル〕チタン等が挙げられる。
(ix)活性エステル化合物としては、例えば、欧州特許0290750号公報、同046083号公報、同156153号公報、同271851号公報、及び同0388343号公報各明細書、米国特許3901710号公報、及び同4181531号公報の各明細書、特開昭60−198538号公報、及び特開昭53−133022号公報の各公報に記載されるニトロベンズルエステル化合物、欧州特許0199672号公報、同84515号公報、同199672号公報、同044115号公報、及び同0101122号公報の各明細書、米国特許4618564号公報、同4371605号公報、及び同4431774号公報の各明細書、特開昭64−18143号公報、特開平2−245756号公報、及び特開平4−365048号公報の各公報記載のイミノスルホネート化合物、特公昭62−6223号公報、特公昭63−14340号公報、及び特開昭59−174831号公報の各公報に記載される化合物等が挙げられる。
(x)炭素ハロゲン結合を有する化合物としては、例えば、若林ら著、Bull.Chem.Soc.Japan,42、2924(1969)記載の化合物、英国特許1388492号明細書記載の化合物、特開昭53−133428号公報記載の化合物、独国特許3337024号明細書記載の化合物等が挙げられる。
また、(x)炭素ハロゲン結合を有する化合物としては、例えば、F.C.Schaefer等によるJ.Org.Chem.29、1527(1964)記載の化合物、特開昭62−58241号公報記載の化合物、特開平5−281728号公報記載の化合物等が挙げられる。ドイツ特許第2641100号公報に記載されているような化合物、ドイツ特許第3333450号公報に記載されている化合物、ドイツ特許第3021590号に記載の化合物群、あるいはドイツ特許第3021599号公報に記載の化合物群、等が挙げられる。
光重合開始剤のうち少なくとも1種類は、α−アミノアセトフェノン化合物、アシルフォスフィンオキサイド化合物、α−ヒドロキシアセトフェノン化合物、及び、オキシムエステル化合物よりなる群から選択される光重合開始剤であることが好ましい。
〔α−アミノアセトフェノン化合物〕
α−アミノアセトフェノン化合物としては、下記一般式(I)で表される化合物を好ましく用いることができる。
Figure 2010018739
式中、Xは、下記一般式(a)、(b)又は(c)で表される基を表す。
Figure 2010018739
一般式(a)中、pは0又は1である。
12は水素原子、炭素数1以上8以下のアルキル基、又は、フェニル基を表す。X13、X14及びX15は、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。X13とX14とは互いに結合して炭素数3以上7以下のアルキレン基を形成してもよい。
なお、ここで、アルキル基とは、特に断りのない場合、直鎖状又は分岐状のアルキル基を意味する。以下、一般式(b)及び(c)の説明においても同様である。
Figure 2010018739
一般式(b)中、qは0から3の整数であり、rは0又は1である。
Figure 2010018739
一般式(c)中、X12は水素原子、炭素数1以上8以下のアルキル基、又は、フェニル基を表す。Yは水素原子、ハロゲン原子、OH基、炭素数1以上12以下のアルキル基、炭素数1以上12以下のアルコキシ基、芳香環基、又は複素環基を表す。該芳香環基としては、フェニル基、又は、ナフチル基が好ましく例示できる。また、該複素環基としては、フリル基、チエニル基、又は、ピリジル基が好ましく例示できる。
Yで表されるアルキル基、アルコキシ基、芳香環基、及び複素環基は置換基を有していてもよい。
Yで表されるアルキル基が有していてもよい置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、−N(X10(X10は水素原子、炭素数1以上8以下のアルキル基、炭素数3以上5以下のアルケニル基、炭素数7以上9以下のフェニルアルキル基、炭素数1以上4以下のヒドロキシアルキル基、もしくはフェニル基を表す。)、炭素数1以上12以下のアルコキシ基、−COOR(Rは炭素数1以上18以下のアルキル基を表す。)、−CO(OCHOCHOCH(nは1以上20以下の整数を表す。)、又は−OCOR(Rは炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。)が挙げられる。
Yで表されるアルコキシ基が有していてもよい置換基としては、−COOR(Rは炭素数1以上18以下のアルキル基を表す。)、又は、−CO(OCHCHOCH(nは1以上20以下の整数を表す。)が挙げられる。
Yで表される芳香環基又は複素環基が有していてもよい置換基としては、−(OCHCHOH(nは1以上20以下の整数を表す。)、−(OCHCHOCH(nは1以上20以下の整数を表す。)、炭素数1以上8以下のアルキルチオ基、フェノキシ基、−COOR(Rは炭素数1以上18以下のアルキル基を表す。)、−CO(OCHCHOCH(nは1以上20以下の整数を表す。)、フェニル基、又は、ベンジル基が挙げられる。
これら置換基は、可能であれば2以上有していてもよく、可能であれば、置換基をさらに有していてもよい。
式中、Xは、前記Xと同じ基、炭素数5若しくは6のシクロアルキル基、炭素数1以上12以下のアルキル基、又はフェニル基を表す。
で表されるアルキル基、及び、フェニル基は置換基を有していてもよい。
で表されるアルキル基が有していてもよい置換基としては、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、フェノキシ基、ハロゲン原子、又は、フェニル基が挙げられる。
で表されるフェニル基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上12以下のアルキル基、又は炭素数1以上4以下のアルコキシ基が挙げられる。
これら置換基は、可能であれば2以上導入されていてもよく、可能であれば置換基をさらに置換していてもよい。
また、式中、XとXとは架橋して次式で表される基を形成してもよい。
Figure 2010018739
式中、mは、1〜3の整数を表す。X13、X14は、前記したのと同義である。
一般式(I)中、Xは、水素原子、炭素数1以上12以下のアルキル基、炭素数3以上5以下のアルケニル基、炭素数5以上12以下のシクロアルキル基、又は、炭素数7以上9以下のフェニルアルキル基を表す。
で表されるアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、及びフェニルアルキル基は、置換基を有していてもよく、該置換基としては、OH基、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、−CN、又は、−COOR(Rは炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。)が挙げられる。
一般式(I)中、Xは炭素数1以上12以下のアルキル基、炭素数3以上5以下のアルケニル基、炭素数5以上12以下のシクロアルキル基、炭素数7以上9以下のフェニルアルキル基、又はフェニル基を表す。
で表されるアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、フェニルアルキル基、及びフェニル基は置換基を有していてもよい。
で表されるアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、及びフェニルアルキル基が有していてもよい置換基としては、OH基、炭素数1以上4以下のアルコキシル基、−CN、又は、−COOR(Rは炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。)が挙げられる。また、Xで表されるアルキル基が置換基を有する場合、置換されるアルキル基の炭素数は2以上4以下であることが好ましい。
で表されるフェニル基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上12以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、又は−COOR(Rは炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。)が挙げられる。
ここで、XとXとは互いに結合して炭素数1以上7以下のアルキレン基、炭素数7以上10以下のフェニルアルキレン基、o−キシリレン基、2−ブテニレン基、又は、炭素数2もしくは3のオキサ−もしくはアザ−アルキレン基を形成してもよい。
また、XとXとは互いに結合して炭素数3以上7以下のアルキレン基を形成してもよい。
とXとが互いに結合して形成するアルキレン基は、置換基として、水酸基、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、又は−COOR(Rは炭素数1以上4以下のアルキルを表す。)を有していてもよく、また、結合中に−O−、−S−、−CO−、又は、−N(X16)−(X16は水素原子、炭素数1以上12以下のアルキル基、又は、結合鎖中に1もしくは2以上の−O−、炭素数3以上5以下のアルケニル基、炭素数7以上9以下のフェニルアルキル基、炭素数1以上4以下のヒドロキシアルキル基、−CHCHCN、−CHCHCOOR(Rは炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。)、炭素数2以上8以下のアルカノイル基もしくはベンゾイル基を介在させた炭素数1以上12以下のアルキル基を表す。)を介在させてもよい。
式中、X、X、X、X、及びXは、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上12以下のアルキル基、炭素数5もしくは6のシクロアルキル基、フェニル基、ベンジル基、ベンゾイル基、−OX17基、−SX18基、−SO−X18基、−SO−X18基、−N(X19)(X20)基、−NH−SO−X21基、又は、次式で表される基を表す。
Figure 2010018739
式中、Zは−O−、−S−、−N(X10)−X11−N(X10)−又は次式で表される基を表す。X、X、X及びXは、一般式(I)におけるX、X、X及びXと同義である。
Figure 2010018739
式中、X10は、前記と同じ、X11は炭素数が2以上16以下の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、又はこれらの鎖中に1以上の−O−、−S−、もしくは−N(X10)−が介在する炭素数が2以上16以下の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基(X10は前記と同じ)を表す。
17は、水素原子、炭素数1以上12以下のアルキル基、−(CHCHO)H(nは2以上20以下の整数)、炭素数2以上8以下のアルカノイル基、炭素数3以上12以下のアルケニル基、シクロヘキシル基、ヒドロシクロヘキシル基、フェニル基、炭素数7以上9以下のフェニルアルキル基、又は、−Si(R(R3−r(Rは炭素数1以上8以下のアルキル基、Rはフェニル基、rは1、2もしくは3)を表す。
17で表されるアルキル基、及び、フェニル基は置換基を有していてもよい。
17で表されるアルキル基が有していてもよい置換基としては、−CN、−OH、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、炭素数3以上6以下のアルケニルオキシ基、−OCHCHCN、−CHCHCOOR(Rは炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。)、−COOH、又は、−COOR(Rは炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。)が挙げられる。また、X17におけるアルキル基が置換基を有する場合、置換されるアルキル基の炭素数は1以上6以下であることが好ましい。
17で表されるフェニル基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上12以下のアルキル基、又は、炭素数1以上4以下のアルコキシ基が挙げられる。
18は、水素原子、炭素数1以上12以下のアルキル基、炭素数3以上12以下のアルケニル基、シクロヘキシル基、フェニル基、又は炭素数7以上9以下のフェニルアルキル基を表す。
18で表されるアルキル基、及びフェニル基は置換基を有していてもよい。
18で表されるアルキル基が有していてもよい置換基は、−SH、−OH、−CN、−COOR(Rは炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。)、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、−OCHCHCN、又は、−OCHCHCOOR(Rは炭素数1以上4以下のアルキルを表す。)が挙げられる。
18で表されるフェニル基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上12以下のアルキル基、又は炭素数1以上4以下のアルコキシ基が挙げられる。
19及びX20は、互いに独立して、水素原子、炭素数1以上12以下のアルキル基、炭素数2以上4以下のヒドロキシアルキル基、炭素数2以上10以下のアルコキシアルキル基、炭素数3以上5以下のアルケニル基、炭素数5以上12以下のシクロアルキル基、炭素数7以上9以下のフェニルアルキル基、フェニル基、ハロゲン原子、炭素数1以上12以下のアルキル基もしくは炭素数1以上4以下のアルコキシ基により置換されたフェニル基、炭素数2若しくは3のアルカノイル基、又はベンゾイル基を表す。また、X19とX20とは架橋して炭素数2以上8以下のアルキレン基、OH基、炭素数1以上4以下のアルコキシ基もしくは−COOR(Rは炭素数1以上4以下のアルキル)基により置換された炭素数2以上8以下のアルキレン基、又は、結合鎖中に−O−、−S−もしくは−N(X16)−を介在させた炭素数2以上8以下のアルキレン基(X16は前記と同じ)を形成してもよい。
21は、炭素数1以上18以下のアルキル基;フェニル基;ナフチル基;又は、ハロゲン原子、炭素数1以上12以下のアルキル基もしくは炭素数1以上8以下のアルコキシ基によって置換されたフェニル基もしくはナフチル基を表す。
一般式(I)で表される化合物は、下記一般式(d)で表される化合物であることがより好ましい。
Figure 2010018739
一般式(d)中、X及びXは、それぞれ独立に、メチル基、エチル基、又は、ベンジル基を表し、−NXはジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基又は、モルフォリノ基を表し、Xは、水素原子、炭素数1以上8以下のアルキル基、炭素数1以上8以下のアルコキシ基、炭素数1以上8以下のアルキルチオ基、ジメチルアミノ基、又は、モルフォリノ基を表す。これらの中でも−NXはジメチルアミノ基、又は、モルフォリノ基であることがより好ましい。
さらに、α−アミノアセトフェノン化合物として、前記一般式(I)で表される化合物の酸付加物塩を使用することもできる。
また、市販のα−アミノアセトフェノン化合物としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製からイルガキュア907(IRGACURE 907)、イルガキュア369(IRGACURE 369)、イルガキュア379(IRGACURE 379)の商品名で入手可能な重合開始剤が例示できる。
α−アミノアセトフェノン化合物として、具体的には、以下の化合物が例示できる。
例えば、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ジエチルアミノ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルホリノ−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−(4−メチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−1−(4−エチルフェニル)−2−メチルプロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−1−(4−イソプロピルフェニル)−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ブチルフェニル)−2−ジメチルアミノ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−1−(4−メトキシフェニル)−2−メチルプロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(IRGACURE 907)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン(IRGACURE 369)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−ジメチルアミノフェニル)−ブタン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォルニル)フェニル]−1−ブタノン(IRGACURE 379)などが挙げられる。
〔アシルフォスフィンオキサイド化合物〕
アシルフォスフィンオキサイド化合物としては、下記一般式(II)又は下記一般式(III)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2010018739
一般式(II)中、R及びRは、それぞれ独立に、脂肪族基、芳香族基、脂肪族オキシ基、芳香族オキシ基、複素環基を表し、Rは、脂肪族基、芳香族基、複素環基を表す。前記RとRは結合して5員環乃至9員環を形成してもよい。前記環構造は、環構造中に酸素原子、窒素原子、硫黄原子等を有する複素環であってもよい。
一般式(III)において、R、R又はRで表される脂肪族基は、例えば、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アラルキル基、又は置換アラルキル基等が挙げられ、中でも、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アラルキル基、又は置換アラルキル基が好ましく、アルキル基、置換アルキル基が特に好ましい。また、前記脂肪族基は、環状脂肪族基でも鎖状脂肪族基でもよい。鎖状脂肪族基は分岐を有していてもよい。
前記アルキル基としては、直鎖状、分岐状、環状のアルキル基が挙げられ、該アルキル基の炭素原子数としては、1以上30以下が好ましく、1以上20以下がより好ましい。置換アルキル基のアルキル部分の炭素原子数の好ましい範囲については、アルキル基の場合と同様である。前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、ネオペンチル基、イソプロピル基、イソブチル基等が挙げられる。
前記置換アルキル基の置換基としては、−COOH(カルボキシル基)、−SOH(スルホ基)、−CN(シアノ基)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、−OH(ヒドロキシ基)、炭素数30以下のアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基)、炭素数30以下のアルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、炭素数30以下のアシルアミノスルホニル基、炭素数30以下のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、ベンジルオキシ基、フェノキシエトキシ基、フェネチルオキシ基等)、炭素数30以下のアルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルチオエチルチオエチル基等)、炭素数30以下のアリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、p−トリルオキシ基、1−ナフトキシ基、2−ナフトキシ基等)、ニトロ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、炭素数30以下のアシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基等)、炭素数30以下のアシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基等)、カルバモイル基(例えば、カルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、モルホリノカルボニル基、ピペリジノカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、モルホリノスルホニル基、ピペリジノスルホニル基等)、炭素数30以下のアリール基(例えば、フェニル基、4−クロロフェニル基、4−メチルフェニル基、α−ナフチル基等)、置換アミノ基(例えば、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アシルアミノ基等)、置換ウレイド基、置換ホスホノ基、複素環基等が挙げられる。ここで、カルボキシル基、スルホ基、ヒドロキシ基、ホスホノ基は、塩の状態であってもよい。その際、塩を形成するカチオンは、陽イオンを形成し得る基であり、有機カチオン性化合物、遷移金属配位錯体カチオン(特許2791143号公報に記載の化合物等)又は金属カチオン(例えば、Na、K、Li、Ag、Fe2+、Fe3+、Cu、Cu2+、Zn2+、Al3+等)が好ましい。
前記アルケニル基としては、直鎖状、分岐状、環状のアルケニル基が挙げられ、該アルケニル基の炭素原子数としては、2以上30以下が好ましく、2以上20以下がより好ましい。また、該アルケニル基は、置換基を有する置換アルケニル基、無置換のアルケニル基のいずれであってもよく、置換アルケニル基のアルケニル部分の炭素原子数の好ましい範囲はアルケニル基の場合と同様である。前記置換アルケニル基の置換基としては、前記置換アルキル基の場合と同様の置換基が挙げられる。
前記アルキニル基としては、直鎖状、分岐状、環状のアルキニル基が挙げられ、該アルキニル基の炭素原子数としては、2以上30以下が好ましく、2以上20以下がより好ましい。また、該アルキニル基は、置換基を有する置換アルキニル基、無置換のアルキニル基のいずれであってもよく、置換アルキニル基のアルキニル部分の炭素原子数の好ましい範囲はアルキニル基の場合と同様である。置換アルキニル基の置換基としては、前記置換アルキル基の場合と同様の置換基が挙げられる。
前記アラルキル基としては、直鎖状、分岐状、環状のアルキル側鎖を有するアラルキル基が挙げられ、該アラルキル基の炭素原子数としては、7以上35以下が好ましく、7以上25以下がより好ましい。また、該アラルキル基は、置換基を有する置換アラルキル基、無置換のアラルキル基のいずれであってもよく、置換アラルキル基のアラルキル部分の炭素原子数の好ましい範囲はアラルキル基の場合と同様である。置換アラルキル基の置換基としては、前記置換アルキル基の場合と同様の置換基が挙げられる。また、アラルキル基のアリール部分が置換基を有していてもよく、該置換基としては前記アルキル基の場合と同様の置換基及び炭素数30以下の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基が例示できる。
一般式(II)において、R、R又はRで表される芳香族基としては、例えば、アリール基、置換アリール基が挙げられる。アリール基の炭素原子数としては、6以上30以下が好ましく、6以上20以下がより好ましい。置換アリール基のアリール部分の好ましい炭素原子数の範囲としては、アリール基と同様である。前記アリール基としては、例えば、フェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基等が挙げられる。置換アリール基の置換基としては、前記置換アルキル基の場合と同様の置換基及び炭素数30以下の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基が挙げられる。
一般式(II)において、R又はRで表される脂肪族オキシ基としては、炭素数1以上30以下のアルコキシ基が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、オクチルオキシ基、フェノキシエトキシ基等が挙げられる。但し、これらに限定されるものではない。
一般式(II)において、R又はRで表される芳香族オキシ基としては、炭素数6以上30以下のアリールオキシ基が好ましく、例えば、フェノキシ基、メチルフェニルオキシ基、クロロフェニルオキシ基、メトキシフェニルオキシ基、オクチルオキシフェニルオキシ基等が挙げられる。但し、これらに限定されるものではない。
一般式(II)において、R、R又はRで表される複素環基としては、N、O又はS原子を含む複素環基が好ましく、例えば、ピリジル基、フリル基、チエニル基、イミダゾリル基、ピロリル基等が挙げられる。
Figure 2010018739
一般式(III)中、R及びRは、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、又は複素環基を表し、Rは、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、又は複素環基を表す。
一般式(III)において、R、R又はRで表される、アルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシ基及びアリールオキシ基は、置換基を有していてもよく、該置換基としては、前記一般式(II)における場合と同様の置換基が挙げられる。
一般式(III)におけるアルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシ基及びアリールオキシ基としては、前記一般式(II)における場合と同義である。
前記一般式(II)で表される化合物は、下記一般式(IV)で表される化合物であることがより好ましい。
Figure 2010018739
一般式(IV)中、R及びRは、それぞれ独立に、フェニル基、メトキシ基、又はイソプロポキシ基を表し、Rは、2,4,6−トリメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2−メチルフェニル基(o−トルイル基)、イソブチル基、又はt−ブチル基を表す。
前記一般式(III)で表される化合物は、下記一般式(V)で表される化合物であることがより好ましい。
Figure 2010018739
一般式(V)中、R10及びR12は、それぞれ独立に、2,4,6−トリメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、又は、2,6−ジメトキシフェニル基を表し、R11はフェニル基、又は2,4,4−トリメチルペンチル基を表す。
前記一般式(II)又は(III)で表されるアシルフォスフィンオキサイド化合物としては、例えば、特公昭63−40799号公報、特公平5−29234号公報、特開平10−95788号公報、特開平10−29997号公報等に記載の化合物を挙げることできる。
具体的なアシルフォスフィンオキサイド化合物の例としては、以下に示す化合物(例示化合物(P−1)〜(P−26))が挙げられるが、本発明においては、これらに限定されるものではない。
Figure 2010018739
Figure 2010018739
Figure 2010018739
アシルホスフィンオキサイド化合物としては、モノアシルホスフィンオキサイド化合物及びビスアシルホスフィンオキサイド化合物等を使用することができ、モノアシルホスフィンオキサイド化合物としては、公知のモノアシルホスフィンオキサイド化合物を使用することができる。例えば特公昭60−8047号公報、特公昭63−40799号公報に記載のモノアシルホスフィンオキサイド化合物が挙げられる。具体例としては、イソブチリル−メチルホスフィン酸メチルエステル、イソブチリル−フェニルホスフィン酸メチルエステル、ピバロイル−フェニルホスフィン酸メチルエステル、2−エチルヘキサノイル−フェニルホスフィン酸メチルエステル、ピバロイル−フェニルホスフィン酸イソプロピルエステル、p−トルイル−フェニルホスフィン酸メチルエステル、o−トルイル−フェニルホスフィン酸メチルエステル、2,4−ジメチルベンゾイル−フェニルホスフィン酸メチルエステル、p−三級ブチルベンゾイル−フェニルホスフィン酸イソプロピルエステル、アクリロイル−フェニルホスフィン酸メチルエステル、イソブチリル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2−エチルヘキサノイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、o−トルイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、p−三級ブチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、3−ピリジルカルボニル−ジフェニルホスフィンオキサイド、アクリロイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、ベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、ピバロイル−フェニルホスフィン酸ビニルエステル、アジポイル−ビス−ジフェニルホスフィンオキサイド、ピバロイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、p−トルイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、4−(三級ブチル)−ベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2−メチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2−メチル−2−エチルヘキサノイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、1−メチル−シクロヘキサノイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、ピバロイル−フェニルホスフィン酸メチルエステル及びピバロイル−フェニルホスフィン酸イソプロピルエステル等が挙げられる。
ビスアシルホスフィンオキサイド化合物としては公知のビスアシルホスフィンオキサイド化合物が使用できる。例えば特開平3−101686号、特開平5−345790号、特開平6−298818号に記載のビスアシルホスフィンオキサイド化合物が挙げられる。具体例としては、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−2−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−1−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−4−クロルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−2,4−ジメトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−デシルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−4−オクチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロル−3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロル−3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メトキシ−1−ナフトイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−クロル−1−ナフトイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
これらの中でも、本発明において、アシルホスフィンオキサイド化合物としては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド(IRGACURE 819:チバスペシャルティケミカルズ社製)、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(DAROCUR TPO:チバスペシャルティケミカルズ社製、LUCIRIN TPO:BASF社製)などが好ましい。
〔α−ヒドロキシアセトフェノン化合物〕
α−ヒドロキシアセトフェノン化合物は、下記一般式(VI)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2010018739
一般式(VI)中、Rは、水素原子、炭素数1以上10以下のアルキル基、又は炭素数1以上10以下のアルコキシ基を表す。R、Rは、互いに独立して、水素原子、又は、炭素数1以上10以下のアルキル基を表す。また、RとRは結合して炭素数4以上8以下の環を形成していてもよい。
上記アルキル基、アルコキシ基、アルキル基及び炭素数4以上8以下の環は、置換基を有していてもよく、置換基としては一般式(II)で挙げた置換基を例示できる。
α−ヒドロキシアセトフェノン類としては、例えば、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(DAROCURE 1173)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルブタン−1−オン、1−(4−メチルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ブチルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−オクチルフェニル)プロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−メトキシフェニル)−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−メチルチオフェニル)−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−クロロフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ブロモフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−カルボエトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(IRGACURE 184)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(IRGACURE 2959)などが挙げられる。
また、市販のα−ヒドロキシアセトフェノン化合物として、チバスペシャルティケミカルズ社製からイルガキュア184(IRGACURE 184)、ダロキュア1173(DARUCUR 1173)、イルガキュア127(IRGACURE 127)、イルガキュア2959(IRGACURE 2959)の商品名で入手可能な重合開始剤も使用することができる。
〔オキシムエステル化合物〕
オキシムエステル化合物としては、下記一般式(VII)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2010018739
一般式(VII)中、Arは、ナフタレン構造、アントラセン構造、アントラキノン構造、ベンゾフェノン構造、チアントレン構造、フェノキサチアン構造、ジフェニルチオエーテル構造、チオキサントン構造、及びモルホリノベンゼン構造からなる群から選ばれる構造を表す。中でも、ナフタレン構造、アントラキノン構造、ベンゾフェノン構造、ジフェニルチオエーテル構造、チオキサントン構造、及びモルホリノベンゼン構造が好ましく、チオキサントン構造が特に好ましい。Arは、フェニル基を表す。これらの構造又は基は、メチル基、エチル基等のアルキル基、ハロゲン原子、−CN(シアノ基)等の置換基を有していてもよい。
nは、1又は2の整数を表す。nが1のとき、Mは、メチル基、エチル基等の炭素数1以上20以下のアルキル基、シクロプロパン基、シクロヘキサン基等の炭素数5以上8以下のシクロアルキル基、アセチルオキシ基、プロピノイルオキシ等の炭素数2以上20以下のアルカノイル基、プロピルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル等の炭素数2以上12以下のアルコキシカルボニル基、複数のポリメチレン基がエーテル結合によって連結された二価の基の1つの結合手にアルコキシ基が連結された1価の基、フェニル基、ベンゾイル基、ベンゾイルオキシ基、フェノキシカルボニル基、炭素数7以上13以下のアラルキルカルボニルオキシ基、炭素数7以上13以下のアラルキルオキシカルボニル基、又は炭素数1以上6以下のアルキルチオ基を表す。これらの中でも、Mが炭素数1以上20以下のアルキル基又はフェニル基であることが好ましい。
nが2のとき、Mは、エチレン基、プロピレン基等の炭素数1以上12以下のアルキレン基、テトラメチレン基等の炭素数3以上12以下のポリメチレン基、オキシプロピレンオキシ基、オキシブチルオキシ基等の炭素数1以上12以下のオキシアルキレンオキシ基、シクロヘキシレン基、フェニレン基、−CO−O−A−O−CO−、−CO−O−(CHCHO)m−CO−、又は−CO−A−CO−を表し、Aは、炭素数2以上12以下のアルキレン基を表し、mは、1以上20以下の整数を表す。これらの中でも、Mが炭素数1以上6以下のアルキレン基、炭素数1以上6以下のポリメチレン基、又はシクロヘキシレン基であることが好ましい。
オキシムエステル化合物として、具体的には、3−ベンゾイロキシイミノブタン−2−オン、3−アセトキシイミノブタン−2−オン、3−プロピオニルオキシイミノブタン−2−オン、2−アセトキシイミノペンタン−3−オン、2−アセトキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンゾイロキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、3−p−トルエンスルホニルオキシイミノブタン−2−オン、2−エトキシカルボニルオキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン等が挙げられる。
また、市販のオキシムエステル化合物として、チバスペシャルティケミカルズ社製からイルガキュアOXE−01(1−(4−フェニルチオフェニル)−1,2−オクタンジオン−2−(O−ベンゾイルオキシム))、イルガキュアOXE−02(1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−エタノン−1−(O−アセチルオキシム))の商品名で入手可能な重合開始剤も使用することができる。
光重合開始剤の好ましい具体例としては、以下に示すものが挙げられる。
Figure 2010018739
Figure 2010018739
Figure 2010018739
重合開始剤としての光重合開始剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
光重合開始剤の含有量は、インク組成物中に、0.1質量%〜20質量%の範囲であることが好ましく、0.5質量%〜15質量%であることがより好ましく、1質量%〜10質量%であることが特に好ましい。
<その他の成分>
本発明のインク組成物には、本発明の顔料分散物、好ましい併用成分である(d)重合性化合物、(e)重合開始剤に加えて、目的に応じてインク組成物に含まれる種々の成分を含有することができる。
(増感色素)
本発明のインク組成物には、光重合開始剤の感度を向上させる目的で、増感色素を添加してもよい。増感色素としては、以下の化合物類に属しており、かつ350nmから450nm域に吸収波長を有するものが好ましい。
増感色素としては、例えば、多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン、アントラセン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン)が挙げられる。
また、増感色素としては、下記一般式(IX)〜(XIII)で表される化合物がより好ましい。
Figure 2010018739
一般式(IX)中、Aは、硫黄原子又は−NR50−を表し、R50はアルキル基又はアリール基を表し、Lは隣接するA及び隣接炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R51、R52はそれぞれ独立に水素原子又は一価の非金属原子団を表し、R51、R52は互いに結合して、色素の酸性核を形成してもよい。Wは酸素原子又は硫黄原子を表す。
一般式(X)中、Ar及びArはそれぞれ独立にアリール基を表し、−L−による結合を介して連結している。ここでLは−O−又は−S−を表す。また、Wは一般式(IX)に示したものと同義である。
一般式(XI)中、Aは、硫黄原子又はNR59を表し、Lは隣接するA及び炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R53、R54、R55、R56、R57及びR58はそれぞれ独立に一価の非金属原子団の基を表し、R59はアルキル基又はアリール基を表す。
一般式(XII)中、A、Aは、それぞれ独立に−S−又は−NR62−又は−NR63−を表し、R62、R63はそれぞれ独立に置換若しくは非置換のアルキル基、又は、置換若しくは非置換のアリール基を表し、L、Lはそれぞれ独立に、隣接するA、A及び隣接炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R60、R61はそれぞれ独立に水素原子又は一価の非金属原子団であるか又は互いに結合して脂肪族性又は芳香族性の環を形成することができる。
一般式(XIII)中、R66は置換基を有してもよい芳香族環又はヘテロ環を表し、Aは酸素原子、硫黄原子又は−NR67−を表す。R64、R65及びR67はそれぞれ独立に水素原子又は一価の非金属原子団を表し、R67及びR64と、R65及びR67とは、それぞれ互いに脂肪族性又は芳香族性の環を形成するため結合することができる。
一般式(IX)〜(XIII)で表される化合物の好ましい具体例としては、以下に示す例示化合物(A−1)〜(A−24)などが挙げられる。
Figure 2010018739
Figure 2010018739
Figure 2010018739
(共増感剤)
さらに、本発明のインク組成物の硬化感度を一層向上させる、あるいは酸素による重合阻害を抑制する等の作用を有する公知の化合物を共増感剤として加えてよい。
共増感剤としては、アミン類、例えば、M.R.Sanderら著「Journal of Polymer Society」第10巻3173頁(1972)、特公昭44−20189号公報、特開昭51−82102号公報、特開昭52−134692号公報、特開昭59−138205号公報、特開昭60−84305号公報、特開昭62−18537号公報、特開昭64−33104号公報、Research Disclosure 33825号に記載の化合物等が挙げられ、より具体的には、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ホルミルジメチルアニリン、p−メチルチオジメチルアニリン等が挙げられる。
他の共増感剤としては、チオール及びスルフィド類、例えば、特開昭53−702号公報、特公昭55−500806号公報、特開平5−142772号公報記載のチオール化合物、特開昭56−75643号公報のジスルフィド化合物等が挙げられ、より具体的には、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリン、β−メルカプトナフタレン等が挙げられる。
また他の共増感剤としては、例えば、アミノ酸化合物(例、N−フェニルグリシン等)、特公昭48−42965号公報記載の有機金属化合物(例、トリブチル錫アセテート等)、特公昭55−34414号公報記載の水素供与体、特開平6−308727号公報記載のイオウ化合物(例、トリチアン等)、特開平6−250387号公報記載のリン化合物(ジエチルホスファイト等)、特願平6−191605号記載のSi−H、Ge−H化合物等が挙げられる。
本発明のインク組成物には、顔料及び(b)成分、(c)成分を含む顔料分散物を含有し、さらに、(d)重合性化合物、(e)重合開始剤の好ましい併用成分、これらとともに用いられる増感色素、共増感剤に加え、目的に応じて種々の添加剤を併用することができる。
例えば、得られる画像の耐候性向上、退色防止の観点から、紫外線吸収剤を用いることができる。また、インク組成物の安定性向上のため、酸化防止剤を添加することができる。
以下に、本発明のインク組成物に用いうる添加剤を挙げる。
本発明のインク組成物には、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤、射出物性の制御を目的としたチオシアン酸カリウム、硝酸リチウム、チオシアン酸アンモニウム、ジメチルアミン塩酸塩などの導電性塩類、被記録媒体との密着性を改良するため、極微量の有機溶剤を添加することができる。
本発明のインク組成物には、膜物性を調整する目的で、各種高分子化合物を添加することができる。高分子化合物としては、アクリル系重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、シェラック、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類、その他の天然樹脂等が使用できる。また、これらは2種以上併用してもかまわない。
本発明のインク組成物には、液物性の調整のためにノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤や、有機フルオロ化合物などを添加することもできる。
また、この他にも、必要に応じて、例えば、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのワックス類、ポリオレフィンやPET等の被記録媒体への密着性を改善するために、重合を阻害しないタッキファイヤーなどを含有させることができる。
[インクジェット用インク組成物]
本発明のインク組成物の好ましい態様の一つは、インクジェット記録用インク組成物である。
本発明のインクジェット用インク組成物は、活性エネルギー線硬化型のインク組成物として調製することができ、この場合、インク組成物を被記録媒体上に適用後、放射線を照射して硬化させるため、溶剤を含まないか、或いは、含んでも極少量であることが好ましい。これは、硬化されたインク画像中に、溶剤が残留すると、耐溶剤性の劣化、ブロッキング性の低下、硬化不良、残留する溶剤によるインク画像の経時的な物性の変化が懸念されるためである。
このような観点から、分散媒として、重合性化合物を用い、なかでも、粘度が低い重合性化合物を選択することが分散適性やインク組成物のハンドリング性向上及びインクジェット吐出適性の観点から好ましい。前記顔料分散物を適用してなるインク組成物は、活性放射線により高感度で硬化するとともに、顔料の分散安定性の低下に起因する増粘や着色性の低下の懸念がないため、後述するように、粘度安定性を要求されるインクジェット記録方法に適用されるインクジェット用インクに好適に使用される。
本発明のインク組成物をインクジェット記録方法に用いる場合には、インク組成物の射出性を考慮し、射出時の温度でのインク粘度が30mPa・s以下であることが好ましく、20mPa・s以下であることがより好ましく、前記範囲になるように適宜組成比を調整し決定することが好ましい。
なお、25℃(室温)でのインク粘度は、0.5mPa・s以上200mPa・s以下、好ましくは1mPa・s以上100mPa・s以下であり、より好ましくは2mPa・s以上50mPa・s以下である。室温での粘度を高く設定することにより、多孔質な被記録媒体を用いた場合でも、被記録媒体中へのインク浸透を防ぎ、未硬化モノマーの低減、臭気低減が可能となり、更にインク液滴着弾時のドット滲みを抑えることができ、その結果として画質が改善される。25℃でのインク粘度が200mPa・sより大きいと、インク液のデリバリーに問題が生じる。
本発明のインク組成物をインクジェット用として用いた場合の表面張力は、好ましくは20〜40mN/m、より好ましくは23〜35mN/mである。ポリオレフィン、PET、コート紙、非コート紙など様々な被記録媒体へ記録する場合、滲み及び浸透の観点から、20mN/m以上が好ましく、濡れ性の観点から35mN/m以下が好ましい。
このようにして調整されたインク組成物は、インクジェット記録用インクとして好適に用いられる。インク組成物をインクジェットプリンターにより被記録媒体に印字し、その後、印字されたインク組成物に放射線を照射して硬化して記録を行う。
このインクにより得られた印刷物は、画像部が紫外線などの放射線照射により硬化しており、画像部の強度に優れるため、インクによる画像形成以外にも、例えば、平版印刷版のインク受容層(画像部)の形成など、種々の用途に使用しうる。
次に、本発明のインク組成物をインクジェット用インク組成物に適用した場合に採用され得るインクジェット記録方法及びインクジェット記録装置について、以下説明する。
<インクジェット記録方法>
インクジェットプリンターによる記録方法においては、インク組成物を25〜80℃の温度範囲に制御して、インク組成物の粘度を30mPa・s以下とした後、射出することが好ましく、この方法を用いることにより高い射出安定性を実現することができる。
一般に、非水溶性インク組成物では、概して水性インクより粘度が高いため、印字時の温度変動による粘度変動幅が大きい。このインク組成物の粘度変動は、そのまま液滴サイズ、液滴射出速度に対して大きな影響を与え、これにより画質劣化を引き起こすため、印字時のインク組成物温度はできるだけ一定に保つことが必要である。インク組成物温度の制御幅は設定温度±5℃とすることが好ましく、設定温度±2℃とすることがより好ましく、設定温度±1℃とすることが特に好ましい。
インクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置には、インク組成物温度の安定化手段を備えることが一つの特徴であり、一定温度にする部位はインクタンク(中間タンクがある場合は中間タンク)からノズル射出面までの配管系、部材の全てが対象となる。
温度コントロールの方法としては、特に制約はないが、例えば、温度センサーを各配管部位に複数設け、インク組成物流量、環境温度に応じた加熱制御をすることが好ましい。また、加熱するヘッドユニットは、装置本体を外気からの温度の影響を受けないよう、熱的に遮断もしくは断熱されていることが好ましい。加熱に要するプリンター立上げ時間を短縮するため、あるいは熱エネルギーのロスを低減するために、他部位との断熱を行うとともに、加熱ユニット全体の熱容量を小さくすることが好ましい。
本発明のインク組成物に重合開始剤としての光重合開始剤を添加することで、活性放射線硬化型のインク組成物となる。
このようなインク組成物における活性放射線の照射条件について述べる。基本的な照射方法は、特開昭60−132767号公報に開示されている。具体的には、ヘッドユニットの両側に光源を設け、シャトル方式でヘッドと光源を走査する。照射は、インク着弾後、一定時間をおいて行われることになる。更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させる。WO99/54415号では、照射方法として、光ファイバーを用いた方法やコリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されている。本発明においては、これらの照射方法を用いることが可能である。
また、本発明のインク組成物を用いた場合、インク組成物を一定温度に加温するとともに、着弾から照射までの時間を0.01〜0.5秒とすることが望ましく、好ましくは0.01〜0.3秒、より好ましくは0.01〜0.15秒後に放射線を照射することにある。このように着弾から照射までの時間を極短時間に制御することにより、着弾インクが硬化前に滲むことを防止するこが可能となる。
また、多孔質な被記録媒体に対しても光源の届かない深部までインク組成物が浸透する前に露光することができる為、未反応モノマーの残留を抑えられ、その結果として臭気を低減することができる。
インクジェット記録方法と本発明のインク組成物とを併せて用いることにより、大きな相乗効果をもたらすことになる。特に、25℃におけるインク粘度が200mPa・s以下のインク組成物を用いると大きな効果を得ることができる。
このようなインクジェット記録方法を取ることで、表面の濡れ性が異なる様々な被記録媒体に対しても、着弾したインクのドット径を一定に保つことができ、画質が向上する。なお、カラー画像を得るためには、明度の低い色から順に重ねていくことが好ましい。明度の低いインクを重ねると、下部のインクまで照射線が到達しにくく、硬化感度の阻害、残留モノマーの増加及び臭気の発生、密着性の劣化が生じやすい。また、照射は、全色を射出してまとめて露光することが可能だが、1色毎に露光するほうが、硬化促進の観点から好ましい。
本発明に用いられるインクジェット記録装置としては、特に制限はなく、市販のインクジェット記録装置が使用できる。即ち、本発明においては、市販のインクジェット記録装置を用いて被記録媒体(印刷物)へ記録することができる。
前記好ましい射出条件によれば、本発明のインク組成物は加温、降温を繰り返すことになるが、本発明のインク組成物は、このような温度条件下で保存された場合でも、顔料分散性の低下が抑制され、長期間にわたり優れた発色性が得られ、且つ、顔料の凝集に起因する吐出性の低下も抑制されるという利点をも有する。
(被記録媒体)
本発明のインク組成物を適用しうる被記録媒体としては、特に制限はなく、通常の非コート紙、コート紙などの紙類、いわゆる軟包装に用いられる各種非吸収性樹脂材料あるいは、それをフィルム状に成形した樹脂フィルムを用いることができ、各種プラスチックフィルムとしては、例えば、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルム、PEフィルム、TACフィルム等が挙げられる。その他、被記録媒体材料として使用しうるプラスチックとしては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ABS、ポリアセタール、PVA、ゴム類などが挙げられる。また、金属類や、ガラス類も被記録媒体として使用可能である。
(印刷物)
本発明のインク組成物をインクジェットプリンターにより被記録媒体に印字し、その後、好ましくは、印字されたインク組成物に活性エネルギーを照射又は加熱して硬化することで、印刷物を得ることができる。本発明のインク組成物により作製された印刷物は、画像形成に用いられるインクが微細な顔料粒子を均一、且つ、安定に分散して含むため、発色性と鮮鋭度に優れた高品質な画像を有し、画像の耐候性にも優れることから、広汎な分野に適用しうる。
以下に本発明の実施例を説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下において「部」は「質量部」を表す。
−一般式(1)で表される化合物((b)成分)の合成−
以下に示すように、(b)成分、B−1〜B−3を合成した。
[合成例1.複素環残基と炭素−炭素二重結合とを有する化合物(A−1)の合成]
9(10H)−アクリドン(和光純薬社製)15g、水酸化ナトリウム(和光純薬社製)3.4gをジメチルスルホキシド(和光純薬社製)84gに溶解させ、45℃に加熱する。これにCMS−P(クロロメチルスチレン、セイミケミカル製)17.6部を滴下し、50℃でさらに5時間加熱攪拌を行う。この反応液を蒸留水30g、メタノール(和光純薬社製)30gの混合溶液に攪拌しながら注ぎ、得られた析出物を濾別、蒸留水、メタノールを同質量ずつ混合した溶液300gで洗浄することで、下記構造の化合物A−1(9−ビニルベンジルアクリドン)を17.5g得た。
Figure 2010018739
[合成例2.複素環残基と炭素−炭素二重結合とを有する化合物(A−2)の合成]
1,8−ナフタルイミド(関東化学社製)35.5部をN−メチルピロリドン(和光純薬社製)150部に溶解させ、DBU(ジアザビシクロウンデセン)(和光純薬社製)30.1部を滴下した。30分撹拌した後、CMS−P 41.2部を滴下し、60℃でさらに4時間加熱攪拌を行った。この反応液へイソプロパノール(和光純薬社製)270部、蒸留水0.09部を加え、5℃に冷却しながら攪拌した。得られた析出物を濾別し、イソプロパノール120部Lで洗浄することで、重合性化合物A−2:(N−ビニルベンジルナフタルイミド)を54.0g得た。
Figure 2010018739
[合成例3.(b)一般式(1)で表される化合物(B−1)の合成]
ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)〔DPMP;堺化学工業(株)製〕7.8部、及び下記顔料吸着構造を有し、かつ炭素−炭素二重結合を有する化合物(A−1)[前記合成例1で得たもの]3.1部を、ジメチルスルホキシド60部に溶解させ、窒素気流下、70℃に加熱した。これに2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)〔V−65、和光純薬工業(株)製〕0.06部を加えて3時間加熱した。更に、V−65を0.06部加え、窒素気流下、70℃で3時間反応させた。反応溶液に、カルボン酸と炭素二重結合を有する化合物(F−1)であるイタコン酸(東京化成工業(株)製)6.5部を加え、V−65を0.06部加え70℃で3時間反応させた後、さらにV−65を0.06部加え、70℃で3時間反応させた。反応溶液を室温まで冷却後、水/メタノール混合溶媒400部中(重量比1:1)に注ぎ入れ、結晶を析出させた。結晶を濾別し、結晶をメタノールで洗浄後、減圧乾燥する事により17.0部の下記化合物B−1を得た。
Figure 2010018739
[合成例4.(b)一般式(1)で表される化合物(B−2)の合成]
ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)〔DPMP;堺化学工業(株)製〕7.8部、及び下記顔料吸着構造を有し、かつ炭素−炭素二重結合を有する化合物(A−1)6.2部を、ジメチルスルホキシド120部に溶解させ、窒素気流下、70℃に加熱した。これに2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)〔V−65、和光純薬工業(株)製〕0.06部を加えて3時間加熱した。更に、V−65を0.06部加え、窒素気流下、70℃で3時間反応させた。反応溶液に、カルボン酸と炭素二重結合を有する化合物(F−1)であるイタコン酸(東京化成工業(株)製)5.2部を加え、V−65を0.06部加え70℃で3時間反応させた後、更にV−65を0.06部加え、70℃で3時間反応させた。反応溶液を室温まで冷却後、水/メタノール混合溶媒400部中(重量比1:1)に注ぎ入れ、結晶を析出させた。結晶を濾別し、結晶をメタノールで洗浄後、減圧乾燥する事により18.0部の下記の化合物B−1を得た。
Figure 2010018739
[合成例5.(b)一般式(1)で表される化合物(B−3)の合成]
ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)〔DPMP;堺化学工業(株)製〕7.8部、及び顔料吸着構造と炭素−炭素二重結合とを有する化合物(A−2)[合成例2で得たもの]6.2部を、ジメチルスルホキシド120部に溶解させ、窒素気流下、70℃に加熱した。これに2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)〔V−65、和光純薬工業(株)製〕0.06部を加えて3時間加熱した。更に、V−65を0.06部加え、窒素気流下、70℃で3時間反応させた。反応溶液に、カルボン酸と炭素二重結合を有する化合物(F−1)であるイタコン酸(東京化成工業(株)製)5.2部を加え、V−65を0.06部加え70℃で3時間反応させた後、更にV−65を0.06部加え、70℃で3時間反応させた。反応溶液を室温まで冷却後、水/メタノール混合溶媒400部中(重量比1:1)に注ぎ入れ、結晶を析出させた。結晶を濾別し、結晶をメタノールで洗浄後、減圧乾燥する事により17.5部の下記化合物B−3を得た。
Figure 2010018739
[合成例6.(b)一般式(1)で表される化合物(B−6)の合成]
ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)〔DPMP;堺化学工業(株)製〕7.8部、及び顔料吸着構造と炭素−炭素二重結合とを有する化合物(A−3)N−ビニルフタルイミド(東京化成工業(株)製)1.7部を、ジメチルスルホキシド120部に溶解させ、窒素気流下、70℃に加熱した。これに2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)〔V−65、和光純薬工業(株)製〕0.06部を加えて3時間加熱した。更に、V−65を0.06部加え、窒素気流下、70℃で3時間反応させた。反応溶液に、カルボン酸と炭素二重結合を有する化合物(F−1)であるイタコン酸(東京化成工業(株)製)6.5部を加え、V−65を0.06部加え70℃で3時間反応させた後、更にV−65を0.06部加え、70℃で3時間反応させた。反応溶液を室温まで冷却後、水/メタノール混合溶媒400部中(重量比1:1)に注ぎ入れ、結晶を析出させた。結晶を濾別し、結晶をメタノールで洗浄後、減圧乾燥する事により15.8部の下記化合物B−6を得た。
Figure 2010018739
[合成例7.(c)塩基性顔料分散剤(C−1)の合成]
3−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(和光純薬社製)15.0部、前記顔料吸着構造と炭素−炭素二重結合とを有する化合物(A−1)を15.0部、前記末端にメタクリロイル基を有するポリメチルメタクリレートオリゴマー(AA−6、東亞合成(株)製)120部、およびメチルエチルケトン200部を、窒素置換した三口フラスコに導入し、攪拌機(新東科学(株):スリーワンモータ)にて攪拌し、窒素をフラスコ内に流しながら加熱して65℃まで昇温した。これにV−65を0.8部加え、65℃にて2時間加熱攪拌を行った。2時間後、さらにV−65を0.8部加え、3時加熱攪拌した。得られた反応液をヘキサン10000部に攪拌しながら注ぎ、生じた沈殿を加熱乾燥させることで(c)塩基性顔料分散剤(C−1):(3−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド/A−1/AA−6の共重合体を得た。(重量平均分子量152,000)。
[合成例8.(c)塩基性顔料分散剤(C−2)の合成]
3−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(和光純薬社製)30.0部、前記末端にメタクリロイル基を有するポリメチルメタクリレートオリゴマー(AA−6、東亞合成(株)製)120部、およびメチルエチルケトン200部を、窒素置換した三口フラスコに導入し、攪拌機(新東科学(株):スリーワンモータ)にて攪拌し、窒素をフラスコ内に流しながら加熱して65℃まで昇温した。これにV−65を3.2部加え、65℃にて2時間加熱攪拌を行った。2時間後、さらにV−65を3.2部加え、3時加熱攪拌した。得られた反応液をヘキサン10000部に攪拌しながら注ぎ、生じた沈殿を加熱乾燥させることで(c)塩基性顔料分散剤(C−2):(3−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド/AA−6の共重合体を得た。(重量平均分子量84,300)。
[実施例1〜7、比較例1〜3]
−ミルベース1〜7、C1〜C3の作製−
(b)一般式(1)で表される化合物、(c)塩基性顔料分散剤、(d)重合性化合物[トリエチレングリコールジビニルエーテル、商品名:DVE−3、BASF社製]を、(a)顔料と共にビーズミル(モーターミルM100、アイガー社製、ビーズ:ジルコニアビーズ、直径0.65mm)を用い、周速7.1m/sで2.5時間分散を行い、実施例1〜7のミルベース(顔料分散物)1−7及び比較例1〜3のミルベース(顔料分散物)C1〜C3を得た。
各ミルベースの作製に用いた原材料は、下記表1に記載の通りである。
下記表1中、イエロー顔料PY−120は、ベンズイミダゾロン系イエロー顔料であり、クラリアント社製「Novoperm Yellow H2G」を使用した。
マゼンタ顔料PR−122は、キナクリドン系顔料であり、チバスペシャリティケミカル社製「Cinquacia Red RT−355D」を使用した。
市販の塩基性分散剤としては、日本ルーブリゾール社製SOLSPERSE 24000GRを用いた。
Figure 2010018739
(ミルベースの評価)
得られた各ミルベースについて、初期粒径、25℃で1ヶ月間保存した後の経時粒径を下記の測定方法に従い評価した。その結果を表2に示す。
−粒子径−
各ミルベースについて、光散乱回折式の粒度分布測定装置(LA910、(株)堀場製作所製)を用いて体積基準の累積90%粒子径D90を測定し、評価した。評価基準は以下の通りである。
・PY−120を顔料として使用したミルベースの場合
A:D90が400nm未満
B:D90が400nm以上、600nm未満
C:D90が600nm以上
・PR−122を顔料として使用したミルベースの場合
A:D90が300nm未満
B:D90が300nm以上、600nm未満
C:D90が600nm以上
Figure 2010018739
表2より、実施例1〜7では、(b)成分を含有する本発明の顔料分散物であるミルベース1〜7は、顔料が微細に分散されたのみならず、その分散性安定性は高く、1ヶ月の保存後も分散安定性を維持できていることが分かった。一方、比較例1〜3のように、(b)成分を含まないミルベースC1〜C3の場合、同様の(c)顔料分散剤を用いた場合も、分散安定性が不充分であり、顔料が充分微細にならない場合や、分散後にミルベースの粒径が保存中に増大するという問題が生じることが分かった。
[実施例8〜14、比較例4〜6]
−インクジェットインク1の作製−
(c)重合成化合物、(d)重合開始剤、をミルベース1に加え、穏やかに混合させた後、これをメンブランフイルターで加圧濾過し、実施例8のインク組成物であるインクジェットインク1を得た。なお、ミルベース1の添加量、(c)重合性化合物及び(d)重合開始剤の種類及び添加量を以下に示す。
・ミルベース1 10g
・(d)重合性化合物:
(1)ジプロピレングリコールジアクリレート
(SR508、サートマー社製) 30g
(2)1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(SR238、サートマー社製)
30g
(3)2−フェノキシエチルアクリレート(SR339、サートマー社製)
19.8g
・(e)重合開始剤:
(1)アシルフォスフィンオキサイド化合物
(LucirinTPO−L、BASF社製) 8.0g
(2)イルガキュア184(チバスペシャルティケミカルズ社製) 2.0g
(3)ベンゾフェノン(和光純薬社製) 2.0g
・界面活性剤 BYK−307(ビックケミー社製) 0.1g
・重合禁止剤 メトキシハイドロキノン(東京化成工業(株)製) 0.1g
−インクジェットインク2、3、4、C1及びC2の作製−
インクジェットインク1の作製において使用したミルベース1を、それぞれ前記ミルベースの作製で得たミルベース2、3、4、C1及びC2に変更した以外は、すべてインクジェットインク1の作製と同様にして、インクジェットインク2、3、4、C1及びC2を得た。
−インクジェットインク5の作製−
インクジェットインク1のインクの作成において、下記原材料を用いた以外はすべてインクジェットインク1の作製と同様にして、インクジェットインク5を得た。
・ミルベース5 15g
・(d)重合性化合物:
(1)ジプロピレングリコールジアクリレート(SR508、サートマー社製)
30g
(2)1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(SR238、サートマー社製)
25g
(3)2−フェノキシエチルアクリレート(SR339、サートマー社製)
19.8g
・(e)重合開始剤:
(1)アシルフォスフィンオキサイド化合物
(LucirinTPO−L、BASF社製) 8.0g
(2)イルガキュア184(チバスペシャルティケミカルズ社製) 2.0g
(3)ベンゾフェノン(和光純薬社製) 2.0g
・界面活性剤 BYK−307(ビックケミー社製) 0.1g
・重合禁止剤 メトキシハイドロキノン(東京化成工業(株)製) 0.1g
−インクジェットインク6、7、及びC3の作製−
インクジェットインク5の作製において使用したミルベース5を、それぞれ前記ミルベースの作製で得たミルベース6、7、及びC3に変更した以外は、すべてインクジェットインク1の作製と同様にして、インクジェットインク6、7、及びC3を得た。
このようにして得た実施例及び比較例のインクジェット用インク組成物の詳細を下記表3に示す。
(インクジェットインク1〜7、C1〜C3の評価)
得られたインクジェットインクについて、下記の評価方法に従って評価した。その結果を表3に記す。
−粘度−
各インクジェットインクの40℃における粘度を、E型粘度計(東機産業製)を用いて測定した。
A:15mPas未満
B:20mPas以上、40mPas未満
C:40mPas以上(吐出上問題のあるレベル)
−粘度安定性−
各インクジェットインクを25℃で1ヶ月保存後、及び60℃で1週間保存後の分散状態を粘度により評価した。
◎:粘度の増加が2%未満で吐出性に問題ないレベル。
○:粘度の増加が2以上5%未満で吐出性に問題ないレベル。
△:粘度の増加が5%以上10%未満で吐出安定性が低下するレベル。
×:粘度の増加が10%以上であり吐出安定性が著しく低下するレベル。
−粒子径−
各ミルベースについて、光散乱回折式の粒度分布測定装置(LA910、(株)堀場製作所製)を用いて体積基準の累積90%粒子径D90を測定し、評価した。評価基準は以下の通りである。
・PY−120を顔料として使用したインクジェットインクの場合
A:D90が400nm未満
B:D90が400nm以上、600nm未満
C:D90が600nm以上
・PR−122を顔料として使用したインクジェットインク場合
A:D90が300nm未満
B:D90が300nm以上、600nm未満
C:D90が600nm以上
−硬化性−
得られた各インクジェットインクを、ピエゾ型インクジェットヘッド(CA3ヘッド、東芝テック(株)製、印字密度300dpi、打滴周波数4kHz、ノズル数64)を用いて、塩化ビニルフィルム上に印字してから、Deep UVランプ(ウシオ電機(株)製、SP−7)で1000mJ/cmのエネルギーとなる条件で露光し、印字サンプルを得た。
硬化性は、硬化皮膜を指で触れて、べたつきの有無を以下の評価基準で評価した。
A:べたつきがない
B:僅かにべたつきがある
C:著しくべたつく
−吐出性−
得られた各インクジェットインクを、ピエゾ型インクジェットヘッド(CA3ヘッド、東芝テック(株)製、印字密度300dpi、打滴周波数4kHz、ノズル数64)を用いて、塩化ビニルフィルム上に印字してから、Deep UVランプ(ウシオ電機(株)製、SP−7)で1000mJ/cmのエネルギーとなる条件で露光し、印字サンプルを得た。
ベタ印字を10分間連続で行なった後に詰まりが生じたヘッドの割合を以下の評価基準で評価した。
A:つまりが生じたノズルの割合が5%未満
B:つまりが生じたノズルの割合が20%未満
C:つまりが生じたノズルの割合が20%以上
Figure 2010018739
表3に明らかなように、(b)成分とともに(c)成分を用いた実施例8〜14のインクジェットインク1〜7は、室温のみならず高温でも長期間安定に保存することが可能であった。また、粒子径も微細である。従って、実施例の各インクジェットインクは、画像の鮮明性に優れて、吐出性も良好なインクであることが推察される。
一方、市販分散剤や比較重合体を顔料分散剤として使用した比較例4〜6のインクジェットインクC1〜C3では、特に高温での安定性が劣っていることが分かる。従って、比較例の各インクジェットインクは、高温保存後の吐出安定性が悪化し、画像にスジムラが生じ、問題があるレベルである。
以上より、(c)成分の顔料分散剤は(b)成分を介して顔料と強く相互作用し、顔料分散安定化に寄与していることが推察される。
本発明のインク組成物は、通常の印刷に使用して、発色性に優れた鮮鋭な画像を記録し、高品位な画像記録物(印刷物)が得られるのみならず、レジスト、カラーフィルター、光ディスクの製造にも好適に使用することができ、光造形材料としても有用である。また、インクジェット記録方法に適用することで、非吸収性の被記録媒体上にも、高品質の画像をデジタルデータに基づき直接形成しうることから、本発明のインク組成物は大面積の画像記録物(印刷物)の作製にも好適に使用される。
本発明の画像記録方法は、本発明の前記インク組成物を使用するので、高画質で耐久性に優れる画像を記録することが求められる印刷用途に好適に使用される。
本発明の画像記録物は、本発明の前記インク組成物を使用して得られるので、高画質で耐久性に優れるので、各種用途に広く好適に使用される。

Claims (4)

  1. (a)顔料、(b)下記一般式(1)で表される化合物、及び、(c)塩基性顔料分散剤を少なくとも含む顔料分散物。
    Figure 2010018739

    前記一般式(1)において、Rは、(m+n)価の有機連結基を表し、R及びRは、それぞれ独立に単結合又は2価の有機連結基を表し、R、R、Rのいずれかに硫黄原子を含む。Aは、有機顔料に含まれる複素環を有する1価の複素環残基を表す。n個のA、Rは、それぞれ同一であっても、異なっていてもよい。nは、1〜5、mは、2〜5を表し、m+nは、3〜6である。Aは、1価の酸性基を表す。m個のA、Rは、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。
  2. 請求項1に記載の顔料分散物を含むインク組成物。
  3. さらに、(d)重合性化合物及び(e)重合開始剤を含む請求項2に記載のインク組成物。
  4. インクジェット記録用である請求項2または請求項3に記載のインク組成物。
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