JP5258237B2 - インク組成物、インクジェット記録方法、平版印刷版の製造方法、及び平版印刷版 - Google Patents

インク組成物、インクジェット記録方法、平版印刷版の製造方法、及び平版印刷版 Download PDF

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Description

本発明は、インクジェット記録用として好適に用いられるインク組成物、インクジェット記録方法、更に、該インクを用いて得られる平版印刷版並びに平版印刷版の製造方法に関する。詳しくは、活性放射線の照射に対して、高感度で硬化し、インク硬化後における画像部が充分な柔軟性を有するインクジェット記録用に好適なインク組成物、インクジェット記録方法、及び、該インクを用いて得られる平版印刷版並びに平版印刷版の製造方法に関する。
画像データ信号に基づき、紙などの被記録媒体に画像を形成する画像記録方法として、電子写真方式、昇華型及び溶融型熱転写方式、インクジェット方式などがある。電子写真方式は、感光体ドラム上に帯電及び露光により静電潜像を形成するプロセスを必要とし、システムが複雑となり、結果的に製造コストが高価になるなどの問題がある。また熱転写方式は、装置は安価であるが、インクリボンを用いるため、ランニングコストが高く、かつ廃材が出るなどの問題がある。
一方、インクジェット方式は、安価な装置で、且つ、必要とされる画像部のみにインクを吐出し被記録媒体上に直接画像形成を行うため、インクを効率よく使用でき、ランニングコストが安い。更に、インクジェット方式は、騒音が少なく、画像記録方式として優れている。
インクジェット記録用インク組成物に用いうる、紫外線などの活性放射線の照射により硬化可能なインク組成物(放射線硬化型インク組成物)としては、高感度で硬化し、高画質の画像を形成しうるものが求められている。放射線硬化型インク組成物の高感度化を達成することにより、活性放射線の照射により高い硬化性が付与されるため、消費電力の低減や活性放射線発生器への負荷軽減による機器の高寿命化などの利点の他、未硬化の低分子物質の揮発、形成された画像強度の低下などを抑制することができるなど、種々の利点をも有することになる。また、放射線硬化型インク組成物の高感度化による画像強度の向上は、このインク組成物を平版印刷版の画像部形成に使用した場合、画像部に高耐刷性をもたらすことになる。
紫外線硬化型のインク組成物としては、例えば、単官能モノマー又は多官能モノマーのうち、互いに異なる官能基を有するモノマーを組み合わせて用いるインク組成物が提案されている(特許文献1参照)。また、放射線硬化性組成物として、多官能アクリレートを含む組成物が提案されている(特許文献2参照)。これらのインク組成物は、いずれも優れた硬化性を有するものの、これらにより形成された被膜の柔軟性は不充分であった。
従来、平版印刷版の作製にあたっては、親水性の支持体上に親油性の感光性樹脂層を設けた構成を有するいわゆるPS版を用い、該感光性樹脂層を画像様に露光して、露光部のアルカリ現像液に対する可溶性を向上又は低下させて画像形成し、非画像部を溶解除去する方法をとっていた。しかし、近年、画像情報にコンピュータを用いて電子的に処理、蓄積、出力するディジタル化技術が広く普及したことに伴い、平版印刷版の作製においても、それに対応した新しい画像出力方式が求められるようになった。
特に、現像液による処理を経ないで印刷版を作製する方法が検討され、インクジェット記録用インク組成物によって直接平版印刷版を作製する方法が検討されている。これは、好ましくは親水性の支持体表面にインクジェット方式等によってインクを画像様に吐出し、これに活性放射線に照射して硬化させ、所望の画像(好ましくは、疎水性画像)を有する印刷版を得るものである。平版印刷版の画像部を形成するためには、支持体上に吐出されたインク液滴が滲みを生じることなく速やかに硬化すること、硬化した画像部の強度や支持体との接着性に優れること、平版印刷版を印刷機に装着する際の支持体の撓みに対して画像部がよく追従してクラックなどの損傷を生じないことが望まれており、このような用途に適したインク組成物が望まれているのが現状である。
特開平5−214280号公報 特開平8−41133号公報
本発明の目的は、活性放射線の照射に対して高感度で硬化し、高画質の画像を形成することができ、インク硬化後の画像が柔軟性及び被記録媒体との高い接着性を有するインク組成物、並びに、該インク組成物を用いたインクジェット記録方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、紫外線等の活性放射線の照射により高感度で硬化可能なインク組成物を用いて得られた平版印刷版、及び、平版印刷版の製造方法を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、インク組成物に特定の重合性化合物を使用することにより、高感度を維持しつつも、インク硬化後における画像の柔軟性が改良され、当該画像と被記録媒体との接着性についても高められたインク組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明のインク組成物は、(A)重合開始剤、(B)下記一般式(I)で表されるα位がsp混成軌道を有する炭素原子である二重結合を有する(メタ)アクリレート、及び(C)着色剤を含有することを特徴とする。
前記α位がsp混成軌道を有する炭素原子である二重結合を有する(メタ)アクリレートとしては、下記一般式(I)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(I)中、R〜Rは、各々独立に、水素原子又はアルキル基を表す。但し、R〜Rの全てが水素原子であることはなく、R〜Rで表されるアルキル基の少なくとも1つは、アルキレン基内のメチレン基(−CH−)が、−O−、−S−又は−NR から選択される2価の基で置換されていてもよい直鎖又は分岐アルキレン基を介して、下記一般式(II)で表されるアクリレート基又は下記一般式(III)で表されるメタアクリレート基に結合する。Rはアルキル基を表す。但し、R〜Rの2以上が連結して環構造を形成することはない。
一般式(II)又は一般式(III)中、*は、R〜Rのいずれかで表されるアルキル基、又は該アルキル基に結合した前記直鎖又は分岐アルキレン基との結合位置を表す。
前記α位がsp混成軌道を有する炭素原子である二重結合を有する(メタ)アクリレートが有する当該二重結合の個数は、1〜8個であることが好ましい。
また、前記α位がsp混成軌道を有する炭素原子である二重結合を有する(メタ)アクリレートの含有量は、インク組成物全体の質量に対して、3〜45質量%の範囲であることが好ましい。
前記着色剤としては、顔料又は染料であることが好ましい。
さらに、前記α位がsp混成軌道を有する炭素原子である二重結合を有する(メタ)アクリレートとは異なる他の重合性化合物を含有することが好ましい。このような他の重合性化合物としては、例えば、他のアクリレート化合物、ビニルエーテル化合物、N−ビニルアミド、N−ビニルラクタム、等の重合性化合物が挙げられる。このような他の重合性化合物の好適な例の一つとしては、N−ビニルラクタムが挙げられ、その中でもN−ビニルカプロラクタムが好ましい。
さらに、前記重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤であることが好ましい。
また、本発明のインク組成物は、インクジェット記録用インクであることが好ましい。
本発明のインクジェット記録方法は、(i−1)被記録媒体上に、本発明のインク組成物を吐出する工程、及び、(i−2)吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、該インク組成物を硬化する工程、を含むことを特徴とする。
本発明の平版印刷版の製造方法は、(ii−1)親水性支持体上に、本発明のインク組成物を吐出する工程、及び、(ii−2)吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、該インク組成物を硬化することにより、該インク組成物が硬化してなる疎水性領域を前記親水性支持体上に形成する工程、を含むことを特徴とする。
さらに、本発明の平版印刷版は、親水性支持体上に、本発明のインク組成物を硬化してなる疎水性領域を有するものである。
本発明によれば、活性放射線の照射に対して高感度で硬化し、高画質の画像を形成することができ、インク硬化後の画像が柔軟性及び被記録媒体との高い接着性を有するインク組成物、並びに、該インク組成物を用いたインクジェット記録方法を提供することができる。
また、本発明によれば、紫外線等の活性放射線の照射により高感度で硬化可能なインク組成物を用いて得られた平版印刷版、及び平版印刷版の製造方法を提供することができる。
[インク組成物]
本発明のインク組成物は、(A)重合開始剤、(B)α位がsp混成軌道を有する炭素原子である二重結合を有する(メタ)アクリレート、及び(C)着色剤を含有することを特徴とする。
本発明のインク組成物は、インクジェット記録用のインク組成物として好適に使用することができる。
以下、本発明のインク組成物に必須の成分について説明する。
<(B)α位がsp混成軌道を有する炭素原子である二重結合を有する(メタ)アクリレート>
本発明のインク組成物は、(B)後記する一般式(I)で表されるα位がsp混成軌道を有する炭素原子である二重結合を有する(メタ)アクリレート〔以下、適宜「特定重合性化合物」と称する〕を含有することを特徴とする。
以下、本発明における特徴的な成分である「一般式(I)で表されるα位がsp混成軌道を有する炭素原子である二重結合を有する(メタ)アクリレート(特定重合性化合物)」について詳細に説明する。
ここで、「α位がsp混成軌道を有する炭素原子である二重結合」とは、2つの炭素原子が形成する二重結合(C=C)に隣接する水素原子以外の原子の少なくとも一つがsp混成軌道を有する炭素原子である二重結合を意味する。
特定重合性化合物は、その分子構造中に、α位がsp混成軌道を有する炭素原子である二重結合を少なくとも1個と、(メタ)アクリレート基を少なくとも1個と、を有する。なお、本明細書において、(メタ)アクリレートと表記した場合は、メタクリレート及びアクリレートのいずれか或いは双方の構造をとり得ることを示す。
特定重合性化合物について具体的に説明する。
特定重合性化合物は下記一般式(I)で表すことができる。
一般式(I)中、R〜Rは、各々独立に、水素原子又はアルキル基を表す。但し、R〜Rの全てが水素原子であることはなく、R〜Rで表されるアルキル基の少なくとも1つは、アルキレン基内のメチレン基(−CH−)が、−O−、−S−又は−NR から選択される2価の基で置換されていてもよい直鎖又は分岐アルキレン基を介して、下記一般式(II)で表されるアクリレート基又は下記一般式(III)で表されるメタアクリレート基に結合する。Rはアルキル基を表す。但し、R〜Rの2以上が連結して環構造を形成することはない。
また、R〜Rのうちの2〜3が水素原子であることが好ましい
一般式(II)又は一般式(III)中、*は、R〜Rのいずれかで表されるアルキル基、又は該アルキル基に結合した前記直鎖又は分岐アルキレン基との結合位置を表す。
〜Rで表されるアルキル基は、炭素数1以上のアルキル基であり、炭素数1〜20のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜12のアルキル基であることがより好ましい。該アルキル基として好ましくは、メチル基、エチル基、n−ブチル基、n−オクチル、n−ヘキシル基、n−ノニル基が挙げられる。
また、R〜Rで表されるアルキル基は、2以上が互いに結合して環構造を形成することはない。
〜Rで表されるアルキル基の少なくとも1つは、直鎖又は分岐アルキレン基を介して、前記一般式(II)で表されるアクリレート基又は一般式(III)で表されるメタアクリレート基に結合する。該直鎖又は分岐アルキレン基としては、上述のR〜Rで表されるアルキル基から水素原子を除したアルキレン基が好ましく、炭素数1〜20のアルキレン基であることが好ましい。該直鎖又は分岐アルキレン基内のメチレン基(−CH−)は、−O−、−S−又は−NR5−から選択される2価の基で置換されてもよく、エーテル結合(−O−)で置換される場合が好ましい態様として挙げられる。RはR〜Rがアルキル基である場合と同義である。アルキレン基としては、具体的には、炭素数3〜12程度のアルキレン基が好ましく、プロピレン基、ブチレン基、オクチレン基、ノニレン基等が挙げられ、これらアルキレン基中のメチレン基は上述の−O−、−S−又は−NR−から選択される2価の基で置換されていてもよい。また、これらの2価の連結基は2種以上を組み合わせて構成された2価の連結基であってもよい。
また、該2価の連結基は、その構造中に、α位がsp混成軌道を有する炭素原子である二重結合を有する基を有していてもよい。この場合、特定重合性化合物の1分子内に2個以上のα位がsp混成軌道を有する炭素原子である二重結合を有することになる。
〜Rで表されるアルキル基及び前記直鎖又は分岐アルキレン基は、さらに置換基を有していてもよい。該置換基として好ましくは、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アシル基、アミノ基、水酸基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子等が挙げられる。これらの置換基は、導入可能な場合であれば、一般式(II)で表されるアクリレート基又は一般式(III)で表されるメタアクリレート基を、その末端に置換基として更に有していてもよい。
また、R〜Rで表されるアルキル基又は前記直鎖又は分岐アルキレン基は、置換基として、α位がsp混成軌道を有する炭素原子である二重結合を有する基(例えば、アルケニル基)を有していてもよい。この場合、特定重合性化合物の1分子内に2個以上のα位がsp混成軌道を有する炭素原子である二重結合を有することになる。
特定重合性化合物における、α位がsp混成軌道を有する炭素原子である二重結合の個数としては、個数としては、硬化の際の活性放射線に対する感度と、インク硬化後の硬化部の柔軟性を両立する観点から、1〜8個であることが好ましく、1〜4個であることがより好ましく、1〜2個であることがさらに好ましく、1個であることが最も好ましい。α位がsp混成軌道を有する炭素原子である二重結合は、特定重合性化合物の分子構造の末端及び鎖中のいずれに位置していてもよい。
特定重合性化合物中における、一般式(II)で表されるアクリレート基又は一般式(III)で表されるメタアクリレート基の個数としては、個数としては、硬化の際の活性放射線に対する感度と、インク硬化後の硬化部の柔軟性を両立する観点から、1〜4個であることが好ましく、1〜2個であることがより好ましく、1個であることが特に好ましい。
本発明にて好適に用いることのできる、(B)特定重合性化合物の具体例〔例示化合物(B−1)〜(B−5)、(B−7)〜(B−13)、(B−15)〜(B−20)を含め、α位がsp 混成軌道を有する炭素原子である二重結合を有する(メタ)アクリレートを以下に示すが、本発明はこれらに制限されるものではない。また、各例示化合物において立体異性体が存在する場合は、それらのいずれを用いてもよく、立体異性体の混合物を用いてもよい。
これらの中でも、例示化合物(B−7)、(B−8)、(B−9)、及び(B−10)が更に好ましく、例示化合物(B−7)が特に好ましい。
(B)特定重合性化合物は、例えば、特開昭63−211252号公報に記載されている酸触媒脱水縮合法、酸クロリド法及びエステル交換法に代表される公知の有機合成手法により製造することができる。具体的には、(メタ)アクリル酸誘導体、及び、α位がsp構成軌道を有する炭素原子である二重結合を分子内に有するアルコール、オキシラン化合物またはオキセタン化合物から、公知の有機合成手法により製造することができる。(メタ)アクリル酸誘導体としては、(メタ)アクリル酸の他、(メタ)アクリル酸クロリド、(メタ)アクリル酸無水物および(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。(メタ)アクリル酸を用いる場合は、α位がsp構成軌道を有する炭素原子である二重結合を分子内に有するアルコールとの酸触媒縮合反応またはオキシラン化合物またはオキセタン化合物との開環反応が好適である。(メタ)アクリル酸クロリド又は(メタ)アクリル酸無水物を用いる場合は塩基触媒存在下でのα位がsp構成軌道を有する炭素原子である二重結合を分子内に有するアルコールとのエステル化反応が好適である。(メタ)アクリル酸エステルとしては、メタクリル酸メチルが好ましいものとして挙げられ、種々の触媒存在下でのα位がsp構成軌道を有する炭素原子である二重結合を分子内に有するアルコールによるエステル交換反応が好適である。
本発明のインク組成物における(B)特定重合性化合物の含有量は、硬化速度と基板との接着性のバランス、及びインク組成物のインクジェット適性の観点から、インク組成物全体の質量に対して、3〜45質量%の範囲が好ましく、5〜35質量%の範囲が更に好ましい。
また、(B)特定重合性化合物は、1種で用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
<(A)重合開始剤>
本発明のインク組成物は重合開始剤を含有する。重合開始剤としては、公知の重合開始剤を、併用する重合性化合物の種類、インク組成物の使用目的に応じて、適宜選択して使用することができる。本発明においてはラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。
本発明のインク組成物に使用する重合開始剤は、外部エネルギーを吸収して重合開始種を生成する化合物である。重合を開始するために使用される外部エネルギーは、熱及び放射線に大別され、それぞれ、熱重合開始剤及び光重合開始剤が使用される。放射線には、γ線、β線、電子線、紫外線、可視光線、赤外線が例示できる。
熱重合開始剤及び光重合開始剤としては公知の化合物が使用できる。
本発明で使用され得る好ましいラジカル重合開始剤としては(a)芳香族ケトン類、(b)アシルホスフィンオキシド化合物、(c)芳香族オニウム塩化合物、(d)有機過酸化物、(e)チオ化合物、(f)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(g)ケトオキシムエステル化合物、(h)ボレート化合物、(i)アジニウム化合物、(j)メタロセン化合物、(k)活性エステル化合物、(l)炭素ハロゲン結合を有する化合物、並びに(m)アルキルアミン化合物等が挙げられる。
本発明においてラジカル重合開始剤は単独で用いてもよいし、併用してもよい。
本発明における(A)重合開始剤は、前記(B)特定重合性化合物及び前記(C)成分の総量に対して、或いは、(B)特定重合性化合物と、(C)成分と、後述する任意成分としての(D)他の重合性化合物と、を併用する場合には、重合性化合物の総量に対して、0.01〜35質量%の範囲が好ましく、0.1〜30質量%の範囲がより好ましく、0.5〜30質量%の範囲が更に好ましい。
また、(A)重合開始剤は、後述の必要に応じて用いることのできる(E)増感色素に対して、重合開始剤:増感色素の質量比で、200:1〜1:200、好ましくは、50:1〜1:50、より好ましくは、20:1〜1:5の範囲で含まれることが適当である。
<(C)着色剤>
本発明のインク組成物は(C)着色剤を含有する。本発明に使用することのできる着色剤としては、特に制限はないが、耐候性に優れ、色再現性に富んだ(C−1)顔料及び(C−2)油溶性染料が好ましく、溶解性染料等の任意の公知の着色剤から選択して使用することができる。本発明のインク組成物に好適に使用し得る着色剤は、活性放射線による硬化反応の感度を低下させないという観点からは、硬化反応である重合反応において重合禁止剤として機能しない化合物を選択することが好ましい。
(C−1)顔料
本発明に使用できる顔料としては、特に限定されるわけではないが、例えば、カラーインデックスに記載される下記の番号の有機又は無機顔料が使用できる。
赤或いはマゼンタ顔料としては、Pigment Red 3、5、19、22、31、38、43、48:1、48:2、48:3、48:4、48:5、49:1、53:1、57:1、57:2、58:4、63:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、88、104、108、112、122、123、144、146、149、166、168、169、170、177、178、179、184、185、208、216、226、257、Pigment Violet 3、19、23、29、30、37、50、88、Pigment Orange 13、16、20、36、
青又はシアン顔料としては、Pigment Blue 1、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17−1、22、27、28、29、36、60、緑顔料としては、Pigment Green 7、26、36、50、
黄顔料としては、Pigment Yellow 1、3、12、13、14、17、34、35、37、55、74、81、83、93、94、95、97、108、109、110、137、138、139、153、154、155、157、166、167、168、180、185、193、
黒顔料としては、Pigment Black 7、28、26、
白色顔料としては、PigmentWhite 6、18、21
などが目的に応じて使用できる。
(C−2)油溶性染料
以下に、本発明で使用することのできる油溶性染料について説明する。
本発明で使用することのできる油溶性染料とは、水に実質的に不溶な染料を意味する。具体的には、25℃での水への溶解度(水100gに溶解できる染料の質量)が1g以下であり、好ましくは0.5g以下、より好ましくは0.1g以下であるものを指す。従って、油溶性染料とは、所謂水に不溶性の顔料や油溶性色素を意味し、これらの中でも油溶性色素が好ましい。
本発明に使用可能な油溶性染料のうち、イエロー染料としては、任意のものを使用することができる。例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピラゾロン類、ピリドン類、開鎖型活性メチレン化合物類を有するアリール若しくはヘテリルアゾ染料;例えばカップリング成分として開鎖型活性メチレン化合物類を有するアゾメチン染料;例えばベンジリデン染料やモノメチンオキソノール染料等のようなメチン染料;例えばナフトキノン染料、アントラキノン染料等のようなキノン系染料;等が挙げられ、これ以外の染料種としてはキノフタロン染料、ニトロ・ニトロソ染料、アクリジン染料、アクリジノン染料等を挙げることができる。
本発明に使用可能な油溶性染料のうち、マゼンタ染料としては、任意のものを使用することができる。例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類を有するアリール若しくはヘテリルアゾ染料;例えばカップリング成分としてピラゾロン類、ピラゾロトリアゾール類を有するアゾメチン染料;例えばアリーリデン染料、スチリル染料、メロシアニン染料、オキソノール染料のようなメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボニウム染料;例えばナフトキノン、アントラキノン、アントラピリドンなどのようなキノン系染料;例えばジオキサジン染料等のような縮合多環系染料;等を挙げることができる。
本発明に適用可能な油溶性染料のうち、シアン染料としては、任意のものを使用することができる。例えばインドアニリン染料、インドフェノール染料或いはカップリング成分としてピロロトリアゾール類を有するアゾメチン染料;シアニン染料、オキソノール染料、メロシアニン染料のようなポリメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボニウム染料;フタロシアニン染料;アントラキノン染料;例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類を有するアリール若しくはヘテリルアゾ染料;インジゴ・チオインジゴ染料;等を挙げることができる。
前記の各染料は、クロモフォア(発色性の原子団)の一部が解離して初めてイエロー、マゼンタ、シアンの各色を呈するものであってもよく、その場合のカウンターカチオンはアルカリ金属や、アンモニウムのような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニウム、4級アンモニウム塩のような有機のカチオンであってもよく、更にはそれらを部分構造に有するポリマーカチオンであってもよい。
以下に限定されるものではないが、好ましい具体例としては、例えば、C.I.ソルベント・ブラック 3,7,27,29及び34;C.I.ソルベント・イエロー 14,16,19,29,30,56,82,93及び162;C.I.ソルベント・レッド 1,3,8,18,24,27,43,49,51,72,73,109,122,132及び218;C.I.ソルベント・バイオレット 3;C.I.ソルベント・ブルー 2,11,25,35,38,67及び70;C.I.ソルベント・グリーン 3及び7;並びにC.I.ソルベント・オレンジ 2;等が挙げられる。
これらの中で特に好ましいものは、Nubian Black PC−0850、Oil Black HBB 、Oil Yellow 129、Oil Yellow 105、Oil Pink 312、Oil Red 5B、Oil Scarlet 308、Vali Fast Blue 2606、Oil Blue BOS(オリエント化学(株)製)、Aizen Spilon Blue GNH(保土ヶ谷化学(株)製)、NeopenYellow 075、Neopen Mazenta SE1378、Neopen Blue 808、Neopen Blue FF4012、Neopen Cyan FF4238(BASF社製)等である。
本発明においては、油溶性染料は1種単独で用いてもよく、また、数種類を混合して用いてもよい。
また、着色剤として油溶性染料を使用する際、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて、他の水溶性染料、分散染料、顔料等の着色剤を併用することもできる。
本発明においては、水非混和性有機溶媒に溶解する範囲で分散染料を用いることもできる。分散染料は一般に水溶性の染料も包含するが、本発明においては水非混和性有機溶媒に溶解する範囲で用いることが好ましい。分散染料の好ましい具体例としては、C.I.ディスパースイエロー 5,42,54,64,79,82,83,93,99、100,119,122,124,126,160,184:1,186,198,199,201,204,224及び237;C.I.ディスパーズオレンジ 13,29,31:1,33,49,54,55,66,73,118,119及び163;C.I.ディスパーズレッド 54,60,72,73,86,88,91,92,93,111,126,127,134,135,143,145,152,153,154,159,164,167:1,177,181,204,206,207,221,239,240,258,277,278,283,311,323,343,348,356及び362;C.I.ディスパーズバイオレット 33;C.I.ディスパーズブルー 56,60,73,87,113,128,143,148,154,158,165,165:1,165:2,176,183,185,197,198,201,214,224,225,257,266,267,287,354,358,365及び368;並びにC.I.ディスパーズグリーン 6:1及び9;等が挙げられる。
本発明に使用することができる着色剤は、本発明のインク組成物又はインクジェット記録用インク組成物に添加された後、適度に当該インク内で分散することが好ましい。着色剤の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等の各分散装置を用いることができる。
また、着色剤の分散を行う際に分散剤を添加することも可能である。分散剤としては、その種類に特に制限はないが、好ましくは高分子分散剤を用いることであり、高分子分散剤としては、例えば、市販品であるNoveon社のSolsperseシリーズが挙げられる。また、分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。本発明において、これらの分散剤及び分散助剤は、着色剤100質量%に対し、1〜50質量%添加することが好ましい。
着色剤は、本発明のインク組成物の調製に際して、各成分とともに直接添加により配合してもよいが、分散性向上のため、あらかじめ溶剤、又は本発明に使用する(B)特定重合性化合物や、所望により併用される(D)その他の重合性化合物のような分散媒体に添加し、均一分散或いは溶解させた後、配合することもできる。
本発明において、溶剤が硬化画像に残留する場合の耐溶剤性の劣化並びに残留する溶剤のVOC(Volatile Organic Compound:揮発性有機化合物)の問題を避けるためにも、着色剤は、(B)特定重合性化合物や(D)成分を含む重合性化合物のいずれか1つ又はそれらの混合物に予め添加して、配合することが好ましい。なお、分散適性の観点のみを考慮した場合、着色剤の添加に使用する重合性化合物は、最も粘度の低いモノマーを選択することが好ましい。
これらの着色剤はインク組成物の使用目的に応じて、1種又は2種以上を適宜選択して用いればよい。
なお、本発明のインク組成物中において固体のまま存在する顔料などの着色剤を使用する際には、着色剤粒子の平均粒径は、好ましくは0.005〜1.5μm、より好ましくは0.01〜1.2μm、更に好ましくは、0.015〜1.0μmとなるよう、着色剤、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を設定することが好ましい。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性及び硬化感度を維持することができるので好ましい。
本発明のインク組成物中における(C)着色剤の含有量は、使用目的により適宜選択されるが、インク物性、着色性を考慮すれば、一般的には、インク組成物全体の質量に対し、1〜10質量%であることが好ましく、2〜8質量%含有することがより好ましい。
本発明のインク組成物には、前記必須成分に加え、本発明の効果を損なわない限りにおいて、物性向上などの目的で、他の成分を併用することができる。
以下、これら任意の成分について以下に説明する。
<(D)他の重合性化合物>
本発明のインク組成物には、(B)特定重合性化合物に加えて、(D)他の重合性化合物を含むことも好ましい。本発明に併用可能な他の重合性化合物としては、ラジカル重合性化合物、カチオン重合性化合物が挙げられる。(D)他の重合性化合物は、目的とする諸特性、或いは、後述する(A)重合開始剤との関連において適宜選択して用いればよい。
本発明において、重合性化合物の総含有量、即ち、(B)特定重合性化合物と(D)他の重合性化合物と、の総含有量は、本発明のインク組成物全体の質量に対し、45〜95質量%であり、より好ましくは50〜90質量%である。
また、本発明のインク組成物において、(B)特定重合性化合物は、インク組成物に含有される重合性化合物の総含有量(即ち、(B)特定重合性化合物及び(D)他の重合性化合物成分との総含有量)に対し、10〜60質量%以上含有することが好ましく、15〜50質量%以上であることがより好ましく、25〜35質量%以上であることが更に好ましい。
以下、本発明に適用しうる他の重合性化合物について説明する。
ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物であり、分子中にラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する化合物であればどのようなものでもよく、モノマー、オリゴマー、ポリマー等の化学形態を持つものが含まれる。ラジカル重合性化合物は1種のみ用いてもよく、また目的とする特性を向上するために任意の比率で2種以上を併用してもよい。好ましくは2種以上併用して用いることが、反応性、物性などの性能を制御する上で好ましい。
ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する重合性化合物の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸及びそれらの塩、エチレン性不飽和基を有する無水物、アクリロニトリル、スチレン、更に種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン、N−ビニルアミド、N−ビニルラクタム等のラジカル重合性化合物が挙げられる。
具体的には、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、カルビトールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン(重量平均分子量が360を越えるもの)、ポリエチレングリコールジアクリレート(重量平均分子量が360を越えるもの)、ポリプロピレングリコールジアクリレート(重量平均分子量が360を越えるもの)、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、オリゴエステルアクリレート、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、エポキシアクリレート等のアクリル酸誘導体;メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、アリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ジメチルアミノメチルメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート(重量平均分子量が360を越えるもの)、ポリプロピレングリコールジメタクリレート(重量平均分子量が360を越えるもの)、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン(重量平均分子量が360を越えるもの)等のメタクリル誘導体;N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドン等のN−ビニルラクタム;N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド等のN−ビニルアミド;その他、アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート等のアリル化合物の誘導体が挙げられ、更に具体的には、山下晋三編、「架橋剤ハンドブック」、(1981年大成社);加藤清視編、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」(1985年、高分子刊行会);ラドテック研究会編、「UV・EB硬化技術の応用と市場」、79頁、(1989年、シーエムシー);滝山栄一郎著、「ポリエステル樹脂ハンドブック」、(1988年、日刊工業新聞社)等に記載の市販品若しくは業界で公知のラジカル重合性乃至架橋性のモノマー、オリゴマー及びポリマーを用いることができる。
また、ラジカル重合性化合物としては、例えば、特開平7−159983号、特公平7−31399号、特開平8−224982号、特開平10−863号、特開平9−134011号等の各公報に記載されている光重合性組成物に用いられる光硬化型の重合性化合物材料が知られており、これらも本発明のインク組成物に適用することができる
更に、ラジカル重合性化合物としてビニルエーテル化合物を用いることが好ましい。好適に用いられるビニルエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、エチレングリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ヒドロキシエチルモノビニルエーテル、ヒドロキシノニルモノビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物;エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−O−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
これらのビニルエーテル化合物のうち、硬化性、接着性、表面硬度の観点から、ジビニルエーテル化合物、トリビニルエーテル化合物が好ましく、特にジビニルエーテル化合物が好ましい。ビニルエーテル化合物は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
また、他の重合性化合物としては、(メタ)アクリル系モノマー或いはプレポリマー、エポキシ系モノマー或いはプレポリマー、ウレタン系モノマー或いはプレポリマー等の(メタ)アクリル酸エステル(以下、適宜、アクリレート化合物と称する。)を用いてもよく下記化合物が化合物例として挙げられる。
即ち、2−エチルヘキシル−ジグリコールアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、2−アクリロイロキシエチルフタル酸、メトキシ−ポリエチレングリコールアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、エトキシ化フェニルアクリレート、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、ノニルフェノールEO付加物アクリレート、変性グリセリントリアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルアクリル酸付加物、変性ビスフェノールAジアクリレート、フェノキシ−ポリエチレングリコールアクリレート、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ビスフェノールAのPO付加物ジアクリレート、ビスフェノールAのEO付加物ジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートトリレンジイソシアナートウレタンプレポリマー、ラクトン変性可撓性アクリレート、ブトキシエチルアクリレート、プロピレングリコールジグリシジルエーテルアクリル酸付加物、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアナートウレタンプレポリマー、2−ヒドロキシエチルアクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアナートウレタンプレポリマー、ステアリルアクリレート、イソアミルアクリレート、イソミリスチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、ラクトン変性アクリレート、等が挙げられる。
これらのアクリレート化合物は、UV硬化型インクに用いられてきた重合性化合物として、皮膚刺激性や感作性(かぶれ易さ)が小さく、比較的低粘度で安定したインク吐出性が得られ、重合感度、被記録媒体との接着性が良好であるため好ましい。
ここで(D)他の重合性化合物として列挙されているモノマーは、低分子量であっても感作性が小さいものであり、かつ、反応性が高く、粘度が低く、記録媒体への接着性に優れる。
感度、滲み、被記録媒体との接着性をより改善するためには、(D)他の重合性化合物成分として、モノアクリレートと、分子量400以上、好ましくは500以上の多官能アクリレートモノマー又は多官能アクリレートオリゴマーを併用することが好ましい態様である。
特に、PETフィルムやPPフィルムといった柔軟な被記録媒体への記録に使用するインク組成物においては、上記化合物群の中から選ばれるモノアクリレート、前述の(B)特定重合性化合物から選択される1種と、(C)成分から選択される多官能アクリレートモノマー又は多官能アクリレートオリゴマーとの併用は、膜に可撓性を持たせて接着性を高めつつ、膜強度を高められるため好ましい。
更に、単官能、二官能、三官能以上の多官能モノマーの少なくとも3種の重合性化合物を併用する態様が、安全性を維持しつつ、更に、感度、滲み、被記録媒体との接着性をより改善することができるという観点から、好ましい態様として挙げられる。
モノアクリレートとしてはステアリルアクリレート、イソアミルアクリレート、イソミスチルアクリレート、イソステアリルアクリレートが感度も高く、低収縮性でカールの発生を防止できるとともに、滲み防止、印刷物の臭気、照射装置のコストダウンの点で好ましい。
モノアクリレートと併用しうるオリゴマーとしては、エポキシアクリレートオリゴマー、ウレタンアクリレートオリゴマーが特に好ましい。
なお、メタクリレートは、皮膚低刺激性がアクリレートより良好である。
上記化合物の中でもアルコキシアクリレートを70質量%以下の量で使用し、残部をアクリレートとする場合、良好な感度、滲み特性、臭気特性を有するため好ましい。
また、インク組成物の粘度を低減する点や、被記録媒体への密着性、柔軟性等の硬化膜物性の観点からは、(D)他の重合性化合物として、N−ビニルカプロラクタムやN−ビニルピロリドン等のN−ビニルラクタムを用いることが好ましく、N−ビニルカプロラクタムを用いることがより好ましい。
本発明において、(D)他の重合性化合物として、前記アクリレート化合物を使用する場合、他の重合性化合物の全質量〔即ち、(D)成分の総量〕に対して前記アクリレート化合物が30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることが更に好ましい。また、併用する(D)他の重合性化合物のすべてを、前記アクリレート化合物とすることもできる。
なお、本発明において、重合開始剤と重合性化合物の選択に関して言えば、種々の目的に応じて(例えば、インク組成物に使用する着色剤の遮光効果による感度低下を防ぐ手段として)、ラジカル重合性化合物とラジカル重合開始剤との組み合わせの他、これらと共に、カチオン重合性化合物とカチオン重合開始剤とを併用したラジカル・カチオンのハイブリッド型硬化インクとしてもよい。
本発明に用いうるカチオン重合性化合物は、光酸発生剤から発生する酸により重合反応を開始し、硬化する化合物であれば特に制限はなく、光カチオン重合性モノマーとして知られる各種公知のカチオン重合性のモノマーを使用することができる。カチオン重合性モノマーとしては、例えば、特開平6−9714号、特開2001−31892号、同2001−40068号、同2001−55507号、同2001−310938号、同2001−310937号、同2001−220526号などの各公報に記載されているエポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。
また、カチオン重合性化合物としては、例えば、カチオン重合系の光硬化性樹脂に適用される重合性化合物が知られており、最近では400nm以上の可視光波長域に増感された光カチオン重合系の光硬化性樹脂に適用される重合性化合物として、例えば、特開平6−43633号、特開平8−324137号の各公報等に公開されている。これらも本発明のインク組成物に適用することができる。
本発明に前記カチオン重合性化合物を使用する際に併用しうるカチオン重合開始剤(光酸発生剤)としては、例えば、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)。本発明に好適なカチオン重合開始剤の例を以下に挙げる。
第1に、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウムなどの芳香族オニウム化合物のB(C654 -、PF6 -、AsF6 -、SbF6 -、CF3SO3 -塩を挙げることができる。第2に、スルホン酸を発生するスルホン化物を挙げることができる。第3に、ハロゲン化水素を光発生するハロゲン化物も用いることができる。第4に、鉄アレン錯体を挙げることができる。
上記如きカチオン重合開始剤は、単独で用いてもよいし、併用してもよい。
〔(E)増感色素〕
本発明のインク組成物には、(A)重合開始剤の活性光線照射による分解を促進させるために(E)増感色素を添加することができる。増感色素は、特定の活性放射線を吸収して電子励起状態となる。電子励起状態となった増感色素は、重合開始剤と接触して、電子移動、エネルギー移動、発熱などの作用を生じ、これにより重合開始剤の化学変化、即ち、分解、ラジカル、酸或いは塩基の生成を促進させるものである。
増感色素は、インク組成物に使用される(A)重合開始剤に開始種を発生させる活性放射線の波長に応じた化合物を使用すればよいが、一般的なインク組成物の硬化反応に使用されることを考慮すれば、好ましい増感色素の例としては、以下の化合物類に属しており、かつ、350nmから450nm域に吸収波長を有するものを挙げることができる。
多核芳香族類(例えば、アントラセン、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、チオキサントン類(例えば、イソプロピルチオキサントン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン)等が挙げられ、多核芳香族類およびチオキサントン類が好ましい類として挙げられる。
より好ましい増感色素の例としては、下記式(IV)〜(VIII)で表される化合物が挙げられる。
一般式(IV)中、A1は硫黄原子又はNR50を表し、R50はアルキル基又はアリール基を表し、L2は隣接するA1及び隣接炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R51、R52はそれぞれ独立に水素原子又は一価の非金属原子団を表し、R51、R52は互いに結合して、色素の酸性核を形成してもよい。Wは酸素原子又は硫黄原子を表す。
一般式(V)中、Ar1及びAr2はそれぞれ独立にアリール基を表し、−L3−による結合を介して連結している。ここでL3は−O−又は−S−を表す。また、Wは式(IV)に示したものと同義である。
一般式(VI)中、A2は硫黄原子又はNR59を表し、L4は隣接するA2及び炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R53、R54、R55、R56、R57及びR58はそれぞれ独立に一価の非金属原子団の基を表し、R59はアルキル基又はアリール基を表す。
一般式(VII)中、A3、A4はそれぞれ独立に−S−又は−NR62−又は−NR63−を表し、R62、R63はそれぞれ独立に置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアリール基を表し、L5、L6はそれぞれ独立に、隣接するA3、A4及び隣接炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R60、R61はそれぞれ独立に水素原子又は一価の非金属原子団であるか又は互いに結合して脂肪族性又は芳香族性の環を形成することができる。
(式(VIII)中、R66は置換基を有してもよい芳香族環又はヘテロ環を表し、A5は酸素原子、硫黄原子又は=NR67を表す。R64、R65及びR67はそれぞれ独立に水素原子又は一価の非金属原子団を表し、R67とR64、及びR65とR67はそれぞれ互いに脂肪族性又は芳香族性の環を形成するため結合することができる。)
式(IV)〜(VIII)で表される化合物の好ましい具体例としては、以下に示すものが挙げられる。
<(F)共増感剤>
本発明のインク組成物は、共増感剤を含有することもできる。本発明において共増感剤は、増感色素の活性放射線に対する感度を一層向上させる、或いは酸素による重合性化合物の重合阻害を抑制する等の作用を有する。
この様な共増感剤の例としては、アミン類、例えば、M.R.Sanderら著「Journal of Polymer Society」第10巻3173頁(1972)、特公昭44−20189号公報、特開昭51−82102号公報、特開昭52−134692号公報、特開昭59−138205号公報、特開昭60−84305号公報、特開昭62−18537号公報、特開昭64−33104号公報、Research Disclosure 33825号記載の化合物等が挙げられ、具体的には、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ホルミルジメチルアニリン、p−メチルチオジメチルアニリン等が挙げられる。
共増感剤の別の例としてはチオール及びスルフィド類、例えば、特開昭53−702号公報、特公昭55−500806号公報、特開平5−142772号公報記載のチオール化合物、特開昭56−75643号公報のジスルフィド化合物等が挙げられ、具体的には、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリン、β−メルカプトナフタレン等が挙げられる。
また別の例としては、アミノ酸化合物(例、N−フェニルグリシン等)、特公昭48−42965号公報記載の有機金属化合物(例、トリブチル錫アセテート等)、特公昭55−34414号公報記載の水素供与体、特開平6−308727号公報記載のイオウ化合物(例、トリチアン等)、特開平6−250387号公報記載のリン化合物(ジエチルホスファイト等)、特開平8−65779号記載のSi−H、Ge−H化合物等が挙げられる。
<(G)その他の成分>
本発明のインク組成物には、必要に応じて、他の成分を添加することができる。その他の成分としては、例えば、重合禁止剤、溶剤等が挙げられる。
重合禁止剤は、保存性を高める観点から添加され得る。また、本発明のインク組成物をインクジェト記録用インク組成物として使用する場合には、40〜80℃の範囲で加熱、低粘度化して吐出することが好ましく、熱重合によるヘッド詰まりを防ぐためにも、重合禁止剤を添加することが好ましい。重合禁止剤は、本発明のインク組成物全量に対し、200〜20,000ppm添加することが好ましい。重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、ベンゾキノン、p−メトキシフェノール、TEMPO、TEMPOL、クペロンAl等が挙げられる。
本発明のインク組成物が放射線硬化型インク組成物であることに鑑み、インク組成物着弾直後に速やかに反応しかつ硬化し得るよう、溶剤を含まないことが好ましい。しかし、インク組成物の硬化速度等に影響がない限り、所定の溶剤を含めることができる。本発明において、溶剤としては、有機溶剤、水が使用できる。特に、有機溶剤は、被記録媒体(紙などの支持体)との接着性を改良するために添加され得る。有機溶剤を添加すると、VOCの問題が回避できるので有効である。
有機溶剤の量は、本発明のインク組成物全体の質量に対し、例えば、0.1〜5質量%、好ましくは0.1〜3質量%の範囲である。
この他に、必要に応じて公知の化合物を本発明のインク組成物に添加することができる。例えば、界面活性剤、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類等を適宜選択して添加することができる。また、ポリオレフィンやPET等の被記録媒体への接着性を改善するために、重合を阻害しないタッキファイヤーを含有させることも好ましい。具体的には、特開2001−49200号公報の5〜6頁に記載されている高分子量の粘着性ポリマー(例えば、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルキル基を有するアルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数3〜14の脂環属アルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数6〜14の芳香属アルコールとのエステルからなる共重合物)や、重合性不飽和結合を有する低分子量粘着付与性樹脂などが挙げられる。
〔インク組成物の性質〕
本発明のインク組成物はインクジェット記録用インクとして好適に使用することができる。このような使用態様における好ましい物性について説明する。
インク組成物をインクジェット記録用インクとして使用する場合には、吐出性を考慮し、吐出時の温度(例えば、40〜80℃、好ましくは25〜50℃)において、粘度が、好ましくは7〜30mPa・sであり、より好ましくは7〜25mPa・sである。例えば、本発明のインク組成物の室温(25〜30℃)での粘度は、好ましくは35〜500mPa・s、より好ましくは35〜200mPa・sである。
本発明のインク組成物は、粘度が上記範囲になるように適宜組成比を調整することが好ましい。室温での粘度を高く設定することにより、多孔質な被記録媒体を用いた場合でも、被記録媒体中へのインク浸透を回避し、未硬化モノマーの低減、臭気低減が可能となる。更にインク液滴着弾時のインクの滲みを抑えることができ、その結果として画質が改善される。
本発明のインク組成物の表面張力は、好ましくは20〜30mN/m、より好ましくは23〜28mN/mである。ポリオレフィン、PET、コート紙、非コート紙など様々な被記録媒体へ記録する場合、滲み及び浸透の観点から、20mN/m以上が好ましく、濡れ性の点はで30mN/m以下が好ましい。
[インクジェット記録方法]
本発明のインクジェット記録方法、及び該インクジェット記録方法に適用しうるインクジェット記録装置について、以下説明する。
本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインク組成物をインクジェッと記録用として被記録媒体(支持体、記録材料等)上に吐出し、被記録媒体上に吐出されたインク組成物に活性放射線を照射し、インクを硬化して画像を形成する方法である。
即ち、本発明のインクジェット記録方法は、(i−1)被記録媒体上に、本発明のインク組成物を吐出する工程、及び、(i−2)吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、該インク組成物を硬化する工程、を含むことを特徴とする。
本発明のインクジェット記録方法は、上記(i−1)及び(i−2)工程を含むことにより、被記録媒体上において硬化したインク組成物により画像が形成される。
本発明のインクジェット記録方法における(i−1)工程には、以下に詳述するインクジェット記録装置が用いることができる。
−インクジェット記録装置−
本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置としては、特に制限はなく、目的とする解像度を達成しうる公知のインクジェット記録装置を任意に選択して使用することができる。即ち、市販品を含む公知のインクジェット記録装置であれば、いずれも、本発明のインクジェット記録方法の(i−1)工程における被記録媒体へのインクの吐出を実施することができる。
本発明で用いることのできるインクジェット記録装置としては、例えば、インク供給系、温度センサー、活性放射線源を含む装置が挙げられる。
インク供給系は、例えば、本発明のインク組成物を含む元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドからなる。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、1〜100pl、好ましくは、8〜30plのマルチサイズドットを例えば、320×320〜4000×4000dpi、好ましくは、400×400〜1600×1600dpi、より好ましくは、720×720dpiの解像度で吐出できるよう駆動することができる。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
上述したように、本発明のインク組成物のように放射線硬化型インクは、吐出されるインクを一定温度にすることが望ましいことから、インク供給タンクからインクジェットヘッド部分までは、断熱及び加温を行うことができる。温度コントロールの方法としては、特に制約はないが、例えば、温度センサーを各配管部位に複数設け、インク流量、環境温度に応じた加熱制御をすることが好ましい。温度センサーは、インク供給タンク及びインクジェットヘッドのノズル付近に設けることができる。また、加熱するヘッドユニットは、装置本体を外気からの温度の影響を受けないよう、熱的に遮断若しくは断熱されていることが好ましい。加熱に要するプリンター立上げ時間を短縮するため、或いは熱エネルギーのロスを低減するために、他部位との断熱を行うとともに、加熱ユニット全体の熱容量を小さくすることが好ましい。
上記のインクジェット記録装置を用いて、本発明のインク組成物の吐出は、インク組成物を、好ましくは40〜80℃、より好ましくは25〜50℃に加熱して、インク組成物の粘度を、好ましくは7〜30mPa・s、より好ましくは7〜25mPa・sに下げた後に行うことが好ましい。特に、本発明のインク組成物として、25℃におけるインク粘度が35〜500mPa・sであるものを用いると、大きな効果を得ることができるので好ましい。この方法を用いることにより、高い吐出安定性を実現することができる。
本発明のインク組成物のような放射線硬化型インク組成物は、概して通常インクジェット記録用インクで使用される水性インクより粘度が高いため、吐出時の温度変動による粘度変動が大きい。インクの粘度変動は、液滴サイズの変化及び液滴吐出速度の変化に対して大きな影響を与え、ひいては画質劣化を引き起こす。従って、吐出時のインクの温度はできるだけ一定に保つことが必要である。よって、本発明において、インクの温度の制御幅は、設定温度の±5℃、好ましくは設定温度の±2℃、より好ましくは設定温度±1℃とすることが適当である。
次に、(i−2)吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、該インク組成物を硬化する工程について説明する。
被記録媒体上に吐出されたインク組成物は、活性放射線を照射することによって硬化する。これは、本発明のインク組成物に含まれる(A)重合開始剤が活性放射線の照射により分解して、ラジカル、酸、塩基などの開始種を発生し、その開始種の機能により(B)特定重合性化合物や、所望により併用される(D)他の重合性化合物の重合反応が、生起、促進されるためである。このとき、インク組成物において(A)重合開始剤と共に(E)増感色素が存在すると、系中の(E)増感色素が活性放射線を吸収して励起状態となり、(A)重合開始剤と接触することによって(A)重合開始剤の分解を促進させ、より高感度の硬化反応を達成させることができる。
ここで、使用される活性放射線は、α線、γ線、電子線、X線、紫外線、可視光又は赤外光などが使用され得る。特に電子線、紫外線、可視光線のいずれかであることが好ましい。活性放射線のピーク波長は、増感色素の吸収特性にもよるが、例えば、200〜600nmであることが好ましく、300〜450nmであることがより好ましく、350〜420nmであることが更に好ましい。
また、本発明のインク組成物における重合開始系は、低出力の活性放射線であっても充分な感度を有するものである。従って、活性放射線の出力は、2,000mJ/cm2以下であることが好ましく、より好ましくは、10〜2,000mJ/cm2であり、更に好ましくは、20〜1,000mJ/cm2であり、特に好ましくは、50〜800mJ/cm2である。
更に、活性放射線は、露光面照度が、例えば、10〜2,000mW/cm2、好ましくは、20〜1,000mW/cm2で照射されることが適当である。
活性放射線源としては、水銀ランプやガス・固体レーザー等が主に利用されており、紫外線光硬化型インクジェット記録用インクの硬化に使用される光源としては、水銀ランプ、メタルハライドランプが広く知られている。しかしながら、現在環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。更に、LED(UV−LED),LD(UV−LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、光硬化型インクジェット用光源として期待されている。
また、発光ダイオード(LED)及びレーザーダイオード(LD)を活性放射線源として用いることが可能である。特に、紫外線源を要する場合、紫外LED及び紫外LDを使用することができる。例えば、日亜化学(株)は、主放出スペクトルが365nmと420nmとの間の波長を有する紫色LEDを上市している。更に一層短い波長が必要とされる場合、米国特許番号第6,084,250号明細書は、300nmと370nmとの間に中心付けされた活性放射線を放出し得るLEDを開示している。また、他の紫外LEDも、入手可能であり、異なる紫外線帯域の放射を照射することができる。本発明で特に好ましい活性放射線源は、UV−LEDであり、特に好ましくは、350〜420nmにピーク波長を有するUV−LEDである。
なお、LEDの被記録媒体上での最高照度は10〜2,000mW/cm2であることが好ましく、20〜1,000mW/cm2であることがより好ましく、特に好ましくは50〜800mW/cm2である。
本発明のインク組成物は、このような活性放射線に、例えば、0.01〜120秒、好ましくは、0.1〜90秒照射されることが適当である。
活性放射線の照射条件並びに基本的な照射方法は、特開昭60−132767号公報に開示されている。具体的には、インクの吐出装置を含むヘッドユニットの両側に光源を設け、いわゆるシャトル方式でヘッドユニットと光源を走査することによって行われる。活性放射線の照射は、インク着弾後、一定時間(例えば、0.01〜0.5秒、好ましくは、0.01〜0.3秒、より好ましくは、0.01〜0.15秒)をおいて行われることになる。このようにインク着弾から照射までの時間を極短時間に制御することにより、被記録媒体に着弾したインクが硬化前に滲むことを防止するこが可能となる。また、多孔質な被記録媒体に対しても光源の届かない深部までインクが浸透する前に露光することができるため、未反応モノマーの残留を抑えられ、その結果として臭気を低減することができる。
更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させてもよい。WO99/54415号パンフレットでは、照射方法として、光ファイバーを用いた方法やコリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されており、このような硬化方法もまた、本発明のインクジェット記録方法に適用することができる。
上述したようなインクジェット記録方法を採用することにより、表面の濡れ性が異なる様々な被記録媒体に対しても、着弾したインクのドット径を一定に保つことができ、画質が向上する。なお、カラー画像を得るためには、明度の低い色から順に重ねていくことが好ましい。明度の低いインクから順に重ねることにより、下部のインクまで照射線が到達しやすくなり、良好な硬化感度、残留モノマーの低減、臭気の低減、接着性の向上が期待できる。また、照射は、全色を吐出してまとめて露光することが可能だが、1色毎に露光するほうが、硬化促進の観点で好ましい。
このようにして、本発明インク組成物は、活性放射線の照射により高感度で硬化することで、被記録媒体表面に画像を形成することができる。
[平版印刷版及びその製造方法]
本発明のインクジェット記録方法を用いて、親水性支持体上に本発明のインク組成物を適用し、硬化させることで平版印刷版を製造することが可能である。
以下、本発明のインクジェット記録方法を適用した、平版印刷版の製造方法(本発明の平版印刷版の製造方法)、及びそれにより得られる平版印刷版(本発明の平版印刷版)について説明する。
本発明の平版印刷版は、親水性支持体と、該親水性支持体上に形成された疎水性画像とを有する。この平版印刷版の製造方法は、以下の工程を含むことを特徴とする。
(ii−1)親水性支持体上に、本発明のインク組成物を吐出する工程、及び
(ii−2)吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、該インク組成物を硬化させることにより、該インク組成物が硬化してなる疎水性領域を前記親水性支持体上に形成する工程である。
即ち、被記録媒体として、平版印刷版用支持体に好適な親水性表面を有する支持体を使用する他は、本発明のインクジェット記録方法と同様にすることで平版印刷版を製造することができる。
平版印刷版は、従来、前述の如く、親水性の支持体上に親油性の感光性樹脂層を設けた構成を有するいわゆるPS版を画像用に露光し、露光部を可溶化或いは硬化させて画像部を形成し、非画像部を溶解除去することにより製造されていた。
一方、本発明の平版印刷版は、本発明の平版印刷版の製造方法(本発明のインクジェット記録方法)を適用することで、ディジタル化された画像情報に従って親水性支持体表面に、直接インク組成物を射出し、それを硬化させることで疎水性の画像部を形成することができる。これにより、従来よりも容易に平版印刷版を作製することが可能となったものである。
〔平版印刷版に使用する親水性支持体〕
本発明の平版印刷版は、親水性支持体と、該支持体表面上に本発明のインク組成物により形成された疎水性領域(疎水性画像)と、を有するものである。
本発明のインク組成物が吐出される平版印刷版用支持体(被記録媒体)としては、特に限定されず、寸度的に安定な板状の支持体であればいずれも使用することができるが、得られる印刷物の画質を考慮すれば、表面が親水性の支持体であることが好ましい。
支持体として用いる材料は、親水性を有する場合にはそのまま支持体として用いることができ、また、親水性を有さない場合にはその表面に浸水化処理を施してもよい。
支持体に用いる材料としては、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上述した金属がラミネートされ又は蒸着された紙又はプラスチックフィルム等が挙げられる。好ましい支持体としては、ポリエステルフィルム及びアルミニウム板が挙げられる。中でも、寸法安定性がよく、比較的安価であるアルミニウム板が好ましい。
アルミニウム板は、純アルミニウム板、アルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板、又は、アルミニウム若しくはアルミニウム合金の薄膜にプラスチックがラミネートされているものである。アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタン等がある。合金中の異元素の含有量は10質量%以下であるのが好ましい。本発明においては、純アルミニウム板が好ましいが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、わずかに異元素を含有するものであってもよい。アルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、公知の素材のものを適宜利用することができる。
支持体の厚さは0.1〜0.6mmであることが好ましく、0.15〜0.4mmであることがより好ましい。
アルミニウム板を使用するに先立ち、粗面化処理、陽極酸化処理等の表面処理を施すことが好ましい。表面処理により、親水性の向上及び疎水性画像と支持体との接着性の確保が容易になる。アルミニウム板を粗面化処理するに先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するための界面活性剤、有機溶剤、アルカリ性水溶液等による脱脂処理が行われる。
アルミニウム板表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的粗面化処理、電気化学的粗面化処理(電気化学的に表面を溶解させる粗面化処理)、化学的粗面化処理(化学的に表面を選択溶解させる粗面化処理)が挙げられる。
機械的粗面化処理の方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法等の公知の方法を用いることができる。また、アルミニウムの圧延段階において凹凸を設けたロールで凹凸形状を転写する転写法も用いてもかまわない。
電気化学的粗面化処理の方法としては、例えば、塩酸、硝酸等の酸を含有する電解液中で交流又は直流により行う方法が挙げられる。また、特開昭54−63902号公報に記載されているような混合酸を用いる方法も挙げられる。
粗面化処理されたアルミニウム板は、必要に応じて、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液を用いてアルカリエッチング処理を施され、更に、中和処理された後、所望により、耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理を施される。
アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形成させる種々の電解質の使用が可能である。一般的には、硫酸、塩酸、シュウ酸、クロム酸又はそれらの混酸が用いられる。それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められる。
陽極酸化処理の条件は、用いられる電解質により種々変わるので一概に特定することはできないが、一般的には、電解質濃度1〜80質量%溶液、液温5〜70℃、電流密度5〜60A/dm2、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分であることが好ましい。形成される陽極酸化皮膜の量は、1.0〜5.0g/m2であることが好ましく、1.5〜4.0g/m2であることがより好ましい。この範囲で、良好な耐刷性と平版印刷版の非画像部の良好な耐傷性が得られるので好ましい。
本発明で用いられる支持体としては、上記のような表面処理をされ、陽極酸化皮膜を有する基板をそのまま用いてもよいが、疎水性画像との接着性、親水性、汚れ難さなどを一層改良するため、必要に応じて、特開2001−253181号公報や特開2001−322365号公報に記載されている陽極酸化皮膜のマイクロポアの拡大処理や封孔処理や、親水性化合物を含有する水溶液に浸漬する表面親水化処理などを適宜選択して行うことができる。もちろん、これら拡大処理、封孔処理は、これらに記載のものに限られたものではなく従来公知の何れの方法も行うことができる。
(封孔処理)
封孔処理としては、蒸気封孔のほかフッ化ジルコン酸の単独処理、フッ化ナトリウムによる処理など無機フッ素化合物を含有する水溶液による封孔処理、塩化リチウムを添加した蒸気封孔、熱水による封孔処理でも可能である。
中でも、無機フッ素化合物を含有する水溶液による封孔処理、水蒸気による封孔処理及び熱水による封孔処理が好ましい。以下にそれぞれ説明する。
−無機フッ素化合物を含有する水溶液による封孔処理−
無機フッ素化合物を含有する水溶液による封孔処理に用いられる無機フッ素化合物としては、金属フッ化物が好適に挙げられる。
具体的には、例えば、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化ジルコン酸ナトリウム、フッ化ジルコン酸カリウム、フッ化チタン酸ナトリウム、フッ化チタン酸カリウム、フッ化ジルコン酸アンモニウム、フッ化チタン酸アンモニウム、フッ化チタン酸カリウム、フッ化ジルコン酸、フッ化チタン酸、ヘキサフルオロケイ酸、フッ化ニッケル、フッ化鉄、フッ化リン酸、フッ化リン酸アンモニウムが挙げられる。中でも、フッ化ジルコン酸ナトリウム、フッ化チタン酸ナトリウム、フッ化ジルコン酸、フッ化チタン酸が好ましい。
水溶液中の無機フッ素化合物の濃度は、陽極酸化皮膜のマイクロポアの封孔を充分に行う点で、0.01質量%以上であることが好ましく、0.05質量%以上であることがより好ましく、また、耐汚れ性の点で、1質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがより好ましい。
無機フッ素化合物を含有する水溶液は、更に、リン酸塩化合物を含有することが好ましい。リン酸塩化合物を含有すると、陽極酸化皮膜の表面の親水性が向上するため、機上現像性及び耐汚れ性を向上させることができるので好ましい。
リン酸塩化合物としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属等の金属のリン酸塩が好適に挙げられる。
具体的には、例えば、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、リン酸アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸一アンモニウム、リン酸一カリウム、リン酸一ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸カルシウム、リン酸水素アンモニウムナトリウム、リン酸水素マグネシウム、リン酸マグネシウム、リン酸第一鉄、リン酸第二鉄、リン酸二水素ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸鉛、リン酸二アンモニウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸リチウム、リンタングステン酸、リンタングステン酸アンモニウム、リンタングステン酸ナトリウム、リンモリブデン酸アンモニウム、リンモリブデン酸ナトリウム、亜リン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウムが挙げられる。中でも、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウムが好ましい。
無機フッ素化合物とリン酸塩化合物の組み合わせは、特に限定されないが、水溶液が、無機フッ素化合物として、少なくともフッ化ジルコン酸ナトリウムを含有し、リン酸塩化合物として、少なくともリン酸二水素ナトリウムを含有することが好ましい。
水溶液中のリン酸塩化合物の濃度は、機上現像性及び耐汚れ性の向上の点で、0.01質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましく、また、溶解性の点で、20質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
水溶液中の各化合物の割合は、特に限定されないが、無機フッ素化合物とリン酸塩化合物の質量比が、1/200〜10/1であることが好ましく、1/30〜2/1であることがより好ましい。
また、水溶液の温度は、20℃以上であることが好ましく、40℃以上であることがより好ましく、また、100℃以下であることが好ましく、80℃以下であることがより好ましい。
また、水溶液は、pH1以上であることが好ましく、pH2以上であることがより好ましく、また、pH11以下であることが好ましく、pH5以下であることがより好ましい。
無機フッ素化合物を含有する水溶液による封孔処理の方法は、特に限定されず、例えば、浸漬法、スプレー法が挙げられる。これらは単独で1回又は複数回用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、浸漬法が好ましい。浸漬法を用いて処理する場合、処理時間は、1秒以上であることが好ましく、3秒以上であることがより好ましく、また、100秒以下であることが好ましく、20秒以下であることがより好ましい。
−水蒸気による封孔処理−
水蒸気による封孔処理は、例えば、加圧又は常圧の水蒸気を連続的に又は非連続的に、陽極酸化皮膜に接触させる方法が挙げられる。
水蒸気の温度は、80℃以上であることが好ましく、95℃以上であることがより好ましく、また、105℃以下であることが好ましい。
水蒸気の圧力は、(大気圧−50mmAq)から(大気圧+300mmAq)までの範囲(1.008×105〜1.043×105Pa)であることが好ましい。
また、水蒸気を接触させる時間は、1秒以上であることが好ましく、3秒以上であることがより好ましく、また、100秒以下であることが好ましく、20秒以下であることがより好ましい。
−熱水による封孔処理−
熱水(水蒸気)による封孔処理は、例えば、陽極酸化皮膜を形成させたアルミニウム板を熱水に浸漬させる方法が挙げられる。
熱水は、無機塩(例えば、リン酸塩)又は有機塩を含有していてもよい。
熱水の温度は、80℃以上であることが好ましく、95℃以上であることがより好ましく、また、100℃以下であることが好ましい。
また、熱水に浸漬させる時間は、1秒以上であることが好ましく、3秒以上であることがより好ましく、また、100秒以下であることが好ましく、20秒以下であることがより好ましい。
本発明における支持体に対する親水化処理としては、米国特許第2,714,066号、同第3,181,461号、同第3,280,734号及び同第3,902,734号の各明細書に記載されているようなアルカリ金属シリケート法がある。この方法においては、支持体をケイ酸ナトリウムなどの水溶液で浸漬処理し、又は電解処理する。その他に、特公昭36−22063号公報に記載されているフッ化ジルコン酸カリウムで処理する方法、米国特許第3,276,868号、同第4,153,461号及び同第4,689,272号の各明細書に記載されているようなポリビニルホスホン酸で処理する方法などが挙げられる。
本発明において、支持体は、中心線平均粗さが0.10〜1.2μmであることが好ましい。この範囲であると、疎水性画像との良好な接着性、良好な耐刷性と良好な汚れ難さが得られるので好ましい。
(ii−1)親水性支持体上に、本発明のインク組成物を吐出する工程
まず、親水性支持体上に本発明のインク組成物を吐出する。この工程には、前記インクジェット記録方法における(i−1)工程と同様に、従来公知のインクジェット記録装置を用いることができる。また、このインクジェット記録装置を用いてインクを吐出させる際の、インクの温度及び粘度の好ましい範囲、更にそれらの制御方法も同様である。(i−1)工程におけるインクの吐出量や液滴のサイズなどは、形成しようとする印刷物に適合したものが選択される。
(ii−2)吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、該インク組成物を硬化させることにより、該インク組成物が硬化してなる疎水性領域を形成する工程
親水性支持体の表面上に吐出されたインク組成物は、活性放射線を照射することによって硬化する。この硬化機構の詳細は、前記インクジェット記録方法における(i−2)工程と同様である。また、ここでインク組成物の硬化に用いられる活性放射線源或いはその好ましい照射条件もまた、前記インクジェット記録方法において述べたのと同様である。
上記の工程を経ることで、本発明インク組成物が硬化してなる疎水性画像が、親水性支持体表面に形成され、平版印刷版が得られる。
このように、本発明のインクジェット記録方法を適用して平版印刷版を製造することにより、表面の濡れ性が異なる様々な平版印刷版用支持体に対しても、着弾したインクのドット径を一定に保つことができ、その結果、疎水性画像が精度よく形成される。
また、前述のように、本発明のインク組成物は、活性放射線により高感度で硬化し、支持体との接着性や膜質に優れた疎水性領域(疎水性画像)を形成することができる。
これらのことから、本発明の平版印刷版は、高画質であり、耐刷性にも優れる。
なお、本発明のインク組成物は、このような平版印刷版の画像部を形成するのみならず、前述のように、印刷物の作製などに適用される一般的に使用されるインク組成物としても有用であることはいうまでもない。
以下実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例における形態に限定されるものではない。なお、以下の実施例は各色のUVインクジェット用インクに係るものである。また、以下の説明においては、特に断りのない限り、「部」はすべて「質量部」を意味する。
〔実施例1〕
以下の成分を、高速水冷式攪拌機により撹拌し、シアン色のUVインクジェット用インクを得た。
(シアン色インク組成物)
・特定重合性化合物〔例示化合物(B−7):(B)成分〕 25.0部
・トリデシルアクリレート 11.0部
(Sartomer社製SR498E)
・2−フェノキシエチルアクリレート 23.4部
(Sartomer社製SR339)
・トリメチロールプロパントリアクリレート〔(D)成分〕 8.0部
(Sartomer社製SR351)
・Solsperse 32000(Noveon社製分散剤) 0.4部
・Irgalite Blue GLVO〔(C)成分〕 3.6部
(Ciba Specialty Chemicals社製顔料)
・Genorad 16(Rahn社製重合抑制剤) 0.05部
・Rapi−Cure DVE−3 4.0部
(ISP Europe社製ビニルエーテル化合物)
・Lucirin TPO(BASF社製光開始剤:(A)成分) 8.5部
・ベンゾフェノン(光開始剤:(A)成分) 4.0部
・Irgacure 184 4.0部
(Ciba Specialty Chemicals社製光開始剤:(A)成分)
・Byk 307(BYK Chemie社製消泡剤) 0.05部
(インクの評価)
得られたシアン色インク組成物と、ピエゾ型インクジェットヘッド(東芝テック製のCA3ヘッド)を有するインクジェット記録装置を用いて、ポリ塩化ビニル製のシート上に記録を行った。インク供給系は、元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドから成り、ノズル部分が常に45℃±3℃となるよう、温度制御を行った(100%被覆画像を印刷)。インク組成物を吐出後、鉄ドープ処理した紫外線ランプ(パワー120W/cm)の光線下に40m/minの速度で通過させることにより照射を行って、インクを硬化させ、印刷物を得た。
このとき、以下の評価を行った。
<硬化感度>
硬化における露光エネルギーを光量積算計(EIT社製UV PowerMAP)により測定した。この数値が小さいほど、高感度で硬化すると評価する。その結果、実施例1のインク組成物は、シート上での紫外線の積算露光量は約330mJ/cmであり、高感度で硬化していることが確認された。
<硬化性>
硬化性は、このインクによる印刷物を、シート上での紫外線の積算露光量約330mJ/cmで硬化を行い、硬化後の画像部を触診により評価した。硬化性は、硬化膜表面の粘着性の有無で評価する。
その結果、硬化後の粘着性は完全に消失しており、硬化性に優れることを確認した。
<被記録媒体との接着性>
被記録媒体との接着性はクロスハッチテスト(EN ISO2409)により評価し、ASTM法による表記5B〜1Bで表す。5Bが最も接着性に優れ、3B以上で実用上問題のないレベルであると評価する。
その結果、実施例1のインク組成物は、高い接着性を有し、その値は、ASTM法による表記で4Bを示した。
<柔軟性>
柔軟性の評価は、インクにより画像形成したシートを10回折り曲げた後に硬化膜に生じた亀裂の程度によって評価した。この折り曲げ試験は、亀裂がまったく生じない状態を5点とした5段階評価で行い、3点以上を実用上問題のない状態と評価する。
その結果、実施例1では、印刷画像に影響を与えないわずかな亀裂の発生を認めるにすぎず、4点と評価された。
〔実施例2〕
以下の成分を、高速水冷式攪拌機により撹拌し、マゼンタ色のUVインクジェット用インクを得た。
(マゼンタ色インク組成物)
・特定重合性化合物〔例示化合物(B−8):(B)成分〕 13.0部
・N−ビニルカプロラクタム〔(D)成分〕 27.0部
・2−フェノキシエチルアクリレート 21.4部
(Sartomer社製SR339)
・トリメチロールプロパントリアクリレート〔(D)成分〕 5.0部
(Sartomer社製SR351)
・Solsperse 32000(Noveon社製分散剤) 0.4部
・Cinquasia Mazenta RT−355D〔(C)成分〕 3.6部
(Ciba Specialty Chemicals社製顔料)
・Genorad 16(Rahn社製重合抑制剤) 0.05部
・Rapi−Cure DVE−3 4.0部
(ISP Europe社製ビニルエーテル化合物)
・Lucirin TPO(BASF社製光開始剤:(A)成分) 8.5部
・ベンゾフェノン(光開始剤:(A)成分) 4.0部
・Irgacure 184 4.0部
(Ciba Specialty Chemicals社製光開始剤:(A)成分)
・イソプロピルチオキサントン(ITX) 1.0部
・Byk 307(BYK Chemie社製消泡剤) 0.05部
得られたマゼンタ色インクを、ポリ塩化ビニル製のシート上に実施例1と同様に吐出し、硬化を行った。このインクによる印刷物を実施例1と同様に評価した。結果を下記表1に示す。
〔実施例3〕
以下の成分を、高速水冷式攪拌機により撹拌し、イエロー色のUVインクジェット用インクを得た。
(イエロー色インク組成物)
・特定重合性化合物〔例示化合物(B−8):(B)成分〕 4.0部
・重合性化合物〔下記化合物 18.0部

・N−ビニルカプロラクタム〔(D)成分〕 21.0部
・2−フェノキシエチルアクリレート 20.4部
(Sartomer社製SR339)
・トリメチロールプロパントリアクリレート〔(D)成分〕 4.0部
(Sartomer社製SR351)
・ジプロピレングリコールジアクリレート〔(D)成分〕 1.0部
(Sartomer社製SR508)
・Solsperse 32000(Noveon社製分散剤) 0.4部
・Cromophtal Yellow LA(C)成分 3.6部
(Ciba Specialty Chemicals社製顔料)
・Genorad 16(Rahn社製重合抑制剤) 0.05部
・Rapi−Cure DVE−3 2.0部
(ISP Europe社製ビニルエーテル化合物)
・Lucirin TPO(BASF社製光開始剤:(A)成分) 8.5部
・ベンゾフェノン(光開始剤:(A)成分) 4.0部
・Irgacure 184 4.0部
(Ciba Specialty Chemicals社製光開始剤:(A)成分)
・イソプロピルチオキサントン(ITX) 1.0部
・Byk 307(BYK Chemie社製消泡剤) 0.05部
得られたイエロー色インクを、ポリ塩化ビニル製のシート上に実施例1と同様に吐出し、硬化を行った。このインクによる印刷物を実施例1と同様に評価した。結果を下記表1に示す。
〔実施例4〕
以下の成分を、高速水冷式攪拌機により撹拌し、黒色のUVインクジェット用インクを得た。
(黒色インク組成物)
・特定重合性化合物〔例示化合物(B−20):(B)成分〕 20.0部
・イソボルニルアクリレート〔(D)成分〕 17.0部
(Sartomer社製SR506D)
・2−フェノキシエチルアクリレート〔(D)成分〕 28.4部
(Sartomer社製SR339)
・トリメチロールプロパントリアクリレート〔(D)成分〕 6.0部
(Sartomer社製SR351)
・Solsperse 32000(Noveon社製分散剤) 0.4部
・Microlith Black C−K〔(C)成分〕 2.6部
(Ciba Specialty Chemicals社製顔料)
・Genorad 16(Rahn社製重合抑制剤) 0.05部
・Lucirin TPO(BASF社製光開始剤:(A)成分) 8.5部
・ベンゾフェノン(光開始剤:(A)成分) 4.0部
・Irgacure 184 4.0部
(Ciba Specialty Chemicals社製光開始剤:(A)成分)
・イソプロピルチオキサントン(ITX) 1.0部
・Byk 307(BYK Chemie社製消泡剤) 0.05部
得られた黒色インクをポリ塩化ビニル製のシート上に実施例1と同様に吐出し、硬化を行った。このインクによる印刷物を実施例1と同様に評価した。結果を下記表1に示す。
〔比較例1〕
以下の成分を、高速水冷式攪拌機により撹拌し、シアン色のUVインクジェット用インクを得た。
(シアン色インク組成物)
・ウンデシルアクリレート〔下記化合物:(D)成分〕 25.0部
・トリデシルアクリレート〔(D)成分〕 11.0部
(Sartomer社製SR498E)
・2−フェノキシエチルアクリレート〔(D)成分〕 23.4部
(Sartomer社製SR339)
・トリメチロールプロパントリアクリレート〔(D)成分〕 8.0部
(Sartomer社製SR351)
・Solsperse 32000(Noveon社製分散剤) 0.4部
・Irgalite Blue GLVO 〔(C)成分〕 3.6部
(Ciba Specialty Chemicals社製顔料)
・Genorad 16(Rahn社製重合抑制剤) 0.05部
・Rapi−Cure DVE−3 4.0部
(ISP Europe社製ビニルエーテル化合物)
・Lucirin TPO(BASF社製光開始剤:(A)成分) 8.5部
・ベンゾフェノン(光開始剤:(A)成分) 4.0部
・Irgacure 184 4.0部
(Ciba Specialty Chemicals社製光開始剤:(A)成分)
・Byk 307(BYK Chemie社製消泡剤) 0.05部
得られたシアン色インクをポリ塩化ビニル製のシート上に実施例1と同様に吐出し、硬化を行った。このインクによる印刷物を実施例1と同様に評価した。結果を下記表1に示す。
〔比較例2〕
以下の成分を、高速水冷式攪拌機により撹拌し、シアン色のUVインクジェット用インクを得た。
(シアン色インク組成物)
・トリデシルアクリレート〔(D)成分〕 11.0部
(Sartomer社製SR498E)
・2−フェノキシエチルアクリレート〔(D)成分〕 23.4部
(Sartomer社製SR339)
・トリメチロールプロパントリアクリレート〔(D)成分〕 33.0部
(Sartomer社製SR351)
・Solsperse 32000(Noveon社製分散剤) 0.4部
・Irgalite Blue GLVO〔(C)成分〕 3.6部
(Ciba Specialty Chemicals社製顔料)
・Genorad 16(Rahn社製重合抑制剤) 0.05部
・Rapi−Cure DVE−3 4.0部
(ISP Europe社製ビニルエーテル化合物)
・Lucirin TPO(BASF社製光開始剤:(A)成分) 8.5部
・ベンゾフェノン(光開始剤:(A)成分) 4.0部
・Irgacure 184 4.0部
(Ciba Specialty Chemicals社製光開始剤:(A)成分)
・Byk 307(BYK Chemie社製消泡剤) 0.05部
得られたシアン色インクをポリ塩化ビニル製のシート上に実施例1と同様に吐出し、硬化を行った。このインクによる印刷物を実施例1と同様に評価した。結果を下記表1に示す。
表1に明らかなように、実施例1〜のインク組成物は、いずれも高感度で硬化し、画像部の硬化性、被記録媒体との接着性、形成された画像の柔軟性のすべての評価項目において優れており、実用上問題のないレベルであった。
なかでも(B)特定重合性化合物として環構造を有するものを用いた実施例3は接着性及び柔軟性の双方に優れている。
一方、実施例1のインク組成物における(B)特定重合性化合物(例示化合物B−7)に代えて、ウンデシルアクリレートを用いた比較例1のインク組成物は、硬化しなかったため、硬化膜の評価ができなかった。また、(B)特定重合性化合物を含有しない以外は、実施例1のインク組成物と同様の組成を有する比較例2のインク組成物は、良好な硬化性を示したが、接着性及び柔軟性の何れも劣っており、実用上問題となるレベルであった。
〔実施例
(支持体の作製)
Si:0.06質量%、Fe:0.30質量%、Cu:0.025質量%、Mn:0.001質量%、Mg:0.001質量%、Zn:0.001質量%、Ti:0.03質量%を含有し、残部はAlと不可避不純物のアルミニウム合金を用いて溶湯を調製し、溶湯処理及びろ過を行った上で、厚さ500mm、幅1200mmの鋳塊をDC鋳造法で作製した。表面を平均10mmの厚さで面削機により削り取った後、550℃で、約5時間均熱保持し、温度400℃に下がったところで、熱間圧延機を用いて厚さ2.7mmの圧延板とした。更に、連続焼鈍機を用いて熱処理を500℃で行った後、冷間圧延で、厚さ0.24mmに仕上げ、JIS 1050材のアルミニウム板を得た。なお、得られたアルミニウムの平均結晶粒径の短径は50μm、長径は300μmであった。このアルミニウム板を幅1030mmにした後、以下に示す表面処理に供しアルミニウム支持体を作成した。
<表面処理>
表面処理は、以下の(a)〜(j)の各種処理を連続的に行った。なお、各処理及び水洗の後には、ニップローラーで液切りを行った。
(a)機械的粗面化処理
比重1.12の研磨剤(パミス)と水との懸濁液を研磨スラリー液としてアルミニウム板の表面に供給しながら、回転するローラ状ナイロンブラシにより機械的粗面化処理を行った。研磨剤の平均粒径は30μm、最大粒径は100μmであった。ナイロンブラシの材質は6・10ナイロン、毛長は45mm、毛の直径は0.3mmであった。ナイロンブラシはφ300mmのステンレス製の筒に穴をあけて密になるように植毛した。回転ブラシは3本使用した。ブラシ下部の2本の支持ローラ(φ200mm)の距離は300mmであった。ブラシローラはブラシを回転させる駆動モータの負荷が、ブラシローラをアルミニウム板に押さえつける前の負荷に対して7kWプラスになるまで押さえつけた。ブラシの回転方向はアルミニウム板の移動方向と同じであった。ブラシの回転数は200rpmであった。
(b)アルカリエッチング処理
上記で得られたアルミニウム板をカセイソーダ濃度2.6質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%、温度70℃の水溶液を用いてスプレーによるエッチング処理を行い、アルミニウム板を10g/m2溶解した。その後、スプレーによる水洗を行った。
(c)デスマット処理
温度30℃の硝酸濃度1質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーで水洗した。デスマット処理に用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的粗面化処理を行う工程の廃液を用いた。
(d)電気化学的粗面化処理
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸10.5g/L水溶液(アルミニウムイオンを5g/L、アンモニウムイオンを0.007質量%含む。)、液温50℃であった。交流電源波形は、電流値がゼロからピークに達するまでの時間が0.8msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。
電流密度は電流のピーク値で30A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で220C/dm2であった。補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。その後、スプレーによる水洗を行った。
(e)アルカリエッチング処理
アルミニウム板をカセイソーダ濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%の水溶液を用いてスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.50g/m2溶解し、前段の交流を用いて電気化学的粗面化処理を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、スプレーによる水洗を行った。
(f)デスマット処理
温度30℃の硝酸濃度15質量%水溶液(アルミニウムイオンを4.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーで水洗した。デスマットに用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的粗面化処理を行う工程の廃液を用いた。
(g)電気化学的粗面化処理
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的粗面化処理を行った。このときの電解液は、塩酸5.0g/L水溶液(アルミニウムイオンを5g/L含む。)、温度35℃であった。交流電源波形は、電流値がゼロからピークに達するまでの時間が0.8msec、duty比1:1、台形の炬形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。
電流密度は電流のピーク値で25A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で50C/dm2であった。その後、スプレーによる水洗を行った。
(h)アルカリエッチング処理
アルミニウム板をカセイソーダ濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%の水溶液を用いてスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.12g/m2溶解し、前段の交流を用いて電気化学的粗面化処理を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、スプレーによる水洗を行った。
(i)デスマット処理
温度60℃の硫酸濃度25質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーによる水洗を行った。
(j)陽極酸化処理
陽極酸化装置(第一及び第二電解部長各6m、第一及び第二給電部長各3m、第一及び第二給電部長各2.4m)を用いて陽極酸化処理を行った。第一及び第二電解部に供給した電解液としては、硫酸を用いた。電解液は、いずれも、硫酸濃度50g/L(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)、温度20℃であった。その後、スプレーによる水洗を行った。最終的な酸化皮膜量は2.7g/m2であった。
(平版印刷版の作製と評価)
上記で作製したアルミニウム支持体上に、実施例1のインク組成物で印字し、実施例1と同様にして画像を形成し、硬化させた。
これを平版印刷版として、以下の方法で、画像の評価、及び耐刷性の評価を行った。
<画像の評価>
実施例1のインク組成物を用いて作製した平版印刷版を、ハイデルKOR−D機に掛け、インク〔枚葉用VALUES−G紅(大日本インク(株)製)〕と湿し水〔Ecolity2(富士写真フイルム(株)製)〕とを供給して印刷を行った。100枚印刷後の印刷物を目視で評価した。その結果、画像部の白ヌケ、及び、非画像部の汚れのない良好な画像であることを確認した。
<耐刷性の評価>
そのまま印刷を継続したところ、画像部の白ヌケ、及び非画像部の汚れのない高画質の印刷物が5,000枚以上得られ、耐刷性も実用上問題のないレベルであることを確認した。
この結果より、本発明のインク組成物により画像形成した平版印刷版は、高画質の画像形成が可能であり、耐刷性も良好であり、本発明のインク組成物は平版印刷版の製造にも好適に用いうることがわかった。

Claims (5)

  1. (A)重合開始剤、(B)下記一般式(I)で表されるα位がsp混成軌道を有する炭素原子である二重結合を有する(メタ)アクリレート、及び(C)着色剤を含有することを特徴とするインク組成物。

    一般式(I)中、R〜Rは、各々独立に、水素原子又はアルキル基を表す。但し、R〜Rの全てが水素原子であることはなく、R〜Rで表されるアルキル基の少なくとも1つは、アルキレン基内のメチレン基(−CH−)が、−O−、−S−又は−NR から選択される2価の基で置換されていてもよい直鎖又は分岐アルキレン基を介して、下記一般式(II)で表されるアクリレート基又は下記一般式(III)で表されるメタアクリレート基に結合する。Rはアルキル基を表す。但し、R〜Rの2以上が連結して環構造を形成することはない。

    一般式(II)又は一般式(III)中、*は、R〜Rのいずれかで表されるアルキル基、又は該アルキル基に結合した前記直鎖又は分岐アルキレン基との結合位置を表す。
  2. 前記(B)下記一般式(I)で表されるα位がsp混成軌道を有する炭素原子である二重結合を有する(メタ)アクリレートが、下記B−1〜B−5、B−7〜B−13、B−15〜B−20で示される化合物群から選択される少なくとも1種である請求項1に記載のインク組成物。



  3. (i−1)被記録媒体上に、請求項1又は請求項2に記載のインク組成物を吐出する工程、及び、
    (i−2)吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、該インク組成物を硬化する工程、
    を含むことを特徴とするインクジェット記録方法。
  4. (ii−1)親水性支持体上に、請求項1又は請求項2に記載のインク組成物を吐出する工程、及び、
    (ii−2)吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、該インク組成物を硬化することにより、該インク組成物が硬化してなる疎水性領域を前記親水性支持体上に形成する工程、
    を含むことを特徴とする平版印刷版の製造方法。
  5. 親水性支持体上に、請求項1又は請求項2に記載のインク組成物を硬化してなる疎水性領域を有する平版印刷版。
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