JP5832946B2 - インクジェットインク組成物 - Google Patents
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Description
一方、インクジェット方式は、安価な装置で、かつ、必要とされる画像部のみにインクを吐出し被記録媒体上に直接画像形成を行うため、インクを効率良く使用でき、ランニングコストが安い。更に、騒音が少なく、画像記録方式として優れている。
近年、紫外線などの放射線の照射により硬化可能なインク組成物(放射線硬化型インク組成物)を、インクジェットにより描画した後、紫外線などの放射線を照射して、インクを硬化する、無溶剤型のインクジェット記録方式が注目されている。
放射線硬化型インクの硬化機構としては、ラジカル重合型とカチオン重合型に大別されるが、ラジカル重合型は、カチオン重合型と比較して、保存安定性に優れる、安価といったメリットを有しているため、市場で広く使用されている。
従来のインクジェットインク組成物としては、特許文献1〜4に記載されたものが挙げられる。
<1>(成分A)ラジカル重合性化合物、(成分B)ラジカル重合開始剤、及び、(成分C)着色剤を含有し、成分Aが、式(I)で表される化合物と、式(II)〜式(IV)で表される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物とを含み、前記式(I)で表される化合物の含有量が、インク組成物の全質量に対し、5〜35質量%であり、前記式(II)〜式(IV)で表される化合物の総含有量が、インク組成物の全質量に対し、10〜80質量%であることを特徴とするインクジェットインク組成物、
<5>前記式(I)で表される化合物が、N−シクロヘキシルアクリルアミド、又は、N−tert−ブチルアクリルアミドである、上記<1>〜<4>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物、
<6>成分Aが、式(I)で表される化合物と、式(II)〜式(IV)で表される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも2種の化合物とを含む、上記<1>〜<5>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物、
<7>成分Aが、式(I)で表される化合物と、式(II)で表される化合物及び/又は式(III)で表される化合物とを含む、上記<1>〜<5>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物、
<8>成分Aが、式(I)で表される化合物と、式(III)で表される化合物とを含む、上記<1>〜<5>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物、
<9>成分Aが、式(I)で表される化合物と、式(II)で表される化合物と、式(III)で表される化合物とを含む、上記<1>〜<8>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物、
<10>成分Aが、式(I)で表される化合物と、式(II)で表される化合物と、式(III)で表される化合物と、式(IV)で表される化合物とを含む、上記<1>〜<9>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物、
<11>(成分D)増感剤を更に含有する、上記<1>〜<10>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物、
<12>成分Dが、イソプロピルチオキサントンである、上記<11>に記載のインクジェットインク組成物、
<13>前記式(I)で表される化合物の含有量が、インク組成物の全質量に対し、15〜25質量%であり、前記式(II)〜式(IV)で表される化合物の総含有量が、インク組成物の全質量に対し、40〜80質量%である、上記<1>〜<12>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物。
なお、本明細書中、「xx〜yy」の記載は、xx及びyyを含む数値範囲を表す。また、「(成分A)式(1)で表される光重合開始剤」等を単に「成分A」等ともいう。
「(メタ)アクリレート」等は、「アクリレート及び/又はメタクリレート」等と同義であり、以下同様とする。
また、本発明において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
一方、本発明のインク組成物は、式(I)で表される化合物と、式(II)〜式(IV)で表される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物とをそれぞれ特定の量で含有することにより、硬化性が良好であり、得られる画像の被記録媒体への密着性に優れ、高光沢な印刷物を得ることができる。理由は定かではないが、式(I)で表される化合物と、式(II)〜式(IV)で表される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物とをそれぞれ特定の量に含有することにより、本発明のインク組成物は、着弾直後の活性放射線照射によって、特に打滴内部で高い硬化性が得られるため、不必要な打滴の融合を抑制し、かつ適度な打滴の拡がりも兼ね備えることで、比較的平滑な印刷物表面が得られ、高光沢な画像が得られ、かつ硬化性及び得られる画像の被記録媒体への密着性にも優れると推定される。
特に酸素溶存量が高いと推定される式(II)〜(IV)で表される化合物の存在により、硬化膜の最表面が酸素重合阻害をうけ、初期反応速度を低下させることで、打滴の最表面が長時間液状に保たれ、打滴最表面が濡れ拡がり、合一が促進され、高光沢な画像が得られると推定される。
また、本発明のインク組成物は、活性放射線硬化型のインク組成物であり、水性インク組成物や溶剤インク組成物とは異なる。本発明のインク組成物は、水及び揮発性溶剤をできるだけ含有しないことが好ましく、含有していたとしても、インク組成物の全質量に対し、1質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以下であることが更に好ましい。
本発明のインク組成物は、(成分A)ラジカル重合性化合物を含有し、成分Aが、式(I)で表される化合物と、式(II)〜式(IV)で表される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物とを含み、前記式(I)で表される化合物の含有量が、インク組成物の全質量に対し、5〜35質量%であり、前記式(II)〜式(IV)で表される化合物の総含有量が、インク組成物の全質量に対し、10〜80質量%である。
また、成分Aは、式(I)で表される化合物と、式(II)で表される化合物及び/又は式(III)で表される化合物とを含むことが好ましく、式(I)で表される化合物と、式(III)で表される化合物とを含むことがより好ましく、式(I)で表される化合物と、式(II)で表される化合物と、式(III)で表される化合物とを含むことが更に好ましく、式(I)で表される化合物と、式(II)で表される化合物と、式(III)で表される化合物と、式(IV)で表される化合物とを含むことが特に好ましい。上記態様であると、硬化性及び保存安定性に優れ、得られる画像が高光沢であり、また、得られる画像の被記録媒体への密着性に優れる。
以下、式(I)〜式(IV)で表される化合物について、詳述する。
本発明のインク組成物は、成分Aとして、式(I)で表される化合物を含み、かつ、前記式(I)で表される化合物の含有量が、インク組成物の全質量に対し、5〜35質量%である。
また、前記式(I)のR1及びR2の総炭素数は、1〜40であることが好ましく、1〜20であることがより好ましく、3〜10であることが更に好ましく、3〜6であることが特に好ましい。
前記式(I)のR1及びR2におけるアルキル基は、直鎖であっても、分岐を有していても、環構造を有していてもよく、また、置換基を有していてもよい。
前記置換基としては、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリール基等が挙げられる。
R1及びR2におけるアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ブトキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基等が例示できる。
また、R1とR2とは互いに連結して環を形成する場合、例えば、アクリロイルモルホリン等のように、前記環の環員の一部が酸素原子であってもよい。
前記式(I)で表される化合物が、式(V)で表される化合物であることが好ましく、式(VI)で表される化合物であることがより好ましい。上記態様であると、硬化性により優れ、得られる画像がより高光沢である。
本発明のインク組成物は、式(II)で表される化合物を含有することが好ましい。
本発明のインク組成物は、式(II)で表される化合物を含有することにより、より高光沢な画像が得られ、また、被記録媒体への密着性により優れる。
式(II)におけるA1は、単結合又は二価の連結基を表す。
A1における二価の連結基としては、本発明の効果を大きく損なうものでない限り特に制限はないが、二価の炭化水素基、又は、炭化水素基及びエーテル結合を組み合わせた二価の基であることが好ましく、二価の炭化水素基、ポリ(アルキレンオキシ)基、又は、ポリ(アルキレンオキシ)アルキル基であることがより好ましい。また、前記二価の連結基の炭素原子数は、1〜60であることが好ましく、1〜20であることがより好ましい。
A1としては、インク組成物の硬化速度、及び、被記録媒体への密着性の観点から、単結合が好ましい。また、柔軟性の観点から、A1としては、−R6−O−、−R6−COO−、−R6−NR7COO−、又は、これらを組み合わせた基であることが好ましく、R6が炭素数1〜5の直鎖又は分枝のアルキル基である−R6−O−、−R6−COO−、又は、これらを2以上組み合わせた基であることがより好ましい。
本発明のインク組成物は、式(III)で表される化合物を含有することが好ましい。
本発明のインク組成物は、式(III)で表される化合物を含有することにより、より高光沢な画像が得られ、また、被記録媒体への密着性により優れる。
式(III)のA2における二価の連結基としては、本発明の効果を大きく損なうものでない限り特に制限はないが、二価の炭化水素基、又は、炭化水素基及びエーテル結合を組み合わせた二価の基であることが好ましく、二価の炭化水素基、ポリ(アルキレンオキシ)基、又は、ポリ(アルキレンオキシ)アルキル基であることがより好ましい。また、前記二価の連結基の炭素原子数は、1〜60であることが好ましく、1〜20であることがより好ましい。
また、A2としては、単結合、二価の炭化水素基、又は、炭化水素基及びエーテル結合を組み合わせた二価の基であることが好ましく、炭素原子数1〜20の二価の炭化水素基であることがより好ましく、炭素原子数1〜8の二価の炭化水素基であることが更に好ましく、メチレン基であることが特に好ましい。
本発明のインク組成物は、式(IV)で表される化合物を含有することが好ましい。
本発明のインク組成物は、式(IV)で表される化合物を含有することにより、より高光沢な画像が得られ、また、硬化性及び被記録媒体への密着性により優れる。
また、上記N−ビニルラクタム類は、ラクタム環上の水素原子がアルキル基、アリール基等の置換基により置換されていてもよく、ラクタム環と飽和又は不飽和環構造とが連結していてもよい。
式(IV)で表される化合物は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
本発明のインク組成物は、式(I)〜式(IV)で表される化合物以外の、他のラジカル重合性化合物を含有していてもよい。
他のラジカル重合性化合物としては、エチレン性不飽和化合物が好ましい。
他のラジカル重合性化合物としては、公知のラジカル重合性化合物を用いることができ、式(I)〜式(IV)で表される化合物以外の(メタ)アクリレート化合物、(メタ)アクリルアミド化合物、ビニルエーテル化合物、アリル化合物、N−ビニル化合物、不飽和カルボン酸類等が例示できる。例えば、特開2009−221414号公報に記載のラジカル重合性モノマー、特開2009−209289号公報に記載の重合性化合物、特開2009−191183号公報に記載のエチレン性不飽和化合物が挙げられる。
他のラジカル重合性化合物としては、(メタ)アクリレート化合物であることが好ましく、アクリレート化合物であることがより好ましい。
他のラジカル重合性化合物の具体例としては、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド(PO)変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、及び、エチレンオキサイド(EO)変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等が好ましく挙げられる。
また、本発明のインク組成物は、その他のラジカル重合性化合物として、多官能ラジカル重合性化合物を含有することが好ましく、多官能(メタ)アクリレート化合物を含有することがより好ましい。
芳香族基を有する単官能(メタ)アクリレート化合物が有していてもよい芳香環構造としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、インデン、フルオレン、1H−フェナレン、フェナントレン、トリフェニレン、ピレン、ナフタセン、テトラフェン、ビフェニル、as−インダセン、s−インダセン、アセナフチレン、フルオランテン、アセフェナントリレン、アセアントリレン、クリセン、プレイアデン、フラン、チオフェン、ピロリン、ピラゾリン、イミダゾリン、イソオキサゾリン、イソチアゾリン、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアゾール及びテトラゾールよりなる群から選ばれた環構造が好ましく例示できる。
これらの中でも、芳香族基を有する単官能(メタ)アクリレート化合物としては、フェノキシエチル(メタ)アクリレートが特に好ましく例示できる。
他のラジカル重合性化合物の分子量は、80〜2,000であることが好ましく、80〜1,000であることがより好ましく、80〜800であることが更に好ましい。
また、本発明のインク組成物が多官能ラジカル重合性化合物を含有する場合、多官能ラジカル重合性化合物の含有量は、インク組成物の全質量に対し、1〜20質量%であることが好ましく、2〜10質量%であることがより好ましく、3〜7質量%であることが特に好ましい。
本発明のインク組成物は、(成分B)ラジカル重合開始剤を含有する。
本発明に用いることができるラジカル重合開始剤としては、(a)芳香族ケトン類、(b)アシルホスフィン化合物、(c)芳香族オニウム塩化合物、(d)有機過酸化物、(e)チオ化合物、(f)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(g)ケトオキシムエステル化合物、(h)ボレート化合物、(i)アジニウム化合物、(j)メタロセン化合物、(k)活性エステル化合物、(l)炭素ハロゲン結合を有する化合物、及び(m)アルキルアミン化合物等が挙げられる。これらのラジカル重合開始剤は、上記(a)〜(m)の化合物を単独若しくは組み合わせて使用してもよい。上記ラジカル重合開始剤の詳細については、例えば、特開2009−185186号公報の段落0090〜0116に記載されているものが例示できる。
本発明におけるラジカル重合開始剤は、1種単独又は2種以上の併用によって好適に用いられる。
本発明に用いることができるラジカル重合開始剤としては、アシルホスフィン化合物、α−ヒドロキシケトン化合物及び/又はα−アミノケトン化合物を含むことが好ましく、アシルホスフィン化合物とα−ヒドロキシケトン化合物とを含むことがより好ましい。上記態様であると、硬化性により優れる。
芳香族ケトン類としては、α−ヒドロキシケトン化合物及び/又はα−アミノケトン化合物が好ましい。
α−ヒドロキシケトン化合物としては、公知のものを用いることができるが、例えば、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等が挙げられ、中でも、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン化合物が好ましい。なお、本発明において、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン化合物には、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンが任意の置換基で置換された化合物も含まれる。置換基としては、ラジカル重合開始剤としての能力を発揮し得る範囲で任意に選択することができ、具体的には炭素数1〜4のアルキル基が例示できる。
また、α−アミノケトンとしては、公知のものを用いることができ、具体的には例えば、2−メチル−1−フェニル−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(ヘキシル)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−エチル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン等が挙げられる。また、BASFジャパン社製IRGACURE907、IRGACURE369、IRGACURE379等の如き市販品も好ましく例示できる。
本発明のインク組成物は、(成分C)着色剤を含有する。
本発明のインク組成物は、ホワイト、シアン、マゼンタ、イエロー、及び、ブラックよりなる群から選択される少なくとも1種の着色剤を含有することが好ましい。
着色剤としては、特に制限はないが、耐候性に優れ、色再現性に富んだ顔料及び油溶性染料が好ましく、溶解性染料等の公知の着色剤から任意に選択して使用できる。着色剤は、活性放射線による硬化反応の感度を低下させないという観点から、重合禁止剤として機能しない化合物、特にラジカル重合を禁止しない化合物を選択することが好ましい。
黄色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー 1、2、3、4、5、10、65、73、74、75、97、98、111、116、130、167、205等のモノアゾ顔料、61、62、100、168、169、183、191、206、209、212等のモノアゾレーキ顔料、12、13、14、16、17、55、63、77、81、83、97、83、124、126、127、152、155、172、174、176、214、219等のジスアゾ顔料、24、108、193、199等のアントラキノン顔料、60等のモノアゾピラゾロン顔料、93、95、128、166等の縮合アゾ顔料、109、110、139、173、185等のイソインドリン顔料、120、151、154、175、180、181、194等のベンズイミダゾロン顔料、117、150、153等のアゾメチン金属錯体顔料、138等のキノフタロン顔料、213等のキノキサリン顔料等が好ましい。
緑色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントグリーン 1、4等の染付けレーキ顔料、7、36等のフタロシアニン顔料、8等のアゾメチン金属錯体顔料等が好ましい。
橙色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ 1等のモノアゾ顔料、2、3、5等のβ−ナフトール顔料、4、24、38、74等のナフトールAS顔料、13、34等のピラゾロン顔料、36、60、62、64、72等のベンズイミダゾロン顔料、15、16等のジスアゾ顔料、17、46等のβ−ナフトールレーキ顔料、19等のナフタレンスルホン酸レーキ顔料、43等のペリノン顔料、48、49等のキナクリドン顔料、51等のアントラキノン系顔料、61等のイソインドリノン顔料、66等のイソインドリン系顔料、68等のアゾメチン金属錯体顔料、71、73、81等のジケトピロロピロール顔料等が好ましい。
紫色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントバイオレット 1、2、3、27等の染付けレーキ顔料、13、17、25、50等のナフトールAS顔料、5:1等のアントラキノンレーキ顔料、19等のキナクリドン顔料、23、37等のジオキサジン顔料、29等のペリレン顔料、32等のベンズイミダゾロン顔料、38等のチオインジゴ顔料等が挙げられる。
黒色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブラック 1等のインダジン顔料、7であるカーボンブラック、10であるグラファイト、11であるマグネタイト、20等のアントラキノン顔料、31、32等のペリレン顔料等が好ましい。
白色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントホワイト 4である酸化亜鉛、6である酸化チタン、7である硫化亜鉛、12である酸化ジルコニウム(ジルコニウムホワイト)、18である炭酸カルシウム、19である酸化アルミ・酸化ケイ素(カオリンクレー)、21又は22である硫酸バリウム、23である水酸化アルミニウム(アルミナホワイト)、27である酸化ケイ素、28であるケイ酸カルシウム等が好ましい。白色顔料に使用される無機粒子は単体でもよいし、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタン等の酸化物や有機金属化合物、有機化合物との複合粒子であってもよい。中でも酸化チタンは、他の白色顔料と比べて比重が小さい、屈折率が大きい、隠蔽力や着色力が大きい、酸やアルカリ、その他の環境に対する耐久性にも優れていることから、好適に使用される。なお、酸化チタンに加えて他の白色顔料(上述した白色顔料以外のものであってもよい。)を併用してもよい。
本発明に使用可能な油溶性染料のうち、マゼンタ染料としては、任意のものを使用することができる。例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類を有するアリール又はヘテリルアゾ染料;例えばカップリング成分としてピラゾロン類、ピラゾロトリアゾール類を有するアゾメチン染料;例えばアリーリデン染料、スチリル染料、メロシアニン染料、オキソノール染料のようなメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボニウム染料;例えばナフトキノン、アントラキノン、アントラピリドンなどのようなキノン系染料;例えばジオキサジン染料等のような縮合多環系染料等を挙げることができる。
前記の各染料は、クロモフォア(発色性の原子団)の一部が解離して初めてイエロー、マゼンタ、シアンの各色を呈するものであってもよく、その場合のカウンターカチオンはアルカリ金属や、アンモニウムのような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニウム、第四級アンモニウム塩のような有機のカチオンであってもよく、更にはそれらを構造に有するポリマーカチオンであってもよい。
これらの中で特に好ましいものは、Nubian Black PC−0850、Oil Black HBB 、Oil Yellow 129、Oil Yellow 105、Oil Pink 312、Oil Red 5B、Oil Scarlet 308、Vali Fast Blue 2606、Oil Blue BOS(オリエント化学(株)製)、Aizen Spilon Blue GNH(保土ヶ谷化学(株)製)、NeopenYellow 075、Neopen Mazenta SE1378、Neopen Blue 808、Neopen Blue FF4012、Neopen Cyan FF4238(BASF社製)等である。
分散染料の好ましい具体例としては、C.I.ディスパースイエロー 5,42,54,64,79,82,83,93,99、100,119,122,124,126,160,184:1,186,198,199,201,204,224及び237;C.I.ディスパーズオレンジ 13,29,31:1,33,49,54,55,66,73,118,119及び163;C.I.ディスパーズレッド 54,60,72,73,86,88,91,92,93,111,126,127,134,135,143,145,152,153,154,159,164,167:1,177,181,204,206,207,221,239,240,258,277,278,283,311,323,343,348,356及び362;C.I.ディスパーズバイオレット 33;C.I.ディスパーズブルー 56,60,73,87,113,128,143,148,154,158,165,165:1,165:2,176,183,185,197,198,201,214,224,225,257,266,267,287,354,358,365及び368;並びにC.I.ディスパーズグリーン 6:1及び9等が挙げられる。
本発明において、着色剤の含有量は、着色剤の物性(比重、着色力や色味等)、インク組成物を何色組み合わせて印刷物を作製するかといった条件により適宜選択することができるが、隠蔽力や着色力の点から、インク組成物全体の質量に対して、0.1〜30質量%であることが好ましく、0.2〜25質量%であることが更に好ましく、0.3〜20質量%であることが特に好ましい。
本発明において、着色剤に顔料を使用する場合には、顔料と分散剤とを混合した後、ラジカル重合性化合物に添加して分散する、又は、ラジカル重合性化合物と分散剤とを混合した後、顔料を添加して分散することが好ましい。分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、ソルトミル、アトライター、ロールミル、アジテーター、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等の各分散装置を用いることが好ましい。
本発明のインク組成物は、硬化性及び光沢性の観点から、(成分D)増感剤を含有することが好ましい。
増感剤としては、例えば、多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン等)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル等)、シアニン類(例えば、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン等)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン等)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー等)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン等)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン等)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム等)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン等)、チオキサントン類(例えば、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等)、チオクロマノン類(例えば、チオクロマノン等)等が挙げられる。
また、増感剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、表面硬化性、密着性、画質及び耐ブロッキング性の観点から、ジエチルチオキサントン又はイソプロピルチオキサントンが更に好ましく、イソプロピルチオキサントン(2位、4位及び/又はその混合物を含む。)が特に好ましい。
本発明のインク組成物は、(成分E)オリゴマーを含有することが好ましい。
オリゴマーは、一般に有限個(一般的には5〜100個)のモノマーが結合した重合体であり、オリゴマーと称される公知の化合物を任意に選択可能であるが、本発明においては、重量平均分子量が400〜10,000(より好ましくは500〜5,000)の重合体を選択することが好ましい。
前記オリゴマーは、ラジカル重合性基を有していてもよい。前記ラジカル重合性基としては、エチレン性不飽和基が好ましく、(メタ)アクリロキシ基がより好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートとしては、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート、芳香族ウレタン(メタ)アクリレートが好ましく挙げられるが、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートがより好ましく挙げられる。
また、ウレタン(メタ)アクリレートは、4官能以下のウレタン(メタ)アクリレートであることが好ましく、2官能以下のウレタン(メタ)アクリレートであることがより好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートを含有することにより、被記録媒体への密着性に優れ、硬化性に優れるインク組成物が得られる。
オリゴマーについて、オリゴマーハンドブック(古川淳二監修、(株)化学工業日報社)も参照することができる。
ウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、第一工業製薬(株)製のR1204、R1211、R1213、R1217、R1218、R1301、R1302、R1303、R1304、R1306、R1308、R1901、R1150等や、ダイセル・サイテック(株)製のEBECRYLシリーズ(例えば、EBECRYL230、270、4858、8402、8804、8807、8803、9260、1290、1290K、5129、4842、8210、210、4827、6700、4450、220)、新中村化学工業(株)製のNKオリゴU−4HA、U−6HA、U−15HA、U−108A、U200AX等、東亞合成(株)製のアロニックスM−1100、M−1200、M−1210、M−1310、M−1600、M−1960、Sartomer社製のCN964 A85等が挙げられる。
ポリエステル(メタ)アクリレートとしては、例えば、ダイセル・サイテック(株)製のEBECRYLシリーズ(例えば、EBECRYL770、IRR467、81、84、83、80、675、800、810、812、1657、1810、IRR302、450、670、830、870、1830、1870、2870、IRR267、813、IRR483、811等)、東亞合成(株)製のアロニックスM−6100、M−6200、M−6250、M−6500、M−7100、M−8030、M−8060、M−8100、M−8530、M−8560、M−9050等が挙げられる。
また、エポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、ダイセル・サイテック(株)製のEBECRYLシリーズ(例えば、EBECRYL600、860、2958、3411、3600、3605、3700、3701、3703、3702、3708、RDX63182、6040等)等が挙げられる。
本発明のインク組成物におけるオリゴマーの含有量としては、インク組成物の全質量に対して、0.1〜50質量%であることが好ましく、0.5〜20質量%であることがより好ましく、1〜10質量%であることが更に好ましい。
本発明のインク組成物において、着色剤として顔料を使用する場合には、インク組成物中に安定に顔料を分散させるため、分散剤を含有することが好ましい。
本発明に用いることができる分散剤としては、高分子分散剤が好ましい。なお、本発明における「高分子分散剤」とは、重量平均分子量が1,000以上の分散剤を意味する。
高分子分散剤の主鎖骨格は、特に制限はないが、ポリウレタン骨格、ポリアクリル骨格、ポリエステル骨格、ポリアミド骨格、ポリイミド骨格、ポリウレア骨格等が挙げられ、インク組成物の保存安定性の点で、ポリウレタン骨格、ポリアクリル骨格、ポリエステル骨格が好ましい。また、高分子分散剤の構造に関しても特に制限はないが、ランダム構造、ブロック構造、くし型構造、星型構造等が挙げられ、同様に保存安定性の点で、ブロック構造又はくし型構造が好ましい。
更に、分散時には、分散剤に加えて、一般にシナジストと呼ばれる分散助剤(例えば、ルーブリゾール社より市販されているSOLSPERSEシリーズの5000、12000、22000、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社より市販されているEFKA6745等)や、各種界面活性剤、消泡剤を添加して、顔料の分散性、濡れ性を向上させることも好ましい。
その他の成分としては、公知のものを用いることができ、例えば、特開2009−221416号公報に記載されているものが挙げられる。
また、本発明のインク組成物は、保存性、及び、ヘッド詰まりの抑制という観点から、重合禁止剤を含有することが好ましい。
重合禁止剤の含有量は、本発明のインク組成物の全質量に対し、200〜20,000ppmであることが好ましい。
重合禁止剤としては、ニトロソ系重合禁止剤や、ヒンダードアミン系重合禁止剤、ハイドロキノン、ベンゾキノン、p−メトキシフェノール、TEMPO、TEMPOL、クペロンAl等が挙げられる。
本発明のインク組成物は、吐出性を考慮し、25℃における粘度が40mPa・s以下であることが好ましく、5〜40mPa・sであることがより好ましく、7〜30mPa・sであることが更に好ましい。また、吐出温度(好ましくは25〜80℃、より好ましくは25〜50℃)における粘度が、3〜15mPa・sであることが好ましく、3〜13mPa・sであることがより好ましい。本発明のインク組成物は、粘度が上記範囲になるように適宜組成比を調整することが好ましい。室温(25℃)での粘度を高く設定することにより、多孔質な被記録媒体を用いた場合でも、被記録媒体中へのインク浸透を回避し、未硬化モノマーの低減が可能となるので好ましい。更に、インク液滴着弾時のインクの滲みを抑えることができ、その結果として画質が改善されるので好ましい。
本発明のインク組成物の25℃における表面張力は、20〜40mN/mであることが好ましく、23〜39mN/mであることがより好ましい。ポリオレフィン、PET、コート紙、非コート紙など様々な被記録媒体へ記録する場合、滲み及び浸透の観点から、20mN/m以上が好ましく、濡れ性の点では40mN/m以下が好ましい。
本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインク組成物をインクジェット記録用として被記録媒体(支持体、記録材料等)上に吐出し、被記録媒体上に吐出されたインク組成物に活性エネルギー線を照射し、インクを硬化して画像を形成する方法である。
より具体的には、本発明のインクジェット記録方法は、(a)本発明のインクジェットインク組成物をインクジェット方式により吐出して被記録媒体上に画像を形成する画像形成工程、及び、(b)得られた画像に活性放射線を照射して、前記インク組成物を硬化する硬化工程を含むことを特徴とする。
本発明のインクジェット記録方法は、上記(a)及び(b)工程を含むことにより、被記録媒体上において硬化したインク組成物により画像が形成される。
また、本発明の別の観点は、本発明のインクジェット記録方法によって記録された印刷物である。
本発明のインクジェット記録方法における(a)工程には、以下に詳述するインクジェット記録装置を用いることができる。
本発明のインクジェット記録方法に用いることができるインクジェット記録装置としては、特に制限はなく、目的とする解像度を達成し得る公知のインクジェット記録装置を任意に選択して使用することができる。すなわち、市販品を含む公知のインクジェット記録装置であれば、いずれも、本発明のインクジェット記録方法の(a)工程における被記録媒体へのインクの吐出を実施することができる。
インク供給系は、例えば、本発明のインク組成物を含む元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドからなる。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、好ましくは1〜100pl、より好ましくは8〜30plのマルチサイズドットを、好ましくは320×320〜4,000×4,000dpi、より好ましくは400×400〜1,600×1,600dpi、更に好ましくは720×720dpiの解像度で吐出できるよう駆動することができる。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
温度コントロールの方法としては、特に制約はないが、例えば、温度センサーを各配管部位に複数設け、インク流量、環境温度に応じた加熱制御をすることが好ましい。温度センサーは、インク供給タンク及びインクジェットヘッドのノズル付近に設けることができる。また、加熱するヘッドユニットは、装置本体を外気からの温度の影響を受けないよう、熱的に遮断若しくは断熱されていることが好ましい。加熱に要するプリンター立上げ時間を短縮するため、あるいは、熱エネルギーのロスを低減するために、他部位との断熱を行うと共に、加熱ユニット全体の熱容量を小さくすることが好ましい。
本発明のインク組成物のような放射線硬化型インク組成物は、概して通常インクジェット記録用インクで使用される水性インクより粘度が高いため、吐出時の温度変動による粘度変動が大きい。インクの粘度変動は、液滴サイズの変化及び液滴吐出速度の変化に対して大きな影響を与え、ひいては画質劣化を引き起こす。したがって、吐出時のインクの温度はできるだけ一定に保つことが必要である。よって、本発明において、インクの温度の制御幅は、好ましくは設定温度の±5℃、より好ましくは設定温度の±2℃、更に好ましくは設定温度±1℃とすることが適当である。
被記録媒体上に吐出されたインク組成物は、活性エネルギー線を照射することによって硬化する。これは、本発明のインク組成物に含まれる重合開始剤が活性エネルギー線の照射により分解して、ラジカルなどの重合開始種を発生し、その開始種の機能に重合性化合物の重合反応が、生起、促進されるためである。このとき、インク組成物において重合開始剤と共に増感剤が存在すると、系中の増感剤が活性エネルギー線を吸収して励起状態となり、重合開始剤と接触することによって重合開始剤の分解を促進させ、より高感度の硬化反応を達成させることができる。
また、本発明のインク組成物の、重合開始系は、低出力の活性エネルギー線であっても十分な感度を有するものである。したがって、露光面照度が、好ましくは10〜4,000mW/cm2、より好ましくは20〜2,500mW/cm2で硬化させることが適当である。
また、発光ダイオード(LED)及びレーザーダイオード(LD)を活性エネルギー線源として用いることが可能である。特に、紫外線源を要する場合、紫外LED及び紫外LDを使用することができる。例えば、日亜化学(株)は、主放出スペクトルが365nmと420nmとの間の波長を有する紫色LEDを上市している。更に一層短い波長が必要とされる場合、米国特許第6,084,250号明細書は、300nmと370nmとの間に中心付けされた活性エネルギー線を放出し得るLEDを開示している。また、他の紫外LEDも、入手可能であり、異なる紫外線帯域の放射を照射することができる。本発明で特に好ましい活性エネルギー線源はUV−LEDであり、特に好ましくは340〜400nmにピーク波長を有するUV−LEDである。
なお、LEDの被記録媒体上での最高照度は、10〜2,000mW/cm2であることが好ましく、20〜1,000mW/cm2であることがより好ましく、50〜800mW/cm2であることが特に好ましい。
活性エネルギー線の照射条件並びに基本的な照射方法は、特開昭60−132767号公報に開示されている。具体的には、インク組成物の吐出装置を含むヘッドユニットの両側に光源を設け、いわゆるシャトル方式でヘッドユニットと光源を走査することによって行われる。活性エネルギー線の照射は、インク組成物の着弾後、一定時間(好ましくは0.01〜0.5秒、より好ましくは0.01〜0.3秒、更に好ましくは0.01〜0.15秒)をおいて行われることになる。このようにインク組成物の着弾から照射までの時間を極短時間に制御することにより、被記録媒体に着弾したインク組成物が硬化前に滲むことを防止することが可能となる。また、多孔質な被記録媒体に対しても光源の届かない深部までインク組成物が浸透する前に露光することができるため、未反応モノマーの残留を抑えることができるので好ましい。
更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させてもよい。国際公開第99/54415号パンフレットでは、照射方法として、光ファイバーを用いた方法やコリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されており、このような硬化方法もまた、本発明のインクジェット記録方法に適用することができる。
このようにして、本発明のインク組成物は、活性エネルギー線の照射により高感度で硬化することで、被記録媒体表面に画像を形成することができる。
本発明のインクジェット記録方法において、吐出する各着色インク組成物の順番は、特に限定されるわけではないが、明度の低い着色インク組成物から被記録媒体に付与することが好ましく、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックを使用する場合には、イエロー→シアン→マゼンタ→ブラックの順で被記録媒体上に付与することが好ましい。また、これにホワイトを加えて使用する場合にはホワイト→イエロー→シアン→マゼンタ→ブラックの順で被記録媒体上に付与することが好ましい。更に、本発明はこれに限定されず、イエロー、ライトシアン、ライトマゼンタ、シアン、マゼンタ、ブラック、ホワイトのインク組成物との計7色が少なくとも含まれる本発明のインクセットを好ましく使用することもでき、その場合には、ホワイト→ライトシアン→ライトマゼンタ→イエロー→シアン→マゼンタ→ブラックの順で被記録媒体上に付与することが好ましい。
なお、以下の記載における「部」とは、特に断りのない限り「質量部」を示すものとする。
・N−イソプロピルアクリルアミド
・4−アクリロイルモルホリン
・N−tert−ブチルアクリルアミド
・N−(ブトキシメチル)アクリルアミド
・N,N−ジメチルアクリルアミド
・N,N−ジエチルアクリルアミド
・N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド
・N−シクロヘキシルアクリルアミド
・INKJET YELLOW 4GC(イエロー顔料、C.I.ピグメントイエロー155、クラリアントジャパン(株)製)
・CINQUASIA MAGENTA RT−355−D(マゼンタ顔料、C.I.ピグメントバイオレット19とC.I.ピグメントレッド202との混晶、BASFジャパン(株)製)
・IRGALITE BLUE GLVO(シアン顔料、C.I.ピグメントブルー15:4、BASFジャパン(株)製)
・SPECIAL BLACK 250(ブラック顔料、C.I.ピグメントブラック7、エボニック デグサ ジャパン(株)製)
・KRONOS 2300(ホワイト顔料、C.I.ピグメントホワイト6、クロノス社製)
・SOLSPERSE 32000(顔料分散剤、日本ルーブリゾール(株)製)
・SOLSPERSE 41000(顔料分散剤、日本ルーブリゾール(株)製)
・SR506D(イソボルニルアクリレート、サートマー・ジャパン(株)製)
・SR531(サイクリックトリメチロールプロパンホルマールアクリレート、CTFA、サートマー・ジャパン(株)製)
・NVC(N−ビニルカプロラクタム、BASFジャパン(株)製)
・SR285(テトラヒドロフルフリルアクリレート、サートマー・ジャパン(株)製)
・SR339A(2−フェノキシエチルアクリレート、サートマー・ジャパン(株)製)
・SR9003(プロポキシ化(2)ネオペンチルグリコールジアクリレート(ネオペンチルグリコールのプロピレンオキサイド2モル付加物をジアクリレート化した化合物)、サートマー・ジャパン(株)製)
・SR454(エトキシ化(3)トリメチロールプロパントリアクリレート(トリメチロールプロパンのエチレンオキサイド3モル付加物をトリアクリレート化した化合物)、サートマー・ジャパン(株)製)
・CN964A85(ウレタンアクリレートオリゴマー、平均官能基数2、サートマー・ジャパン(株)製)
・LUCIRIN TPO(ラジカル重合開始剤、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、BASFジャパン(株)製)
・IRGACURE 819(ラジカル重合開始剤、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、BASFジャパン(株)製)
・IRGACURE 184(ラジカル重合開始剤、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、BASFジャパン(株)製)
・IRGACURE 369(ラジカル重合開始剤、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、BASFジャパン(株)製)
・IRGACURE 907(ラジカル重合開始剤、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、BASFジャパン(株)製)
・FIRSTCURE ITX(増感剤、イソプロピルチオキサントン、ChemFirst社製)
・FIRSTCURE ST−1(重合禁止剤、ChemFirst社製)
・FLORSTAB UV−12(重合禁止剤、Kromachem社製)
シアン、イエロー、マゼンタ、ブラック、ホワイトの各ミルベースを表1の組成にて混合し、ミキサー(シルバーソン社製L4R)を用いて2,500回転/分にて10分撹拌した。その後、ビーズミル分散機DISPERMAT LS(VMA社製)に入れ、直径0.65mmのYTZボール((株)ニッカトー製)を用い、2,500回転/分で6時間分散を行った。
<インク組成物の調製>
下記の成分を、ミキサー(シルバーソン社製L4R)を用いて2,500回転/分にて15分撹拌した。その後、日本ポール(株)製カートリッジフィルター(製品名:プロファイルII AB01A01014J)を用いてろ過し、シアンインクC1を得た。
東機産業(株)製TVE−22LTを用いて測定した25℃における粘度は18.4mPa・s、協和界面科学(株)社製自動表面張力計CBVP−Zを用いて測定した25℃における表面張力は37.4mN/mであった。
また、得られたシアンインクC1を用い、保存安定性の評価を後述する基準で行った。
・シアンミルベースCM :8.4質量部
・N−イソプロピルアクリルアミド:7.0質量部
・NVC:15.5質量部
・SR531:26.0質量部
・SR339A:31.1質量部
・IRGACURE 184:3.0質量部
・IRGACURE 819: 3.4質量部
・FIRSTCURE ITX: 0.8質量部
・FIRSTCURE ST−1 :0.4質量部
・CN964A85:4.4質量部
硬化性は、100%濃度部の触感による印刷物表面のべたつきと、印刷物を重ねて1日放置した時の画像部の転写の有無を下記基準で評価した。
A:印刷物表面にべたつきは全く無く、転写も無かった。
B:印刷物表面が僅かにべたついているが、転写は無かった。
C:印刷物表面にべたつきがあり、僅かに転写が生じた。
D:印刷物表面が非常にべたついており、酷い転写を生じた。
100%濃度部の光沢度を(株)堀場製作所製光沢計(製品名:IG−331)を用いて60°光沢を測定した。値が高いほど高光沢であり、鮮やかな印刷物が得られる。光沢値が20を下回ると、コントラストの低い画像となりやすく、鮮やかさが損なわれる。
100%濃度部の同じ場所を5回往復して折り曲げた後に、印刷物に生じた亀裂の程度を下記の基準で評価した。
A:全く亀裂を生じなかった。柔軟性は極めて高い。
B:わずかに亀裂を生じた。柔軟性は高い。
C:やや大きな亀裂を生じた。柔軟性はやや低い。
D:完全に亀裂を生じた。柔軟性は低い。
テスト画像を20枚連続して印刷した後、ノズルチェック画像を印刷して不吐出となったノズル数を求めた。不吐出ノズル数が少ないほどインクジェット吐出性は良い。不吐出ノズル数が4本以上になると、ノズル欠けに起因するスジが際立って目立つようになり、印刷物の価値を著しく損なう。評価基準を以下に示す。
A:不吐出ノズル数が0本
B:不吐出ノズル数が1本
C:不吐出ノズル数が2又は3本
D:不吐出ノズル数が4本以上
ISO2409:2007(JIS K5600−5−6)に準拠し、クロスカット法にて評価を行った。0〜3の密着性であれば、実用上大きな問題を生じない
0:カットの縁が完全に滑らかで、どの格子の目にもはがれがない。
1:カットの交差点における塗膜の小さなはがれが見られる。クロスカット部分で影響を受けるのは、5%を上回ることはない。
2:塗膜のカットの縁に沿って、及び/又は、交差点においてはがれる。クロスカット部分で影響を受けるのは、5%を超えるが、15%を上回ることはない。
3:塗膜がカットの縁に沿って、部分的又は全面的に大はがれを生じており、及び/又は目のいろいろな部分が、部分的又は全面的にはがれている。クロスカット部分で影響を受けるのは、15%を超えるが、35%を上回ることはない。
4:塗膜がカットの縁に沿って、部分的又は全面的に大はがれを生じており、及び/又は数か所の目が部分的又は全面的にはがれている。クロスカット部分で影響を受けるのは、35%を超えるが、65%を上回ることはない。
5:はがれの程度が4を超える。
得られたインク組成物をガラス製バイアル瓶に入れ、60℃、4週間保管後の粘度の上昇率を評価した。上昇率が小さいものほど保存安定性は良好であり、概ね20%以下であれば実用上の問題を生じない。
上昇率(%)=(保管後の粘度−保管前の粘度)/保管前の粘度×100
実施例1と同様にして表2記載のシアンインクC2〜C6、CC1及びCC2をそれぞれ作製し、評価した。結果を表2に示す。
実施例1と同様にして表3に記載の組成のシアンインクC7〜C17及びCC3〜CC7をそれぞれ作製し、評価した。結果を表3に示す。
実施例1と同様にして表4に記載の組成のシアンインクC18〜C24をそれぞれ作製し、評価した。結果を表4に示す。
実施例1と同様にして表5に記載の組成のシアンインクC25、マゼンタインクM1、イエローインクY1、ブラックインクK1及びホワイトインクW1をそれぞれ作製し、評価した。結果を表5に示す。
Claims (12)
- (成分A)ラジカル重合性化合物、
(成分B)ラジカル重合開始剤、及び、
(成分C)着色剤を含有し、
成分Aが、式(I)で表される化合物と、式(II)で表される化合物と、式(III)で表される化合物とを含み、
前記式(I)で表される化合物の含有量が、インク組成物の全質量に対し、5〜35質量%であり、
前記式(II)で表される化合物の含有量が、インク組成物の全質量に対し、8〜30質量%であり、
前記式(III)で表される化合物の含有量が、インク組成物の全質量に対し、8〜40質量%であり、
前記式(II)〜式(IV)で表される化合物の総含有量が、インク組成物の全質量に対し、20〜80質量%であることを特徴とする
インクジェットインク組成物。
- 前記式(I)で表される化合物が、N−イソプロピルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、又は、N−tert−ブチルアクリルアミドである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
- 前記式(I)で表される化合物が、N−シクロヘキシルアクリルアミド、又は、N−tert−ブチルアクリルアミドである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
- 前記式(I)で表される化合物が、N−イソプロピルアクリルアミド、又は、N−tert−ブチルアクリルアミドである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
- 成分Cの含有量が、インク組成物の全質量に対し、2.17〜15.0質量%である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
- 成分Aが、式(I)で表される化合物と、式(II)で表される化合物と、式(III)で表される化合物と、式(IV)で表される化合物とを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
- 前記式(IV)で表される化合物の含有量が、インク組成物の全質量に対し、4〜35質量%である、請求項8に記載のインクジェットインク組成物。
- (成分D)増感剤を更に含有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
- 成分Dが、イソプロピルチオキサントンである、請求項10に記載のインクジェットインク組成物。
- 前記式(I)で表される化合物の含有量が、インク組成物の全質量に対し、15〜25質量%であり、前記式(II)〜式(IV)で表される化合物の総含有量が、インク組成物の全質量に対し、40〜80質量%である、請求項1〜11のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
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