JP2019099760A - 活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク及び印刷物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明が解決しようとする課題は、活性エネルギー線の照射量を従来よりも低減することができ、かつ、照射量を低減した場合であっても、耐擦過性に優れた印刷物の形成に使用可能な、吐出安定性及び分散安定性に優れた活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インクを提供することである。【解決手段】本発明は、アスペクト比が1.8以下の顔料(A)、重合性不飽和二重結合を1個有する化合物(b)を含む重合性化合物(B)、及び、チオキサントン系化合物(c)を含む光重合開始剤(C)を含有する活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インクであって、前記光重合開始剤(C)が前記インクの全量に対して8〜20質量%の範囲で含まれることを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インクに関するものである。【選択図】なし

Description

本発明は、様々な印刷物の製造に使用可能な活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インクに関するものである。
インクジェット記録装置を用いた印刷分野では、例えば紫外線等の活性エネルギー線を照射することによって硬化し画像や文字等を形成可能な活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インクが知られている。
前記活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インクのうち、とりわけ黄色顔料を含むインクは、発色性や耐光性に優れた印刷物を形成できることから、カラー印刷を必要とする場面で使用されている。しかし、前記黄色顔料は、一般に、分散安定性に乏しいため、インクを長期保存した際に粗大粒子数が増加する場合や、粗大粒子の増加に起因してインク吐出ノズルの詰まり等を引き起こす場合があった。
前記発色性や耐光性に優れた印刷物の製造に使用でき、かつ、保存安定性にも優れたインクとしては、例えば黄色顔料、顔料分散剤、重合性化合物及び光重合開始材を含有する活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インクであって、黄色顔料の比表面積が38m/g以上であり、かつ、小角X線解析から測定される一次粒径が45nm以下である活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インクが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、近年の印刷システムの省エネルギー化の観点から、前記インクの硬化に必要な活性エネルギー線の照射量のさらなる低減が求められているなかで、前記インクでは、産業界が求める照射量の低減にあと一歩及ぶものではなかった。
ところで、インクジェット記録法の適用が様々な分野に拡大するなかで、様々な種類の記録媒体が登場している。前記記録媒体としては、例えばサインディスプレイ分野では、ポリカーボネート基材やアクリル基材が検討されている。
しかし、前記適用分野の拡大に伴って、耐擦過性等の新たな効果が印刷物に求められるなかで、前記インクでポリカーボネート基材やアクリル基材に印刷し、活性エネルギー線を照射し硬化させることによって得られた印刷物は、耐擦過性の点で実用上十分でない場合があった。
特開2015−59157号公報
本発明が解決しようとする課題は、活性エネルギー線の照射量を従来よりも低減することができ、かつ、照射量を低減した場合であっても、耐擦過性に優れた印刷物の形成に使用可能で、かつ、粗大粒子数の増加が抑制された吐出安定性及び分散安定性に優れた活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インクを提供することである。
本発明は、アスペクト比が1.8以下の顔料(A)、重合性不飽和二重結合を1個有する化合物(b)を含む重合性化合物(B)、及び、チオキサントン系化合物(c)を含む光重合開始剤(C)を含有する活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インクであって、前記光重合開始剤(C)が前記インクの全量に対して8〜20質量%の範囲で含まれることを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インクに関するものである。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インクは、吐出安定性や分散安定性に優れ、活性エネルギー線の照射量を従来よりも低減した場合であっても、耐擦過性に優れた印刷物を形成することができる。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インクは、アスペクト比が1.8以下の顔料(A)、重合性不飽和二重結合を1個有する化合物(b)を含む重合性化合物(B)、及び、チオキサントン系化合物(c)を含む光重合開始剤(C)を含有する活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インクであって、前記光重合開始剤(C)が前記インクの全量に対して8〜20質量%の範囲で含まれることを特徴とするものである。
前記顔料(A)としては、アスペクト比が1.8以下のものを使用し、好ましくは1.7以下、より好ましくは1.5〜1.7の範囲のものを使用する。これにより、吐出安定性や分散安定性に優れた活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インクを得ることができる。
ここで、前記アスペクト比が1.8を超える顔料を使用した場合、顔料が凝集しやすく、粗大粒子数が増加する傾向となり、その結果、活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インクの吐出安定性や分散安定性の低下を引き起こす場合がある。
前記アスペクト比は、透過型電子顕微鏡(TEM)で撮影した顔料の写真から測定した値を指す。具体的には、前記顔料(A)5mgとシクロヘキサン5mlとを混合したものを、氷で冷却した状態で1分間、超音波処理することによって混合物を得る工程、前記混合物を透過型電子顕微鏡(日本電子(株)製、JEM−2200FS、加速電圧200kV)のグリッドに滴下し、観察することによって前記顔料(A)の画像を撮影する工程、前記画像を(株)マウンテック製のMac−Viewを用いて解析し、500個の顔料(A)の長径と短径を測定し、500個の顔料(A)のアスペクト比[長径/短径]を算出し、それらを平均化する工程を経ることによって算出した値である。
前記顔料(A)としては、例えば有機顔料、無機顔料を使用することができる。前記有機顔料としては、例えばシアン顔料、マゼンタ顔料、黄色顔料、黒顔料等が挙げられ、前記無機顔料としては、白色顔料が挙げられる。本発明であれば、一般に、他の顔料と比較して分散安定性等の点で劣るとされている黄色顔料を使用した場合であっても、粗大粒子数の増加を抑制でき、吐出安定性及び分散安定性に優れた活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用のイエローインクを得ることができる。
前記イエロー顔料としては、例えばC.I.ピグメントイエロー1(アゾ顔料)、2(アゾ顔料)、3(アゾ顔料)、12(アゾ顔料)、13(アゾ顔料)、14(アゾ顔料)、16(アゾ顔料)、17(アゾ顔料)、73(アゾ顔料)、74(アゾ顔料)、75(アゾ顔料)、83(アゾ顔料)、93(アゾ顔料)、95(アゾ顔料)、97(アゾ顔料)、98(アゾ顔料)、109(イソインドリノン顔料)、110(イソインドリノン顔料)、114(アゾ顔料)、120(ベンズイミダゾロン顔料)、128(アゾ顔料)、129(アゾ顔料)、138(キノフタロン顔料)、150(アゾ顔料)、151(ベンズイミダゾロン顔料)、154(ベンズイミダゾロン顔料)、155(ジスアゾ顔料)、180(ベンズイミダゾロン顔料)、185(イソインドリン顔料)、213(キノキサリン顔料)等を使用することができる。
なかでも、前記イエロー顔料としては、アゾ顔料を使用することが、本発明の吐出安定性及び分散安定性の向上効果を特に最大限発揮することができ、かつ、高い発色性と耐光性を備えた印刷物を得るうえで好ましい。
前記アゾ顔料としては、とりわけ屋外での使用に耐えうるレベルの耐光性を備えた印刷物を得るうえで、C.I.ピグメントイエロー155を使用することが特に好ましい。
前記顔料(A)としては、前記画像の解析によって算出された長径が200nm以下であるものを使用することが好ましく、45〜180nmの範囲であるものを使用することがより好ましい。また、前記顔料(A)としては、前記画像の解析によって算出された短径が130nm以下であることが好ましく、30〜120nmの範囲であるものを使用することがより好ましい。
また、本発明のインクジェット記録用インクに含まれる前記顔料(A)を含む分散物の平均粒径は、500nm以下であることが吐出安定性向上の効果をより一層向上させるうえで好ましく、10〜300nmの範囲にあるものがより好ましく、前記黄色顔料を用いる場合であれば50〜250nmの範囲であることが特に好ましい。
なお、前記顔料(A)を含む分散物の平均粒径は、体積基準のメジアン径D50を示す。前記平均粒径は日機装社製のナノトラックUPAを用いて測定した値を指す。
また、前記顔料(A)は、十分な画像濃度と耐光性とを備えた印刷物を得るうえで、本発明のインクジェット記録用インクの全量に対して0.1〜10質量%の範囲で使用することが好ましく、1〜6質量%の範囲で使用することがより好ましい。
前記顔料(A)は、後述する重合性化合物(B)等に対する分散安定性を高める目的で顔料分散剤と併用することが好ましい。
前記顔料分散剤としては、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPB821、PB822、PB817、ルーブリゾール社製のソルスパーズ24000GR、32000、33000、39000、楠本化成社製のディスパロンDA−703−50、DA−705、DA−725、BASF社製のEFKA4330、4401、7477、7701(PX4701)、EVONIC社製のTEGODispers685等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。前記顔料分散剤の使用量は、顔料(A)に対して10〜100質量%の範囲であることが好ましく、40〜90質量%の範囲であることが、インクジェット記録用インクの吐出安定性をより一層向上させるうえでより好ましい。
次に、本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インクに含まれる重合性不飽和二重結合を1個有する化合物(b)を含む重合性化合物(B)について説明する。
前記重合性化合物(B)としては、重合性不飽和二重結合を1個有する化合物(b)を必須成分として含み、必要に応じて重合性不飽和二重結合等の官能基を2個以上有する化合物と組み合わせ含有するものを使用する。本発明では、アスペクト比が1.8以下である前記顔料(A)とともに、前記重合性不飽和二重結合を1個有する化合物(b)を組み合わせたインクを使用することによって、活性エネルギー線の照射量を低減した場合であっても塗膜を均一に硬化させることができ、その結果、前記インクの吐出安定性及び分散安定性の向上効果を損なうことなく、耐擦過性に優れた印刷物を得ることができる。
重合性不飽和二重結合を1個有する化合物(b)としては、特に限定はなく公知の多官能モノマーを使用でき、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート等の置換基を有する(メタ)アクリレート、ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニル−2−カプロラクタム、メルカプト基を有する(メタ)アクリレート、ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド等が挙げられる。
なかでも、前記化合物(b)としては、前記インクの記録媒体への密着性、前記インクの吐出安定性及び分散安定性、ならびに、印刷物の耐擦過性をより一層向上させるうえで、フェノキシエチル(メタ)アクリレートやテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートを使用することが好ましい。
前記化合物(b)は、本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インクの全量に対して60質量%以上使用することが好ましく、60〜90質量%範囲で使用することが、硬化した塗膜の耐擦過性をより一層向上させるうえで特に好ましい。
前記重合性化合物(B)として、前記重合性不飽和二重結合を1個有する化合物(b)と組合せ使用することができる重合性不飽和二重結合等の官能基を2個以上有する化合物としては、特に限定はなく公知の多官能モノマーを使用でき、例えば、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール等のジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート,ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート,ジペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート、及びこれらのエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイド変性物やカプロラクトン変性物、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性アルキルリン酸(メタ)アクリレート等、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等を、単独または2種以上組み合わせ使用することができる。
前記重合性化合物(B)としては、架橋密度の向上効果を奏することを目的として、分子量の高い反応性オリゴマーを使用することができる。
前記反応性オリゴマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー等の(メタ)アクリレートオリゴマーを単独または2種以上組合せ使用することができる。
前記反応性オリゴマーとしては、重量平均分子量として2000〜30000の範囲のものが好ましい。
前記反応性オリゴマーは、前記重合性化合物(B)の全量に対し20質量%を超えない量で使用することが、インクの吐出方向が不安定となり、本来吐出されるべき方向と異なる方向にインクが吐出される現象(吐出曲がり)の発生を抑制するうえで好ましい。
前記重合性化合物(B)は、使用するインクジェット装置にもよるが、インクの粘度が40℃で、概ね1〜100mPa.sとなるように設計、配合することが好ましい。なお、粘度は、東機産業社製粘度測定器:TVE−20Lにて測定した値を指す。
次に、本発明で使用するチオキサントン系化合物(c)を含む光重合開始剤(C)について説明する。
前記光重合開始剤(C)としては、チオキサントン系化合物(c)を含有するものを使用する。
前記チオキサントン系化合物(c)を含む光重合開始剤(C)を使用せず、単に、前記重合性不飽和二重結合を1個有する化合物(b)を好ましくは65質量%以上含有するにすぎない活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インクは、架橋密度が低く柔軟な塗膜を形成しやすいため、前記記録媒体への密着性に優れる傾向にあるものの、耐擦過性等の強度の点で、若干、低下する場合がある。とりわけ、表面に凹凸を有する記録媒体への印刷には、前記したように架橋密度が低く柔軟な塗膜を形成可能なインクを使用することが、密着性を向上させるうえで効果的であるものの、前記密着性と耐擦過性との両立は困難な場合がある。また、柔軟で湾曲可能な記録媒体(例えばポリカーボネート基材やアクリル基剤)への印刷にも、前記した柔軟な塗膜を形成可能なインクを使用することが、塗膜の割れを抑制するうえで効果的であるものの、耐擦過性等の強度との両立は困難な場合がある。
そこで、本発明のインクジェット記録用インクは、前記重合性不飽和二重結合を1個有する化合物(b)とともに、所定量のチオキサントン系化合物(c)を含む光重合開始剤(C)を組み合わせて使用する。これにより、活性エネルギー線の照射量が低減された場合であっても、耐擦過性に優れた印刷物(塗膜)を形成することができ、とりわけ前記化合物(b)を好ましくは65質量%以上使用した場合であっても、前記インクの記録媒体への優れた密着性と、優れた耐擦過性とを両立した印刷物を得ることができる。
前記チオキサントン系化合物(c)としては、例えばチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−ドデシルチオキサントン、2−シクロヘキシルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、1−メトキシカルボニルチオキサントン、2−エトキシカルボニルチオキサントン、3−(2−メトキシエトキシカルボニル)−チオキサントン、4−ブトキシカルボニルチオキサントン、3−ブトキシカルボニル−7−メチルチオキサントン、1−シアノ−3−クロロチオキサントン、1−クロロ−4−イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−クロロチオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−エトキシチオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−アミノチオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−フェニルスルフリルチオキサントン、3,4−ジ−[2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシカルボニル]−チオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−(1−メチル−1−モルホリノエチル)−チオキサントン、2−メチル−6−ジメトキシメチル−チオキサントン、2−メチル−6−(1,1−ジメトキシベンジル)−チオキサントン、2−モルホリノメチルチオキサントン、2−メチル−6−モルホリノメチルチオキサントン、N−アリルチオキサントン−3,4−ジカルボキシミド、N−オクチルチオキサントン−3,4−ジカルボキシミド、N−(1,1,3,3−テトラメチル−ブチル)−チオキサントン−3,4−ジカルボキシミド、1−フェノキシチオキサントン、6−エトキシカルボニル−2−メトキシ−チオキサントン、6−エトキシカルボニル−2−メチルチオキサントン、チオキサントン−2−カルボン酸ポリエチレングリコールエステル等を使用することができる。
なかでも、チオキサントン系化合物(c)としては、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、1−クロロ−4−イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−シクロヘキシルチオキサントン等を使用することが、活性エネルギー線の照射量を低減した場合であっても、耐擦過性に優れた印刷物を形成可能なインクを得るうえで好ましい。
前記チオキサントン系化合物(c)は、前記活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インクの全量に対して2〜10質量%の範囲で使用することが好ましく、3〜8質量%の範囲で使用することがより好ましく、4〜7質量%の範囲で使用することが特に好ましい。これにより、活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インクの優れた吐出安定性及び分散安定性を損なうことなく、活性エネルギー線の照射量を低減した場合であっても、耐擦過性に優れた印刷物を得ることができる。
前記光重合開始剤(C)としては、前記チオキサントン系化合物(c)のほかに必要に応じてその他の光重合開始剤を組み合わせ使用することが、厚い塗膜の内部まで十分に硬化させるうえで好ましく、ラジカル重合性開始剤を使用することが好ましい。
前記その他の光重合開始剤としては、例えばアセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、べンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド、及びビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド等のラジカル重合性開始剤を使用することができる。
前記光重合開始剤(C)は前記活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インクの全量に対して8〜20質量%の範囲で使用し、10〜18質量%の範囲で使用することが、活性エネルギー線の照射量を低減した場合であっても、耐擦過性に優れた印刷物を形成可能なインクを得るうえで特に好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インクとしては、上記したものの他に、必要に応じて重合禁止剤、増感剤、非反応性樹脂等を使用することができる。
前記重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、メトキノン、ジ−t−ブチルハイドロキノン、P−メトキシフェノール、ブチルヒドロキシトルエン、ニトロソアミン塩等を使用することができる。前記重合禁止剤は、活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インクの全量に対して0.01〜2質量%の範囲で使用することが好ましい。
前記増感剤としては、例えばトリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p−ジエチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N,N−ジメチルベンジルアミンおよび4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等の、前記重合性化合物(B)と付加反応を起こさないアミン類を使用することができる。
また、前記非反応性樹脂は、前記インクの記録媒体に対する密着性を向上させることを目的として、本発明の効果を損なわない範囲で使用することができる。
前記非反応性樹脂としては、例えばアクリル樹脂、エポキシ樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジンエステル等の非反応性樹脂を使用することができる。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インクは、例えば前記顔料(A)と重合性化合物(B)と、必要に応じて顔料分散剤及び重合禁止剤を含有する組成物をペイントシェーカーで分散し、前記顔料(A)が重合性化合物中に高濃度に分散した活性エネルギー線硬化性の顔料分散体(ミルベース)を作製する工程、前記顔料分散体に必要に応じてさらに前記重合性化合物(B)を供給し、前記チオキサントン系化合物(c)を含む光重合開始剤(C)や必要に応じて各種添加剤を供給することによって製造することができる。
前記活性エネルギー線硬化性の顔料分散体(ミルベース)の製造工程では、ビーズミル等の通常の分散機を使用することができる。前記装置としては、例えば超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ボールミル、ロールミル、サンドミル、サンドグラインダー、ダイノーミル、ディスパーマット、SCミル、スパイクミル、ナノミル、ピコミル、ナノマイザーなどの分散装置を使用することができる。
本発明のインクは、前記記録媒体の表面に前記インクが着弾した後、乾燥工程等を経ることなく、ただちに紫外線等の活性エネルギー線を照射し硬化させるうえで、溶媒の含有量が少ないもの、または、溶媒を含有しないものであることが好ましい。
前記溶媒の含有量は、前記活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インクの全量に対して0.8質量%以下とすることが好ましく、0.4質量%以下であることがより好ましく、0〜0.1質量%であることがさらに好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インクは、活性エネルギー線の照射量を低減した場合であっても速やかに硬化し塗膜を形成できることから、活性エネルギー線の照射装置としては、メタルハライドランプ等の高出力な光源だけではなく、UV−LEDや、紫外線発光半導体レーザ等の紫外線発光半導体素子を使用することができる。
前記活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク用いて印刷物を製造する方法としては、例えば前記インクを記録媒体に印刷する工程[1]、前記印刷箇所に、例えば前記LED光源を用いて、エネルギー180〜240mJ/cmの紫外線を照射する工程[2−1]または前記印刷箇所にメタルハライドランプを用いてエネルギー200〜400mJ/cmの紫外線を照射する工程[2−2]を経ることによって、前記記録媒体の表面に前記インクが硬化した塗膜が形成された印刷物を製造する方法が挙げられる。
前記印刷物の製造方法としては、前記工程[1]の前に、前記記録媒体の表面にプライマー層やインク受理層を設ける工程を有する方法であってあっても良い。また、前記印刷物の製造方法としては、印刷物の硬度や光沢感や耐汚染性の向上を目的として、前記工程[2−1]または工程[2−2]を経た後に、コート剤を塗布し塗膜を形成する工程を有する方法であってもよい。
インクジェット記録方式としては、従来公知の方式がいずれも使用できる。例えば圧電素子の振動を利用して液滴を吐出させる方法(電歪素子の機械的変形によりインク滴を形成するインクジェットヘッドを用いた記録方法)や熱エネルギーを利用する方法が挙げられる。
本発明で使用する記録媒体としては、普通紙、コート紙等の紙、プラスチック材も使用することができる。前記プラスチック材としては、汎用の射出成形用プラスチックとして使用される、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂、PVC(ポリ塩化ビニル)/ABS樹脂、PA(ポリアミド)/ABS樹脂、PC(ポリカーボネート)/ABS樹脂、PBT(ポリブチレンテレフタレート)/ABS等のABS系のポリマーアロイ、AAS(アクリロニトリル・アクリルゴム・スチレン)樹脂、AS(アクリロニトリル・スチレン)樹脂、AES(アクリロニトリル・エチレンゴム・スチレン)樹脂、MS((メタ)アクリル酸エステル・スチレン)系樹脂、PC(ポリカーボネート)系樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、PP(ポリプロピレン)系樹脂等が挙げられる。
また、前記記録媒体としては、包装材料用の熱可塑性樹脂フィルム等のプラスチック材からなるフィルムを使用することも可能である。前記熱可塑性樹脂フィルムとしては、ポリエチレンレテフタレート(PET)フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、ポリエチレンフィルム(LLDPE:低密度ポリエチレンフィルム、HDPE:高密度ポリエチレンフィルム)やポリプロピレンフィルム(CPP:無延伸ポリプロピレンフィルム、OPP:二軸延伸ポリプロピレンフィルム)等のポリオレフィンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム等が挙げられる。前記熱可塑性樹脂フィルムには一軸延伸や二軸延伸等の延伸処理を施してあってもよい。またフィルム表面には必要に応じて火炎処理やコロナ放電処理などの各種表面処理を施してもよい。
以下、実施例により、本発明をさらに詳しく説明する。
[調製例1]イエロー顔料分散体(1)
EFKA PX 4701(BASF社製、アクリルブロック共重合体)10.5質量部と、ライトアクリレートPO−A(共栄社化学株式会社製 フェノキシエチルアクリレート)74.5質量部とを混合して得た混合物に、ノンフレックスAlba(精工化学株式会社製、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、重合禁止剤)0.1質量部と、「Ink Jet Yellow 4GC」(クラリアント社製、ジスアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー155)のうち後述する方法で算出されたアスペクト比が1.6であったもの15質量部とを供給し、ペイントシェーカーで3時間処理することによってイエロー顔料分散体(1)を調製した。
[調製例2]イエロー顔料分散体(2)
「Ink Jet Yellow 4GC」(クラリアント社製、ジスアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー155)のうち後述する方法で算出されたアスペクト比が1.6であったものの代わりに、「Ink Jet Yellow 4GC」(クラリアント社製、ジスアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー155)のうち後述する方法で算出されたアスペクト比が1.7であったものを用いたこと以外は、調製例1と同一の方法でイエロー顔料分散体(2)を調製した。
[調製例3]イエロー顔料分散体(3)
「Ink Jet Yellow 4GC」(クラリアント社製、ジスアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー155)のうち後述する方法で算出されたアスペクト比が1.6であったものの代わりに、「Ink Jet Yellow 4G01」(クラリアント社製 ジスアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー155、アスペクト比2.7)を15部使用したこと以外は、調製例1と同一の方法でイエロー顔料分散体(3)を調製した。
[調製例4]イエロー顔料分散体(4)
「Ink Jet Yellow 4GC」(クラリアント社製、ジスアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー155)のうち後述する方法で算出されたアスペクト比が1.6であったものの代わりに、「VERSAL YELLOW 4G」(Synthesia社製、ジスアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー155、アスペクト比1.9)を15質量部使用したこと以外は、調製例1と同一の方法でイエロー顔料分散体(4)を調製した。
[調製例5]イエロー顔料分散体(5)
「Ink Jet Yellow 4GC」(クラリアント社製、ジスアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー155)のうち後述する方法で算出されたアスペクト比が1.6であったものの代わりに、「VERSAL YELLOW 4GN」(Synthesia社製、ジスアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー155、アスペクト比2.9)を15質量部使用したこと以外は、調製例1と同一の方法でイエロー顔料分散体(5)を調製した。
[顔料のアスペクト比の算出方法]
上記調製例1〜5に記載した顔料のアスペクト比は、以下の方法で算出した値を指す。
顔料5mgとシクロヘキサン5mlとを混合したものを、氷で冷却した状態で1分間、超音波処理することによって混合物を得た。前記混合物を透過型電子顕微鏡(日本電子(株)製、JEM−2200FS、加速電圧200kV)のグリッドに滴下し、観察することによって顔料の画像を撮影した。前記画像を(株)マウンテック製のMac−Viewを用いて解析し、500個の顔料の長径と短径を測定し、500個の顔料のアスペクト比[長径/短径]を算出し、それらを平均化する工程を経ることによって算出した。
実施例1
容器に、MIRAMER M222(MIWON社製、ジプロピレングリコールジアクリレート)19質量部と、ビスコート#150(大阪有機化学工業株式会社製、テトラヒドロフルフリルアクリレート)25質量部と、ライトアクリレートPOA(共栄社化学株式会社製、フェノキシエチルアクリレート)42.67質量部と、TEGO Rad 2250(EVONIC社製、シリコンポリエーテルアクリレート)0.5質量部とを供給し、混合攪拌した。
次に、前記で得た混合物に、BHTスノワックス(精工化学株式会社製 ジブチルヒドロキシトルエン)0.10質量部、Irgacure 819(BASF社製、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド)1.50質量部、Irgacure TPO(BASF社製、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド)5.00質量部、Speedcure DETX(LAMBSON社製 ジエチルチオキサントン)1.00質量部を加え、60℃で30分間攪拌することで、前記BHTスノワックス、Irgacure 819、Irgacure TPO、Speedcure DETX、Speed cure DETXが前記で得られた混合物中に溶解した混合物を得た。
次に、前記混合物に、前記調製例1で得たイエロー顔料分散体(1)13.33質量部を加え、30分間攪拌混合することによって、活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク(Y−1)を得た。この時、D50は232.2nmであった。
実施例2
前記イエロー顔料分散体(1)の代わりに、前記イエロー顔料分散体(2)を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク(Y−2)を得た。この時、D50は237.9nmであった。
比較例1
容器に、V−CAP(ISP社製、N−ビニルカプロラクタム)47.85質量部と、VEEA−AI(日本触媒社製、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル)47.85質量部とを供給し、混合攪拌した。
次に、前記で得た混合物に、Irgacure 819 2.40質量部、Irgacure TPO 3.58部、ノンフレックスアルバ(精工化学社製、ジブチルハイドロキノン)0.59質量部を加え、60℃で30分間攪拌することで、前記Irgacure 819、Irgacure TPO、ノンフレックスアルバが前記で得られた混合物中に溶解した混合物を得た。
次に、前記混合物に、前記調製例1で得たイエロー顔料分散体(1)13.33質量部を加え、30分間攪拌混合することによって、活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク(Y−3)を得た。この時、D50は213.6nmであった。
比較例2
容器に、MIRAMER M222 32.31質量部と、ライトアクリレートPOA(共栄社化学株式会社製、フェノキシエチルアクリレート)62.21質量部とを供給し、混合攪拌した。
次に、前記で得た混合物に、Irgacure 819 3.58質量部、Irgacure TPO 3.58部、ノンフレックスアルバ 0.59質量部を加え、60℃で30分間攪拌することで、前記Irgacure 819、Irgacure TPO、ノンフレックスアルバが前記で得られた混合物中に溶解した混合物を得た。
次に、前記混合物に、前記調製例1で得たイエロー顔料分散体(1)13.33質量部を加え、30分間攪拌混合することによって、活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク(Y−4)を得た。この時、D50は216.6nmであった。
比較例3
前記イエロー顔料分散体(1)の代わりに、前記イエロー顔料分散体(3)を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク(Y−5)を得た。この時、D50は304.0nmであった。
比較例4
前記イエロー顔料分散体(1)の代わりに、前記イエロー顔料分散体(4)を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク(Y−6)を得た。この時、D50は271.7nmであった。
比較例5
前記イエロー顔料分散体(1)の代わりに、前記イエロー顔料分散体(5)を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク(Y−7)を得た。この時、D50は301.0nmであった。
[吐出安定性(粗大粒子の90%積算粒径に基づく評価)]
日機装社製のナノトラックUPAを用いて顔料分散体の粒度分布を測定した。具体的にはインクをメスフラスコに可変ピペットを用いて滴下し、MEKで200倍に希釈した。この希釈溶液をナノトラックUPAのセルに充填して測定を行い、90%積算粒子径D90を評価した。
[分散安定性]
インクをスクリュー管に充填率9割で充填し、60度で4週間加温、加温後の粘度及び粒子径の変化率を求めた。粘度はE型粘度計TVE−20Lを用いて測定した。具体的にはインクをサンプルカップに可変ピペットを用いて滴下し、40℃で測定を行った。コーンローターの回転速度は測定試料の推定粘度に見合った速度を設定した。
[光硬化性]
活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インクを、ポリカーボネート板(1mm厚)に対し、スピンコーターにて6μmの膜厚で塗布した。
次に、前記塗布面に、ステージ移動装置を備えた浜松ホトニクス社製のLED照射装置(発光波長:385nm、ピーク強度:500mW/cm)にて、1回の照射エネルギー量が30mJ/mとなるように照射し、タックフリーになるまでの照射エネルギー量の積算値を測定した。
また、活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インクを、ポリカーボネート板(1mm厚)に対し、スピンコーターにて6μmの膜厚で塗布した。
次に、前記塗布面に、GSユアサ社製のメタルハライドランプ照射装置(ピーク強度850mW/cm)にて、1回の照射エネルギー量が200mJ/mとなるように照射し、タックフリーになるまでの通算照射エネルギー量を測定した。
[耐擦過性]
活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インクを、ポリカーボネート板(1mm厚)に対し、スピンコーターにて6μmの膜厚で塗布した。
次に、前記塗布面に、GSユアサ社製のメタルハライドランプ照射装置にて、1回の照射エネルギー量が200mJ/mとなるように照射し、タックフリーになるまで照射することによって印刷物を作製した。
前記で得た印刷物の印刷面(塗膜表面)に、500gの荷重をかけたベンコット(旭化成株式会社製ワイパー)を10回滑らせ、傷の有無を評価した。傷がつかなかった場合は更に500gの荷重をかけた後にベンコットを10回滑らせ、傷の有無を評価した。また同様にインクを塗布したアクリル板をGSユアサ社製のメタルハライドランプ照射装置にて、1回の照射エネルギー量が200mJ/cmとなるように照射し、タックフリーになるまで照射した。この操作で出来た硬化塗膜上に前記擦過を行い、傷がつかない最大の荷重を求めた。
Figure 2019099760
Figure 2019099760
Figure 2019099760

Claims (4)

  1. アスペクト比が1.8以下の顔料(A)、重合性不飽和二重結合を1個有する化合物(b)を含む重合性化合物(B)、及び、チオキサントン系化合物(c)を含む光重合開始剤(C)を含有する活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インクであって、前記光重合開始剤(C)が前記インクの全量に対して8〜20質量%の範囲で含まれることを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク。
  2. 前記重合性不飽和二重結合を1個有する化合物(b)が、前記インクの全量に対して65質量%以上含まれる請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク。
  3. 前記チオキサントン系化合物(c)が、前記インクの全量に対して2〜10質量%の範囲で含まれる請求項1または2に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インクを記録媒体に印刷する工程[1]、ならびに、前記印刷箇所にLED光源を用いて180〜240mJ/cmの紫外線を照射する工程[2−1]または前記印刷箇所にメタルハライドランプを用いて200〜400mJ/cmの紫外線を照射する工程[2−2]を有することを特徴とする印刷物の製造方法。
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