JP2012025124A - インクジェット記録方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】被記録媒体上に、インク組成物を吐出して、前記被記録媒体上に画像を形成する画像形成工程、前記被記録媒体上に吐出された前記インク組成物に、第1の活性放射線源として紫外線を発生する発光ダイオードを用いて紫外線を照射する第1の照射工程、並びに、前記第1の照射工程の後、前記被記録媒体上の前記インク組成物に、前記第1の活性放射線源とは異なる第2の活性放射線源を用いて活性放射線を更に照射する第2の照射工程、とを含み、前記第1の照射工程により前記インク組成物を1次硬化させ、前記第2の照射工程により前記インク組成物を2次硬化させて、前記被記録媒体上に硬化した前記画像を得ることを特徴とするインクジェット記録方法。
【選択図】なし
Description
インクジェット方式は、印刷装置が安価であり、かつ、印刷時に版を必要とせず、必要とされる画像部のみにインク組成物を吐出し被記録媒体上に直接画像形成を行うため、インク組成物を効率良く使用でき、特に小ロット生産の場合にランニングコストが安い。さらに、騒音が少なく、画像記録方式として優れており、近年注目を浴びている。
中でも、紫外線などの放射線の照射により硬化可能なインクジェット記録用インク組成物(放射線硬化型インクジェット記録用インク組成物)は、紫外線などの放射線の照射によりインク組成物の成分の大部分が硬化するため、溶剤系インク組成物と比べて乾燥性に優れ、また、画像がにじみにくいことから、種々の被記録媒体に印字できる点で優れた方式である。
かかるインクジェット記録方法においてインク組成物に対して紫外線などの放射線を照射する方法としては、これまでに種々の方法が提案されている(例えば特許文献1を参照)。
<1>被記録媒体上に、(成分A)重合性化合物として、(成分A−1)N−ビニル化合物、(成分A−2)芳香族基を有する単官能(メタ)アクリレート化合物、及び(成分A−3)インク組成物の全重量に対して1〜50重量%の多官能(メタ)アクリレート化合物、並びに、(成分B)ラジカル重合開始剤を少なくとも含有するインク組成物を吐出して、前記被記録媒体上に画像を形成する画像形成工程、前記被記録媒体上に吐出された前記インク組成物に、第1の活性放射線源として発光ピーク波長が300〜400nmの範囲である紫外線を発生する発光ダイオードを用いて紫外線を照射し、10〜500mJ/cm2のエネルギーを付与する第1の照射工程、並びに、前記第1の照射工程の後、前記被記録媒体上の前記インク組成物に、前記第1の活性放射線源とは異なる第2の活性放射線源を用いて前記被記録媒体表面での照度が1〜300mW/cm2の活性放射線を更に照射する第2の照射工程、とを含み、前記第1の照射工程により前記インク組成物を1次硬化させ、前記第2の照射工程により前記インク組成物を2次硬化させて、前記被記録媒体上に硬化した前記画像を得ることを特徴とするインクジェット記録方法、
<2>前記成分Aにおける単官能モノマーの含有量が、インク組成物の全重量に対して30重量%以上である、上記<1>に記載のインクジェット記録方法、
<3>前記第2の活性放射線源が、低圧水銀ランプである、上記<1>又は<2>に記載のインクジェット記録方法、
<4>前記第1の照射工程において照射する紫外線の前記被記録媒体表面での照度が100〜2,000mW/cm2である、上記<1>〜<3>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法、
<5>前記第2の照射工程において活性放射線を照射することにより前記被記録媒体上の前記インク組成物に付与するエネルギーが、100mJ/cm2以上である、上記<1>〜<4>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法、
<6>成分A−1が、N−ビニルカプロラクタムである、上記<1>〜<5>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法、
<7>成分A−2が、フェノキシエチルアクリレートである、上記<1>〜<6>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法、
<8>成分Bが、アシルホスフィンオキサイド化合物、α−アミノアセトフェノン化合物、及び、チオキサントン化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種を含む、上記<1>〜<7>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法、
<9>前記被記録媒体がポリ塩化ビニルである、上記<1>〜<8>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法。
なお、明細書中、数値範囲を表す「A〜B」の記載は「A以上B以下」と同義である。また、前記「(成分A)重合性化合物」等を単に「成分A」等ともいう。また、「アクリレート」、「メタクリレート」の双方あるいはいずれかを指す場合「(メタ)アクリレート」とも記載する。
まず、本発明のインクジェット記録方法を説明するに先立ち、本発明のインクジェット記録方法に使用されるインク組成物について詳述する。
本発明のインクジェット記録方法に使用されるインク組成物は、(成分A)重合性化合物として、(成分A−1)N−ビニル化合物、(成分A−2)芳香族基を有する単官能(メタ)アクリレート化合物、及び(成分A−3)インク組成物の全重量に対して1〜50重量%の多官能(メタ)アクリレート化合物を含有する。
インク組成物における成分Aの総含有量は、インク組成物の全重量に対して40〜98重量%であることが好ましく、50〜95重量%であることがより好ましい。
以下、成分A−1〜A−3のそれぞれについて説明する。
成分A−1としては、N−ビニルカルバゾール、1−ビニルイミダゾール、N−ビニルラクタム類を使用することが好ましく、N−ビニルラクタム類を使用することが更に好ましい。N−ビニルラクタム類の好ましい例として、下記式(N)で表される化合物が挙げられる。
特に、インク組成物は、N−ビニルラクタム類をインク全体の10重量%以上含有することが好ましい。N−ビニルラクタム類をインク全体の10%以上含有することで、硬化性、硬化膜延伸性、硬化膜の基材密着性に優れるインク組成物が提供できる。インク組成物中におけるN−ビニルラクタム類のより好ましい含有率としては、10重量%以上40重量%以下の範囲内である。N−ビニルラクタム類は比較的融点が高い化合物である。40重量%以下の含有率にて、0℃以下の低温下でも良好な溶解性を示し、インク組成物の取り扱い可能温度範囲が広くなり好ましい。より好ましくは12重量%以上40重量%以下の範囲内であり、特に好ましくは15重量%以上35重量%以下の範囲内である。
成分A−2は、以下の式(I)で表される化合物であることが好ましい。
X1は二価の連結基を表し、エーテル基(−O−)、エステル基(−C(O)O−若しくは−OC(O)−)、アミド基(−C(O)NR’−)、カルボニル基(−C(O)−)、窒素原子(−NR’−)、置換基を有していてもよい炭素数1〜15のアルキレン基、若しくは、これらを2以上組み合わせた二価の基、又は単結合であることが好ましい。X1は、芳香族基と任意の位置で結合することができる。
また、着色剤との親和性を向上させるという観点から、式(I)におけるX1の芳香族基と結合する端部は、酸素原子であることが好ましく、エーテル性酸素原子であることがより好ましく、式(I)におけるX1は−(CH2CH2O)p−(pは1又は2を表す。)であることが更に好ましい。
u個存在するR5は、それぞれ独立に一価又は多価の置換基であってもよく、一価の置換基として、ヒドロキシル基、置換若しくは無置換のアミノ基、チオール基、シロキサン基、又は、さらに置換基を有していてもよい総炭素数30以下の炭化水素基若しくは複素環基であることが好ましい。
すなわち、式(I)中、芳香族基として好ましいものは、単環芳香族であるベンゼンから1つ以上の水素を除いた基(フェニル基、フェニレン基等)のほか、2〜4つの環を有する多環芳香族基であり、限定されるものではない。具体的には、ナフタレン、アントラセン、1H−インデン、9H−フルオレン、1H−フェナレン、フェナントレン、トリフェニレン、ピレン、ナフタセン、テトラフェニレン、ビフェニレン、as−インダセン、s−インダセン、アセナフチレン、フルオランテン、アセフェナントリレン、アセアントリレン、クリセン、プレイアンデン等から1つ以上の水素原子を除いた基が例示できる。
インク組成物は、重合性化合物として、多官能(メタ)アクリレート化合物を含有する。インク組成物が多官能(メタ)アクリレート化合物を含有することにより、硬化膜の強度が向上する。ただし、成分A−3の含有量は、硬化膜の基材(被記録媒体)との密着性を保持する観点から、インク組成物の全重量に対して1〜50重量%であり、3〜40重量%であることが好ましい。
この「オリゴマー」とは、一般に有限個(一般的には5〜100個)のモノマーに基づく構成単位を有する重合体であり、重量平均分子量が400〜10,000であることが好ましく、500〜5,000であることがより好ましい。
前記オリゴマーは、複数の(メタ)アクリロキシ基を有する。
また、ウレタン(メタ)アクリレートは、2〜4官能のウレタン(メタ)アクリレートであることが好ましく、2官能のウレタン(メタ)アクリレートであることがより好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートを含有することにより、被記録媒体への密着性に優れ、硬化性に優れるインク組成物が得られる。
オリゴマーについて、オリゴマーハンドブック(吉川淳二監修、(株)化学工業日報社)も参照することができる。
ポリエステル(メタ)アクリレートとして、例えば、ダイセル・サイテック(株)製のEBECRYLシリーズ(例えば、EBECRYL770、IRR467、81、84、83、80、675、800、810、812、1657、1810、IRR302、450、670、830、870、1830、1870、2870、IRR267、813、IRR483、811等)、東亞合成(株)製のアロニックスM−6100、M−6200、M−6250、M−6500、M−7100、M−8030、M−8060、M−8100、M−8530、M−8560、M−9050等が挙げられる。
また、エポキシ(メタ)アクリレートとして、例えば、ダイセル・サイテック(株)製のEBECRYLシリーズ(例えば、EBECRYL600、860、2958、3411、3600、3605、3700、3701、3703、3702、3708、RDX63182、6040等)等が挙げられる。
成分A−1、成分A−2、及びこれら以外の単官能モノマーを含む単官能モノマーの総含有量は、インク組成物の総重量に対して、30重量%以上であることが好ましく、40〜95重量%であることがより好ましい。
インク組成物は、(成分B)ラジカル重合開始剤を含有する。ラジカル重合開始剤は、活性放射線等の外部エネルギーを吸収して重合開始種を生成する化合物である。
アシルホスフィン化合物としては、特開2009−096985号公報の段落0080〜0098に記載のアシルホスフィンオキサイド化合物が好ましく挙げられ、中でも、化合物の構造中に式(B−1)又は式(B−2)の構造式を有するものが好ましい。
中でも、式(B−3)で表されるモノアシルホスフィンオキサイド化合物としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド(Darocur TPO:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、Lucirin TPO:BASF社製)が好ましい。
中でも、式(B−4)で表されるビスアシルホスフィンオキサイド化合物としては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(IRGACURE819、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)が好ましい。
α−アミノアセトフェノン化合物としては、特開2009−096985号公報の段落0100〜0118に記載のα−アミノアセトフェノン化合物のうち、分子量が250以上のものが挙げられる。α−アミノアセトフェノン化合物としては、式(B−5)で表される化合物が好ましい。
X5は炭素数1〜4のアルキルチオ基又はモルフォリノ基であることが好ましい。
α−ヒドロキシアセトフェノン化合物としては、式(B−6)で表される化合物が好ましい。
Lは、炭素数1〜10のアルキレン基を表し、炭素数1〜5のアルキレン基が好ましく、メチレン基がより好ましい。
チオキサントン化合物は、式(B−7)で表される化合物であることが好ましい。
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、それぞれ隣接する2つが互いに連結して環を形成していてもよい。これらが環を形成する場合の環構造としては、5又は6員環の脂肪族環、芳香族環などが挙げられ、炭素原子以外の元素を含む複素環であってもよく、また、形成された環同士が更に組み合わさって2核環、例えば、縮合環を形成していてもよい。これらの環構造は置換基を更に有していてもよい。置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシル基、カルボキシ基及びスルホ基が挙げられる。形成された環構造が複素環である場合のヘテロ原子の例としては、N、O、及びSを挙げることができる。
ベンジルジメチルケタール化合物としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(IRGACURE 651、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)が好ましく挙げられる。
ラジカル重合開始剤の組み合わせとしては、ビスアシルホスフィンオキサイド化合物とモノアシルホスフィンオキサイド化合物との組み合わせ、アシルホスフィンオキサイド化合物とα−アミノアセトフェノン化合物とチオキサントン化合物との組み合わせ、アシルホスフィンオキサイド化合物とα−ヒドロキシアセトフェノン化合物との組み合わせ、アシルホスフィンオキサイド化合物とチオキサントン化合物との組み合わせが好ましく挙げられ、中でも、アシルホスフィンオキサイド化合物とα−アミノアセトフェノン化合物とチオキサントン化合物との組み合わせがより好ましい。
ラジカル重合開始剤の総量のうち、70重量%以上が、アシルホスフィンオキサイド化合物、又は、α−アミノアセトフェノン化合物であることが好ましく、アシルホスフィンオキサイド化合物であることがより好ましい。
また、増感剤を用いる場合、ラジカル重合開始剤の総使用量は、増感剤に対して、ラジカル重合開始剤:増感剤の重量比で、好ましくは200:1〜1:200、より好ましくは50:1〜1:50、更に好ましくは20:1〜1:5の範囲である。
インク組成物は、形成された画像部の視認性を向上させるため、(成分C)着色剤を含有してもよい。なお、着色剤を含有しないクリヤーインクも本発明のインクジェット記録方法に用いられるインク組成物に含まれる。
着色剤としては、特に制限はないが、耐候性に優れ、色再現性に富んだ顔料及び油溶性染料が好ましく、溶解性染料等の公知の着色剤から任意に選択して使用できる。着色剤は、活性放射線による硬化反応の感度を低下させないという観点から、重合禁止剤として機能しない化合物を選択することが好ましい。
本発明に使用できる顔料としては、特に限定されるわけではないが、例えばカラーインデックスに記載される下記の番号の有機又は無機顔料が使用できる。赤又はマゼンタ顔料としては、Pigment Red 3,5,19,22,31,38,42,43,48:1,48:2,48:3,48:4,48:5,49:1,53:1,57:1,57:2,58:4,63:1,81,81:1,81:2,81:3,81:4,88,104,108,112,122,123,144,146,149,166,168,169,170,177,178,179,184,185,208,216,226,257、Pigment Violet 3,19,23,29,30,37,50,88、Pigment Orange 13,16,20,36、青又はシアン顔料としては、Pigment Blue 1,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,17−1,22,27,28,29,36,60、緑顔料としては、Pigment Green 7,26,36,50、黄顔料としては、Pigment Yellow 1,3,12,13,14,17,34,35,37,55,74,81,83,93,94,95,97,108,109,110,120,137,138,139,153,154,155,157,166,167,168,180,185,193、黒顔料としては、Pigment Black 7,28,26などが目的に応じて使用できる。
酸化チタンは、特に限定されず、白色顔料として使用されている公知の酸化チタンから適宜選択して使用することができる。ルチル型二酸化チタン及びアナターゼ型二酸化チタンのいずれも使用することができるが、触媒活性能が低く、経時安定性に優れる点から、ルチル型二酸化チタンが好ましく使用される。
酸化チタンは上市されており、例えば、Tipaque CR60−2、Tipaque A−220(いずれも、石原産業(株)製)や、KRONOS1001、1014、1071、1074、1075、1077、1078、1080、1171、2044、2047、2056、2063、2080、2081、2084、2087、2160、2190、2211、2220、2222、2225、2230、2233、2257、2300、2310、2450、2500、3000、3025(いずれも、KRONOS社製)等が例示できる。
また、酸化チタンは、必要に応じて表面処理を行ってもよい。具体的には、例えば、シリカ、アルミナ、亜鉛、ジルコニア、有機物処理が行われ、処理方法によって耐候性や親油水性が異なる。本発明においてはアルミナ、亜鉛、ジルコニア、塩基性有機物処理されたものが好ましい。
分散染料の好ましい具体例としては、C.I.ディスパースイエロー 5,42,54,64,79,82,83,93,99,100,119,122,124,126,160,184:1,186,198,199,201,204,224及び237;C.I.ディスパーズオレンジ 13,29,31:1,33,49,54,55,66,73,118,119及び163;C.I.ディスパーズレッド 54,60,72,73,86,88,91,92,93,111,126,127,134,135,143,145,152,153,154,159,164,167:1,177,181,204,206,207,221,239,240,258,277,278,283,311,323,343,348,356及び362;C.I.ディスパーズバイオレット 33;C.I.ディスパーズブルー 56,60,73,87,113,128,143,148,154,158,165,165:1,165:2,176,183,185,197,198,201,214,224,225,257,266,267,287,354,358,365及び368;並びにC.I.ディスパーズグリーン 6:1及び9;等が挙げられる。
本発明において、溶剤が硬化画像に残留する場合の耐溶剤性の劣化、及び、残留する溶剤のVOC(Volatile Organic Compound:揮発性有機化合物)の問題を避けるためにも、着色剤は、重合性化合物のような分散媒体に予め添加して、配合することが好ましい。なお、分散適性の観点のみを考慮した場合、着色剤の添加に使用する重合性化合物は、最も粘度の低いモノマーを選択することが好ましい。着色剤はインク組成物の使用目的に応じて、1種又は2種以上を適宜選択して用いればよい。
インク組成物中における着色剤の含有量は、色、及び使用目的により適宜選択されるが、インク組成物全体の重量に対し、0.01〜30重量%であることが好ましい。
インク組成物は、(成分D)分散剤を含有することが好ましい。特に顔料を使用する場合において、顔料をインク組成物中に安定に分散させるため、分散剤を含有することが好ましい。分散剤としては、高分子分散剤が好ましい。
インク組成物中における分散剤の含有量は、使用目的により適宜選択されるが、インク組成物全体の重量に対し、0.05〜15重量%であることが好ましい。
インク組成物には、長時間安定した吐出性を付与するため、(成分E)界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載されたものが挙げられる。例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。
インク組成物には、その他の成分として、特開2009−096985号公報に記載の増感剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、褪色防止剤、導電性塩類、溶剤、高分子化合物、塩基性化合物等を添加してもよい。
本発明においては、吐出性を考慮し、インク組成物の25℃における粘度が40mPa・s以下であることが好ましい。より好ましくは5〜40mPa・s、更に好ましくは7〜30mPa・sである。また、吐出温度(好ましくは25〜80℃、より好ましくは25〜50℃)における粘度が、3〜15mPa・sであることが好ましく、3〜13mPa・sであることがより好ましい。インク組成物は、粘度が上記範囲になるように適宜組成比を調整することが好ましい。室温での粘度を高く設定することにより、多孔質な被記録媒体を用いた場合でも、被記録媒体中へのインク組成物の浸透を回避し、未硬化モノマーの低減が可能となる。さらにインク組成物の液滴着弾時のインク滲みを抑えることができ、その結果として画質が改善される。
本発明のインクジェット記録方法は、(a)被記録媒体上に、前記インク組成物を吐出して、前記被記録媒体上に画像を形成する画像形成工程、(b)前記被記録媒体上に吐出された前記インク組成物に、第1の活性放射線源として発光ピーク波長が300〜400nmの範囲である紫外線を発生する発光ダイオードを用いて紫外線を照射し、10〜500mJ/cm2のエネルギーを付与する第1の照射工程、並びに、(c)前記第1の照射工程の後、前記被記録媒体上の前記インク組成物に、前記第1の活性放射線源とは異なる第2の活性放射線源を用いて前記被記録媒体表面での照度が1〜300mW/cm2の活性放射線を更に照射する第2の照射工程、とを含む。かかる本発明のインクジェット記録方法は、前記第1の照射工程により前記インク組成物を1次硬化させ、前記第2の照射工程により前記インク組成物を2次硬化させて、前記被記録媒体上に硬化した前記画像を得るものである。
本発明において、被記録媒体としては、特に限定されず、公知の被記録媒体を使用することができ、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、ポリ塩化ビニル、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上述した金属がラミネートされ又は蒸着された紙又はプラスチックフィルム等が挙げられる。また、本発明における被記録媒体として、非吸収性被記録媒体を好適に使用することができる。
第1の照射工程において使用する発光ダイオードは発熱量が小さいため、発熱による被記録媒体の変形を回避することができる。発熱により容易に変形し得るが、本発明によれば変形を伴うことなく使用できる被記録媒体としては、プラスチックフィルムが挙げられ、特にポリ塩化ビニルのフィルムが好ましく挙げられる。
本発明で用いることのできるインクジェット記録装置としては、例えば、インク供給系、温度センサー、第1の活性放射線源、及び第1の活性放射線源とは異なる第2の活性放射線源を含む装置が挙げられる。
インク供給系は、例えば、インク組成物を含む元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク組成物供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドからなる。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、好ましくは1〜100pL、より好ましくは3〜42pL、更に好ましくは8〜30pLのマルチサイズドットを、好ましくは320×320〜4,000×4,000dpi、より好ましくは400×400〜1,600×1,600dpi、更に好ましくは720×720dpiの解像度で吐出できるよう駆動することができる。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
被記録媒体上に吐出されたインク組成物は、両工程により紫外線等の活性放射線を照射することによって硬化する。これは、インク組成物に含まれる重合開始剤が活性放射線の照射により分解して、ラジカルなどの重合開始種を発生し、その開始種の機能に重合性化合物の重合反応が、生起、促進されるためである。このとき、インク組成物において重合開始剤と共に増感剤が存在すると、系中の増感剤が活性放射線を吸収して励起状態となり、重合開始剤と接触することによって重合開始剤の分解を促進させ、より高感度の硬化反応を達成させることができる。
第1の照射工程は、被記録媒体上に吐出されたインク組成物に、第1の活性放射線源として発光ピーク波長が300〜400nmの範囲である紫外線を発生する発光ダイオードを用いて紫外線を照射し、10〜500mJ/cm2のエネルギーを付与する工程である。本発明では、かかる第1の照射工程により、被記録媒体上のインク組成物を1次硬化させる。
紫外線のピーク波長は、300〜400nmであり、増感剤の吸収特性にもよるが、350〜400nmであることが好ましく、360〜400nmであることがより好ましい。
なお、本発明の第1の照射工程において、第1の活性放射線源により紫外線を照射し、被記録媒体上のインク組成物に付与するエネルギー(露光量)とは、被記録媒体表面から1cm高の位置から紫外線を照射した場合に、UV測定器である「UV Power MAP」(EIT社製)により測定されたものである。
なお、本発明の第1の照射工程において、第1の活性放射線源により照射する紫外線の被記録媒体表面での照度とは、被記録媒体表面から1cm高の位置から紫外線を照射した場合に、UV測定器である「UV Power MAP」(EIT社製)により測定されたものである。
このように、稼働部に設けられる活性放射線源として小型かつ軽量のUV−LEDを用いることにより、インクジェット記録装置の小型化及び省エネルギー化を図ることができ、高い生産性で画像を形成することができる。また、UV−LEDは、露光条件の可変性に優れているため、インク組成物に応じて好適な露光条件を設定することができ、高い生産性で画像を形成することができる。
なお、第1の照射工程において1次硬化したインク組成物は、半硬化状態になっている。具体的には、増粘が進んでおり、インク液滴間での合一は起き難く、着弾干渉は防げるが、完全に硬化していないため、耐ブロッキング性は不十分な状態である。
第2の照射工程は、前記第1の照射工程の後、前記被記録媒体上の前記インク組成物に、前記第1の活性放射線源とは異なる第2の活性放射線源を用いて前記被記録媒体表面での照度が1〜300mW/cm2の活性放射線を更に照射する工程である。本発明では、かかる第2の照射工程により、被記録媒体上のインク組成物を2次硬化させる。
かかる活性放射線を照射するための第2の活性放射線源は、第1の活性放射線源とは異なるものであり、放電ランプであることが好ましい。具体的には、第2の活性放射線源としては、低圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等が挙げられ、中でも、紫外線のUV−B波長域(280〜315nm)又はUV−C波長域(100〜280nm)の発光効率が高く、ランプ管長の長い低圧水銀ランプを好適に使用することができる。ここで、低圧水銀ランプとは点灯中の水銀蒸気圧が1〜100Pa程度であり、中圧水銀ランプとは点灯中の水銀蒸気圧が100Pa〜100kPa程度であり、高圧水銀ランプとは点灯中の水銀蒸気圧が100kPa〜1,000kPa程度である。
なお、被記録媒体の幅に対してランプ管長が不足する場合は、数本のランプを、ムラをつくらないように互い違いに繋いで、長尺の光源とすることも可能である。
また、放電ランプの上方にリフレクターを配置して被記録媒体上に活性放射線を集光する構成としてもよい。放電ランプやリフレクターが過度に発熱し被記録媒体に影響するのを防止するため、ファン等の冷却手段により放電ランプやリフレクターを冷却する構成としてもよい。
なお、本発明の第2の照射工程において、第2の活性放射線源により活性放射線を照射し、被記録媒体上のインク組成物に付与するエネルギー(露光量)とは、被記録媒体表面から3cm高の位置から活性放射線を照射した場合に、UV測定器である「UV Power MAP」(EIT社製)により測定されたものである。
なお、本発明の第2の照射工程において、第2の活性放射線源により照射する活性放射線の被記録媒体表面での照度とは、被記録媒体表面から3cm高の位置から活性放射線を照射した場合に、UV測定器である「UV Power MAP」(EIT社製)により測定されたものである。
しかしながら、単にUV−LEDをインク組成物を硬化させるための紫外線源として用いるだけでは、高い生産性で十分にインク組成物を硬化させることは困難である。この点、本発明のインクジェット記録方法は、第1の活性放射線源とは異なる第2の活性放射線源として放電ランプ等を使用する第2の照射工程により、第1の照射工程を経た被記録媒体上のインク組成物を2次硬化させる。これにより、高い生産性で十分にインク組成物を硬化させることができ、耐ブロッキング性及び耐衝撃性に優れる画像を高い生産性で形成することができる。
こうして、本発明によれば、インクの着弾干渉を回避して着弾ムラを抑えると共に、耐ブロッキング性及び耐衝撃性に優れる画像を高い生産性で形成することができる。
本発明のインクジェット記録方法において、吐出する各着色インク組成物の順番は、特に限定されるわけではないが、明度の低い着色インク組成物から被記録媒体に付与することが好ましい。インク組成物として、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックのインク組成物を使用する場合には、イエロー→シアン→マゼンタ→ブラックの順で被記録媒体上に付与することが好ましい。また、これにホワイトを加えて使用する場合にはホワイト→イエロー→シアン→マゼンタ→ブラックの順で被記録媒体上に付与することが好ましい。さらに、本発明はこれに限定されず、ライトシアン、ライトマゼンタのインク組成物とシアン、マゼンタ、ブラック、ホワイト、イエローの濃色インク組成物の計7色が少なくとも含まれるインクセットとしても使用することができ、その場合には、ホワイト→ライトシアン→ライトマゼンタ→イエロー→シアン→マゼンタ→ブラックの順で被記録媒体上に付与することが好ましい。
このようにして、本発明のインクジェット記録方法は、第1の照射工程による紫外線の照射及び第2の照射工程による活性放射線の照射によって高感度でインク組成物を硬化させることで、被記録媒体表面に画像を形成することができる。
・Y顔料(イエロー顔料):C.I.ピグメントイエロー155(NOVOPERM YELLOW 4G−01、クラリアント社製) 30部
・BYK−168(ビックケミー社製) 20部
・PEA(フェノキシエチルアクリレート、第一工業製薬(株)製) 50部
上記の成分を撹拌し、イエローミルベースYを得た。なお、顔料ミルベースの調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで8時間分散することにより行った。
・M顔料(マゼンタ顔料):C.I.ピグメントバイオレット19(CINQUASIA MAGENTA RT−355D、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) 30部
・BYK−168(ビックケミー社製) 20部
・PEA(フェノキシエチルアクリレート、第一工業製薬(株)製) 50部
上記の成分を、イエローミルベースYの調製と同様の分散条件で撹拌し、マゼンタミルベースMを得た。
・C顔料(シアン顔料):C.I.ピグメントブルー15:3(IRGALITE BLUE GLO、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) 30部
・BYK−168(ビックケミー社製) 20部
・PEA(フェノキシエチルアクリレート、第一工業製薬(株)製) 50部
上記の成分を、イエローミルベースYの調製と同様の分散条件で撹拌し、シアンミルベースCを得た。
・K顔料(ブラック顔料):カーボンブラック(SPECIAL BLACK 250、デグサ社製) 40部
・BYK−168(ビックケミー社製) 25部
・PEA(フェノキシエチルアクリレート、第一工業製薬(株)製) 35部
上記の成分を、イエローミルベースYの調製と同様の分散条件で撹拌し、ブラックミルベースKを得た。
<インク組成物の作製方法>
表1に記載の素材を混合、撹拌することで、各インク組成物を得た。なお、表中の数値は各成分の配合量(重量部)を表す。
(成分A−1)
・NVC:N−ビニルカプロラクタム(V−CAP、ISP社製)
(成分A−2)
・PEA:フェノキシエチルアクリレート(NKエステルAMP−10G、新中村化学工業(株)製)
(単官能モノマー)
・ステアリルアクリレート(SR257、サートマー・ジャパン(株)製)
(成分A−3)
・DPDA:ジプロピレングリコールジアクリレート(SR508、サートマー・ジャパン(株)製)
・CN964(ウレタンアクリレートオリゴマー、平均官能基数2、サートマー・ジャパン(株)製)
(成分B)
・Irg819:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド(IRGACURE 819、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
・Irg369:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン(IRGACURE 369、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
(増感剤)
・DETX:KAYACURE DETX(日本化薬(株)製)
(重合禁止剤)
・ST−1:FIRSTCURE ST−1(Chem First社製)
次に、ピエゾ型インクジェットノズルを有するインクジェット記録装置を用いて、被記録媒体への記録を行った。インク供給系は、元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドから成り、インク供給タンクからインクジェットヘッド部分までを断熱及び加温を行った。温度センサーは、インク供給タンク及びインクジェットヘッドのノズル付近にそれぞれ設け、ノズル部分が常に40℃±2℃となるよう、温度制御を行った。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、1〜10plのマルチサイズドットを4,800×4,800dpiの解像度で射出できるよう駆動した。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。被記録媒体として、塩ビフィルム(P280RW、リンテック(株)製)を用いた。
第1の照射工程において紫外線を照射する第1の活性放射線源であるUV−LEDとしては、日亜化学工業(株)製NC4U134を用いた。前記LEDは1チップから波長365nmの紫外光を出力するものであって、電流量をコントロール(レンズを用いて集光)することにより、表面での照度を500mW/cm2に調整して用いた。これをインクジェットヘッドを含むヘッドユニットの両側に設け、印画直後に第1の照射工程を実施した。第1の照射工程で与えられた露光量は150mJ/cm2であった。
第2の照射工程において紫外線を照射する第2の活性放射線源である紫外線光源としては、低圧水銀ランプ(SGH−1700T6MT、ランプ管長1,700mm、ニッポ電機(株)製)を用い、被記録媒体の幅方向に一括照射できるように、被記録媒体の幅方向に対して管軸を平行に配置した。また、効率的に照射できるようにランプ上方には楕円型リフレクターを配置して、被記録媒体上に集光可能な構造とした。さらに、水銀ランプ及びリフレクターが過度に高温に達するのを回避するために、照射光源装置上方には数個のファンを配置して、空冷化した。また、ランプの発熱が被記録媒体に直接影響するのを回避し、ランプへのごみ、飛散インクの付着なども回避するために、ランプの管と被記録媒体とを30mm程度離すと共に、ランプと被記録媒体との間に、紫外線透過効率の高いガラス板(板厚2mm)を挿入した。この配置で被記録媒体上での紫外線照度が約20mW/cm2であることを確認して使用した。第2の照射工程で与えられた露光量は500mJ/cm2であった。
なお、第1の照射工程及び第2の照射工程における照度及び露光量は、EIT社製の「UV Power MAP」を用いて測定した。
これらに対し、比較例1では第2の照射工程を行わなかった点を除き、また、比較例5では第1の照射工程を行わなかった点を除き、それぞれ実施例1等と同様に露光を行った。
また、実施例6では第2の照射工程における照度を200mJ/cm2とした点を除き、また、比較例6では第2の照射工程における照度を500mJ/cm2とした点を除き、それぞれ実施例1等と同様に露光を行った。
表2には、各実施例及び比較例について、使用したインク組成物、第1の照射工程において第1の活性放射線源により照射した紫外線の被記録媒体表面での照度及び露光量、並びに第2の照射工程において第2の活性放射線源により照射した紫外線の被記録媒体表面での照度及び露光量をそれぞれ示す。
上記インクジェット記録方法にて得られた画像について着弾ムラを評価した。着弾ムラは、反射濃度が1.0となるベタ画像を10cm×10cm大で印画し、ムラを目視にて比較することにより評価した。着弾ムラの評価基準は以下の通りである。評価結果を表2に示す。
○:1m未満の至近距離でもムラを全く視認できない。
△:至近距離ではムラを視認できるが、1m以上の距離では視認できない。
×:1m離れていても、ムラが観測される。
上記インクジェット記録方法にて得られた画像について耐ブロッキング性を評価した。紫外線照射後の形成した画像上に、未印画の塩ビフィルムをのせ、更に荷重が25g/cm2となるように重りをのせて一日放置し、貼りつき度合を評価することにより、耐ブロッキング性を評価した。耐ブロッキング性の評価基準は以下の通りである。評価結果を表2に示す。
○:色転写がなく、貼りつき感が全くない。
△:色転写はないが、貼りつき感がある。
×:色転写がある。
上記インクジェット記録方法にて得られた画像について耐衝撃性を評価した。耐衝撃性は、500gの重りを50cmの高さから落下させた衝撃性試験を行い、以下の評価基準に照らして評価した。評価結果を表2に示す。
◎:割れ及びクラックの発生が全くない。
○:割れ及びクラックの発生がほとんどない。
△:割れ及びクラックが少々発生した。
×:硬化塗膜の剥離が発生した。
Claims (9)
- 被記録媒体上に、(成分A)重合性化合物として、(成分A−1)N−ビニル化合物、(成分A−2)芳香族基を有する単官能(メタ)アクリレート化合物、及び(成分A−3)インク組成物の全重量に対して1〜50重量%の多官能(メタ)アクリレート化合物、並びに、(成分B)ラジカル重合開始剤を少なくとも含有するインク組成物を吐出して、前記被記録媒体上に画像を形成する画像形成工程、
前記被記録媒体上に吐出された前記インク組成物に、第1の活性放射線源として発光ピーク波長が300〜400nmの範囲である紫外線を発生する発光ダイオードを用いて紫外線を照射し、10〜500mJ/cm2のエネルギーを付与する第1の照射工程、並びに、
前記第1の照射工程の後、前記被記録媒体上の前記インク組成物に、前記第1の活性放射線源とは異なる第2の活性放射線源を用いて前記被記録媒体表面での照度が1〜300mW/cm2の活性放射線を更に照射する第2の照射工程、とを含み、
前記第1の照射工程により前記インク組成物を1次硬化させ、前記第2の照射工程により前記インク組成物を2次硬化させて、前記被記録媒体上に硬化した前記画像を得ることを特徴とする
インクジェット記録方法。 - 成分Aにおける単官能モノマーの含有量が、インク組成物の全重量に対して30重量%以上である、請求項1に記載のインクジェット記録方法。
- 前記第2の活性放射線源が、低圧水銀ランプである、請求項1又は2に記載のインクジェット記録方法。
- 前記第1の照射工程において照射する紫外線の前記被記録媒体表面での照度が100〜2,000mW/cm2である、請求項1〜3のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法。
- 前記第2の照射工程において活性放射線を照射することにより前記被記録媒体上の前記インク組成物に付与するエネルギーが、100mJ/cm2以上である、請求項1〜4のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法。
- 成分A−1が、N−ビニルカプロラクタムである、請求項1〜5のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法。
- 成分A−2が、フェノキシエチルアクリレートである、請求項1〜6のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法。
- 成分Bが、アシルホスフィンオキサイド化合物、α−アミノアセトフェノン化合物、及び、チオキサントン化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種を含む、請求項1〜7のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法。
- 前記被記録媒体がポリ塩化ビニルである、請求項1〜8のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法。
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